1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十五日(土曜日)
午前十時四十六分開議
出席委員
委員長 宮澤 胤勇君
理事 高橋 禎一君 理事 辻 政信君
理事 床次 徳二君 理事 江崎 真澄君
理事 高橋 等君 理事 森 三樹二君
理事 田原 春次君
長井 源君 保科善四郎君
眞崎 勝次君 粟山 博君
山本 正一君 大坪 保雄君
小金 義照君 田中 正巳君
田村 元君 茜ケ久保重光君
飛鳥田一雄君 鈴木 義男君
中村 高一君
出席国務大臣
郵 政 大 臣 松田竹千代君
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
出席政府委員
経済審議政務次
官 田中 龍夫君
総理府事務官
(経済審議庁
総務部長) 酒井 俊彦君
大蔵事務官
(管財局長) 窪谷 直光君
建設政務次官 今井 耕君
委員外の出席者
専 門 員 龜卦川 浩君
専 門 員 小關 紹夫君
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六月二十四日
恩給法の一部を改正する法律の一部改正に関す
る請願(山下春江君紹介)(第二五一三号)
養護教諭の恩給不合理是正に関する請願(岡本
隆一君紹介)(第二五一四号)
旧海仁会並びに海友社の施設及び附属物の転換
処理に関する請願(山本正一君紹介)(第二五
三三号)
愛知県岡崎市合併地区の地域給指定に関する請
願(小林かなえ君紹介)(第二五五八号)
愛知県挙母市の地域給引上げの請願(小林かな
え君紹介)(第二五五九号)
小牧飛行場基地周辺に駐留軍専用モデル施設建
設に関する請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第
二五六〇号)
静岡県沼津市の地域給引上げの請願(勝間田清
一君紹介)(第二五八四号)
石川県珠洲市飯田地区の地域給指定に関する請
願(南好雄君紹介)(第二五八五号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
小委員会における参考人招致に関する件
妙義山の旧演習地売払問題等に関する件
経済審議庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三九号)
建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五七号)(参議院送付)
郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一三三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/0
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001・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これより会議を開きます。
経済審議庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより討論に入ります。通告があります。田原春次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/1
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002・田原春次
○田原委員 私は両派社会党を代表いたしまして、今回の修正案につきましては二、三の希望を述べて賛成をしたいと思います。
その第一は、今回審議庁を経済企画庁とするということであります。これは従来そういう部門がなかったのでありますから、そういうように名を改めて、名に従ってまた内容を変えていくということは、確かに一つの進歩であると思います。特に長期経済計画の推進等について策定機関を設けたことはいいと思うのでありますが、しかしながら、それならば単に長期経済計画のみに限定することなく、文教政策あるいは外交あるいは法務その他いわゆる経済官庁以外の行政官庁に対する総合長期計画等もなくてはならぬわけであります。従ってわれわれの希望するところは、経済企画庁にとどまることなく、経済の二字を総合と変えて、総合企画庁にすべきものであると思いますが、まあこの内閣の今日やり得ることはこの程度じゃないかと思うのでありまして、この案も現在の経済審議庁に比べれば幾らかの進歩でありますから、まず将来さらにわれわれの希望する総合企画庁にする一歩前進と見まして、これは承認していいと思うのであります。
第二点は、新たに経済企画庁となってから後の内容、部局の整備の問題がここに提案されておるのでありますが、これも第一点に申し上げたように、総合企画庁としました場合は、当然国の各省の予算編成権をどこに置くかが問題になると思うのであります。現在は大蔵省主計局にありますが、これはわれわれ社会党の計画といたしましては、内閣に移して、内閣総理大臣の直轄のもとに、各省の予算並びに全体の予算の策定をすべきものであると考えておるのでありますが、今回の経済企画庁にそれを与えるかどうかは、それはまた問題で、新たに予算庁のごときものを内閣に設けることも一つの考えであろうと考えておる。ということは、従来の大蔵省主計局が、各省の予算の編成となりますと、各省との間に事務折衝を行われるのをしばしば新聞等で見ておりますと、責任の地位になき一主計官が他の一省全体の予算を審議しておる。そうしてこれは多いとか少いとかいうことを盛んに言いまして、各省の予算立案当局と大蔵省主計局との間に長い交渉があることは常にわれわれの知っているところであります。それは少しも国策全体の問題であるとかいうことでなく、あたかも自分の持っている金を分けてやるような気持でやっているところに不満があり、行き過ぎがあり、また間違いが起ってくる。話の上手な交渉をすれば、ではもう一億出してやろうというようなことがしばしば起っている。この主計局は、大蔵省では歳入と歳出と総合経済政策のためには大蔵省に置かねばならぬと考えておるようであるけれども、ほかの省から見ますと、必ずしもそう考えない。特にまた内部の今までのいきさつを見ますと、たとえば学閥的なつながりを、主計局と他省との間に持ってやる。あるいは昔で言う一高、東大を出た者でなければ、主計局に入って実力をふるえない。そうすると一高、東大の同窓生というので、他省の会計係官がよしみを持って、もうちょっとふやしてくれというような話があって、とかく大きな国の予算を編成する上におきまして、個人的な学閥関係さえ含まれるということを、国民は苦々しく思っている。そういう態度を改めなければならぬのに、さように事務折衝では小さな取引をやって得意になっておりますが、さて今度の予算で御承知のように、民主党と自由党で二百十五億出すということになりますと、また一、二もなく追随してぐうの音も出ない。こういうように弱い方面には強く、強い方面には弱いという、まことに今の大蔵省の主計局のやり方については、満足することがない。でありますから総合企画庁のごときものになり、もしくは内閣に予算庁を作る時代が来ますならば、当然今までのような各省の予算の策定時に対する大蔵省の無責任な介入は許さるべきものでないと考えておる。ただし現在の今度かえます経済審議庁を経済企画庁とする、それに予算の全部を審議させるかどうかはこれは問題でありますが、その点はわれわれといたしましてももう少し研究し、総合的な行政機構改革の案をまって、いろいろやりたいと思っておりますが、今回のところはしばらく政府の運用の面を見るという意味におきまして、必ずしも満足はいたしませんけれども、この経済審議庁を経済企画庁にするという修正案については、一応賛成をしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/2
