1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年五月十七日(月曜日)
午後二時十九分開議
出席委員
委員長 稻村 順三君
理事 江藤 夏雄君 理事 大村 清一君
理事 平井 義一君 理事 高瀬 傳君
理事 鈴木 義男君
永田 良吉君 長野 長廣君
船田 中君 山崎 巖君
山下 春江君 田中 稔男君
中村 高一君 辻 政信君
出席政府委員
内閣官房副長官 江口見登留君
総理府事務官
(恩給局長) 三橋 則雄君
総理府事務官
(南方連絡事務
局長) 石井 通則君
厚生事務官
(引揚援護局
長) 田邊 繁雄君
委員外の出席者
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
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本日の会議に付した事件
恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出第一
七二号)
元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別
措置に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出第一七三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/0
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001・稻村順三
○稻村委員長 これより開会いたします。
本日は恩給法の一部を改正する法律案及び元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題となし質疑を行います。質疑は通告順にこれを許します。高瀬傳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/1
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002・高瀬傳
○高瀬委員 実はこの恩給問題については、その後の経過あるいは方針等について多々政府に質疑をしたい点がございますが、とりあえずまず事務的なものから先に三橋恩給局長に質疑をいたしたいと思います。特にこの恩給法が施行されましてから、各種の恩給受給者団体方面からいろいろな陳情が出て参つております。特に旧軍人関係恩給権擁護全国連合会代表柴山兼四郎氏から、恩給支給促進に関する請願というのがわれわれの手元に出ておるのであります。その中で特に重要な項目を申し上げますると、恩給支給事務費を都道府県に増額交付されたいということが一つ、それから恩給裁定事務の簡素化をはかられたいということが一つ、三番目に、下級者公務扶助料額を援護法による遺族年金額よりも低額とならないように改正されたいという三つの項目について、たびたび文書のみならず口頭をもつてわれわれはその改善方を要求されておるわけであります。これらの問題について個々の説明は避けますが、ただいま申し上げました三つの点について、まず三橋恩給局長の所見を伺つておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/2
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003・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 今の御質問の中の第一点の、都道府県に対する事務費の増額に関する点についてでございまするが、これにつきましては、厚生省において所管いたしまして、いろいろとその方面の事務をいたしているのでございます。厚生省におきましては、いろいろとその方面の要望に沿うべく努力いたしていると思いまするが、私これにつきまして詳細な責任ある答弁をし得るだけの資料を持ち合せておりませんので、ただいま御質問のありましたことは、厚生省関係の政府委員が出席いたしました上で答弁するようにすることをお許し願いたいと思います。
それから事務の簡素化の点でございまするが、これにつきましては、高瀬委員の仰せられますることはもつともなことでございまして、私ども事務に携わる者といたしましては、受給者の心情を察しまして、一日も早く恩給あるいは扶助料が請求者の手元に支払われまするように、できる限りの努力はいたしております。なお今後の研究によりましてなお簡素化し得る点を発見しまするならば、どんどん簡素化して行くつもりであることはもちろんでございます。
次の、いわゆる公務扶助料の増額の点についてでございまするが、これにつきましては、もちろん事務当局といたしましては、現在旧軍人及びその遺族の方々に支給されまするところの恩給の金額が満足すべきものでないということは、十分知つているところでございまするが、何と申しましても、国家の財政の現状からいたしまして思うにまかせないような現状であります。今高瀬委員の仰せられましたようなことは、私ども事務当局におきましては十分考え、善処する考えではおりまするけれども、このたびの法の提出にあたりましては、御趣旨に沿うようなことができかねた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/3
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004・高瀬傳
○高瀬委員 ただいまの御答弁でありますが、たとえば恩給裁定事務の簡素化というような問題について、公務死の問題あるいはその認定の問題などについて恩給局と厚生省と連絡を非常に緊密にして、この点を研究しておられますかどうか。
それからもう一つは、援護法で公務起因と認めたものは、恩給法でもそれをそのまま公務起因と認むべきであるという主張、これはいずれわれわれも議員提出として何らかの処置をとりたいと思つておりますが、この旧軍人関係恩給権援護全国連合会では、これはにわかに賛成できないということを言つておるんです。この問題はいずれわれわれの提案で明らかにいたしますが、このにわかに賛成できないと言つている点を恩給局長はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/4
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005・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 第一点の、厚生省当局と恩給局当局とが研究しているかという御質問でございますが、これにつきましては、研究いたしております。現在の段階におきましては、一応簡素化し得ると認めるところまで簡素化して参つたのでございますが、なお簡素化し得るかどうかにつきましては、研究はいたしておりますが、まだ私の方の事務当局と厚生省のその方面の事務当局との間におきまして結論を得るまでには至つておりません。もちろんできるだけし得るものは簡素化したければならないことだと思つております。
次の問題でございまするが、今お話の擁護連合会からどういう要望が出ているか私は存じませんが、私といたしましては、旧軍人及びその遺族の方々の恩給の裁定につきましては、二つの異なつた要請があると思うのであります。その一つは、受恰者の側からいたしまして、一日も早く恩給、扶助料を給付してもらいたいという要請であります。もう一つは、この恩給は何と申しましても国民の税金をもつて払われるものでございまするし、法律におきましては、一家の条件に該当する場合において恩給を給付すべしというふうに書いてある原則からいたしまして、その方面からそれ相当の調査研究をして支払うという、大事をとつて法律の要求するところをよく調べて払うという考え方。これは俗な言葉で申し上げまするならば、大事を取過ぎて非常識のあるようなことも考えられまするが、それかといつて何もかも法律を無視してしまつて、受給者の要望に早く沿うというような処置をすることもできかねるところだと思うのであります。そういうようなことからいたしまして、擁護連合会の要望されているところはどういう趣旨に基くか存じませんけれども、今の二つの点を考えてみますると、擁護連合会の方におきましては、おそらく早く裁定をする、こういうことはもちろん望ましいことであるが、それと同時に裁定にあたつて慎重に裁定をするようにという考えから、そういうようなことが言われておるのではなかろうかと思つておるのでございます。現在の段階におきましては、いかにして裁定を早くするかということに重点を置いて恩給の支給の事務をやる、こういうことになりますれば、勢いその方面にそういうような措置を講じなければいかぬと思つているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/5
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006・高瀬傳
