1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月四日(土曜日)
午前十一時五十五分開議
出席委員
大蔵委員会
委員長 松原喜之次君
理事 加藤 高藏君 理事 内藤 友明君
理事 森下 國雄君 理事 大平 正芳君
理事 奧村又十郎君 理事 横路 節雄君
坊 秀男君 山本 勝市君
川野 芳滿君 黒金 泰美君
小山 長規君 古川 丈吉君
石山 權作君 木原津與志君
横山 利秋君 井上 良二君
春日 一幸君 川島 金次君
田万 廣文君
地方行政委員会
委員長 大矢 省三君
理事 安藤 覺君 理事 池田 清志君
理事 古井 喜實君 理事 鈴木 直人君
理事 加賀田 進君 理事 門司 亮君
唐澤 俊樹君 川崎末五郎君
木崎 茂男君 櫻内 義雄君
渡海元三郎君 長谷川四郎君
青木 正君 熊谷 憲一君
灘尾 弘吉君 山崎 巖君
吉田 重延君 勝間田清一君
川村 継義君 北山 愛郎君
五島 虎雄君 中井徳次郎君
西村 彰一君
運輸委員会
委員長 原 健三郎君
理事 臼井 莊一君 理事 木村 俊夫君
理事 山本 友一君 理事 青野 武一君
理事 中居英太郎君
岡崎 英城君 中嶋 太郎君
濱野 清吾君 關谷 勝利君
徳安 實藏君 永山 忠則君
井岡 大治君 栗原 俊夫君
正木 清君 山口丈太郎君
竹谷源太郎君
建設委員会
委員長 内海 安吉君
理事 瀬戸山三男君 理事 今村 等君
薩摩 雄次君 松澤 雄藏君
山口 好一君 久野 忠治君
二階堂 進君 有馬 輝武君
小松 幹君 三鍋 義三君
安平 鹿一君 中島 巖君
松尾トシ子君 石野 久男君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
総理府事務官
(自治庁税務部
長) 奧野 誠亮君
大蔵事務官
(主計局次長) 原 純夫君
大蔵事務官
(主税局長) 渡辺喜久造君
建 設 技 官
(通路局長) 富樫 凱一君
委員外の出席者
運 輸 技 官
(自動車局整備
部長) 津守 巧君
大蔵委員会専門
員 椎木 文也君
大蔵委員会専門
員 黒田 久太君
地方行政委員会
専門員 長橋 茂男君
運輸委員会専門
員 志鎌 一之君
建設委員会専門
員 西畑 正倫君
建設委員会専門
員 田中 義一君
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本日の会議に付した案件
地方道路税法案(内閣提出第三一号)
地方道路譲与税法案(内閣提出第三二号)
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〔松原大蔵委員長委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/0
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001・松原喜之次
○松原委員長 これより大蔵委員会、地方行政委員会、運輸委員会、建設委員会連合審査会を開会いたします。
地方道路税法案及び地方道路譲与税法案の両法案を一括議題として質疑を続行いたします。なお御一への質疑時間は、委員長間の協議によりまして、おおむね二十分に制限いたします。なお永山委員の質問の続行時間は、おおむね五分間といたします。永山忠則君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/1
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002・永山忠則
○永山委員 大体五分というようなことを制約されるということは、承服できないのですが、しかし委員長の申し合せですから、礼儀を正しくする考え方を含みながらやりますから、静かに一つ聞いてもらわぬと、時間がないのでよろしく……。
この税金の均衡課税の問題でございますが、道路を損傷いたしておるディーゼル・カー、この軽油は、農業方面におきまして約五〇%あたりディーゼル・カーに軽油を使っておりますが、ことに観光関係の大きな自動車が道路を損傷いたしておる。これに対しては、自動車税の地方税を少し考えるということになっておりますが、ほんとうに均衡課税で、現在受けております自動車のガソリンの税金に見合うような金額で、これらのディーゼル自動車へ負担をかけるということになりますれば、過日お話の数字では、六十億円という税金が入るということを当局も言われておるのでありますが、われわれの方は、七十億円は優に入ると思うのでございます。そうすると、一番中小企業で困っておりますところのトラック、あるいはタクシー、ハイヤーなど一番会社の経営に困っておる方が税金を、しかも重税を受けておる上に、さらに今度税金が上る。ところが一方の方は、これと同じ税率でいけば七十億円も負担すべきものが負担せずにある。それはどういうわけかといえば、徴税の仕方がどうも困難だからというようなことを——渡辺局長は、内面的にずいぶん折衝しましたが、困難だということをおっしゃるのであります。これを徴収するということになれば、各税務署に二、三名増さねばならぬだろうというようなことも言われますが、地方税にして、府県にとらして、使用者からとれば幾らでもとれるわけなんでありまして、こういうような不均衡な状態、税の不均衡ということが、この課税問題で最も重要な地位を持っておるのでございます。しかし私は、このディーゼル・カーに、軽油に税をかけろということを今申し上げておるのではございません。道路を損傷する率において——これは竹山建設大臣にも質問いたしましたが、どれだけこのガソリンの自動車が道路を損傷しておるか、損傷率がどれだけかということの大体の比率に合うような税金をとらないと、目的税なんですから、まあ酒、たばこの税金に次ぐところの大税金を負担しておる関係におきましては、一方は七十億円もの税金をかけずに済むんだ、そうしてその道路の損傷に対して、他の税金は四億しか負担をしていない。そうして全部をガソリン自動車に持っていく、こういう不均衡な税の仕方をするということは、根本的に変えなければならぬのでありまして、この目的税そのものは根本的にやめるべきであると考えるのでございますが、この点の大臣の所信を承わりたい。
続けて申しませんと時間がございませんから、一応全部申し上げるわけでありますが、第二の点は、この道路を損傷しておる損傷率に応じたる税率にしなければなりませんから、値上げどころではございません。値下げをせねばならぬ。このガソリン自動車の道路損傷率から見ましたときにおいて、これを軽減をいたして、初めて暫定的な五カ年間の目的税としての税がある程度均衡を保つものである。その不足額は、ガソリン・カー以外の車、あるいはいわゆる一般国家財政において負担をすべきであると考えられるのでございます。この点に対して、増税どころではない、減税をやるということが、現段階において、この目的税の本旨から見て、絶対に必要であると考えておるのでございますが、この点に対しての大臣のお考えをお伺いいたす次第でございます。
さらに、自治庁長官はおられませんが、これによりまして、市町村は非常に負担を多く受けることになるのでございます。府県に対する処置は十分ではございませんが、一応考えられておりますが、市町村は、今日一割の負担をする場合におきましても、いろいろの設計費であるとか、調査費であるとかいうような関係で、一割以上のめくら金を出さなければなりませんし、さらに立ちのき補償料等においても、政府及び県が指定いたしておるような立ちのき補償料ではとうていこれが処置できませんので、そこで、立ちのき補償料も規定の金額以上のものを出してやっておるのでございまして、市町村の受けるところの財政圧迫というものは実に大なるものがございます。すなわちガソリン税を上げることによりまして事業量をふやす、それによりまして、市町村の財政はいよいよ窮迫を告げてくるのでございますが、これに対する処置はどう考えておられるのであるかということでございます。今日市町村の財政窮迫は、全くもうお話申し上げる必要はないのでありますから、これに財政的処置を考えるべきでありますが、この点に対しての関係を答弁を願いたいのでございます。
さらに、ここに負担均衡の問題と関連をいたしまして、今日タクシー、ハイヤー並びにトラック業者は、もう全く瀕死の状態でございます。そのことは言葉ではない、現実でございまして、今日ただいま何をいたしておるかということは、自宗用自動車の持主等はおわかりになっておらぬかと思いますが、八十円は七十円、七十円は六十円、六十円は五十円に下げまして、道路運送法違反で、ダンピングの実力行使に出て、東京都のこのタクシーの大混乱がきておるということは、結局経営難に陥りまして、そうして自分の車を食ってでもこの経営を続けねばならぬという考えがこの結果をもたらして、陸運当局を実にあわてせしめているのでございますが、しかしタクシー、ハイヤーは、東京都の関係におきましては赤字なんでございます。その赤字にさらにガソリン税の値上げをいたすということになれば、全く業者はつぶれてしまう状態に追い込まれるものであるといわなければなりません。トラックの関係におきましても、今日の運輸省が出しておりますところの原価計算によって見ましても、結局利潤は一唯一キロ当り六十九銭、その六十九銭しかないものを、燃料の費用増が六十六銭——政府の力が今六一銭と言っておりますが、六十六銭。そうして利潤はわずかに三銭。これを一車一日当りにしまして五十七円三十五銭の利潤となる。それに対して燃料費の増が五十四円七十二銭ですから、一車一日当りわずかに二円六十二銭というように、運輸省の出しております案においては出ております。ただいま配付になりました分は完全に資料が間違っておるのでございまして、ここに配付されております衆議院建設委員会提出資料、三十年六月一日、この自動車局調査による運賃収入及び揮発油消費量等のこの資料は、全然適正を欠くものでございますが、これらの点は別の機会に譲ります。こういうように、業者は当分もう経営難に陥っておると同時に、大体東京都におきまして、タクシーがどれだけのガソリン税を負担しておるかということを御計算されていないことは、実際残念なんです。ただ大蔵省は税の算定だけやって、業者の実態に対しては、ほんとうに心から国民を愛するという考え方でやられていないのでございます。実に今日、値上りをせぬ場合でも一年に十五万円から十九万円、一両の自動車がガソリン税を払っておるのでございます。この値上りによって十八万円から三十一万円の税金を払うことになるのでございまして、こういうような重税のもとで、しかも会社の経営が窮迫を告げておる。こういう状態において増税を受けるということは、あたかも終戦直前において、原爆を受けて日本が困っておるときに、ソ連がうしろから来て最後に日本をたたきのめしたといったような、こういう点に国民を思わざるもはなはだしい増税であるといわなければならぬのでございます。これらの点に対して、果して業者は負担能力があるかという点、この増税によって業界は混乱を来たさずに経営ができるかという点に対して御答弁を願いたいのでございます。これと関連をいたしまして、今日業界の一番困っておるのは、特に大蔵大臣は日銀総裁でございましたから、お願いを兼ねたようなことになりますけれども、金融関係でございます。金融処置が、タクシー、ハイヤーに至りましては、もう全然目をくれてくれないのでございます。大臣は、今度は金融は楽になるとおっしゃいますが、それはよい会社は楽になりますが、悪い会社はますますもう目をくれてくれない状態でありまして、全く金融は閉ざされてしまった。それは日銀の方から指令が出て、タクシー、ハイヤーには貸さないようにということで、広島の日銀の支店長でも、あるいはこちらの方でも、みなその方針のもとにやっておりますからして、全くやみ金融以外はないという状態に追い詰められております。トラック業につきましても、経営内容が悪いものに対しては、銀行はますます貸さない状態でございまして、金融的処置は全くゼロである上に、さらに自動車賠償保険というようなもので、またこれが一車両に対して一万五千円以上の保険税を強制しようという状態になってきておるのであります。あらゆるものに減税という時代におきまして、自動車に対してはガソリン税を上げ、さらに強制賠償保険において保険税を強制徴収しようという状態になり、金融的処置も考えられないというような状態でございますので、特に金融的処置については、大蔵大臣が、重要産業の基幹といってもよいような運輸産業の中枢をなすところのこの自動車に対して、金融を十分めんどうを見るという大臣の御答弁をお願いいたしたいのであります。計数関係におきまして、実際において大蔵当局の予算を査定する机上計画を基準といたしましての諸計算には全く承服できないのでございまして、われわれは事業をやっておるのでございます。国民は事業をやっておるのでございまして、これだけの単を持っておるからこれだけのガソリンが要るということは絶対の数字でございまして、大蔵当局は二カ月半ずれておるこの計数を中心としていつでも査定をされますので、一月から三月のこの一番多く消費するときの金額というものをいつでも押えてきますから、年々何十億という金がいつでも増収々々という結果になるような数字の上におけるところの事実でございまして、真に消費量というものはマッチせざるものがございますので、これらの点を考えましたときにおいて、本年の需要量を——十分ではありません。これを八割ぐらいに見ましても増税せずに、そうしてガソリン税一万一千円を一万円に下げて、地方へやる地方税を三千円にするというこの数字に改正いたしましても、大蔵省の言う三百二十五億の予算の金額は獲得できるものであるということを考えておるのでございますが、当局のその点に対する答弁をわずらわしまして、どうも時間がありませんから、打ち切りはいたしません。時間のあり次第また御質問することを条件として一応これでやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/2
