1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年三月四日(木曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 千葉 三郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君
理事 坊 秀男君 理事 山本 勝市君
理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君
理事 井上 良二君
宇都宮徳馬君 大平 正芳君
小西 寅松君 島村 一郎君
福田 赳夫君 藤枝 泉介君
堀川 恭平君 池田 清志君
小川 豊明君 加藤 清二君
三鍋 義三君 春日 一幸君
平岡忠次郎君
出席政府委員
大蔵政務次官 植木庚子郎君
大蔵事務官
(主計局総務課
長) 佐藤 一郎君
大蔵事務官
(管財局長) 窪谷 直光君
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
農林政務次官 平野 三郎君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主計官) 小熊 孝次君
農林事務官
(農地局管理部
営農課長) 丸山 文雄君
農林事務官
(食糧庁総務部
長) 新澤 寧君
通商産業事務官
(企業局特需課
長) 影山 衛司君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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三月三日
委員井上良二君辞任につき、その補欠として堤
ツルヨ君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
委員堤ツルヨ君及び柴田義男君辞任につき、そ
の補欠として井上良二君及び三鍋義三君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員三鍋義三君辞任につき、その補欠として柴
田義男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
井上良二君が理事に補欠当選した。
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三月三日
入場税の国税移管反対に関する請願(椎熊三郎
君紹介)(第三四号)
同(鈴木茂三郎君紹介)(第三五号)
同(春日一幸君紹介)(第三六号)
同(赤松勇君紹介)(第三七号)
同(田嶋好文君紹介)(第五四四号)
同(庄司一郎君紹介)(第一三五七号)
所得税制度改正に関する請願(中川俊思君紹
介)(第二七九九号)
揮発油税軽減に関する請願(田子一民君紹介)
(第二八一二号)
同(細迫兼光君紹介)(第二八一三号)
同(鈴木正文君紹介)(第二八一四号)
同(中村時雄君紹介)(第二九二九号)
同外五件(田口長治郎君紹介)(第二九三〇
号)
同(安井大吉君紹介)(第二九三一号)
同(大村清一君紹介)(第二九三二号)
同(辻文雄君紹介)(第二九三三号)
同(高橋禎一君紹介)(第二九三四号)
同外五件(木原津與志君紹介)(第二九三五
号)
砂糖消費税引上げ反対に関する請願(中川俊思
君紹介)(第二八一六号)
物品税法廃止に関する請願(有田二郎君外一名
紹介)(第二八一七号)
織物消費税の復活反対に関する請願外六件(島
村一郎君紹介)(第二八一八号)
同外二件(宇都宮徳馬君紹介)(第二八一九
号)
同(伊東岩男君紹介)(第二八二〇号)
同(森清君紹介)(第二八二一号)
同外一件(菊池義郎君紹介)(第二八二二号)
同(只野直三郎君紹介)(第二八二三号)
同(原彪君紹介)(第二八二四号)
同(鈴木茂三郎君紹介)(第二八二五号)
同(加藤清二君紹介)(第二八二六号)
同外一件(加藤勘十君紹介)(第二八二七号)
同(山本勝市君紹介)(第二八七七号)
同(河野密君紹介)(第二八七八号)
同外一件(三輪壽壯君紹介)(第二八七九号)
同(田中織之進君紹介)(第二九三七号)
同(原彪君紹介)(第二九三八号)
同(島村一郎君紹介)(第二九三九号)
同(櫻内義雄君紹介)(第二九四〇号)
同(鈴木仙八君紹介)(第二九四一号)
同(片島港君紹介)(第二九四二号)
生命共済掛金に対する所得税の基礎控除に関す
る請願(増田甲子七君紹介)(第二九一一号)
揮発油税等軽減に関する請願(高橋禎一君紹
介)(第二九三六号)
棚倉税務署存置に関する請願(山下春江君紹
介)(第二九四三号)
たばこ小売人の利益率引上げに関する請願(西
村英一君紹介)(第二九四四号)
国有財産炭鉱労務者医療救護施設の使用料免除
に関する請願(伊藤卯四郎君紹介)(第二九五
四号)
局納みつまたの納入数量確保並びに価格安定に
関する請願(井谷正吉君外二名紹介)(第二九
五七号)
の審査を本委員会に付託された。
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同日
入場税の国税移管反対並びに入場税の撤廃に関
する陳情書
(第八四四号)
入場税等の国税移管反対に関する陳情書
(第一〇六三号)
同(第一一二四
号)
同(第一一二五
号)
同(第一一二六
号)
同(第一三六一
号)
積雪寒冷地帯における固定資産耐用年数短縮に
関する陳情書(第
一三六四号)
昭和二十九年度予算に関する陳情書
(第一三七四
号)
金融引締緩和等に関する陳情書
(第一三七五号)
勤労所得税軽減に関する陳情書
(第一三七六号)
織物消費税復活反対の陳情書
(第一三七七号)
麻製品に対する消費税賦課反対の陳情書)
(第一三七八号)
寒冷地課税特別控除の立法に関する陳情書
(第一三七九号)
共済組合関係事務職員の減員反対の陳情書
(第一三八〇号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
理事の互選
昭和二十八年度における国債整理基金に充てる
べき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第四号)
開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源
に充てるための一般会計
からする繰入金に関する法律案(内閣提出第一
一号)
緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律
案(内閣提出第一二号)
昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家
等に対して米麦を特別価格で売り渡したことに
より食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんす
るための一般会計からする繰入金に関する法律
案(内閣提出第二六号)
財政法第四十二条の特例に関する法律案(内閣
提出第三四号)
当せん金附証票法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三六号)(参議院送付)
食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第五四号)
国有財産法第十三条第二項の規定に基き国会の
議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)(
参議院送付)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/0
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001・千葉三郎
○千葉委員長 これより会議を開きます。
議案の審査に入ります前に、理事の辞任補欠選任の仲についてお諮りいたします。それは昨三日、理事井上良二君が委員を辞任せられましたので、その補欠選任をいたしたいと存じますが、井上君が本日再び本委員会に帰られましたので、井上君を再び理事に指名いたしたいと存じます。この点御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/1
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002・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
——————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/2
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003・千葉三郎
○千葉委員長 次に、本日の日程に掲げました十二の法案中、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案、昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、財政第四十二条の特例に関する法律案当せん金附証票法の一部を改正する法律案及び国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の七件を一括して質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。
なお本日の政府側より出席いたしておりまする方々は、植木大蔵政務次官、河野銀行局長、主計局の佐藤総務課長、窪谷管財局長、説明員といたしまして食糧庁の新澤総務部長、丸山営農課長、通産省の影山特需課長、小熊主計官の諸君であります。