○高瀬委員 それではこの遺族年金裁定の基礎となつた証明書類は、極力公務扶助料の裁定の基礎となる書類にせよ、そういうことはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/6
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007・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 それは妥当なことだと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/7
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008・高瀬傳
○高瀬委員 それでは第三番目の、下級者の公務扶助料が遺族年金よりも低額である、これは非常に困るという陳情があるようですが、これはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/8
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009・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 昨年の八月に恩給法に関する法律案を政府が提出いたしましたときにおきましては、今お話のようなことはなかつたのじやないかと思うのでありますが、その後に援護法により遺族年金の額が増額されました結果といたしまして、ほんとうの端数と言いますと語弊があるかわかりませんが、ほんのちよつとの金額のところにおきまして、今高瀬委員の仰せられましたような差のつく場合があるようであります。これにつきましては、恩給法の法案を政府案として作成いたしまする際に、いろいろと政府部内で大蔵省その他のところと相談をいたしましたが、そのときに今高瀬委員の仰せられますように、恩給法によつて給されますところの扶助料の金額が、遺族年金の金額よりも下まわらないということで考えておつたのでございますが、今お話のようなことは確かにございます。これにつきましては、いろいろな事情から遺族年金の金額がこういうふうになつたことだと思いますが、高瀬委員の仰せられますことはもつともなことだと思いますので、よく研究いたしまして、今後善処することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/9
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010・高瀬傳
○高瀬委員 この点は、たとえば公務扶助料を請求する人が、遺族年金よりも公務扶助料の力がたとい幾らもで安いということになると、確かに躊躇すると思うのですから、この点は厳重に改正されんことを切に要望いたします。
なおこの前の国会でありましたか、恩給金庫をぜひつくつて、恩給受給者の経済的立場を擁護してもらいたいという要望がありましたが、私が恩給連盟の幹部の方にお目にかかつたときに、財界とも連絡し、政府とも連絡したところが、これはぜひ必要だから、政府は次の国会に提案するというようなことを非公式に言つておられたということで、たいへんに喜んでおられましたが、その後恩給金庫の問題は影も形もなくなつてしまつたのですが、一体恩給局はもちろんのこと、政府として——これはもちろん緒方副総理かあるいは吉田総理に聞くべきことですが、事務当局として恩給金庫に関する問題を調査しろとか、あるいはこれの設置方促進について事務的に研究しろとかいうことを政府から命ぜられてやつておられるか、あるいはやつたことがあるか、そういうことについて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/10
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011・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 今の御質問につきましては、もちろん研究を命ぜられて研究いたしまして、いろいろと案を具体的につくることに努力をいたしたのであります。ところが最後にいろいろな国家全体のことを上の方において検討されました結果、いわゆる恩給金庫のようなものはこの際創設することはやめることになりまして、国民金融公庫におきまして、従来の恩給金庫においていたしておりましたような恩給担保の金融の道を講ずることになつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/11
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012・高瀬傳
○高瀬委員 それは私は初めて伺うのですが、そういう方針はいつきまつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/12
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013・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 いつでしたか、はつきりした日にちは覚えておりませんが、今年になりましてからさようにきまりまして、今申し上げますような国民金融公庫法の改正に関する法律案と、それから国民金融公庫におきまして今申し上げますような仕事をしますための法律案が国会に出されて通つたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/13
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014・高瀬傳
○高瀬委員 恩給局長が言われるのだから、確かにきまつたんでしよう。しかしながら一般の恩給受給者がそういうことを知つておりましようか。周知徹底させてあるかどうか。この点は運用上大切じやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/14
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015・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 今申し上げまするように法律案は通つたのでありまするけれども、施行に伴う規則はまだ出ておりませんが、今お話がありますように、こういう措置が政府においてきめられましたことを一般の恩給受給者に知らせておくことはもちろん必要でありますから、今度規則が制定せられまするときには、私から関係者に話をいたしまして、周知徹底させるようにいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/15
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016・高瀬傳
○高瀬委員 それではその問題については一刻も早く周知徹底せしめるように事務的に御処理願いたいと思います。
なお恩給金庫による金融については別途意見もありますが、今回は申し述べることを差控えます。
なおこの前私は十六国会において恩給受給者の加算及び通算の問題についてぜひともその実現をはかられたいという要望を申し述べましたが、政府の方では千二、三百億かかる、それから調査もなかなかできないということでしたが、恩給局の方でこの問題について事務的に調査を進めて行つて、日本の財政とにらみ合せて、もしできるような場合は、これらの実現を極力はかつていただきたい。従つて恩給局の方においては、この通算、加算の問題について極力事務的に研究をし、それから統計的な数字を整備して研究するということで私は一応了承したのでありますが、その後の経過はどんなようになつておりますか、それをちよつと伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/16
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017・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 その後いろいろと調査はいたしておるのでございますが、何と申しましても、旧軍人及びその遺族の方々の恩給問題につきましては、恩給局におきましては、先般の国会において成立しましたあの法律の線に沿いまして一日も早く恩給を給することに全力を尽しておりますために、その方面の調査も十分なことはできておりません。しかしながら私たちにおきまして調査して行つたところにおきましては、加算をつけ得るという確信を得るまでの調査はまだでき上つておりませんが、しかし今高瀬委員の仰せられますことはもつともなことでありますから、その御要望に従いまして、今後できるだけの調査を進めて行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/17
