1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年五月二十六日(水曜日)
午前十二時開会
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出席者は左の通り。
委員長 中川 以良君
理事
松平 勇雄君
海野 三朗君
小松 正雄君
委員
小林 英三君
西川彌平治君
酒井 利雄君
高橋 衛君
豊田 雅孝君
西田 隆男君
三輪 貞治君
武藤 常介君
白川 一雄君
政府委員
法制局第三部長 西村健次郎君
大蔵政務次官 植木庚子郎君
通商産業政務次
官 古池 信三君
通商産業省重工
業局長 徳永 久次君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員 山本友太郎君
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した事件
○自転車競技法等の臨時特例に関する
法律案(衆議院提出)
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001・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは只今より通商産業委員会を開きます。
昨日に引続きまして自転車競技法等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。引続き質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/1
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002・高橋衛
○高橋衛君 通産省の当局に御質問を申上げたいのでありますが、この法律に基きまする収入の予定は約七億五千万円程度に相成つております。而してこれが使途につきましても一応試案として、例えば自転車産業振興関係に三億円その他というふうに試案に提示されておるのでありますが、これらの使途につきましては、一般の国の予算と異なりまして何ら款項目の区分もなし、専ら主務大臣の計画並びに指示によつて自由に処し得る建前に相成つておるように考えられるのでありますが、併しながら何と申しましてもこれは公の金でございますので、これが使途については遺憾なきを期することが必要であります。又これらの使途が本当に適切に有効な方面に使われるということが最も必要であると私ども考えるのでありますが、そういうふうな経費が有効に使われ、又何らかの疑惑を生ずるような扱い方にならないということのためには、如何なる措置が、如何なる配慮が行われておるか、一つその点について通産省当局の御見解を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/2
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003・古池信三
○政府委員(古池信三君) 只今のお尋ねの御趣旨は誠に御尤もだと存じます。この財源はお説の通りに極めて公の性質の強いものでございまするので、これが使用計画並びに使用の実施に当りましては、十分に気を付けまして国の予算計画に準ずるような方法でできる限り詳細明確に決定且つ実施をいたして参りたいと存じます。
なおこれにつきましては現在考えておりまするのは、通産省に関係官庁の職員及び学識経験者から成る一つの委員会を設けまして、この委員会に諮つて関係方面の意見をまとめた上でこれらの計画を決定して参りたいと、かように考えているのでございます。なおそれらの運用の詳細な点に亙りましてはお尋ねに従つて主管局長から答弁さして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/3
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004・高橋衛
○高橋衛君 私は内閣の法制局のかたにお伺いいたしたいのでありますが、この自転車競技法等の臨時特例に関する法律によつて納入される金はすべて包括的に商工組合中央金庫に委託されるということになつておるのであります。ところが商工組合中央金庫は出資金も持つております関係上、会計検査院の審査を受けることに相成つておるかと存ずるのでありますが、その会計検査院の検査をすることは会計検査院の義務であるかどうか、又会計検査院が検査をする場合におきましては本来の業務以外にかような法律によつて委託を受けた部分についても検査を受ける義務があるのかどうか、その点について法律解釈の問題として法制局の御見解をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/4
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005・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) お答えいたします。御質問の点が二つあると思います。第一点は会計検査院がこの商工組合中央金庫の行うその業務に関連して検査する義務があるかどうか、第二は一体検査する権限があるかどうか、そういう御質問だと思います。
第一の点につきまして、一般的に申しまして、商工組合中央金庫は私の承知いたしますところでは、政府が出資をいたしておりますから、当然会計検査院法第三十三条の第一項の第四号に該当いたしますので、会計検査院がこれの検査をする権限は勿論あると、こういうふうに解釈いたしております。これは義務になるかどうかという問題でございますが、二十三条の規定では、いわば任意的検査事項ということになつておりまして、会計検査院は必ずしなければならないというのでなしに、会計検査院が必要と認めるときはいつでも検査できる、こういう規定になつておりますから、多少そこに御質問の点と違うかも知れませんが、実際問題としまして商工組合中央金庫に対しましては年々会計検査院がちやんと検査を行なつておるというふうに承知しております。又二十三条の規定の本文の後段には、後段と申しますか、内閣の請求があるときは検査をするということになつておりますから、この商工組合中央金庫の会計につきまして、若し会計検査院の検査を必要とするというふうに内閣が判断しますれば、その請求を会計検査院にすれば、会計検査院は検査をする必要がある、こういうふうに考えられます。
