1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月十日(金曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 綱島 正興君
理事 出一 太郎君 理事 白浜 仁吉君
理事 松浦 東介君 理事 大野 市郎君
理事 鈴木 善幸君 理事 足鹿 覺君
理事 稲富 稜人君
安藤 覺君 五十嵐吉藏君
伊東 岩男君 石坂 繁君
楠美 省吾君 小枝 一雄君
笹山茂太郎君 原 捨思君
本名 武君 助川 良平君
田口長治郎君 永山 忠則君
松野 頼三君 有馬 輝武君
淡谷 悠藏君 石田 宥全君
楯 兼次郎君 芳賀 貢君
伊瀬幸太郎君 川俣 清音君
佐竹 新市君 中村 時雄君
日野 吉夫君
出席政府委員
農林政務次官 吉川 久衛君
農林事務次官
(農林経済局
長) 大坪 藤市君
委員外の出席者
農林事務次官
(大臣官房総務
課長) 檜垣 好文君
農林事務次官
(農林経済局金
融課長) 和田 正明君
農林事務官
(水産庁生産部
長) 増田 盛君
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
専 門 員 徳久 三種君
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六月十日
委員福井順一君及び赤路友藏君辞任につき、そ
の補欠として永山忠則君及び有馬輝武君が議長
の指名で委員に選任された。
同日
委員永山忠則君辞任につき、その補欠として松
山義雄君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七一号)
農業協同組合の事業運営に関する件
韓国のりに対する輸入外貨資金の割当に関する
件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/0
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001・綱島正興
○綱島委員長 これより会議を開きます。
農業協同組合の事業運営の基本的なあり方に関連いたしまして、先般の本委員会において広島県の信連の問題を取り上げたのでありますが、農林当局においてその後調査せられたところをこの際説明を願いたいと存じます。なお報告後に質疑の通告があるから、それから順次質疑を進めることにいたします。大坪農林経済局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/1
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002・大坪藤市
○大坪政府委員 広島県の信連の問題に関しまして、当委員会におかせられましていろいろ御質問があったのであります。同時に司法当局等におかせられましても、いろいろ疑惑の点があるというようなことでありましたので、本委員会の御意見の次第もありまして、農林省といたしまして急遽広島県の信連の検査を行うことにいたしたのであります。
検査は、四月の十八日から四月の二十三日に至りまする六日間、本山検査官を首班といたしまして、まず第一回で本部を中心として六日間検査をいたさせたのであります。次に、本山検査官を首班といたしまして、約十日ほど遅れて五日間にわたりまして支部を中心として検査をしたのであります。
検査の結果につきましては、おおむねこれは農林省の行いまする検査につきましてのいわゆる検査能力の限界と申しますか、そういう点もあると思うのでありますが、いわゆる法律上の違法行為に該当する問題につきましてはこれを見出し得なかった。ただ信連のやっておりまする資金の運用につきまして、協同組合法が予定いたしておりまする農民の共同金融というような点につきましては、多分に広島県の信連はいわゆる系統機関の利用率が他の信連に比べまして劣っておる。この点は御指摘のありました通り事実であるのでありまして、目下その点につきまして、検査のときにも強くさらに系統金融というものにつきまして徹底して系統金融をするようにということを指示いたしたのでありますが、目下検査の結果につきまして、いわゆる検査書というものを作成いたしまして、広島県の信連に対しまして農林省の考えておりますることを申し述べまして、それについての向うの答弁を求める、こういうような段階になっておるのであります。信連当局役員におかれましても、その点につきましては、いわゆる系統金融ということにつきましては十が今後考えていくという話がありましたので、さらに私どもといたしましてはその点を強く要望いたしたい、かよりに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/2
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003・綱島正興
○綱島委員長 佐竹委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/3
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004・佐竹新市
