1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月二十六日(月曜日)
午後二時二十二分開議
出席委員
委員長 中井 一夫君
理事 加藤 精三君 理事 佐藤 親弘君
理事 灘尾 弘吉君 理事 吉田 重延君
理事 鈴木 幹雄君 理事 門司 亮君
尾関 義一君 木村 武雄君
熊谷 憲一君 山本 友一君
床次 徳二君 藤田 義光君
阿部 五郎君 石村 英雄君
北山 愛郎君 伊瀬幸太郎君
大石ヨシエ君 大矢 省三君
松永 東君
出席国務大臣
国 務 大 臣 小坂善太郎君
出席政府委員
国家地方警察本
部長官 斎藤 昇君
国家地方警察本
部次長 谷口 寛君
国家地方警察本
部警視長
(総務部長) 柴田 達夫君
国家地方警察本
部警視長
(刑事部長) 中川 董治君
自治政務次官 青木 正君
総理府事務官
(自治庁行政部
長) 小林與三次君
委員外の出席者
参議院議員 石村 幸作君
総理府事務官
(自治庁行政部
行政課長) 長野 士郎君
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四月二十四日
市町村自治体警察制度廃止反対の陳情書
(第二八九八号)
道路保全のための交通取締の強化に関する陳情
書
(第二八九九号)
市町村自治体警察制度廃止反対の陳情書
(第二九五九号)
公営発電事業の施設に固定資産税賦課に関する
陳情書
(第二九六〇号)
警察法案の成立促進に関する陳情書
(第二九七〇号)
地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案
等の修正並びに審議促進に関する陳情書
(第二九九三号)
都市財政に対する短期融資に関する陳情書
(第二九九四号)
公明選挙週間の設定に関する陳情書
(第三九
九五号)
を本委員会に送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した事件
小委員及び小委員長の補欠選任小委員長より報
告
聴取
町村合併促進法の一部を改正する法律案(参議
院提出、参法第九号)
警察法案(内閣提出第三一号)
警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法
律案(内閣提出第三二号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/0
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001・中井一夫
○中井委員長 これより会議を開きます。
この際地方財政再建整備法案審査小委員及び小委員長の補欠選任についてお諮りをいたします。
すなわち、委員の異動に伴い、同小委員及び小委員長に欠員を生じておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手数を省略して、委員長より指名するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/1
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002・中井一夫
○中井委員長 異議なしと認め、委員長より指名することといたします。小委員は
佐藤 親弘君 床次 徳二君
藤田 義光君 阿部 五郎君
西村 力弥君 伊瀬幸太郎君
中井徳次郎君 松永 東君小委員長には床次徳二君を指名いたします。
なおその他に従来からの小委員としては、加藤精三君、吉田重延君の両君がおられますから、念のため申し上げておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/2
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003・中井一夫
○中井委員長 これより町村合併促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行いたいと思いますが、ただいま北山町村合併促進に関する調査小委員長より発言を求められておりますから、同小委員長より小委員会の経過等についての報告を聴取することといたします。北山町村合併促進に関する調査小委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/3
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004・北山愛郎
○北山委員 町村合併の小委員会の中間報告を申し上げます。
小委員会を開いたわけでございます。そうして今議題となつております町村合併促進法の一部を改正する法律案につきまして協議をいたしたのでございますが、時間が非常に限られておりましたので、十分内容等にまでは審議するというわけには参らなかつたのでありますが、その際発議者である参議院の石村議員にもおいでを願い、また自治庁からも青木政務次官ほかおいでを願つて、この法案に対しまする補足の説明等を聴取したわけであります。
石村議員からは、この案はなるべくすみやかに審議を進められ、そして成立を希望するということでございまして、さらに当初話が出ておりました町村合併促進法の準用範囲を市について人口十万未満となつておりますのを、人口十五万までというような修正意見についての見解を石村議員にお尋ねしたのでございますが、その際における石村議員のお答えは、この問題は、この町村合併促進法の内容的な多少の変更であるから、また外部的にもいろいろ意見があるのであるから、この際はこの改正案には技術的な部分だけを取入れて、なおよく検討した上でこれを決定したいというふうな御意見でございました。また自治庁の方の御意見はこの改正案の中で特に教育委員会の委員の身分、任期に関する時間というのは、施行期日をなるべく五月の一日にいたしたい、それまでに間に合うようにしていただたきたい。なぜというと、四月の初めに合併をしたものの教育委員会の委員の選挙は五十日以内ということになつております。しかも告示はその選挙の二十日前ということになつておりますので、五月の一日ごろに告示をしなければならぬというような事情でございまして、この特例を施行する場合には、やはりそれ以前にこれを決定して公布することが望ましい。従つてでき得るならば五月の一日から施行するために、二十七日の本会議でこれが衆議院を通過するようにお進めを希望する。こういうような話でございました。なお時間がございませんでしたので、この案の内容等については十分な審議ができなかつたのでございまして、従つてわれわれ小委員会としては、自治庁の二十七日に本会議を通過するようにという希望に対しては、できるだけ協力するというような点で了解をいたしましてそうして本日この委員会で促進法の一部改正案を審議して、なるべく早くこれを成立せしめるということの点で了解をしたわけであります。
以上簡単でございますが、一昨日の委員会の状況を報告申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/4
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005・中井一夫
○中井委員長 小委員長の御報告は終了いたしました。本案につき質疑を進めます。北山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/5
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006・北山愛郎
○北山委員 町村、合併促進法の一部改正案の審議に関連いたしまして、現在全国的に進められております町村合併の実態等も十分調査の上で、これを審議するというのが本筋ではないかと思うのでありますが、なかなかさように参りませんのはまことに残念でございます。ただこの機会に若干お尋ねをしておきたい点がございますので、自治庁の方にお伺いします。今度できました新しい市の市会議員というものは、ところによりますと、百人とか、あるいは百人以上というような市会議員を擁する市が相当数出て参つておると思いますが、それらの実情といいますか、一体どのくらいの市会議員を擁する市がどの程度に出ておるかというような問題と、それからそれに関連して、どういうふうな実際問題がこれに関連して出て来ておるかというような状況につきまして、自治庁の御説明をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/6
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007・小林與三次
○小林(與)政府委員 ただいまのお尋ねの新設された市で市会議員が促進法の特例の規定によりまして、従前町村の議会の議員であつた人がそのまま身分を引継いでおる例が実は相当多いのでございます。それで、実はまことに申訳ないのですが、今その実績調べをやつておるのでありまして、全部まだまとまつておりませんので、正確な数字を申し上げることはできないのが遺憾でございますが、わかり次第すぐ御報告いたすつもりでありますけれどもやつぱり大多数の市はそういうふうに見受けられるのでございます。しかしながら、これにつきましては世間でもいろいろ批評もあります。住民のうちにも批判する向きなどもありまして、市によりましては、原則通りの市会議員の定数でやつておる市も、ぼつぼつ出ておるのであります。それから、特例を設けましても、輿論、町村民の批判その他の関係で、多少の増員だけを認めてあるのでございます。そこらの点は散発的にわれわれのところに資料がありますが、全部調べまして、わかりましたらすぐ御報告申し上げたいと思います。大体におきまして、みなそれぞれ批判的な空気が上りつつありまして、適当に調整されつつあるのじやないかと考えておるのでございます。そこで百数十人の市会も現にありまして、その市会の運営その他につきましてはいかなる問題が起るかというような問題でありまして、まだ正直申しまして市会草創の形でありまして、特に人数が多いので運営その他について特別な問題が起つておるというふうな事例は聞いておらぬのでございます。ただ非常に人数が多いのに市会議員の手当その他がやけに上つて、あるいはこれに伴う経費がかかかるのじやないかというふうな問題も、ちらほら伺わぬわけではありませんが、大体おおむね自粛いたしておりまして、市会議員になつたから、たちどころに手当を数倍にもするというような例はあまりないのであります。ただ元になりました町の議員並の手当は大体出しておるようでありまして、そういう意味で、一般の町村より高くなつていることは事実であります。これはしかし実際問題としてやむを得ぬだろうと思つております。われわれといたしましても、そのために非常に目に余るようなことが行われてははなはだ相済まぬのでありまして、一年という短時日の問題にしましても、この運用につきましては十分注意するようにわれわれといたしましても意を用いている次第であります。この点は、明日地方課長諸君が集まりますので、そのときにもう少し実情を聞いて、そういう問題の起らないように十分配慮するように私たちの方といたしましても十分の注意をいたしたいと思つておるのでございます。ともかくも、特例法の規定が十二分に活用されまして、合併を促進する上において、きわめて効果をあげておるということは事実でございまして、それに伴つて、目に余つてどうにもならぬほどの実際にはなつておらぬというのが大体の観測でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/7
