1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月六日(月曜日)
午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 宮澤 胤勇君
理事 高橋 禎一君 理事 辻 政信君
理事 江崎 真澄君 理事 高橋 等君
理事 森 三樹二君 理事 田原 春次君
林 唯義君 保科善四郎君
眞崎 勝次君 三浦 一雄君
粟山 博君 大坪 保雄君
小金 義照君 田中 正巳君
田村 元君 船田 中君
茜ケ久保重光君 飛鳥田一雄君
石橋 政嗣君 下川儀太郎君
渡辺 惣蔵君 鈴木 義男君
中村 高一君
出席政府委員
総理府事務官(
恩給局長) 三橋 則雄君
大蔵政務次官 藤枝 泉介君
農林政務次官 吉川 久衛君
委員外の出席者
総理府事務官(
恩給局総務課長
) 岩崎内午郎君
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
専 門 員 安倍 三郎君
専 門 員 遠山信一郎君
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六月六日
委員丹羽兵助君及び櫻井金夫君辞任につき、そ
の補欠として三浦一雄君及び渡辺惣蔵君が議長
の指名で委員に選任された。
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六月四日
軍人恩給支給額引上げ等に関する請願(高村坂
彦君紹介)(第一七〇九号)
恩給法の一部を改正する法律の一部改正に関す
る請願外一件(高村坂彦君紹介)(第一七一〇
号)
同(今澄勇君紹介)(第一七一一号)
頭部戦傷病者の恩給引上げ等に関する請願外一
件(臼井莊一君紹介)(第一七一二号)
恩給額調整に関する請願(大坪保雄君紹介)(
第一七一三号)
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の
支給に関する法律の一部改正に関する請願(辻
政信君外三名紹介)(第一七一四号)
同外二十一件(岡良一君外四名紹介)(第一七
一五号)
三重県二見町の地域給引上げの請願(田村元君
紹介)(第一七一六号)
三重県伊勢市城田地区の地域給指定に関する請
願(田村元君紹介)(第一七一七号)
島根県益田市の地域給引上げの請願(中村英男
君紹介)(第一七一八号)
山形県下に薪炭手当支給に関する請願(上林與
市郎君外一名紹介)(第一七一九号)
気象台通信従事者に特殊有技者手当支給に関す
る請願(島上善五郎君紹介)(第一七二〇号)
横田航空基地拡張反対に関する請願(福田篤泰
君紹介)(第一七二二号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
恩給局に勤務する臨時職員の勤務条件に関する
件
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一一七号)
大蔵省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一二二号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/0
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001・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより会議を開きます。
大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。藤枝政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/1
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002・藤枝泉介
○藤枝政府委員 ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明申し上げます。
最近の税関事務の実情にかんがみ、税関行政の整備円滑化をはかるため、今回東京税関及び横浜税関の管轄区域を改正し、東京税関に鑑査部を新たに設置する等の必要がありますので、この法律案を提出いたした次第でございます。
まず、東京税関及び横浜税関の管轄区域の改正について申し上げますと、現在横浜税関の管轄区域は、神奈川県以北の十一県の広範な地域を占めておりまして、事務の監督等にも不便が感じられているのでありますが、これらの地域のうち埼玉、群馬、山梨、新潟及び山形の諸県は、地理的にも経済的にも横浜市よりは東京都の方に密接なつながりを有しておりますので、これらの諸県内における税関事務を一層円滑化能率化するとともに、貿易関係業者等の便宜をはかるため、これらの諸県の管轄権を横浜税関から東京税関へ移そうとするものであります。
次に、東京税関鑑査部の設置について申し上げますと、現在東京税関においては、鑑査事務は業務部の所掌とされているのでありますが、業務部は九課二十一係の膨大な機構を持ち、その管理事務が過大となっております上に、横浜、神戸両税関に匹敵する事務量を有しておりますので、業務の円滑な運営をはかるため、他の税関と同様に鑑査部を設置し、鑑査部門を強化しようとするものであります。
なお、以上のほか、本省の内部部局の理財局及び為替局の事務に若干の調整を加えるとともに、税関の事務について所要の規定の整備をはかることといたしました。
以上がこの法律案の提出の理由であります。
何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/2
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003・宮澤胤勇
○宮澤委員長 次に、恩給局に勤務する臨時職員の勤務条件について、石橋委員より特に発言を求められております。これを許します。石橋政嗣君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/3
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004・石橋政嗣
○石橋(政)委員 恩給局の臨時職員がいろいろな問題について最近紛争を続けておるわけでございます。この点につきまして、若干疑点をただし要望を述べておきたいと思います。
聞くところによりますと、五月の末から恩給局の臨時職員たちが、いろいろな要求を掲げてずっと交渉を求めておるようでございますが、これに対して局長その他恩給局の首脳部が応じておらない。これが現在の紛争の根本になっておるように承わっておるのでございますが、なぜ局長は職員に会って要求の点を十分聞き、できるものは取り上げてやるという親心を示さないか、今までの経過について最初にお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/4
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005・三橋則雄
○三橋政府委員 ただいま石橋委員から、恩給局にただいま起っております紛争の原因は、局長が組合の代表に会わないということから起っておるということと、この紛争の経過は、どうしてそういうふうになってきたか、それを明らかにしてもらいたい、こういう御質問であったようであります。私は今まで組合の諸君には事情の許す限り会っておりますが、何と申しましても、私も忙しい仕事を持っておりまする関係からいたしまして、年がら年じゅういつも組合の諸君と会うというわけにもいかないのでございます。しかし私はできるだけ会っているのでございまして、今までどれくらい私が会っているかと申しますと、昨年の十一月半ば過ぎに組合が設立せられましてから今日まで、私は十三回組合の諸君との交渉に会っておるのでございます。また次長は十一回会っております。直接の担当課長でありまする総務課長は、二十八回会って話し合いをいたしているのでございます。総計いたしまして五十二回余り会っているのでございまして、私どもといたしましては、でき得る限り、事情の許す限り、組合の代表の諸君と話す機会を持つようにいたしておるのでございます。案件によりましては、私が直接に会って話すというよりも、担当の課長その他の諸君がよく詳しく話をする方がいい場合も少くないのでございまして、そういうこともあり、また私も繁忙をきわめておりまする関係からしまして、組合の諸君が常に会え会えという要望には応じかねる場合もたまにはあるのでございます。
それから最返におきまして、私が会わないことが原因して、非常に紛糾しているということでございまするが、実はその前に今度の紛糾の起って参りました経過を少し申し上げまして、その次に今の質問にお答えする方が御了解を得られるんじゃないかと思いますので、さようにさしていただきたいと思います。
ただいま問題になって紛議を起して参りました直接の原因となっておりまするのは、四月二十九日、五月三日、五月五日の三日間を有給にしてもらいたいという要望が出されまして、それから起ってきているのでございます。五月の十二日に、五月十一日付をもって組合の代表者から私に対しまして、四月の二十九日、五月三日、五月五日この三日間を有給休暇とせられたいという趣旨のことについての交渉申し入れを公文で出されたのでございます。これに対しまして、主管課長でございまする総務課長は、当日即日会いまして、約一時間二十分にわたりまして組合の代表者諸君と話をいたしたのでございます。主管課長といたしましては、かかる要求は、人事院規則の十五の四によって禁止されていることでございまするので、この要望には応じ得ない、こういうことを答えまして、いろいろと懇談をいたしたのでございます。それで結局物別れになったようでございます。それから十三日の日もまた総務課長は会っておりまするが、これも結局今申し上げましたようなことを総務課長はるる説明をいたして納得を求めたのでございまするが、了解は得られなかったようでございます。五月の十六日でございまするが、組合の方からは私に対しまして、五月十七日の十二時十五分から一時まで、庁内広場において四月二十九日、五月三日、五月五日の有給休暇獲得総決起大会を開催する、右通知する、こういういうような文書が私に出されたのでございます。構内使用につきましては、私の許可を得るべきものだと私は思うのでございまするが、この書類には通知すると書いてありますけれども、許可の申請をされたものとしての取扱いをいたしまして、私はいろいろの意見もありましたけれども、そのまま黙認するような形になったのでございます。そうして十七日に今申し上げましたような大会が開かれました。そのあとで庁内におきまするところのデモが行われて、そのあとで私と交渉を持たれたのであります。私は、総務課長の組合側に対して答えましたことは当然なことであると考えましたので、総務課長から答えております通りに組合側に答えて、その要望に応じがたい旨を説示いたしたのでございます。それから五月十八日また面接を求められまして、その際には、結局話し合う機会を作るということについての打ち合せをいたしまして、十九日に私にかわりまして次長、総務課長が会う約束になっておったのでございますが、次長は、次官会議の都合によりましてやむなく出席はできないことになりましたので、かわって総務課長が会いました。そしていろいろ話をいたしましたが、結局また物別れになりました。五月二十日の午前十時ちょっと前くらいに、次長は、出勤するとすぐに前日組合の諸君と会う予定になっておりましたのを会えなくなりましたので、特に面接を求めまして、組合の代表の諸君と会って、前日約束の通り会えなかったことを述べるとともに、要望に応じがたい旨を説示して、結局また物別れになったのであります。午後三時過ぎに次長が外出をしようとしましたときに、また組合の諸君が面接を求めて参りまして、ぜひ会って話し合いをしてもらいたいという要望をすると同時に、数十人からの職員が押しかけて参って、結局次長は、部屋の中に閉じ込められてしまうようなことになったのでございます。