○佐竹(新)委員 農林省が検査に行かれまして五、月十三日に検査の終了をされておるわけであります。その検査の終了された翌日の五月十四日に、広島信連の秘密第二十号といたしまして各単位農協に発しておる文書があるのであります。この文雷は昭和三十年五月十四日、広島県信用農業協同組合連合俵長、桑田哲夫といって、単位協同組合に文書を送っております。「農林省常例検査の結果について。拝啓新緑の候いよいよ御健勝の段慶賀申し上げます。さて、さきに農林省常例検査の実地については御連結いたしましたが、昨十三日検査終了の上役員全員に検査講評が口頭をもって示達されました。検査講評は大要、(一)総評、(二)余裕金の管理運用について、(三)経営合理化について、(四)東洋綿花事件について、(五)業務執行体制について、(六)支所検査の結果について、(七)会計経理について行われましたが、特に冒頭に当って、農協法第九十四条による常例検査であり、検査時点は昭和三十年三月三十一日とし、昭和二十九年度の業務内容を中心として検査を行なったが、預け金、有価証券及び固定資産については、昭和二十六年度当初までさかのぼって検査を行なったことを述べられ、引き続いて「新聞その他印刷物による報道によって不正事件なるものが流布されていることを承知しているが、十一日間にわたって行政庁検査として許される範囲にわたって検査を行なった結果、検査官としては流布されているような不正事実、不祥事実はないと認めることを冒頭に申し上げ、皆様も御安心になってしかるべきと思う」と述べられ、さらに(四)東洋綿花事件についてと項目をあげ、再び「東綿事件については東京地検の取調べの結果によって判明することと思うが、われわれの調査から推定すれば信連、旧購連として名称が外部に利用されたにすぎないのではないかと思う。事実問題として心配になる預金の焦げつきについてもそのような事実は全然なく、それぞれ期限に現実に払い戻されているし、いわゆる普通いっている特利も会の収入として全部計上されている。従って預金が焦げついたとかあるいは特利が他に流れたという事実はない、安心してよいと思う。」とのことでありました。その他の講評項目については、会員各位も御体験の行政庁検査の事項として理事会にはかった上で実践に移すべき業務執行上の改善点となっております。以上農林省本山検査官を初め八名の方々の十一日間にわたる厳密な検査の結果、当然のこととはいえ巷間流布されているような不正事件のないことを証していただきましたので、皆様方に御連絡申し上げ御安心願うとともに、会の信用を傷つけるごとき幾多の働きかけにもかかわらず、よく今日までいささかも動ずることなく御協力賜わりました各位の御厚意に心から感謝を申し上げます。」こういうような、要するに十三日に検査があって、十四日にこういうような示達を単位農協にしておるわけです。今局長が言われましたような系統外預金の問題、私はこの点をついておるのです。そういう点についても農林省は、口頭をもって講評の中に、いささかも不正の事実はない、かようにうたっておる事実があるのですが、その点をお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/4
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005・大坪藤市
○大坪政府委員 系統外利用率の高いという点につきましては、全く佐竹委員の御意見の通りでございます。ただいわゆる上級機関に対します系統利用が非常に少い、あるいは系統内における資金の運用率が非常に少い、この点はまことに御指摘の通りでありますが、いわゆる単位農協が信連を利用しております率は、ほかの信連に比較いたしまして非常に高率になっておるのであります。つまり単位組合は大体におきまして九五%近く信連を利用しておる、こういうような格好に相なっておるのであります。これらの問題でありますが、いわゆる信連といたしまして相当資金コストが高くなっております関係上、協同組合の系統機関にその資金の大部分を運用いたしました場合には、資金コストの関係から逆ざやになるという事態が見受けられるのでありまして、その点につきまして、いわゆる御指摘のような系統外の利用が非常に多くなっている、こういうのが指摘されておるのであります。従いまして、この点につきましては、いわゆる広島県信連の機構と申しますか、これが資金コストを強く高くするような事情になっているのでありまして、この点につきましてある程度抜本的な対策を立ててもらうように、私どもに対して要望いたしておるのであります。系統外の利用率が非常に高いという点につきましては、私どもとしてまことに遺憾であるのでありまして、この点につきましてはもう少し協同組合の本質にかんがみまして、系統利用を徹底的に行うように、今後とも努めて参りたい、かように考えておるのでございます。
〔綱島委員長退席、鈴木(善)委員
長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/5
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006・佐竹新市
○佐竹(新)委員 広島県の信連は他の信連にない一つの何かがある。それはどういうことかといいますと、御承知のように、余裕金の二分の一は系統預金をしなければならないということ、これは農林省が各都道府県の信連に対して示達をされております。それにもかかわらず定款を変更いたしまして、この二分の一の定款を削って、そうして他の銀行に預金を多くしたわけであります。これに対して、当時昭和二十六年五月三十九日に総会を開きまして定款変更をいたしまして、同年六月に農林省は認可を与えた。このことがこういう系統外預金、系統外利用をするようになった端緒であります。こういうようなことがなされておるにもかかわらず、農林省がこれに対してそういう系統外預金をすることを認可した。二分の一の定款を削って、そうしてそれからいわゆる系統外預金を認可されたのは、どういういきさつがあるのか。それを詳しく、あなたの時代かどうか知りませんが、御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/6
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007・大坪藤市
○大坪政府委員 系統外利用につきまして、二分の一の条件を定款から削除した。それについて農林省が認可をいたしたいという点につきましては、私事情を深くきわめていないのであります。ただ御意見の通り系統利用ということが協同組合の本質であると思いますので、その点につきましてはよく調査をいたしまして善処いたしたい、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/7
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008・佐竹新市
