1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月五日(火曜日)
午前十一時四十九分開議
出席委員
委員長 大矢 省三君
理事 池田 清志君 理事 亀山 孝一君
理事 古井 喜實君 理事 鈴木 直人君
理事 前尾繁三郎君 理事 加賀田 進君
川崎末五郎君 木崎 茂男君
纐纈 彌三君 渡海元三郎君
徳田與吉郎君 丹羽 兵助君
長谷川四郎君 青木 正君
灘尾 弘吉君 山崎 巖君
吉田 重延君 川村 継義君
北山 愛郎君 杉山元治郎君
西村 彰一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
自治政務次官 永田 亮一君
総理府事務官
(自治庁税務部
長) 奧野 誠亮君
委員外の出席者
総理府事務官
(自治庁財政部
財政課長) 柴田 護君
専 門 員 長橋 茂男君
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七月五日
委員伊瀬幸太郎君辞任につき、その補欠として
杉山元次郎君が議長の指名で委員に選任された。
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七月四日
地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一四〇号)(予)
同日
地方財政再建促進特別措置法制定反対に関する
請願(床次徳二君外三名紹介)(第三二〇三
号)
クリーニング業に対する事業税軽減に関する請
願(森下國雄君紹介)(第三二〇四号)
同(秋田大助君紹介)(第三二〇五号)
同(阿部五郎君紹介)(第三二〇六号)
地方自治法の一部改正反対に関する請願(關谷
勝利君紹介)(第三二〇七号)
同(星島二郎君外一名紹介)(第三二〇八号)
同(臼井莊一君紹介)(第三二〇九号)
同(秋田大助君紹介)(第三二一〇号)
同(高木松吉君紹介)(第三二一一号)
同(山村新治郎君紹介)(第三二一二号)
同(今松治郎君紹介)(第三二一三号)
同(足鹿覺君紹介)(第三二一四号)
同(中村時雄君紹介)(第三二一五号)
同(横錢重吉君紹介)(第三二一六号)
同(町村金五君紹介)(第三二一七号)
同(川野芳滿君紹介)(第三二一八号)
同(池田清志君紹介)(第三二一九号)
軽油自動車に対する自動車税すえ置きに関する
請願(長谷川保君紹介)(第三二二〇号)
消防施設強化促進法に基く国庫補助金額等に関
する請願(大野伴睦君紹介)(第三二二一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第八〇号)
地方交付税法の一部を改正する法律案(加賀田
進君外十名提出、衆法第八号)
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001・大矢省三
○大矢委員長 これより会議を開きます。
本日は内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案及び議員提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案につき両案を一括して質疑を行います。質疑の通告がありますのでこれを許します。北山愛郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/1
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002・北山愛郎
○北山委員 きょうは時間が中途半端でありますが、せっかく大臣がお見えになっておりますので、簡単に二、三お伺いしたいと思います。
実はこの前の委員会で財政部長の方からお伺いしたのですが、今度の地方財政計画をお作りになり、また予算を作る際に、自治庁としては、交付税については百分の二十五でありますか、そういうことが原案であったというふうなお話を聞いたのであります。御承知のようにわれわれとしては、社会党提案でもって地方交付税法の交付税率を百分の二十二から二十七に引き上げるという提案をしておるのでございます。この提案はすなわち自治庁が当初お考えになったような、地方財政にとっては、やはり交付税率というものを引き上げなければならぬという考え方と軌を一にしておるのだと私どもは確信をいたしております。従ってこの際われわれが提案をいたしております百分の二十七に交付税率を上げるということにつきまして、川島大臣はこれに対して御賛成でございましょうか、一つその点お考えを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/2
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003・川島正次郎
○川島国務大臣 地方財政を建て直しますのには、確実に財源を与えることは絶対に必要だと考えておるのであります。その場合に交付税のみにたよるか、それとも他の方法を湾えるかということについては、今後とも考究する余地があるのじゃないかと私は考えるのでありますが、交付税のみによって三十一年度以降の財政を建て直そうという場合に、一体どのくらい引き上げたらいいかということにつきましては、かりに今社会党から御提案の二七%ということになりますと、大体三百億近くの引き上げになるわけでありまして、その程度のものは必要じゃないかと考えますが、しかし今後の地方財政のために交付税の引き上げ一本でいくのが果して適当かどうかということについては、まだ考究の余地があると思っております。税の方面からも考えるし、また機構改革の方面からも考えなければならぬ、こういうふうにただいまのところ私どもは考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/3
