1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年三月三十日(火曜日)
午前十時二十二分開会
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委員の異動
三月二十九日委員中川幸平君辞任につ
き、その補欠として、西川甚五郎君を
議長において指名した。
本日委員西川甚五郎君及び安井謙君辞
任につき、その補欠として、西川彌平
治君及び大谷贇雄君を議長において指
名した。
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出席者は左の通り。
委員長 大矢半次郎君
理事
藤野 繁雄君
小林 政夫君
菊川 孝夫君
委員
青柳 秀夫君
岡崎 真一君
大谷 贇雄君
木内 四郎君
白井 勇君
西川彌平治君
山本 米治君
土田國太郎君
前田 久吉君
三木與吉郎君
成瀬 幡治君
野溝 勝君
東 隆君
堀木 鎌三君
平林 太一君
政府委員
大蔵省主計局次
長 正示啓次郎君
大蔵省主税局長 渡辺喜久造君
大蔵省銀行局長 河野 通一君
農林省農林経済
局長 小倉 武一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
参考人
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
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本日の会議に付した事件
○国民金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○農業共済再保険特別会計の歳入不足
を補てんするための一般会計からす
る繰入金に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○骨牌税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○物品税法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/0
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001・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。
国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
お諮りいたします。本法律案の審査のため、国民金融公庫総裁櫛田光男君の出席を求めましたが、同君を参考人としてその発言を許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/1
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002・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。よつてさように決定いたしました。質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/2
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003・小林政夫
○小林政夫君 国民金融公庫の二十九年度の資金繰りについて、既往の資金の需要の伸び等を勘案して、予算書に計上されておる程度の新規資金の増で間に合うのかどうか、こういう点について率直な総裁の御意見を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/3
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004・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) お答え申上げます。只今御審議をお願いいたしておりまする予算案におきまして、過般衆議院のほうで御修正が行われまして、当初は一般会計からの出資二十億円、それから資金運用部からの借入金が七十億円、合計九十億円でございましたが、借入金二十一億円を増加ということの御修正がございまして、現在の予算案におきましては、新規資金といたしまして二十九年度において合計百二十一億の出資並びに借入金をいたすことができることになつておるのでありますが、それに基きまして、改めて又二十九年度に基きまする普通貸付、或いは新たに起します特別小口貸付、或いは恩給担保貸付等につきまして見込みをつけましたところが、二十一億円新規資金が殖えまする結果、又、期の途中におきまして運用した資金の回収が相当ございます、かれこれいたしまして当初の見込みよりも合計三十億円ほどの資金が殖えることになりまして、貸付金が大体三百四十九億円、約三百五十億円できる見込みでございます。これを一応比較してみますると、大体申込みの関係が、二十八年度におきましては大体九百四十億円ぐらいの申込み、それに対しまして貸付が大体二百九十億円見当でございますので、約三割見当の貸付が二十八年度にはできるかと存じております。ところが二十九年度におきましては、御承知のような最近の金融経済情勢を反映いたしまして、申込みが昨年の秋以来累増いたしております関係上、大体四割五分から五割見当申込みが殖えるのではないかと推定いたされます。大体千三百六十億と見込んだのでありますが、千四百億円ほど申込みがあろうかと思います。それに対しまして三百五十億円でありますので、割合にいたしますと大体二割六分くらいの貸出にとどまるのではないか。私どもの従来の経験からいたしますと、せめて申込みに対しまして少くとも四割見当の貸出はいたしたいと存じておるのでありますが、いろいろな関係からいたしまして大体三割程度にとどまつておつた次第でございます。ただ二十九年度におきましては、その三割も若干下廻るような割合になるのではないか、その点いささか資金の不足を感ずる次第でございますが、ただ先般の御修正によりまして大体三十億円ほどの資金の増額を見ることになりましたので、当初の見込みにおきましては、二割見当、或いは二割二、三分しか貸せないのではないかと思われましたのが二割六分まで貸出せるようになりましたので、その点は誠に仕合せだと思つておるような状況でございます。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/4
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005・小林政夫
○小林政夫君 只今の二十九年度の融資申込み千四百億と推定されたのは、従来の申込み増加割合に対して、本年度の庶民金融に緊縮財政その他によるしわ寄せを考慮して四割五分の増量を見込まれたということでありますが、なお二十九年度においては恩給証書担保貸付も新規に行われるわけでありますが、その恩給証書担保貸付による増加申込みも含めての千四百億でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/5
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006・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) お答え申上げます。恩給担保貸付に対する申込みにつきましては、昨年の十月一日から事業資金に限りまして始めたわけでありますが、今度新たに恩給担保貸付に限りまして消費資金についても貸出をするようにということを政府のほうで御研究中でありまして、やがて所要の法律案を御提出になるのじやないかと存じますが、その暁におきましてはどれだけの申込みがございますか、まだ見当がつきませんので、只今申上げました千三百六十億、大体千四百億という申込みの中には、恩給担保貸付の範囲を拡張いたしました場合におきまする申込みの増加分は見込んでございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/6
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007・小林政夫
○小林政夫君 そうすると今の恩給担保金融に関する法律案というのはすでに提案されておりますが、そのほうの資金手当は全然考えていないわけで、まあ推定せられないのですが、今の恩給担保による消費金融分を含まないものでも、公庫当局の卒直な希望から言うと、五百六十億くらいの貸付がしたいということになる。それに対して三百五十億しか予定されないということになると、卒直に公庫の要望から言うと二百十億くらい足らない、こういうふうに了承してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/7
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008・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) 先ほど申上げました三百五十億の中には、恩給担保貸付分として一応二十三億円見当の資金を含んでございます。その点を申し添えまして全体といたしまして、仮に千四百億の需要といたしまして、それの四割といたしますと五百六十億円でございますから、従つて二百十億円ほど不足する、こういうことに相成ります。又三割見当といたしますと大体四百二十億円でございますから、あと大体七十億円見当でございますれば、大体そういうふうな計算に相成るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/8
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009・小林政夫
○小林政夫君 いや、恩給担保貸付が二十三億あるということは、予算書にはあるのですけれども、今のあなたのおつしやいました本年度資金需要見込額千四百億というものは、そういつた新たに二十九年度から発生するところの恩給担保消費金融というものについては見積つてない、こういうことでありますから、従来通りの貸付をやるとして、その申込みは千四百億であり、従つて公庫に少くともこの程度は欲しいという金額は、恩給担保消費金融を除外した資金量というものが五百六十億ということになるわけで、それに対して一応政府の出している予算書の内訳では、恩給担保貸付の資金繰りは二十三億ということになつているけれども、要するに全体を含めての公庫の貸付を予算通りでやるとすれば、貸付け得る金額というものが三百五十億なんですから、下足資金というものは二百十億プラス恩給担保消費金融分と、こう了承していいのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/9
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010・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) おつしやる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/10
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011・小林政夫
○小林政夫君 それじや銀行局長が出席するまで質疑を保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/11
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012・野溝勝
○野溝勝君 総裁にお伺いするのでございますが、昨年の災害水害に国民金融公庫の枠の中から十六億融資したのですが、その穴埋めと申しましようか、一般に融資する額がそれだけいわば減つたというわけになるのですが、その減つた分をどういうふうに一体扱われたのですか。例えば大体融資する総額というものがある、それを各県に一応の割当をするということでできておるわけなんですが、それを十六億災害のほうへやつたということになれば、各県に融資する分を圧縮するか、そこで操作するかということになるのでございますが、そういうようなことに対しての御所見をお伺いしたい。
それから今総裁のお話を聞きますと、本年度は申込みに対する融資率が大体二割六分の程度まで行くから、やや成功的だというようなお話を聞くのでございますが、特に庶民階級は非常に金融に逼迫をしているのでございまして、特に零細なる金融といたしましては、国民金融公庫以外には、目下のところないのでございます。中小企業の公庫がありましても、なかなか中小商人のところには廻らない、むしろ中小企業でも大きなところへ多く流れて行くという傾向なんであります。そんな状態の下におきまして、国民金融公庫の役割というか、使命というものは、非常に重要だと思うのです。特に農村における端境期、更にこれから所得税等々の課税の問題等から、更に金融の逼迫等を織込んだ社会不安が、相当醸成して来ると思うのです。そのときに、何といつてもやはり庶民金融機関の国民金融公庫というものの能力が、相当広汎に発揮されておれば、大きく緩和作用になると思うのですが、こういうようなことに対して、ただ単に金融という一つの固定した枠の中で物を考えるのじやなくて、そういう情勢と睨み合した中においての、国民金融公庫の使命について、総裁は銀行局長並びに大臣と話合いをしたことがあるかないか、これを一つこの際に聞いてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/12
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013・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) お答え申上げます。
先ず第一の昨年の水害等に関しまする十六億円の災害貸付につきましては、昨年の八月、九月、十月に亘りまして出したのでございます。年末の補正予算におきまして、その十六億円相当額を改めて補正予算として追加して頂きまして、そういつたことで昨年全体におきましては約九十六億円の新規資金を頂いたことになつたわけでございます。さような次第で、当初に立てましたいろいろなプランが災害のためにゆがんだとか、そういつたことは、結果的にはございませんでした。御了承願いたいと思います。
それから第二の点でございますが、おつしやいます通り、現在の経済情勢、金融情勢その他に鑑みまして、私どもの使命といたしますところがますます重くなつて参りますことは、私どもは十分に自覚いたしておりまして、最近のいろいろな申込の状況、或いはお客さんの状況その他につきましては、大蔵当局と随時いろいろお話をしておるわけでございまして、その点も又御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/13
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014・野溝勝
○野溝勝君 私の聞き方が悪かつたかも知れませんが、その際、補正予算で計上された分が完全に入つて完全に使われているかという意味なんですが、その点は間違いないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/14
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015・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) 十六億円ちやんと頂きまして、それを全部使つたわけでございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/15