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018・高瀬傳
○高瀬委員 それでは申し上げますが、旧軍人恩給擁護連盟の方で、この加算、通算を認めた場合に新しく恩給権を付与されると思われる人員は約百万人だということを主張しておられる。その内訳を申しますと、四十歳未満が九十三万五千人であり、四十歳以上が六万五千人、こういうことなんですが、これらの数字について恩給局はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/18
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019・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 今の数字につきましては、私はつきりしたことを申し上げかねるのであります。といいますのは、そういうふうな数字がどういうことで出て来たかということもはつきり解しかねるところございますし、それからたいへん失礼なことでありますが、その加算をつけた場合におきまする恩給受給者の総人員がいかになるかということにつきまして、この前の国会において申し上げましたような計数資料を実は持つて来ておりませんのではつきり申しかねますが、私今のお話は承りまして、よく調査いたしましてからお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/19
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020・高瀬傳
○高瀬委員 それではなお続けて申しますが、この擁護連盟の計算によりますと、加算と通算を認めてもただちに金はいらない、大部分が四十歳未満である、この人たちは終戦のときは、今から九年前ですから三十一歳の者ばかりだ、従つてこれらの者の実在年数はせいぜい十年未満ということになる、軍籍に入つたのは約二十一歳ということで行くと、大体実在年数はせいぜい十年未満である、これらの者に加算、通算を認めたとしても、若年停止の関係で今すぐ支給の対象にはならない、従つて金はいらぬ、とこういうのです。それからその内訳を言いますと、四十四歳まで若年停止ということになつていますから、四十五歳から四十九歳までは約五〇%それから五十歳から五十四歳までが七〇%、五十五歳以上が一〇〇% こういうふうになつているという推定なんです。だから一番最初に支給を受ける者でも、今から五年後に初めて五〇%の支給を受けるということになるというのです。それから現在四十一歳以上の者を見るならば、総数で六万五千人しかいない。総数で六万五千人です。その内訳を申しますと、四十一歳から四十四歳まで二万八千五百五十人、これは支給しないでもいい口なんです。それから四十五歳から四十九歳までは二万一千六百人、これは五〇%支給、それか五十歳から五十四歳まで一万三千人、これは七〇%支給、それから五十五歳以上は千八百五十人で、これは一〇〇%完全支給、結局これに対して必要な金額は約四億五千万円程度しかいらぬというのです。すなわち総人数で言うと三万六千人分、ですからもし加算、通算を認めないで、これらの人々に対して一時恩給——七年以上一時恩給を給するということになると、その金額が約四百四十五億二千万円ほどになる。だからすでに今まで一時恩給としては七十一億二千万円が計上されておるが、これらの計算から言いますと、加算、通算を認めて一時恩給をとりやめてこれを普通恩給の普通の年金にすれば、これだけの金額がいらなくなるというのです。いわゆるこの計上した七十一億二千万円なんていらぬということになるから、これを振りかえることができる。従つて財政規模がふくらむようなことは絶対ない。これは財政措置としてこの方が賢明ではないかという御意見なんです。私はこれを読んでみて、実はこういうふうに大体書き上げてみたのですが、私の書き上げたのが間違つておるかどうか知りませんけれども、大体非常に明瞭なる結論が出て来たわけです、それならばこの前緒方さんの言つた千二百億なんという厖大な数字でなくして、わずか四億何千万円くらいで百万人の人が救える、しかも通算、加算を認めたことによる精神的効果、あるいは日本再建に対するこれらの人の熱意が高揚されるならば、政府もめんどうくさいからとかなんとか言わずに、あつさりとこれを認めた方がいいのじやないか。私はこの陳情をまじめに読んでみた。私の今書き上げたのはこういうような陳情の趣旨らしく受取れるのです。ですからこれらの問題について恩給局はもう少し虚心坦懐に——非常な数字の開きがありますから、私はここでお聞きするわけです。この問題については一度旧軍人の恩給擁護連盟の方と虚心坦懐に話し合い、具体的に通算、加算の問題を取上げるという角度からこれを論議されてみる御意思があるかどうか、それをちよつと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/20
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021・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 私いろいろと陳情される方々の言葉には耳を傾けて聞くべきだと思います。従いまして今高瀬委員の仰せられましたようなことにつきましては、私はできるだけ虚心坦懐にお話を伺いまして、検訂を加えて行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/21
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022・高瀬傳
○高瀬委員 それで、はその問題については、この恩給局という立場はもちろんのこと、三橋さん御自身としても、ぜひひとつそれらの方とよく御相談になつて——私はこれはそうめちやな数字じやないと思う。ただあの恩給法を新しくきめたときには、あの審議の際にはちよつとむずかしかつたと思うのですが、これからひとつこれらの問題をまじめに取上げて、これらの人の希望を満たしていただくように私は要望して質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/22
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023・稻村順三
○稻村委員長 辻政信君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/23
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024・辻政信
○辻(政)委員 三橋恩給局長は、この旧軍人関係恩給権擁護全国連合会代表柴山兼四郎氏提出の恩給支給促進に関する請願を、この会に出られるのにお読みになつておいでになつたかどうか、それを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/24
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025・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 請願といいますと、たくさん来ておりますので、私はこまごまと読むまでに至つておりません。しかしながら今の請願の中において読んでいるものも読まないものもありますが、今のお話のどれだつたか私は覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/25
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026・辻政信
○辻(政)委員 あまりたくさん来るので、あなた方はこの血の出るような叫びを、かえるの声のように聞いておられるのじやないかという感じがするのです。現にこれはわれわれのところにはずつと前から出ておる全部を代表して総合的な陳情なんです。しかるにただいま高瀬委員の質問に対して、ことに下級者の公務扶助料の額が援護法による遺族年金額よりも低額である、それをどうするかという質問に対して、そこでこそこそ相談しなければわからない、そういう程度では、こういう血の出るような請願に対して事務当局がきわめて無関心である、不感症であるというふうに私は感ぜざるを得ないのです。先ほどあなたは、あらゆる努力をしておる、ことに事務の簡素化に対して……。そういう答弁はわれわれ昨年からこの委員会でしよつちゆう耳にたこができるほど聞いておる。しらばいかなる程度に事務簡捷をされたか、具体的にその例をあげて御説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/26
