1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年一月二十一日(金曜日)
午後零時五十四分開議
出席委員
委員長 菅家 喜六君
理事 三和 精一君 理事 椎熊 三郎君
理事 長谷川四郎君 理事 山本 幸一君
理事 土井 直作君
天野 公義君 助川 良平君
田渕 光一君 山中 貞則君
山本 友一君 園田 直君
青野 武一君 辻原 弘市君
池田 禎治君 長 正路君
岡田 春夫君 中野 四郎君
出席政府委員
内閣官房長官 根本龍太郎君
委員外の出席者
議 長 松永 東君
副 議 長 高津 正道君
事 務 総 長 大池 真君
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一月十九日
委員吉田重延君辞任につき、その補欠として田
嶋好文君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
委員小林信一君辞任につき、その補欠として岡
田春夫君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
国会法の一部を改正する法律案起草の件
決議案の取扱いの件
解散の時期等に関し、内閣官房長官に質疑
本日の本会議の議事に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/0
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001・菅家喜六
○菅家委員長 それではこれより開会いたします。
前回の委員会において申し上げました中央選挙管理会委員柏正男君の退職につき後任指名の件でありますが、これは社会党左派の推薦でありまして、党の事情によって明日まで延期してほしいという申し入れがありますので、その申し入れに応ずることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/1
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002・菅家喜六
○菅家委員長 それではさよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/2
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003・菅家喜六
○菅家委員長 次に、これも先般来しばしば委員会で話し合いになっておりました褒賞制度拡充に関する決議案、これは案文が一応でき上りましたので、印刷にしてお手元に配付してあります。この決議案は御異議ないものと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/3
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004・菅家喜六
○菅家委員長 なお、この趣旨弁明のことは、前回の委員会の経過等にもかんがみて、民主党に一つ譲歩してもらいたいという強い御要望が、理事会その他でありましたが、とにかくこれは第一党たる自由党に今回はやらせるということに、別に採決したのではありませんが、理事会において話し合いできめた次第であります。さよう御了承願いたいと思います。提案者は、従来の共同提案の前例がありますので、各党幹部並びに議運の委員長、理事を提案者といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/4
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005・菅家喜六
○菅家委員長 御異議なければ、さよう取り扱います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/5
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006・椎熊三郎
○椎熊委員 関連して申し上げます。今回の趣旨弁明をどの党でやるかということについては、理事会の大体の空気に今回は従います。しかし決議案の趣旨弁明の問題ではしばしばここで議論になって、大体決議案というものは各党一致のものだから、第一党だけがやらずに、回り持ちでやるということを相談してあったわけです。そこで私どもは、今回はやらしてもらいたいということであったが、理事会ではそういかなかった。将来は、やはりああいう申し合せは尊重してもらって、一ぺんきめたことは守るようにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/6
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007・土井直作
○土井委員 ただいまのお話、しごくけっこうであります。従って、将来各党が賛成の、全会一致の場合における決議案は、順次回り持ちということに対しては双手を上げて賛成いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/7
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008・菅家喜六
○菅家委員長 次に、国会法改正の件でありますが、小委員会の成案を得ましたので、本委員会でしばしば御審議を願い、最終的な案ができました。さらにこれは参議院との交渉をいたさねばならない関係があります。二、三日前より参議院側の意向を委員長において打診し、ようやく昨晩おそく参議院側の意見が出て来まして、先ほど来理事会において、参議院案と同調するかしないかという点について逐条審議をいたして参りました。その結果、理事会としては、大体すべて参議院と同調するという結論になった次第であります。時間もありませんから、そのおよその要点だけを事務総長より御説明願って、大切な部分は速記にとどめておきまして、御審議を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/8
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009・椎熊三郎
○椎熊委員 この説明は、かなり長い時間を要すると思うので、官房長官が来ておりますから、官房長官に何か質疑があれば、その方を先にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/9
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010・菅家喜六
○菅家委員長 今椎熊委員の御発言ごもっともでありますし、国会法の説明にはかなり時間を要すると思いますので、御要求によりまして根本官房長官がお見えになっておりますから、質疑等がありましたらこの際質疑を済ませて、その後に国会法の審議に移りたいと思います。それでは官房長官に御質疑がありましたらどうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/10
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011・山本幸一
○山本(幸)委員 一昨日の議運で私お尋ね申し上げたのでありますが、二十日の閣議できめられてから、なお議運に報告するという官房長官の説明であったのであります。この際官房長官から、閣議の模様についてお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/11
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012・根本龍太郎
○根本政府委員 前回の本委員会における御要請並びにいろいろの御議論の趣旨は、昨日の臨時閣議において詳細に御報告いたしました。これに対する政府の最終的決定は、まだいたしておらないのでございます。この前も申し上げました通り、第七条に基いて、政府が全責任を持って解散の時期を決定するということになっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/12
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013・山本幸一
○山本(幸)委員 そうすると、まだ解散の時期は決定しておらない。そこで私は、すでに一昨日いろいろの点で詳しく御質問申し上げましたから、くどいことは申し上げません。率直に端的に申し上げます。問題は、一昨日の議運できめましたように、二十四日までは必ず質問を続けるというわけですね。なお努力はするけれども、時間的な関係から二十五日に入るのだ、こういう一応の見込みを立てたわけです。そこで議運できめられた質問の終了までは、抜き打ち解散をなさらぬ、こういうことについて、一つはっきりお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/13
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014・根本龍太郎
○根本政府委員 先ほども申し上げました通り、議運の御要請の点は、十分に閣議に連絡いたしました。そのような各般の状況を考慮して、政府が適当なるときに第七条によって解散の手続をとるということだけは明確になっておりますが、その日時、時間については、まだ決定しておらない次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/14
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015・土井直作