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008・北山愛郎
○北山委員 市会議員の非常に多いというような事情で住民の批判等も相当起つているということでございますが、そういうような結果、市会議員が総辞職をしたというような実例がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/8
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009・小林與三次
○小林(與)政府委員 でき上りました市会で総辞職をしたという事例はまだ聞いておりません。ただ、当初新しく市会をつくろうとしたときに、そのまま全部身分を継続しようじやないかといつたきにいろいろ意見が起つて、それをかえて原則に立ちもどつたという事例は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/9
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010・北山愛郎
○北山委員 次にお伺いするのですが、現在の促進法の第十七条でございますか、例の国有林の払下げ、町村合併については国有林の払下げについて便宜を与えるというようなことの特例が設けてあるのですが、これを現実に適用した実例がございますかどうか、それをお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/10
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011・小林與三次
○小林(與)政府委員 実は、十七条の問題はわれわれも一番気を配つている問題でありますが、現実にこの例を受けたというのはまだないようでございます。これにつきましては、われわれの方でも一番問題にしている事件であるだけにできるだけあつせんしたいと思つておるのでありまして、現地からの資料も実は催促いたしておるのでありますが、具体的にはあまりまとまつておらぬのであります。ただ現地ではぼつぼつ話はしておつて、うまく行かぬという声は聞くのでありますが、できるだけ具体的な事件をまとめまして、一応の問題としてでも取上げて促進をいたしたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/11
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012・石村幸作
○石村参議院議員 今のお尋ねに関連いたして……。実は、この促進法が施行されまして、これに伴う主として財政的措置、その他今お尋ねの国有財産の払下げ問題に対する措置等につきまして、政府の措置が法の精神通りに実行されているかどうかということに多少疑問があるともいえますので、実はこの改正案が参議院の地方行政委員会で通過する直後附帯決議をいたしました。これは小委会で一端をお話いたしましたが、この法の精神を十分政府は尊重して、あらゆる面に対する援助の措置を講ずるようにしなければならないという決議でありますが、これを御参考にちよつと朗読いたします。
昨年十月一日町村合併促進法が施行せられて以来去る四月一日までに実に合併件数三四〇、合併関係町村一、三〇〇以上に達する合併の実現を見たのである。
政府がこれら新合併市町村の育成、なかんずく、その新市町村の建設計画の実現のために優先的に援助すべきことは同法の精神とするところであり、これら合併町村に対する政府の措置は、今後の町村合併の促進に至大の影響があるのみならず、実に地方自治の将来を決するものであることに深く思いを致し、政府各省はよろしく一体となり、各種補助金の交付起債の許可国有林野の払下等新市町村の建設に対する援助を積極的に行いもつて、町村合併の促進と地方自治の確立を期せられたい。こういう決議をいたしたのでありまして、この決議通りに政府がこの法律の精神を尊重してやつてくれることを期待しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/12
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013・北山愛郎
○北山委員 ただいまの参議院の方の地方行政委員会の決議の内容は、実は当委員会としても同感でありまして、しかも前にもその点については委員会で強く政府に対して要望されておるというようなわけになつております。しかしながら実情ということになりますと、具体的な措置がどうも残念ながらとられておらない、当初われわれが期待したようなものとは非常に遠いものがあるわけでありまして、ことにただいまお尋ねをしました十七条の国有林野の払下げ等につきましても、実際に適用されたものは一つもないというような実情である。従いましてこの第十七条の特例がはたして今後実際に生きて使われる見込みがあるかどうか、また自治庁としては、これらの点についてこの促進法の実施以来農林省と折衝したことがあるか、またその経過等について重ねてお伺いをしたいわけであります。また同時にただいまのいわゆる財政的な措置という点につきまして、例の二十九条——われわれが一番関心を持つておりますのは、法第二十九条のいわゆる新町村建設計画に対する政府の財政的な優先措置というこの規定が実際に生かされておるかどうかの問題でありますが、この点について、具体的にどういうふうにこの二十九条が具体化されておるかという点についても自治庁からお伺いをしたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/13
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014・小林與三次
○小林(與)政府委員 今のお尋ねでありますが、まず十七条の問題を申し上げますと、これは促進法制定の当時からいろいろ経緯があつた問題でありまして、われわれといたしましても一番気に病んでおつた規定でございます。しかし農林省自身もこの趣旨には異存がないのでありまして、十七条の規定を前提にして手続をきめた促進法の政令も実は一部改正を最近やつた例もありまして、これも農林省の方から積極的な話合いかあつたくらいなのであります。ただ問題は、農林省がこの規定を適用して払い下げてもよいという条件と申しますか範囲と申しますか、そういうものと現地側との要望に非常に食い違いがあるというところに、実は問題があると思うのでございます。もつとも農林省自身もその方針をきめるまでに多少時間がかかつた点もあるのであります。大体向うも一応の考え方を持つておるわけでありますが、それと現地の事情とは必ずしもマッチしないで、相当の開きがあるわけなので、これをいかに調整して行くか、われわれといたしましては、この規定がある以上は少くとも新町村が新町村の経営上、基本財産として役に立ち得る範囲内においてできるものなら払い下げてもらいたい、こういう希望を持つておりますが、そこの点の具体的な調整が必ずしもうまく行つておらぬというのが実情でございます。そこでこちらといたしましても具体的な事件を基礎にして、できるだけ現地の要望に沿うように具体的に解決をはかりたいというふうに考えておるのでございます。これにつきましては、なお委員会の皆さん方の格別の御後援をお願いいたしたいと存じておるのでございます。
それから二十九条の問題でありますが、これはちようど二十九年度の予算がこれから各省で配賦されるわけでありまして、つまり今が第一年度の実質上問題になり得る機会なのでございます。これにつきましては、自治庁といたしましてもたいへん関心を持つて次官会議でもやつております。それから最近自治庁の正式の通牒でも各省にお願いをいたしておるのでありますが、各省といたしましても趣旨はもちろんみなこれに異存がないのでありまして、できるだけのことをしようと言つておるのでありますが、現実の問題はこれから結果が現われて来ると存じております。特に自治庁といたしましては起債の問題がありまして、どうせ各省の補助金も起債を伴わなければ仕事ができませんので、自治庁は起債につきましてはこの方針をもう明らかに掲げて、そういう前提で事を進めるつもりでありますので、その方針に即応して各省の特に市町村を基礎にする補助金について努力を願うつもりで、せつかく努力をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/14
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015・北山愛郎
○北山委員 国有林の問題につきましては、さらに林野庁等にも直接今後の見通し及びこれに対してまじめに協力する気持があるかどうか、これはあらためてはつきりしておかなければならぬと思いますが、ただいまの二十九条の方の財政上の優先的な措置という問題でありますが、実際問題としてはどういうことになるか。この優先措置を各県ごとに起債の配分をきめるときに県段階でもつて優先措置をやるのか、あるいは起債の元締めをしておられる自治庁あるいは関係各省において、この町村合併ということを念頭に置いて優先措置をやるのか、実際の事務上はどういうことになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/15
