1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年六月十日(木曜日)
午前十時五十七分開会
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委員氏名
内閣委員
委員長 小酒井義男君
理事 植竹 春彦君
理事 長島 銀藏君
理事 竹下 豐次君
石原幹市郎君
西郷吉之助君
白波瀬米吉君
井野 碩哉君
廣瀬 久忠君
岡田 宗司君
矢嶋 三義君
田畑 金光君
堀木 鎌三君
木村禧八郎君
野本 品吉君
農林委員
委員長 片柳 眞吉君
理事 宮本 邦彦君
理事 森田 豊壽君
理事 江田 三郎君
理事 戸叶 武君
雨森 常夫君
川口爲之助君
佐藤清一郎君
重政 庸徳君
関根 久藏君
横川 信夫君
上林 忠次君
河野 謙三君
森 八三一君
清澤 俊英君
野溝 勝君
東 隆君
松浦 定義君
鈴木 一君
鈴木 強平君
郵政委員
委員長 池田宇右衞門君
理事 瀧井治三郎君
理事 柏木 庫治君
大野木秀次郎君
深水 六郎君
村上 義一君
永岡 光治君
三木 治朗君
最上 英子君
電気通信委員
委員長 左藤 義詮君
理事 島津 忠彦君
理事 久保 等君
津島 壽一君
寺尾 豊君
梶原 茂嘉君
新谷寅三郎君
山田 節男君
三浦 義男君
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出席者は左の通り。
内閣委員
理事
植竹 春彦君
長島 銀藏君
竹下 豐次君
委員
石原幹市郎君
西郷吉之助君
白波瀬米吉君
井野 碩哉君
廣瀬 久忠君
堀木 鎌三君
野本 品吉君
農林委員
委員長 片柳 眞吉君
理事 宮本 邦彦君
委員
佐藤清一郎君
重政 庸徳君
横川 信夫君
上林 忠次君
河野 謙三君
森 八三一君
郵政委員
委員長 池田宇右衞門君
理事
瀧井治三郎君
柏木 庫治君
委員 村上 義一君
電気通信委員
委員長 左藤 義詮君
理事 島津 忠彦君
委員
津島 壽一君
寺尾 豊君
梶原 茂嘉君
三浦 義男君
委員外議員
有馬 英二君
国務大臣
国 務 大 臣 塚田十一郎君
政府委員
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
厚生政務次官 中山 マサ君
農林政務次官 平野 三郎君
農林大臣官房長 渡部 伍良君
郵政政務次官 飯塚 定輔君
郵政省簡易保険
局長 白根 玉喜君
郵政省電波監理
局長 長谷 慎一君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
説明員
郵政大臣官房人
事部長 宮本 武夫君
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本日の会議に付した事件
○行政機関職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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〔内閣委員会理事長島銀藏君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/0
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001・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) これより内閣、農林、郵政、電気通信連合委員会を開きます。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題に供します。本法律案について質疑のあるかたは御発言願います。
只今答弁においでのかたは、国務大臣、行政管理庁長官塚田大臣、政府委員といたしまして行政管理庁次長大野木さん、同じく行政管理庁管理部長の岡部史郎さん、農林政務次官の平野三郎君、大臣官房官房長渡部さん、郵政政務次官飯塚定輔さん、大臣官房人事部長の宮本武夫さん、郵政省簡易保険局長白根さん、同じく郵政省電波監理局長の長谷さん、説明員といたしまして郵政事務次官の中村俊一さん、厚生大臣官房人事課長の畠中さん、農林省農業経済局統計調査部長安田さん、同じく農林省農地局総務課長の正井さん、食糧庁総務部長の新沢さん、農林大臣官房文書課長代理の田中康民さん、以上でございます。
それではどうぞ御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/1
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002・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 先ず郵政の委員を代表して私から先に発言をお許し頂きまして順次郵政委員のかたぞれに発言をお願いすることにいたしたいと思います。
只今議題となつております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案によりますと、郵政省の定員は、先の年に二十五万五千二百五十五人で、現在二十五万二千百十一人となつております。現行定員を三千百四十四人削減することにいたしたのであります。この減員の内容は、政府の説明によると業務の拡張及び業務量の増加等による増員三千九百九十二人に対し、行政事務の簡素化に伴う減員六千六百五十五人、電信電話設備の一部を電信電話公社に移管するためによる減員四百八十人、その他減員一人で、減員合計七千百三十六人であつてこの増員減員を相殺して結局三千百四十四人を整理するというのであります。事務の簡素化、能率化を図り、経費の節減をすることに対しては勿論異論はなく賛成であります。人件費が事業総支出の約七割を超える実情を招来する今日までこれを実施しなかつたことは甚だ遅きに失する措置であると言わざるを得ないのであります。併しながら常勤的非常勤を千八百四十二人、非常勤を六千二百二十二人、計八千六十四人を使用する事実は、減員の余地なきことを示すものと言わざるを得ないのであります。なかんずく常勤的非常勤千八百四十二人は定員的の要員であつて、明瞭に定員の不足を補つているものでありますから、現行定員二十五万五千二百五十五人の外に加算せらるべきものであります。試みに昭和二十九年度郵便関係の予算について見ますと、二十九年度におけるところの事業増を二十八年度の四%と見積つていますが、これに対する人員の増加は九百七十人でありまして、郵便総定員七万三千六百八十七人に対して僅かに一%三に過ぎません。而も事務の能率化によつて千二百五十一人を減員いたしますから、総定員は却つて二百八十一人の減となるのであります。郵政省提出の資料によると、郵便物の増加割合は昭和二十六年度を一〇〇とすれば二十七年度は一〇二%、二十八年度は一一三%の増加となつておりますが、然るに定員は増加しておりません。その上に只今申した通り二十九年度は更に物量の増加があるにもかかわらず、総定員の減員を行わんとするのでありますから、甚だ矛盾であると言わざるを得ない状態もあるのであります。従業員の業務負担を不当に過重するものであると申さねばなりません。本員並びに各委員等は数次に亙つて実地の視察をいたしたのでありますが、現場においては、定員不足のため各現業員の年次休暇の累積が一人平均四十五日にもなつて、未だ休暇がとれないという実情を確認いたしたのであります。本案を強行する場合には、この状況はいよいよ悪化する所も出ないとは言えないのであります。国民が最も恐れているところの日曜の配達廃止などの措置をも一部に起る所も現わるるでありましようという機運があります。ひとり郵便業務のみに限らず、郵政省所管の各業務についても同様に減員を行う理由に乏しいのであります。国民の要望に応え、年々年と共に増加する事業の円満なる運営を企画するには現業員の不安を除き、定員の不足から来る諸問題の処理を解除するこもりと考えます。郵政当局は確信を持つて本案の遂行上に来たす今後の問題に対する不安を取除く方策をなす準備ができておりますか。又具体的の計画が立つておりますならば、これを明示されんことを望む次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/2
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003・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) お尋ねの点につきまして、一般的な問題だけ私からお答え申上げて、あと詳細には人事部長からお答えさすことにいたしたいと存じます。郵政省のこの定員をどういう工合に整理するかということは、私が自身郵政大臣を兼ねております関係で、非常に自分も判断に困難をしたわけでありますが、併し私といたしましては、自分が郵政大臣と行政管理庁長官を兼ねておるということによつて、この判断が公正を失するようなことがあつてはならないということを絶えず念頭に置いて、従つて私が行管長官であるからといつてそのために郵政省が他の省よりも不当に軽い、甘いということもないように、又そうかといつて辛いということもないようにということを自分でも念じつつ、又部、局長にもそのつもりで郵政内部の人事の配置をみてくれるようにということを強く指示いたしまして、今度の整理の定数というものを数え出したわけであります。そこで、ただそうは申しましても、事業官庁でありますからして他の一般行政官庁と若干考え方が違わざるを得ないだろう、と申しますことは、仕事の量が殖えて参りますならば、当然これは仕事の量の増加に伴う人員というものをこの行政整理を必要とするときにおいてもなお考えなくちやならない、従つて仕事の量の殖えて参りますのと定員の関係というものを一つ頭に置いておるわけであります。そこでその関係を、ただ皆さまがたにもよくお考え願いたいと思いますのは、実は全体としては非常に大きな世帯でありますからして、私もどこかに何がしかの無駄が必ずあると、日常漠然と見ておつただけでは考えつかない無駄が必ずあると考えるのでありますが、さてどこでどういう工合に無駄があるかということの見当になりますと、まあ非常にむずかしいわけであります。摘出し出すのがむずかしいわけであります。そこでまあ仕事が殖えて参りますと、その今まであつた無駄が自然埋まつて来るという作用が一つあると思うのでありまして、従つて仕事が殖えることがそのまんま今の仕事の量と人間の割合で、人が殖えて来なければ仕事がこなせないというようになつて来るということはないはずである、そういうことをまあ一つ頭に置いて、そこで仕事の量が殖えて来て、そこで無駄が埋まつて来る、そこは整理なしで丁度いい状態にまあだんだんなつて来るだろう、併しそうは申しましても、そういう状態、現象が出て来ない所が必ずあるだろう、そういう所を最小限に今度は増員をすることを考えておるわけです。それが一方に定員減を立て、一方に増員を立てた考え方であります。
それからして非常勤があるにかかわらず、定員の減をするのはどういう考え方かということでありますが、これは実は非常勤と申しますか、もつと正確には、この定員になるかどうかということは、常勤労務者ということになるわけで、常勤の労務者があるにかかわらず、定員減をすることかどうして考えられるかという問題でありますが、私は郵政省の場合には、少くともこういうふうに考えて問題を処理しておるわけでありまして、大体昨年から、常勤の労務者として定員に入れて然るべき段階に来ておりますものは、相当数定員に繰込んでおるわけであります。今度の増員によつて、まあこの常勤労務者が定員に繰込まれる部分も相当あるわけでして、そういう工合に非常勤というものは、或る時期を過ぎてこれがもう恒常化して定員と考えて然るべきものであるというものは逐次定員に繰込むという措置をいたしておるのでありましてただそういうふうに処置をしつつも、絶えず私は常勤労務者というものは、こういうように、殊に事業官庁で伸びつつある段階においては出て来る。絶えず定員の不足分をそこで補つて、その状態をずつと見て行つてそれを恒常化しても、定員化しても差支えない段階になれば、逐次定員に繰込んで行くという考え方をしておりますので、定員減がありながら常勤労務者があるということは、そういう意味において必ずしも矛盾ではないのではないか、こういう考え方をしておるわけであります。非常勤のものに至りましては、御承知のように、繁忙が年間を通じて平均でありませんものですからして、どうしてもこれは或る程度は止むを得ん、まあこういうことになるわけであります。