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003・宮澤胤勇
○宮澤委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/3
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004・宮澤胤勇
○宮澤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/4
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005・宮澤胤勇
○宮澤委員長 次に建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。田原春次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/5
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006・田原春次
○田原委員 建設省の一部を改正する法案を審議するに際しまして、建設大臣にお尋ねしたいと思うのは、最近議員の間で各党間に研究されつつあります、正確の名前ははっきりここに記憶いたしませんが、国土縦貫道路のごとき案があるのは御承知のことと思います。これの必要性につきましては、各党ともそれぞれ政策審議会等で研究しておる。これを実現する上においては、予算その他の面もあることであります。また国会でこれを審議するためには、現存する各省別の委員会か、あるいは新たに特別委員会を作るかということについては、実は国会内で研究しておると思うのでありますが、建設大臣はこの種の縦貫道路に対するわれわれの考えをどういうふうにお取りになるか。また賛成とか反対とか、そういうものをひっくるめてこの際明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/6
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007・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 ただいまお話のありました、いわゆる広い視野に立っての新しい道路網の計画を立てろという御趣旨の法案のお話し合いにつきましては、われわれも承知をいたしておりますし、われわれはこの趣旨に対しましては全面的に賛意を表し、またわれわれの立場において努力をいたしたいと考えております。前国会かにもしばしばこの問題が取り上げられたことは御承知の通りでありまして、従来前内閣においても今回より大規模なものではなかったのでありますが、この問題についての御提案に対しましてこれに協力いたしまして、いろいろ調査を進めてきたことは御承知のことと存じます。私かわりましてからも、計画全体の問題は別問題といたしまして、すでに論議の対象になっておりますところの東海道の新しい道路の計画に対しましては、私は実はできるところからまず実現をさせるということが大事だと考えまして、全体の計画ももちろん検討をいたさなければなりませんけれども、まず手をつけなければならぬ。それには御承知の通り、ガソリン税を財源とするところの道路五カ年計画というものがすでに前内閣以来確定をいたしておりまして、これはこの財源をもって非常に遅れております国内の道路の整備をいたさなければなりませんから、この財源等を当てにするわけにいかない。この大構想の道路に対しましては別途の財源を考える必要があると考えまして、まず第一にはやはり金利の安い外資を入れるということが一つの問題と心得まして、間接的ではありますけれども、今ニューヨークに連絡の人も頼んで民間の外資の入るように、また先般も世界銀行のドール氏とも、高碕、石橋両大臣とともに懇談をいたす等、あらゆる面から資金工作に努力をいたす一方、今佐久間ダムに来ておりますアメリカの技術者三人を頼みまして、建設省の技術者と共同の現地踏査を先般来頼んでおりますのも、この資金の裏打ちとして、われわれの計画だけでは理解をいたさせることに十分ではないと考えますので、これも一つの手段としてやっているようなわけであります。
なおわれわれの希望をもってするならば、来年度以降におきまして、もし許されるならば余剰農産物の資金等もこの方面に一部はさいてもらいたいということも、実は私としては考えているようなわけでありまして、これは将来の問題でありますから何とも申し上げられませんけれども、さような見地で資金的の処置を政府としては最善の努力をいたして、今回の強い国会の御要望のような計画の実現を一日も早く手をつけたいという熱意をもって努力をいたしておりますので、いずれにおきまりになりますとも、国会の今日のような御意図に対しましては、われわれは最善の努力をいたしてその御期待に沿いたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/7
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008・田原春次
○田原委員 第二点は住宅政策でありますが、これは確かに竹山さんが大臣になられてからの計画は、かなり国民の期待している意に沿うかのごとき印象を受けていることは、いいことでありますけれども、何といたしましても住宅は絶対的に足らない今日におきまして、限られた予算で一々国会の承認を得てやるということにも困難の点がある、にもかかわらず住宅は必要であります。先ほどの道路の問題について、外資の導入というお話もあるようでありますが、相当大規模のブロック建築なり、アパートなり、あるいは個人の住宅なりに対して、もし外資を入れるものならば入れたらどうだという空気もやはりあるわけである。そういうお考えがあるかどうかこの点もお伺いしてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/8