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003・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 簡単にお答え申します。揮発油と軽油の課税均衡の点が一つあるようでございますが、これは、私どももやはり公平な見地から考えて、将来は考えてみる必要があろうかと思っております。ただ軽油は、今は水産、農林、家庭の厨房用などに多く使われておる等のいろいろの点もありますし、その他いろいろあるようです。そういうふうなことから、今回は増税をいたしておりませんが、将来は考えております。
それから目的税のことですが、私は税にあまり詳しくないから、変なことを言ってもいけないですが、多分これについてはいろいろ議論があると思いますが、私はある限定した分野において目的税もいいだろうという意味で、この道路に関する目的税をやめる考えは持っておりません。それから今増税どころか減税だ、そしてなるべく税を納める相手を広げた方がいいだろうという御意見もあったと思いますが、それも私全くその通りだと思っております。ただ今日では、道をよくし、かつ新設することが急務でありますから、その必要度が非常に高いものですから、減税をするということ、そうして相手を広げるというだけではとうてい間に合いません。そういう意味におきまして、増税になっておることは遺憾と存じますが、それによってこの道を使う人が非常に利益を受けるということでカバ一ができるだろう、かように考えております。
なお、こういうことによって市町村の負担がふえるではないかというお話が出ましたが、ごもっともと思います。これは必要があればいずれ主税局長から詳しく申し上げさせますが、交付税の場合の計算の基礎に入っておるだろうと私は考えております。
それから揮発油を使う特にタクシー等の会社が経営が非常に苦しいというお話であります。この会社等の資産状況、あるいは経営のよしあしというものについては、もう少し多方面から考察する必要がある。特にこういう経営難の番基本的な点は会社が乱立しているからではないかというふうに考える。言いかえれば競争があまりにも激し過ぎる、こういうところに一番大きな問題があるのではないか。たとえば東京あたりでも相当ありますが、タクシー会社が非常に多いというような競争もある。これは使うものからみればありがたい話ですが、会社の経理からみると、そこに非常な無理が生ずる。こういうところが一番大きな点ではなかろうかと私は思っております。それらの点については十分研究をいたしまして、税と会社の経理ということについては適正を得るように、これは徴税の方にも関係いたしてきますが、税の関係のものに十分研究させ、かつ実際の扱い方についても当を得るようにいたしたいと思います。
最後に金融の問題がありましたが、金融の問題になると話が非常に具体的になりまして、単に貸すか貸さないかという問題がありまして、やはり相手次第ということにならざるを得ない、たとえばタクシー会社において経理が非常に悪い、それに金を貸さぬのははなはだもってけしからぬといっても、貸す方からみると、そうも行かないということになるので、これは実際に兼ね合いでいきましょう。先ほど申しましたように、今後そう遠くない将来において、特に金融はよほど楽になります。一応金利も下り、借手的な市場と申しますか、今では貸す方が選択できるということになっておりますが、できるだけ借手的な市場になるように、そういう方に持っていかぬと金利が下らないというふうに考えておりまして、そういうふうなことを促進する手を打っているわけであります。もしもお金を借りることが具体的にあれば、それはこの話とは別にまたできるだけ御尽力申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/3
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004・松原喜之次
○松原委員長 瀬戸山三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/4
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005・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私は大蔵大臣を中心にして、大蔵大臣の所信を伺っておきたいのであります。
まず第一番に、これはきわめて常識的なことでありますが、大蔵大臣は国会の愚息と申しますか、国会の決定したことについては、政府は行政府でありますから、尊重するというよりも、私どもは国会の意思決定に従って行政をしなければならないという考えでありますが、それに対しての大蔵大臣の所信と申しますか、考え方をまず第一に確かめておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/5
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006・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えいたします。国会の決定に対しまして尊重をいたしますことは、申すまでもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/6
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007・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 これは当然なことを当然に聞いたのでありますが、大蔵省はそういうところでないという多少の疑点を私どもは持っておりますので、あえてそういうことを申し上げるのであります。
そこで、今地方道路税法案が成立するのに伴って、地方道路譲与税法案がかかっているのでありますが、それに関連いたしまして、第十六国会でありましたか、一昨年の国会において、大臣ももう御存じだと思いますが、道路整備費の財源等に関する臨時措置法という法律ができております。それは申し上げるまでもなく、道路の整備をするために、今日までの政府が熟慮があると申しながら、具体的には、いわゆる予算の面においてはそれが少しも現われておらないから、国会の意思によって道路の財源を決定し、そうして日本のきわめて不備な道路の整備をしなければならない、そういう意味合いにおいて、道路に非常に関係のありますいわゆる揮発油税をこの方面の財源に充てて、計画的に道路の整備をしなければならないという趣旨の法律を作っておる。この法律と今度出されました地方道路税法案、あるいは地方道路譲与税法案、これとの関係をどういうふうに大蔵大臣は考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/7
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008・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 地方道路税の創設によりまして地方に道路に対しての財源を与える——あるいは私ちょっと質問の要旨を取り違えておるかしれませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/8
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009・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 もうおわかりでありましょうということを前提にして私は今申し上げたのであります。おわかりになっておれば、このくらい論争のある揮発油税に関係する三つの法律について——それは、私が話が下手だからおわかりにならないのかもしれないけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/9
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010・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 実は私は耳が悪いものですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/10
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011・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 道路整備費の財源等に関する臨時措置法というものが第十六国会を通過いたしております。それは先ほども申し上げましたように、日本の道路の整備が非常におそいから、日本の産業経済文化の重大基礎になっておるこの道路をすみやかに整備しなければ、産業も経済もこれに制約されてなかなか進みませんので、しかも今日まで、私ども吉田内閣を作っておりましたが、その吉田内閣でさえも、それに対する認識はあると言いながら、実際に予算措置によってこれを推進しようとしないから、そこで国会の意思によって、道路に非常に近接しておるガソリン税、揮発油税、以上のものは必ず道路の財源として予算に計上しなければならない、こういうことをきめております。この臨時措置法と今度政府が提案しております地方道路税法、あるいは地方道路譲与税法、これとの関係をどういうふうに考えておられますかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/11
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012・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 これは私の考えでは、今日地方におきまして道路の新設、整備等が非常に必要であるのでありますが、その財源に非常に困っておる。そこでまず第一に地方に中央の財源を融通しよう。こういう意味合いにおきまし地方道路税、そうして同時に納税する人から見ても目的をはっきりしておく、これがよかろう。こういうような意味合いで毎年ある……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/12
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013・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 このくらい親切に質問してもわからぬですか。今大蔵大臣は、地方の道路を直すのに経費がかかるから、はっきりそういう費用だということで、やれば地方も喜ばれるだろう、こういうお話でありました。そんなことをする前に、先ほども申し上げたように、ちゃんと第十六国会で、揮発油税収入額は必ず予算に計上して、道路以外には使ってはならないという法律があるのです。それを、そういうふうにした方が道路に使えるからよかろうというようなことをおっしゃいますが、そんなことは前にきまっておりますから。先ほど申し上げたように、一体国会の意思を尊重されますかという前提を私は聞いておる。尊重するどころの騒ぎではなくて、行政府は従わなければならないのです。それにかかわらず、今度この二つの法律を作って、あなたの方では一万一千円を一万五千円にされて、そうして四千円に相当する——今年度は月がおくれますから、七十二億円というものを、いわゆる地方譲与税法案を作っておられますが、それと第十六国会に出ました道路に使わなくちゃならぬというこの国会の決定した法律と、どういうふうに考えておられるかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/13
