1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月十七日(金曜日)
午前十一時二十五分開議
出席委員
委員長 田中 角榮君
理事 首藤 新八君 理事 山手 滿男君
理事 前田 正男君 理事 永井勝次郎君
理事 中崎 敏君
阿左美廣治君 秋田 大助君
大倉 三郎君 小笠 公韶君
菅野和太郎君 笹本 一雄君
鈴木周次郎君 野田 武夫君
淵上房太郎君 加藤 精三君
鹿野 彦吉君 神田 博君
小平 久雄君 堀川 恭平君
南 好雄君 村上 勇君
片島 港君 櫻井 奎夫君
田中 武夫君 帆足 計君
伊藤卯四郎君 菊地養之輔君
佐々木良作君
出席国務大臣
通商産業大臣 石橋 湛山君
出席政府委員
内閣官房長官 根本龍太郎君
公正取引委員会
委員長 横田 正俊君
通商産業事務官
(大臣官房長) 岩武 照彦君
中小企業庁長官 記内 角一君
通商産業事務官
(中小企業庁振
興部長) 秋山 武夫君
委員外の出席者
議 員 春日 一幸君
専 門 員 谷崎 明君
専 門 員 越田 清七君
専 門 員 円地与四松君
専 門 員 菅田清治郎君
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六月十七日
委員神田大作君及び大倉三郎君辞任につき、そ
の補欠として田中利勝君及び古島義英君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員古島義英君辞任につき、その補欠として大
倉三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
理事田中彰治君理事辞任につき、その補欠とし
て首藤新八君が理事に当選した。
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六月十六日
百貨店法案(春日一幸君外十三名提出、衆法第
一八号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
競輪の平日開催禁止反対に関する陳情書
(第一一一七号)
中小企業協同組合中央会の法制化等に関する陳
情書
(第二四五号)
全国漁業協同組合連合会並びに全国購買農業協
同組合連合会に対する石油類輸入外貨割当反対
に関する陳情書
(
第二七一号)
重油ボイラー設置の制限等に関する臨時措置に
関する法律案中クリーニング業の適用除外に関
する陳情書
(第二七三号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
連合審査会開会申し入ホに関する件過度経済力
集中排除法等を廃止する法律案(内閣提出第四
二号)(参議院送付)
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案
(内閣提出第一二三号)
百貨店法案(春日一幸君外十三名提出、衆法第
一八号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/0
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001・田中角榮
○田中委員長 これより会議を開きます。
この際理事辞任の件についてお諮りをいたします。理事田中彰治君より、理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/1
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002・田中角榮
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
なお理事辞任に伴う補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/2
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003・田中角榮
○田中委員長 御異議なしと認め、首藤新八君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/3
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004・田中角榮
○田中委員長 この際、連合審査会開会申し入れの件についてお諮りをいたします。ただいま外務委員会において審査中の、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、外務委員会に連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/4
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005・田中角榮
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/5
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006・田中角榮
○田中委員長 昨日本委員会に付託になりました百貨店法案を議題となし、審議に入ります。提案者よりその趣旨の説明を聴取いたします。春日一幸君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/6
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007・春日一幸
○春日一幸君 それではお許しを得まして、ただいま議題と触りました百貨店法案の提案理由の説明をいたします。