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027・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 私が直接に事務簡捷をどういうふうにしたかというお尋ねでありまするが、御承知の通り恩給請求につきましては、手続の規定が設けてあります。その手続の規定によつて提出されるところの書類につきまして、どういうような書類を出すか、こういう具体的な問題につきましては、私の方の主務課長と厚生省の当局の関係課長とその他の者との間において、絶えず打合せをしながらやらしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/27
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028・辻政信
○辻(政)委員 やらした結果、具体的にどういう策をとられたか、それを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/28
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029・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 できるだけ簡素化されて事務の過重にならないように、打合せをしつつやつておると私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/29
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030・辻政信
○辻(政)委員 具体的には何ら改善されておらない、ことにこの問題はこの国会が始まりましてから、両派社会党が政府に対して強く要望されておるのです。社会党の皆さんも……。これは全党一致です。それにもかかわらず、事務をやつておる人たちは、またかというふうに、今日までこの委員会で何とか努力すると言えば通るというような態度を続けて来られた。わずかに二千円や三千円の涙金で糊口をつないでおる遺族の気持になつてみれば、もう少しあなた方が、なぜ簡素化できないのかということを突きとめて、法令の改正なり何なり自発的にやられてしかるべきじやないかと思う。何らやつておらぬじやないか、こういう議論を何べん繰返してもだめです。そこで結論的に承るのは、現在今日までどれだけの件数を受理されてどれだけの件数が進達されて、どれくらい当つたか、その数字を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/30
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031・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 十四日現在におきまして、普通恩給と遺族扶助料と公務扶助料でございまするが、それをひつくるめまして、恩給証書を発行いたしました数は四十七万六千五百二十七となつております。約四十八万ばかりでございます。それから恩給局において受付けた件数はどのくらいかと申しますと、六十六万ばかりでございます。そのほかにいわゆる傷病者に給付されるところの増加恩給というのがございますが、この増加恩給については、御承知の通り、職権によつて、昭和二十八年の八月一日現在において恩給を給付された人については、増額された恩給を給付されることになつております。こういう人たちの増額改訂は事務を終了してしまつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/31
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032・辻政信
○辻(政)委員 そうしますと、大体遺族の数を百九十万と概算しまして、受付けた数が三分の一、処理したのはその受付け数の大体三分の二という見当ですね。全部の者に行き渡るのは、一体いつごろになるというお見通しですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/32
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033・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 遺族と申しましても、戦死等によつてなくなられた方の遺族でございますが、そういうような方の遺族で、公務扶助料をもらえる方が大体何人くらいあるかということにつきましては、いろいろと見方によつて数も違うかと思いますが、厚生省においていわゆる援護法によつて遺族年金を出されている件数が大体百二、三十万だと承知いたしております。もちろんそれよりも公務扶助料を給付せられる方は、おそらく多くなることだろうと思いますが、かりに最低百二、三十万、そのほかにいわゆる老齢軍人その他の普通恩給の受給者が大体何人くらいあるか、こう考えますと、これも一応の推測でありますが、大体二十万人前後に考えてよいのではないかと思います。もちろん四十五歳未満の受給者を入れますと、まだ多い数になりますが、一応四十五歳未満の方については全額の恩給は停止されますから、さしあたり今年中に給付する必要はないと考えまして、こういうような方を除きました者につきましては、今申しましたような数になつております。平病死された方の扶助料、いわゆる普通扶助料でございますが、そういう扶助料を受ける力が一体どのくらいあるかということでございます。こういう力は大体二十万人足らずでございますので、合計百七十万人前後になつて来るのじやなかろうか、こう私は思つております。もちろんこれよりも多くなるかと思いますけれども、大体その前後ではないかと思つております。そうしますと、現在において処理しておる件数は、先ほど申し上げたような件数でございます。
それからずつと前のこの委員会において、私が御質問に答えましたときの処理の件数というものは、割合に少かつたと思つております。それから考えますと、今日においては処理件数がかなり多くなつて参つております。それからまた今日における局の処理の能力を考えてみますと、大体一日に、一箇月平均いたしまして、土曜日なんかの半日の場合などを入れて五千件を下らず処理いたしております。従つて平日になりますと、六千件、七千件の処理をすることももちろんでございます。今後この能力というものはまだ若干上昇さして行く、八千件か一万件近くまで持つて行きたいと思つておりますが、かりに一万件はむずかしいといたしましても、まだ若干の上昇はさせなければならぬというふうに考えて、着着実行いたしております。こういうことをいろいろ考えて参りますと、今年中に今申し上げたような人員の人たちに対して全部の恩給を給付するということは私は困難だと思います。しかしながら大半の人に対しては給付し得ることになるのじやなかろうか、またそうしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/33
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034・辻政信
○辻(政)委員 あなたのお話によりましても未処理件数が百万以上残つておると思います。そうして一日にわずか五千件というと、延べにして二百日以上かかる。そうするととうてい今年一ぱいに終りそうもない。そういうことが見えすいておるのでありますが、それを促進するためにどこに隘路があるのか、人間が足らぬのか、居残り料が足らぬのか、またその隘路をいかに打開するというお気持か、それを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/34
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035・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 恩給の事務を処理しますためには大体とういうような職員がこの事務に従事しておるかということをまずお考え願いたいと思うのであります。この前申し上げましたよりも人員はかなりふえて参りまして、今恩給局におきましてこの恩給の事務に携わつておる者、これはもちろん若干は文官関係の恩給の事務に携わつておるのでございますが、千三百人でございます。その中で本職員が二百人でございます。大まかに申して千百人というのはいわゆる臨時の職員でございます。従つてこの臨時の職員はほんとうに臨時の職員として、今度仕事を始めましてから逐次増員して参つたのでございますために、この職員は恩給の事務にふなれでございます。もちろんいろいろ勉強しておりますが、ふなれな者が多うございます。それからまた恩給局の本来の職員は、今申しましたような多数の臨時の職員を片一方におきましては教育をしながら、恩給の裁定の事務をやつて行かなければならぬ、こういうような事情でございます。従つて現在の人員からいたしましても、もしもその人員が全部ほんとうの恩給局の職員であつて、そうしてこの恩給法が施行される前からちやんと一人前の仕事ができるようになつていたとしますれば、非常に恩給の仕事は促進されて、今以上に能率が上つたと思いますが、そう言つてもしかたがありません。現在におきまして隘路になつておるのは何かと申しますと、今までのように多数の臨時の職員を入れまして、そうしてふなれな者を教育しながらこの恩給の事務をやつて行かなければならないというところに、私は隘路があるのだと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/35