次長と総務課長は、そのときにおきまして、そういうようないわゆる実力行使のようなことをされては、面接に応ずることはできない、交渉を持つことはできない、従ってすみやかにそういう実力行使のような閉じ込めるとか、押しかけるというようなことを解いて、正常な状態に復した上において話をするようにしてもらいたいということをいろいろと説示したのでありますが、なかなか聞き入れるところとならずして、結局夜の九時過ぎまでに至ったのであります。夜の九時になりましてもなおそういうような状態が続きました結果、次長、総務課長は、やむなく翌日の仕事のことも考えまして、警察の保護願いを出しまして帰らざるを得なくなったような次第であります。翌二十一日に組合の代表の諸君は、官房副長官の田中さんと会い、私の方からは、次長、総務課長もその場に連なりまして、官房副長官から、正常な状態において話し合いを進めるべきよう懇々と話をされたのであります。その結果といたしまして、一応そういうようにしようということになりまして、五月二十三日に再び話し合いをするようなことで、私のところに、組合の諸君がまた多数押しかけて参りました。私は、そのときたまたま大久保国務大臣の呼び出しを受けておったのでありますが、再度にわたって大久保国務大臣に事情を打ちあけまして、お呼び出しの猶予を請うて、組合の諸君にいろいろと話をして、その結果やっと了解を求めまして、大久保国務大臣のところに行くことにいたしたのでございます。その結果、私は五月二十四日に再び組合の諸君と会いました。会っていろいろと話をしたのでございますが、いろいろ事情を聞きましても、先刻申しましたような総務課長から答えられております説をくずすということは、私としてどうしてもできかねるところでございますので、私は依然としてその要望に応じがたい旨を答えたのであります。また二十六日に再び面接を求められて、面接することになりまして、またその際にもそのように答えました。それから続いて三十日の日にも会いまして、そのときもそういうような趣旨のことを答えたのであります。それと同時に重ねて三十日の日は大久保国務大臣から国会の事務についての打ち合せのことで呼び出しを受けましたので、私は席を立ちまして、そして次長と総務課長がかわって折衝に応じたのであります。三十日の日は午後十時になりまして、一応組合の諸君と次長、総務課長との間において、きようはこれで打ち切って、翌三十一日話をしよう、こういうように話しがなったのであります。そしてその時刻は三十一日の午後一時、こういうことに話がまとまりまして、そして次長、総務課長も組合の諸君も話し合いをしてその場を去った、こういうように私は聞いておるのでございます。ところが間もなく組合の諸君から午後一時ということはいけない、午前十時にしてもらいたい、先ほどの約束は取り消す、こういうことを申し出られて来たそうでございます。局の方といたしましては、朝十時ということになりますと、総務課長はいろいろと各課長との連絡もせなければならぬこともありますし、いろいろな事情からいたしまして、とうてい困難でございますので、それに応じがたい旨を答えて、そしていろいろと話をしたそうですが、結局まとまらないままで交渉は打ち切ってしまったのであります。そして十時に打ち切って——時間は若干ずれがあるかもしれませんが、大体十時から十一、十二時の間におきまして、いろいろと交渉して、結局物別れのような形において、閉じ込められておるような形になっておりまして、そして次長、総務課長はもう遅いから帰る、帰してくれ、こう言ってもなかなか帰してくれない。それでやむなく再び十二時過ぎに警察の保護願いを求めまして、そして次長、総務課長は帰ったような次第でございます。私はこの事態を聞きまして、非常に遺憾に思ったのでございます。それで私は三十一日と一日、二日は役所に出ませんでした。これは組合の諸君も非常に興奮していることであろう、こういうことを考えたのが一つであります。その次は何と申しましても、正常なルールに基いての交渉をする、こういう原則を立てない限りにおきましては、また再び好ましからざる事態に立ち至るということを考えましたので、三十一日に話し合いをすることについては、正常に、穏やかに話を進めるべきことを申し入れたのであります。ところが組合側から三十一日はそのままになって返事が参りませんでした。それで三十一日、六月一、二日の三日間にわたりまして、いろいろと交渉を始めるについての話し合いを続けて参ったのでございますが、平穏な状態において責任を持って組合の幹部が交渉するということについての話し合いがまとまらないままで今日に至っておるのでありまして、この話がまとまりさえすれば、私はいつでも喜んで組合の諸君と会って話し合いをする考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/5
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006・石橋政嗣
○石橋(政)委員 一応の交渉の経過をお聞きしたわけでございますけれども、相当局長としては交渉にも応じてきた、こういう話でございます。今までの経過の中から、そういった交渉に応じてきた態度は、今の報告でややわかったのでありますけれども、問題は根本的に臨時職員の待遇と申しますか、そういうものを解決しない限り、いつまでもこのトラブルは続くだろうと思うわけであります。そういう意味から、根本的な問題を若干お尋ねしておきたいと思うのでございますが、現在恩給局において、臨時職員といわれておる人たちの作業内容を見た場合に、これは純然たる臨時的な仕事だというふうに見えない点もあるわけでございます。というのは、勤続年数という意味からしましてそういう疑問を持ったわけでございますけれども、最初に現在臨時職員が何人おって、その勤続年数は最長何年、最低何年、平均何年くらいになるのか、この点を最初に承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/6
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007・三橋則雄
○三橋政府委員 現在いわゆる臨時職員と称せられております職員は九百九十二名でございます。それから勤務年数でございますが、これは四月一日に調べたのでございますが、二年から五年以上の者が大体五十五人おります。それから一年から二年までの者が五百八十四人、六カ月から一年までの者が三百三十六人、六カ月未満ニカ月以上の者が五十四人、それから五年以上の者が二人、ニカ月以下の者が四人、こういうことに相なっております。
それからちょっとつけ加えて今の御質問にお答えしますことは、臨時職員を長期にわたって使用いたすような結果に若干なっておるところの点について、一言申し上げたいと思うのであります。御承知のように、文官恩給の改訂の事務というものは、戦後数回行われております。今度一回だけだと思っておりましたが、インフレの関係で次々と数回にわたって行われました関係からいたしまして、前に使われておった臨時職員の諸君が他に職のないままに、そのまま局内に働くというような者が出てきております関係からして、臨時職員の者で、相当長くそこにおるというような結果になってきておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/7
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008・石橋政嗣
○石橋(政)委員 相当長い間継続的に同一作業に従事しておる者も相当あるわけでございますが、その身分が依然として不安定であるということが、先ほど申し上げたように、トラブルの常に絶え間のない原因になっておると思うのでありますが、いまだにこれが日日雇い入れの形式をとられておるというようなことを聞いておるのでありますが、その点は事実でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/8
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009・三橋則雄
○三橋政府委員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/9
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010・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それではおそらく定員内職員も相当あると思うのでございますけれども、局長はいまだに日々雇い入れの形で、純然たる人夫かその他と同じような扱いをしておるというのでありますが、作業の上におきまして、定員内職員とこれらの臨時職員がやっておる作業内容に、何か純然たる相違でもあるのか、それがあっての上でいまだに日々雇い入れというような形で冷遇しておるのか、この点を確めておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/10
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011・三橋則雄
○三橋政府委員 定員内の職員は割合に、またむずかしい言葉になりますが、仕事の関係からいたしまして、高度の恒常的な事務と思われるもので、そして今後も恒常的職員として働き得るようなところにつかせるようにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/11
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012・石橋政嗣
○石橋(政)委員 定員内職員と定員外のこれらの臨時職員との作業に、相当開きがあるような御発言でございますが、この点は後日調査もしてみたいと思います。現在聞き及んでおる範囲内では、そういった大きな開きは認められない。ほとんど同一の作業をしてお
るというふうに私聞いておるのでございます。こういった職員をいまだに日日雇い入れというような形で規制していくということは大きな矛盾ではないか。少くとも常勤労務者としての扱い方をしていく、こういった原則が打ち立てられない限り、このような問題は私は解決しないと思う。それはあとで定員の問題ともからんで論議し、あるいは質問するといたしまして、当面の組合側の要求にはどういった見解を持っておるか、まずただしてみたいと思うのでありますが、要求の一つの中に、日給を三百円に上げてくれという要望が出されておるようでございます。現在の恩給局の臨時職員の待遇を見ますと、大学卒で二百七十五円、短期大学卒業で二百七十円、大学在学中で二百六十五円、こういうふうな非常に安い給与が示されておるようでございますが、これを恩給局としては改善の余地のない妥当なものであるというふうに考えておられるのであるかどうか。少くとも同じ総理府内にあります統計局と比較した場合においても、統計局において高校卒においても初任給
が大体二百七十円というような報告を受けておるわけでございますから、そういうふうな比較の上に立って見た場合にも、あまりにも低額に過ぎるのではないか。こういう点はもう少し関係省庁と連絡協議の上で引き上げの措置をとってやるべきではないか。こういう劣悪な条件で雇っておるところに問題の絶え間のない原因があるのじょないかと思うのでありますが、まずこれを妥当な線だと考えておられるのか。そうでないとするならば、それを引き上げるためにどういうような形の努力がされておるのか、これをお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/12
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013・三橋則雄
