1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十年五月二十八日(土曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 宮澤 胤勇君
理事 高橋 禎一君 理事 辻 政信君
理事 江崎 真澄君 理事 高橋 等君
理事 森 三樹二君 理事 田原 春次君
眞崎 勝次君 粟山 博君
山本 正一君 大坪 保雄君
田中 正巳君 船田 中君
茜ケ久保重光君 石橋 政嗣君
鈴木 義男君 中村 高一君
出席国務大臣
法 務 大 臣 花村 四郎君
出席政府委員
外務政務次官 園田 直君
委員外の出席者
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
専 門 員 安倍 三郎君
専 門 員 遠山信一郎君
—————————————
五月二十七日
委員楢橋渡君辞任につき、その補欠として眞崎
勝次君が議長の指名で委員に選任された。
五月二十六日
外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第七五号)
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九〇号)
同月二十八日
恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出第九七号)
同月二十七日
恩給法の一部を改正する法律の一部改正に関す
る請願(助川良平君紹介)(第一〇二七号)
同(古井喜實君紹介)(第一〇二八号)
同(亀山孝一君紹介)(第一〇二九号)
同(中川俊思君紹介)(第一〇三〇号)
同(有馬英治君紹介)(第一〇七一号)
同(首藤新八君紹介)(第一〇七二号)
同(前尾繁三郎君紹介)(第一一一八号)
恩給額調整に関する請願(首藤新八君紹介)(
第一〇七三号)
旧軍人関係者の恩給不均衡是正に関する請願(
野依秀市君紹介)(第一〇七四号)
養護教諭の恩給不合理是正に関する請願(前尾
繁三郎君紹介)(第一一一九号)
薪炭手当制度化に関する請願(細野三千雄君紹
介)(第一〇三一号)
東北地方各県に薪炭手当支給に関する請願(細
野三千雄君紹介)(第一〇三二号)
静岡県伊豆長岡町外二箇町の地域給指定に関す
る請願(畠山鶴吉君紹介)(第一〇三三号)
高知県弘岡下ノ村外六箇村の地域給指定に関す
る請願(林讓治君紹介)(第一〇六八号)
高知県須崎市の地域給引上げの請願(林讓治君
紹介)(第一〇六九号)
島根県平田市の地域給指定に関する請願(櫻内
義雄君紹介)(第一〇七〇号)
東北地方各県に薪炭手当支給に関する請願(淡
谷悠藏君紹介)(第一一二〇号)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した案件
外務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第七五号)
法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第九〇号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/0
-
001・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより会議を開きます。
外務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。園田外務政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/1
-
002・園田直
○園田政府委員 ただいま議題となりました外務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容を説明いたします。
まず提案理由を説明いたします。
今般の改正において、外務省といたしましては、本省内部部局及び付属機関につきまして、次の方針を持っております。
一に移住局を設置すること。二に賠償部を設置すること三に横浜移住あっせん所を新設すること。
まず移住局の設置について説明をいたします。
本邦人の海外移住に関しましては、昭和二十九年度中、三千七百余人の計画移民を送り出し、また本年度は、五千五百人の送り出しを計画する等年々著しい増加を見ておりますが、一方、中南米の請受け入れ国の受け入れ計画ないし受け入れ態勢は、一般的対日感情の好転とともに、わが国にきわめて有利になってきております。政府といたしましては、この好機を逸せず、わが国民の海外移住を一そう促進する方針でおりますが、このために外務省の移民関係担当部局を統合強化する必要があると認められますので、現在欧米局が所掌しております移民、渡航関係事務を同局から分離し、新たに移住局を設置し、同局にこれらの事務を統合所掌せしめたい所存であります。
次に賠償部の設置について説明いたします。ビルマ国との賠償及びこれに伴う経済協力に関する協定は、去る四月十六日効力を発生し、目下同国との間に実施に関する細目取りきめを交渉中でありまして、これに基き、近く協定実施の段取りとなる予定であります。政府といたしましては、誠意に持って賠償義務を履行する方針でおりますが、この実施業務を関係各省と密接な連絡、協力を保持しつつ総合的かつ円滑に遂行するため、アジア局に賠償部を設置したい所存であります。なお、インドネシア、フィリピン等との間の賠償交渉が妥結いたしました際には、その実施業務も、この賠償部に所掌せしめる予定でおります。
最後に横浜移住あっせん所の設置について説明いたします。