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036・辻政信
○辻(政)委員 恩給局と援護局と地方の世話課、その関係を一貫して検討されて、地方の世話課から中央に来る書類がよどみなく中央においてこなされるというのを中央の事務能力としなければならぬのではないか。あなたがいかに努力されても、その中間もしくは末端において進捗しないのでは何にもならないのであります。そういうことから考えると、これは政府としてその辺を全体的に系統的に検討されて、どこに隘路があるのか。こういう仕事は一貫作業です。出た書類が一日か二日でどんどんはけるようにしなければならない。いかに三橋さんが責任を感じて馬力を出されてもだめなんです。田邊さんと地方の世話課と三橋さんと、すべての人がそういうふうにきわめて科学的な能率的な調整をやらぬというと、いつまでたつてもいかぬのじやないかと思いますが、それについて江口官房副長官から官房長官にかわつて御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/36
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037・江口見登留
○江口政府委員 恩給事務の処理が非常に進捗いたさないという点につきましては、恩給局長を初めといたしましていろいろ事務的にも相談会を開いてやつておるようでございます。私直接恩給事務に携わつておりませんけれども、主管大臣といたしましても今加藤大臣並びに草葉大臣も明らかにこの点については気にしておられまして、しばしば閣議の席上でもその問題の促進方について発議がございます。その意を受けまして、恩給局においても、援護局においても、いろいろ事務的に何か促進する手はないかということをずつと研究して参つております。その点で徐々に処理の簡素化ということも実現するだろうと思います。いま一つには、職員構成が非常にこの事務にふなれなかつこうになつておるという点が、私は非常に隘路だと思います。なれるに従つてただいまの処理件数の倍くらいまでは処理できるように養成したいと思います。今後とも官房長官以下、この恩給事務の促進に努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/37
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038・辻政信
○辻(政)委員 この法案を上げる前に、今田命中に政府として具体的な案を示してもらいたいと思います。われわれがここで去年から何べん言つてもやらない。とにかく国会で、内閣委員会で素通りすればどうにかあと一年は行けるという気持ではいけない、国会の会期もあと少いが、この法案を通すまでに具体的な案をどうするか、それをぜひひとつ早急に出していただきたいと思います。これは社会党の諸君も促進方を申し入れておられる。田辺次長に承りますが、あなたの見た隘路はどこにあるか。またどういう対策を講じておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/38
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039・田邊繁雄
○田邊政府委員 恩給法に関するわれわれの立場はいわゆる進達官庁であります。都値府県の世話課を入れまして、恩給局まで書類を届ける立場にあるわけであります。その立場で仕事をしているわけでありまして、量的にもまた質的にも大きい分量を占めますものは、いわゆる公務扶助料でございます。中央に一旦提出されましたものを厚生省で審査をして、恩給局に届ける。この点につきましては、そうさしたるむずかしいことはないのでありますが、問題は世話課で受付けてから厚生省に進達するまでの間の書類の作成その他事務の手続あたりだろうと思、ます。公務扶助料は御承知の通りいろいろな書類が必要でございますが、問題は本人の履歴書とそれから公務のために死傷しまたは罹病したという証明書が必要でございます。恩給局では一般の原則に従いましてこれを要求しておりますが、できるだけ簡素化する、こういう方針で今まで来ておられるわけでありますが、私どもの方ではこの仕事が予定の通り進捗しないような状況でございます。その隘路はやはり仕事が非常にたいへんだという点にありますので、もつと業務を簡素化する余地があるのではないか、こう考えまして恩給局にも再三その点を要望しているような状態でございます。実は昨年すでに援護法で公務という点につきましては一応作業が済んでいるわけでありますので、恩給局に対しましては、従来われわれのやつて来ました作業の結果を十分尊重していただく、その結果を極力活用して業務の簡素化を徹底的にやる、こういう趣旨で具体案を持ち寄りまして、恩給局と目下鋭意検針中でございます。これが実現いたしますならば、相当程度世話課の作業草片軽減できるのではないか、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/39
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040・辻政信
○辻(政)委員 私があなたの下の官庁へ実情調査に行つたときに、その主任者がいわく、一番困つているのはいわゆる病気で死んだ人のその病名とかその他を判定することだ、それをやる主任官が保安庁の軍医であつて、それが一週間に一回ずつ復員局へ来て、こんなにたくさんある書類を判定しなければならない。そこに非常な隘路がある。いま一つは居残り手当が支給されておらないので、五時過ぎになると帰さなければならない。何とかして十時ごろまで仕事をやらしてやりたいけれどもその予算がない。この二つの点も訴えられておつたのであります。それをあなたの方でいかように御改善なさつたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/40
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041・田邊繁雄
○田邊政府委員 この援護法で現在保留になつているものの促進の問題でございますが、これは非常にむずかしいケースばかりでございます。私の方では援護法の裁定をいたします場合には、とにかく二百万からのものを短期間のうちに処理しなければなりませんので、尋常一様の手段ではとうていやれないわけであります。最盛期には一万件を越すものを処理をいたしたわけでありますが、その処理をいたす方法といたしましては画一的にやる。これは恩給局と違いまして私の方では従来こういう経験がないのでございまして、この裁定をする場所と申しますか、課がたくさんにある。これを私が見て一々審査するわけに参りませんので、各課長にある程度おまかせしなければならぬ。その場合に画一的な基準をつくつて、その基準によつて各課長が機械的に裁定をして行く、こういうやり方を採用しております。それによつてさばけるものが相当たくさんございます。ただ病気等によりましては個個に審査を要するものが相当ございます。病気にかかつた当時の環境なりその他各般の状態を一応見て、そうして判断せざるを得ないものがございますので、それは全体を通じまして一つのやはり審査方針というものを会議できめて、個々の問題は先刻お話のありましたように専門の医官に見てもらう。これによつてやつているわけであります。これによつて相当多数さばいているわけであります。その後やむを得ない事情のために私の方にある専門の医官を保安庁の方と兼務に来ていただいております。この方もできるだけ来ていただきまして、いわばこちらが本務で向うは兼務といつた気持で現在もやつていただいております。この方が見るほかに、現在審査をされております方も相当なれておりますので、出て来た書類を検討いたしますれば、従来の実績等もございますので、ある程度の判断がつくわけであります。なお罹病の、主任官でもなかなか判定のつかない極端にむずかしいものは、ずつと類型をつくりまして、個々に恩給局に御相談を申し上げまして最後の判定を下している次第であります。これはいくら人をふやしましてもそういうむずかしいものを判断する能力のある人はなかなかおらないのでございます。極力われわれも昔の軍医のような方でこの問題に経験のあるまた知識を持つている方を探しておりますが、なかなか思うようにはかどらない状況でございます。しかし現在のやり方をさらに勉強していただいて継続して行くことによつてさばけるのではないかという見通しを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/41