○土井委員 官房長官にお尋ねしたいのですが、もとより解散権は政府にあるに相違ないのでありますけれども、立法府の意思を尊重するということについては、政府はやぶさかでないだろうと思います。従って、議運で希望しておった事柄について、官房長官が臨時閣議にこれを詳細に報告されて、その点については了承されておる。しかしながら解散の時期並びにその他の事柄については、まだ決定を見ておらないというところに、政府の非常な含みがあると私は見ておるのであります。言いかえれば、国会対策委員長会議あるいは書記長、幹事長会談等において、二十四日までにできるだけ質疑を終了せしむる、しかし、その後の事柄はもとより運営委員会の権限に属するのだから、運営委員会の決定にまつという含みを持っておったわけであります。そこで運営委員会としては、過去のいろいろな事例から見て質疑の時間等を案出して、また参議院の質疑の関係なども十分に参酌して、どうしても二日間では相当困難な事態ではないかというように考えております。これは最善の努力をもって二十四日にというふうに考えておるけれども、もし残った場合においては、二十五日にさらに質疑が続くかもしれないという予想を今立てておるわけであります。その立てた上に立って、一昨日官房長官にもこのことを伝え、政府の意思も聞こうとしたのでありますが、臨時閣議においては、まだ決定を見ておらないという。その結果を見ておらないということ自体が、非常にわれわれとしては疑問に感ずるのであります。というのは、われわれの聞くところによれば、各党の代表者の質問が終了すれば、自余のものはやらなくてもいいじゃないか、従って政府は二十四日解散の意図に変更がない、そうして質疑が残っても、解散を二十四日にやろうというようなことが言い伝えられておるし、閣議においても、このことはかなり激論されて、そういう意向になっておるということを聞くのであります。これは明らかに行政府が立法府の意思をじゅうりんする事柄であって、そのことはあまり感心したことでない。もとよりそれは閣議の内容でありまして、われわれの十分聞知するところではないし、また世上伝えられておるうわさであって、そのことを根拠にして申し上げるのではないが、少くとも官房長官が主張されておるところの、言いかえれば、臨時閣議では決定はしていないのだ、しかしながら解散は第七条でやるんだ、その時期、時間等については、まだ最終的にはきめておらないという、このことは、何かそこにはっきりした政府の意図があるように思われるのですが、この点はどうですか。立法府の意思を十分に尊重されるつもりであるのかどうか、この点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/15
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016・根本龍太郎
○根本政府委員 国会における議事日程をきめることは、本委員会並びに本院でやることでございますので、これについて政府は何ら、それでは困るとか何とかいうことは言いかねる立場だろうと思います。またこの前の委員会において御要請になった点は、先ほど申し上げましたように、私は忠実に御報告いたしました。しかるところ、先ほどお話し申し上げたように、この点についてはいろいろと議論のあったことは事実でありますが、しかし閣議の内容をここに報告する立場に私は今ないのであります。同じことを繰り返すようでありますが、この点は非常に重要な問題でございますので、本日の閣議においても話題に出たことは事実でございます。また与党の幹部の意向も徴したことも事実でございます。しかし本日は、いつ何時にやるということはまだ決定しておらないのであります。今土井さんが言われたように、この問題は、政府の全責任においてやることでございまして、しかもその時期が、いまだこちらに申し上げる時期に達していないことを遺憾に存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/16
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017・菅家喜六
○菅家委員長 これは重要なことですから、なお官房長官に各委員から御質問も御自由でございますが、委員長からも確かめておかなければなりません。本委員会が施政方針の演説並びにそれに伴うところの質疑の日程をきめる以前に、各党間の首脳部の会談、対策委員長等の会談において、質問時間によってきめるということは、政府も同意されたはずであります。六時間四十分という質問時間を二日間において努めてやってもらわなければ困る、二十四日じゅうには解散をいたさない、これは与党の代表の方が、対策委員長会議で各党の前において明言された。そのことは官房長官も御承知のはずである。そういたしまして、まだそのことがはっきりいたさないのであって、七条によって、政府の権限であるから、あるいは二十四日にやるかもしれぬ、あるいは二十三日にやらぬというような態度が不明確であるならば、今日までの各党間の信義に基く協議は無視されてしまう。それに基いて本委員会でも議論がありましたので、三日にわたってやりたいという議論を、とにかく二日間にやってもらいたいということで、六時間四十分というものをきめた次第であります。そして解散の時期等も、今日までの例によらずして、今度はフェアな気分でやりたいという、政府も与党も野党もその観点に立って、そういう取りきめをいたしたのであります。もしこれが確定しないというならば、議院運営委員会においても、さきにきめたことを、さらに協議をし直さなければならぬと思います。まことに重大でございますから、委員長が一応委員会を取りまとめて行く上において、委員長としては官房長官に聞いておかなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/17
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018・土井直作
○土井委員 関連して……。ただいま委員長からもそういう話がございましたが、少くとも今度の鳩山内閣というものは、その成立の当初から見て、国会の運営をできるだけ明朗に、そうして解散をする場合においても、各党の十分なる了解の上においてやるということで、フェアにやろう、これが鳩山内閣自体に課せられた一つの大きな義務でなければならぬと思う。ところが今官房長官の含みの中の言葉では、きわめてデリケートなものが存在しておると思う。従って各党首脳部、または国会対策委員長会議において決定された事項が尊重されないというならば、悪く解釈いたしますれば、一種の抜き打ち解散、言いかえれば、質疑が十分に完了しないうちに抜き打ち解散をやろう、要するに施政方針や何か、自分の方でぶつだけぶっておいて、言いたいことだけ言っておいて解散を断行するというようなやり方がもしあるとするならば、われわれは、ただいま委員長が言うがごとく、当初決定された事項等についても大きな変更を加えなければならぬと思う。その点の意思が政府で決定されない限りにおいては、協議をさらに進行するということについては非常に疑義があると思うので、委員長と同じような質疑ではあるけれども、念のため、やはり官房長官に対してその事柄について答弁をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/18
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019・椎熊三郎
○椎熊委員 関連して……。衆議院は、解散の時期その他施政方針の演説等について、各党は隔意なき意見の交換をして、一応の取りきめをしておることは事実で、それはけっこうであります。その一応の決定は、内閣へも通告しておる。これも非常に民主的なことだと思っております。しかしながら、それにもかかわらず、政府は第七条による解散をやろうということも、これも政府の権限であって、それをやったからどうのこうのということは、政治問題なんです。今度は、それがいいか悪いかということは、選挙に直面してはことに重大である。批判はどうでもいい。しかしながら、政府の権限に国会が立ち入ってもいかぬし、また政府が国会の一応の取りきめに関与しても相ならぬと私は思います。ですから、政府の態度いかんにかかわらず、われわれは、各党問で了解の上にきめたことは、きめた通りに遂行するという熱意を持って協力していくということだけであって、まだ政府の閣議決定のないものを、ここでいつやるのかということは、答弁としてはどういう答弁をなさるかは別だが、批判は政治上の責任であって、手続上には瑕疵はないと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/19
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020・菅家喜六
○菅家委員長 椎熊委員のお話がありましたが、御意見としてはけっこうでありますけれども、事態が違うのであります。もとより解散を政府でやることはわかり切っておる。国会自体でやるということならば、こういう問題は起ってこない。それらを、政府の権限とか、立法府の権限とか言わないで、今度は全部、政府も与党も野党も一緒になってフェアにやろうというところから出発した問題であって、官房長官が明確に言われたことは、六時間四十分という与党、野党全部できまったことを、政府も尊重してやるということに同意されておるのであります。同意されておるということになると、二十四日という日には、われわれが二日間の間に六時間四十分の質疑が終らなかったという事態があるならば、これは別問題だと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/20
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021・椎熊三郎
○椎熊委員 時間の同意なんか、政府はした覚えはない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/21
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022・菅家喜六
○菅家委員長 あなたに言うておるのでない。委員長の発言中であります。官房長官から、私はちゃんと念を押して聞いておる。六時間四十分という時間は、全部できまっておる。与党、野党できまったことは政府が尊重して、その通り行いますという明確な御答弁があった。それらに関連して政府から御答弁を願って、もしその答弁によっては、土井君の御発言等もあります。また本委員会の審議は、これから続けられるのでありますから、まず官房長官の答弁を要求しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/22