それでは井上君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/3
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004・井上良二
○井上委員 ただいま議題となりましたうち、本日採決することになつております緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案について、一、二質問をいたしたいと思いますが、この会計は、朝鮮動乱に基いて緊要物資の買入れのために設けられたのであります。ところが朝鮮動乱が終局いたしました後においても、二十八年度で四億七千七百万円と大体推定されるものが買い入れられておりますが、これらのものは現在どうなつておりますか。この特需用の原材料を現在政府は手持ちをいたしておりますか、それとも相当売り払つておりますか。もし手持ちをしておるとすれば、品名別にどういうものを手持ちをされておりますか。私どもの調べたところによると、ニッケル、タングステン、合成ゴム、皮類など約五億が在庫されているというのですが、この在庫はどこへどういう方法で処分されようとするのか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/4
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005・影山衛司
○影山説明員 お答えをいたします。御承知のように緊要物資輸入基金特別会計は、二十六年の四月に、本来特需用の物資を買いつける特別会計として設立されたのでありますが、それが途中で二十七年の七月から、個々の適用対策範囲を広げまして、国際的な割当物資だとか、その他外国政府で輸出統制をやつておる物資、国際的に供給の不足しておる物資に適用範囲を広げたわけでございまして、その適用範囲を広げましたことに基きまして、二十八年度もやはり買付を続けて参つたわけでございます。この二十八年度中に買いつけました物資は、先ほどお話がございましたように、約二億くらいでございます。それで緒局のところ昭和二十八年十二月末現在約四億三千万円の物資が在庫になつております。その四億三千万円の物資のうち、品目及び金額について申し上げますと、先ほどお話がございましたように、ニッケルが約百六十三トンで六千七百万円以上、それからコバルトが二十トンで五千五百万円、タングステンが六十トンで八千三百万円、モリブデンは十二月末では在庫はございません。合成ゴムが約六百トンで一億六千万円、それからアスベストが八十二トンで約二千五百万円、亜麻仁油が二トンで、処分済み、それから皮が約三千万円、そういうふうになつております。それで、これの今後の処分のやり方でございますが、ニッケルの百六十三トン、これは主として特需用に向けるということになつておりますので、これは特需用の契約ができたということの証明書を持つて来たものに対して売却をするということになつておりますから、月十トンから五トンくらいのものであります。今後この緊特会計が、基金がなくなります五月末を一応予想してみますと、約百二十八トンくらい残ると思います。しかしこれは非常に確実に出て行くものでありますから、これの処分については全然不安はないわけでございます。それからコバルト二十トンにつきましては、もうすでに処分を終つております。それからタングステンの六十トン、これももう処分を終つております。それからモリブデン、これは在庫はございませんが、現在八十六トンほど買い入れました。しかしこれも処分がほぼ終つております。問題は合成ゴムでございますが、これは六百トンばかり在庫になつております。この用途はタイヤとかチューブとかくつの底、それからはきもの、そういうふうなものの底に使うわけでございますが、非常に耐久性がございます。合成ゴムにつきましては、日本でも合成ゴムを使うということについて工場の方で研究をしておつたわけでありますが、これが最近非常に研究が進みまして、今まで月に十トンくらいしか出ておりませんでしたものが、ことしになつてから大体五十トンくらいもう出ております。五十トンから百トンの間くらい今後出て行くものと思われますので、六百トンの在庫がございますけれども、この処分につきましては、少くとも本年中くらいにはさばけてしまうというふうに楽観しております。それから次にアスベスト八十二トン、これについても三月末には処分が終るということになつております。それから亜麻仁油二トンばかり、これも処分が済んでおります。皮についても約三千万円分、本日現在においてもう処分が済んでおります。こういうわけで、あとの在庫が残る見込みがあるのは、先ほど申し上げましたように、ニッケルと合成ゴムだけということになりまして、そのいずれも確実に処分ができるという見通しをつけております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/5
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006・井上良二
○井上委員 そうしますとこの会計を廃止することになりますが、この会計の清算はもうはつきりついておりますか。その清算の内容の大要を一応御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/6
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007・影山衛司
○影山説明員 清算と申します意味でございますが、これは未収金とか未納金とかいうものの意味と思いますが、緊特会計におきましては、過去におけるいろいろ政府のやつた商売の経験を生かして取引をやつておりますので、幸いにして未収金とか未収債権とか、そういうものは一件もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/7
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008・井上良二
○井上委員 そうしますと、緒局ニッケルとゴムだけが在庫物資として残る。これは大体二十九年度に持ち越されることになりますが、二十九年に持ち越された売上金は、一般会計の雑収入に入れるのですか、一体どこに入れるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/8
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009・影山衛司
○影山説明員 六月以降は一般会計の雑収入に入ることになります。緊特会計は三月末で終りますけれども、特別会計には御承知のように整理期間がございます。基金につきましても、整理期間と同じように五月末まで存続させるということになつております。この五月末でそういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/9
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010・井上良二
○井上委員 この問題はそのくらいにいたしておきまして、次に、昨日質問をいたしておりました食糧管理特別会計法の一部改正案についてさらに二、三質問をいたしたいのですが、昨年産米の価格をきめます場合に、いろいろな経済諸事情を考慮した上、さらに豊凶係数を一応出しまして、本年から豊凶係数による追払金を支払う、こういうことになつて、最初石当り五百円を支払つた。ところがその後さらにその指数の取り方にいろいろ議論が出て参りまして、その後正確な試算によりますと、少くともあともう五百円余り政府は追加払いをしなければねらぬことになる数字が出ておるのにかかわらず、実際は五十五円しか追加払いをしない。こういうことに閣議できめたということでございますが、その間の事情を一応御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/10
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011・新澤寧
