1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年一月二十三日(日曜日)
午後二時四十六分開会
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委員の異動
本日委員永井純一郎君及び田畑金光君
辞任につき、その補欠として東隆君及
び村尾重雄君を議長において指名し
た。
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出席者は左の通り。
委員長 寺尾 豊君
理事
伊能繁次郎君
加賀山之雄君
矢嶋 三義君
寺本 広作君
委員
大谷 贇雄君
剱木 亨弘君
榊原 亨君
高橋 衛君
松岡 平市君
横川 信夫君
上林 忠次君
小林 武治君
高橋 道男君
森田 義衞君
大和 与一君
東 隆君
村尾 重雄君
三浦 義男君
鈴木 一君
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議長 河井 彌八君
副議長 重宗 雄三君
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事務局側
事 務 総 長 芥川 治君
参 事
(事務次長) 河野 義克君
参 事
(委員部長) 宮坂 完孝君
参 事
(記録部長) 丹羽 寒月君
参 事
(警務部長) 佐藤 忠雄君
参 事
(庶務部長) 渡辺 猛君
法制局側
法 制 局 長 奧野 健一君
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本日の会議に付した事件
○常任委員の辞任及び補欠に関する件
○中央選挙管理会委員及び同予備委員
の指名に関する件
○職員任用の件
○国会法の一部を改正する法律案の委
員会審査省略要求の件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/0
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001・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 会議を開きます。
常任委員の辞任及び補欠に関する件。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/1
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002・河野義克
○参事(河野義克君) 自由党から、文部委員の大谷贇雄君、外務委員の大野木秀次郎君が辞任せられ、文部委員に大野木秀次郎君、外務委員に大谷贇雄君を指名せられたいというお申し出が出ております。
日本社会党第四控室から、文部委員の久保等君、電気通信委員の小笠原二三男君、通産委員の藤田進君、経済安定委員の海野三朗君、建設委員の秋山長造君、地方行政委員の若木勝藏君がそれぞれ辞任せられ、文部委員に小笠原二三男君、電気通信委員に久保等君、通産委員に海野三朗君、経済安定委員に藤田進君、建設委員に若木勝藏君、地方行政委員に秋山長造君を後任として指名せられたいという申し出が出ております。
日本社会党第二控室から、文部委員の相馬助治君、郵政委員の三木治朗君、地方行政委員の森下政一君、農林委員の永井純一郎君、予算委員の東隆君、決算委員の村尾重雄君、議院運営委員の永井純一郎君、同じく田畑金光君がそれぞれ辞任せられ、文部委員に三木治朗君、郵政委員に相馬助治君、地方行政委員に永井純一郎君、農林委員に森下政一君、予算委員に永井純一郎君、決算委員に田畑金光君、議院運営委員に東隆君、同じく村尾重雄君を後任として指名せられたいという申し出が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/2
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003・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/3
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004・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) さよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/4
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005・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名に関する件。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/5
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006・河野義克
○参事(河野義克君) 去る一月二十一日、内閣総理大臣鳩山一郎君から河井参議院議長あて、「中央選挙管理会委員に任命されていた柏正男は本月八日同委員を辞任したので、後任者及び同予備委員の任命について公職選挙法第五条の二の規定により国会の議決による指名を求めます。」という通告に接しております。中央選挙管理委員会委員及び同予備委員の指名は、法律の規定によりまして両院に多数の勢力を有する会派から推薦を得て、その推薦に基いて両院で指名することになっております。
当該柏正男君が左派社会党からの推薦に基く方であって、後任については日本社会党中央執行委員長鈴木茂三郎君から、委員として芹澤彪衞君、予備委員として岡崎三郎君が推薦されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/6
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007・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 両君の中央選挙管理委員会委員及び同予備委員の指名を求むることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/7
