1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月三十日(月曜日)
午前十時四十八分開議
出席委員
委員長 内海 安吉君
理事 荻野 豊平君 理事 廣瀬 正雄君
理事 逢澤 寛君 理事 瀬戸山三男君
理事 西村 力弥君 理事 今村 等君
大高 康君 志賀健次郎君
仲川房次郎君 二階堂 進君
有馬 輝武君 小松 幹君
三鍋 義三君 中島 巖君
石野 久男君
出席国務大臣
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 原 純夫君
建設事務官
(大臣官房長) 石破 二朗君
建設事務官
(計画局長) 渋江 操一君
建 設 技 官
(道路局長) 富樫 凱一君
委員外の出席者
専 門 員 西畑 正倫君
専 門 員 田中 義一君
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本日の会議に付した案件
連合審査会開会に関する件
道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部
を改正する法律案(内閣提出第五六号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/0
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001・内海安吉
○内海委員長 これより会議を開きます。
道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題に供し、前会に引き続き質疑を行います。石野久男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/1
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002・石野久男
○石野委員 道路整備費の財源等に関する臨時措置法についての同僚議員の質問は、もう非常に長時間にわたって行われておりますので、私はまだ自分の疑問点としている点を二つほど大蔵当局にお聞きしたいと思います。
その第一点は、ともかく今度の財源に関する臨時措置は、ガソリンの一キロリットルに対して、実費的には二千円の値上げになるということを、中央と地方に巧みに分割して、税法の改正をしているわけでございます。ここでは一キロリットル当り二千円の増税になるということが一番問題なんです。そこで大蔵当局にお尋ねいたしますが、一キロリットル当りに二千円の増税をするということについての負担能力の問題について、今日の国民経済や、あるいはそれに関連する諸産業の観点から、負担能力が十分あるという考え方に基いてこういう措置をなさったのかどうか、それについての見解を、簡単に一つお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/2
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003・原純夫
○原政府委員 結論的に申しますれば、おっしゃいます点については、負担能力があると考えて、相対的には実質的に増税になるということでありますが、そういうものをお願いしたわけでございます。ガソリンの税込みの価格が、乗用車あるいはトラック等の運賃に及ぼす影響というようなものをいろいろ調べましていたしたわけであります。直接にはこれは税の方の担当の部局において計算してやったことでありますが、大蔵省でも、そういうような判断でお願いしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/3
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004・石野久男
○石野委員 大蔵当局としては、今のガソリンの関係業者は十分にそれを負担する能力があるという見方のようでありますが、この点については、非常に見解が違うわけです。しかし、大蔵当局がそういうふうに言うならば、私は大蔵当局の意見としてお聞きしますが、その場合、このガソリンが一キロリットル二千円に上るということは、直接にはその運送費をコストの中に入れる材料だとか諸物価に影響すると見られますけれども、そういうことについては、大蔵当局は全然影響がない、そういう考え方になっておりますかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/4
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005・原純夫
○原政府委員 揮発油に対する地方道路税を含めた課税の増加によりまして、運賃にどの程度の影響が行くかという問題は、揮発油の値段だけの問題ではございませんで、これを運送業者がどれだけ他の経費の節減等によって切り詰めるかということは、需要の関係で運賃の引き上げがやはりある程度の抵抗があるわけでありますから、その辺どれだけ運送業者に吸収されるかというようなことにもかかるわけでありますが、その吸収がゼロといたしましても、運賃に対する影響は、われわれの計算では、まず一%程度というふうに計算いたしております。吸収が行われます場合は、それよりも少いということでありますので、もちろん物価に対して影響のない要因であるということは申しませんが、決定的にどうにもならない影響というふうには考えない。望むらくは、いろいろな経営の合理化と申しますか、途中の段階における業界の努力なり御工夫によって吸収されれば、物価に対する影響が少くて済むのではないか。これは一方でいいますれば、ここ数年の道路関係の費用の増加によって大いに——実は私も、道路が非常に悪いので、何とかしたいという個人的な気持をずっと前から持っておりました。これはどなたもそういう気持を持っておられる。近ごろ聞きますと、この勢いでやっていけば相当いいぞという声も聞くのでありますが、そういうことは、結局トラックなり何なりの消耗が減る、そっちの方でコスト・ダウンがあるというふうに、その辺はどの程度になりますか、専門的な知識もございませんし、はっきり見当をつけたものを聞いておりませんが、その辺に期待いたしますれば、その辺はやはり一%というか二%というか、相当コスト・ダウンの要素もないではないというふうに考えまして、物価全般にはそう大きな影響がなくて済ませ得るのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/5
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006・石野久男
○石野委員 大蔵当局の意見では、とにかく影響はないことはない、影響はあるんだ、しかし大したことはない、こういう意見のようです。そういうことでありますと、特に大蔵省は、輸出増強の問題を盛んに言われて、低コストを慫慂しておられますが、そういうこととこのガソリンの値上げ、いわゆる今度の措置法というものは、全く反対の方向に向いておる政策のように考えられますが、その点はどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/6
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007・原純夫
○原政府委員 輸出競争力をつけますために、いろいろな値段を押えておきたい、これはここでも問題でありますと同時に、御存じの通り、鉄道運賃あるいは米価というような問題については、きわめて幅の大きな問題として論争の対象になるのでございますが、その際、最終消費者価格と申しますか、最終価格は上げてはいかぬという要請が一方である。ところが他方で、米の場合のように、年産者である農民は、あらゆる力を尽してこれを上げようという動きにある。鉄道の場合のように、従来の運賃ではどんなに経営をがんばっても十分なる資本の維持ができないということがある。この場合には、たまたま道路整備という大事業をやる目的税に使われるために、地方財源のガンといいますか、そういうことを考えて何とかしないと、とてもやって参れないいろいろな事情があるわけでありますが、そういう事情にはさまれて、一方では生産者価格と申しますか、原因的な方は上る、ところが最終価格は上げないというような御要望が強い。そこでわれわれも、できる限りはそれで行きたいという気持はないではありませんが、率直に言って、この財政で二重価格をとることはできないという考え方を根本的に持っております。米の場合もそうでありますし、鉄道の場合も、結局この根本的な条件が直らないならば、いつまでも資本を食いつぶすことになります。この場合も、やはりたびたび言われますように、地方の財源を負担するということがどうしても必要である以上、若干の消費者価格の増加はやむを得ない。この末端価格の増加は、おっしゃる通り輸出増進の見地から押えたいところでありますが、大蔵省としては、基本的な条件が無理なのに、それでも押えて輸出価格を押えるという方式は、これはもうまんべんない補助になりますので、そういう補助の方式に踏み込んだならば、経済はいわゆる竹馬の足の上に立つことになり、また財政も、そういう負担をするときには、それが末広がりに、ふくれていくことは、戦後の価格調整補給金の何千億という膨大なるに達したことを思い起していただけば、平素財政としては、そういう道はとれないという考えでおります。特にこの場合は、先ほど来申し上げたように、道路のよくなることによるコスト・ダウンなり、あるいは業界のいろいろな吸収なりで、物価への影響を極力少くいたしたいという希望でありますだけに、なおさらそのように感ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/7
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008・石野久男
○石野委員 とにかく輸出増強のための低コストという問題と抵触することは、明らかなことでございます。大蔵省は、一キロリットル当り二千円の増税によって、業者が受ける非常な不況を、道路を整備することによってコスト・ダウンに持っていきたい、こういうふうな御意見のようでございますが、その道路の整備がされるまでは相当の期間でありますし、業者自身がその期間不況に追い込まれなければならぬということになりますので、非常に業者は苦しくなるわけです。そこでその場合、最終価格を上げてはいけないという輸出増強の観点からする方策が、当然ここでも行われるとすれば、この措置法による必然的な増税によって受ける業者の不況といい、またそれから及ぼされる国民経済の非常な苦難な方向を、お聞きしているところでは、ただ企業努力によってということでございますが、そういう考え方でございますか、ちょっとお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/8
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009・原純夫
○原政府委員 若干の影響がありましても、先ほど申しましたように全然吸収がない、それに対応する相殺的な要素がないといたしましても、一%程度のものでありますから、しかも運賃は、諸般の価格の中では価格の全部ではなくて、それの一部分のものでありますから、率直に申しまして、低物価政策の見地から絶対にいかぬというほどには考えられないというふうに実は思っております。他面道路の整備、それに伴う地方財政の調整という問題は、皆さんも御存じの通り、本年は地方財政の再建のために、中央地方ともいわばあらゆる力を振りしぼってがんばらなければならぬときでありますので、もちろん御趣旨の点はおっしゃる通りでございますけれども、おのずからその辺の権衡、比較と申しますか、それを考えて、ある程度の影響はなしとは言えないかもしれぬが、それもやむを得ない、事柄のバランスからいってこういうふうにお願いいたしたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/9
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010・石野久男
○石野委員 運賃は、コストの中でも、要素ではあるけれども、非常に小さいという見解については、いろいろと問題があるようでございます。これは少くとも今日の国民経済の再建の上では、きわめて重大な問題であり、そうだからこそ、この道路整備が重要になってきていると思うのでございまして、その点について、私の意見は違いますけれども、今大蔵省の見解がそうであれば、そのように承わっておきます。
このガソリン税が、実質的に重税になり、それが産業に及ぼす影響は、今大蔵当局の言われた通り非常にあるわけです。従って私たちとしては、こういう重税の方式を同じガソリンにかけるならば、もっと他の方法で解決することはできないかということを考えているわけでございまして、特にガソリン税に対する消費者負担の問題の前に、今、原油課税という問題が再三取り上げられております。いわゆる輸入の原油に対してもう少し税を考慮したらどうかということが、考えられているわけでございます。こういう問題について、とにかくガソリンの消費税という——どちらも結局は消費税的なものになってくるわけですけれども、完成品ではなく、原油そのものに対してもう少し税金の考慮をするということはできないのかどうか、大蔵省としてはどういう考え方を持っているのかということについて、一つ見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/10
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011・原純夫
○原政府委員 このB重油、C重油に対しまする関税の免税期間が切れるのに伴いまする課税の問題は、目下その方向に向って立法措置をお願いいたしておるわけであります。従いまして、そういう面での油類に対する課税は、大蔵省としてもやる方針でおります。ただ、今言われましたのが、国内消費税としてというお話でございますれば、それはまた具体的に結論をきめておりませんが、油に対する課税という意味でB重油、C重油の関税を復活する——復活と申しますか、免税期間の切れるのを延長することはしないという形で、今事柄を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/11
