1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月八日(木曜日)
午前十一時十分開会
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委員の異動
三月三十一日委員河野謙三君辞任につ
き、その補欠として杉山昌作君を議長
において指名した。
四月二日委員杉山昌作君辞任につき、
その補欠として河野謙三君を議長にお
いて指名した。
四月五日委員山縣勝見君辞任につき、
その補欠として、横川信夫君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 片柳 眞吉君
理事
宮本 邦彦君
森田 豊壽君
戸叶 武君
委員
佐藤清一郎君
重政 庸徳君
関根 久藏君
横川 信夫君
上林 忠次君
江田 三郎君
河野 謙三君
衆議院議員
綱島 正興君
川俣 清音君
政府委員
外務政務次官 小滝 彬君
農林省農林経済
局長 小倉 武一君
農林省農地局長 平川 守君
事務局側
常任委員会専門
員 安樂城敏男君
常任委員会専門
員 中田 吉雄君
説明員
外務省欧米局移
民課長 石井 喬君
外務省参事官 石黒 四郎君
農林省農林経
済局肥料課長 林田悠紀夫君
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本日の会議に付した事件
○肥料取締法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
○農林政策に関する調査の件(農業移
民に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/0
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001・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。
最初に、硫安の生産費に関する資料でありますが、過般の委員会におきまする御要求によりまして、お手許にお配りいたしましたように正式要求の手続をとつて置きましたところ、これ又お配りいたしておきましたような回答が参りました。これが取扱いについて御協議を願いたいと存じます。ちよつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/1
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002・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて。
それでは只今の件は次回以降におきまして政府当局から補足的に説明を聞いた上で、これは成規の手続で資料を要求しておりまするから、その線に沿いまして御相談を願いたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/2
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003・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 次に、肥料取締法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
本法律案は衆議院議員網鳥正興君ほか二十四名の提出にかかるものでありまして、去る三月十二日原案の通り衆議院々通過して本院に送付され、即日当委員会に本付託となつたものであります。本法律案については、去る三月十二日提案理由の説明を聞いておりますので、本日は直ちに質疑に入ります。発議者を代表いたしまして、衆議院議員の綱島正興君及び川俣清音君が出席されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/3
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004・森田豊壽
○森田豊壽君 肥料取締法の一部を改正するこの法律案か議員提出といたしまして、衆議院から本委員会に廻つて参りました。このうち2の「市町村の区域をこえない区域を地区とする農業協同組合又は個人は、」とありますが、これは「個人」は抜いて頂きたいと、こう考える。この理由といたしましては、今までの取締法は、御承知のように昭和二十五年の肥料統制が撤廃されまして以後におきましてできた法律でありまするが、この取締法によりまして今まで個人というものは会社、もつと言うならば肥料メーカー又は個人といたしまして登録いたしまして、或いは化成肥料或いは配合ということで、現在におきましては、昭和二十五年当時におきましては五万トンしか売れなかつた化成肥料が、八十万トンに今日はなつておるという状態であり、而も配合も約二十万トンを生産しておる実情でありまして、約百万トンの化成或いは配合肥料が売れておるのでありまして、我が国の全肥料の消費量から行きますならば、これは少くとも二割五分ぐらいに当つておると私は考えておるのです。従いまして今日の段階におきましては、個人は相当この間におきまして登録済であるという考え方が一つ、従いまして今後は単位農協、いわゆる生産者の団体でありまするところの市町村を区域とする農協は、都道府県知事にこの登録の手続をするように、今までの農林大臣に登録申請をするのでなくして、地方長官、即ち都道府県知事に登録いたしましてやることが一番簡易な方法であり、又各府県の取締上から行きましても、又この取締法を改正すべきだという、前委員会におきまして私からこの問題を農林大臣に本国会においてやるべきだということを主張いたしましたその趣旨から行きましても、これは現在におきまして個人を今更入れる必要はないじやないか。今まで個人というものがあつたのでありまして、個人は自由に農林大臣に登録申請をしまして承認を求めればいいわけなんでありまして、私は農民という立場から行きますならば、少くとも都道府県知事にこの権限を与えまして、そうして登録申請の手続を簡易に、而も地方の気候風土、すべての点から行きまして、作物の関係から行きましても、如何なる配合肥料が適当であるかということを地方長官の取締りの上におきまして、又指導の上におきまして、この許可を得ることが一番いいという考え方でありまして、上のほうへ個人を置きまして、個人又は農業協同組合という考え方でなくてはならんのを、今日は農業協同組合を入れたがために又下のほうへ個人を入れますることは、これは必要がないじやないか。今まで個人があつたのでありまするから、若しもこれを農林大臣に個人が申請するということは、登録するということは、これは手続上煩であるというならば、農林大臣に対する登録を全部都道府県知事にこれを任すべきではないか。そうしますれば個人も農協もみんな同じようになるわけでありまするから、むしろ個人が農林大臣では手続が厄介だというならば、むしろそうすべきじやないかというふうにも考えておるのでありまするが、現段階におきましての実情は、個人は農林大臣に申請することが今までの関係から行きましても当然であり、小さな個人がこの配合肥料の業者として、商売としてやる上におきましては成り立たないと思うのでありまするから、この点は私はこの際は個人は農林大臣で結構だ。従つて農協は少くとも都道府県知事に登録するような規則にしたほうがいいと、こう考えておるのでありまするから、この「農業協同組合又は個人」とありまするのを、「又は個人」だけをこれを抜いて頂きたいと、こう私は考えるのです。この点に対しまして、衆議院のほうの綱島さんが代表的にいろいろ御協議下すつたそうでありまするから、これに対しまして一つ御意見を承わりまして、参議院のほうでもそういうふうにできればそうさしてもらうほうがいいじやないか。私はどこまでもそうしたほうがいいと信じておるのでありまするから、どうかこれに対する一つお考え方を聞かして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/4
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005・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 御質疑の御趣旨は誠に御尤もと存じますが、この提案いたしましたときの事情から申上げますと、個人ということを特に入れましたわけには、協同組合員の中にも特に部落等の実行組合等が特殊な、他に別に肥料を持ちながら配合を変えなければならないというような場合に、実行組合が単位になつてやるというようなときに困りはせんかというような考え等もございまして、その他又その土地で善良に商売をして来た個人というような人たちのことも多少考えたりしていたしたのでありますが、成るほどお説を伺いますと御尤もな趣旨のようにも考えられまするので、そこであらかじめこちらに伺います前に、参議院の御意向を大体漏れ承わつておりましたので、非公式ではございましたが、大体各党の御意見を徴しましたところ、参議院がそういう御意向であれば、大体はまあそれで行つても大して差支えないじやなかろうか、多少各党の政調会とか、何とかいうものにはいろいろ意見もあるかも知れんけれども、そう大した障害が起らんのじやなかろうかというような線まで大体各党の御意向が伺えましたようでございますから、強いて提案意としては、御修正下さることが、どうしてもこの提案の趣旨に反するとまでは考えておりませんことをお答え申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/5
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006・上林忠次
○上林忠次君 これは私長くここに出ておりませんので、この問題に対して十分な御意見を聞いておりませんが、この町村を区域とするやつを県にしたらどうなんでございますか。そういうような御意見は出ませんでしたか、衆議院においては……。もう少し拡げたらどうか、区域を郡とか、県とか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/6
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007・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや、実はそういう意見は余り出ないこともなかつたのであります。主たる目的は、まあ県を区域とするほどのものなら、農林大臣の許可を受けても必ずしもそう大したことはなかろうと思われますし、第一これは日本は山間部落が非常に多い、従つて村外或いは村内においても、部落内でおのおの土質、気象が違いますものですから、それに順応する建前で一つ登録を変えて行こうという考え方等が主になつておりますので、そういうふうな意見は余り出なかつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/7
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008・上林忠次
○上林忠次君 こういうふりな場合があるんじやないですかね、これは部落ごとに相当土質も迷うし、いろんな自然条件が違う、これに適応した、作物に適応した肥料をうまく作つて行こうというので今回これが修正がなされようというのですが、県の協同組合の配合所、これを使つて、実際は部落だけでも、部落或いは町村ごとに献立の変つた肥料を作る、作る所は、県でまとめてやるというときには県の協同組合の配合所を使う。そういう工合になりますと、区域は町村であり、部落であつても結局これでは又いかないんじやないか、この改正では農林大臣の許可を得なくちやならんことになるんじやないですか。そうなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/8
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009・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 県といたしますときには勿論仰せの通りでございますが、もう一つ考えて頂きたいことは、例えばこういうことをやるときに、特殊な低利資金のいわゆる農林公庫の融資を受けるとかいうような対象等のことも当然これは起つて参ると思うのですが、そういう場合に、県全体としてやるよりは、実情はそこに都合いいように、そこに合うように考えて行くことが妥当であろうというので、それに主力が置かれて、改正の趣旨がそこにあつたものですから、勢い広い範囲の県というようなことは余り考えてみなかつたわけてありますが、そして又実情から申上げまして、県となるとやはりなかなか捕捉しがたい、割合に気象風土が同一じやなかろうかと思われるような新潟県のごときものは、或いはとらえられるかも知れませんが、この山間地帯のような所はなかなか困難じやなかろうか、実際上非常に困難じやなかろうかと、こう思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/9