それから只今郵政委員長から御指摘がありましたように、昨年まあ郵政委員会におきましても、いろいろお調べ頂いた結果を私どもも郵政委員会においてお聞かせ願つているのでありますが、確かに部局によつて非常に人員の不足を訴えておるところがあるということも事実であると思います。そこでただ不足を訴えておる部分は、私は部局によつて局部的であり、又時期によつて割に或る時期を限つたものであるというように了解をしておるのでありまして、全体の部局に年間を通じて本当に大きな不足が出ておるというようには私は考えておりませんので、従つて全体として整理を考えつつも何がしかの増員は、そういう局部的に不足な所に持つて行く。なお又この年間の或る時期において不足するものにつきましては、これはやはり定員増で以てそこで穴を埋めるというわけには、事業能率の立場から行かんものでありますから、やはりこういう所は臨時の定員で処理して行かなければならないと、こういう考えであります。
それから先般全逓の労組の意見として、今度の行政整理が行われるならば、日曜の配達を廃止しなければならないという事態が出て来るかも知れないというような意見も出ておつたようでありますけれども、私といたしましては、そういう事態は絶対に今度の整理では出ない、そういうことは絶対にあり得ないという見通しの上に、今度の整理計数というものを策定いたしたわけであります。
なお詳細は補足的に人事部長からお答え申上げさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/3
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004・宮本武夫
○説明員(宮本武夫君) 只今の大臣の御説明に対しまして、私から補足的に御説明申上げたいと思います。只今の御質問はいろいろ各方面に亙つておりますが、第一の郵便の事業の状況、その物数の増加等の関係から、一方において増員をしているが、一方において定員を絞る、こういうお尋ねでありますが、御指摘の通り、今回の定員法の改正におきまして、郵便関係におきましては約千二百名ほどの減員を考えておる次第でございます。一方におきまして、郵便の事業増に伴う要員といたしまして、九百七十名の増員を考えておる次第でございます。只今大臣の御説明にもありました通り、概括して申上げますと、郵便事業が殖えておつて総体においてマイナスになるのはどうかというお尋ねかと思うのであります。郵便の事業増に対する増員につきまして九百七十名というものを計上してあるのでありますが、これは最近の郵便の状況を見ますると、大部分が大都市の郵便が非常に殖えております。これによつて大都市の郵便局の従事員が相当苦労いたしている次第でございます。先ほどの御質問に都内の郵便局の視察の結果のお話がありましたが、まさしくその通りでございます。これに対しまして郵政省といたしまして、最近の物数の増、又そういう物数の増加がどういう個所においてそれが増加になつているかというような点その他の点を勘案いたしまして、今回の九百七十名という増員を考えた次第でございます。これは只今申上げました通り、都市、殊に大都市において非常に物数が増加しているが、今回の九百七十名も主として東京、大阪、名古屋等の都市においてこれが配置されることに相成る次第でございます。その他の各田舎のほうと申しますか、地方におきましては、成るほど昨年から本年にかけまして郵便の増加の状況を見ますと、全体において一割程度の増加は確かにあるのであります。併しながら地方の各局、殊に小局におきましては現在の人員を以てなお且つ処理し切れないという物数の増加ということには全体的には考えられないのであります。現在の人員を以てなお且つ、物数は増加いたしておりますが、なおこれを消化する余力ありと私どもは見ている次第でございます。ただ部市方面におきましては、どうしてもその物数の増加が急激な傾向を示しまして、どうしても現在定員を以てはこれを処理することが困難であるという考えからいたしまして、今回こういうふうな増員になつた次第であります。又一方減員のほうにつきましては千二百名の減員は、内容におきまして、郵便局におきまして従来局長、課長の下に主幹、主事というものを以ちまして、これが主として郵便関係の局員の指導監督に当つておつた次第でございます。この主事、主幹の総数は全国におきまして約二千二百程度に達している次第でございまして、これは最近におきましていろいろ郵政におきまして職員の訓練等に十分力を注ぎまして、逐次局員の能率も向上して参つております。従来通りの相当数の監督者をこれに配するという必要は前よりも若干減つたようであります。かたがたこの郵便関係の主事、主幹というものを、その監督の仕事を一方においてやらせなければならんのでありますが、必ずしもこの二千二百名のものを全部そのほうの仕事に専念させるという必要はないと認めます。約その五〇%に近いものをこれをいわゆる郵便の実務をやらせる、実務要員にこれを要員化いたした次第でございます。なおそれが約九百名、二千二百名の中九百名ほどに相成つている次第であります。その他約三百名ほどのものが郵便関係においてあるのでありますが、これは特定局方面におきまして、その郵便区の設定につきまして、いろいろ検討すべき点があつた次第であります。なお又局員のその配達取扱面等の仕事につきましてもいろいろと再検討を加える余地があつたやに認められまして、先般来より新らしい能率を以ちまして、新らしい最近の情勢から見まして、郵便区、配達区というものの或いは統合というようなことも可能な所が全国的に調査の結果わかつた次第でございます。そういう郵便区の統合、加うるに新能率の算定というような方法によりまして、特定局におきまして約三百名ほどの人員が余裕があるということを見出した次第でございます。特定局方面につきまして、三百名というのは相当の数字のように考えるのでありますが、御承知の通り全国一万三千の特定郵便局のうち、集配事務を取扱うものが約六千あるのでございまして、その六千の局の中から私どものほうで詳細な調査に基きまして人員が一・五以上余裕があると認められるところの局は約九百局あつた次第でありますが、更にそれを絞りまして、全国におきまして約三百ほどの局の中から一名程度の者を減員するということに相成つた次第でございます。そういうふうな次第でございまして、郵便につきましては、総体的に見ますれば、人員が若干減つている結果に相成るのでありますが、物数の増加、事業の増加に対する増員、又只今申上げました通り或いは主事、主幹の実務要員とか或いは特定局方面における郵便区の統合或いは新能率を当てはめてやるというような方法によりまして、この程度の人間は十分これを減員する余裕があるということを認めてやつた次第でございます。
次に非常勤の問題でございます。只今大臣から詳しく御説明ありまして、別に補足する必要もないと思うのでありますが、成るほど御指摘の通りに、相当の常勤労務者を使つている次第でございます。ただこの常勤労務者につきましては、主としてこれは郵便関係と特定局における電信電話の委託業務にこれを使つている次第でございます。これは併しすでに郵便につきましては、昨年の秋から暮にかけまして、なお委託業務につきましては本年の二月から、基準法の規定に沿いまして、いわゆる断続勤務の許可のならないものにつきまして増員をしなければならんという実際上の必要に基きまして、本年の二月からこれを非常勤として、いわゆる常勤労務者としてこれを使つている次第でございます。こういうものは当然事業増として或いは基準法の関係からいたしまして、定員化しなければならんのでありますが、定員法の成立を待つてこれをやるというのは遅過ぎまして、郵政省としましては、取りあえずこの非常勤を以ちまして、一方におきまして郵便の事業増に対する必要に当て、又一方委託業務につきましては、これをやつている次第でございます。委託業務につきまして約千四百名、郵便関係におきまして約九百名のこれがあるのでございます。これは今回の定員法の改正によりまして、郵便関係の増員が認められますれば、この非常勤が解消いたします。又委託業務につきましても、これが解消いたす次第でございます。その他の分につきまして、御指摘の通り若干の常勤労務者もあるのでありまして、これは予算等の関係からいたしまして、従来定員化すべく努力して参つた次第でございまして、今後も鋭意その方向に努力いたすつもりでございます。
なおその他のいわゆる臨時的な非常勤につきましては、郵政省関係の仕事のように、或いは季節的に非常にその忙がしさの度合の違つている部面も相当ありますし、やはりその最も一年中を通じて忙がしい時を基準にいたしまして人員を配置するということは不経済なことであります。やはりそのときどきの必要に応じまして、臨時的な非常勤を以てこれを処理するということが然るべきと考える次第でございます。
その他病気による欠勤者のあと補充、或いは職員を訓練のためにいろいろやつている次第でございますが、その訓練のために或いは研修所に入れ、その他の訓練をいたす場合のあと補充というような点で、現在約その他の者を合せまして千八百名ほどを使つている次第でございます。これは只今申上げましたように、やはり或いは季節的の仕事の繁忙というようなもの、或いはその他の事情からいたしましてやはりこの程度のものはむしろ定員に組込まずに非常勤として使うということが経済的であり、そのほうが事態にふさわしいと考えてやつている次第でございます。
更に年次休暇のことについてお話がありました。まさしく御指摘の通りに、全国を平均いたしまして、約四十五、六品の年次休暇が溜つている次第でございます、年次休暇につきましては、管理者がその仕事の事情を考えまして、業務の運行に差支えない場合には、これを認めて休暇を附与している次第でございます。年次休暇につきまして、こういうふうに年次休暇が溜つているというのは、これは定員が足らんためにそうであるというふうな御質問と考える次第でございますが、勿論そういう部面も必ずしも、若干と申しますか、一部分確かにあると考える次第でございます。併しながら四十何日年次休暇が蓄積しているという事件へおきましては、昨年、全国的ではありませんが、一郵便管理局全体につきましてこれを調査いたしたのでありますが、成るほどそういうふうに日教は溜つているんでありますが、局員の申出によつて年次休暇を附与した率、或いはその仕事の忙がしい、その他の関係からいたしまして附与できなかつた割合ということを調べて見ますと、八〇%の局におきましては、局員の申出通りこれを附与している状態でございます。二〇%のものが、忙がしいため、或いはその他の関係からして附与できなかつたということの数字を示している次第であります。そういう点からいたしまして、年次休暇というものは、勿論定員が足らんという部面も私は若干あると考えるのでありますが、やはり局員の実際の状況は、強いてそれをとらずに、これをそのまま、年次休暇を仕事の状況からしましてこれをとらずに自分でこれを溜めておくという状況が非常に強いのでございます。
それから今回の定員法の改正を行いました結果いろいろな点が考えられるが、これに対する具体的方策というお尋ねでございます。私どもは、先ほどの大臣の御説明の通りに、今回の改正定員を以て公衆に対するサービスを果し、又労働強化を来さずにやつて行けるということを考えている次第であります。併しながら実際の場合におきまして、個々の局所につきましては、又いろいろな事態が起るということは勿論考えている次第でございます。そういう場合に対しては、或いは非常勤というものの方法なり、或いは又将来の増員というようなことをも考えなければならんというふうに考えている次第でございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/4
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005・池田宇右衞門
