1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月九日(木曜日)
午前十一時三十一分開議
出席委員
委員長 内海 安吉君
理事 荻野 豊平君 理事 高木 松吉君
理事 山口 好一君 理事 逢澤 寛君
理事 瀬戸山三男君 理事 西村 力弥君
理事 今村 等君
大高 康君 志賀健次郎君
高見 三郎君 廣瀬 正雄君
松澤 雄藏君 中川房次郎君
二階堂 進君 有馬 輝武君
小松 幹君 三鍋 義三君
山田 長司君 中島 巖君
出席政府委員
建設事務官
(大臣官房長) 石破 二朗君
建 設 技 官
(河川局長) 米田 正文君
建 設 技 官
(道路局長) 富樫 凱一君
委員外の出席者
建設事務官
(河川局水政課
長) 国宗 正義君
専 門 員 西畑 正倫君
専 門 員 田中 義一君
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六月八日
住宅金融公庫貸付金利子引下げに関する請願(
田中武夫君紹介)(第一九七二号)
柏田上北方水門設置の請願(川野芳滿君紹介)
(第一九九八号)
地代家賃統制令の一部改正に関する請願(藤本
捨幼君紹介)(第二〇一七号)
国道十一号線中大内町、白鳥本町間の道路改修
工事促進に関する請願(藤本捨助君紹介)(第
二〇四八号)
国道八号線舗装工事促進に関する請願(今井耕
君紹介)(第二〇四九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
水防法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
一六号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/0
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001・内海安吉
○内海委員長 これより会議を開きます。
水防法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行います。小松幹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/1
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002・小松幹
○小松委員 水防法を改正する趣旨は、一応わかるのですが、この組織範囲といいますか、組織系統というのか、建設大国にウェートがかかってきたという感がするのですが、その点はどうか。それから消防法、消防組織法等との関係、あるいはさらに突っ込んでいえば、水防組織法を作った方がいいような感じがするのです。消防の方は、組織法ではっきり系統組織ができている、そして消防法が特例にできておる。その組織法と水防法とがごっちゃになって、さらに今度建設大臣の指揮範囲が拡大されて、しかも、その水防団に所属する者の災害補償とか、あるいは町村の負担金がはっきり明示された。そういう意味から、これを組織的にどう考えるかという質問であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/2
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003・米田正文
○米田政府委員 この水防法と消防組織法との関連でございますが、この点は、初めから問題のあった点でございまして、現在の消防組織法においては、消防と水防と二つの任務を持っておるのでございます。消防そのものがそういう任務を持っておって、それをまた特別に水防法をこしらえたわけでございます。従前の行き方は、消防組織法で事足りるといたしておったのでございますけれども、その後水害が非常に激化して参りまして、現在の消防組織法の中の規定だけでは、どうしても十分でない、だから、消防組織法を改正するか、あるいは別途に作るかというのは、確かに問題でございます。しかし、今日の状況から見まして、私どもはもっと本質的に水防というものを強化拡充していく必要があるという信念から、これを独立させて、今後さらにこの強化をはかっていきたい、こういう考え方から、これを独立させたものでございます。
今度の改正は、これは御承知のように、二十四年公布の法律でございますが、その当時から今日まで五年有余の経験を経たのであります。その経験の結果、現実に運用して支障のあった点を考慮いたしまして、その点を改正するという趣旨でございます。今申し上げましたように、建設大臣の権限等は、だいぶ入ってきております。これは今日の実情から見まして、この程度のことは当然必要になってきたので、現実にまたこういう逆用を実際にやっておるのでございます。全体から見ますと、もっと改正すべき点もいろいろあったのでございますけれども、今日の運用の限度からは、この程度までは最小限度改正していきたいという考え方で提案をいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/3
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004・小松幹
○小松委員 はっきりお尋ねしますが、水防組織法なるものを、将来構想に描いておるかいないかということと、今出されているような、建設大臣が水防の全責任を負うという格好がいいのかどうかという問題です。やむを得ないで暫定的にこうやるというのか、これが最大というのか、その辺を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/4
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005・米田正文
○米田政府委員 私どもただいまの状況では、ただいまの水防行政の面から見ましても、この程度の法律で十分であると思います。将来水防組織法にするか、どうかというお尋ねについては、今後の情勢の変化によりますので、今日からその予見を申し上げられないのでございますけれども、私どもとしては、現段階においてはこの程度で十分であると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/5
