1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十三日(木曜日)
午前十一時四十三分開議
出席委員
委員長 大矢 省三君
理事 池田 清志君 理事 亀山 孝一君
理事 前尾繁三郎君 理事 加賀田 進君
川崎末五郎君 木崎 茂男君
纐纈 彌三君 渡海元三郎君
丹羽 兵助君 青木 正君
熊谷 憲一君 灘尾 弘吉君
吉田 重延君 川村 継義君
北山 愛郎君 中井徳次郎君
西村 彰一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
警 視 長
(警察庁刑事部
長) 中川 董治君
自治政務次官 永田 亮一君
総理府事務官
(自治庁税務部
長) 奧野 誠亮君
委員外の出席者
専 門 員 有松 昇君
専 門 員 長橋 茂男君
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六月二十二日
銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法
律案(内閣提出第八五号)(参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
八四号)
銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法
律案(内閣提出第八五号)(参議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/0
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001・大矢省三
○大矢委員長 これより会議を開きます。
昨二十二日付託されました銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案を議題として、政府当局 より提案理由の説明を聴取いたします。中川政府委員。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/1
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002・中川董治
○中川政府委員 ただいま議題となりました銃砲刀剣類等所持取締令等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げます。
この法律案は、銃砲等の規制その他に関して必要な改正を行おうとするのでありますが、次に、項目ごとに提案の理由を申し述べ、法律案の内容を説明いたしたいと存ずるのであります。
第一に、空気銃の所持につきましては、現在規制を行っていないのでありますが、最近におきましては、これによる事故も多く、この所持について制限を加えることが望ましいとの意見も相当多いのであります。空気銃による事故の状況を調査いたしまするに、傷害等の事案が相当多数発生しているのみならず、致死事件さえ惹起しており、その危険性が少くありませんので、金属性弾丸を発射する機能を有する空気銃につきましては、狩猟用等の装薬銃砲と同様に公安委員会の許可制としたのであります。しかして、銃砲による危害防止を一層徹底するため、狩猟用等の装薬銃砲も含めて、狩猟の場合、業務のため使用する場合、射撃場における射撃の場合を除くほか、おおいをかぶせ、容器に入れる等直ちに発射できないようにして携帯しなければならないこととしたのであります。
なお、空気銃の製造及び販売につきましても、武器等製造法の一部を改正して、猟銃と同様、都道府県知事の許可制といたしたのであります。
第二に、飛び出しナイフは、現在携帯を制限されておりますが、最近これが傷害、恐喝のみならず、強盗殺人等の凶悪事犯に使用される事例が相当見受けられ、不良少年間における悪用の風潮も強くうかがわれ、この傾向は特に都市部に顕著でありますが、漸次農村方面へも蔓延するおそれがありまして、現行法令のみによりましてはこれが弊害除去のための効果を十分に期待できない状況にあるのであります。なお、刃渡り十五センチメートル未満のあいくちも、飛び出しナイフ同様悪用されるものでありますので、右飛び出しナイフ及びあいくちの所持を禁止することといたしたのであります。
第三に、刀剣類は、美術用刀剣としてのみ文化財保護委員会の承認を受けて製作することができるのでありますが、輸出用として製作することも認め、その場合の所持を合法化することといたしたのであります。
第四に、建設用びよう打ち銃等の建設業の用途に供する銃砲につきましては、現在試験研究用として一部用いているのでありますが、実用に供すべき段階に到達いたしましたので、屠殺銃、救命索発射銃等と同様に、公安委員会の許可を受けて所持するこができることといたしたのであります。
第五に、銃砲に関する記録票制度につきましては、手続簡素化のため措置を講ずることとしたのであります。
第六に、銃砲刀剣類等所持取締令、質屋営業法、古物営業法、風俗営業取締法及び道路交通取締法の規定により道公安委員会の権限に属する許可等の事務については、その地域の特殊性と住民の利便の上から方面公安委員会に委任して行わせることが適当なものがありますので、この委任ができるようにいたしたのであります。
以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞすみやかに御審議の上御賛成あらんことをお願い申し上げます。
なお、参議院におきまして、刃渡り五・五センチメートル以下の飛び出しナイフ及びさやと刃体とが直線に固定するための特殊の装置を有するナイフは、所持禁止の対象としないよう、この法律案の一部を修正いたされましたことを申し添えておく次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/2
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003・大矢省三
○大矢委員長 これにて提案理由の説明が終りました。質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/3
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004・大矢省三
○大矢委員長 次に地方税法の一部を改正する法律案を議題として、前日に引続き税目別に審査を行います。本日は自転車荷車税からでございます。質疑の通告はございませんが、どなたかありましたらこれを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/4
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005・中井徳次郎