○三橋政府委員 臨時職員の給与につきましては、法令によりまして、予算の許す範囲内においていわゆる本職員との均衡を考えてきめなければならないことになっておるのでございます。そういう見地に立って考えますと、今石橋委員は高校卒業生で二百六十円は安過ぎるじゃないかというお話でございましたが、これも見方によっては確かにそういう見解も立ち得ると思います。しかしながら本職員としていわゆる人事院の職階制の規則に従って採用されます職員のことを考えますと、この給料の二百六十五円を二百七十円あるいは二百八十円あるいは三百円、こうしますことは、均衡がくずれてくるような結果になるおそれがあるのであります。そういうようなことを考えまして、私は一面におきましては局の予算の許す範囲内のことを考え、また他面におきましては本職員との均衡を考えまして、今お話のように三百円に持っていくというようなことは現在のところでは困難ではないかと思っております。それから今お話のございました他庁の職員の給与との権衡を考える、これはもちろんでございまして、私なんかもその点は石橋委員の仰せられますようなことを十分考慮して考えていくべきだと思いますが、官庁によりまして、仕事の関係だろうと思いますが、給与が必ずしも同じようになっていないのでございまして、あるいは恩給局の臨時職員よりも、今石橋委員が指摘せられておりますがごとくに、給与のよいところもあるかと思いますが、またそれと同時に恩給局の臨時職員よりも給与のよくないところもあるのでございます。これは仕事の本質ということも考えなければいけないことだろうと思うのでありますが、私は決して恩給局の職員の給与が非常にいいものであるとは思いませんけれども、今石橋委員の仰せられましたごとくに、特に劣悪なものだとも私は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/13
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014・石橋政嗣
○石橋(政)委員 どういう省庁にこれ以下の劣悪な条件で雇われている職員がおるのか私知りませんけれども、自分のところよりも少いところを見てそれで安心しておるという態度は、少くとも一局の長としての態度ではないのじゃないか、不適当なのじゃないか、このように私は考えます。同じ総理府関係の統計局と比べてみた場合に、同じ臨時職員で統計局の方が非常に待遇がいいということであるならば、少くとも統計局並みに持っていってやろうという態度をとってこそ初めてまじめに気持よく職員も働けるのだ。それを自分のところよりも少い給与をもらっておるところばかりをしょっちゅう見ておって、あそこよりもいいじゃないかというふうな押しつけ的な態度で臨まれたのでは、これはいつまでたっても恩給局の職員組合と当局との紛争が解決されるはずはないと私は思うわけです。そこで私は、おそらく局長としては十分なものだとは思わない。少くとも統計局あたりの線までは引き上げるために努力したいと思っておるのだ。そのためにこういうふうな努力をしてきたのだというお答えがあると思ったのでありますが、全く逆な、これよりも少いところがあるのだから、これくらいで上等だというふうなお答えを得た。私はそういう局長の態度が、常に恩給局内で紛争の絶え間のない大きな原因になっておるのだ、このように考えるわけであります。もし、少くともそういうふうな気持を持っておられるとするならば、早急に態度を改めていただいて、何とか統計局並みにでも——統計局といえども、私は十分とは思いません。しかし統計局並みにでも引き上げてやろうという、心構えに一日も早く切りかえていただきたいと強く要望いたしておきます。このほか、統計局との比較というものが一番いいのじゃないかと思うので、ほかの要求の項目についても比較してみたいと思うのでございますが、たとえば年次有給休暇にいたしましても、恩給局には全然認められておらない。祝祭日の有給休暇すら認められておらない。片一方、同じ総理府関係の統計局はどうかといえば、正職員と同様に、年間二十日間という年次有給休暇が認められておる。こういう不合理がいまだに続いておる。これも解決されておらない。健康保険あるいは失業保険について見ましても、最初は統計局との間に開きがあった。それから現在一番問題にされておるのは、引き続き十五日間欠勤した場合には、どのような事情があろうとも解雇しておる。こういうふうなことは、ややもすると人道上の問題にならないとも限らない。最近一つの例といたしまして、盲腸手術をした人が十五日間休めば首になるというので、十四日目にのこのこ出てきたために、また症状を悪くしたというようなことが訴えられておりましたが、こういうようなこともよく実情を勘案して処理されなければ、機械的にやられるということは、私は大きな問題を残すと思うわけであります。もちろん統計局においても、こういうふうな非人道的な規定はないというふうに聞いております。若干の要求について、統計局と恩給局との問題を比べてみたわけでございますが、同じ総理府の中でこういった待遇に差が出てきておるということは、今言ったように、局長というもののいわゆる職員に対する態度、考え方の開きが、こういうふうに現われてきたのじゃないかとひがみたくもなるわけでございますが、こういった点につきましても改善の希望を持っておるのか、努力をされようという気持を持っておるのかどうか承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/14
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015・三橋則雄
○三橋政府委員 今私の言葉をどうおとりになったのか知りませんが、ひどく悪く言われるのでございますが、私が石橋委員の御質問に対してお答えしたのは、必ずしも非常にいい給与とは思っていないけれども、それかといって非常に劣悪な給与とも思っていない、すなおに私はお答えしておるつもりでございます。私は冷静に答えておりますから、さよう御承知を願います。ただ石橋委員から局長としてできるだけ職員の給与改善に努力してやれ、こういうお話だと思うのでございますが、そういう点につきましては、私は全く同感でございまして、私は今まで私を補佐してくれる職員とともにいろいろ努力して参りましたが、今後もなお一そう、今石橋委員の仰せられますような努力を傾けることにつきましては全く同感でありまして、いたします。
それからその次に年次有給休暇その他につきまして他庁とも取扱いが違うから、それについて局長はどう考えるか、局長の態度が好ましくないかというような御質問でございますが、私は、私を補佐してくれておりますところの次長、課長その他の職員といつも考えるのは、私たちはやはり法令を守って、そうして法令通りに事務を遂行する義務があんじゃないだろうか、また責任を負わされているのではないだろうか、従ってその責任と義務を私たちが破るようなことを軽々しくすることはできないのじゃないだろうか、もしも私たちがそういうことをしなければいけないということでございますれば、これはどうしても法令の改正が先になるべきものじゃないか、あるいは国会で作られたところの法律、またその法律に基いて作られたところの各省の命令、これは私たち給与を担当する者といたしましてはあくまでも守るような心がけであるべきではなかろうか、こういうように私は考えおりますし、また私と一緒に仕事をしております次長、総務課長もそのかたい考え方を持って私に進言をしてきておるのでございますから、そういう考えに立っておるのでございます。従いまして今ほかのところでどういうようなことをいたしているか私はよく存じませんけれども、私の気持はそういうことでございまして、そういうような法令の許される範囲内におきましてはできる限りの努力をすることはもちろんでございます。法令を破ってまでもいろいろ工夫をするということは、なかなかできかねるところでございます。
それから今お話がございましたいわゆる十五日の線の問題でございますが、これにつきましては私一言申し上げさせていただきたいと思います。御承知の通り、旧軍人恩給の事務は非常にたくさんな仕事でございまして、しかもそれを急速に処理するように各方面から要望されまして、国会の衆議院、参議院の皆様方からも強く要請されたのでございます。しこうしてこれの事務の処理に当る職員は、いわゆる定員内の本職員の二百数十名と、そのほかには、今石橋委員も指摘されましたような多数の臨時職員の諸君でもって、この事務に携わることになったのでございます。ところで臨時職員の諸君は、事務の経験から申しましても、また事務の能力の点から申しましても、本職員の諸君に比較しましてはかなり落ちております。従ってこういう経験のないあるいは浅いそういう多数の職員、また能率のあまり上らない多数の職員に働いてもらって、そうしてたくさんの恩給の事務をしかも急速に処理する方法といたしましては、これらの職員の分担する仕事というものをできるだけ簡素化いたしまして、言いかえますと、数人が集まって一つの案件を処理するといいますか、そういうような仕事のやり方に持っていく。そうして分業的な流れ作業のような方式でもって事務の運営をする以外に方法がないと私たちは考えたのであります。そういうやり方でもって私たちは仕事をして参りました。その結果といたしましては、それぞれの事務に携わっているところの職員が長く休む、あるいは出勤常ならずというようなことになりますと、その担当するところの事務が渋滞するばかりでなくして、一連の事務全体が渋滞をしてくるような結果になるのでございます。その結果といたしましては、局の軍人恩給、遺族の扶助料の裁定事務、傷病者の扶助料の裁定事務というような事務が非常におくれてくるような結果になるとも思われるようなことになってくるのでございます。そういうようなことを考慮に入れました結果といたしましては、どうしても心にもないことかもしれません、情においては非常に気の毒なことかもわかりませんけれども、私たちといたしましては常に働いてくれる職員で局において仕事をしてもらう、そうして気の毒な数年間も扶助料を待ちこがれておった遺族の方々に対する扶助料、あるいは傷病者に対する恩給というものの支払いが、早くできるようにしてやらなければいけない、こういうふうに考えてきたのであります。そういう結果といたしまして就業の当てのないような方につきましては、やむなく就業の当てのある者と変っていただくような措置をとろう、こういうふうに考えてきました結果といたしまして、いわゆる十五日の線というようなものを考えてきたのであります。また中には恩給局で働きながら恩給局よりちょっとほかに給与のいい職場があるとそこへ入って、いわゆるかけ持ちで働いておる職員がたまにはあるというようなことを耳にするに至ったのであります。そういうようなことからいたしまして、私たちとしては、どうしても一般の要望に沿って事務を急速に処理していくということを考えました場合、それからまじめな職員の働きというものを考えました場合におきましては、何らかの措置をする必要があると考えて、いわゆる十五日の線というものを作ったわけであります。もちろん十五日の線がいいか悪いかということにはいろいろ議論があろうかと思いますが、いろいろと相談いたしました結果、職員の就業の状況とか、その他諸般の状況とか考えましてきめた次第でございます。また長期にわたって就業しないところの職員を就業リストから削除しないでおきますと、結局どういうことになるかと申しますと、健康保険の掛金等を当局で負担しなければならないということになるわけであります。そうしますと、限られた予算を考えますと、こういうこともなかなかいつまでもほっておくわけにもいかないことになってくるのでございますので、どうしても何らかの制限を設けなければいけないということになったのでございます。しかしながら当局といたしましては長く局で働いておった人々で病気になった場合におきましては、健康保険の傷病手当とかあるいは療養給付が受けられて、安心して療養に専念できるような措置をすることも、また私たちとしては心がくべきことではないか、こういうふうに考えました結果、その病気中の者に限りましてはそういうふうなことのできるような措置を講じて参ったのであります。なお先般組合側からいろいろの要望もございましたので、傷病があった場合におきましては、局の中におけるところの仕事の量とか、あるいはまた今後の予算のやりくりその他いろいろなことを考えまして、酷に渡らないような措置をする、こういうふうにいたしておるところでございます。そういうふうな趣旨でございますから、石橋委員におきましても、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/15
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016・石橋政嗣