それから第二のお尋ねの点の、こういつた委託を受けた業務につきまして、それが本来商工組合中央金庫の会計の中に入るのかどうか、入らないとすると会計検査院の検査の対象外になるのじやないかという御疑問の点と思いますが、私どもの研究しましたところによりますと、やはりこの委託を受けました業務はやはり商工組合中央金庫の本来の業務でないにしても業務であります。それは当然商工組合中央金庫の会計の中に入る、従いましてこれについて会計検査院が検査をするという権限は当然持つておる。現に中小企業信用保険法或いは中小企業金融公庫法に基くいろいろの業務も商工組合中央金庫が委託を受けて業務をやつておる。それにつきましても検査を受けておるというように私は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/5
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006・豊田雅孝
○豊田雅孝君 今の問題に関連いたしまして質問いたしますが、第二条の第三項で「第一項の業務を包括的に商工組合中央金庫に委託しなければならない。」ということになつておるのでありますが、第四号の「その他機械工業の振興を図るため必要な業務」というのは、具体的の例を見ますと、海外情報の収集頒布であるとか、或いは海外宣伝用のカタログの製作頒布であるとか、更に海外貿易斡旋所の設置などでありますが、こういうものを商工中金のごとき金融機関が委託を受けてやるということは非常に適当ではないと思うのでありまして、これは恐らく商工中金が包括的に委託を受けても更に適当なる団体機関等に再委託をすることにならざるを得ないと思うのでありますが、実態はどういうことなのか。又再委託をするということであるならば、この第三項の規定で、第一項の業務を全部包括的に商工中金に委託をしなければならないということになつておるが、再委託が法律上できるという解釈がとれるかどうかという点につきまして、前段については通産省に伺います。後段につきましては法制局の見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/6
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007・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) お手許に参考資料といたしまして納入金の使途の資料をお配り申上げておりますが、これが従来は政府が予算の中で組みまして政府が委託をしておつた仕事がたくさんあるわけであります。例えば輸出振興関係といたしましては海外の宣伝用のカタログを作つて頒布するというような仕事につきまして政府が或る団体にこの資料になります資料の収集等を頼みまして、それを編纂し頒布するというようなこともいたしておつたわけであります。今回予算の形をとりません恰好になるわけでございますが、従いまして今まで政府が委託しておりました仕事をこの本案によりますれば通産大臣の指示に従つて連合会がやるということになり、商工中金は連合会の事務の受諾者として通産大臣の指示に従つてこれを委託するということに事実問題はなると思うわけでありますけれども、今、豊田先生からお話のごとく商工中金そのものがこういう調査が自分自身としてできるわけではございませんので、それらの仕事そのものはその仕事にふさわしい専門の団体とかその他のものに頼まなければできない仕事でございますが、通産大臣の指示に従つて適当なるものに対して、例えばカタログ製作頒布の仕事を商工中金が委託するということは当然になしてもらいたいと思いますし、従来予算でやつておりました際に相当の成果を挙げておる仕事がたくさんあるわけでありますから、私どもそれらを実は予想してこの四号の規定を設けましたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/7
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008・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 豊田委員の御質問でございますが、私実は衆議院のほうの発案にかかるもので甚だ不勉強でございますが、立案者の意思と申しますか、どこにあるか私よく承知しないのであります。ただこの法律案が法律として成立した場合にどういうようになるかということでざつと考えて見ましたところではまあこういつた業務を再委託することが妥当かどうかという問題はこれは別といたしまして、再委託というのは別段この法律でほかの商工組合中央金庫法、そういうものについて禁止の規定はないと思いますので、法律的には私は可能ではなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/8
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009・豊田雅孝
○豊田雅孝君 その点が、再委託して差支えないという有権解釈といいますか、できるということをはつきりしておいてもらえば私はそれでいいと思いますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/9
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010・西村健次郎
○政府委員(西村健次郎君) 私その今有権解釈と申しますか、政府がこの法律案について、殊にこの国会の法律案について有権解釈を出すというのは甚だ適当でないという御発言と思いまして、先ほど申上げましたように、これは法律として実施せられた場合におきまして行政庁から私のほうに意見が来ました場合には、今申上げましたように再委託ができるというふうに我々は答えるであろう、こういうふうにより以上申上げられないと思うのであります。御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/10