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009・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 その点は私は率直に申せば、日本の住宅を建てる資金、資材等につきましては日本の国内の力で十分だと実は考えております。私今日積極的に日本の住宅建設に外資を入れたいという努力をするだけの私はまだ考えには至っておりません。しかし実は先方からグレゴリー住宅会社というイギリスの住宅会社が、日本の住宅建設をやりたいという間接的なる申し入れがありましたことは事実であります。これにつきましては、為替の関係もありますから大蔵省、それから外国の会社のことでありますから、外務省を通じまして正確にその実態、今後の関係等を調査願いましたところ、その会社は堅実であって、別に差しつかえなかろうということでありますが、向うの申し入れは、相当長期の資金をもって建てますが、その入った人に外国の保険会社に加入してもらって、その保険金を目当てといいますか、引き当てにするという建前をとっておりますので、私はこれは日本の保険会社が優先すべきものであって、外国の保険会社を優先するということではお引き受けはできない、また為替の関係からいたしまして、優先的にドルを住宅のために入れてくれることはいいけれども、あとの償還をどんどん持っていかれるということであってみれば、日本の外貨資金の計画に支障があるであろうということも考えられます。これらも日本の自主的な考えで差しつかえないということであるならば考えてよろしいという点を、二、三われわれの立場を明確にいたしまして、将来協力を願うことについては何ら偏見を持つつもりはありませんけれども、さような立場でおるようなわけで、これは御承知のようにフランス、イタリア等に住宅建設をいたしておりますので、日本もそういう国際的な注目を浴びたということはわれわれとしても関心を持っておりますけれども、今のところ道路のように、政府がみずから進んで外資をそのために導き入れようというところまでは率直に申してまだ考えておりません。国内の建設力及び資材で日本の住宅は十分建ち得るものだというふうに実は考えておりますので、率直に申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/9
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010・田原春次
○田原委員 最後にもう一つお尋ねしたいのは、建設青年隊の現状並びに将来についてであります。これは着想はなかなかいいことであるし、これに対しまして一部では非常に期待をかけておる。私は海外進出という面から考えまして、道路建設、ダムあるいはその他の建設技術を習得しました場合、中南米であるとか東南アジアであるとかに期間を限り、目的を定めて進出するような機会を与えてやることによって、これらの国のおくれた経済開発に日本人のからだと知識で協力するならば、進んでは将来海外移住の相手方に対する理解を早めることになると思う。一例をあげますと、アラスカでアラスカ・パルプというのが仕事をしておりまして、非常に多くの一万人くらいの労働者を必要とする。ところが労働組合の関係であるとか移民の関係とかで阻まれておりますけれども、これは移民として入国するのではなく、一種のシーゾナブル・ワーカーということで行くのだったら、交渉いかんによっては見込みがあるのじゃないか。せっかく日本で日米合弁の会社もできておりますから、これらに対しましては進んで青年隊の進出をもっと積極的にやってもらいたい。それからブラジルにおきましても労働力が不足であるし、最近トヨタ、東洋紡績等の工場プラントも進出するということになっております。あるいは造船プラントもできております。それらに付随して、日本から多数の優秀なる青年の技術訓練を受けた者が行って、働いている間には、漸次海外定着の機運が相手方に起きるだろうと思います。従って形を変えたといいますか、相手国の開発に協力する建前での訓練された青年の労力というものは受け入れられると思います。これに対して建設大臣はどのように考えておるか、これを一つ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/10
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011・竹山祐太郎
○竹山国務大臣 まことに適切な御注意をいただきまして感謝にたえませんが、ことしの予算におきましては、御指摘の建設隊は前年度の約倍額くらいの程度に増額をいたしまして、なお自由党との共同修正におきましても若干の増加をいただいたようなわけでありまして、この点はわれわれは感謝いたしております。農林省と両建になっておりますが、私の方の所管の建設隊は、御承知と存じますが、主として大きな開発事業地に入りましてトラクターとかブルドーザーとか機械の操縦等をしっかり修得させるということに努力をいたしておりますので、今のところこれに入りました青年は一〇〇%に近い就職率を見ておりますが、これのねらいは、私もただいま御指摘のように、国内だけで考えておるべきではない、この優秀な共同生活を通じて技術的にも訓練をされた諸君をできるだけ海外に向けたい、それには当面御承知のビルマの賠償を手始めにいたしまして、賠償を中心として東南アジアの方面に土木建設関係の事業が相当伸びるということが予想されますので、建設省としても、これに関して今日御審議をいただく設置法の中にも専門の室を作りまして、両者の一致協力を求めると同時に、積極的に進めて参る、その内容といたしましては、今お話のような青年隊の諸君等の十分な協力、活動を期待いたしております。
なおこれは若干余談でありますが、私は先般愛知君などと一緒にアメリカへ参りましたときに、今の御意見のような季節労働という形において日本の農村の青年をアメリカに入れろということを、私はワシントンからシカゴから各地で主張をいたしまして、大分賛成と反対の論議を巻き起しましたが、おかげでその後もうカリフォルニアに引き続いて青年が参っております。これらも、そのときたまたまカリフォルニアの日本の一世の諸君が、将来の発展は南米だ、われわれも先達になって、日本の優秀な青年にまずアメリカで大農経営を体験さして、それらをおれたちが連れていくから、一つ考えろということなら、われわれは賛成だという非常な熱意のある協力を得ましたのが、今日実現のもとをなしております。ただいまお話のように、建設、農林両者でやっております青年隊等も東南アジアから進んで南米方面にどんどん向けて参るように、そういたしますれば、今やっている青年隊の諸君にも努力の目標が一そう明確になると考えますので、私は今さような考えで青年の諸君にも申し、また建設省としても、各局が一致協力してこれら青年に向って、それぞれの処置を講じておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/11
