1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十二日(水曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 松原喜之次君
理事 加藤 高藏君 理事 内藤 友明君
理事 森下 國雄君 理事 大平 正芳君
理事奥村 又十郎君 理事 横路 節雄君
理事 春日 一幸君
有馬 英治君 宇都宮徳馬君
菅 太郎君 杉浦 武雄君
竹内 俊吉君 中山 榮一君
早川 崇君 福田 赳夫君
坊 秀男君 前田房之助君
山本 勝市君 淺香 忠雄君
川野 芳滿君 黒金 泰美君
小山 長規君 薄田 美朝君
古川 丈吉君 前尾繁三郎君
石村 英雄君 石山 權作君
木原津與志君 横山 利秋君
井上 良二君 平岡忠次郎君
町村 金五君
出席政府委員
大蔵政務次官 藤枝 泉介君
大蔵事務官
(主税局長) 渡邊喜久造君
委員外の出席者
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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六月二十一日
地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法
律の一部を改正する法律案(加賀田進君外十名
提出、衆法第二二号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一五号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
一六号)
租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
閣提出第四一号)
所得税法の一部を改正する法律案に対する修正
案(前尾繁三郎君外二十五名提出)
法人税法の一部を改正する法律案に対する修正
案(前尾繁三郎君外二十五名提出)
租税特別措置法等の一部を改正する法律案に対
する修正案(前尾繁三郎君外二十五名提出)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/0
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001・松原喜之次
○松原委員長 これより会議を開きます。
政府提出にかかる所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案の三法律案並びに三法律案に対する前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案を一括議題として質疑を続行いたします。石山權作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/1
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002・石山權作
○石山委員 私、かつて民主党の予算案に対しましては総括質問をいたしまして、大体了承したわけなんですが、それ以後民自両政党によって予算案がおびただしく修正を見たのでございます。当時の感じといたしましても、いうところの計画経済による地固めの予算としては、三十年度予算というものは非常に力が弱い。この予算は一体どこを目途にしていくのかと、われわれは不安に感じておった。しかも民自両党によって修正されたのを見ますと、特に四百三十億を二つに割って、二百十億云々というようなやり方は、古風で、まことに腹がまえがよくていいように見えるけれども、少くとも私たちのように数字を扱って、国の予算は数字によって運営されなければならぬというふうな考えの者から見ますと、保守派の腹がまえというものは、はなはだ不安に感じてならないわけなんでございます。それでその腹がまえが一体どこにあったのか、民自の修正のねらっているところは一体どこにあるかということを、この場合に御説明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/2
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003・福田赳夫
○福田(赳)委員 お答えします。お話しの通り、この予算は民自両党の主張両方を取り入れてでき上ったものであります。しかし結論を申し上げますと、両方の主張のいいところを取り合ってでき上ったというふうに御了承願いたいのであります。私どもは、当初、何とかして経済を正常に戻したいというために、財政においては均衡方針をとり、従って財政においては散布超過、すなわち赤字を極力出さないようにいたしたい。自由党の編成いたしました昭和二十九年度の予算におきましては、表面上は均衡でありますが、散布超過は実に二千億近くになっております。従いまして、それだけの通貨増発の要素を財政面から含んでいるわけでありますが、これをそのままにいたしますれば、これは物価の騰貴となり、また輸出にも重大影響がありますので、インフレ化を抑制するためには、金融引き締め政策をとらなければならぬ。昨年春の中小企業の倒産もまた未曽有のレコードを示しました。不渡り手形、これは金融引き締め政策による影響が非常に大きかったと思うのでありますが、かかる事態をなくすというために、財政においては均衡方針をとりますが、財政方面から資金散布超過のおそれをなくし、金融方面においては集まった預金がそのまま貸し出しに向け得る。すなわち金融正常化の方向に持っていきたい。私どもの当初の考えにおきましては、だんだんとさような努力を積み重ねまして、遠からず金融市場は、今までの貸し手のマーケットから借り手のマーケットというところまで持っていきたいというように考えておったのです。そこへ持ってきて、御承知のごとく自由党から四百三十億円の公債を発行し、歳出にこれを充てる。また減税を行い、さらに財政投融資を拡大するという考えがあったわけであります。この自由党の考え方は、よく議論をいたしてみますと、私どものただいま申し上げました考え方とそう違っていない。その根底におきましては、大いに貯蓄を増強いたしまして、その貯蓄の増強のためには減税を行う。その減税のやり方も、貯蓄の推進というところに重点を置いてやる。また同時に投資を奨励するというようなことで、私どもが金融の正常化、すなわち大いに貯蓄を伸ばし、その貯蓄の力によりまして国策を遂行するというこの考え方と、根底において全く違いはないのです。そういう状況でありますものですから、この話し合いも、もともと話のつくところの基礎的な筋というものがあったわけなのであります。ただその経済の見方に対する判断におきまして、一挙に拡大均衡に向うべきか、あるいは地固めをさらに続けて、しかる後に拡大に転ずべきかという点におきまして違いがあったわけでありますが、その間の調整をはかりまして、今年は二百十五億、しかも公債は、地固めでありますから発行しない。また一兆円の予算は堅持する。さようなことで話ができまして、結論におきましては、冒頭におきまして申し上げたように、両党の主張のいいところを取り上げましてでき上った、かように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/3
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004・石山權作
○石山委員 まあよく言うと、同じ幹から出た二本の枝というふうに言えばよろしいし、悪く言えば、同じ穴のムジナだから、有無相通ずるということも、これは言えないことはないと思うのです。この地固めという言葉は、今回あなたたちが修正された、特に自由党の修正された内容を見ますると、民主党の意図された地固めというものとは同じじゃないはずなのです。少くとも民主党の意図された地固めは、いわゆる金融によっての地固めをやろうということが大きなねらいだったと私は思う。それが自由党の考え方になりますと、非常におみやげ予算といいますか、金の使い方が非常に平面的で放漫である。一体どこへ今年度の予算というものを持っていくか、どこにめどを置いて日本の産業というものを復興さすか、日本の国力というものを培養するかという点になりますと、民主党とはかなり相違があると私は見ておる。これはあなた方の方では、前尾さんも相違はないというふうに考えているかどうか、一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/4
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005・前尾繁三郎
○前尾委員 ただいま福田君が言いましたように、自由党は、現在の段階としてはもう拡大均衡に入る時期であるというふうに考えておりまして、民主党の諸君はまだ地固め時代だ、この両者を調和さして、そうして地固めを一歩進めて拡大均衡の基礎を築くという意味で、自由党の今回の修正案はできておるわけであります。また一面国民の要請ということも考えなければなりません。また公約ということも考えなければなりません。今回の税法の修正にいたしましても、月収二万円までは無税というようなことを公約いたしておりますし、また中小企業の法人につきましても、特別の考慮をしなければならぬというようなこと、ことに三五%の税率という以前の税率に帰りたいというような考えを持っております。さらにまた民主党におきまして、利子の全面的な非課税というような措置をとられます上は、株式につきましても、いわゆる自己資本の充実ということが卵常に緊要であるという国の要請にもこたえていかなければなりません。その間に均衡をとっていくというのが税法の改正であります。さらにまた歳出の面におきましても、もとより大ざっぱな歳出の増加は、これは慎しむべきことであります。個々具体的にわたって、少額ではありまするが、いわゆる拡大均衡の一歩を踏み出すということもかねまして国民の要請に一々こたえてきておるというのが、今回の修正案の要旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/5
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006・石山權作
○石山委員 自由党の意図することも、民主党の意図することも、その意図することは、言うところの上層階層に対して相当の蓄積をさしてあげよう。ただここに疑問に思われるのは、今回の税制改正法、あるいは今までの自由党のとってきた政策を見てみますと、これが国家的な、あるいはそこらの会社組織的な一つの資本の蓄積をしてあげる、こういうふうな意図よりも、個人的な財産の蓄積をさせてあげようとする面が非常に多いのでございます。そういう点に関しましては、私たちとしては非常に残念であります。特に今回の税改正法を通じて見ますると、これは明らかにその形を示しておるのではないかとうかがわれる筋があるのでございます。たとえば預貯金の利子等の無税、これなどは明らかにそういうふうな傾向を帯びているのではないか。特に私がこの点について一番疑問なのは、こういうふうな操作を施してみて、果してどのくらいのたんす預金というものが集まるのか、あるいは勤労階級と目されている一般の庶民階級から、どの程度のお金を吸い上げることが果して可能なのか。日銀などを初めとして、非常に一生懸命に貯蓄の奨励をしておるようでございますけれども、果してどのくらいの価値があるか。むしろたらい回しになる可能性があるのではないか、インフレ時代の投機を避けまして、そうしてむしろ堅実化されているところの貯金の方向へ向う金が動いておる、たらい回しになっておる。そのたらい回しをば援助する意味において利子の無税というようなことをやって、しかも反面そのたらい回しを防ぐという、ある意味から見れば自分の産を守るという意味でしょう。セクショナリズム的な考え方で株主の配当に対して優遇を与える。これではただお金に利子をつけて、ちっともお金が集まらないというふうな現象が生まれるのではないか。逆に言うと、現状の金持ちに対して非常に優遇をした財政法律を今回作ったのではないか、こういうふうな印象を受けてならないのでございますが、その点に関しまして御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/6
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007・前尾繁三郎
○前尾委員 預貯金の無税、あるいは株式配当の優遇措置というのを、個人的な貯蓄の奨励というふうにおとりになるのは、はなはだどうも私にはふに落ちない。ことに株式投資につきましては、これはもとより産業資本の充実ということを端的に表わしておるものであると思います。また預貯金の問題につきましても、実は最初考えておりましたのは、定期の預金に対しまして減税というようなひもつき的な考え方を持っておりました。その構想はくずれてはおりますが、しかし集まりました産業貯金を、その一定割合を国家的な要請に基きます方面に使うという行き方をいたしておるのであります。私は、あくまで減税されました分につきましても、この預貯金、株式配当の減免措置によりまして、それが非常に刺激され、促進されて産業投資の面に向う、また国家的な要請の方面に向うということを十分期待し得ると考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/7
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008・石山權作
○石山委員 その点に関しまして政府当局では、これは預貯金の利子については無税だというような原案でございますから、当初どういうふうな見積りをなさって、どのくらいの預金を集めるという予定でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/8
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009・藤枝泉介
○藤枝政府委員 預貯金、公社債の利子の免税だけでどれだけ集まるかということについての正確度を持った見積りはなかなかむずかしいと思います。しかし私どもがこの預貯金利子の免税によりまして大体の目安を置きましたのは五百億前後をこれによって増強できるというようなところに目安を置いておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/9
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010・石山權作
○石山委員 それは民自の修正によって、株主配当に対して特別措置をとった以前の政府の考えだろうと思います。それに影響される点は、私先ほど申しましたように、結局たらい回しになるのではないかと思う。特に先ごろの公聴会において、銀行の頭取だと思いましたが、名前は忘れましたが、三百億というふうに推定しておりました。それからしますると、特に株主配当の問題を民自が措置しない以前が五百億とすれば、どうしても見積り過大なのではないか、こう思いますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/10
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011・藤枝泉介
○藤枝政府委員 三百億ないし五百億、これは先ほど申しましたように、見積りの正確度は少いのでありますが、大体の目標をその辺に置いておることはお話しの通りであります。そのときに考えましたのも、預貯金の利子を免税するがゆえに、あるいは株を売ってそれを預金にするのであろうというようなことも一部にはいわれたのでありますが、そのようなことはないという前提に立って、実は三百億ないし五百億という預貯金の増強を見たのでありまして、従って今回の民自両党の修正によりまして株式に対する優遇措置が講ぜられましても、その見積りについては、この株の優遇措置によって影響はされないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/11
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012・石山權作
○石山委員 そうすると、政府の今どうしてもほしい金が三百億なのです。一体この三百億をどこへ使うつもりで、何にも利子もかけないで優遇しようとするのか、三百億はどこへお使いになるつもりなのか、これは民自の考え方も入ってもよろしいと思いますが、政府の最初の提案の意図はどこにあったのか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/12
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013・藤枝泉介