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014・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私どもは、この道路の法律ができたときの一万一千円は今回も残してありまして、法律を守っておる、こういうふうに考えておるわけであります。今回の地方道路税の点については、先ほど申し上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/14
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015・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 時間を制限されておりますから、簡潔にお尋ねしたいと思いますけれども、大蔵大臣は、残念ながらこの法律については御知識が少いようであります。そこで多少長引くことは、国会の審議でありますから、国民の気持を端的に言わなくては、ただ時間で制限されて国政が進むものではないと私は考えております。
そこで今一キロリッター一万一千円は、その当時法律を制定したときの額であるから、臨時措置法には抵触をしないというようなことをおっしゃいましたが、あの法律にはそんなことは書いてございません。なるほどその当時揮発油税は税率一万一千円でありましたけれども、昨年度同じような問題が起りまして、昨年御承知のように二千円の増税をいたした。その当時非常にこれに反対運動があった。ところが、この揮発油に関する道路財源についての臨時措置法を作っておるのは、何も一万一千円の税率による税収入によって日本の道路を整備しようという法律ではないのです。将来できるだけ財源をふやして道路の整備をしなければならないというのが国会の意思であります。それを今まで、現行一万三千円のものを、世間をごまかすような気持かどうか知りませんけれども、この揮発油税の税率を引き下げる必要があると言いながら、一方においては同じ揮発油にかける税金を目をくらますような格好で、これは地方道路税である。揮発油税は引き下げますということを一面に書いておいて、一方においてはさらに四千円の地方道路税を作っておる。そして先ほど申し上げました臨時措置法を免れるような措置をとっておられますが、それで国会の意思を尊重したと大蔵大臣は考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/15
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016・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 あるいは、これは詳しく事務当局から説明をさしていいと思いますが、私の考えでは、あの法律が制定されましたときに、揮発油に関しては、この法律で全部の税をとってしまうというのではないのじゃなかろうかと思っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/16
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017・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 第十六国会で、先ほどくどいように申し上げましたが、いわゆる道路財源に関する臨時措置法を作りましたときに、その後昨年の予算編成に当って、この国会で決定いたしましたいわゆる臨時措置法なるものの骨を抜かんとして、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律というものができておるのです。これはもうすでに廃案になりましたが、この法律を作るときに——昭和三十九年度の揮発油譲与税法なんです。これが、先ほど申し上げました臨時措置法の揮発油税の一部を地方の財政計画の中に入れようという法律であります。この法律を政府が提案いたしましたときに、これは先ほど来くどく申し上げております揮発油税に関する、いわゆる道路財源に関する臨時措置法の精神に抵触するから、そういうことはまかりならぬということで非常に論争が戦わされて、そうして、そういうことは将来一切しないということになっておる。教えて上げます。そのときに大蔵省と地方自治庁と建設省の三省の政務次官が申し合せをいたしました。今年度は一万一千円から二千円ふやして一万三千円にしましたから、その全体の三分の一、これは七十九億円でありますが、そのまた七十九億円のうち四十八億円、これはまさにこの法律の一万一千円ということに抵触するから、あとの増税分二千円、これは三十一億でありますが、それだけを何とか地方にまかしてくれということで折り合いがつきましたが、そのときにちゃんと申し合せができて、この揮発油税に関する道路財源に関する臨時措置法には絶対抵触をしないようにいたしまして、これは昭和二十九年度限りにいたしますから、昭和三十年度以降には別のことを考える、それでこの国会を通してくれということで通っているのが、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律というものであります。これは三月三十一日で切れました。そういうことになっておるのですが、ここで私がうそを言うように思われては大へんでありますから、速記録を読んで上げましょう。昭和二十九年三月二十九日の建設委員会における速記録であります。それを全部は読みませんが、その当時の改進党の村瀬委員の質問に対して、植木大蔵政務次官の答弁は「以上の措置を実施する結果生ずべき昭和三十年度以降の地方財政の欠陥を是正するため、三十年度以降交付税特別会計に繰入るべき所得税、法人税、酒税の割合につき揮発油譲与税相当額を交付税として計上するものとしてその率を決定する等何らかの措置を講ずるものとすること。」これが三省申し合せの第六項であります。こういうふうにしたのは、地方財政のことを考えなくちゃならないからということでありますので、それはわれわれも考えております。もしこれを昭和二十九年度限りとすれば、揮発油税はふえますが、道路財源がふえると、地方のその負担分をどうするかという問題が出て来るから、昭和三十年度の分までわれわれは心配した。それについては、ただいま申し上げましたような申し合せ事項を作っておりますからこれで御了解を願いたいというのが政府の答弁であります。それからもう一つ、次にもう一度念を押しまして、私の質問の二項に、「三十年度においては、いわゆる揮発油譲与税というものは地方財政の方には全然考えないで、穴があくところは今の申合せ事項の御説明の通りに、ほかの方で考えるということに確認してよろしゅうございますね。」という、これは私の問いであります。それに対して植木大蔵政務次官は「先ほど答弁いたしましたときにも、財政全体の都合がおおむね今日の情勢で参ります場合には、ぜひともこれで行きたい、こういう考えを持っております、こう申しておりますので、やはり財政当局といたしましては、財政全体がどういうかっこうになるか、あるいは今後の日本の経済状況がどうなるかということは、これはどうしても一つの大前提に置かざるを得ない。しかし、その大前提のもとに極力われわれは申し合せたところを忠実に実行しよう、こうした方針でおるのであります。道路整備の問題につきましては、それこそ従来のような皆さんの御熱心な御意見等があることは承知しております。極力その御意見に従って今後とも善処して参りたい、こういう意味で今申しましたような第六項の申合せもできておる次第でございます。それによって御了承を願いたいと思います。」たくさんありますけれども、部分だけを大臣にちょっと御説明をして、大臣が御了解になっておりませんから……(「そんなことをしていると時間がなくなるよ」と呼ぶ者あり)先ほど断わってあります。
そこで、この二十九年度の揮発油譲与税法案を通過させますときに、こういうことになっておる。その当時の自由党の委員のこれに賛成する討論の一部に、「なお当委員会におきまして本法案審議の過程において、大蔵大臣及び建設大臣、地方自治庁長官その他関係政府委員諸君の言明の通り、昭和三十年度以後は、道路整備費の財源等に関する法律の趣旨、すなわち両院の院議が、いかなる状態にあっても、最優先的に尊重せられるということを前提として、賛成の意見を申し上げるわけであります」。これが自由党の田中委員の賛成討論であります。その次に立ちましたその当時の改進党の赤澤委員のこれは賛成討論でありますが、一部を読み上げます。「この法律の立法の趣旨に関しましては、今田中委員からも発言がありましたが、今回この一部改正措置を、われわれは遺憾ながらのまざるを得なかった、国の一兆円予算の現在の経済時局のもとにおける重大性にかんがみまして、私どもは譲歩をいたしたのでありますが、ただいまも述べられましたように、私どもはこのガソリン税が全面的に道路の五箇年計画に沿うて使用されるということを期待いたしておりますし、また国民全部が期待をいたしておるところでございます。従いまして、この改正の、いわゆる二十九年度の三分の一のうち、四十八億は、もちろん五箇年計画に沿うた線において使われなければなりませんし、残余の金額も、やはり道路補修、なおひいては五箇年計画を達成する意味において使われるということを私どもは期待をいたしております。なお三十年度以降におきまして、今まで自治庁の長官その他の意向をただしたのでございますけれども、いささか御答弁に明確を欠いておる点があるように私は考えます。この点についても、三十年以降は、ガソリン税が余すところなく、完全に道路整備五箇年計画に沿うて使われるべきものであると確信もいたしますし、またその意味において私は今回の一部修正に賛意を表するものであります。」これは今政府を構成いたしております、その当時の改進党の代表の賛成討論であります。さらにまた社会党左派の討論でありますが、これは三鍋委員が最後に「二十九年度に限る臨時措置法としてであるということを確認いたしまして、これに賛成の討論をする次第であります。」さらに当時左派でありましたが、今は社会党右派の代表細野委員は「この道路整備費の財源等に関する臨時措置法は、御存じの通り昨年議員の提案で発案をせられ、しかも両院においてだれ一人の反対もなく、満場一致をもって成立した法案であります。いわばこの法案は、国民の総意によってでき上った法律といわなければなりません。しかるに何ぞや、そういう国定の総意でできました法律を一回も実施することなく、ただちに最初の年度から改正するなどとは、もってのほかであります。」「私はかような国会軽視の法案に対しましては、反対せざるを得ない」ということで、社会党右派の代表は反対をされ、こういうふうないきさつになって今日に及んでおるのであります。しかも現行一万三千円の税率を引き下げる必要があるということで二万一千円にされて、今度この二つの法案を出しておられるというこの問題について、国会軽視というか、先ほど私が前提に聞きましたのは、尊重される意思がどこに一体現われておるかということで、今の経緯を前提として、大蔵大臣の御答弁を願っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/17
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018・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えします。ただいまいろいろとお教えをいただきました。よくわかりましたが、私どもは、一万一千円は依然として中央道路に残しておきたい。これは昨年二十九年度限りの問題、三十年度につきましては、何さま地方に財源がありませんので、それであらためて御審議を願って、地方道路税として地方に財源を与えたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/18