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006・小松幹
○小松委員 水防のこしらえてあるところ、あるいは水防団が別個に存在しているところは別にいたしましても、水防団というものが別に存在していないで、地方の消防組織だけ一本あるところが、大水害によってそういう消防団を動かしたというような場合の責任、いわゆる指揮系統の責任と、さらにその費用負担の責任、その権限はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/6
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007・米田正文
○米田政府委員 今のこの法律の建前から申しますと、市町村が水防の責任を有するという原則になっております。これは水防というものが、長い伝統と歴史を持って発達をしてきたものでございまして、そういう経過から見まして、水防の責任は市町村にありという原則に立っておるのでございます。この原則から、今のこの法律ができます前には、消防団の任務の中に入っておる、これができてからも、消防団の任務の中には、今日なお生きておるのでございます。
〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕
従いまして、法律の建前からは、今二本建になっておると申し上げてもいいと思います。ただ、命令系統から申し上げますと、消防は消防の現在の体系の組織、国家消防本部から末端の組織に至るまでの一つの機構がございます。この水防法の建前には、建設大臣から末端の市町村長に至る管理団体の責任者の間の系統がございます。しかし、いずれの系統にいたしましても、根本的な責任の所在は、いわゆる市町村というものが水防の責任を有するという原則に立っておるのでございます。もし、消防団の活動をいたします場合でも、今日水防法といたしては、水防法から、見た水防上の活動を消防団が行なった、水防法上の任務を消防団が行なった、こういうふうな建前になっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/7
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008・小松幹
○小松委員 そうすると、水防のために消防団を動かしたというようなときの費用分担は、やはり建設大臣なり、そういう指揮系統なりから、それぞれの場所に対して負担をしているのか、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/8
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009・米田正文
○米田政府委員 消防団が活動をしたために要する経費等についての問題は、その消防団はいわゆる水防管理団体である市町村に属しておりますので、原則は、その管理団体の長である市町村長がその経費を負担いたすのが原則になっております。それに対する補助は、原則としては、今日消防についても水防についても、現行法では国が補助をするという法律上の規定がございません。これは市町村の国有の事務という建前から、そういう建前になっておるのでございます。ただ現実には、予算補助として、今日予算的な措置としての補助はいたしておるのでございますけれども、法律上の補助という規定はないのでございます。どこまでも、市町村の独自の負担という建前に立って運用されておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/9
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010・小松幹
○小松委員 今ちょっとわからぬところがあるのは、予算の補助をする場合ですね、消防団が水害のために動いたという場合には、相当広範囲に動くと思うのです。利根川とか、ああいう大きな河川のみでなくして、中小河川や末端河川でも、上のダムが切れたために百戸なら百戸世帯というものが水防防除のために動いたというような問題は、今までは、いわゆる消防団の運営として町村が負担していた。今度の改正によると、建設省関係で水防補助をやるといっているから、どの程度までやってくれるのかという問題を私は聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/10
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011・米田正文
○米田政府委員 この水防団に対する補助の規定は、今回のこの現行法改正では、水防施設の設置に要する費用の補助を国がするという建前にいたしております。補助の対象は、水防施設に限っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/11
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012・小松幹
○小松委員 その水防施設は、中小河川以下――河川まで行くか行かぬかわからぬけれども、小河川、これまで施設が作られる可能性もあるが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/12
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013・米田正文
○米田政府委員 その補助の対象になる水防施設ですが、その水防の施設を設置するのはどこかということになりますと、この改正法では、抽象的ではありますが、二府県にわたるような大きい河川、あるいは単独の河川であっても、国民経済上重大な関係を持つ河川というように、国の補助の対象は限定をいたしております。従いまして、全国どこの川でも補助の対象になるというわけ合いではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/13