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012・宮澤胤勇
○宮澤委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、これにて質疑は終了いたしました。
これより討論に入りますが、別に通告もございませんので、これを省略するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/12
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013・宮澤胤勇
○宮澤委員長 なければさよう決します。
これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/13
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014・宮澤胤勇
○宮澤委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決することに決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/14
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015・宮澤胤勇
○宮澤委員長 次に郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。小金義照君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/15
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016・小金義照
○小金委員 ただいま議題になりました郵政省設置法の一部を改正する法律案につきまして、二、三の点を大臣にお尋ねいたします。
この改正案は主として郵政省の所掌事務にかかわる賠償及び国際協力に関する事務を行うことに関連したように私は了解するのですが、そう解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/16
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017・松田竹千代
○松田国務大臣 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/17
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018・小金義照
○小金委員 それで一昨日ですか、大臣の御説明を承わりますと、東南アジア諸国に対するいろいろの集団的技術援助活動が活発化し云々とございますが、郵政省関係についてそういう事実が幾つかございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/18
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019・松田竹千代
○松田国務大臣 活発化しという言葉があるいはそういう御質疑をいただいた理由と思いますが、漸次そうした賠償並びに国際協力の関係のことでぼつぼつそういうことが出て参っておる現在の状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/19
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020・小金義照
○小金委員 東南アジアに参りましてどこの国でも感ずることは、まず交通が不便であること、それから郵便制度がまだきわめて幼稚と言って差しつかえない程度だと思うのですが、その郵政関係の仕事を指導してもらうとか、あるいは交通通信の関係で電信電話の架設あるいはそのマネージメントというようなことで、具体的にお話をしておることはございませんか。それを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/20
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021・松田竹千代
○松田国務大臣 具体的に参っておりますもののうちに、コロンボ計画、国連の技術援助計画それからFAO計画その他各国の要請に基く技術援助として電気通信関係の技術者の訓練ということが、向うでは緒につかんとしつつあるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/21
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022・小金義照
○小金委員 この改正法律案の案文を見ますと、たとえば第四条の十四号の四ですか、それから第六条の七号の二ですか、これらを見ますと、「賠償及び国際協力に関する事務」こういうふうになっておりますが、賠償と国際協力は別々に考えてよろしいですね。賠償のない国の国際協力に関連する仕事があればそれも郵政省関係の事務ならば所管する、こう解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/22
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023・松田竹千代
○松田国務大臣 それは別に考えてよいところもございますし、また関連して考えなければならぬこともあると思います。たとえば賠償関係のことはその窓口としては言うまでもなく外務省でございますが、外務省においては賠償に関する連絡本部と申しますか、賠償部ということになると思っておりますが、そういうものは今まで賠償に関する連絡事務所というような、あるいは本部というようなことでありましたけれども、今度は明らかに賠償部というようなものが設置されるようになると思いますが、そうした場合に各省それぞれ関係がございますので、各省からみなその連絡のために人間を出して、そうしてそれぞれ関係の仕事を進めていく、こういう建前になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/23
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024・小金義照
○小金委員 私が申し上げるのは、実は、この読み方——「賠償及び国際協力」と書いてあるけれども、賠償と国際協力、こういうふうに読めるのであります。賠償または国際協力の意味に解して、賠償のない国では国際協力なんだ、賠償のある国では賠償及び国際協力だ、こう読むのか、こういうことです。そう読んでよろしいと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/24