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023・根本龍太郎
○根本政府委員 私は、この前のときには、議事日程をきめることは本委員会の権限でございますから、ただそれを聞いておるだけで、それに対して同意を与えるとかどうとかいうことは、全然私の権限外でございます。従って、さようなことは申した覚えはございません。なお、院の御決定を尊重するかと言いますから、立法府の意見を尊重するのは当然であります。かように申しただけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/23
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024・池田禎治
○池田(禎)委員 官房長官にこの際お尋ねいたしますが、あなたの方は、解散権は政府にあるから、あくまで政府の責任で行うとおっしゃるけれども、立法府に対して、政府なり与党がしばしば申し入れをなさることがある。あなた方は、自分の都合の悪いときだけいろいろ申し入れをし、解散を行うとか、その他については政府の責任でやる、何ものにも拘束されないという。そういうことが立法府の運営をスムーズにする上において、果して妥当であるかどうか。現内閣成立以来、しばしばそういう事例があります。立法府に対して、しばしば先例を破るがごとき申し入れをされたことがある。そういうことはあくまで頼む、しかしながら各党の対策委員長会議で決定したことさえも、政府の責任でやる、さような責任は負わぬというのか、まず政府の見解をただしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/24
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025・根本龍太郎
○根本政府委員 立法府の意見を政府が尊重するのは当然でございます。しかし、解散というような問題を院で決議をなしましても、それが政府の行政権を拘束するというような建前ではなかろうと考えております。どこまでも、いかなる経緯をたどってやりましても、第七条において解散をいたすということになりますれば、すべてこれは政府の責任に帰することであります。かようにわれわれは考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/25
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026・池田禎治
○池田(禎)委員 それでは官房長官にお尋ねいたしますが、たとえば、与党も入れた対策委員長会議で、六時間四十分ということに決定しておることは事実です。これを本委員会が、できるだけ政府の希望なり、与党の希望をいれて、二日間で終了いたしたい、どうしてもやむを得ぬ場合には翌日に延ばしたらどうか、しかもそれは、夜の十一時過ぎまでやったら、総理大臣もああいう不自由なおからだであるから、そういう点も考えてということがある。そういう点はどうなんですか。あなたの方としては、原則を守ってもらいたい。そのかわり総理大臣が夜おそくまで本院に登院してその職責を果されるかどうか、その言明があれば、本院は三日間やる必要はない。そういう点、官房長官はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/26
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027・椎熊三郎
○椎熊委員 関連して申し上げます。六時間四十分というものを各党間できめたことは、非公式ではあるが、院の一応の決定で、これから正式にきまっていくでしようが、一応の決定は、私は尊重してもらいたい。それなればこそ、私は与党であってもこれを尊重して、その全部が完了の上解散するようにということを、特に前回の委員会でも、官房長官に、与党たる私どもの立場からも申し入れておる。ですから私は、あなた方の言うように、六時間四十分を尊重しろということをあくまで主張してやるべきだと思う。しかしながら、政府の権限でいつ解散するかきまらないものを、ある一つの予想のもとに、六時間四十分を経過しないうちに解散するのではないかという仮定のもとに、それはけしからぬ、院の意思をじゅうりんしたことだという批判をここで議論することは、早計に失する。そういうことをやった場合にこそ政治責任があるのであって、当然時間を尊重させるということは、われわれ協力してやろうじゃないか。政府に私はそういうふうに申し入れをしてしかるべきだと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/27
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028・山本幸一
○山本(幸)委員 椎熊さんの言われることは、手続上としては了承しますけれども、今官房長官の土井さんに対する答弁によれば、議運の決定の要請は尊重はしますけれども、解散については、政府の責任において第七条でやるのであるからということは、暗に尊重するという表面の言葉の裏に、あるいは六時間四十分たたぬうちに解散するかもしれぬぞ、政府の責任でやるんだから……、そういう印象を受けておる。それでは尊重するという言葉は一つも実現されぬわけです。従ってわれわれは、それをもっと明確にしてもらわなければならぬ。少くとも国会運営の責任を持っておるのですから、国会運営上、はっきりした答弁を承わらぬことには、今後の議事を進めることは困難です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/28
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029・根本龍太郎
○根本政府委員 先ほどから何回も繰り返して申し上げたように、現在まだ決定しておりませんので、いつということは申されません。なおまた本委員会における御決定の点は、閣議に十分私から説明を申し上げました。これ以上今のところ申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/29
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030・池田禎治
○池田(禎)委員 委員長に対して質問申し上げます。官房長官は、政府はあくまで政府の方針でいく、これは御自由でしよう。しかしこの問題については、各党の対策委員長会議において決定をし、これを各党が了承し、その趣旨のもとに本委員会が運営されて参った。しかるところ、各党の申し合せはあくまで尊重するけれども、政府は政府としての方針でやるんだ、こういうお考えであるならば、各党の対策委員長会議で申し合せたことを本委員会が継承いたしまして、その基本のもとに審議を進めるということは不可能であります。従って私は、本委員会を休憩いたしまして、各党の対策委員長会議において決定されたことが基本になるか、ならないか、与党である民主党の対策委員長の言葉を、政府は尊重するという誓言ができるか。できないならば、対策委員長会議の申し合わせは無効であるから、それを基礎にした本委員会の審議は、暫時休憩して出直していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/30
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031・菅家喜六
○菅家委員長 私に対する御質問ですから申し上げますが、そもそも委員会が、二日、六時間四十分ときめたことは、政府与党であるところの日本民主党の代表者たる石田国会対策委員長が見えられまして、必ず二日間で、この時間で上げてくれないかということであった。そのときの石田君の発言ではっきりしておることは、二十四日じゅうにはいかなることがあっても解散しないと、はっきり言明したのであります。そこで問題になりましたのは、六時間四十分を二日間でできるかできないかという問題になってきた。そこで会談がむずかしくなったけれども、各党は、努めて努力しようじゃないか、なおかつ、どうしても困るときには、今までもそういう前例があるし、二十五日にわたっても、二十五日の午後解散の意図であるから、四時ごろまでに切り上げてもらうようにしてもらいたい、これが民主党の代表たる国会対策委員長の石田君の発言でございました。それを非公式なことであるというならば、すべて非公式になってしまうのでありますが、根本官房長官も、この事実はよく御承知である。そのとき官房長官もその席におられて言われたことは、ここで与野党できまったことは、政府も大いに尊重するということであったから、われわれの受けた印象は、全部できまった事柄は、二日間において六時間四十分ができぬ場合においては、解散がないという建前であったのであります。いつやるのであるかわからない、政府の権限であるから七条によってやるんだということならば、対策委員長会議あるいは幹事長会談、さらにこの委員会の取りきめも、それから出発しておるから、根本からくつがえってしまう。私は、ここで官房長官に伺っておきたいことは、取りきめた六時間四十分という質問時間の終らないうちは解散がないのだというお話があるならば、それでけっこうであります。いつ幾日の日に解散するかということを聞くことは、公式の委員会並びに政府の答弁としては、できないことはわれわれも了承しておる。ただし、各党間できめた六時間四十分の質疑時間が終らないうちは、解散はないということを御答弁あることは当然だと思う。しかも内閣総理大臣は、政府の要求としてどういうことを要求されたか。総理大臣はからだが不自由であるから、演壇にも立たせないでくれという要求があったじゃありませんか。そういうことは今までのルールにおいてないけれども、せっかくの政府の要求であるから全会一致でもって認めて、政府も了承して、初日は立って、その次からは自席でやるように、その設備もしようという話し合いまで進めた経緯から考えてみるならば、ここでただ法をたてにとって、七条でやるんだから、いつやるかわからないなどということでなく、六時間四十分というものが済まないうちはやらないのだという答弁があることがしかるべきだと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/31
