1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月十三日(水曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 内海 安吉君
理事 荻野 豊平君 理事 高木 松吉君
理事 山口 好一君 理事 逢澤 寛君
理事 西村 力弥君
伊東 隆治君 薩摩 雄次君
志賀健次郎君 高見 三郎君
廣瀬 正雄君 松澤 雄藏君
大島 秀一君 二階堂 進君
有馬 輝武君 井手 以誠君
小松 幹君 三鍋 義三君
今村 等君
出席国務大臣
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 原 純夫君
建設政務次官 今村 耕君
建 設 技 官
(河川局長) 米田 正文君
委員外の出席者
議 員 上林山榮吉君
議 員 安平 鹿一君
建設事務官
(河川局次長) 植田 俊雄君
専 門 員 西畑 正倫君
専 門 員 田中 義一君
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七月十二日
委員井手以誠君辞任につき、その補欠として安
平鹿一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
委員松本七郎君及び安平鹿一君辞任につき、そ
の補欠として今村等君及び井手以誠君が議長の
指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部
を改正する法律案(内閣提出第一四四号)
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001・内海安吉
○内海委員長 これより会議を開きす。
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続き質疑を継続いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/1
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002・西村力弥
○西村(力)委員 きのうの本会議でもそうでございますが、一体このような出席状態で開会するというのは、法とか衆議院規則とか、そういうものに違反することであると思いますが、それはもう少し委員会は権威をもってやってもらわなければいかぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/2
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003・内海安吉
○内海委員長 ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/3
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004・内海安吉
○内海委員長 速記を始めて下さい。
通告順によりまして発言を許します。井手以誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/4
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005・井手以誠
○井手委員 昨日に引き続きまして建設大臣並びに主計局の原次長にお尋ねいたします。
まずきのう申し上げました二十八年度の災害の総額について、この機会にはっきりした数字の言明をいただきたいのであります。きのう申し上げました昨年二月提出された総額は千八十三億、建設省関係が国で負担すべき総額は千八十三億になっておる。それがことしは九百二十億に減らされておる。この九百二十億という金額は、建設省、大蔵省の共同による再査定の金額であると私ども承わっておりますが、各府県では、その金額ではどうしても災害復旧を完了することができないということを申しております。各災害の査定の金額を積み上げて参りますと、二割ばかりの誤差がございます。私は再査定によるものでありまするならば、そこに金額の相違はないと信じておりますが、この点について明確な御答弁をいただきたいのであります。地方が納得する金額を、各災害復旧の厳格に査定された金額を積み上げた数字を、間違いないところを一つお示し願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/5
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006・米田正文
○米田政府委員 二十八年度の当初の建設省の査定金額は、事業費にいたしまして千百二十七億、これに対しまして大蔵省とその後折衝をいたしまして、両者の意見が完全に一致いたした線としては、事業費にして一千七十三億、この一千七十三億に対する国の負担額は九百二十億でございます。おっしゃられる通り、当初の金額から多少減額をいたしておりますが、これは机上査定の問題、あるいは建設、大蔵両省で立合検査をいたした結果、各県ばらばらではありますが、平均率を出して決定をいたしたのが、最後の総事業費で一千七十三億という金額であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/6
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007・井手以誠
○井手委員 過去の二十九年度——二十九年の二月出された資料については、その後再査定されたとおっしゃいますから問いませんけれども、その今おっしゃる九百二十億というものが災害各府県の数字と違っておるという点を、もう少し明確に一つお答え願いたいのであります。私は関係の四、五県について調べて参りましたが、あなたの方から示された査定の率ではどうしても復旧はできない。十の災害工事に対して八・五か九ぐらいしか執行できない。しかも示された査定の率と、それから実際に示された金額とは、また違っておるということでございます。私は一昨日も佐賀県の例を申し上げましたが、佐賀県の金額は三十数億に対して、あなたの方の率による査定は、それを二十八億に一方的に減らされておるということでございます。あなたの方の九百二十億という数字が、現地で厳重に査定された個々の工事費を積算して九百二十億になっておれば、私は多くは申し上げません。ところがあなたの方では勝手に机の上で一割天引きとか三割天引きして、その九百二十億が出されておるということに対して、私は不審にたえないのであります。ほんとうに九百二十億が積み上げた正しい数字であるかどうか、その九百二十億を割ってみれば個々の災害に当てはまるかどうか、その点をはっきりした具体的な根拠をお示し願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/7
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008・米田正文
○米田政府委員 ただいま私が申し上げましたように、当初の数字と今回の数字の違いは——違ってきた理由は、両省の現地査定の結果であります。現地査定をやりましたのは、各県に参りまして全部を見たわけではございません。ある地域を選びまして、その地域を代表地域として選んで、その率でこういう減額をいたしたのでございますが、その減額の率は実は各県で違うわけであります。ある県では相当大幅に減額をするし、ある県ではさほど減額をしないというふうに、でこぼこはございます。しかしこの予算ではそういうでこぼこを、一つの平均率を出して、その平均率で九百二十億というものを出したのでございます。そこで先般各都道府県の実務者と河川局長の会議を開きまして、そこでこういう全般的な数字を話をして、それで今から個々については県と折衝をいたす段取りにいたしておる。そこで今おっしゃられるように、県によっては、私の方で一般率を申し上げておりますから、それと完全には一致いたさないのは事実でございます。各県ででこぼこはございますがそういうでこぼこの調整を今いたしておる途中でございます。そういうわけでございますから、私どもとしては最終的にはこの線に落ちつくものといたして事務を進めておりますがその過程においては、率の辛過ぎるという県と、さほどでないという県と、各県でいろいろのところがあると思いますが、それは私どもとしても各都道府県に一率にやるつもりではございません。こういう平均率が出ておるから、その内部においてそうしたでこぼこを調整して、最終の九百二十億の内訳を作る予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/8
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009・井手以誠
○井手委員 そういたしますと、各府県を厳密に調査をして、どうしてもこれではやれないという場合には増額される場合があるか。大体九百二十億に落ちつく見込みではあるけれども、各府県においてそういう実情になったならば、九百二十億から九百八十億をもっと上回る場合がある、かように考えていいわけでありますか。その点についてはあくまでも九百三十億で、十のうち一つは切ってもがまんするという強いもりであるかどうか、その点は大蔵省とあわせて御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/9
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010・米田正文
○米田政府委員 今申し上げたような事情でございますから、県によってそれぞれ最終的な減額率というものは違って参るのでございます。私どもとしては今のところ九百二十億のワク内において、最終的な決定ができるという見通しでやっておりますけれども、しかしおっしゃられるように、私どもは全部について率を出したわけではございません。ある一県の中でも地域を拾ってやったものでございますから、特に非常な違いがあったということになれば、それはおっしゃられる通り、九百二十億というものは多少変更していくことも想像されますけれども、私どもとしては今まで扱ってきたやり方において、狂いはさほどないという確信を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/10
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011・原純夫
○原政府委員 河川局長の言われたように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/11
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012・井手以誠
○井手委員 それではもし各府県とも九百二十億で足りないという場合には、増額することもあると了承してよろしゅうございますか。重ねて原次長にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/12
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013・原純夫
○原政府委員 まずそういうことはあるまいと私は思っております。ただそういう何と申しますか、サンプルからやりましたことでありますから、万が一に間違いがないとは保しがたいことですから、はっきり断定的には申し上げかねるわけでありますが、まずまずそういうことはあるまいというふうに推測をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/13
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014・井手以誠