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025・松田竹千代
○松田国務大臣 その通りに御解釈願ってけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/25
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026・小金義照
○小金委員 それでこれは私は郵政大臣ではなくして、国務大臣としての松田竹千代君に申し上げたいのですが、それはたまたまここに賠償という問題が出ておりまして、この賠償問題が一応解決したという格好がついておるのは対ビルマ関係であります。おそらくビルマの現状からいけば電源の開発とかあるいは電気通信関係のことが私は先決するということは、一昨年の九月ですか、現地でウー、チョウ、ニエン工業大臣がそう言っておるのですが、これはおそらくあなたの方の郵政省の所管に属すると思います。そこで昨年の十一月だったと思いますが、ビルマと日本政府の間で、平和条約と経済協力協定が調印されました。日本では御承知の通り、昨年の年末の国会で批准をいたしました。三月ビルマの政府がこの条約及び協定に批准をしております。そこで平和条約と経済協力協定は、正式に私は成立したと思うのですが、それであるから日本から大使を派遣し、特別の参事官を出してラングーンでいろいろな賠償と経済協力の実施のための協定をいたしております。ところが御承知だと思いますが、四月の初めからやっている交渉は一向はかどらない。たしかもうきのうきょうあたり牛場参事官が来て、日本の政府と打ち合せをしておると思いますけれども、私はここで二、三の重要な点を申し上げて、国務大臣としてよくお考えを願いたい。これは外務委員会で言うのが適当かと思いますが、何といっても電力だとかあるいは電気通信機械だとかいうようなことが非常に先に出る問題であります。通産大臣や郵政大臣にもそれは考えてもらわなければならぬ問題である。そこで私は申し上げるのでありますが、この経済協力の実施要領といいますか、細目協定といいますか、これがきまらぬために、ビルマがどういう考えで日本に持ち出しておるかということは、これは東南アジア全般に関連して重要なことだと思う。これはただ参事官や大使だけでは絶対にきまり得ない問題がある。それを政府なり国会なりが取り上げるというと語弊がありますが、とにかく政府がこれを取り上げて、そうして円満に、すみやかに妥結を見るようにしないと、日本はせっかく賠償問題を解決し、平和条約を締結しても何のかのと実行してくれないという感じを持たせると、これはことに東南アジア関係には重大な影響を及ぼすと私は思う。まずこちらから派遣する技術者、その他の俸給がきまらない。今、日本ではアメリカから一技術者を頼みますと、その技術者のランクいかんによっては総理大臣よりはるかに高い月給を払わなければならない。だから日本の先進国としての技術者が行けば、向うの国務大臣よりも高い月給をとるのは当然だとわれわれは考える。けれども最近ビルマから来た責任者の一人であった人の話を聞くと、それは戦争前の日本人の考え方であって、戦争で日本は負けてしまった、そうして貧乏国になって、同じ後進国である東南アジア諸国と手をつないでいこうという心構えであるにかかわらず、どうも非常に高い月給でなければ人が出されない、もっと安い月給を払うということになると、賠償をよけいしなければならないということになる。それから大蔵省等の前例からいくと、なかなか簡単にはそれが打破できないという実情があるらしい。けれどもある程度まで向うも折り合いますから、踏み切ってこの辺できめてもらいたい。
それからさらに大事な問題として、閣僚として御相談願いたいことは、細目協定を両方で研究いたしておる際に出たいろいろな派生的な問題、これはほっておかないで極力早くきめてもらいたい。日本の予算の編成の仕方は、ことしの予算を見ると百億しかこういうものに充てられる金がないという予算面になっておる。ところが内容を見ると、百五十何億ですか、これは昨年度から繰り越されておる。けれども予算を見て外国人が研究すると、日本の予算には幾らも計上してない。二千万ドル、七十二億を果してこの中からとれるかどうか、外貨の利息の支払い、在日外人の資産の賠償などをやるとこれは払えないのじゃないかという心配がある。けれどもこれは一応了解してくれたと思うのです。そのほかにまだビルマ側からいえば賠償として払ってもらうお金をビルマの名前において日本銀行にデポジットしておきたいとかいろいろ要求があります。これについては日本側が誠意を持って賠償に当るならば、こういう問題はある程度解決すると思うが、非常にむずかしい問題は、たとえばビルマが電源の開発をするとか、電気通信設備をするというような場合に、日本の業者に直接注文をしたいということを言っている。ビルマ政府が日本の業者に直接電気通信設備などの工事一切を請け負わせる契約をいたしたいというのは、ビルマは独立国だ、だから外国の商社を自由に契約の相手に選びたい、こういうことは一応もっともなんです。ところがこれを野放図にやりますと、日本の業者の中には出血契約といいますか、何でも仕事を取りたい一心で、りっぱな成績を上げるような工事を完全に遂行できるという確信なくして飛びつく人がなきにしもあらず、こういうような点で細目協定の締結に当ってだいぶ困っているようですから、これは外務省あるいは大蔵省等と連絡をとられまして、この間の調節というか何か考えてもらわないと、こういうことでじんぜん日をむなしくしておることは国交上きわめておもしろくない、こういう事態がございます。ビルマの方では一日も早く国土の開発をしたいのだが、日本側が何かしぶっておるような感じを持っておりますから、私はこれを払拭するように、内閣としては努めてもらわなければならないと思います。ことに何か最近経済協定の暫定的な実施項目というものを設けられたらしいけれども、これはどこまでも暫定で、今のような根本問題が片づいておらぬはずであります。その根本問題を片づけるために参事官が来ておるはずでありますから、これはいい機会であるからこの点を内閣として責任をもって進めてもらう、それだけを私は申し上げておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/26
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027・松田竹千代