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004・北山愛郎
○北山委員 交付税率の引き上げについては、大体自治庁としても当初この必要を認めて、それでスタートした。それが大蔵当局の賛成が得られないという関係上、現在の百分の二十二そのままの形で今終っておるようでありますが、大臣も交付税でもってやるとすれば、やはりその程度のものは必要だ、こういうふうにお認めのようでございます。しかしお言葉の中に、交付税以外の方法でというお話もございましたので、本年度の政府の地方財政に対する措置というものは、交付税は一つも引き上げない、そうしてそれ以外の積極的な財源措置も多少は行いましたけれど、それはむしろ当然昨年度から本年度にかけて地方財政の財政需要が自然にふえてくるものに対する措置でございまして、特別に地方財政の財源不足というものを根本的に建て直すというための措置ではないようであります。そういうふうな点については、今回政府は何もしておらないというふうに考えられます。そうするとそれ以外の措置というのは、ほとんど節約なりあるいは機構の改革であるとか、そういうことで全部をおやりになるというようなお考えであったか。そろそろ予算も成立をしましたので、この前に長官がお話になったように、地方交付税率の引き上げを今後において努力したい、こういうふうなお話でございましたが、もうその時期ではなかろうか。予算の成立前であれば、これはいろいろな関係もありましょうが、もう予算が成立をいたしましたから、そろそろ長官としては動き出してもいいのではなかろうか、こういうように考えるわけでございますが、やはり先ほどのお話のように、交付税率の引き上げでなく、ほかの方法でもっぱらおやりになるというお考えでございますか、その辺のところを一つお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/4
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005・川島正次郎
○川島国務大臣 地方財政の建て直しには交付税を引き上げることも確かに一つの方法でありますが、私どもそれ以外にも財源的措置なり、あるいは機構の改革なりによって建て直し得る余地があるのじゃないか、こう考えておるのでありまして、ただいまのところただちに交付税一本でもってやるのだ、こうは考えておらぬのであります。しからば一体交付税以外にどういう考えがあるかという御質問が重ねてありますと、実はまだこれをここで申し上げる段階には至っておらぬのでありまして、関係各大臣としきりに私は折衝いたしておるのであります。前々申し上げる通り、地方財政の建て直しはとうてい三十年度限りの措置ではできないのです。三十年度と三十一年度と両年度にわたって、根本的に建て直しを考えよう、こういう方針で初めからやっておるのでありまして、今度御審議願っています地方財政再建促進特別措置法なり、あるいは地方自治法なりの改正で足れりとしておるのでは決してないのでありまして、とりあえず本年におきましては両法案の成立をお願い申し上げまして、引き続いて来たるべき国会におきまして新たなる施策を施して、地方財政の健全化をはかりたい、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/5
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006・北山愛郎
○北山委員 ただいまのお話によると、大臣は交付税率の引き上げ以外に何か財源措置についての腹案がおありのようでございます。大へん耳寄りな話でございますが、しかしわれわれが普通考え得る範囲では、その財源措置というのは交付税率を引き上げるか、あるいはたばこの消費税等の率を引き上げるか、あるいは本年度地方団体が償還をする地方債の元利償還を繰り延べるというような方法しか、どうもわれわれの貧弱なる頭では考え得られないのです。おそらく腹案というものも、そう奇妙きてれつなものではなくて、やはり実現性のあるものということになれば、私どもが考えておることと大した違いはないのじゃないかと思うのです。まだその腹案を腹の中におさめておって、発表の段階でないとは言われますけれども、別段秘密にしておく必要もないではなかろうか、もしもその腹案がおありになるならば、ここで大体こういうような方法であるということぐらいはお話になっても——ならないということは少し水臭いのじゃないかというように考えるのですが、一つ腹案をお示しを願いたい。またそれによってわれわれも研究いたしたいと思いますから、そのお考えを一つお漏らしを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/6
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007・川島正次郎
○川島国務大臣 地方自治の関係は、自治庁だけで決定できないことにいろいろな困難性が伴うのでありまして、ただいまお示しのようないろいろな事柄につきましても、いずれも関係各庁ありまして、そこと十分熟議をいたしませんと、政府の案として申し上げるわけにいかぬのでありまして、政府の案でない、ただ自治庁だけの案とか、川島個人の案をここで申し上げることは今後仕事をしていく上にいろいろ支障を及ぼす点があるのでありまして、申し上げることのできない段階にあるということだけを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/7