○石橋(政)委員 大学を卒業して日給二百七十五円、これをもって劣悪な条件ではないと言われる恩給局長の考え方というものを不満に思うわけであります。少くとも月のうち二十五日働いて、二百七十五円の日給をもらえば六千八百七十五円にしかならない、こういうふうな待避を与えておって決して劣悪な条件ではないと言われるとその神経をもって、幾ら組合側と交渉したって問題は解決するはずがない。私はこのトラブルの原因は、あげて恩給局長のそういった考え方にあると言ってもあまり言い過ぎではないと思うのであります。それから法令の範囲内でということを言われますが、法律といえども、規則といえども、これは決して死物ではない。あなたがほんとうにこういう待遇では自分の職員を使いにくい、もう少し喜んで働いてもらおうという場合には、これを改正する方法もあるはずです。そういう努力を全然されずに法令の範囲内でやる、それは役人としての任務である、義務であるという一点張りでいかれようとする、そういうような態度についても私は納得できない。現に人事院におきまして、いろいろと臨時職員についての態度が発表されておりますが、これらを見ましても、たとえば最近農地の組合で裁定を要請いたしました結果判定が下っておるのでございますが、その中でも、さしあたって常勤労務者として取り扱うに至らない者については、現行の雇用形態のうちにおいて、なるべくその実態に即するよう勤務条件等について考慮を払うことが適当であるというふうにも述べられておる。こういうふうに何とかして少しでもよくしてやろうという態度は、あらゆる場合にこれは尽くされなくちゃならない。そうしてなお法令のワクを越える場合には、この法令を改正するための努力をも局長として、責任者としてすべきであって、そのワクの中に閉じこもっておるというようなことは、これまた私は容認さるべきではない、このように思いますので、そういった考え方についても一応ここで切りかえていただきたい。
それから十五日間云々の問題でございますが、これについても一部の者にそういううわさを聞いたということをもって、現状においては最善の職場として恩給局に働いておる善良なる職員にまで、そういうふうなワクをはめるということに私は文句を言っておる。機械的にやらないでくれ、もう少し血も涙もある態度で職員に臨むならば——どれもこれも同じような扱いにされて、いいも悪いもないというような、一部にこういう者があっから、全部に対してこういう制限、ワクをきめるのは当然だというような、そういう機械的なやり方について……。(「機械的にやっていないじゃないか」と呼ぶ者あり)現にそういう例がある。(「いつまでも同じことを聞くな」と呼ぶ者あり)黙って聞きなさい、発言中だ。(「黙って聞けるか」と呼ぶ者あり)委員長けしからぬ、発言中だから、注意して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/16
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017・宮澤胤勇
○宮澤委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/17
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018・石橋政嗣
○石橋(政)委員 現に先ほども申し上げたように、盲腸とか腹下しの病人が、解雇されることを非常に心配して出てきため、病状が一そう悪化したという例があることも聞いておる。こういうことが起きているということは、機械的にこの法を適用したといってもいいのではないか。それは恩給を早くもらいたいという気持に即応することももちろん必要だけれども、そのために人間が完全に機械として扱われるという犠牲が払われることに対して、これまた私は容認ができない。だからこういうことをやらないように、局長として適当に扱っていくことが絶対に必要だと思いますが、この点も十分に考慮していただきたい。そしてこの職員とのトラブルを一日も早く解決して、明るい職場に一日も早く持っていってもらいたい。これを強く要望いたしまして私の質問を終りたいと思うのでありますが、最後にこういった私たちの希望を十分にいれて、今後交渉される意思があるかどうか、局長の御確言を私は聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/18
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019・三橋則雄
○三橋政府委員 ただいま石橋委員のお話の中の、いわゆる十五日前後病気をした場合の人の取扱いでございますが、それにつきましては今組合の諸君とも話がつきまして、大体石橋委員の仰せられるようなふうになっておるものと承知いたしております。
それから今後私が誠意をもって組合の諸君と交渉していく考えがあるかどうかというお話でございますが、それはもちろんのことでございまして、私は従来からいざこざをして争っていろいろなことをするということは好まないのでありまして、常識ある法令に許された範囲内において、きちっとした行動をする、組合との話し合いは、好んで誠意をもっていたしますから、その点一つ御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/19
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020・宮澤胤勇
○宮澤委員長 森三樹二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/20
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021・森三樹二
○森(三)委員 私はこの恩給局の職員の問題につきまして、もう一ヵ月になるわけですが、いまだにこの問題は解決がつかないで、組合と当局との間に折衝が繰り返されておるということはまことに遺憾にたえない。新聞紙の報ずるところによりますと、あなたはその組合員との交渉を拒否し、しかも組合員の真剣な要求に対して面会を拒絶し、さらに警察までも動員して、そして職員を面会させないようにする。これは私まことに遺憾にたえないと思うのです。結局いつまでもこの問題を解決しないで長引かせるから、ますます紛糾するのです。この政治的な責任は何といっても大きい。(「もう説明済みだ」と呼ぶ者あり)説明済みでも、これは何べんやってもいいと思うのだ。解決しなければ私は明日でもやる。(「時間の浪費じゃないか」と呼ぶ者あり)時間の浪費といっても、われわれとしてやはり国民の何百人、何千人の問題を考えなかったらいかぬと思う。議員はやはり正当な国会の法律できめられた歳費をもらってやっておるでしょう。(「責任があるぞ」と呼ぶ者あり)こうしたところの千人そこそこの人々の生活というものは重大ですよ。この問題を解決しておれば、何も声を大きくして自由党の諸君のようにわれわれが質問をしておるものを制限するというような状態は起きない。(「わかっていることを聞くからだ」と呼ぶ者あり)われわれは貴重な時間をむだに費したくない。しかるにあなたは当委員会で出席を要求しても出て来ないじゃないですか。われわれはまことに遺憾にたえない。それから恩給局の職員があなたにさらに面会を要求しておったけれども、あなたはそれに対しても全く行方不明だとさえも一時言われておった。われわれはそういうような誠意のないあなたの態度に対してはまことに遺憾にたえない。それならばあなたはいつまでにこの問題を解決するか。私は少くとも時間的に——解決がつかなければ私は毎日でも質問しなければならぬ。これは自由党の諸君にいろいろお叱りを受けるかもしれないが、しかしこの問題はやはり解決すべきですよ。もうすでに一ヵ月たっておる。早々に解決しなければならぬと思うのですよ。一体いつになったら解決するか、そのめどを話してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/21
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022・三橋則雄
○三橋政府委員 今森委員から当委員会からの出席要求があったが、出なかったではないかという御質問でございますが、これにつきましては、実は去る土曜日に確かに当委員会からの出席要求を受けましたが、私はその前にすでに参議院の内閣委員会におきまして出席の要求を受けておったのでございます。そこで私は参議院の内閣委員会に出まして、田畑委員その他の方々の質問にお答えしますと同時に、委員長に対しまして私は衆議院の内閣委員会から出席を要求されております、従ってその点も考慮しておとりなしを願いたい、こういうことを申し上げて私は参議院の内閣委員会が終りますとともに、衆議院の内閣委員会に出席すべく参つたのでございますが、そのときに衆議院の内閣委員会におきまして、きょうはもう散会になって、そうして本日開かれることになった、こういうことを承わったのでございます。私は委員会の要求に対しまして、私のような一局長がかってに出ないというようなことは決していたしませんから、その点一つ御了解願いたいと思います。
その次に私が組合の諸君の面接要求に対しまして拒否しておる、こういうようなお話がございましたが、私が先ほど石橋委員の御質問に対してお答えいたしましたごとく、私は局長といたしましては相当な回数——まあ見方によりますと少いかもしれませんが、会っております。私以外に次長、総務課長も相当面接いたして話をしておるのでございます。今度のトラブルが起りましてから、先ほど申し上げましたように、三十一日と一日と二日の日は私は確かに会いませんでしたが、その会うに当りましては、一応おとなしく——おとなしくというと語弊がありますが、おだやかに会おうじゃないか、そういうルールをきめておとなしく会えるようにしてもらいたいということで、私の方の課長補佐と組合の代表者との間で話を進めたのでございます。その話がまとまりさえすれば私はいつでも心持よく会うのでございまして、先ほど言葉はたいへん適当でなかったかもしれませんが、いささか俗な言葉で言えば、興奮したような状態になっておるようなふうにも見えましたので、私はここは一つの冷却期間を置きながら、今のようなふうによく担当の者において、交渉を進めることについてのルールについて話し合いを進めさせた次第でございます。そういう事情からして私は直接会うまでに至っていないのでございます。
それからいつまでに解決をつけるか、こういう問題でございますが、私は先ほど申し上げましたごとくに、四月の二十九日と五月三日、五月五日を有給にする、こういう問題につきましてはできないと思います。従いまして、これを前提として私にいろいろ言われましても、これはむずかしい問題じゃないかというような気がするのでございまして、そのほかの点で私の権限の中で許されることでございましたならば、常識的にいろいろな交渉には応ずる用意があります。しかしながらできないことにつきましては、いろいろ無理な要求をされましても、いつまでたっても妥結しないかもわからないと思っておるのでございます。この点につきましては、あるいは森委員の御満足のいくような御答弁にならないかもわかりませんが、その点一つ御了承願いたいと思います。
そのほかに、一般的の問題として考えました場合におきましては、私はいろいろな話し合いにつきましては十分誠意を尽しまして、私あるいは私以外の総務課長あるいは次長が会いまして話し合いをつけるように努めるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/22
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023・森三樹二
○森(三)委員 そうくどくやりませんから、そうせくな。まだ私が発言してから答弁と両方で五分たたないんだから……。あと五、六分でやめますから……。