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012・石野久男
○石野委員 国内消費税の問題であるなしにかかわらず、原油に対する税金を考慮しておる場合、その原油に対する課税が、今日のこの道路整備費の財源として考えられておるガソリン税との関連において考慮さるべき点があるように思いますが、その点は大蔵省としては全然考えていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/12
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013・原純夫
○原政府委員 事柄が税金の立法技術にからみますので、私からお答え申し上げられるほど研究が積んでおりませんけれども、省内で税の方をやっております部局においては、そのことを一つの問題として常々研究しておることは確かであります。ただ、聞くところによりますと、軽油その他に対する課税ということになってくると、なかなか公平な、しかも確実な課税ということがむずかしいということで、はっきりやろうというまでの結論にはなっていないように思いますが、研究をいたしておることは確かでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/13
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014・石野久男
○石野委員 ではいま一つ、この道路整備費の財源措置についての考え方の問題でございますが、昨年度の道路整備に対する予算的措置と本年度の措置を考えますと、本年度の措置は、主としてこの道路整備費の財源等に関する臨時措置法の趣旨に従って、ほとんど一〇〇%近いと言っては悪いけれども、そういう性格にずっと移行してきておるようでございます。一般会計の方からのものを、あまり期待しないような方向が出てきておるものと思います。将来、大蔵当局といたしましては、道路整備費についてはそういう方向をより強く推し進めていく方針であるかどうかという点についての見解を一つ聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/14
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015・原純夫
○原政府委員 ただいまお尋ねの問題は、ガソリン税を道路に使うから、それだけで、ほかのものはびた一文出さないという方向に行くべきだというふうには、われわれ決して考えておりません、道路が非常に荒廃しておるから、復旧なり整備を要するということは、もう全体の世論でございますから、その方向に向って、財源さえあれば、何もガソリン税に限らず、大いに使って参るということは当然であろうと思いますし、ただいままでの五カ年計画の組み方その他においても、大蔵省としてそういう気持でお答え申してきておるわけでございます。ただ、本年の予算にお願いいたしております数字が、御指摘の通りにそれ以外の財源からの分が非常に少いといいますことは、これは要するに、一般財源の余裕と申しますか、きつさ、苦しさの問題でございまして、昨年と本年と御承知の通りの国際競争に立ち上るという意味での緊縮、健全化ということから、一般財源が非常に苦しいというようなところから、こういうふうなことになってきているのでありまして、決して方針としてそうすべしというようなことを考えているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/15
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016・石野久男
○石野委員 方針としてはそう考えていないけれども、一般財政が苦しいからこうなったのだ、結論としては、結局これ一本にすがるのだというような形になっておると思います。おそらくこういう形は、三十年度における予算編成方針が、三十一年度もその姿で続けられる。もっと端的にいえば、再軍備を中心とする予算が作られる以上は、こういう形が出るものと私は思います。そうなりますと、これから以降の道路整備費に関係する財源というものは、そういう形で出てくるとも見られます。もしそういうことであるならば、私はやはりここで措置されました財源がそのまま道路の整備に一〇〇%活用される措置がなさるべきであると考えるわけです。またそのことが、大蔵当局や政府の意向でもあると私は考えます。そういたしますと、本年度におきましても、また今までのそれでもありますように、特に先般中島委員が九州地方におけるところのいろいろな事情を説明されておりましたけれども、とにかく全然道路に関係しない方向にこの財源が使われていく、こういうことが地方でたまたまある。あるどころではない、それが往々見られるということは、阻止されなければいけないと思います。そこで、やはり重要な問題になってきますのは、結局ガソリン税というものの吸い上げの量の問題とか、あるいはそれに関連する予算的な措置における額の問題、これが非常に重要な問題になってくるわけです。従って、やはり実際に使用するところのガソリンの量と、それから予算の中で計画しておるところの量との間に、非常に大きな開きがあるということが問題になるわけでありまして、従来そのことはしばしば同僚の間からも問題になっておったところでございます。私は、やはり完全にガソリン税を補足するという措置を、法的な面でどこかに入れなければならないと思いますが、そういう措置は、それならば今度のこの臨時措置の中で十分とられておるかどうか、大蔵当局としてはこれで十分だと思っておるかどうか、その見解を一つ聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/16
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017・原純夫
○原政府委員 たいへん恐縮でございますが、完全にガソリン税をほそくする措置とおっしゃいますのは、徴収上漏れのないようにということでございましょうか、あるいはその他の意味をおっしゃっているのでございましょうか、ちょっともう一度お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/17
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018・石野久男
○石野委員 それは先般三十年度の輸入外貨の割当のときに出ておりますいわゆるガソリンの量の問題と、それから本年度の予算を設定するに当っての皆さんが予定しておるところの量との間に差があるわけです。しかも、それにはやはり従来の実績があるわけでございます。その実績は、常に大蔵当局の予定しているものよりも、むしろ外貨割出で考えている方が着実に正確性を示しているわけです。本年度もそのことは言えると思う。そういう点を、予算見積りの線において過小評価しておるということがあるわけです。そうすると、その残ったものの補足が非常に困難になる。というのは経過措置としても、たとえば、この措置法の中にも「昭和三十二年度においては、昭和三十年度の道路整備費の歳出決算額が同年度の揮発油税の収入額の決算額に不足するときは、当該不足額」云々ということが書いてありまして、経過措置は出ておりますけれども、それは大蔵当局の予定した額に不足するものだけであって、それ以上に超過しているものに対するそれの措置法というものが、全然書かれていないわけです。従って、それがどこへ逃げていくかということは、今度補足できないようなことになっている。これでは、いわゆる税を取り立てる趣旨に沿わないのじゃないかというわれわれの疑点があるわけですが、その点についての大蔵当局の意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/18
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019・原純夫
○原政府委員 消費見込の量につきましての税の不足になっております数字と、外貨割当でいわれております二百六十八万キロリットルの関係につきましては、先般会議において御質問もありましてお答えいたした通りであります。もう一つ、その場合に、この法案では、先ほどお話の当初予算で一般財源から見ることになっておった額が、決算で税収のふえた場合には、その分がいわば飛んでしまうという点のお尋ねと思いますが、法案はそういうふうな意味でお願いいたしておるわけであります。その趣旨は、要するに財源が非常につらくて、今でもひいひい言っておるわけでありますが、この予算の見込みに対して実績がふえましたという場合の超過額を二会計年度あとに追加いたします際は、その会計年度としては、何と申しますか、その通常の当該年度のガソリン税収の予算額を計上するほか、さらにそれを加えるわけでありますから、相当にそちらに総体の財源の中から道路への支出がふえるわけであります。その際には、当初予算に組んだ一般財源をぜひ留保しろということをおっしゃらずにお願いしたいというのが、こういう形で法案をお願いいたしておるわれわれの気持でございまして、現に昭和二十九年度の増収見込みは五十億、これの三分の二を国で追加するといたしましても、目の前に迫っております三十一年度の予算編成上、やはりかなり大きな項目になっておるわけです。そういう趣旨で、そういうのを追加する際に、当初予算で一般財源から幾ら繰り入れてやる、これも手をつけずにということを言われないで、その際は総体としてガソリン税と引きかえでぴたり一致すればよろしいということでごかんべん願いたい。
お尋ねのないことをつけ加えて恐縮でありますが、実は財政の見地から申しましても、常識から申しましても、税収が予算よりも減った場合のことが問題でございます。法案にも当然それは書くべきだという気持はございましたが、建設当局から、減れば補正の措置もあり得ることであるし、道路については、極力議員立法の精神を考えて、積極的な形でいきたいというふうにお話がありましたので、こういうようなことにもなっておるということで、われわれとしては、決して消極的なつもりではないのでございますが、今申しますように、何分あとで精算で追加いたす場合の一般財源と申しますか、総財源の中におけるウェートが相当きつくなりますので、その場合には、当初予算で見た一般財源からの分というのは、いわばなしにして、総体としてガソリン税収と道路費が見合えばよろしいという線でがまんをしていただきたい、そういう精神でお願いしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/19
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020・石野久男
○石野委員 財政の面からすれば、ただいまおっしゃられたように、不足するものに対する考慮はするけれども、徴収増になるものについてはあまり考えないのが建前だ。これはちょっと言葉の言い方がまずいかもしれませんが、大蔵当局としては徴収が少くなることが心配なんだ、だからなるべくその徴収減にならないように考慮する、法律の中にもそういうことを書きたいけれども、それは書かなかったのだというお話でございます。われわれも予算を計画する以上は、その税が十分捕捉され、またそれが実際に財源として確保されることが望ましいと思うし、そういう努力が必要だと思います。けれども、少くともガソリンの税に関する限りにおいては、大蔵当局は非常に過小評価を消費の面でしておるというふうにわれわれ見ておるわけです。従って、大蔵当局が考えているように、臨時措置法によって設定されるガソリンの税というものが、あるいは中央においても地方においても不足するどころか、むしろ非常に多額に上るというふうに見ておるわけです。その上ったものが、いわゆる一般の地方道路の整備のために使われるならば、先ほど来大蔵当局が言っておるように、そのことによって非常に大きな負担をかける企業であっても、まあまあがまんをすることができるだろう。けれども、自分たちがこれだけの負担をして、しかもそこに出た財源は、自分たちの道路整備よりもほかのところに数多く使われることがあっては困るだろうということが、実際問題として課税を受ける者の考え方であります。その点について、大蔵当局はどういうように、増徴になるであろうものに対して措置するかということを、いま一度お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/20
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021・原純夫
○原政府委員 先ほど申し上げましたのは、決算で増収になった場合には、ガソリン税の収入ぴたりのところで道路整備費を合せたいということを申し上げましただけで、ガソリン税収を道路整備費以外に使おうという気持はないのでございます。おっしゃいます趣旨は、当初予算に盛った一般財源からの分を、その際に失敬してしまうのはいかぬではないかというお話でございますが、それは、ただいま申しましたように、二年度あとに追加をいたすという際には、そのあとの年度における予算編成上におきまして、額にもよりますが、やはり相当な苦しいやりくりの項目の一つになる、現に三十一な年度について、実はこの法案をお願いしながら、私ども査定はなかなか大へんだなと率直に思っておるのでございます。思っておりますが、そういうような意味で財政全体のやりくりに非常につらくなるという意味から、その際はガソリン税収イコール五カ年計画道路整備費というところでごかんべん願いたい。それは最低限としてはそれで許されるのではなかろうかということを、申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/21