○佐竹(新)委員 定款変更をいたしまして、そうして農林省で認可したから、このような系統外利用をするようになった。だから、その点はあなたの方に責任がある。どうして認可したのか、こういうことなんです。それだったら、全国の信連が全部系統外利用するように定款変更しても、あなた、許すのですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/8
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009・大坪藤市
○大坪政府委員 その点につきましては、二分の一と申しますのは、これは原則でありますので、できるだけ二分の一以上を系統利用するということか建前じゃないかと思うのであります。ただ先ほども申し上げましたように、広島県の信連につきましては、信連の機構自体において相当膨大なる組織を持っておりまして、資金コストにつきまして非常に割高になっているという特殊現象がありますので、あるいは許可したのではないか、かように私は考えておるのであります。この点につきましては……。(「大臣呼んでこい、わからぬ者が来て説明して何になる。」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/9
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010・佐竹新市
○佐竹(新)委員 私は、ここで大坪局長も来られて検査に行くと言われたから、それで了承したのです。今私が読んだように、農林省の検査官が行って、冒頭に系統外預金に対して何らこれは差しつかえないというような公表をしておる。新聞にもこういう記事の書き方なんです。これはいわばレントゲンで人間のからだを検査したようなもので、病気があるやらないやらわからない、今から診断して治療すればよくなるだろう、こういうことを言われておる。しかしこの問題の一番の中心は、この広島県の信連に限って総会で定款を変更して、二分の一の問題を削除しておる。検査に行くのであったら、ただ表面だけの検査をして、なぜこういう点をつかなかったか。これは農林省の責任である。検査の結果というものは、私はこれで大体わかりますが、そこをもう一ぺんあなたがなぜそれだったら、かりに全国の信連が総会で二分の一の定款を全部削ってしまって農林中金を利用しなくなったら、政府の裏づけでする末端に対する金融というものは、全然できないことになりますよ。この点をもう一度答弁していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/10
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011・大坪藤市
○大坪政府委員 私が検査管より報告を受けております限度におきましては、ただいま先生の御指摘がありましたように、何も悪いことがなかったというような報告は受けておりません。だ刑事上の犯罪についてはついにこれを見出すこと得なかった。ただ系統金融機関としての利用事の点については多々反省すべき点あるいは注意すべき点があるので、この点につきましては、今後とも十分に信連の役員を指導して参る必要がある、こういう報告を受けておるのであります。従いまして、あるいは新聞等でどういうような報道かありましたかは知りませんが、その点については検査官として違法行為がなかったという点につきましては、あるいは自分の調査いたしました限界におきまして、そういうような見解を吐いたのではないかと思いますが、協同組合自体といたしましての系統機関の利用率等につきましては遺憾の点があるということは、はっきり申し上げておるのであります。この点につきましては、今後とも十分な指導を行なって参りたい、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/11
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012・佐竹新市
○佐竹(新)委員 私は農林省と信連との関係で、今度の検査は絶対信用いたしません。ということは、農林中金に更科という理事がおります。これは農協の中央会の副会長でありますが、この人か時を同じくして広島県の尾道市の西山別館、これは桑田の妾宅ですが、そこに行って数日間滞在しまして、この問題をいかにして処理するかという謀議をこらしておる事実がある。そのときに本山検査官が会っておるかないか知らないが、そのことが表面化すると大へんなことになるからというので謀議をこらしておる事実がある。そういうことにおいて、検査をされたその裏でどういうことがあったかなかったか知らないが、しかし八銀行に預金しておったものを昭和二十六年に定款変更して系統外利用してから後の今日に至るまでの預金を数字的に調べておられますか、それを御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/12
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013・大坪藤市
○大坪政府委員 今まで調査いたしました結果によりますと、信連の協同組合からの系統利用率は、大体九〇%、こういうようなことになっておりますが、信連の上級機関その他系統金融に対しまする関係は、預金全部で見まして四一%、余裕金総額から大体考えてみますと三五%という低率になっておるのであります。この点につきましてはきわめて遺憾でありますので、もう少し系統金融機関への利用率を高めるように強く指示をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/13
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014・佐竹新市
○佐竹(新)委員 二五%というような預金は、全国では非常にないことなんです。その貯金をしておって、特利の関係を調べられたと思いますが、その特利は単位農協へどういうように配分しておるか、それから預金の総高がどのくらいになっておるか、それを一応御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/14