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014・小松幹
○小松委員 この水防なり、あるいは災害に対する防除工事施設というものは、今まではあまりなかった。大ていの場合は、災害を受けてから災害復旧をやるというのでありますか、特に九州とか、しょっちゅう災害を受けておるところは、災害のあと押しだけでも並み大ていじゃない。年々そういうことがくれば、防除施設というものが大きく浮び上ってくるわけです。そこで最近は農業災害の防除施設のために特別災害、農林水産の災害防除法案というものを作ろうという雲行きもあるわけです。ところが、農林水産の災害防除だけでは事足りない。やはり砂防工事――砂防工事そのものが幾分防除的な役割を果すと思う。ところが、さらに水防関係の防除施設とすれば、ある町村の――私は例をあげてもいいのですが、私の町にも、小さな河川でありますが、年々歳々その川がはんらんすることによって、百戸ぐらいないわゆる低地市街が毎年水害に見舞われる。それがその上の山岳地帯の上のところに災害防除の堤防か何かをこしらえて、しっかりした防除施設をすれば、永久にその町は水害から救われる。その百戸の町民は、常にちょっとの雨でも降れば不安なのです。ところが、それは災害としては取れない、いわゆる防除としての堤防を作ってもらわなければならぬ。そういうならば、水防法によるところの災害防除施設というものに、予算的補助をしてくれるかどうかという問題を、私は含めて聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/14
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015・米田正文
○米田政府委員 ただいまのお話は、確かにそういう必要のところは各地にあることと任じます。実は今の治山治水の水防まで含めた建前から申しますと、そういう土木施設については、いわゆる治山治水費で施設をしていくという建前をとる。ですから、事前にそういう施設というものは、いわゆる治山治水の事業として計画を立てて実施をする。いよいよ雨が降って洪水が出たというときには、水防法による水防活動によって災害を最小限に食いとめる。それでもなお水害が起っていろいろな施設に損害を与えた場合には、その災害についてこれを復旧していくというのは、災害復旧費国庫負担法でやっていこう。いわゆる三段階で今日考えておるのでございまして、事前の措置と水防活動それからあとの災害復旧、こう三段階にわかれておるのでございまして、今お話のございましたような問題は、事前の措置として、いわゆる治山治水の措置として実施していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/15
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016・小松幹
○小松委員 あなたのおっしゃることは、よくわかりましたが、そうすると、この三段階の中で、私がさっき例をあげたのは第一段階、そうすると、今あなたの方から提案されておるところの水防法に伴う予算補助は第二段階だ思う。二段階の補助というのは、どういう施設か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/16
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017・米田正文
○米田政府委員 ただいま実施をいたし、今後も実施をしようといたしておりますのは、水防金庫でございます。これは洪水時に使ういろいろな水防用資材を一格納しておく倉庫でございます。各地で非常にこの要望が強くて、数年来この設置を全国にわたって今日実施いたしております。目標としては、約九千棟の水防倉庫を建設したい。今日は大体それの半分くらいが完成をいたしております。なお、今後その半分のものを建設していく予定でございます。今年度も、大体五百棟程度のものを実施をしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/17
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018・小松幹
○小松委員 それでは今考えられておるのは、水防倉庫のみということに限定されますか。それならば、今までは倉庫というものはあったのですか、今度新たにそれをさらに拡大するという御意見ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/18
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019・米田正文
○米田政府委員 これの費用の補助は、今度は法定をいたしたのでございますけれども、従前から補助はして参っております。ただ従前は、予算措置予算補助として実施をして参りましたので、今後の見通し等については確実でない、あまりはっきりしない単年度々々々の計画としてやっておる。全体の計画はもちろん持っておりますけれども、実施上の面から申しますと、単年度々々々の予算折衝でやっていくという建前でございますが、これを法定をしておいて、今後は長期の明確な計画を立てて、長期計画でやっていきたい、こういう考え方でおります。実際にやっておるのは、従前もやっておったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/19
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020・小松幹
○小松委員 そうすると、そういう水防準備の倉庫は、河川に付随して設置するのか、あるいは行政体で設置を計画しているのか、どちらですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/20