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022・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 ちょっと石野君、私余分なことだけれども、何か食い違いがあるように思う。ガソリン税の収入が残った場合には、他に持っていかれはしないかという御心配のように質問を受けるのですが、大蔵当局の答弁で、あるいは食い違っておると思うのは、一文もほかへ回るものはありませんから、その御心配はどうぞ……。ただ、今度の法案の改正をしませんと、大蔵当局が他に持っていくことはあり得たのですけれども、今度の法案を御審議いただけば、もう一文も差はなくなるわけです。従って、今後の予算編成上、大蔵当局は内輪に見込むことは何にも理由にならない。昨年度の予算の建前からいえば、内輪に見込んでおけば頭をはねられる可能性もあったのですが、今後はありませんから、今いろいろ御質問がありましたが、予定の額をどこへ取るかということは、一ぱいに取っておいて一向差しつかえない。ただ、今、大蔵当局も言いましたように、これはだいぶ建設省とやり合ったのですけれども、大蔵省からいえば、実際に入る額を標準にする、減ったときは返せ、こういうことになる。一たん使ったものを返すなんて、そんなばかな話はないということで、その点は建設省の主張を今言うようにいれまして、使った以上は使ったんだ、余った以上は元へ戻せ、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/22
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023・石野久男
○石野委員 今、竹山大臣の方からそういうお話がありましたが、道路整備法のどこかに、徴収した地方道路税は、道路整備費に引き当てでなければならないということが書いてあったと記憶しております。今おっしゃられるのは、その点だろうと思いますけれども、それはほんとうに完全にそういうふうにできるかどうか、非常に疑問に思うわけです。そういう点について、もう少し自信のあることを、一つはっきり聞かせておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/23
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024・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 今、私の申し上げたのは、むしろガソリン税の問題、すなわち臨時措置法の問題を申し上げたのであって、問題は二つあると思う。税収の見積りの差額の問題と、地方道路税が、お話のように実際道路に使われるかどうか、従ってしり抜けになりはしないかという問題とは、これは全然別問題だと思って私は答弁をいたさなかったのでありますが、地方道路税から来る問題は、いずれ連合審査もおありと思いますから、そのときに譲ろうと思って申し上げなかったので、これは道路に使うということを、法律に明言をしておるわけですから、それに違反をして知事がという、この間御質問になったような場合にはどうするかという措置は、行政措置としてとらるべき問題で、われわれは当然道路に使うべきものということを確信をしてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/24
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025・石野久男
○石野委員 大臣が言われるように、地方道路税の問題は、臨時措置法の問題とは別なふうにわれわれは考えておる。それならば、その増徴されたものは、決して漏れていかないのだということが、この措置法のどこに明確に書かれてあるかということをはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/25
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026・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 それは、この措置法へ書くことは少々無理だと思いますのは、御承知の通り、地方道路税として政府が徴収をするのです。その地方道路税として徴収したものが、地方道路譲与税として地方に行くわけであります。実は地方道路税と地方道路譲与税というものは、一本の法律でやるべきものが、大蔵省が取ってそれを自治庁が分けるという関係で、法律を分けておるわけでありますが、本来これは表裏一体になるべきものだと考えますから、そうすれば、地方道路税として取った財源は、すなわち道路に使う地方道路譲与税となっていくわけで、その地方道路譲与税法に書いてあるべきことを守る以外には、この措置法には書きようがありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/26
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027・石野久男
○石野委員 大臣は、私の聞こうとしておることと違うことを言っておられます。私は道路整備法という問題と地方道路税というのは違うと思うのです。それは同じものであっても、つかんでいるところは違うわけです。そこで先ほど、道路整備法によって財源を補足し、増徴される額をほかへ流用されることがあるかということを私が聞いたことに対する大臣の答弁では、増徴されたものは絶対にほかへ漏れない、こうおっしゃったわけです。私の見ておるところでは、道路整備法のどこにも、それを明確に裏づけてくれるものはない、私はこう思っておる。そこで、それに見合うようなものが地方道路税の中にあったから、大臣はそれを説明しておるのではないかと思ったので、私はそういう御質問をしたわけです。そこで、地方道路税の問題は別として、道路整備費に関して、いわゆる増徴されたものを、完全にどこにも漏れないで使えるのだということが、この道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の中のどこに書かれてあるかということを、私は聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/27
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028・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 それは要するに、ガソリン税を財源として五カ年計画に基く道路整備費に充てるということが法律に書いてあるのですから、それ以外に持っていきようはないわけでありまして、むしろ実際のガソリン税収入を実質的にどう捕捉するかというところに問題がありましたから、今回の改正をいたしたわけであって、ガソリン税収入として入ってきた金は、道路整備費以外には——これこそ政府の責任において予算に組むわけでありますから、政府がどこかでごまかさない限り、ごまかしようはないわけで、われわれは問題はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/28
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029・石野久男
○石野委員 これは言葉のやり取りだけになってしまっては非常に残念なことです。大臣は、徴収されたものはそれに引き当てるのだといえば、わかるようなものでありますが、しかし実際予算の面で計画されておるものを、果して政府が確実にそれを道路整備費の中に入れるかどうかということが、われわれとしては疑問なわけであります。従来、中央地方を通じて、そういう余分なものが出てくれば、ほかへ流用することが行われておるから、われわれはそれを聞くわけで、それが完全にほかへ流れないということを、この際法律案のどこかに入れてあることが望ましいと思うのだが、その点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/29
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030・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 これは私から言わせると、先ほど分けて私も問題を申し上げたように、地方道路税の問題とこの臨時措置法に基くガソリン税の問題と両方を一緒に御議論をなすっておるから、そういうふうにお取りになるのは無理はないと思うのでありますが、私が申したように、あくまでこれは分けて——これには御議論はありましょうけれども、政府の見解は分けて考えておるわけでありますから、ガソリン税については一切の収入を道路整備費に充てる、その充てておるこの予算を御審議下さるならば、このガソリン税収入が道路費以外の財源に回っておるという事実があるかどうかということで御審議をいただく以外に方法はない。それが地方へ行って、その金の使い方がいいか悪いかという問題は、これは決算でお調べを願う問題であって、今道路局がここに組んだ予算をほかに回すということはあり得ない話である。ただ、先般御質問になったのは、昨年やりましたいわゆる譲与税として地方へ渡した金を、知事が操作のために一時どこかへ使ったという問題であって、道路局の使う金を知事が勝手に使うなんということは、まず常識としてあり得ないと私は思いますし、もし、かりにあったとすれば、これはもう行政上の処置をするということ以外には法律問題とは私は考えません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/30
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031・石野久男
○石野委員 大蔵当局にお尋ねしますが、一つだけ念のため聞いておきます。先ほどもちょっと答弁の中にあったと思いますが、この臨時措置法によってガソリンに対する税の徴収が行われる、その中に実際に消費見込みを立てておるその予算額以上に増徴がありました場合、その金は今大臣がおっしゃったように、道路整備のために完全に使うのだ、こういうお話であります。私たちも、そうあるべきだと思っております。そこで大蔵当局としては、そういう額が非常に大きい額になりましたときには、一般会計で予定しておりますところの道路整備に対するところの金は、先ほどなるべく遠慮してガソリン税で埋め合せすれば、それはほかに持っていくのじゃなかろうかというようなにおいのある話をちょっと聞いたのですが、一般会計から出る額は、その場合でも一応道路整備のためには完全に使うということなのですか、それともその場合には、その増徴分だけは、予定額以上のものは一般会計にまた戻していくというお考えであるかどうか、その点をちょっとお伺いいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/31
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032・原純夫
○原政府委員 御質問の趣旨は、ある年度のガソリン税の収入か当初の——当初と申しますか、予算の見込み額をこえて決算に出た場合はどうするか、こえる金額をそのまま二会計年度あとに道路整備五カ年計画の費用として追加して完全に出すかどうかというふうに伺いましたが、その場合には、このお願いいたしております法案には、こういうことになっております。当初予算に組みました道路整備五カ年計画関係の費用のうち、ガソリン税以外の一般財源からまかなわれる分があるといたしますと、その分を決算による増加額から差し引かれた額が、本会計年度あとに追加して計上されるということになっております。趣旨は、先ほどたびたび申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/32
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033・内海安吉
○内海委員長 瀬戸山三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/33
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034・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 今の石野委員の質疑と政府側の答弁を聞いてみますと、三角関係になって、どうもはっきりしないようであります。建設大臣のお答えになるのも正論だし、原次長がお答えになるのも正論だ。しかし、今までずっとこの法律案に関係して質疑応答をいたしました経過を見ますと、その両方の正論が、実は心の中では違っておる、私はそう見ておるのです。そこで、この前の委員会でありましたか、今も原次長からお話がありましたが、道路の整備には熱意を示すのだ、従って道路整備五カ年計画には、揮発油税以外に一般その他の財政収入を見込んで五カ年計画が立てられておる。財政の都合で、五カ年計画以上のことをやりたいけれども、今の場合は現在程度の五カ年計画をあくまでもこれを遂行する決意を持って、それをやり遂げられる予算措置をしているのだ、こういうことを建設大臣もたびたびおっしゃった。ところがその中に、考え方を見てみますと非常に違っておる。どう違っておるかというと、この法律の一部改正は、先ほど建設大臣がお話になりました通りに、もとの臨時措置法の——私どもはあいまいでないと思うけれども、政府の方ではあいまいだ、今、石野君が非常に心配されて、実際は予算額以上の増収になっているのだが、その増収部分がすべて補足されるのであるかどうかということを繰り返し聞かれた。それに対して建設大臣は、それがどこに書いてあるかと言われると、書いてあるところをおっしゃればいいのだけれども、抽象的におっしゃるから議論が進まない。それを明確にするために、この一部改正の法律を出したのだ、またその通りになっておるのです。これは収入された揮発油税が決算において明らかになれば、少くともその翌々年度には全部これに入れると書いてありますから、それは建設大臣のおっしゃる通り正論なんだ。ところが、一面原次長がおっしゃるように、この法律案にも各項目に書いてありますが、いわゆる増徴額との差額は、道道路整備の決算額との差額だから、道路整備の方の中には、先ほども申し上げましたように、揮発油税以外にその他の一般財政収入から入っておるのだから、その分をガソリンの実際の収入額から引くと、結局一般財政からの収入額は全部道路整備費からオミットされるということにこの仕組みはなっておる。そこは建設大臣のお答えも正論だが、原さんのお答えも正論だ。ところが、道路整備という最初のお答えとは全然違ってきておる。私どもはそこを言うのであります。原さんは、国の財政計画から、そうしなければ将来ガソリン消費税が多くなってくる、少くとも一般財政収入は多少入れますけれども——今年三億余り入っておりますが、将来の精算の上これから全部差し引くようにしてありますと、こう言っておる。そうすると道路整備には熱意がある、だから一般財政収入からも、揮発油税収入以外に予算に計上いたしますと、今日までずっと続いて答弁をされたことと、この法律は全然違っております。結論から申し上げますと、大蔵省の考え方としては、とにかくこの法律が一昨年できる時からの思想がずっと入っておって、何とかしてガソリン税収入を押えようと思ったが、押え切れないから、この際こういう改正案を出してでも、少くとも一般財政収入だけでも道路整備費から差し引いてしまおうというお考えなんでしょう。石野君は、この道路整備が必要だから、この臨時措置法の精神を生かすためには、予算額以上の揮発油税が入りまして、その超過分はどうするかということを心配されて質疑をされたが、建設大臣のおっしゃるように、それは心配ないようにこの法律の一部改正案を提案しているのだということであれば、揮発油税収入見積りの予算額が、揮発油税収入の実際決算額との不足があれば、それをこれに加えますという改正をされたら何も議論はないのですが、建設大臣と原次長のそれに対する見解を伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/34