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016・小林與三次
○小林(與)政府委員 これはあるいはお手元に行つておらぬか知りませんが、自治庁の本年度の起債の詮議方針にも町村合併の分を重視して扱うということを明らかにしておりまして、その方針を基礎にして各府県からも申請が参つておるのでありますが、これを扱う自治庁自身におきましても、それを頭に置いていろいろ詮議をいたすことに相なつております。いわば中央も地方も同じような気持でそのことを進めたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/16
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017・北山愛郎
○北山委員 ところでさような優先指置をとられるということでありますが、起債等につきましても、御承知の通りに全体の起債のわくというものは決してふえておらない、むしろ減つておるというような状況であります。そうすると合併町村についてだけ優先的な措置をとるということになると、その狭くなつたわくの中で片方に優先措置をとれば、片方には不利な事態になつて来るのではないか。要するに合併をしない町村の犠牲において、合併町村が優先措置をとられるということになるわけでございますが、これについては自治庁としてはどういうふうにお考えになつておるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/17
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018・小林與三次
○小林(與)政府委員 今お話の通りこれは起債だけではなしに、補助金全般の問題もそうでございますが、結局限られたる金をどういうふうにわけるかという問題になつて来ますので、合併町村というものを最優先に扱うということになれば、勢いその他のものがやや後順位になるということはやむを得ぬではないかと考えております。しかしながら結局その町村も合併を必要とするものもあれば、必要としないものもあり得るのでありまして、われわれといたしましては、将来合併を予想されるようなものは、やはり合併後は諸般の施設計画等につきましてもおのずから整理統合が行われ、合理化されるのでありまして、合理化された計画に基いて初めて起債などを必要とする恒久的な建設事業をやるのが一番ふさわしいとわれわれは考えておるのでございます。そういう意味におきまして、将来そういうことを必要とするものは、それを前提にして事業の執行をむしろ考えて行くということの方が、一番適当じやないかと思うのでございます。しかしながらそうでない町村でも、合併によつて影響のない事業もあれば、それからまた緊急やむを得ぬものもあるだろうと思うのでありますが、それはそれぞれの具体的の場合に応じて調節されることと思うのでありまして、われわれといたしましては、合併をするのとしないのと同じような状態にあれは、当然合併町村を前提に考えてもらう。それからまた合併によつて当然合理化されるべき施設その他については、合併を前提にして事を考えてもらう。こういう方針だけはなるべくかたくして、その趣旨によつて地方にも努力していただくというのがけつこうではないかと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/18
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019・北山愛郎
○北山委員 この点は私ども前にも質問、要望を申し上げた点でまことに不満なわけであります。昨年本法案を審議する場合に、決してこの優先措置のために他の合併しない町村には犠牲を負わせないような措置をとるということを、はつきりと大蔵当局なり自治庁も言明されておるのでありまして、ただいまのように定められたわく、しかもそれが、だんだん狭くなつて行くわくの中で、優先措置をとるということになれば、合併町村のごとき比較的恵まれたものはさらに恵まれる、だんだんよくなる。悪くて合併もできないような不便なところにある町村は、ますます悪くなるというような、市町村の中に階層を鋭くして行くというような結果が出て来るのでありますから、この点については十分お考えになつて、今後とも合併をしないような、あるいは合併ができないような町村についての措置についても、十分お考えを願いたいということを要望しておくわけであります。
さらに別の問題でありますが、今度は逆に合併に際して、合併前に関係町村がその町村有財産を不当に処分をして、そうしてこれを合併前に適当に処理をしてしまつたというような話も聞くのでありますが、そのような事例はないかどうか。合併してしまえば、この村の財産を持つて行くのはつまらないから、それ以前に売つ払つてしまえということで、どんどん村有林などを売つてしまうという話を聞くのでありますが、そういう実際の例がないかどうか、そういう点について報告をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/19
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020・小林與三次
○小林(與)政府委員 今のお尋ねの、合併を見越して村有財産を処分する、こういう実例は、正直に申しまして、過去においてあつたのでございます。それでこの点はわれわれといたしましても一番やかましく言つておるのでありまして、機会あるごとに、そういうことを耳にいたしますと、正式に通牒もすれば、会議その他でも言つておりますし、実はこの合併促進法というもののいろいろな援助、保護、奨励その他の問題も、合併の基本精神に反するようなことをやつておるものには、もう援助をせぬというふうな態度も明らかにいたしております、それから、それは別の問題といたしまして、はなはだ遺憾な措置でありますから、厳重に指導監督上遺憾のない措置をとるように努めておるのであります。それで正直に申しまして、この促進法が出る前にそういう事例が多少あつたのでありますが、私は最近はその事例があまりないのじやないか。その点は厳重に各県にも、たとえば村有財産の台帳などをつくらせ、あらかじめ現状を押えて、その後の状況を見るといつたような措置をとることなどもいたしております。それから村民の方のだんだん意識が高まつて来ておりますので、そういう事例がきわめて減つておる、ほとんどないのじやないかと思つておりますが、地方の新聞などを見ますと、多少まだそういうことが記事に出ておる面もなきにしもあらずで、この点はどれだけ厳重に文句を言つてもいい事柄でありますので、さらに厳重な督励をいたしたいと思うのであります。全国的に見ればきわめて少い例ではありますが、そういう状況に相なつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/20
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021・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 私の質問したいのは、新聞などを見ると、山梨県の都留市ですか、東桂村という所は村長に抗議をしておる、あるいはデモをやつておるということで、都留市の合併反対をやつておるのですが、その真相は御調査になつておりますか、ちよつとお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/21
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022・小林與三次
○小林(與)政府委員 都留市の市制施行をめぐりまして現地の一部に反対のあることは、われわれも聞いております。今お話の東桂村の一部と禾生村という村の一部とに、実は反対がございます。この件は関係町村会がみな異議なく議決して、知事に持込み、知事の方において県会に提案する、こういう段取りにたつておるころから、反対の声が起りまして、禾生村の一部は大月の方に入りたいという趣旨で反対があります。それから東桂村は、これは全対ではないのですが、境部落を中心にして反対の運動が相当根強く行われたのであります。それで県の方におきましても、この扱いをずいぶん愼重にせぬといかぬというので、いろいろ現地に出向きまして説得したり、話合いを進めたりしておつたのでありますが、そのうちに県会の方でこれを取上げまして、県会の当局者も現地に出向いて、関係住民とあつせんを進めておつたようでございます。その際に現地の住民の代表者その他の間にいろいろ話合いがあつたとかなかつたとかいうことで、またそれがあとの問題に実はなつておるのでありますが、その後県会でも一応満場一致で決議いたしまして、そうして市の正式の協議を自治庁の方に持つて参つておりますが、自治庁の方といたしましても、関係町村会と関係知事、関係県の正式の議決をして、本件の市制施行の問題について異存がないという協議が参つたのでありますが、何分にも現地の方でいろいろ問題がありますので、現地の実情の見通しをはつきりさせて、扱わなければいかぬというので、県の方にもいろいろ話を聞いておつたのであります。最近知事もも現地の方に出向いて、禾生村その他東桂村の方に話をしておつたようでありますが、なお百パーセント、住民が全部納得したというような状況でないのは事実のようであります。相かわらず東桂村の一部分の方から、われわれのところに反対の電報が実は相当参つております。ただ、それでこの扱いをどうするかというと、結局これは知事と議会の方で町村会の意思あるいは住民全体の総意を考えて、それから将来の自治体の経営の合理性というものを考えて決定になると思いますが、われわれといたしましては、できたら一応きまつた方向で事が進むのが一番望ましいのではないか、こういうふうに一応考えております。しかしながら、これは将来それが禍根を残すようなことがあつては相ならぬのでありまして、その他の点については知事、県会の方において実情をよく見て、適当な措置をすることを期待いたしておるのであります、大体従来の概況はそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/22