○井手委員 大蔵省はいつもあるまい、あるまいとおっしゃる。ところが現に一昨日も申し上げましたように、千五百六十五の国の負担の総額川が千百七十億になり、また千五百何十億になっておる。ぐらぐら変っておる。地方は迷惑な話であります。あなた方は調べた結果若干違いがあったから、迷惑をかけましたと先般おっしゃいましたが、行政官庁ではそれで済むのかと思う。国会議員は芳ばしくない行動をすれば落選をする。会社が欠損をすれば重役はやめなくちゃならぬ。あなた方は少々失態を起しても、迷惑をかけましたという程度で済む。そんなことでいいのですか。何百億も見込み違いをしておいて、地元民には莫大な迷惑をかけておきながら、そういうこともあり得るとか、なかろうとか、私はそういったことでは済まぬと思う。町村によりますと、福岡県の一例でございますが、一千万円の税収がある町村において、六千万円の借入金によって災害復旧をやっておる。その利子が年間六百万円でございます。それは政府が予定通り金を出さないからだ。公約の三、五、二によって補助金を出さないから、やむを得ず農協その他から金を借りて工事をやっておる。その費用が年間の税収入になんなんとしておる。それは国が予定通り公約を果さないからであります。そのために町村長も責任を負ったところもございます。現地ではそのように迷惑を受け、責任をとっておりまするのに、大蔵省や建設省においては間違っておりました、そういうことはなかろうと存じます、こんなことを繰り返して、それでいいのですか。そういうことで責任が済むのですか。この点について建設省や大蔵省は、重大な間違いを起した場合の責任はどうなさるのか。千五百六十五億を子爵七十億に切って、それは間違いであったとまた十五百何十億に戻されておる。それでもなお足りないというのが現状である。佐賀県においては三十数億の復旧費が要るのに、勝手に二十八億ぐらいに切られようとしておる。それで済むのですか。私はその責任についてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/14
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015・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 まことにお話のように、地方からいえばずいぶん迷惑なことが多かろうということは、私もよく了承いたします。ところが二十八年度災害というものが非常に膨大であり、また広範囲に起ったものですから、当時の政府が一応それを始末をいたしましたものの、国会でせんじ諦めていくと、大蔵省と建設省の見解が食い違ったままになっておるということで、これではお話のように結果としては地元民が迷惑をするということでありますから、そこで前内閣のことでありましたが、事務当局が両方よく協議をして、おさまるところで一致点を見出すようにということになりまして、今御指摘のように若干しぼった結果になりましたが、一致点をだいぶ長くかかって苦労をしてまとめたわけであります。従ってその間個々の問題になりますと、お話の通りもらうつもりになっておったものがワクからはずれたといいますか、そういう結果が起ってきておるということは十分想像はされますけれども、事態はできるだけ早く、そういうふうにまとめた一致点を見出しませんと、ますます紛糾して、国民の迷惑をますますひどくするということになりますので、そういう意味で大蔵、建設両省の間で事務的調整を、努力をいたしたわけでありまして、このことも、もとはといえば国会のそういうふうにすべきであるという御意志に基いてやったようなわけでありまして、まことにその点は政府としては恐縮に考えておりまして、これは双方ともに立場の難いで、熱心の余りやったことで、決して国民に不当な迷惑をかけるつもりでやった、悪意ではないと思いますが、しかし結果的には非常に御迷惑があることだと思います。私も就任後、そういうまとまった数字で実施をするということになったということについては、一段階の進歩だから、その線でなるべく穏やかに、迷惑を最小限度に調整をしてまとめて参りたい、実施をいたしたいと考えて、その後の始末にも努力をいたしておるようなわけであります。この点は事務当局も熟慮をもってやった余り、こういうことになったようなわけで、まことに恐縮に考えますが、私としては起きました事態はすみやかに改善をして、再びこういうことにならぬようにという意味で、今回の改正法案も出しまして、まず最初にワクをはっきりきめてかかろうというわけでありますので、御指摘の点はよく今後さようなことの一再び起らぬように注意をいたしまして、またそれぞれ各省間で不一致のないようにいたして参りたいと思いますので、政府はかような事態の起りましたことに対する責任は、私も痛感をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/15
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016・井手以誠
○井手委員 これ以上追及いたしません。実情に沿うように努力をしていただきたいことを要望いたす次第であります。
次にこの機会にお尋ねしておきますが、よく大蔵省は、また最近はこれが建設省にも伝染して、盛んに災害復旧については重点的にとか、効率使用とかおっしゃいますが、建設関係で物を建てる場合には重点的などということも言えるでありましょうが、住宅の建設などにおいては、必要な地に順次にやっていくということは重点的でございましょうが、災害復旧に重点的にということは、どうも私は解しかねるのでありますが、どういう意味でありますか。どの河川においても、もしそれを復旧しなくては、次に大きく災害が拡大するということは、目に見えております。それに甲乙丙丁がつけられるのですか。私は重点的使用ということにおいて、この際明確な大蔵省なり建設省の御方針、御高説を承わっておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/16
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017・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 お話のように、積極的な施策には重点というものが当然あり得るわけでありますが、災害復旧は原形を復旧するということでありますから、これには重点であり、ないということは、理屈の上においてもないと思います。ただ限られた費用で、年度を一年で復旧をすることができません実態からいいまして、物事に順序をつけて考えていかなければならぬということもどうしても起りますし、従って一つの川について、まずどこをやったら一番効率的かというようなことで、おのずから実施の面において重点ということは考えられるわけでありまして、建設省もそういう気持で実施について注意をいたして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/17
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018・原純夫
○原政府委員 大蔵省も、ただいま建設大臣が言われた通りの気持でやっております。おっしゃる通り、積極的な改良公共工事とか災害復旧工事はだいぶニュアンスは違うと思いますが、ただ限られた国費で、極力早い機会に、有効なといいますか、効果をなるベく出すというような意味で考えますと、その中でおのずから若干のそうした国費からの補助金を出すことも必要であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/18
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019・井手以誠
○井手委員 私が特に申し上げたいのは、最近どうも補助金を交付することは悪い、かような印象を盛んに内閣は放送される。今度の適正化法律案についても同様であります。当然国がしなければならないこういう事業について、補助金をやることが、あたかも乱費されるような、非常に悪い印象を与えるようなことを盛んに申されておる。国が当然やらねばならないことを逆に用されておる。これはおそらく大蔵省が予算をしぼるための一つの作戦ではないかと私は疑っておるわけでございます。こういう考え方から、災害復旧についても、重点使用とか効率使用とか盛んにおっしゃるが、私は不可解でなりません。その点は国民に誤まり伝えられないように、十分用語についても御戒心願いたいのであります。
次にお尋ねしたいことは、一昨日も大蔵省の方に強く要望いたしましたが、災害費監査の点について、所管相である建設大臣は、もっと責任を持ってやってもらいたい。よその省からとやかく言われないように、やはり乱費されるような補助金については十分監視していく、あんな法律が出ないように、査定については一回限りで済むように、その責任についての根本的な態度を私はこの際お聞きしたいのであります。建設大臣は、一昨日も申しましたように、なかなかしっかりした考えをお持ちのようでございます。この際責任者として、建設省がやった査定は間違いないものである、ほかの省が何と言おうと、ほかの省のものは、参考に調査している、その結果を建設省に申し出られるものであるから、査定については、建設省がその責任者であるという強い責任を持って、関係者が安心するような御言明をこの際願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/19
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020・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 ごもっともでありまして、この点は、問題は法律制度の問題ではなくて、役所の良識と誠意の問題であろうと思います。私はさような意味で、実は適正化の法案を規定する前に、みずから努力をすべきだと思いまして、この間からも主張して参ったようなわけであります。今度の予算の中にも、二十人の専任災害査定官を置きまして、これをそういう名称の肩書きをはっきりつけまして、片手間でなしに、災害を予期すると言ってはおかしいのですが、これはどうせ毎年あることでありますから、二十名の専任災害査定宮を新たに置きまして、もちろんそれで十分ではありませんから、これの補佐官として、それぞれ本省の者はもちろん、地方建設局の者をつけますけれども、そういう責任を明確にして、災害については、ことに全部査定をやるつもりでかかっております。この点は大蔵省とも十分に話し合いの結果でありますから、過去の御指摘のようなことははなはだ申しわけありませんし、跡始末はいたしますけれども、今後の処置は、そういうわけで全部現地査定をするという原則のもとに立ちます。なお竣工検査あるいは中間検査等ももちろんやるつもりでありますが、そういうことからいたしまして、昨日も申し上げましたように今会計検査院が指摘をされております件数は四百五十一件ありますが、実は全部災害であります。災害以外の仕事も、御承知のように十分いろいろな方面に補助金を出しておりますが、一件も指摘されておりません。そういう実態から、何としても、これは災害が性格上非常にむずかしいから、特別に災害査定官を置くということにいたしました。これによって私は一段責任を明確にして、今までいろいろと御批判を受けたようなことの絶滅を期したい。それが政府の信用を取り戻すゆえんでもあるし、国民に必要以上の迷惑をかけないゆえんであろうと考えますから、そういうようにいたしたいと思います。同時にわれわれが責任を持ってやる以上は、また大蔵省もわれわれの処置に一つ信頼をしてもらって、双方が信頼の上に行政をやっていきたい。かように考えて、寄り寄り話をいたしております。昨日も閣議で大蔵大臣から、今度の災害に対するつなぎ融資は、建設省の要求した数字に対して、量の問題はまた議会その他の問題もありますが、建設省の要求数字をそのまま採用して、それに応じて大蔵省はつなぎ融資を出すということを閣議で言明をしてくれまして、さように今事務を進めて、おそらく今明日中にも第一回のつなぎ融資を出せるように進めておるようなわけであります。従って建設省の出します数字につきましては、全責任を持ってやるべきである。また大蔵省もそれをもとにして今後始末をしていってもらいます。そうなれば双方が責任と信頼のもとに立てば、今御指摘のような、いろいろな方面から国民が迷惑を二重、三重に受けておるという実態を、われわれは努力によって一日も早く解決、解消をいたしたい、その一歩を今申し上げたようなふうで着々進めておるような次第であります。どうかまたいろいろお気づきの点は、御遠慮なく御指摘を願いたいと思います。今日われわれの考えておりますのは、さような方向であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/20
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021・井手以誠
○井手委員 せっかく陳容も整えられるようでありますから、その熱意を具体化するために、会計検査院、行政管理庁、大蔵省、それぞれ独自の立場はありましょうけれども、主管省として建設大臣があっせん役になって、災害復旧査定や、監査については、関係する地方に迷惑を及ぼさないように共同でやる、そういったことについて話し合いを進められて、共同で通牒を出される御意思がおありになるかどうか、そこまで熱意を具体化される御用意があるかどうか。今後災害が起きた場合には、査定はこうする、その場合には共同でこうする、監査はこうするということを、関係各官庁一体となって通牒を出される用意について、重ねてお尋ねを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/21
