1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月二十一日(土曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 松前 重義君
理事 齋藤 憲三君 理事 廣瀬 正雄君
理事 中垣 國男君 理事 橋本登美三郎君
理事 井手 以誠君 理事 松井 政吉君
秋田 大助君 川崎末五郎君
竹内 俊吉君 佐々木更三君
成田 知巳君 原 茂君
森本 靖君 三輪 壽壯君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 松田竹千代君
出席政府委員
郵政政務次官 早稻田柳右エ門君
郵政事務官
(監察局長) 青木 亮君
郵政事務官
(貯金局長) 小野 吉郎君
郵政事務官
(簡易保険局
長) 白根 玉喜君
郵政事務官
(電波監理局
長) 長谷 慎一君
委員外の出席者
郵政事務官
(事務次官) 中村 俊一君
専 門 員 稲田 穰君
専 門 員 山戸 利生君
専 門 員 吉田 弘苗君
専 門 員 中村 寅市君
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五月十三日
委員井手以誠君辞任につき、その補欠として淡
谷悠藏君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
委員愛知揆一君辞任につき、その補欠として太
田正孝君が議長の指名で委員に選任された。
同月十七日
委員淡谷悠藏君辞任につき、その補欠として井
手以誠君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
理事井手以誠君委員辞任につき、その補欠とし
て同君が理事に当選した。
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五月十三日
東都農地区に電話架設の請願(片島港君紹介)
(第六一七号)
広島、長崎の原爆被災十周年記念切手発行に関
する請願(松前重義君外四名紹介)(第六五九
号)
猿投郵便局舎新築の請願(横山利秋君紹介)(
第六六〇号)
同月二十日
広島、長崎の原爆被災十周年記念切手発行に関
する請願(松前重義君外四名紹介)(第七〇五
号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十七日
電話度数制の実施延期に関する陳情書
(第一五一号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一九号)
郵便年金法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二〇号)
簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
二二号)
郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
第二五号)
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
提出第二六号)
テレビジョン受像機に対する物品税の問題等に
関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/0
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001・松前重義
○松前委員長 これより会議を開きます。
お諮りいたします。理事の補欠選任の件でございまするが、去る五月十三日理事の井手以誠君が委員を辞任され、理事が一名欠員になっております。同君が十七日再び本委員に選任せられましたので、井手君を再び理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/1
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002・松前重義
○松前委員長 御異議ないものと認め、そのように決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/2
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003・松前重義
○松前委員長 次に簡易生命保険法の一部を改正する法律案、郵便年金法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関するる法律の一部を改正する法律案、郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、以上五法律案を一括議題といたしまして質疑を行います。この際森本靖君より発言の通告がありますので、これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/3
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004・森本靖
○森本委員 この郵便年金法の一部改正法律案の四十二条の、「必要な施設を設けることができる。」と、その施設については省令によって定めるというふうにありますが、その具体的な内容を御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/4
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005・白根玉喜
○白根政府委員 具体的な内容を御説明申し上げます。御承知のように郵便年金の面におきまして、貨幣価値が変動して、加入者の方々に非常に御迷惑をかけておるのでございます。従いまして何か養老施設らしいものを郵便年金事業の付帯事業としてやりたい、かような考え方をもちまして、まず第一着手といたしまして、熱海に老人ホームいう施設を今準備いたしておるわけでございます。
その内容を御説明申し上げますと、場所は熱海市でございまして、俗称天神山というところに場所を選定いたしました。敷地は六千七百坪、建坪が千三百坪でございます。建物の内容といたしまして、短期保養ホームと長期に分けてやつておるわけでございます。短期は木造二階建でございまして二むねございます。それで六畳が十三室、八冊が一室、それからこれはベランダ付でございますが、個室として六畳五宝、八畳一室、十二畳一室、これが短期でございます。長期はアパート式と小住宅式に分けまして、アパート式のは鉄筋コンクリートの二階建二むねございます。これが四畳半四十六室でございます。それから小住宅式は一戸建の平家が二十四むね、二戸建平家が三むね、こういうような格好に相なっておるわけでございます。収容人員といたしましては約二百十六人程度でございます。短期の保養ホームはそのうちで六十六人、長期はアパート式が九十人、小住宅式が六十人と相なっておるわけでございます。利用者といたしましては、短期の面につきましては保険加入者並びに年金加入者の方々で御希望の力を入れることに相なっておるのでございまして、大体一月以内ということになっております。、長期は加入者の方が一生住みたいという御希望があれば一生住めるようになっておるわけでございます。それから料金関係といたしましては建物の建設費、それに対する償却利子等を含めまして、その分は加入者の方に御負担していただく、なお人件費その他維持費の面につきましては国の負担にいたしたい、こういうような計画でやっておるのでございます。大体八月中にはでき上ると、かように存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/5
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006・森本靖
○森本委員 八月中にでき上るというのは、すでにそういう敷地の買収その他については、大体業者側と話が進んでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/6
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007・白根玉喜
○白根政府委員 敷地はむろん買収済みでございまして、建物もほぼ九割程度できております。従いまして八月、おそくとも九月には利用開始になると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/7
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008・森本靖
○森本委員 そうすると、私はしろうとですからわかりませんが、そういう敷地の買収を行なっておるというのは、この法律ができてからそれができるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/8
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009・白根玉喜
○白根政府委員 おっしゃる通りでございます。この法律が国会を通らなければ、保険の方は御承知のように規定がございますが、年金の方には規定がないので、法律が成立しなければ法律的にはちょっと無理だ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/9
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010・森本靖
○森本委員 しかし今熱海の分について買収を決定したというふうに言われましたが、聞き違いですかね。ちょっとその点お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/10
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011・白根玉喜
○白根政府委員 これはおしかりをこうむることに相なると思うわけでございますが、戦前におきましてはそういう簡易保険法の規定におきましても、保健施設ができるという条文が実はなかったわけでございます。なくて、御承知のように診療所、簡易保険の相談所の福祉施設もやっておったわけでございます。ところがGHQの方で、そういう施設をやるなら保険法の方に入れたらどうかという強い御指示があって、保険の方に入っておるわけであります。戦前におきましてはそういう基礎条文がなくても、全国に三百数ヵ所の簡易保険相談所ができておったわけでございます。そういう点もございますので、法律の成立を待たずに準備したのでございます。見方によれば、その点については御指摘のように法律の制定を待って買収をやり、建築をやるという建前でいくべきであるという見方も立ちますが、戦前におきましてはそういう条文がなくても、簡易保険の付帯事業といたしまして、全国に三百数ヵ所の簡易保険相談所もあったわけでございます。それらの関係もございますので、法律制定を待たずに準備を進めて参った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/11
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012・森本靖
○森本委員 私のお聞きしておるのは簡易保険の方じゃないのです。今ここで私が聞いておるのは、郵便年金法の一部改正をする法律案についてお聞きしておるわけです。それで第四十二条によるところのものかどうかということをお聞きしておるわけです。その第四十二条によるものを、現在すでに買収をしておるという先ほどの答弁がございましたが、それは間違いございませんかということをお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/12
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013・白根玉喜
○白根政府委員 四十二条を提案いたしましたのは、熱海の老人ホームを利用開始するについては、保険の方にもそういう規定があるので、年金の力にも害いた方がいいということで御提案申し上げたのでございまして、この条文の対象のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/13
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014・森本靖
○森本委員 そうすると今の買収が決定をしたというのは、第四十二条による年金の受取人の福祉を増進するため必要な施設、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/14
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015・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/15
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016・森本靖
○森本委員 そのものは大体法律の改正が通らなければできないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/16
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017・白根玉喜
○白根政府委員 この面を御説明するために簡易保険法に触れて申したのでございまして、簡易保険なり郵便年金事業につきまして福祉事業として、戦前におきましては簡易保険法の保健施設をなすことができるという条文もなくてやっておったわけでございます。しかし国の経費を使うことでもございますし、こういう条文を追加する方がベターである、かように存じまして、この法案の御審議をお願いいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/17
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018・森本靖
○森本委員 そうすると、何ですか、今の答弁によりますと、こういう条項があってもなくても、そういう施設はできるというふうな御答弁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/18
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019・白根玉喜
○白根政府委員 法律的に申し上げますと、国の営造物を作る権限はあるわけでございます。加入者に関連いたしますから、法律に書く方がベターであることは間違いないのでございますが、戦前におきましては、簡易保険相談所のような——これは郵便年金も簡易保険もすべて加入者の診療に応じておったわけでございます。その際におきしましては、法律の規定なくしてやっておったわけでございます。しかしかような国の施設をやり、加入者に関連する施設でございますので、法律に書くことがベターである。ことに法治主義的になりますと、その点も考えなければならぬ、そういう意味で御提案申し上げたのでございますが、法律がなければできないのじゃないかというところまではいかないのじゃないか、かように存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/19
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020・森本靖
○森本委員 その法案を提案するという趣旨がわからぬのです。そういうふうに法律がなくてもできるということでしたら、何も提案をする必要はないわけです。法案を提案してこれがどういう審議になっていくかわからぬという状況において、こういう法律がなくてもそれはできるのだからといって、すでに敷地も買収を行うということならば、この法案を提案する必要はないと思うのですが、この点については大臣は一体どういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/20
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021・松田竹千代
○松田国務大臣 契約者なり加入者なりの利益をはかり、福祉を増進するために、従来歴史的にやってきた事柄でありますので、それに基礎を置いて福祉施設を用意いたしたのでありますけれども、しかし法律の根拠に基いてこれから福祉施設を拡張していくことがより妥当であるという考え方で、このたび法律の規定によってやることにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/21
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022・森本靖
○森本委員 その答弁はちょっとおかしいと思うのです。大体郵便年金についての公有施設というものは、戦争前はともかくとしても——戦争前のことを言った日には今では話にならぬと思うのですが、終戦後における郵便年金の施設というものは今回が初めてではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/22
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023・白根玉喜
○白根政府委員 老人ホームといたしましては初めてでございます。しかし福祉施設としては、御承知のように戦前は郵便年金の面におきましても、簡易保険と同様に三百数ヵ所の簡易保険相談所があったわけでございます。福祉施設としてはこれが初めてではなくて、福祉施設の内容として老人ホームのようなものは今回が初めてなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/23
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024・森本靖
○森本委員 今回の第四十二条の提案をした趣旨は、郵便年金法による初めての施設をこしらえるから国会に提案をしたのでしょう。そうではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/24