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023・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 村会も県会もこれは満場一致で承認している、こういうことにはなつていますが、私のところへ東桂村から来た人の話を聞くと、必ずしも満場一致でなかつた。それから同時にその村会では、三万以上にするためにひとつ合併に承認してくれ、認可があればすぐにまた分村をやろう、こういうような約束があり、誓約書までとりかわしておる、こういう事実があるのですが、自治庁の方ではそういうようなことに関しては御調査はなさつていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/23
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024・小林與三次
○小林(與)政府委員 今のお話のような点も実は耳にいたしまして、かりに合併市をつくる道具のために——道具のためということは非常に語弊がありますが、まず一緒になつて、とたんに離れる、こういうふうなことを前提にして市をつくるということは、これは自治庁といたしまして、かりに事実そういうことが前提だとすれば、これは問題にしなければならないのでございまして、その点も県の方に十分ただしたのでございます。そういたしましたところが、確かにそういうふうな話が出たのでございます。これは県の理事者の方は全然タッチしていなかつたようでありますが、知事が県会に提案いたしたあとで、県会の当局者は何とか円満妥結の方法はないかというので現地に乗り出されまして、いろいろ折衝せられましたときに、村当局の一部の人たちの間にそういう話合いが出ておるようでございます。しかしもつともこの誓約書と申しますか、確認書と申しますか、これは読み方でいろいろな読み方ができると思つておりますが、法律の定むる手続に従つて、村民の総点がそういうふうになれば、そういうことに考慮するというようなことは書いてあつたようでございます。それであとの分村の問題は、全然法律上不可能ではないわけでありまして、自治法では道がついておるわけであります。そういう手続がかりにあれば行われるということは明瞭な話でございます。それで、実は県会の方はそういうことで現地とは、実際問題はいろいろ手続上の問題はあるが、そういうことを現地の人と話をして、一応話をつけたということは、あとから聞いたところでは事実のようであります。理事者の方はそれを御承知であつたかどうか知りませんが、ともかくも全体の問題を考えて原案のまま進んだ方がよかろうというようなお気持もありまして、われわれとしましてもそういうお気持でお進め願うならばこれは進めて参る。それからまた将来分村その他の問題がやむを得ず起つても、市をわざわざつくつた趣旨を逸脱せぬような形で事が行われるのならば、それもまた考えられないわけでもない、こういうふうに考えておるのでありまして、その後県の方でもいろいろ手を尽して事態を見ておられるのではないかと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/24
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025・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 自治庁の方では、もう認可の告示をされたのですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/25
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026・小林與三次
○小林(與)政府委員 自治庁といたしましては、認可の告示でなしに、市の設置の処分は知事がやることになつておりまして、知事が処分をすると自治庁が告示する、こういう扱いになつておるのであります。まだ知事の処分は済んでおりません。ただ市をつくるについて内々協議がありましたときには、これはこの形で全部まとまるものならば市にしてよろしい、そういう意味の協議に応ずるという通知だけは出してございます。あとはそれに基いて知事が処分をいたしますれば、その処分に応じてこれは官報に載せるだけでありますから、自治庁といたしましてはその手続をとらなければならない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/26
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027・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 天野知事この間東桂村へ行つて、これは県会が決定したのだからどうにもならない、こういうことを言つておるというのです。村民はこれに対して非常に騒いでおります。すでに助役が頭をなぐられたとか、役場ヘデモをやつたとか、騒擾事件まで起すというようなことが大体考えられるのですが、それでも合併を遂行するのか。それに対して自治庁は、何らかそこをひとつ話合いができるような機会をつくつてもらわなければ困ると思うのですが、どういうお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/27
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028・小林與三次
○小林(與)政府委員 自治庁といたしましても、そういう問題が非常に紛糾して、それがしかもあとに長く尾を引く、こういうことになれば非常に遺憾な話でありまして、合併をめぐつて局部的には反対もあるという事例は少くないのでありますが、しかしそれが将来いつまでも、ごたつくということになつては、これは非常に残念なことであります。それでありますから、現地において十分話がついて進むことを一番期待いたしておるのであります。そこの問題はいろいろ都留の市制の問題もあれば、それと同時に大月の市制の問題もからんでおりますし、多少複雑な問題がありまして、その後大月市の市制の問題なども円満に進捗して行くことによつて、総合的に事柄の解決をはかつて行くという問題も私はあるじやないかと思つておるのであります。それでありますから、東桂の問題につきましては、東桂自身もこの村をどう経営して行つた方かいいかという点も合理的にものを考えて、そうして解決すべきだと思うのでありまして、正直に申しまして東桂自身も、独自では、将来の問題を考えればなかなかむずかしい問題もあろうと思いますので、村の総合的な行き方というものを頭に置いて、しかも関係住民の総意が円満におおむねおちつくところにおちつくという形で事が運ぶことを希望し、切願しておるわけでありまして、そういう趣旨で県に対しては始終こういう意味の連絡をやつておるのであります。県の方におきましても、現地の事情を一番よく知つておりますから、現地の実情に即応するように、ことに天野知事は慎重な方でありますから、遺憾のない措置をおとりになるものと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/28
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029・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 ではしばらく告示を出すことを待つというような御意思があるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/29
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030・小林與三次
○小林(與)政府委員 私の方では、知事が見通しをつけて処分をすれば、これは官報に載せるのを、私の方たけでおつぽらかすということはできぬのではないかと思います。処分権を知事と議会にまかしておりますから、処分の通知がありますればそれを官報に載せるだけの手続を一応進める。そうして村のそのあとの運営をどうやつて行くかという問題か残るかと思うのでありますが、告示を自治庁でかつてに押えるということは、これは差控えた方がよい問題でないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/30
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031・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 あなたは事務的にそうおつしやるけれども、そういうような騒擾事件が起きるという問題ですから、事務的に官報に告示するのだとおつしやらずに、あなたは現実に調査なさることがいいと思うのですが、それでももうかまわぬということですか。これは無理があるのですよ。この合併の決議に対してその無理を知りつつ、あなたはそういうようなものが出て来ればそれでいいんだ、かつてにできないというようなお考えはちよつと私は困ると思うのですが、そういうことをなさつてまで町村合併をなすべきでないと私は考える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/31
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032・小林與三次
○小林(與)政府委員 これにすごぶるごもつともでありまして、われわれといたしましても、自治庁においてそういういろいろな手続きを進める場合におきましては、現地の問題が一番円満に行くように、その配慮だけは十分にしなくちやならぬと考えております。それでありますから、この問題につきましては慎重に、現地の状況と現地の判断というものに応ずるように措置いたしたいと考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/32
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033・加藤精三