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021・米田正文
○米田政府委員 現在実施しておりますのは、大体原則を川筋にいたしております。川筋に二千メートル置きぐらいに倉庫を置くという計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/21
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022・小松幹
○小松委員 これとは性格が違うかどうか、行政体で、災害地は、災害用ロープだとかあるいは伝馬船とかいうようなものを、どこに災害があるかわからぬので用意したい。ところが、それに倉庫がない。また食料品の問題もあります。そこで、河川の付近にそれを用意するというても、その河川で問題がある、あるいは向うの河川であるかわからないので、交通の一番便利で連絡の取りよいところに倉庫を持って、そうして緊急用の衛生材料とかあるいは器材、ロープ、そういうようなものを用意するという考えが府県にあるわけです。そういう倉庫とは、全然関係のないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/22
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023・米田正文
○米田政府委員 そういうものは、水防用の器材としてあるいは資材としてのものだ、今のお話ですと、そういう趣旨のように思いますが、水防用のものであれば、そういう格納をする施設というものは、この条文では適用せられることになります。ただ現実に、今のお話のようなものは、まだ実施はいたしておりませんけれども、この範囲に入る性質のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/23
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024・小松幹
○小松委員 災害のことは一応終りまして、さらに、先ほど申し上げました水防組織というものは、この程度の組織で完璧か、どうかという問題があるわけです。最近特に災害、水害というものが多くなってきている現状から、昨年のああした災害を顧みたときに、水防というものが、建設大臣のいわゆるひまな水防措置で、果して完璧にいくかどうか。特に大河川、中小河川を含めて河川の多い日本の国には、消防組織法のような水防組織というものをはっきり立てて、ここまでは頭が二つあるが、これから下は消防と水防とが緒になっておるのだというようなはっきりした組織というものをお考えになっていないかどうか。今のところは、どうも消防が主であって、水防は特に水害の多い利根川とかそういうようなところに水防団ができる、その程度のもので、あまり水防に組織立ったものを持っていない。建設大臣がやるとおっしゃいますけれども、消防の方だったならば、国家消防本部があって、常に国家消防本部で、技術的にも、計画的にも消防の研究をして、一朝有事の際に応ずる態勢をとっておる。水防の場合には、それがはっきりと組織的にできていない。これを少しでもよくしようというのが、今度のお考えであろうとは思います。だから、あながち政府がそれを今ここへ出していることを悪いと言うのじゃないのです。さらにそれを拡大して、水防組織というものを確立する必要があるじゃないかと私は言っているわけですか、その点についてのお考えを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/24
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025・米田正文
○米田政府委員 確かに一つの考え方としてそういう考え方もあると思います。私どもも、研究をしてみたことはございます。ただ、消防と水防との差は、水防は非常に時期的に、一年のうちの雨季に限定をされるものであります。消防は、もう年間を通じ、三百六十五日活動をすべき性格を持っております。そういう時期的な面において非常な相違があるのでございまして、その雨季のために必要なこの機関を、雨季外にも一年中常置しておくということについては、経費の面その他で、相当な問題を含んでおるのでございます。われわれとしては、現在の段階ではこの程度の水防活動によって完璧を期したい、できるだけ現在の制度の運用によっていきたい、こういうふうな考え方をいたしておりますが、お話のような点につきましては、今後なお研究を進めていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/25
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026・小松幹
○小松委員 さらに、私はこういう考えも持っておるのです。消防組織法を改めて、単に火災の予防なり、あるいは火災の鎮火なり、それぞれの研究なりという、いわゆる消防組織というものに、一項水防というものを加えて、消防水防の組織法に改めて、消防水防法というものを一体的なものにして、中央ではっきりした組織を考えたらどうか、こういう考え方をしておるのですが、その点建設省の関係で、これは何もセクショナリズムというわけではないが、それではどうも御都合が悪い、やはり建設省が水防の責任を持っていなければいかぬ、こういうお考えか、国家消防本部を国家消防水防本部と改めて一切消防、水防に関する限りはそこでやるという考えか、その辺のところの見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/26
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027・米田正文
○米田政府委員 私どもの考え方は、先ほど申し上げましたように、この治水問題は、第一段階治山治水、第二段階水防、第三段階災害復旧、こういう一連のもとに治水行政を行なっていきたいという考え方に立っておりますので、ただいまの消防の面を拡充していくというその筋で行なっていこうという考え方には、やや考え方を異にいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/27