○池田宇右衞門君 只今大臣は行政管理庁長官として、殊に郵政相を兼ねている主管大臣として非常な決意と又確信とを持つてこの職に当つたその意気には、又その方法には非常に賛意を表します。又答弁中に能率の増進を図り、国民に対するところの郵便貯金、或いは保険等の増額に伴う業務についても、必ず資本の蓄積上から来る資金の増額を図る確信ありというふうに見受けたのであります。要はその方針を実行に移さなければならないと思うのでありまして二十五万の定員が協力一体となつて立上るときに初めて完璧な目的達成をすることになるのであると思います。この点について今後大臣の一層の努力、目的達成に対する方途を望む次第であります。
次にお伺いいたしますことは、業務上の過労から年々病人が増加する、六、七千人というようなふうに聞いておりますが、これらの職員の病気により生ずる業務増に対しては、それに携つておるかたぞれが負担しなければなりませんので、非常勤のかたがたをこれに充当しております。或いは更に今日一段国民によく郵便業務の理解を願い、その完璧を期しておりますが、これらの方法についても更にそれぞれ能率の増加を図る用意ありや否や。又最近において簡易局より特定局に昨年は三十、本年は三十五局、更に地方から特定局の増設を要望され、風水害地において実際廃止状態にある郵便事業をして直ちに復活させたい。その方途は、これ又関心すべきものであるが、こういう事態が超さないとは限りません。これらに対しましても、すでに用意周到に復活の準備ありや否や。殊に定員若し山間地方に不足するといたしましたならば、山間地においては急速を要する電報、速達が翌日に廻り、或いは病人その他の取引業務が終つた後に、医師を招くにしても、医師がほかの人足を頼んで用が終りあとに行くようなことなしとも言えない、このような状態が各所に実現した実績に鑑みて、これらを是正するの方途を準備してあるや否や。この三点についてお尋ねすると同時に、最後に、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の中において、附則の十項に対して、施行期日が遅れたので、二十五万の従業員を擁する現状において、待命期間、いわゆる「昭和二十九年六月三十日までの間」というようなことに相成つておりますが、これは少くとも昭和二十九年七月十五日ぐらいに期間を置かなければならないと思うのであります。あと十五日においてこれらの処置ができるかできないか。これは内閣委員のかたがたにお願いして訂正をして頂かなければならない問題でございますが、これらについて大臣の見通し、大蔵当局のこのずれた予算に対するところの見解等を更に明らかにされたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/5
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006・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) お答え申上げます。非常にたくさんの病気で休んでおる者を出しておるということも、これは御指摘の通りなのであります。何にいたしましても、二十五万からの人間を抱えておりますので、常時何がしかの者が病気のために休んでおるわけでありまして、まあこの者が休むことによる業務の遅滞は、非常勤の者を入れるなりして、できるだけ残つた者に無理のかからないように最大限の努力をいたしておるわけでありますし、なお又病気の者につきましては、いろいろな病院施設その他厚生の面で面倒を見て、早急にこの解決を図るように措置をいたして参りたいと思います。
それから郵政事業をもう少し機械化して人員を減らすという考え方についてのお尋ねであると思うのでありますが、これはまさに私もその通りに思うのでありまして、現在の郵政の金の約七〇%以上が人件費にかかつているごとから御覧頂きましても、郵政事業が人の力に依存しているということはよく御了解願えると思うのであります。ただ事業の性質上機械化する部面は非常に少いのでありますけれども、まあ自転車、スクーターというようなものをできるだけ入れまして、成るべく同じ距離を歩かせるのなら骨折が少くなるように、少しの人間で処冠できるようにということで努力をいたしております。
それから特定局の増設の問題でありますが、これも非常に広汎な地域に全国に亙つて相当たくさんの特定局の増設の陳情を受けております。年々予算等人員の許す最大限において増設をしているのであります。二十八年度も約三十数局の増設をしたわけでございます。二十九年度においても同数又はそれ以上の増設を計画しているわけでありまして、逐次重要度のある所から必要が満たされて行く、こういうふうに考えているわけであります。なおこれは今後も努力したいと考えますし、なおこの特定局をすぐに作りますのは非常に人員と費用の関係で困難でありますときには、御承知のような簡易郵便局というようなものを作りまして、当面の急に応ずる、そうして簡易郵便局の逐次業務量が殖えて来たときにこれを特定局に昇格して行くというような措置をとつていることは御承知の通りであります。
それから田舎の非常な僻地などでは電報などが非常に遅配するという事実は確かにあるのでありますが、これもまあ一年に一回か二回しかそういう所に電報が行かないというような所にまあ定員を配置しておくというようなことはなかなか困難な事情がありますので、十分には行きませんのでありますが、人員の配置などに最大限の処置をいたしているわけでございます。
なお最後にお尋ね頂きましたこの施行が非常に遅れたことによります六月三十日までに待命の措置を終つてしまうということの困難は御指摘頂いた通りで、実は私も苦慮をいたしているわけでありまして、これは郵政大臣の立場として、今の見通しでは順調に私どもが見通すように御審議頂けますならば、十四日ぐらいに公布して即日施行ということになるのではないかと思いますが、それにいたしましても、余すところ約半月ぐらいでなかなかこれだけの整理を円満に進めて行くということは困難ではないかということを感じているわけでございます。これはなお関係省部局と折衝いたしまして、最終的な何らかの考え方を取りまとめたいと考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/6
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007・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) 郵政のかた、他にございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/7
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008・片柳眞吉
○片柳眞吉君 農林委員会の他の委員のかたからも発言があろうと存じますが、先ず私から数点お尋ねをしたいと思うのであります。
実は農林委員会におきましては、すでに五月二十九日付を以ちまして当委員会に申入れをしておりますので、すでにいろいろ御高配を頂いおることと存じまするが、本日この連合審査の機会に先ず塚田長官にお伺いいたしたい点は、今回の行政整理の大きな方針につきましては、これは何ら反対をするものではございませんけれども、各省との均衡等から見て参りますると、農林省の整理の率が一般よりも非常に高いという実は感じを持つのであります。各省平均が大体四・四%でありまするが、それに対して農林省のこれはまあいろいろ御苦心は願つたようでありまするが、最終的な整理の率は八・五%でありまして、一般よりも非常に高率である点、特に統計調査事務所及び食糧事務所に関しては九%以上の非常な高率でありまして、如何なる理由或いは計算基礎においてかような高率な整理率になつておりまするか。先ずその点につきまして塚田長官からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/8
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009・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) お尋ねの点につきましてお答えをするわけでありますが、実はこの整理率が非常に高いという御意見でありますけれども、今度は整理をいたしますときに天引の整理という考え方、つまり一律という感じを必ずしも当初持たなかつたのであります。併し結局におきましてやはりやつて見ると、或る程度の公平というものを考えなければ、現実においてなかなか各省に整理を担当して頂く場合に困難ではないだろうかということで、仕事の種類に応じた、つまり公務員のかたがたが従事されている種類に応じた各省間の公平というものは十分頭に入れて整理率というものを考えておるわけであります。それにプラスその仕事の特殊な事情がある場合に、或るものは非常に少く考え、或るものは多少大きく考えると、こういう考え方でございます。で、御指摘になりました殊に農林省の場合の統計調査部と食糧の面でありますが、これは私も当初の考え方から申しますならば、もう少し大きな整理ができるのではないかということを非常に考えて、重点をおいておつた部面の一つでありまして、と申しますことは、まあ統計調査にいたしましても、食管の従事員にいたしましても、大体まあ同じように食糧政策、食糧が管理されておるという立場からこういう仕事ができて、そういう仕事に携つていられる。御承知のようにこの両方に携つておられる人を合せますと約四万人の人がおられるわけであります。それでまあ年々配給その他の仕事がやられて来て、大分馴れても来ておられるのであるから、長くこれだけの人間をこの仕事のために農林省が持つていなければならないということはないのじやなかろうかという考え方で、相当大きな整理ができるのじやないかという感じを持つて十分検討いたしたのであります。併しまあ結果におきましては、私どもの外部から見た感じで、必ずしも当つていなかつた部分も非常に多くありまして、農林省当局と最終的に十分意見をたたかわせて検討した結果が、今度御審議を願つておる農林省の整理の数字ということになつておるわけであります。従つて多少整理率が高いというようなことも現実には出ておりますけれども、私はそのために非常に農林省が理由なしに強い整理をしよつておられるというようには考えておらないわけてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/9
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010・片柳眞吉
○片柳眞吉君 大臣の御答弁で参りますると、天引整理ではない、各業務の実態等を十分参酌してきめたという御答弁は了解いたすわけでありますが、そこで農勢委員会でもいろいろこの問題につきましても今日まで検討して来ておるわけでありまするが、特にこの機会に意見も含めまして御質問いたしたいと存じまするのは、統計調査部と食糧事務所の点でありまして、これは今塚田長官が御答弁の業務の実態なり仕事の内容を十分掛酌検討してやつたというお言葉でありまするが、どうも我々の見るところでは、むしろ統計調査なり或いは食糧庁の現業の第一線である食糧事務所等は、最近の各種の法令の制定なり或いは食糧管理態勢の変化からむしろ仕事は殖えているのではないかという実は感じを強く持つているのであります。二、三の点を申上げて見たいと思うのでありまするが、統計調査部はまあ当初は食糧管理制度に関連してスタートを切つたこととは思いまするけれども、最近の状況では勿論米麦等の生産調査もいたしまするけれども、他の農産物の価格なり或いは水産、林野についての基礎的な調査までやつておることは、長官もすでにこれは御承知と思うのであります。特に私どもが農林行政から見て参りますると、先ず農産物の生産高を正確に把握するということがこれが極めて、或いは食糧の供出の面から見て参りましても、或いは幾多制定されました法令の運用上からも必要だということを痛感をしておりました。ところが今言つた米麦等の生産高調査にいたしましても、今日の状況では府県単位程度の調査しか実はできないのでありまして、極めてラフな郡別程度の生産高調査はできまするけれども、肝心の町村別の生産高調査は現在の人員なり機構ではできないのでありまして、これは曾つて私どももにがい体験を持つたわけでありまするが、例えば供出問題にしても、府県全体ではそれは了承されましても、これを府県知事が持帰つて町村別に割当をするという場合においては、実はそのデータがないのでありまして、府県全体ではよろしくあつても、これを町村別に下すことができ得ないといういろいろ悩みを今日まで実は持つておるわけでありまして、そういう意味から私どもは、生産高調査に関しても、現在の調査機構というものは中途半端といいまするか、極めて不徹底なものであるということを実はとうから認識をいたしておるのであります。