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022・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 ごもっともでありますが、私の気持としては通牒よりも、今申すように実行の面において一つ着着実績を上げて参りたいと思いますから、御注意の点はよく実施の際に考慮をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/22
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023・井手以誠
○井手委員 一番問題なのは大蔵省でございますが、いかがでございますか。今の建設大臣のお言葉に対して、建設省を信頼なさる心組みでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/23
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024・原純夫
○原政府委員 もちろん大蔵省は一々行政の各枝葉に出て参って、一緒にと申しますか、立ち会うというようなことは、決して行政の常道ではないと思っております。従って建設大臣のおっしゃるような方向に一日も早く参りたいとわれわれは考えております。ただ昨日も申しましたように、やはりそれには実態がだんだん改善されるということと相待ってのことでありまして、私どもいたしますのは決して災害だけでなくて、たとえば農林関係で農業共済の不正支払いという問題につきましては、これは世間でもいろいろ話を伺いますが、検査院あたりが二十八年分について調べましたところでは、検査院報告としては、実に驚くべき言葉をもって批難をされておるわけであります。こういうような面につきましても、われわれ気がつきますればやはり出ていって、査定が実際にどう行われるかということをやらなくては、われわれの責務は勤まらない。だからそれはまさに建設大臣も百われた通り、決してわれわれがそばについておるからよくいくというような脅えでなくて、各省の人、各行政の末端がしっかりした経理の規律、あるいは行政の規律ができますれば、もちろんわれわれはそういうところに一々出て参るという気持はないわけであります。むしろ会計関係その他の講習、研修というような場合に、いつもわれわれ要望いたしておりますのは、おまかせできるように早くなってもらいたいということを申しておるのであります。これは皮肉で申すのではなくて、気持は全然同じでございますので、ただきちんとなりますまでの間は、やはり出て参りますのも、ある意味で役に立つのだという大きな目でごらんいただいて、間々そういう場合に行き過ぎがあろうと思いますか、そういう点はよく言っていただいて、改めていくというふうにして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/24
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025・井手以誠
○井手委員 どうも行政機関同士疑われるということは、国民としてむしろはなはだ迷惑でございます。また疑われる建設省もやはり反省しなければならぬと思います。そこで私は先般も申し上げましたが、ただ一点原次長かり言明をいただきたいことは、現地においてはあれこれと指図してもらいたくない。調査はされてもいいでしょう。独自に調費されることはありましょうけれども、従来のように、この工事は幾らでやれとか、設計がどうだとかという指示をしてもらいたくない。もしそういう不当なことがありますならば、本庁に帰って建設省の方にいろいろ注文してもらいたい。現場においては一切口出しをしてもらいたくない、しないということを、この際はっきり言明してもらいたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/25
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026・原純夫
○原政府委員 現場において、査定を受けます側に対して指示がましいことを言うのは、これははっきりいたさぬようにお約束をいたします。そうしてそういう点がありますれば、部内において徹底するようにいたします。従って意見はすべて建設省、農林省等所管省に対して申すようにいたします。ただその場合に意見を中央に持って帰って言えと言われます点は事柄によりますので、やはり個々の工事の仕様なり、あるいは量目なりというものについて意見がありますれば、現地で——しかし受ける地方団体その他の耳に入るのは所管省もはなはだ迷惑でありましょうから、現地で言うことはさせていただきたいが、あくまでも所管省に対して意見を甘い、受ける側に対しては言わないという建前でおるわけでありますが、おそらくその陰にお呼びする間もなくて言ってしまうのが響くのではなかろうか、あるいは間々不心骨な者があって言うかもしれません。そういうのは厳に抑えて参るつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/26
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027・井手以誠
○井手委員 ただいまおっしゃった現地において指図をしない。所管省に対して申し出ることは、あなたはそういう気持であっても、従来出先の機関は相当行き過ぎな事実が上っておりますので、厳に戒めてもらうように厳重通告を出させるように希望いたします。
そこでこれは小さな問題になりますが、そのように各方面から調査に参られ、地方庁ではその応対やあるいは費用に困っておる。これは河川局長もその手口情はよくお聞きになっておると思うのですが、従来の事務費でやっていけますかどうか、とても従来のような費用ではやっていけないということを私どもはよく聞いておるのであります。その点について支障がないかどうか、その点は建設省の河川局長でけっこうでございますから、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/27
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028・米田正文
○米田政府委員 災害に伴います事務雑費の問題でございますが、この事務雑費によりまして、いろいろ府県市町村ではこの災害に伴います経費を処理しておるわけでございます。かねてから都道府県及び市町村の事務雑費が非常に少い、とうていこれではやっていけないという声は非常に強いのでございます。先般も土木部長会議がございまして、その席上その問題を討議しました結果、私の方から不足だという内容の詳細なる資料を提出するように要望しました。その資料に基いて大蔵省と折衝するからということで、今せっかく資料の収集中でございますが、私はこれは確かに絶対量として不足なこともわかります。わかりますが、また一面、公共団体においても考え直してもらわなければならぬ点も中に含んでおるようでございます。たとえば県の相当高給の職員を、災害の事務雑費から支出をしておるような例もございます。こういうことは常道でありませんので、これは至急に当然県の経常費の人件費として支出をするということに改めてもらう。これは一例でございますが、そういう改める面もございますので、そういう点は至急に改める、そうして足りない事務費については、私は今度の資料に基いて大蔵省と話をして、是正をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/28
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029・井手以誠
○井手委員 提出されました法案について一点だけお尋ねいたしたいと思います。第八条の二に「災害復旧事業のうち緊要なものとして政令で定めるもの」とはどういうものをさすのであるか、これが第一点。
三ヵ年間に復旧しようとする場合に、財政の許す範囲内においてというのはどういう伸縮性があるのか。三ヶ年でやると言いながらも、財政の都合によって今日まで三ヵ年間に五割そこそこしか復旧できないという状態、これも財政の都合によってということで延ばされておるのか、そういうことではせっかくのこの法律も描けるもちであります。財政の許す範囲内においてということは、どのように御解釈になっておるのか、従来のような程度であるのか、もっと強い熱意を持っておられるのか、これが第二点。
第三点は、そういった場合を含めて、必要な措置とはどういうふうに解釈していいのか。もし三ヵ年間にできないような場合には、ほかの措置を講ずるものであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/29
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030・内海安吉
○内海委員長 御発言中ですけれども、今原政府委員が議運の方から、電話をすぐかけてくれという連絡があったので、電話をかけに参りましたから、その含みで御質問願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/30
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031・井手以誠
○井手委員 必要な措置とは、三ヵ年間でどうしても財政の都合でできないような場合には、資金のあっせんをするとか、あるいは利子については補給するというようなことまでお考えになっておるのかどうか、そういう点を考えなくては、第八条の二というものは生きないのであります。これはあとで大蔵省にも聞きますけれども、まず所管省の建設大臣から、どのようにお考えになっておるか、その三点をお尋ねいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/31
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032・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 第一点は、もちろん非常に法律を法律家らしく良心的にというか、厳密に置き過ぎたのですが、災害の大体のものはみな含んでいくつもりであります。しかし災害の中には多少おくれてもいいという部分もないとはいえない。だから三年間に現実に実行しようということに重点を置く場ことの意味で申しておるわけでありますから、災害の中を半分にするとか、三分の二にするとか、そういうことは考えておりません。大体ほとんど全部含んでいくつもりであります。それから財政の許す範囲ということも、これも前と同様の意味でありまして、黙って書いてあっても同じでありますけれども、きまり文句みたいに、予算の範囲内でというようなことをよく申す、そういう意味で書いておるのでありまして、ここへ三年でやるのだということをみずから出す以上は、予算があるとかないとか、言いわけをすることは、むしろ意味をなさないようなわけでありまして、これは予算の範囲内で組むという意味ではありますけれども、きまったものは三年でやるということをみずからはっきり申しておるつもりであります。従って必要な措置ということも、これは予算を計上するということが当然のことでありますが、なお正確に言うと、御指摘のように金融の処置等も含まれますので、予算を組むというようなふうに表わしません意味は、さような意味にお考え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/32
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033・井手以誠