○新澤説明員 今御質問のありました減収加算額については、お話のありました通り昨年生産者米価をきめる際に、すでに当時の作況が非常に悪化を予想せられておりましたために、従来のパリティ指数によつて算出されただけの価格では、この作況の低下に基く農家収入を全部カバーすることができないというので、すでに麦の価格をきめるときに用いられておりました豊凶係数の考え方を取入れまして、米にもそういう考え方を取入れて行こうということになりまして、当時の情勢、作況にかんがみまして、約五百円の概算払いをしたわけでございます。ただその五百円の概算払いをいたしましたときには、一応麦に適用されておつたやり方を、かりに米の場合適用したらばどれくらいになるだろうかということで概算をした数字で概算払いしたわけでありますが、米の場合と麦の場合とでは、その豊凶係数の適用に関してもまつたく同じ考え方で適用するのがいいのかどうかということに関しましては、そのときには十分結論が出ておりませんでしたので、これは米価審議会に小委員会を設けまして、専門の方々によく研究をしていただき、その算出の方法を考えていただく、その結果によつて精算払いをするということになつたのでございます。その小委員会を開きました結果、小委員会の答申としましては、大体麦の価格をきめる際と同じような方式を適当とするという答申が出されたわけでありますが、その答申に付随いたしまして、あわせて小委員会の少数意見として、米の凶作の場合においては、地域的な作柄の差が非常にあるので、単に平均から出した算出方法を適用するということは地域的な不均衡をもたらすことになるので、その地域的な作柄のアンバランスを調整するための係数をこれに取入れた方がよりいいであろうという少数意見も答申せられたのであります。その後政府といたしましては、その答申案に基きまして、多数意見である計算方式を採用するか、少数意見を採用すべきかについて、いろいろ作柄の実態並びに財政的な見地をもあわせ検討いたしました結果、作柄の地域的な不均衡をそのまま単に平均したものをもつて減収加算額を算出するよりは、やはり分散度というものを考慮したものを採用するのがいいであろうということで、少数意見に基く算出をいたしたのであります。多数意見と申しますか、小委員会の答申そのままの算式を用いて算出をいたしますれば、お話の通り約五百円内外の追加払いをするということになります。しかし正式に取上げることといたしました分散度を考慮した算式によりますれば、減収加算額の総額は五百五十三円という数字が出るのでありますが、これを一俵当りに直しますと、追加分に若干端数がつきますので、一俵当り二十二円というふうに切上げをいたしました結果が、石当りに直しまして五十五円——前回の概算払いに追加をいたしまして五十五円、結局減収加算額の総額は五百五十五円を支払うことに今回決定いたし、価格改訂の告示をとりきめた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/11
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012・井上良二
○井上委員 あなたはこの方の専門家でないですから、あまり追究して質問するのはどうかと思いますけれども、しかし食管会計の全体の問題にやはり関連する食糧証券の発行の問題でございますから伺うのです。そうしますと政府は、減収加算額というものは昨年産米の政府買入れ額二千百万石を対象にいたしておりますのか、それとも特に風水害その他によつて非常な減収を受けましてその地帯別の減収率に応じて減収加算額を支払う方針にきめたのですか、その点をひとつはつきり伺つておきたい。つまり全国的に政府が買い入れます二千百万石に減収加算額を支払うということにすれば、石当り五百五十五円になるということでやつておりますのか、それとも特にその減収のひどい地域的に算定した結果こういう数字になつたということですか、どつちですか、それをはつきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/12
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013・新澤寧
○新澤説明員 減収加算額は、政府の買入れ総量に対して支払うのです。減収のはなはだしかつた地方から買い入れる米だけに加算されるものでなくて、全部に対して加算されるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/13
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014・井上良二
○井上委員 いろいろこれはりくつがございましようけれども、われわれ血の出るような税金の中から——たとえば二十八年度風水害の被害を受けました農家の飯米に対しても、一般会計から相当これに対する補給をいたしております。また消費者米価と生産者米価との開きを調節する上からも、一般会計から相当な穴埋めをいたしておる、そういうときに、昨年の産米の供出の状況をあなたは御存じでありましようか。政府割当よりもはるかに上まわつた供出をいたしておる県が全国に何県おありになりますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/14
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015・新澤寧
○新澤説明員 割当を上まわつて出した県の方が——四十六府県中ほとんど大部分の県が現在までに供出割当を上まわつております。供出割当に達しない県は一、二県を数えるのみであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/15
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016・井上良二
○井上委員 これから上になつて来ると総務部長さんではちよつとぐあいが悪いですが、だれか責任のある者を呼んでください。
そこでこれは減収加算でしよう。昨年度の産米は大体どうですか。凶作ということからこの減収加算額は出て来ておるのでしよう。それが政府の割当よりもいずれも上まわつたということになると、どだいややつこしいことになります。そうしてまた事実ほんとうに凶作のために被害を受けた農家の再生産を償う、拡大生産のための補いをしてやるということの減収加算の方が正しいではありませんか。そうでなしに、昨年よりも豊作である地帯に減収加算額を見込んでやるというのは、政治的感覚から言うとどうもおかしいと思いますが、事務当局はそれでいいとお考えになりますか。そういう食管の歳出を大蔵当局は認めるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/16
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017・新澤寧
○新澤説明員 減収加算額の基礎となつた生産推定実収高、これは農林省の統計調査事務所の数字を基礎にして出ているわけであります。現在最も信頼の置ける唯一の数字として、これを基礎にしているわけであります。割当に際しましては、もちろん統計調査事務所の調査の結果の収穫見込みというものが基礎になりますが、そのほかに、ほかの要素といたしまして農家保有高等が入つて参ります関係上、実際の割当の折衝の過程におきまして、いろいろな数字の話合いの結果、今のような割当数字が出ているわけであります。この割当が非常に甘過ぎたというような御批判もありますけれども、当時の事情としては、食糧庁として得られる限りの資料に基いて割当をきめたわけであります。従いまして、現在の全国的な非常な超過供出の状況が、単に割当が甘いことにのみ基因しているとも考えられませんので、生産者に対して相当麦を食べて米を出していただきたいということで、相当麦を送つております。それも相当に消化されておりますので、そういうようなこともこの超過供出に大いに力があるものというふうに考えております。
それから減収加算額を全国平均的に出すことはいけないので、特に被害の激甚な地方に対してのみ出すのが至当だという御意見であります。そういう御意見もあるいはあろうかと思いますが、現在の米価の建て方から申しますと、地帯別に米価が違つているということもいたしかねますので、やはり米価ということになりますと、全国一本の米価ということになります。そういたしますと、その場合に加算される減収加算額につきましては、やはり作況の分散度を考慮して、ある程度の考慮を加えた加算をして出すということで減収加算額も立て、今の米価の建前から、地域別の米価を立てるということはむずかしいのではないかと考えております。被害激甚な地方に対する救済の方策というのは、米価と離れてまた別の面で考慮すべきであるというような考えを持つのが至当であろうというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/17
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018・井上良二
○井上委員 私は、減収加算額というものは一つの政治的な米価と見ている。真の米価の基礎となるべきものでないと思います。大体基本米価が生産費を償う価格でないということで常に問題になつておりますので、政府はいろいろな名目のいわゆる政治米価を積み重ねて来ているわけです。だから米価は、御承知の通り一方においては生産農民の生産費を償うことを保障するとともに、一方においてはこれがわが国の国民生活の大きな要素になつている関係から、消費者価格との関係を考えなければなりませんから、そういう面で、われわれ減収加算額のきめ方というものが、特に消費者側の立場からこれを見ました場合に、はなはだどうも納得の行かぬやり方が多い。特に被害が非常に深刻な地帯の農家に対して、飯米まで国庫負担で生産者価格で渡しているような措置をとつておりますのに、その地帯の減収に対して必要な救済措置を講じておらぬ。反対に、二十七年度よりも二十八年度が非常に豊作で、またその供出においてもおそろしく割当を上まわつている地帯がこの減収加算の恩典にあずかつているということは、何としても私どもは納得行きません。そういうようなことを大蔵省は認めてよいとお思いになりますか、そんなことが妥当な米価のきめ方、減収加算の方法だとお思いになりますか。どう思いますか、政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/18
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019・植木庚子郎
