1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月四日(土曜日)
午前十時四十六分開議
出席委員
委員長 宮澤 胤勇君
理事 高橋 禎一君 理事 辻 政信君
理事 江崎 真澄君 理事 森 三樹二君
理事 田原 春次君
保科善四郎君 眞崎 勝次君
松岡 松平君 粟山 博君
田中 正巳君 福井 順一君
茜ケ久保重光君 飛鳥田一雄君
石橋 政嗣君 下川儀太郎君
鈴木 義男君 中村 高一君
矢尾喜三郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 川島正次郎君
出席政府委員
行政管理政務次
官 森 清君
総理府事務官
(行政管理庁管
理部長) 岡部 史郎君
委員外の出席者
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
専 門 員 安倍 三郎君
専 門 員 遠山信一郎君
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六月四日
委員加藤清二君及び春日一幸君辞任につき、そ
の補欠として飛鳥田一雄君及び矢尾喜三郎君が
議長の指名で委員に選任された。
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六月三日
恩給額調整に関する請願(池田清志君紹介)(
第一六一〇号)
軍人恩給支給額引上げ等に関する請願(池田清
志君紹介)(第一六一号)
旧軍人関係者の恩給不均衡是正に関する請願(
池田清志君紹介)(第一六一二号)
恩給法の一部を改正する法律の一部改正に関す
る請願(野依秀市君紹介)(第一六一三号)
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の
支給に関する法律の一部改正に関する請願(松
岡松平君紹介)(第一六一四号)
宮城県下の地域給指定等に関する請願(保科善
四郎君紹介)(第一六一五号)
三重県二見町の地域給引上げの請願(田中幾三
郎君紹介)(第一六一六号)
三重県下外城田村の地域給指定に関する請願(
田中幾三郎君紹介)(第一六一七号)
三重県御薗村の地域給引上げの請願(田中幾三
郎君紹介)(第一六一八号)
三重県伊勢市城田地区の地域給指定に関する請
願(田中幾三郎君紹介)(第一六一九号)
三重県伊勢市の地域給引上げの請願(田中幾三
郎君紹介)(第二八二〇号)
同(田村元君紹介)(第一六二一号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出第五二号)
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001・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより会議を開きます。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。石橋政嗣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/1
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002・石橋政嗣
○石橋(政)委員 先日に引き続いて質問をいたしたいと思います。まず最初に、前回も定員に対する考え方というようなものをお伺いしたわけでございますが、それに関連いたしまして、どうも定員というものが、定員内職員と定員外職員との、いわゆる差別待遇という形になって現われてきておる、これは非常におもしろくないのではないか。非常勤職員とか、あるいは常勤労務者とかいわれるものは、当然この定員法の中にも含めていかれて、定員内職員としての扱いを受けるべきだ、私そういう考えに基いて質問したわけでございますが、現在定員外の職員が、一体どの程度おるのかということをまず発表していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/2
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003・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げます。ただいま定員法で規制せられている職員以外の政府職員のうち、いわゆる常勤労務者とか非常勤職員というものはどれくらいいるのかというお尋ねでございましたが、現在のところ、三十年度の予算に計上せられております常勤労務者の数は、三万四千九百二十二人に相なっております。この常勤労務者というのは、御承知の通り定員法第一条の定員の範囲から除かれている種類のものでございます。そのほかに非常勤職員がどれくらいいるかというお尋ねでございますが、非常勤職員というのは、一年中の季節の繁閑に応じまして変動するものでございますので、特定の時期をつかまえなければその数は確定いたしませんが、ことに農林省などにおける非常勤職員は、年間によって非常な増減がございますが、各省大ざっぱにいたしまして、約五十九万に上ると思っております。そのうち五十万前後が農林省に属するものと考えてよろしいかと思いますが、非常勤職員と申しますのは、各省にまたがりまして、また職種も非常に千差万別でございます。各省の委員、顧問というようなものから、日雇いその他まで含みますので、非常な広範囲になりますが、大体の数は五十八、九万、こういうようにお考えいただいてけっこうと思います。ただこの非常勤職員のうちに、きわめて勤務の形態が常勤的なものがあるということも否定できません。これも数万、あるいは三、四万に上っておるかと思うのであります。これらの常勤労務者及び常勤的な非常勤職員につきまして、それがほんとうにその行政機関の構成的な職員であるというような形態になって参りますならば、これはやはり定員法の中に逐次織り込んでいくのが正しいのではなかろうかと思うのであります。と同時にこのような形態の者がその後絶えず発生し、増加していくようなことのないような措置もあわせて考慮する必要があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/3
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004・石橋政嗣
○石橋(政)委員 今、三十年度の予算に計上されている常勤労働者の数は、大体三万四千九百人ということでございますが、これは二十九年度の予算に現われております三万五千四百九十三人というものと大差ないわけでございます。
大体そう見ていきますと、この常勤労務者というものは、予算面からいって、ほとんど動いておらないということが言えるんじゃないか。そうすると、なぜこの人たちを定員法の定員の中に入れないで外に置かなくちゃならないのか、これに対する行政管理庁の考え方、あるいは今後どうしようとするのかということについて、ちょっとお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/4
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005・森清