○井手委員 大体明確になって参りましたが、きまり文句とおっしゃるところに私は問題があると思うのです。ごく軽く考えておりますけれども、金を出す大蔵省の方かう考えますと、これがなかなかのくせ者であります。いつもこれでやられる。あなたの方は楽観されておるかもしれませんが、片方はこれがきめ手になっておる。財政が許さないからできません、こうなってくる。建設大臣は、大体腹の序には知っておるはずです。そこで重ねてお尋ねいたしますが、緊要なものとして政令で定めるものは、大体どういうふうなもので、災害復旧の大体何割くらいを緊要なものであると想定されておるのか、どういうもので災害復旧の何制くらいを想定されておるのか、それが第一点。その次に「必要な措置」ということは、予算を計上することだとおっしゃいましたが、私はそう楽観はいたしておりません。してもらわなくちゃなりませんけれども、延びることを予想しなくちゃならぬ。その場合には、予算を計上する、しかし計上できなかった場合も、同様な措置をするというふうに解釈していいのかどうか。この点を確かめなくては、信用しなくてはならぬことでございますけれども、従来の実績から考えまして、そうやすやすと信頼するわけに参りませんので、いかなる方途にしろ、予算を計上すると同様の効果のある措置を講ずるというふうに解釈できるものかどうか、その点が第三点。さらに加えて、緊要なもの以外のものについては、何ヵ年で復旧を完了しようとするお考えでございますか。従来慣例的に三ヵ年でやっておるけれども、実際それができないから、緊要なものだけは三ヵ年でする。このことはわかりますけれども、その残ったものは、大体どのくらいで復旧をなさるおつもりであるか。以上三つの点について明快な御答弁を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/33
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034・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 範囲につきましては、大蔵省と事務的に話し合ったものがありますから、河川局長からお答えをいたします。それから必要な措置についての御見解は、大体お話のような趣旨にわれわれも考えております。なおこの条文をどこまで信用がおけるか。いろいろ頭に書いてあるから、実際はできるかどうかということについてのお尋ねはごもっともであります。ごもっともでありますが、この条文を一つ入れるために、実は数ヵ月大蔵省と折衝をいたしまして、最後は私が出て、大臣及び局長にもよく念を押して、この条文を入れさしたいきさつを御想像下さるならば、大蔵省も政治的に十分な責任を感じてこの条文を入れたわけでありますから、この条文を入れた以上、政府全体の責任においてこの実を上げるということは、法律を守る建前からいいましても、主なこの問題が問題であるだけに、私は、今後どの内閣ができようとも、当然これをこの趣旨において実行すべきものだ。またそれが財政計画を誠実に運用する上においても、国家としていいことだと思いますから、そういう意味で大蔵省も最後には納得した。初めは、多少自信がないものですからちゅうちょをいたしておりましたが、私はこれが財政計画を正しく運用する上において当然なことじゃないかということを申して、最後的にきめたようなわけでありますから、御想像通り、容易なことでないということだけは、今までのように安易にだらだらやっていくことから考えれば、一つの引き締まったワクを作ることでありますから、大へんなことにも考えられますけれども、しかしこれは一たん決心をした以上は、大蔵大臣とともに責任を持って実行をいたすつもりでありますので、いろいろ文句の端々は別として、御信頼をいただいて、また御鞭撻をいただいて、われわれの責任においてこれを実行して参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/34
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035・米田正文
○米田政府委員 先ほどお尋ねのありました緊要なものとはどんなものかという点について、補足して御説明申し上げますと、今私どもで考えておりますことは、河川については、堤防の決壊または破堤した個所、それから著しく煙幕をして、そのために河道の浚渫を必要とする個所、そのほかこまかくは規定できませんが、公益上放置しがたい重要な個所というものを考えております。第二の海岸につきましては、海岸の堤防の決壊または破提をした個所、その他公益上放置しがたい重要な個所、それから砂防の設備につきましては、重要な堰堤及び床どめの決壊個所、次に著しく埋塞した流路口の復旧個所、その他公益上放置しがたい重要な個所、次に道路でありますが、道路は、交通が不可能または著しく危険な個所、その他公益上放置しがたい重要な個所、今のところ、こういう要綱を考えております。これでいきますと、従来の実績から見ますと、大体全災害の七割近いものになるのでございます。私どもとしては、その辺で大体緊要なものというワクを考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/35
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036・井手以誠
○井手委員 緊要なものとは、大体従来の実績から七割近くになるというお言葉でございます。そこで漏れたのは、その七割以外のものは、どういうふうに何ヵ年くらいで完了されようというお考えであるか、その点を一つお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/36
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037・米田正文
○米田政府委員 これ以外のものにつきましても、私どもといたしましては、第一年度から第三毎度までに絶対にやれないということでは困る。ですから、この緊要なものを三ヵ年でやりますが、そのほかになお、ある事情があってやらなければならぬものも、どうしても出てくると思いますので、そういうものは、この三ヵ年間にある程度は並行してやるということにいたしたい。そのほかに、この間に三ヵ年にできなかった分については、それが何割になりますか、三制五分になりますか、あるいは二割になりますか、その辺ははっきり申し上げられませんけれども、そういうものについては、自後一年かあるいは二年の間に片づけることを建前にいたしたい、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/37
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038・井手以誠
○井手委員 原次長が見えましたので、念を押しておきたいと思います。第八条の二について、財政の許す範囲内の文句の他で、ずいぶん折衝があった模様でございます。ただいま建設大臣の御答弁によりますと、財政の許す範囲内ということは慣用語であって、大した意味には解していない、従って緊要な災害復旧事業については三ヵ年間で必要な措置を講ずる、必要な措置とは予算を計上することである。このまくら言葉のために必要な措置がもしできないような場合には、それと同じ効果を上げるような無利子の資金を融通するとか、そういった方法も必要ではないかと私尋ねましたが、必要な措置とは予算を計上することであるというはっきりした御答弁でございました。大蔵省もおそらくそれで話し合いがついていることと信じておりますけれども、とにかく主管省と大蔵省の間には、見解の相違があるようであります。この点について大蔵省の明確な御方針を承わっておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/38
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039・原純夫
○原政府委員 こういう財政の許す範囲内においてというような言葉の意味につきましては、かなりニュアンスをもって解釈し得るものでありますから、率直に申しましてお読みになる方方のニュアンスが若干ずつ方向がずれることがあろうと思います。私どもが財政の許す範囲内においてということをぜひ入れてほしいとお願いいたしましたのは、これはどなたがお考えいただいてもわかりますように、あるいは一兆円予算であるとか、あるいは緊縮化、健全化というような、財政には財政としていろいろ問題が起きます。毎年心々財政の問題のない年はないくらいであるわけであります。そのゆえに後年度の歳出についてはっきりしたことをきめるということにつきましては、よほど例外的なことでなければいけない。従いまして財政法に規定いたします継続費の規定も、そういう意味で非常な例外としてきめられておるわけでありますが、この種類の何ヵ年でやるというようなことにつきましては、そういう財政全般の考慮というものが一そう必要なんだろうというふうに思います。もちろん財政の許す範囲内なんだから、三年とあるが、それは問題でなしに考えるのだということでなくて、やはり一応三年内にやるということが原則であり、そういうふうに努力するわけでありますけれども、その年その年の財政の事情によって、若干のずれができるということはやむを得ない、大へんぬらりくらりとしたことで恐縮でございますが、会計法、財政法、年度予算主義というのをとっておりますゆえんは、やはり国の財政、これには国内の経済、社会的な条件のほか、国際的な問題もいろいろ入って参りますことでありますから、年度年度で予算を確定していくという主義でありますので、後年度のことにつきましては、方向としてこうというように全然弾力性のないようなことにしておきますと、財政全般の掌理がむずかしいというような考え方でやっておりますので、この辺は要するにその精神をくんでどこまでやるか、やるについてわれわれ財政の衝にある者がどう考えるかということでありますが、早くやろうということにつきましては、われわれも財政の苦しさに押されて、いろいろ御要望には完全には沿い得ないで参っておりますけれども、しかしその中でできるだけのことはやって参ったつもりでおります。今後もそういうつもりでおりますし、特にこの条文が入りました以上、建前としてはこの条文について参るという気持を囲めているわけでございますから、どうかこのわれわれのそういう法律の本旨に沿うという気持であるということで、一つ御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/39
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040・内海安吉
○内海委員長 有馬さんに申し上げますが、建設大臣には参議院の本会議が開かれまして、建設省関係の法案が採決になりますので、出席しなければならぬということになっているのですが、この際井出さんの御了解を得て、有馬さんに、建設大臣に御質問があるということですから、簡単に一つお願いしたいと思います。有馬輝武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/40
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041・有馬輝武
○有馬(輝)委員 それでは私から簡単に御質問いたします。この前河川局長にお伺いいたしまして、災害復旧費の関係と治山治水との関連づけについて、懇切な答弁がありました。私はこの問題について一言だけ大臣にお伺いしておきたいと思うのであります。公共事業費が一般会計の中で占める比率について、大臣はせんだっての治山治水の十ヵ年計画の御説明の際にも、国費には限りがあることでありますしという表現でお話があったのであります。もとより私たちも昭和二十五年度から二十九年度まで見て参りますと、二十八年で一七%、あるいは二十九年で一六・三三%というような形で、大きな比重を占めていることもわかります。この問題は河川局長にもお尋ねしたのでありますが、公共事業費がこういった大きな比重を占めておっても、果してそれだけの経済効果を現わしておるかという問題で、予算編成自体、ただ建設省の予算の中でどうこうするという問題ではなくて、基本的に考えなければならない段階にきているのではないかということも考えるわけであります。そういった点で今までの過年災については、河川局長の説明によりまして、三十一年度から三ヵ年で全部やるということでありますけれども、その災害復旧費自体が公共事業費の中で五割以上を占めておった状況、もちろん二十九年には三二%まで下ってきておりますけれども、大きなウエートを占めている。問題はこの災害復旧費がこういった形で累年残されていく、この点について先ほど申し上げたこととの関連の中で二つだけお尋ねしたいことは、たとえばこの二十九年並びに本年度の一割七分程度までの一般会計に占める予算の比率というものを、もう一つリミットとして考えておられるのか、いわゆる予算編成自体について根本的に考慮される余地はないものかどうかということ、それと災害復旧費が公共事業費の中でこのような大きなウエートを占めているけれども、この点について、十ヵ年計画の中でその経済効果を現わすために、抜本的な政策としては、今出されているようなものしか考えておらないのかどうか。たとえば今議題になっております公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案、こういうようなものでもって、いわゆる経済効果を十分に発揮し得るような形まで持っていける自信があるのかどうか、非常にややこしい質問になって参りましたけれども、私は災害復旧費が十分な効果を現わし得ない点について、年々残されて、それが十分に復旧されないままに置かれておるという点について、累増していくという形で出て参ります。ここら辺について十ヵ年計画の中でどのように見ていくかということが、建設省としても最も大きな課題であろうと思うのです。この二点についてお伺いしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/41