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028・小松幹
○小松委員 質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/28
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029・二階堂進
○二階堂委員 関連して……。この水防法につきまして二、三の点をちょっとお聞きしてみたいと思います。この水防施設及び犠牲者等に関しまして、予算的なある程度の措置ができてたということは、これは一歩前進であると私は考えております。しかし、この水防法は、たとえば大きな災害の事態が起ったあとの措置をどうするか、犠牲者が出た場合には、その補償をどうするか、あるいは大きな洪水が出た場合の施設あるいは資材等のことをどうするかというようなことの条例でありまして、これは本末転倒していると私は言わざるを得ないのであります。災害が起らないように山を治め、川を治めるということが根本でなければならぬ、こういう考え方を私は持っておるわけであります。そういう点から、本年度の予算を見てみましても、鳩山内閣が出しました予算というものは、たびたび私が委員会においても言明をいたした通り、治水治山ということを非常に忘れておる。これははなはだ遺憾だと私は考えて、大蔵当局に対しましても、この主張をいたして参っております。さらにまた、今後も治山治水に対する考え方、予算の措置等につきまして、十分一つ考えてもらわなければいかぬ。治山治水に対する考え方が足らないから、従って大きな洪水が起ってくる。災害復旧の費用等も非常に減額されておるということを見ましても、遺憾だと考えておりますので、この点は、一つ建設省当局におかれましても、今後さらに熱意を示されて、この方の予算獲得に努力していただきたいと考えるわけであります。
ただいま提出されておりますこの法案につきまして、まず第一にお伺いいたしたいことは、第六条の二にございますが、公務災害補償の点であります。これは今までにどういうような措置がとられてきておるのか、どの程度の金額の補償がなされてきておるか、あるいは市町村あるいはその市町村組合の条例の定めるところによって、それぞれの補償がなされたければならぬということが書いてありますが、一体今までに、最近の災害等に当りまして、どの程度の補償がなされてきておるかということを、お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/29
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030・米田正文
○米田政府委員 従来の公務災害の補償に関しましては、消防団員については、御承知の通り消防組織法で、公務災害補償の条項がございまして、これによって補償をして参っておるのでございます。これは消防関係では、各市町村が共済組合あるいは互助組織を作りまして、これである一定の金額を各関係の市町村が積み立てをいたしまして、事故のあった場合に補償するというような方法をとっておるわけであります。現在では、各都道府県の単位単位でそういう組織ができておるのでございます。その基準は、大体労働基準法の災害補償の建前に立っておるのでございまして、たとえて申しますと、一例でありますけれども、死亡した場合には、その日給額を想定いたしまして、日給額の千日分と葬祭料の六十日分と合せまして千六十日分を支給するというような標準で補償をいたしておるのでございます。現行の水防法では、この水防団についての公務災害の補償は、いわゆる水防に従事したことによって死傷したような場合についての補償については、現行法では、第六条で、扶助の規定を各市町村に作って、その扶助規定で、条例または議決で扶助をしていくという方法をとっておったのでございます。しかし、扶助という形では、死傷を受けたり公務の災害を受けた人に、非常にお気の損な実情でございます。たとえば、去年の例を申し上げますと、昨年われわれの方に報告のあった件数から申しますと、六人の犠牲者が水防によって起きておりますが、そのうち五名は、消防団員であったために、規定の災害補償を受けております。そうしますと、大体これは非常に大まかな話ですが、一日の給料を三百円としますと、一千日ですから三十万円の補償費が出るわけであります。しかし、残りの一名は消防団員ではなかったために、一万円を香典名儀で市町村から支給をせられた、建設省といたしましては三万円程度の遺族に公傷費を出した、こういう事例が昨年あるのでございます。こういう点から、私どもは至急に法律を改正して、ぜひそういう方には、やはり普通の一般消防団員の受ける補償費と同額のものを支給するようにいたしたいというので、この公務災害補償の第六条の二として、今度新設をいたしたわけでございます。全体の件数については、昨年のはそういう状況でございます。二十六年から二十八年までの三カ年間の統計になっておりますが、統計では、二十九人の死亡者を出しております。これは三カ年間でありますが、特にそのうち、二十八年は多かったと思います。内容的に見ますれば、三カ年で二十九名の死亡者を出しているような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/30
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031・二階堂進