○加藤(精)委員 町村合供促進法の改正案につきましては、もはや逐条審議に入られることと思いますが、その前に二つの点について、個々の事件じやないから一般質疑としてちよつとお伺いしておきたいと思つております。
一つは、今度の合併促進法に対する法律的な疑義でございますが、合併促進法の準用を受けるAという市に隣接してBという町村がある。そのBという町村に隣接してCという町村がある場合であります。そのまん中の、市に隣接しておりますB町村の一部落ないし数箇部落が、実質的にAという市と一体をなすものと認められる連檐櫛比の状況にある場合におきまして、A市とB町村のその部分とが一緒になり、B町村の残存部分とC町村とが一緒になるという、三つの市町村においての二つの合併の場合であります。現在の合併促進法を読みますと、何か市に町村の一部が合併する場合は、町村の減少を伴わない場合におきましては合併促進法の特典の恩恵を受けないように読めるのでございますが、こういう全国の行政区画の合理的編成の際には、そういう場合は恩恵に浴せしめた方がいいのじやないかと思うのでありまして、恩恵に浴せしめることが今の法律で認められるかどうかという疑問、及び現行法でだめなら改正の御意志があるかどうかという問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/33
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034・小林與三次
○小林(與)政府委員 今のお尋ねの、Bの一部がAに入り、あとのBとCが一緒になる場合でありますが、BとCが一緒になれば当然町村の減少を伴う合併が行われます。要するにBが二つにわかれて、一部はこつち、一部はこつち、こういう形ですから、適用があるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/34
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035・加藤精三
○加藤(精)委員 ただいまの問題は、どうも私は条文から見てそういうふうには読めないと思うのですが、そういうふうに御解釈してくださるならばけつこうだから、その条文の技術のことは申し上げないのでありますが、機会があつたらはつきりするようにしていただいたらいいと思います。合併というのはどこまでも合併関係町村と合併町村とがあつての合併なんで、その範囲で合併を位置づける建前のものだろうと思つております。今二つの合併の事件が立つているかと思うのでありまして、今の条文では読めないと思いますので、その点は御研究をいただけばけつこうでございます。
第二の問題は、地方自治法第八条の問題でございますが、繰返し私が申しますのは、現在の市と町村との間には行政上特別の恩恵はないのでありますが、しかも市ということになりますとと、住民の生活、文化がいかにも向上して来るだろうという期待を持つておりますし、またそういう期待を持つ権利が町村住民にあると思うのであります。また地方事務上の監督ということは、もはや民度が高くなりまして、町村は直接県と交渉する、あるいは直接本省と交渉するくらいの気持でおりますので、この際地方自治法第八条のごときは、最も寛大に解釈すべきものであろうと思うのであります。またその意味でお取扱いになつておると私は喜んでおるのでありますが、聞くところによると、地方制度調査会の答申に対して義理を立てて、非常に人口要件をも厳重にし、一段落つきましたら少し厳格に地方自治法第八条の関係を調節しようという御趣旨のようでありますが、時間がたつにつれまして自動車文明等は進展して行くのでありまして、従来くまが出るとか、あるいはさるが出るとかいうて悪口を言いますけれども、逐次自動車道路ができてバスの運転回数も多くなるということが進行しておりますし、またそういうことが望ましいのてありまして、町村合併促進法の適用に対して皮肉なことを言う、地方自治の実情を知らぬ批判等はどこまでも惑わされることなく、なるべく地方自治法第八条を寛大に取扱い、そうして今まで数箇町村で協議して公営事業、公益企業等を実施できなかつたところにも、できるだけ水道とか学校、バスとか諸種の公営事業または共同事非を実施させる方向にお進めになつた方がいいと思うのであります。およそ一つの法案には、政治を近代的に科学的に持つて行こうという理念かあつてこそその法律はとうといのでありまして、そうした観念に立ちますと、地方自治の進展というのは要する地方住民の生活、文化の向上にあるのでありますから、合併の促進になるものであるならば、地方自治法第八条の解釈はできるだけ寛大に取扱つていただきたいと私は思います。地方自治法の改正等の際には人口要件を厳重にする、五万とか十万にするということは全然おやめになつていただきたいと思います。むしろ地方自治法第八条を緩和して、連檐戸数が何割とかいうことはあまり立てないで、実情を認定して、また住民の希望を十分尊重してお取扱いになつていただきたい。と同時に、上水道事業一つ例にとりましても、日本の地勢は山地から突然平地に移る。しかしながらその平地も高低があつて海岸に至るという、山地の非常に多い狭小な地帯に市や町村があるのでありますが、この上流から下流に向つて経済的なあるいは交通上あるいは社会上の一体をなす水域がとれるのでありまして、そういう場合には上流から多目的水道をとつて、あるいは飲料水に、あるいは火災予防のための用水に、あるいは農業用水に、あるいは下流の工業地帯の工業用水にというふうに、共同公営事業を御奨励なさるという意気込みを持つて町村合併促進法を国家百年のために運営していただくことが望ましいと思うのであります。そうしたことを考えるにつきましても、市という名前をつけて大方の市において共有しておる上水道とか公立病院とかいうものを逐次建設して行く意欲を町村住民に与えていただきたいと思うのでありますが、当局ではまだこの地方自治法第八条において人口五万を要件とするようなお気持であるかどうか。また商工戸数の連檐櫛比という点についての条件を緩和されないというお気持であるかどうか、その点をまずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/35
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036・小林與三次
○小林(與)政府委員 今の第八条の問題でございますが、実はこれからの立法論の問題が一つと、現在の運用の問題と二つあるのでありまして、この市の設置につきましては御趣旨の通りいろいろ批評とか御意見もあるのでございますが、われわれといたしましては、現行の第八条がある限りは一応それに従わなければならぬのでございます。しかし現行法のもとにおいて、関係住民の意思がまとまつて来れば、なるべくその意思に沿うように、現行法の解釈として許せる程度のものは許して解釈をして参つておるのでございます。それで一応いろいろな意味の市ができたというので、さまざまの批判を受けておる次第でございますが、ともかくも法律上読めるものならば読もう、こういう態度で今までこの問題を取扱つて参つておるのでございます。ただ今後この条文をどうするかという問題がまだ一つあるのでありまして、これにつきましては、法律の改正をもちろん要するものでありまして、これは自治法全般の改正の問題として、自治庁としては、実は昨年地方制度調査会の答申もありましたので、その答申を実現するという意味で、事務的な検討を進めて案はつくつておるのでございます。それで加藤先生のお話の通り、実は市というのも町村というのも法律上の事実上の扱いは今までほとんど相違はないのでありますが、しかし現在やはり市と町村というものをわけておる、将来もわけて行くかわけて行かぬかというところに根本的な問題があると思うのでありまして、そういうものを全部撤廃して基礎的な地方団体一本というものを考える考え方も十分あり得るのでありまして、外国のようにいろいろな団体を同じ名称で呼ぶということも考えられるのでありますが、そういうことをやることも、これは大いに研究すべき問題の一つだろうと思うのであります。しかしそれならすく撤廃できるかというと、現実の問題としてまたいろいろな問題がありまして、市というもの、町村というものをかりに名前をつけて区別して行くということになれば、ある程度、市は従来の常識で考えておるものを考えざるを得ぬのじやないかという、そこらは矛盾しておるようないろいろな面がありますが、非常に考え悩んでおる問題点の一つでございます。一応自治省といたしましては、先ほど申しました通り、将来の改正といたしましても、現在の考え方を基礎にして、自治法の改正では一応この要件を引上げるということの意味で、事務的な準備だけは進めておりまして、これはひとつ国会でも十分御審議をお願いしたい点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/36
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037・大石ヨシエ
○大石委員 私今伊瀬先生の発言につきまして、尊敬する伊勢先生の言葉に相反することと思うのですが、この三府四十三県——今は四十二件、これは明治三年の太政官制のときに施行されたものである。民主主義の現在におきましては、私はこの小さい日本に三府四十二県ある、そのことがおかしいと思う。それでせんだつて申しました通り、これはステートにする必要がある、こういうふうに思つております。そこで町村合併を非常に拒むものは、たれが拒んでおるか、それは町村であるならば、村長とか、町長とか、その人がやはりその地位におりたいためにこれを拒んでおつて、そうして扇動する。それで私は大きくなることが民主主義の原理であると思う。民主主義になればなるほど、住民税は安くなり、ものを小さくすると住民税は高くなる、いろいろなことができない。ゆえにこの際に少しぐらい無理は押してでも市町村を合併して、大いにその住民の福利民福をはかるのが真の民主主義の基本であると私は信じております。それでこんな小さい村、小さい町、こういうものは一つにして、そうして近畿ブロック、関東ブロック、北海道のようにステートにしたい、こういうのが私の理想である。しかも日本の国はこんなに小さい。こんなに小さい国にこんな小さいものがたくさんあつては、税金がかさむばかりである。学校もよくできない。いろいろな社会施設その他がその人々のために非常に不幸がある。そこで私がせんだつてもここで申したのですが、一体皆さん方は、この町村合併に最も重点を置かねばならない地域給のことをお忘れになつておる。すなわち都会は五級地であり四級地である、いなかに行つたらこれが無級地である。東京都の中でも無級地がある。その人々は電車賃を高く払つて通つておる。いなかは物が安いと思われるかもしれないが、いなかは物が安くありませんです。今はいなかに行くほど非常に物が高い、衣服類が高い、せんだつても申しました通り、道が悪い、げたが減る、靴が減る、安いものは菜つばだけである。家賃も高い、こういうようなところから、町村を合併なさるならば、なぜこの地域給を全廃なさることを、まず前提においてお考えにならなかつたか。私はここに浅井人事院総裁を呼んでいただきたい。これが最も重大な問題である。この地域給を忘れて町村の合併をなぜなさいましたか。それを小林行政部長にまずお開きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/37