もう一つは、農産物と言いまするか、農林行政の昨今の主眼点というものが、農産物の価格政策という点に非常に重点が移行されて来ておるのでありまして、特に現内閣が統制経済から逐次自由経済に移行するという政策をとつて参りますると、農産物の価格政策というものが非常に私は大きな農政の問題としてこれは出て来ることは当然であります。現在統制しておりまする米にしても、これは食糧管理法では、生産費、物価その他の経済事情を参酌すると言つておりまするが、その肝心の生産費についても、まだ客観的に信憑性のある資料が得られないというような現状でありまするし、その他この数次の国会で制定されました幾多の法案を見て参りましても、概して価格政策に重点を置いておるのであります。すでに制定されておりまするところの農産物価格安定法も、要するに菜種でありまするとか、甘藷、馬鈴薯の価格を支持するということでありまして、これはやはり生産費がわからなければ、この円滑な運用はできませんし、或いは飼料需給安定法にいたしましても、飼料の価格がどの程度であることが適正であるかということのそこがつかめませんければこの法律も所期の運用は期しがたいのでありまするし、まあそういう点特に今国会に通りました酪農振興法案にいたしましても、これはやはり牛乳の取引を明朗にするということが酪農振興法案のキー・ポイントでありまするけれども、併し牛乳取引の一番紛争の種は、牛乳の価格がどの程度であれば農家の生産費がカバーできるかという点が、これがなければ実は酪農振興法も絵に描いた餅と私はなると思うのでありまして、そういう点からも酪農振興法案の審議におきましても附帯決議におきまして、強く牛乳の生産費を明確に把握をして欲しいということを特に附帯決議を附しておるのもそのわけでありまするし、或いは繭糸価格安定法にしても繭なり、生糸の生産費がどの程度かということがわかりませんければならんのでありまして、そういう価格政策の点からも、むしろ現在の私は人員では足らないのではないかという、実は私が農林省出身であるというような立場は一切放擲して参りましても、そういう実は感じを持つておるのであります。
更に塚田長官に特にこれは最近の問題でお聞き願いたいと存じまするのは、農業共済制度の問題でありまして、これは過ぐる国会から農業共済制度の今日までの運用については、衆参両院で非常なる実は大きな問題として取上げまして、この制度なり考え方はよろしいわけでありまするが、実際の運用は一番肝心な災害の評価について非常な便乗的な被害調査が行われておる。これは各村の評価委員が自分の村の農産物の被害を評価するわけでありまして、概して非情に甘い評価が行われておるという点が問題になつたのであります。そこで衆参両院で農業共済制度の根本的改正に関する小委員長を設けまして、昨今漸く両院とも結論を得たわけであります。近く政府部内に設置されますところの審議会においてこの問題を十分検討をすることになつておりまするが、その場合において衆参両院共通の意見として強く出して参りましたのは、要するに損害評価の適正を期する、便乗的な共済金の支払を排除下るという点に一番重点がおかれました。その結果第三者的な農林統計調査機構をこの際全面的に活用して評価の適正を期すべきである、これが実は両院とも共通の強い結論になつておるのであります。私どもも地方をめぐりましても、昨年は非常に災害がたくさんございましたが、農業共済と申しましても、平年においても国庫の負担は全体の六割は国庫負担でありまするし、更に昨年のような異常災害が起つて参りますれば、その部分は大部分は国庫が負担をしておりますから、昨年のごときは八割から九割近いものが恐らく私は国庫負担になつておると思うのであります。全国農村にまかれる共済金は何百億円になるのであります。その場合に便乗的な共済金の支払がありますれば、そこで恐らく相当巨額な私は国費の濫費もあるのではないかということを痛感いたしまして、そういう点からも損害評価を適正にして若干の人件費は殖えましても、そういうような便乗的な共済金の支払を防止することのほうが、これが制度としても正しいと思いまするし、又財政の見地からも人員増加と便乗的支払との開きというものは、これは莫大な私は金額になるということを実は確信をしておるのでありまして、その他いろいろございまするが、どうも結論としては、現在の統計調査機構はすべて中途半端である。各般の法令を円滑に運用する点なり、農業共済制度の最終的な効果を期待する点からも、私は率直に言つて、統計調査の機能については、塚田長官においてももう一遍一つよく御認識を願いたいと思いまするし、特に当委員会の内閣委員各位におきましては、その点につきましてすでに書面で申入れはしておりまするし、もう一遍一つとくと御検討を願いたいと思う点であります。特に先ほど塚田長官もちよつとお触れになりましたが、統計調査と食糧事務所の仕事を一緒にしたらどうかということは、これは甚だ失礼なことでありまするが、まあそういう議論がちよくちよく出おるわけでありまするが、沿革的には当初は実は食糧検査員が併せて農産物の生産統計までタッチをしておつたわけでありまするが、供出に関係のある役人が極めて公平な調査をする生産高調査にタッチすることはできないという沿革を辿つて、実はこれを分離したのでありましてこの点はとくとやはり過去の沿革、経緯を尊重して頂きたいと存ずるのであります。
もう一つは、余り時間が長くなりますから簡単に申上げておきたいと思いまするのは、食糧事務所の点でありまして、米の統制がどうなるかという問題は、これは基本的な問題でありまするが、これもなかなか簡単には行かないということを私は信ずるものでありまするが、この食糧事務所につきましては、実はこの数次の国会におきまして、結局食糧事務所の業務を殖やすむしろ法令が相当できておるのでありまして、例えば農産物価格安定法によつても、これは結局食糧庁が菜種なり甘藷の澱粉等を買入れる新らしい業務が附加されておりまするし、或いは飼料需給安定法におきましても、えさも食糧庁がこれを買入れることになつておりまするし、或いはてん菜生産振興臨時措置法も、これも又食糧庁がてん菜等を買入れる、こういうことでむしろ食糧庁の業務を増加するような法制が逐次出て来ております。ほかに特にこれは当委員会の各位なり塚田長官にも御認識を願いたいと存じますことは、米はまだ直接統制をしておりまするが、麦のほうは御承知のような直接統制は解いておりまするが、いわゆる農家の希望に従つて食糧庁は無制限に買入れるといういわゆる間接統制の仕組みに変つて来ておりまするが、最近の動向を見て参りますると、これは勿論今年の麦の価格がどの程度にきまるかということも、これは相当動向を左右すると存じまするが、少くとも食糧管理法で規定したあの通りの規定で今年の麦価がきめられなければ私はならんと思いまするが、そうなつて参りますると、間接統制といつて一般の民間に売つてもよろしいし、政府に売つてもよろしいという選択権は農家にはございまするけれども、どうも昨年からの動向を我々が見て参りますると、結局大部分、或いは一〇〇%近い麦というものは、これは私は食糧事務所に入つて来るのではないか。これが恐らく私はいわゆる専門家、玄人筋の観測ではないかと思うのでありましてそうなつて参りますると、米はこれは勿論供出量は全部買入れる、ところが麦のほうは、これは計画的な供出では勿論ないのでありまして、希望があれば一俵でも二俵でも、又時期の如何を問わずこれは食糧事務所が買入れるということになりますので、非常に私はむしろ食糧事務所の仕事というものは、麦の面だけでも非常に私は殖えて来るという実は感じを持つておるのであります。麦の統制を外したからといつて、むしろ米よりも麦のほうが政府に容易に入つて来るという私は情勢の変化ではないかと思うのであります。まあそういう点につきまして、一つどういうようなふうに塚田長官が御認識を願つておりまするか。
それからもう一つは、統計調査の仕事と米麦等の買入運動等をしておる食糧事務所というような現業機関を一緒にすることは、まあ現在では私はそのことになつておりませんが、将来においてもそういうことは私は適当でないというふうに考えておりまするが、その点につきましてお答えを願いたいと思うのでございます。
更に最後に先ほど池田委員長からも御質問がありましたが、待命期限については、これはやはりどうしてもこれが相当早目に上りましても今月一ぱいでは実際上事務の処理がつかないような情勢であると聞いております。この点も適当な期限の延長につきまして御措置をして頂きたい。これは最後の希望でありまするが、なお他の農林委員のかたからも御質問があろうかと存じまするが、以上申上げました点につきまして塚田長官から御答弁を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/10
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011・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) いろいろお尋ねに際して御指摘を受けました点につきましては、私も原案を策定いたします際に農林当局といろいろお話合いをしたときに逐次或る点は了解し、又或る点はこういう考え方で、じやこういう処理にしておこうということで、大体御意見は頭において今度の整理計画案ができていると御了解願いたいと存ずるわけであります。
極く大ざつばに考え方を申上げますと、私も統計というものは精度の高いほど望ましいということは、その通りだと思うのでありますけれども、統計全般として考えますならば、一国の統計が、農業の統計だけが余り先走つて正確度を保つても、必ずしもそれで十分の効果ということはないのじやないか。やはり統計は全体として歩調を合せて行く、そういうことになるとやはり国費との関係も睨み合せて、おのずからその国のその時代における統計の精度というものが考えられて然るべきじやなかろうか。勿論農業統計の場合にはその上に食糧が現在のように管理されておるという事情をプラスして考えなければならないということもありますので、やはりこれは食糧管理制度をどうするかという問題が本ぎまりにならないと、この面の最終的な判断はできないだろうというようなことを頭におきまして当初考えました幾つかの構想の線は一応この機会においては断念をいたしまして、それでは現在のような一応の仕事、任務を果して頂くということを前提においてどの程度の整理ということができるであろうかと、御協力が願えるであろうかということの立場にまで一応戻りましてお考え願つて折衝いたしました点が今度の整理の数字と、こういうように御了解願いたいと思うのであります。
先ほどちよつと申上げましたように、今度の各省の整理人員の策定の中で最も困難をいたしましたし、又私どもも困難をいたし、恐らく農林当局も非常に御苦心になつたと思うのでありますが、時間的にも農林省の折衝が最も骨が折れておりまして、私も農林省の数字を最終決定をいたしますときに、自身一晩行政管理庁長官の部屋て徹夜をいたしましたくらいに私も真剣に検討し、農林当局におきましても真剣に十分に農林省の現在の仕事が持つておる役目の意味というものを御主張になつたと私も了解をしておるわけであります。従つて今度の数字につきましては、そういうような、繰返して申上げますが、現在の仕事を現在の状態で続けて行つて頂きたいということを前提において考えられておるということで、又その意味において農林省側の意見も御了承になつたという考え方でおるわけであります。
なお農林統計調査部と食糧管理の仕事を、殊に出先を一本にするということは確かに私も考えておつたのでありますが、まあ今の段階におきましては、そういう考えで今の仕事は今のままにやつて頂くということが適当ではないか、将来管理制度に本質的な変更が加えられるときにもう一度考え直すなら考え直して行くべきではないか、こういう考え方でおるわけであります。
なお本法の施行期限、殊に待命の期日に関しましては、先ほどお答え申上げました通りですので、御了解頂きたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/11
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012・河野謙三