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016・野溝勝
○野溝勝君 それはわかりました。
第二の点なんですが、政府当局と十分懇談で善処しておると言うが、先ほどの総裁のお話を聞きますと、申込が千四百億もあるとのことだが、そうすると前年よりは四割から殖えた、貸付のほうはなかなか思うように行かんという状態の下において、今総裁が政府と話しされたというのは、一体目的が或る程度達せられたと解釈するのですか。そうでなくて、これに対しましては又補正予算でも一つあなたは計上してもらうという気持ちで交渉しているのですか。どういう意味なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/16
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017・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) 私といたしましては、率直に、公庫の実情、又申込なり、お客様方の実情等をつぶさに大蔵当局に御説明申上げまして御相談いたしておるわけでございます。又同時に、財政事情と申しますか、いろいろな関係のことも考えまして、政府のいろいろな財政上その他の資金運用部等の関係も私はいろいろ承わつおるわけでございまして、まあそういつた関係から、現在のところでは、この程度も、残念と申しますと少し語弊があるかも知れませんが、止むを得ないところがあるのではないかというふうにも考えられるのであります。
それで、私といたしましては、現在のこの与えられました範囲内におきまして、できるだけ資金の効率をあげて、できるだけたくさんのかたが御利用願える、そういつたような意味合いからいたしまして、この一月から始めておるわけでございますが、今までよりはできるだけたくさんの人に、できるだけこの金額の多いというより、小口いたしまして、たくさんのかたに御利用を願うような方向に全体の行き方を持つて行つております。お客様方によくお話を申上げまして、現在の経済情勢におきまして、できるだけ資金の効率をあげることにお互いに御協力願うという意味で、そんなやり方をいたしました。
更に加えまして、今度は四月から特別小口貸付と申しますか、一件五万円まででございますが、短期の貸付がございますが、季節的な、或いは短期の運転資金を急にお入用のかたに、まあ五万円を限度といたしまして、できるだけ簡易に御用立申上げようといつたような構想もめぐらしまして、又、更に二十九年度全体の三百五十億円の資金の時期的な配分でございますが、それに応じまして重点的に出せるように、例えば第一・四半期等におきましても、最近はなかなか状況が激しくなつておるように存じますので、第一・四半期に相当程度……二十八年度の第一・四半期は大体五十五億円程度の資金を出したかと思いますが、この第一・四半期には少くとも八十億円見当は出してみようか、そういつたような時期的な配分もいろいろ工夫をいたしまして、できるだけ有効に限られた資金を使いたい、まあそういうふうなこともいろいろ御相談をいたしてやりたいと思つておるわけでございます。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/17
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018・野溝勝
○野溝勝君 恐らく国民金融公庫の内容の充実強化ということについて反対する人はないと思うのですが、私は日本の金融が比較的大きな事業家の方面に融資をするという傾向が強いのであります。従つて国民金融公庫のような庶民に対する金融、融資ということにつきましては、いつも消極的なんでございます。要するに融資按分率から見てもすでにおわかりなんです。庶民金融の代表的なものはあなたのほうの国民金融公庫だけだと思うのです。その点については、もつと強硬にあなたたちが政府当局に迫つていいのじやないですか。その点、櫛田総裁は遠慮気味だと思うのです。銀行局長が今来たので、申しあげますが、実際、庶民に対する金融の問題を政府のほうで積極的に考えているというように思えない。大体三百五十億円そのくらいのものは千四百億からの申込に対して四分の一に達しない。何の一体足しになるか。そうかと思うと、他の重要産業には資金の融資もやれば補給金も出す、金利の引下げ、こういうようなことで優遇している。ここに金融、融資等に対する不公平という問題が出て来るのであります。ですから、国金の櫛田総裁のほうで、もう少し事務当局の銀行局長と折衝され、銀行局長は更に以上の見解から大蔵大臣と話をされて、積極的にこの庶民金融の要請の期待に副うてもらわなければならんと思うのです。櫛田総裁の考え方、更には銀行当局の考え方、これをお伺いいたしまして、私はその御答弁如何によつてはこれに賛成をする、御答弁如何によつては、この問題については十分討議をしなければならん、こう思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/18
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019・櫛田光男
○参考人(櫛田光男君) 只今大変お叱りを受けまして恐縮千万に存ずる次第でございますが、先ほど申上げました通り、現在のいろいろな状況からいたしまして、私どものおあずかり申上げております公庫の仕事の重要さと申しますか、使命がますます重くなつて参りますことを十分に自覚しております。私も最善を尽して努力を重ねたいと思つておるのでありますが、今までいろいろな理由におきまして、或いは努力の足らなかつた点もあろうかと存じますが、今後ますますおつしやいましたことを体しまして、できる限りのことを尽したいと思つております。御了承を願いたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/19
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020・河野通一
○政府委員(河野通一君) 国民金融公庫等、中小の金融を専門にいたします政府機関の資金源を拡充いたしますことにつきましては、従来から私どもといたしましては努力をいたして参つたのであります。併し何分にも財政の都合その他の関係から、御指摘のように十分なことが、満足すべきほど十分なことができませんことは遺憾に存じております。今後経済がますます引締まりの状況に進んでおることにつきまして、中小企業等に対する金融問題がますます重要な問題になつて来るということは御指摘の通りであります。二十九年度の財政投資の問題につきましても、財政投資全体としては金額が前年度に比較して相当縮小されたのでありますが、その中でもできるだけ中小金融関係、国民金融公庫でありますとか、或いは中小企業金融公庫、こういつた方面への資金源の充実という点につきましては、私どもといたしましてはできるだけのことはいたしたつもりであります。勿論これで十分であるとは考えておりません。今後といえどもできるだけそういつた方面への資金源の充実については更に努力をいたしたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/20
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021・小林政夫
○小林政夫君 銀行局長が出席される前に、総裁の説明によると、二十九年度の公庫の不足資金は十分に出すとして、大体において我慢できる程度に出すとして二百十億足らない、恩給担保金融と消費金融を見込まなくて二百十億足らない、これは大蔵大臣も先だつて今国会の当初における私の質問に対して、二十九年度はかなり庶民金融、中小企業に金融のしわが寄る、どうするのだと尋ねたのに対して、できるだけやります、こういう御答弁だつた。あなたもしよつちゆう口を開けば庶民金融を軽視しないということを言うのだが、事実問題として、こういうような資金不足、特に中小企業金融公庫等についても、月割りの資金量からいうと、二十八年度なみに中小企業金融公庫が出すとすれば約七十億足らない、昨年同期に比較して、私の計算では……。そういうような状態で、果して中小企業金融、庶民金融について大蔵当局が熱意があるのかどうかという点については疑わざるを得ない。三党修正によつて或る程度直りましたけれども、直つたことを基礎にして考えるとそういうことになる。その点についてはどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/21
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022・河野通一
○政府委員(河野通一君) 先般の委員会でも御説明申上げたかと思うのでありますが、本年度のいわゆる三党修正による国民金融公庫への資金源の拡充ということがございません場合におきましても、二十八年度の融資額に比較とたしまして、国民金融公庫の融資額というものは決して減つていないと私は考えております。更に三党修正の結果二十一億の資金源というものがこれに加えられることによりまして、これが更に年度内に回転いたします点を加えますると、ネツトにおきましては三十億近くの金が資金源としては殖えることになると思いますが、そういつた点からいたしますると、少くとも二十八年度よりも融資に廻される資金量というものは決して少くないと私は考えております。ただ問題は、私は途中で参りまして御質問をお聞きしてなかつたのでありますが、恩給担保金融という特殊なものが新らしく付加された、そういつたことを考えるならば、一般の金融に向けられる資金源としては二十八年度に比べてそう殖えてないという御意見かとも想像されるのでありますが、この点はお話のような点もたしかにあると思います。併しながら、恩給担保貸付に類するような、いわゆる母子とか或いは遺族年金関係の貸出等も相当行なつて参つたような関係もあります。これらの点を考えて参りますと、恩給担保貸付の問題を考えてもなお且つ二十八年度に比べて一般の貸出資金源というものは決して減つていないと私は考えているのであります。併しながらこの点について、私は減つていないからと言つて満足は決していたしておりません。先ほども野溝さんにお答え申上げました通り、今後の経済全体の動きから考えまして、中小金融のためのこれらの資金源の充実ということは更に一層その重要性が増して来るということは御指摘の通りであります。今後といえども、そういつた問題についてはできるだけの努力をいたしたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/22
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023・小林政夫
○小林政夫君 資金の絶対量が前年度に比べて本年度が殖えているということで以て減つていないんだというようなことは、それは成るほど多少は絶対量は殖えているでしよう。併し資金の伸びというもの、需要の伸びというものを考えて見るときに、今までの既往の趨勢から考えても、当然二十九年度については、二十八年度と比べてこの程度の公庫等に対する申込の増があるということは、おわかりのはずです。特に又本年度のような年度においては、従来の伸びに増して、こういつた中小企業関係、庶民金融関係の需要が殖えるということは、予算編成に当つては見通されるはずなんです。そういう点を合せ考えますと、ただ前年度と比べて多少の運用資金の絶対額は殖えるからと言つて、これでいいということにはならないと思います。そういう点は、特に中小企業金融公庫あたりについても、前年度は九月末に発足して八カ月間で……、絶対量から言つたつて少いですよ。そういう点から言うと、月割りの伸びを考えなくても、そういうことから見ると、言われるのは、庶民金融、中小企業金融については絶対に軽視しないということなんですけれども、その実は力が入つていない。まあこういうことは押問答になつて来るが、伸びというものを考える必要はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/23
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024・河野通一
○政府委員(河野通一君) お話のように、私は絶対額が昨年度に比べて若干殖えているからと言つて、十分これで満足すべき状態であるとは申していないのであります。先ほど来申上げましたように、財政投資全体について相当大幅な削減をいたすことに来年度予算についてはなつているわけであります。これらの点から考えまして、その中でもできるだけ中小金融関係の資金源というものについての充実ということについては、私どもとしてはできるだけの配慮を加えたいもりであります。併しそれが十分でないことも十分承知いたしているのであります。今後におきましても、更に機会がありますならば、資金源の充実ということについて更に一層の努力を傾けたい、かように考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/24
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025・小林政夫
○小林政夫君 少し本問題から外れるかも知れませんが、私は予算委員会でやるつもりであつたけれども、今のような情勢ではなかなか質問の段階に入らないから、銀行局長、或いは主計局次長が来ているから話しますが、輸出入銀行について先般附帯決議までしてある、ところが一向にその後、余裕金の運用状態についても改善のあとが見られない。この国民金融公庫或いは中小企業金融公庫については、これは相当長期資金だから問題だとすれば、商工中金等については、或いは食糧証券等をあの余裕金で賄つても廻す途を考えて然るべきじやないか。今の統制の建前ではできにくいということは、私も承知するけれども、何とかあれだけの我々の強い意向に対して、この年度末繰越額は百十億くらい余裕金がある。勿論五月頃から相当プラント輸出も出て忙しくなるというようなことは言つておるようでありますけれども、私は今の事態において金を取上げようとは思わない。余裕金の運用についてはもつと本来の使命に即した運用が考えられて然るべきだ。それは政府全体から考えれば、まあどつちの金で、食糧証券を持つのも、持つ必要もあるでしようけれども、この前のこの委員会等における強い要望の趣旨に何ら副つていない。こういうような点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/25
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026・河野通一