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010・上林忠次
○上林忠次君 先ほどお話の出ました個人の業者には許さんでもいいじやないか、新らしい改正法を適用しなくてもいいじやないかという御意見も出ておりますが、協同組念じやなしに、先ほど出ました部落で共同でやる、又町村ごとで、協同組合でなしに申合せの組合というものかあるのですね、民法上の組合、こういうような連中が持寄つてやろうというようなときには、これを協同組合に委託したらいいわけですけれども、個人にも委託できるじやないか、若しも価段が安いなら個人のほうに頼もうということもあろうと思います。そういうような場合には個人というものは残してもらつたほうがいいのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/10
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011・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それは私ども従来の案を修正して頂く意味においてお願いするというわけじやありませんが、修正して頂いても別段非常な障害は衆議院で起らんでしようということを申上げたわけでありまして、お説のようなことも起ろうかと思いまして、実はこちらに出ます前に各党で協議をいたしましたけれども、今のような実行組合などでするような場合には、まあ農協の代行としたらいいじやないか、もう一つ不便が起ります問題は、小さいときは別ですけれども、少したくさんの金を借りたり何かする場合には、やはり公庫の建前からみても、これは協同組合を単位にしておくほうが融資の関係が楽じやないかということが一つあるわけです。だからそれはまも協同組合内の代行行為で救助されて行きやしないか、こういうことに大体落着いて、そういうような回答をして、こつちに出て参りましたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/11
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012・上林忠次
○上林忠次君 どうも私はこの個人というものは残してもいいような気がするのですが、これは全体の意向を聞いておりませんので、私個人の意見ですけれども、そういう任意の集合体、こういうような連中に対しても個人を残したほうがいいのじやないか。それともう一つ、これは誰に問うたらいいのか、こういうことが衆議院で出ませんでしたか。今の取締法ではパーセントが、酸性分を合せて何パーセント以上でなければ取締対象と申しますか、肥料製造を許さん、こういうような規定があると思いますが、こういうような規定があるために一〇%か、何パーセントか、酸性分を合せてこれ以上なければならん、こういうことになりますので、地方によつては格安の肥料、少少パーセントが落ちてもそれで使つて行こうというような問題がある、この限界パーセントを超さないといかんということになりますと、その肥料が肯定されない、こういうふうな問題があるのじやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/12
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013・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 今の上林委員の個人の意見に関連して、提案者からも、例えば実行組合とか、今任意組合ですか、そういうものを認められる意味で個人を入れることが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/13
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014・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 最初そういう考えだつたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/14
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015・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) ところが肥料取締法でそういう任意組合とか、実行組合というものが、これが取締法の対象の業者と、こう言えるかどうか、これは農林省の説明をこの点は聞きにいと思うのですが、この任意団体というのは業者と言えないのじやないか、そうすれは個人を入れても結局任意組合なり、実行組合というようなものは個人と入れても実際上はこれは肥料取締法の対象にならないのじやないか、こういう疑問を持つので、これは農林省の実は説明を関連して聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/15
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016・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 部落などで農家か共同して配合をやる、こういう場合には、やり方によりまして取締りの対象になる場合とならん場合とがあると思います。ただよそから買つて来て、そうして農家に売るという形をとつて継続的にやれば、これは業者として引つかかりますが、農家が銘々買つて来たものを共同作業みたいな恰好で配合して又それを配る、こういう形でありますれば、これは業としておりませんからかからない、私はそういうことじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/16
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017・上林忠次
○上林忠次君 こういうような場合があると思います。品物を皆持寄つて、ただ配分だけを業者に頼むという場合がある。そういうような場合はやはりこういつたような規定にないと、ちよつとそれはできない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/17
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018・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 肥料の配合をやる業者がございまして、若干の農家がそこに委託するということになりますと、肥料の配合を業としております以上は、委託を受けることを継続的にやつておりますと、やはり取締りの対象になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/18
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019・上林忠次
○上林忠次君 そういうような場合を考えますと、個人ということを入れてもらつたはうがいいのじやないかと考えるのです。これに対して御意見を承わりたい、そういうような場合はどう考えられますか、やはり個人として入れておいたほうがいいのじやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/19
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020・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) それはどうでしよう。衆議院としてはさつき非公式にお話があつて、これは通過してこちらへ来たので、それは最後の採決なり、討論等でお述べ願つたらどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/20
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021・河野謙三
○河野謙三君 提案者に一つ伺いたいのですが、私考えますのに、提案の趣旨は、現行法のすべて農林大臣の認可を要するというこの実情に副わない煩瑣な手続をもつと簡単にするということが大きな狙いですが、その精神は、現在農村に横行している不当に高い化成肥料であるとか、或いは不正な配合肥料であるとか、こういうものに対して農家みずからの手によつて防衛する、これに対して便宜を与える、これが一つの提案者の趣旨だと思いますが、そういうふうに解釈してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/21
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022・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 勿論只今のようなことにも非常に刺戟されておりますものでありますから、不当な利益をとられることは困るということは最も大きな理由の一つでございますし、それからもう一つは、特にこういうふうな法律を作りますことは、自家用だけでそれを共同購買をしまして、そうして共同に分配をいたしましても、農村の実情としては非常に資金に困りますものですから、法案を出せば、これはこういう仕事をすることは公庫の貸出の対象にもなると思いますので、金繰り等のことも考えて実は提案いたしたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/22
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023・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、不当に高い肥料又は粗悪飼料に対して農家に十分備えさせる、こういうことが、提案者の気持になつて考えました場合の考え方と一致しているのですが、そうすると、不当に高いものとか、不正な肥料というものはどこから発生するかというと、これは協同組合の系統から発生していないのです。いわゆるこれは商人系統から、若しあるとすれば、商人でも善良な商人はあります。これは大方の商人は善良です。併しいずれにしても不当に高いものとか、不正なものというものは対象が商人ですね。私はそれは全購連の系統にはないと思うのです。そうだとすれば対象は一部の商人である。その方面から発生しておる。これに対しての防衛態勢が今度の法案によつて作られるわけです。こういうことになると、今上林君が個人のことでとういう御意見が出たか知らんけれども、この法律に単位農協又は個人、この個人というのは私はおかしいと思うのですが。強いて個人という名を入れられたのはどういうわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/23
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024・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 個人というものを入れましたわけは、先ほどちよつと申上げたのでありますが、実行組合等がやります場合に、農協に至らざるものであり、これは個人の資格で、それで実行組合等が、それじや自分だけかというと、いや私にも、実行組合はあなた方の実行組合の範囲じやないから、その肥料は私のほうにも分けてくれということで起る、隣りの実行組合の有志からそういうことも起り得ますので、そういうこと等のこともいろいろ考慮いたしまして、必ずしも協同組合だけとせんほうがよくないかというような点もあつたり、いま一つは自由競争の線を保持したほうが、一面協同組合だけはもう保証されておるのだから、又却つてものを安くする上にも刺戟になりやせんかという点も考慮いたし、かたがたでいたしたわけでありますが、先ほど来参議院の一部において、必ずしも個人を入れることは面白くないじやないかというような御意見があるということも伺うのでありまして、大体衆議院のほうではこの個人ということを強いて支持するというふうな意向はあまり強くございません。そこで参議院が御修正になれば、衝突して固持して行こうというような考えは別にございませんので、事情はそういう事情でございますが、まあ皆さんが然るべく御審議を願つて結構だと存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/24
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025・河野謙三