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025・白根玉喜
○白根政府委員 それは福祉施設といたしましては初めてではないのですが、ただ老人ホームというような施設内容としては初めてでございます。従いまして施設の内容も相当膨大でもございますので、法律に基礎を置く方がベターであるという意味で提案いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/25
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026・森本靖
○森本委員 今回の法律改正、郵便年金の施設を置くというのは、この法案が通ってからそういうものを置くという考え方に基いて、この法案の提案をしたのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/26
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027・白根玉喜
○白根政府委員 この法案を御提案した以上は、この法案が通らなければ利用開始は差し控えるべきものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/27
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028・森本靖
○森本委員 それはだれが聞いてもおかしいと思うのです。この法案が通らなければ利用開始はしないというなら、国費をもって大きな施設をして、この法案が通らなかった場合には一体どうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/28
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029・白根玉喜
○白根政府委員 基礎的に申しますれば、こういう施設は法律の基礎がなくても戦前もやっておったわけでございます。しかし老人ホームのような施設は、将来拡張していかなければならない。従って法律の規定をしまして、それからスタートした方が、スタートという意味から申しまして、この法案が通らないで利用を開始することはベターでない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/29
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030・森本靖
○森本委員 もしかりにこの法案が通らなかったら、利用開始もせずに六千七百坪ですか、そういう膨大な施設を買収して、それを遊ばせておくわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/30
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031・白根玉喜
○白根政府委員 そこで一つお願いがあるのでございます。こういう施設がもし悪いということならば何でございますが、まあこういう施設を御了解していただけば——森本先生、お願いしますから、どうか通して下さい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/31
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032・森本靖
○森本委員 私はそういう人情問題ではないと思う。少くともこれは国会軽視だと思うのです。こういう法案を提案しておいて、その法案が通ってから初めてその利用開始をするなり、その施設をするのがほんとうであって、この法律案を提案しておいて、それもこれが通るものなりと頭からきめてかかって、その敷地を買収するなんということは、一体この法案を審議することを何とお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/32
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033・白根玉喜
○白根政府委員 もしこの法案が通していただけないとすれば、残念ながら年金加入者に対しましてはお断わりする。しかし保険の加入者は、御承知のように保険施設の規定があるのでございます。それで保険の加入者を入れるようにせざるを得ない。従ってもしこの法案が通していただけなければ、われわれとしては養老施設といたしまして老人ホームについては、年金に重点をおきたいとは思いますが、幸い簡易保険法の方には福祉施設に関する条文がございます。従いましてやむを得ず簡易保険加入者だけをお入れしなければならない。この老人ホームにつきましては簡易保険加入者もお願いし、年金加入者もお願いするという前提ではございますが、この法案が通らないといたしますと、法律的にベターの面からいたしますれば、年金加入者を入れるということは差し控えるべきものであります。従いまして保険の加入者にお願いする考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/33
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034・森本靖
○森本委員 その施設の金額はどのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/34
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035・白根玉喜
○白根政府委員 建築費も全部入れまして一億二千万円程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/35
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036・森本靖
○森本委員 そのうち土地の買収費は完全に受け払いをやっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/36
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037・白根玉喜
○白根政府委員 完全に済んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/37
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038・森本靖
○森本委員 それでは建物の入札なんかも済んでいるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/38
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039・白根玉喜
○白根政府委員 入札もむろん済んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/39
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040・森本靖
○森本委員 そうすると、この法案がもし通らない場合には、簡易保険の方に肩がわりするということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/40
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041・白根玉喜
○白根政府委員 この施設は簡易保険の加入者の短期ホームにお願いすることになっております。郵便年金の加入者も簡易保険の加入者も、実は計画といたしましては、両方の対象の方々をお願いするごとになっているのでございますが、先ほど申し上げましたように、やはり法治主義の現在からいけば、法律的な基礎があるのがベターでございますので、もしこの法案が不幸にして通らない場合におきましては、簡易保険の加入者をお入れする考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/41
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042・森本靖
○森本委員 簡易保険の方の施設にするというと、金の出どころはどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/42
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043・白根玉喜
○白根政府委員 金は簡易保険の経費と郵便年金の経費とで出すことになっております。御承知のように簡易保険と郵便年金とは、過去におきましては特別会計が別になっておりました。しかし現在は御承知のように簡易保険と郵便年金とは特別会計が一本になっております。勘定科目が違う程度でございます。しかし両方の経費から出すつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/43
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044・森本靖
○森本委員 だからこの法案が通らない場合は簡易保険の方から出す、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/44
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045・白根玉喜
○白根政府委員 残念ながら、通らないときは経費は保険の金から出さざるを得ない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/45
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046・森本靖
○森本委員 その一億二千万円もの金額が、そんなに右から左へとぽこっぽこっと変るようなずさんな予算ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/46
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047・白根玉喜
○白根政府委員 ずさんとおっしゃられると、そういう見方も立つと思うわけでございます。われわれといたしましては、やはり加入者階層は両方とも大事でございます。従って考え方としては両方とも利用するようにいたしたいと思うのでございますが、不幸にいたしましてこの法案が通らないときには、経費は簡易保険の加入者を中心にいたしましてやる。従いまして経費も簡易保険勘定で支出いたしたい。ずさんとおっしゃられれば、結果からいえばずさんになるかもしれませんけれども、われわれの希望といたしましては、やはりこの法案を通していただきたい。物価の変動によって、年金加入者の方々は非常にお気の毒だ。せんだって森本委員から非常に事業を愛する意味からいたしまして、御叱正をいただいたわけでございます。従いまして、物価の変動のために年金加入者にお気の毒な面を、せめて養老施設の面におきましてやるということを御了解していただければ、われわれといたしましてはそのずさんな経理をやらないような格好になるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/47
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048・森本靖
○森本委員 質問の要旨だけにお答えを願っておきたいと思うのです。これはここにおられる全然内容のわからぬ方も、非常にずさんだというように考えるのです。一億二千万円もの金額を、この法案が通らなければ郵便年金の方から出せない。もしこれが通らなかった場合は、それでは簡易保険の方から出します、こういうことでは納得ができないのです。この法案が通らなかった場合には、簡易保険の方から出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/48
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049・白根玉喜
○白根政府委員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/49
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050・森本靖
○森本委員 そういう計画をして、すでに敷地も買収をしておる。この法案がもし通らない場合においては、簡易保険の方からですと簡単に言われましたが、一億二十万円という金額が右から左へ動く、そんなずさんな予算の内容ですか。大臣に一つお答え願いたいと思うのです。これは常識的に考えてみてもすぐにわかると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/50
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051・松田竹千代
○松田国務大臣 御承知のように、他にも簡易保険の金並びに年金の金を、いろいろ公共の利益をはかるためにワク広げをやる法律案の御協賛を願っておる趣意からいたしまして、簡易保険金を十分に契約者並びに加入者の福祉をはかるために用いることは、決してずさんにこの金を用いておるとは考えられないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/51
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052・森本靖
○森本委員 いや、私の聞いておるのは、熱海の一億二千万円というものは、郵便年金の方の金でやる、それはこの法案が通ってから正式にやる、こういうわけでしょう。だからもし法律を順法する精神であるならば、熱海の老人ホームについては、この法案が通ってから計画していくべきだ。ところがそれが通らないうちから、そういうものをはっきり買収し、契約も全部済んでおる。それではこの法案が通らなかったときにはどうするかというと、簡易保険の方から金を出すという答弁があったのです。だからそんなに一億二千万円というような金額が、右から左へと動くような予算の内容ですかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/52
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053・白根玉喜
○白根政府委員 私が簡易保険の金でやるということを御説明申し上げたのは、そうなれば維持費の全部を簡易保険の金でやる。現在評価しておる建築費は——特別会計をごらんになればわかるように、営繕費というのは保険勘定でやることになっております。従って今やっておる経費は、保険勘定でやっておるわけです。従いましてこの法案を通していただけば、将来の維持費の面におきまして、年金勘定でもやっていただくことになるのでありまして、ただいまやっておる支出は保険勘定でやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/53
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054・森本靖
○森本委員 そうすると最初の建築関係は、全部保険の方でやるというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/54
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055・白根玉喜
○白根政府委員 端的にいえばそうでございますが、ちょっと説明させていただきますと、簡易保険並びに郵便年金の特別会計では、建築の関係は年金の関係であっても保険勘定でやる。維持的な面は年金勘定でやる。と申しますのは、年金の事業として独立採算的なことができないような時代もございまして、昔は簡易保険の特別会計と郵便年金の特別会計と二木あったのですが、その後年金の伸び工合が悪いので、結局一つの会計にいたしました。勘定は保険勘定と年金勘定とに分けておりますが、その勘定の支出の振り分けといたしまして、ことに固定財産のものを両勘定からやるのもいかがかという意味も含めまして、建築費関係は簡易保険勘定でやるということになっておるのです。従って建築部面はただいま保険勘定でやっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/55
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056・森本靖
○森本委員 そうすると、そういうものをこしらえる場合には、四十二条は全然要らないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/56
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057・白根玉喜
○白根政府委員 支出をする面におきましてはそうなっておりますが、やはり現在の民主的な時代においては、四十二条のような規定をやるべきものである。従ってこれがもし通らない場合には、維持費の面を郵便年金勘定に分担させる計画ではございましたが、しかしこの法案が通らないと、維持費の面も建築費の面も保険勘定で持ちまして、しかも利用対象を簡易保険加入者に限らざるを得ないということに相なるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/57
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058・森本靖
○森本委員 いろいろ御答弁がありましたが、つづまるところは、この熱海の老人ホームは、郵便年金法が改正されなければ、郵便年金によるところの老人ホームとしては使えないわけですね、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/58