○政府委員(河野通一君) 輸出入銀行の資金の問題につきましては、先般来たびたび小林委員から御指摘もあつたわけでありますが、その当時計画いたしました通りの輸出入銀行の貸出状況は計画通りには伸びておりませんが、相当顕著な増加をいたしております。今の見通しでは大体百億近くの残高になつておりますが、恐らく今貸出の内諾を与えておるものを含めますと、更に五十億程度のものがそれに加えられます。更に申込を受けております数字を、そのうちで全然問題にならないものを除きましても、それはもう三百数十億という数字になつておるのであります。私どもは、少くとも二十九年度におきましては、相当、期の途中に輸出入銀行の資金が足りないという状況が来るのじやないかということを、むしろ心配するような状態であります。これは勿論今の見通しでありまするから、或いは私どもの見通しが甘きに過ぎるとお叱りを現実に受けなければならんという結果が来るかも知れませんけれども、今、私は実は本当にそう考えておるのであります。併しながら少くとも当面数カ月の間、輸出入銀行の融資残高というものが、今持つております資金源に対しまして、相当な余裕をまだ持つような状態にしか伸びないということは、これは大体見通されるところであります。この場合において、今御指摘のような、例えば商工中金にこの資金を入れるということはどうだろうかということであります。この点は、私は直ちに輸出入銀行が商工債券を買取るというような、或いはこれを引受けるというような形で余裕金を運用するということは、両方の面から私は適当でないと考えております。応輸出入銀行の立場から言いますと、商工債券を持つというようなことは余裕金の運用から必らずしも適当ではない。現行法の許す許さないにかかわらず適当でないと考えております。一方、商工中金のほうから見ますと、その商工債券を引受けてもらつた場合に、数カ月のちにおいて輸出入銀行はそれを売捌かなければならないという事態になつた場合に、一体それはどこが引受けるかという問題になつて来ると思うのです。そういたしますと、商工中金自体の立場からいたしましても、非常に資金の不安定の状態を来たす。今御承知のように、商工債券その他の金融債にいたしましても、決して市場が円滑に動いておるわけではありません。殆んどこれは持つたら持つたきりというのが普通の状態でありますので、市場においてそれを転々売買して資金化するということは非常にむづかしい。現在の起債市場の状況におきましては、商工中金自体の資金というものに対して非常な不安定の状態を来たす恐れがあると思う。こういう立場におきまして、私は商工中金の立場からいたしまして、又、輸出入銀行自体の立場からいたしましても、そういつたやり方は適当でないと考えております。
ただ問題は、今お話のような方法が私は考えられないでもないと考えられますので、例えば資金運用部に対して輸出入銀行が余裕金を預託する。預託した場合に、資金運用部の運用計画として、これを運用するということが考えられないかということであります。この点もこれは勿論考えられることと思いますが、その場合にいたしましても、輸出入銀行が数カ月のちにおいてこの資金をどうしても引揚げなければならんといつたような場合につきましては、資金運用部といたしましては、この商工債券、割引商工債券にいたしましても御承知のように一年でございますが、この一年を期の途中においてどうしても手離さなければならんという状態が起つて来るのではないか。そういたしますと、資金運用部としては、やはり資金繰り上、非常に窮屈な問題を起して来るのではないか。そういつた関係から、一つ輸出入銀行は、商工債券を持つより、資金運用部において持つたほうがむしろ筋が通るかと思いますが、その場合においてもやはり資金源が安定しないという点においては大同小異ではないかと考えるのであります。これらの点からいたしまして、できるだけ輸出入銀行の余裕金というものを有効に使うという御提案に対して、私ども全く同感に考えるのでありますが、この技術的な方法等については更にもう少し研究してみたい。今御提案のような方法ではどうもまだ十分に満足すべき結果を得るようにはならないのではないかというような気がいたします。今後更に研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/26
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027・小林政夫
○小林政夫君 その点は、今のあなたの言われた方法と、もう一つ私は方法がある。というのは、日銀に預けるでしよう。輸出入銀行の余裕金を。日銀に預けて、商工中金あたりは高率適用を受けて借りておる。だから日銀から貸付ける行政指導によつてやるという方法もある。そうして今、預託金を引揚げるということは、預託金を引揚げても、三カ月なら三カ月という短期もので商工中金は利用しておる。だから二カ月に切つたところで利用の方法はある。そういうわけで、考える考えるとここで智慧を出すだけじやだめですよ。平素あれだけの決議をしておるのに、何もこの委員会に出たときだけ我々に言われて考える考えると言つても、平素の研究が足らないじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/27
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028・河野通一
○政府委員(河野通一君) 私はここだけで考えておるわけではない。しよつちゆう考えておる。今御提案の問題についても考えたことがあるのですが、そんなことはおかしいという結論なんです。例えば日銀に預けて、日銀に預けたそれを高率適用を除外して商工中金に融資する。そういうことが若し必要であるならば何も日銀に預ける必要がない。日銀自体がそういうことが必要ならそういう措置をとればいい。併し今はそういう措置をとるべきでないということで、そういう措置をやつておるのではないのでありますが、何も日銀の紐のついた金によつてそういう高率適用を除外した措置をするということは、私は意味をなさないと考えております。それからもう一点は、指定預金に代るような措置をこの輸出入銀行の余裕金で行なつたらどうかという御提案でありますが、この点も、これは只今小林さんのよく御承知の通り、今、国庫収支から申しまして、指定預金をする余裕がないわけではないのです。国庫収支は御承知のようにまだ相当余裕を持つておるのです。然るに今政府がとつております財政金融全体に対する引締めと申しますか、緊縮と申しますか、そういつた方針のもとにおいては、国庫の余裕金があつても、それを指定預金をやはり計画的に引揚げて行くという方針のほうが正しいのです。この際としてはそういう基本的な考え方を、これはいろいろ御批判があろうと思いますけれども、そういう基本的な考え方をとつておるのであります。従いまして指定預金の問題も、国庫の側は余裕金があるけれども、指定預金はこの際としては新規にしないという方針をとつておるわけです。尤もこれは、将来に亘つて、今後の経済情勢の推移によりましては、そういう点について更に推移を睨み合せて善処するという問題は、将来の問題としては考えられる問題でありますけれども、現在としてはそういう立場をとつておられる。従いまして、私どもとしては、指定預金の操作に代るべき措置としての輸出入銀行の余裕金の使用ということは、この際としては適当でないという判断を下しておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/28
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029・小林政夫
○小林政夫君 中小企業金融全般について、一体、政府はどういう見通しを持つておられるのか。先般も大蔵大臣が、何か中小企業金融は……、特定の金融機関だけじやない、市中銀行も相当やつておるという、こういうことでありますが、それじや市中銀行を含めた、或いは都市銀行、地方銀行とか、金融機関を含めて、一応資本金一千万円以下、従業員三百人以下、こういうものの二十九年度の全体の資金需要がどうあつて、資金源はどうだと、こういうような一応の計画というか計算をして見られたですか。最近の傾向は、例えば相互銀行等においては預金は減つて来ておる。従つて貸出は減らざるを得ない。こういうことでかなり中小企業金融というものは、一方、資金源の減少に伴いまして、貸出高も減つているだろう。ところが需要のほうはますます金融の引締めのしわ寄つて来る、こういうことで相当憂慮すべき状態じやないか。直ちに、今あなたの言われるように引締め政策から考えて、預託金を引揚げるということであれば、時宜即応と申しますか、必要な場合には直ちに或る程度の金が出せる、而もインフレ要因を含まずして出せるという配慮の下に、その構想が必要なんじやないか。そういうことについて、中小企業金融全体についての構想がありますか。構想というか、計算しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/29
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030・河野通一
○政府委員(河野通一君) 中小企業金融に対して、今、我が国にある金融機関からどういうような融資をされておるかというお尋ねでございますが、現在の数字は大体昨年未において総額一兆五千六百億ですか、一兆五千億ばかりの中小企業金融、これは千万以下ということでやつておりますが、とつてあります。勿論千万以下のものがすべて中小企業金融に出ておるとは限らんのでありますから、精密な数字ではないことは、これはもう小林さんよく御承知の通りであります。その点はお断わりしておきますが、そうしたこの数字も、銀行等におきましては、まだ勿論十分とは思いませんけれども、中小金融に対する貸出のパーセンテージというものも、非常にゆるやかなカーブでありますけれども若干は増大して参つております。然らば今後一体中小金融に対して融資額をどの程度考えておるかという点でありますが、これは私どもは資金計画というものを一応頭に置いて、いろいろな数字をはじいておりますけれども、そこまで細かく計画経済的にものを考え、作業をいたしておりませんので、今後新規の産業資金というもののうちに、中小金融の関係でどの程度の資金が出て行くか。これは政府機関等につきましては、はつきり数字は申上げられますが、一般市中金融機関、民間金融機関について申上げますならば、二十九年度において今後どの程度の新規の中小金融の機関の資金が出るかということは、的確に申上げる材料を持つておりませんが、そこまでは深く立入つてまだ計画的に作業をいたしておらん段階であります。
中小金融の今後の問題について、今後一体政府はどう考えるのかというお話であります。先般も衆議院の大蔵委員会で決議がなされまして、今後の事態に対処して、例えば指定預金等の操作について、もう少し早急に考えなければいかんという御決議を頂いているのであります。私は中小企業全体の問題については、最近に現われておりまする不渡りの状況、或いは商社その他の中小の企業が、非常に整理を要するような事態が、一部に生じているという事態等につきましては、十分承知をいたしております。今後中小企業の前途というものが、金融面からいたしましても、決して容易でないということは、率直にこれは認めなければならんと思うのであります。併しながら私どもといたしましては、現在のところは政府がとつておりまする財政金融に対する緊縮方針と申しまするか、そういつた方針を基本的に変えなければならん事態までは来ていない。この方針の枠の中で、今後の中小金融の問題について善処をいたして参りたい、かように考えている次第であります。さればと言つて、今後一年間の間に、そういうことが貫けるかどうかという問題については、いろいろこれは御意見があるかと思うのでありまするが、私どもといたしましては、今の基本的な財政金融に関する方針というものについては、これを今後も貫いて行くという方針の下に、その中において、できるだけ中小金融の問題の処理に遺憾のないように努めて参りたい、かように考えているのが現在の私の考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/30
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031・小林政夫
○小林政夫君 私はもう一つ誤解のないようにしてもらいたいのは、現在の金融引締め政策をゆるめろということを含んで質問をしているわけでは毫もないので、大いにその意味においてはしつかりやりなさい、こういうつもりを持つているのだが、併しそれだけのことをやるについては、必ずこういう中小金融、庶民金融にしわが寄るということは肚においてやらなければならない。どうも今の政府は場当り経済だと言われるのはそのためなんだ。何も計画経済をやれというのではない。併し国民所得等については、相当の或る程度の計算をやつている。従つてそれだけの作業をすれば、一体、中小金融、庶民金融でのこの資金需要が、これだけの引締めをやれば、こうなるだろうというくらいの作業は、やつて置くべきものです。場当り的に、いや、これで倒産者が続出するから、一つやらなければならんということになれば、当然もうその面から金融引締めは壊れますよ。崩れて来ます。初めから予定して、これだけの引締めをここでやれば、こつちへ「しわ」が寄る。だからそこは考えなければならん。それは今の全体の資金というか、この資金繰りから考えて、そいつを通貨信用の形じやなくてやれる方法を初めから考えておかなくちやならん。常に場当り、場当りで行くから、何をやろうたつて一つも方針が貫けない。少くとも全体の中小企業金融についての融資の枠はどうだろうかということを考えて、国民金融公庫はこれだけ二十九年度においては担当する、中小金融金庫はこうだ、こういうような大きな枠を考えて、何も逐一を、微に入り細に入り規制をする必要は一つもないが、大きい筋は通さなければならん。方向としてその程度の計画性はあつて然るべきだ。それから大蔵大臣も先般言つておりましたけれども、一兆五千億の、中小企業と庶民金融に出ている一兆五千億という数字を以て我々を圧倒するかのごとき言い分だ。これは今、再評価等が行われているけれども、あなたのほうから出ている表を見ても、資本金一千万円以下というものに対する市中銀行の貸出額が金融資の六割ですか、ところが一件についての一千万円超というものの六割ですね。そうすると、資本金は一千万円以下であつても融資残高一千万円以上であるというようなものは中小企業の範疇には入らない。恐らくこういうようなものは、資本金がたとえ百万円であつても、この資本金は再評価した暁においてはそれは一千万円を超えるかも知れない、二千万円であるかも知れないような企業でなくては、一件の貸出残が一千万円超というようなものは考えられないと思います。今の金融機関のああいうあり方から言つても……。そういうようなことで分析して行くと、一兆五千億なんという数字自体においても誤まりがあるけれども、よしんば一歩譲つて一兆五千億出ておつたとしても、現実に中小企業は金に困つておる。まだ足らないのです。だからそういう資金の伸び等をも併せ考えての大きい筋の計画というものは持つて然るべきじやないか。ただ、やります、やれという押問答だけだから、一向に打開できないので、数字についてやろうじやないか。数字についてあなたのほうも一つ作業をして下さい。そういつた意味の資料を要求したい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/31
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032・河野通一
○政府委員(河野通一君) 資料の内容によつては或いはお作りできるかと思いますが、今申上げましたように、私どもとしては、精密な数字というものは、中小金融に対して一体どの程度の民間金融機関というものが新規の資金を廻し得るかということについての計画というものは、私は適確に作り得ないと考えております。遺憾ながら作り得ない。
それからお話のように一件、一千万円と言つても、それは必ずしも中小企業を対象とした融資でないという点があるではないかというお話でありまして、私もそれは先ほど申上げましたように、その通り認めておる。これも材料のとり方によつて、どうも適確な方法がほかにございませんものですから、便宜この数字を挙げておるのでありまして、勿論、大企業においても手形の金額が十万円というものがあり得るわけですから、そういつた点から見ますると、一千万円なら一千万というふうに切つた場合に、それ以下のものがすべて中小企業の金融である、そういうふうに私ども考えておりません。従いまして一兆五千億という数字をここで固持しようとも私ども考えておらんわけであります。御参考のために申上げたことで、御了承頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/32
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033・小林政夫