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008・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) さよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/8
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009・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 常任委員会専門員の任用に関する件。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/9
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010・芥川治
○事務総長(芥川治君) 外務委員会の専門員神田襄太郎君がポルトガルの公使に任命されますので辞任されます。その後任としてお手許にお配りしてあります渡辺信雄君を外務委員長の方から御推薦になっております。
渡辺信雄君は履歴書でごらんの通り外交官として長く就任されておりまして、その後大蔵省の給与局に勤務されて今日に至っております。外務委員長からは外務委員会の専門員としては最も適当であるというのでご推薦いただいたのであります。議院事務局法の十二条に基いて本委員会の承認をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/10
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011・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) ただいま事務総長より御報告申し上げました渡辺信雄君を外務委員会専門員に任用することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/11
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012・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/12
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013・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 法律案の委員会審査省略要求に関する件。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/13
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014・芥川治
○事務総長(芥川治君) 国会法の一部を改正する法律案につきまして衆議院議長より参議院議長あてに二十一日付をもって委員会の審査省略の要求書が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/14
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015・矢嶋三義
○矢嶋三義君 議事進行上発言いたします。
その案件を諮ることを後刻に回してその前に参議院で設けられておりました国会法等改正に関する小委員会の小委員長に対しまして、若干お伺いいたしたい点がありますので、それを先議していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/15
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016・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 矢嶋君の議事進行に関する要求を認むるに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/16
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017・矢嶋三義
○矢嶋三義君 国会法等改正に関する小委員長が長きにわたって非常に御努力をなさった点に対しまして敬意を表します。若干小委員長に伺いますが、まず第五十二条の委員会傍聴者の件については各会派によっていろいろと意見があって、最も議論が沸騰した条項であると承わっております。衆参との打ち合せの結果、何らかの結論に達したと承わっておりますが、現段階において全面的に委員会の傍聴を禁止することは適当でないと、こういう強い要望をする委員もあって、結論としては報道の任務に当る者その他の者で委員長の許可を得た者については傍聴を許されると、こういう表現をすることによって運営の面においては実質上現行法と変るところがないと、こういうふうに小委員会においてお話し合いがまとまったと、了承しているわけでありますが、相違ありませんか、念のために承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/17
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018・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 矢嶋委員の御質疑の通りだと思います。これはこの参議院の小委員の各位に御審議を賜わったときに、これを秘密会にすべきだという御意見と、公開すべきだという御意見がありましたが、衆議院にも同じくさような意見があったようであります。しかしただいま矢嶋さんがおっしゃったように公開すべきだ。公開の原則をどうしてもとってもらわなきゃならないという御意見も相当強かった。そういうことによりまして衆議院において今回回付して参りました「委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない。」「委員会はその決議により秘密会とすることができる。」ごらんの通り現行法に比較をいたしますると、原則が非公開のようにはなっておりますけれども、矢嶋さんも御指摘のように運用においては、委員長の運用いかんによっては決して秘密会という感じがしないのであります。殊に「委員会は、その決議により秘密会とすることができる。」という最後の項も設けてありますので、この点につきましては矢嶋委員の、運用次第ではこれを秘密会というようなものではなく公開の原則に沿い得られるものだと、かように解釈ができるのではないか。またこの国会法の小委員会におきましても、さような御意見が多数であったことは、その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/18