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038・中井一夫
○中井委員長 ただいまの御質疑は人来院に関係するものか主たるものと思います。これはあらためて理事会に諮つて決定をいたしたいと思いますが、小林行政部長からお答えになるならば、お答えはなるべく簡明がいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/38
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039・小林與三次
○小林(與)政府委員 ただいまの問題は実は級地制度の根本問題でございまして、級地制度につきましてはいろいろ御議論がありまして、われわれ自身もいろいろ意見を持つておりますが、級地制度というものがああいう形で存在する以上は、問題は根本的に解決つけかねる問題だと思うのでございます。そこであの給与法を見ましてもわれわれはあまり感心しませんが、行政区画の変更があつても影響がない、こういうことをわざわざ法律で断つておりまして、級地の問題はそれぞれ経済的な実態に即してものを考えるという一応の建前になつておるものですから、同じ行政区画でも必ずしも一致していないというのが現実でございます。しかしこれは実際の町村合併の場合におきまして、いろいろのところに支障か起り得るということもあり得るのであります。普通の町村の自治体の職員にはあまり関係がありませんけれども、そこに国の役所その他たくさんありますので、そういう問題も実際起つておりまして、これは一緒になる以上はなるべく一本で行くように、われわれといたしましても最大の努力をいたしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/39
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040・加藤精三
○加藤(精)委員 ただいまの行政部長の御説明によりますと、地方自治法の第八条の要件を、さらに最も近い法律改正の機会により厳重にする、人口要件等をも厳重にして行くということで準備しているというお話でございますけれども、私はどうもそれがふに落ちないのでして、現在全国的に道路整備五箇年計画で道路もだんだんよくなつている。それからガソリンの税収入等の趨勢を見ましても、恐ろしい勢いで全国のすみずみまで自動車なんかが普及して交通が便利になつて行く、こういうときでありますから、私はある程度農村的なところが市の地区の一部となつても一向さしつかえないと思うのであります。そうなつて逐次生活文化の向上を目ざして行くならば、将来はますます広い範囲にしていいと思つているのであります。現に地方自治法第八条を非常に緩和してやつておつて、将来ますますその交通関係が良好になる場合に厳重にするというようなことは、私はどう考えても百八十度の矛盾のように思うので、そういう矛盾したことを——地方制度調査会の答申だ答申だと言つても、現にやつておられることと、これからやることとは全然正反対なことであります。そして当分の間は猶予規定をつけるというのは、あまりに矛盾もはなはだしいと思うので、そういうことを御断念になつてはどうかと思うのでありますが、御当局の御意見をお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/40
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041・小林與三次
○小林(與)政府委員 われわれも実は市の中にそういう農村の部分を——場合によつては、山があつても一向かまわぬと思つておるのであります。ただ一つの自治体としてのまとまりをもつて、一体的な運営が可能であるということが根本でありまして、その地域の中に山があつても谷があつても、これはあながち否定する必要はないと思うのでございます。ただ町ということになりますと、その考え方の根本問題がいろいろ出て来るのでありまして、根本的にいろいろ議論もあるし、われわれ自身もいろいろ思い悩んでおる問題でもありますが、今の一般的の考え方として、市というものについてある程度のものを予定しておる、現に自治法も予定いたしておりますので、やはり一つの中核体というものがありまして、それと一体をなす配合地帯はどれだけ広くてもいいのです。それだけまとまつて、但し中身は一応あるということが前提になつておりますので、そういう形を基礎にして一応事を考えて行くよりしようがないのではないか、そういう形で現在町村合併も事実上行われ、市の新設も行われておるのでありますが、ただ現に行われておるものと正反対、矛盾するようなことをただちにやつてはいかぬということも、しごくごもつともでございまして、われわれといたしましても、かりに制度の基本的な考え方として市というもののレベルをもう少し引上げたという立法措置をとることにつきましても、十分今日の実際の合併の動きには即応し得るような形で、合併というものは一応全国的に均衡がとれて一段落をするという態勢だけは確保して行くべきだと思うのであります。それでは新しい明日、明後日の市というものはどう考えるかということについては、やはりこういう考え方でやつて行つてもいいのではないかというので、経過的な措置をあわせて考えまして、現在の動きというものにつきましては、従来扱つて来たと同様な杉で、一応おしなべて事が進むような配慮だけはいたさなければならないと考えております。そうなればあとの根本的な問題もどうだという問題になるのでありますが、これにつきましては調査会々々々というわけでもありませんけれども、やはり市というものと町村というものを制度上全然撤廃するか、せぬかという根本問題を解決せざるを得ないのでありまして、一応そこまでの踏切りがつかぬということになれば、一応のところで市というものの規格もある程度考えざるを得ぬのではないか、そういうふうに一応考えておるのでありますが、これらの点につきましては十分御研究をお願いいたしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/41
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042・加藤精三
○加藤(精)委員 あとは意見の相違になりますからそれ以上お尋ねしませんが、ただどう考えても私は社会通念に従つて市というものを考える。市は非常に繁華なところだということになれば現在の取扱いもそういうふうにしたらいい。現在の取扱いはそういうふうにしないで、そうして今度改正法には百八十度それと反対のようなことを法律できめようとする。それが地方制度調査会の答申——この地方制度調査会というのは実に愚劣なことを一ぱいきめておりますよ。市町村長と県会議員を兼ねてもいいとか、あまりおもしろからざる答申が一ぱいあるので、あんなものは学者の遊戯みたいなもので、私は正しくないと思つたならば何もそんなものに従う必要はないと思う。現在やつていることと正反対のことを法律にきめて、そうして当分の間現在やつているようにやるのだ、そんなりくつはどこにもない。もうちよつと政府は確固たる信念に基いて仕事をしてもらいたい。それだから基準財政需要額というもののとり方でも実に確信がない。現在ある基準財政需要額というものをだんだん積み重ねて行くかなんか知らぬが、これからの日本の地方自治というものは大事な時期なんです。これがだんだん新しい地方自治の理念で、この住民生活を幸福にさせて行くために非常な努力をしなければならぬときなんで、地方自治の本質のわからない新聞とか雑誌とかの俗論に感わされて、住民生活文化の向上ということに対しての自治体のサービスとか、あるいは自治体住民の熱を盛り上げるとかいうようなことに十分努力しなければならないのにかかわらず、基準財政需要額なんかにおいては、そういうことができないように平衡交付金法等にはなつているのです。そういうようなことは自治庁の幹部はもつともつと考えを掘り下げて、日本の地方行政をどういうようにして充実させて行くか、大蔵省なんかの無理解な当局をも説得して、どういうふうにして住民生活文化を充実して地方行政自治を向上して行くかということについて、もう少し熱意をもつて考えていただきたい。これ以上は意見になりますから御質問いたしませんが、提案はひとつ慎重にお願いしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/42
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043・中井一夫
○中井委員長 先刻開催しました理事会におきまして、町村合併促進法の一部を改正する法律案については、明朝までに各党派におかれてはその意見を決定せられ、明朝中に討論採決いたすことになつておりますから、何とぞ御用意くださるようお願いをいたします。本日は、本案についてはこの程度で質疑を中止いたしたいと思います。
〔私語する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/43
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044・中井一夫