○森(清)政府委員 石橋さんの今の御質問については、われわれも常に慎重に考えているのでございますが、事実御指摘のように、昨年度の数字と本年度の数字がほぼ同じでございまして、これが例年そういうような現象にあるわけでございまして、その中をしさいに検討してみますと、確かに定員法の中に入れなければならないと思われるものもございますので、目下各省との間でも、いろいろと私ども相談をしながら、結論を出したいと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/5
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006・石橋政嗣
○石橋(政)委員 前の委員会の会議録を読んでも、大体そういうような御答弁がなされておるわけです。そうしますと、いつも研究しよう、しようということであって、実際には実行されておらない。こういうことでは私は納得できないわけです。何度も申し上げるように、この定員に含まれておらない職員は、公務員法で規定された保護も受けておられない。制約だけ受けて保護を受けないという形で、私たちとしてはどうしても不満なのでございますが、そういった差別待遇をやる。結局たやすく異動させたりすることができるような職員を持っておくというふうなことのために、わざわざなされているんじゃないかというふうな疑いをも持つわけであります。何とかこの点は全力を上げてワクの中に入れていって、ほかの職員と同等の待遇を与えるように努力する責任が私は行政管理庁にあるんじゃないか。そういう不安定なままにいつまでも置いておくというのは非常によろしくない。また前回も申し上げたように、定員法のワクの中で人数を減らしても、そのままこういった常勤労務者とか、あるいは非常勤職員とかいうふうなもので、そのまま異動させていくということで、法の権威というものもおのずから失墜していく、こういうことではいけない、このように思っておりますので、いつまでも口頭禅に終らずに、必ず次の機会までにはこれを定員の中に入れるなり、明確にするように一つしていただきたい、この点お願いをしておきます。
次に附則の十についてちょっと御質問したいわけでございますが、昨年成立いたしました、昭和二十九年六月十七日の法律第百八十六号によりますものと、今回附則十として出されております案との間に、若干の食い違いが見えているように思われます。それは何かといいますと、定員の外に置くことができる員数でございますが、三十一年度以降のものについて日にちが早められている、これはどういう理由に基くものかちょっとお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/6
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007・岡部史郎
○岡部政府委員 お尋ねの点はまことにごもっともな点と存ずるのであります。すなわち昨年の定員法の改正の場合におきましては、第三年度の計画におきましては、三十一年の六月三十日まで定員の外に置いて、七月一日からそれの職員が落ちる、こういうことになっておるわけでありますが、これは臨時待命を前提としない制度で、本来ならば三月三十一日に落ちるはずなのを、あと三カ月、四、五、六を整理期間とみて、その間に身の振り方をつけてもらおう、こういう考えだったのでございます。それともう一つは、年度の終りにおきましては、若干の年度に繰り越す事務の整理もあるだろう、そういう事情を勘案いたしまして、三カ月の整理期間を認めたわけでございますが、このたびの改正定員法におきましては、新たに指名退職制度を第三年度も実施するということに相なりますと、今度その職員の整理の余裕期間という意味の分は、これは十分指名制度によりまして何カ月間か、勤続年限によりまして、最高十カ月以下認められているわけでありますから、その点整理の余裕期間というものは要らなくなってくる。ただ事務が、調達庁でありますとか、厚生省というようなものは、年度末から年度当初にかけまして輻湊する傾向があるものでございますから、それを処理する期間を五月十五日まで認めようということで、その事務処理の期間を大体五月十五日まで認めました。五月十五日からあとは指名退職制度に移る、こういう構想でございます。まずとりあえずその点だけをお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/7
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008・石橋政嗣
○石橋(政)委員 大体わかったのでございますが、その点はまた私の方も研究してみたいと思います。
次に移りたいと思いますが、待命の期間についてちょっと疑義を持つわけでございます。と申しますのは附則の十二「第十項の規定に基いて職員を定員の外に置くことができる期間は、指名した日の翌日を起算日とする十月以内の期間で、職員の在職期間を参酌して政令で定めるものとする。」というような案になっているわけでございます。これも昨年の方によりますと、附則の十五項によって明らかに法定事項になっている。これを今回はなぜ政令に委任するようなことをせざるを得ないのか、私はひがんで考えますれば、昨年よりも臨時待命の期間を短縮しようというような意図があるので、これを法定事項にせずに政令に委任して、こっそりと待命期間の短縮をやろうというような意図を持っているのではないか、このように思うわけですが、その点御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/8
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009・岡部史郎
○岡部政府委員 その点に関しましても、最高限は十カ月と押えてございますので、決して特段に短縮しようとは考えておりません。すなわち原則としてその期間は昨年の臨時待命に準ずるものでありますが、このたびは臨時待命と異なりまして、分限制度ではない。それから強制措置も持たないものであるというような点から、そこまで法律で書く必要はなかろう。これがもしも強制措置を伴いますものならば、当然に法律で書く方がよろしかろうと思いましたが、強制措置も伴わないものでありますから、なるべく法律の表現を簡素化するというような形におきまして、政令に譲った方がよろしかろう、こういうふうな考え方でやった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/9
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010・石橋政嗣
○石橋(政)委員 この点は大臣に聞かなければちょっとむずかしいのじゃないかと思うわけでございますが、前回の大臣の答弁の中にも、昨年度の被整理者と本年度以降の年次計画によって整理される者との間に不公平があってはならない、この点は大臣もはっきりそう申しておりましたし、提案理由の説明の中にも触れられておったと思うのです。また、昨年この法案を審議した場合にも、今委員長席にすわっておられる辻代議士もはっきり言っておられる。あくまでも公平な取扱いをするべきである。そこで私は特に申し上げたいわけですが、すでに政府で用意しております政令案なるものを見ますと、どうも今岡部さんが答弁したのとは食い違っておるような気がするわけです。待命期間が非常に短縮されておる、このように思うわけですが、この点は、絶対に同様の待命の期間が与えられるように保障できるものかどうか、再度確認しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/10