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032・根本龍太郎
○根本政府委員 先ほど来繰り返し申し上げました通り、現実にまだ決定しておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/32
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033・山本幸一
○山本(幸)委員 官房長官にお尋ねしておきますが、一昨日私が申し上げたときに、あなたは、吉田内閣当時のような抜き打ち解散はしない意思ですと、こうはっきり言明された。そこで私は、あらためて、さらに重要な点だから申し上げますが、吉田内閣が抜き打ち解散をやったということについては、われわればかりでなく、あなた方も鋭い批判を加えておる。そこで今回、少くともわれわれのきめた六時間四十分の質問が終了しない前に、吉田内閣の轍を踏むような抜き打ち解散を、あなた方はおそらくなさらぬと思うが、もう一ぺん念のために御回答願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/33
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034・根本龍太郎
○根本政府委員 吉田内閣におけるような抜き打ち解散をやらないということは、政府もそういうふうに考えております。というのは、あのときには、解散があるとはほとんど想像できないときに、すぱっとやってしまった。ところが今回は、ほとんど与野党とも早期解散をすべきであると言い、政府もまた早期解散をいたしますということでございますから、絶対抜き打ち解散とはならない。その意味において、われわれは抜き打ち解散はやらないと言うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/34
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035・土井直作
○土井委員 議事進行に対する動議を提出いたします。ただいままでの根本官房長官の答弁によりますと、われわれが予想するところのものを、相当に強く包蔵しておるように考えられます。少くとも各党の首脳部並びに国会対策委員長会議で決定いたしました事柄を、政府も——これは政党政治であります。いわゆる欽定憲法時代における、あるいは戦争前のような政府とは内容が違うので、まったく民主主義的な政党政治である。従って与党が加わって決定された事柄が十分に履行されないうちに、行政、立法府の関係であって、当然これは行政府の権限に属することであるから、かりに立法府の意思がどこにあろうと、解散権は七条でこれを断行するのだ、しかも各党間における申し合せ事項、これが結了しなくてもやるという意図が、かなり強く私は含まれておると思う。従ってわれわれは、このままでこの運営委員会を進めていくということについては、非常に疑義があると思うのであります。従って一応休憩にしていただきまして、各党に持ち帰って党の態度を決定して、それからでなければならぬと思う。従って、かりに議がまとまらなければ、施政方針の演説もできない、あるいはまた質疑もできないという事態ができて、それが二十二日であろうと、二十三日であろうと、二十四日であろうと、それは行政府として、政府の責任において解散するという場合があるならば、これもまた場合によってはやむを得ないと思う。従ってわれわれは、党に持ち帰って、この問題について協議したい。政府、与党が、責任を持って決定したことを履行するという意思のない限りは、運営委員会としては、議を進めることに対して私は賛成しがたい。従って休憩していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/35
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036・椎熊三郎
○椎熊委員 われわれの決定で質問時間を六時間四十分ときめたことは、慣例上からも、実際の審議の状況からも、私は非常に合理的ないいきめ方だったと思う。これはぜひとも完了させたいというのが、私どもの誠意です。ですからわれわれは、この決定はちっとも瑕疵はないと思う。対策委員長会議、幹事長会談でもきまってきたのですから、本院のきめ方には、さらに瑕疵はないと思う。そういうりっぱなきめ方をしたから、政府もこれを尊重すべしということを、私は先頭に立って主張してきておる。きのうも現に内閣まで行って私は主張しております。とにかくそういう態度で明確にきたから、こっちの取りきめは何らの手落ちはない。それを政府が守るということは、政府が信義を守るということは、政治上の信義道徳である。守らすべきであり、守るべきであります。私は、わが党内閣であるから、政府もそういう態度に出てもらいたいので、そういうあっせんをしておるのであって、ただ根本官房長官は、ここでは解散のことがきまっていないのに、六時間四十分の質問が終れば解散しますなどということは、一官房長官の立場としては、私は言いかねる問題であると思う。言わないというだけであって、これを尊重するということは、現に根本君も言われておる。閣議にもそのことを言っておる。院の決定には間違いない。政府もまだきめておらぬけれども、この状況を反映せしめて決定せしむるということは与党の責任でもある。私どもは、抜き打ち解散などということは、五十日も前から、あなた方の要請もあって、解散するということは天下の世論になっておるから、いつ解散しても抜き打ち解散にはならぬと思うけれども、さらに合理化させて、りっぱな解散をするというためには、野党に十分な質疑をさせたいということが私どもの念願で、それは私ども協力します。ですから、根本官房長官にいつ解散するかということを問うことは、無理だと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/36
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037・土井直作
○土井委員 ただいま椎熊君は、いつ解散するかということを明示しろというのは無理だと言われるが、われわれはそんな主張をしておるのではない。解散するという事柄については、行政府の権限であって、そのことにまで、いつやるのかと言っておるのでない。少くとも政党政治、従って与党と野党との間で話し合った事柄が、終了されないうちに解散するというような意図の含みがかなり看取できる。従ってこの事柄については、少くとも与党は、六時間四十分の質疑時間を終了しないうちは解散をいたしません、少くとも与党として、責任を持ってそういうことはさせませんという言明のない限りは、再確認のない限りは、この運営委員会の審議を進めることはできない。従って休憩の動議を出しておりますから、動議を諮っていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/37
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038・岡田春夫
○岡田(春)委員 官房長官に法解釈について伺っておきたい。
先ほど官房長官は、政府は、行政のことに対しては独自でやり得ることでございますから、解散の問題につきましても独自の立場でということを、池田君の質問に対して答弁された。そうすると、解散の問題は、やはり行政事務とお考えですか。第七条による解散は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/38
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039・根本龍太郎
○根本政府委員 私が先ほど申し上げたのは、政府は第七条の発動によって解散いたしたい、その手続をとるということを申し上げたのであります。それ以上のことは申しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/39
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040・岡田春夫
○岡田(春)委員 それは速記録をごらんになればはっきりわかります。先ほどそのように池田君の質問に対して答えておる。行政のことでありますから、独自の問題でございますと言っておる。新憲法の精神は、国会は最高の機関であるということは、言うまでもなくおわかりです。ところが、先ほど椎熊委員から意見として言われておる点では、政府の国政の事務として独自的に行い得るいわゆる解散権、それから国会それ自体の運営によって決定される議事の運営の問題について、何らお互いに干渉し合わないというところに民正主義の政治があると言われた。逆にいえば、解散をするということは、立法機関の本来の運営を停止することだ。それを決定し得るのだと言われるけれども、その精神は、憲法の中に書いてある国会が最高の機関であるというその精神に従って行われなければならぬ。そこの点をじゅうりんして、今椎熊氏の言われておるように、勝手に行政権を発動し得るものだとするならば、これは東条内閣と同じようにファッショ的な方法ですよ。立法権の上に行政権があるというファッショ政治のやり方で、民主政治じゃない。こういう点を、あなた方自身どういうようにお考えになるか、この点をはっきりしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/40
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041・菅家喜六