○中井委員長 私語を禁じます。本日は一応この程度で質疑を打切りたいと思つております。これをもつてやめるということではないのであります。議事進行につき加藤君の御意見を承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/44
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045・加藤精三
○加藤(精)委員 議事進行につきまして、この委員会の各位の御了解を得たいと思うのでありますが、火曜日の本会議にどうしてもかけたいという小委員長の御意思でもございますし、一同の気持でもございますから、これから逐条審議をしていただきたいのであります。それにつきましては、個々の行政事件についていろいろ質疑応答なるのもけつこうでございすけれども、それは一々やりましたら相当時間がかかると思いますので、委員会の性質上個々の事件についての質疑応答はある程度にしていただくようにして、逐条審議に移つていただいたらどうか、こういう意見でありますか、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/45
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046・中井一夫
○中井委員長 加藤君に申し上げますが、実は先ほどの理事会の決定は、一応の質疑が終れば本日はこの程度でこれを打切つて、明日あるいは質疑があれば討論採決前にこれを聞く、そうして本日は警察法の逐条審議に入ると、こういうふうに私は了解いたしておつのでありますが、ただいまの加藤君のお説によると逐条審議とは警察法にあらずして、この町村合併促進法の一部を改正する法律案、これについての逐条審議という意味なんでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/46
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047・加藤精三
○加藤(精)委員 理事会の決定は質疑を大体において本日中に終つて、それで明日は午前中会議時間も少いものですから、逐条審議の大部分に本日中にやつてしまうというように了解しておつたのですが、それで逐条審議かいらんで、一般質問だけで逐条審議はやらぬで法律案を通すということは、今までの慣例にはないものですから、そういう意味で逐条質問をこの機会にやつていただいて、あしたの朝は審議時間も少いものでもありますし、また審議が終了してから各党にもどつて代議士会等で報告する時間も必要なわけですから、逐条質疑だけは本日終了したい、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/47
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048・中井一夫
○中井委員長 加藤理事の御意見がさようでございましたら、委員長の了解が間違つておつたのでありましようと存じます。大石君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/48
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049・大石ヨシエ
○大石委員 私はちよつと小林さんにお聞きしたいのですが、あなたは努力するとおつしやいましたが、努力するとはその内容はいかがであるか、これが一点。それから第二点、あなたはいつも地方制度調査会の答申々々とこうおつしやいますが、しからば地方制度調査会の答申がかくも大切であるならば、地方行政委員会や代議士の必要はありません。警察法もどうぞかつてに上げてください。すぐここへ来て地方制度調査会の答申が重要である、しからばここで審議する必要はないじやないか。この二点はどうです。
〔委員長退席、佐藤(親)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/49
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050・小林與三次
○小林(與)政府委員 前の級地の問題でありますが、級地は御承知の通り給与法できまつておるのでありまして、われわれといたしましては、級地制度そのものの根本問題がありますが、できるだけ合併の趣旨にかなうよう、それからまた級地の不合理というものが是正されるようにするためにはできるだけ努力をいたす、こういう趣旨でございます。人事院の方にも、具体的の場合については一緒にした方がいい場合もしばしばありましようから、そういう点でそういうところは統一を願うように力いたしたいと存ずるのであります。
それから地方制度調査会の問題でございますが、これはわれわれの立案する場合の準備と申しますか、一応の考え方として申し上げるのでございまして、もちろん法案につくる場合のわれわれの気持でございまして、できたら、国会において十二分に御審議をお願いして、御決定をお願いする次第であります。
〔「逐条審議も何もいらぬ」「逐条質疑をやらないで法律案を通した例があるか」と呼びその他発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/50
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051・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 では委員長から小委員長に御意見を伺います。いかがしますか、北山小委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/51
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052・北山愛郎
○北山委員 今の逐条審議というのは、当然町村合併促進法の改正案の方の逐条審議と思いますから、当然逐条審議はやるべきものだと存じます。ただしかしながらこの改正案を見ますと、それぞれ各条項が関連をいたしておりまして、各条項ごとにやりますと、むしろ内容の実態が法文の上ではすぐわかりかねるというような関係がございますので、むしろこの法律案の各条項を念頭に置いて、この改正要綱の各項目について審議をお進めいただいて、それを逐条審議にかえるというような方式でおやりになつたらどうかと思います。
〔加藤(精)委員「賛成」と呼ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/52
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053・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 北山小委員長の御意見があり、加藤理事からも賛成の意見があります。この内容はただいまの程度で進行してよろしゆうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/53
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054・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 それでは本日はこの程度にいたしますか、それとも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/54
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055・加藤精三
○加藤(精)委員 要綱別に簡単にやつていただいたらどうかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/55
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056・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 要綱別について御意見がありますか。北山愛郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/56
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057・北山愛郎
○北山委員 要綱における第一の問題でありますが、今回の改正でもつて、関係町村の教育委員会の委員の身分及び任期に関する特例を設ける、これはちようど町村会議の議員の特例に相応するような特例であるわけであります。また農業委員会の委員につきましても同様な特例を設けるという趣旨でございますが、町村議会の議員の特例については、従来関係町村の議会議員はすべて新しい合併市町村の議員ということになるのでございますが、この際の特例は、公選された委員を互選によつて、ある人だけは委員として残り、ある人はやめるというような趣旨と思うのでございますが、このようなことはちよつと異例ではないか。公選された委員が委員間の互選によつて職をしりぞいたりするということが、はたして適当なものであるかどうか、あるいは他に同様な例があるかどうかというような点についてお答えをいただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/57
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058・小林與三次
○小林(與)政府委員 公選された議員がこういう形で一部だけ残るという例は、実はほかにございません。大体公選された職はきわめて少いのでございます。ただ、しいて言えば、たとえばとりあえず職務執行の代理者を公選された町村長の中から選んで起すという場合がありますが、もつともこれとはちよつと比較にならぬと思います。それでありますから、例としては大体公選された職がきわめて少いのでありまして、そういうものについてこういうことを考えるのは、特別の場合でございますから例としてはございませんが、法律的にはもちろん十分可能だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/58