○藤枝政府委員 これはかねがね政府として申し上げておる通りに、できるだけ金融を正常化いたしまして、そうして資本の蓄積をし、それが日本の産業活動に使われるようにという考え方でございます。繰り返して申し上げますが、これによって三百億できるから、これをひもつきでどうしようというような考え方ではなくて、この傾斜的な免税とでも申しますか、資本増強のための特別措置によって日本の資本蓄積を増強し、そうして日本の金融を正常化に持っていく大きな原動力にしたいというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/13
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014・石山權作
○石山委員 金融の正常化が日本の国力を培養するのか、私はそこら辺に疑問があると思うのです。何でも金融さえ正常に戻れば、何かすべてがよくなるというふうなところに非常な感じ方の違いがあるのではないかと思う。二十一日と申しますときのうでございますか、日銀の政策委員会がございました。それによりますと、集まった金は返すのじゃないですね。あの御意見を聞いてみますと、六十の調整率を五十五に引き下げる。そして四百億程度の金は貸さない。当然貸さなければならない金を貸さないで、百八十億程度兌換券を引き揚げてしまうという御意見なんです。それも第二・四半期においてやる。そうしますと、余った金はもちろん金融の適正化にはなるのかもしれませんけれども、これは日本の産業に対しては何ら好影響を及ぼさないのではないか、こういう印象を受けてならないのでございますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/14
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015・藤枝泉介
○藤枝政府委員 二次高率の適用範囲を拡大するというような意見のありますことは諸指摘の通りであります。従ってそれだけをお考えになりますれば、それだけ金が少くなるじゃないか、しかしお断わり申し上げておきますが、私は何も日本の産業経済全体が金融の正常化だけで足れりという考え方を持っているわけではございませんが、その大きな一つの柱である、そういう意味から考えまして、貯蓄を増強せしめるということが結局日本産業の全体の進展の一つの大きな柱になるという意味で申し上げておるのであります。ただ単にこの二次高率の適用の範囲を拡げたというその一体だけをお取り上げになりまして、ただいまのような諸議論でありますが、金融全体が正常化する、またその正常化の方向に向っている金融界というものをさらに正常化に向わせるためには、やはり資本の蓄積をさせる一つの刺激剤として預貯金利子の免税ということも、十分意義があるのではないかというふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/15
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016・石山權作
○石山委員 私が当面だけ見て議論しているというふうにおとりになっていられるようですが、私は何も当面だけ見ているものではない。皆さんの考え方は、つまり金融措置によって――インフレ時代は金融措置は不可能だったけれども、皆さんのおっしゃる地固めというのは、やはり金融措置によってやっていく、これが民主党内閣の考えているいわゆる地固め方針の現状だと解釈しているわけです。だからそれを否定されるとすれば、私は民主党のよさというものはないのではないか。こういう点について一つ民主党の福田さんからお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/16
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017・福田赳夫
○福田(赳)委員 ただいま政務次官からお話しの通り、私どもは何も経済建て直しの基本が、金融正常化というところにのみ存しておるというふうには考えておりません。結局根本は、今日本の経済の状況は、自由党内閣で非常に努力をいたしまして、ともかく国際収支も昨年は大きな黒字になっているわけです。また物価も安定状況に入りまして、昨年の足取りは、いわば下向きの横ばいであるというところまで来た。これで、どうにかこれが固まれば国際競争にも乗り出せるかというような段階にきたので、この態勢をくずさないで、ずっとこのまま持っていきたいというところにねらいがあるわけであります。そのためには、どうしても物価の安定、通貨の安定、これを考えなければいかぬ。それには、今までインフレ時につちかわれました国民的性向とも申すべき消費の性向というものを、国民に見直していただきまして、そうしてなるべく個人も企業も、消費を節し、効率的に金を使ってもらいたい、このことを非常に念願をいたしておるわけであります。これが金融政策的に、また財政政策的にどういうふうになってくるかと申しますれば、私どもは財政面においては減税をいたしまして、そういう蓄積の刺激をいたしたい。また減税をするについても、蓄積がしやすいようにいたしたい。そういたしますれば、会社には、所得税の税率の引き下げ等によりまして内部留保金もふえましょう。底の浅いといわれる日本の経済の様相も改善されようかと思います。また個人も、事あれば借金をしなければならぬ、借金でこの世を渡らなければならぬという人も、自己の蓄積によってこれをまかなえるという状況になりまして、日本経済が全体として安定する方向に向うわけであります。すなわち地固めがここにおいて完成するというような段階になりますので、私どもはさような意味の一環として金融政策というものを重要視いたしておるわけであります。日本銀行が高率適用を強化するというようなお話しでありまするが、まだその金融は、財政面からいたしましても、遺憾ながら本年度、三十年度の予算におきましては、約七百億円の散布超過になります。昨年の二千億に比べますれば非常な減少でありまするが、しかしながらその散布超過に対しまして、これが消費購買力化するところの勢いというものを防止する必要もあるのでありまして、なお金融政策において楽観は許さない状況です。その努力もかたがた続けておるということも御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/17
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018・石山權作
○石山委員 日銀の政策委員会のあとで、日銀総裁は、このことによって受ける打撃は農村よりも都市にあるだろう、都市のうちの力の弱い個所にいくだろう、こういうふうなことをおっしゃっていられますが、それは次官、そういう現象が起きるかどうかということを一つお話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/18
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019・藤枝泉介
○藤枝政府委員 高率適用の範囲を拡大するというようなことが、直接には都市に影響するであろうということは想像できます。しかしながら、先ほど来申し上げましたように、一面において金融の正常化をしつつ、しかし一面そうした面において、その範囲に入ってこない中小企業というようなものに対しましては、他の方法、たとえば政府金融機関等の活動によってこれをカバーせざるを得ないんじゃなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/19
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020・石山權作
○石山委員 中小企業に関しては、むしろ公庫等を通じて貸し出しすべき金額が私はたしか減らされたというふうに考えておりますが、その点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/20
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021・藤枝泉介
○藤枝政府委員 これはすでに資料で御承知のように、政府から出資をする、あるいは預金部資金等を投入する、それらの一つをお考えいただくと、昨年度よりは減っておる部面もあります。しかし回収金等を含めて、運用のできるすべての額を御比較いただけますれば、昨年よりもその額は相当にふえておるということを申し上げられると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/21
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022・石山權作
○石山委員 今までの大蔵当局の予算の編成の仕方、補助金等の出し方、いろいろ見てみますと、なるべくわからないように、いろいろなところで弁解をできるようにしているというのが、どうも大蔵官僚のやり方のように私見えてならぬ。こういう点では、税の問題にもそういうことを言い得るのではないか。もっと単純に、恒久的見方によって税体系を組まなければならない、これはだれしも言われている理屈であろうけれども、今回のものから見ましても、株式配当に関する特別措置、あるいは五十万円以下の法人に対する特別措置、これは商業新聞あるいは一般の普通いわれている経済学者に言わせますと、税の体系を乱している措置である、いたずらに税の体系をば混乱させているのではないか、これは選択の問題にもだんだんからみ合ってくるのでございますけれども、私はこの二つの点でも、一つ政府当局の税務の担当者としてのあなたの御意見を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/22
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023・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 税制をできるだけ単純なわかりやすいものにしたい、これはだれしも希望するところだと思います。ただ現状におきましては、少くとも一つの面からなかなかこの要請が達成しにくい問題があると思っております。一つは、税の負担が比較的軽い場合におきましては、負担の均衡といいましても、その間の差が割合に少いものでございますから、こういう間におきましては、ほかの全体が低い場合には比較的単純な税法で済むのでございますが、それがだんだん負担が重くなって参りますと、どうしても相当詳細なる点においての負担の均衡を考えざるを得ない、これがやはり税法を非常に複雑化する一つの要素になっています。それは、日本の税法におきましてずっと過去の沿革を見て参りましても、戦争前のように、税の負担が非常に軽かった時代におきましては、割合に単純な税法でけっこう納税者も納得していただけましたか、現在のように国民経済が貧弱になり、同時に財政規模は大きくなる、税負担は大きくなるということになりますと、どうしてもやはり相当こまかい点にまで気を配って負担の均衡が必要になる、これは一つのやむを得ない方向だと思っております。もう一つ現在の税法を複雑にしております要素は、たびたびこの委員会でも論議になりました、経済政策その他によりまして――税のいわば租税原則といったものから考えますと当然一つの線が出てくる、その線が経済政策との妥協によってある程度曲げられなきゃならぬ。具体的には、租税特別措置法に出ております幾つかの措置がそれでございますが、これがやはり税制を非常に複雑化している。これも日本経済の現状からしますと、やむにやまれぬ要請から出てきているものと存ずるのでございまして、何ともやむを得ない点でございますが、しかしそういいますと、現行の税制が、それじゃもう現状においてはこれ以上何ともならぬのかという御論議か出ると思いますが、しかしそういう要請の中に立ちながらも、なおかつ簡明なる、同時にわかりやすい税制、わかりやすい税法にどうして作っていったらいいか、これはわれわれが日夜考えておることでございますが、今度の改正案はそこまで間に合いませんでしたので、将来の問題としてやはり検討せざるを得ないのでございますが、先日来大蔵大臣も申しておりますように、この八月から税制調査会を開きまして、さらにこの問題を検討するという運びになっておりますので その点につきましては、もう少し時間的な御猶予をいただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/23
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024・石山權作
○石山委員 株主配当に対する特別措置、五十万円以下の法人に対する措置は、おそらく自由党の御意見が非常に強くてこういうふうに変形したと思うのですが、この点に関しまして前尾君から一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/24
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025・前尾繁三郎
○前尾委員 五十万円以下の利益に対しまして軽減税率を設けるということは、必ずしも臨時的な措置とは考えておりません。これは一つの考え方でありまして、現にほかの国におきましても、アメリカなんかでも累進税率もとっておるというような状況でありますから、これは一つのものの考え方と思います。また株式配当につきましても、二五%の配当控除を三〇%にするということにつきましては、実際申しますと、法人擬制説をそのまま貫くならば、すでに三五%が四二%に上げられました当時におきましては、あるいはこれを引き上げるべきであったかとも思います。従ってこの措置も、やはり法人、個人の関係をどういうふうに考えるかという点に、根本的な決定したものがあるのではなしに、従って今回の措置も、決して特別な臨時的な措置とは考えておりません。ただ預貯金の減免という問題と関連いたしておりまして、預貯金に全然課税しないという行き方につきましては、これは一つの臨時措置だと思います。従いまして、これと関連いたしております配当の優遇措置につきましても、やはり臨時的なものとして、将来どうするかということは今後の検討に待たなければならぬ。従って臨時措置の方に入れておるということでありまして、このためにそう手数がふえておるとも思っておりません。また選択経費控除の問題につきましても、これもアメリカで取っておるような制度であります。必ずしも臨時措置とは考えませんが、しかし今後にどういうふうな――これもいろいろ議論のあるところと思います。またその範囲につきましても、あるいはこの率につきましても、問題はあるかと思いますので、これまた臨時措置としてやりまして、今後の適用しました実績に考えて、将来の方針をきめたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/25
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026・石山權作
○石山委員 私は先ほど申し述べたように、税法というものは時の政治勢力によって左右されないようにしてこそ初めてその正常化公平化を保ち得られると考えているのでございますけれども、まあ五十万円以下の法人の場合には、やや考えられている節もございますが、しかしこれにしても、ほんとうの意味でまだ私は考える余地がある。こういうやり方でなく、別のやり方がまだあるのではないか。税制体系をもっと単純、公正にして平衡を保たなければならない。税制をいじって、こういう援助の仕方を取るのは私はいかぬと思うのです。こういうことを取ることによって税全般の体系がくずれて、税そのものによる不均衡が将来生まれて、表面に一つの支配する階層と被害を受ける階層というものが全面的に押し出されてくる可能性がある。私は、これは保守党の諸君が政権を取っている現在において非常にまずいやり方だと思う。こういうやり方によって人心を把握し、生産を高めるなんていっても、私は通らないものではないかと思う。特に私この場合に申し上げたい点は、皆さんは資本の蓄積ということを非常に心配して、いろいろなことを言っているようでございますけれども、私は株主配当に対しての特別な臨時措置を取ったのが、果して業種、企業にとっての蓄積になっておるかどうか、こういうことに対しては非常な疑問を持っておるわけであります。ということは、インフレによって御承知のように物の値段がぐんぐん上った。その当時は、五十円の株が優良株であると大体二百円を突破しておりました。これは無償配を一ぺんくらいやり、一対二、一対一、一対五、一対一半というふうなことで、五十円で、たくさんの株が倍加を重ねております。だがその間において得た金で彼らはどういうことをやったか、資本の蓄積かされたか、資本の蓄積はされておりません。むしろ高配当、商利率の配当に化けてしまっている。そうして個人の財産はふえたのでありますけれども、会社そのもの、業種そのものにはあまり強い影響を与えておらなかった。たとえば産業によっては日の当る産業というものがあったのでございますけれども、これも真の意味の優良な機械を据え付けたのではなく、戦災によって焼けたような機械を据え付けている、あっちこっちの古金を寄せ集めて工場を経営しておる。ですから、まことに幅は広いけれども、一旦コストの問題になると問題にならぬような資本蓄積の仕方をやってきている。それらの人々に対して、なおさら私は行政措置も講じないでおいてこういうふうな恩恵を与えて、そうして貯金利子に対するところの無税とか、ここにも臨時措置を講じなければならぬといって逃げている。しかしこれが資本の蓄積になるとは、私はどうしても考えられないのでございますけれども、前尾さんの御意見を一つ伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/26