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015・大坪藤市
○大坪政府委員 広島県の信連の預金につきましてのコスト計算は約八%になっておるのであります。従いましてその限度において運用しなければ、信連の経理上非常なる不振を起すという事態になって参りますので、系統外の利用が、ただいま先生の御指摘の通りに非常に多かった、こういうようなことに相なっておるのであります。この点につきましては、広島県の信連の機構自体につきまして今後相当考えて参りまして、抜本的な対策を立てなければ、この状態をなかなか切り開けない、こういうような事情になって参るのではないかと思うのであります。八%という利用率の資金コスト、こういうような非常に高いことになっておりますので、この点につきましては根本的な改善を加えていく必要がある、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/15
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016・佐竹新市
○佐竹(新)委員 系統預金をやっておる京都その他の信連でも、非常によく成績を上げておる信連があるのに、今あなたの言われた広島県に限って、系統外預金をしなければ、農協の経営が不振だというその理由はどういうところからきておるかを調査せられたか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/16
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017・大坪藤市
○大坪政府委員 経営が不振と申し上げておるのではないのでありまして、いわば相当厖大なる支店、出張所というものを県内に持っております関係上、人件費その他のコストが相当高くなっておる。従って預金に見合います資金のコストがその意味合いにおいて相当高くなっておるということが指摘できると思うのであります。組合自体の不振というような問題じゃなしに、そういう機構の点等に今後十分に考慮していく必要があるのじゃないか、かように考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/17
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018・佐竹新市
○佐竹(新)委員 それはあなた今そういう御答弁をされまするが、それは一つの事実がある。そういうような出張所やあるいは単位農協が小さいためにそういう費用がかさむのだという御答弁なんですが、あなたの方の検査に行かれました後に、広島市外に海田市という所があります。そこに千五百万円の支所を設けるべく現在入札をして建設することになっている。あなた方は検査しておるにもかかわらず、そういう工事を起したりなんかしておる。農林省が行政上の監督をせられ、検査されてもその趣旨が一つも徹底してないじゃないか、それはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/18
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019・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいま御意見の点でありまするが、いわゆる協同組合につきましても、私どもといたしましての監督の限界、検査の限界があると思うのであります。大きな建物を作るということにつきまして、その点がどうかという御意見でありまするが、この点につきまし私自身といたしましては、深くその事情をきわめていないのでありますが、検査官等は詳細その事情を知っておると思いますので、よく事情を聴取いたしましてお答え申し上げたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/19
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020・佐竹新市
○佐竹(新)委員 委員長が交代されましたが、私は理事を通して、検査に行った検査官、それから本山課長、こういう人を呼んでいただかないと、大坪経済局長ではただ本筋だけを報告したその報告書だけ持って来ておいでになるので、小さい点にわたった当時の検査に行った結果がわからないと思いますが、お答えができますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/20
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021・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいま先生の御意見にありましたような非常に詳細な点につきましての答弁はもちろん程度の問題もございますが、私としては困難じゃないかと思うのであります。さらに本件に関しまするあらゆる事態につきましての検査の内容につきまして報告を受けまして、あらためて御返事申し上げたい、かように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/21
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022・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 佐竹委員に申し上げますが、検査官等の出席は要求してございまして、今さらに督促をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/22
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023・佐竹新市