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019・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に、現行法の四十二条において二十二ありましたところの常任委員会が、国会法の小委員会の検討協議の結果十六常任委員会に縮小されると伝えられております。これはまた審議の過程において非常に議論のあったところでありますが、この常任委員会を縮小した最も大きな理由は、現行法においては常任委員十人の小委員会があるが、これではやはり適当でない。できるだけこの常任委員の数を多くしなければ、委員会の成立その他に不便があるということと、それから、かっての国会では一読会、二読会等の主義をとっておって議員各位は広く案件について審議する機会があったわけでありますが、二十二の委員会に分散することによって審議に接触する面が狭くなるので、できるだけ多数の常任委員会制をとりたいというところが、これが一つの理由であったと思います。さらにもう一つの理由は、現在の常任委員会の編成が行政府の行政機構と一対一で結び合っている、その場合にいい点もあるが欠点もあるので、これを是正する意味においても多数常任委員会制が適当だというような立場で進まれたと承わっておりますが、いよいよこの十六の常任委員会で国会を運営していく場合に、それぞれの常任委員会でさらに何々小委員会、何々小委員会というのをたくさん作って、そうしてその常任委員会の審議が小委員会を中心に審議がかかっていった場合に、親委員会の全委員がその案件の審議に接触する面というものは従来より狭められて来て、結論としては、小委員長の報告に御異議ございませんか、異議なし、異議ありということで進められては、十六の常任委員会に縮小した当初の狙いというものは失われてくると思うのです。従って私はこの十六の常任委員会を運営していくに当っては、みだりに小委員会制をとることは、改正の趣旨からいって慎しむべきではないか。ただしこの中で非常に問題がありましたが、私の党から出ている小委員としては、わが国の国情その他からいって、農林と水産とは合せるべきでないと、また厚生と労働とも合わせるべきでない、これは別個にすべきだということを意見として出して来て参ったわけでございまするが、結論としてそういうことにまとまることができません。しかしこういうような議論のあった、また実際委員会を運営していくに当って、農林と水産等は、小委員会というものが必要になって来ましょうが、こういうような、私一、二の例をあげましたが、場合を除いては、小委員会というものはみだりに設けないで運営することが、このたびの常任委員会縮小の精神に沿うものだと、こういうふうに考えるのでありますが、審議の過程からいって、小委員長はいかように把握されておるか、念のために承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/19
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020・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 矢嶋委員の御意見の御趣旨は私としても全く同感であり、またさようだと申し上げてよいと思います。従いまして各常任委員長並びに所属の委員が、この改正の目的を了解され、この運用を、ただいま矢嶋委員が言われたようにその弊害をなくし、高度の運営のできるようにされることを私自身も期待しておるし、またそういう趣旨をもって各委員とも、かような結論を出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/20
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021・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に現行法の四十一条すなわち議員が何個の常任委員をとるかという条項でございますが、衆議院で決定いたしました改正案、すなわち四十二条を拝見いたしますというと、現行法と非常に表現が変りまして、この文章に関する限りは、内容的にも相当変化を来たしているようであります。伝えられるところによりますと、規則を設けて運営に支障ないようにするというやに承わっておるわけでありますが、そこで小委員長は、小委員会の結論というものをいかに把握され、今後出されるところの参議院規則をいかような決定の線によって出されようとするかという点について伺うのでありますが、それは現行法の精神からいって、考え方からいって、改正四十一条の十六の常任委員会のうち、各議員は、第一番目の内閣委員会から、第十二番目の建設委員会までのこの十二の常任委員会のうちの一つを必ずとると、そうして院の運営上一人の委員が二個以上の常任委員を兼ねる場合には、十三の予算委員会以後十六の懲罰委員会のこの四つの常任委員会のうちの一つをとると、そうして一人の委員は二個以上の常任委員はとらない、こういうことにまとまり、その考え方のもとに参議院規則が改正されるものと了承してよろしいかどうかということを念のために承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/21