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042・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 ごもっともでございまして、これは私はこういうふうに考えております。災害復旧はあくまでこれは災害復旧でありますから、財政の許す範囲と言ったって、どうしてもある程度はやらなければならぬのですが、事態が事態なものですから、とかくこれは一時しのぎをするということになるが、それをできるだけ落ちついて、お話のように計画的に効率を高めた災害復旧をするということに、一日も早く進めなければならぬと私は思います。そうすれば同じ災害復旧費でも、災害復旧の効果が上ってくると思いますから、完全ではないが、そういうことの一歩前進をしたのが今回のこの負担法の改正のつもりでありまして、災害復旧に筋道を立てていく。そうすれば大蔵省もただわあわあ騒いで金を要求するというような印象でなくなりますから、やはり筋を立てて、災害が起きた以上はなるべく早く、効率を高める意味においてこれを単年度で仕上げてしまう。しかし全部は仕上らぬから、多少残っても一いいようなものは、あとからできるだけ早く補っていくというのが、今回の改正の要点であり、この線を徹底していきますならば、災害復旧の施策というものは漸次定型化していくといいますか、その場しのぎでなくなっていくというふうに私は考えております。
それから一般公共事業費のウエートの問題はお説の通りでありまして、むしろ私はある意味においては日本の全体の経済との関連で考えていかなければならぬと思います。公共事業費的ないわゆる国土開発的な仕事を思い切ってやるということにはだれも異議はないが、それが全体の経済の施策とどう関連をするかということが問題であり、しかし同時に将来の人口を維持していく上においては、力の限りあらゆる財政資金を合せて、これを基本的な面につぎ込んでいくということを積極的にやらなければならぬ。川崎に当面起って参りますところの失業者に対する問題、これをできるだけ広く就業せしめるという面からいっても、公共事業費といいますか、この開発事業を大きく興していくということを私は考えなければならぬ。従って今財政的に直ちにできなくても、当面そういうことに向って着々計画を進めて参りまして、必要な施策は直ちに行えるようにいたして参るべきだと考えておりますから、今お話のように、ことしの予算、来年の予算だけで部が理想的にいかぬことはもちろんでありますが、続いて起る拡大均衡への経済中におきまして、許され得る最大限度の資金を効率的にこれに投入して参りたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/42
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043・有馬輝武
○有馬(輝)委員 それと同時に、私はやはり経済効果を十分発揮し得ない原因がその他にもあろうかと存じます。この点につきましては他の同僚委員の諸君からいろいろ御質問があったわけでありますが、これを全般的に見まして、そういった経済外的な要因によって効率を低めておるものに対して、具体的にはどのような対策を持っておられるか。たとえば予算を総花的に流すということで、百万円以下の仕事が全体の七〇%近くもある。こういったことが一つの仕事の効果を十分に発揮し得ない面を出してきておるのではないか。こういった点について、今後その十ヵ年計画の中でどのように対処していかれようとするのか、こういった点についていま一点お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/43
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044・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 仕事を重点的にやっていくべきだという原則論には、私も同感であります。しかし今申すように、ある意味においては失業対策的な感覚を持っていく場合におきましては、私は農村、山村の潜在失業者というものを都会に集めてルンペン化して、これにどぶさらいをさせるというような失業対策は、もはや時代おくれだと思う。そういう意味において公共事業費もできるだけ地方に分散をして、都会に集まってくる危険性のある潜在失業者を地方にとどめて働かせるということが、私は国家全体のために公共事業費の使い方としては、必要な施策だと考えているのであります。百万円以下がいいとは申しませんけれども、私は必ずしも都市中心の重点施策だけを考えていく公共事業費を予想してはおりません。もちろん効率的に予算を使うという点では何ら異議はありませんけれども、私は両方相まってやっていくべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/44
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045・井手以誠
○井手委員 原次長にお尋ねいたします。財政の許す範囲内ということについてニュアンスが違う、そこが問題だ。せっかく建設省は三ヵ年でやろう、必要な措置を講ずるということは予算を計上するということであるとおっしゃるけれども、あなたの説明によると、御趣旨に沿いたいということは、法律はできても、国権の最高機関がきめたものでも、誠実に執行するということではなくて、ただ御趣旨に沿いたいというだけでは話にならぬ。これを悪く解釈するならば、なるほど三ヵ年に復旧するということは地方にとって受けるかもしれない。しかし実際は過去のも一のと同じというふうになる。四十二万戸の住宅建設と同じような結果になる。私どもはこういうニュアンスの違うようなものについては削除したいと考えておりますが、あなたの方の考えと建設省の考えと一致していないのでございます。建設大臣ははっきりと予算に計上する、こういうことをおっしゃる。私はこの点がこの法難案の一番の電点であろうと考えますので、この点については何時間かかっても、私は政府の答弁は一本であるはずでございますから、徹底的にただしていきたいと思います。都合によっては大臣の御出席を願いたいと存じます。今日は無理に申しません。必要な措置とは予算を計上することだと言われますが、私は全然わからないことは申しません。突発事件その他によって、どうしても最終年度、三年目になって、若干残るという場合には、政府が無利子とか、何か利子のつくものでも金を出して工事をやらせる、その利子については政府が補給していく、こういったことは私は予想され得ると思いますが、ともかくも三ヵ年間で復旧を完了する、必要な万般の措置を講ずるということでなくてはならぬと思うのであります。そうでなくてはこの法律の精神が成り立たない。私はわけのわからぬことは申さぬつもりです。予寡を計土できないならばそれにかわる措置が、いわゆる必要な措置があると考える。いろいろややこしい答弁はいりません。政府一本の答弁をこの際お願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/45
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046・原純夫
○原政府委員 必要な措置というのは、建設大臣がおっしゃられたように、国の分担金の交付につき必要な措置でありますから、予算の計土であります。財政の許す範囲内にということで、ただいま井出委員もおっしゃったように、万一の場合に完了しないことがあるかもしらぬというくらいのニュアンスはある。その場合にどうするかということでございますが、その問題はこの法難外の問題であります。できるだけのことはいたしたいと思いますが、今はっきりした格好でどうというところまではきめておりません。そのときのいろいろな条件にもよることと思いますので、できるだけのことをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/46
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047・井手以誠
○井手委員 重大な言明でございましたが、必要な措置とは予算を計上することである、突発事件その他で三ヵ年間にもしできなかった場合には、それにかわる必要な措置を構ずる、かわる必要な措置とは、同じ効果を生むような工事は三ヵ年間で竣工させるけれども、地方負担にならない、利子補給その他の措置である、かように解釈してよろしゅうございますか。お言葉が変るとは思いませんけれども、念のためにお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/47
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048・原純夫
○原政府委員 「国の負担金の交付につき必要な措置」でありますから、予算を計上し、あるいは予備費を支出しというようなことであると申し上げたのでありまして、万一若干ずれるという場合は、この必要な措置外でありまして、事実上の問題としてそのときにできるだけのことを措置する。ちなみに利子補給のお話もございましたが、利子補給につきましてはいろいろ全体のバランスがございまして、これは非常にうるさい問題でございますので、御希望として承わりますが、はっきりお約束はできません。もちろん資金を融通するということにつきましては、先ほど申しました通りそのときの事情によりまするが、やはりできるだけのことはやらなければいかぬという気持はもちろんあります。ただその財政の許さざるゆえんが葬常に突発的な、しかも非常に大きな財政需要を必要とするというような場合には、おそらく予算の資金、歳出のワクのほか、財政投融資の方のワクも相当苦しくなると思いますので、それらの事情を考えなければなりませんが、しかし予算が出ない場合にそれにかわる措置をできるだけしたいということは、気持としてもちろんでございます。利子補給の点は一つなお研究さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/48
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049・井手以誠
○井手委員 大体わかりました。それでは突発事件などということは、もちろんそのときになりますれば、議員もそうわからぬことは申さないつもりです。従って財政の許す範囲内などと誤解を生むような葉は、入れる必要はないと私は考えます。国会において適当な必要な措圏を講じたい。
そこで続いてお尋ねいたしますが、今後の災害については、さような緊要なものは三ヵ年間で復旧する予算を計上する、そういう熱意がございますならば、過去の災塩町についても、先般申し上げましたように緊要なものは相当残っておりますから、当然同様な趣旨で措置されねばならぬと考えております。その理由につきましては、先般申し上げましたから繰り返して申し上げませんが、政府はこの第八条の二に予算に計上する、この精神にのっとって附則に「昭和三十年一月一日以降発生した災害に関し適用する。」とありますけれども、あらためて過去のものについても同様の措置をするということが、当然ではなくてはならぬと思うのですが、これを修正なさる御用意があるかどうか。なさらなければ私の方で必要な措置をいたしまするけれども、当然なさねばならぬことば進んで修正の措置に出られることが、当局が熱意を持っておられる表現の方法であろうと考えますので、念のためにお尋ねをいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/49
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050・米田正文