○河野謙三君 議題にあります定員法の問題と関係がありますので、この際に塚田長官に伺いたいのですが、あなたの知事公選に対するお考えは如何でしようか。これは非常にこの定員法に、私は以下申上げますが、関係が深いので、この間あれだけ勇敢な総理でも、知事公選は個人としては反対である、こう言われましたが、あなたの場合には、この法案との関連において、知事公選の問題は非常に関係が深いのですが、一体どういうお考えでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/12
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013・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) 知事公選は、まあ余り大きく私は関係がないと思いますので簡単にお答え申上げておきたいと思いますが、これは政府としては、総理からも繰返してお答え申上げていられるように、まだ何らの結論はないのでありまして、私といたしましても、いろいろお尋ねを受け議会に、個人としては自分はこう思うということを申上げている程度のものなんでありますからして、従つて今度の整理にはそういうことは全然頭に置かずに、整理というものが策定されておるというように御了解を願いたいのであります。
それから公選について個人としてどういう考え方を持つておるかということでありますが、これは極く一言に申上げますならば、私はまあ官選論官選論と伝えられておりますけれども、必ずしも官選という結論を持つておるわけではないのでありまして、現在の公選制度がこのままでいいであろうかということについて、大きな疑惑を持つておると、こういうような程度であることを御了承頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/13
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014・河野謙三
○河野謙三君 私は非常にこれは関係があると思うのです。例えばですね、私はこの行政整理は、人後に落ちない。而ももつと断固としてやるべきだと思う。ところが例えば農林統計などを見ましても、なぜ米が集らないか、米が取れないのではない。なぜ農林省の補助金だけが会計検査院なり何なりに槍玉に上るか。要するにでたらめな補助金が出ておるからだ。でたらめな災害の調査というものの基礎の上に行われておるからなんだ。そういうものはなぜかというと、知事の公選によつてですよ、すべて地方本位にこのものがきめられてそれに対抗するだけの農林省に確信がある調査資料がないことなんですよ。私はそう思うんだ。この間も私のほうの会で、北海道の災害の問題で補助率の問題が出ましたが、私はこの災害は補助率の問題ではないと思う。補助率を下げれば今度は今の知事公選の現状においては、補助率が下れば今度は被害の率を殖やして参りますよ。補助率を下げれば殖やす。補助率が上れば幾らか被害の査定も遠慮して、幾らか内輪にしようということで、問題は私は被害の査定調査というものを確信を持つてやる機関があるかないかということです。今のような情勢で知事の公選をやり、農業委員会ということをやつたところで、そうして役人の半端な数を減らしたところで、そんなものは国費の節約にもならない。一文惜しみの百失い、爪で拾つて箕でこぼす、むしろ私は抜本的にこの制度全体の問題に入つて行かなければならないと思う。私は今伺つたのは、現状の知事公選の制度、又農業団体の組織をこのままにしておいてそうしてやつたところで、これは私はこの整理はどうにもならないと思う。だから私はこの整理はもつと大幅にやるならやるように、知事の公選その他農業団体、これはあなたに言うのは無理かもしれませんが、農業団体等について抜本的な改正をやつて、そうして地方は地方としての公正な立場で、国家本位にですよ、地方といえども国家本位にすべてのものを処理するというように組織を変えておいて、そうして中央においては食糧事務所を半分に減らそうじやないか、場合によつては統計調査をなくそうじやないかということも私はあり得ると思う。併し今の制度において、地方にこれだけの力を持たしておいて、それに対する中央機関に何にも抵抗するものを持たせないでおいてそうして私はこのまま行政整理を中途半端に進めることは、すぐに今度は米の供出で又暗礁に乗り上げる、災害の問題で又暗礁に乗り上げるということになると思うので、長官はむしろ政調会で非常に万般に亙つて勉強されておるのでよくおわかりになるだろうと思うが、こういう基本的な問題はどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/14
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015・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) 大体御指摘の通りの考え方をいたしておるのでありまして、私が今の制度でいいだろうかという問題のそういう考え方の出て来るところに、やはり御指摘のような考え方が一つ入つておるわけなんであります。ただ今度の場合にはそこまではまだ行つておらないものでありますから、先ほども申上げましたように、一応現在のままということで、最小限更に無駄を省いてどのくらいの整理ができるかということで今度の数字は出ていると、こういうふうにお答え申上げたのでありまして、確かに不徹底であるということは申すまでもないのでありますが、これはやはり地方の制度をそういう工合に直し、地方の制度をどう直すかということによつて国の制度をどうするかということに相関的に関係が出て来ると思うのでありますが、そういうものは将来の問題として、本質的にやはり中央地方を通じて是非もう一度考え直したいと、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/15
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016・河野謙三
○河野謙三君 一つ、他の委員に迷惑をかけますから簡単に申上げますが、長官もよくおわかりになつているのです。要するに私は、これだけの整理をやる、もつと更に整理をやるためには、同時に並行して今の知事の公選その他の農業団体等のこの問題を一緒に持つて行かなければ農政は非常に混乱すると思う。私は平野さんに伺いたい。一体農業共済に百二十億、百三十億の補助金を出して、而も共済の基金は赤字だと、赤字でもいい。それだけの金を出して農家は喜んでいるかというと、農家のほうへは行つてやしない。その金はみんなでたらめのほうに使われている。農薬に何十億と補助金を出す、これもみんなろくな方面に使われてない。すべてこれは今私が申上げたように、中央地方の組織の上のアンバランスがそこに来ているのです。でありますから、これは是非行政整理をやらなければならんが、やるには前提条件、大きく言えば、知事公選の問題一つじやありませんけれども、これを根本にして、すべてこの行政整理には、それに伴う中央地方の組織をもつと国家的心がまえを持たすような性格に、知事初め、すべての団体の機構を変えて行かなければ、これは私先ほど申上げたように、ここで例えば農林省関係で何億の節約ができるか知りませんが、この人件費で五億や十億の節約をしてみたところで問題にならんです。この蔭にすぐ五十億、百億というようなロスが出て来るから、これは今までの経験でよくおわかりなんです。長官は特によくおわかりなんです。ですから私は行政整理は賛成であります。むしろこんな中途半端なものは反対です。もつと思切つてやるべきです。やるべきでありますけれども、それにはそれでおのずと条件を整えなければならない。その条件をあと廻しにしておいて、而も今のような政局不安定でその条件が来年整うか再来年整うかわからない。一年待つてくれ、来年はやると言うのならいいけれども、こういう不安定な政局においてはその来年も当てにならん。その間において農政が混乱する。特に平野さんによく私は考えてもらいたいと思うのは、長官も御理解だろうと思うけれども、特にお二人に聞いてもらいたい。終戦後の農政というものは、物の面ばかりを追い掛けて、分配、配給の農政であつて、農政本来の研究、指導、試験という面が抜けておつた。それが漸くこの頃どうやらその本来の農政にだんだん戻つて、本年度は農林省の予算は非常に少くなつたけれども、それでも研究、調査、指導というようなものが殖えて来た、僅かに……。そういうふうに農政本来の姿の試験研究に戻つて来たというのはいいことです。併しこれをもつと大幅に戻さなければ農政になりません。研究も、試験も、調査もやらないで、できた麦をどうする、米をどうする、価格をどうする、そんなことばかりやつている。そういう面から私はここで調査とか、研究とか、指導とかいうものをおろそかにされる、而も条件が整わないうちにおろそかにされるということは、重ねて申しますが、一文惜しみの百失いになる。従つて私はこういうふうな原案でやられることは、私は国家の財政の上からいつても、非常な負担を増すということは明らかで、そういう面から十分私は考慮して頂きたい、こう思うのですが、特にさつき共済の問題も出ましたが、我々参議院の農林委員会において共済についてももう少し明朗にしなければいかん。同時に国家の負担というものをもつと減らさなければいかん。国家負担を共済について減らすという意味から言えば、どうしても今の統計調査を末端の町村まで、大体の被害調査がわかるようにして、そうして一方において百二十億も百三十億も国が共済の補助金を出しているやつを、八十億に減らさなければならんということから、我々の意見は一致している。これは何も農民にこびへつらつておる意見ではない。鬼になつて、国の財政を減らすためにはこういうふうにしなければならんということで出た結論です。この点は平野さんも十分わかつておるはずです。これは原案を作られる当時の農林省と今の農林省とは意見が違うはずです。考え方が違うはずです。現在でも農林省は塚田長官に、この案でいいということを言つておられるのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/16
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017・平野三郎
○政府委員(平野三郎君) 河野議員のお話は根本論としましては全く同感でございます。でき得べくんば速かにそういう方向に日本の政治機構全体を持つて行かなければならんと、かように考えておりますということは、塚田長官もお答え申上げた通り、政府全般の意見でございますが、併しながら今日の段階におきまして、直ちにそういうふうにするということもいろいろ困難な事情がありますので、従つてこの定員法の改正案も、誠に御指導の通り本徹底なものということは十分認識の上に、取りあえずこの段階においては、この程度のものを以て進みたい、こういうことで御審議を願つておるわけでございます。農林省といたしましては、これも全くお話の通り、農業共済制度につきましても、昨年は実に二百億以上の国費を支払つたわけでありますが、これを以てしても決して農民に歓迎されておるものでも、ございませんし、又予算的にも実に百数十億というようなものを組んでおるわけでありますが、そのほかに又幾多の農業共済補償制度によつて達し得られない災害に対する補償を行なつておるのでありまして、現に最近の凍霜害におきましても、又いろいろと特別立法ができ、本日も、この六月に入りまして又凍霜害が起つたということで、衆議院におきましては更に四月、五月に、六月を加えるという修正を、国会が延長になりましたので、するというようなことまで至つておるわけでありまして、これらすべてはやはり地方において国家的観念が欠如しておるというような、根本的な日本の今日の政治機構から、かような混乱が起るというふうに思うのでございます。その点全く同感でございまして、これがためにはどうしても次善の策として、統計調査機構の充実を図らなければならん、こういうことで、実はこの法案を作つたときの農林省と行政管理庁との折衝の段階と、今日とは意見が違うのではないか、こういうお尋ねでございますが、実は先ほど塚田長官も申上げたように、一部にはこの統計調査部と食糧事務所とを統一するというような見解もあつたのでございますが、これはしばしばの折衝の過程におきまして、国の基本的案を策定する上において、どうしてもここで機構の拡充が必要である。農政に関しましては、農林省の統計調査部というものが厳として存在して、これが適正な活動をしない限りは、農政の基本策は立たない、こういうことを確認いたしまして、今日ではこの両者を合一するというような観念は完全にやめるということに政府としての意見が確定いたしておるので、ございまして、従つて今回の整理におきましては若干、約一割程度の削減になることは遺憾とは存ずるのでありますが、併しながら、ただ徒らに人員が多ければ完全であるということでもないのでありまして、内容の質の向上を図るというようなことによつて、この機構の目的を達成するように努力したいと、かように考えておるので、ございまして、この点は一つ御了承頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/17