○二階堂委員 大へんな災害のときに、水防団員あるいは消防団員が身を挺して一般住民の生命、財産の保護に当っておられるわけでありますので、死なれた方々があった場合にはこれは当然なことと考えております。特に私どもの地方におきましては、毎年大へんな災害がありますが、その都度消防団員等が徹夜で河川等の監視に当り、あるいは災害のときには、それこそ、一生懸命になって水防の仕事に当っておられるわけであります。その災害のひどいときなんかには、消防団員のみならず、一般の人、特に青年の人たちの協力を求めて、そういう仕事をやっているわけでありまして、このために、年々死亡される方や、そのほかにけがをしたりされる方が多いわけでありますので、国として、当然の責任において補償なり、遺族の方のめんどうを見ていくなりということがあってしかるべきものと私は考えているわけであります。従って、この点につきましても、今後とも十分意のあるところを主張されるようにお願いいたしたいのであります。
さらに、二十四条であります。これは公務災害補償とは別の規定であると私は考えるわけでありますが、これも市町村等のきめる各条例で定めるところによって補償しなければならぬということが書いてありますが、これも大体どの程度の補償がなされておりますか。大体今の説明にもあったと思っておりますが、金額につきまして、どの程度になっているかということを重ねてお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/31
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032・米田正文
○米田政府委員 第三十四条の問題でございますが、これは現行法では扶助ということになっておりましたものを、今回、扶助ではなくて、やはりその損害を補償するという建前に直したのであります。
これはどういう人に適用するのかと申しますと、消防団員あるいは水防団員は、先ほどの第六条の二で補償をいたしますので、解決いたすのでございますが、その他の水防団員でない者、その村の団員ではないが、出動してきて働いた人、あるいはその他その村の人でないにしても、現地におった人はその水切に従事させることがございます。そういう人たちにも、同じく公務で災害を補償する場合と同じ額を補償いたしたいという趣旨でございまして、応援に来た水防団員でない人でも、水防団員と同じ建前で損害の補償をしたい、こういう趣旨でございます。従いまして、先ほど申しました一例で申し上げますが、死亡いたしたような場合には、千日分の補償をするということになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/32
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033・二階堂進
○二階堂委員 さらに三十四条の二であります。報賞制度の問題でございますが、これはどういうことになっておるのであるか。お金をもって報賞されるという程度のことになっておるのか、あるいは単なる報賞になっておるのか、そういうことをちょっと伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/33
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034・米田正文
○米田政府委員 この改正の第三十四条の二でございますが、見出しの通り報賞となっておりまして、これは水防に関し著しい功労があると認められるものに対して、建設省令で定めるところによって報賞を行うことができるという新たなる項目が入ったのでございます。こういう報賞という制度を法律化いたしましたのは、私どもの知る限りにおいては、他に例のないことでございまして、国がこういう責任を負って報賞しようという新しい制度でございます。現実には、先ほど申し上げましたように、三万円の補償費を出すとかということは従前からございましたが、今度はこの改正によりまして、私どものただいまの希望としては、最高十万円程度のものを報賞として功労の特に顕著な者には出したい。その程度は、いろいろ段階がございますから、その階段についての規定は、建設省令で定めたいと思っておりますけれども、最高は十万円程度を今考えておるのでございます。これと災害補償との関連については、全然別個でございまして、災害の補償は当然の義務として補償をいたして参りますし、それにプラスして建設省でいわゆる国としての報賞を行おうというのでございまして、二本建でいくことになるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/34
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035・二階堂進
○二階堂委員 それらの予算というのは、私は覚えておりませんが、今年度、どの程度計上されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/35
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036・米田正文
○米田政府委員 これは本年度予算を組んでありますのは、現在のところ三十六万円でございます。実はこの法律が、予算を組みますときにまだはっきりいたさなかったので、そういう額になっておりますが、今後、もしこういう報賞をすることが非常に必要になった場合には、予備費から支出をしていこうというようなことを、実は財務当局とも大体打ち合せ済みであります。もし今後ふえるということになりますと、予備費等で今後の支出をしていきたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/36
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037・二階堂進
○二階堂委員 そういうときには、予備費から出せるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/37
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038・米田正文
○米田政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/38
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039・二階堂進