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035・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私は石野君にはっきり申し上げたつもりでありますが、申し上げ方が的確でなかったという瀬戸山さんの御注意はその通り受け取りまして、今、御注意のあった通り、予算よりもガソリン税収入がふえたときには、これを翌々年度の道路整備費に充てることを明確にしたものであり、もし決算でその予算額よりもガソリン税収入が減った場合でも、むしろ差し引くということはしないで、取り込むだけを書いてあるのだということが、今回の改正でもあり、問題点はそこにあると考えておりますが、いま一歩進んで、瀬戸山さんのおっしゃる一般財源からの問題については、今度のこういう書き方をもってしても、決して御心配になるような一般収入をこれによって消極的に持っていくという建前のものとは考えない、それは新しい予算編成の際の問題であって、差し引く問題とは関連ないと考えて、その案を提案したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/35
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036・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 大臣のお気持はわかるのですよ。先ほどの大蔵省の原さんのお答えと大臣の気持は、お互いはそのつもりでおられるのでしょうけれども、ほんとうの考え方が一致しておらないということなんです。たとえば、一番わかりやすいと思うのでありますが、第三条の二のロのところを見ればすぐわかる。イのところは複雑であるから、よほど頭をひねくらないとわからないようになっておりますが、ロのところには「昭和三十二年度においては、昭和三十年度の道路整備費の歳出決算額が同年度の揮発油税の収入額の決算額に不足するときは、当該不足額」、いわゆる超過額を道路整備費の財源に充てなくてはならないと書いてある。そうすると、昭和三十年度、前前年度の道路整備費の歳出決算額のうちには、一般財源も揮発油税以外のものも入っているのですから、それを引くということは、この臨時措置法の建前からいえば、それに入っておるあるいは三億であるかもしれません。今年は三億ですが、三億余りのものを結局そのうちから差し引いてしまうのですから、あとの残りは、一般財源からのものは道路整備費に、少くともこの法律実施中には全部精算されてなくなるということになっておる。そこが大蔵省のねらいであると私どもは思っておる。だから、そこに、最初から申し上げておるように、道路整備には熱意を示します、それから一般財政からも今年はいろいろな事情で三億に減りましたけれども、そういう方針を考えておるんじゃないとおっしゃるが、精算してしまうとそうなることになっておる。そんな複雑怪奇な規定を作らないで、建設大臣のほんとうのおっしゃった通りの気持を実現したいというならば、いわゆる予算見積り額と揮発油税収入の決算額と不足すれば、余分のものは翌々年度に入れます、こんな複雑怪奇な法律案を作らなくてもいいのではないかということをお尋ねしておる。今までのお答えになっているところと、ずっと結論的に違いますから、そんな議論のあるような法律でなくて、今までの臨時措置法を明確にするとおっしゃるのだから、予算額、これは、どうせ予算額でありますから、見積り額は少いことはきまっておる。今までの実績もそうでありますから、大蔵省がまた考えられて、この間も問題にしましたが、二万三千円を一万一千円にされたように、将来あるいは八千円くらいに引き下げられるならば、これは減ってくる。そのときのことを言いませんが、そういうことはちょっと考えられない、どうせふえるのです。そのふえる分を入れるということだけならば、こんな複雑怪奇に書かなくても、昭和三十年度のガソリン税収入の見積額が同年度の揮発油税の決算額より不足するときは、その不足額は道路整備費に充てなければならない、予算に計上しなければならないと書いておけばはっきりする。熱意があるとおっしゃるのだから、そのほかに一般財政収入を予算に追加計上される、そうすれば一番近道で、はっきりして、議論がないのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/36
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037・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私は、いつも申し上げておる通りの考え方で、要するにガソリン税の増徴分を翌々年度の財源にするということを明確にいたすことの必要を感じて、こういうことにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/37
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038・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 そうすると、少くとも私の考えでは、大臣のお気持の通りには、この法律案はできておらないというふうに解釈されるのですが、大臣のお気持は、先ほど私が申し上げたような趣旨のように聞える。そうすると、この内容はそうじゃないように見るのですが、どういうことになりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/38
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039・内海安吉
○内海委員長 どうです、原さん。あなたの方から一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/39
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040・原純夫
○原政府委員 このお願いいたしております法案は、たびたび申しますように、二年度あとに追加するということは相当に苦しい。現に三十一年度は実際どうしようかなというような、何も不審を持つという意味じゃありません、やるのですが、非常に苦しいなと思っているわけであります。そういう際には、総体におけるガソリン税の決算額を下らないということを最低限にしていただいていいんじゃないかという趣旨が、この法案で出ておるわけでございます。建設大臣がおっしゃっているのは、おそらくその場合にも、予算の問題であるから、できるだけ一般財源からもなお加えるように組みたいという気持をおっしゃっているんだろうと思います。われわれとしても、その際によけい組んではいかぬということは申しません。ただ法律上最低限の要求としては、これでごかんべん願っていいのではなかろうか。ちなみに申しますが、ある年で余分に収入があったとしまして、二会計年度あとでやります場合は、二会計年度あとの諸般の歳入を財源としてやるわけでございます。そして二年前の分は、御存じの通り、全体として剰余がありますれば、この剰余の半分は国債の償還に充てなければいかぬというような財政法上の制約も持っておる。残り半分で措置しなければならぬということは、財政当局としてはそういう条件にあるわけです。その財源の中から、道路の分は今のようなことはございますが、ほぼ追加してまるまる乗っけなければいかぬ。言い過ぎになったら何でございますが、全体が半分になってしまうのだから、実は道路の方も半分にしてもらいたいという気持が出なくもないところであります。そういうことを、とにかくやろうじゃないかということでやっておるのでございますから、法律上の最低限の要求だという線であります。法律案の規定においては、この程度でごかんべんしていただきたい。建設大臣がおっしゃっているのは、その際の予算を組むのも、何もそれで予算はかくあるべしといっておるのではないのだから、それは極力出してもらうようにかけ合うという気持をおっしゃっておりますので、われわれそれをやってはいけないと申し上げておるのではありませんから、その辺でごかんべんしていただいて、一つ御了承になっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/40
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041・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 抽象論としては、道路には熱意を示す、一般財源も必ず入れますとおっしゃっているが、実際は、これは少くともこの法律によって精算したときには、ガソリン税収入の以外に、一般財政からは道路費には入らなくなっておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/41
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042・原純夫
○原政府委員 法律上の最低限の要求としては、この線を要求されるということで、実際に予算がどう組まれますかということは、最低限の額が必ず予算になるということを申し上げるのは言い過ぎであろうと思いますし、そうは申し上げ切れない、そのときの情勢によって考えていくということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/42
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043・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 それができる仕組みになっておることは、間違いありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/43
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044・原純夫
○原政府委員 間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/44
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045・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 建設大臣は、その仕組みを御存じの上で、ただこの原法の不明確なところを明確にするだけだとたびたびおっしゃるのですが、そこが違うのです。ですから、建設大臣が、こうやって、もとの法律には多少議論があるから、その議論のないようにしようというならば、今原次長はほんとうの腹をおっしゃったが、そういうことのないようになさる気持はございませんかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/45
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046・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私は毎度申し上げておるように、法律の建前を実行するように考えていくつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/46
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047・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私どもは、建設大臣の気持には賛成しておりますから、あるいはそういうことにこの法律は変えなくてはならない。私どもはインチキが一番いやなんです。かりに揮発油税が非常に多くなってきた、そんなことで幾ら道路々々といっても、そればかりやっていては大へんな費用がかかるというときには、その場合は、政治家の良識で法律の改正で何とでもできる。今から人の目をくらますような方法をことさらやられておるということが、あまり感心しないところであります。これは一応建設大臣と大蔵省の考え方がはっきりしましたから、はっきりした部分をどうするかということは、われわれの方で考えるので、これ以上は申し上げません。