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042・辻政信
○辻(政)委員 今あなたのおつしやつた通り、これを審議する医官が私の調べたところでは一週間に一日しか来ない。そのためにこんなにたくさんだまつているのです。軍医は一体何万人おつたか、全国に。その中から二人や二人適任者をあなたが探そうと思えば探し出せないことはないはずだ。こういう重大な事務を遅らせている根本原因、これをたつた一人にやらしておいて大丈夫ですか。保安庁に勤務している軍医が一週間に一ぺん復員局に来てみるとこういう調子でできると思われますか。抽象的に答えてもだめですよ。具体的に私は問うているのですから。今言つた通り、この法案をこのまま通してしまうとまたこの次の国会までほおかむりして、受給者の気持をそつちのけにしてしまう。この法案審議の過程において、会期中にこれを上げるまでに、私が今申しましたことを政府としてはつきりした具体案を提出してください。これを出されて、それの見通しを見るまではこの法案に賛成することはできない。通すことはできない。それを述べて質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/42
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043・大村清一
○大村委員 この遺族扶助料の促進につきましては、ただいま辻委員からわれわれの言わんとするところを述べられまして御質問があつたのであります。われわれ自由党の者もこの恩給の促進について一層の御尽力を政府に要望するものであります。ただ一点私の聞き及びましたところを申し述べまして補充質問をいたしたいと思います。
恩給局及び援護庁におきましては、恩給促進について大いに御尽力になつていることはただいま伺つたのでありますが、この恩給事務の処理が遅れている原因が、地方庁にも大いにあるのではないかと思うのであります。私の聞き及んだところによりますと、現在の地方庁の世話課の要員ではとうてい一両年の間に書類を進達する調査はできない。そこで年額五十万円ぐらいの経費を計上してその促進を要望したけども、地方財政の関係で遂にその運びに至つていない。そうして従来の調査をさばくのに非常に時間がかかるしそこでやむを得ず方針を示して、今まで世話課に届いておつた申請書類を全部町村役場に返してしまつた。受給者は一日千秋の思いを持つて待つておりましたのが、恩給証書どころか書類そのものが全部役場に返つて来てしまつた。これによつて非常な失望の声を聞くのであります。もつともこれは世話課におきまして従来通りの処理では急速な処理ができませんから、方針を示して、もう一ぺん人手の多い町村役場で再調査させるという非常手段に出たのだと存じまするが、しかしふなれな市町村役場におきましてこれは非常な負担になるというような事情でありまして、これによつてむしろ申請者は失望をしておるということを伝え聞いたのであります。これはただ一例でございまするが、中央官庁において恩給受給の促進をはかられることももとより必要でございます。他面府県庁あるいは市町村役場の当務者の事務処理につきまして何らかの促進方策を中央においてとることがはなはだ必要であると思うのでありますが、これらの点について政府はどのような措置をされておりますか、その点をあわせて承つておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/43
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044・田邊繁雄
○田邊政府委員 ただいま恩給事務の簡素化について恩給局と検討中であると申し上げましたのは、都道府県における事務処理の簡素化ということももちろん入つておりまして、ことにそれが大きな分量を占めておるという点から検討を進あております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/44
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045・稻村順三
○稻村委員長 永田良吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/45
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046・永田良吉
○永田(良)委員 私もただいま大村さんのおつしやつたようなことについて、地方の実情においてたいへん困り抜いておる体験をたびたび持つておる。それで、皆さんは中共におられるのでありまして、むろん地方のこともおわかりだと思うけれども、これが勝ちいくさであつて、昔の通り陸軍省や海軍省があり、地方にも連隊区司令部があるのならば別ですが、私は終戦当時市長をしておりましたが、あなたがこの間おつしやいましたように、市町村役場では重要書類はみな焼いてしまつた。そのために調査が困難だということをこの間三橋局長はおつしやいましたが、私はもつともだと思います。けれども、私はそのとき少し怒つて、思い切つてもう少し困難な調査をしていただきたいということを要望しておきました。あなたはどう感じられましたか知らぬが、実は私は実情をかわいそうに思つて申し上げたのですから、あしからず含んでおいていただきたいと思います。その後前の議会が過ぎて今回の議会であなたがおつしやつたことを承ると、地方でもずいぶん困つていらつしやるようであります。だが私がその際申し上げましたのは、確かに戦前と戦後のこういう恩給の取扱いにおいては、政府の方は非常な御心配をなされておると思うのであります。この点からどうしても将来各府県の世話課と、市町村の役場には昔は兵事係というものがおつたのでありますが、今は保安庁もありますけれども、まだ戦前のごとく陸、海、両省、連隊区司令部などの機関がないので、各市町村も手が届いておりません。昔はそういう兵事係というものが現職におつたのでたいへんよかつたのであります。しかし今辻さんがおつしやる通り、そういう法令の取扱いにおいては傷病兵の病名とか傷の関係なんかでは相当判断に御苦心があると思います。私の地方でも——私は大隅ですが、議会が済んで帰ると、そういう恩給書を出してつつ返されて困つているのが、つえをつき、びつこをひきながら、私の家へもしげしげと訪問者が参ります。朝来て夕方まで帰らぬ、悲痛な思いをして帰られる場合を思うとき、まことに胸を痛めるものがあるのであります。こういう点から考えて、よくその事件の真相をきわめてみますと、私の体験から申し上げまして、県の世話課とかあるいは市町村の方で相当法令や何かに詳しい、事務に明るい役場の書類なんかは、割合につつ返して来るのが少い傾向にある。ところがふなれなところにあつてはそういうつつ返し書類が数たくさんあつて困つておる傾向がある。この点から考えまして私はたいへん御迷惑と思うけれども、皆さんの方で府県の世話係の者を中央にお集めになつて、いろいろ講習会を開いていただくとか、指導の手を延ばしていただく、あるいは本省から各府県に御出張になつて、地方の市町村のそういう主任を一週間なり県庁に招集でもして、事務の取扱いを講習して啓発してもらうかどうかしてもらわなければ、今のままでは事務が相かわらず渋滞する。私どもいなか議員の言うことだから物笑いになるかもしれませんが、実情がそうですから、もう少し手をとつて御指導を賜わりたいと思う。もう一つ、私の県についてこういう事実もあるのです。さつき高瀬さんがおつしやつたように、この加算とそれから通算の問題ですが、それがもし今までのように勝ちいくさであれば、これは当然認められておつた。それが今回の恩給改正で一時悪くなつたものですから、おぼれる者はわらをもつかむで、これはどこの社会でもそういう問題が起る。それであの加算と通算の問題がもし将来できるようになるならば、多少この傷病兵の方なんかもおちついて来はせぬか。それがないものだから少し戦争に行つた人が病気でもあるというと、戦争中ではなくて帰つて来てから病罰になつたのが、おれは戦争中に病気をして、それが再発したと、ほんとうにそういう不正な病気の申請なして、少しでも一時金が恩給の援護でももらおうという傾向がある。地方町村では明らかにそれが現われております。この点から見て、高瀬さんもおつしやつているように、今すぐその恩給を受けるということではないから、あの通算と加算ということを、戦争に行つて帰つた者が安心するように、漸次国家の財政が許すようになればという御方針をお示しになれば、つくつた病気なんか出て来るなんということはなかろうと思いますから、こういう点も御考慮の上何とか漸次改善指導してぐださい。軍人も今までは割合いに不遇でしたが、こういうふうに独立してみますと、やはりどうしても、優遇しなければならぬと思います。敗戦国は日本ばかりではないのです。話を承るとドイツでもずいぶん手を尽してやつているような傾向があります。他の委員の御質問の中にも、負けいくさをして帰つた者はかわいそうだから、とにかく彼らが精神的にも奮発して日本の再建に努力するように希望を与えていただくように、恩給法の改正の際に加算とか通算の問題等も漸次これを復活するように御指導していただきたい。そうして少しずつでも希望を与えていただけば、そういう無理な書類なんかも出さずに済みはせぬかと思います。これは私が地方で目撃した実際の話でありますからして、御参考のために申し上げておきますから、皆さんよくお手配を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/46