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027・前尾繁三郎
○前尾委員 御承知のように、現在各会社は借入金によって施設をふやしておるというのが現状であります。その元を尋ねていきますと、結局危険性もあった上に、あまり有利な配当も受けぬということでありましては、株式に投資しても何らの妙味がないというのが一つの大きな増資に対するネックになっておるということは、これはもう周知の事実でありまして、またそれがネックであるがゆえに、盛んに増資がされるのだということがいわれております限り、その面において何らかの措置を講じていくということでなければ、自己資本をふやして増資しろということを幾ら申しましてもついてこない。従ってこういう措置をやりまして、そうして自己資本をふやせ、増資によって施設をふやしていけ、こういうことを奨励するその前に、こういう措置を取っておきませんとこれが言えないのであります。そういう意味からいたしまして、これは十分価値のある、また適切な措置だ、臨時措置ではありますか、適当な措置だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/27
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028・石山權作
○石山委員 これはやむを得ないことだと思うのだが、もうけさすときは黙って手をこまぬいてもうけさしておく、もうけがなくなったら今度は税金て援助してやるのではないか、これはもう貧乏人のひがみではあるかもしれませんが、株価がどんどん上る、高配当が行われたときは、何ら行政措置をしなかった。しかし今度は株価が低落を始め、売買が不活発になった、あらゆる関係産業が萎縮を始めてきた、こういうときにおいて、資本蓄積の美名に隠れてこういう措置を講じて、そうしていまさらコスト引き下げのためには資本の蓄積がなければならぬ、その資本の蓄積のためには企業を大いに改善改良をしなければならぬ。こういう意味での呼びかけだと思いますが、それにしても、そういう点ではあまりに責任を感ずることが少いのではないか。ことに今まで野放しにしておいて、デフレによって産業界がやや沈滞してきたので、それを税法の措置によって擁護してやるなどということは、あまりにもめんどうを見過ぎるということです。そういうことによって企業の再建をはかるという意味かもしれませんが、富めるものに対してあまりに援助を与え過ぎると思いますが、これに対してどういう御意見でありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/28
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029・前尾繁三郎
○前尾委員 われわれとしましては、もとより朝鮮事変の当時から憂えてきておったのでありますが、あるいはこの措置もおそきに失したかと思いますが、しかし現在、デフレ下において最も資本の蓄積の緊要に感じられます際でありますから、なおさらのことこういう措置をやっていかなければならぬというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/29
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030・石山權作
○石山委員 次官にお聞きしたいのですが、預貯金の利子の免税に対しましては、これは不労所得でないのだから、そんなにいじめてはいけないのではないかというような、努めてあたたかいような思いやりのあるような御意見を述べられたのですが、不労所得とは、あなたは一体何を言わんとしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/30
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031・藤枝泉介
○藤枝政府委員 私の申し上げたのは、現在預貯金の利子を相当高額に受けておる、あるいは株の配当を相当高額に受けておるということの元は、やはり勤倹貯蓄の努力の結集ではないかというふうに申し上げたのでありまして、通常世間でいわゆる不労所得というふうに考えるのは、いかがなものであろうかということを申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/31
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032・石山權作
○石山委員 私は、この不労所得という熟語に別にとやかく言いたくないのですが、不労所得というものは、結局親から譲られた財産、あるいは手をこまぬいて上ってくる収入、こんなものが大体そういうものだと思うのですが、終戦以後もちろん財産税その他で、かつての財閥は集中排除を命ぜられたりなんかして、これは御破算になったでしょう。しかし現在お金を持っている方々は、それではほんとうの意味の努力を重ねてもうけかと申しますと、多分に不労の言葉に該当するような、インフレという言葉がそこにあるのでございます。特に特需という得もある。賃金をくぎづけにしたという言葉もその中にあるでしょう。それにしても、私は正常な形においてたくさんのお金を今の金持ちがもうけたとは思っておらぬ。一つの時代の波と投機をば誘発するような国家経済、占領政策、そういうようなものによって得たお金でございまして、これは戦争の犠牲が生んだお金で、私に言わせれば、多分に不労所得のにおいがあまりにも濃いのが現在の株主の大多数の人であろうし、それらの人が何千万円というふうに預貯金利子をも免ぜられて喜ぶ人に該当するのではないか。私はそういう点をあなたにお聞きしているのでございますが、そういう点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/32
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033・藤枝泉介
○藤枝政府委員 現在株に相当の投資をしている、あるいは預貯金を持っているというような人の、その投資のできる資金の造成がどうなっておるか、これはいろいろありましょう。お言葉にありましたような点のものもないと私は断じないのであります。ただ昨日お答えをいたしましたのは、それだから預貯金の利子の免税をするのはいかぬじゃないかというような御議論は、必ずしも当らないのではないかということを申し上げた。その一、二の例はありましょうが、今回の預貯金の利子の免税等は、非常に努力をして零細な預貯金をされておる方々にも免税はされるのでありまして、そういう点も考えますと、今回の利子課税の免除は、必ずしもそういう一、二の例の人の利益にばかりなるというものではないのではないかというふうに申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/33
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034・石山權作
○石山委員 それでは、この内容はともかく、いろいろな議論があるけれども、政府としては、まず三百億程度の金をここに集めたいための臨時措置であるのだ、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/34
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035・藤枝泉介
○藤枝政府委員 先ほどのお尋ねは、ほかの問題は別にして、少くともこの処置によってどのくらい集まるかというお尋ねでございますから、それに対して、なかなか見積りは困難ではありますが、大体三百ないし五百億というところをわれわれは推定いたしておりますということを申し上げたのであります。従って多々ますます弁ずでありまして、単に預貯金の利子課税の免除ばかりでなく、その他貯蓄の推進等を今までやっておりますが、これを強化いたしまして、そうして資本の蓄積をできるだけ多くしたい。その一つの刺戟剤として今回の処置をとった、こういうふうに御解釈をいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/35
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036・石山權作
○石山委員 それは一つあと回しにしまして、選択控除の件を一つお伺いしたいと思いますが、私はこういうような選択控除というものを持ち出さなければならない理由を非常に理解に苦しんでいるわけなんです。というのは、一つの収入というものを考えてみた場合に、資本主義の社会でございますから、特にもうけのある殷賑をきわめる産業は、おおむね高額所得になるのではないか、これは常識でございましょう。しかし今回の選択控除の例を見てみますと、申告納税者には非常に利益を与えておる。しかし給与をもらっておる都市の労働者には、非常に損という言葉は当らないでしょうけれども、受ける利益は非常に少いのでございます。概括的に国家の経済を見てみますと、農村は戦前をわずかに上回った生産を出しているにすぎない。しかるに鉱工生産はおそらく百五十をこえているでございましょう。しかるにその生活内容を検討してみますと、都市と農村では著しい差異があることが認められるのでございます。最近のことはよく知りませんけれども、戦前の九―十一年のあのころから比べますと、都市では八十五、農村はおそらく百十をこしているんじゃないか。こういうような生活の割合から見ても、生産の割合から見ても、申告者の方が非常に有利な選択控除を今回特にとらなければならなかった理由ということになりますと、非常に大げさになりますけれども、皆さんの目途としておる点を一つ前尾さんから御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/36
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037・前尾繁三郎
○前尾委員 おっしゃるように、給与所得者におきましては、すでに社会保険料として控除されている、しかるに当然控除を受けるべき、またこまかく帳簿もつけましたら控除の受けられる人が控除を受けておらぬ、そういう人を救済しなければならぬという趣旨であります。先日来いろいろお話しのありますように、社会保険料の控除が五%以上になっておりますればおりますだけ、この面におきましては不均衡を生じているという結果になっているのでありますから、これを概算で控除していこうということでありまして、ただ給与所得者とそれ以外の所得者の均衡という根本問題につきましては、あるいは勤労控除の問題、あるいはまた税務行政の問題として、今後改善していくべきものだ、この際の修正案としましては、その範囲にとどめたにすぎませんので、その点は十分御了承願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/37
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038・石山權作
○石山委員 税が不均衡であってはならないという原則は正しいでしょう。そうしますと、私いろいろな面から見てみても、この選択控除というものは、前の預金利子の免除、あるいは株主配当と同じような、何か特別に意図された方向に税法を動かしている。もちろん時の政治力によって税が動くことは、ある個所はあるということは、これは大蔵当局も認めているようでございますけれども、それは一つぐらいならいいが、一つ二つ三つ四つというふうに、わずかの税目の中にこういうようにたくさんのものが、特別の政治的意図によって方向をゆがめられているとするならば、これは決して正しい税法ではないと思うのですが、これは主税局長、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/38
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039・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 選択控除の問題は、預貯金利子の免税の問題、株式の控除引き上げの問題と、ねらいは相当違ったところにあるのではないかと思います。これはやはり租税原則に沿いまして、一体どういう措置をとったのが一番公平原則に合うか、こういう考え方で出た案だと思っております。それで現行法が一番租税原則に合ったものだという前提に立ちまして、今度の選択控除の制度を考えて、それよる軽減の行方を尋ねてみますと、それは申告所得者の方に軽減が多くなる、あるいは従来相当社会保険料控除を受けていた者の方には、その軽減は少くなる、こういう結論はたしかでございます。ただ修正の提案者の御意見を伺ってみますと、現在の社会保険料控除そのものについて、一応の疑問を出されているように思います。その社会保険料控険というものは、社会保険をかけて、それによって保険料を払うのですから、一応担税力の面から見て、それは控除した方がいい、こういう考え方が出てくるのですが、社会保険に入ってない人にしても、やはり病気にかかった場合には、社会保険にかかっていなければ、自分で医療費を払わなければならぬ。こういう面がおのずからあるわけでございまして、社会保険料の控除、社会保険にかかっているということ自身において、相当の保障がある。かかってない人は保障がない。ところが、税法の上では、社会保険にかかっていれば保険料だけ控除される。片方で保障のない人は、社会保険にかかっていないがゆえに控除がない。これはおかしいじゃないか。こういう前提に立って選択控除の制度が出ているわけでございます。これは一つの考え方であると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/39
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040・石山權作
○石山委員 選択控除というから、これは選べばいいというわけなんだけれども、税負担者においてそういう考え方を起さすよりは、この方法がよろしいというふうに、皆さんの方で一番最良のものを指示することこそ税の本質だと思う。こっちが申告すれば得になって、こちっちが申告しなければ損になる。その申告の方法が非常にややこしい。こうなれば当然問題が起きてくると思うのですが、それに対してはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/40
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041・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 選択控除という制度は、税の上からいいますと、確かに一応あれかこれかということになりますから、税制を簡単明快にするということから見ますれば、必ずしもその線に沿ったものとは思いません。しかし、こういう考え方は、現在アメリカでも一応とっている制度でございまして、必ずしもこういう制度は、税について常に矛盾するものであるというふうには思っておりません。ただ将来の問題としまして、一体これをどういうふうに実態に合うように、また簡単なものにしていくかということにつきましては、われわれは検討を続けていきたい。租税措置法に一応この規定が盛られておりますのも、こういう意図が織り込まれているものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/41
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042・石山權作
○石山委員 国の税金は安くなった。しかし法人税も住民税も、地方税では高くなることが予想されておりますが、特に個人の場合はどういう計数が出ていますか。両方足しましても、個人は減税の形が出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/42