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011・三輪貞治
○三輪貞治君 若し再委託ができるとすれば、どういう団体が予想されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/11
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012・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) この配付資料を御覧頂きたいのでございますが、海外情報収集の場合には、日本自転車工業会、次も同様になりまして、変りますものでは(3)の国内指導対策の関係といたしまして、小売業対策等につきまして日本自転車商協同組合連合日会、それからコスト引下げの調査につきまして自転車産業協議会、それから自転車の国内市場及び小売商の実態調査、これは時事通信社、時事通信社は従来酒その他の実態調査に経験も持つていろいろとやつているわけでありますが、さような意味で考えているわけでありますが、あと自動車関係といたしましてこの輸出用バスの車体の試験研究を委託研究をいたしておりますが、これにつきましては自動車技術協会、社団法人でございますがございますので、まあさようなもの、あと機械工業の技術研究につきまして、科研とかいうようなものを予想いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/12
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013・高橋衛
○高橋衛君 先ほどの法制局第三部長の御答弁によりますと、会計検査院の検査は、任意検査ということでありますが、併しながら任意検査の場合におきましても内閣より要求があれば検査をしなければならんという建前になつているのでございますから、政府としてはその検査が行われないような要素がある場合においては要求される意思があるかどうか、その点一つお伺いいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/13
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014・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) これは金額も相当大きな金額になりますし、又金の性質が公的性の強い金でございますので、又国会での論議の趣旨にも鑑みまして、私どもも少しでも紛れのないということを期したいと考えますので、お尋ねのような気配がございますれば、政府側から会計検査院に対しまして調査してもらつて連絡したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/14
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015・中川以良
○委員長(中川以良君) ほかに御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/15
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016・白川一雄
○白川一雄君 「納入金の使途について」の資料を頂いているのでございますが、これは今後こういうようにやろうというまあ予算であるのでございますが、これを判断するために前年度の納入金が明細をつげてどういうように支出されたと、又その支出を受けたところはどういうようで使つたという決算的なものがあれば今後の判断する資料になると思うのでありますが、そういう資料は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/16
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017・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) この御提案を申上げましたように、いろいろな資料をお配り申上げておりますが、その中に詳細な資料をお配り申上げてあるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/17
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018・白川一雄
○白川一雄君 明細についておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/18
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019・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) はあ、明細についてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/19
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020・武藤常介
○武藤常介君 只今のところでは競輪の許可されてあるところは全国的には偏頗な形になつているようでありますが、もともと競輪ということは社会風教の方面から見て相当考えねばならんと考えるのでありますが、今度この財源が地方府県の収入になるというようなことになれば改めて考え直す必要はないかと思うのですが、その点如何でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/20