そこで、もう一つ、これもこれに関係することでありますが、こういうふうに複雑怪奇になっておりますので、これをもう少し明確にするというお考えがあるかどうかということであります。というのは、これは非常な経緯があって、繰り返してまことに失礼でありますが、道路を整備しなくてはいかぬということで、こういう特別な法律を一昨年作って五カ年計画を立ててやっております。ところが、建設大臣も御存じの通り、この非常に哀れな状態の日本の道路の関係では、今立てておる道路五カ年整備計画でさえも一四、五%、これでまず道路らしくしようということなんです。これで終れりということじゃないのであります。それだけの措置でも、今のような論争が行われる。今の日本の財政では、さしあたりこのくらいでありますが、これは第一次五カ年計画であって、五年や十年で日本の道路がよくなるとは思っていません、もっと続けていかなくてはならぬのであります。しかし、ああいう特別の事態のときでありましたから、この道路整備費の財源等に関する臨時措置法も、まず五年ということで切って一応やっておりますが、これは五年では済まないということは、大臣もよく御存じのはずだと思う。でありますから、将来に禍根を残さない、こんな論争をしなくてもいいように、今これが問題になっておるときに、さらに改正をしてこれを恒久立法にするということも、今国会ではなかなかできないと思いますが、近い機会にこういう論争がないように、今の臨時立法を恒久立法にする必要があると私どもは考えておる。そこで建設大臣は、それに対してどういうお考えを持っておりますか。できるだけ近い機会にそういう改正を政府の方でやられるお気持があるかどうか、その点についての御見解を承わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/47
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048・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 前段の御質問に対して、一言だけ申し上げておきたいのは、この法案で何か事柄をことさら複雑に不明確にする意図を持ってやったような誤解がありますと、はなはだ申しわけないことでありまして、そういう考え方を持っておるつもりはありません。毎回申し上げるように、いろいろやっていってみまして、せっかくの臨時措置法の趣旨を明確にするためには、この程度の改正をお願いすることが、事務的に見ても必要であると考えまして、大蔵省との話し合いの結果、こういう法案を提出いたしたのでありますから、決してこれによって事柄をこんがらがらせるような考えはございませんことを、一つ御了承をいただきまして、あるいは今瀬戸山さんのお話のように、この記載の方法では、当初立法をされた方々の御意思とは若干の食い違いがあるという御見解、これはわれわれとしてはいたし方ありません。われわれとしては、この程度が政府としてなし得る、現在の段階において必要な対策であると考えましていたしたわけで、これ以上の措置は、そのときそのときの政府の熱意いかんの問題であって、予算編成の際に全力をあげて、当初の道路計画を立法された皆さんの熱意にこたえるだけの努力をいたせば、この法案の実質的目的は達するものであるという考え方で、私はこの改正をいたしたわけであります。同時に、最後にこれではどうもまだ不満足であって、これを全面的に直す必要がありはしないかという御趣旨でありますが、これは率直に申し上げれば、この法律か非常な政治的な問題を持って国会において立案をされた臨時措置法でありますし、われわれは国会を尊重する意味におきまして、最小限度の事務的な修正をいたしたわけでありますから、本来の立法の御趣旨を生かすという意味で、国会が今後これをどうお直しになるということがあっても、政府が実行可能な範囲においてはこれはやらなければならぬことだと考えます。しかし、なお政府自身がこの法案について今後研究をする必要があるかどうかという点につきましては、私も、これはお話の通り、いろいろな経過を経て国会が立てましたいわゆる目的税的な立法措置でありますが、ここまで政府がいろいろ修正をいたして参る以上は、政府の責任においてこの五カ年計画を実行していくための財源措置としての取扱いが、これだけの改正で完璧なりやいなやということについては、今後道路行政全般の問題と考えて、もちろん財政のことも考えなければなりますまいが、十分検討をいたすべきだと考えておりますが、今までの段階は、あくまで国会の立法でありますから、国会の御趣旨を尊重して、政府としてはできるだけ最大限度のことをいたしたい、かような立場、心境であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/48
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049・石野久男
○石野委員 ちょっと関連して。今、竹山大臣は、この法案の取扱いについては、なるべく国会側の趣旨に沿うように手を加えられることについては、政府としても異存がないようなお話でございました。そこで、一つ大蔵当局に聞いておきたいのですが、先ほど大蔵当局は、この措置法によって、もし予定される額以上の増徴がありましたときには、その額は、なるべくやはり目的税的性格において道路に引き当てたい、こう言う一方、そこでは今まで予算的措置として一般会計から出ているところのものを一応差し引きしたいということも言われておると思います。そういたしますと、先ほど瀬戸山委員から言われたように、はっきりと決算の面では一般会計からの道路整備費に対する歳入というものが全然出てこないことになってくるわけで、このことは、政府が再三にわたって道路整備に対する積極性の問題と非常に関係するわけであります。これは、従来の答弁とは非常に違っておると思っております。そこで私は、はっきりとこの法案が目的税的性格を持っておるということであるから、ここで増徴されるものは、将来にわたって必ずこれを道路整備に引き当てるということを、はっきり法案の中に入れるというようなことなどは、大蔵当局としてはどういうふうに考えておるか。われわれとしては、そういうふうにしたいのですが、大蔵当局はどういうように考えておるかということをちょっと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/49
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050・原純夫
○原政府委員 大蔵省といたしましては、先ほど来るる申し上げておりますように、道路整備に関する御立法の趣旨は、もちろん尊重して参りますが、財政の予算編成の諸般の困難を考え、その場合の困難を考えますと、法律上ぎりぎり最低限これだけだと言われる御要求としてはこの法案の線でやっていただきたい。つまり、ただいまおっしゃいました一般財源の分までをどうしても生かしておけというわけで、法律上の最低限の要求とされるのは、いかがかという考えで、建設省とも御相談し、法律案の提案になったわけでございます。繰り返して申すと何でありますが、たとえば、二十九年度で増収があった。大体増収は、御存じのように歳計剰余金というものの一部になって残るわけでありますが、その半分は国債整理基金に繰り入れなければならぬということが財政法の六条に規定されておるのでございます。従いまして、三十一年度においては半分しか財源がないのでございます。また三十一年度は三十一年度で、御存じの通り毎年毎年非常に著しい予算の編成をしなければならぬというところでございます上に、ただいま申しましたような剰余金は半分しか一般の歳出には使えないということになります。その際に、この経費はある税にからまして、そうしてその税がよけいに取れたら二年あとに全部使え、歳出がいろいろそういうふうに目的税的な結びつきが多くなって、それらが歳計剰余金として残るが、二年先に全部使えというような要求になりますと、財政としてはとてもやり切れないというようなことに相なります。目的税として、ガソリン税は非常に強い目的税でありまして、決してその方向にわれわれ不服を申すのではありませんが、財政の予算の編成の上からは、御存じの通り非常に大きな問題になっております。率直に申して、われわれはやはり目的税制度というものは、原則としてはよろしくないというふうに考えておるわけでありますが、国会における立法の趣旨を通してやって参るという場合に、あとで超過して収入があったからそれを乗っけるという場合には、総体の道路整備費の総額と、それから超過したものを加えたガソリン税総額と、これがとんとんになるというところでごかんべんいただいてよろしいのじゃないか。その場合に、当初に組んだ一般財源からの分を、どうしてもその上に乗っけろということまでを、法律の御要求にされないでもいいんじゃないか。今回この法律案をお願いするに至りました経緯は、御承知の通り直轄分担金について、今までわれわれとして非常に困っておりました点をお直しいただく、同時に、予算支弁かあるいは決算支弁かという点について、前国会においてもいろいろ御質問があり、われわれも決算を尊重して、という気持ではおりましたけれども、非常にはっきりとは踏み切っていない、それをこの際われわれも踏み切ってやろうということなのでございます。それは踏み切ってやるにつきましては、ただいま申しましたような、たとえば四百億の歳計剰余があれば、一般の歳出には二百億しか使えない、ところが道路税の増収が五十億あれば、その二百億のうち五十億はまるまるそこから出さなければならぬというような困難も冒して、この法案にお願いいたしておりますので、われわれの熱意と申しますか、国会の立法を尊重する気持は、大局においてはしかりだというふうにお考えいただきたいと思います。ただ、そういういろいろな困難がございますものですから、法律上の最低限の要求としては、この辺にしていただくというふうにお願いしたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/50
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051・石野久男
○石野委員 今の問題で、大体ガソリン税にパーにいけば、一般会計の分にまであまり強い要求を出さぬでもいいじゃないかということについては、一応大蔵当局の意向はよくわかります。ところが、私の聞きたいのは、そのガソリン税として予定されております額以上に実収が上るということは、もうはっきりしておるわけです。われわれはその分を、目的税として徴収するのだから、将来にわたって道路整備のため補足していくということをはっきりと法律の中にうたっておくことが必要だと考えるのです。なぜなら、これは一般会計の税収と違って、目的税的性格をもって徴収されるものであり、しかも、それによって受ける負担は非常に大きいわけだから、そのものを道路整備費に補足していくということをしておきたいと思うわけです。ところが大蔵当局は、それをそうしないで、なるべく国債償却だとかなんとかにしたいのだ、こういう意向であると、目的税として非常な過重負担をさせることにもなって非常に無理があるし、しかもこの税収を予定するところの基礎になっている消費量の算定について、非常に大きな過小評価をして予算が組まれておるわけです。実際に消費される額は相当大きい額になるということは、だれでもわかっているわけです。そこから出てくる差額としての増収は五億や十億の問題ではなしに、われわれの予定するところでは約二十二億からになってくる。そうすると、一般会計から出てくるところの三億五千万くらいのものは、すぐ補って余りあるところのものが出てくるわけです。ところが、一方では税収として出てくる揮発油税や重油税というものは、すでに補っておるのだから、当然そこで二十億くらいのものは余分な徴収になってくる。そういうものを、われわれがここで法律の上ではっきり道路整備費として補足することがなぜいけないかという問題が出てくる。私はそういう問題について尋ねたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/51
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052・原純夫
○原政府委員 まず消費量二百六十八万キロリットルを二百五十万キロリットルと見ておる点につきましては、いろいろ御議論がありますが、政府の見込みは一月から十二月までの消費、厳密に言うと一月の途中でありますが、それをベースにしておる。消費見込みは四月から三月までをベースにしておる。御存じの通り、国民経済だんだん発展のときでありますから、三カ月の税といえども、やはり会計年度の方は消費が多くなるということが一つ。それから本年度の消費見込みのうちには、前年度の課税済みのものを消費するという分がある、従って、それは本年度の歳入にならないということが一つ。逆に言いますれば、五十億といわれる前年度の超過収入の中に入っている分があります。その他航空用ガソリンであるとか、いろいろなこまかい項目がありまして、かつ消費見込みは上期の外貨予算をベースにしたものであって、下期についての若干の問題もあるが、税としてはこの程度のお見込みでよろしかろうというふうな考えでおるわけであります。
それから第二段の、御推計によりますと二十二億くらいよけいとれる、一般財源からきているのは三億しかないから、それを補って余りあると言われましたあとの点でございますが、われわれもこの二十二億を全部出さないと申し上げているのではなくて、それは出します。ただし、三億を差引いた十九億を三十二年度に加えるということをもって法律上の最低限の要求としていただきたい、こういうふうに申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/52