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011・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げます。あくまで昨年の臨時待命期間と同様の期間をこの指名退職制度においては与えたい、そういうわけで、ことしの指名退職制度におきましても、来年の指名退職制度におきましても、再来年の指名退職制度におきましても、同一条件を原則としてやりたい、こう考えておるわけであります。ただ本年に関します限りは、本年だけの特別な例といたしまして、これは非常に打ち明けた話で、あるいは言い過ぎがありましたらお許しをいただきたいと思うのでありますが、本予算は六月から施行されるものという予定で、指名退職制度の実施も六月からの実施を予定しておりましたが、不幸にして六月も暫定予算になりましたので、この法律は七月一日から施行することに相なりました。しかし、予算額との関係もありますので、この指名退職制度は、形式的には七月一日からするけれども、実際におきましては、整理職員の身の振り方をきめるためには、一日でも早い方がいいという関係もありますので、実質的には六月一日から、もうすでに閣議の了解事項をもって実施に移しておる。そういう関係もありまして、六月一日から起算いたしまして、最高十カ月ということで、昨年の臨時待命と同じ期間を認めておる次第でございます。従いまして、政令におきましては九カ月となっておりますけれども、そのほかに六月一日からやるということになっておりますので、実質的には十カ月をやるということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/11
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012・石橋政嗣
○石橋(政)委員 そういうりくつもあるかと思いますけれども、どうも納得がいかないのでありますが、一、二例あげてみますと、昨年の場合は、勤続期間が六カ月以上三年未満の者は、臨時待命期間一カ月ということになっておりました。ところが今度閣議決定とやらによります政令案ですか、あるいは政令ですか、どういうつもりでやられたか知りませんが、法がまだ成立していないのに、それに基く政令ができておるはずはないと私は思うのでございますけれども、一応あるといたしましょう。それによりますと、勤続期間三年以上五年未満の者が一カ月となっておる。三年までの者は全然保障されておらない。それ以上の者についても、昨年三年以上五年未満の者がニカ月であったのに、今回は五年以上七年未満の者がニカ月になっておる。ざっとそういうふうな調子のようでありますが、これではあまりにも不均衡である、このような気がしてお尋ねしたのでございます。今のような理屈からいいますと、そういう理屈は成り立つにしても、事実との間には相当の開きがあるような気がしますので、再度お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/12
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013・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げます。ただいま申し上げました通り、本年に関する限りは、指名退職制度は、実質的には六月一日から始まっておるというようにお考えいただきたいと思うのでございます。そういたしますと、六月一日から一月間あるわけでありますから、ただいま御指摘の政令案の要綱では、その、昨年の臨時待命の制度に基く期間より一月ずつ引いております。例を申し上げまするならば、昨年は勤続期間二十年以上の者は十カ月でございましたが、ことしに関する限りは九カ月。来年からは十カ月にいたしますが、ことしに関する限りは九カ月の予定でございます。それから、十五年以上二十年未満の者は、昨年は八カ月でございましたが、それを七カ月にいたします。それから、勤続期間十年以上十五年未満は六カ月でございましたが、五カ月にことしはいたします。それから、勤続七年以上十年未満の者は、昨年は四カ月を、三カ月にする。それから、五年以上七年未満の者を、三カ月でしたのを今度はニカ月にする。それから、三年以上五年未満の者はニカ月でございましたのを、今度は一カ月にする。それから、昨年の一カ月の者は、今度は六月から現在進行中で、これは話し合いで進めていく。それからもう一つは、この法律を政令で定めるところによりとあります以上、その政令の内容の要綱につきましては、同時に閣議決定いたしまして大体の見当をきめておく、そうして法律が通りますと同時にこれを施行するというような手続をとるのは、行政上の手続として当然やむを得ないことかと存じまするので、その点は一つ御了承いただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/13
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014・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それではもう一点お伺いいたしますが、実質的には六月一日からいわゆる待命の期間に入るのだというお言葉でございますけれども、それはどういう意味か、結局昨年の法律に基いてそういうことが行われるのであるか、その点はっきりさしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/14
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015・岡部史郎
○岡部政府委員 昨年の法律に基きますと、そのままでは、この六月三十日で整理計画による三百人、四百人が当然に落ちてしまいます。そういうことでは均衡を失するから困るという昨年の各委員の仰せをも尊重いたしまして、今度は、臨時待命と同じような趣旨を六月一日本予算から実施しようと思いまして、それに伴う予算を、約九千万円でございましたか、計上してあるわけなんです。従いまして、準備万端は六月一日から実施できるように用意してあるわけであります。また、職員の身の振り方も、やはりこれは六月にチャンスがある場合もあります。七月を待てない場合もありますので、なるべく早く施行した方がいいわけでございます。しかもそれが、強制制度でありますならば、もちろん七月一日からやらなければなりませんけれども、お互いの話し合いによる任意の申し出によってやります場合においては、六月一日からやってごうも差しつかえないはずであります。そういう意味におきまして、六月一日から話し合いで準備を進めておるということは、六月一日から実施の、最高十カ月分の指名退職制度を施行するのに必要にしてかつそれだけしか予算がないということも、これが影響しておりますので、その点も一つ御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/15