○小林政夫君 適確性の問題ですけれども、それは何も一銭一厘違うということはできないことは明らかなんだけれども、国民所得というものをあれだけ推算しておるが、これだつて厳密に言えば危いものと思います。適確性は甚だ疑わしいけれども、予算等の審議において、一応国民所得はこうでございますということをかなり信憑性をもつて言えるわけです。それだけの国民所得の推計ができるくらいならば、当然、事業活動を分析した後でなければ、本年度の国民所得幾らというものは出ないと思います。同時に、それに附随する資金需要というようなものも、政府が国会に発表し或いは世間に発表するくらいの自信、確信を持つての資金需要の積算というものはできて然るべきだと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/33
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034・河野通一
○政府委員(河野通一君) 現在の段階では、国民所得から大体二十九年度において新規の産業資金の需要というものが大体どの程度になるか。これさえも実は率直に申上げますならば、大して皆さま方の御批判に堪えるほどの根拠がない。併しながら、これは国民所得から、一応産業資金全体としてどの程度の需要が起るかということは、一応はじいてございます。ちよつと手許に持つておりませんが……。その中で更に中小企業に対してどの程度の資金が新規に国民所得の中から割り振りされるかという点までは、遺憾ながら私どもは、産業資金全体について今申上げたような程度の作業でございます。いわんやその中の中小企業に対しての金融というところに資金がどの程度とられるかということについては、今までもいろいろとそういう問題については研究はいたしておりますけれども、我々が持つておるいろいろなスタツフその他の点からみますると、どうもそこまで踏み込んで……適確という意味も程度問題でありますけれども、一応皆さまにお示しして恥かしくないようなものを作るまでにはまだなかなか行かない。こういうのが遺憾ながら現在までの実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/34
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035・小林政夫
○小林政夫君 私は河野銀行局長を責めているわけではない。政府委員としての河野氏に聞いているわけで、あなたの銀行局のスタツフでは相当困難だとしても、経済審議庁或いは通産省の中小企業庁等、政府の総合的なスタツフを以てこういうものはやるべき筋のものであつて、——徴税当局の資料だつて私は役立つだろうと思います。そういうことで、今直ちにそういう用意がないことは私は認めますけれども、そういう作業をやるということで進んでもらわなければ、いつも水掛論になる。あなたのほうはやる、こつちのほうは足らんだろう、そういうようなことであるから困る。私はこの前も類似金融機関の問題について、あなたは政治的な責任を感ずると言われるし、大蔵大臣も同様、法務大垣も平謝まりです。ただ政府当局が謝まつただけでは意味をなさないので、保全経済会のごときは問題は別だけれども、ああいつた株主相互金融のごときも蔓延するにおいは、相当な問題になる。今度できる恩給担保の金融のごときものはこの問題とは違つてくるかも知れませんが、併しああいうようなものの資金量がどのくらいか、およその数字ができておると思いますが、少くともそういうものを正常な金融機関のベースに汲み取るだけの配慮はあつて然るべきじやないかと思います。それが本当の責任を感じたのであつて、ただここで頭を下げるだけが責任を感じたんじやないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/35
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036・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 小林委員の言つておられることは政府に対する要望だと私は考えますから、次の質問にお移り願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/36
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037・小林政夫
○小林政夫君 それから最近中小金融等を推進する意味において、金融機関の貸付に対する貸倒準備金について、中小企業金融については、一般の千分の十の比率を或る程度高目に見てやる、こういうことにすれば、割合、円滑に出るのではないかと、こういう意見も出て来ておるのですがね。銀行局長はどういうふうに考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/37
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038・河野通一
○政府委員(河野通一君) この意見は私どもも聞いておるのでありますが、私は、中小金融或いはその他の金融を含めて、貸倒準備金その他の制度を更に拡充すると言いますか、拡張するということが望ましいと考えております。併しこれは税務当局とも十分に相談をしなければならん。税の建前というものもありますので、その点は十分に相談しなければならんと思いますけれども、私はそう考えております。従いまして、その中で、中小企業金融以外のものは貸倒準備金の積立額を抑えることによつて、中小金融だけの準備金を殖やすといつたようなことによつて中小金融を更に促進するという考え方も、これは一つの考え方と思いますが、それよりも私は、中小金融とその他の金融とにかかわらず、貸倒準備金というものをもう少し拡張せられることが望ましい。それがどうしてもできない場合におきましては、私は今お話のような問題も考えて参りたいと、かように考えております。
つまり具体的に申上げますと、いろいろこれは数字はありますが、中小金融とその他の金融とがどつちが貸倒れ率が大きいかという点については、私は必ずしも中小金融が大きいとは考えてない。従つて貸倒準備金制度自体の目的と言いますか、本質から言うならば、その貸倒れの危険の多いか少いかによつて今の率を変えてゆくのが本筋だろうと思う。それを、中小金融の方面に貸し易くするというために、貸倒準備金の制度を左右上下するというようなことが、税の立場から一体許されるものかどうかという点についても、もう少し検討しなければならんと思います。そういつた意味で、提案されておりまする構想は、非常におもしろい考え方だと私は考えておりますけれども、どうも今申上げましたような点で、まだもう少し検討しなければいけないのではないかと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/38
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039・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 小林君に申上げますが、中小企業金融は非常に大事な点でありまして、又、問題もたくさんあると思います。ただ御承知の通り、只今御審議願つている数個の法案、これは期限付のもので、成るべく早く御決議を願いたい、こう思つておりまして、四月以降になりまして類似金融機関の取締に関する法律、或いは協同組合の員外預金を扱うことについての、その他各種の法案がかかるのでありますからして、そういう場合に詳しく御審議願うことにいたしまして、今日は直接この法案に関係ある範囲に限つて一つ御質問を進めて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/39
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040・小林政夫
○小林政夫君 だから私は最初に、両院協議会等が予想される法案から先に上げて行つたらどうか。これは結局三十一日に上げさえすればいいのですから、そういうことで相当問題はあると考えて、議事の進行については簡単に結論の出る骨牌税等を先にやつたらどうかということを考えておりますけれども、先着順ということから進んだわけですからね。私は併し今の問題は割合早急に政府の態度をきめて貰う必要があると考える。丁度主税局長も来ておるし、この点に極限してだけやらして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/40
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041・渡辺喜久造
○政府委員(渡辺喜久造君) 我々のほうで現在きめております貸倒準備金の率は、中小金融或いはその他の金融をこめて一つの平均的な率で以てきめておる。これがそういうものだと思つております。従いまして、今、小林委員の言われるように、中小金融のほうの貸倒れの率が多いなら、その二つを区別するなら、中小金融の率は上げ、同時にその他の金融の率は下げて、そうして現在の平均率に持つて行くべき趣旨のものではないかというふうに思つております。ただ私は従来聞いていたところでは、なかなか実行上困難でもございますし、そして同時に銀行局長の言うように、果して中小金融の貸倒れ率がそんなに多いものであろうかどうか。それに銀行局長の言うように、これには異論もあるのでございまして、従いまして、その辺をとくと研究した上でなければ、ちよつとその実行は困難ではないか。現在我々のきめておりますのは、結局一つは、実行的に考えまして、中小金融の分はこう、その他の分はこうといつたような区別がなかなか実務的にいろいろ支障があるというふうに考えておりますが、それが一つと、それからまあ中小金融或いはその他の金融の貸倒れ率が果してそんなに違うものかどうか、これがまだ数学的にはつきり出ておりませんので、むしろそういうことよりも一本でやつて行くべきである。これが現在の態度でありますが、今お話のような点につきましては、実は中小企業庁からもいろいろ話はありますが、もう少し研究してみようじやないかということで現在に至つておるわけでございます。まだ結論は得ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/41
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042・小林政夫
○小林政夫君 今のようにやると税収の減ということは考えられませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/42
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043・渡辺喜久造
○政府委員(渡辺喜久造君) 今申しましたように、中小企業のほうの率を上げて、その代りにその他のほうは率を下げる。これはそこに現在のアベレージで行きますと、多少所得のほうの税源とかいろいろなものがございますから、税収のほうに全然響かぬということは、私は言えないと思いますけれども、併し大局的に申して、一応そう大きな違いはないということは言い得るのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/43
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044・小林政夫
○小林政夫君 この実行ができるかできないかということは、やはり徴税当局のあれはあるでしようが、主として金融機関の経理の問題になつて来るわけです。銀行局長は危険度がどつちに多いかということが問題だということで、そういうことはケース・バイ・ケースで、話は違いますが、併し部分的に、つまり政府当局だつて認めておるように、中小企業信用保険というものもあるので、概ね中小企業金融がその他の金融と比べて危険度が多いということは自認しておるはずなんです。これはケース・バイ・ケースの話でなしに、相対的に考えて概ね危険度が多い。銀行当局だつてそう思つておるはずだし、金融当局というか、金融機関自体だつてそう思つておるんでしようが、そういう場合に、中小企業金融専門の相互銀行だとか或いは信用金庫というようなものは、これは問題ないとして、市中銀行或いは地方銀行等において、その仕分けがえらい問題でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/44
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045・河野通一
○政府委員(河野通一君) これはできないことはないと思います。技術的に、ただ、今もお話がありましたように、一件当りの金額で行きますとなかなかむずかしい問題で、大銀行でも小さい手形を出す場合がありますから、なかなかむずかしいので、恐らくやはり資本金で押えて、その借入金の限度で押える。ところが資本金についても、今正確に言えば再評価の問題などがありまして、これを資本金で押えることが、果して中小企業金融の線を引く絶対的な基準かと言いますと、私は必ずしもそうでないと思いますが、私はその辺を少し雑に振り切つてしまえばできないことはない。今のお話の貸倒れ率がどつちが多いか。これも信用保険制度とか或いは信用保証協会の制度ができるということについては、中小金融というものが危険率が大きいということが踏切りがつかないということの原因になることは勿論でございます。私どもが検査等を通じていろいろ調べたところは、必ずしも表面的に言われているような数字は出ていないと思つております。尤もこれはもう少し適確に調べて参りませんと、中小企業の範囲をどこにおくかというような点について、これはいろいろ問題もあることと思います。仮りにそういうことがはつきり出るならば、今主税局長の言いますように、これは技術的には或る程度の複雑さはあるかも知れんけれども、不可能だとは私は考えておりません。併し仮りに貸倒れ率というものが、中小金融とその他の金融とにつきまして変りがないけれども、中小金融を促進するために政策的に特別な措置を取るのだということになると、これは税務当局としては相当踏切りがつかんのじやないか。私は主税局長じやありませんが、想像される問題じやないか。こういうことを先ほど申上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/45
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046・小林政夫
○小林政夫君 今あなたのほうで銀行検査をして貸倒れになつているのは大企業と中小企業と余り選ぶところがないということは、このどつちが危険度が多いかということの判定資料にはならないんですよ。むしろ金融機関が貸出しするときには、中小企業と思われるものについて相当臆病ですからね。慎重な配慮の上にやつた結果の貸出しであるから、むしろ厳選されている。それが或る程度貸倒準備金等において幅が出て来れば、もう少し今までの臆病さを緩和して出すであろうということが言えるのじやないか。そこを狙つているのがこの考え方であつて、貸倒れの危険度がどうという問題じやない。若しそういうふうな面倒を見て呉れれば、もつと範囲が拡げられるのじやないか。或いは全体の金融機関の資金量の配分が中小企業のほうにもつと寄るかも知れない。そういうことを考えているわけですから、税収の減にならんということなら、又、執行上も或る程度やれるということなら、今特別に云々といいますけれども、もう特別な減免措置というようなものは、税法上、法人税法等においてはたくさん行われておる、そのくらいの広汎なものについても、或る程度の、而も法人税等の減免措置は主に大企業に利用されているけれども、中小企業には利用されておらない。そういう現状から言つて、この程度の差をつけるということは私はかまわない。これは意見ですよく御研究を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/46