○中井委員 自転車荷車税につきまして、一、二お尋ねをいたしますが、今度の改正案では、三輪車と申しますか、オート三輪、リヤカーのちょっと大きいようなもの、あれは自転車の中に入るのですか自動車の中に入るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/5
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006・奧野誠亮
○奧野政府委員 ちょっと御趣旨がわかりかねるのでありますが、今お話しのようなものは力の度合いで区分されておりまして、今回規定されておりまするもの以上の力を持っておりまするものであれば自動車の取扱いがされますけれども、それ以下のものでありますと、今度は自転車の取扱いに変って参るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/6
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007・中井徳次郎
○中井委員 お尋ねいたしますのは、二輪車でもってガソリンその他で動くもの——三輪のものもありますね。これは自動車に入るのか自転車に入るのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/7
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008・奧野誠亮
○奧野政府委員 二輪のものでありましても、オートバイのようなもので馬力の強いものは、やはり自動車としての取締りを受けていくわけであります。お話の三輪車につきましても、力によりまして自動車に入るものが相当多いわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/8
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009・中井徳次郎
○中井委員 そうなりますと、この間も陳情がありましたが、だんだん自転車、オートバイ、モーターなどをつけたものにつきましては、数がうんとふえて参っておりますが、それにつきまして市町村の側といたしましても、自動車税ということになりますと府県税でありまするので、小型のものは逐次これを市町村の方へ移行してもらいたい——オートバイとかあるいは三輪車のようなものについては自転車の方に移行してもらいたいというような要望がずいぶんきておるのであります。そういう点については政府は考えられたことがございますか。ただ機械的に動力の強さその他によって判断をなさっておるようでありますが、そういうことも実際問題としてはなかなか問題があろうかと思います。私どもは元来自転車荷車税というものについては反対なんです。総額にいたしまして自転車荷車税は本年度の財政計画でも三十五、六億であったと思います。この程度のものに徴税費が非常にかかる。今度はその意味で徴税の方法について非常にいい案を出されておるようでありまするけれども、いずれにいたしまして全国総体にわたってそうしてどの個所でも金額が少額であるというふうなものは廃止をしてしまえというのが私どもの立場なのでありまするが、それと同時に自動車税のうちの馬力の小さいものは逐次市町村税の万に移行していったらどうだろうか、こういう考え方を持っておるのでありますが、そういう点について政府は研究されたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/9
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010・奧野誠亮
○奧野政府委員 お話しのように自動車なり自転車なりと道路との関係を考えて参りますと、市町村の管理しておりまする道路もずいぶんいためるわけでございますので、市町村の税収入にも相当寄与するということは一つの筋の通ったことだと考えております。ただ昭和二十五年以来、一つの税はなるたけ一つの団体で課税することによって責任の帰属を明確にするとか、税務行政を簡素化していくとかいうような考え方に基いて運営されてきております。その結果、自動車は府県の収入にするし、自転車は市町村の収入にするというふうに区分されてきておるわけであります。自動車の取扱いを受けまするものは車体検査等を陸運事務所において検査をいたしますし、陸連事務所に置かれておりまする台帳に登録されておるわけでございますので、これを県と市町村とで内容によって振り分けて課税するということになりますと、かなり煩瑣になってくるのではないかと思います。幸いにして自動車のうちで相当部分のスクーター等が自動車としての取扱いを受けなくなりましたので、この部分については自然市町村が自転車税として課税していくことになるわけでございます。従いましてこの程度のやり方でいいんじゃないか。おっしゃいますことはよくわかるのでありますけれども、他の意味合いの点も考えあわせまして、やはり今のような運営でやっていきたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/10
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011・中井徳次郎
○中井委員 今ちょっと触れましたが、電動機つきの自転車等につきましては、なるほど私は残しておいていいと思いますが、素朴な自転車とか荷車とかいうものについては、早くこれを廃止すべきものであると考えておりますが、自転車荷車税が地方税の全体に対して持つ比率、できましたらこれらの変遷一覧表のようなものを、私は皆さんに要求したいと思いますが、できますか。自転車荷車税の始まりましたときから毎年でなくても、三年、五年程度でけっこうです。地方税全体との比率が、どういうふうになっておるか。今三千数百億を越えまする地方税のうちで、わずか一パーセントにも満たない自転車荷車税で、全国の町村の徴税費がたいへんであるというような、こういう税金は残しておくべきでない。勤労者の手足でありまするし、中小企業にとっては商売道具である。これはいつも私は申し上げるのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/11
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012・奧野誠亮
○奧野政府委員 お話のように明治の末におきましては、車税というものが税の中でかなり大きな部分を占めておりました。現在におきましては市町村税全体のうちでは二%弱というような姿になっております。固定資産税という税があるわけでございますので、将来有力な税源が見つかりあるいは地方の財政状況が立ち直りますれば、私も法定税目からはずした方がよいではないかという考えを持っております。ただ遺憾ながら現在市町村の財政が非常に窮乏いたしておりますので、そういうような措置をとれる段階に立ち至っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/12