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043・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 現在住民税の方で考えております改正案は、住民税の方は、オプション・ワンといいますか、所得税について、いわば所得税付加税のような形で課する場合と、それから所得額をもとにして課する場合と、この二つが実行されております。あとのはオプション・ツーといっておりますが、この所得額について一応税を課するものは、今度の減税と全然切り離されておりますが、この分については、別に地方税において従来のやり方と変えるということを、特に考えてはおりません。所得割を所得税に付加税のような形でとっている分について、今度の改正を考えております。その場合において、大体ねらっておりますところは、現在の減税前に払っております住民税と大体同じ程度の住民税を払う。従来たとえば一割八分ということになっておりました場合において、所得税が減税になりました場合に、その一割八分をそのまま存置いたしますれば、国の税が軽減されたのと同じ割合でもって住民税も軽減されるわけでございます。御承知のように、地方財政は現在なかなか苦しいところでございますから、従いまして、従来納めていた住民税は相変らず納めていただきたい。そういたしますためには、所得税付加税のような格好をとります場合には、付加税の税率を上げなければなりません。従いまして、その措置をとっているわけでございますが、ただ所得税の軽減の割合は、この間から盛んに議論がありますように、下の方には非常に大きくて、上の方には非常に割合が小さくなっております。アベレージで計算いたしまして、一応住民税の率を計算いたしておりますために、平均のところでございますと、従来と同じになります。しかし所得額が小さい人は、軽減割合が大きいものでございますから、アベレージより大きな軽減割合になる。付加税に相当するものの率の引き上げの割合は、平均でありますから、この方は従来の住民税よりも低くなります。それから大所得者になりますと、先ほど申しましたように、軽減割合が低いものでございますから、住民税の率が高くなりますので、この方でございますと、むしろ住民税は従来よりも高くなる、こういう結論になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/43
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044・石山權作
○石山委員 しまいに前尾さんと福田さんにお聞きします。特に念を入れてお聞きしますが、補正予算を組むかどうか、増税を行わないという確信を持っているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/44
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045・福田赳夫
○福田(赳)委員 今後極力努力をいたしまして、減税にさらに減税に努力いたしたい、かように考えております。
なお補正予算につきましては、これを今考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/45
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046・前尾繁三郎
○前尾委員 自由党としましては、税の問題として今後に措置をいたしましても、本年度には間に合わぬわけでありますから、税の問題としてはこれでおしまいだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/46
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047・石山權作
○石山委員 次官は、この修正された案を受け取って、今民自の両氏が言われた通り、増税も行わず、補正も組まないでやっていける、こういう確信でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/47
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048・藤枝泉介
○藤枝政府委員 総理も申し上げましたように、天災地変等があります以外には、補正を組まずにやっていけるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/48
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049・石山權作
○石山委員 私これをなぜ聞いているかというと、米価問題を直前に控えていながら、そういうようなことが果して言い得るかということです。米価がたとえば一万六十円に落ちつくときと、一万二百六十円に落ちつくときと、一万二千四百円に落ちつくときじゃ、ちょっとけたが違ってくる。そこから見ましても、前の減収加算の三十三億、今回ので千百か二百くらいいっても、おそらく百億程度のものが問題になってくると思う。こういう点に関してどういうやりくりをするかということをお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/49
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050・藤枝泉介
○藤枝政府委員 米価がどうきまるか目下検討中でございまして、従って具体的にお答えをいたす段階でないと思います。ただ申し上げたいのは、先ほど補正予算をいたしませんと申しましたのは、少くとも一般会計をもって食糧管理特別会計の穴埋めをするということはいたしたくないという意味で申し上げたことを、お断わり申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/50
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051・石山權作
○石山委員 増税しないといいましても、一升百十円の米を希望配給価格百四十円によって百五十万石も売るとか、二百万石も売るということになれば、これは事実上の増税と同じだ。国家が経営するもの、国家が価格を決定するもの、専売公社その他において、それが事実上値上げをするという可能性が生まれようとする場合は、これは増税と同じものではないのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/51
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052・藤枝泉介
○藤枝政府委員 何かすでに消費者米価を上げることを前提にしておるような御質問でございますが、米価の決定は、現在政府部内におきまして慎重審議をいたしておりますので、その決定を待ちませんと、ただいまの点につきましてもお答えがいたしにくいのであります。現在のところ、それ以上の、いわば仮定の問題と申しますか、については、ちょっと答えにくいことを御了承いただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/52
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053・石山權作
○石山委員 政府は、特に大蔵官僚の方々は、その時、その場できまることも、一時間前に、きまるものかきまらないものか知らないと意地を張っておる。そうして次の日には、われわれに答弁するより詳細に、明瞭に大新聞に麗々しく書かれるというのが今までの通例なんだ。だから私はおかしいと思う。国家の審議機関に資料も何も提供しないで、わずか一時間かそこらでひっくり返って、それが別の機関で麗々しくやられるというのは、どこかわれわれが間が抜けているのか、皆さんの方が上手にわれわれを振り回しているのか知りませんけれども、こういう慣例は――やはり野党はあなた方を攻撃するのか任務ではないのだ。事柄を明快に究明しまして、自他ともに理解を得たところによって、これを国民にアッピールして、国政をうまく運営するのがわれわれの任務だと思っておる。それをあなた方は、何かあげ足をとられないか、何かやられないかと思っているから、きまっていることもきまらないように言う。そういうやり方は、決して野党とも仲よく、真剣に物事を研究してやっていこうという態勢でないと私は思う。私はこれで質問を終りますが、この税法は、特に自由党の方々は熱心に論議しておやりになったと私思うのですが、どう考えてみても、特定の人たちに少しく力を注ぎ過ぎている。少しくどころではない、これは大いにというふうに申し上げたいと思うけれども、これは、われわれが常日ごろともにしている大蔵委員諸君に敬意を表してそういう言葉を使っているので、税体系というものは、一部は低くされてもよろしいけれども、これが二つ、三つと低くされるならば、私は大へんな問題だと思う。しかも事実上民自両党から修正されたものは、二つではない、半ば三つである。税体系から三つ修正されたという事柄だと思う。こういう点私は非常に残念に思うし、こういうことをやってはいかぬと思う。特にわれわれ町に住む労働者から見ますと、今度税体系を改正される場合には、都市と農村の経済のあり方、人口の分布、それより上る収益、こういうふうなものを念頭に置いて組まないとするならば、申告する事業主と申しますか、そういうふうな階層にのみ非常に有利に税体系が組まれていく可能性があるし、今のようなやり方になりますと、私の先輩である井上委員が言われておるように、日本の財政経済全般が金融資本下のあごによって左右されるというふうな原因がそこに生まれてくると思うのでございます。大蔵省の管轄である銀行の利子の問題を考えてみますと、二重、三重に高い利子を取って、そうして片一方では安い税金も免除されておる。そうしてその中に働く労働者は安い賃金で、しかも高い税金を納めていくということになれば、ちょうど二重の搾取をされておるような印象を受けてならないと思うので、こういう点は、今後税改正の審査委員会等において注意してもらいたいと思うのです。たくさん御説明をお聞きしました。だけれども、理解することはできたけれども、残念ながら了解することは全然できません。以上終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/53
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054・松原喜之次
○松原委員長 井上良二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/54
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055・井上良二
○井上委員 時間が大分迫っておりますので、簡単に二、三質問して終ります。
ただいま石山さんの質問中、米価に関係することがございましたが、米価はいつおきめになりますか。この米価の決定いかんによりまして、税金がどれだけかけられるかということが実はこれに関係いたします。そこで一体米価はいつおきめになって、そのきめることによってどれだけ減税をされようというのですか。従来早場奨励金とか、あるいは超過供出奨励金で免税しておりました分を、今度一本価格にいたしました場合、一体それに免税をいたすつもりでございますか。その率で減税するつもりでございますか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/55
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056・藤枝泉介
○藤枝政府委員 米価の決定の問題につきましては、むしろ農林省からお答えした方がよいだろうと思いますが、これは政府としてもなるべく早くきめることが妥当であろうと考えております。それに関連いたしまして、従来の奨励金免税の問題の御質問でございますが、目下研究をいたしておりますが、その分につきましては、減税するような方向で研究をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/56
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057・井上良二
○井上委員 何か米価は農林省の方の所管で、わしの方には関係がないというようなえらいさっぱりした御答弁ですが、米価が何ぼにきまるかということは、今の財政経済の中心であります予算の編成の上においても、予算執行の上においても、これは重大なかぎになっております。何かよそごとみたいにお考えになってええですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/57
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058・藤枝泉介
○藤枝政府委員 もちろん米価は、申し上げるまでもなく閣議で決定いたすのでありますが、所管としては農林省でありますので、農林省からお答えする方が私から申し上げるよりもより妥当であろうということを申し上げたのであります。しかしただいま御指摘のように、財政経済全般に関係するものでありまして、私どもとしても非常な関心を持っておる。その意味におきまして、米価をなるべく早くきめたいということを申し上げた次第であります。決して関心を持っていない、人ごとにしているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/58
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059・井上良二
○井上委員 藤枝政務次官は、政府と党とのちょうつがいの役割をやらなければなりませんし、また国会と政府との潤滑油的な役割を果す重大任務をお持ちになっておる。あなたは民主党の米価対策委員会でおきめになりましたいわゆる一万六十円から一万二百六十円という、あの御決定を御存じでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/59
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060・藤枝泉介
○藤枝政府委員 民主党内の米価対策委員会で、そういう数字を御検討中であるということは承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/60
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061・井上良二
○井上委員 検討中どころの騒ぎではない、決定をしているのです。そしてこれに対して大蔵当局は、この算出の基礎ははなはだ納得しかねるという意見をお出しになっておることは新聞で御存じの通りであります。そうしますと、あなたは一体これをどう調整をされるつもりですか。大蔵主計当局の方では、民主党の決定は受け入れることができ得ない、こういう主張をしておる。反対に民主党の米価対策審議会は、総務会の決定を得てこれを政府に要求しておる。そうすると、あなたは一体どちらを御主張されるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/61
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062・藤枝泉介
○藤枝政府委員 何か民主党の党議として米価を御決定になったというような御質問でございますが、私どもは、まだ民主党で決定されたということを聞いておりません。先ほど申しましたように、伝えられる米価を中心にして論議をされておるというふうに聞いておるのでありまして、従って党がどういう決定をされますか、その決定の数字によりまして、なお私どもとしての意見を申し上げたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/62
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063・井上良二
○井上委員 もう一度確かめておきますが、大蔵当局としては、予算米価を支持するつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/63
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064・藤枝泉介
○藤枝政府委員 予算を組みましたときに考えましたのは、これは専門家の井上さん十分御承知のように、昨年の米価決定当時の米価を基準にいたして予算を編成しております、そしてその後の物価状況その他を見ましても、現在のところそれを大きく動かす必要はないんじゃなかろうかということを私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/64
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065・井上良二
○井上委員 そうすると、大体大蔵当局は予算米価を基準にしてきめるという立場をとられる、そうなりますと、一体年間所要量の二千四百万石が集荷できて、国民の食生活に不安がないと自信をお持ちのことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/65