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053・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私はこの道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これについての質疑はもうこれで終りますが、この際建設行政一般に関して、幸い大蔵省が出ておられますので、建設大臣並びに大蔵省の見解を聞いておきたいことがあるのであります。それは何かというと、上水道の問題であります。御承知のように、昨年度の上水道新規の補助と申しますか起債、これは非常に紛糾いたしまして、ようやくその話が建設、大蔵、地方自治庁、直接所管の厚生省、こういう方々の間に妥結をされて、昨年度の年度末、三月の末であったと思いますが、新規の四十一カ所をさらにやるということに一応決定されたようであります。ところが、年度末が切迫しておりますので、事務的の都合でそれが昭和三十年度に繰り越しになっておる。そこで、年度が変れば早急にその処置をするという方針にきまっておると私は承知いたしております。ところが、今日すでに五月も終るのでありますが、それがまだ何らの処置がされておらない。私はこの法律についていろいろ議論をいたしましたが、われわれは国会で各種の問題を議決をする。昨年度は約七千万円のものが、いわゆる新規上水道設置の補助金として厚生省に予算がきめられたのです。ちゃんと国会で議決されて予算が決定しておるのにかかわらず、役所の人たちのいろいろな議論によってこれが実際に行われないということは、一体どういうことですか。昨年度もぎりぎり決着になって一応妥結して、四月早々になったらこれを直ちに実施に移すということになって、各地方の関係団体はそれを期待しております。ところが今日、先ほども申し上げましたように、もう六月に入ろうというのにまだこれを引き延ばそうといたしておる。私どもは、こういうことは許されないと思う。そういう役所の人たちがおるのなら——そういう国会で議決されて予算がきまっておるのに、昭和二十九年度末までの処置ができない。しかもそれを早急に処置するということで繰り越しも承認されており、地方庁が非常に待ちに待っておるのに、今日までいろいろな異論があって決定されないということについては承知がならない。そういう役人はやめてもらって、国民の希望に従う行政をするような人たちにかわってもらわなくちゃならないと私は思っておる。これに対して建設大臣と、大蔵省の主計局が見えておりますから、見解を聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/53
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054・原純夫
○原政府委員 上水道の問題についてでございますが、私も最終的にどうなっておりますか、ちょっと担当が違いますので、最終的なただいまの段階での姿は存じませんが、予算は繰り越して使えるようになっておるということは承知しております。なお、新規をとる問題は、御案内の通り、公共事業でも、新規をとることはあまりに総花的になっておる予算の執行の現状にかんがみて問題だという考え方で、かえって新規をとらない方が予算の効率的使用になるのだという考えで、ごく例外な場合以外はとらないことにいたしておるわけでありまして、上水道につきましても、やはり予算をつけます状況が、非常に少額を一カ所につけて、自余は大部分起債によるというような状態になっておりまするし、その起債も、経済的な速度に合うように資金がつく状態でありますればよろしいのでありますが、そう参っていないというようなことから、これは予算における総花性というより、起債における負担が過重なためにやはり総花になるというようなことから、新規をとるとらぬということが問題になりまして、率直に中しますれば、やはりわれわれの事務的な見解においては、新規は極力スロー・ダウンして、すでに差手したものを仕上げるという方向に持って参りたいというような気持にあるわけでありますが、いろいろ御要望もあり、また公共事業の場合と違ういろいろな経緯がありまして、確かに年度末時分に、さてどうしよう、何とかしなければならぬがというような機運が出て、御相談しておったことまでは私知っております。これは私の知っておりますことを率直に申し上げたわけであります。自後のことは知らなくて、申しわけございませんが、帰りまして調べて、後ほど御連絡いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/54
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055・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私、実は率直に申して、この問題は承知いたしておりません。建設省の補助金でないことは私も知っておりますが、あるいは建設省がこれに関連して何かそういう問題があるとすれば、私もよく取り調べまして、また次の機会に申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/55
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056・西村力弥
○西村(力)委員 議事進行について。瀬戸山委員の御質問は、大へん大事な質問でございますけれども、きょうは理事会で、道路整備に関する質疑打ち切り、こうしておりますので、先ほど小松委員も関連質問を要求しておりましたし、この質問を全部終らしてからそちらの方に移ってもらいたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/56
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057・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 ただ一つだけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/57
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058・内海安吉
○内海委員長 簡単に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/58
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059・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 簡単に申し上げます。この問題は、私は国会と行政との非常なギャップだと思っております。私はけさも厚生省に行ったのですが、建設大臣は、なるほど直接の補助金の所官じゃありません。しかし、水道行政は共管ですから、これをすみやかに——一体いつまでに決定して、いつそれを処置するかということを、次のこの委員会に御答弁を願いたいと思います。地方公共団体を非常に迷わすようなことは、一番の根本が大蔵省にあるということを私は聞いております。これは民主党の政調会が中に入って、昨年の年度末に決定されたことなんです。そういうことを今日まで放任して——なるほど今のような議論もありますが、その議論のあったのを決定して今日に至っておる。二月も三月も過ぎているのに、いつまでも——これは昨年度の予算なんですよ。それを今日まで放任されておるということについては、私ども承知ならないから、一つすみやかにその方針を、いつどういうふうに処置するということを政府部内で決定されて、次の委員会に御報告あらんことを願っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/59
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060・内海安吉
○内海委員長 小松幹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/60
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061・小松幹
○小松委員 最初に委員長にお尋ねしますが、道路整備費の財源等に関する臨時措置、この改正法案についての質疑打ち切りということも言われておりますが、先般、大蔵委員会と地方行政委員会とこの委員会と、三者の連合審査会を計画しておりましたが、都合が悪く流会になりまして、まだこの問題をやっておりません。そのこととこの打ち切りは、どういう関係になりますか、まずそれをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/61
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062・内海安吉
○内海委員長 小松君にお答えします。この問題につきましては、後刻お諮り申し上げたいと思っておったのです。それは補助金等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、並びに今いった地方道路譲与税の問題につきましては、すでに大蔵委員会に対して連合審査を申し込んでおります。一方またこの補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきましても、この特別委員会に対して連合審査を申し込まんとしておるのでございまして、後刻皆さんにお諮り申し上げたいと実は考えておったわけでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/62
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063・小松幹
○小松委員 それでは、時間もありませんから、一、二だけお尋ねします。ガソリンに関連しての増税が二千円計上されておりますが、その二千円という計数を、民主党の立場から増税を可能ならしめた経済論拠というものを、数的にお尋ねしたところ、一萬田大蔵大臣は、数のことはちょっとわからないと言っておりました。政治的な一つの雰囲気といいますか、そうした雰囲気から二千円というものを増税したその論拠、しかも、それがガソリン消費税によって増税されて、目的は地方道路の整備のために使われることはよくわかっておりますが、それをガソリン消費税にぶっかけたところに、やはり経済的な一つの論拠がなくちゃならぬ。ただ漫然と、道路を作るのだからガソリンにかければいいじゃないかという、そういうなまはんかな論拠でおかけしたのじゃないと思う。そうなれば、そこに経済的な論拠がおありだと考えます。それについて私は聞きたいと思いますが、あらためてこれは大蔵大臣に承わることにします。
さらに、ガソリン消費見込みというものを、大蔵省では二百六十八万キロリットルを二百五十万キロリットルに見ております。今の答弁では、このくらいで抑えた方が安全率だという御答弁だったが、予算編成者としては、そういういわゆる突っ込みの安全率というものを考えたがる。しかしながら、いやしくも数を扱う者としては、ただ漫然と安全率という意味だけで、そういう論拠をお出しになるということはないと思う。やはり過去の、いわゆる経済の動態の数字があるはずです。そういう数字から——将来起り得べき障害というものもあるわけです。さらに大蔵省が弁明しているところの、いわゆる税徴収の技術面からも考えられるが、その徴収技術のどこに隘路があるのか、私はそのことだけをここでお尋ねしたい。前の二千円の問題は、政治的な問題と関連がありますから、一萬田大蔵大臣に質問することとして、今の予算を押える場合の見込み量を安く引き下げて押えた論拠、それをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/63
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064・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 前の方は、政府側から資料として出しますから、一つそれで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/64
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065・原純夫
○原政府委員 ガソリン消費量の問題でございますが、先ほど抽象的には申し上げましたが、それを数字で申し上げると、私どもはこう見ております。二百六十八万キロリットル、これは上期の外貨計画のベースでありますから、下期にどうなるかということで、若干の不安があるというような気がいたします。そこで二百六十八万キロというのは、三十年の四月から三十一年の三月までの消費の見込みでございます。ところがわれわれの課税は、三十年の一月から十二月までの消費と申しますか、引き取りを対象といたします。そうしますと約三カ月早いわけでございます。ところがガソリン消費は、御存じの通りずっとカーブを描いて上ってきております。そうすると、四月から三月までよりも一月から十二月までの方が少いのです。われわれの見込みの数字から申し上げますれば、三十年の一−三月の消費は六十万キロリットル、ところが三十一年の一−三月の消費が七十万キロリットル、こう見ております。そうしますと、そこに十万キロリットル課税としては少い、消費としては十万キロリットル多い。そこで課税見込みとしては、二百六十八万キロリットルから十万キロリットル引かなければならぬということが第一に出て参ります。それが一つ……。第二として、先ほど申し上げました課税済みの在庫を使うということになっております分が四万七千キロリットルございます。それを差し引きますと、つまり二百六十八万キロリットルから、さっきの十万キロリットルとこの四万七千キロリットルを差し引きますと、二百五十三万三千キロリットル、こういう数字が出たのでございます。そのほかなお航空機用のガソリンあたりにしましても、二百六十八万キロリットルの際の数字と若干調整を要するというようなものもありまするし、また輸出用であるとか、あるいは外交官用、行政協定関係旧というような免税の関係は、今までのケースで入れてない、そういうものはやはり落さなければいかぬというようなことがありまして、そうしてただいまの二百五十三万三千キロリットルのいわば端数と申しますか、三万三千キロリットルをそういうような意味でまるくして二百五十万キロリットル、こういうふうに見た次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/65
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066・小松幹