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059・松田竹千代
○松田国務大臣 その点については、先ほど保険局長からお答えした通り、簡易保険の加入者に限って使用する、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/59
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060・森本靖
○森本委員 いや、熱海の分は、簡易保険ということでこしらえておるのではなく、郵便年金のこの四十二条によるところの老人ホームとしてこしらえておるのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/60
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061・白根玉喜
○白根政府委員 先ほども申しましたように郵便年金だけでなくて、簡易保険の方も利用してもらう。計画といたしましては短期は簡易保険も郵便年金も一緒にして利用してもらう。施設ができれば、長期の面につきましても簡易保険の加入者も利用してもらうという考え方でスタートしておるのでございまして、熱海の老人ホームも、今後の老人ホームも、すべて年金の老後の施設だけという意味ではなかったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/61
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062・森本靖
○森本委員 私の聞いておるのはそういうことではないのですよ。そういう老人ホームを簡易保険の者が利用するのは当然のことです。私の言っておるのは、すでに買収もして建築もやっている一億二千万円の熱海の老人ホームというものは、この四十二条の改正法律によるところの施設だろうということをお聞きしておるわけです。その点を明確にしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/62
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063・白根玉喜
○白根政府委員 四十二条の対象でもございます。それからまた簡易保険法の類似規定の、保健施設ができるという条文の対象もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/63
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064・森本靖
○森本委員 先ほど私は四十二条の「福祉を増進するため必要な施設を設けることができる。」という条項があるから、これについての施設はどういうことかということをお聞きしたわけです。そうしたら今の熱海の老人ホームが出てきたわけです。だからあなたは半分簡易保険に首を突っ込んで、半分年金に首を突っ込んでおるような答弁を先ほどからしておるけれども、その老人ホームというのは、つづまるところはこの四十二条の施設に間違いないかということをお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/64
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065・白根玉喜
○白根政府委員 たびたび申し上げますように、計画といたしましては、この四十二条の対象でもございます。また簡易保険法の保健施設ができるという条文の対象でもあったわけです。しかしこの法律が不幸にして通らなければ、これは簡易保険法の規定による保健施設の対象にならざるを得ない、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/65
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066・森本靖
○森本委員 ならざるを得ないではなく、その老人ホームというのができ上ったら、この四十二条の、この法律が通ったら、この法律によるところの施設になるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/66
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067・白根玉喜
○白根政府委員 どうも説明が何でございますが、この法律のもっぱら対象になる施設ではないのでございまして、簡易保険法の類似条文の規定の対象にもなる、こういう考え方で当初から計画を立てておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/67
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068・森本靖
○森本委員 それならば四十二条の施設というのは何ですか。その熱海のものは四十二条の施設じゃないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/68
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069・白根玉喜
○白根政府委員 四十二条の対象でもあり、簡易保険法の類似条文の対象でもあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/69
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070・森本靖
○森本委員 そうすると一般にわかりやすくいえば、半分は簡易保険、半分は郵便年金の施設だ、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/70
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071・白根玉喜
○白根政府委員 考え方としては、おっしゃる通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/71
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072・森本靖
○森本委員 そうするとあなたの答弁を聞いておっても、半分だけでも、四十二条が通らなければそういう計画はすべきじゃないというように考えるがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/72
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073・白根玉喜
○白根政府委員 観念的にいえば、大分責めておいでになりますけれども、これは相当希望者が多いわけでございます。従いまして簡易保険の加入者だけに限ってやっても、加入者の希望を満たすことができないわけでございます。従いまして半分はむだになるのじゃないかということでなくて、半分が年金加入者にできなければ、簡易保険の加入者でもこれはもう非常に希望しておるわけでございます。むだという面からいきますと、それはないと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/73
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074・森本靖
○森本委員 いや、むだとか何とかいうことではなしに、その老人ホームというのは、この四十二条が通ってからこしらえるのがほんとうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/74
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075・白根玉喜
○白根政府委員 郵便年金だけを対象にしてやるといたしますと、おっしゃる通りになります。しかしわれわれといたしましては郵便年金もねらう、簡易保険もねらう気持ではございますが、もし郵便年金のこの条文が通らなければ、簡易保険の加入者の方へ集中しなければならない。しかし集中いたしましても、簡易保険の加入者といたしまして、この種の老後施設を希望する者は非常に多いわけでございます。事業経営からいたしましても延命にもなりますし、従いまして二兎を追う計画ではございますが、一兎が——不幸にしてこの基礎条文が通らないということになりますと、簡易保険に集中せざるを得ない、こう考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/75
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076・森本靖
○森本委員 私のお聞きしておるのは、この条文が通ってから、そういう老人ホームというようなものについては計画をしてやるのが至当ではないか。この法律が通るものなりと仮定をして、すでに敷地の買収も行なって、建築も行うということは、ちょっと行き過ぎではないかということを言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/76
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077・白根玉喜
○白根政府委員 もっぱら年金を対象にしてやったといたしますれば、おっしゃる通りでございます。しかしわれわれといたしましては、簡易保険の加入者を対象にしてやるのも入っておるわけでございます。従いましてこの法律がもし通れば両方やる。通らなければ簡易保険だけの施設でも十分その必要がある、こう認定してやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/77
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078・森本靖
○森本委員 そうすると、この法律は通っても通らぬでもよろしい。通った方がなおかつよろしい、こういう考え方に基いて、この法律案を提案したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/78
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079・白根玉喜
○白根政府委員 私の説明が悪いので、大へん恐縮でございますが、簡易保険の加入者に対する施設だけでなくて、やはり年金加入者の方にも均霑させたい、させるには、基礎条文であるこの法律を御提案して、御審議の結果是なりという御結論を立てていただいて、年金加入者の側にも均霑するようにしたいという希望をもって、御提案申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/79
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080・森本靖
○森本委員 そういうことになると、これは明らかにこの法律が通ってからそれを計画するのが至当じゃないのですか、大臣。さっきからの質疑応答を聞いておってもよくわかると思うのですが、もしこの法律が通るものなりと頭から断定してしまって、そういうものを全部、敷地の買収から建築を行うということは、ちょっと行き過ぎじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/80
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081・松田竹千代
○松田国務大臣 こうした法律をまず御協賛願って、その上でこうした施設をするのが当然ではないかという御説は、そうすることがより妥当であったと私は考えます。しかし長い歴史あるこの保険並びに年金制度をやって参っておる間において、保険の方においては従来福祉施設を長期にわたってやってきて、それが認容されてきておるという建前から、一般の加入者の福祉を年金においても増進するために、こうしたことを考えてやることが必ずしも——この制度の本来の趣旨、すなわち広く加入者の福祉をはかっていくという見地から、妥当なことであると考えて用意をしたわけでありますが、しかし一億二千万円の金をもって新しい施設をこしらえるについては、こうした法律の基礎を持つことがさらによろしいことである、かように考えて御協賛をお願いするようになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/81
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082・森本靖
○森本委員 大臣はこの施設がもうすでに敷地の買収も終っておるし、建築の入札も済んでおるということを御承知だったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/82
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083・松田竹千代
○松田国務大臣 さようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/83
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084・森本靖
○森本委員 そうすると、その法律を提案しておるが、法律が通らぬ前にこれをやるということは、明らかに行き過ぎであるけれども、加入者の面から見たら行き過ぎでもかまわぬ、こういうことで大臣としては許可したわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/84
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085・松田竹千代
○松田国務大臣 その趣旨から見て、加入者の福祉をはかることであるから、御協賛願えるものと考えてやったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/85
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086・森本靖
○森本委員 それはいいことですから、最終的には通るかもわかりませんけれども、それはどうなるかわかりません。少くとも法律を提案して、その法律によって施設を行う場合には、これは明らかにその法律が通ってからそれを許可するというのが大臣の責任じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/86
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087・松田竹千代
○松田国務大臣 すでにホームの施設が先ほどから御説明申し上げましたように、相当進行いたしているわけであります。私もいつか熱海に行ったときに視察したような事情でありまして、まさにこうした施設は加入者の利益をはかる上に非常に適切なものであり、重ねて年金加入者の方から要望の非常に熾烈なものもあるということを伺っておりまして、これは当然皆さんから御協賛を得られるものと思って提案した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/87
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088・森本靖
○森本委員 私も二月の末まで郵政部内におった者ですが、こういうものができているということは全然知りませんでした。全国的にこういうことを知っているのはおそらくあまりないだろうと思う。ただ私がお聞きしているのはそういうこととは別に、法律を提案して、その法律が通ってからそれを、やるというのが正当じゃないですか。そのことだけでいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/88
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089・松田竹千代
○松田国務大臣 その方がよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/89
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090・森本靖
○森本委員 その方がよろしいということでなしに、そういうふうにすべきか普通の常識ではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/90
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091・松田竹千代
○松田国務大臣 私がこれを承知したときには、すでに施設が非常に進捗しておりました。そしてこうしたことが、従来においてもこれと同じものではありませんけれども、長期にわたって相当継続されてやってきたことが認容されているという見地において、これを前もって準備することも必ずしも不当なことでない。今あなたのおっしゃるように、法律が通過して後にやる方がより妥当であるということはお説の通りに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/91
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092・森本靖
○森本委員 このことばかりあまりやっていると長くなりますからやめますけれども、最後に、大臣が就任されたときにすでにこの施設の買収も何もできておったので、これについてはそのまま了承という形になったけれども、普通であればこの法律が通ってからこういうことは計画すべきである、こういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/92