○米田政府委員 過年度災害の処置につきましては、御承知のように今日非常に重大な時期になっておりますので、われわれとしてもこれを緊急措置する必要があるということは痛感いたしておりますで、予算的措置については先ほどから申し上げましたように、今後の大体の計画も立てておるような次第であります。そこでこの法律については——法律の建前はおかしいのですけれども、今後の処置を立てるというのが本旨でございますから、この法律においては今年度からの措置として規定をし、過年度災害については先ほどから申し上げましたように、三十一年以降において早急に片づけるという方針で進んでおりますので、こういう方針を御了承願って、この法案はこの通り御了承願えれば、私どもの方としては最も望むところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/50
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051・原純夫
○原政府委員 財政の許す範囲内においてという点については、質問でなくて御意見でありますけれども、非常に重要な点でありますので、私からぜひこれをこのまま残していただきたいということをお願いしたいと思って立ったわけです。一々くどくど申しません。いろいろな立法例その他財政法の構成等を考えまして、建設省と相談したものでありますから、ぜひこれは残していただきますようにお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/51
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052・井手以誠
○井手委員 大蔵省の気持はわかります。私も財政法は十分研究しておるつもりでございます。お言葉は承わっておきます。河川局長の御答弁で過去の過年度災害については予算でとおっしゃいますけれども、現に三十年度の災害復旧の予算として、前年度減らされておる、これではなかなか信用しにくいのであります。別途に私どもは考慮したいと考えております。
そこで最後にもう一点、長くなりますけれども、簡単にお尋ねいたしたいことは、つなぎ資金のことでございます。予定通り国が補助金、負担金を出さないために、特に財政の貧弱な町村においては、農協その他の金融機関から年一割ぐらいの高利をもって借りておる、この分について政府もやはり予定通り金は出せなかったから、三、五、二を約束した。法においてきめられたものではないけれども、思っておったほど公約通りはやっていないから、迷惑をかけておるという誠意がありますならば、そういった地方の苦しい町村の財政について、何とかこれを救う特別の方途をお考えになっているのか、また今後も考えようという御誠意があるのかどうか、この点を承わっておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/52
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053・原純夫
○原政府委員 災害、特に大災害にやられました場合に、地方の財政が非常に苦しむということ、そのためにやむを得ず組合等からの資金でやるということについては、まことにお気の毒千万に存じております。われわれも地方財政につきましては非常に心配をいたしておりまして、今国会におきましても御承知の地方財政の再建整備に関する法案を御提出申し上げておるような次第でありまするし、さらに年々災害を受けるということのために、財政と災害復旧費とが非常につり合わないというふうなことのために、毎回特別立法の御発案があるわけでありますが、そういうようなものでなしに、一般法として建設省と御相談して、こういう案を御提出申し上げておるわけであります。従いまして相当なことができる、そうしてそういう苦しいときには何でも国に持ってくれぬかというお気持はわかるのでありますけれども、しかしその利子補給の問題はなかなか波及するところも大きい。決してそういうことばかりにはとどまらないと思います。そういうような意味で、先ほど申したように慎重に考えたい、私どもやはり問題は苦しいから個々の補助について利子を補給しろ、あるいはこういう補助をやれというお話でなくて、苦しい中でも地方団体によって財政力に相当違いがございます。ただいま農林委員会の方でやっておられます台風常襲地帯の法案につきましても、そういう意味でもいろいろ御意見を申し上げておるわけでありますが、やはり苦しい場合、それをどうするという問題は、交付税制度を中心としております地方の財政需要と財政力との関係をどう調整するかという点で、処置をいたさなければいかぬのではないか、個々の補助率ないし利子補給という点に手をつけますならば、これは全部に波及する問題でございます。従ってわれわれ財政を担当いたします者としては、側々のものについては例外が少いという方式で、そのかわり全体の交付税制度なりあるいは何なりでやっていく、それが一番公平な行き方であり、従って限られた国費を一番よく使う道じゃないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/53
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054・井手以誠
○井手委員 この点についてはなお別の機会に申し上げたいと存じます。建設省でも、非常に困っておる地方の状況については十分お考え願って、大蔵省と御相談の上、そう何もかも見られぬということではなくして、政府にも非常に責任があるわけですから、御研究を進められることを希望いたします。いろいろお聞きしたいことがありますが、ほかにも質問者がありますので、私はこれで一応終っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/54
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055・二階堂進
○二階堂委員 私はこの前の委員会におきましても、建設行政あるいは治水治山対策の根本政策等について、大蔵大臣の出席を要求しておるわけでございます。なおまたただいま審議中の国旗負担法の一部改正の問題につきましても、先ほど来井手委員によっていろいろ質問をされておりますが、これらのことにつきましても、私は大蔵大臣に対しまして質問をいたしたいこともございますので、なるたけ近い機会に大蔵大臣の出席をさらに要求をいたしておきます。大蔵大臣が出席されないと、ほかの法案の審議にも支障を来たすことがあると考えますので、委員長において強く大蔵大臣の出席を要求して下さるようにお願いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/55
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056・内海安吉
○内海委員長 それはちょうど小松さんの方からも要求が実はありまして、与党方面の手を通しまして、十五日の委員会においてぜひとも一萬田大蔵大臣の出席を求めて、今の井出さんの質問といい、あるいはまた有馬さんの質問といい、ほとんど大蔵大臣の答弁を必要とするように迫られておるようでありますから、その覚悟で今実は折衝しているところでございます。なお原政府委員の微に入り細をうがった答弁で十分だとは思うのでございまするけれども、努めて大蔵大臣の出席を求めることに協力いたします。十五日の委員会には出てもらいたい、こう思って実は折衝しておりますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/56
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057・廣瀬正雄
○廣瀬委員 ただいまの井手委員の質問並びにそれに対します政府当局の答弁、まことに私ども参港になりましたが、それにつきまして、どうも一井手委員におかれましては、この政府の原案に対しまして修正の御意見を持っていらっしゃるようでございます。それに関しまして私から政府当局にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、「財政の許す範囲内において、」という字句は、これはまさしく立法の慣用語であると思うのでありまして、私どもは立法の技術の点から申しまして、予算の編成権を侵してはならない、さような考えからかような字句を使うものだと思っておりましたが、質問されます井手委員は財政法を研究しておられるというようなことでございますけれども、私は不幸にしてその辺のことはよくわからないので、このことにつきましていま少しく詳細に御説明を願いたいと思うのであります。
それからこの法律の実施期日の問題につきまして、本年の一月一日以前にさかのぼって、過年度災にもこれを適用してもらいたいという修正意見をもって臨まれるのではないかということが想像されます。ところがそれに対しまして政府当局は、過年度災につきましては別に計画を持っているというただいまの河川局長の答弁があったのでありますが、しからば法律の適用につきましてことしの一月一日からということにして、以前の過年度災に対しましては、いかなる計画を持っていらっしゃるか。それを具体的に御説明願っておく方が、私どもとしては、この法案に対する上において参考にすべき事柄ではないかと思っておりますので、この二点を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/57
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058・原純夫
○原政府委員 前段のお尋ねにつきまして私の方が関係が深いと思いますので、申し上げたいと思います。国の財政につきまして毎年予算を組んで経理をいたしているわけでありますが、これにつきましては、年度予算主義というものが財政法の大きな建前になっておりますし、憲法の大きな建前でもあるわけであります。これは単に年度予算というだけの問題ではなくして、物事がすべて年から年へと変って参りますので、その一年度を限って最もバランスのとれた、最も効率のいい金の使い方をするのは当然のことであります。もちろん長期計画というようなものは、一方で持つのが必要であるとか望ましいとかいうことはあるわけでありますが、具体的に予算として確定的な支出収入を確定いたします場合には、年度々々にその条件を確かめて、最も効率のいいものを組むという趣旨で、年度予算主義というのができているわけであります。決して予算編成権というような権限的な意味でできているのではないということを、まず申し上げたいと思うのであります。従いましてわが国の財政法も、当初は旧憲法時代にありました維持費の制度もなかったのであります。すべて毎年々々そのときの条件を勘案していこうということで、継続制度はなかったのでありますが、しかし中にやはりかなりコンクリートな工事で、あって、最終までの計画ができてしまっている。それを最小限例外として全体の工事について契約ができ、見通しをつけてやれるというふうにしたいということから、例外的な規定として、財政法の十四条でありましたか、十五条でありましたか、後ほど追加されたというような事情に相なっております。従いましていろいろな法律で何年計画というようなものを定め、あるいは何年といいませんでも、整備計画をお定めになる場合も、一応何年とかいうような目標はつけられるわけでありますが、ただいま申しましたような国の財政支出によってまかなわなければならない需要は実に千態万様でありますし、事情、条件が変って参るということを考えて、すべてそういう法律におきましては、財政の許す範囲においてとかいうような文句を使うようにいたしているわけであります。決してこれは意味のないきまり文句だというのではなくて、そういうような年度予算主義、予算の効率発揮という見地から、憲法、財政法の大原則に基いてやっているものでありますから、ぜひこの法案にあります文句はお削りいただかないように、強くお願いいたしたいと思うわけであります。もちろんこれはそれぞれの計画でやれということを、頭からやらぬというような気持ではないのであります。大局においては、それに従ってやるわけでありますが、やはりただいま申し上げましたような意味で、全体の財政経理の上で、若干の弾力性を持っていなくちゃいかぬという考えでございますから、決して権限的なつもりはなし、また法律の精神はわれわれも御一緒に作った法案でありますから、十分それを尊重して参るつもりでございますが、さような弾力性を最後まで奪うというようなことのないように一つお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/58
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059・米田正文