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013・中井徳次郎
○中井委員 比率表を一つ資料としてお願いしたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/13
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014・奧野誠亮
○奧野政府委員 作成して出すようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/14
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015・大矢省三
○大矢委員長 他にありませんか。——ないようでしたら、次にたばこ消費税に移ります。川村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/15
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016・川村継義
○川村(継)委員 たばこ消費税の数字的なことを一、二聞いておきたいと思います。都道府県たばこ消費税の税率は当初は百分の六で出しましたね。それは今は百分の八に修正したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/16
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017・奧野誠亮
○奧野政府委員 都道府県たばこ消費税は当初百分の六で出したのを、お話しのように百分の八に修正させていただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/17
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018・川村継義
○川村(継)委員 そうすると市町村分のやつはもとのまま百分の九、これは修正になっておりませんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/18
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019・奧野誠亮
○奧野政府委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/19
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020・川村継義
○川村(継)委員 私ちょっとここに資料を持ってきてないのですが、これの適用は来年の三月一日以降行われることになっているのですが、現行で都道府県それから市町村別に見た場合に、大体税収はどれくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/20
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021・奧野誠亮
○奧野政府委員 現行制度によりますと、府県分が百三億三千二百万円、市町村分が二百六億六千四百万円、合計いたしまして、三百九億九千六百万円であります。これを今回政府が改正しようとしておりますのが、府県分が百九十億一千百万円、市町村分が二百十三億八千七百万円、合計いたしまして四百三億九千八百万円でありまして、九十四億二百万円の増収ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/21
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022・川村継義
○川村(継)委員 次にもう一つ今のに付随してお尋ねいたしますが、税率が改正されたときの府県分百九十億一千一百万円、市町村分の二百十三億八千七百万円、これは三月一日適用してからですか、あるいは平年度化してからですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/22
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023・奧野誠亮
○奧野政府委員 三十一年度分は平年度と同じ計算になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/23
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024・大矢省三
○大矢委員長 他にありませんか。——なければ、最後のその他の項目に移ります。ございませんか。——質疑がななければ、税項目の審査についてはなおあると思いますから、一応これを終了いたしたこととして御異議ないですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/24
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025・加賀田進
○加賀田委員 大体逐条審議は終ったわけですが、なおいろいろな点で財政問題と関連して、さらに当委員会で本税制改革に対しては質問する点があるかと思いますので、将来ともやはり質問は一応要求された場合にあるということで御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/25
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026・川村継義
○川村(継)委員 警察の方は帰ったようですが、委員長にお願いがあるのです。さっき銃砲刀剣類等所持取締令等の一部改正法案の提案理由の説明がございましたか、これの審査がある場合に、実物を一つ国警当局から見せてもらえるようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/26
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027・大矢省三
○大矢委員長 承知いたしました。なおこの中にはびょう打ち銃というようなものもあるようですから、これも持ってきてもらって見ることにします。
それでは本日はこの程度にいたしまして、次会は公報をもって御通知いたします。これには散会をいたします。
午後零時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X02719550623/27
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