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016・石橋政嗣
○石橋(政)委員 前段で申しているように、昨年の法律でいえば、結局定員外に落されるのは六月三十日のわけなので、その前にどうこうするということは、方法がない、従ってこの法律成立と同時にということでなさると思うわけでございます。それが合議であればいいのではないかというお話でございますが、その点についても私は一応疑義を持っております。しかしその点はあとに譲るといたしますが、合議と言うけれども、決して合議の形がとられておらない。強制の形で行われておる。極端な言い方をすれば、指名しておいて、お前これに判を押せ、押さなければ、最悪の場合には国家公務員法第七十八条の第四号でお前を整理しなくちゃならないぞ、こういうようなことまで言っておる。これが果して合議と言えるか。私はあまりにも詭弁過ぎると思うわけであります。この点については後ほど大臣が来たときに再度やるといたしまして、次に移りたいと思います。
それは附則十三になるわけでございますけれども、去年成立した法律によりますと、待命期間中の身分について触れておったわけでございますが、今回はこれがまた落されておる。これは当然国家公務員としての身分は保有するものだというふうに解釈して差しつかえないのかどうか、御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/16
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017・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げます。昨年の臨時待命というのは、これは一種の公務員法上の職員の分限に関する特例事項であると考えます。ことにそれが強制措置を伴いましたので、職員の身分の点についても慎重にいろいろ明らかにしなければならぬという点で、その身分を保有するというようなことまではっきりいたしたわけでありますが、今度の指名退職制度というものは、もっぱら服務に関する特例でございまして、身分を持っていることについて何らの疑義はない、当然国家公務員たる身分を持っていることは、どの条項から見ても明らかだということで、そのような分限に関するような制度ではないということが明白なものでありますから、そういう点は除いたわけであります。もつぱら服務に関する特例である、こういうようにお考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/17
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018・石橋政嗣
○石橋(政)委員 もう一つ附則十五の説明をちょっとしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/18
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019・岡部史郎
○岡部政府委員 附則十五は、これはもっぱら技術的な規定でありまして、本来技術的に言えばなくもがなの規定かもしれません。と申しますのは、昨年の定員法におきましても、年次計画によりまして、二十九年度は何人、三十年度は何人、三十一年度は何人と、将来のことまで書いていたわけでございます。ところが今度は、この新しい改正法の附則の四項、五項、六項、七項におきまして、昨年から言えば来年に当るところの今年の職員の規定を書くものでありますから、従いまして、昨年の附則にも来年、再来年のことを書いてある、今年の附則にも来年、再来年のことを書いてある、そうすると、法律技術的に申しますれば、後法が先法に優先するという法律の理論からいって、一応そのままにしておいても疑義はないかと思いますけれども、結局附則で同じ年度のことについて違った数字が書いてあればあとから疑義が生ずるかもしれぬから、幸い今年の法律の附則におきまして来年、再来年のことがはっきり出たのですから、昨年の附則に書いてあります来年、再来年のことは必要がなかろうというので、昨年の分だけははっきり残しておきまして、それ以外の来年、再来年の分はみな落した、こういうだけのことであります。でありますから、調達庁と文部省と引揚援護局、この三つの年次計画だけの来年、再来年の分を昨年の定員法の附則から落した、それだけのことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/19
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020・辻政信
○辻委員長代理 ただいま川島国務大臣が閣僚懇談会の席をはずして参りましたので、川島国務大臣に対する質疑の方をできるだけやっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/20
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021・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは先日に引き続いてお尋ねいたします。調達庁におきまして、まだ成立しないこの法律案に基いて、どちらかといえば強制的な形で退職者を募っている、あるいは指名している、こういうことが行われていると申し上げたわけでありますが、調査をした上で措置するというお答えでございましたので、その後の経過とその措置、善後策をお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/21
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022・川島正次郎
○川島国務大臣 今の整理は、昨年計画をいたしまして、三年にわたって整理をする方針でありました。二十九年度は臨時待命制度という新しい制度を設けまして、それによって強制し得る規定がありますから、やや強制的にやったわけであります。今度はその制度がなくなりまして、新たに指名制度になりまして、指名制度のもとにおきましては強制規定はございません。任意制度であります。調達庁の首脳部と職員の間にいろいろ相談中だそうでありますが、これは既定計画に基いてやっているのでありまして、予算は成立いたしませんでも、準備行為としてこれは当然やるべきだ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/22
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023・石橋政嗣