今局長から御答弁がありましたが、局長の御答弁に対して私どもはこれを了承するわけにはいきません。私どもはやはり予算の範囲内において四月二十九日、五月三日、五月五日のゴールデン・ウィークの給与については絶対これを実現してもらいたい、こういう要望は強く主張いたします。もしあなたが一局長の身をもって解決できないというような形で逃げるならば、われわれはさらに大蔵大臣あるいは給与担当大臣その他も呼びまして、本問題は一部やはりあなたの責任並びに政府の責任において解決をあくまでも私は要求したいと思う。その他結核対策の問題、有給休暇の問題、それから十五日の休暇の問題につきましても、あなたは努力されておるかもしれぬが、努力されておるというあなたの言葉の中には自分はやはり法規を尊重するのだ、要するに規則一点づくめであって、先ほど石橋委員も言われましたけれども、つまり親が子に対するような情愛あるいは個人の事情というようなものを何ら酌量することなく、全く規則解釈によってさしで物をはかるような考えで問題を処理するということは、私は非常に遺憾だと思うのです。実際においてもっと実情に即したところの解決をするという決意をあなたは持っておられるかどうか。私は何でも規則でいきますというのか、それともこれはやはり弾力性を持って、予算も十分検討し、さらに担当の大臣とも十分相談して、これに対してはできる限り骨を折りたいという誠意があるかどうか、私はあなたの真意をお尋ねしたいと思うのです。法規々々一点づくめでいくのか、さらにあなたが担当大臣と十分相談して、そうして予算の捻出等について努力して、そうしてゴールデン・ウィークの給与を何とか一つ解決してやりたいというような気持を持たなければならぬと私は思うのです。それを一切法規によってこれはできないものだという前提に立って、何らそこに親心を加えないという態度、これに対しましては私どもはまことに遺憾を表明せざるを得ない。この点に対して、さらにあなたがそこに解決しようという努力と誠意を持って、本問題に対処する決意があるかどうかということを私はお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/23
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024・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 関連してちょっと。今森君から話がありましたが、もともと、きょうは総務課長さんが見えておりますが、私と話し合って一番事情がわかっている。第一、あなたが会見を逃避したからいろいろごたごたしているのです。しかもしまいに恩給局の中に警察官まで警視庁から導入してごたごたした。この間において次長さんと総務部長さんは非常に骨を折っております。私は実際に次長さんと総務課長さんに気の毒だと思っている。なぜならば、局長が逃避して、いないからああなったのです。夜中の九時に電話がかかってきて、私は仕方がないから恩給局に飛んで行ったんだが、最後には警察官を何個小隊か動員して解散を命ずるという非常手段がとられ、しかもあなたが最後まで会見をしないから、私は仕方がないから夜中に田中官房副長定に電話をして、特に翌日この院内の官房長官室で職員組合の代表と官房副長官立ち合いで、恩給局の次長さんや総務課長さんと話をして、このトラブルの解決に私が乗り出して調書を取っているのですよ。何も内閣委員にしかられたとか忙しいとかいう問題をここで持ち出すことはない。一局の労働問題を内閣官房長官のところまで持ち込んで中へ入ってもらわなければ話がつかないような不細工な労働管理をしているところはどこの官庁にもないのです。灯台もと暗しだ。あなた自身が誠意を持って職員組合の諸君と話を十分するという誠意を表明されないと、いつまでたってもこの問題は続いていきますし、問題の起るたびにここに持ち出さなければならぬことになる。森君の質問に対して局長としても責任ある明確なる態度を一つ表明していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/24
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025・大坪保雄
○大坪委員 今の問題と関連して……。その前に私、一、二お尋ねをしたいことがございます。先刻局長のお話の中に、昨年の秋か暮れかに臨時職員の諸君が組合を結成したというお話ですが、その組合は全国組織のどの組合の傘下に属しておるか、それを伺いたい。
それから臨時職員の大部分は、私はアルバイト学生だというように聞いておりました。十分うちから仕送りができないからというのであっちこっちアルバイトを探しているのが非常に多いのですが、私の選挙区の者の中にもそういう者がいるらしく、私のところには私が知らないのに父兄ないし父母から非常にたくさんお礼状が来ております。おかげさまで六千円以上も恩給局でいただいて、うちからごくわずかの仕送りで勉強ができるようになっている、これは非常にありがたいからして、局長さんにお会いになったらよろしくお礼を申し上げてください、こういうお礼の手紙が非常にたくさん来ているのです。これが先刻石橋君の御質問の中には、大学を出た臨時職員で日給が少いというお話もございましたが、私はそういう点を聞きたいのです。大体アルバイト学生だと聞いておりますが、大学を出てもなお職を見つけ得ない者が、やむを得ず恩給局に臨時職員として残っておるのじゃないかということを私は伺っておるのでありますが、アルバイト学生と認めらるべき者は全国で九百九十二人のうちにどれくらいあるものか、もし御調査ができておればそれだけとりあえずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/25
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026・三橋則雄
○三橋政府委員 今大坪委員から御質問のありました組合のことについてお答えいたします。組合は官公労に加盟しておる組合でございます。
それから臨時職員の大部分はいわゆるアルバイト学生でございまして、在学中の者は約二百九十名でございます。それから今お話のように、学校を卒業して職のないままに私のところでそのまま働いている諸君がかなりたくさんおります。(「その数字をはっきりしろ」と呼ぶ者あり)ちょっとその人員は今はっきりしたものを持っておりません。それは調べて持ってきてもよろしゅうございますが、今持っておりません。
それから次に森委員から御質問がありました要求に対しまして局長はどういうふうに考えるかというお話でございますが、どうも私先ほどお答えいたしましたごとく、大へんお耳ざわりになるかわかりませんけれども、やはり私たちは法令というものを守らなければいけない立場にあるものですから、今のいろんな有給休暇の問題にいたしましても、法令を破った措置をするということをこの席において言明するということは、私にはとうていできかねることであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/26
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027・森三樹二
○森(三)委員 私今が質問しているときに関連といって大坪さんから御質問がありましたが、これは外国の例なんか申すまでもありませんが、アメリカあたりの大学生というのはほとんど職業を持っているのです。職業を持っているということと仕事をするということとは、当然あるべき姿であって、大学の夜間に行くということは当然必要なことだ。それをアルバイト学生というふうにあなた自身が判定するということも私は非常に行き過ぎだと思うのです。またそれを質問する方もどういうお考えか知らぬけれども、私は相当ピントがはずれておるのじゃないかと思うのです。しかしいずれにしても今日こういうような解決しようと思えばできる問題を、あなたがじぜんとして解決しないためにこういう紛糾を来たしておるということは、とりもなおさず重大な問題です。あなたは法律一点張りのことをおっしゃいますけれども、もちろんわれわれも法規順奉の問題は当然考えております。しかしあらゆる法規がそこに基礎になって、その上にさらに情愛に満ちた温情の問題が加味されて、世の中のことはすべて解決されておる。この給与問題についてもやはり予算の範囲内において——たとえば夏季手当のO・二五の繰り上げ支給問題、つまりプラス・アルファの問題もすでに過去においてわれわれがやってきておる問題だ。ですからあなたはこういう問題の解決が法規に基かなければできないという、そういうことばかりお考えにならずに、さらに担当の大臣ともよく相談されて本問題を解決するために善処されることを私は心から期待して、私の質問を一応ここでもって留保しておきます。さらにまたあらためてやるつもりです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/27
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028・大坪保雄
○大坪委員 もう一点お伺いいたしたいと思います。それは、恩給局の臨時職員がどうとかということよりも、この問題は全国の旧軍人、傷痍軍人、及び遺族大衆の日常の生活、特に生活維持の基本的な収入にも関係しておるから、私はあえてお尋ねもいたしたいのであります。恩給局の何人かの職員のことももちろん私は非常に深く考えます。あなた方と同様に考えますけれども、この恩給局職員がほんとうに日本国の公務員たる職責を尽しておるかどうかということは、直ちに軍人遺家族、傷痍軍人等の日常生活に関係するからであります。
そこでもう一点きわめて簡潔に伺ってさらに質問を進めたいと思います。それは今回の紛争の際に国会議員のどなたかが恩給局の紛争に関与されたということを私は聞いておったのです。ところが今私の最も敬愛する渡辺惣蔵君が行ったというお話なんです。私は渡邊委員は古くからよく存じ上げておりまして、その人となりに敬愛しておりますが、しかし私の聞いたのとは少し事情が違うようです。渡邊委員であったかだれであったかわかりません。とにかく国会議員が今回の紛争の中に入ってきて、そうして恩給局当局と折衝されたということを聞いたのでありますが、その事実があればそのときの情景をきわめて簡単でよろしゅうございますから一つ御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/28
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029・粟山博
○粟山委員 関連して……。私はこの程度の問題はどうかあまり興奮状態に至らずにきわめて簡単に解決していただきたいと思うのです。興奮すればもっとこれはたくさんあります。
そこで局長さんにお願いするのですが、私どもは三カ年間内閣委員としてあなたが非常に懸命な努力をしておることをよく承知しております。森さんのお話を聞いて、私どもひまならば毎日でもここであなたにお聞きするのだが、これは大へんな話だ。この程度のことで重大な国会運営が阻害されてはまことに迷惑なんだ。そこでその点はまじめに考えてもらいたいのだが、私は局長自身がお会いになって解決するがよろしい。解決ができなければできないようにまた始末がつくはずだ。それから課長さんや局長さんはどんな人々の要求の前にも身をもって自分で解決するだけの腹がまえがなければ私は解決できないと思う。でありますからどうか官界におられる人々は、その権力と知力と経験をもって身をもって当ってもらいたい。それができなければ仕方がない。
そこで給与の問題だが、給与が安いとか不足だとかいう問題、これは局長さんだけではいけないでしょう。今度の予算折衝で四百三十億の割り増しを半分の二百十五億に割ったそうだが、そういう簡潔な解決方法があるならば、なぜあなたはこれほどの仕事に予算を要求しなかったのかと思う。そこに私は局長さんの腹がまえがほしかった。ずいぶん思い切ったことをやっておるのですよ。思い切ったことをやっておるのだけれども、その中であなたは要求されればいい。ところがそういう大事なことに勇気が欠けておったのではないか。そういう勇気がほしいと同時に、さらに組合の人たちともまる裸になって話をしよう、こういう心がまえで行かれたらこんなことは何でもないと思う。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)ことに私はこの機会に申し上げたいのは、私も地方から恩給の問題やら遺家族あるいは傷病兵のことについてずいぶん手数なことを依頼されて、あなた方に御迷惑をかけておりますので、それはよくわかっておるのです。こまかな、やっかいな仕事で、ずいぶん多数の職員を引っぱり出してお手数をかけることはよくわかっております。そこであなた方の仕事は非常に複雑で量が多いのだから、それは特別に考えられてもいいはずなんだ。そういう点において私は同情しておる。