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066・藤枝泉介
○藤枝政府委員 先ほど申しましたように、私どもが予算を組みましたときの価格を、現在までの物価状況その他の推移を見ましても、大きく動かす必要はないんじゃないかというふうな考え方を持っております。今、それじゃその価格で一体所要の米が集まる確信があるかというお話でございました。これは私またおしかりを受けるかもしれませんが、私からお答えするのはあるいは筋違いかもしれませんが、農民諸君の御協力を得、あるいは伝えられるような前渡し金というようなものも考えて、現在の国内情勢を農民諸君に十分御理解をいただきまして、その御協力を得られますならば、集荷はできるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/66
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067・井上良二
○井上委員 いま一度確かめておきめすが、民主党の決定したと伝えられるいわゆる推定米価をもし政府側がやむを得ず承諾した場合、消費者米価は上げない、こういうのでありますから、そうなりますと、ここに大きな開きが出て参りますが、この場合どう措置をされるつもりでありますか。民主党側の主張しております米価は、政府側としては予算執行上絶対のむわけにはいかぬとあなたは言い切れますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/67
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068・藤枝泉介
○藤枝政府委員 民主党側でどういう価格を決定されるか、先ほど申し上げたようにまだ未定でございます。その決定がありますならば、その内容等も十分伺った上で検討をいたしたいというふうに考えておるのであります。ただ先ほど来申し上げておりますように、現在の食管会計の予算は、九千七百三十九円という米価を基準にして組んでおります。それで前会も井上さんから、食管会計というものは非常にルーズなものかとおっしゃられたこともあるのでありますが、それはそんなにルーズなものでないのでありまして、そうゆとりのあるものとは考えておりませんので、おのずからその結論については、御想像いただけることだろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/68
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069・井上良二
○井上委員 あなたは、何かここではっきりしたことを言うのはえらい工合が悪いというような印象を私どもに与えるのでありますが、御存じの通り農業団体、農民団体は、あげて生産者価格は石当り一万二千四百円を主張してきておる。その主張に基いて、少しでも農民団体側の要望をいれようとして四苦八苦された結果、民主党としても、一つの妥協的な米価を政治米価としてきめようとしている。これは理論的にはいろいろ問題がありますが、一応農民団体側を何とか納得さしていきたい、こういう政治的考慮から政治米価がはじき出されたのではなかろうかと見ている。このことが天下に公表されております以上は、これから安くなるということは想定できません。おそらくまた大蔵大臣は、減収加算額をいやいやのんだときのようなあの渋い顔で、もう一ぺんこれをのまされるのじゃないかと私は見ておる。そうなりますと、当然ここに補正予算を組まなければならぬことになりますが、かりに民主党案が通った場合、補正予算を組まずに食管内の操作でできるかどうか。今日は仮定のこととは言えません。私は仮定の議論をしているのではない。民主党の米価対策委員会ですでに打ち出され、政府側とも折衝が開始されている。問題は食管特別会計の中で価格差が操作できるかできないかということにかかっておる。だから、あなたがここでいいかげんにうまいこと答弁して逃げておけばいいと思っても、そうはいきません。現実の問題としてそうなってきているのだから、その価格差の操作が大蔵省の所管をしておる食管特別会計の中において可能なりやどうやということを明確にされたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/69
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070・藤枝泉介
○藤枝政府委員 非常に確定的になったような御立論なのでありますが、私しばしばお答え申し上げましたように、まだ確定いたしておりません。そうして、米価について各方面にいろいろな御意見のあることは承知いたしております。これらを調整いたしまして、適正な米価をきめることはいたさなければならないと思うのでありまして、その決定したときにおいてどうするかということも、確定的にお答えすることが妥当であろうと思います。また食管会計の中の操作ができるかどうかという点は、私は、先ほど申し上げましたように、非常に幅の狭いものじゃないかと考えております。しかし食管会計を現実に動かしておりますのは農林省でございますので、農林省の方の責任者の意見も聞いた上でないとお答えしにくいということを申し上げざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/70
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071・井上良二
○井上委員 まだ仮定であると、こういうことですから、それ以上申し上げましても、結局のれん質問になりますからやめますが、一番今度の国会でわれわれが遺憾に考え、未解決になっておるのは、米価に対する予算的措置をどうするかということであります。この問題が未解決のままで予算は通過されて、通過した後に、結局は食管が非常に困難な事態に立ち至りはしないか、その結果再び消費者米価を引き上げる事態を生みはしないかということをわれわれは杞憂するわけでございますから、しつこく質問をいたしたわけであります。この際ついでに承わっておきますが、租税特別措置法の関係におきまして、価格変動準備金を積み立てた者には免税の処置が講ぜられておる。さらに違約損失準備金、それから異常危険準備金、それらのものが法人税、所得税関係のものでございます。これはみな免税の対象になっておるのですが、今日価格変動が非常に激しい、そのために非常な損がいくという事態でございましょうか、依然としてこの変動準備金を免税の対象にしなければならぬのでしょうか、これはいつまでもこんな臨時措置を残しておくのでしょうか、これだけに対して一体どれだけの準備金が積まれており、その免税額は一体どのくらいになっておりますか、これはなおかつ続けていかなければならぬ理由はどこにありますか、その説明を簡単に願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/71
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072・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 確かに現在におきましては、物価の値上り値下りの幅は小さくなっていると思います。特に物価指数というもののように基準的のものをとってみますと、これは値上り値下りの幅は小さくなっていると思いますが、しかし個々の商品の値上り値下りというものを見て参りますと、やはり相当の幅で動いていることはいなめないと思っております。これは、たとえば最近綿糸などにつきましても、値下りで相当騒いでいるというような問題も一つの事例だと思います。現在出ておりますのは仕入れ価格、または時価の一割減――一割の幅でございます。従いまして、この程度の幅でございますと、やはり一応こういう制度はあっていいんじゃないだろうか、戦前も、今のような制度とは違っておりますが、やはり評価減の形におきまして一割程度を出すということは、一般に取扱いとして認めてきている事例もございますし、これが非常に大きな幅でございますと、井上委員のおっしゃる通りでございますが、一割程度の幅でございますれば、個々の商品につきましては、やはりこの程度の値幅が動くことは考えていかなければならぬ問題じゃないかと思います。従いまして、今にわかにこれを廃止するのもいかがかとわれわれは思っております。
それからもう一つ、これでどのくらいの積立金が出ているかという点につきましては、価格変動準備金について申しますと、二十九年度におきましては三百四億という数字が出ております。ただ二十九年度は御承知のように制度が変りましたので、一応その制度の変ったことによっての繰り入れ額がやはり相当大きく出ているというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/72
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073・井上良二
○井上委員 違約損失準備金というのが法人税にありますが、それはどのくらいありますか。それからついでに、法人の交際費が御承知の通り一部損金の方に落されておるのでありますが、この交際費全体はどのくらいに推定をしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/73
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074・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 違約損失積立金の二十九年度の繰り入れ額は四億七千三百万円、こういう数字になっております。これは御承知のように、輸出関係を中心としました貿易商社の関係であります。金額もおのずから低いわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/74
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075・春日一幸
○春日委員 今三百四億とおっしゃいましたが、資料には百二十八億と出ている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/75
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076・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 今春日委員のおっしゃいました百二十八億というのは税金でございまして、先ほど申しました三百四億と申しましたのは繰り入れ額であるという点で御了承願いたいと思います。
交際費の点につきましては、調べましてすぐ御返事いたします。資料は持っておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/76
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077・松原喜之次
○松原委員長 春日委員より関連質問の要求がありますので、この際これを許します。春日一幸君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/77
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078・春日一幸
○春日委員 この際法人税についてもう一つただしておかなければならぬと思うのであります。企業組合に対する法人税の税率、これは一般法人と何ら差違のない税率に相なっておるのでありますが、これに対して主税局は、一般法人と何らかの差をつける必要はないと考えておられるか。この問題については、われわれの仄聞するところによりますと、中小企業庁方面からも、それぞれの理由に基いて大蔵省に相当の交渉があったと聞いておるのでありますが、これに対する主税局長の御見解を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/78
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079・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 企業組合の税率につきましては、現在のところ、結論から申しますと、一般法人の税率と同じでいいじゃないだろうか、かように考えております。中小企業庁から一応の意見はありましたが、結局その意見は、現在三五%、今度の改正案ですと三〇%になっておる組合の中には、企業組合とかなり似たものがありはせぬかということで、一応の質問がありましたが、それはそれぞれ性格が違っているということをよく説明しまして、一応その点につきましては、中小企業庁も了承しているものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/79
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080・春日一幸
○春日委員 現行企業組合の制度なるものは、わが党内閣によって昭和二十四年ですかに作られましたもので、いずれにいたしましても、零細企業者たちの経営がはなはだ合理性を欠いておるので、この経営の合理化を通じて零細業者の助長育成をはかる、こういう政治目的からこの企業組合の制度が設けられ、しかも現に中小企業等協同組合法の中にこれが規定されておるのは、御承知の通りであります。従いまして、零細業者が企業組合によって経営を合理化して、さらにその発展を期していく、こういう政治的意図に基いて企業組合が設けられましたからには、やはり税法上にもその考え方は取り入れられてしかるべきであると考えるのであります。現に漁業生産組合、森林生産組合、これなどは企業組合と非常に紛淆する性質のものでございまして、こういうような組合は、やはり利益を目的とする企業であるという形において、中小企業等協同組合法に基く企業組合と何らその実態において変るものはないと思われるのであります。しかるに、これらの森林組合や漁業生産組合は、その税率が一般の法人税より低く規定されておりますのに、企業組合だけ何ら恩恵を受けないということは、私は片手落ちのそしりを免れないのじゃないかと思われるのでございます。こういう漁業や森林の生産組合とこの企業組合との間に、そういう取扱い上の差等を設けたのはどういうわけでありますか、この点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/80
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081・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 企業組合は中小企業等協同組合法の中に一緒に入っております。結局組合員に支払います俸給的なもの、これは一応俸給、いわゆる給与所得として扱っております。いわば有限会社のような場合と、企業の形態から見ますと、税法上から見ますれば同じような姿になっております。従いまして、企業組合そのものについて、ずいぶんいろいろな論議があったわけでございますが、一応正しい姿の企業組合におきましても、その会社の形態から言いますと、それは有限会社と同じような姿になっております。従ってその意味からしまして、普通法人と同じに扱うべきだ。今御指摘になりました組合につきましては、いろいろ論議がございますが、むしろそれは、もし企業組合と同じであれは、普通法人と同じに扱うべきではないかという考え方で参ってきております。やはり漁業協同組合になりますと、支払うものはむしろ事業所得ではなかろうか、こういうふうな判断で、感じとしましては、どちらかといえば今御指摘になったものを普通法人に上げるか、そのままにしておくかということで検討を進めておりますが、現在としては、やはりちょっと違うんじゃないか、企業組合と同じに扱うのにはちょっと適当じゃないんじゃないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/81
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082・春日一幸