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047・稻村順三
○稻村委員長 山下春江君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/47
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048・山下春江
○山下(春)委員 私は質問の前に三橋恩給局長にちよつと心構えについてお伺いしたいのでございます。聞くところによりますと、今回おそきに失したとはいえ、戦犯者及び獄死者、刑死者等に対する処遇が初めて法案として現われましたことは、まことに感謝にたえない気持でおりますが、この問題はあまり委員会で質疑をしてくれるな、関係諸国に対する思惑もあるし、あるいは社会党両派において戦犯ということに対しては多少御異論があるとも聞いているから、委員会においてあまり質問しないようにというようなことを漏れ聞いております。質問しなくてもこの政府原案によつて救済されるからということでございますが、実はこの政府原案では救済されません。私どもは大いにこの原案を是正してもらわなければならない幾多の箇所を持つておりますので、もしここでそれに触れて悪いとならばこれを修正する方法をどうやればいいかということを、一応局長のお心構えを聞かなければなりませんが、はたしてそういうお説をお出しになりましたかどうか。まずそれを承つてから質問に入りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/48
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049・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 私はそういうような説は何も出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/49
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050・山下春江
○山下(春)委員 それでは質問してよろしいと了承いたしまして、質問をさしていただくことにいたします。
戦犯者、あるいはすでに処刑された方、あるいは獄死された方々というものが、あたかも太平洋戦争の非常に極悪非道な罪悪人であつたかのごとき風潮が一時ございました。しかしながら、よくそのお一人お一人を調べてみますと、まことに私ども胸の迫る思いでございます。全体からいえば、限られた四千数百名でございましようが、その方々があれだけの苦痛をいまなお受けておられるということに対しては、国民全体としてまことに忍びがたいものがございます。戦犯者のお一人お一人の身分につきましては、私がいまさら御説明を申し上げなくても、国民全体が今ではよく認識しておるところでございますが、その見地に立つて考えますと、今回お示しになりました戦犯者に対する恩給を家族に渡すという人数が、百七十五名になつております。これは当然普通恩給を受けられる年限に達した方であろと存じます。先ほどから諸先生方がおつしやいましたように、加算、通算を廃しましたということは、何としてもこれは理論が合わないのであります。こういう恩給法というものは、あるものではございません。それからこういう問題に対しましてもいろいろ異論があるなどということはとんでもない話であつて、あるいは関係国に対する思惑などということもとんでもない話でありまして、悩みを同じくいたしておりますドイツにおきましては、今日なお占領治下にありながら、すでにこういう問題に対しては、私どもまことに敬服に値するほどの処置をとつておるのでございます。そういう点から考えまして、この百七十五名という、当然恩給をもらえる年限に達した方々だけでなく、この方々を処遇するにあたつては、そもそも裁判が済みまして罪が決定した日が復員になつておると了承しておりますが、その以後八年刑務所呻吟にしておられる方を加算しない、ほかの外に出ている方の通算、加算がない時代でございますから、巣鴨にいる方もやむを得ないという考え方は、どういたしましても私は承服ができないのでございまして、他の方が加算、通算がないということも不法でございますが、この戦犯に関する限り、何としてもこれは不法でございます。しかも、戦犯の釈放に関しましては、あらゆる努力を傾けつつも、今日遅々としてはかどつておりません。わずかにフイリピンと中国とが全員を釈放してくれただけでございまして、最近二名残つておりましたフランスの方を釈放してもらいましたことは、日本の平和条的批准国としてはこれが最初でございまして、批准国の一角がくずれたということは、私どもそのことを非常に念願しておる者としては、非常に明るい見通しではございますけれども、しかしながら、今後幾年続くものか、ほとんど見当もつかないこれらの人々に対して、罪がきまつたときを復員とみなすなどという冷やかな残酷な考え方をもつてこれを処遇することは、あそこに黙つてつながれておれということを命ずる権限を持つ者が一体日本人の中にありやと私は言いたくなるのであります。そこでどうしても在所者全員を恩給の留守家族に渡ります対象にしていただきたい。いただきたいじや私はがまんできないのでありまして、しなければならないと思うのでありますが、恩給局長はいかがお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/50
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051・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 戦犯者の中にはいろいろの方がおられまして、あるいは刑死になられた方、あるいは獄死になられた方、あるいは今山下委員の仰せられるがごとく、現に拘禁中の方もおられるのであります。そういう方々の恩給の問題を考える場合、どういうふうにして考えるかということにつきまして、山下委員は山下委員としての考えを今お述べになつておるようでごいますが、政府におきまして今まで考えておつた考え方を御説明いたしまして、答弁にかえる方がよかろうと思いまして申し上げます。
恩給制度は御承知の通りに、私どものような国家公務員が一定の年限在職して退職した場合、また在職中に公務のために傷害を受けたり、あるいは病気にかかつて退職した場合にその本人に給付する、また死亡した場合に対しまして、その遺族に給付するというような退職給与制度でございます。戦犯者におきましては、戦犯者として逮捕拘留せられた際にすでに恩給を給付されていた方もあるのであります。そういうような方々に対しましては、特別に恩給を禁止するという規定がない限りにおいては恩給を給付するのがあたりまえだと思うのであります。終戦後におきまして、連合軍の命令によりましてその恩給を給付することができなくなりましたので休止になつておつたことも、山下委員の御承知の通りであります。その恩給につきまして、昨年の八月の法律第百五十五号によりまして、休止された恩給々給付するという処置をとつたのでございます。それから逮捕抑留せられた際に、まだ公務員として在職しておられた方もあられます。そういうような方は、おそくとも刑がきまりましてからは退職させられてしまつた方々であります。従つてそういうような方々に対しましても、今申しますように特に恩給を給付することを禁止する規定のない限りにおきましては、退職によりまして恩給の給与事由の生じた方につきましては恩給を給付するのが当然であつたのであります。しかし先ほど申し上げますように、終戦後連合軍の命令によりましてそういうような者に恩給を給付することができなくなつておりましたので、休止になつておりましたのを、昨年の八月の恩給法の一部改正によりまして資格者に給付することになつたのでございます。そういう趣旨で現在まで来つておるのでございますが、今申しますような戦犯者の方々に対しまして、戦犯に処せられたということによりましてよい恩給法での取扱いをする、こういうような取扱いをするか、あるいはまたそうしないで、戦犯に処せられたということは、恩給法の面から考えますならば、割よい取扱いもしないかわりに割悪い取扱いもしない、こういう見地に立つてこういう戦犯者に対する処置をとるかということは、一つの大きな政策の問題とも私は考えるのでございます。