○小松委員 ちょっと今の説明で疑問があるのですが、二百五十万キロリットルから航空機用の五万を引いておるはずです。それからガソリン税の特別免税点の〇・三七は控除しているはずです。そうして計算してその頭額が二百六十万キロリットルになっておるのに、そういう三カ月のずれをそのように見るのは、あまり見過ぎておるということと、この前も説明しておるように、どうも徴税が技術的に心配だということも承わっておるのでありますが、徴税のどこが技術的に心配なのか、それはないのかあるのか、それも承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/66
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067・原純夫
○原政府委員 徴税が心配と申しましたことが私の申しましたこととすれば、それは税収予算を見ます場合に、この場合のように外貨予算というものが、上期はきまったが下期はきまらぬというような場合に、全然上期のものと同じように出してよろしいかどうかという点は、やはり税の見込みとしては、若干安全率を見ると申しますか、安全のサイドでものを見るというのが穏当だという意味で申し上げたので、取るべきガソリン税が取れないということを申し上げたつもりはありません。なお、航空川のは、非常にこまかい問題で、実は二百五十万キロリットルをもとにして課税見込みをはじきました際の航空用のガソリンの量が若干動いておるということでございます。もちろんおっしゃる通り二百五十万キロリットルから免税分を引いておるのです。大部分は引いてあるけれども、ごくわずかな差が出てきたということを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/67
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068・小松幹
○小松委員 私はこれはまた聞きでございまして、真偽のほどをお尋ねしたいのですが、何でも大蔵省が、そういう予算編成の途中において、通産省と運輸省に、消費見込みのところはあまりはっきりしてくれるな、ないしょにしてくれるということをおっしゃったということでございますが、それはそういう過程はございましたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/68
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069・原純夫
○原政府委員 消費見込みについて、もちろん通産省、運輸省と打ち合せはいたしております。この二百六十八万キロリットルという数字と税の見込みの二百五十万キロリットルとの食い違いが問題になりましたので、それをはっきりさせる意味で、またたびたび打ち合せいたしましたことも事実でございます。そういう際に、税としてはこう見ておるし、それは二百六十八万とはこういう関係であるから、そういうふうに考えるということははっきりしてもらいたいというようなことは言ったと思いますが、ないしょにしろというようなことは申してないと思います。実は私、税の方の各省との担当の衝に当っておりませんが、しかしそういうことは万なかろうと思います。やはり真実をお互いに話し合うということでやっておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/69
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070・小松幹
○小松委員 さようであろうと私は思っておりますが、デマか何か知らないけれども、二百五十万キロリットルを出すと大蔵省が押え、通産省、運輸省は二百六十八万キロリットルで一つの公けの数字を出しておる。しかも外貨割当においても二百六十万キロリットルを出しておる以上、同じ政府が金を分けて取るという、しかもそれが増税という一つの論拠を持っておる数字に、そういうように安く見積って増税をぶっかけるという数字を出すということは、はなはだおかしいのであります。しかも、うわさであればけっこうでございますが、大蔵省としては、運輸省、通産省に、ないしょにしてあまりそれをはっきりしないでほしいということを言われたというようなことを流布されておるというに至りますれば、いよいよもって、大蔵省というのは金の出し惜しみをするか、取り過ぎをやるか、そういうときに手前の数字だけを固執して、公けの数字を出さないという過去の習慣がそうしからしめたかと思う。われわれ議員としても、これは建設委員の関係だけではない、運輸委員でも、あるいは地方自治の方の委員でも、大蔵委員等でも、こういう大蔵省の考え方、もののやり方を微底的に追求せねばならない。事によれば、この二千円の増税というものは否決でもせなければならないという深い気持を持っておるということは、そういうことがやはり表面に出ているからではないかと私には考えられる。こういう点について、大蔵省の数字を扱う方としては、そういうことをたびたび過去においてやっているのであるか、今度初めてこういうことを違えてやっているのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/70
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071・原純夫
○原政府委員 きわめて迷惑な御質問でございます。大蔵省は財政を担当する立場で、税収見込みの正確を期する場合に、若干安全率を見るとか、堅実に見るとか、いろいろ歳出の御要求がある場合には、渋いことを申し上げなければならぬという地位にあることは確かであります。ただ、事柄が漏れると工合が悪いから隠しておけとか、いわば信義に反するようなことをしょっちゅうやっておるのかということを御質問になられますと、何ともお答えの申し上げようがございません。大変迷惑でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/71
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072・内海安吉
○内海委員長 西村委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/72
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073・西村力弥
○西村(力)委員 大蔵省の話が出ましたが、私も最近の税金について、三月に取るべき税を年度を越してから取れ、そうでないと、税があまり伸び過ぎて困るからこういう操作をしておる、あるいはガソリンの消費量の見込みの問題と一連のものだ、こういう話を聞いておるのですが、それに対する答弁は要りません。
ただ、道路整備の五カ年計画を完遂する意欲を大臣は強く持っていらっしゃる、政府全体としても、そうあるという御答弁でございまするが、これを完成するに、ガソリン税の収入だけで完全にできるのかできないのか。これは計画として五カ年間の見通しを持っていらっしゃると思うので、大臣にその点についての答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/73
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074・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 現在考えておりますものは、五カ年計画を完遂し得る計画で進んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/74
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075・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 もちろん全体を合せてそれでやっていくつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/75
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076・西村力弥
○西村(力)委員 そうしますと、先ほどからいろいろ問題になっておりますが、臨時措置法の一部改正では、結局ガソリン税収のワク内においてこの計画をやらなければならぬという工合に押えられてくる。これはずっと各委員から追及があった点でございます。そうしますと、この法律改正は、結局ガソリン税収だけで五カ年計画をやるべきだということを逆にいって、そういうワクをつけてしまうということになりますので、五カ年計画そのものの完遂ということは投げなければならぬ。それを投げないとするならば、またガソリン税の増税をはかっていかなければならぬじゃないか、結論はそこに行くのではないかと思うのです。私たちはそういう心配を非常に持っているのですが、大臣からその点についての御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/76
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077・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 これは私、この前も申しましたように、この臨時措置法の考え方というものを押し広めていく、同時にその根底をなす五カ年計画は、政府としては十分やり得る計画で進んでおるわけでありますから、この法律が今お話のように何か逆の方向に行くとかいうことは、毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/77
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078・西村力弥
○西村(力)委員 考えてはいないでしょうけれども、先ほどからいろいろ論議のありました通り、結局道路整備費用というもののガソリン税との差額だけは埋めるけれども、そういう工合にしてしまうのだから、何としても予算編成の時期には、実際にガソリン税収をオーバーするようにガソリン税収と一般財源とプラスして予算を組まれるということはなくなるだろう、かように私は思うのです。それで結局ガソリン税収だけでやらなければならぬということになる。やれないとするならば、やはり税率を上げなければならぬ、このように相なるのではないか。その点につきましては、やはり明確にそうでない方法を法律的に打ち出していかなければならぬのではないか、かように私は考えておるわけです。大臣の決意的な答弁ばかりでなく、その間もう少し御丁寧にお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/78
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079・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 はなはだ簡単に申し上げたのでありますが、丁寧に申し上げても、これは予算編成のときの政府の考え方でありますから、私は今の段階としては、臨時措置法はこれを裏づけする基本の法律であり、これをもとにして政府は熱意をもって道路五カ年計画を完遂するという方針で進めるということを申し上げる以上に、別に他意はないつもりでありますから、それで御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/79
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080・西村力弥
○西村(力)委員 そうしますと、この整備計画の進捗状況をずっと見ますと、今のような状態では、これは五カ年間にやり遂げることはできないことになるのじゃないか。現在二カ年間で道路が三十二・四%、橋梁が二六・二%鋪装が二八・九%、こうなっている。これを五カ年に直していったら、決して一〇〇%の完遂ということにはならない。それでありますから、結局もっと強い方向を打ち出していかなければ——国会の意思を尊重するなり、あるいは閣議決定をもって五カ年計画を立てたこれを完成するためには、このような得手勝手に一般財源からこれを取り入れることが不可能なような工合にワクづけされるような改正は妥当ではないと私たちは考えるわけです。そうしますと、今の進捗状態からいいまして、ガソリン税のほかに一般財源として、どのくらい毎年やっていくか。これは年々生ずるガソリン税収を上回った総計になる一般財源の注入ということが必要になるのじゃないか。こういう決意を持っていらっしゃるかどうか。そうならなければ、この進捗状態を見ましたときには、この五カ年計画の完成は絶対に不可能ではないか、さように考えられるのであります。その点は、これは幾ら言っても同じような状態でございますから、私たちとしては、やはりこの法律的な不備ということを、何とかわれわれの手でやっていかなければならぬのじゃないか、そのように考えておるわけです。それはそのくらいにして答弁を求めないで終りにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/80
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081・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 答弁を求められたわけではありませんが——資料として差し上げてあるはずでありますが、計画は目下のところ予定の線上を進んでおります。この前も申し上げたように、若干計画に違いましたのは、昨年度においていわゆる直轄の道路の方が予定よりおくれまして、他の方が幾分進んだということは、直轄分担金の問題が、財政的に予定通り進捗いたしませんために、そういうことになりました。今回はこの修正を御承認いただけば、その点が改められまして、全体としては予定通り進行しておりますから、われわれとしては、五カ年計画の完遂は決してさように考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/81
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082・西村力弥