○植木政府委員 減収加算の金額は、今仰せのように、一種の政治的米価に類するものではないかという意味の御意見もございましたが、ある意味においては、減収加算というものは、非常に政治的な性質を帯びているものということに私も同感であります。しかしながら、その減収加算額を出すことがいいか悪いかという問題につきましては、一体米の生産量が非常に少くて、そのために供給量が需要に対して足りないという大原則がそこに行われて来るのでありますから、もしこれが自由経済であるならば、米の値段が自然高くなることは、これはやむを得ない実情になると思うのであります。今回政府が、米の問題につきましては配給及び価格ともに一種の統制をやつておりますから、こういう事態におきまして、いわゆるパリティ計算によつて出しました基本米価そのもので放置しておいていいかどうかというふうに考えますと、これは何としても生産者にとつては納得できない価格であろうと思うのであります。そこで政府が御承知のように最初の基本米価をきめますときから、当時における作況等から考えまして、先ほど係員からも御説明申し上げましたように、五百円という概算的な金額をまず減収加算として加算し、その後の作況がだんだん明らかになり、供出の状況もだんだんはつきりして来たこの状態において、一定の方式を立てまして、その方式によつて今回の追加払いをすることになつたのでありますが、これまた冒頭申し上げましたような生産者に対する生産意欲を刺激し、かつ農家の所得をでき得る限り他の業態と権衡を保たしめて行くという立場から考えれば、やむを得ないものだ、かように私は考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/19
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020・井上良二
○井上委員 政治的にいろいろ考慮すれば、今政務次官の御答弁のようなことも考えられると思います。しかし国民の血税を預かつてこの会計が一部まかなわれているということを考えるときに、その使途に対しては相当明確な線を国民に示す必要があります。そこでこの減収加算、すなわちこれを支払います土台になつておる豊凶係数の見方でありますが、たとえばわが国の米の生産が平年度五千八百万石なら五千八百万石が妥当だ、あるいは六千万石なら六千万石が妥当だ、それから何ぼ下つた場合は減収になり、それから上の場合は豊作になるという動かすことのできない基本的な数字があろうと思います。それを御説明願うことが一つと、それから、それから上で豊作になりました場合は、豊作に伴う減額をいたしますか。当然そういうことになりますが、今のお話のようなことになりますならば、政治的に全体の米が少いから高くなるので、そこで減収加算をやつて米価の妥当性を政治的に考慮する、こういうお考えです。そうするならば、やはり一定の線以上豊作になつた場合は、それだけ安く見積りますか。そこに問題が起つて来ます。だから政治性の米価というものと、ほんとうに農家の生産を償い、再生産を確保するという意味の真の生産米価というものとは、別に考えるべきである。だから政治的に議論をすればそういうことになりますが、そういうことをお考えになつておりますか。この点は農林次官もともにお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/20
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021・平野三郎
○平野政府委員 豊凶係数は、これは自由経済の原則と申しますか、米が非常に豊作である場合においては非常に安くなり、凶作の場合においては高くなる、こういうことからこういう制度ができておるものと考えております。ことに麦につきましては、御承知の通り法律ではつきり定められておるわけでございまして、米につきましても法律はございませんが、米価審議会の御意等によりまして、大体麦に準じた方式をとる、こういうことで、これを米価に加味いたしておるわけでございます。米価につきましては、今までこれを適用したことはなかつたわけでありますが、本年の異常な凶作にかんがみまして、今回豊凶係数を加える、こういう措置をとつたわけでございます。今お尋ねの豊作の場合はどうなるかということでありますが、これも麦の場合においてきまつておりますように、上下五%というものは見ませんけれども、それ以上の豊作あるいは凶作の場合においては当然加味する、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/21
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022・井上良二
○井上委員 そうしますと、その上下五%というのは、専門家の方において係数を出しております数字は何ぼですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/22
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023・平野三郎
○平野政府委員 麦の場合においては、はつきり法律で定まつておりますように、上下五%というものは見ないわけでございますが、それ以上の豊作、凶作の場合においては、当然自動的に価格にこれを組み入れる、こういうことになつております。その数字の根拠は、統計調査部において調査をいたしました数字を根拠とするわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/23
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024・井上良二
○井上委員 昨年度産米の豊凶係数による指数は何ぼになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/24
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025・平野三郎
○平野政府委員 昨年度はたしか八四・三であつたと存じます。(「はつきりしなさい」と呼ぶ者あり)ちよつと今事務当局で調べておりますが、私の記憶では八四・三だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/25
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026・井上良二
○井上委員 これは非常に大事なことですからお伺いしますが、最初の五百円追加払いをすると言いましたときの数字と、その後政府の方で指数がかわつたということから、確かに千何ぼ払わなければならぬことになる。しかし予算的その他の関係で五百五十五円よりしか払えない。こういうお話を聞いておるのですが、そうじやないのでございますか。最初五百円仮払いをいたしますときの数字と、それから最後の本きまりの数字と、その指数がかわつておると私は聞いておりますが、違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/26
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027・平野三郎
○平野政府委員 五百円の概算払いをいたしまする当時は、確かに作況の中間報告の状況が九一くらいであつたと存じます。そのために最終の数字がたしか八四・三になつたと、こういうわけで、麦の場合と同じ方式で行きますと、九百四十三円支払わなければならぬということになるわけでありまして、五百円を払つておりますが、あとさらに四百何十円払うべきである。こういうことになるわけでありまして、米価審議会では全会一致をもつてそうすべきであるという答申がございましたし、また衆議院の農林委員会におきましても、全会一致をもつて米価審議会の意見通り支払え、こういう決議もあつたわけでございます。先ほど井上委員のお話のように、これは豊作農民には非常に役立つわけでありますが、凶作対策にはならぬ、こういうような考えを政府としては持つておりまして、さすが井上さんだけあると思つて、その御意見には心から敬意を払つておる次第であります。しかしながら、これは必ずしも政治的な意味で米価審議会の意見通り払わないという意味ではなく、やはり米価審議会の中の少数意見ではありますけれども、分散度を考慮すべきである。こういう御意見がありまして、政府としてはそれを採用して五百五十五円という結論に達したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/27
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028・井上良二
○井上委員 最初五百円仮払いするときの数字から、さらにその被害額は深刻化しておりまして、はるかにそれを下まわるというところで、政府みずから九百四十三円を払わなければならぬという数字を認めながら、これを払わずにおく、五百円払うときは、これは全国平均石当りお払いをいたして、その場合凶作対策として別に甲乙を考えずにおやりになつて、今度は四百四十三円払うことになつた場合は惜しくなつて、これは凶作対策に効果がなくなつて来たによつて、五十五円だけ払おうか、やめや、そういうことなら、いつそのことみな払わぬようにするかと思つておると、あと五十五円だけちよつぴりやる。こういうのはどういうことですか。政府が八四・三という数字を認めなければ別ですよ、五百五十五円の数字になつておるものを八四・三だというので、豊凶係数の見方に、政府の見方と農民側の見方と違うということから来ておるのなら、これは議論の余地もありません。ところが政府みずから八四・三を認めておきながら、しかも前後においては凶作対策としてこれをやつておきながら、後段においてやらぬというのは、どういうわけであるか、そんなら前段のものにやりかえるべきではないか、そんなべらぼうな金の使い方は私ども認めませんよ。これはわれわれの税金ですよ。そんないいかげんなだらだらした話があるか。そこをはつきりしなさいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/28