○石橋(政)委員 調達庁でやらせております形は、行政機関職員定員法の一部を改正する法律が成立した際に、同法附則十項の規定により申し出をいたします、こういう形でやっているわけなんです。これについてもし賛成しなければ国家公務員法第七十八条第四号に基いて本人の意に反してこれを解雇するかもしれない、こういうふうなことを言っている。そこで私が言いたいのは、そういうふうな強制的な、強圧的なことを言うならば、なぜ昨年同様今年も任意と強制の二本建で行かないか。法文上はいかにもりっぱな任意だけのような形をとっておいて、実質的には強制的な形でやっていこうとする、これは私はおかしいと思う。少し知能犯的になったのか、つめを隠していると言ってもいいのじゃないか。昨年ははっきり法律の上に強制と任意と二本建を打ち出してきている。今度は片一方の強制は引っ込めていて、運営の面で強制的にやるというように言われても、これは言い過ぎでないのじゃないかと思います。そういう形では、職員は納得して円満な形でやめるということはできないじゃないか。この間にまつわるいろいろの事情は、職員組合の方から本席で述べるように前回お願いしておいたわけでありますが、幸いに傍聴席におりますので、具体的なやりとりといいますか、そういったものについては職員組合の代表者から話していただいていいわけでございますけれども、法を運直する上からいっても非常におかしいじゃないか。今の長官の話でも、去年の法律で強制できるのだ、こういうふうに言っておりますけれども、これは定員の外に置くことができるというだけの話で、この手続その他については何ら触れていないわけであります。その手続その他をきめるために今法律案が出されて、これが審議されている。その審議されているさなかにそういった形でやるということは、ほんとうに話し合いならばいいけれども、実際面では話し合いでなしに、先ほどから言っているような強制的な形であるだけに、もってのほかじゃないか、こう言っているわけです。少くとも国会において審議中の法案に基いて事を処理しようとすることは、これはもう言い開きができないじゃないかと思います。合意合意といっても決して合意じゃない。具体的な例は先ほど申し上げたように、ここで職員組合の代表の者から発言さしていただきたい、このように思うわけであります。決して合意では行われておらないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/23
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024・川島正次郎
○川島国務大臣 公務員の退職を求めます際には退職者の希望、その当時の経済情勢、その他いろいろ勘案をいたしまして、方法は種々あるのであります。
昨年やりましたような臨時待命制度の方法もあるし、今回御審議を願っておるような指名制度のやり方もありますし、また国家公務員法による一般的な退職を求める場合もあるのでありまして、昨年は六万名という大規模の整理をいたしますので臨時待命制度を置いたのでありますが、大体この大部分は片づきまして、今日では調達庁、引揚援護庁並びに文部省だけになりました。それで強制規定を設けないで相談づくでやる任意制度にしたことは、私は公務員の立場を擁護する、公務員の発言権を強くする上においてもきわめて進歩的な必要な制度じゃないかと考えるのであります。昨年の臨時待命制度のように強制し得るということよりも、今度の方がよほど公務員の立場から考えていいのではないか、こういう考えで指名制度を採用するようにいたしたわけであります。従いまして、調達庁の当局が無理に強制をして、臨時待命と同じようなやり方でやっておるということはあり得ないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/24
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025・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは絶対に強制の形ではあり得ないという確言と、そういった強制的な形でなされた場合には職員が拒否しても、国家公務員法第七十八条第四号でこれを処理するというようなことは絶対にやらないという確言を、大臣はここでできるかどうかお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/25
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026・川島正次郎
○川島国務大臣 昨年計画いたしました行政整理の範囲内においては、お説の通りに国家公務員法ではやり得ないものだ、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/26
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027・石橋政嗣
○石橋(政)委員 どうもはっきりしないわけですけれども、今調達庁では強制的な形で、この法が成立した暁には云々という形でやろうとしておる。大臣はそういうことは絶対にあり得ない、あくまでも任意な形で合議してやる、こう言われておるわけです。そこでもう一度念のために、絶対に法の建前からいっても強制的な形ではこの指名退職ということはしないという確言をしていただきたい。もしそういった強制的な形でなされた場合に、職員がこれを拒否しても国家公務員法をたてにしてこれを処罰するというようなことは絶対にやらないということをもあわせて確言をしていただきたい、こう申しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/27
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028・川島正次郎
○川島国務大臣 今度の第二年度目の整理は、指名退職制度を用いるのでありますからして、強制的にはできないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/28
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029・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは強制的な形でもしやってきたら、職員は拒否しても、それを理由に処罰されるようなことはないというふうに解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/29
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030・川島正次郎
○川島国務大臣 拒否した場合に処罰なんていうことはあり得ないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/30
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031・森三樹二