さきに申し述べました通り、海外移住は年々増加の趨勢にあり、政府も大いにこれを促進する方針でおりますが、これら移民に対しまして移住に必要な教養を与え、及び渡航に必要な手続をあっせんする機関といたしましては、現在神戸移住あっせん所一カ所であります。これでは、増大する移住あっせん業務に支障を来たすおそれがあるばかりでなく、東日本方面からの海外移住者にはきわめて不便であり、かたがたボリビア、コロンビア等の国が、横浜にのみ領事館を設置しているという関係もありまして、この際、外務省付属機関として、新たに横浜移住あっせん所を設置し、あっせん業務の円滑化をはかりたい所存であります。
以上の方針をさらに実施に移すには、法律上、外務省設置法の一部を改正する必要がありますので、今般この改正法律案を提出する次第であります。
以上が本法律案の提案理由の説明であります。
次に本法律案の内容の説明をいたします。
まず移住局の設置につきましては、外務省設置法第五条に本省内部部局として移住局を追加し、新たに第十三条の二といたしまして同局の所掌事務を規定し、同時に第九条の欧米局所掌事務から移民、渡航に関する事務を削除いたしました。
次に賠償部の設置につきましては、第五条第二項といたしましてアジア局に賠償部を置く旨規定し、さらに第八条のアジア局所掌事務に賠償実施関係事務を追加し、同条第二項に賠償部が右の事務を所掌すべき旨、規定いたしました。なお、賠償部設置のためには、国家行政組織法の一部改正を要しますので、これを本法律案附則第二項に規定いたしました。
最後に、横浜移住あっせん所の設置につきましては、第十五条の二を改正しまして、神戸移住あっせん所に並ぶものとして、横浜移住あっせん所を規定した次第であります。
以上をもちまして本法律案の提案理由及び内容の概要の説明を終ります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御採択あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/2
-
003・宮澤胤勇
○宮澤委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/3
-
004・宮澤胤勇
○宮澤委員長 次に法務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。花村法務大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/4
-
005・花村四郎
○花村国務大臣 ただいま議題となりました法務省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
出入国管理行政は、わが国におけるすべての外国人の出入国、在留あるいはその退去に関し、第一次に法令の執行に当るものでありまして、その取扱いのいかんは、直ちに当該外国人個人の利害に関するのみならず、ひいては各国の対日感情に影響するところも少なくないことは御承知の通りでありますが、入国管理局は発足後いまだ日が浅く、その機構上不十分の点がありますので、この際、その二、三の点を改善し、出入国管理行政の一層有効適切な運営を行い得るようその体制を整備いたしたいと存ずるのであります。
まず第一は、川崎入国者収容所の新設であります。現在入国者収容所は、大村と横浜のニカ所にありまして、横浜入国者収容所には主として欧米人の法令違反者を収容いたしているのであります。しかるに、この横浜入国者収容所は、元キャバレーの敷地及び建物を買収し、急遽改装したものでありますため、その設備ははなはだしく貧弱かつ不完全で、被収容者の運動場はもちろん、地震、火災等非常に際しての設備、その他機収容者の食堂、面会所、診療室等処遇上当然に必要な施設すら完全に設けられておらず、また、入国警備官の休憩、待機、宿直施設等も不整備のため、被収容者の処遇上及び警備上著しい支障を来たしておるような状況であります。その上環境も悪く、この収容所はつとに内外各機関特に各国領事、報道関係者等の批判の的となっておるばかりでなく、その警備に当る職員も疲労の極に達し健庫上も憂慮すべき状態を招来しておる実情であります。
そこで、この際、羽田空港と横浜港とをその両翼に擁し、京浜一帯の中心に位し、しかも交通至便な川崎市に収容所を新設し、主として欧米人のための理想的な収容所とし、もって、出入国に関するわが国の法令を犯した外国人に対しては、人種、国籍等による差別なく、強力かつ、公正に法を執行し、国際的にも恥しからぬ出入国管理行政を実現したいと存ずるのであります。
第二には、大阪入国管理事務所の新設であります。入国管理局の出先機関たる入国管理事務所は現在十二カ所にございますが、近畿地方の中心地たる大阪には、神戸入国管理事務所の出張所が設けられているだけで、独立の入国管理事務所はまだ設けられておらず、業務の遂行に種々不便を来たしているのであります。
すなわち、現在の神戸入国管理事務所は、全国最大港の一つたる神戸港を擁するとともに、全国在留外国人の三二%を占める大阪、兵庫、京都、滋賀和歌山、奈良の二府四県を管轄区域とし、その事務量において他の管理事務所をはるかに凌駕し、また地理的にもその場所が片寄り、違反調査、在留資格関係等の業務の面において関係者に無用の労力と費用の負担をかけ、また関係機関との連絡にも不便がある等いろいろの不都合を生じているのであります。そこで、この際、新たに大阪に入国管理事務所を新設し、神戸入国管理事務所の事務を一部これに移管したいと存ずるのであります。すなわち、神戸入国管理事務所には、約六万人の在留外国人を持つ兵庫県を管轄させるとともに、出入国外国人数の多い神戸港と広畑港を配属し、横浜入国管理事務所とほぼ相似した型の事務所として存置し、大阪入国管理事務所には、大阪府(在留外国人約十一号)、京都府(同約四号)、滋賀県(同約八千)、和歌山県(同約六千)及び奈良県(同約五千)を管轄区域とし、かつ、これに大阪港、和歌山下津港、舞鶴港、田辺港、宮津港を配し、もって、出入国管理行政の合理化をはかるとともに、関係機関との連絡に万全を期したいと存ずるのであります。