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019・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 そういうことはしないことを、昨年三省の申し合せによってやっておるということは、私が教えなければ大臣は御存じないからと思って、こう長々とその内容を申し上げたのであります。しかもその内容の一部なんです。そういうことは国会の意思に反するから、しかも道路整備は急務であるから、三十年度以降はそういうことをしませんということを国会に明言している。それならばこの法律を承認しようという経過を今申し上げたのは、それがためなんです。そういうことを今大臣はおっしゃいますけれども、あなたは、国会の意思を尊重するとさっきおっしゃったから、私はこういうことを尋ねておる。そういう今の大臣のお話であれば、そんなものは、その時の都合で何とでも言っておきさえすれば、国会をただその場その場で言い負かしておればそれでいいのだという考え方のように私には受け取れるのです。もちろんあなたは、その当時大蔵大臣でありませんけれども、政府がかわればそれでいいというものじゃありません。国会の意思は、そのときの国会だけの意思じゃありません。一ペん法律がきまれば、法律が廃止されるまでは国民の総意としてそれは生きておるのです。それに対してどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/19
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020・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 決して、そのときに言っておけばあとはどうでもいいというような考えではむろんありません。ただ、地方の道路の財源としてどうしてもガソリン税をしなくてはどうにもならないという状況から、新しく御審議を願う、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/20
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021・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 地方の財源を考えなければどうにもならないというのは、大蔵大臣ばかりでなくて、少くとも政治に関係しておる者は全部考えております。考えておるからこそ、昭和二十九年度にそういう法律を作るときに、昭和三十年度はどうするんだということをわざわざ念を押して、昭和三十年度においては——もう繰り返しませんが、先ほど申し上げたように、かくかくかようなもので別途考慮をいたしますから、こういう方法はことしだけにいたしますと言いながら、昭和三十年度はさらにそれを増税して、四千円という処置をとったのは、国会の意思とどういうふうにマッチしておるのですかということを私は申し上げておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/21
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022・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 今の交付税でめんどうを見ますという問題につきましては、昨年度において交付税の率を変えます際に、その問題を取り上げまして、そうして本年度以降についての交付税で——去年譲与税金全体で七十九億地方にいくことになっておりまして、その中で道路五カ年計画の問題と結びつきまして、一万一千円の分は、少くともこれは道路五カ年計画の分に相当するものとして確保しなければならぬ。そこで昨年におきましては、その中の四十八億、これは地方団体に一応渡すけれども、建設省の方でもって一応その使途については厳重なる監督というか、指示をする、こういうお話になっておりました。そして残りの二千円の増税分が三十一億、この分については地方道路財源、これが昨年の姿でございます。本年以後の交付税につきましては、その四十八億の中で十億は起債で見まして、三十八億の分について交付税の計算の基礎に入れております。従いまして、一応考えました一つの線は、一万一千円、法律ができました当時のこの趣旨は、これはどこまでも尊重していこう。同時に二千円の増税分につきましては、これはいろいろ御議論はあるかと思いますが、われわれの考えましたところは、地方財源としてこれを確保する意味で二千円上げた、こういったような考え方がございますので、本年の提案におきまして、いろいろ御検討しました結果、道路整備五カ年計画の法律ができましたときの一万一千円、これを昨年の譲与税におきましては繰り込むような格好になっております。この点は、これはやはり尊重すべきものとして一万一千円を確保する。同時に二千円の分、これは地方財源として、これが引き上げになったときの経過はいろいろございますが、これを地方財源に確保することは、国会の意思を尊重しないということにならないであろう、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/22
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023・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 そういうことは、昨年二十九年度の揮発税譲与税を作るときの議論であります。そういうことは将来いたしません。昭和三十年度はそういうことはいたしませんので、先ほどくどく読み上げてやったように、信頼をしてやったのに、ことしまたやられるというのは、どういうわけかということなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/23
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024・原純夫
○原政府委員 一昨年ああいう法案をお願いいたしまして、いろいろおとがめをいただいて、おっしゃるような申し合せを申しますか、結末にいたしたことは確かでございますが、その際、この問題がもう将来に対して全然ないかどうかという点につきましては、審議の経過を通して、財政の苦しさと、目的税の苦しさ、財政の中における窮屈さということをわれわれ財政をやる方は味わっておる。同時に道路についての御要望がある。この辺が将来にわたって全然問題なしであったかどうかということになりますと、なかなか心配しながらそういう点を申し上げておったわけであります。それで、昨年ああいうことをお願いいたしましたのも、一兆円予算で日本の経済をまかなわなければならないということを申し上げて、お願いしたわけですが、本甲に及んで、もう一年地固めしなければならない。また、それでも最近は国際収支が悪いというようなことで、財政全般が非常に苦しいということから、財源が非常に豊富であり、財政のワクに余裕がありますれば、できる限り道路の方にももっとよけい回したいというような気もあるわけでありますが、何分そういうような苦しさのために、ただいま申しました通り、やはり問題が全然研究もする余地がないというふうには考えておりませんでしたので、そこに加えてこういう苦しさが加わってきたということから、今回のような措置をお願いするということで、そういたしましても、結論として財政から出ます金は、御承知の通り累年非常に飛躍的に道路につぎ込む、その気持は十分貫いてやっておりますので、——数字は瀬戸山先生御存じでありますから申し上げませんが、財政の中では驚くべきほど飛躍的にふえてきておるわけでありますので、諸般の点を考えて、この辺でお願いしたいというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/24
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025・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私はここで数字のことを論争するのじゃありません。私どもは国会の威信を問うておるのです。先ほどからくどいように、速記録まで持ってきてやっておるのは、またここでとやかく言われて、その場を言いのがれさえすれば事は済むのだというふうな考え方が、今日まで国会でしばしば行われております。そういうことのないように、私どもは昨年長い間論争をしてやってきておるのでありますから……。(「自由党がやったんだ」と呼ぶ者あり)自由党ばかりではありません。国会全体の意思を無視した措置をとっておる。これは衆参両院一人の反対もなく通っておる法律なんです。それを、そういうことはございませんと昨年申したのですが、さらにこれを繰り返しておる。財政の事情があるということであれば、昨年言うたのは、あれは間違いでありました、今日ここであやまりますから許して下さい、あれはうそを言うつもりじゃなかったけれども、実はこうなったのですから許して下さいと大蔵大臣が言われればまだしも、大蔵大臣がかわったって、大蔵省の考え方は変っておりません。そこまでいかなければ、私ども国会の答弁などというものは信用することができなくなりますから、法案の審議ができなくなります。その場で言いさえすれば私ども国会の審議はいらないことになる。何のために速記録をとっておくかというと、政府の言明にわれわれ信頼する価値があるかどうかというために、速記録をちゃんと保存して、たまにはこれを見るのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/25
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026・松原喜之次
○松原委員長 自治庁税務部長奧野誠亮君。
〔「官僚がやったってだめだよ」「大蔵大臣がやらなければだめですよ」と呼び、その他発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/26
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027・松原喜之次
○松原委員長 大蔵大臣の答弁はあとで求めます。——どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/27
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028・奧野誠亮
○奧野政府委員 先年揮発油譲与税の制度を、設けようといたしましたときに、いろいろもつれましたことは事実でございます。またその善後措置をどうするかということにつきましても、必ずしもそれぞれの人たちの考えておったことが一致していなかっただろうと思います。しかしながら自治庁といたしましては、終始一貫いたしまして、何らかの形で道路財源を地方のために確保したいと考えておったわけでありまして、国会等におきまする御答弁におきましても、昭和三十年度以降についてはさらに別途考究していきたい、こういう考え方を表明しておるわけでありまして、決してこういう考え方をやめるのだということは申し上げていないはずであります。ただ建設省あたりにおかれましては、むしろこういう制度はやめたいという希望を持っておられましたわけでありますし、またそうした意味の発言が出ていることがあるだろうというふうに思います。しかし政府としましては、昭和三十年度以降やめるというような一致した意見の表明はしていないというふうに考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/28
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029・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 事はきわめて重大であります。私ども委員会は、政府の個々別々の考えをその場その場で言われて、それで言いあしらわれているのですが、私が速記録を持ってきたのは、そういう言葉が出やしないかと思ったからです。
そこで、これは三省の政務次官が答えておりますが、植木政府委員の言明をここに言ったのは、ちゃんとカッコをして、先ほど言ったように、第六項のことはこういうようになっておりますからということで、それを了承するということでさっきのように賛成を各派でいたした。それでも了承しないで、社会党右派は反対したということをここにちゃんと明らかにして質問しておる。それで、あのときは言明は各省別々であって、国会はそれでごまかされたんだということになったんでは、私どもはこの審議は簡単にいかないのじゃないですか。内閣総理大臣が各省大臣を集めておいて、これは全部の異存がありません、私が内閣総理大臣でありますから、決してこれは各省に異存はありませんというところまで確かめなくては、政府の見解というものはわれわれには了解ができないという事態になりますが、それでも大蔵大臣はよろしいとおっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/29