○春日委員 中小企業等協同組合法の第一条でありますが、こういうふうな法律の制定を必要とするその目的の中に明らかにされておると思いますが、これはやはり中小企業者の助長育成という政治目的に出たものでありまして、企業組合の制度もまたその目的のために制定されたことは、御承知の通りであろうと思うのであります。こういうような大きな政治的な目的というものは、やはり行財政全般を通じてその方針は踏襲されていかなければならぬ、わけてただいま申し上げましたような営利を目的とするところの、特に生産関係の漁業、森林等において特別の取扱いが受けられておるのでありますから、従いましてこの企業協同組合においても、やはりあれと同一の取扱いをしてくれという企業組合員の要求は、私は正当な理由があると思うわけであります。特に中小企業庁等もこの主張を取り上げまして、政府部内間において強く要請をいたしておるのでありますが、渡辺主税局長は頑迷固陋にしてこれに耳を傾けない、こういうことも中小企業庁からわれわれは聞いておるのであります。まことに遺憾千万にたえないことでございます。いずれにいたしましても、この問題は、零細業者の助長育成ということは結局税の軽減をはかっていく、そうしてその組合内におけるもろもろの資本蓄積をはかっていくということなくしては、もうかったものを全部税金でとってやってしまえば、この企業組合というものはいつまでも根拠の薄弱なものであり、零細業者を助長育成するという政治目的は実現できない。私はこういう意味で、今のところあなたの方の検討も十分ではないようでありますけれども、どうか一つ漁業組合や森林組合が受けておるところのその利益を、この零細な商工業者にも均てんせしめるように、政府内部においてさらに十分なる検討を進めていただきたいということを強く要望いたしておきます。
もう一つは、この企業組合が事業の分量に応じて分配すべき金額は、法人税算定の際における所得の計算上、これを損金に繰り入れてくれ、こういう要求が出されておることは御承知の通りでありまして、こういう特典は森林、漁業両生産組合が受けておるのであります。この税率上の恩恵を受けたいという企業組合が、やはりこういう税法上の損金算入制度についてもその恩恵を受けたいという主張のあることは、これまた関連事項として当然のことであろうと思います。ただいま申し上げましたように、やはりその組合の自己資本を蓄積して、その組合活動を正そう堅実なものにするためには、こういうような制度は必要にして欠くべからざるものと私は思う。そうなれば、税率の取扱いができなければ、せめてはこの損金算入の制度だけでも、一つこの際かなえてやる意思はないかどうか、この点主税局長から、政府の考え方を述べておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/82
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083・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 企業組合におきましての事業分量に応じての配当は、現在損金扱いにしております。
それから先ほど井上委員の御質問に対して留保いたしました交際費の点について、私の方で持っております資料で御説明申し上げます。これは昭和三十九年の九月から十一月までの決算法人につきまして、東京、大阪、名古屋の三国税局の調査課の調べをもとにして、その他は推計した数字でございますが、一応この交際費否認の規定によりまして現実に否認をしまして、税金として上って参りました金額は、年間として、十三億六千万円、これは推計が入っております。なおいろいろ見て参りました結果、会社の方である規定がありまするがゆえに、交際費を節減した、従って利益がふえ、それによって法人税がふえた、こう思われます数字が約三十八億、こういうふうに一応推定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/83
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084・春日一幸
○春日委員 おれの質問に関連して、ほかのことを言ってもらいたくない。
渡辺主税局長にお伺いをいたします。もう一度明確にいたしておきますが、企業組合が事業の分量に応じて分配すべき金額は、法人税算定の際における所得の計算上、これを損金に算入してくれ、こういうことはすでに実施されておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/84
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085・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 私の方で調べたところでは、現在通達によりまして、その分は法人税としては損金に算入して、そのかわりに、その事業分量に応じて配当を受けた人個人に対して、事業所得として課税しております。こういう扱いになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/85
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086・春日一幸
○春日委員 この問題は、調査の上、あらためて御質問をいたします。
次は、今回のこの所得税における政府の改正案並びに自民の修正案によりますと、こういうことになります。給与所得者は二十三万千二百五十円までは非課税になる。ところが事業所得者では、免税点が、八万円の控除と、妻が四万円、他の扶養家族が三人で七万五千円、さらに一万五千円の選択控除を加えますと、二十一万円になると思う。それで月収二万円程度の収入ということになりますと、これは事業所得者といえども、その収入の中に占める勤労の対価という形の度合い、これは非常に高い勤労所得とほとんど変らないような形態によって所得が得られておると思うのであります。一方給与所得者は二十三万一千二百五十円、これが非課税、免税になり、事業所得者においては、それが二十一万円までしか免税にならない。二万一千二百五十円の差がここに生じておる。給与所得者も、この零細な業者たちも、ほとんどその実態において名目上勤労対価である。事業所得とはいいながら、勤労対価にひとしく零細企業所得者である。このレベルにおいて二万一千二百五十円の差のあることは、私は不権衡のそしりを免れないと思うが、こういう問題についてどうお考えになるか、一番良心的だと思われる福田さんから一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/86
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087・福田赳夫
○福田(赳)委員 私どもは現在の税の実行の面からいいますと、むしろ勤労者の方がよけいとられておるような感じを持っているのです。もちろん体系から並べてみますると、大体権衡はとってあるというふうに考えておるのでありまするが、実際面においては、あなたのおっしゃること逆に、苦干源泉徴収等の関係上、勤労者に重くかかっておるのじゃないかというふうに考えますので、そのように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/87
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088・春日一幸
○春日委員 この問題は、やはり質疑応答を通じて明らかにしておきたいと思うのでありますが、むろん勤労者の税負担が重いということは、もはやこの数日間の論議において明らかにされたところでありますが、同時にこの事業所得者といえども、特に零細所得者、月収二万円程度のものに対しては同じように重いが、問題として私が指摘しておりますのは、今回の税法上の修正を通じて勤労所得者、給与所得者に対しては二十三万一千二百五十円までこれが免税になるが、零細事業所得者は二十一万までしか免税にならない。それで特に零細所得者の所得の手段は、勤労対価として得る面が多いという実際上の形態にかんがみまして、これははなはだ不権衡ではないか、こういうことを申し上げておるわけであります。私どもの主張をさらに一歩進んで申し上げまするならば、私どもはやはり給与所得者と、それから事業所得者、いずれを問わず月の収入二万円程度のものは、これは生活に欠くべからざるところのぎりぎりの生活実費である。ぎりぎりの生活実費に対しては課税すべきではないという主張の上に立って考えまするとき、事業所得者に対しても、私どもは二十四万円までは非課税にしなければならぬという主張に立っておるわけであります。そういたしますと、基礎控除と扶養控除をずっと引いて参りましても、結局事業所得に対しては特別勤労控除というものがありません。従いまして、給与所得者における勤労控除に見合うものを零細事業所得者に対しても制度として考えてやる必要がありはしないか、こういう主張の上に立ちまして、私どもは中小企業の事業所得に対しては特別の勤労控除の制度を創設すべし、こういう主張をいたして参りました。そういたしますると、大体今度選択控除制度によって一万五千円というのが新しくできましたでの、二十四万円までを非課税にするということになりますると、いまや三万円の中小企業者に対する特別勤労控除の制度を設けさえすれば、すなわち二十四万円までの零細事業所得者に対しては課税が及ばない、こういう目的を達することができると思うわけであります。
この際政府並びに修正者でありまする両党代表に申し上げておきたいことは、中小商工業者の所得は、その事業の実態にかんがみまして、休日だからといって休むわけにも参りますまい、時間外だからといって作業を放棄すれば商売も成り立っていかない。だから極端な例をとれば、朝星夜星、休日だろうと深夜業だろうと、むちゃくちゃに働いてそうして辛うじて所得を得るわけであります。給与所得者は時間外に働けば時間外の手当がある。深夜に働けば深夜業の手当がある。休日に働けば休日の給与がある。それだから中小企業者と同じ密度の労務を提供すれば、それだけ収入は多く得るわけである。中小商工業者は、その収入を得るためには、このような密度の高い労務を提供してようやくその収入を得ておる。従ってその密度の高い労務に対して特別の経費を見てやるべきであるというこの主張は、これははなはだよく透徹した理論であって、いかに頑迷固陋な諸君でも私は理解ができると思うのであります。問題は、この給与所得者と事業所得者との免税点を権衡を保たせるために、この零細所得者に対して給与所得のそれに見合うような特別勤労控除の制度を設けて、生活費には税金の至らないという体制を確立するの意思はないかどうか。これをやり得ないという徴税理論上の主張はいかなる事柄を理由とするものであるか。これを一つ明快にお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/88
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089・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 今度の修正案によりましての課税最低限の方の数字が、春日委員二十一万円とおっしゃいましたが、実はそれまで参りません。十九万四千七百三十七円、夫婦子三人ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/89
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090・春日一幸
○春日委員 一万五千円入れておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/90
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091・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 入れております。一万五千円じゃないのです。これは一万五千円でなく、五%ですから、たとえば所得が二十万円の場合には一万円なのですから、そういう意味で、必ずしも最高一万五千円になりませんものですから、そういう意味で十九万四千円と申し上げました。そして春日委員のお話しは、現在の給与所得と同じ制度を中小企業の人には使ったらいいのじゃないか、結局給与所得と中小企業と同じレベルにおいて一つ控除を認めるべきじゃないか、こういう御議論のように伺いました。ただこういう所得の算定において大きな違いがあることを、実は御理解願いたいと思いますが、給与所得の場合におきまして、現在は収入金額がそのまま、まず一応月給なら月給の高が基準になりまして、それから一割五分を引いていく。この中には必要経費的な要素が多分に入っているのです。中小企業におきましては、必要経費は全部差し引きまして、そうして残ったものが事業所得になる。従いまして、給与所得の場合におきましては、もらった月給の中からやはり交通費も払わなければならぬ。役所に行くについてはいろんな金もかかる。それはしかし一応見ませんで、月給の高を、まず月の手取りといいますか、年の手取りを出しまして、それから一割五分差し引いていく。中小企業者の場合におきましては、そうした意味の営業関係の経費というものは全部差し引いたところで所得が出ておる。この点もやはり違う点がございまして、やはり給与所得というものについての控除というものは、そういう意味においてのいろんなものがあるのじゃないか。この点を考えまして、完全に両方を一緒にするというわけにはいかないことを御理解いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/91
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092・春日一幸
○春日委員 それは根本において間違いがあると思うのである。問題はこういうことなのですよ。必要経費というものは、事業所得の方から落すのはあたりまえだ。経費までも所得にされたらやっていけるわけはありません。商品代価とか仕入代金が支出になったら、いろいろな営業上必要なところの経費を利益から引いていくということは、そんなことは言わなくても当りまえのことです。ただ私の言っておりますのは、深夜業、それから休日出勤、残業手当、今中小商工業者は、とうふ屋さんだろうが、朝は六時に今きて、とうふ、とうふと売って歩かなければならぬし、牛乳屋さんだって、四時から起きて走っていかなければ、牛乳が腐って朝飯に間に合わない。そういうような時間外手当、こういうものを、今制度上においても、実際上においても、必要経費として見ようがないのです。彼らはそういうような密度の高い労働力を提供して今日の所得を得ている。それだからそれを必要経費として実際において見なければならぬ。夜中に働いたり、あるいはまた夜が明けないうちに走っていけば、それはそれだけの経費もかかるし、それだけからだがえらい。それに対する経費というか、報償というか、とにかく給与所得者はそういう働きをすれば収入もふえていくのだが、中小企業者は、そういう働きをしてようやくそれだけの所得を得ているのだから、その所得を逆算して考えるときには、密度の高い労働力に対する目に見えざる、すなわち現実にどれだけ費用がかかったかという証明のないところのその費用というものを、これはやはり特別勤労控除というような形において控除してやる必要があるということは、これはもう私だけの主張ではなくして、一般徴税学界における定説です。(笑声)しかし時間もこんな状態で、自由党たちも騒々しくてかないませんし、私の正論に対しては、あなたがうちへ帰って暮夜ひそかに手をこまぬいて考えたら、春日さんの主張はなるほど正しかったということがわかるだろうから、いずれ税制調査会等ができてこういう問題をよく検討されるときに、こういう正論は十分次期の改正の中に取り入れられることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/92
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093・横路節雄
○横路委員 主税局長にお尋ねしますが、たくさんあるのですが、私は一つだけ聞きます。「社会保険料控除の実態調査」というものを配って下さいましたが、この中に印刷局、国鉄、専売と三つ列挙してあるわけですが、その金額はどこのを取ったのですか。東京のを取ったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/93
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094・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 それは東京のものを調べまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/94
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095・横路節雄
○横路委員 そうすると、たとえば国鉄の場合に、駅手は実際には選択控除の五%は全然だめ、改札係までもだめ、出札係は四・九五%で、とんとんくらい、こうなっているわけです。これを見ても、同じ現業官庁に勤めている下の方の低額所得者は、五%の選択控除には何ら恩典を受けないということが、これではっきりするわけです。もう一つ主税局長、あなたの出された資料は間違っていますよ。東京は御承知のように勤務地手当が二〇%ついている。ところが地域給は、全部ならしますと大体一〇%しかついていない。だからあなたがここに出された資料を全部一〇%、こういうふうに平均してみますと、あなたの一番最例に出して参りました国鉄の駅手の五・九一%というのは、実際には六・五%になる。東京の地域給の二〇%をもってその給与総額にやっているのだから、こういうことになる。全国はこうでないわけです。全国平均にしても一〇%、こうなると、前尾さんに次にお尋ねしたいのですが、どう考えても、低額所得者には何ら恩典のない社会保険料の控除だということが、大蔵省主税局で出してきたものではっきりしたわけですが、あなたはこういうことを御存じで選択控除をおやりになったのですか。それとも、低額所得者には何ぼかプラスになるのではないかと思ってやったのか、その点だけ聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/95