○米田政府委員 過年災の処理についてのお尋ねでございますが、これはもうちょっとお話し申し上げたことではありますが、もう一度申し上げますと、二十九年度末、あるいは三十年度の初めにおきまして、残事業費といたしまして千二百二十六億、これは事業費でございます。それを国の負担率にいたしますと一千億、今までよく一千億と申し上げましたが、これは国の負担額でございまして、事業費に直しますと一千二百二十六億でございます。これが今年度当初における金額の総額でございますが、二十五年災以来、二十九年度災に至るまでの合計でございます。これに対しまして三十年度予算で国の補助金として二旨七十九億、約二百八十億、事業費にいたしますと、三百四十億でございます。これを支出いたしますので、三十一年度以降に持ち越します総金額としては、事業費にして八百八十五億、国の支出すべき金額、国の負担額として七百二十一億でございます。政府として来年度以降において考えなければならぬ問題は、この七百二十一億でございます。この七百二十一億で、三十一年度以降三ヵ年制度でぜひ完成をしたい。というのは、大体三年で申しますと、年平均二百四十億程度になります。その程度のものですと、大体従来の実績から見ましても、そう無理のない金額であるし、三十一年度以降三年で完成するということは無理のない計画だというので、その線で考えておりますので、この法律案に直接これを書くことでなしに、われわれとしては予算的な措置としてこういう計画で進めて参りたいという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/59
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060・廣瀬正雄
○廣瀬委員 ただいま政府当局の御答弁を承わったのでありますが、「財政の許す範囲内において、」ということにつきましては、予算の編成を侵すというようなことではない。年度予算主義という建前から申しまして、さようなことが好ましいのだという御説明があったのでございますけれども、かような字句を削除いたしまして、おそらく井手君が考えておるであろうと思われますような修正をするということが、憲法に抵触するかしないか、あるいは財政法に抵触して、立法技術としてさようなことは許されないことであるかどうかということにつきまして、おそらく私は今までの立法例といたしましては、予算の範囲内でというような字句を使わない立法例はほとんどないと思っております。競馬法に一つあるようでございますが、これは特殊な例であると思うのでありまして、今までのわが国の立法の例といたしましては、さような字句を使わなくて、私の考えから申しますれば、予算編成の権限を侵犯するような、またただいま原政府委員の御説明によりますれば、年度予算主義に背馳するような字句を使った例はないというように考えておるわけでございますが、さようなことにつきましてもう一面原政府委員の御答弁をお願い申し上げたいと思うのであります。
それから過年度災の災害復旧の問題でございますが、これにつきましてはこの法律の予定いたしております今年の一月一日以前の災害につきましては、この法律の精神と同じ精神をもちまして、少くともこの三ヵ年以内に復旧のできる財政措置を講じ得る自信が建設当局にあるかどうか、またそれにりきましての大蔵省当局の見通しと申しますか、お考えと申しますか、さようなことを一つ承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/60
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061・今井耕
○今村政府委員 ただいまの過年度災の問題でありますが、この点につきましては実は今回のこの法律を立案いたしますときに、建設省へ関係者を呼びまして、何とかこれを措置しなければならない、考えなければこれだけでは困るじゃないかということで、実はいろいろ相談をしたわけであります。これから三年間に災害復旧をやっていくということについては、当然週年度災の分についても三ヵ年間に完了する必要がある。そういう建前をとらない限りどうもこれは筋が通らない、こういうことです。従って過年度災害につきましては、ただいま河川局長から説明がありましたその線によりまして、何としても完了するように建設省としては努力をいたすりもりであります。お答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/61
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062・原純夫
○原政府委員 「財政の許す範囲内において、」という文句に関しましての重ねてのお尋ねでありますが、とった場合に憲法違反というかどうか、かたい表現での問題になりますと、いろいろ打ち合せをして申し上げなければどうかと思いますが、私憲法の条文は持っておりませんが、毎年予算をもってというような文句が入っておったと思いますし、財政法以下におきましても、年度予算として会計を作っていくという意味から、憲法及びそれを受けてできております財政法の精神を無視いたしまして、歳出についてあまりに強い縛り方をするというのは、よろしくないというふうに考えております。なおそういう立法例はないと思います。後ほど調べまして、ありましたらお知らせいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/62
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063・小松幹
○小松委員 本年度東北、北海道にえらい災害がありました。まだほかにもありますが、それの予算はどういう処置で出せますか、補正をする予定がございますか、それをまず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/63
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064・米田正文
○米田政府委員 東北及び北海道の災害あるいは九州を含めてでありますが、これらにつきましては今はまだごく概算の報告の程度でありますので、正確な数字にはなっておりませんが、これは今後数字が固まりました上で処置をすべき問題でございますが、一応の考え方、方針を申し上げますと、まず現地としては災害を受けますと、緊急捨ておきがたき復旧工事につきまして、すでに着手をいたしております。それでこれは県でありますと、土木部が中心になりまして緊急な分の復旧をいたすのでございますが、これらは予算措置、いわゆる予備費というものを支出するためには、やはり査定をしなければなりません。そこで査定をいたすには、各県で設計書を作るわけでございます。今盛んに作っております。これには相当の時日がかかります。全部回って査定を終りますまでには、二ヵ月なり三ヵ月なりという日数がかかるわけであります。それを待っておれないところに、つなぎ融資という問題が起きて参ります。そこで各県の緊急でやっております分の事業費については、つなぎ融資を各県から今申請が参っております。大蔵省との話も、先ほど大臣からお話がありましたように話がつきまして、建設省の要求額を基準にして配付するということで、早ければ今日中に決定を見る予定でございます。一応このつなぎ融資によって、地方公共団体は支払いをしていくわけでございます。そういうふうに一面進んでおりますと同時に、今災害復旧設計をやっておりますから、これの査定にかかるわけでございます。これが集計ができますと、ことしの総額がわかるので、これによりまして本年度の分を決定して、予備金支出の要求をするわけであります。予備金は、御承知のように、ことし少くなっておりますので、この中で全部まかなえるかどうかについては、各省集計ができませんとはっきりいたしません。今さしあたり御承知のように五十億の予備金がございます。まだ現在の程度では、五十億の予備金の範囲内でまかなえるものと私ども思っておりますが、将来秋になってまた台風が参ることは必至でございますから、そのときになってどの程度のものが起きるかになって、予備金だけで間に合うか、あるいは補正を組まなければならぬような事態になるかは、そのときの事情によることでありますので、今はっきりしたことは申し上げられませんが、現在のところにおいては予備金の範囲内においてまかなえるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/64
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065・小松幹
○小松委員 過年度災害については、ことしどの程度の処置ができますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/65
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066・米田正文
○米田政府委員 過年度災害につきましては、今年度約三百八十億の国費支出、事業費にいたしまして三百四十億の事業が、全国各都道府県及び市町村において行われるわけでございます。二百八十億という国の補助金は、先ほど申し上げました過年度災害総額一千億の中の二百八十億で、それが今年度支出されて実行されるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/66
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067・小松幹
○小松委員 河川法とか砂防法で、災害復旧というのは、これは地方自治団体が中心ですね。そうした場合、これは予算査定でしょうけれども、仕事の査定というのはその地方自治団体がやるものじゃないのですか。そういう緊急度をきめるのは一体だれがきめるのですか、それをはっきり伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/67
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068・米田正文
○米田政府委員 今度の改正法によります緊急な主審というのはだれがきめるか、こういう御趣旨だと思います。これは御承知だと思いますが、各都道府県及び市町村で災害復旧設計というものを作って、査定に行くのを待つわけでございます。今度この法律が通りますと、私どもの方から査定官が参りましたときに、この設計は緊要なものだ、これはそうでないものだというふうに、二通りに分けて参ります。わかりやすくいえば、緊要なものについては緊要という赤い判を押してきます。そうすると、その緊要なものがそこで決定をするということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/68
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069・小松幹
○小松委員 百万円のものが、これは百万円はかからぬ、九十万円でいいじゃないかという査定もあるでしょうね。ところが、この仕事はあまり緊急でないからあと回しにしろ、これが先だ。町村の方はこれはどうしても必要だというのに、あなたたちの方が、これはあと回しにしろ、これは急ぐということを言う権利があるのですか。仕事の緊急度をきめる権利があなたたちにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/69
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070・米田正文
○米田政府委員 これは法律にもありますように、政令で定めることになりまして、その決定は建設大臣の権限に属することになります。その政令の内容は、先ほど私口頭で副説明申し上げましたけれども、ああいう程度の緊要なものは、この範囲の中に入るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/70
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071・小松幹
○小松委員 そこで政令の内容というのが大事なんだ。この災害復旧のイニシアというものは地方が持っておっても、金がないためにどうしてもこっちに依存する。ところが建前として補助金をもらうのと違うと思うのです。やはりはっきりしたイニシアを持って、自分の計画で復旧計画を立てたならば、それに従ってあなたたちが筆を加えるのでなくて、やはり政令でいいかげんに仕事を落してしまって、そして災害復旧のできないようにすることでなくして、そのまま認めていくような格好にはなりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/71