○西村(力)委員 答弁を求めないのに御答弁をいただいて恐縮でございますが、そうしますと、大臣にお聞きしますが、この間大蔵大臣が参りまして、この建設行政が非常にロスがある、こういうことを言っておる。建設大臣を前にして、そういうことを言っておる。あの発言を聞きまして、あなたはどういう工合にお考えになりましたか。地方道関係、補助金関係などの非常にインチキなのもあるかもしれないけれども、あの発言の中には、建設省直轄の事業についても相当あると、大蔵大臣はあなたを前にしてはっきりそういうことを言っておられる。それを黙ってお聞きになっておるのはどういうわけかと、私は聞いておったわけなのです。これはその通りあるのか。あるならば、そういう点をどういう工合に大臣の仕事として改正するなり何か考えていらっしゃるか、その点を一つ御心境をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/82
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083・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 これは決算委員会におきまして、前年度までのところに——先般も委員長からの本会議の報告を私も聞いておりましたが、その中に建設省に関する問題が取り上げられておることは事実であります。これは政府全体としては、まことに申しわけないことでありますから、今後さようなことの絶無を期するように、われわれとしては全力をあげて今努力いたしておるわけであります。しかし、率直に申すならば、建設行政が全部がでたらめであるとは私は信じておりません。数多い中でありますから、災害等いろいろ間違い等が若干出ました点は、はなはだ遺憾であり、これはまことに申しわけないことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/83
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084・西村力弥
○西村(力)委員 建設省は今年の事業予算の削減から、定員を二百名ばかり減らそうとしておりますが、やはり人間である限り、能力の限界というものはあるのじゃないか。事業量が減ったにいたしましても、そのようなごまかしや何かが起るのは、心理的な綱紀の弛緩ということもあったでしょうけれども、一つはやはり人間の担当する能力の限界を越えてやっておるというようなこともあるのじゃないかと思う。そういう点からいいまして、このたびの定員の削減ということは、今そういう問題を大臣自身がお認めになっていらっしゃる点からいいまして、削減というのは、私は事業量の点からいって妥当ではないのではないか。ほんとうに国の金を効率的に使用することができるためには、現在定員でもってはっきりとそこに不当なり、あるいはごまかし的なものが行われないように十分なる仕事をしてもらう、させる、こういう方向をとられるのが妥当ではないかと思うのです。その定員削減と事業量の点に関して、大臣は一体どうお考えでございますか。これは腹づもりでなく、一つのしっかりした根拠に立って答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/84
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085・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 御承知のように今回の人員の削減は、営繕に関する職員に限っております。これは一般の建設省の事業と少々性質が違いまして、御承知の通り占領下の問題を引き続きまして、いろいろ関連した営繕を引き受けて参りました関係で、非常に膨大な仕事があったのでありますが、日本が漸次独立自主に進んで行くに従いまして、さようなものがなくなってくるということは、これはある意味において喜ばしいことでありますから、そういう面が縮小をする、それに従ってそれらに努力をしておった諸君には、個人としてはまことにお気の毒にたえませんけれども、仕事がなくなるのに定員を置くというわけには、これは国費をまかないます政府の責任においていたし方はありませんから、涙をのんで必要最小限度の定員の削減をいたしたわけでありますから、これが建設行政全体の弛緩を来たすこととの関連は毛頭考えておりません。従って他の局においては何ら定員の削減等をいたしておらないのは、御承知の通りでおりまして、この営繕という特殊の事態の処理につきましては、われわれとしては最善の考慮を払って、今まで努力してきた諸君に対してはできるだけ——これも役人のことでありますから、制度の許す限り生かしたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/85
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086・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の点に関連して、大臣にお伺いしたいと思います。私がせんだって大臣に、現在の建設省の定員についてお伺いいたしましたときに、非常勤あるいは常勤的な職員の問題と関連いたしまして、少くとも労務過重になっておるので、この非常勤の問題についても、占領時代の遺物だから再検討したいというような大臣の御答弁もありました。問題は、今度出されております行政機関職員定員法の一部改正法律案で、他の省庁におきましては六千人ぐらいの増員がなされております。これはそれぞれの仕事の量に応じて増員がなされておるのでございますけれども、この際営繕の仕事がなくなったからということだけで、今の御答弁のように減員するということじゃなくて、こういった機会に、せんだって大臣の御答弁があったような形の定員増ということを考慮すべきではなかったかということが一点。
いま一つは、やはりせんだっての話でも出たのでありますけれども、一方では昨年度の定員法の改正で減員しながら、一方では新規の職員を採用しておる。もちろん大臣が言われたように、新しい職員を入れることによって省内の空気を変えていくことも必要であろうと思いますけれども、しかし建設に携わる人たちの技能というものは、そう一朝一夕にできるものじゃない。もちろん営繕関係の諸君は、営繕関係ばかりやってきたかもしれないけれども、その諸君をほかに転用することによって、新しい職員より以上の仕事ができるんじゃないか、そういった措置を講じてやるべきじゃないかと考えるのでありますが、この点について、どういったお考えを持っておられるか。この二点について、お伺いをいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/86
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087・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 御承知のように、今度定員が目に見えてふえたのは、厚生省の病院の方と郵政省の関係でありまして、他の省で目につくほどふえたところはありません。そういう仕事がふえて定員がふえるということは、この際でもやらなければならぬとしてやったわけでありますが、残念ながら建設省はそう目に見えて膨大にふえる面はありません。ただあるのは住宅の問題でありまして、これは役人をふやして家を建てるということよりも、実際にやる面において仕事がふえる。それは主として公団でありますが、その面においてわれわれは考えております。
第二の問題として、転用したらどうかということでありますが、事務官と違いまして、技術者を何でも首さえつながればいいということは、その人に対してもはなはだ不親切な話でありますし、役所の定員の中でやりくりすることにもおのずから限度がありますから、お話の通り、そういうりっぱな技術者が別の方面で腕が振えるように考えて参っておるつもりでありますが、しかし、それは役人の中で必ず回さなければならぬということもなかなかむずかしい問題でありますから、別の方法で考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/87
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088・有馬輝武
○有馬(輝)委員 減員の問題につきまして、営繕関係の仕事が減ったからということで、今おっしゃったような答弁をなされたのであろうと思います。私が申し上げておるのは、少くとも非常勤をかかえてやっていかなければならぬ。そしてその非常勤の職員の諸君に、本定員の諸君と同じような仕事をやってもらわなければ、現在までやっていけなかった。こういう状況のときに、積極的に定員増がやられてしかるべきではなかったかということを申し上げているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/88
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089・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 その問題は、この前も申し上げましたように、急に建設省の仕事が、病院がふえるとかなんとかいうのと違いまして、各局の仕事はそう目立ってふえたわけではありませんから、この際仕事に応じた定員というものを一挙にふやすということは、これは御承知の通り、今の役所の制度においては困難であります。しかし、私がこの前も申し上げたのは、定員外の職員を多数擁しておるということは、皆は別の形においてこういうことがあり得たのでありますが、今の定員法という制度をやったから、いかにも不合理なように見えますけれども、実際はやはり事業費である程度の人が仕事をしておったということは事実であります。定員法の制度に、こういう現業的な人を当てはめていくところに、私は制度と実態と合わないところがあるということを考えておりますから、これは定員法を含む行政制度全体の検討の際に改めませんと、一挙に定員外の人を何千人も定員に加えるということだけでは、世間へもなかなか——できればお話の通りけっこうなことと思いますけれども、そういうことではなかなか解決のし切れない問題であろうと思いますから、全般的な問題として検討をいたしていきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/89
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090・有馬輝武
○有馬(輝)委員 最後にお願いいたしておきたいと思いますが、この営繕の諸君の身分的な問題につきましては、先ほど御答弁のありましたように、心配のない形、これをぜひ確約しておいていただきたい。
なおいま一つ、この前、官房長にお願いしておきましたところの、四国の物部ダムの死亡について、その原因を具体的に調査されたものを早急に出していただいて、その上でお尋ねしたい点がありますから、その件はお急ぎ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/90
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091・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 確約をしろというお話でありますが、今の段階においては、予算もきまらなければ、法律もきまらない状態でありますから、私が引き受けるということをここで申し上げるということは、いささか、どうかと考えます。もちろん、私は誠心誠意自分のできるだけの範囲内において努力をいたしておるということだけは、申し上げられますけれども、その後の、どこにどう持っていくということを明確に申し上げる今日は段階ではないということで、お許しをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/91
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092・内海安吉
○内海委員長 ほかに御質疑はありませんか。
それでは通告のありました質疑は全部終りましたので、これにて本案に対する質疑を終了するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/92
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093・内海安吉
○内海委員長 御異議なしと認めます。さように決しました。
本案に関します討論採決は次会に譲ります。
なお日本住宅公団法案の質疑は、これまた次会に譲りたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/93
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094・内海安吉
○内海委員長 この際お諮りいたします。すなわち補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)が、補助金等の整理等に関する特別委員会に付託になっておりますが、本案は耐火建築促進法に基く補助の問題につきまして、当委員会としても非常な関心を有する問題でありますので、連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/94
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095・内海安吉
○内海委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
ただし、機宜の措置は委員長に御一任されんことを願います。
本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
午後零時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01519550530/95
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