1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月一日(木曜日)
午後零時十四分開会
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委員の異動
三月三十一日委員愛知揆一君辞任につ
き、その補欠として秋山俊一郎君を議
長において指名した。
四月一日委員寺本広作君辞任につき、
その補欠として八木幸吉君を議長にお
いて指名した。
出席者は左の通り。
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委員長 小酒井義男君
理事
長島 銀藏君
竹下 豐次君
委員
秋山俊一郎君
井上 知治君
重宗 雄三君
白波瀬米吉君
高瀬荘太郎君
矢嶋 三義君
山下 義信君
八木 幸吉君
国務大臣
運 輸 大 臣 石井光次郎君
政府委員
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
運輸大臣官房長 山内 公猷君
運輸省船員局長 武田 元君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○運輸省設置法の一部を改正する等の
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/0
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001・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。
運輸省設置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。前回に引続いて質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/1
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002・山下義信
○山下義信君 大臣に伺いたいと思います。宮崎海員学校の存廃につきまして政府の御方針を承わりましたところ、私どもとしては取捨そのいずれにいたすべきか、誠に躊躇せざるを得ないことに相成りまして、若し政府のお考えの線に副うとするならば、むしろ宮崎海員学校を存続しておくように原案を修正するのが妥当ではないかという考えが生ずるわけでございます。従つて本問題に関する政府の御態度には甚だしい矛盾があるのではないかと伺いましたところ、政府におかれては宮崎海員学校の復帰はかねてからはらでは考えておつたところであると、ますます原案に反する御答弁がありましたようで、私ども一層当惑を甚だしくいたす次第であります。それならばこの廃止は当分の措置であり、一時的な廃止であるということに相成るわけであります。この意味は、本案提出の際における御説明には示されていなかつた点でありまして、いわば隠されていた政府の御本意であつたということになるわけでありまして、我々といたしましては甚だ遺憾に感ずるところでございます。或いは政府はこれ以上は国会のほうにおいて如何ようにでもなさるるようにという意味のお言葉もあつたように記憶いたしておりますが、私はこの際念のため政府の御所見を確めておきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/2
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003・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 昨日この席上でも申述べましたが、事実有名無実でありまする今の宮崎海員学校の名目を廃止することは、手続上遅きに失した感がありまするが、この際私どもとしては適当な措置ではないかと思つておるのでございます。なお本案に対しまする私の説明がどうも不十分であつたか、又私の答弁が誤解を招いておるかも知れませんので、もう一度私どもの所懐を申述べたいと思うのでございます。宮崎海員学校の復活の問題につきましては、今直ちに具体的な計画を持つておるわけではないのでありまするが、将来船もふえ海員の需要も多くなることはもう当然だと思いまするし、その教育機関の充実も求められるということになると思うのでございます。その際海員学校を増設するということになりますれば、南九州、なかんずく宮崎は従来の沿革、歴史に鑑みまして最も有力な候補地だと思つておるのでございます。私といたしましては、将来更に海員学校拡充の計画を立てれば勿論国会において改めて御審議を願うのでございまするが、私の心持としては右ように考えておるわけでございます。なお本委員会において御審議を願つておるようないろいろの事情でありまするので、どうか速かに提案の趣旨に御賛成下さるよう特にお願い申上げたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/3
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004・山下義信
○山下義信君 本案に対する政府の御説明或いは御答弁に不備の点がありましたことについては、只今大臣から重ねて御丁重な御釈明もございましたので、私の質疑は終了いたしまして了承することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/4
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005・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それではほかに御発言もないようでございますが、質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/5
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006・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/6
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007・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、只今議題となつております法律案に賛成の意を表明するものであります。若干希望を申述べておきます。その一つは、海上要員の養成計画並びに教育機関の地域的配置についてやや計画性を欠く点がありますので、今後一層それらの計画につきまして検討善処されるように要望いたします。
第二点といたしましては審議の過程にいろいろ質疑応答なされたのでありますが、余りにも地元負担金が過大であるということであります。国庫支出を上廻わるところの地元負担が課されておりますが、これらの徴収に当りましては絶対に強制的にならないように、更には昨日大臣から言明がありましたよう一に、地元負担はこれを現在二千六百万円の予定額で打切りであつて、今後絶対に追加しないということが大臣から言明されたわけでありますが、それを必ず実行されるように特に要望いたしておきます。この地元負担の問題は口之津海員学校に限らず、全国にあるところの九つの海員学校につきましても従来よりも国庫負担をより多くするように運輸省においても政府部内で努力されるように併せて要望いたしておきます。
第三点としましては、先刻山下委員の質問に対しまして、大臣が言明された事柄並びに先刻の全員協議会で一応確認され、本委員会の最終段階に委員長から提案されるでありましよう附帯決議に副つたところの善処方を強く要望いたす次第でございます。
私はこの法律案の審議の過程において非常に遺憾に思いましたことは、この場合学校でありますが、予算の国会承認を求めることと、その設置の法的根拠を確立する法律案の国会への提案の時間並びにこの予算の執行につきましては、私は非常に割切れない遺憾の意をもつております。具体的に申しまして一年前に予算が一部承認されて、その学校の設置の法律案の審議は委員会でなされないのにすでに予算が執行されて、そうして建物が九分通りでき上つている。その段階になつて学校設置の法律案を本委員会で審議するということは、私は実質的に自主的な審議権に大きな制約を感ずるものでありまして、これは運輸省に限らず、各省にもこれにならつた実例があるようでございますが、こういう行き方というものにつきましては、私は割切れない、非常に遺憾の意を感じているのであります。まあこの問題はこの本委員会に限つた問題でなく、現在の政府並びに国会を通じての全般的な問題でありまして、他の機会にこの問題については私も研究し、なおそのよりよき解決に努力いたしたいと思つておりますが、本法律案の審議を通じてそういう遺憾の意を感じたということを表明しまして、先刻申上げました三点の要望をここに申述べて賛成の意見といたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/7