○河野謙三君 まあさように御了解願つてあればいいのですが、私はもう一遍個人の問題で私の見解を改めて御相談いたす機会があるかと思いますが、この際申上げておきますが、いわゆる経済に国境なし、商人の場合に協同組合と違つて一町村単位というものはあり得ないのですよ、商人の場合には……。これは商人の場合には活動範囲は限定できないわけです。でありますから、商人の場合をこういう形で個人を入れるならば、郡連とか、県連というものも同じ対象に私は考えなければいかないのじやないかと思う。そういう意味合からいつてもこれは是非一つ御再考願いたいと、こう思うのですが。
それからその次に伺いますが、これによりますと、たしか施行期日を六十日か間をおいておりますが、どういうわけですか、なぜ施行は即日施行にしないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/25
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026・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) これは大体行政機関の整備をする、登録する、いろいろな手続や何かに対する機関を揃えたり、技術員を試験する、技術設備をしたりいろいろなことがあろうということで一定期間を設けた、それだけの標準でございまして、別にその何はありませんが、ここらが妥当じやなかろうかと、こういうようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/26
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027・河野謙三
○河野謙三君 これは一つ農林省から事務的の問題ですから御説明願いたいのですがね。私はこれはどうしても六十日とか、三十日、仮に三十日にしても、その事務が了解に苦しむのですよ。同時に現在、今の取締法規から見れば一つの盲点を衝いて、一つの合法的なまあ脱法行為というものが各所で行われている。それは網島先生も御承知のように、農家が今協同組合に委託配合、委託加工の名において現実に単位農協あたりで配合をやらせておる。だが現在の法規から行けば、それが禁じられているから委託配合ということでやらせる、こういうものがこの法律が通ることによつて堂々と明るみに出て、直ぐにもやりたいわけですね、でありますから、そういう方面は、農村の側から見れば法律が通ればその翌日からやる、ところが受入側のほうの行政事務のほうで即日ということに行かないということになれば、私はそれを十日か、十五日で十分私は態勢が整うと思うが、農林省の検査のほうのかたも見えておりますので、どういうわけでこの提案者のほうに六十日の猶予期間な置かなければならないというように、こういう説明をされたか、これは一つ農林省から御説明を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/27
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028・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) この六十日の期間でございますが、これは勿論絶対的に六十日という厳密な計算があるわけではございませんが、ただ一つはこれまで農林業位と申しますか、基準と申しますか、或いは肥料の検査をやつておつた仕事が県庁に参りますわけでございますので、その間の仕事の段取り、それから手数料等に対する限度を定める政令を作つたり、或いは政令に基いて各地方で検査の規則を作りまして、その辺の取りきめをするといつたようなことに時日を要するだろうと、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/28
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029・河野謙三
○河野謙三君 それにしてもこの六十日はちよつと長いのじやないですか、仮に議員のかたが非常にこの改正の必要を認めて、提案者として審議を非常に急いでやつておられるのは、できれば一日でも早く間に合わしたいというのが提案者の気持だろうと思う。これが通つて六十日とすると、どのようにして春に間に合わせるか、秋には間に合うが春には間に合わない、これはどういう提案者の気持ですか、農林省の事務担当のかたの考え方が非常に食違いがあると私は思う。同時に今手数料の話が出たが、私はこれは提案者に一つお願いしたいが、手数料は、あらゆる農村に奨励をしているその農村に対する政府の考え方からいつて、僅かな配合の認可の手数料を千円、五百円取つてもどうなるものでもない、これは要は私は無手数料にしてもらいたいと思う。県の財政に影響があるわけではない、取つたのでどうだということはないのであるから、又そういうことをきめることに県会で条例を一つ作るとか、いろいろ手続上の問題が起るので、いつそのこと初めからこういうものは手数料はないということに私はして頂きたいと思うが、提案者のほうのこれに対する一つ見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/29
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030・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 御承知の通り、これは大変な種類、数種を配合するということであれば相当の価格に上りますので、成るべくならばただか、若しくは非常に安いものにするほうがいいとは思いますが、但しこれは政令事項と存じますので、特に規定はいたさなかつたものでありますけれども、提案者のほう及び衆議院においても同感でございますことは間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/30
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031・河野謙三
○河野謙三君 それからもう一つ伺いたいが、設備資金の問題ですが、これは恐らく提案者のほうは農林金融公庫ですか、これを対象にしておられると思いますが、まあ本年は配合肥料の設備資金として公庫に幾らも余裕がないようですが、この問題もまあ殖やしてもらわなければいけませんが、この金利ですね、償却、返還しますこれに対してどういうふうにお考えになつておられますか、これに対して今まで提案者は、政府は何らか具体的に折衝せられましたかどうか、借りた金は金利が幾らであります、そしてそれは何カ年据置の何カ年年賦を考えておられるかということについて一つ御説明を頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/31
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032・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 大体公庫の通例の貸出の線で、いわゆる特別融資程度で収まつたらという希望を持つておりますが、まだ政府にその点で折衝をいたしたことはございません。希望といたしては、大体特別融資の線程度で願つたらというふうに考えているわけでございます。この際経済局長にその点腹案があつたら御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/32
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033・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 協同組合の小配合設備につきましては本年少しずつ始めたい、かように思つておりました。二十九年度からは或る程度取上げたいと思つておつたのでおりますが、全体の資金額が本年度よりも来年度が減ると、こういつた関係もございまして、新らしい項を立てまして、新規の事業としてやるといつたほどまで十分に資金的な措置はできておりません。そこで取りあえずといたしましては、二十九年度におきまして、共同施設の予備の中から若干でも出して、取りあえずの模範的な施設を作つて行くといつたような恰好でやつて行つたらばと思つております。償還なり利子につきましては、一般の共同施設でございまするので、ほかの例もございまするが、そういうことで十分償還ができるようには考えますが、利子につきましては、一般の共同施設と同じように七分五厘と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/33
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034・河野謙三
○河野謙三君 七分五厘という利子は安いのであります。ただ考えてもらわなければならんのは、小配合設備を作つて、その設備が一年間にどのくらい稼働するということを考えました場合に、これは普通の商業資本という場合と違つて、年間を通じて二百日も三百日も稼動しないのです。非常に稼働率が低いのです。従いまして金利が七分五厘ということは一般の経済界から見れは安いのでありますけれども、今度の部落の小配合、村の小配合というものは稼働率が非常に低いという前提に立つてお考えを願わんと、これはちよつと間違うのです。同時に償還も普通年間を通じて稼働率が非常に高い場合には七分五厘の金を借りて二年や三年で平気で返せる。併し今申上げましたような事情でありますから、これを四年とか、五年とかいうような短期間で償還をしろというようなことでありますと、却つてこれは金利その他償還のほうに追われて、配合の原価というものが高くなる虞れがある。そういう点は提案者のほうも十分農林省のほうには強く条件が付いていると思いますけれども、この点はこの法案の審議に当つてもう少し私は農林省からこの法案が通つたときには、資金はこういうふうに出すと、金利はこうなる、償還はこうなるというものが私はなければならんと思うのですが、まだ農林省ではコンクリートされてないのですか、これを一つ伺いたいと思います。まだきまつておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/34
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035・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 償還の年限のほうは地方々々と申しますか、村々の実情によつても若干違うと思いますが、お話のように、四年、五年というような短かいことで原則を縛るようなことは考えておりません。若しできれば十年程度の範囲内で相当経済力があるところはできるだけ早めてもらう、こういつた趣旨で考えたいと思います。なお利子の点につきましても、七分五厘というようなことでもなお且つ非常に季節的に稼働する設備でございまするので、なかなか負担も大変だろうと、こういうお話でございますが、それもお話の通りだと思います。従いまして法案が通りまして、又私どもといたしましても、若干でも公庫の資金が運用できるということになりますれば、なお府県等にも勧奨いたしまして、利子補給といつたようなことも進めて参りたいと思います。若干の県におきましては利子補給も現在やつておるところもあるようでありまして、できればそういう例を他に波及するように指導して参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/35
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036・河野謙三
○河野謙三君 最後に一点提案者に伺いたいのですが、この貸付けに当りまして損失補償を何らかの形で処置しなければいかんということをお考えになつておりませんか。御承知のように、従来例えば家審導入にいたしましても、すべてのものが資金を出す出すと言いますけれども、いよいよ資金を出すに当つて、例えば中金あたりの場合は優良の組合でなければ出せない。これは金を貸すほうは当り前です。併し本来こういう資金の欲しいのは、例えは肥料の場合ならば、協同組合が非常に不振である、商業資本によつて荒されている。而もこれが不正不当な高い価格のものが横行しておる。こういう村にこそこの施設が欲しいのです。ところがいよいよ資金の貸付けに当りますと、そういう協同組合に対しては公庫なり中金というものは不振組合と称して金を出さないわけなんです。それで優良な組合にだけどんどん金が流れる、こういうことになるわけです。でありますから、提案者が狙つておられるところと、実際に実施に当つて本当にこの金が流れるところとはおよそ違つたところに行く。これはどうしても家畜導入をやりましても、最初の二年くらいはそれで失敗したので、遂に本年でしたか、損失補償の案を出して、私の言つたような結果を是正したわけでありますが、肥料の場合にはもつとその弊害が大きく出て来ると思う。こういう問題についての提案者の御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/36