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030・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 いろいろ経緯はありましたことと思いますが、私はいろいろ説明を聞きまして、全然できない、全然余地のないものではないというふうに承知をいたしております。特にそういうふうなところで、今日地方の通路の財源がほんとうに困っておる、そういう事情でありますので、今回提案をいたしまして御審議を願うわけ、であります。どうぞ御了承を得たい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/30
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031・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 先ほど来の政府の答弁を聞いておりますと、国会というものは、その場をうまく答弁をして通ればそれで事は済むのだ、国会などというものは、議論をするけれども、その場をうまくやっていけば、それであとは済むのだという考えが私にはあるように見える。失礼でありますが、私の前ではそういうことは許しません。ただいま読み上げましたのは、単なる速記録ではないのです。これはちゃんと政府の三省の申し合せ事項をカッコをして書き上げておる一項を、ここに御存じなかろうと思って披露いたした。もう一ぺん読み上げます。「以上の措置を実施する結果生ずべき昭和三十年度以降の地方財政の欠陥を是正するため、三十年度以降交付税特別会計に繰入るべき所得税、法人税、酒税の割合につき揮発油譲与税相当額を交付税として計上するものとしてその率を決定する等何らかの措置を講ずるものとすること。」これは申し合せ事項なんです。揮発油譲与税は三十九年度だけお許しを願いますが、昭和三十年度はそういうことはしませんというときの申し合せ事項なんです。それは、政府のだれかはそういうことを考えておったかもしれないけれども、だれかはそういうことを考えておらなかったということを答弁されるにおいては、それでは先ほど申し上げたように、総理大臣が政府を代表してここでおっしゃる以外は信用できないということになったら、国会の審議は進まなくなる。それでよろしゅうございますかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/31
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032・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えいたします。決して国会、委員会の御意思を尊重しない、あるいはまたそのとき単におざなりの答弁をして過ごせばいい、そういうことは考えてもおらないし、またそうあるべきものでもございません。そういう点はお説の通りであります。今その申し合せをお読み下ったのを聞きまして、非常にこれは大へんな——私おわびいたします。はなはだいろいろむずかしい経緯があったことはよくわかりますが、先ほど申しましたように、何さまこの道路税がないと地方の道ができませんものですから、悪いところは私すなおにおあやまりしてもよろゅしうございます。そういうふうな実情にあるのであります。どうぞ一つ御審議をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/32
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033・松原喜之次
○松原委員長 瀬戸山君に申し上げますが、もう時間も倍以上たっておりますので、簡潔に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/33
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034・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 わからないで委員会を過ごすということは、私は承知しない。
〔「委員長、議事進行、議事進行」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/34
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035・松原喜之次
○松原委員長 今質問を許しましたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/35
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036・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 大臣の言われる今の気持はわかる。しかし言明と違った法律をちゃんと出しておる。それでは、そう言明しましたが、諸般の事情でこうなりましたから、今度は許して下さいと大臣おっしゃるのですか。あなたは、国会で言うことは、その場その場限りで言うておるのではない、それはそうあるべきものじゃないとおっしゃるから、そうあるべきものじゃないのが出ておる、それはどうなさるかということを私は聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/36
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037・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 これはいろいろと御意見もありますし、はなはだ困ったことと思いますが、しかし前と事情も異なってきましたので、今度は新しい——そういうような御意思を決して無視するわけではない、そういう御意思は御意思としてほんとうに尊重するのでありますが、国の情勢で事情が変ったから、こういうふうな法律を新しく出さしていただいたから、どうぞ御審議を願いたい、そういうわけであるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/37
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038・松原喜之次
○松原委員長 久野忠治君から議事進行について発言を求められておりますので、この際これを許します。久野忠治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/38
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039・久野忠治
○久野委員 先ほど来同僚、瀬戸山君の質問に対する一萬田大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと、この問題については、大蔵大臣は頭へ入っておらないのではなかろうかという点が多々あろうかと思うのであります。この地方道路税その他の道路に関する法案の事柄について十分認識をして、しかる上において、本委員会において納得のいくような御答弁がありたいと私は思うのであります。さような意味から、本日は一つこの程度にて散会せられんことを動議として提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/39
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040・松原喜之次
○松原委員長 ちょっと速記をとめて御相談いたします。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/40
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041・松原喜之次
○松原委員長 速記を始めて。それでは建設大臣も来られましたから、続行したいと思います。続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/41
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042・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私はこれ以上質問はいたしませんが、国会の意思を無視するようなことを——たとえば与党の委員の諸君であっても、私はそういうことは国会の権威に関する問題だと思う。それだけを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/42
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043・松原喜之次
○松原委員長 門司亮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/43
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044・門司亮
○門司委員 私は地方行政関係でありますので、特に大蔵大臣に先にお伺いして、それから直接関係を持っておりまする建設大臣にお聞きをしたいと思います。
昨年度の経緯はいろいろ話されましたが、実は昨年われわれが反対をいたしました最も大きな理由は、国の一兆億予算の犠牲になって地方の財政計画が立てられておる。少くとも国がひもつきの四十八億を地方に出しておいて、それがやはり地方財政の計画の中にちゃんと入れられておる。こういう国の一兆億予算の犠牲に地方財政がされたのでは、地方財政というものは完全に行えない、われわれはこういう意味から反対したのであります。ところがことしの案を見ますると、それが消されて、単独の案になって出てきて、ひもがついておらない。しかも自治庁長官の説明を聞いてみますと、この法律は恒久的に設置するものだということがちゃんと書かれておる。
従って私は、ここで大蔵大臣に聞いておきたいと思いますことは、この税を創設されまするところの御意思は、去年、二十九年度限りの法律をお出しになったときのお考えと全然別個の立場に立ってお考えになったかどうかということであります。これは非常に抽象的であって、お答えにくいとは思いますが、しかし国がこういう案を立ててくる以上は、地方財政というものに対して十分認識があって、地方に道路費がこれだけいるんだという建前の上に立って出されておるのか、ただ一兆円予算にこれを詰めなければならないので、去年同様にしたいのだが、去年同様ではまた文句が起るから、一応こういう形で出すのだという大蔵省のお考えがあったのか、これを聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/44
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045・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私は、地方財源を確立するといいますか、地方の財源を充実させるためにこの地方道路税を創設したい、その意味におきまして、昨年とは違うというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/45