○佐竹(新)委員 そこで私はもう一点、大坪経済局長に質問いたしますが、昭和二十五年に定款変更をしたそのままになっておりますが、二分の一の定款を変更したそのことを、あなたの方ではそれでよろしいとお考えになるのですか。もしよろしいとお考えになるのでしたら、全国の信連が定款変更をして二分の一を削除するということになったら、あなたはどういう行政上の監督をされるのか、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/23
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024・大坪藤市
○大坪政府委員 系統金融機関を利用するということが建前でありますので、少くとも二分の一以上の程度のものは系統のものを利用するということが筋ではないかと思うのであります。しかし広島県の信連の場合におきましては、当時私は在任中でなかったのでありますが、いろいろ事情もあったのではなかろうかというように考えるのであります。その点につきましては、さらに事情を聴取いたしまして善処いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/24
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025・佐竹新市
○佐竹(新)委員 今、あなたが事情があったのではなかろうかと言われるとこに農林省の苦しい点があるのだと思う。私はそれをさかのぼって、その当時の模様を全部ここで肯おうとは思いません。よく知っております。しかし今日の段階になって、検査に行かれましても、系統外預金を農林省が認可されておる。定款を検査に行かて、一応総会を開かして、全国的な二分の一の系統預金をしなければならないという定款の変更について、あなたの方では行政上措置をとられたのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/25
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026・大坪藤市
○大坪政府委員 現在までのところ、定款自体につきましての措置につきましては、私どもといたしまして措置をとったことはないのでありますが、本件はきわめて重要でありますので、先生の御意見も拝聴し、またよく事情を聴取した上でお答えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/26
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027・佐竹新市
○佐竹(新)委員 預金高は先般も申し上げましたように、広島県の信連は全国で三位から十一位に落ちたことはないのです。単位農協は九〇%の預金をしておる。それが定款を変更したために、系統外利用をして、末端は牛を買うにしても、単位農協ではなかなか金が足りないのです。というのは系統外利用が多いからです。いわゆる信連の持ち分が少いためにそういうふうに制約されておる。農民は一体何のために信連に預金しておるのか。せっかく検査されても、二分の一の定款のある限り、あなたの方が認可されておる。この限りにおいてはこれは何といっても信連はこれでいいのだ、農林省が認可したのだ、こういうことになる。系統外利用してはいけないという指示は昭和二十九年に出しておられる。それを考えずにおいて、それで検査した、検査したと言っておる。これで責任が済みますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/27
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028・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいま御指摘の点につきましては重々遺憾に考えますので、今後ともいわゆる系統利用につきましては一段と努力をするように指示をいたしたいと考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/28
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029・佐竹新市
○佐竹(新)委員 いわゆる系統外預金をしたのがどの銀行に何ぼあるかというような資料は、検査に行かれた方の調査によって出るだろうと思いますから、それはぜひ出していただきたいと思います。と申しまするのは、この定款変更をいたしましてから、広島県の信連に昭和二十六以来非常に不正な、と言ってよいかどうか知らないが、とにかく理事長の独断的な考え方によって支出している金が相当ある。それが今刑事事件になっておる東洋棉花の事件なんです。たとえて言うならば、刑事事件はどうなるか知らない、検察庁がやることでありまするが、帝銀の堀留支店に七千万円という預金をしておる、それを裏づけにして、そうして信連が発注して東洋棉花から毛布を引き取った額が一億八千万円、これがいわゆる東洋棉花の事件なんです。この七千万円という金は今では返っておるかしらぬ、しかしながらこの金を見て金にして毛布事件を起した。これらの関係というものは、いわゆる定款を変更したからそういうことが自由にできるのです。問題は定款を変更させずに、農林省が認可されずに系統利用したらこういうことはできない、こういう点についてどう考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/29
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030・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいまのような御指摘の事件につきましては、私どもといたしましても遺憾に考えますので、今後かかる事例がないように指導いたして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/30