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047・渡辺喜久造
○政府委員(渡辺喜久造君) ちよつと補足させて頂きたいと思いますが、多少私の先ほどの答弁は小林さんの意見に対して誤解があつたと思うのです。と申しますのは、現在の状況においては、貸出というものを元にして私が言いましたように、税収に影響はないということが言えるのでして、もつと要するに中小金融に対して、その危険のある金融についても、だんだん片方のインセンテイヴを使つて貸出をさせるということになれば、これはやはり貸倒れの危険は深まるわけですから、そうしますと貸倒れの率はやはり上げるという方向に向わなければならない。そうなればこれは税収に響くということにならざるを得ないんじやないかと思います。それからついでに、こんなことを申して恐縮ですが、同時に我々として、若しそういうことをする場合におきまして、果してその率を上げる程度で以てそれがインセンテイヴになるかならんか、これもやはり篤と研究してみなければならん。と申しますのは、銀行としては、貸倒準備金というものは、これは一種の損金の一部でありますが、それが貸倒れの危険が相当大きいということになれば、貸倒準備金の率を上げた程度にしか、……やはりそれも危険率の大きいものはこれは断わらざるを得ないわけでしようし、やはり貸倒れだけ全部税金が云々ということじやないのですから、そこにやはりインセンテイヴの持つ効果というものと税収の持つ犠牲というものと、これはまあよく考えて最後の結論は出すべきじやないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/47
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048・小林政夫
○小林政夫君 あなたの綿密な計算で私は想像がつくのですけれども、それがそう大きく取上げるほど税収減になるということではないので、それは多少あるかも知れませんが、まあその点を考えて、中小企業金融というものについてあらゆる手を考えてみるということでないといけないわけですから、まあ配慮の上御研究下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/48
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049・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/49
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050・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/50
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051・小林政夫
○小林政夫君 私はこれは公庫の資金源を殖やすという意味でありますから賛成をいたします。賛成をいたしますが、質疑の間においても明らかになつたように、公庫当局の見積りによつても、資金の伸びを考えて、二百十億プラス・アルフア、アルフアは恩給担保の消費金融分でありますが、そういうような状態であつて、甚だ公庫の資金源を殖やすということについては不十分でありますから、政府においては今後あらゆる方法を講じてこの資金源を殖やすことに努力されることを強く要望して賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/51
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052・野溝勝
○野溝勝君 小林委員が御意見を申上げられた通り、この国民金融公庫法の一部改正は、業務の円滑を期するためである、又、資本金の増加をするということになつておりますので、庶民金融の徹底化という意味において大賛成でございます。前々から国民金融公庫の内容の充実強化につきましては終始一貫我々も賛成しておるのでありまして、特にこういうような事態になりますると、より一層この国民金融公庫の使命というのは重大なんでございます。ただお座なりでなくて、同僚小林委員も言われましたごとく、御尤もでございます、善処します、努力しますというお座なりでなく、殆んど本委員会がいつのときでも、この国民金融公庫の拡充強化につきましては全員一致なんですから、大して意見はなく、むしろ積極的な、建設的な意見が多いのでございますから、そういう趣旨を十分一つ御了解をされまして、是非一つこの拡充強化に全力を挙げて頂きたいと思うのであります。本日の委員会におきましても、銀行局長初め、総裁等が委員に誓約されたのであります。全力を挙げてこの趣旨徹底に努力するということを言われておるのでありますから、委員会におけるところの発言の内容も十分私は了承されておると思いますので、努力ということでなくて、それを具体化するという意味において、近い機会に補正予算或いは何かの措置を講ぜられまして、徹底的にこの業務の拡充、円滑を期するために、資金の豊富なる融資を願いたいということを条件にいたしまして、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/52
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053・堀木鎌三
○堀木鎌三君 この国民金融公庫法の一部を改正する法律案に対しまして賛成をいたします。併し率直に申しますれば、私どもも、政府がこの中小企業に対しましての適確な方策というものがやや欠けておる。一方において通産省に中小企業庁があり、そうして国民金融公庫以外にも各種の中小企業金融について特別の措置をとつておることは認めます。併しこういう政策が政府の全体の解釈とどう結びついておるかということに関しましては、どうもやはり質疑の間に出ましたように、一応そういう形を作つたが、本当に全力を挙げて動かして行くという形が非常に少いんじやないか。資本主義経済を基調といたします限りにおいては、特に中小企業関係の金融については特段な施策がなければならん。資金源の増加もさることながら、と同時に、企業診断その他について諸般の行政施策がこれに伴わなくちやならないというふうに考えますので、特に政府がそういうふうに重点を指向されるというふうな事柄を強く希望いたしまして、本案に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/53
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054・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/54
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055・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。国民金融公庫法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/55
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056・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は、前例により委員長に御一任願いたいと存じます。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 岡崎 真一
山本 米治 西川彌平治
土田國太郎 白井 勇
成瀬 幡治 青柳 秀夫
東 隆 藤野 繁雄
三木與吉郎 大谷 贇雄
堀木 鎌三 小林 政夫
野溝 勝
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/56
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057・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を議題といたしまして質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/57
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058・野溝勝
○野溝勝君 お伺いいたします。昨年水害災害等がありまして、特に農業災害に対する共済保険の必要がより一層強調されまして、救農国会におきましては百十余億の予算を計上したのでございますが、その予算の運用につきましては巷間いろいろと伝わるところでございますが、予算の処置等につきましてこの際、小倉君から一つ経過を御報告願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/58
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059・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 農業共済制度につきましての予算の使途の問題でございますが、一番大きな問題は、何と申しましても掛金に対しまする国庫負担という問題、それから再保険金を支払います場合の不足金の補填の問題でございます。この両者によりまして、二十八年度といたしまして、政府から再保険金といたしまして支払いましたものは、通算いたしまして二百四十三億程度であります。このうち最も大きなものが水稲でありまして、この水稲が百九十五億であります。これは今御指摘のような水害、冷害等に跨がります水稲の損害に対しまする再保険金であります。それから大きなものを申上げますと麦が三十一億五千万円、次は春蚕が十億六千八百万円、夏秋蚕が四億七千一百万円、陸稲につきましては一億五千万円、かようなのが再保険金の支払いの状況になつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/59
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060・野溝勝
○野溝勝君 支払いはそれでわかりましたが、農林省の農業保険課から発表されております資料によりますと、実績不足額六十七億というものが出ておるのでありますが、この処理はどういうふうにしようとしておるのですか。又せなければならんと考えておるのですか。その点をお伺いしたい。例えば昭和二十八年度農業勘定再保険金支払収支見込表という、あなたのほうから入手した資料の中にあるのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/60
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061・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) わかります。再保険金の支払いの収支の関係でございますが、これは二十八年度の災害の異常な結果といたしまして、再保険料の収入等によりましては補填し得ない状況になつて参つたのであります。従いまして、このうちすでに一般会計から二十八年度の補正予算によりまして繰入れました八十五億といつたようなものがございますが、そういうものによつて補填して行く、なお且つ足りないものが最近の計算によりますると六十六億、約六十七億という程度になります。で、これについての問題でございますが、今回お願いいたしております五十五億の歳入の補填、これが一つの途であります。なお麦等の未経過の保険料がございますが、未経過保険料の収入が九億五千万円程度ございます。これを取りあえず充てる。なお若干足りない部分につきましては、四月以降になりまして新らしい作物に対しまする再保険料の収入がございまするので、それを以て埋める、かような所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/61
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062・野溝勝
○野溝勝君 その新らしい再保険料を以て埋めるというのですが、その新らしい再保険料というものは、一体何を対象にしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/62
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063・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 二十九年度の予算におきまして、一般会計から特別会計への繰入れがございますが、この一般会計から特別会計への繰入れの中に、農業勘定或いは家畜勘定に亘りまして、米麦、蚕繭或いは家畜につきましての再保険料の国庫負担金がございまして、これを繰入れることになつておりまするので、それを取りあえず使う、こういうのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/63
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064・野溝勝
○野溝勝君 そこで、これはまあ、ざつくばらんに申上げますが、実際問題としてなかなか容易でないので、まあ政府から出す負担額というものは、これはもうはつきりきまつている。併しこれが組合、県段階、こういうところになつて来ると、なかなかそう簡単にはいかんのですな、実際。そういう点に対して小倉局長はそれで大丈夫行き得るという見込が立つのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/64
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065・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) お尋ねの趣旨は、この保険料の徴収、或いは保険金の支払いといつたものが、再保険特別会計から末端の共済組合に至るまでの組織を通じてのことであるので、その間の金銭の出し入れについて遺憾はないかという御趣旨であろうと思います。遺憾ながら、この保険料の出入という点から申しますると、これは作付の前に保険料を取立てると申しますと、末端と申しますか、農家から申しますれば共済掛金を納めるということでございますが、なかなか作付前までに、即ち共済関係が始まるまでに、掛金が完納されるという状態にはなつておりません。だんだんと早くするようにいたしておりまするが、必ずしも理想的になつておらないのであります。尤もこれは途中で、掛金が組合等によつて他の用途に使われるということではなくて、農家自体の経済状態或いは保険というものに対する理解の薄さといつたようなことから、まだ十分に徹底はしない憾みがございます。この点について、私どもこれまで通り十分の努力をして、できるだけ早く、共済関係の始まるときには掛金が完納されるようにということを原則として、推進して参りたいと思つております。