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008・北山愛郎
○北山委員 しかし、もしもそうであるならば、何事もおっしゃらない方がいいと思うのです。少くとも担当の大臣として一応の腹案をお持ちであるということを言われた以上は、それはまだ正式な案にはなっておらぬが、自分としてはこういうふうな方向で考えておるということくらい言われなければおかしいと思うのです。また言うべきじゃないかと思うのです。なぜなれば今地方財政に対してはいろいろな対策といいますか、どうかしなければならぬというような大きな問題になっておる。そのときに政府の担当者としては、腹案はございますけれどもということだけを言っておいて、そうして示さないということは、これはやはり不適当じゃないかと思うのです。もちろん各省との関係もございましょうが、もしも関係の各省が反対をした場合においても、国会の方でいい案である、こういうふうに考えました場合には、われわれとしても大いに協力を惜しむものではございませんから、一つ腹案の一端だけでもお話を願った方が、この際いいのではないかと思うのですが、重ねてお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/8
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009・川島正次郎
○川島国務大臣 国としても財源的措置が要る問題であります。非常に影響の多い問題でありますから、私がここで申し上げることだけは一つ避けたい。しかし三十一年度は現在のままでいくとは決して考えておらぬのでございまして、なるべく早い機会に国会において、地方財政の建て直しについては、さらに第二段の施策を施したいということは、政府全体として深く覚悟いたしております。大蔵大臣をお呼び願ってお聞きになりましても、おそらく大蔵大臣は同様な答弁をするだろうと思いますけれども、決して自治庁だけの考えでないのでありまして、鳩山内閣といたしましては三十一年度には根本的に直そうということをきめておるのであります。どういう方法によってということを今日申し上げる段階にないということだけは、一つぜひ御了承願いたいのであります。これ以上申し上げることは、これは話してもなかなかあとで責任の大きなことであります。これは一億や二億の問題ではない、幾百億の問題なのですから、簡単にここで言えといっても、担当大臣としても私は申し上げにくいのでありまして、この辺で一つかんべんしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/9
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010・北山愛郎
○北山委員 大臣は大へんもったいをつけておいでになりますので、いよいよ興味を覚えるわけなんですが、せっかくお隠しになるわけですからこれ以上追及はいたしませんが、こうした情勢に関係をして、最近問題になったこの地方公共団体に対する補助金の問題、いわゆる補助金の執行の適正化に関する法律ですか、それが閣議で保留になった、その際に川島大臣はそのような法案に反対をされて、そうして地方公共団体にこの補助金の使用について罰則等でもって臨むべきでないというような意見を出され、それで閣議が保留になったと聞いております。大へんいいセンスをお持ちであるというふうに敬意を表するのでございますが、私どもも現在の補助金制度をそのままにしておいて、単に地方団体の責任者を、間違ったことをやった場合に処罰をするというようなことで、この補助金の執行が適正になるものだとは考えておらぬのであります。ですから、そう点については今後保留になったということは適当だと思うのですが、それならばどういう方法で補助金の執行についての適正化をやるか、何か別な案がおありだというふうにも聞いておりますので、この際この間の経緯について大臣からお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/10
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011・川島正次郎
○川島国務大臣 大蔵当局が立案した適正化の法律案は、要するに補助金が今日不正に使用されたりあるいは補助金申請のときに、水増し申請をしておるというようなことを厳重に取り締りまして、もし違法のあった公共団体の長に対しては厳罰をもって臨む、こういう案でありますが、私どもが考えますところによりますと、なるほど地方には補助金の不正使用もありますし、また申請の際の水増し申請も確かにあるでありましょうけれども、しかしそうなった原因を探求しますと、補助率なり補助金単価の計算なりが、地方の負担を加重さしておるという点も確かにあるのであります。一面におきまして補助金が非常におくれる、ことに災害復旧のごときは相当多額の金がかかる。いまだ持っていかないで、いわゆる仕越し工事になりまして、地方では資金難に苦しんでいる事実もあるのでありますから、そういう政府の責任に属すべき点をたな上げにしておいて、ただ地方団体だけを責めるのはよろしくない、こう考えてあの案に反対をしたわけであります。私は幸い行政管理庁の長官もいたしておるのでありまして、行政管理庁の事務当局に命じまして、地方団体の補助金の使用について不正不当の点を十分調査すると同時に、さらに掘り下げてその原因まで調査して、国の責任に属すべきものがあるならば、これを明らかにしてもらいたいということを最近命令したわけであります。同時に建設省におきましてはきょうの閣議に要項を提出したのでありますが、今後補助金を適正化するについてのいろいろな考え方を地方庁に通達をするつもりでおりますが、これはただ建設省だけの問題ではなしに、建設省、農林省、文部省、厚生省と、いずれも関連いたすものであります。各省協議の上通牒をしてもらいたいということを私は希望いたしまして、今日の閣議ではそういう措置をとったのであります。建設省が通牒をいたそうとする内容は、ここに持っておりませんが、御要求があればあとでお示し申します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/11