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046・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 分科会に出ておりまして、大へん失礼をいたしましたが、今の門司委員の御質問に対して、建設省の立場を一言御答弁申し上げたいと思いますが、私の参る前に関連した問題もあったようでありますから、一応経過的に少し申し上げますと、昨年今門司委員のお話のように、三分の一を地方に移す問題について国会に論議が起りまして、増税の三十一億は地方に財源としてやるが、四十八億は五カ年計画の当然のものだから、使い方は道路の計画に使えということの結末になりまして、予算と法律の建前とが非常に混淆といいますか、非常に複雑な制度になりまして、これは重ねてやるべきことではないから、二十九年度限りで打ち切れというのが国会の御意思であったと思います。そこで今回われわれも大蔵省の考え方も、その国会の御意思をもとにしまして、三十年度は新たなる構想で出発をする、その新たなる構想で出発する場合におきまして、昨年一万二千円の三分の一というものを地方へ移しましたが、その実内容は二千円分、すなわち三十一億分だけを地方に譲与をするという、中身はそういう形でありますから、これは逆に換算いたしますと、ちょうど政府の方で使います分というものは一万一千円に当りまして、地方に譲与した分は増税分の二千円に当りますから、そこでいろいろ大蔵省とも話し合いまして、われわれば今年度予算の編成に当りましては、昨年度の基礎を原則として立てました。すなわち一万一千円をはっきりとガソリン税といたしまして、道路五カ年計画の整備財源に充てる、他のものは地方道路税として、大蔵大臣のお話の通り、新たなる立場に立って考える、こういうことになったわけであります。同時に今門司委員のお話の通り、道路行政をやっていく場合におきまして、われわれは、ことに私は窮迫した地方財政の現状というものを考えますと、昨年の計画のままで五カ年計画を延ばしていきますと、本年度から新たに百億の地方財政負担を増加いたさなければならぬ計画になりますので、これはすみやかに道路を伸ばしたいという立場から考えれば、その計画を強行いたしたいのでありますけれども、しかしそのまま押しつけていけば、一方においてこれを消化することがなかなか困難な事態に逢着をいたしますから、地方財政が根本的に改められて、安定をすることを望みますから、それまでの間といたしまして、今年はむしろこの際地方の負担をできるだけ軽くして、しかも五カ年計画をくずさないように、計画を早く遂行したいという考えのもとに、今回は直轄及び府県その他の道路全般に通じまして、地方の補助率をみな引き上げまして、これで約六十億近くになると思いますが、全部補助率を引き上げまして、地方の負担を軽減する反面、今お願いをいたしておるように七十二億の地方道路税をお願いをして、これで増加する地方の道路の負担というものの緩和をできるだけ願って、もちろん負担をしていただく人にはお気の毒でありますけれども、これによって、道路計画をしました五カ年計画をすみやかに実行いたしまして、国民なり、また道路利用者の御期待に沿いたいという考えで立てましたのが今回の道路計画であり、またガソリン税に対する考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/46
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047・門司亮
○門司委員 そうだといたしますと、この譲与税の去年の建前から参りますと、結局今度配付されようとする、いわゆる譲与されようとする額は、国の考えております道路整備五カ年計画とは関係がないと考えてさしつかえございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/47
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048・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 これはものの表と裏でありますから、無関係とは申しませんけれども、一万一千円の計画でもって五カ年計画を進めていくつもりであります。今申すように、地方負担を軽減いたします等のためには、若干苦しくなります。そこで今回臨時措置法の改正をお願いいたしましたのは、先般来だいぶ御議論になっておりますガソリン税の実収入と予算の収入との間の食い違いが明らかにあります。この点が臨時措置法におきましては明確になっておりませんので、そこで、これは大蔵省の収入財源となってもいたし方なかったとわれわれは考えまして、今回はこの点を大蔵省とはっきり話し合いをいたしまして、決算においてはっきりと、予算との差額の収入を一般決算の原則に従いまして翌々年度の道路整備費財源に充当する。しかも一般決算と異なって、半額でなしに、全額を翌々年度の道路整備費財源に充当するということの立法措置を明確に政府でいたしまして、これは議員提案の法難でありましたけれども、政府から進んでその改正をお願いいたしておるようなわけでありますから、これらのものを全部細大漏らさず、一万一千円を収入財源といたしますならば、五カ年計画の当初の計画はやり得ると考えておりますから、今お話の七十二億の地方道路税は、直接の五カ年計画の財源ではありませんけれども、しかしこの裏打ちをなすものとして、地方道路の財源であることには間違いないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/48
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049・門司亮
○門司委員 その点は非常にあいまいなんです。地方財政の建前からいうと、私はもう少し聞いておかなければならぬと思いますが、今の御答弁では何か裏に含まれておるようであります。それを裏書きするものに、自治庁長官の説明書の中にそういうことがはっきり書いてあります。この使用の大体の目的と思われるところでありますが、こういうふうに書いております。「地方道路譲与税は、道路に関する費用に充てなければなりませんが、道路に関する費用である限り、特にその範囲を限定するのではありませんので、道路整備五カ年計画の対象になっておるかどうかにかかわらず、広く道路事業に充てることができるものとしたのであります。」従って、これはちょうど今大臣のお話になったところを十分に触れられたような気がするわけであります。
そこで、私はもう一つ聞いておきたい。こういう大臣の説明がされておりますと、去年は行きがかり上四十八億だけはひもつきにしたが、ことしまたひもつきにするということになると工合が悪いから、ここでさっき申し上げましたように、一応案は全額そっちにやるが、しかしその使用の目的の中にはこれも含まれておるのだ。私はどうしてもこういうふうにとれるのです。そうなって参りますと、当然国が道路整備五カ年計画で支出すべきものである部分を、こういう財源を与えたから、これに少しお手伝いをせよということが当然出てくる。そういたしますと、去年の譲与税とそう趣旨が変らぬようなものが現実的には出てきはしないかと考える。私は、これであってはならないと思うから重ねてお聞きをいたしますが、五カ年計画については、今の大臣のお話のように、関係するようなしないようなことで、私どもはこれを直ちに受け入れるわけに参らぬと思いますが、その点をもう一ぺんはっきりしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/49
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050・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私の申しておることは、ちっともあいまいにぼかしておらぬつもりであります。というのは、地方道路税は、道路の費用に充てるという以上は、一方において、五カ年計画で政府の出します費用に地方の相当の負担金も要るわけでありますから、そういう財源にこれが充てられる場合に、拒否する意味合いにはならぬと思います。従って、五カ年計画のうらはらのものであるということを申し上げるのは、その意味であります。道路は、御承知の通り五カ年計画の道路だけではないのでありますから、その他の道路、また政府の金で手の行き届かない道路の補修等の費用が地方費負担において行われておりますから、その道路全体の財源としてこの地方道路税が充てられるわけでありますから、私は決して不明確には考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/50
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051・門司亮
○門司委員 大臣は不明確でないとおっしゃっておりますが、現実の問題としてわれわれが心配いたしますのは、去年は、これがひもがついておってもついていなくても七十九億であります。これに昨年度の税の増収の五十億の三分の一を加えて参りますと、十七億加わることになります。こういうことになりますが、ことしの場合には、それが全額こちらで出したような形になっておりますが、実質的の問題としては、なかなか地方の財政は非常に苦しいのでありますから、財源があれば、道路五カ年整備に使われまする費用、いわゆる国の計画以外に、具体的に申し上げますると地方では使いたい金がたくさんあると思う。従って、もし地方の団体に道路五カ年整備計画というものを国が押しつけて参りましても、それに充てる財源がない、ほかに使ってしまった。これは私少し言い過ぎるかもしれませんけれども、そういう事態が地方に起らないとは限らないと思います。そういう場合は、やはりそれだけ国の方の計画を縮められるお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/51
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052・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私は、御質問の趣旨はよくわかるような気もいたしますが、お話の中に、地方道路税財源を他に使ってしまった場合というお話がありますが、それは明確に、地方道路税の財源は道路に使うということが明記されておる以上は、道路財源になるものと理解をいたしております。しかし五カ年計画の政府の計画に、これを昨年の四十八億に当るように割り当てるという考えは毛頭持っておりません。むしろ性格ははっきりと、昨年の三十一億の分に当るものと私は考えております。そこで四十八億と三十一億を一つの予算にして、法律で仕訳をしたという混乱をことしはやめるために、四十八億はガソリン税の方へ本来の本筋に戻して、三十一億に当る分を、若干増税をして地方道路税にいたしたというふうにわれわれは考えておりますが、道路以外の財源になるということについては、私はちょっと理解をいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/52
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053・門司亮
○門司委員 誤解もあるようでありまするが、今の大臣の御答弁をそのまま私は受け取って、そうして、現実の地方の財政は非常に苦しいのでありまして、なかなかいろいろなやりくりをいたしておりまするので苦しいが、そのことは一応大臣の意見を聞いておくといたしまして、今私がさらに開いておかなければならぬと思いますことは、政府の指定いたしておりまする整備五カ年計画というものが一応あります。ところが都道府県の県道、あるいは五大市が維持管理する道路というようなことになって参りますと、それらも、当然この法律にきめられておる事業をたくさん持っておりますので、道路をほんとうに整備しようとすれば、これを目的税として七十二億ばかりもらったところで、これでは道路の整備が実際できないと思います。たとえば県道だけにいたしましても、あるいは国道がこれに含まれておりまするが、そうなって参りますると、いずれにしても財源が少いために、政府の予期したような五カ年計画の整備に、政府がおやりになろうとするところの道路以外の財源に使われて、なかなか回りにくいのではないかというような感じがするわけであります。そういう場合に、国は、これは五カ年計画だから、どうしてもこれだけをお前の方で出せということになって参りますと、去年と同じような結果が出てくると思う。去年も、四十数億よけいやったから、それでいいじゃないかというふうに御答弁になるかもしれませんが、しかし、それは実質的の地方財源のふくれにはならないと思うから、その点を念を押してお聞きいたしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/53
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054・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 重ねて申し上げますが、私も、地方財政の現状はずいぶん理解して今回も処置をいたしたつもりで、先ほど申すように、補助率を引き上げまして、約六十億、地方財政の当然と言っては怒られるかもしれませんが、計画上は負担することになっておりますものを今回は軽減をいたし、そのほかに七十二億の地方道路税と合せて、約百三十億の財源を道路の財源として今年度考えていただいておると思っております。そこでお話の通り、道路は五カ年計画だけの道じゃありません。われわれとしては、五カ年計画の裏打ちは、今回の補助率の引き上げ等を伴いまして、昨年の実績から見てやっていただけるものと確信を持っておるし、なお七十二億の地方道路税財源等をもって、お話の通り、その他の道路の補修その他に使っていただけるもの、また法律もそのことを期待しておるものと理解してやって参るつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/54