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018・河野謙三
○河野謙三君 最後に一つ塚田長官、再々申上げるが、誤解のないように、私たちは農林委員をしているから農林省の肩を持つのじやなくて、本当に、先ほどから申上げますように、こういうことでやりますと、国費が非常に濫費されるのですよ。先ほどもこれは言いましたが、会計検査院の報告を見ましても、一番補助金等で濫費されているのは農林省の補助金だ、こういうことになつているでしよう。事実でしよう。それがどうしてそうなるか。農林省の役人が悪いとか、地方の町村長が悪いとかいうことでなくて悪いことができるような仕組になつているところにそういうものがある。それは結局先ほど申上げたように、農林省が地方に対して対抗するものを持たないからなんですよ。でありますから、そういう意味合いから言つたつて、こういうことで、今まででさえも不徹底な統計調査とか、試験とかいうことで農政が確立されてないのに、更にこれを行政整理することによつて、一層確信の持てないような農林省の統計というものがこの蔭には非常に地方の勢力が多く反映して来るということになるのです。そういう私は意味合いで申すのであつて、だから私はこれは同じことをよく言いますが、やらなければいけませんが、先ず地方の中央政府に対するいろいろな無理難題の陳情というもの、又これが一つの勢力になつて、政府の方針をいつでもひつくり返えすこの勢力、この組織というものを、先ずもつと抜本的に改正して行かなければ、こんなことをやつたつて国費の節約になりません。私はつきり申しますれば、又すぐ共済の問題で又更に政府は大きく食いつかれまして、又今年も甚だ残念ながら災害の一度や二度あるでしよう。そのとき又大きく食いつかれます。こういうことを考えられまして、私はこの点につきましては、お互いに国費を如何にして節約するかという面では一致するわけなんですから、十分私は御再考願いたいと、私はこういうことを特にお願い申上げまして、私の質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/18
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019・宮本邦彦
○宮本邦彦君 私は今平野政務次官のお話で、大体一割程度の整理をやる、そうして質の向上をやると、こういうお話になつたのですが、これは塚田長官も恐らく同意見じやないかと思う。そう考えてお説を承わつて、今日のお話を承わるというと、何か農林省の予算は大蔵省で天引一割削減という交渉が今されているそうですが、長官御承知でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/19
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020・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) 農林省の予算がどういうようにということは承知いたしておりませんけれども、大蔵省は二十九年度に御審議を願つて成立しております予算に、更に実行の上に整理できる面について何がしかの整理をしたい、削減をして運用したいというような考え方でいるということは承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/20
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021・宮本邦彦
○宮本邦彦君 これはまあ長官のお話のように、何らかの方針によつて削減できるものはというような御説明があつたのですが、実際は天引一割削減なんです。天引一割削減ということは、できるできないにかかわらず、一割引くということです。この行政整理の定員と丁度一割が合つているものだから、私はどうもちよつと不可解なんです。で、まあそういう意味においても、まあ日本の国の財政がこういう状態であり、いろんな問題があつて、財政上のやりくり上止むを得ないということになれば、これは考える余地は私どもにもありますけれども、ここで考えて頂かにやならんことは、今河野君もここで申しましたように、形式的に一割定員を減らすから、一割の天引をやるんだ。天引ということはできるからやるとかやらんとかいうことでなくて、できてもできなくても一割削減するということが天引なんです。それで現在の構想の内容を聞いて見ますと、大体そういう方向らしいのです。このことはこれはまあ塚田長官は定員のほうが主であつて、予算のほうはおれのほうじやないと、こうおつしやられますけれども、この点は長官としても、定員法の問題をお考えになるときに十分考えて頂きたい。それで私はしばしば農林省関係で、例えば会計検査院の不当支出、不正支出が農林省に一等大きいというようなことを承わりましたもので、私も現地へ行つて参りました。諸方を見て参りまして感ずることは、全く末端の人たちはよく働いておるという現実を私は見て参りました。ところが末端の人たちはよく働いておりましたけれども、実際の仕事の運営というものが、末端の人が働けないようにできておるということを長官に一つ認識して頂きたい。ということは、今から二十年ぐらい前は、工事現場へ行きますと、県の技術職員が大体行つて堤防なり何なりはちやんと丁張りをかけておるのです、工事のときには。今日は県あたりでやつておる工事で丁張りがきちつとかかつているところは少うございます。みんな仕事師が自分で丁張りをかけてやつております。従つて仕事師の丁張りなんていうものは、半分ぐらい間違つております。なぜ県の職員が丁張りかけないのかと言つたところが、私調べて見ましたところが、実際に工事現場を担当しておる末端の職員は支所ぐらいのところで郡を二つぐらい担当しておる。職員がせいそれ四、五人しかおりません、技術職員が。そうして担当しておる工事量は、個所数は二、三十個所ぐらい持つております。それで大かた所長なんていうものは、大体技術官がやつておりますから、行つて見ますというと、所長はお客さんの接待、昔は所長というものは自分でプランを立ててデザインしたものが、最近はお客さんの接待、一等大きいお客さんは何かというと、一等うるさいのは最近できた行政監察庁や財務局の何とかというようなものがお客さんの一等うるさいお客さんなんです。こういうものが来ると大体四、五日ぐらい仕事ができません。その人たちに提供する資料を作る、それからコースをきめて案内する、そういつたものが大部分の、一等おつかない、現地では一等やつかいな所長の職務になつている。全く末端の人が生命をかけてやらんならん仕事でなくて、そういうものに大部分の労力が払われておる。それで私はこの行政機構の定員というような問題を、先ず末端でそういうことをおやりになるということは、形式的には最も大事なことなんです、最も簡単なことなんですけれども、いつもその裏打になる動かすところの内容を考えておやりにならんというと、海野君じやないけれども、あぶ蜂取らずのとんでもない失敗に終るじやないか。だから何とかして現場の末端の統計調査、統計事務所でも何でもそうなんです。末端のがつちりしたものを先ず作る。その人たちを動かせるというような機構をお考えになることが一等大事じやないか。どういうことかというと、先ず能率的にびしつと末端の人たちが最も仕事を作つて行く人たちであり、その人たちの働きが行政の成果を上げる力を持つておる人たちである、その人たちを働かせるような機構をお考えになることが国家としては最も大事なんじやないか。それで私はこういうふうにきまりました以上、この一割の定員は必ずしも私は反対しません。私も河野君と一緒だ、能率さえ上げていい仕事をやつて行くのならば、これは大いにやらなきやならん。今日最もやらんならんことは、恐らくこの行政整理じやないか、あらゆる面で。けれどもこの行政の末端を動かすところの行政整理を長官はどういうふうにお考えになつておるか、その問題を一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/21
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022・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは今度のまあ全体として見れば、農林省約一割ということに、九%何がしかと思いますが、併しここにつきましては、御指摘のような末端にはそういう整理の無理がかからないようにということの方針で私どもも考えております、恐らく現実に農林省においてもそのように御処置願えているのじやないかと、こういうふうに考えているわけであります。なお御意見は十分休して、今後は善処して参りたいと思います。
それからしてこの末端の仕事のうち、監察や財務部あたりの相手になる仕事が非常に多いという非難は、近頃私も又ときどき聞いて、実は非常に心配をいたしている事柄なんでありまして、実はそういうことにならないように十分注意しなければならないと思つているのであります。ただまあなぜそういうようにならなければならなかつたかということでありますけれども、実は昨年の大きな災害に関連しまして行われましたいろいろな主管省の査定が、必ずしもそのまま一〇〇%認められるという形には実は行つておりませんのでありまして、そういう面から非常に世論もかなり大きなものが、これに対して批判的なものが出ておりますので、やはり或る程度は調べざるを得ないということになつて、そういうふうに御迷惑をかけておるかと思います。併しどちらにいたしましても、国のいろいろ機構が重ねて同じ目的のために行つてしばしば迷惑をかけるということは是非なくさなければならないと考えております。今後は善処いたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/22
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023・左藤義詮
○左藤義詮君 電気通信委員会の所管の問題でありますが、電波は近代世界の貴重な文化財であつて、その利用は通信、放送、航海、水産、鉱工業等多方面に亙つて文化の向上、国力の充実に至大の関係を有するものであります。私も素人でこの委員になつて見て、非常にこの電波というものが国家の将来に大きなウェイトを持つていることに自分で驚いているわけでありますが、世界各国は競つてその研究、調査、開発、利用に努めて、その進歩は日に新たなるものがあつて、且つ停止することを知らないと同時に、使用周波数の国際的獲得に絶えず激烈な競争が行われているのであります。我が国におきましては無線局は一万一千五百二十一局、無線従事者八万六千三百十一名、使用周波数が一千二十九、これは四年前の電波法施行当時に比べましてそれぞれ二・八倍、二・五倍、二・三倍という非常な増加を示しておりまして、更に日に日に増加の趨勢にあるのであります。特に天与の資源に乏しい我が国の地理、産業経済的状況からいたしまして、電波の研究、調査開発、利用及び電波争奪の国際競争には一層努力しなければならんところであります。電波はその性質上極めて高度の技術的なものであると同時に、国の境界を越えて規律ある統制を必要とするものである関係上、電波行政は複雑多岐に亙り、且つ多分に現業的性質を帯びているものであります。ところが政府は今回の電波行政関係事務職員の減員を行わんとするに当つてそういう特殊性を十分に考慮するところなく、塚田長官は所管でありますから考慮されたかも知れませんが、出て来た結果を見ますというと、非常な、先ほど申上げまするような二倍以上になつておりまするにもかかわらず、二百十七名という増員どころか減員をしようとしておるのでありまして、同じ郵政省でも只今池田委員長からお話がございましたが、郵政本来の事務、例えば郵便、為替、貯金、簡易保険等につきましては特別会計であるという理由で、私の調べましたところでは、一分二厘の減員でありますのに、この電波監理のほうは一般会計であるということで七分というような減員率になつているのでありまして、これでは先ほど申しましたような電波の重要性ということが一向反映していない。事実上はこれは日に日に拡大されて行きます電波の監理に非常な私は困難を来たすものだと思うのでありますが、これに関して塚田長官の所見を承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/23