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012・北山愛郎
○北山委員 この補助金の執行につきましては、あの法案は一応保留になりましたが、あるいは再度出てくるかもしれません。その際には一つ希望を申し上げておきますが、もしもこの補助金の執行の適正化のために補助金をもらった方の側、地方公共団体等の側だけをその不正支出等について処罰するというのであれば、同時に補助金の交付についての査定をして交付をした、そんな間違った調査に基いて過失あるいは怠慢によって国の金をむだに使ったという責任者として、補助金を交付した方の大臣以下担当官も処罰する規定を挿入していただきたい、これは当然常識上そう思うのでありますが、もし将来また問題になった際には、そういうふうに補助金をもらう方の側だけを責めて、そうしてやる方の側は責任を負わないということでは片手落ちでありますから、これは同罪にしていただきたい、こういうふうに希望を申し上げておきます。
それからなおこれは行政管理庁のお話がございましたのでお伺いをいたしますが、行政管理庁としては外郭団体の調査をなさっておるわけでございます。たしか今年の一月、前任の西田長官の当時においてこの外郭団体の問題を取り上げて、そうしてこれの調査をたしか一月の終りごろから始めたと覚えておりますが、現在どのようにその調査が進んでおりますか、一つ長官からお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/12
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013・川島正次郎
○川島国務大臣 ただいま資料を持っておりませんから、後ほど御報告させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/13
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014・北山愛郎
○北山委員 この外郭団体の問題は地方財政にも直接の関係があるものであります。いわば地方行政機構の中に、そのまわりに巣をくうておる団体がたくさんあるわけです。その中には必要な団体もございましようが、多くは陳情運動等をやるための団体が多い。あるものは補助金の一部をその経費に充てておるというような団体もあるようでございます。この金額はばかにならない。従ってこの調査はぜひともすみやかにやっていただかなければならぬと思うのでございますが、さらにこれは委員長にもお願いを申し上げますが、当委員会としてもこの政府の外郭団体の調査並びに整理に関する努力を外部から応援をするという意味と、国会としてもこの外郭団体の実態をつかむという意味からいたしまして、一つこの委員会の中に外郭団体の調査に関する小委員会というようなものを設けて、この調査を進めていただくように委員会にもお諮りを願いたいと存じます。
それから、実はこの前この地方交付税の問題について財政部長に御質問をいたしましたが、その中で交付税の算定の際に御承知のように基準財政需要額と収入額をきめるのでございますが、その基準財政の需要額をきめる中に、地方団体が毎年支払います地方債の元利償還というものが、ほんの一割ぐらいしか見られておらない、しかも災害関係の補助事業に伴った地方債の分だけが認められておる。それは五十五億、ところが御承知のように本年度地方団体が支払う元利償還というものは五百十億になっておりますから、五百十億という元利償還を地方胴体がやるのに算定上は五十五億しか交付税が認められておらない、あとの四百何十億というのは交付税の算定上は考慮されておらない、こういうふうにこの前説明があったわけです。これは大へん不当なことではないか、地方債というものは原則的なというか、本来の財源ではなくても認められた地方団体の財源でございます。非常に重大な財源で、政府が認めて地方が借金をして仕事をやっておる、その元利償還が当然の財政需要として認められておらないということはきわめて不当ではないか、こういうことからも私どもは地方財政の赤字というものが出てくるのではないかと思うのです。一方財政の赤字は、単に給与の不均衡といいますか、給与額の食い違い、算定上の食い違いばかりではなくて、この地方債の元利償還についても四百億以上の食い違いがあるわけですから、こういう点についてわれわれとしては非常に適当でない、こういうふうに考えるのですが、大臣はどのようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/14
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015・川島正次郎