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055・門司亮
○門司委員 もう一点だけ聞きますが、今大臣のお話のように聞いて参りますと、道路整備五カ年計画というものとこの税金というものとの関連は、常識的に見た場合、当然国の行うべき仕事がくれば、それに相当額地方が出さなければならぬ。それに当然使わるべきものである。従って国の計画は計画通り進められるというふうに解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/55
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056・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 それは、今秋事実上常識的に考えて、五カ年計画は、それだけの配慮をいたして参るとすれば、国の計画には地方も協力してやっていただけるものと考えております。これは個々の問題でありますから、どうしてもそれが負担できない地方が起れば、その際考えなければならぬ。全般的には昨年もできた、今年は困難であるから、百三十億は別個に考えるということから考えれば、道路に関する限りは、一番地方財政のことを私としては考えたのであります。実は事務当局は、私の補助率の引き上げには反対だったのでありますけれども、この点は大蔵省に特に頼んで、これでなければ、今希望される道路五カ年計画の遂行はできないということでいたしたつもりでありますから、まあ一つ地方行政委員会も、そういうお気持で御協力願うことを懇請いたすわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/56
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057・松原喜之次
○松原委員長 山口丈太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/57
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058・山口丈太郎
○山口(丈)委員 私は、大臣が見えておるようでありますから、まず大蔵大臣に運輸委員の立場からお尋ねいたしたいと思います。
まず政府の物価政策というか、全体の経済政策は、やはり本年は昨年と同じように、デフレ経済政策をそのまま踏襲していく方針を立てられておるようであります。そこで、税の徴収方法というものが非常に大きく経済に対して影響を持ちますことは、説明を申し上げるまでもありません。ところが見ておりますと、その物価に影響しない面で、最も取りやすい点で、どういうところの税を増徴すればよいかということで非常に苦心をされたのではないか。そこで幸い見つかったのがこのガソリン税で、ここにしわ寄せしてきた。それでは政府のとられておるデフレ政策とは、反対の現象になるのではないか。ガソリン税だけを、一万三千円から表面上は一万一千円に引き下げておいて、しかも一万五千円まで大幅に増徴する。こういうことは、根本的な政府の物価政策から見て相反したことではないか、このガソリン税だけに大きな犠牲を払わしておるのではないか、これらについて、大蔵省はどういう見解でこのような大幅増徴を計画されたのか、その経過と所見を大蔵大臣から伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/58
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059・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 政府がこの低物価政策と申しますか、これも程度がありますが、なるべく物価が下る政策をとっておりますことは御承知の通りであります。従いまして、そういう際に税金を増徴するということが、一応矛盾することでありますことも私は率直に認めなければならぬと思います。ただそういう場合に、具体的の事柄として、最もそういう影響のない、たとえば今ガソリン税と、こういうふうに申されましたが、増徴しても、比較的に物価の上昇に影響のないものを選ぶということは、これは物価政策の見地からいえば、当然なことでなかろうかと思うのであります。私どもの考えでは、このガソリン税の増徴によって、特に自動車等の運賃の引き上げを招来しても、これは、何といっても道路が悪くて、これによる自動車等の損傷、あるいは事故等を考えると、道がよくなるということが一番いいのじゃないかと私は思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/59
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060・山口丈太郎
○山口(丈)委員 私が今大蔵大臣にお尋ねいたしましたのは、最後に申された、多少税金を上げても、道をよくすればいいのではないかという見地に立ったというようなことでありますが、しかしそれでは、先ほども質問があったようでありますが、きわめて限られた人々の犠牲ということになりますし、今日自動車運送事業等陸上の諸運送事業の実態は、ほとんどがその基盤を中小企業に置いておるのであります。そういたしますと、実は中小企業が、このガソリン税の大幅増徴のために非常な犠牲を払わされるということになるわけであります。しかも一面からいいますと、この税金は最も徴収しやすい税金でありまして、何ら苦痛の伴わないものであります。今までの政府の方針を見ておりますと、徴収しにくいものは地方の方にまかしておる、しかし徴収の簡単な、そして徴収率のいいものは国の方にどんどん取り上げてこれを管掌する。そのために、方においては地方自治体は非常な迷惑をしておる。地方自治体の赤字の原因はそこにもある。また中小企業が苦しみます原因も、このように中小企業の実態をわきまえないで、ただそういうような机上的計画でうまくやろうということだけを目当てにして、いわば苦労なしに取り上げられるものは取り上げる。こういうことを続けられる限りにおいては、それ自体地方自治体も救われないし、また中小企業においてもますますその経営を苦しくすることになる。従ってそれに従事するすべての人人は、非常に大きな苦痛を国家からしょわされるという結果になる。そして一方においては、大きな資本を持ち、大きな経常をしておるもの、あるいは徴税技術上困難を感ずるものが大きな利益を得るという矛盾を生ずると思うのでありますが、これらの矛盾を是正するためにはどういうお考えをもっておられるか、大蔵大臣と自治庁長官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/60
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061・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 今御注意がありました点は、特に公平をもととします税のことでありますから、十分考慮してあると確信しておるのであります。これは税の立て方とか、あるいはまた技術的な面もありますので、主税局長から答弁をさせた方がよかろうと思います。
なお今いろいろと御注意のあった点は、今後一そう研究を重ねて、御趣旨に沿うようにしなくちゃならぬことは申すまでもありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/61
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062・川島正次郎
○川島国務大臣 地方財政の立場から申し上げますと、確実な、しかも取りやすい税が望ましいわけでございます。国税とのにらみ合せもありまして、現行の制度に落ちついているわけでありますが、何か名案があれば、なるべく地方財政に寄与するような税制をいたしたいということは、平生研究もし考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/62
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063・山口丈太郎
○山口(丈)委員 さればお伺いをいたしますが、このガソリン税の増徴に当りまして、今日の業界の実態、陸上運搬全般にわたる実態についても特に御調査をなさったことと思いますが、ただそれだけではなく、ガソリンが消費者に渡る最終販売価格、それと、輸入を主としておるわけでありますが、この販売業者の利益、輸入商社が輸入した原価、あるいは国産原油でありますならば、その原油の精製過程における生産費と販売原価、そしてそれを消費しております消費者の実態等について十分に検討されれば、このような大幅の増徴をして消費者に大きな負担をかけるようなことをしなくても、いま少し考え方があるのではないかというふうにも考えるのでありますが、これらについて、どういう調査をされてこの税金の大幅増徴に対する根拠とせられたか、これをお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/63
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064・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 多少技術的な問題になりますので、私からお答えしたいと思います。輸送業者に対する関係につきましては、先ほど来大臣からいろいろお話になりましたので、あらためて申しませんが、石油の輸入業者、あるいは精製業者がどんな状態であって、そして今度揮発油に対する課税が二千円上りまして、揮発油の小売価格といいますか、市販価格がどういう影響を暴けるだろうかという点につきましては、一応大蔵委員会からいろいろの資料の御要求もありまして、提出してもございますが、ごく概括的に申し上げますと、現在石油の精製業者は相当利益が多いじゃないかということは、かなり高収益を上げておるということは一応言い得ると思います。そこで揮発油に対する課税が二千円上りましたときに、一体揮発油の市販価格がそのままそれに応じて二千円に相当する分だけ上るだろうかという問題が一つあるわけでございます。これは消費税の建前だけから言えば、まあ上るのが当りまえじゃないかということになりますが、現実の問題としてどういうことになるか、この点につきましては、結局その関係の業者の方の御意見を伺う以外には、先の見通しでございますから、はっきり言えないのでございますが、ある方の御意見では、二千円上った場合に、実際にガソリンの値段が上るのは千円くらいじゃないか、石油業者は、現在相当の利潤もあるから、半分ぐらいは負担するのではないか、こういうような御意見もございます。これは、われわれ光の相場の見通しでございますから、何とも申し上げかねますが、昨年の二千円の引き上げが、結果的には——いろいろな原因もあったかと思いますが、あまり大きなガソリンの値上りにはならなかったというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/64
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065・山口丈太郎