○菅家委員長 お答えがないそうでありますが、岡田君の質問の前に、すでに動議が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/41
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042・椎熊三郎
○椎熊委員 その動議に関連して、私の名前が出ておるから、簡単ですから申し上げておきたい。
土井君が言われたように、六時間四十分というのは無理なきめ方でない。そこで先般私は、こういうことを言っておる。二日間でやってくれないか、しかしながら、実際上から三日に延びる場合があるかもしれぬ、延びた場合においては、政府はいかなる行動に出るかということは、私は留保する、ですから二日までの間、それの裏を返せば、二十四日までの間というものは、私は暗々裏に解散がないものと確信して言っておることだ。(「暗々裏では了承できぬ」と呼ぶ者あり)僕がこういう発言をしておるということを言っておるのです。与党と政府と一体だというから、言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/42
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043・菅家喜六
○菅家委員長 土井君からの動議がありますから、暫時本委員会を休憩することに御異議ないと思いますが……。
〔「異議あり」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/43
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044・菅家喜六
○菅家委員長 異議があれば、採決するより仕方がありません。土井君の動議に賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/44
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045・菅家喜六
○菅家委員長 挙手多数でありますから、暫時休憩いたします。
午後一時三十七分休憩
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午後三時六分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/45
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046・菅家喜六
○菅家委員長 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/46
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047・椎熊三郎
○椎熊委員 先刻の運営委員会で、解散の時期、あるいは質疑の時間等について内閣側と委員の諸君との間に食い違いが生じて、そのために休憩になりました。私どもは、直ちに党へ帰って幹部会を開きました結果、院内における各党責任者の取りきめ、すなわち質問時間六時間四十分という時間は、各党一致した意見でありまするから、院としては当然これを尊重すべきであり、与党としては、これが実現のために政府に対して強くこれを要請して、政府もまたこれを尊重するようにしなければならぬということに意見が一致いたしました。各党にその代表の方をそれぞれ歴訪いたしまして、了解を求めたのでございます。従って、諸君御主張の六時間四十分は完全に質疑ができまするように、私どもは万全の努力を続けたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/47
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048・菅家喜六
○菅家委員長 この際根本官房長官よりも、政府を代表して御発言があります。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/48
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049・根本龍太郎
○根本政府委員 与野党一致して取りきめられましたことにつきましては、政府は極力尊重いたすことは当然のことと存じますから、尊重するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/49
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050・菅家喜六
○菅家委員長 ただいまお聞きの通り、与党側を代表して椎熊委員より御発言があり、また政府を代表して根本官房長官より、それぞれ各党間の申し合せによる質問時間六時間四十分というものを尊重する、こういう御言明があった以上は、この問題はすでに論議が尽きていると思いますので、これだけでこの問題は了承したいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/50
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051・山本幸一
○山本(幸)委員 ちょっと、お話はよくわかりましたが、私は一昨日も申し上げたように、六時間四十分をお認めいただいて、これはわれわれなるべく二日で努力することには間違いありませんが、必然的に三日目にかかるということも含んでおると思います。そういうことを前提にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/51
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052・菅家喜六
○菅家委員長 それも四党間において取りきめになっておる事柄でございますから、極力二日でやるということにきめまして努力して、どうしてもやむを得ざる事態が起きてきたときには、またそのときに考慮する、こういうことであります。その取りきめは、従来きまった通りでございます。それでは官房長官けっこうです。御苦労さんでした。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/52
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053・菅家喜六
○菅家委員長 それでは事務総長より簡単に国会法改正案の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/53
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054・大池真
○大池事務総長 それでは国会法改正について、本院でかつて御決議を願いましたものと、参議院側で昨日おそくまでかかりまして最終的に御決定を願いました分を調整いたしまして、本日お願いいたしたいと思っております分について御説明を申し上げます。お手元に国会法の一部改正法律案が差し上げてありますが、調整いたしましたものもお配りいたしてあると思います。それについて一応御説明申し上げます。字句の修正にすぎない部分がだいぶございますので、その辺は御了承願いまして、内容的に本院でかつて御決議を願いました分と違った点だけを御説明申し上げます。
一番最初に第二条の二でございます。本院の方では、臨時会または特別会を常会とあわせて召集できることに御決定願っておったのでございますが、参議院との打ち合せによりまして、特別会の方は常会とあわせてこれを召集することができるという規定はけっこうでございますけれども、臨時会は場合によりますと、政府の方で臨時会の召集の御決定がおくれますと、それをおくらせたために臨時会がなくなって常会と一緒になってしまうということは、憲法上、臨時会の召集権を持っておる議院側としては困るから、臨時会だけは除いてもらいたいというお話で、臨時会は常会とあわせて召集することができない、臨時会だけはどうしても召集しなければならない、こういうことで御決定を願っておるわけであります。従って本院のかつての御決議の中から、第二条の二の中の「臨時会又は」というところをむしっていただくようにお願いいたしたい。
それから本院で御決議願いました第四条の方は、参議院の緊急集会の章に、あわせて規定いたすことに、場所を移しました。
第九条は本院通りであります。
第十条は、「衆議院議員の任期が満限に達する場合には、」というところを、衆議院のみならず、参議院の議員でも半数改選で任期満了の場合がありますので、衆議院議員というのを「議員の任期が満限に達する場合には、」として、「衆議院」というのを削ることにお願いいたしたい、これが第十条でございます。
第十三条、第十五条は本院のまま、第二十二条、第二十四条も本院のまま、第三十一条も本院で御決議になった通りですが、「法律に定め」の「め」の字を取っていただきます。
第三十三条の二は、第三十四条の方に譲りまして、その方に一つ法文を入れてもらう、こういうようにいたしました。
第三十四条もこのままでありますが、三十四条の二は、本院できめましたのは三十四条の三にお願いいたしまして、その前に三十四条を一つ入れる。これは「各議院の議員の逮捕につきその院の許諾を求めるには、内閣は、所轄裁判所又は裁判官が令状を発する前に内閣へ提出した要求書の写を添えて、これを求めなければならない。」とありますのを、「受理後速かに、その」という字を入れて、内閣でいつまでも握っておってはいかぬということから、「速かに」という文字を入れたわけであります。
〔委員長退席、三和委員長代理着席〕
それから第三十五条は本院のままであります。
第三十七条は、現にそういう工合に取り扱っておる通りに法文を直しまして、「国有鉄道」というのを「日本国有鉄道の経営する交通機関」という字句に直すことに相なりました。
それから第三十九条では、「国会の議決」ということがただし書きにありますが、これは「両議院一致の議決」という工合に字句の整理をいたしました。
第五章は本院のままであります。