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024・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) これは私も実はこの電波行政の素人でありますが、相当初期においてかなり大きな考え違いをしておつた。考え違いといいますか、それよりも認識が十分でなかつたという点があること、単に人員の点だけでなしに、いろいろな面においてそういう感じを実は自分でも持つているわけであります。そういうようないろいろな事情がありましたので、実は当初に考えました数字について、相当内部でできるだけやりくりをいたしまして是正をするように措置をいたしておるわけでありますが、ただこの電波行政について考えられますることは、御承知のように電波は今まで別の世帯になつておりましたのが、郵政省の中へ一つの局として入つて参りましたので、別の世帯になつておつたものが一つの省の中へ入つて参りますと、共通の仕事や何かの面で相当一般的なものが容易に整理ができる面があると常識的に考えられるわけであります。そういう面も頭に置いて、かなり相当電波行政の事務自体が伸びつつあるということを考えつつも、相当数整理が可能ではなかろうかと、こういうふうに考えてこの数字を出したわけでありますが、併し今も申上げましたように、その後多少考えなければならない事情があると考えまして、成るべくこの郵政省内部におきまして考えられる最大限の措置というものを考えよう、例えば同じような共通の仕事をしているもので郵政省の定員で電波監理局の仕事も一緒にやるということになれば、現実に人間が減つても実質的には定員が減つても仕事に無理がかからないという措置を、大きい郵政省の世帯の中で最大限に考慮しなければならないというので、こういう措置をしておりますのが一点と、なお二百十七名という数字は一年でやる数字でありませんので、なおその後あの電波監理局の整理人員策定後のいろいろな電波行政面の動き、そういうものを考慮におきますと、なお再検討する面があるならば、来年度の分についてなお検討を加えたいと、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/24
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025・左藤義詮
○左藤義詮君 大分お見込違いがありまして、この点は非常に後悔をしておいでになる。郵政省の人員のやりくり、できるだけ電波のほうへそのほうから応援するということ、又これが明年度にも亙つているので、明年度は業務は非常に拡大して行くことについて十分考慮するというような意味のお話でございましたが、その点につきましては最大の御努力を希望いたしますが、いろいろ、勿論この仕事が電波監理委員会というものから郵政省へあとに入つたということで、いろいろなまだその間に整理ができるじやないかというお見込のようでありますが、それにいたしましても、この仕事をやります例えば地方の電波監理局監視部というものの数はお減らしにならない。機構はそのままある。全国で約五十幾つもそういう所があるのですが、内部監理事務、或いは統計報告等の事務をできるだけ郵政省のほうから応援するとおつしやいますけれども、現実にはそうして五十からの部局をそのままにしておいてどうしてそれができるのか。具体的になつて行きますと〇・何人という人間を出先で一つ減らすということは意味のないことなんでありまして、結局私は相当数、率直に申しますれば、委員会で三十人以上のものは取りあえず一つ郵政のほうからの人員を何とかして応援したいというお話もあつたのでありますが、そういうようなことを一つ責任を以て明年の問題、明年は勿論でありますが、この業務量の増加、非常な所管大臣としてもすでにお見込違いで驚いていらつしやるようなこの仕事の重要性に対して、本年度ば具体的にどういうふうになさるのか、明年度はどういうふうの決心をお持ちになつているのですか、それを具体的に一つ伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/25
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026・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) 概括的に私からお答え申上げて、なお電波監理局長から補足をいたさせたいと思います。
まあ非常に困難ではあるのでありますが、御承知のように電波監理局は全体で三千名ちよつとの職員を持つておるわけでありまして、まあその中から私は今日のような行政整理に対する非常に強い国家的な要請を頭において考えるときに、やはり百名や二百名の人員整理の余地がないということは絶対に私はあり得ないと、こういうように考えておるわけであります。従つて個々につきましては、非常に仕事が伸びて参りましても、仕事が伸びることによつて増員を必要とする面というものはおのずから末端の、又仕事によつてもうきまつておるところでありまして、私どもがむしろ整理可能であり、又整理をしなければならないという部分は、むしろ中央の一般的な仕事についてある、こういうようにまあ考えておりますので、本年度に割当られたる百名程度のものは困難なしたこれは整理できるし、又それくらいの考え方で当らなければ行政整理というものはできない、こういうように考えておるわけであります。従つて今後本当の業務量の増加に従つて必要なものを、必要な場所に必要な人員の種類というものを考えて増員すべきものは増員をする、こういう考え方をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/26
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027・長谷慎一
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。電波監理関係の職員の減員につきましては、只今郵政大臣からもお話がございましたように、内部監理事務の簡素化によりまして、今回の定員の減の措置が十分できる、こういうような見通しを持つております。と申しますのは、只今お話もございましたように、無線局の数が非常に殖えて来ておることは事実でございますが、一面従来電波監理委員会としまして総理府の外局でありましたものが、一昨年の行政機構改革によりまして、郵政省の内局となりましたので、従来独立的にいわゆる会計人事のような官房的な事務が重複されることになりましたので、この面を再検討いたすことにより、又その面についての事務及び報告類等の合理化によりまして、相当の人数の整理ができることになつたのでございます。又約一年半前に、局舎が従来別々でありましたものが郵政本省の中に合同されましたので、守衛、小使或いは電話交換手というようなものにつきましても節減の余地が出て来たわけでございます。
又一方地方におきましては御指摘のようにたくさん局所がございますけれども、これは出張所のように数人の技術官だけでおるものもございます。又地方電波監理局のように二百名、四百名という相当の人数が仕事に従事しておる面もございますので、一概には申し得ないのでございますけれども、本省におきますところの事務の簡素化と関連いたしまして、地方におきましても庶務、会計面での或いは人事面におきましての事務が合理化される、従つてその方面の人数が若干節減できることになつております。又従来電波監視を行なつておりますところの局所が地方電波監視局としまして電波監理局から分離されておつたのでございますが、これも過般内部部局としまして地方の電波監理局の監視部という形に改められましたので、その局所は離れてはおりますけれども、人事、会計面等におきまして、独立官庁としてありました時分に鑑みますというと、その事務処理が相当簡素化されましたので、その面での節減もできる形になつたのでございます。その結果といたしまして、本省段階といたしまして本年度約三十四名、地方段階におきまして本年度九十六名の整理は十分できますし、仕事の面にも支障のない範囲内においてできるものと見込を立てておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/27
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028・左藤義詮
○左藤義詮君 今数字をお示しになりましたが、明年度を加えますと、中央では五十七名、地方では百六十名、中央のほうでは先ほどのお話のように、外局から一緒になつたのだからまだ余地があるかも知れませんが、これも合併になつたときに相当の整理をなすつておられるはずである。若ししてなければ、二年も三年も要らん人を使つたことになると思いますが、中央でも相当無理かと思いますが、これば郵政省のほうとやりくりなさるにしても、出先で百六十人ということは、これは非常な無理がある。業務量が二倍半、三倍になつておるのに、そういうことを押して行けば、いろいろな方面でこの重要な電波監理の仕事の故障が起つて来る。私も現場に参りまして、非常な無理をしておる、混信その他の問題につきましても、とても十分な処理ができていないという実情を見ておるのでありますが、大臣も相当見込違いであり、これは一つ考え直さなければならんというお話でありますが、これ以上申上げませんが、一つ郵政省全体としての大きな世帯でありますので、その間のやりくり或いは明年の問題につきましては、もう一度一つ電波行政というものの重要性を十分頭に置き、出先の実情をよく御覧になつて、慎重に考慮せられるように希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/28
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029・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) 内閣委員会の委員のかたがたからも御質疑があると思いますが、只今厚生委員の有馬英二君から委員外議員として発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/29
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030・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) 御異議ないと認めます。有馬君の発言を許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/30
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031・有馬英二
○委員外議員(有馬英二君) 私はこの際、厚生方面の行政機関職員定員法に関する若干の御質問をいたしたいと存じます。