○山口(丈)委員 私は、今の事務当局の御答弁は、消費者にとりましてはきわめて不親切な答弁だと考えます。なぜならば、このように大きな負担をしわ寄せせられるような政府の徴税措置をとっておいて、そしてあと、その実質的な負担をしいられる消費者等に対しましては、何らの考慮も払われないで野放しである。こういうところに、私は一面また中小企業いじめの政策がはっきりしておるということが言えると思うのであります。なぜならば、石油業者の資本と陸上小運送の資本形態をお考えになりますとよくわかりますように、ほとんど数社による独占形態をとる石油業者、そして何千という小資本を持って群雄しておる業者がある、その業者相手のものとの資本の運転状況等をよくお考えになれば、どれだけ多くの人間がこの犠牲に供されるかということは、一目瞭然だと考えるのであります。しかるに今の御答弁によりますると、それらの非常に広汎にわたる犠牲者に対して何らの考慮も払われないということは、政策上から申しましては、全くゆゆしい放任正義をとっておられると申さなければなりません。政府は、それらに対してもう少し親切な態度をもってこの税金を考えなければならぬ、こういう点を私は非常に残念に思うのでありますが、今後、道路をよくするという一つの目的はある、しかしその目的のために創設された税金でありますならば、これは他に利用せられることは許されない問題であります。本年度の具体的な政府の資料から見ますと、政府の申されておる見積り額は相当内輪のものであります。毎年ガソリンの需要は増大をいたしております。今年もまた政府の見積り額よりも相当増大をするものと考えております。これらに対して何らの措置もとられておらないという点は——自然増収分はどういうふうに使っていこうとなさるのか、私はこれについては非常な疑いを打つのであります。それはなぜかと申しますと、先ほどからの大蔵大臣の答弁等を勘案いたしまても、これについて大蔵大臣は十分に御存じないようであります。そういたしますと、災害やその他の一切の国の財政の運営上から見た今までの大蔵省の態度を見ますと、はなはだ遺憾ながら、各省を上手に引き受けて、大蔵省の言いなりに、ほとんど牛耳るような状態に置かれておる、こういうようなことが私は言えると思うのであります。その上に君臨しておられる大蔵省の中のいわゆる官僚の人々の計画でありますから、従ってこの自然増収分につきましても、あるいは目的以外に大蔵省のいわゆる財政の中に温存しておいて、建設大臣が先ほどから御答弁になるようなこととあるいは違ったことになるのではないかというふうに私は憂えるのでありますが、これについて十分納得のいく御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/65
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066・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 私から申し上げる方が信用していただけると思いますから申し上げますが、大蔵省は、決してそんなことを考えていないと思いますが、念のために、今実は建設委員会へ臨時措置法の改正法案をお願いをいたしております。重要な点は今御質問の点であります。これは、国会でおきめをいただいた臨時措置法の条文からいいますと、お話の通りに、決算と予算との収入増というものの始末については明確でありません。立法者の意思は、当然道路財源になるべきものだと考えておりますけれども、法律から当然とはなっておりません。そこで今回大蔵省ともよく話しまして、決算の収入増がありましたものは、すべてこれを翌々年度の道路整備の財源に充てるということに法律で明確に改正案をお願いをしております。これは一般決算の建前上、翌年度の財源にすることが困難でありますから、翌々年度の財源にするということにいたしております。先ほど来いろいろ御議論を伺っておりましたが、予算の見積り、ガソリンの収入の見積りを少く見たところで、どうせ翌々年度はこれは道路財源に、われわれの方へ振り向けてくることになるのでありますから、今まではどうであったにいたしましても、二十九年度以降のものは、一文も道路財源以外には出ないということだけは、今回の国会の御決定に従いまして明確になるわけでありますから、どうぞ御了承をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/66
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067・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 ちょっと補足いたしますが、揮発油税の関係は、今建設大臣のおっしゃった通りであります。それから地方道路税が、この法案が通りました場合におきましては、これは特別会計の方へ入りまして、特別会計の方で全部収入になりまして、道路目的に使われますので、一般会計の方へは全然入りません。これもはっきり道路の目的に使われるというふうになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/67
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068・山口丈太郎
○山口(丈)委員 その点は間違いがなければ、私はそれを信用しておきたいと思います。
そこで一つお伺いいたしたいのは、ガソリンの輸入価格と小売価格を調査されたことがあるかどうかをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/68
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069・渡辺喜久造
○渡辺政府委員 その数字は調査してございます。二十九年度の平均価格の数字が今手元にございますが、現在日本の使用しております揮発油は、原油で輸入しました分を国内で精製しましたものと、それから揮発油のままで輸入されましたものがそのまま消費されておるもの、この二つがございます。それで御要求の数字は、どれを申し上げた方がいいのかちょっとはっきりしませんが、揮発油で輸入されましたものの輸入価格が、二十九年の平均価格でございますが、税関統計で一万一千七百四十二円、それから小売価格の方は、税金の入った数字にならざるを得ませんが——今小売価格そのものがちょっと手元にございませんが、卸売価格としまして、いろいろ変動がございますが、最近の三十年の三月が三万二千七百五十円という数字が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/69
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070・山口丈太郎
○山口(丈)委員 今聞きますと、この卸売価格と輸入価格の点を見ましても、相当大きな開きを持ったものでありまして、私はなるほど税制等のいろいろの過程はあるとしても、あまりにもその開きが大きいのではないかと思いますが、そういたしますと、やはり政府としては、さきの答弁では、これだけガソリン税を上げても、市販価格においては、その税を織り込んでも消費者の負担は千円内外ではないかと思われるというような、きわめて軽い気持で答弁をされておるようであります。しかし今までの税の値上りによる諸物資の市販価格は、直ちに消費者にしわ寄せされておるのが普通であります。いわんや、相場と申されますが、国内におけるガソリンの消費は、先ほど私が申しましたように、年々増加をいたしておるのであります。これは今の建設大臣もお認めになった通りであります。そういたしますと、この市販の相場というものが強気になりますことは、間違いがありません。ですから、それだけ大きな負担を消費者にかけるということは、間違いがないことになります。これらについて政府は適切なる措置をとられなければ、一方において道路を修復して、そうして消費資材の損耗を防いで利益にする。しかしそれ以上に大きな業界に対する影響を及ぼすことによって、ますます運送業界が苦しい立場に追い込まれてくる。ですから、ここで何らかの保護措置を講じない限り、私は意味をなさないというふうに考えるわけでありますが、これについて大蔵大臣はどういうお考えをお持ちになりますか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/70
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071・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 御意見は、非常に私もごもっともと思うのでありますが、私どもの調べた、また考えておる限りにおきまして、この程度の増徴によりまして、急にそれが料金の引き上げになる、こういうふうには考えていないわけでありまして、今後そういう点について、なお十分事情を考えてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/71
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072・松原喜之次
○松原委員長 山口君に申し上げますが、時間が経過しておりますし、さらに予算委員会から大蔵大臣の出席をしきりに求められておりますので、どうか簡潔にお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/72
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073・山口丈太郎
○山口(丈)委員 私はまだまだ重要な骨子について質問いたしたいのでありますが、委員長も申されますから、あとにすることにいたしますが、もう一点だけお伺いをいたしたいのは、今大蔵大臣の御答弁によりますと、今日の陸上運送関係については、まことに失礼でありますけれども、大蔵大臣は非常に認識不足のようであります。今日の陸上小運送、ハイヤー、タクシーは言うに及ばず、トラック関係等の陸上小運送の窮状は、これはきわめて憂慮すべきものがあるのであります。そうして業界がそういう憂慮すべき状態にありますことは、それ自体その会社の運営がうまくいかないというだけでは済まないのでありまして、社会的に非常な大きな影響を及ぼすものであります。ただそれは公益性ということで、荷さばきがうまくいくとかいかないとか、あるいは人の運送がうまくいくとかいかないとか、そういう公益性だけではございません。いわゆるその運送事業の運営がうまくいかないといいますことは、それはひいては大きな交通事故を誘発して、その従業者の労働条件等においても自然と無理を生じて参るわけであります。これが今日の交通事故の原因の最たるものでありまして、これは幾ら道路をよくいたしましても、その道路をよくしたということだけで未然に防止できるものではないのであります。これは、今までの過去の事故等をよく御調査になれば、その実績がよくわかると私は思うのであります。こういうような事態にありますときに、何らの業界に対する措置も講じないで、ただいたずらに大幅にガソリン値上げを行い、そうしてそれはただ単に道路を補修するということだけにとどまる、あるいはそれでもってすべての陸上運送の問題が解決せられる、こういうふうにお考えになるならば、政府当局の考え方のまことに認識不足な点を考えざるを得ないのであります。こういう点について各省はどうお考えになるか、私は大蔵大臣、自治庁長官、あるいは建設大臣、その他運輸大臣からも、この点についてどういう見解をお持ちになっておるかをお尋ねいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/73
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074・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 よくわかりましたが、問題は、やはりガソリンの価格が他の価格に比べて、これが今日非常に高いか、あるいはほかに比べてどういう状況にあるか、またガソリンに対する税率が他の税率とどういうふうな関係にあるかといったようなことを勘案をして、そうして税を考えるべきであろう、こういうふうに私は考えておるのであります。特に他より重い税を負担するのでないということで、いろいろと業者において経営上の問題があれば、これはまた別個の点から、救済その他あるいは施策について考えなければならぬだろうというふうに考えておるのでありまして、そういう税の関係については、十分私は公平に、今担税力に合うように、十分事務的にも考慮されておると考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/74
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075・山口丈太郎
○山口(丈)委員 それでは、私は大蔵大臣が他に行かれるそうでありますから、本日はこの程度にしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/75
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076・松原喜之次
○松原委員長 これにて散会いたします。
午後一時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204663X00319550604/76
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