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029・平野三郎
○平野政府委員 これは先ほど申し下げましたように、麦の場合においては、法律ではつきり豊凶係数を加味するように定まつております。従つて米の場合においても当然そうすべきであり、米価審議会の御意見を尊重いたしまして、とりあえずおそらく五百円くらいは払わなければならぬであろう、こういうことで目の子算で概算払いをいたしたわけでございます。その後最終的数字の結果が、今申し上げましたように麦の算定方式と同じ方式をとりますと九百四十三円になる、こういうことになるわけであります。ただ先ほど申し上げましたように、豊凶係数というものは、凶作対策にならないということは政府の感想でありまして、別にそれを基礎として今回五十五円にした、こういうことではないわけでございます。法律で定まつておりますから、その法律の精神によつて計算をするとそういうことになる。ただ計算の算定方式はいろいろあるわけでありまして、その算定方式のうちで、麦の場合の方式をとれば九百四十三円になりますし、いわる地域の非常なアン・バランスがありますから、この分散度というものを考慮した方式をとりますと五十三円、こういう数字に相なるわけでございまして、政府といたしましては、分散度を考慮した方式を採用することが適当である、こういう考え方から五十三円を支払う、五十三円は半端になりますので五十五円、こういうことにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/29
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030・井上良二
○井上委員 最初の場合はそういうことを全然考えずに、やかましいよつてひとつ五百円だけ総花でやつておけということで仮払いをいたしておいて、今度はこの数字で行くとえらいものすごい金になる、そこで、こんなことをしていたらたいへんだということから、にわかに方針をおかえになつて、あと五十五円は分散度の方式によつてやるといいますか、いわゆる凶作地帯を中心にやろうということに方針をきめましたが、そうすると前の五百円というものは、豊作地帯の者は非常な利益を得ておりますが、これは政府はやむを得ない、こうお思いですか。そういうべらぼうな話が一体ありますか。それからさきに大蔵政務次官が申しましたように、全体の生産額が低い。そこで需要が非常に高い現状においては、当然全体の価格が上るという需要供給の関係が必然に起つて来るので、全体に対して必要な処置として減収加算額をプラスしている、こういうのなら話がわかるのです。ところがあなたの今の説明ですと、政府は最初は全般的にやつておいて、しまいになつたら金が足らぬで、やらね、そういうことが一体許されますか。いろいろお話を承ると、麦の方には法的にちやんと規定してあるが、米は法的に規定されておらぬ。そうすると、これは行政措置として、政府の御都合によつてかつてにどちらでも動かされる金になりますね。そうなつて参りますと、たとえば平野さんの出ている岐阜県が隣の愛知県よりも凶作地帯が深刻だということになつて来れば、そこへよけい金を持つて行くこともできますね、はつきり言やあそういうことにとれる。そういうべらぼうなことを一体大蔵省は認めておりますのか。そういうだらしない金の使い方を認めておりますか。地域分散式の方式をとるとなれば、政治力によつてどつちにでもこの金は奪われますが、そんなことが国の金を使う場合に許されますか、そこをひとつ大蔵省の所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/30
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031・植木庚子郎
○植木政府委員 先ほど申し上げましたように、減収加算額を二十八年産米にどれくらい附加すればいいかということにつきましては、当時米価審議会等でもいろいろ論議が行われたのであります。ただいまも仰せの通り、米については豊凶係数、豊凶加減の原則が明らかに法律には出ておりません。そこで当時の考え方といたしましては、当時における作況その他からかんがみまして、かりに麦と同じような——麦は法律できまつておりますから、それと同じような方式によつて減収加算を算出するとすれば幾らになるだろうかという一つの予想を立てまして、その予想のうち、少くとも五百円くらいはいずれにしても払わなければならぬことになるだろうという見通しで、とりあえず当時五百円をまず減収加算として計上し、これを払うことにきめたのであります。しかしながら、はたして米の場合に麦と同様な方式を最後までとつていいものかどうかということについては、当時すでにいろいろ論議がございまして、これから十分ひとつ研究をして行こう、加算の方式については審議会でも十分練る、また政府も十分考究をして、適正な加算方式をきめようじやないかということを、当時すでに考えておつたのであります。その後だんだんと研究の結果、先ほど申し上げました通り、いわゆる豊凶の分散度というものを全国につきまして適正に加味して行くことがこの際やはり適当ではないかという結論になつたのでありまして、その点は御了承願いたいと思うのであります。なるほど審議会の答申といたしましては、一応減収加算が九百円ばかりになるような方式の答申が出ましたけれども、少数意見としては、それは必ずしも適当でないという御意見がありまして、そしてよくこれを政府が研究いたしてみますと、やはりこれも傾聴すべき意見であるということであり、その点が非常な有力な参考の材料になりました。また他面都会地方面における輿論等にかんがみましても、こういうような作柄の年にいたずらに減収加算額を——いたずらにと言うと語弊があるかもしれませんが、非常にたくさんの減収加算額を出すということは、幸いにしていわゆる凶作でなかつた地方の人たちには非常に報いることになるが、ところが凶作のところに対しては政府のいろいろな去年以来の施設もなかなか財政の都合上できかねている、こういう際に、そういうところだけ恵まれるようなやり方は適当でないという輿論等も参酌せざるを得ないとわれわれは考えた次第であります。それやこれやで、最後に出ました結論は、いわゆる分散度を加味してそうして一つの方式を考える、この方式によつて計算をし直しますと、いわゆる五百五十三円と出ました。これをラウンド・アップしまして五百五十五円、うち五百円はすでに払つてあるから、五十五円をこの際追加払いをしよう、かような決定に相なつた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/31
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032・井上良二
○井上委員 もう一点伺います。そうすると分散度を加味するのは、あと政府が払おうとする五十五円だけで、前の五百円はこれはやつてしまつたのだから、豊作地帯であろうと凶作地帯であろうとしようがないというおつもりですか。それはどうです。あとのやつは豊作地帯に渡さないで減収地帯だけに渡す、こういうことにいたしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/32
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033・植木庚子郎
○植木政府委員 井上委員のお考え、少し誤解をしておられるようでございまして、分散度を加味しまして五百五十三円というものを、すべての供出農家に対して支払おう、そのうち内金として五百円が払つてありますから、あとの五十三円、これをラウンド・アップして五十五円をやはりすべての農家に対して支払う、こういうことに相なつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/33
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034・井上良二
○井上委員 そうしますと、これは大蔵当局も農林当局もでありますが、一体かくのごとく政治的に、また行政的に、どつちにでも動かすことのできるような措置をこのまま置いておいていいとお思いになりますか。少くともこういうことを認めるということでございますならば、やはり麦と同じように、そういう場合の法的な裏づけというものを明確に規定することが必要でないか、何ゆえに法的な裏づけをしないのか。麦にはやつて米にはどういうわけでそれをやらないのか、なぜこれに伴う必要な法案を提出いたしませんか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/34
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035・植木庚子郎