○森(三)委員 ちょっと関連して……。私は公務員の夏季手当の問題につきまして、川島長官にもいろいろと御心配をいただいておりますが、その後閣議等においてこの問題がどういうように取り扱われておるかお尋ねしたいのです。法律上は〇・七五が支給されることになっておるが、私の方はやはり例年の例にならって一カ月分を要求しておるわけです。これに対して国務大臣として非常にお骨折りを願っておることはわかりますけれども、その後の閣議等における御決定はどういうようになっておるか御回答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/31
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032・川島正次郎
○川島国務大臣 夏季手当〇・二五繰り上げ支給の問題につきましては、先般閣議においても議題にしまして意見を交換したのでありますが、まだ結論に到達をいたしておりません。これは他の党派の意向もいろいろありましょうからそういうことも参酌をしよう、こういうことで、これは閣議の決定ではありませんが、二、三の閣僚の間では話し合いをしておりますから、そういうことで御了承願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/32
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033・森三樹二
○森(三)委員 予算も大体衆議院を六、七日ごろ通過して、今月一ぱいに通るというような見通しもついてきたようですが、この夏季手当〇・二五増額は、例年の例も川島国務大臣はよく御存じですから、ぜひとも実現するように御努力願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/33
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034・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは引き続いて御質問いたしますが、付則十五にもどりますけれども、大体そういうことだろうと私は了解しておったのですが、そうすると成文技術上ふに落ちない。というのは、「附則第八項中「四万四千二百八十四人とし、同年七月一日から」」云々とありますが、これでいくと、厳密に申し上げれば昭和三十一年六月三十日までの分の定員が修正されておらないような形になる。厳格に言えば、こういうふうに改めるべきではないか。「附則第八項中「四万四千二百八十四人とし、同年七月一日から昭和三十一年六月三十日までの間は、四万三千八百六十六人とし、」」を「四万四千二百八十四人とし、」「同年七月一日から昭和三十二年六月三十日までの間は、四万三千三百八十三人とする。」を「四万四千二百八十四人とする。」に改める。」といかなければこの間が修正されないで、昭和三十年六月三十日までの分だけが四万四千二百八十四人ということになって、これは大きな疑義を生じてくる。従って私が今申したような形で修正しなければ、かえって親切にやろうとしたのが不親切になる、このように考えますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/34
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035・岡部史郎
○岡部政府委員 今のお話はごもっともなように思いますけれども、これは全く技術的な問題でございまして、昭和三十一年からの分は、今度の改正法律案の附則の第七項で「昭和三十一年五月十五日までの間は、四万四千五百三人とし、」といいまして、つまり厚生省、文部省の新規増加も含めた数字で計上してございますし、それから期限も六月三十日を変えまして五月十五日までとしまして、「五月十六日から昭和三十二年五月十五日までの間は、四万四千二十人とする。」というふうにやっておりますので、この新法の七項とただいまお話の十五項の三番目の附則第八項と合せれば、これで——これはどっちがわかりやすいかという全くの技術の問題だけでございまして、私ども別にこれに固執はいたしません。これは法制局の立法技術を尊重したという次第でありますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/35
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036・石橋政嗣
○石橋(政)委員 私も固執するわけではないのですけれども、純技術的な問題として承わっておるわけです。これではかえって疑義を生じやしないかと思ったのですが、さらにこれは私の方でも研究してみたいと思います。
それでは一応これで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/36
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037・森三樹二
○森(三)委員 この定員の問題については、いろいろ議論もありますし、私らの観点から見ると、政府案というものについては相当意見があるわけです。私は一つの例を申し上げたいのですが、郵政省の関係ですが、この表を見ますと、ことしは三千七百四十九名増員になっておりますが、減員分を差し引き、結局三千三百四十八人の増員となっておりますが、その内容をちょっとお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/37
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038・岡部史郎
○岡部政府委員 この前も申し上げました通り、今度の増員は大部分郵政省の増員にかかるわけでございまして、郵政省の増員は、しからばどんなのがふえたのかと申しますと、こまかく申し上げますと、第一は無線施設の増加による検査要員の増が四十八名でございます。これは例の私設の無線局あるいは公設の無線局が非常に増加いたしますので、地方電波監理局の検査要員をどうしてもふやす必要がある、こういう結果が四十八人でございます。それからその次は逓信病院の外来患者、入院患者の数が非常にふえましたので、やはり一定の基準に基きまして、できるだけ医師、看護婦を増加しなければならぬと考えますので、その最小限度の職員十二人をふやしたわけであります。それから郵便取扱い業務量の増加、ことに大都市におけるデパートその他の広告郵便などの利用も一つの著しい原因でありますが、猛烈に郵便業務量がふえてくる。現在の推定におきましては、今年度におきましても約四%の業務量の増加も見込まれるというような状態でございますので、郵便局の現業職員五百四十八人増加を見ております。その次には郵便年金制度に伴いましての充実を行う必要がありますので、郵便年金受取人等の福祉施設の設置をはかり、たとえば熱海におきまして老人ホームを建設する、それに医師看護婦その他の職員、わずかばかりでありますが、八名をお願いする、こういうことになります。その次に大きな数字は、これは電々公社の電話拡張計画に基きまして、郵政省、郵便局の引き受ける分でありますが、すなわち独立の電話局ができない分でございます。それが全国で二千百七十八名の増に相なります。その次にやはり同じような電信電話関係のもので、小さな特定局におきましては、御承知の断続勤務をやっておるわけでございますが、これも勤務時間がふえるに従いまして断続勤務の態勢を是正していかなければならぬ、それに伴う要員の量もふえますので、その分が五百四十五人であります。こうやって逐次断続勤務の是正をはかっていこう、こういうことでございます。そのほかは奄美群島におります郵便局の職員、これは今まで政令で定められておりましたのをこの定員法に盛り込む、これが四百十人でございます。それで合せまして三千七百四十九人の郵政省の増加に相なります。しからば減少するものは何かと申しますと、これは今度の計画に基きますと、電々公社が郵政省に委託しておりました電話交換業務を、今度独立の電話局を設けまして引き取る、それの計画が約二十局ございまして、その職員が四百人ございます。それを郵政省の職員から電々公社の職員に引き継ぐ、その分が四百人。それを差し引きまして、そのほかに一人さらに減少がありますが、結局合せまして三千三百四十八人の増加になる、こういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/38