現在の百貨店問題は、単に大規模小売業者たる百貨店対中小規模小売業者との問題であるだけではなく、卸売業者及び広く一般消費者にも関係の深い問題となり、経済的影響のみねらず、社会的影響も深く大きくなっているのであります。戦前、旧百貨店法が制定された当時の百貨店経営は、主として高級購買力を対象としていたのでありますが、戦後は一般中小企業と同じ広範囲な大衆購買力を対象とするに至ったのであります。また売り場面積について見まするに、戦前の最高であった昭和十六年の百二十五万三千平方メートルに対しまして、昨年四月現在には百三十九万三千平方メートルに増加をいたしまして、約一一%の拡張になっておりますが、引き続きさらに主要大百貨店は拡張工事を続けておるような現状であります。また百貨店の経営実態について見まするに、公正取引委員会が、百貨店の不公正取引について特殊指定の告示を実施しておる現状を見ても明らかな通り、販売行為においても仕入れ行為においても、独占禁止法の規定にそむく営業行為が多くなりつつあるのであります。この原因は、限られたる国内購買力に対しまして、百貨店が中小規模小売業者の従来の購買力分野にまで進出をしたためであるのでありまして、また現在の不況下にあって百貨店相互間の競争がますます激烈になってきたためであるのであります。このように、今日のいわゆる百貨店問題の原因は、深くわが国の経済事情に根ざしておるのでありますから、百貨店自体の一時的な自粛行為や、一部中小企業者と百貨店業者との間の話し合いなどで決せられるものではないのであります。むしろこの際公正取引委員会の百貨店に対する特殊指定を主体といたしまして、単独立法を制定して、百貨店の営業行為について広く規定することによりまして、百貨店の営業行為の範囲並びに基準を明らかにし、無用なる経済秩序の混乱や社会的悪影響を防止する必要があるのであります。これが新しく百貨店法の制定を必要とする理由であります。
何とぞ本案を慎審御審議賜わりまして、御賛成あらんことをお願い申し上げまして、提案理由の御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/7
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008・田中角榮
○田中委員長 本案に対する質疑は次会に行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/8
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009・田中角榮
○田中委員長 さきに本委員会に付託に宏りました過度経済力集中排除法等を廃止する法律案を議題となし、審議に入ります。政府側よりその趣旨の説明を求めます。内閣官房長官根本竜太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/9
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010・根本龍太郎
○根本政府委員 ただいま上程されました過度経済力集中排除法等を廃止する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
過度経済力集中排除法は、過度の経済力の集中を排除し、国民経済を合理的に再編成することによって、民主的で健全な国民経済の基礎を作ることを目的とするもので、昭和二十二年十二月に公布施行せられたものであります。
また過度経済力集中排除法の施行に伴う企業再建整備法の特例等に関する法律は、本法の実施を円滑にするため企業再建整備法との関係を調整するとともに、その一部規定を準用するためのもので、本法と同時に公布施行せられたものであります。
また過度経済力集中排除法第二十六条の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律は、公正取引委員会への職権等の移管を規定したもので、昭和二十四年五月から公布実施されたものであります。集中排除法の規定によって持株会社整理委員会が過度の経済力の集中として昭和二十三年二月に指定しましたものは三百二十五会社でありましたが、そのうち二百九十七会社については指定を取り消しましたので、企業再編成の指令を受けることになったものは、実際には日本発送電株式会社、日本製鉄株式会社等の二十八会社であったのであります。これらの二十八会社については、持株会社整理委員会当時のものを含め、昭和二十四年度中に四会社・昭和二十五年度中に五会社・昭和二十六年度中に六会社、昭和二十七年度中に一会社、昭和二十八年度中に九会社、昭和二十九年度中に三会社の手続を完結し、昭和二十九年十一月をもって一切の事務を終了いたしました。よってこれらの法律は必要がなくなりましたたので、本法案を提出した次第であります。
何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/10
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011・田中角榮
○田中委員長 本案に対する質疑は次会に行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/11
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012・田中角榮
○田中委員長 次に日程に入り、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたし、本案を討論に付します。討論の通告がありませんので、討論は終局いたしました。ただいま田中武夫君外十二名より、本案に対する修正案が提出されております。この際提出者の趣旨弁明を求めます。田中武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/12
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013・田中武夫
○田中(武)委員 私は、ただいま議題となりました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表いたしまして、一部修正案を提出いたします。
まず修正案を朗読いたします。
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案に対する修正案
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第三十五条に三項を加える改正規定を削る。
第八十二条の八中「第十一項」を「第八項」に改める。以上であります。