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037・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 只今のように資金源が非常に高うございますために、勢い非常な高金利になりまして、これはもうすべての産業に致命的な悪い事柄でありますが、特に農業については高金利ということはもう致命的な悪影響を及ぼしておりますので、この点についてはできるだけの努力をいたしてみたいと思つておりますが、ただこの法案を出す準備中に、それじや資金の手当が或いはそのうちの一部の保証制度が立つようにできておるかどうかというお尋ねでございますが、その点はまだできておりませんが、できるだけ努力をいたしたいとは存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/37
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038・川俣清音
○衆議院議員(川俣清音君) ちよつと関連して御説明いたしたいと思いますが、私どもがこの法案を出すに至りましたのは、現に行われております適地に適肥、それに対する適当な肥料を農家のために便宜にいたしたいというところから法案を提出するに至つたのでありますから、河野委員も御承知の通り、こういうことが行われておりますものの、まだ農民の間に十分な肥料知識が徹底しておらなかつたり、又指導が十分行き亘つておらない点もありますので、先ずこういう点を突破いたしまして、然る後に順次指導の面から適肥をいたさなければならないと思うのでありまして、そこで余り十分なことをいたしますというと、これはむしろ無理に配合肥料を作るというようなことの弊害が起きないとも限らないと思うのです。これは河野委員十分御承知の通り、相当進んだところもありますけれども、遅れたところもありますので、やはりここ一、二、三年の、こういう法案が出ましたために促進をいたします、それに伴うような指導員並びに準備がやはりできることが望ましいことだと思いますので、融資についても、又設備融資についてのいわゆる保証の問題につきましても、こういう準備態勢というものを指導してから考えて行くほうがむしろ妥当ではないかとも考えられますので、全く河野委員の主張は、私どもは全く同じなのですけれども、肥料というものは農家に与える影響が非常に大きいために、むしろ取急いでやつたための失敗というようなことも考慮に入れなければならないという点も考えておりますので、将来は河野委員のおつしやる通りにしなければならない、或る程度の準備が必要ではないか、こう考えておりますことを附加えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/38
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039・上林忠次
○上林忠次君 先ほど申上げました取締法で、肥料の関係という、成分の限度というものがないかどうかということを、折角このいい改良ができましても、規定の改正ができましても、その土地の条件に副うた肥料はできないんだという、割安の肥料ができないんだということになると思います。何パーセント以下の肥料は肥料として認めないというようなことになりますと、いい肥料がある、これとこれと混ぜようじやないか。配合しようじやないかということになりましても、これは肥料規定で限度があつてそれ以下だから駄目だということになると困るのじやないかと思うのですが、これは農林省のほうからお答え願いたいと思うのですが、そういう限度はあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/39
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040・小倉武一
○政府委員(小倉武一君) 勿論登録をされまする肥料につきましては、そういう各種の肥料の保証成分というものがございますし、その保証成分の最低基準は農林大臣の告示でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/40
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041・上林忠次
○上林忠次君 それではその限度を下ろしてもらわなければ、折角このいい改正が十分効果を発揮しないと考えるのですが、この際一緒にこれは私のほうの委員会でやる問題ですが、衆議院のほうでもそういうことがこれまで問題になりませんでしたか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/41
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042・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) いや、なつておりません。特別な場合だけは自家用を配合して頂くということでいいんじやないですか。どれだけの成分を特に下げるというやつは自家用の配合、共同配合ということで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/42
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043・上林忠次
○上林忠次君 例えばこういうようなことがあるのです。規定の成分を出すために折角安い過燐酸があるのに重過燐酸を使わなければならん。それをやらないと成分にならんというので、高い肥料を混ぜ合せるというようなことを聞いたことがあるのです。この際この町村単位の配合に限つてはいいじやないか。そういうような限度を低下してもいいじやないかという気がするのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/43
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044・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それは結局は自家用配合でやつて頂くよりないのじやないか。そういう特殊の場合だけはそれで救うて頂かんならんのじやないか。一般の法規として、どちらかというと肥料の品質や何かからだんだんよくして適格性を持つようなふうに進めて行くほうが肥料行政としてはいいのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/44
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045・上林忠次
○上林忠次君 私は先ほど話しておりましたような、県単位ぐらいまで上げたほうがいいのじやないか。そういうようなことから個人ということも許したらいいじやないかというようなことも話したので、町村単位ということになりますと、要するに個人なんかも、町村単位の個人業者というのはないのですから、問題もありませんけれども、そういうような広い区域まで拡げてもらいたいということを考えておるのであります。これは私がこのデイスカツシヨンを余りやつておりませんので、思い付きですが、相当今の肥料の成分、これを動かさん限りは折角これをやつても大した我々が考えておるような便宜の処置が講じられないのじやないかと考えるのですが、これはまあ私の意見になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/45
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046・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 私から最後に……。個人をとれという御意見が大体多いような話ですが、参議院としてははつきり筋を通しておく必要もあると思いまして、河野さんがちよつと触れられた点ですが、農協のほうは市町村の区域内しか配給ができない、個人になれば観念としては他府県にも売れる、要するに不特定多数人に売れるわけですから、そういう関係から都道府県知事の登録には適さないという、これは頗る観念論、体裁論になりますが、そういうような理解をして行きたいと思うのですが、個人であれば国境がないので不特定多数に売れるのだ、そうなれば他府県の農家にも売るということもこれは想像できるのですけれども、私は体裁論としてはそういう点からも個人を抜くことがいいのじやないかというような感じが一つと、それからもう一つ議論を発展していきますと、今上林委員の質問に関連して来るのですが、都道府県知事の登録であれば県単位までの農協はいいのじやないかという議論が、これは観念的には出て来ると思うのですが、以上の二つの点につきましてお答えが頂ければ結構と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/46
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047・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 実は個人ということは必ずしも固執しないということは衆議院の大体の意向でございますので、その旨に一つ御了承を願います。それからなお都道府県まで拡張したらどうかということは、まだ衆議院では一応皆さんの御意向を打合せした経過になつておりませんが、多分この最初の立案の目安が、まあ特殊な町村の事情に従うものをという目安でございましたから、勢いそういうことに触れておりませんわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/47
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048・川俣清音
○衆議院議員(川俣清音君) ちよつとお答えいたしたいのですが、大体必要な最小限度にとめたいと、こういう考え方でございます。又府県単位まで拡げますると、府県単位に拡げたところで肥料というものは数種類の配合肥料よりできないと思うのです。それ以上数十種類の配合肥料ができるというようなことになりますと、なかなか品質の査定或いは保全というものから離脱してしまう虞れがありますので、肥料取締りの上から言うと邪道に陥る結果になる。そういう点からやはり最小限度必要な限度にとどめたい。その弊書をやはり考えて行かなければならんために、一番適地、適肥という面から必要な最小限度にとどめたいというのが提案の理由であることを提案説明の中にも謳つておきましたが、御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/48
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049・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/49
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050・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/50
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051・宮本邦彦
○宮本邦彦君 この2の事項ですが、「市町村の区域をこえない区域」というのは、今川俣さんの御説明で意図するところはややわかつておるのです。ただ併し、この法案の提案の趣旨が、肥料が最近非常に発達して来た、そうして本当にその地味がそういうようなローカルな配合というものが必要なんだということなんですね。これは相当な理由になつて来ているのです。ところが実際問題としてこの配合肥料をやるにも、そういうような意味の配合肥料ならば、近代的な設備は必ずその設備が必要になつて来るから、資金の問題も当然起つて来るということなんです。そうしますと、今日のような町村区域の狭いところの多いところ、非常に小さい町村があるのです。そういうところは私はむしろやらせるのは単協でもいいけれども、町村単位の単協が或いは二カ村乃至三カ村合併してやるというようなことのほうがより必要なことになつて来るのじやないかと思う。将来必ずそうなると思うのです。それを特に町村区域というものをぴしやつと縛つて来るということは、農業の立地条件ということにちつともマツチして来ない、これはちよつと考えなければ私はまずいことだと思う。だからこれは府県単位というような大きな問題を考える必要を私はここで申上げておるのではない。提案の趣旨から言つて、やはり二カ村乃至三カ村というような農協が一つの配合設備を持つということのほうが遙かに農村のためになると思う。而もこの配合という技術は実に機械的なものなんです。ちつともあとで精算とか、何とかごたつかないものなんです。そうすると、これはやはり川向うとか、或いは御存じのように、ちよつとした町村の区域で片一方は過燐酸土壌、片方は全くの沖積土壌というような、こういうところは全く違うのですよ。そういつた場合に大きな区域は必要としないけれども、二カ村乃至三カ村くらいな単協が一つの設備を持つということが最も合理的な場合が多いのじやないかという気がするのです。だからむしろこの市町村単位の単協だけに限るということはちよつと私今日の農村というものを考えて行く基礎的な措置をやるような場合に、これはちよつと窮屈過ぎる考え方じやないかなと私は思うのですが、その点について綱島先生の御意見を私は承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/51