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039・森三樹二
○森(三)委員 今御説明がありましたが、私どもの見るところでは、郵政省の事務というものは非常に繁雑であり、しかも金銭を扱ったりしてなかなか高度に間違いのないことを要求されておるわけなんですが、非常に人員が少いと私は思っておるのです。だから郵政省当局にしても、私はもっと増員を要望しておるだろうと思うのですが、これについて岡部さんはどういうふうにお考えになっているか。それで足りると思っているのか、実際において、もっと増員しなければならないのだけれども、国家の財政上やむを得ないというようなお考えを持っているのか、あるいはこれでもって足るんだというお考えを持っているのか、お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/39
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040・岡部史郎
○岡部政府委員 御承知の通り、国家公務員六十三万のうち郵政省の職員は二十五万三千を占めておりますので、この郵政省の職員の定員の合理化をはかるということは、これは一つの大きな問題だろうと思います。従いまして昨年の行政整理の場合におきましても、郵政省の職員の定員の規正をどうするかということが一つの重点だったわけでございますが、結局のところ昨年におきましては郵政省全体としてはできるだけ職員の縮小をはかりたい、こう考えたのでありますが、この二十五万五千五百の中の大部分を占めます郵便局の現業に従事しております職員の定員の基礎というものは、一々業務量、あるいは国民に対して提供するサービスの質の問題をいろいろ検討いたしまして、結局これはほとんど縮減する余地はない。しかも郵便物量その他ますますふえてくる状態におきましては、これは将来においても縮小することは、何らか機械化その他特別の措置を講じなければ困難であろうというような考えに基きまして、昨年も郵便現業につきましては、たしか私の記憶に間違いなければ、一人も減らしておりません。それが十分であるかどうかと申しますことは、これも他の職員に比べまして合理的に検討していきますので、現在におきまして、相当勤務条件が緊密であり、内容が充実しておるということは十分認められるわけでありますが、それならば現在のままでもうやりきれない状態であるかどうかということは、なお研究の余地がありますので、現在のところこの程度でなおしばらくは郵便業務の遂行というものはやっていける、がまんしていただけるのではないかと考えておりますので、ことしはそれで最小限度がまんしていただけるだけの数字を計上していただいた、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/40
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041・森三樹二
○森(三)委員 今御説明がありましたが、岡部さんの御答弁としては、現在の郵便業務の全体からいってこれを減らすわけにはいかない。といってふやそうというお考えもないようですが、実際現業の場合、手が足りなくて困っているという実情があると思うのです。そこで私は郵政省に行っていろいろ話を聞いたのですが、実は日本全国の特定局が非常に足りなくて困っている。昨年は日本全国で大体三十特定局を許可した。実際は三百も五百も要求がある。私は一つ北海道の例をとりますけれども、北海道では、昨年は特定局の割当というものは一つもなかったというのです。私も実際これは遺憾にたえない。ことしも相当要求がありますけれども、昨年は札幌局管内、それから仙台、金沢、この三つの局は一つも当らなかった、ゼロだと言っていますよ。ことしもどうも北海道その他に対して割りつけができない。今のところ東京が非常に中心になっている、こう言っているのです。一体どこにそうしたむずかしさがあるのかと言いましたら、やはり一つの定員でもって縛られているからできないのだ、こう言うのです。この地方住民の要望が国の予算のためあるいは定員によって実現されないで非常に不便を来たしているという事実ですね。なるほど都市には人口が集中しているけれども、いなかへ行きますと、郵便局へ行くのに三里も五里も行かなければならないところが、北海道にはたくさんある。その地方住民の不便というものが全く顧みられないという実情なんです。しかも昨年は北海道、仙台、金沢には一つも局が作られていないという実態です。これは私はゆゆしい問題だと思います。ことしも北海道あたりでは特定局が割当になるかならぬかわからないというようなことを言っておりましたが、その内容まで立ち入ってあなたは御研究になっていらっしゃるかどうか、それは私はわかりませんけれども、そういう実情についてあなたはどういうふうにお考えになっているか。あなたのわかる範囲でいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/41
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042・岡部史郎
○岡部政府委員 私もあまり詳しいことは存じないので、お答えになるかどうか恐縮なんでございますが、昨年は全国に特定局二十局を設けまして、これに伴う増員分も認めたわけでございますが、昨年の割当につきましては、森委員御指摘のような結果に相なったかと思います。私どもの根本的な考え方といたしましては、郵政というような、国家が国民に対して行うサービスは、これは都市もいなかもできるだけ同じような質のサービスを国家が与え、国民が受ける資格があるべきだ、こう考えております。ただ現実に猛烈に業務量がふえますのは都市の方に著しいものでありますから、北海道——これは私もある程度まで実情を存じておりますが、御指摘のような事柄になろうと思うのでありますが、私どもの根本の考え方といたしましては、都市及び地方を通じまして、現業的なサービスというものは均等に受けるべきものである、そのために必要な定員ならばこれはやはり認めていくのがほんとうではなかろうか、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/42