次は保険金乃至共済金の支払の問題でありますが、特別会計から再保険金が連合会に支払われる。それから連合会から保険金が共済組合に支払われる。それから共済組合から共済金が農家に支払われる。まあこういう建前になつているわけであります。で、この間に、この農家に対して、保険金が、即ち共済金が適確に払われないではないかという非難、或いはそういう点についてのいろいろの農家の不平というものは、これまでも多々ございました。昨年は異常な災害もございましたし、そういう御批判も受けましたので、特に共済金の完全支払いということについて特別の私ども事務当局としての通牒をも県当局に発しまして、そこに過誤のないようなことをしたのであります。一つは、この共済金の公表、個人別に公表する、或いは県におきましては村別に共済金の公表をするということによりまして各村各農家の関心を高めて、そこでいい加減な共済金の支払い方が行われないような措置を講ずるということをいたしております。
それから又どのようにそれが支払われたかということについて、全部調査するわけには参りませんが、ランダム的に或る程度のものを事後的に県庁のほうにお願いいたしまして、間接的な調査をして頂くという措置をあらかじめ通知いたしまして、それを実施して行くような措置を講じております。一番問題は、末端の共済組合の共済金につきましては一割の削減が認められているのであります。これは末端の組合自体が固有の責任を持ちまして保険乃至再保険でカバーできない部分でございまして、自分の掛金で自分で共済金を払うというのが共済金額全体の一割でございまして、これが末端の組合の責任になつているのであります。ところが農業災害といつたようなものについて、村といつたような小範囲のところで収支均衡するわけではございませんので、多くはこれは削減払いと称しておりますが、一割の部分を削減して払うということによらざるを得ない実情でございます。これは違法ではございませんで、補償法上も認められている措置であります。これを誤解されまして、組合で一割天引きするというようなことに伝わつているのではないかというような気もいたしますが、この点はさような制度上の建前になつておりますのでやむを得ないかと思います。
第二点の問題といたしましては、共済組合なり協同組合で農家に対する債権を相殺する、共済金で相殺するということが行われるのであります。この点についても法律上いろいろむずかしい問題がございますが、共済金といつたような特殊の性格に鑑みまして、そういうことはしないようにという指導を実はやつております。ただ農業手形等につきましては、制度の建前として共済金の支払いというものが担保になつておりまして、実質上、農業手形の一部分が共済金で支払われまして、現実に農家には金が入つて来ないといつたようなことがございます。そういつたようなことがいろいろ誤解を生む種になりはしないかということを実は恐れております、なおその他の今申しましたような点は、必ずしも非合法ということではございませんが、甚だ穏当を欠くような点も従来ございましたので、その点については先ほど申上げましたように、昨年、事前に予防的な通知を発しておりまして、そういうことのないように特に指導をいたしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/65
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066・野溝勝
○野溝勝君 大体考えのあるところはわかつたのですが、実際問題といたしまして、中央でさように考えておりましても、末端においては実際支払がうまく行つていないのでありまして、この問題で各地で非常な物議を起しておるのは承知だと思います。そこで私は、これは農業共済基金の問題についてこの際聞いておきたいのでございますが、一体、共済基金の問題は、すでに三十億を計上されて、国が十五億、残り十五億が組合員ですな、農家……、それは七カ年間ということになつておるのでございますが、問題はむしろ共済基金にある赤字、これが今日共済制度に対する大きなる癌であり、問題点だと思うのですが、この共済基金の問題について、当局は現状のままでよいか、これは何とかしなければならんというように考えておるのか。幾らよい保険制度を作りましても、この中心になる、いわゆる車の軸ともなるべき県連合会がこんな赤字を背負い込んでおつたのでは、どうにも行かないと思うのですよ。実際は小倉局長がいわれるように、末端の一割の削減による弾力性をもたせてあることはよく承知しておりますが、併しあと九割で以て運転するのですが、九割で運転するにしても、連合会の状態が今のような状態ではどうすることもできないのです。この点に関して当局はどういうように考えておるか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/66
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067・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 共済基金の問題は、御承知の通り連合会の保険金の支払につきまして融資をする、こういう機関でございます。お話の通り三十億の資本金でございまして、政府と連合会と半々出資をする、こういう建前になつております。ところでこの連合会の不足金というべきものが二十八年度を入れまして今日では約四十四億になつております。勿論これは一時的な不足分でございまして、長期的に見れば均衡するかも知れない、或いは又保険料が入つて来ればそれによつて一時は補うこともできるといつたような性質でございまするが、とにかく水稲といつたような大きな作物につきまして災害が起つて参りますると、保険金の支払に事を欠く、こういう状態になりまするので、この基金が融資をすることになつておるのであります。現在までは、三十億の資本金を以ちまして、自己資本と農林中金等から借入金で連合会に融資をして参つて、保険金の支払に事を欠かずに来ておるのでございますが、なお将来予測されるような災害に対しましては、この三十億の資本金だけでは甚だ不十分であります。この点については、災害補償制度につきましての御指摘のようないろいろのむずかしい問題と併せまして根本的な対策を考えなければならんというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/67
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068・野溝勝
○野溝勝君 そこが問題なんですね。今おつしやるように、この共済基金の問題については連合会が融資する、それで融資する場合は中金から借入れて融資するのだ、確かにその通りなんです。併し実際問題として農林中金から基金はどのくらいで借りておるかというと日歩二銭四厘で借りておるのですな。二銭四厘で借りて、それを今度は基金は一銭七厘で連合会に又貸しをするようになるわけだね、そうすると今度はこの又貸しには利子七厘損をしておるわけなんです。実際問題として七厘損をしていることなんで、例えば又貸しをして少しその間、利益しいるということはよろしくないことだが、それならばまあ経理の面がわかるのだが、農業共済基金が、むしろ赤字を持つておるような共済基金制度が、成り立つわけがないではないか。中金から借りちや七厘ずつ損をして行つたら、しまいにはどうなるのですか。こういう矛盾は率直に早く解決をしないと、これはとんでもないことになつて来ると思うのですよ。このわかり切つた事実に対して考え直さなければいかんし、又、間違つておるなら間違つておるで改めなければいかんのでございますが、この間の事情を一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/68
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069・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) お話の通り、基金が連合会に貸す場合は一銭七厘だけれども、基金が中金等から借ります場合は二銭四厘ということでございまして逆鞘でありまするが、これを補う一つは、先ほど申上げました基金の収支のうち、政府出資の十五億につきましては配当は期待しておりません。法律上は、連合会の出資に対しても、政府の出資に対しても、配当をしないでいい建前になつております。まあいわば無利子の金が十五億あると、こういうことであります。それからもう一つは、これまでのことでありますると、指定預金等によりまして、中金を通しまして基金に来る、こういうことで、中金の二銭四厘といつたような利子はもつと安い利子で貸す、こういう措置、両方の措置によりまして基金の収支といたしましては赤字にならずに今日まで進んで参つております。尤もこれは先ほど申上げましたような不足金の額が今後どうなるかということとも関連いたしまするが、今後更に不足金が増大する、こういうことを予想いたしますると、先ほど申上げましたように現在の基金の資金構成では、今後の保険金の支払いに対処しがたいのではないかという問題がございますので、この点は今後の問題として研究を進めているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/69
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070・野溝勝
○野溝勝君 私はこうした地味な問題を質疑するときに、終始一貫主計局が来ておるということはなかつたのです。特に今国会におきまして主計局の正示次長が終始一貫関連のある委員会に出席されておることについては、当然なことのようではありまするけれども、次長の勉強振りに対して敬意を表するのであります。そこで、いずれ又その主計局次長には後ほど所見を質すのでございますが、只今小倉局長は何とかしなければならんということだけでは本委員会は満足しないのです。今のこの矛盾はあなたも認めたわけです。これはその通りなんでしよう。私の言つたことに間違いがありますか。中金から借りる二銭四厘と、それから基金が連合会に貸す場合における一銭七厘その逆鞘が七厘あるということは間違いないでしよう。間違いありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/70
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071・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) そのこと自体はもうお説の通りでございます。ただそういたしておりますのは、当初からさようにいたしておりまして、これは先ほど申しましたような政府出資十五億という問題とからんで、そういうふうにいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/71
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072・野溝勝
○野溝勝君 局長はこの問題は私になつてからでないと言われるが、それはよく承知しております。併しあなたになつてからでないと言つてこの矛盾はいつまでも続けて行つちやいかんです。悪いことは改めなさい。そこで、これは当然農林省だけでなくて、大蔵当局もこういうことをいつまでも傍観していることは許されんです。一体、農林中金そのもの運営がおかしい存在だと思うのだ。百姓のために金融をするのか、個人の、営利会社と同じようなつもりで金融をするのか、わからなくなつちやう。これじや一体、百姓は永久に抑圧されるばかりである。然らばどうしたならばいいかというと、百姓の金融機関のような恰好をしておる看板だけ並べておつても駄目なんだから、百姓から短期高利の頭をはねるよう、直接、政府が出資をして、この共済制度を守り立てるより道はないのです。頭をはねるトンネル機関をやめて、直接共済制度の趣旨に徹するために、かようなものの資金、融資は、国家のほうで計上してやる意思はないか。さもなければ、もつと金利を徹底的に引下げる、そのため簡易に資金の斡旋をする、こういうようなことをしなければ、恐らく私は共済基金は終いには赤字で真赤になつてしまうと思う。今でさえもそうでしよう。先ほど言つた通り赤字でどうすることもできないじやないですか。五十億近くの金がありまして、中金支払の勘定が残つておりまして、政府出資の十五億の無利子の金がある。この十五億の無利子の金があつても、三十何億あるのですから、こういう点についても小倉局長は一体どういうふうに今後やつて行こうというのか……、君は大臣じやないから決定権を以て申せというのじやないが、事務当局からこういうふうにしたいという見解、更には主計局次長もおられるのでありますから、成るほどこの矛盾はこのままにしては置けません、これは何とか考えて努力したいつもりですとかいうことを、この際お三人からお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/72
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073・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) この基金の問題につきましては、根本的に今連合会に不足金を生じないようにするということが先ず根本対策であります。そういう意味合いからいたしまして、二十八年度からは連合会の収支につきましての安全を見るという意味で、掛金の中に安全割増部分というのを設定いたしまして、これに国庫も或る程度の助成をするということで、連合会に不足金ができるだけ生じないようにするということが一つの方法であります。これはすでに実施をいたしております。
もう一つは、もうすでにできた不足金であるから、これはそういうことでは片付きません。従いまして私どもの考え方といたしましては、只今御指摘のように、私、事務当局でございますのでまだ最終的決定ではございませんし、又、大蔵当局の意見もあろうかと思いますが、この不足金四十四億のうち相当部分のものを長期的に貸付をする。例えば国庫が長期的に貸付をして、これは基金としては心配せずに、今後の不足金だけに対処して行けばよろしい、こういつたようになりますれば、基金としての運用が立つて行くのじやないか。こういつたような考え方を持つておりましてそういう方向で問題を解決したいというのが私どもの考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/73
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074・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 主計局といたしましてお答えを申上げますが、只今まで御指摘のように、農事共済保険制度が非常に重要な制度であるにかかわらず、特に昨年度は相次ぐ災害その他のために非常に大きな問題になりまして、補正予算その他におきましても国会でいろいろ御審議頂いたのであります。帰するところ、この連合会に対しまする基金その他によりましての支払財源確保の方法に非常に大きな問題もあることは御指摘の通りであります。そのために、国におきましても先ほど来御指摘の利子につきましては、これを何とかして負担するようないろいろの措置を講じて参つているのでありますが、併しこういう方法だけで将来やつて行くことはなかなかむずかしいのではないかという御意見でありまして、この点につきましては、野溝委員御承知の通りに、只今特に小委員会等も設置されまして研究をしているのでございますが、大蔵省といたしましては、この制度の非常に重要な使命に鑑みまして、今後農林当局とも十分連絡をいたし、更にこの制度の合理的な改善につきまして努力をいたして参りたいと存じます。
なお先ほど来、御指摘のように、本制度の運用につきましては、なお改善を要する点が多々あるやに存じておるのでございまして、これらの点につきましても、大蔵省といたしましては、国民の税を預かる立場におきまして、その運営の厳正なる改善につきましても一層の努力を払つて参りたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/74
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075・野溝勝