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052・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) 御説御尤ものようです。御説御尤ものようですが、先ほど川俣委員から御説明申上げました通り、この立法措置は成るべく差当り必要の最小限度にとどめておこうという趣旨でありますけれども、一面から申しますと、融資をしたり、設備をしたりする面から申しますと、御承知の通りのことにぶつかつて参りますので、この党の調和がとれるような考え方をいたすことは必要でしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/52
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053・河野謙三
○河野謙三君 私はこういうふうに解釈しておるのですがね。それは今宮本さんのおつしやるように、小さな村が今度町村合併になるけれども、例えば五百、六百というふうなものがありますね、そういう村が一つの施設を五十万円も六十万円もかけてやつて行くことについては非常に経済単位に充たないから、むしろ二カ村乃至三カ村一緒になつたほうがいいだろう、こういうことだと思うのですが、私はそういう場合に町村単位に認可はとつて、而もそれを町村即位に必ずしも設備を持たなくても、小さな村がたくさん寄つてそのうちの中間の村に設備だけ持たして、その設備を借りてその村が活用してもらうということは、取締りの上から言つて差支えないのでしよう、それはどうなんです。私はそういうふうに解釈しているんだが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/53
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054・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それはいいでしよう、製氷などもそういうふうにしておりますものね。製氷の融資もそういうふうにしているのがたくさんあるようですけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/54
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055・宮本邦彦
○宮本邦彦君 中学校でも何でも三カ村共同の中学校がある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/55
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056・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) そういうことで、それはひどく窮屈に考えずにやれるのじやないでしようか、今のようなものは……。こういう事情はお説の通りと私は思いますけれども、それは実際河野委員のお話のように事実上は運営できるんじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/56
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057・宮本邦彦
○宮本邦彦君 ただ法律を作るときにそれだけの余地があるから、それをやつて行かないと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/57
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058・綱島正興
○衆議院議員(綱島正興君) それは必ずしも固執しませんから、うまくできればこういうことを、これは提案者がもうこういうものでなければいかんというような考えはないのですよ。適宜一つ御名論が出まして落着けばよろしいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/58
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059・森田豊壽
○森田豊壽君 農林省に一つ聞いておこう、林田課長一つ……。先ほど河野委員からも質問がありましたが、私は取締法の第六条の末項にあります登録又は仮登録をしたものに対しまして、政令で定める二千円以内の範囲内における手数料を納付しろということがありますが、この手数料の問題でありますが、漏れ承わるところによりますというと、二千円以内とあるが、それは千円以内だという、この辺ははつきりしておきたい。地方長官、いわゆる都道府県知事に登録申請したものが、その配合肥料の一件ごとに千円以内ということになりまするという、これはむしろないほうがいい、取らないほうがいいことはわかつておるのでありますが、その指示をするのに農林省が今千円以内とあるが、まあどのくらいが適当かと、恐らくそういう何かあると思うのです。その内容的に考え方をそこで或る程度一つはつきり示して頂きたい、私も河野委員と同じような無手数料なるものを希望するものでありまして、現段階における農村、農民に対しまする農民の経済機関である農協が登録した場合におきましては、業者と違いまして、勿論営利を目的とせざるものでありまするが、この問題は手数料を取られることになりますれば、やはり自分も手数料を余計取るようなことにもなりやすいのでありまするから、この点は農民に対して一件ごとに申請したものに対しては無手数料でやるようにいたしまして、そうして成るべく配合した肥料を使うようにこれを指導し、これを農民に対する施肥の合理化を図つて育成をして行かなければならんと私は思う。この点を一つはつきりこの際に内容を、ただ以内々々と書いてあつたのじやわからないのでありまするから、あなた方は一体どのくらいが適当であるかということを一つお聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/59
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060・林田悠紀夫
○説明員(林田悠紀夫君) 今回の法律改正案によりまして、この第二項の「市町村の区域をこえない」というのの次でございますが、第六条第二項の「「登録」を「農林大臣の登録」に改める。」という改正がございます。これによりまして、従来の第六条の第二項「登録又は仮登録の申請をする者は、」というのが「農林大臣の登録又は仮登録の申請をする者は、」ということになるわけでございます。それで農林大臣に登録する場合はこの規定によりまして二千円を超えない範囲内において省令で定めるということになつておりまして、この省令で千円ということにきめてあるわけでございます。それで今回のこの小配合の場合におきましては、この法律と全然別個に地方公共団体の手数料条例というのが二十二年にできまして、政令三百二十七号でございまするが、地方自治法二百二十二条に基いた政令があるわけでございます。その政令に基きまして府県で規則を作つてこの手数料をきめるということになるわけでございます。それで農林大臣の千円の大体考え方でございまするが、これは肥料の一件当りに登録いたします場合に事務上の経費、これは事務用品でございまするが、そういうもののほかに特に多く要りますのは成分の分析の薬品、器材でございます。それが大体現在といたしましては約二千円ほど要つておるわけでございます。それを千円にしておるわけでございます。それで県のほうにおきましても、私たちのほうではできるだけそういうふうに……、農林大臣のほうでは千円とつておりまするが、又薬品、器材費だけで千円くらい要るような現状でございますけれども、今度は各地勢に応じた配合肥料を作るということになるのでございますから、銘柄も多くなるということが考えられますので、地方自治庁のほうと折衝いたしまして、できるだけ安くこれをきめてもらうように、又県によりましては無手数料でやつてくれるような、そういう便宜も図つてやつてもらいたいというふうにも考えておりまして、そういう折衝をする予定にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/60
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061・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 本法律案につきましては、まだ御質疑があろうと思いますが、次回の委員会におきまして残余の質疑を終りまして、直ちに討論、採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/61
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062・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/62
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063・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農業移民の件を議題にいたします。我が国の国情におきまして、農業移民の伸張、拡大を図ることは極めて重要なことでありまして、これがためには先ず以て農業移民に関する行政機構を整備し、これが運用を適正ならしめねばならないと存ずるのであります。従つて本日は農業移民に関する行政機構につきまして、従来農業移民に携わつております外務省及び農林省当局の所見を質し、続いて本問題についても今後の措置につきまして御相談をお願いいたしたいと存じます。本日の外務政務次官、外務省石黒参事官、外務省欧米局石井移民課長、農林省平川農地局長、以上の四名が只今出席をされております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/63
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064・江田三郎
○江田三郎君 移民問題の重要なことはかれこれ言う必要がないのですが、そこで私は外務省に先ずお尋ねしたいのですが、二十九年度の農業移民の計画はどういう工合になつているか、それを先ずお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/64
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065・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 二十九年度は予算の点で三千五百人ということを予定いたしておりますが、これは全部が農業移民でもございませんけれども、殆ど大部分三千五百人は農業移民と了解して頂いて差支えないと思います。勿論これは家族を含んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/65
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066・江田三郎
○江田三郎君 この行先はどういうところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/66
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067・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) その大部分はブラジルでございますが、アルゼンチンヘの移民も含んでおります。三千五百人のうち大体五百人程度がアルゼンチンに行くことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/67
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068・江田三郎