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008・長島銀藏
○長島銀藏君 本員は原案に賛成するものでございます。先ほど石井大臣から御発言がございましたように廃止されまするところの宮崎海員学校の復活の善処方を要望いたしまして本案に賛成をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/8
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009・竹下豐次
○竹下豐次君 私原案に賛成いたします。私の要望はもうすでに数回の委員会におきまして申述べておりますので、この際繰返してそれを申述べる必要もないと思いますので省略いたします。ただ一つだけ申上げたいのは各地に設けられておりまする海員学校を中心にしてその地方における青年の海員思想の普及養成に特段に御配慮を願いたい。単に学校の生徒を教育するというような点だけでありませんで、広くその周辺の青年に思想を普及するという意味において特段の御配慮をお願いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/9
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010・山下義信
○山下義信君 私は社会党第二控室を代表いたしまして本案に賛成の意を表したいと思います。
本案は海員の養成機関を増設しようとするものでありまして、この点全く我が国の海運界の将来のために賛意を表するにやぶさかならんものであります。殊に私どもの同志でありまする日本海員組合は本案の成立を衷心より切望いたしておりまする点からいたしまして、将来海員養成機関の多々ますます充実せられることを切に要望する次第であります。
第二点は航究大学校の設置でございますが、運輸省が航究従業員のためにこの種の施設を着手せられますることは私どもその将来の御努力に十二分の期待をかけたいと存ずるのでございます。その他本案の審議の上におきまして同僚矢島委員も述べられましたように種々遺憾に存ずる点がありましたことは同感でございますが、一応以上申述べましたような諸点に鑑みましてこの際本案に賛成の意を表する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/10
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011・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ほかに御意見もないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/11
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012・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。
それではこれより運輸省設置法の一部を改正する等の法律案について採決いたします。
本案を衆議院送付案の通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/12
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013・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 全会一致でございます。よつて本案は衆議院送付案の通り可決するべきものと決定をいたしました。
なお本案につきましては、討論中に御意見のありました趣旨によつて、委員長において本案に付する附帯決議案を作成いたしました。
附帯決議(案)
一、宮崎海員学校は昭和十七年に開校され大分、宮崎、鹿児島及び熊本の四県即ち南九州地域における海運に関する唯一の海員養成機関である。然るに終戦後米軍に接収され今尚、再開の運びに到らず休校しているのであるが、政府は今回これを廃止し、新たに長崎県口之津に新設せんとするものである。本改正案は明かに学校分布の公平を欠き宮崎海員学校の歴史と南九州の海運に関する地位を軽視する措置である。政府は速やかは宮崎海員学校の復活をなすべきことを要望する。
二、尚政府は口之津海員学校を新設するに当り、予算措置を講ずると共に速やかに運輸省設置法の改正法律案を国会に提出しその法律案の成立を待つべきに拘らず、三月十六日に至り漸く改正法律案を国会に提出し、これら法律案の提出に先立ち民間に対して多額の負担をなさしめ、又校舎の建築をなすがごとき措置を講じたる如きは国会の法律案審議権を制約するおそれあり、この点誠に遺憾と言わざるを得ない。
政府はかかる措置を繰返さざるよう厳に自戒すべきことを要望する。
右附帯決議案の通り可決することは御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/13
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014・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それではさよう決定をいたしました。
なお委員長の本会議におけるところの口頭報告につきましては、前例によつて御一任を願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/14
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015・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) その際附帯決議があつたということを報告するということについて、あらかじめ御承認を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/15
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016・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それでは委員長の報告に対しましては多数意見者の署名を要することになつておりますので、順次御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
長島 銀藏 竹下 豐次
秋山俊一郎 井上 知治
重宗 雄三 白波瀬米吉
高瀬荘太郎 矢嶋 三義
山下 義信 八木 幸吉発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/16
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017・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) なお運輸大臣から発言を求められておりますので、この際発言をして頂きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/17
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018・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 本案は皆さんがたの全員の御承認を得まして誠に有難うございました。附帯決議が附せられましたのでございまするが、宮崎の学校の問題につきましては、私ども一層その実現に努力をいたすつもりでございます。
第二段の法律と予算との取扱い方につきましては、これは誠に御趣旨の心持もよくわかるのでございます。私どもとしてもつと注意すべき扱い方があると思うので、必ずこれは今後とも善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/18
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019・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それでは暫時休憩いたします。
午後零時三十五分休憩
〔休憩後開会に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01619540401/19
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