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072・米田正文
○米田政府委員 私ども実は災害を復旧したいという趣旨でやっておるのでございまして、私の気持においては、私ども自身の仕事だというくらいにまで考えて、査定官もやっているのでございますから、非常に重要なものを、こんなものは査定から落すとか、あるいは緊急でないというようなことはないと思います。従来も現地に査定に参りますと、もう徹夜で懇談をしながらきめておりますから、そういうおそれはないと思います。要するに災害復旧の設計というものは、適正なものであるということでありまして、とかく従来から会計検査院で批難をされておりますようなことは絶滅しながら、適正な工事を査定してくることをモットーにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/72
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073・小松幹
○小松委員 国家の仕事について、警察とか、あるいは教育の問題についても、あるいは治山治水の問題についても、災害復旧についても、おおむね国家で法律上やる仕事であります。それを任意に地方自治団体に責任を移管しておる以上は、その責任者が申請するものに対して国家は負担をしなければならない、これが負担法の建前だろうと思う。先ほど広瀬委員から、逆な、憲法違反じゃないかというような質問がありましたけれども、むしろ私はああいう修飾をつけることは反対なんです。負担法というものは、国家の一部の仕事を地方へ委任しておる責任上国家が負担するのであって、向うが十ほしいといえば、その二分の一だったら二分の一を国家が負担する、それを事務的に予算化していなければならないのが建前だろうと思う。それでなければ負担法というものは補助金と同じになってしまう。負担法の使命というものはそこにあると思う。国家が仕事を地方に委任しておるという建前で、負担という責任があるとするならば、やはり負担法の精神を生かして、二分の一国庫負担ならば二分の一はっきり国庫負担する、三分の一国庫負担ならば三分の一はっきり国庫負担する、しかもそのイニシアがはっきり町村でやる場合は町村、県でやる場合は県のその主宰するイニシアというものを生かして、それによって負担していくのが建前とするならば、私はあの建設大臣の言うつけても、つけぬでもいい、盲腸みたいなああいう言葉はない方がほんとうはいい、それの方が正しいのだというように考えております。この点は盲腸のようなもので、もう要らぬと考えますが、どうでしょうか。切ってのけた方がかえっていいじゃないかというように考えますが、大臣その辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/73
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074・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私は小松委員のお話のところと今の条文のところとは関連があるがごとく、また別の問題だと思うのであります。今のお話のように、地方の自主性を尊重して、できるだけその線を守っていくということに努力するのは、政府として当然のことだと思います。ただ今までいろいろ現地と政府の具体的な考え方にまちまちな点が多いものですから、これはやろうというのと出そうというのと、立場が違うために食い違いが起るということを、できるだけ制度的に避けて参りたいというので、だんだん進歩したやり方が今度のやり方だと思っております。そういう意味で、御趣旨はよくわかりますし、またこれはそういう御趣旨のような線で実施をされるべきものだと考えております。それから一方財政の許す範囲というのは、これはどこの法律にも書いているような文句であって、当然金があろうがなかろうが出すのだと言わぬだけの話でありますから、これは今後の予算編成の上における政府の責任でありまして、法律にあるからどう、ないからどうというものではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/74
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075・小松幹
○小松委員 大臣はアクセサリーだから入れておいてもいいじゃないかというような、言い方ですが、それでは何もそういう盲腸みたいなものをつける必要はないじゃないか。やるのだから、やるならすなおに大臣の気持ちをそのまま出して、そういう予算が何とかかんとかというような言葉を法律に入れられる必要はない、そういうふうに私は思っているのです。それと同時に、法律だから理屈を言えということになれば、私は、いわゆる予算の都合、金の都合上というのは、一般の法律ではそれはいいでしょう。売春法予算が一億要るといえば、予算の都合上どうだというようなことも考えられる。しかしこうした国家の重大な責務を持ったところの、国家の治山治水等に関連のある負担法に関するものでございますし、負担法というのは、土木工事とかこうした建設省関係には非常に多くありますが、ほかにそうよけいありませんので、こういうものは負担法の精神を生かしていきたい。こういう意味で、その負担法の頭をちょんと押えるような格好にしたくない。私は負担法の精神を真に生かしたいと考えておるのです。かつては警察費もありましたが、教育費でも半額国庫負担が明治以来ずっと長く続いてきた。その半額国庫負担の頭をちょんと押えて、いわゆる定額制をしいたり、定員制をしいたりして、ちょいと頭を押えたことが、今日地方財政が崩壊しているもとを築いたと思う。それはいわゆるちょっとした大蔵省の小手先の負担法に対する制肘というものが、今日の地方財政に破局的な赤字を来たしている最大の要因であると私は考えておる。だからやはりこの負担法というものは重大な責務を持っておるので、アクセサリーか盲腸みたいな言葉をちょいとつけるということはなくしたい、こういうふうに考えますので、その点大臣あっさりわれわれの考えに御賛同願いたいと思うが、御意見を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/75
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076・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 これがありましても、お話のような負担法の基本的な原則はいささかも狂うことにはならぬのでありますから、そういう意味で、小松委員の御心配の点はよくわかりますが、これ以上は政治力の問題だと思いますので、どうか一つ御理解を願いまして、一つわれわれの考えをお生かしを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/76
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077・西村力弥
○西村(力)委員 今河川局長は、今年度災害について五十億でまかなえるかどうか、台風も参ることは必至であるし、どうだかその見込みが立たぬ。こういうことでございましたが、原次長はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/77
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078・原純夫
○原政府委員 本年非常にいい年になるようにと祈っているのではありますけれども、従来の例によりまして、災害が普通の年並みにあるというふうに想定いたしましても、五十億ではとても足りません。従ってその場合に備えて、われわれはいろいろと考えておか一なければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/78
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079・西村力弥
○西村(力)委員 そういうように米田河川局長、原次長はノーマルな感覚の人だと思います。ところがこの前大臣は、今年度の災害は五十億でやることができるというように、私の質問に対して神がかりのように断百なさったが、あまり先々のことを断言するというのは、ちょっとおかしいじゃないか。精神鑑定まで至らないにしても、とにかく変な答弁であると思う。だからあの答弁は取り消して、もう少し正常な答弁をしてもらいたいが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/79
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080・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私の御答弁が、そういう非常にノーマルでないふうにお聞き及びとすれば、これはあっさり取り消します。しかし政府としては、まず一応五十億で事態の収拾に当り得ると今の段階で考えているわけですから、またその後の事態が起ったときに考えるということで、今すぐこれでは足りないのだということを申し上げることは、御審議をいただいた予算に対して、政府みずからが予算を否定するようなことになりますわけで、さような意味で、私も決してわけのわからぬことを申しているつもりではありませんので、どうか御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/80
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081・西村力弥
○西村(力)委員 それは政府側の立場もわかりますが、財政を扱われる大蔵当局もあるいは専門的な河川局長も、そういう見込みを立てておられるのに、無理やりに自分の立場だけを固執せられずに、将来の問題についてはやはり相当の危険をはらむという考え方は、やはり率直に認めることが至当であると思う。今の御答弁は何かごてごて申されましたが、さような趣旨であるということに私は了解しまして、この前の答弁は、あれは少し突っぱり過ぎた、こういう工合に大臣もお考えになっていると思って終りにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/81
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082・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 もちろん事態に即応する処置をとることには、何ら異存はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/82
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083・内海安吉
○内海委員長 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案の質疑は、本日はこの程度といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/83
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084・内海安吉
○内海委員長 なおお諮りいたします。が、委員の異動がだいぶありましたが、それに伴いまして小委員及び小委員長の欠員も相当ありますので、これが補欠選任を行わなければなりません。この補欠選任については委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/84
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085・内海安吉
○内海委員長 御異議なしと認めてさように決しました。
なお補欠の指名につきましては、追って公報をもってお知らせいたします。
なお明十四日は、建設省その他の政府委員等の出席の関係からいたしまして、本日の議題となっております法案に対する質疑は、ちょっと不能になっておりますので、明後十五日午前十時午前より本委員会を開くことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204149X02919550713/85
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