○江田三郎君 ブラジルの移民については私もちよつと新聞で見たのですが、例の松原さんが非常に努力をされた。併しながら松原さんとしても今まで私財をなげうつてやつて来てもはやどうにもならん、こういうことですつかり松原さんとしても手をあげられたというようなことが出ておりましたが、そういうことは一体どうなつているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/68
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069・石黒四郎
○説明員(石黒四郎君) 御説明申上げます。松原氏に対しては移民取扱のための最小限度の事務費は政府が委託専務費として差上げているのでありますが、松原民が非常に何と言いますか、心配されておりますのは、移民取扱の事務費ではございませんので、向うへ参りました農民の人たちが当初必要とする生活並びに営農資金の調達の問題だつたのであります。これは個人個人によつて違いますが、或る人はお金を持つて参りました人もございます。或る人は殆んどお金を持たずに行つた人もございます。できるだけこれらをプールいたしまして、同一の植民地におきましては助け合つてやつているのでありますが、どうしても足らない場合には松原氏が斡旋者として金融を付けてやらなければならなかつたのであります。これも又勿論ブラジル側の施策如何にもかかるところでございまして、それほど松原民が心配しなくてもいい植民地もございます。と申しますのは、ブラジル政府が二十万、十万という金を貸してくれたところもございます。くれなかつたところもございます。それを貸してくれなかつたところにつきまして、松原氏がその心配をしてやらなければならなかつたのであります。松原氏が非常に私財をなげうつてと言われるのはその点でございます。必ずしも私財をなげうつたのではございませんが、松原氏の信用において銀行から金融を得て面倒を見たということでございます。なお新聞には相当誇大に報告されまして、松原氏が手をあげたようなことが伝えられておりますが、それは事実ではございませんので、そのようなことは私たちは現場の責任者からは報告を聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/69
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070・江田三郎
○江田三郎君 今のお話で新聞は誇大だということですが、ともかくも松原というような個人が現地で金を立替え或いは貸してやらなければやつて行けないような非常に不安定な条件で送られている移民の多いわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/70
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071・石黒四郎
○説明員(石黒四郎君) 今申上げましたように場所によりますのであります。場所によりましてはブラジル政府側からの援助のありますところは、そんなに松原氏が気をもまなくてもよろしい、援助がございませんところにおいてそういう問題が起つたのでございます。従つて全部とは申上げる必要はございません、一部でございます。なお松原々々と俗に申しておりますが、松原氏を主班として拓殖協同組合ができて、その組合が今の仕事をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/71
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072・江田三郎
○江田三郎君 松原氏が今まで私財を出しているというのは、額はどのくらいか知れませんが、それは一体とういうように外務省としてはお考えになつているかということが一つと、それからブブジル政府の援助のないところへ行つた者については、今お話のような個人で金を出して上げなければならない、これは最初送られるときから外務省のほうでも十分調査をしておられると思うのですが、その点初めからわかつておることなんですか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/72
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073・石黒四郎
○説明員(石黒四郎君) それはいろいろ問題がございましたのでありますが、一番大きい問題は入殖する時期が少し遅れましたことでございます。そのために植付の時期を失して収穫が遅れた、なおその収穫をいたします前に、山を伐り、林を伐り開きまして開墾するわけでありますが、それも雨季にかかりましたためにうまく行かなかつたというようなことで、急いでやつたものでありますから、向うへ到着いたします時期に齟齬を来たしたということが一番大きな原因であつたのであります。我々も入ります人たちにはできるだけ個人的に用意もいたすように要望しておつたのでありますが、従つてできる人は用点して参りましたが、できない人もございました。それからもう一つはブラジル側が、先ほど申上げましたように補助してくれるところと、くれないところとあると申上げましたが、これは一つの政府でおかしいようでありますけれども、その植民地植民地の事情によりまして、そこまで面倒見れる場所とそうでない場所とあつた、その点におきましても、ブラジル側が、我々が期待しておつた大体して上げるという口約束はいたしておつたのでありますが、金の関係でできなくなつたということも一つの原因でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/73
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074・江田三郎
○江田三郎君 いずれにしても、出発の時期が遅れたとか、何とか今理由を説明されましたけれども、結論として出て来ることは、外務省として慎重な計画を欠いておつたということは言えると思うのでありますが、それはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/74
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075・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 昨年は初年度でありましたので、いろいろ御指摘のような手違いも生じたことは非常に遺憾に存じます。併しこの経験によりまして、我々のほうとしては今度この選出につき、又向うでの着後の事務とか、いろいろな方面でも、予算も十分にはございませんけれども、昨年よりも大分よくなつて参りましたので、今後はこういう手違いを生じないように、現に係官も先方へ派遣して現地の大使館或いは総領事館と連絡していろいろ調査をさしておりますので、これからは絶対そういうことのないように十分取計らいに注意いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/75
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076・江田三郎
○江田三郎君 こういう点どうも私ども移民というのは何しろ遠方へ出て行かれて、現地で困つたということになると、全くこれは内地で困つたというのとは違うのですし、よほど慎重でなければならんと思います。この点今話に出ましただけでなしに、一体行く人が農業移民としてどれだけの資格を持つているか、こういうこともよほど慎重でなければならん。或いは政府のほうが渡航費等の貸付をされる、そういうことについても果してそういうものをやつてしまうのならよろしいけれども、貸すということになるのだと、それが返つて来るのかどうかということもよほど慎重に検討して行かなければならんと思う。又どういう方法で返すかということも問題になると思うのです。さような問題について私どもどうしてもこの移民問題というものは、朝野のいろいろな総力を結集してかかつて行かなければならんと思うのですが、一体外務省としてはこの移民問題は外務省だけでおやりになろうとしておるのですか。それとも関係官庁との関係を別にお考えになつているのですか。その点どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/76
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077・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) この問題はいろいろの委員会でも御質問を受けた点でありますが、外務省といたしましては、勿論全部内地の出先を持つておるわけでもございませんし、地方自治団体、殊に面接関係のある農林省或いは更に民間の各方面の援助を受けなければならないということを十分理解しておるのでありまして、現に農林省との間におきましては、採集などについての事務の調整を如何にするかということで話合を進めておるのであります。又海外協会連合会ができましたのに対して、一部には御異論もあるやに聞いておりまするけれども、これは現地のほうでもやはり政府が直接やるよりも、成るべく民間団体にしてもらいたいという強い希望がありましたし、又官庁が直接いろいろの面に実務をやつて行くということは、現在の行政簡素化の建前上、又民間の総意を動かし、又その発意を十分に活用するという意味において如何かと思われる点もあり、そうした意味で対外的な面、又今御指摘のような各方面の援助を受ける、協力を受けるという意味でも、これが一番至当であろうという考えで、この四月からそうした協会ができ上つたのであります。農林省はもとよりのこと、府県とか、或いは地方の農業関係の団体、或いは青年団であるとか、或いは婦人の団体とか、いろいろの地方の団体もございますので、そうした団体が全部一緒になつて協力して頂けるようにという趣旨で、今施策を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/77
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078・江田三郎
○江田三郎君 今お話が出ました何ですか、海外協会ですか、この海外協会会というものはその財源はどこから求めるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/78
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079・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) これは民間からの基金も出してもらいますし、それから事務の委託につきましては外務省のほうから委託費を出すということで進んで行きたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/79
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080・江田三郎
○江田三郎君 その事務の委託の内容と委託費というものは二十九年度予算でどうなつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/80
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081・石黒四郎
○説明員(石黒四郎君) 外務省全体といたしまして、委託事務費三千万円を持つております予算で割当てられて参おります。これは国内、国外を通じて三千万円であります。国外のほうは移民を受入れてくれます先々にこれを配付いたさなければなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/81
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082・江田三郎
○江田三郎君 海外協会というのはどれだけの事務をされて、どれだけの委託費を出すわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/82
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083・石井喬
○説明員(石井喬君) 私から御説明申上げます。海外協会連合会は移民実務に関する一切の実務面を外務省から委託を受けましてすることになります。内容を申上げますれば、先ず第一に啓豪、宣伝、それから募集、選考、資金の貸付、回収、それからいろいろな調査、そうした一切の事務を引受けておることになつております。それに対する委託費として予算に計上して御決議頂きましたものが六百九十七万二千円になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/83
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084・江田三郎