○野溝勝君 小倉局長の私見について大体了承をすることができました。ただそのうち第一の、現在連合会の収支の均衡を図るために助成の方法は実施しておるとございますが、一体微力の予算の限界であるものをどういう面でどんな実施ができるのですか。実施にも程度があるのでございますが、一体どういう意味でその助成の実施をしておると言われておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/75
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076・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 先ほどの御説明が甚だ足りなかつたのでございますが、国庫は連合会の再保険料について助成をいたしております。負担もいたしておるのであります。この再保険料の負担の仕方の一部分といたしまして、連合会に不足が生じました場合と申しますか、不足金ができるだけ生じないように、掛金を或る程度割増して連合会が取り得るように、その場合の掛金の助成と申しますか、こういう措置がすでに二十八年度の予算からとられておりまして、国庫の掛金の負担に関しまする予算の中にそういう計算上のものが含まれておるのであります。そういう意味で実施をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/76
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077・野溝勝
○野溝勝君 その程度のことは知つておるのでございまして、もう我々は全額国庫負担ぐらいにして徹底しなければいかん。君も承知の通り英国あたり一九四七年から農業安定法というものができて、農産物に対する価格安定制度が徹底しておる。又アメリカにおいてはニユーデイール政策、最近においてはベンソン農務長官などのやつておる施策を見ても、徹底した農業保護政策をとつておるし、保護政策はとつておるが最近は農産物が過剰になつたので又ここでオペレーシヨンをしようとしておるのでございます。非常に敏感です。私は日本の経済から見て完全施策ができなくても、やる気ならば或る程度成功する。天候の自然的悪条件と闘つておる農民の災害というものは、本当に政府で保護政策をとつてやらなければ駄目だ急に天候が回復できるものじやないのです。特に渡されました資料を見ましても、殆んど広島と鹿児島を除くほかは全部異常災害です。そういう状態の下におきましては、少しくらいの資金援助ぐらいのことだけではこれはどうにもならんのでして、特に一方におきましては、食糧増産のほうにおきましても、災害費として当然出すべき費用を食糧増産費の中に入れまして、如何にも食糧増産費を六億ばかり殖やしたごとく発表しておりますが、それはインチキで災害分を差引くと、結局は先般来も申したのでございますが、二十五、六億減つておるのですよ。今後食糧問題を解決しようとするならば、農民の士気というものを抑圧しては相成らんと思う。特に日本のごとき天候の自然的悪条件下におきましては、共済制度の徹底ということは必要なんでございまして、そういう点について十分なる留意を願いたい。特に第二の局長の構想、これらを徹底することは必要だと思う。更に主計局次長も申されておりますごとく、この制度は重大でございますから、徹底的にこの解決に協力するということが、ここで両責任者が鮮明されたのでございますから、そのことを私は条件として、この問題に対する質問はこれでやめて、次の質問をいたします。
先ほど局長は、最近ややともすると保険金を農業手形やその他協同組合の出資の資金と相殺する傾向にあるということを言われましたが、その通りなんでございまして、私はこの共済基金というものをさようなものと相殺するというようなことは、法文上にも規定上にも見たことはありません。然るにかようなことをやつておる事実に対しましては、実に欺瞞性も甚しいのであつて、承知ならんと思う。若しそういうことをすれば、農業協同組合再建整備法に対して本委員会が先に予算を承認し、その施策に協力したという意味も、ごつちやになり矛盾する一体、本委員会を馬鹿にしたものだと言わざるを得ない。その法案なり趣旨なりが徹底し賛成したのであつて、然るにこの法案にも趣旨にもないことを末端において運用する、それを行政上黙認するこういうことになつたら、法治国民としての意義がないと思う。全く不見識だと思う。こういう点について、一体局長はどうしてこの間の矛盾、この間の誤まりを直そうとするのか。この点に対して一つ御所見を聞かせて頂きたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/77
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078・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 先ほどもこの問題につきましてはちよつと御説明いたしましたように共済金というものの性質上、相殺といつたことは、これは好ましくないというような考え方であります。私どもは行政指導としてそういうことは考えておらんばかりでなく、災害補償法にも、共済金を受ける権利というものは他に譲渡したり或いは差押えすることができないという規定になつております。こういう趣旨からいたしましても、協同組合の出資の増強のために一方的に相殺するということは、法律上もできないし、又実際問題としても、災害で現在困つておる農家に払うべきものでございますので、かようなことは好ましくないというふうに存じております。そういうふうに実は指導して参つておるわけであります。この指導のために、先ほど申しましたように、適確に共済金が支払われておるかどうかということについての監査的の措置も実施中であります。具体的な事実を発見すればそれを是正するような措置をとりたい、かように存じております。
なお農業手形につきましては、これは、先ほど申しましたように、法律上は共済金を受ける権利を協同組合に譲渡するわけには行かないことになつておりますが、農業手形の制度の運営上これはやむを得ない措置といたしまして、共済金の受領を委任するという恰好で、実はいたしております。従いまして法律上から申しまするとこれは違法でないのであります。尤も農業手形の償還に急にして、農家の経済の実情を顧みないということでは、農業金融全般の問題の解決の仕方ではございませんので、協同組合或いは共済組合等において適宜な措置をとるべきものであるというふうに思いますけれども、制度の建前としてはさようなふうになつておりまして、実質上の処理の仕方に実は期待いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/78
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079・野溝勝
○野溝勝君 その点は小倉君、素人ならだまされるかも知れぬが、私にはそんなことを言つては駄目です。農業手形については農業手形に対する一つの制度ができておるし、先ほど申しました農業協同組合については、農業協同組合の再建整備法でやるという金融措置がちやんと制度ができておる。味噌も糞も一緒にして罰になるとかならんとか、そういうようなことを言うべきじやないと思うし、又そういうことを言えば私は本法案を承認しない。本委員会においてはそんな生やさしい解釈乃至は表現では困る。今、君は答弁の中に言つた通り、そういうのがあれば、それは一つ是正したいと思うということであつて、それはそういうことに対して是正するという軽い気持では承服できない。むしろ局長は、さような事実に対しては誤りであるから警告乃至はそれを停止するということが、当局のまじめな見解でなくちやならんと思うのです。そういう点について、君がその農業制度、手形制度及び農業協同組合の再建整備法との関連において、あいまいな処理をしても差支えないというような考えを我々に与えるということは、甚だ遺憾だと思う。この点に対して、一つあなたの見解をもう一回聞いておきましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/79
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080・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 先ほど申しましたように、共済金の制度上からの意味と、それから又、補償法の建前からいたしまして、債権の譲渡或いは相殺ということは不法であり、且つ穏当を欠くということは、原則として当然そういうことでございまするので、そういう趣旨でこれまでも指導して参つておりまするし、今後もさようなふうにいたします。そういう原則に違反するような事実がございますれば、これは適宜な処置をとりたいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/80
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081・野溝勝
○野溝勝君 よくわかりました。当局の見解わかりましたので、私はこの際一つ局長に具体的の事実を申述べて、この処置を一つ即急に解決されんことを望むと共に、かようなことが全国各地にあることをあらかじめ局長にも当局にも申入れ、このことだけでなく、全国にかようなことのないように即時警告なり処理をされんことを冒頭において望むものであります。ここで読みあげるのは一農民から来た手紙でございますが、この際参考に申上げます。
昨年末、農家への営農資金として一万五千円来ることになつて、我が農村も農業協同組合より個人の組合の貯金口座へ払込まれたが、協同組合では、この金は組合が農林中央金庫より責任を持つて組合員に貸付ける金だから、我々に絶対権がある。
故に村当局に関係なく、ただ認定書を村長が出すべきだとの理由で、何も法規を知らない農民を圧迫いたしまして、組合出資一反歩一株(一株二百円)とし、一町歩の人は増資せよと言つて二十株を持たせ、一町歩の人で一万円足らず、(二回分)、そこから増資分四千円、それに肥料貸金、昨年秋の麦肥分を差引けば五、六千円、差引いて、実際現金で渡る金は殆んど二、三千円乃至は零という有様で、二十九年度の営農資金としての意義がなくなつたわけです。
組合の借金整理を、この共済金乃至は営農資金等々に肩代りをしたというのに過ぎません。
こういうような意味です。そこでこれは私の同僚でありまする萩元代議士のところに来た書面でございますが、その他、私のところに二通来ております。そこで私は萩元代議士に一昨日行つてもらつて調査をしたのです。長野県東筑摩郡芳川村西村喜徳、ところが事実であるという萩元代議士からの回答を昨日得ました。こういうわけでありまして、これは一つの例でございますが、私の手許に来たのは、農業手形と共済金とのすり替えの問題でございます。こういうように、これは各地にあると思うのですが、誠に私は歎かわしいことであり、且つ又折角の共済制度が、かような、いわば農業手形やその他協同組合の株の追加払いと言いましようか、割増と言いましようか、こういうようなものと相殺されるということは、誠に遺憾なことでございまして、私は今日小倉局長から、かようなことが具体的にありますれば是正するということを言われておりますが、こういうことが私が申上げるばかりではなしに、各地にあるのです。この具体的な例をここで一つ挙げたわけでございますから、一応この具体的な例に対して直ちに調査すると共に、全国でそういう傾向がありますから、この際、至急かようなことのないように、警告を発する必要があると思います。別な角度で、農業協同組合の行き詰り、或いは農業手形の処置等につきましては、別の意味で協力するつもりでございますが、この問題については、共済制度に対しましては、共済制度として運営を期してもらいたいというのが私の意見でございます。これに対する両当局の御所見を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/81
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082・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 先ほどお話いたしました通り、今お読みになりましたのは営農資金等も入つておりますが、共済金の支払に関して申上げますれば、一方的に、受取る農家の意思を構わず相殺をするということ、或いは債権を他に譲渡するということにつきましては、これはよくないことでございますので、そういう具体的な事実がございますれば、これまでも一般的には指導して参つておるつもりでございますが、具体的に挙げてのお話でございますので、早速注意をして参りたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/82
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083・野溝勝
○野溝勝君 さつき言いました西村喜徳君の例、これに対する調査をすぐやるということですね、そうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/83
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084・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) さようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/84
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085・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 大蔵省といたしましても、法令並びに予算の定めるところによりまして、けじめをはつきりつけまして、筋の通つた運営をいたすように協力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/85
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086・野溝勝
○野溝勝君 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/86
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087・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/87
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088・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/88
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089・野溝勝