でありますからここで伺いたいのは、あなたは一カ月にどれくらい書類の訂正やらあるいはその要求やらを受け取っておられるか。ずいぶん多数のものだろうと思う。そしてまたそれがどれだけ片づいておるか。片づかないで県庁に何回も問い合せておられるような難問題も残っておるでしょうが、とにかく私はずいぶん複雑しておると思う。それだけに、案外何でもないようなことであるが、あなたの仕事は非常に大事な仕事なんだ。きわめて生活に困っておる人と感情的につながっておる問題がある。それだから存外こういうことが先鋭化された問題になるのでございます。その点で局長に対する要求というものはよほど多かろうと私は思うのだ。そういうことを調べてお話になって、こういう状態なんだからあなたの方も手元の予算だけを増してもらわなければならぬ、これだけ働いているのだからそれを正式に雇いに引き上げてもいいんだということは、私は政治的にお話になっていいと思う。このことを私は一言御勧告申し上げまして、三年間あなたとおなじみになって、始終あなたの熱心なお仕事ぶりに同情しておりましたので申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/29
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030・岩崎内午郎
○岩崎説明員 先ほど大坪委員からお尋ねがありました点にお答え申し上げます。
五月二十日の二時四十六分に組合側が口頭をもって申し入れがございました。そして二時五十分には次長が押し込められまして、私の部屋へ帰らざるを得ない状況に立ち至りました。その後交渉条件についてるる話したのでありますが、交渉が内容において一歩前進したものでなければ交渉に応じられないという態度を示されましたので、私たちは交渉というものは交渉の間に一歩前進するか否かがきまるものであって、初めから交渉の条件に入れるということは当を欠くということでこれる拒否いたしました。なおそのときすでに数百名が上下の廊下に参っておりました。三時五分くらいには上下の廊下は約五百人くらいの組合員に入られまして、私たちに面接を強要する態度に出たわけであります。従いましてこの状況を解除して、正常な組合としてのルールにのっとっての交渉なら応ずるが、さもなければ応じかねるということで断固として拒否したのであります。その後五時になりまして総評と全農林、全林野の役員の方が参りまして、執行部とともにわれわれにさらに交渉の申し入れをいたしましたが、依然としてその内容において一歩前進したものでなければいかぬというようなことを申すので、私たち、これまた拒否いたしました。六時二十五分になりまして社会党の田中織之進先生が参られまして、私たちに状況を話してくれということでございましたので、次長と私がるる今までの状況を話しましたところが、君たちは交渉に応じろということでございました。しかしながら私たちは、この姿では応じかねるということをやはり申し上げました。そういたしましたところ田中先生は、総評、全林野、全農林及び組合の執行部が総務課の片すみの応接のところに——二十数名だと私記憶しておりますが——おりますところで二十分ほどお話し合いをなさいまして、再度私と次長のところへ参りました。そうしまして、その内容を要約いたしますと——これは記録に書いてございますが、記録を持ってきておりませんので簡単に要約して申し上げますと、静かな姿にさせるから交渉を持て、なおきょうは二時五十分から次長のところへみな押しかけてきているが、この人間の賃金カットの処分をしないということを確約してくれと私に言われたのであります。そこで私は事務屋といたしまして、事実あったことをそのまま上司に報告するのは私の義務である、なおそれを正当な行為である、あるいはそういう事実がなかったかのごとくしろということにはお答えできない、それを交渉の取引にされることは私はおかしいと思います。こういうことを申し上げました。なおまた田中先生が二十分ほどそちらでお話をなすっておられる間に、組合は労働歌を歌い、ばり雑言、個人の攻撃等をやっておる姿を私は見ておりますので、田中先生には、あれが正常な組合の姿でございましょうか、あれが正常な組合の姿であるというならば、これは何をか言わんやであります、しかしながら私たちは組合が平和裡に、穏便裏にわれわれと交渉を持つことこそ望ましいのであって、今ここで交渉を持つことは彼らのやっておることを正当化すことになるおそれがある、従って今交渉を持つことはできません、むしろ組合員が解散をしまして、執行委員の代表だけが残りましてわれわれと話をするというのならば、これは交渉のルールに基いて——田中先生自身もルールだけでもいい、あした本論に入ってもいいということをおっしゃったので、それならば私は応じられると思います。しかしながら強圧下にわれわれが交渉を持つことはできません、しかも組合側が一歩前進して正常なルールにのっとった組合とするためにも、私はきょう持たない方がいいのではないかと判断します、こういうことを申し上げました。そうしましたら田中先生は、それじゃどうも話にならぬということで、再度向うのすみの方の席へおいでになりまして、そのままお帰りになったようでございます。その間、まだ田中先生のおられますときにすでにむしろを二十枚組合側が買った等のこともございまして、今夜徹夜をやる気であるなということを私たちは感じたわけであります。その後私たちは組合側に対しまして、警備係長を通じまして部屋の管理上この部屋から出ていただきたい、そのころは十数名の執行部や総評の方がおりました、全林野の方もおったように私は記憶いたします、この部屋から出ていただきたいということを言いましたところが、警備係長をして言わしめることは不届きだというので、また執行委員長が次長と私を取り囲んで抗議を申し込んで参りました。しかし庁舎の警備は私の担当業務でございます。従いまして私はその警備を担当する係長をして言わしめて何が悪いかということを言いましたところが、委員長、副委員長は、きようは徹夜だ、半分の者は向うへ行って休め、半分の者はここへ来てすわろうと言って、いすを持ち出してしまったのであります。それから私たちは、これはいけぬ、明日の業務に支障を来たしてはいけぬというので、八時三十分に一応出ようといたしましたところが、執行部の一部が部屋の中におりまして、手を組んで私たちの退室を阻害いたしました。なおドアが締っております。ドアの外にはそのころすでに七、八十名から百名くらいの人間がおりまして、われわれの外出を阻止するわけであります。それで私たちは、われわれを監禁する気か、帰さぬのかということを言うて、自分の席へ次長とともに帰りました。なお九時十分に再度そこを出ようとしましたところが、同じようなことで前回よりも強力に妨害されたわけであります。それでその際執行部の者に、われわれを監禁するのかということを再度確認するようにいたしまして、私は帰りました。それでいよいよこれは明日の業務に支障を来たす、しかもそれはこういう事情にあります、すでに六時間以上われわれはそういう状況に置かれております、なおまた総務課職員はわれわれのことを心配いたしまして大多数の者が残っております、総務課と申しましても、管理的業務をやります総務課の者が大多数残っております、これらの帰ることを考えますと、そのままおったのではしまいには電車がなくなるというようなことを考えまして、やむを得ず次長が、われわれは帰りたい、どうか保護していただきたいという要請を麹町署にしたわけであります。それが九時十三分でございます。それから一分かそこらぐらいのときに渡辺惣蔵先生がお見えになりました。何か委員会とか何かが終ったばかりで参ったということであります。そして私がレーンコートを着て立っておりましたところに、君は次長かということでございましたので、私は総務課長であります、次長はこちらでございますと言って次長に名刺を渡し、そうして私は部下に指示を与えておりました。そのときの記録を書かせるために、それからその他の指示を与えておりました。レーンコートを着ておりまして私はおしかりをこうむりました。そこで少し言葉のやりとりがございました。私がそこに指示をいたしておりますときに、渡邊先生は次長がすわっておるメーン・テーブルのいすにどかどかっとおいでになりまして、腰をおかけになりました。そうして次長に状況を報告せい、おれは国政調査権を持っておる、こういうことをおっしゃられたのであります。私は国政調査権というものは何らかの手続によって初めてあるものと記憶いたしておりますが、しかしそれをせんさくする必要もなく、国会のバッジをつけておられます、名刺は衆議院議員であったと思いますが書いてあります、これは渡邊先生だということがわかりましたが、私は指示をしております。そうしたら私に、君、君は無礼なやつだ、失礼じゃないか、レーンコートを着たまま何だ、私は、いや先生は御承知でしょうが、今阻止されて帰って私は命令しておるところだ、レーンコートを着ておるから失礼だと言われても困ると言うたら、渡邊先生が、君は興奮するなということでございました。私は元来声が大きいのでありまして、いや私は興奮してない、先生よりも興奮してないつもりでございます、こう申し上げました。(「君は阻止されたので興奮しただろう」と呼ぶ者あり)私は阻止されたくらいでは興奮しないのであります。それで、まあかけたまえ、まあいいから、まあまあと言うから、はい、それでは私は、というのでレーンコートを脱ぎまして、あらためてごあいさつを申し上げまして、席にすわりました。(「脱ぐ必要はないじゃないか」と呼ぶ者あり)長上の方でございますので、私はそういたしたわけであります。そして次長と私でその経過を話せということでございましたので、今までの経過をるる申し上げました。それから九時二十二、三分ごろでございます。私は渡邊先生に、もう申し上げることはございません、これでお話を打ち切りますと言うて立って別の方に歩いていきました。そういたしましたら、次長もやはり同様立って私と一緒に私のうしろについてこられました。そこへちょうど先ほど要請いたしました麹町署長以下私服数名が入って参りまして、あなた方は保護要請しましたか、しましたねと言うので、私は保護要請しました、ありがとうございます、どうぞよろしく願いますということを申し上げた。そうしたらちょうど渡邊先生が、おいおい君、と言うので、警察署長が渡邊先生のところに行って、この者が保護要請したから連れて帰るということを申しました。そうしたら、冗談じゃない、話の途中だ、こういうわけであります。それで私は、話は打ち切ってあるものですから、再度これは確認する必要があると思いまして、渡邊先生の前に参りまして、私は先ほど申し上げましたように話は打ち切っております、もう話すことはございません、こう申し上げました。そうしたら次長もまた来られまして、私もあなたと話をする必要はございませんということを申し上げた。必要はという言葉でなかったかもしれません。話はもうこれで打ち切りましたと言うたかと存じます。それで署長が再確認いたしまして、われわれはそれから一時間ほどいたしまして初めて帰ることができたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/30
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031・大坪保雄