○植木政府委員 現在の米価のきめ方がはたして生産農家の満足し得るような状態になつておるかどうかと申しますと、仰せの通り、実はいろいろそこに問題がたくさんございます。米価審議会等におきましても、御承知のように幾つかの方式の答申がなされましたが、そのいずれによるべきかということについて、いまだ政府の態度が決定いたしておりません。そのためとも申せませんが、供出の奨励金でございますとか、早場米の奨励金とか、いろいろな性質の奨励金等が現在支出されております。こうした状況がはたして農民にほんとうに満足してもらえるかどうかといいますと、非常な疑問もだんだんと生じて参りましたので、政府としましては、この米価算定の方式等につきましては今後十分研究をして行こう、こういう考えでおります。食糧審議会等もできまして、いろいろ食糧政策全体の審議はもちろん、価格等についてもそこで十分論議がかわされ、これによつて適正な今後の米価の算定方式をきめるべき時期にもう到達しておると存じます。従つてなるべく早い機会に結論を得まして、これまた皆様の御審議を仰ぐのが妥当であろうと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/35
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036・井上良二
○井上委員 そうすると、最後に確かめておきますが、政府は豊凶係数の指数の出ました八四・三——これはまだはつきりした数字はわかりませんが、かりに八四・三という指数の上から、当然九百四十三円という加算額になるということを認めますか、これが一点です。それからそう認める場合において、予算的その他の事情でそれだけどうしても払えないということから、地域的な分散度を加味するということで、まあこの際がまんをしてもらうということにいたしたのですか、その点もう一度明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/36
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037・平野三郎
○平野政府委員 米価審議会から多数意見として出ました算定方式によりますると、つまり麦の場合と同様の方式によりますると、九百四十三円になるということは当然のことでございます。ただこれを執行しなかつたということは、予算的に申し上げますると、その方式によりますれば、さらに百億程度必要となるわけでございまするが、そういう財政上の都合で払わなかつたというわけではなくして、政府は別の少数意見の方の算定方式が妥当であるという考えのもとに、分散度を加味する方式をとつたわけでございます。なお先ほど、五百円概算払いをしたことは非常にやり方が放慢であるというような御意見もあつたのでありまするが、これは当時やはり米価審議会が開かれまして、米価審議会からとりあえず五百円を支払え、こういう強い要望がございまして、法律によつて農林大臣が責任をもつてきめるわけでありまするが、米価審議会の意見を尊重してやる、こういう建前になつておりますので、政府といたしましては、米価審議会の意見を尊重いたしたわけで、特に社会党から出ておられる委員の方々が熱心にこの点を要望せられたのを政府としては尊重したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/37
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038・井上良二
○井上委員 実際ばかなことを言う。平野さんはもつとまじめにやつてもらいたい。私はこの問題は食管会計の重大な問題であると思う。あなたはこの指数を認めるかという私の質問に対して、米価審議会はそういう指数を出しておるが、その米価審議会が出した多数の意見は認められぬ、少数意見の方が正しいので、それを採用した、こう言つているじやないか。それで今度五百円払つたのはどういうわけかと言うたら、五百円払うことは米価審議会の意見だという。何ということを言うのか。都合のいいときは米価審議会を使つて、都合の悪いときは米価審議会の意見は一つも聞いていないじやないか。そんなでたらめを言うてはいかぬ。私は米価審議会がどうのこうの言うのじやない。米価審議会は政府に対する答申をすればいいのであつて、政府は一体豊凶係数の基本的指数は何をもつて払うのか。そこなんですよ。私は米価審議会の意見を聞いておるのじやない。政府がこの五百五十五円払うという根拠は何に基いておるのか。だから政府は八四・三というこの指数を認めることができなければ、それならばこの指数によつたということを言わなければならぬ。最初政府が五百円を払うときには、九一という指数によつて概算払いをしたのではありませんか。五百円の仮払いをいたした指数は何に基いてやつたのですか。そのときは豊凶係数の指数を採用しておいて、今度払う場合は、それは根拠がない、そいつはどうもうまく行かぬからということで、その方の仮払いをした責任は全然考えずに、あとで払う場合に金がよけいいるからというので、前の政府のとつた処置に全然責任を持たずに、あとのことでうまく責任をのがれようとしておることはもつてのほかですよ。一体政府は五百円を払つた根拠は何によつているのですか。この九一という指数じやないのですか。それなら当然八四・三というものが生きて来るはずです。最初九一で払つておいて、今度払う場合は八四・三によらないのであるという、どうしてそんなことが言えるのであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/38
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039・平野三郎
○平野政府委員 井上さんは少し誤解をしておるのでありますが、この指数のことは、これはもう機械的に出ることでありまして、別にこれについては異論のあるべきものではございません。これは五百円概算払いをする当時の指数が九一であり、最終が八四・三になつたということは、自動的にはつきり出ることでありまして、これについては何ら議論がないわけでございます。問題は豊凶係数を算出するところの算定方式がどうであるかということにあるわけであります。五百円を概算払いいたしまする当時には、まだ算定方式が決定いたしておらなかつたのでありますが、その後米価審議会においていろいろ御研究の結果、算定方式が三通りばかりできたのでありまして、その三通りできました算定方法のうちで、政府としては分散度を加味する方式を採用した、こういうだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/39
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040・井上良二
○井上委員 そうしますと、最初の場合はどちらかきまらぬけれども、大体指数がそこら辺にあるならばそれで払つておこう、こういうことですか。そのときは政府はまだ腰だめの場合ですね。早く言えばいいかげんに払つたわけだ。その場合はいいかげんに払つて、今度この八四・三というような指数が出て来たから、ものすごい金になるので、そこで今度はさいふのひもを引締めるために、ごとさらよけい払わぬでもいい算定方式を採用したと言われてもしようがない。そうすれば、五百円仮払いするときの基本的指数は九一という根拠に立つておるのですから、あと払いする場合の政府の政治的な立場から、一番払わぬでもいい算定方式を採用したということに解釈して間違いありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/40
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041・平野三郎
○平野政府委員 御解釈は御自由でございますけれども、政府としては、別に払いたくないから安い方式をとつたというわけではなくして、いろいろの角度から検討いたした結果、少数意見ではありますが、分散度を加味する方式が妥当である、こういう考えのもとにとつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/41
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042・井上良二
○井上委員 はなはだあなたに申訳ないけれども、おそらく政府がみずから審議会に権威ある人にお集まりを願つて、長い間この問題について御検討になつてその審議会の多数の御意見を採用するということならば、これは民主的な政治のやり方として、また行政の運用として当然のことであるが、少数意見を採用するというような、そんなばかな話が一体天下に通用しますか、一応参考意見として聞くことはいいが、ものをきめる場合に、多数によつてものを相談し、多数によつてものをきめて行くということが、一つの道理になつている。政府は都合のいいときは多数の意見を採用し、都合の悪いときは少数意見を採用する。そんなべらぼうな話が一体ありますか。それと、この五十五円という今度新しく追加して払おうとする金の予算はどこに出ておりますか。どの費目にそれが計上されておるかを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/42
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043・新澤寧
○新澤説明員 とりあえずは、食糧買入費というのが全部一本でありますが、現在のところその余裕がありますので、食糧買入費で支払います。しかし、後ほど予備費を使用できるように大蔵省と協議いたしまして、正式には予備費で支払うことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/43
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044・井上良二