○江田三郎君 今海外協会連合会というものがなすべき仕事があるということは私ども了解できますけれども、例えばこの農業移民の選考というようなことをこの民間団体がやることが果して適当なのかどうか。これは農業移民ということになると、これらの海外協会連合会というものがどれだけ一体農業についての知識を持つておるのかということ。それから一体どれだけ農業団体と繋がりがあるかということ、出て来る農民の問題についてどこまで知つておるかということについて私は非常に不安に思うわけなんですが、何しろ六百九十七万円というような大きな金をこの連合会へ出しておられる、そういうふうなことは今まで農林省でやつておつたのではないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/84
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085・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 昨年まで農林省にお願いしておりましたが、さつき申しますような考慮によりまして、この雑多な実務のほうは海外協会のほうでやつてもらう、そうして勿論農林省及び農林省と深い関係のある農協の協力を得なければならないのでありますが、それかといつて、農業移民と申しましても、ただ農業の面だけで考えることもできない、いろいろな始末もあるので、府県知事は相当数地方の海外協会の会長をしておられるかたもありますし、農業団体のみならず、他の団体からも助けを借りなければならないという意味で、こういう制度にいたしたのでありまして、勿論十分農林省関係の方面からも協力を受けなければならないわけでありまするが、そうした実務は海外協会でやらせるという方針にいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/85
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086・森田豊壽
○森田豊壽君 関連して……。農林省の協力ということを非常におつしやつておられますが、海外移民協会というんですか、そういう団体は、その構成は外務省が全部握つたものでありますか、その構成員というものは、農林省から入つておるんですか、入つてないんですか。農林省から専門家が入つていて、そこでそれじや扱わせるということなのか、協力ということは外の協力であつて、内部には一切外務省が入るということでありますか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/86
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087・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 詳細は係の課長から説明さしたほうがよろしいかと思いまするが、私の承知しておりまするところでも、小平さんというのは、農林省の農林次官をしておられたかただそうでありますが、お入りになつております。又農林省にお願いいたしまして、農林関係のかたがたを御推薦を願つておるような次第であります。これは元々外務省が、こういうように作つてもらわなければならないというので押付けたものではなくして、前から移民について経験を持たれ、又非常に熱意を持つたかたが、いろいろ地方でもこうした仕事に携わられて、そうしてそれが総括的に連合会を設けたほうがいいというような意向を持たれまして、そうした移民についての立派な先覚者の人に入つてもらうという意味で、各方面から協力を仰ぐということにいたしまして、殊に又政党関係におきましても、殆んど各派のかたが入つておられるのであります。(「そんなの理由にならない」と呼ぶ者あり)又参議院のほうの会派についてもできるだけ協力を得、全部が協力して頂くという態勢で進みたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/87
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088・重政庸徳
○重政庸徳君 今の海外協会がどんな機構で、どういう規模を持つているか私ら知らんのですが、実際問題として、入植する土地の調査とか、何とかいうのはどういう工合にやつておられるのか。或いは技術者等全部そういう専門家が揃つているか。考えようによつては、行政機構の簡素化じやない。一つ又大きなものを作るような思想になつているというように私は考える。今ある設備を僕は十分に活用したならば新らしいものを作る必要はない。勿論啓豪宣伝とか、何とかいうそういう方面にはそういう有力機関も必要ですけれども、内地の移民は御承知のように北海道が主たるものです。北海道移民は、これはやはり農林省の専門家が行つて土質から何から十分な調査をする。そうすれば農民はその線で、協同組合とか、いろんな各県の農協的な専門団体が寄つて、そしてやつて行く。どうも如何にも新らしい、又私どもは技術者も相当入れ、大きな機構でなければ完全に行かんというように考えるので、行政簡素化に逆行しているのじやないかというように考えるのですが、事実その機構と、それから実際問題として入植する土地の詳細な調査というようなことはどういう工合な方法でやるというお考えでおられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/88
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089・石黒四郎
○説明員(石黒四郎君) 非常に厖大な機構を考えているようにおつしやいましたが、実はそれほどでもございません。連合会は、簡単に申上げますると、移民に熱心な県に県単位の海外協会というものが、実は戦争前からございまして、今度できました連合会は各県に復活されつつあるのであります。海外協会、これをメンバーとした連合体ということで出発いたしたのであります。地方におきましても、中央におきましても、先ほど政務次官が言われましたように、移民問題に熱心なかたがたによつて自然発生的にむしろできたと申しても過言でないと思うのであります。県の海外協会は県の費用でやる。連合会のほうは先ほどお話がありましたように、連合会自体で基金を募つておりますが、外務省から委託いたします仕事については、委託費を支出いたしております。連合会の人数は私もはつきり覚えておりませんが、大体二十名程度の小さなものでございます。殊に募集、選考から、広報宣伝、渡航費の貸付及び回収事務もこれに責任を負わせるつもりであります。そのような仕事をいたしますものとしては誠に簡素なものでございます。同時に各地方のほうの参加を得て、地方のほうの経費も支出して頂いて、それが合わさつて移民送り出しの経費になつているということを附加えておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/89
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090・重政庸徳
○重政庸徳君 聞いて見ると、やはりろくなものではないように思う。結局宣伝も必要だけれども、これは終戦前の状態とは非常に日本の状態は変つておるので、むしろ本当にそういうものは必要でないと言つていいくらいだ。そしてそういう海外移民協会というものは、結局宣伝啓豪というものに主力を置くよりほかに本当の成績は現われんだろうと思う。而も今お話のような簡素な機構で、新らしく強化する。そうして物事は、そういう専門な協会ができたら、おれがやるのだというようなことで、地方においてもすべての方面に専門の機関があるにかかわらず、それがうまくいかんのが世の常で、私はこれはもつとよく考えて、今あるものを十分利用して、十分あるものと連絡をとつて外務省が中心に、外務省は移民外交、農林省は今あるものを利用して実態の調査、そうして適任者の送出というようなことに行くほうが私はいいのじやないかというように考えるのですが、外務省はどうお考えになりますか。それよりも又専門的な非常に優秀なそういう団体の活動が、今作つた移民協会がそういう活動をするというようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/90
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091・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 連合会としては今度できたはかりでございまして、或いはまだ活動不十分な点があるかも知れませんが、併しこれは、これだけがすべてをしようというのではなくて、勿論現地の問題になりますると、これは北海道と違つて外国でありますから、外務省のほうで援助しなければならん。又専門的な農業専門に関するような点は、これは農林省の専門家が出て調べられるというように、外交的に話合が付けば、そういうように便宜の供与もしなければならないのでありまするが、この海外協会は、何といたしましてもいろいろな省の団体などとも連絡をとりまして、その窓口の仕事をする。まとめてそして海外に送出す方面の連絡の任、又それを実際に実施する面に当るというわけでありまして、これは決して他の協力を排除するようなものでなしに、そこへプールして、そうして移民の仕事が円満に行くようにしようという趣旨に出ているものでございます。従いまして、先ほどから申しまするように、是非各種団体とか、関係官庁の御協力を得たいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/91
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092・重政庸徳
○重政庸徳君 どうも幾ら聞いたつて、新らしい非常な有力なものができるように我々は考えようと思つても考えられないことであります。私はむしろ外務省は、移民外交と申しますか、そういう方面に主力を注いで、そのほかのことは各省の専門機関に任せるような方法で行かれたほうが、全く賢明な策であろうと思うのですが、どう考えられますか。やはり移民協会のようなものを作つて、外務省が管轄をして、そこまで全部やられねば気が済まんというような考えですか。それよりももつといい方法があつたらば、それでもいいと、外務省はそれをするんだ、移民の外交をするという考えですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/92
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093・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 外交というものがただ遊離して存在するといたしまするならば、まあお説の点御尤もと思いまするが、併し殊に移民については向うへ送出いたしましたら、その後のことについても責任を持たなければならん。そうすると、ばらばらに二つに離れて一方は他の官庁、一方は外務省でやるということになりますると、本当に移民の事業というものかうまく行かないという点があることを御了承願いたいと存じます。例えば満州への移民というような場合は、何としても実際に日本が実力を持つておりましたから、よほど現在の移民と趣きを異にするのであります。今これがばらばらに行われるというようなことになりますると、ただ外交交渉をするだけで済むような問題ならともかく、移民というものは本当にその地について、将来そこで現実に発展して行かなきやならないものでありますから、その送出後における責任の関係もありまするから、結局現地側の意向をもよく参酌いたしまして、海外協会というような協会を中に置いて、そうして内地の問題については十分協力態勢を立てて行つて、それが一体をなしてこの外交の中に織り込まれるという仕組みにいたしたいというのが私どもの考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/93
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094・江田三郎
○江田三郎君 今の答弁で行きますと、移民の仕事が二元的であつてはいかん、こういうことなんですが、而もそうやるのは全部外務省がやるというならまだ話はわかるのだけれども、とにかく海外協会というようなものを作つてやらなければ、外務省は直接やることはできない。それで二元的になつてはいかんと言われるが、本年度の予算を見ますというと、たしか農林省のほうにも海外移民の予算が組まれていると思うのです。これは一体予算では農林省と外務省とやるようになつているが、外務省のあなたの考え方は、この予算を決定した国会の意思とは別に、これはこの予算は怪しからんということなんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/94