○大坪委員 もう時間もたちましたから簡単に、かつただ一つだけ、しかし私は重要な事項だと考える事項をお尋ねいたします。局長、課長のお話で大体状況はわかりましたが、実はこの二、三日前に私の選挙区から傷痍軍人が三人訪ねて参りました。まだ滞在中であります。それがえらい興奮した状態で私のところに参りまして、実は最近恩給関係の書類の始末が非常におそい。ずいぶんわれわれは待たされておるけれども、なかなか決定を言ってこない。われわれ傷痍軍人としては非常に興奮しておる。のみならず一般遺家族も非常に困っておる者が多いのです。それで状況を調べに上京して参りました。ところが何かざわざわしておられたが、こういう点はどうでしょうということを尋ねましたら、今実はおれたちはストライキをやっているのだ。それじゃしばらくかかりますか、ちょっと当分はものになるまいというようなことで、取りつく島もないような、にべもないあいさつだった。それで少し興奮をして、実はわれわれ国家のためにこんなにひどい目にあっているんだ、その書類の処置が十分できぬから、わざわざ旅費を使って尋ねに来たのだ、それが幾日もかかるというのじゃ困るのだが、一体幾日ぐらいたったらできるか。それはちょっと今のところわからぬ。それじゃおれたちは滞在をせにやならぬからその滞在費を君らで持ってくれというようなことを言ってきたのです、実に困ったものですと言って私のところに訴えてきたのがあるのであります。それで私はこの事件を実は知ったのでありますが、御承知のように、今日恩給局のお仕事は非常に事務の量がふえて、お仕事をなさる皆さんは御苦労だろうと思うのでありますけれども、何としましても全国に数百万の傷痍軍人や遺家族がある。この人たちが一日千秋の思いで恩給の査定を待っておる。それがすなわち大きなる生活の資料になっているということを深く考えて、きわめてすみやかに、かつ親切にこれらの問題を処理していただかなければならぬと思うわけであります。しかるにそれが臨時職員であっても、その職員の人たちの間にかりに怠業に似たようなことでもありますれば、今まで非常におくれている恩給処理の事務がさらに遅延を来すのではないか、これは私はゆゆしい問題になるとさえ思うわけであります。もちろん待遇改善についていろいろ要求することはあってよろしいし、あるべきことである。しかしながら、そういうところは先刻局長や課長も言われましたように、正常な状態で、交渉の正常なルールに乗せてやるということが正しい。それでこそ私はほんとうに所期の効果が期待できると思うのです。従ってたとえば二、三人の代表者を選定してなるべく勤務時間を避けて交渉をするというようなことがあってしかるべきだと思います。それがただいままでのお話を伺いますと、多衆によって数日間にわたってかつ暴力的行動にまでも出ておるというようなこと、それが自然事務の非常なる渋滞を来たしておるという結果になり終つておるのではないかと思うわけであります。これはここで私どもが国家公務員法をもう一ぺん考えてみるまでもなく、国民全体の奉仕者としての心がまえに欠けた点があるのじゃないかと私は思います。試みに国家公務員法九十六条を読んでみますと、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と書いてある。これはそういう交渉をやるなという意味ではありません。先刻申し上げましたように、何人かの代表を選んで正常な状態でかつできるならば勤務時間を避けてやる、それで十分できると私は思います。それがそういうようになされておらぬということはここに問題がある。このことは私は一般の官吏諸君は非常に誠実に、国家公務員法のこれらの規定に準拠してなされておると思うのでありますが、たまにただいまのような行動がありますと、これが大よそ官吏とはそういうものであるかのような印象を一般国民に与えることにもなりはしないかということを憂うるわけであります。私はこの問題の取扱い方いかんによっては、他の省にも相当影響してくると思うのでありますから、局長並びに幹部課長諸君は他からの圧力に屈するというようなことのないように——たとえば私が先刻申し上げましたように、渡辺惣蔵君は人柄としてたいへん敬愛しておりますが、ただいまの交渉の状況をみますと、国政調査に来たといってふんぞり返って夜間遅く——たとえば何か権力乱用のきらいがあるようなことが……(「失言々々」と呼び、その他発言する者多し)こういうことはそういうきらいがあるように感じられる。私も国会議員であるけれども、何か官吏諸君に話があるときは正々堂々と、しかしながらちゃんとした正常の状態で交渉のルールに乗せて交渉をする。そういうことのために圧力を感ずるというようなことがないように——私は先刻の局長のお話を伺うと、たいへん情理を尽したところもあるようだ、また少し理屈ばったところもあるように感じられる人もあるようでありますけれども、私は多数の官吏の部下を統督しておられる人としては、なるほど情理を尽してやっておると思いますけれども、正しいものは正しい、正しくないものは正しくないとけじめをつけていただかなければ——大体甘過ぎるのじゃないかというような感じさえいたすのであります。日雇い労務者というようなことであればこれはまた別であります。しかしながら国家公務員法のちゃんとした規定に準拠して行動すべき——これは臨時職員であっても職員である。そこの点をよくお考えくださって、かつこれらの人の仕事は先刻申しましたように、全国数百万の遺家族の今日の生活に直ちに影響するということもお考えくださって、適当でない者は処分するところは処分する、こういう処置をおとり願った方がよいのじゃないか。善良なる官吏大衆の利益保全のためにも、適当でないような職員は断固として処置するというくらいの勇気をお持ちにならぬといかぬのじゃないかというように私は思います。先刻私は労働組合の関係を尋ねましたが、私の知っている限りにおきましては、これはよけいなことのようでございますけれども、最近の総評の労働争議の指導は、少し私どもは考えさせられる向きがございます。何か知らん労働者の生活の維持向上、労働条件の維持向上、ないし生活の安定ということよりは、資本主義社会を覆滅するその効果をあせるあまりではないかと思われるのですが、非常に破壊的労働争議が多いのです。でありますから、局長がここで一部の声で圧力を感ぜられて、誤まって急速なる措置を講じようということのあまりに、本筋を間違えられるようなことのないようにしていただきたい。労働争議を長く遷延せしめて、他省にも波及せしめて、官庁の行政事務の機能を麻痺させんとするがごとき結果になり終らぬようにしていただきたい、かように思うのであります。あまり甘い考えばかりではいけません。正すべきところはちゃんと正す、筋道はちゃんと正すということでなければならぬと思うのでありますが、それが私から見ると、暴力行為をやるような状態、多衆の力によって圧力を加えて暴力的な行動に出る、自然警察官の出動までも求めなければならぬということが、再々に及ぶというような事態を起す、そうい責任者は、私はこの際多衆のために断固とした処分をとった方がいいのじゃないかと思うのでありますが、この点について局長はいかにお考えになりますか、その一点だけお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/31
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032・辻政信
○辻(政)委員 ちょっと関連して。今回恩給局に起った紛争を見ますと、昨年の今ごろ国会に起った乱闘事件によく似ております。実は土曜日の夕方、恩給局の臨時職員の青年二人が院内で私に会見を求めて参りました。その際に彼らが言ったことは、三橋局長はわれわれの交渉に一回も会ったことがない、どうかお願いをする、こういうことであります。そこで私は社会党の諸君よりもむしろその青年に同情を持って、直ちに三橋さんと総務課長に文句を言ったのであります。なぜ君たちは会わぬのか——冗談じゃありません、十三回会っております、二十八回会っております、こういう答弁を聞いたのであります。またこの席上において総務課長から詳しく状況を聞きますと、乱闘国会そのままだ、しかも総評の指導者が仲に入ってそれを扇動しておるに至っては言語道断であります。私はこの問題について率直に申しますが、戦場において夫をなくした未亡人が、三人、四人の子供をかかえながら一日七十三円しか国家の援助を受けておらない。七十三円ですよ。しかもアルバイト学生はそこで二百六十五円をいただいてそして学校に通っておる。私の手元にも五千円でアルバイトに行くところはないかということで、学生の申し込みが殺到しております。こういう状況でございますから、だから大坪君が質問されたと同じように、この問題の解決には二つの関係を持っておる。一つは、あえて集団暴力に訴える総評の扇動に乗って、労働攻勢のはしりをやろうというような不純な者は断固として整理すること。われわれは信念を持って、赤旗を振らないまじめな学生をそのかわりにどしどし推薦する。第二の問題は、八百万の遺家族が一日千秋の思いで待つこの事務の渋滞は許されない。そこで事務費というものを正当に要求されて、事務費の不足からまじめな青年たちに苦労させないよう、まじめな者はできるだけの範囲においてほんとうにめんどうを見てやる親心と同時に、その線を越した者に対しては断固として許さないという信念と勇気を持って、この問題の解決を一日もすみやかにやられんことを特に切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/32
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033・渡辺惣蔵
○渡辺(惣)委員 関連して。私が登場しておりますが、警察官が恩給局に来ることになったから来てくれという要望があったので、九時半ごろかけつけた。行ってみますと、その直後に麹町署長以下制服警官何十名か来たのです。麹町署長自身は、事態を静観して、決して実力行使などさせてはおらないのです。ここに問題がある。警察はトラックを三台も用意して表門に来て、署長以下が中に入って、職員組合の委員長以下の幹部と話をし、私どもとも話をした。私は問題の中に一つも介入しようとしてはいない。条件か何かをどうせよとも言っていない。夜役所に警察官を入れて暴動を起すといけないから、私は行った。その点については、辻さんが心配されるような乱闘国会の再現でも何でもない。乱闘もしていなければ何もしていない。とにかく話し合いをさせなければならぬから、話し合いの場を作ることが大事だから、警察の権力にものを言わせて実力行使をすればかえって事態が悪化していかぬので、むしろそれをそらすような話の仕方をさせなければならぬ。従ってそういう点で干渉するなということを言って、署長自身も私の勧告を了承して、約三十分は何もせずにおった。だから乱闘とか暴行とかいう事実はどこにもない。そういうことで組合の幹部とも話をして、夜おそくなってあすの勤務にも困るし、役所の管理の点でも困るからということで、自発的に職員を撤退させている。総務課長以下の課長、係長クラスの人たちはすっかり興奮状態で、このまま団交に入ることができないから、連絡しておいた田中官房副長官に、総理府関係だから局長さんと会うような話の仕方をしてもらおうということで、電話連絡がとれたので、職員を自発的に撤退させている。従って私が来た以降においては、警察官は見えておったけれども、何ら実力行動をしておらぬし、組合もしておらぬ。大坪さんはこの問題について発言をされております。大坪さんは、二十五年前私たちと警視庁の調停課長のときに一緒にいろいろ話し合った、このごろだいぶ考え方が変ったと思っておりますが、その昔は聰明にして理解のある調停課長で、私もずいぶん厄介になったのでありますけれども、今この恩給局の職員組合の問題で私はびっくりいたしました。二十八年四月から恩給法が復活して、組合ができたのが二十九年の十一月です。一年半はみな非常に誠実に働きながら局長さん以下の処置を待望しておったが、万やむを得ずに十一月になって組合ができ、この間の五月の連休で火をふいたわけです。やはり問題の中心は、連休の問題とかなんとかいうことではない。他の労働団体では、終戦後できてから十年もたつているのに、この恩給局では、昨年の十一月にできた。局長の頭も、他の各省の局長や次官、大臣よりも、労務管理についてははるかに硬化しておつて、労働問題などにはみじんも理解がないという感じがする。今ごろ夜大衆的な談合をするということは、ほかの役所では十年前に卒業している。それは終戦直後のことだ。今恩給局では、十年後の今日そういう問題が解決されていないということと、恩給局の当局の頭は、他の農林省や各省より古い。