○井上委員 食糧庁の予備費は幾らありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/44
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045・新澤寧
○新澤説明員 二十八年度に計上されております予備費は百億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/45
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046・井上良二
○井上委員 全体でもつて食糧買入費の中からこれを支払うということでございますが、私どもにいただきました食管の説明を読んでみますと、二十八年度の国内産の石当り裸の買入れ価格が八千二百円、うち五百円が減収加算金である。ところが二十九年度は八千七百九十五円、これには減収加算額は入つておりません。そうしますと、どこにそのことが説明されてありますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/46
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047・新澤寧
○新澤説明員 減収加算額は二十八年度中に支払うことにしてございます。それで今申し上げましたように、この予算ができました当時は、五百円支払うことに決定されておりましたので、予算の説明には減収加算額五百円ということで説明されておりますが、今度はつきり五百五十五円を払うことになりましたので、それに伴つて価格改訂をいたしたのであります。手続上は予備費の使用をするように手続をとらなければならないのでありますが、さしあたつて、総額が決定いたしますまでは、食糧買入費という名目で支出することになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/47
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048・千葉三郎
○千葉委員長 関連して小川君に発言を許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/48
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049・小川豊明
○小川(豊)委員 農林次官にお尋ねしますが、農家は、米あるいは麦をつくつてこれを供出し、あるいは販売して、それが生活の根拠になつておる。ところが、今のこの価格の決定あるいは減収加算額の問題でも、目の子算だとか、あるいは感想だということできめておる。こういう不確かなことできめて行つたとするとどうなりますか。供出をするには、これはなまやさしく供出できるのではなくて、それぞれ係が農家を個々に歩いて督励し、懇請して供出ができている。従つて、そこには価格の説明というものが当然なされなければならないにもかかわらず、今のあなたのような答弁で行くと、この加算額などはあるいは目の子算である、この方は感想であるということでありますが、そういうような言葉で律せられたのでは困る。これはもつとはつきりしなければならぬと思う。これこれこういう理由によつてこういう数字が出るから、こうなるのだということが出て来なければならぬと思のです。ここでお尋ねしたいと思うのはそういうことなんです。さつきからお聞きしていると、九一の数字に対しては五百円であるが、八四・三に対しては九百四十三円出さなければならない、それを五百五十五円で押えてあるのだが、これは分散度を考えて五百五十五円にしたというのだが、この五百五十五円で押えたというのは、予算上の関係で五百五十五円にせざるを得なかつたのか、あるいは米価審議会における答申の少数意見が正しいからそうしたのか、この点をひとつはつきりしてもらいたいと思うと同時に、少数意見が正しいならば、その少数意見のどこが正しいからこうしたのだということをひとつ聞かせてもらいたい。予算上の関係で払えないというのならば、その点もはつきりしてもらいたい。さらに、五百五十五円に押えて出すには分散度を考えてやつたというが、そういうようなただ単なる言葉でなくて、分散度というものは、どういうふうに考えた結果がこういうふうになつて来たかということの御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/49
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050・平野三郎
○平野政府委員 私の言葉の不足のためにいろいろ誤解があるようで恐縮に存じますが、お話の通り、農民に供出を願う意味におきまして米価の決定ということは非常に重大な問題でありますので、食管法に定めます通り、米価審議会の各種の検討を願いまして、これに基いて、いわゆるパリティ方式によつて決定をいたしておるわけでございまして、その間厳粛に取扱いを進めておるわけでございます。
今のお尋ねの、予算上これを払えないために少数意見を採用したかどうかということでございますが、別に予算上の観点から少数意見を採用したというわけではございません。政府といたしましては、いろいろ研究の結果、豊凶係数というものは各地域に非常なアンバランスがございますから、こういう分散度を考慮するということが適切である、こういう結論において、この方式をとつて五百五十五円にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/50
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051・小川豊明
○小川(豊)委員 五百五十五円を分散度を考えてやられたことが適切であるというお答えですが、その適切である理由をひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/51
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052・平野三郎
○平野政府委員 これは今申し上げましたように、米価審議会におきましては、多数の学者の方々にも御参加を願つておるわけでありまするが、その学者の方々が、いろいろな観点から研究をせられて、各種の方式を答申せられたのであります。そのうち、この豊凶係数というものは、各地域によつてやはり非常なアンバランスがあるわけでありますが、このアンバランスをこの方式の中に入れることが妥当であるという考え方から決定いたしたわけでございまして、もし御必要がございまするならば、詳細にわたつて算定方式の御説明を事務当局の方から申し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/52
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053・小川豊明
○小川(豊)委員 時間もありましようから、それはあとで詳細にお聞きしますが、それでは、少数意見をとつたのは予算の関係ではなくて、それが正しいと思うからとられたというわけですから、その少数意見であろうと何であろうと、それが正しいと思われた点に対する御説明はあとでお聞きするとして、それからもう一つは、九百四十三円にならなければならないものを五百五十五円に切つているわけです。この切つたというのは、分散度を考えたりなんかすると当然出て来る数字だと思う。この五十五円という数字の根拠もあわしてお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/53
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054・平野三郎
○平野政府委員 それでは、ただいま算定方式のこまかい計算の資料がございますから、資料を後ほどお配り申し上げることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/54
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055・平岡忠次郎
○平岡委員 大蔵政務次官にお伺いします。ただいま議題になつております法律各案のうち、財政法第四十二条の特例に関する法律案に関連してでございますが、この提案の内容のうちに、安全保障諸費、それから連合国財産補償費の問題が出て来ると思いますが、連合国財産補償費を別にしまして、安全保障諸費につきましてお伺いしたいのであります。
これはおそらく二十七年度の予算におきまして五百六十億が計上されまして、二箇年にわたつて使い得る繰越し明許費といたしまして現在に至り、またこの法律案の趣旨は、二十九年度に繰越した、かような点であろうと思いますが、現在までこの二箇年間に実際に使われた金額は幾らあるか、まずその点をお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/55
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056・植木庚子郎
○植木政府委員 お答え申し上げます。二月十五日現在で申し上げますと、支出いたしました総金額が三百十一億九千百万円、二十九年度へ繰越したい見込みの金額が二百四十八億九百万円、こういう数字に相なつております。もつともこの二十九年度へ繰越し見込みの二百四十八億九百万円の中には、今日すでに契約済みのものが相当額入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/56