○二階堂委員 最後に、もう一点ちょっとお伺いしてみたいと思うのでございます。第三十二条の二の中の第二項でありますが、たとえば「水防施設の設置に係る金額の二分の一以内を、予算の範囲内において、」云々というのがありし余して、水防施設に対する補助は、府県に対して二分の一の補助をするというこの規定で明らかになったわけであります。これは水防倉庫を作るというような、介庫等の費用の補助だと考えていますが、私は倉庫を作ることもきわめて大事だと思っております。しかしながら、倉庫を作って、資材は一体どうするのか。資材が最も私は大きな問題になるのじゃないかと思っておりますが、この中になぜ資材ということを入れていないのか。資材に対する補助というものは、当局としては全然出さぬのか。私は、むしろ資材のことを強く主張されて、そうして資材に対して当然国が補助すべきものだと考えております。それでなければ、資材等については、災害のあるごとに始終苦労しなければならぬ、そのために金がかかるわけであります。倉庫の大切なこともさることながら、資材について、ぜひともこの中に加えていただいて、そうして大蔵省が資材に対する補助もするということをはっきり規定すべきであると私は考えておりますが、この点について、当局はどういうふうにお考えになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/39
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040・米田正文
○米田政府委員 お話の通り、これは施設だけの補助になっておりまして、資材の補助は含んでおりませんか、この点は、実は最近の例を見ましても、毎年資材の補助をいたしておるのでございます。それは従前の実績を申し上げますと、資材費の補助は、昨年は大体一億でございましたが、二十七年は約三億、二十八年は御承知の通り特別立法によって水防資材の補助をいたしましたので一億三千万円でございました。そういう補助をいたしておりますから、二十八年の分は別といたしまして、二十七年、二十九年の分は予備費から支出いたしました。今後も私どもとしては、そういう支出は当然できるだけやっていく考えでおります。ただ、これを法律化しなかったという点については、いろいろ事情もございますが、建前としては、資材等はなかなか予定のつかないものでございまして、今年の雨が幾らあって、幾ら資材を組んでおけばいいかということは、なかなか予定もつきがたいということが事務的にはある。あるいはこの水防というものは、もともと市町村の固有の事務であることが建前であるということを中心にしまして、資材の補助というものは今回は載せないことにいたしたのでございまして、いろいろ経過がございましたが、結果的にはただいま申し上げたような理由で、施設だけの補助を法律化するということになったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/40
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041・二階堂進
○二階堂委員 私はあくまでも資材ということは、はっきりうたうべきであると考えております。従来の実績をいろいろ伺ってみますと、予備費等から一億ないし二億という相当な金が出ておるということでございますが、これはやはり法律を作る建前から申しましても、資材がどのくらい必要か全然見当がつかぬから、資材のことは出さなくてもいいということではいけないと思います。また折衝の過程において、いろいろ事情があったということを申されておりますが、これはおそらく大蔵省が出し渋ったのだろうと思う。大蔵省、特に一萬田大蔵大臣の建設行政に対する考え方というのは、なっておらぬ、でたらめです。だから、こういうことはあくまでも強く主張されまして、この法律の中に明確にうたって、何分の一くらい補助するということを明らかにしていただくことが大切であると考えております。そういう規定であれば、災害が起る以前に、資材等も町村の方で準備できる。ところが、資材を集めても、金がどのくらい出るのかわからぬ、また町村の負担になるとか、消防団員の負担になるとかいうことも、町村の末端においてあるのですから、よくそういうことを考えられまして、大蔵省当局に対してもっと――私どもが大蔵大臣等を呼んで、この問題を問い詰めていきたいと考えておりますけれども、こういうことは、はっきり今後訂正される機会もあることと考えますので、この点を十分御考慮願いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/41
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042・西村力弥
○西村(力)委員 奥地の降雨量をはかるロボット機関、つまり自記雨量計器というか、無線なんかでやっているのがあるはずですが、あれは今どんな工合に全国的に配置になり、本年度はどういう計画で、将来計画はどうなっておるか、そういうことも一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/42
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043・米田正文
○米田政府委員 今日ロボット操作による通報はダムに主としてやっておるのでありまして、猿ケ石のダムとか、そういうところばやっております。なお、詳しいことはあとで詳べまして、資料として提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/43
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044・瀬戸山三男
○瀬戸山委員長代理 本案に関しまする残余の質疑は次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X01919550609/44
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