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043・森三樹二
○森(三)委員 岡部さんはやはり、地方住民の実際切実な要望に対してこれを充足することが必要だという御見解を持っておられる。そうだとすれば、実情は、また北海道の例をとりますが、北海道の人口は四百八十万です。その面積からいって、ヨーロッパのスエーデンあるいはデンマーク、ベルギー、これらの国と匹敵している。一つの独立国としても恥かしくないだけの面積を持っている。その大きな北海道に去年特定局が一つも割り当てられてないという実情ですよ。しかも、私が聞いたところでは三十局くらいは割り当てられたと聞いておりますけれども、あなたの今のお話では二十局というお話です。そうすると十局減っているのです。日本全国で二十局くらいではしょうがないじゃないですか。この実態は、あまりあなたの方で定員を縛ってしまうものだからこういう実情が起きている。あなたは先ほど六十六万の国家公務員のうち、その二十五万か六万ですか、非常に多いと言われているけれども、私は数に驚くことはないと思う。実際において大衆を相手にしている仕事なんですから、やはり人員が多いのはあたりまえであって、たとえば国鉄のごときは五十万からの職員がおるわけでしょう。従って、その性質によって多いのは仕方がないと思うのです。だから岡部さん自身も今答弁された中に、実際の実情からいってあまりこれはしぼり過ぎているということを、私はあなた自身が自覚されているように思うのですが、これは私も一つどうしても修正してもらわなければいかぬと思っている。こんなことで国民の福利が維持されるわけはありません。とにかく全国で大体三百ぐらいの局を新設してもらいたいという要望があるそうです。それが二十や三十ぐらい。しかもあの広い北海道に一つも局ができなかったというのじゃ、これは問題にならないですよ。これは私どもはぜひともこの定員法の修正をしなければならぬと思っております。これは与党の民主党の諸君も、自由党の諸君もやはり同調していただいて、定員を増加して、国民に対する福利施設として郵便局の設置を大幅にやってもらわなければならぬ、かように思っております。一つ十分御考慮を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/43
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044・森清
○森(清)政府委員 ただいま森さんからお小言をちょうだいいたしましたけれども、われわれの方で今度の郵政省関係の増員について、定員を縛って非常に減員をするように慫慂したかのお言葉があったように思いますけれども、われわれの方としては決してそういうことはいたしませんでした。しかし郵政省関係の非常に人手不足ということは、われわれもよく承知しておりますので、大体われわれがここに出しました数字は、郵政省から出たそのままの数字でありまして、一人も減員いたしておりません。さらにまた今後郵便局がふえるようなことがございましたならば、われわれといたしましても、定員を増員してもあえてやぶさかでない気持を持っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/44
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045・森三樹二
○森(三)委員 今森政務次官から非常に頼もしい御発言がありました。行政管理庁として、国務大臣も政務次官も、郵政省の要求によってこういうふうにやったんだ、しかも実情に合わないとすれば増員するにやぶさかでないというような御発言があったのであります。ぜひとも一つ今のようなお考えを実際の面に現わしていただくように、一そう郵政省とも連絡をしていただいて、増員していただきたい。私はこの際森政務次官に強く要求します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/45
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046・森清
○森(清)政府委員 その郵政省の問題は、これは毎年問題になるんですよ。ともかく大幅にいつでも増員になりまして、実情といたしましては確かに万やむを得ないところはあると思いますけれども、私はこの問題につきましては、公務員制度調査会等におきまして、すみやかに何かの結論を出して、何かの処置を講じなければならぬ、このままの状態でふえていけば、一方では公務員が非常に多い、多いという声を聞き、そのために整理も断行している、反面、こういう郵政省のようにどんどん人がふえていくということは、やはり行政面からいっても大きな問題じゃないかと思います。私どもといたしましても、どうしても現業上必要な定員というものはふやすことにやぶさかでございませんけれども、大きな面から見てまたこの点は十分われわれは考慮しなければならぬことだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/46
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047・森三樹二
○森(三)委員 政務次官は先ほどは非常に明るいようなお話だったけれども、今度はちょっと警戒的な発言をされたのでありますが、私はこの際一つ政務次官が大いに政治力を発揮されるように要望して、政務次官の功績を残してもらわなければならぬと思っております。これは十分一つ郵政省と御連絡いただいて、さっき私が申し上げましたような特定局の問題を中心にして現場の——実際私は間違いがないようにしなければいけない、手が不足のためにいろいろ金銭上の間違いがあってもいけないと思う。そういうふうに実情に合った定員を私は要求しておきたいと思うのです。以上をもって私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/47
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048・宮澤胤勇
○宮澤委員長 恩給局長が来るまで、暫時このまま休憩いたします。
午前十一時五十一分休憩
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午後零時二十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/48
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049・宮澤胤勇
○宮澤委員長 それでは再開いたします。
本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
午後零時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01719550604/49
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