第三には、大村入国管理事務所の管轄区域を福岡入国管理事務所の管轄区域に変更することであります。従来大村入国管理事務所は便宜的に大村入国者収容所に併設されているため、同管理事務所の職員は、同収容所の職員と兼務の状態にあり、その間とかく業務の混乱が起きないとはいえない状態にあったのであります。そこで、この際このような便宜措置をとどめ、同収容所をしてその本来の行政に専念せしめることが最も適当であると信じますので、比較的事務量の少い同管理事務所を廃止し、その管轄いたしておりまする区域と出入国港とを福岡入国管理事務所の管轄に移したいと存ずるのであります。
最後は、前に申し述べました入国管理事務所の新設あるいは廃止に伴う各出張所の所属変更と港業務の繁閑に伴う港出張所の整備でございます。すなわち、神戸入国管理事務所、大阪港出張所、同和歌山下津港出張所を大阪入国管理事務所に、大村入国管理事務所長崎港出張所及び同佐世保港出帳所を福岡入国管理事務所にそれぞれ所属変更いたしますほか、新たに下関入国管理事務所尾道港出張所及び同宇部港出張所並びに福岡入国管理事務所厳原港出張所を設置するとともに、既設の仙台入国管理事務所塩釜港出張所及び名古屋入国管理事務所敦賀港出張所並びに神戸入国管理事務所舞鶴港出帳所を廃止しようとするものであります。元来、出張所は入国管理事務所の事務を分掌させるためのものでありますが、その主た業務は出入国港におきまする外国人の出入国管理にあるのであります。この出入国港は、現在全国に八十六港が指定されており、そのうち四十一港に出張所が置かれ、その他の四十五港では外国船舶の出入の都度所轄入国管理事務所またはもよりの出張所から入国審査官が出張し審査に当っている現状であります。ところが、従来の実績に徴しますると、現在出張所の置いてない尾道及び宇部の両港には出張所を置くことが望ましい反面、塩釜、敦賀及舞鶴の三港にはその必要が乏しいので、その間の整理統合をいたしたいと存ずるのであります。また、厳原港は、御承知のように、不法入国者の取締り上重要な地点であるとともに、地理的にも本土から隔離された土地でもありますので、ここに出張所を新設し、いわゆる港業務のほか不法入国取締り上の業務をも行わせ、不法入国防止の万全を期したいと存ずるのであります。
以上、この法律案の提案理由を御説明申し上げましたが、以上の措置はいずれも与えられた予算と人員の範囲内で行うものでありますから、この点お含みの上、何とぞすみやかに御可決あらんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/5
-
006・宮澤胤勇
○宮澤委員長 以上両案に対する質疑は次会に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/6
-
007・宮澤胤勇
○宮澤委員長 森委員から、この問題には関連いたしませんが聞きたいことがあるそうですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/7
-
008・森三樹二
○森(三)委員 実は花村法相にお伺いしたいのですが、検察庁の建物の腐朽したものが全国で相当あると思うのです。北海道の釧路地方検察庁ですね。これは裁判所と同じ建物になっているのですが、明治四十二、三年ごろ作りました、もう非常に腐朽しておるのです。しかも一昨々年の三月の十勝沖地震の際、これが非常に危険に瀕しまして、今復旧の工事をやっておるのです。もう危険でもって、庁員はちょっと地震がいっても危なくておられないというのですよ。これについて花村法相は全国の腐朽庁舎の建てかえについて御検討なさっておると思うのですが、釧路の場合について御検討なさっておるかちょっとお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/8
-
009・花村四郎
○花村国務大臣 本年の予算の面におきましても、御承知のごとく、一兆円のわく内を維持していくという建前からいたしまして、この法務省の復旧工事等に関します予算についてもなかなか困難でありましたが、その困難なうちにも、法務省の必要欠くべからざる、今申されたような朽廃いたしておりまする建物に対しましては、ぜひ改築をいたしたいというので努力をいたしました結果、ある程度の予算はもらったのでありますが、今森委員の言われる北海道の釧路はどうですか私記憶をいたしておりませんが、相当に古びた建物で、しかもそれが危険を感じられるというようなものについては、今度の改築のうちに入っておるのではなかろうかと思います。ただいま記憶をしておりませんが、よく御趣旨の点はわかりましたので、入っておればけっこうですし、おらなければ改築の面に十分に努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/9
-
010・森三樹二
○森(三)委員 それは入っておらないのです。四、五年前から盛んに要求しておるのですが入っておらないのです。そこで、大臣のほかに局長もいらっしゃると思うのですが、この面についてひとつ来年度はぜひ改築していただきたいということを強く私要求しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/10
-
011・花村四郎
○花村国務大臣 森委員の要望をいるるように最善の努力をいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/11
-
012・宮澤胤勇
○宮澤委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
午前十一時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01119550528/12
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。