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022・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 矢嶋委員のただいまの御指摘にあった通りであります。さように参議院規則を改正をいたすということは、すでに小委員会でもそのように御意見を賜わりまして、ただいま矢嶋君のおっしゃる通りに参議院規則を改正しようという方向に進んで行くわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/22
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023・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に承わりたい点は、現行法の第四十三条、すなわち各常任委員会に置かれているところの職員に関する件でございますが、現行法では、少くとも二人の専門員と調査員、調査主事を「常置する。」となっております。この通りに現在常置されているわけでございます。ところがこのたび改正され提案されると伝えられているところの改正案では、専門員、調査員、調査主事を置くことができる、「置くことができる」と改正されるやに承わっているわけであります。そうしますと、現在衆参の常任委員会には常置するという立場から、専門員二名以下多数の職員がその職につかれておるわけでありますが、しかもその改正は第二十二国会から適用されるとなっております。そうしますと、予想される解散、総選挙後、少くとも三十日以内に第二十二特別国会が召集されるわけでありまして、それと同時に実施されることになりますというと、現在常任委員会に勤めておる職員は、今後いかようになるのかという点については多大の関心を持たれていると思うのでございます。従ってこの改正がなされるに当っては、現在の職員をいかように再編成、いかように取り扱われる大体の構想のもとに改正されようとしているのか。その点をある程度承わっておかないと、今後の事柄を運んで行くに当って混乱を生じてくるやに思いますので、念のために小委員会において討議され、申し合せとしてまとまったような事項について承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/23
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024・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) この点は、小委員会でも御了承を賜わり、またそれについてのいろいろの御意見があったのでありますが、本法が第二十二国会劈頭に効力を有するということだから、直ちに専門員その他が失格をするとか、あるいは減るんだということではなくて、専門員制度を検討をする、たとえば専門員を各委員会とも一人にしようじゃないかというようなことは、衆議院と本院とにおいて、おおよそそういうような意向がまとまったような、まとまったというのでありませんが、同じような意向を持っておるのであります。従いまして本法施行後においては、やがてはこの専門員が、あるいは減員になり、その他にも若干の異動等があるかもしれません。またあるのでありましょう。しかしながらそれらについては、事、非常に各関係の一人々々にとっては、相当重大なことでもありますので、その減員になる場合における配置転換、あるいはそのほか何らかそれについての十分な考慮を払っていかなければならぬのではないか。それらにつきましては議長、総長、また衆議院側ないしは関係皆様とも相談をして、大きな刺激を与えるとか、非常に不利な立場に置くとかということのないように、十分考慮をしてきめていくべきものだ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/24
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025・矢嶋三義
○矢嶋三義君 念のためにもう一回この点について承わりますが、新国会においては常任委員会中心主義の審議が進められ、常任委員会に専門の職員を相当数置くことによって議院のサービスをしているという点は、大きな特色があると思います。両院で常任委員会の制度を研究、協議される段階に個別的には常任委員会の職員の減、縮小、更にはこの常任委員会におるところの職員と、それから国会図書館の立法考査局の職員とを統合的に活用してはどうかというような意見が出、専門員室の機構縮小というような意見が個別的に出たやに承わっておりますが、私は、私の党の代表からその審議の過程において強く主張されたのでありますが、このたび常任委員会二十二を十六に縮小は、先ほど申し上げましたような考え方の下に行われましたが、この専門員室の内容面の充実という点については何ら変らないのだ。この専門員室の機構を非常に縮小する、議院のサービス機関も縮小するというような意見のまとまりというものはなかったのだと。こういうふうに私は伝え聞いているのでございますが、これは議院の審議を能率的にまた促進する意味においても、非常に重大な関係のある問題でありますので、重ねてこの点承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/25
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026・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 御審議を賜わる過程においては、さような点も論じられたのであります。ただいま御指摘の国会図書館における立法考査局、これらに、専門員にもしも減員があった場合に、それらのエキスパートをそういうところにプールして、そうして国会の、議院の調査に万全を期する、こういうことも大きな御意見としてあったわけであります。なお専門員がその後数名辞職をせられた。そういうことにおきましても、それを補充することを最小限度にとどめておるわけでありまして、なお、ただいま御指摘のように調査について十分内容を充実しようという御意見も、相当多数、強く要望がありますので、これらにつきましては、十分両院議長、総長、又関係各位と御相談をして処理をしていくべきだと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/26