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031・川俣清音
○川俣委員 今佐竹君からるる御質問があったのですが、局長がそういうことは遺憾だという意思表示をされなければならぬような事態に対して、検査官はわざわざ検査した結果何ら落度がなかったというような報告をされたようです。これは局長の意見と検査官の意見とだいぶ違うのですが、こういう検査官が、将来あなたの意思に反するような検査官がたくさんおった場合にどう処置されますか。あなたは遺憾だと言う、検査官は遺憾じゃないと言う、局長の意見と検査官とだいぶ違う、だから局長の意思に反するような検査官に対して、将来どうなさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/31
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032・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいま御指摘の点でありまするが、いわゆる違法行為という点については摘発することができなかった、ただしいわゆる系統利用というような協同組合の当然歩むべき道については相当遺憾な点があったということは検査官は報告いたしておるのであります。従いまして私といたしましても、今後できるだけ系統利用というものを重んずるように指導をして参ってほしいということを申し上げておるのでありまして、その点につきまして私と検査官の間には、いわゆる意見の相違というものはないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/32
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033・川俣清音
○川俣委員 それは局長、だいぶ違いますよ。農林省の検査というものは、司法上の欠陥があったかどうかということを調べるのじゃない。司法上の問題については検事局が発動いたしておる。その内容に行政官があえて入るということはできないはずだと思う。すなわち検査というものは行政的な意味における検査である、犯罪捜査の検査じゃないはずなんです。そこでいい悪いということは、行政上よかったか悪かったかということが主でなければならぬ。行政措置としてこういう検査をした。こういうことになるのです。あなた方ま別に検察官でないのです、行政官なんです。そこで行政上の措置がよかったか悪かったかということをこの委員会でも問題にしておるので、犯罪があるかないかということを問いただすなら、これは検察庁なり法務省を呼んで聞かなければならない。おそらく佐竹委員の聞いておるのも、司法上のことについては今取調べ中だからそれをあえて云々しておるのじゃない。行政措置としてよかったか悪かったかおもに行政上の指導です。指導よろしきを得るということが検査官の任務なんです。その任務をどうも逸脱しておるのじゃないかと思うのです。こういう犯罪がないから安心してくれとんでもないことだ、安心してくれとは何だ。一方検察庁が調べているのに検察庁でもないものが安心してくれなんと言うのはおかしい話だ、問題にしておるのは行政措置を問題にしておるのです。それだからあなたの行政的な考えカと、検査官と違うのじゃないか、だいぶ感覚が違いますよ。だからあなたの意思に沿わないような検査官に対してはどう処置されるかと聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/33
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034・大坪藤市
○大坪政府委員 検査をいたします場合に、司法上の問題はさておきまして、行政上の正当なる、妥当なる行為であるかどうかという点につきまして、検査に重点を置くべきであるということは、ただいま先生の御指摘の通りと思うのでございます。ただその点につきまして先ほど来るる繰り返しておるのでありますが、いわゆる系統利用という点については遺憾な点があったということを検査官も私に報告しておるのでありまして、その点につきましては検査官自体もまことに遺憾であるという意思を表示いたしておりますので、今後とも十分に注意して参りたい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/34
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035・佐竹新市
○佐竹(新)委員 政務次官に伺いますが、今局長に質問したのです。この問題の起りというものは昭和二十六年の五月二十五日、信連の総会を開きまして、農林省なり中金が系統利用をしなければいけない、その系統利用は少くとも余裕金の二分一、こういう定款が信連の常識定款です。それを総会を開いて削ってしまった、これがもとで系統外預金をするようになった。広島県は全国で平均三位から十一位ぐらいで、それより下ったことはない、しかし糸紡外利用が一番悪いのです。このために問題が相当起きておるわけなんです、刑事事件も起きておる。私はこの委員会で刑事事件の問題を取り上げようとするのではない。その二分の一の定款変更を五月にして、六月に農林省が認可しておるのです。これが一番問題なんです。今度検査に行かれましても、その定款をそのままにしておいて検査したということが私は納得いかぬのです。この定款を変更したことに対して、行政上の、監督上の処置をどういうふうにされたかということを私は質問しておるのです。そういうことをしたら、全国の信連が総会を開いて系統外利用をして、農林中金にやらないということになる。そうすると末端の農民が金を借りようとしてもきょうは農林中金を呼び出して聞こうと思ったのですが、いわゆるつむじを曲げてしまうのです。系統預金をしない。そうすると末端の農民が困るのです。広島県は単位農協の預金が九〇%です。だから全国的に成績がいいのです。しかし今日だってその二分の一の定款変更を農林省が認可しておいて、系統利用をせいということを昨年も農林省は、示達を出しておる。それを今私は大坪局長に尋ねておる。こういうことを検査に行って、これがあるためにいけないから、それだったら役員の改選でもさすとかなんとか指示をされたらどうかということを言っておる。この点に対して私は農林大臣に質問しようと思ったのです。きのうもあなたに申し上げましたように、農林大臣が出なければ、あなたが出てくればこういうことをあなたからお聞きしたい思っておったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/35