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059・加藤精三
○加藤(精)委員 農業委員会というのは、これは何か法律には任期がこの七月かに全部終了になつて、それ以後は法律が改正せられなければ農業委員というものは存在しないことになるのではないかと思いますけれども、その点はその後どうなつたか。この際関連して承つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/59
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060・小林與三次
○小林(與)政府委員 今の農業委員の問題は、加藤委員のお話になつた通り、どういう扱いをするかということは、いろいろ農林省でも研究しているようでありますが、現在のところはそのままの態勢で進められておりますから、七月が来れば改選、こういう建前になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/60
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061・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 それでは次に移ります。御質疑ありませんか。
〔「質疑打切り」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/61
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062・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 ちよつと皆さんにお諮りします。門司委員から質疑があるそうでありますので、これは全部打切りでなくして、あす採決の前に門司委員からの質疑を承つてそれで採決するということで御異議ありませんか
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/62
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063・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 それではこの法案についてはこの程度で進行をとどめます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/63
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064・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 警察法案及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の両案を一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/64
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065・大矢省三
○大矢委員 さきほど資料をいただきましたが、この資料の中に今度の改正法案で最も重要ないわゆる責任の不明確なる事案として八つあげられている。しかもこれはちようど五年前の昭和二十四年六月が五件ほどであつて、あと三件がその後できた問題である。すなわち吹田、東京メーデーその他朝鮮人騒擾事件簿でありますが、この八つの責任不明確な問題について、これはこういうふうな大きな改正をしなければいかんともできないものか。あるいはこれを明確にするという程度についてわれわれはよく知らぬが、せんだつて自治警の方からちよつと説明が部分的にありましたが、こういうことが明らかに不明確な事案として出て来たのでありますから、私はこの次に自治体警察の方にこの八つの事案に対して意見を聞きたいから、ぜひひとつ次の委員会には自治警の方を呼んでいただきたい。
それからいま一つは斎藤さんも御承知の通り、今度の改正では国警も自治警もともに解散をして、そして新しくいわゆる都道府県警察として出発する。これは御承知の通り国警は四万何ぼ、そして一方自治警は八万何ぼ、約倍以上、その倍以上の自治体警察に対して、これをどうしても一万何ぼ整理することについては、給料も高い、年も行つている、だからここにしわ寄せされるという非常な不安かある。この点は一万を整理するというなら、もう案が立つているでしようから、斎藤さんか言いにくかつたら政府の方でもいいです。特にこの法案が出たゆえんのものはつまり行政整理が一つのねらいです。六万首切るのを首切れなかつたのがここへしわ寄せられたとだれも言つている。そこで一万整理するのに、その内容は国警との関係はどうなさつているか。その人員をぜひ知らしていただきたい。これはひとつ斎藤さんからも政府の方へ言つて出してもらいたい。
いま一つは、これも斎藤さんに聞くのもどうかと思いますが、両方解散するということになりますと、一例をあげると一体警視総監の川中さん、それから斎藤さんはすぐおやめになるのかどうか。そうして新らしく出発をするのか。なぜ私がこれを聞くかというと、結局国警に吸収されるということになると、自治警の不安も出るししますから、これはそうじやない、一本にするためにそういうことはやらないんだ、出直すのだ、こういうことになるのか。これは非常に重要なんです。やはり人間だから「自分の部下はかわいい。その点の心配があります。一切御破算にして出発するので、適材適所に人を配置するのだというその人事と、それから解散の具体策についてぜひとも聞いておきたい、そうしなければただ形式の上だけきまつても精神的にほんとうに身をもつて治安に協力することはできない。これは警察の精神的な非常に大きな問題だと思う。その点私は決して他意あつて言うのでも何でもありませんからほんとうにりつぱな警察をつくりたいということですから、その三つをひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/65
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066・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 大矢委員に御了解を願いますが、両案に対する質疑は去る二十三日の委員会において総括質問が終つて、次会からは逐条審議に移ることにきまつておつたのでありますから、ただいまの御質疑についのことについては、委員会を開いて進行したい思いますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/66
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067・大矢省三
○大矢委員 ぼくはそう思つて、逐条審議に入つたときに、それはまだわれわれにはわからぬがと言われてはいけないから、あすでも自治警の人に来てもらう。それから私の言つたあとの二つは政府でよく準備をして出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/67
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068・藤田義光
○藤田委員 私はいよいよ逐条審議の宣告がありまして、逐条に入ることにはもちろん異議はございませんが、この第一条は今回の警繁法の大目的を明示しておりまして、非常に重大な規定であります。従いまして第一条の審議を始める前に、ひとつぜひとも担当大臣小坂善太郎君を当委員会に呼んでいただきまして、新大臣の率直な意見を聞くべきである。一国警長官の意見によつて第一条の大目的の審議に入るということは当委員会として不見識である、私はそう思います。従いまして本日はこの程度で散会していただきまして、小坂国務大臣か出るまでは第一条の審議はしないということを委員長に了解していただきたいと思います。もしこの点に関しまして与党と意見の対立がありましたならば採決してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/68
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069・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 委員長から釈明いたします。小坂大臣はただいま院内の歯医者に行つておりますので、来るまでの間御猶予を願えれば幸いだと存じますが、ただいまの御意見もありますから、もし本日はこの程度で散会するという御意見が強かつたならば、逐条審議については延期することにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/69
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070・北山愛郎
○北山委員 ただいまの藤田さんの御意見ごもつともでございます。今日は町村合併促進法の改正案について、いろいろ御質疑もあつて時間をとつたわけであります。次の段階としては警察法の逐条審議に入るということは皆さんも御了解の通りで、われわれもさよう了承いたしております。しかし何しろこの通り定足数もどうかと思われますし、またただいまの藤田さんの御意見もあるのでありますから、明日から逐条審議をやることにいたしまして、今日はこの程度で散会されたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/70
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071・佐藤親弘
○佐藤(親)委員長代理 それでは本日の質疑はこの程度で散会いたします。明日の時間は追つて公報をもつてお知らせいたします。
午後四時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904720X05119540426/71
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