現在までに政府におきましてとつておりますところは、戦犯者なるがゆえに特に悪い取扱いをする考え方も持つておりませんし、また戦犯者なるがゆえに特によい取扱いをするということも、今の段階として決定しかねておつたような次第であります。そういうような考え方で来ておるのでございますので、今度法案を出すにあたりましても、そういうような見地に立ちまして法案を出しまして、普通恩給を給付せられる権限を与えておきながら、ただ拘禁中のために本人の方に恩給が休止になつておりましたのを、留守家族の方々に対しまして普通恩給と同一の金を給するようにしよう、こういうような措置を講ずることになつたのでございます。山下委員の仰せられますことは私もほんとうにもつともなようにも思うのでございますが、政府といたしましては戦争の結果、戦犯者の方々がまことに気の毒なことになつておられるということもよくわかつておるのでございますけれども、今度法案を提出するまでにおきましては、今山下委員の仰せられますごとくに一度退職したものを退職しないとする措置をいたしかねたのでございます。恩給局におきましては、退職しない者を退職とするとか、退職している者を退職しないようにするというようなことにつきまして、これはなかなか慎重にすべきことだと事務当局としては考えておるのでございまして、事務当局の考え方といたしましては、今山下委員の仰せられますごとくにはつきりとそこを踏み切りまして、退職せられたところの者を退職しなかつた者としての取扱いをする結論を出し得なかつたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/51
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052・山下春江
○山下(春)委員 三橋恩給局長が事務官僚としてまことに精細な、緻密な御態度でお臨みになつておることはみなよく承知いたしておるところでございますけれども、これらの問題は事務的に処理いたすことが国民感情としても非常に困難である。退職した者を退職しないとすることはできない、これはなるほど恩給局の法律ではそうでございましようけれども、退職したとは何事かと私は言いたくなる。この人たちの一人々々の判決書類をお読みになるひまもございますまいが、長きにわたつてお一人お一人の判決書を私は読んでみまして、この選ばれた幾人かの方が日本国民の犠牲になつて今もつて嶽舎に呻吟しておるということは、どう考えてもあの中でがまんしておれということは私には言い切れないのであります。感情をもつて法律を左右することはできますまいけれども、しかしながら今から何年あの中にいなければならない。しかも若く三十代であつた者が、だんだんいるうちに頭に霜を乗せて来る。もはや社会に出て、この荒波の中で立ち並んで生活力を復活するということの意欲さえない、むしろ捨てばちな人たちの上に、今度の改正は非常に大きな光明をともしておつたのであります。ところが何のことはない、これまでの恩給法通りに退職する前にすに恩給の資格のあつた者だけがもらえて、あとの者は何ともならないというようなことは、ただ単に私だけの考えかもわかりませんけれども、そうでなく国民感情であろうと思うことは、この問題は実に特殊な問題でございまして、退職した者でしかも今監獄にいるのだということは、私の思い過ぎかもしれませんが、あなたの頭の中には犯罪をもつて監獄にいるのだ、それをそうでないのと同じように扱えというのはお前の方が少し無理ではないかと言われたような気がしてならないのであります。日本国内の犯罪人でないということには、いかな局長さんでも御同意だと思うのであります。そういたしますれば、もはや十年あの中に呻吟しておるという人々は、ここ以外にもう救いの手がない。それならばいつ日本国民は出してくれるか、自由を与える力がないくせに、その中に縛られている人に、たつた一つの燈明もともしてやれぬというようなそんな冷やかな、そんなあたたかみもない法律には私は賛成できないし、のみならずこれは賛成ができないといつてここにがんばつてもしようがない。ぜひ恩給局長におきましても内閣におきましても、もしこれをやらないとするならば、すみやかに日本国政府は関係諸国に対し、彼らを自由にしてやるべく、ただちにその実行方法をお立てなさいと私は別の方向から迫らざるを得ない。内閣の代表からもこの問題について、戦犯をどうするかということの所信はぜひ承らなければなりません。そんなことでここを抜けようということは、国内の全体の空気に対して絶対にそれは国民の許さないところと私は思うのでありますが、重ねてできないと言わずに、この委員会の開催中に何か考えてみるというぐらいの答弁にしておいていただきたい。これは国民がまじめに考えなければならないことで、立場をかえて考えるならば、私どもがここでこの法案を、どうも政府がそう言うからやむを得ないというようなことですらすらと通すならば、実に憂慮すべき空気が持ち上つて来ると私は思いますが、三橋局長の御信念をもう一度承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/52
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053・三橋則雄
○三橋(則)政府委員 私は先ほど山下委員の御質問に対しまして、ものの考え方として一つの立法政策にもなるかと思いますがということで、御答弁を事務当局として申し上げたはずでございます。その点で御了承願いたいと思います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/53
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054・稻村順三
○稻村委員長 山下委員に申し上げますが、もし山下委員が政府のそういう言質を得るものであるならば、次会に責任の国務大臣を呼んで質疑を続行したらいいと思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/54
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055・山下春江
○山下(春)委員 ぜひそうお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/55
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056・辻政信
○辻(政)委員 山下委員の質問に関連をし、今の恩給事務を簡素化するという責任のある処置をこの次のときに主務大臣からぜひ聞きたい、これを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/56
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057・山下春江
○山下(春)委員 今の恩給事務の簡素化につきまして私は一つ具体案を提案いたしておきたいと思いますから、この次までにお考えを願いたいと思います。援護庁というものは、日本が敗戦いたしましてかつて歴史に経験のない一つの役所としてでき上りまして、しかも引揚者あるいは戦死者、扶助料をもらう遺家族あるいは留守家族等がほんとうに証明として来た役所でございます。従いましてこの役所が、ふなれな業務ではございましようが非常にこれらに携わりまして、事務当局が国民に対してほんとうに愛情を傾けて渾身の努力を払つてやつていただいた事務処理というものに対しては、国民はすなおに認めなければならないと思います。ただいま田邊局長の御答弁によりましても援護局は進達官庁だ、しかしながらこの進達をするときの書類はやがてこれが恩給に移行することをよく了承しつつ整理をした書類でございますので、この際恩給局におきましては、援護局からまわりました書類につきましてはほとんど無審査のまま処理をしていただいて、そうして支払いの手続をすみやかにやつていただく、援護局からまわりました書類を無審査でここで決定するということを御決心賜わりたい、こういうことを私は提議いたしまして、次会までにお考えをまとめて来ていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/57
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058・稻村順三
○稻村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十八日午前十時より開会いたします。これにて散会いたします。
午後三時四十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101904889X03419540517/58
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