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021・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) 競輪の新設の問題につきましては、実は我々事務当局に宿題として預けられておりますような恰好に相成つておるわけであります。この問題を処理します手順といたしまして、御承知の運営審議会というものが設けられておるわけであります。ここで詳細に御検討を願つて、その上で事務的に処理するという手順に相成るわけでございます。只今お尋ねのごとく、各地方団体におきましても非常な関心もございまするし、又具体的に陳情の出ておるものもたくさんございまするし、それの処置につきまして至急に態度をきめなければならないということで、来月早々に運営審議会を開く予定で、今月中ぐらいに招集状を発送いたしまして第一回を早々に開くという段取りに進めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/21
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022・三輪貞治
○三輪貞治君 この国庫納付金をやめるということは、本年度の予測編成のときにそういうふうに考えられて、二十九年度予算に載つておるわけですが、この場合に別途の方法で、納入金に改めてこれを徴収するということは全然出ていないわけであつて、その当時政府としては、議員立法か何か、とにかくこういう方法で、一時国庫納付金をやめるけれども、又納付金でとるのだということを予想されておつたのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/22
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023・古池信三
○政府委員(古池信三君) この点は、御承知のように、補助金等の臨時特例法によりまして、一時的に国庫に対する納付金がやめられ、又自然国庫からの補助金も中止するということになつたのでございまして、私どもとしては、飽くまでこれは臨時の一時的の措置である、かように考えておるのであります。従つて、あの補助金等の臨時特例法が廃止される場合には、当然元の形に戻すべきものではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/23
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024・三輪貞治
○三輪貞治君 前に国庫納付金で国が徴収しておつた当時と、今度の法律によつて納入金に改めた場合の、実際に競輪その他を施行するものが納める金額はどういうふうに違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/24
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025・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) 現行の制度がそのまま存続いたしておるといたしまして、二十九年度競輪、オートレース、モーターボートを含めた国庫納付になるものと予想されまする金額が二十五億九千万円という額に相成るわけであります。これが今回の改正の特例法によりますると、競輪、オートレース、モーターボート全部合せますと七億四千八百万円ということに相成るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/25
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026・三輪貞治
○三輪貞治君 それから競輪六十三カ所、オートレース六カ所、モーターボート十七カ所の中で、この別表にあります六千万円以上八千万円未満、八千万円以上一億円未満、一億円以上二億円未満、二億円以上について、各種別について予想される数ですね、競輪六十三カ所の中で二億円以上になるのは大体何カ所くらいであるとか、そういうような資料はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/26
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027・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) 競輪関係だけの資料でありますが、競輪場の数が総数六十一でございます。それを売上別に見まして、三千万円以下のものが四カ所、それから三千万から四千万のものが八カ所、四千万から五千万のものが九カ所、五千万から六千万が五カ所、従いまして、以上今回の特例法におきまして納めなくてよくなるものの合計が二十六カ所に相成るわけであります。それからその上の納めるようになりますものが、六千万から七千万が七カ所、七千万から八千万が五カ所、八千万から九千万が七カ所、九千万から一億が五カ所、一億から一億五千万が七カ所、一億五千万から二億が一カ所、二億円以上が三カ所という予想でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/27
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028・三輪貞治
○三輪貞治君 先ほどの通産政務次官のお話を伺いますと、補助金に対する制度が変つても、この自転車競技法に基くものは当然別途な方法で存続すべきである、こういうふうなお考えのように伺つたのですが、そうなりますと、なぜ過去において現行法が実施された場合に二十五億九千万円であつたものが、七億四千八百万円というように、非常に減額されるような方法で御提案になつた……といつても、提案者ではありませんが、これでいいのですか。それだけ自転車振興に関する経費は要らなくなるのか。若し同様に必要があるなら、やはり法律改正後においてもややそれと近いような収入がなければ自転車振興の目的が達せられないのではないかと、こういうふうに考えますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/28
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029・古池信三