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093・松田竹千代
○松田国務大臣 大体その方がよろしいやり方であると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/93
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094・森本靖
○森本委員 大体という言葉がつくと語弊があるのですが、大体でなしに少くとも法律を提案しているのですから、その法律に基いて施設を作るわけですから、明らかに法律が通ってからそういうことを計画すべきであって、法律が通らぬ前からそういうことをやって、もしそれが通らなかったらこちらにするということで計画することは、明らかに国会の法律審議を無視する結果になるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/94
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095・松田竹千代
○松田国務大臣 御叱責の趣旨はごもっともと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/95
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096・森本靖
○森本委員 最後にそういう答えが出ましたので、なおこの問題についてはいずれ私どもも詳細に調査をいたしまして、後日あらためて質問することにして、本日はこれでやめておきますが、本年はそういう施設が一項目だけだということでございますが、将来にわたってどういう施設を考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/96
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097・白根玉喜
○白根政府委員 将来にわたりましての考え方といたしましては、年金加入者に対しましては、この種の老後施設を予算の許す限りにおきまして拡大したいという考え方を持っております。と同時にまた保険施設としての診療所の拡充をある程度はかって、むろん戦前程度の三百数カ所の相談所を作るというのは行き過ぎと思いますけれども、多少その点も拡充いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/97
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098・森本靖
○森本委員 そうすると年金関係の分については老人ホームだけですか。それ以外に何かできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/98
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099・白根玉喜
○白根政府委員 ただいまのところにおきましては年金の会計、事業上の余力等を勘案いたしまして、この種施設の拡充以外のものにつきましては、診療関係をある程度拡充したい。それより以上のことは、やはり事業の現状将来を考えなければならないので、特別にただいまのところは計画を考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/99
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100・森本靖
○森本委員 そうするとこの四十二条によるのは老人ホームと診療所関係、この二つですか。なおちょっとつけ加えておきたいのは、私がこのように執拗に質問しているのは、この四十二条の条文では明らかに郵政省に対して白紙委任という形になるわけです。これは当該者の考え方に基いてどんなものでもこの条文からいくとできるわけです。「年金継続受取人の福祉を増進するため」という理由をつければ、どんな施設でもできるわけです。だからこの条文についても若干疑義がありますが、この内容については今言ったように老人ホームと診療所関係、この二つぐらいに限られるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/100
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101・白根玉喜
○白根政府委員 ただいまのところはそうでございます。なお将来そういう種類以外のものを考える時代が来ましたとき、なるほど条文は抽象的でございますが、いずれ予算によりまして国会の御審議を仰ぐことになろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/101
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102・森本靖
○森本委員 今年度は熱海に一カ所ということですが、来年度以降については逐次地方の方へ伸ばしていく計画ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/102
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103・白根玉喜
○白根政府委員 計画といたしましては、やはり年金なり保険の余裕金の点も考えなければなりません。来年一カ所さらに増加するということにつきましても、やはり事業の伸び工合も考えなければならないので、来年一カ所ふやすということはまだ確定的に計画いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/103
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104・森本靖
○森本委員 その余裕金が多かった場合には、全国的にずっと現在あります十の郵政局単位に一つぐらい持つという計画ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/104
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105・白根玉喜
○白根政府委員 希望といたしましてはそういう気持を持っております。しかし予算関係が伴わなければならないので、希望として持っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/105
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106・森本靖
○森本委員 そういうふうに将来ずっと施設をしていく場合に、施設の基準になるものは、やはり加入者の数によってそういう基準ができていくわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/106
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107・白根玉喜
○白根政府委員 加入者の数を基準にして考えていく気持ではございますが、普通の診療関係と違いまして、老後施設といたしましては、やはり老人の希望するところも考えなければならぬ。たとえばある地域は加入者がこのくらいあるから、その地域に作るといいましても、作るについての規模その他については、老後の安居的な気持を助成するため、老人の気持もくまなければならぬ。たとえば温泉地帯がいいといえば、その気持もくまなければならぬ。しかし地域的な分布も考えなければならぬということで、そこで両方の考え方をかみ合せて計画いたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/107
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108・森本靖
○森本委員 この件はこれで打ち切りますが、ちょっと緊急に質問したいことがありますが、委員長よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/108
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109・松前重義
○松前委員長 どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/109
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110・森本靖
○森本委員 きのうの夕刊によりますと、放火魔の女性を郵便法違反の疑いで逮捕したということが新聞に載っておりますが、これについて警察当局から郵政省に対する連絡はありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/110
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111・青木亮
○青木政府委員 ただいま森本委員からのお尋ねの件でありますが、これは世田谷の地区にひんぴんと起ります放火事件につきまして、たしか四月の二十八日だと思いますが、東京の監察局にこの事件に協力してもらいたいという警視庁からの申し入れがあったわけであります。しかし具体的にはその後今日まで実際に協力するという段階に達しておりません。それから私も実は先ほど新聞を見たわけでございまして、詳細わかりませんけれども、警視庁で放火事件について、具体的には世田谷署に捜査本部がございますので、あそこで調べた結果、郵便法違反の疑いがあるというようなことになったのか、この点は実ははっきりしておりませんが、おそらくこの場合に裏づけの関係なんかで、脅迫罪としてあるいは送検するかもしれないと思うのです。あるいは郵便を不正に利用した罪でございますね。今御指摘の郵便法違反と併合罪として送検するか、その点は非常に技術的なことでございまして、ただいままでに私ども入手しておりませんが、なお私どもといたしましては、こういう場合には郵政業務に関する専門知識を持っている郵政監察官が協力して、いわゆる共同捜査をしたらいいという場合に、警視庁から申し出があればこっちもそれに応ずるという格好をとっております。これはもちろん郵政犯罪でございますけれども、放火事件に関連して郵政犯罪と思われる事件がありました場合には、必ずしも私の方が一緒に捜査をするということにはなっておりません。今申しましたように警視庁側から申し出があった場合に応ずるというわけでございます。そういう場合にもちろん、なお事件の捜査を早く進めるためにお役に立てばやりましょうということは、東京監察局から警視庁に連絡はしております。大体ただいままで入手しておるところでは、それ以上ちょっと御説明申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/111
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112・森本靖
○森本委員 これは私の希望として申し上げます。これは放火の事件であって、直接郵政省としては関係がないわけでありますが、しかし郵便によるところの脅迫とかなんとかいうふうな郵便法の違反の問題になりますと、やはり相当われわれとしても関心を持たざるを得ないのであります。この面については向うの方からそういう要請がなくても、それぞれの出先の監察官の方から出向いていって、その内容についても調査するという積極的な方法をとって、一応御調査を願っておきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/112
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113・青木亮
○青木政府委員 ただいま御指摘がありましたように、私どもといたしましても先ほどお答え申しましたように、そういう場合に積極的に連絡はいたしております。しかしこれは郵政犯罪でありましても、全部向うで捜査をする場合もございます。要するに捜査がうまくいけばいいという観点からやっておりますので、その点は十分御趣旨を体しまして、今後とも一般警察機関、捜査機関とも十分協調してやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/113
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114・松前重義
○松前委員長 ほかに御質疑ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/114
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115・松井政吉
○松井委員 ちょっとお伺いいたしておきますが、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律並びにそれに関連をして御質問を申し上げたいと思いますが、法律改正の中に、「第三条第一項に次の五号を加える。」と法文は書いてございまして、四のところに「法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人の発行する債券」とうたつております。この場合の「国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人の発行する債券」、この国会の議決と承認を得なければならない法人等の考え方と、これをどういう法人に推定をして条文改正をやろうとするか、その内容についてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/115
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116・白根玉喜
○白根政府委員 御説明申し上げます。まず二つにわけまして、この該当条項で債券の方は日本国有鉄道、日本電信電話公社、承認を得るのは日本放送協会と相なっております。ついでに次の号でございます。「前号に規定する法人に対する貸付」を説明申し上げますと、議決を受けてやる特殊の機関といたしましては住宅金融公団、国民金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、日本国有鉄道、日本電信電話公社、日本専売公社、承認を受けるものとして該当するのは、日本放送協会でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/116
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117・松井政吉
○松井委員 今のは農林金融公庫でございますか、金庫でございますか。農林中央金庫でございますか、農林漁業金融公庫でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/117
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118・白根玉喜
○白根政府委員 農林漁業金融公庫でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/118
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119・松井政吉
○松井委員 そうすると大臣の説明の中の第二に該当するものの「長期信用銀行法による銀行業務を営む銀行」、その下に「農林中央金庫及び商工組合中央金庫の発行する金融債」、こううたってありますが、これは新たに加えようとするものであるし、法律の条文における法人に対する貸付は、金庫ではなくして公庫だ、こういうことに分けて考えてよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/119
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120・白根玉喜
○白根政府委員 この書き方は、資金運用部の書き方をならって書いたわけであります。公庫関係は五号と四号で規定しておるわけでございます。農林中央金庫関係の農林中金、商工組合中央金庫、これは六号の長期信用銀行法第二条に規定する長期信用銀行または商工組合中央金庫が発行する債券というふうで、向うの法文の羅列をまねて別に規定いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/120
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121・松井政吉
○松井委員 そうすると五号の場合の貸付の対象とするものは六の場合の金庫ではなくて公庫だ、こう解釈してよろしいわけですね。——そういたしますと、六の場合の金庫の場合は金融債でありますから、広義の解釈からいけば貸付でありますが、五の場合は前号に規定する法人に対する貸付、こういうことになりまして、前号といえばこれは四をさすわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/121
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122・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/122
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123・松井政吉
○松井委員 そうすると四をさすということになりますと、国会の議決を経、承認を得なければならない中にやはり多くの公庫関係も入っておる、こう解釈して差しつかえないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/123
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124・白根玉喜