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027・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に承わりたい点は、現行の三十六条でありますが、「議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる。」となっております。この問題については、長い期間にわたって両院でそれぞれ協議されたことでございますが、このたびの両院の話合いでは、多年問題になっておりましたこの点については、次期国会においていかにすべきか慎重審議するということが、話合いとしてまとまっているやに承わっているのでありますが、さようかどうか、念のため承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/27
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028・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) この点は小委員会でも、今期国会に国会法を改正するということに、非常に小委員各位の御努力をいただいたわけであります。そうして、これを衆議院に送って、衆議院が参議院の要望するところのものを大体いれて、この国会法がこの国会で成立するという見通しがついたわけであります。その節委員の御意見として、ただいま御指摘の議員の退職金に関する法律案、これは今日まで長く審査を賜わって参ったのでありますが、国会法と不可分の形においてこれが審議をなされて来たということにおいて、その一法である国会法が、今期国会にこれを成立させるということになれば、退職金に関する法律案、またできるだけ近い将来、いわゆる具体的に申し上げれば、次期国会においてこれを成立をせしむるべきではないかということを衆議院にも連絡をしようと、せよと、まあこういう御意見でありまして、事務当局からもこの点は伝え、私からも伝えまして、この点については、両院で協力をして、それに善処をして行く、さような方向に進めて行こうということになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/28
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029・矢嶋三義
○矢嶋三義君 六十九条の、政府委員の任命、承認の件でありますが、この点については、再三再四参議院としてはいろいろ意見が出、政府側にも要望したところであります。すなわち政府委員としては若干名を国会は承認いたしますが、それ以外に説明員、その他の名目において行政府の公務員が多数国会においでになる。そうして極端な場合には、種々の委員会はほとんど説明員によって答弁がなされ、会議が継続されている。で、真の政府委員であるところの大臣その他の方の答弁というものはきわめて少いというような、こういう運営がなされ、従って行政府は国務大臣、課長以下大多数が立法府にくる関係上、国会の開会中には行政府の行政事務が渋滞する。また一方その説明員に寄りかかって、政府委員の勉強も不十分な点が現われてくる、こういうような立場から、今後国会においでになるところの政府機関の公務員は、できるだけ正式に承認されるところの府政委員に限定し、特例の場合に限って説明員の出席を許す、その政府委員によって、十分議員諸君の質疑に答えられるように、政府委員はよく研究して会議に出席すべきだと、こういうことがたびたび述べられ、国会法等小委員会においても議せられたということを承わっているわけでありますが、この点に対する衆参の確認はいかようになっているか。これは一院だけではできないことでありまして、国会として、衆参通じてそういう確認が国会法を審議する場合になされ、またこれが実施されて行くことが望ましいと、こう考えるわけでありますが、小委員会においては、いかように確認されたということを承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/29
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030・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) この点は、参議院は矢嶋さんの指摘したように、政府委員任命については、きわめて厳格であるのであります。かつてこの議運の理事会におきましても、資格のないものは、政府委員として認めないというようなことを御決定を賜わりまして、現に河井議長の手元においては、きわめて厳格にやっておる点であります。この点は若干、衆議院がなんと申しまするか、説明員等を政府委員等のかわりに使うというようなことについて、こちらに要望等もあったこともありましたが、この法規改正に当りまして、特に矢嶋君の御指摘になったようなことは、参議院の関係各位の、特に関心を持ち、しかもこれを厳格に取り扱うべきだという理事会等の申し合せもありますことを伝えまして、衆参両院ともに、さように取り扱っていこう、きわめて事を厳格に取り扱っていこうと、こういうことになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/30
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031・矢嶋三義
○矢嶋三義君 最後に伺います。最後であります。
一年の長きにわたって、この国会法が協議審議されて参ったわけでありますが、くどくど申し上げるまでもなく、国会法は議員が国会内において活躍するところの根拠法規であり、いわば議員にとっては、憲法にも匹敵すべきものでございます。特に終戦後の国会の運営というものは、従来の日本の国会の運営とかわって、非常にガラス張りになったその結果、国民の、すなわち主権者は、非常に政治というものを身肌に感ずるようになって、民主政治というもののその芽が成長しつつあると、こういうように考えるわけでございます。