○野溝勝君 只今も質問の中で申上げましたごとく、日本の農村は非常に窮迫しておりますし、特に食糧事情等につきましても、前々申上げました通り、食糧増産費は削られますし、特に食糧に対する輸入補給金も削られますし、いわば食糧の端境期を前に控えまして、非常に不安が増大して参ります。かようなときに、特に本年度こそは、農民の生産熱意をより一層起してもらわんことには、昨年来の生産の行き詰り、非常な不安があると思うのでございます。特に今、日本の農民の一番弱点は経済的地位が薄弱だということであります。この経済的地位の薄弱、これに対する解決は何としても農業保護政策以外にはないのであります。特に農民が個人の利益をどうということではなくして、要するに国民生活に必要な物資を生産する農民の地位を守るということにつきましては、これは何ら異見を差挾む余地がないのでございます。今申しました通り、英国における農業指導のやり方、或いはアメリカにおけるニユーデイールのやり方、或いは最近ソヴイエトにおける従来のコルホーズ、ソホーズ式の農業を転換いたしまして、フルシチヨフ氏が言われておるごとく、特に農民の自主的な創意を振い立たせなければならんというような、世界各国がこの農業問題、食糧問題に全力を挙げておる際でございます。で、日本におきましては、保護政策の第一ページといたしましては、何としても農業共済保険制度の確立以外にはないと思うのです。それは肥料の問題も必要でございますし、土地改良の問題も必要でございます。あらゆるものが必要でございますが、全体を通しまして、農民の地位を守るというのは私は農業共済保険制度の徹底これだと思う。こういう意味におきましても、かような不徹底な共済制度でなく、徹底した農業共済制度を確立しなければならんと思います。特に異常災害が、日本におきまして広島と鹿児島だけが異常災害の適用に漏れた、殆んど全部が異常災害の適用を受けたという地域でありましては、尚更考えなければならん点があると思うのでございます。こういう意味におきまして、特にこの共済制度の徹底のために一段と努力を払うということ。
第二はこの共済制度と、それから他の制度と混同するようなことのないようにすること。他の制度とは、今申しましたように、例えば農業協同組合の債権債務の対象などとごつちやにこれを扱わないことにすること。
それから第三点といたしましては共済基金、これの拡充、これを徹底しなければ完全なる共済保険制度はできないという点。
以上三つを速急に解決することを要求いたしまして、本案に賛成をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/89
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090・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/90
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091・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/91
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092・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は前例により委員長に御一任を願いたいと存じます。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 堀木 鎌三
小林 政夫 東 隆
藤野 繁雄 成瀬 幡治
青柳 秀夫 菊川 孝夫
大谷 贇雄 前田 久吉
白井 勇 山本 米治
西川彌平治 野溝 勝
岡崎 真一
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/92
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093・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に骨牌税法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/93
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094・渡辺喜久造
○政府委員(渡辺喜久造君) 先日平林委員からの御質問の中で答弁を留保させて頂いたものがございますから、それだけお答え申上げたいと存じます。
麻雀の製造所の数でありますが、二十八年九月末現在七十七ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/94
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095・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 別に御発言もないようでありますが、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/95
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096・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見のあるかたは討論中にお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/96
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097・小林政夫
○小林政夫君 私は、衆議院が政府提案よりもこの骨牌税を軽減をして参つたということについては甚だ不満でありまして、成るほど税収は僅か三千五百万円、当初の政府原案においても軽微なものでありますけれども、こういうものから税をとらなければとるものはなかろうと思われるようなものを、甚だ衆議院のセンスを疑うものであります。従つて次のように修正をしたいと思います。
骨牌税法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第四条の改正規定中二千五百円を四千円に、一千八百円を二千円に改めること。
即ち政府原案に戻そうとするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/97
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098・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/98
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099・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。
先ず討論中にありました小林委員の修正案を議題といたします。小林委員の修正案に賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/99
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100・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて小林委員の修正案は可決せられました。
次に只今の修正部分を除いた原案について採決をいたします。修正部分を除いた原案に賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/100
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101・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は前例により委員長に御一任を願います。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 岡崎 真一
小林 政夫 堀木 鎌三
藤野 繁雄 東 隆
青柳 秀夫 成瀬 幡治
大谷 贇雄 菊川 孝夫
白井 勇 土田國太郎
西川彌平治 前田 久吉
山本 米治
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/101
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102・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に物品税法の一部を改正する法律案を議題といたしまして質疑を願います。別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/102
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103・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/103
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104・小林政夫
○小林政夫君 討論に入る前に懇談願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/104
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105・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/105
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106・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/106
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107・小林政夫
○小林政夫君 自動車の点については、多少の部分について意見もあり、特に一五%から直ちに三〇%に行く間に二〇%くらいのランクを設ける必要もあると思いますが、本来緑風会としては、物品税は全面的に撤廃をして、特に奢侈品のみについて奢侈品税というようなもので絞るべきである。更にそれで税収不足を来たすものについては、その審議の過程において主税当局から提出を願つた売上げに対する一回限りの売上税、こういうことになればおおむね千分の五ぐらいで非常に低率な税で済むのじやないか。この物品税の課税対象となつている品目が、これらあらゆる消費物資の代表のごとき形において税負担を皺寄せされておる、こういうことについては、紙或いはマツチ等のようなものも問題でありますし、そういう非常に生活必需品的なものに依然として税収の関係で物品税がかけられておる、こういうことは甚だ不合理である。おおむね奢侈品的なものもありますけれども、うんとこれを絞つて奢侈品課税にして、そうしてあとのものは外すかわりに、それで税収が足らんというものは、別途の、私の言つておるのは一案に過ぎませんので、これを実施するについては相当の研究を要するでしようけれども、広く消費物資全体から応分の公平な負担をせしめる、そういうことをしなくても税収が足るということであるならば、そういうことをやらんでもいいんだけれども、税収の関係で今の物品税の生活必需品的なものの税率の撤廃がしにくい、或いは奢侈品とはいいがたいものについては物品税の撤廃がしにくいと、こういうことであれば、そういうことを考えるべきではないか。そういうわけで、衆議院の修正については、この物品税を存するとすれば相当おかしな修正案と見受けられますけれども、この際はそういう点には全然触れない。速やかに今言つたような趣旨において全面的な再検討が加えられて然るべきである、こういうことを強く付言をいたしまして賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/107
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108・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私も本案に賛成をいたしますが、物品税は戦時中に設けられた税金でありますことは、これは申上げるまでもございません。従いましてもうこの際、再検討する段階に来ておるだろうと思うのであります。特にこの方向は、先ほども懇談の際にも申上げました通り、マツチ、或いは清涼飲料と称してサイダー、ラムネあたりのようなものに物品税をかけるのはどうかと思うのでありまして、小笠原大蔵大臣もこの委員会で一昨日言明せられましたように、百貨店における高級な衣料品であるとか、家具或いは運動具、例えばゴルフの道具であるとかそういつたものに対する税金は、或る程度の高率もやむを得ないと思いますが、そういう角度から、先ほど小林君の言われましたと同じような角度から、物品税全般について再検討すべきではなかつたか。特に今度予算案と政府の財政方針から考えまして、こういう再検討をして、これは改正案として政府当局も出すべきではなかつたかと思うのですが、それらのことをされてない。まあ全然されてないといつては主税局の努力をなにするということになると思うのでありますが、我々とするならばそういう根本的な再検討がされてない。こういう点について誠に不満ではございますが、今年は物価を下げて行こう、一割くらいは下げて行こう、そうして海外との競争力をつけて行こう、こういう財政政策を、経済政策をとるのでありますから、どうしても一般品に対する物品税について下げるということになりますると、これはひいては一般の物価の下落を来すだろう、下つて来るだろう、そうするとやはり自然すべての品物にこれははね返つて来ることは言うまでもございませんので、次期議会にはそういう角度から物品税の改正に関する法律案を出されんことを特に強く要望いたしまして本案に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/108
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109・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/109
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110・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。物品税法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/110
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111・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお諸般の手続は先例により委員長に御一任願いたいと思います。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
木内 四郎 西川彌平治
山本 米治 白井 勇
前田 久吉 大谷 贇雄
土田國太郎 青柳 秀夫
成瀬 幡治 藤野 繁雄
東 隆 小林 政夫
堀木 鎌三 菊川 孝夫
岡崎 真一発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/111
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112・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/112
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113・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。それでは本日はこの程度にて散会いたします。
午後一時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914629X02919540330/113
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