○白根政府委員 四号の中には五号の客体のものも入っておりますが、四号では「債券」と書いてあるので、それで「国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人」という範疇には、五号の公庫関係も入っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/124
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125・松井政吉
○松井委員 そうすると四号にうたっておる公社関係並びに放送協会等は、当然これは国会の議決を経、承認を得なければならない法人であることは間違いございませんが、その次の「前号に規定する法人に対する貸付」の中に、四号以外の住宅公庫並びに農林漁業金融公庫等の公庫関係も、前号とうたってありますけれども、入っておるかどうかということが関連して参りますが、どうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/125
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126・白根玉喜
○白根政府委員 五号の対象事業は、四号の中の「法律の定めるところにより、予算について国会の議決を経、又は承認を得なければならない法人」の概念の中にはむろん入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/126
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127・松井政吉
○松井委員 それでわかりました、そうすると債券の場合と貸付の場合と扱いが違うと思いますが、その貸付の場合にはどのような方法によって行おうと考えておるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/127
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128・白根玉喜
○白根政府委員 これはむろん建設資計画で大体どれくらい貸すかというワクがきまります。そのワクの範囲内におきまして、大蔵省の融通条件と同じ条件で、たとえば公庫なら公庫の資金需要をも勘案いたしまして、またこちらの資金の需要も考えなければなりませんが、公庫の関係の資金の需要をできるだけ勘案しつつ貸し付けることにいたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/128
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129・松井政吉
○松井委員 その貸し付ける方法を聞いているのです。債券を引き受ける場合ははっきりしております。貸し付ける場合の方法は、債券でないということになれば、一体どういうことになるのか。債券に含まれるものであるかどうか、そのことをお聞きしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/129
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130・白根玉喜
○白根政府委員 貸付方式は証書貸付で参るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/130
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131・松井政吉
○松井委員 わかりました。そうすると、この条文の内容に基いて資料をいただいておりますから、資料について二、三お伺いをいたしたいと思いますが、地方債の融通担当区分計画というのを資料でいただいております。この場合に二十八年度の実績、二十九年度の実績、大蔵関係、郵政関係、こまかく科目別にいただいておりますが、三十年度分についての具体的な相手方の客体別の数字をいただいておらないのであります。やはりこの客体別の具体的な、郵政関係が行うべき三十年度計画について、一つ数字を聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/131
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132・白根玉喜
○白根政府委員 その点はただいま自治庁で起債方針をきめまして、今自治庁と大蔵省とこっちの分担を打ち合せ中でございまして、振り分けはまだ確定する段階になってないのでございますが、近く確定いたしますから、またその際に即刻御報告申し上げたいと存ずる次第であります。ただいま協議中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/132
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133・松井政吉
○松井委員 そうなりますと、三十年度の分は、合計は出ておるけれども、郵政当局で扱うべき地方債融通等の担当に関する各界体別については、自治庁が検討中で、郵政省はわからぬということでございますか。それとも郵政省独自の計画で提出してあるが、自伝庁との間に話がつかないので、数字を発表することができないという解釈でございますか、どういうことでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/133
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134・白根玉喜
○白根政府委員 ただいま郵政省といたしまして案を出しまして、大蔵省も案を出しまして、今調整中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/134
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135・松井政吉
○松井委員 そうするとただいま調整中ということになりますと、大蔵省と郵政省との関係における合計額は出ておるのですね。そうすると合計額の分布をどうするかということは調整中だという解釈でよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/135
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136・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/136
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137・松井政吉
○松井委員 その場合に、これは大蔵省と郵政省の合計でございますから、その客体別の内容がわからぬので、論議するわけに参らないのでありますけれども、地方債の融通担当が、これは大臣にお伺いしますが、郵政、大蔵を合計して、二十八年度より二十九年度は減っております。二十九年度より三十年度合計が減っております。こういうことは今日の地方財政と照し合せて、みまして、郵政省だけの問題じゃなしので大臣にお伺いするのですが、そういう場合一体政府はどのような考え方で、二十九年度より三十年度が減っておるのか、こういうことについてお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/137
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138・松田竹千代
○松田国務大臣 二十九年度の総額で申し上げれば九百四十二億、三十年度は八百九十四億で減少いたしております。今日地方財政の赤字は五百億にも達しておるような状況であります。今後三十七年度になりますと、この総額は、今までの貸付並びに元利合せますと倍額に達するような状況に相なりますので、従来の貸付金を考慮し、地方に対する貸付は四百二十八億ということに、今年こちらの分析としてはなっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/138
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139・松井政吉
○松井委員 ここで私は財政論争をやろうとは思いませんが、僕らの感覚からいけば、大臣のおっしゃる通り、地方財政の赤字は、今の状態でいくとふえていく一方なんです。これはどの政党が内閣をとっても、地方財政の立て直しと今日の赤字の処理を考えないと、財政計画の面でやっていけないと思うのです。そうして勢い地方財政の赤字が積れば、政府の方で投融資を減らしたり、債券の引受額を減らしていくということになりまして、それはやはり県民の負担にかかってくるのです。この前も話しましたけれども、今度の場合、町村税等は、土地を中心にした固定資産税で税金が倍額になっていくのです。こういう工合に地方県民の負担になってくると、要するに郵便貯金、年金、保険等の財政投融資あるいは運用部資金としての原資の総額は、国民生活と関係がありますから、減るのです。そういうことを考えれば、二十九年度の地方債の融通担当の数字が三十年度減るというのがおかしいのであって、ふえなければいかぬ。しかも地方の県あたりが市中銀行から二十億借りた金利と、運用部資金等の財政投融資の金の金利とは、大きく違うのです。そういうことを考え合せれば、この方がふえなければならぬ。その減っておるのは一体どういうわけか、こういうことを聞いておるのです。そうすれば結局総額が減っておる限りにおいて、年金、保険等を地方債に充てようとする場合、郵政省の額も、資料を見るに去年より減っておるのです。そういうことは今日の実情からしていけないのではないかという考え方があるから、お伺いしているのです。減るというのは一体どういうわけかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/139
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140・松田竹千代
○松田国務大臣 今日の巨額に上る地方財政の赤字を克服することについては、郵政省の資金をもってこれを補てんしていくということは、これはちょっと無理であると考えます。従って現在の地方の赤字は、これはあるいはたな上げするなり、あるいはまた経常費に対しても地方庁としては十分なる緊縮をやって、その克服に資していくという考え方をもっていかなければならぬのであって、郵政省関係の資金をもってその赤字を解消していくという考え方はとれないのではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/140
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141・松井政吉
○松井委員 大臣は赤字にばかりこびりつくからいかぬ。そもそも年金とか保険は、これは私が説明する必要はないのですが、長い歴史がございまして、地方の利益のために地方の公共団体を中心に投融資を行い、あるいは債券の引き受けを行なって、多くの国民から零細なる貯金、保険、年金を集めるわけですから、それを再び間接的に、貯金をしてもらった人々、保険に入ってもらった人々、年金を積んでいる人々の生活安定を確保するために、地方の公共団体を中心に融通するというのが、融通計画の根本の建前なんです。だから赤字の問題じゃない。ただ今日の情勢では赤字が出ておるという一つの現象でしかない。運用部資金として使う場合、あるいはこれを投融資として使う場合の根本的な建前は、私が申し上げたようなことで歴史は貫いておる。それを一部途中において、郵政省が自由にならないように大蔵省に取られた——取られたという言葉は不穏当かもしれませんが、そういう時期があって、われわれはそれではいかぬということである程度戻ってきたというのが、今日までの経過なんです。そういうことからすれば、地方債等の融通の額は、赤字にこだわらず逆にふえて、国民大衆は保険に入り年金に入っておるのですから、その人々のふところを間接的に豊かにするための融通と債券引き受けが建前でなければならない。その金が年々減るというのは一体どういうわけか、こういうことを聞いているのです。あなたの今おっしゃったように、たな上げならけっこうです。一つ民主党内閣でやって下さい。われわれ賛成します。そういうことを聞いているのじゃない、予算委員会じゃございませんから。だから総額が減っているということになれば、郵政省当局の債券融通等の資金計画の額が減っているわけですから、少くとも郵政省だけは当初の、年金、保険の融通あるいは債券引き受け等、地方公共団体の利益のためという精神を貫くならば、大蔵省の方が減っても、郵政省の額はその面についてはふえなければならないはずだが、減っているのはどういうわけか、こういうことを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/141
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142・松田竹千代
○松田国務大臣 御趣意はむろんその通りで、大体その趣旨によってやっておる次第でございます。政府の建設資計画に基きましても、その大部分の資金はやはり郵便貯金によるものでありまして、これらは範囲広く国家全体の産業方面に投融資されておるわけでありますから、その趣旨におきましては、郵政省関係の運用部資金は、依然として地方に還元することを主眼としてやっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/142
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143・松井政吉
○松井委員 主眼としているのに減っているのはどういうわけか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/143
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144・松田竹千代
○松田国務大臣 大蔵省の方で貯金の金を扱っておられますが、これの比率関係から現在のような状態になっておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/144
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145・松井政吉
○松井委員 大蔵省の方じゃないのです。これは大臣おわかりにならなければ、事務当局でもよろしいのですが、こういうことなんです。二十八年度、二十九年度の地方債担当引き受けは、大蔵省分は幾ら、郵政省扱い分は幾らと、ちゃんと数字が出ておるのです。三十年度はわからぬのです。この数字が今折衝中でわからぬというのです。ところが今大臣は大蔵省がと言いますけれども、大蔵省の分は減っても、郵政省の分はただいま申し上げたように地方公共団体を中心に使うということが精神なんだから、その精神からすれば三十年度においては郵政省の扱い分だけはふえなければならぬのに、本年度減っておるのですよ。これは数字をごらんになればわかるように減っておるのです。その郵政省分まで減ったというのは、一体どういう理屈かということを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/145
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146・白根玉喜
○白根政府委員 私から説明させていただきます。御説のように地方債の総額の問題は、先ほど大臣が御説明申し上げましたような事情であると思います。しからばその総額の範囲内において、簡易保険の金で地方に貸す率と、大蔵省の金で地方に貸す率と、金額が次には問題になると思います。最後の点について御説明申し上げますと、私どもといたしましては簡易保険の金は、総額は政府で決定するのでありますが、その総額の範囲内におきまして、できるだけ多い金額を地方公共団体の方の貸付にやりたいという気持はあるのであります。しかし一面先ほど大臣が御説明申し上げましたように、資金運用部の金も貯金の金が大部分、そうしますと、貯金の面からいたしましても、やはり地方還元をしてもらいたいのでございます。従いまして戦前には資金比率等をも考え、なお地方還元の必要性が貯金の分野にもおるということを考慮に入れまして、大体簡易保険の金が四〇%、預金部の金が六〇%、こう相なっておったわけでございます。しかし私の気持といたしましては、簡易保険の地方還元の色彩、強さは、貯金がちょっと強いのではないかという気持で、逐次比率の面におきまして私の方の比率が多くなるように主張して参りまして、昨年が最高でございまして、こちらが四八%、資金運用部の方が五二%、これは今まで簡易保険が運用を始めて以来、地方に貸し付ける資金の比率では最高でございます。本年度もその最高の四八%と、向うの五二%の比率で分けてもらうということでやったのでございます。総額が少な過ぎるという問題はあるかもしれませんが、政府で決定した地方に貸し付ける総額の範囲内における按分におきましては、最高の比率で本年もやったのでございますが、絶対額の面になりますと、総額が減った関係上減っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/146
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147・松井政吉
○松井委員 総額が減ったから減ったというのは、僕らとしてはおかしな考え方だと思います。しかしこれは先ほどから言っておりますように、郵政省だけの問題じゃない。そうすると、二十九年度の四百三十五億という一般会計分だけを例にとって説明願えればそれでよろしい。それが三十年度において一般会計分だけで、一体郵政省扱いは、具体的にどういう数字になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/147
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148・白根玉喜