第四十一条、第四十二条も本院のまま、第四十二条の三項の字句を整理いたしまして、「前項の辞任があったときは、」というのを、「前項但書の規定より常任委員を辞した者があるときは、」というように、具体的にはっきり書き改めたということであります。
次に第四十三条、第四十五条、第四十六条、これも本院のままであります。
第四十六条の「前項により委員が選任された」というところに、「前項の規定」というふうに「規定」の字を入れる。それから最後の行のところで、「議院運営委員会の議を経てこれを変更することができる。」という「これ」を、「委員」と直していただく。
第四十七条では、従来から継続審査をいたしました案件は、他の議院と内閣に通知しておりますので、この条文を新たに織り込むということであります。
第五十条の二、第五十一条の二項、第五十二条の一項、第五十四条も本院のままであります。
第五十六条でございますが、これは議案の発議の定数を、参議院と衆議院では議員総数が違いますから、衆議院は「議員二十人以上」というものは本院のままにいたしまして、参議院においては「議員十人以上」、つまり衆議院の半数ということにお願いをいたします。予算を伴う法律案の発議の場合は、衆議院が「議員五十人以上」、これはこのままのきめでございますが、参議院の方はそのままをとりませんで、「議員二十人以上」、こういうことにお願いをする。それから委員会審査省略の場合の字句を整理いたしまして、「但し、発議者又は提供者の要求があるときは、」云々とあるのを、「但し、特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる。」という字句に整理をいたしました。
〔三和委員長代理退席、委員長着席〕
第五十六条の三でございますが、これは一事不再議の場合でありまして、本院の方で御決定願いましたのは、他院の方ですでに議事日程に記載されたものはいけない、こういうことにいたしましたが、すでに他院の方の議事日程に記載されると同時に、こちらでも記載してしまったということにも競合する場合がありますので、その字句を明確にするために、他の院から送付を受けた場合または提出を受けた場合には、それまでにこちらの方ですでに審議をしておりましても、その審議の方はやめまして、他院から参りました分について審議をするということに御決定を願いたい、こういうことでございます。
第五十七条は、先ほど申しました数の制限でありまして、衆議院の方はここにあります通り「議員二十人以上」、参議院の場合は「議員十八以上」、こういうことにお願いいたしたい。それから増額の場合もそれと歩調を合せまして、衆議院においては「議員五十人以上」、参議院においては「議員二十人以上」、こういうように五十七条並びに五十七条の二をいたしたのであります。
それから第五十七条の三は、字句をちょっと修正しただけでございます。別に内容に変りはございません。「予算総額を増額修正する場合」、こういう工合に書いてありますのを、修正する場合のことを、あとにはっきりと、どういう場合があるかということを具体的に書き改めただけであります。それによりますと、お手元にあります通り、「予算総額の増額修正、委員会の提出若しくは議員の発議にかかる予算を伴う法律案」のあと、「又は法律案に対する修正で、予算の増額を伴うもの若しくは予算を伴うこととなるものについては」という、これだけがその場合の中に入ってくるのであります。それを入れまして、こういうものについては「内閣に対して、意見を述べる機会を与えなければならない。」、こういうように、はっきりその場合を書き改めただけであります。
第五十九条も本院のまま、第六十一条の第二項も本院のまま、第六十五条第一項も本院のまま、第六十八条もこちら通り、第七十三条も本院のままであります。それから第八章の自由討議等を廃する場合も本院のまま、第七十四条、七十五条、七十七条、七十八条も本院のままであります。
それから第八十三条の二でございますが、これは御承知のように、法律案につきまして両院の議が合わないときには、三分の二議決で、衆議院の法案が法律になるわけであります。その場合に、否決を受けた場合、修正を受けた場合、直ちに三分の二議決をどしどしやってしまわずに、前項の場合においては両院協議会をとりあえず設けまして、両院の妥協点を発見させるという道が憲法に入れてございます。その場合に、両院協議会で成案ができない場合、もしくは否決を受けたような場合には、この法案を返してしまって、さらに三分の二議決するかどうかという点を審議願うということであったのでありますが、その中で「又は両院協議会の成案」という字句だけをとってもらいたい、こういうことに相なっております。これは憲法の解釈上、ただいま申しました両院協議会に両院の譲の合わない法案をかけました際に、両院協議会に一たんかけたならば、すぐに衆議院側では三分の二議決ができないじゃないかという議論が起っておるわけであります。そういう学説もあり得るわけでありますので、従って、その場合の学説がまだはっきりしていないのに、ここにそういうことをうたってしまうのは行き過ぎであろう、従って、将来そういう場合に三分の二議決を衆議院側がやった場合、もしくは憲法上の解釈の一定した場合にこれを差し込んでもおそくはなかろうということで、一応今のところとっておきたい、こういう御議論でございます。この問題につきましては、衆議院側では当初本委員会で問題がありまして、こういう場合に三分の二議決ができるかできないかという御議論があったのでありますが、両院協議会を開く法文は、憲法制定の際に、あとから参議院側の申し出に基きまして本院が入れて、承認を与えた修正の法文であります。両院協議会を開くことを求めることを特に「妨げない」という字句を使いましたのは、直ちに三分の二議決をやってどしどしやりますと、参議院の存在というものを無視して、あまりにも衆議院の優先権を使い過ぎるから、その間に妥協のために両院協議会の道を開いてくれ、こういうことでこれを入れたわけでありまして、これがあるから三分の二議決ができないという解釈は、衆議院では、当委員会でも御決定願いまして解しておりませんけれども、そういう議論が残っておるわけでありますので、一応これは今のところ省いておくということに御決定願いたいと思います。しかしながら、これをむしったから衆議院側で三分の二議決ができないということを了承したということにはならないと私どもは考えております。当時これを入れます経緯等から考えまして、三分の二議決をする前に、まず両院協議会にかけて、そこでどうしても議がまとまらない場合には三分の二議決が残っておるではないかということで、この法文が入ったのでありますから、衆議院側としては、この法文を、第三項があっても、これにかけても、やはり三分の二議決はできるものなりということに御了承願っておきたい、こう考えておるわけであります。それで第八十三条の二の中から、両院協議会の成案が衆議院に返付されるという字句だけは省くことになりました。
第八十三条の三の中で、回付案というのにカッコをいたしまして、「(成案を含む)」と書いてありますが、従いましてこの「成案を含む」というものもむしっていただくということで、一応妥結を見ております。右御了承を願いたいと思います。
第八十七条は字句を整理いたしまして、「第八十三条第二項」というものを「その旨」という字句に直しただけであります。
それから第九十一条でございますが、第九十一条は、まず両院協議会を求めました場合に、三分の二以上おのおのの院から協議委員が出ませんと、所期の協議会が開かれませんので、そういう場合に、向うが欠席をした、あるいはこちら側が欠席をしたというために開くことができなかった場合には、協議会は開いたけれども、意見が一致しないとみなしたのでありますが、これは一応ひどかろうということで、参議院の案のように、もし二度も催促いたしまして出席しない場合には、その協議委員は辞任したものと一たんみなしてしまって、それからその協議委員の属する議院が補欠選挙を行うということにすれば、そういう点が除外されますので、そういう点で一応お願いをいたしたいという参議院の申し出がありまして、本院といたしましても、第九十一条の一項だけは一応今回は預かりまして、そういう方法で運営をしていこうということで、小委員会等で御協議願った案でございます。従いまして、この点は参議院の申し入れ通りにお願いをいたしたいと思います。
次に、参議院の緊急集会の方を全部ここにまとめまして、参議院側の案に、こちらの方の少しの字句の修正をお願いいたしまして第十一章は固めました。そういうことでお願いをいたします。
それから第百四条、第百六条、これは本院のまま、第百八条、第百十条、第百十四条も本院のままであります。参議院の緊急集会に関連する警察権が入っておりましたが、閉会中並びに開会中、各議長に警察権がありますので、当然参議院の緊急集会もこの中に入るということで、この字句は削除いたしました。
第百十五条も本院のままであります。
第百二十一条は、参議院側と衆議院側との懲罰委員会と懲罰動議の関係であります。衆議院側では「四十人以上」の賛成であるが、参議院の方はその半数の「二十人以上」の賛成で懲罰動議を出せるようにしております。
次は第百二十六条でございますが、御承知のように弾劾裁判所は、憲法に基きまして両院から同数の裁判官が出ております。訴追委員の方は、現在では衆議院の議員の中から出ております。これを弾劾裁判所と同等の取扱いを願いまして、参議院と衆議院と同数の訴追委員で構成をいたしたいという強い申し出がありました。一応弾劾裁判所と訴追委員会の方を歩調を合せるということにお願いをいたしたいというのであります。従いまして第百二十六条と第百二十八条は、参議院の案をのむということにおきめ願いたいと思います。
第百三十二条、第百三十三条は本院のままであります。
それに付加いたしまして、この法案が通りますると、図書館運営委員会というもので従来やっておりました分は、議院運営委員会でやりますから、「図書館運営委員会」とありますのは、全部「議院運営委員会」と読みかえるということと、地方自治法の方で、多少一部改正しなければならない部分を附則の中に入れていただく、こういうことで両院とも歩調が一致したのであります。従いまして、訴追委員会は両院で同数にします関係上、お手元にあります印刷物の第二十四ページ以降の裁判官弾劾法等で、それに関する条文だけの修正を附則の中でお願いいたしたい、こういうことに相なっておりますから、御了承願いたいと思います。