○川島国務大臣 三十年度で大体五百十億の元利支払金ということは事実であります。従いまして先般来しばしばここで御議論のあるように、このままでいけば結局起債の元利支払いのためにまた起債をすることになる、こういう事態は急速に改むべきものだということはお説の通りでありまして、私どももそう考えておるのでありますが、二十九年度の財政計画におきましては、この点についてははなはだ不十分だと考えております。こういう点こそ次の年度ではぜひ改めたい、こう考えておるおもな項目の一つであります。地方債の支払いのためにさらに地方債を起すような事態を繰り返しておったのでは、いつまでたっても地方の財政は健全化しないのでありますから、これは絶対に改めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/15
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016・大矢省三
○大矢委員長 ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/16
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017・大矢省三
○大矢委員長 速記を始めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/17
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018・柴田護
○柴田説明員 今の北山先生の御質問でございますが、基準財政需要額の中で見ますものは、普通交付税の算定の際に見るわけでございますが、災害復旧費につきましては基準財政需要額でやっておる。これは明瞭に公債費として見ておるわけでありまして、この額が御指摘のように約五十五億になると思われるのであります。ただしその他の公債費につきましては、普通交付税算定の中で公債費として見ませずに、公債によって作られるところの施設の償却費の形で見ておるわけであります。その間にズレがあるのではないかという御指摘につきましては、そのズレが全然ないというわけではございません。これは総額との関連があるわけでありますけれども、全然ほかの公債費を見ておらないというわけでございまんせんで、施設の償却費という形で見ておるわけであります。なお災害復旧費につきましては、そのほかで特別交付税を算定いたします際に、公共事業費以外の単独災害復旧費につきまして、その約三五%程度を特別交付税を交付いたしまして算定いたしております。従いまして公債費につきましては災害復旧債だけであって、しかも五十五億だけしか見ないのではないかということではないのでありまして、見方が違うということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/18
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019・北山愛郎
○北山委員 お答えでありますからお伺いいたしますが、その施設の償却費として見られる分は大体どのくらいのものでありますか。なかなか算定がむずかしいかと思うのでありますが、どの程度になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/19
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020・柴田護
○柴田説明員 どの程度になるかという御質問でありますが、正確には全部洗い直さなければわからないので、この席で実はお答えいたしかねますが、概括的に申し上げますと大体木造の建築物、小学校の場合を例にとりますと、普通三十年から三十五年の償却費を見ておる。ところが起債の償還期限は大体十五年から二十年くらい、その間に若干のズレがあるということは認めざるを得ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/20
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021・北山愛郎
○北山委員 調べるにしてもみなくずしていかなければわからないということと、もちろん施設としても全部の施設について見ておるのではないと思う。学校とか見られるものは見られるのでしょうが、相当公共事業でも、起債でもって事業をやっても償却費として見られないものがあるのではないか、ですからたといそういうものがあったとしても、金額としては大した金額ではないのではないかと思うのです。従ってどうしても私どもはやはり交付税の算定上膨大な元利償還というものは、大部分がその需要額からのけられてくるということは、やはり地方財政を圧迫する。交付税の算定に見られておらない、それ以外の財源でやれ、余剰財源でやれというような格好ですから、それも五十億かそこらであればいいのですが、数百億ということになれば、これまた例の給与の食い違いと同じように、地方財政の大きな圧迫の原因じゃないか、こういうふうに考えられるわけです。
大臣もお見えにならないようだし、きょうは時間も過ぎましたから、あとは次会にしてこの程度で打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/21
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022・大矢省三
○大矢委員長 他にございませんか。——ないようでしたらば、きょうは大臣もお見えにならないし、午後は小委員会がありますから、午前中の質疑はこの程度にいたしまして、次回は明六日十時半から開会することとして、本日はこれをもって散会いたします。
午後零時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204720X03419550705/22
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