○松田国務大臣 非常に重要な問題について御親切なるお話でございますが、言うまでもなくこの日本は貿易によって進んでいかなければならぬ、従って東南アジアその他フィリピンとの貿易を伸展せしめていかなければならぬ、そのためには賠償の問題を一日も早く解決していかなければならぬのですが、すでにお話のように、ビルマとの賠償に関する協定ができておって、できておる国がなお細目その他の点についてきまらぬために、肝心の仕事の方が遅々として進まぬということは、いかにも残念なことであると思います。これは社会制度の違いや国情の違い、その他宗教などの関係、いろいろの点で彼我の国情の違いによって非常にむずかしくなっている点もあるように私は伺っておりますが、現に今協定に入らぬ前でも、ビルマの方から有力な責任ある使節が来て政府のために品物を買おうという場合でも、それがつまらぬことから不調に陥ったような場合もしばしばあることをみずから承知をいたしておるのでありまして、私はその重要性を十分に認めておるつもりでございますので、ビルマなり、タイなり、あるいはフィリピンなりの東京における代表機関のパーテイなどにも努めて出るようにして、そうした国々の国情を少しでもつまびらかにし、これを今回の仕事の実際に進めなければならぬときの資料にしたいと考えておるような次第でありまして、お説きわめて重要であり、もっともなことでございますので、閣内においても必ずそうしたつまらぬそつのあることによって、肝心の仕事を進めていかれないというようなことを防ぐために、適切な考え方をもって対処しなければならぬ、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/27
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028・小金義照
○小金委員 私がこれを特に外務委員会や商工委員会等には持ち出さずに、ここで松田大臣に申し上げたのは、その衝に当っておる人は部下の言うことに引きずられる場合がある。ことに電気通信関係その他については引は所管大臣だと思うのですが、これは日本の立場だけを考えないで、むしろ第三者的な立場から向うの立場をよく考えてやっていただきたい。賠償はどこの国にも払うというわけじゃないのですから、例外としてきめても、あと起ってきたところが、インドネシアとフィリピンとヴェトナムくらいのものなんです。だからその点は思い切って先方が気持よく経済協力を受け入れられるように断固として処置をとってもらいたいと思うのです。これだけ御注文申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/28
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029・松田竹千代
○松田国務大臣 御注意をいただきましてまことにありがとうございます。これは単に金銭上の問題だけではないのでありまして、これらの諸国は新興独立国として民族意識が非常に高揚されておるのであります。いたずらに日本の国が特殊の援助をしてやろうと言ったって、むしろ反感こそあれこれを簡単に受け入れるものではない。民間のものならばあるいは受け入れる場合もあるというような実例もあるのでありまして、やはり誇り高い民族として扱っていかなければならぬ、従って仕事をやる面につきましてもそれらのことを念頭に置いて対処していかなければならぬ、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/29
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030・小金義照
○小金委員 なお賠償及び国際経済協力に関してはいろいろ申し上げたいことがございますが、これは別の機会に大臣に申し上げることにいたしまして、本日この議案についての私の質問はこれで終了いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/30
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031・宮澤胤勇
○宮澤委員長 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/31
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032・宮澤胤勇
○宮澤委員長 茜ケ久保委員より妙義山の国有地問題について質疑の通告がありますので、これを許します。茜ケ久保君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/32
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033・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 妙義山の演習地の事後処理に関しまして大蔵当局にお尋ねしたいと思うのであります。妙義山の演習地の中止の決定いたしました借り上げ地ないしは買収地の面積でございますが、買収されました土地の正確な面積をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/33
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034・窪谷直光
○窪谷政府委員 買収いたしましたのは調達庁でございますから、私ども調達庁の報告によって申し上げます。一万一千二百四十坪であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/34
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035・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 この土地の買収に当りましたのは調達庁でございますが、坪千二百円、一反三十六万円というまことに私どもの常識ではとうてい考え得られない高価をもって買い上げておりますが、これを管財される大蔵省当局としては、こういったいわゆる国有財産となる土地の買い上げの値段が坪千二百円という価格が正当であるかどうか、御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/35
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036・窪谷直光
○窪谷政府委員 これは御承知のような経緯で、早急に米軍に提供しなければならぬという特殊な事情があったわけであります。なおその場所でなければならぬという稀少価値と申しますか、そういうものから調達庁の方ではこの価格で買い取りを決定したものだというふうに考えております。一般的にはもちろん非常に高い価格であることは間違いないのでございますが、具体的な場合の処理といたしましては、当時としてはあるいはやむを得なかったのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/36