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096・前尾繁三郎
○前尾委員 給与所得者の中で、もちろん五%をこしているものが相当あることは承知しているわけです。ただいろいろ給与の支給の方法なり、あるいは社会保険料の控除のや方についてはいろいろありますから、その部分的な面につきましては、ただいまおっしゃるようなことは当然起ってくるということは予想しております。従って選択でいくのでありますから、五%以上の人は当然また五%以上引かれるのでありますから、大体全般的に考えて五%というところを一応押えれば、公平にいくんじゃないかというふうに考えたのでありまして、五%をあまり上げますと、事業所得者なり、あるいは農業所得者におきましては、あまりにまた高くなり過ぎるという感じを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/96
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097・内藤友明
○内藤委員 動議を提出いたします。ただいま一括議題となっております所得税法の一部を改正する法律案外二法案、並びにこれらに対する各修正案に対する質疑は、この程度で終了せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/97
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098・松原喜之次
○松原委員長 ただいまの内藤君の動議に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/98
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099・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってただいま議題となっております三法律案、並びに三法律案に対する前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案に対する質疑はこれにて終局いたしました。
引き続き三法律案並びに三法律案に対する修正案を一括して討論に付します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/99
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100・横山利秋
○横山委員 私はここに日本社会党を代表しまして、所得税法、法人税法、租税特別措置法等の改正に関する政府原案、並びに、自由、民主両党の修正案に対し、強く反対をするものであります。
低額所得者の減税こそは、今次総選挙に当って、与野党を問わず、声を大にして国民にかたく公約いたしたところでありまして、生活に苦しみ、重税にあえぐ低額所得者の心から期待をいたしているところであります。なかんずく、給与から天引き控除される勤労所得君の諸君は、昨年においても完全なる納税を行い、一銭たりともごまかすことなく、これが集積は一一〇・七%の収入割合となり、実に三十七億五千五百万円の増収をもたらしております。一方においてこの人々の負担率の軽減たるや、総所得額と総税額に関する大蔵省の二十三年と三十年と比較調査をもっていたしましても、二十三年を一といたしますならば、営業所得者が五割五分五厘の軽減となっており、農業所得者が七割三分八厘、勤労所得者は一割六分二厘という低率にあり、その不均衡たるや、まことに言語を絶するものといわなければなりません。政府原案は、かかる状態に対し、所得税全般についてわずかに基礎控除の一万円引き上げ、修正程度の税率の変更、給与所得控除の限度の引き上げ、生命保険料の限度額の三千円引き上げをもってした以外何ものもないのであります。しかも政府は、この改正案において重大なる誤まりを犯しました。いな、案外それが政府の本質であったということができるかもしれません。これはかねて社会党のみならず、自由党においてすら、本委員会において鋭く追及せざるを得なかったところです。すなわち限度額の引き上げに重点を置いた結果、低額所得者の減税であるべきものが、高額所得者のための減税という結果に相なっている問題であります。一万円の人が百八十円の減税、五万円の人が一万円当り四百円の減税という非難の声は、単に院内のみならず、院外のあらゆる低額所得者の声となったのでありまして、この一事をもってしても、民主党政府の天下に公約いたしました低額所得者の減税は全くの空文であり、欺満きわまるものであること、明白と言わなければなりません。さすがに自民両党の修正案は、この非難に対し検討を余儀なくされた結果として出たと一応考えられます。ところがその骨格をなす選択課税制度は、これに輪をかけて時代に逆行し、源泉所得者に不利益を与え、高給者にさらに利益を与えるという結果をあえていたしております。修正案提案者が、果して慎重に税制の歴史的な経過を検討され、その及ぼす結果を検討されたか、疑わざるを得ません。聞くところによりますと、自民両党幹部は、その実際の専門委員であるそれぞれの党の大蔵委員の反対と修正のとうとい意見を押し切って強行されたそうでありまして、まことに非民主的なることに一驚を禁じ得ません。
熟知されております通り、今日社会保障を充実強化すべきことは、あえて国民各階層の常識であるばかりでなく、世界各国もともに熱心に大いなる努力をいたしておるところであります。さればこそ、社会保険料については所得控除の対象となること当然であり、今日まで何人も疑うところがなかったのであります。今回の選択控除制は、この世界の大勢と日本の国民の熱望に反し、月収の五%以上の社会保険料をかけている者は、それだけ今回の所得控除の恩恵を受けられないのでありまするから、何と詭弁を弄しましょうとも、掛金をかけている者が損をし、口に社会保障の充実強化を叫ぶ国民両党の正体、ここに見えたりと言わなければなりません。まさに言語道断と言うべきであります。いわんや給与所得者は、年末に集中してこれが調整をされる結果、官公吏の中で年末の手取りに思いがけないアンバランスを生じ、高給者の手取りが昨年よりぐんと多いという結果も各所で生じかねず、国鉄、専売、電通等の共済組合の長期給付に加入し、月額の七・九%程度の掛金を支払っております約八十万以上の労働者には、この制度の恩恵はほとんどいささかも適用されないというので、まことに珍事態、痛嘆すべき事態が生ずるのであります。われわれは当委員会において幾たびもこれを指摘し、提案者に再度の検討を求めました。しかるにその誤まりを腹で理解されながら、面子にかられているがごときことはまことに遺憾にたえません。この一事をもってしても、自民両党の今次の修正案は断じて賛成しあたわざるものがございます。ここにわが党は勤労控除率現行一五%を二〇%に引き上げ、税率を根本的に修正し、真に低額所得者の大減税をする決意を重ねて明らかにしておく次第であります。
法人税法については、今次の重要な問題は、中小企業の減税公約の実現であります。中小企業の各位が、租税特別措置法による大企業の特典との均衡を絶叫して以来、すでに幾久しいものがございます。今日まで一率に四二%の税率制度につきましては、何人もその誤まれる大資本家擁護の税制を痛難をいたし、わが党の主張に賛成をされて参りました。貸し倒れ準備金、退職引き当て金、価格変動準備金、渇水準備金、違約損失補償準備金、異常危険準備金、特別修繕引き当て金、輸出損失準備金、輸出所得特別控除、特別償却、免税物品、免税所得等々、損金に切り落され金額は二十八年度をもってしても千四百二十九億、減税額はまさに六百億に達すると推定をされます。これらは政府が何と言おうと、大企業が独占してその恩恵にひたり、その結果、今日までの表面上の税率は四二%でありましても、大企業の実効税率は二六%にまで下っているといわれているのであります。
われらの主張に対し、政府は強弁これ努め、中小企業のための税率改正に反対して参りました。しかしさすがに自民両党修正案は、ほうはいたる全国中小企業の諸君の声に押され、これが提案をいたしましたが、その額たるや、所得年額五十万以下というまことに微々たるものでありまして、これをもって中小企業に対するということはおこがましいものと言わざるを得ません。
日本社会党は、全国中小企業連盟、法人会、減税公約実行促進全国業者大会の痛切なる要求を支持し、少くとも所得二百万円以下の中小企業者は、三五%の税率に、所得四百万円以下三七%に、四百万円以上は四〇%にすることを主張いたして参りました。同時にこの際、先刻申しました大資本家擁護の悪法たる租税特別措置法に根本的検討を加え、一部を除いて全廃をいたすべきことを強く主張するのであります。まことに租税特別措置法ほど、働くすべての国民の怨嗟の的となっているものはありません。これあるからこそ、払える力に応じて税金を払うという租税原則は破れ、空虚なる美名に隠れて、払える者が安く、払えない者が重くという事態が各所に山積しているのであります。預金利子を七月一日から免税にする政府原案などは、まさにその最も著しいものでございましょう。政府与党は、今ちまたの床屋さんやおふろ屋さんの流し場で国民大衆が言っている声を聞いているでありましょうか。―――――――――――――――――――これらの働く国民の諸君に対し、政府は資本蓄積のためだということで納得させられると信じているとしたら、まことにその誤まりのはなはだしきを指摘しなければなりません。しかし働く国民をさらに驚かしたことは、この預金利子の免税に反対するがごとき態度をしていた自由党が、突如としてこの法案に賛成するばかりか、さらに配当所得の免税税率を二五%から三〇%に引き上げることを提案し、民主党はまた大蔵大臣の当委員会での明確なる言明を裏切って妥協したことであります。この結果、配当所得は百二十四万円まで一文も税金がかからないという事態と相なるでありましょう。私どもは今公務員、民間労働者を問わず、夏季手当五千円以下を免税にすること、深夜働くおまわりさん、看護婦さん、交通労働者、民間労働者諸君に、せめてシナそば二はい、七十円分を免税することを提案いたしております。また他の委員会では、中小企業擁護の法案を提案いたしておりますが、政府並びに自民両党の諸君に対し、この際働く各階層の痛切なる叫びに耳を傾けることを心から、要望したいと思うのです。税制は複雑です。政府与党が公約した税制の徹底的簡素化は、今年度は片鱗も実行されておりません。税制は難解で、国民にはよくわかっていません。しかしそれなるがゆえにうつせきした憤りが絶えず内こうし、爆発する要素が秘められているのであります。公約が誠実に履行されることなく、かえって金持ちを擁護し、不労所得者に対し減税となるがごとき法案を提出されるに及んでは、私は心からその前途を案ずるものでありまして、本年二月フランスで七十万の小売商、職人たちが納税拒否の反税闘争を行なったとき、わが国民の大多数が非常な興味を持ち、その真相を知りたがったことを想起するものであります。指導者であるピエール・プラジャードを支持するフランス人たちは口々に、今の税制はいたずらにわずらわしい書類手続を必要とする上に、小売商にとって不公正な点が多過ぎる。さらに何日も徹夜で納税申告書を作成し、完納すれば破産してしまうと言っていたのでありまして、またたく間に全フランスに波及したのです。私どもは、納税は国民の義務と信じます。同時にそのためには、負担力に応じた税制、わかりやすい税制の大原則を貫かなければなりません。ここに日本社会党は、かかる原則に反する今日までの税制に対し、さらに矛盾を増加する今回の政府原案、民主、自由両党の修正案に対し、まっこうから反対し、中小企業、農民、労働者、市民の各勤労階層のための真の減税を行うべきことを主張いたします。民主主義は多数主義が原則であります。従って私どもがあらゆる努力をして反対いたしたにかかわらず、その修正すら行われず、多数を要する自民両党の提案はいまや本委員会を通過しようとしております。しかしながら本委員会を通過し、かりに国会を通過いたしましたとしても、真に働く国民の心を通過することは困難であると私どもは確信をいたすのでありまして、必ずや近い将来、かかる税法を根本的に改革される日が国民の声となってくるであろうことを予言し、反対討論といたす次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/100
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101・松原喜之次
○松原委員長 ただいまの横山委員の討論中に、不穏当と認められる言辞があったやに思われますので、後刻速記録を調べまして、不穏当な発言であれは、これを取り消させ、会議録より削除することにいたします。次に大平正芳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/101
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102・大平正芳
○大平委員 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題になっておりまする三税法案につきまして、賛成の討論を行いたいと思います。
大体の根本の構想といたしましては、民主党内閣は、前内閣時代にありました税制調査会の答申の線に沿っておるわけでございまして、比較的新奇をてらいがちな鳩山内閣が、この点につきましては、じみちにわれわれの遺産を相続していると感じられますので、いささか敬意を表したいと思います。
今横山君から討論されました二、三の問題点につきまして、私どもの立場をはっきりさしておきたいと思いまするが、まず各種の特別減税措置でございますが、これは税制の正常化という観点から申しますと、われわれも租税原則を無視したようなこういった制度に対して賛成であるわけではございません。しかしながら税制は、横山君も指摘されました通りに、歴史的なものでございまするし、また日本経済の現段階に即したものでなければなりません。資本の蓄積、あるいは輸出の増強というようなことが今日の急務でありますことは、横山君もよく御承知の通りだと思うのでありまして、こういった要請にこたえて、これに奉仕するのが税制の任務の重大な一つであろうと思うのでありまして、いましばらくの間、こういった特別減税措置によりまして、資本の蓄積と経済基礎の増強をはかることが、わが国の経済を豊かにし、勤労大衆の生活水準を高める根源になるものと確信いたしますので、租税原則上からは許しがたいものでございますが、日本経済の現状に照らしまして、しばらくの間余裕をもって見なければならないものと確信するのでございます。預貯金利子の免税につきましては、これまた租税原則上から許しがたいものでございまするし、特に預貯金の保護というものは、インフレの上昇期におきまして、総体的に不利な預貯金を保護しようということで、国民貯蓄の増強をはかるという点に主眼があるのでありますが、今日の日本の経済の段階におきましては、こういった措置を講じなくても、すでに預貯金形態における資本の蓄積が顕著な増強を見ておりまして、最近の銀行預金の増強も、前半期の約倍になっているという数字が示されておるのでございます。しかしながら、なお預貯金形態における国民貯蓄の増強という問題は、戦前に比べますと、依然としてまだ半分程度にしかすぎませんし、かつ企業並びに金融機関のオーバーローンの症状は、十分いえているとは申しかねるのでございまして、ここしばらく時限立法をもって、預金利子の免税をささえようという政策も、あながち否定すべきものではないと私どもは感ずるものでございます。今度修正業に盛り込みました選択的な経費控除の制度につきまして、痛烈なる御批判がございましたが、私は、そういう主張は全然的はずれだと思うのでございます。なぜならば、現在社会保険に加入して手厚い保護を受けておる方々、そういった方たの現有の利益を剥奪しようというものでは決してないのでございます。大組織をもちまして、そうしてりっぱな人事管理部門をもちまして、こういった恩典を十分に受けられるところの大組織の勤労者、こういった方々に比べまして、中小企業者、農民並びに未組織の恵まれざる勤労大衆の方々を、この恩典に浴せしめようという親心でございまして、こういった点は、社会党の諸君も心から歓迎し、共感をいただくことに違いないと確信するのでございまして、よく制度の本質につきまして御検討、御討究願いますれば、われわれの真意が十分御了解がつくものと思うのでございます。