○政府委員(古池信三君) 只今の数字につきましては、もう少し詳しく御説明をいたして御了解を頂いたほうがよかろうと思います。少し御理解願つておるところに食違いがあるように思いますから、局長から更に深く御説明申げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/29
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030・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) 従来の法律によりますると、国庫納付金というものは一定の率のものを国庫に納付すべしということにきまつております。但し、従来の法律では、そのうち三分の一程度自転車工業等の産業振興に使えというようなことに相成つております。従いまして、それが前年度では六億自転車工業等の産業振興費に充てられるという予算が組んであつたわけであります。而して、今回のについて申上げますると、自転車を含め、オートレースを含めまして、七億四千八百万円の収入ということがございますが、これは従来国庫納付になつておつたものの中から産業振興費に使われておつたものとほぼ同額のものが、今回の特例措置によりましても産業振興に使われることに相成るわけであります。従いまして、その差額のものは、従来で言えば国庫の一般収入に相成つておつたわけであります。今回の措置によりますれば、施行者の収入ということに相成るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/30
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031・中川以良
○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/31
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032・中川以良
○委員長(中川以良君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/32
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033・高橋衛
○高橋衛君 大蔵省の御当局に御質問を申上げたいのでありますが、今回衆議院において議員立法として提案され本院に送付されて参りました自転車競技法等の臨時特例に関する法律について考えて見ますと、この法律の建前は、先般補助金等整理の法律によつて廃しました競輪等についての国庫納付金の制度を廃したのでありますが、もともと自転車競技法の第一条等におきましては、この収入は第一には自転車関連産業の振興のために使う、第二段に地方財政の改善を図るために使うというふうな建前に相成つておるのでありまして、その点は国庫納付金等の廃止をいたしましたけれども何ら改正がないのであります。従つてこの経費を全額地方公共団体の財政の改善に充てるということは自転車競技法の精神から考えまして必ずしも妥当でないというふうな観点から、而も各地方団体においてこれらの仕事をするということは非能率的でもあり、又なかなかその実態を把握することは困難であるというふうな観点から、極めて異例的な措置として自転車競技の施行者から一定の率によつて自転車振興会連合会等に納入金をさせ、その納入金を国庫において実際上使用して行く、産業振興のために使つて行くという建前になつておるのであります。併しながらこのように特定の納入金を特定の目的のために使用するということ、而もこれは公金であることは明らかであると存じておるのでありますが、そういうことを国の予算を通ぜずしてやるということは、憲法、財政法等の精神から見て極めて異例に属するものであり、私は或いは違反する疑いがこれはあるのではなかろうかというふうに感ぜられるのでありますが、又この法律は一年限りの法律であるから、而も窮余の策としてでき上つたところの議員立法であるから、又は中小企業の現在の窮境に対処するという観点から、一日も放置できないというふうな観点から止むを得ないもののようには思われるのでありますが、これが将来悪い前例になつて国の財政の根本的な建前を崩すというふうなことになつては非常に遺憾であると准じますので、その点について大蔵省御当局の御見解を承わりたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/33
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034・植木庚子郎
○政府委員(植木庚子郎君) 只今の御質問、御指摘誠に御尤もでございます。我々当局といたしましても一般的に申しますならば、財政法の建前から考えましても、特定の国の収入を以て特定の歳出に充てるというようなことはでき得る限り最小限度にいたして行かなければならない、かように考えておるものであります。お取上げになりましたこの競輪に関しましての問題でございますが、これにつきましては御承知のようにこの競輪等のこうした収入を国の収入にすることがどうも適切でないという建前の下に、今回これを国では収入しないことにいたしました。然らば自転車産業等に対する助長の施設がなくつていいのかという問題になりますが、その問題につきましては政府は関係の省とも御相談の土で、他の各種の補助金の緩急軽重を計つて見ました場合に、本年度としてはこの予算を計上しないで行こうということに相成つたのであります。ところがその後国会の、衆議院の側におかれましてやはり自転車その他の中小の機械工業についての何らかの助成施設が要るのではないかというようなお話も出ました。併しながら当時はすでに予算もきまつて、議会でも御審議を願つておる頃に入つてしまつておりますし、さればと言つて予備金を以て支弁すべき問題でもございません。そこで衆議院の提案者におかれましては、やはり何らかの措置が必要だということで、今回こうした仕組の下に一年限りではあるがこれで以て善処して行こうというようなお考えをお持ちになつたのであります。成るほど結果から見ますと、本来国が収入すべき公金じやないか、それを私の連合会に扱わせて、そうして而もこれが通産大臣の指定するように金を使うというようなことになつておりますので、非常に結果から見てまずいようなことに思われます。併しながら大蔵当局といたしましても先ほど申しますような原則論を常に考えておりますから、成るべくならば避けて欲しかつたのでありますけれども、併したつての衆議院側のお考えであり、成るほど自転車産業その他のものについての助成も或いは研究その他の所要の経費をできるだけ何らかの方法で捻出して行くということも必要であるというお考えに止むを得ず賛成をいたしまして、そうして一カ年限りでもございますから、先ず今回はこれでやつて頂いて、来年は十分に研究して参りたい、かように存じている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/34