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036・吉川久衛
○吉川政府委員 佐竹委員の御質疑はまことにごもっともだと思います。農林省がなぜさような定款変更に認可を与えたかということについて、ただいま局長にも聞いてみたのですが、昭和二十六年のことでございまして、局長もその経緯について承知をしていないようでございます。私も御案内の通り、まだ日が浅いものでございますから、御質疑の点ごもっともだと思いますので、おそまきながらではございますが、誠意を持って調査をいたしまして、善処したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/36
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037・佐竹新市
○佐竹(新)委員 広島県の信連の会長はもう相当長い間やっておる。この定款変更をしたときの会長が今の会長である。従って、農林省が認可した限りにおいてはこれで差しつかえないのだ、系統外預金の点については、そういうふうに正式に悪かろうと認可したものは文句はないではないかという考え方なんです。だから政務次官はこれに対して——その当時の役員がほとんどなんです、かわらないのです。これはそのままにしておくと大へんなことになるわけです。系統外利用に幾ら農林省が検査しても、それは多少違うかもしれませんが、この問題がある限りにおいては向うは動じないわけです、考え方を変えないわけです。そこを政治力というか何といいますか、だからあなたにお尋ねしたいのは、この段階になれば、農民は御承知のように非常に金融的な力を持っておる、そうすると総会を開いてこの間初めて総会を室長林省の検査の済んだ後に開いたのです。相当その問題が出たのですが、しかしながら数をもって押し切ってしまって、また総会において会長に就任したわけです。こういう状態でしたら、だれかがこれを一つ手入れをしなければいけないのだ、だからこの段階に来たら、あなたの方で役員の改選をすべきであるというふうにして、それと定款の問題を合せてされる御意思があるかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/37
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038・吉川久衛
○吉川政府委員 ただいまも申し上げましたように、こういう認可を与えた経緯がどういう事情であるかよくわかりませんから、この点については何とも申し上げられませんが、御質疑の点のごとくでありといたしますならば、これはまことに好ましいことではないと思います。またその通りであるといたしますならば、農林省の監督についても遺憾な点があるやに私には察せられます。十分私の責任において調査をして、実態を把握いたしましたら適切な処置をとりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/38
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039・佐竹新市
○佐竹(新)委員 本山検査官なりあるいは検査課長が来ておらぬので、私はまだ小さい点にわたって、こういう点をどういうふうに調べたか、この点はどうかという材料を持っております。そういう報告書も、大体他県は調べて一週間くらいしたら、それに対して指示書を出されるのです。今回は五月の十三日に検査を終っておるのですが、私はこの委員会において質問しましても、大坪局長から中間の状態をいまだに一つも聞いていない。これは信連に対してどういう指示をされたか。これは委員会で取り上げた問題ですから、中間の指示される報告書を大坪局長は本委員会に提出される意思がありますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/39
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040・大坪藤市
○大坪政府委員 検査書をただいま調製をいたしておりますのででき上りました上で、できるだけ先生の御期待に沿いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/40
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041・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 関連質問。検査官が行かれたら検査結果の指示を信連に対してなさいますね、それはもうできているはずですね。まだできていませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/41
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042・大坪藤市
○大坪政府委員 まだ大臣までの決裁を仰いでおりません。目下調製中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/42