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057・平岡忠次郎
○平岡委員 この安全保障諸費は、当時この費目が設定されたときに、その内容があまり明確でないという点から、臨時軍事費の現代版であるとかいう指弾を受けた点があろうと思います。そこで、ここでまた特例を設けて二十九年度に再繰越しをする前に、とにかくこの使途の大綱でけつこうですから、かなり詳細に、今の数字から細目についてその使途の御明示をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/57
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058・植木庚子郎
○植木政府委員 お答え申し上げます。ただいま手元に資料がございませんから、資料でお答えさしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/58
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059・平岡忠次郎
○平岡委員 きわめて不満でございますけれども、これは後刻出していただきます。私はこの法案に反対するつもりでおるので、その前に一応そういう点を確かめておきたかつたのですけれども、きわめてあいまい模糊であるという点で了承いたしました。それでは質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/59
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060・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております七案につきましては、質疑をこの程度で打切り、ただちに討論採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/60
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061・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/61
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062・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、ただいま議題となつております七法案につきましては、以上をもつて質疑を打切ることといたします。
これより昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案、昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、当せん金附証票法の一部を改正する法律案及び国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の六法案を一括議題として討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/62
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063・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております六案につきましては、討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/63
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064・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/64
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065・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、ただいま議題といたしました六法案につきましては、討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。右六案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/65
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066・千葉三郎
○千葉委員長 起立総員。よつて右六案はいずれも原案の通り可決いたしました。
次に、財政法第四十二条の特例に関する法律案を議題といたします。討論の通告がありますからこれを許します。平岡忠次郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/66
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067・平岡忠次郎
○平岡委員 ただいま議題となりました財政法第四十二条の特例に関する法律案につきまして、私は日本社会党両派を代表いたしまして、反対の意思表示をいたさんとするものであります。
財政法第四十二条は、財政法第二十五条とともに、いわゆる経費の二箇年間の使用をきめておるところの繰越し明許に関する法律でございますが、政府は安全保障諸費の未使用分、これは資料によりますと七十億百万円、それから連合国財産補償費の未使用分、ただいま政務次官からお答えの二百四十億を二十九年度に繰越し使用したい、かような趣旨から提案されておりますが、私どもはまず第一に、連合国財産補償費は昭和十六年の十二月八日現在におきまするところの本邦内に有しておつた外人の財産について、戦争の結果生じた被害に対して補償する、こういう規定であります。そういう費目でございます。ところがすでに二箇年間を経過いたしておりまして、こうした問題に対しましては、大体けりのつく時間的余裕があつたはずです。ところでこれをなお分析しますと、大体二十七年度におきまして百億円、二十八年度の予算におきまして四億円、それから二十九年度の予算におきまして二十六億円、合計百三十億円、累積的に申しますと百三十億円です。このうち既往二箇年間におきまして四十六、七パーセントに当る大体六十億円が使われているだけにすぎないのです。ところがこの事実の経過にかんがみまして、これから五〇%以上の七十億円が本邦内の外人のための財産被害に対して充てられなければならぬという見通しがきわめて甘いであろうと思うのです。その点で、私はまず連合国財産補償費に関する今の政府の再繰越しに対して反対です。
それから安全保障諸費につきましての二百四十億を次年度に繰越すということは、これは先ほどもちよつと質問で触れましたが、この安全保障諸費が二十七年度に計上されたときに、この内容につきまして、当時の大蔵大臣池田さんの答弁がきわめて明確を欠いておる。これは米軍移転費として使われるけれども、なおまた予備隊関係費にも使われ得るというふうに、きわめてあいまい模糊としておる。そのために財政上の総動員法とか臨時軍事費の現代版とかいうことで指弾されておつたのであります。およそタックス・ペーヤーとしての国民に対する政府並びに国会の責務というものは、この使途を明確にするということが当然でありまして、こうした不明確なものが大体予算に顔を出して来たこと自身にも、われわれは不満がある、ところがこのあいまい模糊たる費目が二箇年間の明許期限を越えて、なお三年目に持ち越されるという理由が少しもわからないのです。
こういうふうな点で、要するにこの二科目にわたるところの次年度繰越しというものは、まさに被占領下の日本の対米インフェリオリティ・コンプレックス——劣等感の依然たる次年度繰越しという証拠としまして、私どもは断じて承服できない。かような点から、私は自由党、改進党を含めての委員諸氏の良識に訴えまして、この法律案は否決されんことを切に期待いたしまして、討論を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/67
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068・千葉三郎
○千葉委員長 これにて討論は終局いたしました。
これよりただちに本案の採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/68
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069・千葉三郎
○千葉委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
なおただいま採決いたしました七法案についての委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任を願つておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904629X01619540304/69
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070・千葉三郎
○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四分散会
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