次に提案の趣旨を簡単に申し上げます。本案は、中小企業等協同組合法第三十五条に、九、十、十一、の三項を加えることにより、組合役員の選挙方法を従来の無記名投票による方法のほかに指名推選の方法をもとることができるように改正しようとするものでありますが、安易な方法による特例が設けられた場合は、特例が特例でなく、その安易な方法が原則かのように運営せられた場合が、過去にあまりにも多かったことをわれわれは忘れてはならないのであります。すべて多数人によって構成せられる法人や、組織の代表者や執行機関は、その構成員全員の自由な意思によって選ばれるととが最も民主的であり、かつ最も正しい方法であることは言うをまたないのであります。ことに協同組合主義なるものの発祥は、元来その倫理的根底は、個人の尊厳と平等とに出発しており、すべての派生的思想はこの考え方の上に立っているといわなければならない。その意味において推選形式なる、かっての翼賛会的上意下達の思想を、今日この日、なおかかる民主的立法の中に介在させようとすることは、時代錯誤もはなはだしく、まさに世紀のナンセンスであって、時代逆行性の尤たるものであり、現内閣の本質を暴露したものといわねばならない。そうでなくとも、本来この種の組合が、一部有力者の私利私欲追求の私党的色彩に陥った例は、過去においてまたわが国のすみずみにおいて、もろもろの業種において、あまりにも多くわれわれは散見してきたのであります。
いずれにせよ、個人の尊厳を忘却し、個人の自由意思を抹殺し、選択の自由と義務と、権利の止揚は、本来の協同組合主義の精神を没却するもはなはだしいものであって、近代官僚及び現内閣の感覚倒錯であると申すのほかはありません。
私は本案提出の趣旨を理解するに苦しむものであります。政府は施行後の経験にかんがみと申されているが、無記名投票による方法が、過去において正当な組合運営を、また組合の発展を阻害した実例があったのか、私はいまだかって無記名投票による役員選出の方法が不合理な結果をもたらしたということを聞いたことはありません。よろしく協同組合主義本来の精神にのっとり、自主的民主的に、自由にしてかつ明朗な方法のみにより組合役員が選出せられ、その役員のもとに、組合員の組合員による組合のための協同組合業務の運営がなされるよう、賢明ねる委員各位が本修正案に御賛同を賜わるようお願いいたしまして、修正案提出の趣旨弁明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/13
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014・田中角榮
○田中委員長 ただいま田中武夫君外十二名より提出された修正案に対して質疑がありますれば許します。——質疑がないようでありますから、質疑を終了いたします。
まず田中武夫君外十二名提出にかかる修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/14
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015・田中角榮
○田中委員長 起立少数。よって本修正案は否決せられました。
引き続き原案について採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/15
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016・田中角榮
○田中委員長 起立多数。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
ただいま委員長の手元に、佐々木良作君外民、自、両社三十九名より、本案について附帯決議案が提出されております。この際提出者の趣旨弁明を許します。佐々木良作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/16
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017・佐々木良作
○佐々木(良)委員 ただいま議決されました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を次のように定められんことの動議を提出いたします。
中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
一、中小企業等協同組合中央会及び都道府県中小企業等協同組合中央会の役員等については、従前の経緯に鑑み、真に中小企業の振興の為に挺身して熱情を傾ける者を配意すること。
二、中小企業等協同組合の全国中央会及び都道府県中央会に対する補助金年間三千万円程度を、早急の機会において、予算支出するようその実現を期すること。
三、本改正案は原案に比し官僚支配の傾向を強めるものである。本法の実施に当っては其の弊に堕する事なきよう充分戒意すべきは勿論、可及的速かに協同組合本来の民主的運営を確立するよう積極的施策を尽すべきである。
右決議する
以上三項でありますが、趣旨が今の内容その通りでありますので、特に趣旨の説明を必要としないだろうと思いますので、委員長において適当におはからい願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/17
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018・田中角榮
○田中委員長 佐々木良作君外三十九名提出の附帯決議案について採決いたします。
本案にただいま提出の附帯決議を付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/18
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019・田中角榮
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって本案は附帯決議を付することに決しました。
この際お諮りをいたします。本案に対する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/19
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020・田中角榮
○田中委員長 御異議なしと認め・さよう決定いたします。
次会は公報をもってお知らせすることにして、本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時四十一分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204461X02719550617/20
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