今回の行政整理におきまして、厚生方面では約三千名に近い減員が行われんとしておるのでありまして、この点は他の省と同じように、行政簡素化という面から私ども賛成をしておるのでありまするが、併しながら厚生方面は御承知のように末端におきまするというと、現業をたくさん抱えておるのでありまして、例えば国立病院或いは国立療養所というような所におきまするというと、徒らに定員を減らしまするというと、患者の治療に非常な支障を来たすというようなことが起るわけであります。御承知のように二十九年度一般会計予算におきまして国立療養所の病床が一千床増加されることになつたのであります。それにかかわらずこれに必要な定員を顧慮せられておらないというのは如何なるものでありましようか。定員が増加されないばかりでなく、今回の定員整理で以てこの上更に定員が制限せられる、減少せられるというようなことになりまするというと、職員の過労ということが引起され、延いては患者の診療並びにサービスに非常な障害を起すものと考えるのであります。この点について、塚田長官、若しくは厚生当局に、どういうお考えであるかということを一言お伺いをしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/31
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032・塚田十一郎
○国務大臣(塚田十一郎君) 基本の考え方についてだけ私からお答え申上げ、あと厚生当局からお答え申上げることにいたしたいと存じます。
御指摘のように、この現業の部門は、先ほど郵政のときにもちよつと申上げたのでありますが、厚生省にも現業に準ずる病院、療養所というものがありますので、今度の整理につきましては、そういう所は十分現業であるという事情を頭に置いて整理数を考えているわけであります。殊に今御指摘になりましたこの療養所は、増床がありましたので、それに伴う増員は別途に考えられていると記憶をいたしているわけでありますが、必要なものは増員をする、そうして、更に全体としてなお整理できるものは整理する、こういう考え方で来ているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/32
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033・中山マサ
○政府委員(中山マサ君) 現行の定員法り定収は四万丘千八百八十七人でございまして改訂の定数が四万二千九百三十三名になつておりまして差引減が二千九百五十四人になつておりまするが、その内訳は、行政整理で減じられますものが二千七百三十八名になつております。併し地方移譲で減になりますものが三百八十七人になつておりまして、三千百二十五人となりますのでございまするが、この国会におきまして癩の研究所ができるという法律ができて、このための増員が、癩の療養所関係で百十一名で、研究所は十名となつておりまして、癩精神関係で百七十一人の増員が必要となりまして、差引の減は二千九百五十四名となつておりますのでございます。そして只今この国立病院の人たちが、今までに八百六十四名ございましたのでございまするが、これを減らしては困るではないかというお言葉でございましたが、現業の医師及び看護婦というものは、一人も首切りにはこれはかかつていないということになつておりまして、事務関係で首切りが四百九十名になり、増員が今申上げました百七十一名になつておりますような次第でございます。一千床の病床ができたのに、これに必要な人員は四百人でございまするが、それが四百人に対するところの予算というものがないのでございます。御承知の通り、これは三派の共同の案によりまして、この一千床というものが取れたのでございまするが、併し予算がこれには組まれていなかつたのでございます。そうなりますると、勢いこの四半期におきましてこの工事を始める、そしていよいよ病人を収容するというのはそれから遅れて参りまするので、予算は次の年度を以てこれに当てねばならないのではなかろうかというふうに考えられておるのでございます。
それでこういうふうに人を減らしてどうしてやつて行くのかという御質問でございましたが、何とかして残りましたその人々によりまして、十分の能率を上げ、何とかしてやつて行かなければならんということに私どもは直面いたしておるのでございます。そうなつて参りますると、考えられますることは、どうしたらいいか。それならば人の手に代る、これは機械化をして行かなければならんということになるのではなかろうかと思つておりまして、機械や器具を整備する、そうして施設を改造して行つて、こういう方面によりまして、何とかして能率を上げなければなるまい。例えば人を遣わして看護婦を呼ぶということに代えるに、もつとナース・コールのブザーをたくさん整備する。そして渡り廊下なども新設して行く。電気洗濯機も使わなければなるまい。又。パン切りの機械なども、人手を以てやつておりましたことを機械によりまして、こういうことをやつて行つて、機械の配置により、増加によりまして、看護婦の労働、或いはこの炊事に当つておる人たちの勤労のそれを適正にして行くということに努めて参らなければなるまいと、こういうふうに私どものほうでは考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/33
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034・有馬英二
○委員外議員(有馬英二君) 只今の政務次官の御説明は大変に進歩的で、誠に結構であると存じます。そういう工合に国立病院、若しくは国立療養所の機構、施設がだんだんと改善されて、そして人手が省けるということば誠に結構なことでありまするが、御承知のように、最近の治療法はだんだん進歩いたしまして、特に結核療養所などの治療が、昔は単に寝せておけばよかつたというようなことでありまするけれども、最近は治療がだんだんと改善されまして、殊に結核患者は、外科的治療を施す人が非常に多くなつておるのであります。従いまして医師の手が余計に要り、又この手術に要する人手、即ち看護婦がたくさんに要るような傾向になりつつあるようなわけでありまして、昔から考えまするというと、療養所は医師並びに看護婦の人手が多くなければ、完全なる治療が行われないというように進んで来ておるのでありまするから、只今政務次官が言われましたような、いろいろの機械を殖やして人手を省くということと並行して、治療面における人手の増加ということをどうかお忘れなく、やたらに人員を天引するというようなことがありまするというと、それだけ治療が不完全になるというようなことであるのでありまするから、この点に十分御考慮を煩わしたいのであります。
なおもう一点伺いたいのでありまするが、厚生方面では、引揚援護局でありますか、これが御承知のようにだんだん人間が減らされて行くわけでありまして、今年も百五十人、来年は四百十八人、その次が四百八十三人、昭和三十二年が四百五十人というようにだんだんに整理されることになつておるのでありまするが、今年はこの整理について臨時待命の制度を受けるということになつておるのでありまするが、この待命制度が来年、或いは再来年と、この援護局で整理が行われまする間ずつと行われるものであるかどうかという点を一応承わつておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/34
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035・中山マサ
○政府委員(中山マサ君) 先ほど結核療養の対処につきまして、過去の時代のように、単に静養するというだけでなく、外科の治療が行われているが、この点で医師或いは看護婦を減らして行くということは、とてもこういう問題に対処ができないではないかというお言葉でございましたが、誠に御尤もなお話でございます。併し御心配頂くことが今の段階では無用になつておりまするということは、医師及び看護婦は一人もこの際首切りをしていないというこの事実を御了承頂きまして、その点は御憂慮のほどを解消して頂きたいと思うのでございます。
それから今度は引揚の問題でございますが、御案内の通り引揚は今まで庁となつておりましたのが内局に切替えられましたのでございます。そして今おつしやつた通り千七百七十二人の現在の定員から四年たちますると二百七十一人ということになつて逐次減少させて行くという四年計画ということになつておりまするが、待命制度は元来の方針といたしましては、本年度を限つてというようなことになつておりまするけれども、この引揚援護関係の職員の整理につきましては、その業務の特殊性に鑑みましてこの間、すでに御了承かとも考えまするが、衆議院のほうにおきまして辻代議士の質問に答えて、塚田長官は、希望としてこれはずつと四年間続けて行つてもよかろうかと思うという御発言も私どもは承わつておりまするので、この待命制度を本年ぎりでなく四年間続けてやつて参りますることによりまして国民の中の未帰還者を待つその人たちの気持、又海外から帰つて参りまするその状況、そういうこととも睨み合せまして善処して行くように努力をさせて頂いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/35
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036・有馬英二
○委員外議員(有馬英二君) もう一点お伺いしたいのでありますが、これは輸入米の中に、御承知のように黄変米が年々発見されておる。これがために調査研究に要する人員があるわけでありますが、現在はたしか三十八名これの調査研究に当つているということでありますが、恐らく只今まで黄変米が少しも減つておらないというような、なおことによると増加するのではなかろうかというような懸念もあるというようなことから考えましてこの調査員では人が足りないのではないかというようなことから、昨年の厚生委員会でも、我々同僚委員から増員の要求があつたはずであります。その当時大臣もできるだけの努力をするという答弁があつたというのでありますが、その後一向に今日までその措置が行われておらないというように聞き及んでいるのでありますが、その点を一つ御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/36
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037・中山マサ
○政府委員(中山マサ君) 御案内の通り黄変米は非常に主婦たちの間にもいろいろなる心配をする人がたくさんございまして、新聞の紙面を賑わしたこともあるのであります。それに鑑みまして、外国から持つて来る食品で適当でないものはこれを送り返すことができるという法律もできたのでございまするが、これを全部調べるには、今御心配頂いておりまする通りに、確かに十分ではないと申上げなければならないと思います。三十八名の人をその入つて参りまする港に配置いたしているのでございまするが、全部を調べるというところまで手が届いていないのが事実でございまして、一部抜き取りによりまして全体的な判断をして行かなければならないということになつておりまするが、今年度はこういうことになつておりまするが、来年度あたりは、何とかしてこの問題に対処するよりよい方途が講じられて、国民が安心して食べられるような主食の配給が実現することを私どもは希望いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/37
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038・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) 他に御発言はございませんか。他に御発言がなければ、本連合委員会はこれを以て終了することに決して御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/38
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039・長島銀藏
○委員長代理(長島銀藏君) 御異議ないと認めます。
それではこれを以て散会いたします。
午後一時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914880X00119540610/39
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