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095・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 決してそういう意味じやございません。農林省にも予算があることを承知いたしております。それは農業移民の訓練とか、或いは調査というような募集に関するとかいうような方面の費用でありまするので、それは勿論農林省において責任を持つてやる。が併し(「いよいよわからない」と呼ぶ者あり)移民の大綱につきましては、今申しましたように、又仰せになりましたように、一元的に実行して行きたいということでありまして、私はこの農林省の予算というものはどちらかといえば、技術的な面について協力して頂く、そうした仕事をやつて頂く。又内地で募集する場合に協力して頂くということのための予算であるというふように了解しておるのでありまして、農林省の予算は勿論農林省でそれを実施せられるわけでありまして、私が申上げることは決して予算の今の面に出ておる面と矛盾するものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/95
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096・江田三郎
○江田三郎君 今のあなたの御答弁ではですね、私はまああとから農林省の局長にもお答え願いたいと思うのですが、農林省が予算を持つて募集なり、訓練をする、こういうことをはつきり認めておられる。ところが海外協会連合会への委託費の、さつき言われた六百九十七万円というものも募集の仕事が入つている。一体どつちが何をするのかわけがわからんことになるのじやないか一体農林省の局長はこの予算は何に使う予算なんですか。農林省と小瀧さんと両方答えて見て下さい。おかしいじやないですか、これは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/96
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097・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) じや私からお答え申上げます。外務省のほうは御承知のように外務省の設置法で移民関係の事務を取計らうことになつておりますので、そこで勿論対外的の施策も必要であり、又その施策を実行して行く上に必要な、送出、送り出す、或いはそれを募集するということにも全然無関心ではあり得ない。外務省としてはそういう方面にもタツチしなければ本当の移民政策というものは実行できないと思うのでありまして、そうした意味において今海外協会をその実施機関として、これを事実上はそうした任に当らせるという方針で進んでいるわけであります。農林省はそうした農業移民について予算面でされたところを実施せられる。そこで私が先ほど申しますように、その点において協力関係をとういうようにするかという点について具体的な話合をしよう、具体的に話をまとめようというので、現に双方で努力いたしておるということを申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/97
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098・江田三郎
○江田三郎君 局長ちよつと待つて……。その前に小瀧さんにもう一遍聞きますが、あなたの該博な知識で少しお答え願いたいと思うのですが、私どもの知る限りでは外国で、それぞれ移民をやつておる国がありますが、そういう国においても国内の募集から選考から、何から何まで外務省一本でやらなければまずいというような方針をとつておるところはないと私は思つておるんです。その点どうでしよう。だからそういうことが、この外国の例から見ても、当然国内の仕事は農林省の今までやつておる仕事を継続して行けはいいんであつて、或いは農業団体あたりの協力にしたところで、海外移民協会なんというものに一体どこまで農業団体が協力するか、私はあやしいものだと思うのです。そこで国の予算としてもそういうことを考えられて、国内の募集については只今あなたがお認めになりましたように、農林省へ予算を付けておられると思うんです。それをあえて一本にしなければならんというのは、一体とこの国の例でそういうことを言われますか、外国の例を見ると、そうなつていないじやないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/98
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099・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 私ども外国の例によつてやろうとしておるわけではございません。ただ同時に日本の特殊的な立場、十年以上ブランクがあつた、そうして又日本のいろんな生活様式なり、風習というようなものも、ヨーロツパと南米との関係などに比しますれば相当相違があるというような点もございまするので、この移民が今後成功いたしますように、現地側の意向というようなものもいろいろ勘案いたしまして、そうして受入国においても間違いを起さないように、そうするためには全然募集のことは放つておいてもいいということには参らないのでありまして、その点についても外務省としては十分注意を怠らないようにしなければならん。そうした意味においてこの連合会も外務省のほうで、これに対して発言権を持つということが必要であり、又それが効果的であると考えて、協会にこうした事務を委託したようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/99
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100・江田三郎
○江田三郎君 どうもあなたの答弁は少し苦しいようですが、海外のことはどうでもよろしい、日本は日本の立場というところだけはよろしいけれども、あとの点は甚だ以てどうも合点が行かないのですが、この協会についても、これは海外協会のほうで移民の募集をやるということになると、勢い海外協会がない府県ではそういう募集ができないということになると思うのです。その点この移民を出したかつたら海外協会を作れというような、半ば強制もあるように私どもはちよつと聞いたことがあるのですが、先ほどの説明員の話では誠に自然発生的にすらすらとできておるというのですが、そういう強制をされたことはありませんか、又海外協会のない府県からでも移民は出せますか、出していますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/100
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101・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 強制したことはございません。現に御指摘のように海外協会のない県もございまするが、そのほうは県のほうで取計らいをしているというのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/101
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102・江田三郎
○江田三郎君 なお海外協会のことについて資金の貸付とその回収をやるということですが、一体この貸付ける額は本年度の予算では幾らになつておるのか、それからそれを回収をやるいとうが、一体この返す責任者は誰になるのか、個人でやるのか、海外協会が責任者になるのか、それから若し返らなかつたときには、あなたの先ほどの説明のように、この海外協会が貸付なり回収をするということになると、その辺の責任の所在は一体どうなつておるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/102
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103・石井喬
○説明員(石井喬君) 私からお答え申上げます。貸付のトータルにつきましては、三千五百人のうち単価が大体九万三千円、これは少し昨年より減つておりますが、そのほかに遠いところへ参ります、例えばアルゼンチンに参りますものは十万円を少し超えるというようなことで、全体で三億二千万円強になつております。この金を海外協会連合会が責任を持つて貸付け、それを回収する責任を持つておりますけれども、海外協会連合会がよく移民の状態を見まして、よろしいというものにはこれを貸付けて出しております。但し貸付と申しましても移民に金を渡すわけではございませんで、これは渡航費だけでございますから、連合会からこれはすぐ船会社のほうに流れる恰好になります。契約としては移民に貸付けることになつております。それから回収の問題でございますが、回収につきましては、将来はこの海外協会連合会というものが、いずれ現地にまでも出て参らなければならないと思います。その時期になりますまでは、先ほど政務次官からもお話がありました現地の受入機関でありますが、例えば日本拓殖協会でありますとか、アマゾンでありますればアマゾン拓殖協会でありますとか、そういうものが送出機関と契約をいたしまして、これを回収してこちらに返すということになつております。その会社につきましては、目下のところは据置期間中でございまして、殊にブラジルにおきましては五月、六月頃が収穫期になつて参ります。まだ今年度の回収は五百万円程度の利子が入つておる程度に過ぎませんが、我々の見通しといたしましては、利子の支払いはできますし、五年ほど経ちますれば十分に独立できると思いますので、回収は大部分できると思つております。ただ中にはその主人が死んだとか、或いは非常な災害を受けましたとかというようなことで、なかなか自立できないというものも出て参ると思いますが、これにつきましては別途措置を考えなければならないというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/103
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104・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/104
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105・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/105
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106・江田三郎
○江田三郎君 そこでこの三億二千万円というような、これは大きな金ですが、これをこの海外協会連合会で貸付回収をやるというんですが、一体どういうような、一つの民間団体がそんな大きな金について責任を負うということは、一体どういう法的根拠を持つておるのかということ。それから大蔵省あたりでは、これについてはどういう見解を持つておるのか、大蔵省のこの責任ある人の考え方はどうなつておるのか、それはどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/106
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107・小滝彬
○政府委員(小滝彬君) 大蔵省のほうから参つておりませんが、これは勿論御指摘のように今後法律的な措置もとらなければならないと存じますが、まあ取りあえずスタートいたしまして、外務省の委託を受けて、外務省が直接やるべかりしところを、その代行機関と申しますか、委託機関をしてその実務をとらせるという性質のものと私解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/107
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108・江田三郎
○江田三郎君 これは今日いろいろ問題が新らしく出て参りますが、この次にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/108
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109・片柳眞吉
○委員長(片柳眞吉君) それではこの問題は更に審議を続行することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後一時六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914988X02319540408/109
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