他の各省の当局者は、労働組合の折衝に驚いたり、警察を呼んだり、そういう気違いざたはしない。みな今日労働運動を理解しているのです。にもかかわらず恩給局の最高首脳部の人々は戦後十年たって全然そういうことの理解がないという根本的なことと、恩給局の臨時職員というものは他の官庁の職員組合の人々と全然違って、非常に極端な条件に置かれているということです。先ほどから実に遺憾な発言があるのです。アルバイト、アルバイトという発言があるのですが、アルバイトというのは日本学生援護会が頼んで、一日か二日臨時的に行くような、あるいは全く身分の保障もなしに、特定の職場に継続的に働くことなしに、全く臨時的に働くものをアルバイトと従来いっているのです。少くとも役所が採用して、しかも長い者は二年以上になる。昭和二十八年の四月軍人恩給復活以来継続使用している者は定員が二百四名、臨時職員は八百名を突破して、八割何分というものは臨時職員を使用しているという。二割が臨時職員だというならわかるのです。八割以上が臨時職員で、しかも今の皆さんの考え方の中に共通な誤まりがある。というのは、あくまでアルバイトの職業として見ている。昼職業として働いて夜学校へ行くのは、勤勉な彼らが向学心に燃えて自主的に夜間大学その他に行っている。昼間大学に行って、学校が終えたら夜は恩給局に働きに来るというならアルバイトでしょう。しかし継続して一定の規律に従って二年間も働いているのに、アルバイト、アルバイトということで、職業でないという仮定の上に立って、アルバイトで月に二十五日間働くのは非常に恩恵的だろうという考え方は、非常に誤まった考え方である。こういう基礎観念の上に立ってこの問題を論議しておりますと、いつまでたっても堂々めぐりになる。だから私は辻さんがおっしゃるように、恩給法はさらに改善されて仕事の量がますますふえてくると思うのです。それがわずかに二百四名の定員で、その二百四名の定員が八百数十名の臨時職員を指揮するという頭でっかちのまるでさかさになっている行政機構を改めて、そうして予算の措置によって可及的すみやかにこの臨時職員を定員として採用して、正常に恩給局の事務が遂行できるように御処置を願いたいと思うのです。このことは何よりも大事なことであって、問題の紛争にわれわれが特に介入したり扇動したりする事実は何もない。そういうことでなくて、さっきの警察の人々でさえ、三十分も待機して双方の話し合いを待ったという事態であることを、一つ御確認を願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/33
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034・田原春次
○田原委員 議事進行について。ただいま聞いておりますと、いろいろ立場立場で解釈の違う者もありますし、また大坪、辻両委員の、質問でなくて、弾圧を扇動するということもあるが、それはそれとして、問題は火のないところに煙は立たないのでありますから、このままでいきますと恩給事務が渋滞すると思うのであります。そこで解決の糸口をこの委員会であっせんすることとし、委員長、それから立ち会った渡邊委員、大坪、辻委員、それから右派で私、それに局長、課長、対策委員会で懇談をしてもらいたいと思います。それから恩給局職員組合の者も出てもらって至急に解決する方法を講じてもらいたい、そういうことを提案します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/34
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035・宮澤胤勇
○宮澤委員長 田原君どうですか。これは動議としないであとで理事会にかけることにしては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/35
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036・田原春次
○田原委員 いいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/36
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037・宮澤胤勇
○宮澤委員長 ただいまの田原君のお話しは後刻理事会において御相談いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/37
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038・岩崎内午郎
○岩崎説明員 先ほど渡邊先生が、局長が非常に理解がないというお言葉のようでございましたが、どこの役所でも最高首脳者が常に組合と会わなければならぬということは、必ずしもそういうことはいえないのではないかと思います。そのために次長が指名され、総務課長が指名されまして、時間的余裕がある限り局長がお会いしておりまして、そういうことはちょっといえないと存じます。
それからなお……(「不遜だよ」と呼び、その他発言する者多し)私は事情を申し上げておるのです。実態を申し上げておるのでございます。なお警察を呼びましたことは、私たちは警察を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/38
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039・宮澤胤勇
○宮澤委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/39
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040・岩崎内午郎
○岩崎説明員 鎮圧のために呼んだのではございません。われわれを軟禁いたしましたので、その軟禁から救出を願っただけであります。従いまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/40
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041・宮澤胤勇
○宮澤委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/41
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042・三橋則雄
○三橋政府委員 ただいま大坪委員、辻委員、渡邊委員の三委員から御発言がありましたが、まず先に御発言がありました大坪委員、それから辻委員の御発言にお答えし、それから渡邊委員の御発言にお答えいたしたいと思います。
辻委員、大坪委員の仰せられましたことは、よく私は肝に銘じまして、事態を穏便に解決するためにできるだけの努力をいたす考えであります。しかしながら、今大坪委員や辻委員の仰せられましたごとくに、穏便に物事を片づけるのあまり物事の本筋を誤まった解決をするな、こういうようなお話しも私はもっともなことと思いますので、その点も十分考えまして、できるだけ穏便な事態の解決方法をはかり、物事の本筋を誤まらないように処理していきたいと考えております。
次に渡邊委員から大へん私に対して御忠言をいただきましたが、私もまだ至らないところがあって、あるいは渡邊委員の仰せられるようなことがあるかもわかりません。そういうことがありますればできるだけ私がみずから振り返りまして、あらためて一般の要望に沿うようにいたします。しかしながら、大へんお気にさわるかもわかりませんが、こういう組合との話しは双方が互いに譲り合うといいますか、寛容な心持を持って話し合いをしていかなければならないものだと思うのです。従って私もできるだけしますが、どうか渡邊委員のように労働運動の方に理解があり、また相当な見識のある方でございますから、私たちの組合が先ほど仰せられましたように、昨年の十一月できた組合であり、決して私組合を軽蔑して言うわけじゃございません。私が未熟であると同じように組合が至らない点があるかと思いますから、どうぞ指導して——指導といっては語弊があるかもしれませんが、取りなしていただきまして、私たちとの間におきまして正常なルールにおいて話し合いが行われていく。そうしてできないことはできない、できることはできることとして円満に話し合いが進められていくように御尽力願えれば仕合せであります。
いささか御質疑以外のことにわたって失礼でありますが、それだけつけ加えて申し上げさせていただきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/42
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043・宮澤胤勇
○宮澤委員長 次に農林省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。吉川政府委員。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/43
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044・吉川久衛
○吉川政府委員 農林省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
農林省の所掌する行政事務の遂行上、農林省設置法の一部改正する必要が生じましたため、本法案を提出いたしました次第であります。
改正案の内容は、第一に農林省におきまして国際食糧農林機関等との連絡その他国際協力関係の事務が増加し、またビルマ、フィリピン等に対する賠償の実施部面において担当する事務も生じて参りましたので、農林省の権限として賠償及び国際協力に関する事務を行うことを明確にいたしますとともに、大臣官房においてこの事務の総括を行うこととしたものであります。
第二に、肥料検査所のうち神戸肥料検査所は神戸市に置かれておりますが、敷地の関係から尼崎市に庁舎を新設することといたしましたので、これに伴いその位置を尼崎市に改めることといたしました。
第三に、米価審議会は米価その他主要食糧の価格の決定に関する基本事項を調査審議する機関でありますが、従来その組織、所掌事務、委員の定数、専門委員の設置等については政令で定め、委員及び専門委員は、食糧庁長官が任命することになっておりましたものを、この審議会の重要性にかんがみまして、この際委員及び専門委員についての主要な規定を法律で定めることとし、その任命を農林大臣が行うこととしたものであります。
第四に、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律が本年三月三十一日限り失効いたしましたのに伴い、それに基いて農林本省及び食糧庁、林野庁が行なっておりました国際的に供給が不足する物資等の割当、配給の規制、譲渡、引き渡し等の制限、禁止、譲渡命令等の権限を削除するものであります。
なお、この点は水産庁についても同様に整理するとともに、外資に関する法律に基き、農林省の所掌事務に関し、外国投資家にかかわる技術援助契約の締約や更新、また外国投資家の株式等の取得に関し認可を与え、届出を受理する権限が水産庁設置法上不明確でありますので、あわせて水産庁設置法を改正することといたしております。
以上がこの法律案の内容でございますが、何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/44
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045・宮澤胤勇
○宮澤委員長 本案に対する質疑は大蔵省設置法の一部改正案とともに後日に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
午後零時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X01819550606/45
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