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037・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 そういたしますと、こういったものをお扱いになる大蔵省当局としては、今後まだいろいろな問題があることと考えますが、そういった見地から、いわゆる民有地に対する買収の一応の——もちろん具体的ないろいろな条件はございましょうが、こういったことのあり得ました事実から照らして、今後民有地をお買い上げになる場合には、やはり一応の基準として考えておいても間違いないかどうか、この点一つお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/37
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038・窪谷直光
○窪谷政府委員 これは私どもといたしましては基準にはならぬと考えております。この場合における特別の事情から、これだけの価格が払われたと思うのでございまして、これをもって基準として買収するということには相なるまい。やはりその土地々々のいろいろな事情を考慮いたしまして決定さるべきものであろう。一般的な基準としてはもちろん調達庁の方でも、付近の土地の価格でありますとか、あるいは相続税の課税標準でありますとかいうようなものを参酌いたしまして、一般的な基準は調達庁の方でも持っておるように承知いたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/38
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039・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 この土地に対する今後の処置をどうお考えか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/39
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040・窪谷直光
○窪谷政府委員 まだはっきりした結論には到達をいたしておりませんが、これを管理いたしておりますのは関東財務局であります。関東財務局の考え方がきまりまして私どもの方に相談がある建前に相なるわけであります。一応大ざっぱな考え方といたしましては、国が買収いたしました価格で元の所有者から買い戻ししたいという申出がありますれば、これはやはり優先的に考えなければなるまいと思います。しかしながらどうも現地の状況を聞いてみますと、元の所有者の方はその価格で買い戻すというふうな御意思はただいまないようであります。従いましてこれは完全にいろいろな因縁のつかない国有地ということに相なりますので、当該の国有地をそこに持っておった場合に一体どういうふうにするのが一番適当かという観点から考えて差しつかえない問題になって参ると思います。その場合には私どもの従来のやり方といたしましては、土地の状況そのものがもちろん基本的な問題でありますが、その問題のほかに、地元の公共団体等の意見も徴しました上で処理をいたすという建前に相なっております。何か聞いてみますと、元の所有者の方では、どうも前の価格では買い戻しは不可能であるというようなことから、自分たちだけに貸し付けてくれぬかというような話もあるようであります。またそうでなくて、村全体に貸してもらって、村の人たちが共同してその土地を活用するというふうなことにしてもらいたいというお申出もあるようでありまして、その辺を関東財務局で最後的に検討いたしておるという段階であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/40
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041・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 局長のお答えで元の所有者が買い戻す、これはおそらく絶対不可能のことと思うのでありますが、一部に元の所有者に貸し付けてもらいたいといろ話があるということを聞いたのでありますが、それは今局長のお答えではやや確実性があるのであります。御承知のように、私はこの闘争の責任者をしているのでありますが、ああいう反対を二年間もし続けて参った者は非常に苦しい経済状態の半面、国を売るような形で土地を手放した者は、多いものは八百数十万円、少いものも四百数十万円というようなただみたいな土地を国に売ってえらい金を握っておる。こういったことは中止になったあとの現地の問題を大きくしておるわけなんです。ここでもしこの土地を、今局長のお話のように、元の所有者だけに貸し与えるというようなことがありとしますならば、これはまた火に油を注ぐことになりまして、収拾のつかぬ状態になることはもうはっきりしておるのであります。そこで私どもといたしましては一つ村全体——これは大体恩賀二十二戸ほどの村でありますが、この村全体に一つ貸してもらえぬかどうか。しかもそれも買収値段の坪千二百円の価格から割り出された借地料ではとても問題にならぬので、そこはこちらも含みのある折衝はいたしますから、ぜひ——賛成、反対は別として、将来に禍根を残して、妙義山のあの聖地がそういったことから再び混乱することは非常に望ましくございませんので、今後また基地問題解決後の処理としてもこれは前例になりますので、ぜひ部落全体に低廉なる借地料と申しますか、そういった形で貸して共同利用するということで、長い闘争の間に生れた深刻な問題の解決の一助になれば、国としてもこれは大きな親心であるとこう私は思うのであります。従いましてぜひ一つそういった解決の方法を早急にできるような処置をしていただきたいと思うのでありますが、局長の御意見を承わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/41
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042・窪谷直光
○窪谷政府委員 私が、元の所有者から買収価格で買い戻しの御要望があればと申しましたけれども、おそらくこれはないと思います。そうするとあとどうするかということでございますが、ああいう土地でなくて、一般に国有財産をああいうふうな環境に持っております場合の私どものやり方といたしましては、国自身が直接使う必要のない土地であります。しかもまた土地の様相は私は現場を承知しておりませんけれども、やはり採草地か何かとして利用するのが土地そのものの利用としては最も適切な土地柄のようであります。そうしますと、一番最初にやりますのは、地元の公共団体の意見を徴するというやり方をやっております。従いまして公共団体の中で部落民なり村民の方みんなが一致して大体こういう方向でやってもらいたいということでありますれば、大体その要望を入れて従来やってきておるのであります。