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035・海野三朗
○海野三朗君 こういうふうな臨時特例法案というようなものはどの法案を見てもろくなものが一つもないと私は思うのです。臨時措置とかそういうことをやること自体が間違つておるので、そういうもののないようにしなければいけないと私は思うのです。そういう点から考えますと大蔵省における関税の問題にしましても今年一年だけ関税を取止めるというような、みんないわゆる臭いような法案ばかりたくさんあるのですよ。そういうふうなことでなしに、まつすぐ臨時措置とかそういうような特例というようなことのないように一つできないものでしようか。私は特例というのは実におかしなもののように思うのですが、それに関してはどういうふうにお考えになつていらつしやいますか、御所見を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/35
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036・植木庚子郎
○政府委員(植木庚子郎君) 誠に御尤もなる御意見でございまして、政府当局でも臨時的な法令をたくさん出すということについては極力避けて行きたいという方針は持つておるわけでありますが、何分にも政府提出法律案でも将来に亙る恆久的な制度として直ちに決定しかねるというような場合もまま存しますので、かような場合におきましては止むを得ず当分のうちとか、或いは一カ年限りというような法案の御審議をお願いいたしております。殊に本年度におきましては御承知の一兆円予算との関係上大分臨時的な期間しか適用にならない法律の御審議をお願いしておりますが、その点非常に遺憾であります。併しこれは特殊の事情に基くものでありまして、その点御了承を仰ぎたいと思います。議員提出の諸法案の中にもそうしたものもあり得ることは同様な意味において止むを得ざる事態であろうかと私は考えます。併し好ましいことは、成るべくそうしたものはなくし、経営的に永久に適用される法律を十二分に固めて審議して頂いて決定をお願いするのが一番よい態度と存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/36
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037・小松正雄
○小松正雄君 一点だけ……、この法案というものは一年と暫定せられてあると思いまするが、これの支出の中に自転車産業に関して三億の金の中の貸付金が一億五千万円と、こういうようになつておるのでありますが、貸付金というのは今年一年貸してそして今年中に取上げられるということになるのですか、どういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/37
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038・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) この法律の附則にその点を謳つておるのでありますが、一年限りにいたしましたのは、補助金等の整理に関しまする法律の適用が一年限りということになりました関係上、一年限りになつておるわけでございます。お話のような債権等もあるわけでありますが、これは一年たちました場合には、即ち来年の三月三十一日を以ちまして連合会等の持つておりまする債権債務はすべて国に帰属するということに附則で規定してあります。従いまして一年後には国の債権として、貸付金として残る、さようなことになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/38
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039・小松正雄
○小松正雄君 そういたしますと予備費の一千七百万円、これもやはり使い残り、全体的に残つたのは国の収入に来年度はなるということになりますか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/39
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040・徳永久次
○政府委員(徳永久次君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/40
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041・中川以良
○委員長(中川以良君) それでは本日はこの程度にいたすことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/41
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042・中川以良
○委員長(中川以良君) 本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914793X04719540526/42
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