以上で一応の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/54
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055・山本幸一
○山本(幸)委員 これははなはだ失礼な話ですけれども、実はこれは、すでに衆議院を通過して参議院で流れた問題で、ここでわれわれが蒸し返しておることは許されぬことだと思います。そういうことを私は前提に、良心的に解釈して、すでに参議院側とも話し合いの結果、事務総長が申されたように、相当幅広く参議院側の意見をのむ。そこで参議院側の小委員会でただいま問題になっておりますのは、第三条の臨時会の修正の問題と、委員会の傍聴の非公開、公開の問題なんです。この二つの問題がいろいろ議論を重ねられておるわけですが、そこで第三条の臨時会の修正の問題については、一応現行通りで参議院は了承した。今のお話によりますと、残っておる問題は、委員会の公開、非公開だけの問題で、これがただいま小委員会の問題になっておる。しばらくその返事があるまで待ってくれという要請が、参議院側からこちらに来ておる様子らしいのです。これは私どもの左派の参議院の小委員が問題にしているらしいのですが、私としては、この前御承知のように、まん中の欄にありますように、「委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務のため委員長の許可を得た者は、この限りでない。」とあるのを、私の方で修正してもらったわけです。それを下の方に修正して、せっかく衆議院側の了解を得てでき上ったわけです。ところが私の方の参議院の小委員は、どうしても原則が非公開であってはよろしくないという。私は現行とは変らないじゃないかと説明をして、いろいろ参議院側と折衝したのですけれども、少くともこちらの修正案では、議員のほかは傍聴を許さないというはっきりした前提があるのだし、非公開原則になっておるからということで問題になっておるらしいのです。これはすでに私どもは了承してきめたやつですけれども、いかがでしようか。現行のような形で話ができれば全部済んでしまうわけですが、この点、配慮してもらうようなことはできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/55
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056・菅家喜六
○菅家委員長 今になってはちょっと無理でしようね。これはかなり協議を重ねてそこまでいったのであって、私どもは、やはり非公開の原則はどこまでもやりたいということで、今までの話のような事情があった。そこは一致の意見でやりたいということでいろいろ協議して、これが穏当であろうということになったわけであります。今になって、一応代議士会でも総務会でもきまっておるのに、そういうことをやることはもとに戻すことであるし、これは一応大綱だけはまとまったものであるから、ちょっとむずかしいんじゃないかと思います。具体的の個々の問題は、次の機会にでも訂正できることであるから、きょうはこれを認めてもらいたいということで、総務会等も通して来たわけです。いろいろ議論がありました点はもっともな点もあるけれども、次回において個々の問題は直せるじゃないか。せっかくここまできたのだし、それを了承してきたのですから、そういう点で御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/56
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057・山本幸一
○山本(幸)委員 私は、そういうことを申し上げるのはまったく心臓の強い話かもしれませんが、そういう意見があったものですから……。ただそれが無理だということであれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/57
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058・中野四郎
○中野(四)委員 ちょっと伺いたいのは、第五十六条の、予算を伴う法律案を発議する場合の見解を明らかにしてもらいたい。僕はわからないのですが、関連的にでも予算を伴う場合は、全部入るわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/58
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059・大池真
○大池事務総長 法律案を出しまして、それが法律となって、その法律を施行するために予算が必要だ、予算の裏づけが必要だというものは、みんなこれに入るわけであります。たとえば、前年度の予算が通ってしまって、その予算の範囲内でやれる場合は問題でありません。そうでなしに、この前の臨時国会の場合にもいろいろ救済法ができましたように、その法案が通れば、どうしても政府がそれだけの予算を計上しなければならぬというものは、全部これに入るわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/59
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060・中野四郎
○中野(四)委員 例をあげて聞くと、たとえば、僕の最近関係のあったダイヤモンドの法律みたいなものを出す場合、それには予算は伴いませんね。ただそれを審議する審議会を作る場合に金が要るんです。その審議会を作るのに金が要るというのは、やはり予算を伴うということになるのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/60
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061・岡田春夫
○岡田(春)委員 それは委員手当が要るから当然……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/61
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062・中野四郎
○中野(四)委員 そうすると、たとえば審議会を作るとか、審査会を作らなければならぬ、それにも微々たるものであるが、予算を伴うわけです。それも五十人以上の議員でなければならぬということになると、議員の立法権を非常にみずから圧縮する形になるわけですね。政党議会である場合、それはなるほどそうであろうけれども、しかし議員は、おのおの権限を持って出てきたのだから、本来からいえば、三人でも五人でも発議ができるということが当りまえだ。しかし便法上、そういうものを考えることはわかりますけれども、予算を伴う法律案を発議するにはという、この範囲をもう少し明らかにしておいていただかないと、後日いろいろな問題が起る傾向があるのじゃないかとかと思うから、説明を求めているわけです。反対、賛成をここで議論するつもりじゃないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/62
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063・菅家喜六
○菅家委員長 その問題もかなり長く、一年以上にわたって各党で問題になったのです。今の場合、その問題はこれに入ると解釈をせざるを得ないでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/63
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064・中野四郎
○中野(四)委員 そうすると、決議案以外のものは、ことごとく予算を伴うということになるでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/64
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065・菅家喜六
○菅家委員長 そうでもないでしよう。そういう場合もありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/65
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066・大池真
○大池事務総長 第五十六条によりますと、今まで議案を出すのは一人でもよかった。それがすでに二十人以上になったわけです。普通一般の何でもない議案を出すのも二十人要るわけです。たとえば決議案を出すにも二十人要るわけです。そこで予算を伴うものは二十人じゃいけない、さらにもっと要るのじゃないかということで、いろいろやった結果、五十人ということになったわけです。中野さんのおっしゃるように、どうしても予算を伴うのだから、普通の議案は二十人でいいけれども、予算を伴うという見解に立もますと、五十人以上の者が——他の党の者まで入れてもらっても、とにかく五十人頭をそろえなければ議案として一応受け取れない、こういう結論になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/66
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067・中野四郎
○中野(四)委員 これは、議院の立法権に対して、みずからが、著しく制約を加えるということは、あまり芳ばしいことではないが、御時世だから、諸君の方で圧倒的におきめになるならば、これもいずれ時の来るのを待ちますけれども……。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/67
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068・菅家喜六