○白根政府委員 四百三十何億という数字について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/148
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149・松井政吉
○松井委員 二十九年度の地方債融通担当区分の資料の中で、二十九年度の一般会計分として扱った郵政省の地方債に融通したものが四百三十五億と出ていましょう。それは三十年度分幾らになるのか、こういうことをお伺いしているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/149
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150・白根玉喜
○白根政府委員 この一般会計分を大蔵省がどの程度持ち、私の方でどの程度持つというのはただいま折衝中で、確定いたしましたらすぐ御報告いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/150
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151・松井政吉
○松井委員 それはただいま数字は確定しないけれども、郵政省の扱う分の減ることは明らかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/151
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152・白根玉喜
○白根政府委員 総額が減りましたので、ある程度減ることになるかもしれませんけれども、それは確定ではございませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/152
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153・松井政吉
○松井委員 そこでお伺いしますが、そういうことになりますと、これはやぼな質問で、実際はそういうわけにはいかぬかもしれませんが、大体法律できめられたことでは、郵政省関係については当然大蔵省と折衝して、国全体の計画を立てなければならぬことはよくわかっておりますけれども、たとえばこの金の扱い方というものは、法律上は大臣になっておるわけですね。管理も計画も大臣になっておるわけです。そうすればどの内閣ができても、国全体の財政投融資あるいは運用部資金の使い方等は、大蔵省と折衝し、相談しなければ予算の編成はできないし、資金計画ができないことはよくわかっております。よくわかっておりますからやぼな質問になりますけれども、その折衝の過程において、管理とそれから計画の責任を負っておる郵政大臣でありますから、郵政省としては当然責任を負わなければならない、こういう結論になると思いますが、その場合に総額が減ったから減らなければならぬという考え方ならば、大蔵省依存といいますか、大蔵省支配という形が出て参りまして、法律における二条、三条の規定に対するいわゆる誤解と、それから矛盾が生まれてくるわけですが、こういう点について、考え方だけでけっこうでございます。結果は相談しなければ計画は立たないのですから、一つ郵政省としての考え方だけを明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/153
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154・白根玉喜
○白根政府委員 考え方といたしましては、地方公共団体に貸し付ける対象のうちで、これは資金との相互関係がありまして、多少の例外は出るかもしれませんけれども、同じ貸付対象の事業のうちでも、加入者の利益に接近しておる事業と、多少間接的な事業とがあると思います。従いまして加入者の利益に還元するような事業客体に重点を置いて参りたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/154
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155・松井政吉
○松井委員 そうすると今の客体の説明ではなくて、郵政省としては大蔵省の計画にまかさずして、簡保、年金を投融資したり融通したりする場合に、郵政省が主体性を持ってこの金の使い方をきめたいという精神でいるのか、保険金を集める努力と年金を積み立てさせる努力は郵政省がやるが、集めた金の使い方のこういう計画の場合の主体性は、大蔵省が握っているのかという立場だけを明らかにしてほしい、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/155
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156・白根玉喜
○白根政府委員 その点ちょっと誤解いたして説明が足らなかったわけでありますが、むろん郵政省の資金の投資先についての主体性は郵政省が持って参る、また向うの資金の面では向うで主体性を持つわけであります。その主体性を持った相互において多少の折衝は出てくる。主体性ははっきり郵政大臣が持つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/156
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157・松井政吉
○松井委員 もう一項目この資料に基いてお伺いいたしておきますが、資料の六の一般会計分の内訳だと思いますが、特例災と書いてあるところがあります。この特例災と書いてあるところの、二十八年度の特例災と称されるものの郵政省の担当はゼロ、二十九年度には郵政省担当が四、大蔵、郵政合せて二十八年度五十、二十九年度四であったものが、本年度百十となっておりますね。これは郵政当局の見解だけでけっこうでありますが、この百十億の内容はどういう内容であって、二十八年度が五十、二十九年度が四のものが、今年度百十になったのは一体どういうわけであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/157
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158・白根玉喜
○白根政府委員 御説明申し上げます。この特例災というのは災害関係です。あとの三十年度のところの赤字再建百十億というのは、再建整備の再建の金がこの中に入っておる。従って特例災の方は、まだ本年度の分は話し合いがついていないのですが、下の百十億というのは再建整備の金が貸付の形でいった数字であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/158
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159・松井政吉
○松井委員 そうすればこれは特例災ではないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/159
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160・白根玉喜
○白根政府委員 この数字は特例災ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/160
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161・松井政吉
○松井委員 そうすると三十年度に新たに赤字再建分というものが生まれたと考えてよろしいのでありますか。こういう客体が生まれたと解釈してよろしゅうございますか。従来の特例災は赤字再建と解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/161
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162・白根玉喜
○白根政府委員 この百十億は再建整備に関する法案が国会を通過すれば、それを予定しての数字が入っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/162
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163・松井政吉
○松井委員 だから新たな客体として生まれたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/163
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164・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/164
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165・松井政吉
○松井委員 わかります。そうすると大臣の赤字論争とは大分内容が違ったことが出ておりますが、論争はやめます。論争はやめますが、それでは次の資料について関連をしてお伺いをいたしますが、簡易生命保険及び郵便年金資金運用状況の資料はいただきましたが、これによって大体の額を把握することはできました。けれども、ちょっと私の見落しかもしれませんけれども、現在でなくてけっこうでありますが、いずれかの年、いれずかの月の合計でよろしゅうございますが、ちょっと郵便貯金の総額を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/165
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166・小野吉郎
○小野政府委員 郵便貯金の現在高でありましょうか——最近のところで四千四百四十億くらいあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/166
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167・松井政吉
○松井委員 そうすれば資金運用部の金が予算書に出ているのは七千七百何億だと記憶をいたしておりますが、こまかい数字はわかりませんが、その中において年金と保険と貯金、すなわち郵政省関係だけで引き受けておるのは総額六千億をこえておるに違いないと思いますが、いかがでありましょうか。その額がわかりましたらお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/167
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168・白根玉喜
○白根政府委員 本年度は保険関係だけで今五百三億であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/168
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169・松井政吉
○松井委員 郵政省関係で今政府で使われているもの、それを全部説明を願って、その中で運用部資金の方に貯金なら貯金がどういっているか、そういう運用部資金の原資に充てられている内容の説明を願いたいのです。これは保険の五百億だけではなく、たとえば保険にしても千五百十七億あるいは二十億なりあるとするならば、その中でいわゆる政府融資計画の中にどれだけ入っているか。それから年金にいたしましても、何十億ある中でどれだけ入っているか。貯金の総額四千四百四十億とお伺いしましたけれども、その中で資金運用部やその他政府の計画の中に入っておるものがどれだけあるか。この郵政省全体の総額と、その年金、保険、貯金の具体的な内訳の数字を聞きたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/169
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170・小野吉郎
○小野政府委員 郵便貯金の最近の現在高四千四百四十億と申しましたが、これは大体資金運用部に入っておるわけであります。しかし現在の運用部資金の内訳におきましてどのようにそれがなっておるかということは、明確ではございません。今年度の新規のものについて申しますと、これは大体三十年度予定いたしております投融資計画の原資全体を一〇〇といたしまして、郵便貯金の原資は七五%、こういうことになるわけでありますが、過去の既運用済みのものにつきましては、これはあらゆる資金を一団として運用いたしておりまして、これは郵便貯金から来た金、これは厚生年金保険から来た金という色分けをいたしておりません。そういうことで、明確に郵便貯金がどれだけということは、そういう区別を分けては申し上げかねるのでありますが、郵便貯金の金は御承知の通り全部資金運用部に入るわけでありまして、資金の現在高総体といたしましてはそれが入っておるわけでありますが、これは出し入れの激しいものでありまして、あるいは資金運用部に入っておるものを出す場合もありますので、その辺の過去のいきさつは、現在は既運用のものは一団としておりまして色分けがありませんので、遺憾ながら郵便貯金の金がそのうち幾らかということは提示しかねるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/170
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171・松井政吉
○松井委員 私の聞いているのは、四千四百四十億ですか、これは貯金ですから当然その扱いはわかっているでしょう。その中で、たとえば三十年度の財政投融資の見込みの中に預託金として千四百億ある。その中の千百億が郵便貯金と出ているのです。千百億が郵便貯金ならば、これは財政投融資でしょう。そういう工合に分布が出ているのです。わからないじゃなく、出ているのです。その内容を聞かしてくれというのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/171
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172・小野吉郎
○小野政府委員 先ほど申し上げました通り、昭和三十年度の投融資計画の資金全体から申しますと、郵便貯金は千百億円でございます。この内訳はございません。全部郵便貯金の金で、予定通り入ればこれが本年度計画の全体の中の七五%を占めるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/172
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173・松井政吉
○松井委員 財政投融資の原資の中には千百億入っておる。しかし貯金は四千四百四十億ある、こういうことでございますね。そうすれば三千三百四十億というものは、郵政省はどこへ入っておるかわからぬと解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/173
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174・小野吉郎
○小野政府委員 それは既運用済みの中に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/174
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175・松井政吉
○松井委員 そうすると運用済みのいわゆる数字的な過去の実績はなかなかむずかしくて、資料を出すこともできないということになりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/175
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176・小野吉郎
○小野政府委員 これは大蔵省資金運用部といたしましても、過去の既運用のものにつきましては、貸し付けました当座におきましてはわかるのでありますが、貸してしまったあとは、これは郵便貯金のひもがついておる、これは簡易保険のひもがついておる、これは厚生保険のひもがあるというようなひもは、全部断ち切っておるのでありますから、その点は明確に出ないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/176
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177・松井政吉
○松井委員 出ないと言われればやむを得ないのですが、それじゃ見通しについてお伺いいたします。政府は本年度千百億の原資を見積っておるわけですね。そうすると財政投融資を間違いなく遂行するかしないかということを考えるときに、貯金の成績というものが問題になってきます。そうすると郵政省当局ではこの原資見込みに対する責任を負えるだけの、本年度の国民経済と国民生活の実情から、貯金ができるという解釈でこれをのんでおるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/177
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178・小野吉郎
○小野政府委員 今年度の投融資計画に郵便貯金の増加分を千百億と決定いたしましたのには、いろいろ慎重に検討いたしまして、これは当然に、易々楽々とできるものでないことは明らかでございますが、諸般の情勢を考えまして、これは到達不可能であると今日見きわめなければならぬものではなく、努力いかんによりましては達成できないものではない、こということで計画いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/178
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179・松井政吉