それからなお貸付料の問題でありますが、これを千二百円で計算したのでは、これはとても問題にならぬだろうと思います。これはやはり意識的に安くするというわけにも参りません。やはり適正な使用料ということで見なくてはなるまいと思います。その場合に適正というのは何かと申しますと、これはやはりその土地の置かれておる環境と、それから土地の利用の状況というふうなものをにらみ合せてきめるわけでありまして、それが過去において千二百円という価格で買収したから、それを基準にしてやらなくてはならぬというふうには、私どもは考えておらないのであります。それはやはり適切な処置をしたいというように考えております。くどくど申し上げましたが、おそらく御要望のようなことに落ちつくのではなかろうか、これはやはり現地の意見を正式に徴した上でないと大蔵省の本省として正式に意思表示をすることはいかがかと思いまして、それは若干最後的に検討いたしておりますので、しばらく御猶予を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/42
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043・茜ケ久保重光
○茜ケ久保委員 大体局長の御答弁で了承できるのでありますが、私が特にこの問題を取り上げましたのは、今こういった二つの問題が起っておるわけであります。一つの問題は、きのう防衛庁の教育局長に確認いたしましたので解消いたしましたが、自衛隊がこれを使う意思があるし、使うことに決定したかのようなうわさが相当現地に流布されまして、非常な心配をしておったわけであります。これはやはりあのままいつまでも放置されますとそんなことが起りますし、このことはきのう防衛庁の教育局長の言明で絶対ないことがわかりましたが、いま一つは、それは軽井沢に非常に近いところでして、避暑地としては実に絶好の土地であります。しかもゴルフ場としてもある程度使える可能性がある土地でありまして、ブローカーが入り込んで、何か最近のうわさによると、もう一部大蔵省の高官に相当わたりがついて、何かそういった施設ができて、あの純朴な山村に、そういった、今度はアメリカの駐留軍と違った意味で生活を乱すものが入るという危険性を感じて、それにおびえているというようなことがありまして、私どももそういうようなことは万あるまいと思いますが、現地の諸君はやはりそういったことを神経過敏に考えておりますから、そういうことのないように早く処置をしていただいて、長い闘争の結果かすを残さないで、きれいにそこにピリオッドを打つという点を、私はただ単に共闘委員長という立場でなくて、やりたいということは、先ほども触れましたように、今後こういった問題がおそらく駐留軍の引き揚げという点において方々に起ると思うのであります。こういったことも例になりますので、政府としては特に留意されまして、りっぱな解決の方法をあそこでやっていただいて、今後各地で起るであろう基地返還後における問題が、起らぬ前例を作ってもらいたい。こういう意味で実はわざわざ大蔵省の御出席を願ってこの点を御質問したわけであります。大体局長の御答弁で了承できますが、私どもも現地から、今言ったようなことを基本にして、適当な処置をいたす考えでございますから、ぜひ一つそういった意味の御解決に御協力、御努力をお願いしたい、こう思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/43
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044・窪谷直光
○窪谷政府委員 ゴルフ場の問題は、私初耳でございます。私だれからもそういう話を聞いておりませんし、またうわさも耳にいたしておりません。ゴルフ場と申しますと、一万一千坪の土地ではどうにもならぬのでありまして、最小限十万坪か二十万坪の土地が必要でございますから、もしほかの、周囲の民有地をゴルフ場に売り渡されるということになりますと、これはがんばっているわけにいかぬということになりますから、その辺は地元の方の御意思のいかんによってきまるだろうと思います。一万坪の土地でゴルフをどうのこうのと言ってみても始まらぬと思います。従いまして今のところゴルフ場の話も全然聞いておりませんし、地元の方も周囲の土地をゴルフ場に売り渡すという話もないようでございますから、大体お話のようなところで落ちつくのじゃなかろうかというふうに考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/44
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045・宮澤胤勇
○宮澤委員長 なお本日さきに議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/45
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046・宮澤胤勇
○宮澤委員長 なければさよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/46
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047・宮澤胤勇
○宮澤委員長 なおこの際お諮りいたします。地域給に関する小委員長より、調査の参考に資するため公務員制度調査会小委員を参考人として招致したい旨の申し入れがありましたので、その人選、招致の日時等につきましては小委員長に一任することとして、これを決定するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/47
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048・宮澤胤勇
○宮澤委員長 なければさよう決します。
なお委員の異動に伴いまして、地域給に関する小委員に欠員を生じました場合におきましては、委員長において補欠指名をいたしたいと存じますが、この点御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/48
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049・宮澤胤勇
○宮澤委員長 さよう決します。
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102204889X02719550625/49
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