○菅家委員長 そのあとの言葉がよろしくないですね。末端の言葉が気にいらないんですが……。(笑声)それではこの問題は、小委員会で一年以上にわたって審議をいたしまして、不満足な点も多々あるのでありますが、ようやく各党間の一致を見、参議院との折衝の経過等にかんがみて、まずここに最終段階に到達した次第であります。これを運営委員会としては、ただいま事務総長の御説明の通り、お手元に配付した印刷によって、国会法改正として本日上程することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/68
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069・菅家喜六
○菅家委員長 御異議がなければ、さよう御了承願いたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/69
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070・田渕光一
○田渕委員 ちょっとその前に、事務総長に伺っておきたいことがあります。それは第八十三条の二の——これは二十八ページか二十九ページになるかと思いますが、「又は両院協議会の成案」を削除いたしますと、八十三条の三の「(成案を含む)」というその成案が、こちらに返ってこないのではありませんか。占領下の憲法制定のときと、独立後の憲法第五十九条は基本的な差はないが、独立後の参議院のあり方等についても、制定当時の精神と異なったあり方について、幾多の議論があったことも御承知の通りであります。あれこれ勘案いたしますると、三分の二議決という規定について、第一院たる本院の審議権が少々おかしいような感じに解釈されるのであります。そこで両院の解釈を統一しておくことが、将来の解釈上に疑義が生じた場合必要であると思うので、これを明確にするために、この際事務総長から、念のためにこの点をはっきりこの機会にお話いただきたいと思います。それに対して私は納得したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/70
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071・大池真
○大池事務総長 ただいまの田渕委員のお話は、八十三条の二のところで、両院協議会の成案を否決したときは、その議案を衆議院の方へ返付してもらいたいということになっておったのを、「両院協議会の成案」をむしってしまった場合には、それが返ってこないのじゃないかという場合もあり得るわけであります。問題は、憲法第五十九条に、「前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。」ということになっておりまして、これは求めても求めなくてもいい。求めた場合には、その求めたものが両院協議会の成案とならなかった場合に、三分の二議決の前に戻れるか戻れないかという重要な問題がございます。当時参議院の修正を入れました経緯並びにこの字句の解釈は、こういうことを求めて求めなくてもよろしいというのですから、求めても求めなくても、三分の二議決で法律となるという第二項のある限りは、三分の二議決ができた場合には、当然にこの二項に基いて法律となる。こう解釈をしておるのであります。しかしながら一方においては、こういう選択権をすでに衆議院に与えてあるのだから、選択をして両院協議会に移したからには、両院協議会の取扱い通りになって、もとへ戻るわけにいかぬという議論も、なし得ないわけではございません。従って、そういう点がいまだ憲法の解釈も確定しておらない。また事例も一度もない。その事例もない場合に、必ず戻れるという前提を出すのは、少し行き過ぎるのではないかというのが参議院の考えなのであります。私どもとしては、少くともこれを入れたからといって、憲法違反だとは考えておりません。しかしながら、ただいま田渕委員のおっしゃるような議論もございますので、その際両院の議論を確定した上でこれを除く、これが一番いいことでありますが、その確定をするのが困難だと思います。やはりいろいろ議論がありますので、今これを除いたから、それでは三分の二議決ができないという議論もできませんし、これを入れても、それでは三分の二議決ができるのだという議論も直ちにはできません。それで三分の二議決をする前提として、成案を返してもらうということにして間違いないと思います。これがあるから、それでは三分の二議決ができるかできないかということは、間接の論拠になりますが、直接の理由としてこの規定を入れてあるわけではないので、問題はやはり依然として残っておるのであります。従いまして衆議院側といたしましては、最も大きな三分の二議決権の問題でありますから、これを放棄したという解釈で、これを削ったわけではありません。その間、これがあるために両院で議がまとまらないで、成案が急には通らないという現状に即しまして、一応これを除いておくという点のみに集中しておるわけであります。その点は、三分の二議決をいたした場合に、これが憲法違反であるかないかということは、やはり争いの種にはなると思いますが、それは三分の二議決をするかしないかというときになって、初めて両院で打ち合せを願う以外に、解釈の手がないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/71
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072・田渕光一
○田渕委員 なお念のために……。事務総長の説明は大体了解されましたが、憲法の解釈上に、いろいろ学説もあるのでありますから申し上げたわけであります。しかしながら、これを改正することによって、従来保持されておった衆議院の第一院という審議権は、この改正によって、より以上民主的に、あるいは今まで運営している以上によくなるのか。この文字を削除するために、独立後の参議院の運営のいき方において、世評もあり、私も非常に参議院の運営には疑いを持つのであります。すでに行き過ぎがあったのではないかと私は解釈するのでありますが、この法文を入れないと、参議院がより以上、第一院たる衆議院にくちばしをいれてくるのではないか。そういうことはなかろうと思いますけれども、その点のお見通しはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/72
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073・大池真
○大池事務総長 ただいまの田渕委員の御心配は、ごもっともだと思います。私の方では、これを入れた方が一段論拠が強くなると思って入れたのでございますが、これを入れなければ、現在よりも悪くなるということではございません。現在と、まずその点は同じ状態が横ばいになるわけでございます。従いまして、これはむしろ本院としましては、第五十九条の三項というものは、五十九条の二項を行使する前提にこういう道を開くことを認めてあるのであって、両院協議会に移したからといっても、それがただ妥協を得ればそれに従う、得ない場合には三分の二議決ができるという強い信念で、本院の権威のためにお進み願いたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/73
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074・菅家喜六
○菅家委員長 それでは、国会法はこれで満場一致可決されましたので、本日上程に決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/74
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075・菅家喜六
○菅家委員長 なお、本日の日程を事務総長より御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/75
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076・大池真
○大池事務総長 本日の議事日程は、各派御一致で先ほど御決定を願いました褒賞制度拡充に関する決議案、これを第一に上げていただきまして、それから日程に上っております第一、中央選挙管理会委員の指名の件、これは延期をお願いすることにいたします。それから次に、公職選挙法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案が日程に上っておりますので、これの上程を願って、趣旨弁明は久保田鶴松君がおやりになります。日程といたしましては、これで終ります。
そこで、ただいま御決定願いました国会法改正の法律案をお願いいたしまして、これは当委員会は満場一致でございますから、委員長提出の形でお願いをいたします。委員長報告のあと、もちろん委員会審査省略をお願いいたし、さらに参議院の方に送りました際に、参議院の方でも委員会審査省略をしてこれを御決定願うように、院議をもって要求をしていただきたい。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/76
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077・菅家喜六
○菅家委員長 それでは別に御異議もありませんから、そのようにいたします。
本会議は四時十五分でいかがでしようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/77
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078・菅家喜六
○菅家委員長 それでは、そういうことにいたします。
明日は午前十時理事会、十一時議院運営委員会を開きます。
本日はこれにて散会いたします。
午後時三時四十八分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102104024X00819550121/78
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