○松井委員 無理ではあるが努力次第ではできる、こういうことでございますが、そうすると今度は同じく財政投融資の中の原資の中に含まれておる簡保、年金の資金でございますが、これは昨年当初四百六十億を原資として見積ったものが、四百五十五億という実績見込みになりまして五億落ちておりますね。そうして本年度は五百三億と見積っておりますね。そうすればただいまお伺いしましたように、郵便貯金において二十九年度の当初計画が九百億で実行の見込みが一千億円を越えておる。従って今年一千百億円は可能だ、こういう工合に原資の見積りが、今日の国民生活からいけばわれわれ非常に無理だと思って聞いておるのですが、そうすればやはり簡保、年金の方も同様の考え方ですか。これは簡保、年金の方と貯金の方は違うのですね。貯金の方は、当初の九百億が一千億を突破しておりますね。ところが簡保の方は四百六十五億が五億落ちているのです。にもかかわらず、去年当初の四百六十億より五百三億に増しておるのです。やはり原資についての責任問題までは起きなくても、見込みでありますから、こういうものに対する努力目標というものは可能でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/179
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180・白根玉喜
○白根政府委員 前年度におきましては年度当初には四百六十億予定して、その後改編いたしまして四百五十五億となっております。五億落ちたのは、実は前年度見込みの面におきまして、契約者貸付原資が予定よりたくさん出たのであります。本年度におきましては、その面も考えまして、契約者貸付原資を多く持っておりますので……。主として契約者貸付が、前年度におきましては予定よりふえたのでございます。従いまして今後もデフレその他の面からいたしまして、契約者貸付は五百三億円別ワクになっておりますが、五十余億円を見込んでおります。前年度は、年度当初は二十億見込んだものが、実績といたしまして四十数億になっておるのでございますが、本年度は契約者貸付が前年度よりふえるという前提で、五十数億見込んでおります。今年度は、前年度のように契約が少くなるということはないと考えております。
なお本年度の簡易保険の伸び工合でございますが、一時ちょっと落ちたときもございましたが、全体的に見ますと、前年度より——前年度も成績がよかったのですが、それより大して落ちない見込みでございます。現に募集の面につきましては、六割程度は全国的に達成しておるような事情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/180
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181・松井政吉
○松井委員 そうすると、さらにお伺いをいたしたいのでございますが、要するに住宅金融公庫三十億、住宅公団二十億、やはりこの簡保資金を使おう、こういうことなんですね、その場合の法律との関係はどのようになっておりまするか。説明書の中にはうたってありますけれども、一応一つ具体的に説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/181
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182・白根玉喜
○白根政府委員 住宅公団に対する投資の面においてはおっしやる通りの金を予定しておりますが、しかしその基礎条文につきましては、公団法の附則で簡易保険の金を使うことができるという条文で、別途公団法のところで規定することに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/182
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183・松井政吉
○松井委員 そうすれば住宅公団法案か通過をしてから使うということになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/183
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184・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/184
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185・松井政吉
○松井委員 そうすればこれは住宅公団法に関係がありまするから、公団法と並行してわれわれも審議すればよろしいということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/185
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186・白根玉喜
○白根政府委員 建設資計画といたしましては先ほど申し上げましたような数字を予定しておりますが、公団法が通らないということになれば、別途建設資計画の変更があると思うのです。こちらの法律はできればそれと切り離して——法律はワクでございますので、建設資計画は当然公団法が通らないと、その金はほかの方へ回さざるを得ないようなことになる、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/186
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187・松井政吉
○松井委員 そうするとここでまたいわゆる法律の改正を行なって、長期信用銀行法の二十億がまた議論になって参るわけでありますが、やはりこの二十億を組み、これから通過をする法律、住宅公団法ができたら使おうというのか、二十億組まれて、四十億が組まれておりながら、やはり地方債の引き受けが減っておる、平面から見ればこういう現象なんですね。だからそういうことがこの年金や簡保の従来の精神から見ておかしいじゃないかという議論が、お伺いしている間に再度出てくるわけなんです。それで二十九年度と三十年度のいわゆる地方債に対する債券引き受けといいますか、そういうものの数字の比較をお聞かせ願えませんか。三十年度はわからなければやむを得ませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/187
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188・白根玉喜
○白根政府委員 ちょっと聞き漏らしたのですが、その総額は簡易保険の資金だけでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/188
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189・松井政吉
○松井委員 簡保の資金です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/189
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190・白根玉喜
○白根政府委員 簡保の資金は、二十八年度が郵政は、この当時のは半額利用でございますので二百億になっております。しかし積立金としては四百億あったのであります。それから二十九年度が、ここにありますように四百五十五億、三十年度が地方債に対しましては四百二十八億、こうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/190
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191・松井政吉
○松井委員 二十九年度が四百五十五億でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/191
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192・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/192
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193・松井政吉
○松井委員 三十年度は四百二十八億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/193
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194・白根玉喜
○白根政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/194
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195・松井政吉
○松井委員 そうすると四百五十五億と四百二十八億の差を減らして、住宅公団やそれから金融機関、いわゆる長期信用銀行法による銀行に二十億をやらなければならないために法改正をしなければならぬというところが、われわれはおかしい、こう言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/195
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196・白根玉喜
○白根政府委員 こっちをふやして地方債を減すという前提でやったのではございませんで、地方公共団体に対する国家資金のワク、総ワクは政府できめろわけでございます。従いまして政府できまった総ワクの中で、先ほど申しましたように大蔵省で地方債として流す金額と私の方で流す金額との比率において、なるべく多く比率をしたい、従って前年度が一番最高でございますので、四八%私の方、五二%向うの方、こうなっておるのでございます。なおこれは国会会で建設資計画が変って、地方債のワクがふえれば、先ほど申しました比率程度のもので、こちらの方もふやしたい希望を持っております。しかしこれはそういうことが決定した仮定のときはそういう気持を持っておる、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/196
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197・松井政吉
○松井委員 大臣は閣議があるそうですから、大臣に最後の質問をいたしますが、ただいま申し上げたように、やはり二十九年度と三十年度を比べると、地方債の額が減っておるのです。それでほかの金融機関に新たに客体がふえて、二十億をやろうとしておる。さらにあなた方は四十二万戸の住宅の宣伝をしたから、何とか一万戸ぐらい作らなければならぬでしょう。作らなければならぬけれども、金がないから、今度は地方債の方をぶったくって住宅公団、できもしない方に持っていこう、こういう計画がありありと今度法改正に出ておる。そういうことは間違いだ、簡易保険等は地方の公共団体、それから保険に入ってもらっておる人たちの生活に、間接に地方の公共団体を通じて流れるというのが精神なんです。そもそもこの政府の財政計画と今度の法改正というものは、何といってもうらはらの関係で、郵政省が独自に貫いた法改正ではないのです。そういうことがうかがわれるのですが、数字から見れば明らかにその答えが出ておるのですが、この点について見解を述べて、あなた閣議に行って下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/197
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198・松田竹千代
○松田国務大臣 郵政省独自の考えで郵政省関係の資金を配分したのではなくて、他の方面からの要望によって変えられたようにおっしゃいますけれども、決してそうではございませんで、私どもの考え方といたしましては、住宅公庫なり住宅公団などに貸すということは、それによって地方自治体並びに地方民の契約者もその恩典に均霑するところが多い。何にこの資金を持っていくことが、地方還元の趣旨に最も適合するかということに対しては、いろいろ考えもあろうと思いますけれどの、私どもとしては、住宅は国民一般の要望するところであり、そしてこれは地方にも充てられるものでありますから、むろん大きい都市などはよけいになるかもしれませんが、しかしその資金の集まる数も大きい都市は多いのでありますから、そういう考えで、決して趣旨に背反しているように考えないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/198
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199・松井政吉
○松井委員 大臣とは論争をしませんよ。しませんけれども、僕らの考え方を言えば、住宅公団あるいは住宅公庫というものは、わが党内閣ができてもそうだと思うのですが、まず都市の一万二、三千円から一万七、八千円までの給与生活者で、結婚しても住宅のない者を入れるという立場から、都市のいわゆる勤め人中心に住宅を考えると思うのです。ところがそういう都市においては、残念ながら赤字がないのですよ。赤字もないし、地方の財政もいいので、平衡交付金なんかぎゃあぎゃあ言わなくてもいいところなんです。ところが簡易保険なんかにまじめに、零細な金を積んでいる農村地帯は、住宅にはそれほど困らないけれども、やはり地方公共団体に使ってほしいという要望が強いし、今の六百億に近い地方の赤字というものは農村なんですよ。そうでございましょう。だからそういう点からこの金の使い方について、われわれは納得のいかない点が法律改正に出ておるから、お伺いしているのです。これは見解の相違でしょうから、議論なさらないでけっこうです。けっこうだが、私たちが今質問をしている内容はそこだということを承知をしておいてもらいたいと思います。われわれはこういう考え方から質問をしているのです。
それから最後に郵政省の方々全体に申し上げますが、原資の押え方が甘いということです。やはり今の国民生活から推して、貯金はなるほど当初よりもふえた形になっているから、成績を上げよう、無理だけれどもやろうということですが、これは政府全体の計画からくることでございましょう。それから還付金の原資も、国全体の計画から要求されてふやしておるのでしょうけれども、昨年は減っておるのです。地方債の引き受けも減らさざるを得ない状態だと思う。そうではなくて、成績がよかったけれども財政投融資の原資だけが減っているというなら、その数字をお伺いしたい。おそらくこれは原資だけが減っているということは、予定よりも実績が減っているということは、いわゆる簡易保険の還付の資金が減ったことだと思う。資金が減ったということは、成績が減ったということではないかと思う。そうではなくて、成績が非常によかったけれども、この面だけが減ったということならば、その説明が願いたい。もし成績がよくなくて、この原資に影響したということなら、本年度この原資の押え方は非常に甘い。従って実績見込みは減らざるを得ない。そういうことになれば、いわゆる四百二十八億という考え方はもっと減ってくる。そうすれば地方公共団体のサービスをしなければならないために使おうという精神がまた減じてくる、こういうことに理論的につながるのです。だからそういう点を明らかにしてもらうことが一つと、それから郵便貯金についても、年金についても、保険についても、そういう考え方からすれば、非常に数字の原資が甘いと思う。それで今度は末端の従業員諸君は、これを獲得するために必死の努力をさせられるでございましょう。その場合にあなた方のかわいい子供を学校にやる、その学校の建設のためにこの金は使い得るのだという考え方で募集する場合と、都会の住宅を作るためだということを表面に出した場合と、一体どっちが成績を上げ得るかということをよく聞きたいと思う。われわれは簡保のいわゆる契約額等をいじろうとする場合にいつでも反対を受けるのは、財閥保険会社から反対を受けるのです。何回もわれわれは当委員会で経験をしておるけれども、われわれが一番考えるのは、こういう保険こそ一番大事だと思うのです。零細な金であるけれども、国民からできるだけ積んでもらって、そうしてやはり間接的に積んだ国民の生活安定の基礎とならなければならない。従ってこの使い方というものは、預かる郵政省としてはなみなみならない重要な問題だと思うのです。そういうことから考えると、ただいま申し上げたように、成績はよかったけれども、この面の原資は減ったということならば、昨年の成績実績を明らかにしてほしい。成績が悪くて原資が減ったということならば、今年の見積りは無理だということになる。無理だということになると、どこを減らすか、当然地方債を減らすということになる。そうなれば地方のサービスが悪くなる。これはその目的に反することになる。こういうことについても見解を一つ明らかにしていただきたい。私はさらに質問したいのですが、一時になりますし、食事の時間も来ておりますから、私の質問でこれで終ることにいたしますが、ただいま申し上げたことについて一つ明らかにしていただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/199
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200・白根玉喜
○白根政府委員 原資の見積りの問題でございますが、むろん国家資金計画の要請もありまして、非常に低目の原資を見ておるというところまではいかぬと思います。しかし前年度の原資に比較いたしまして、本年度の契約者貸付は、前年度の予定のときの二十億というのを、これを五十数億にしております。そういうようなところまでやりまして、運用対象の原資が減っております。そういうような考え方でやっておりますから、本年度は前年度のように五億改変するということはまずまずなかろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/200
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201・松井政吉