あれこれ考えるときに、国会法の改正等を行うに当っては、国民の一般的関心を呼ぶような、たとえば陳情、請願あるいは会議の傍聴、こういうような問題について、やや本質的な改正等を行うというようなことにおいては、今後公聴会等を開くというような手段も一つの方法でございましょうし、要するところこの国会法の改正等は、このたび慎重審議したわけでありますが、今後もこれ以上にまして慎重な取扱いをなさるべきものだと、こういうように考えるのでありますが、小委員長の御見解を最後に承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/31
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032・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) 多数の御意見に従って、矢嶋君のただいま御指摘になられましたような御趣旨に向って、万全を期していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/32
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033・松岡平市
○松岡平市君 ただいまの質疑応答のうち一点だけ、はっきりしておきたいと存じます。
それは四十一条の常任委員の小委員会設置の問題について、矢嶋委員の御発言中、たとえば農林水産、社会労働委員会のようなものの、併合について非常に論議のあったものは別だが、その他の委員会においては、みだりに小委員会等を設置して本委員会を少くして、すなわちセクショナリズム、あるいは各省出先機関の委員会のような感じを与えた弊害を除去する趣旨を滅却せぬように、こういう御発言で、それに対してその通りである。こういうふうに小委員長の御発言がありましたが、「これらは別として」という、二つの農林水産委員会、あるいは社会労働委員会については、これは別だが、こういうような趣旨の御発言がございましたけれども、われわれの承知している限りでは、この二つの委員会といえども、別段これは特に小委員会を開いてもいいんだというようなことにはなっておらぬ。いずれの委員会といえども、みだりに小委員会を設けて、せっかく委員会数を減らした趣旨を没却してはいけないのだ。かように、これは一般論として、特に例外は認めてあるかのごとき印象を与えるような質疑応答では、はなはだ困る。その点については、正確に私の申し上げますように、特例はないのだ。これは委員会において、別段小委員会においてさような論議はされておりませんから、その点は別に回答は要りませんけれども、誤解のないようにしておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/33
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034・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私が申し上げましたのは、多く申し上げませんが、たとえば農林水産のような、議論のあったことは、そうでありますが、議論のあったということが根拠でなくて、実際委員会を運営してみて、それぞれ非常に特殊性があるとか、非常に幅が広くて本委員会だけで運営できないというような場合に、あるいは農林、水産の小委員会というのはできるかもしれないが、そういう場合を除いては、やはり改正の精神から言って、みだりに小委員会は設けないということが、改正の精神に沿うのでないか、こういう意味で、伺ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/34
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035・松岡平市
○松岡平市君 これは、たとえば内閣委員会の中に人事委員会を包含している。で、その場合でも、もし委員会の運営上小委員会を、一つの案件について、あるいは包括的に、作る必要がある場合は、これは委員長において、全委員に諮られて、さような措置をとられるかもしらぬけれども、これは全委員会に通ずることであって、特にあげられた——私が申し上げるのは、特にあげられた農林水産委員会、あるいは社会労働委員会というものは別だがという、その「別だが」ということさえとって頂ければよろしいのであります。誤解のないように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/35
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036・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) ただいま問題点になりましたことは、矢嶋君の今の御発言と松岡委員の御指摘のことと、何ら違わないと思います。やむを得ないで小委員会等を作るということは、どの委員会にもこれは委員長が必要だ、どうしても必要だ、また委員がそれを認めるといったようなことについては、どの委員会にも、これはあり得るということにおいては、矢嶋委員の御意見も、善意をもって示されたので変りはないと思います。それで御了承を願います。(「了承」と呼ぶ者あり)
本法案の委員会審査省略を認むるに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/36
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037・寺尾豊
○委員長(寺尾豊君) さよう決します。
それでは休憩いたします。
午後三時二十九分休憩
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〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102114024X00819550123/37
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