要するに今回の税法改正は、日本の経済の現状に照らしまして、こういった程度のことをやらなければならないという緊切な問題を若干取り上げておりまして、私どもは、こういった改正につきましては、党をあげて支持するにやぶさかでないことを申し述べまして、私の討論を終りたいと思います。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/102
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103・松原喜之次
○松原委員長 平岡忠次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/103
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104・平岡忠次郎
○平岡委員 現在日本の国民大衆に対して、税負担軽減のための絶対的回答は、軍事費の削減、削除に帰着いたします。しかしこの委員会においては、租税制度のらち内において、これが軽減の相対的回答を打ち出すことが課題であります。私はこの回答の主軸をなすものが、疑いもなく租税特別措置法等によって庇護せられている特定階級、または特定大企業のための偏向減税制度を廃止することであると考えるものであります。年間六百億前後に上る恩典減税額を取り戻して、生活苦にあえぐ低額給与所得者、中小企業者、農民等の恵まれざる階層の税負担軽減の資に回す措置こそ、当面のわれわれの最大の義務であると考えております。私は日本社会党を代表して、この見地から、ただいま議題となりました政府提出の税三法の改正各案並びにこれらに対する自民両党による修正案に関し、反対の意思を表明せんとするものであります。
このたびの税制改正は、低額所得者の税負担の軽減、住宅建設の推進、輸出の振興並びに資本蓄積を推進するため、税の軽減をはかることを中心課題とすると称せられております。
政府案において三百二十七億円の減税は、七月一日から実施を予定しているもので、これは平年度化すると五百十四億円の減税ということで、一応公約実現を誇示しているわけでありましょう。他方一千億円の減税を公約した自由党が、民主党公約五百億円実現におくれをとらじと、与党民主党に圧力をかけて、いわゆる自民両党による修正案として、さらに今年度分六十七億円の追加減税をはかり、総計において平年度六百五十五億円の減税を行うべきことをきめているのであります。減税の額面に関する限り、まことにりっぱな見上げたものであります。しかしながら国民大衆は、政府案の直接税三百三十七億円減税の陰にすら、間接税二百七十億円の、大衆収奪が企図せられていることを見抜いております。しかもこの大衆収奪の犠牲の上に打ち出された今回の直接税軽減は、内容的に見て、真に低額所得者を擁護する類のものではなく、逆に、金持ちのための偏向減税を指向する度合いが強過ぎるのであります。私はまず所得税に関する反対所見から申し述べます。
今回の政府改正案と自民両党の修正案とをもってすれば、われわれのかねてからの主張である給与所得者標準家族年収二十四万円まで非課税に近い線が打ち出されては来ましたが、まず消費税の累増によって、減税の実際効力が家計の上に現われてこないことをおそれるのであります。片方で与えるが、片方で取る。あたかも隆鼻術のために、しりの肉を切って鼻の頭に乗せるようなものであります。個人事業者、農民等にはいかがでありましょうか。これらに対しても、もとより基礎控除引き上げとか、選択経費控除の創設等による税の軽減がうたわれておりますが、これまた税率を下げて査定を増すという例の奥の手が残っており、減税の実現は必ずしも保証の限りではないのであります。
所得税の改正案そのものの重要事項について、順次批判を進めたいと存じます。基礎控除を現行の七万円から八万円に引き上げ、給与所得控除限度を四万五千円から六万円に引き上げることには異論はありませんが、政府の公約せる低額所得者に真にフェーヴァを与えるためには、むしろ課税所得に対する税率を変える必要があります。すなわち課税所得の適用区分のうち、第一区分三万円以下を一五%という高率でスタートせしめていることが、いわゆる低額所得者の税軽減を妨げている要因でありますから、少くとも最初の税率の三段階、すなわち、百分の十五、百分の二十、百分の二十五とあるを、それぞれ一〇%ずつ引き下げ、百分の五、百分の十、百分の十五程度に減ずれば、低額所得者に厚い減税の目的は的確に達せられるでありましょう。当然のことながら、そのかわり、これだけでものすごい減収となるので、おそらく政府の容認しがたいところでありましょう。平年度五百億円の穴があくからであります。低額所得者の減税公約に真に忠実であれば、国家収入に大穴があき、あちらを立てればこちらが立たずというジレンマから、およそ公約と縁の遠い減税案の提出を行い、自由党の委員からすら低額所得者減税の虚偽なることが指摘せられているのであります。この宿命的とも言えるジレンマは、戦後わが国の税制が不当にも大衆収奪をその基調としており、その収奪は範囲が広範にわたり、戦前に比較し異常にまで根を張っていることを裏書きしているのであります。今回の改正案をもってしても、所得税納税者の数は八百万人もありまして、昭和十一年の百万人に比して、八倍の多きがなお苛斂誅求の対象となっているのであります。別言すれば、わが国の中小企業者、農民、勤務大衆は、生活のぎりぎりの線で、日本経済をささえる人柱となって耐えていることを物語っているのであります。
かかる実情でありますから、わが国の租税政策は、社会人心の帰趨からいっても、せめて租税公平の大原則は、これを強く貫かなければならないのであります。われわれは、租税制度を扱う上において、このことを銘記してかからなければなりません。現在勤労大衆、低額所得者の租税軽減主張が一進一退、その進展をはばまれている一方において、金持ち擁護政策が、資本蓄積、輸出振興等の経済政策ないし産業政策の美名のもとに、理不尽にも租税原則を侵害してはばからないものがあることは、真に遺憾千万に存じます。特に今回の政府案の預貯金利子課税免除のごときは、たとい二カ年の時限立法とはいえ、国の内外を問わず皆無の悪事例でありまして、これをあえて押し切ったと聞く一萬田蔵相の良識を疑うものであります。所得あるところに税ありの租税理論から見れば、高額の預金をして不労所得の利子を得る人が、利益限りの免税の恩恵を受け得るというのであるから、まさに横紙破りの悪立法であります。しかも分離課税となっているのであるから、あとで総合課税されることすら絶対にないのであります。国民大衆が重税に歯を食いしばって、耐えがたき苦痛を背負っているときに、かくのごとき不当免税は許され得ないのであります。しかも私どもが指摘しなければならぬことは、この不当は、ひとり一萬田蔵相のみに帰せられるべきではないということであります。これは、自由党政府時代より保守政党が累年資本蓄積の美名のもとに演じ来った、金持ちのための税通脱の破廉恥な一連の立場である点に注目しないわけには参りません。すなわち十九国会において恒常財産税としての富裕税を廃止して、相続税通脱の敷石に成功して以来、一群の脱税合法運動者の群れは、総合課税の累進的高率を免るるために、有価証券譲渡税を廃止して、これを有価証券取引税なる比例課税に置きかえ、無記名定期預金制度の創設によって財産の所在をくらまし、かつは預金利子に源泉選択分離課税の道を開いて、高率課税を免れ、しかも逐年その税率を低下せしめて、ついに今回預貯金利子所得免税という世界に比類のない悪法の制定となったのであります。それのみならず、今回この破廉恥な悪法制定に対し、資本蓄積上競合関係にあるから困ると称し、配当控除率をもまたまた百分の三十に引き上げ、配当所得百二十二万円まで非課税という、おそるべき改悪措置の行われたことも注目に値するものであります。類は類を呼ぶ、悪法の制定が他の悪法を呼んだ悲しむべき事例といはなければなりません。ともあれ金融界では、この免税措置によって預金が四百億円程度ふえるであろうと期待しているそうであります。預金利子非課税法案は、資本蓄積に籍口した金持ち本位の脱税擁護法案であると同時に、一萬田蔵相就任の金融界に対する引出物でなければ幸いであります。利子所得非課税は、その内実にいかなる意味を持つのでありましょうか。銀行融資を受け得ない中小企業者にとって、利子免税による銀行資金の充実のごときは、縁の薄い事柄であります。いわんや預金者として、中小企業者、給与所得者等は、この利子所得免税の直接的利益を受くることもほとんどないのであります。すでに国民貯蓄組合に入ることにより、一口十万円まで非課税の道は開かれております。従いまして、十万円以上の預金をもっている人か、預金をなし得る人にのみ通用し得る今回の恩恵措置であります。
大蔵省の三月三十一日現在、全国銀行金額別預金調べによれば、預金総額二兆八千二百五十八億円中、一口十万円未満の小額預金に属するものはわずかに四千五百二十九億円、全体の一七・四%にすぎず、自余は十万円以上の大口であり、しかも総預金の六一・九%の圧倒的部分は、一口五十万円以上一千万円をこえることもまれでない大口預金をもって占められている事実を指摘しなければなりません。蔵相は当委員会で、利子の免税によって国民の勤倹貯蓄を奨励し、これをもって銀行預金を確保し、産業活動を盛んならしめ、完全雇用の実現を期するなどと、この悪法のジャスティフィケーションを試みられたが、これは風が吹けばおけ屋がもうかる式の迷説であり、産業活動、企業活動を盛んならしめるための資本蓄積なら、直接的な資本蓄積になる法人税の軽減の方がまだよほどましであります。しかもかかる間接的な資本充実奨励方式は、金融の産業支配を馴致するおそれなしとせぬ点からも容認しがたいことであります。
次に、低額所得者課税軽減に関し、いわゆる選択経費控除の問題であるが、この修正案は、低額所得者一般を利すべきものとして、ないよりはましというていのもとであります。もし給与所得者に酷な税制上の不備を埋めるという目的からこれをしたとするならば、的はずれな修正であり、再修正を要します。すなわち給与所得者は、すでに社会保険料として平均三・三%の控除を受けているから、これを選択しても一・七%の利益しか受けられないが、農民、中小企業者等は、五%の利益を新たに受けるのであるから、せめて勤労所得控除率を二%程度引き上げて、一様に五%の利益をはかるべき等の措置が至当であると主張せざるを得ないのであります。
以上の所得税法改正案に対する反対討論に引き続き、簡単に法人税法改正案並びに租税特別措置法改正案に対する反対の所見を申し述べます。
法人税は、昭和二十七年、朝鮮ブームを理由として税率の引き上げを行い、四二%となり、それが遠因となって、今日のような不場均衡な負担関係を作り上げているのであります。すなわち昭和二十七年度の法人税引き上げは、朝鮮ブームという一時的現象を事由として行われたが、朝鮮に平和が立ち返り、特需景気が後退した後も、中小法人の怨嗟をよそに、依然としてその高率四二%を持続して、その間、資本蓄積、輸出振興等の旗じるしを振りかざす大企業の減税要求に対しては、そのつど準備金、引当金、特別償却等による個別減税措置に出て、偏向的にこれに応じたのであります。かくて大企業、特定企業等は、租税特別措置法の法制化に成功をおさめ、実効税率において大幅な軽減を獲得しているのであります。大蔵省の調べによれば、この点は横山君も触れられましたが、貸し倒れ準備金、退職給与引当金、価格変動準備金、渇水準備金、違約損失補償準備金、異常危険準備金、特別償却引当金、輸出損失準備金、輸出所得特別控除、特定機械の特別償却、重要物産免税等の一連の特別減税措置によって、二十八年度において損金に落された額は、合計千四百二十九億円、これによる法人税の減税額は六百億円余りであります。二十九年度においても、損金に落された合計は千七十五億円、これによる法人税の減税額は四百五十一億五千万円に上っているのであります。なお中小企業庁最近の調べによると、大法人の実効税率は、五大銀行において二二・五%、電力八社二四・七%、石炭五社二七・三%、鉄鋼九社二九・七%であり、本来の税率四二%に比してすさまじい特恵ぶりが示されているのであります。
今や租税不公平に対する大衆の不満は爆発寸前にあります。私は社会人心に悪影響を及ぼすところの偏向減税、すなわち租税特別措置法はすみやかにこれを廃止すべきものと主張せざるを得ないのであります。少くとも時限立法の本然の姿に返し、以後年限の延長は一切これを認めず、通算三カ年をこえての立法はまかりならないという不文律を作るべきことを主張いたします。
再発足を伝えられる税制調査会が、以上の論述で触れた各項に注目を払われて、税負担公平の原則を貫く立派な答申が生み出されるよう期待いたしまして、私の反対討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/104
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105・松原喜之次
○松原委員長 これにて討論は終局いたしました。これより採決に入ります。
まず所得税法の一部を改正する法律案について採決いたします。初めに本法律案に対する前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案について採決いたします。この修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/105
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106・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/106
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107・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって所得税法の一部を改正する法律案は、前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案のごとく修正議決いたしました。
次に、法人税法の一部を改正する法律案について採決いたします。初めに本法律案に対する前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案について採決いたします。この修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/107
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108・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/108
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109・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって法人税法の一部を改正する法律案は、前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案のごとく修正議決いたしました。
次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。初めに本法律案に対する前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案について採決いたします。この修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/109
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110・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/110
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111・松原喜之次
○松原委員長 起立多数。よって租税特別措置法等の一部を改正する法律案は、前尾繁三郎君外二十五名提出の修正案のごとく修正議決いたしました。
この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました三法律案に対する委員会報告書の作成、提出等の手続につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/111
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112・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
本日はこの程度にとどめ、次会は来たる二十五日午前十時より開会することといたします。本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204629X02319550622/112
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