○松井委員 そうすると、成績が悪くてこの原資が減ったのじゃない、たとえば契約者貸付等の貸付の方法が違ったので、この原資が減ってきた、こう解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/201
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202・白根玉喜
○白根政府委員 募集の成績は、去年は一昨年よりもよかったわけでございます。もう少し詳しく申し上げますと、契約者貸付と、やはりデフレの関係からいたしまして、失効解約が少しふえて参ったということでございます。その面からいきますと、成績が一部悪いと思いますが、失効解約の面はマイナス的な要素が強くなくて、契約者貸付が出てきたわけであります。それから去年は一昨年の面に対しますと、決算の結果が九億程度がプラスになっておったわけでございます。積立金としては入ったのでございますけれども、契約者貸付の原資として積立金から払うことになっておるので、去年はその契約者に対する貸付の予定が少し間違っておった。従って今度は安全を見まして、去年の予定の二倍以上に持って参った、こういうことでございます。成績が必ず非常にいいという意味でもございませんが、本年度は資金計画を年度末になって変えないようにという配意だけはやっておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/202
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203・松井政吉
○松井委員 もう一つ、それは前段の質問ですが、後段のいわゆる募集成績を上げるためにはどう考えるかということについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/203
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204・白根玉喜
○白根政府委員 募集成績を上げると申しましても、従業員にあまり過重労働をかけてはいかぬわけであります。従いましてやはり計画的には、金の入る可能性の強い時期にある程度やってもらいまして、金が入るのがむずかしいときには、手を抜くというわけではないのですが、目標の予定を少し小さく見積っていくと同時に、保険の募集に当りまして、保険に対する認識を公衆の方々に周知宣伝を相当やりまして、募集しいい環境へ持っていきたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/204
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205・松井政吉
○松井委員 そこでわれわれは率直に言って、この問題はこういうことになると非常に痛しかゆしにぶつかるのです。われわれはこの種の保険は非常に重要だと考えており、従って成績のいいことをこいねがうわけです。だから僕ら自身が募集人になったようなつもりで、これは地方公共団体のために使うのであって、結局君らのために使うのだから、保険に入れというようなことを言っているわけです。つまり君らのかわいい子供の教育のために、君らの生活安定のために、あるいは地方町村の公共事業のために、こういうことの宣伝なんですね。ところが今度そういう宣伝をしないで、みなの納めた零細な保険金がかくのごとく使われているということでは、われわれがそういう話をする場合と逆になり、大きな問題が起るわけですね。だからそういうことを、非常にこれが大切であり、成績を上げなければならない、重要に使わなければならないという考え方がわれわれの腹の中にはあるから、いろいろなことをお伺いしているのだけれども、そういうことからいくと、使い方等はよっぽど慎重に、保険に入る国民大衆、きわめて素朴な人たちがぴりっとわかるように、それなら入ろうといって食いついてくるようなものの考え方が必要だ、こう思うのです。そのためにはやはり地方自治なりあるいは地方公共団体に使う金がふえなければならない。いやしくも長期信用銀行法による銀行にたとい二十億でも、そんなところへ使ったなんといううわさをも飛ばしてはならない、こういうふうに考えるから質問しておるのであり、そういう工合に考えるから、どうもこの法律の内容はおかしいのではないか、こう考えられてくるので、そういう点について一体どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/205
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206・白根玉喜
○白根政府委員 まず本年度の地方債のワクの問題でございますが、地方債の総ワクが、実は貸付としては先ほど来大臣が御説明申し上げたように減っておるわけであります。しかし公募債を入れますとふえてはおりますが、貸付の原資としては地方債の総額が減った、従ってその減った総額は、これは政府がきめることでございます。従いまして事務当局としては減った総額をできるだけ、私自身簡易保険の立場からいけば、地方に貸す比率を高くしていきたい。しかしまた一面郵政省といたしましても、貯金の面から、私貯金にもおったのですが、やはり資金としては地方還元をしてもらいたという希望があるわけであります。従いましてそこの関係のかね合せを考えまして、昔は四分六分でありましたが、四八%程度に、できるだけ最高の水準でいきたい。むろん国会の御審議によりまして、建設資計画の改善をはかって、地方公共団体に対する貸付の比率がふえれば、われわれとしてはやはり最高の比率によってこちらの方へ回したい、こう考えておるのでございます。一面長期信用銀行の関係でございますが、私どもといたしましては、重心を置きたいのは、長期銀行法によるのではなくて、むしろ商工中央金庫、それから農林中央金庫、これに重点を置きたいと思うわけであります。なぜそこへ重点を置くかと申しますと、中小企業者、またそれに使われておる従業員も、簡易保険の加入階層の方々が非常に多い。従ってこの点に対しますと、地方公共団体に貸すと同じ程度の加入者の利得に関係するのではないだろうかということで、主としてねらっているのはそこでございます。ただ長期信用銀行とかいう、あれは資金運用法に書いてある条文をそのまま引用して書いたのでございますが、力点はむしろ下の中小企業に関係のある商工中金、農林中金に重点を置く。従いまして今も金融債の中身についてはまだはっきりきまっておりませんが、私どもといたしましては、本年度は中小企業に関係がある商工中金、農林中金だけに限って運用したい。しかし将来の面になりますと、簡易保険の金は、ことしは百億前年度よりふえておりませんか、その原因は後払い契約というのがございまして、歳入減がことしは二十億程度ございます。従ってその歳入減は来年からだんだん減って参ります。そうしますと大体一年に百億程度ふえていく見通しがつくと思うわけでございます。そういたしますと、戦前におきましても、長期信用銀行はなかったわけでございますが、その貸付対象である興業銀行に対しましても、運用しておって別に弊害もない。従業員の方々からもそういう面に対しての何もなかった程度しか運用してなかったのでございますが、そういう面もございますので、法律のワクといたしましては、長期信用銀行法による銀行というのを入れていただいて、しかし実際の運用につきましては、本年度はむろん建設資の中には融資対象にいたさないつもりであります。来年もその点についてはいたさないつもりでございますが、法律のワクといたしましては、お許しを得てこの提案通りに御協賛していただけば望外の望みと、かように存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/206
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207・松井政吉
○松井委員 これで質疑は打ち切りますが、ただいま説明をお伺いすれば、どうもことしは大臣の説明された「第二」から「銀行業務を営む」までは削った方が、今の局長の説明にぴったりくるような気がしますが、これは私の意見ですから後日またお伺いいたします。 それから財政投融資とか、国の予算が裏づけとなって計画されるものは、これは議会政治であり政党内閣であるから、やはり内閣がかわる、そして大臣がかわるのです。そうすればやはり内閣に政党の持ち味が出てくるのですね。そういうことでいろいろ変ってくろから、その制約を受けて年金や保険の使い方、郵便貯金からくる投融資の原資の押え方等違ってくると思う。けれども長い間郵政省で御苦労なさった事務当局の人たちは、そういうことにはわずらわされず、従来の精神を一つ貫いてもらいたいということを申し上げて、きょうは質問を打ち切ります。今後また質問させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/207
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208・森本靖
○森本委員 月曜日の委員会までに資料を要求しておきたいのですが、それは三十年度の保険の募集計画と現在の募集実績、それから同じく貯金の募集計画と現在の募集実績、それから簡易保険の国民に対する加入の率、そういう募集に関する一切の資料を、次の委員会までに至急御提出を願いたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/208
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209・齋藤憲三
○齋藤委員 三月二十一日に全会一致をもってテレビジョン受像機に対する物品税に関する申し入れの件という決議案を作りまして、これを大蔵委員会に申し入れたのですが、そのお話を聞きますと、次官会議においてこの物品税の問題が論議された際に、大蔵当局からは十四インチ以下の普及型に対して、税率を二〇%に引き上げるという話が出た。また話によりますと、これは二五%でもって手を打とうじゃないかという話も出ているということを聞いたのですが、この間一体どうなっているか、どなたか御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/209
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210・中村俊一
○中村説明員 ただいまお話のありました事柄につきましてお答え申し上げますが、この物品税法の一部改正案の内容といたしまして、現在の十四インチ以下のテレビ受像機の暫定的な税率の改正をしたい、こういう案が出たことは事実でございます。その内容につきましては、向う一年間はこれを二〇%にする、その以後は原則である三〇%、まあこういう案が出たのでございます。しかしこれは前々から、当委員会における御審議の模様、さらにまた現在のテレビ受像機の普及状況、今後における見通し等から考えまして、そういうような措置は適当でないと私考えましたので反対をいたして、閣議には上程されずに保留になったのでございます。なおこれは御承知のように、大蔵当局は税制の体系の面からそういうことを主張するのでございますが、通産省の方はいわゆる製造販売の面からこれに関心を持っておるわけでありますが、しかしただいまお話のありましたような一五%云々ということは、これは単なる一つの雑談として出たのでありまして、決して正式にそういうものがきまっておるわけじゃございません。私といたしましては現行の税率をそのまま——免税ということのお話は前ございましたけれども、今の段階といたしましてはそこまではいけないといたしましても、少くとも現行の税率を当分維持したい、こういうことで、具体的にそれではどういうふうに、いつまでというような申し出をやっておるわけじゃありません。少くとも現行の税率を維持したい、こういう点で本日まで主張して参ったような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/210
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211・齋藤憲三
○齋藤委員 この物品税の問題は、各党において審議されると思うのであります。われわれもこのテレビジョンの税率に関しましては、まだ党議は決定いたしておりません。それですから、あまり早く次官会議でこの問題を決定しないように、一つこれは保留にしておいていただきたいと思いますが、そういうことはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/211
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212・中村俊一
○中村説明員 郵政当局といたしましては、現行税率を少くとも続けていきたいという基本的観念に立っておりますので、かりにまたそういうものが出た場合には、郵政当局としての意見を申し述べます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/212
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213・齋藤憲三
○齋藤委員 これはもう時間も過ぎましたから簡単にお答えをいただきまして、また次の機会に真相を究明して参りたいと思うのでありますが、私の手元にも日本アマチュア無線連盟というものから陳情書が参っております。これは郵政大臣を初めとして各党にも陳情書を出しているようでございますが、アマチュア無線連盟から、アマチュア無線を非常に混乱する短波がある、これはアメリカ軍の使っておるところの電波がアマチュア無線を非常に混乱に陥れている。これは二十日の産業経済新聞にも、「世界を結ぶ電波に雑音」、「補助軍用がじゃま」、「怪電波も横行」、「アマ無線連盟から抗議」、こういう見出しでもって出ておるのでございますが、これを読みますと、相当これは電波界においては大きな問題ではないかと思われるのであります。こういう中見出しで出でおります。「世界の空を善意で結ぶアマチュア無線の花園を踏み荒す者がある——日本アマチュア無線連盟は、米軍の補助軍用無線をやり玉にあげ、政府に対して厳重な抗議を行うとともに国際アマチュア無線連盟(IARV)に実状を訴えることとなった。しかし、一方このアマチュア無線を利用して暗躍する中ソ陣営の微妙な動きもあり、これに対して何ら法的な力を持たぬ治安当局の悩みも加わって今後の成り行きが注目されている。」こういう見出しでもってまた相当長い陳情書が参っておるのでございますが、これに対しまして電波監理局当局は、簡単にこの実情をお話し願えるならば、今お話し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/213
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214・松井政吉
○松井委員 関連して。説明を簡単にきょう承わることもけっこうですが、これはやはりわれわれも陳情書をもらっておりますが、陳情書はこれは一方の立場から受けておる陳情ですね。だから電波監理局当局でこの問題に対する経過の説明と、それからどういう工合にこれに対して善処しているか、善処している方法、つまりこういう問題が起きた経過と善処して現状、そういう資料を御提出願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/214
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215・長谷慎一
○長谷政府委員 ただいま齋藤委員から御質問があり、また松井委員から資料その他の提出の御要求がございましたが、もしもお許しを得まするならば、ただいま松井委員から御要求の資料その他を御提出申し上げまして、その上で説明をさしていただいた方が御了解を得るのではないかと思いますので、お許しを得るならばそう願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/215
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216・齋藤憲三
○齋藤委員 もう一つ陳情がございまするから、これもついでにお願いしておきますが、これはオール・ウエーブ・ラジオの聴取に対する減税陳情であります。内容を読んでみますると、オール・ウエーブの受信機は非常に高級かつ高価である。それに対しまして二〇%の課税が行われておるために、輸出も阻害されているし、オール・ウエーブをもって短波を受信して国際的ないろいろな状態を交換するというのに、非常な支障を来たしておるという陳情でありまするが、これに対しましても何らか当局の方から資料の提出を願いたい。これはほんとうに二〇%課税のために、オール・ウエーブの受信機が海外に進出することができない。今世界の趨勢としてはオール・ウエーブに変りつつある。一千四百万個の中波の受信機の中に、わずか百万値しかまだ日本にはオール・ウエーブがない。それが二〇%の高率課税によって伸展が阻害されておる。こういう陳情の内容でありますが、果してそうであるかどうか。この点に対しましても資料を御提出願えれば非常にけっこうであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/216
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217・長谷慎一
○長谷政府委員 ただいま御要求の資料等をそろえまして、できるだけ早くお手元に差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/217
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218・松前重義
○松前委員長 だいぶ時間も経過いたしましたので、次会は公報でお知らせ申し上げることとして、本日はこれにて散会をいたします。
午後一時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204816X01319550521/218
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