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043・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 五月十三日に検査していただいたのですね。そしてその検査結果を信連の役員、理事、監事を集めて大体指示なさっておるわけです。それ以上検査の結果に対して改善すべき点あるいはいけなかった点、こういうものを具体的に指示なさったところの検査書というものは、五月の十三日からもう一ヵ月になるのに、まだそれが大臣のところにあるのですか。局長お持ちじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/43
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044・大坪藤市
○大坪政府委員 ほかの信連等も検査いたしておりますので、その作成方につきまして目下検査課で検討いたしておるのであります。もちろん検査の結果の概要につきましては、検査を終りましたその日のうちに、役員を集めまして大体のことは指示いたしておるのであります。ただ検査書といたしまして、農林大臣からこういう検査の結果である、従ってこれについて広島県信連の意見というものを聴取する、そういう正式の検査書につきましては、目下ほかの信連等の関係もございまして、調製をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/44
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045・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 ほかの信連とは一体どんなのです。広島の信連だけの御検査をなさったのでしょう。だから広島さえ検査が完了するならば、そういう検査に対するところの検査書というものは信連に発送されるべきが当然だと思うのですが、それは各府県の検査を待ってそういうことをなさるというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/45
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046・大坪藤市
○大坪政府委員 広島県、岡山県と数府県大体検査を同時にいたしておるのであります。これは大体いわゆる常例的な検査も並行して行なったという関係にありますので、御了承願いたい、かように思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/46
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047・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 当委員会で問題になったのは広島県の信連だけなのでしょう。そのときの局長の御答弁では、さっそく検査官を派遣さしてその結果を報告するということになっている。岡山県とか他府県の検査はそれは常例的になさるのでしょうが、広島県は特に佐竹委員の質問によってこの問題が問題となったのですから、それだけ御報告なさってはいかがでしょうか。この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/47
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048・大坪藤市
○大坪政府委員 佐竹先生の御意見の次第もございまして、急遽広島県につきましては検査を実施いたしたのであります。もちろんほかの府県につきましては、これは常例的に検査をするということになっておりますので、それもあわせて行なったのでありまするが、広島県信連に関します限りは、先生の御意見によって急遽検査をいたした、こういうような事情に相なったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/48
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049・川俣清音
○川俣委員 関連してお尋ねします。特に委員会において国政調査に基いて調査方を依頼いたしたのでありますから、すみやかにこの結果の報告をされるよう政務次官善処できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/49
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050・吉川久衛
○吉川政府委員 川俣委員のおっしゃる通りにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/50
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051・川俣清音
○川俣委員 五月ですから、もう調査に行ってこられて相当期間が過ぎております。来週の初めくらいに出されることは必ずしも不可能じゃないでしょう。督促してお出し願えないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/51
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052・吉川久衛
○吉川政府委員 実はその決裁は大臣のところに回っているのではなくて、私のところへもまだ回ってきておりません。事務当局が常例検査等もかねている人員等の関係もありまして、おそらく相当手間どっているのではないかと思いますが、督励をいたしまして御期待に沿うようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/52
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053・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 大体常例検査による検査書というのは、それから農林省がそういう検査書に対する連合会長の意見を聴取するのなんかは、大体検査を受けて十日かないし十五日くらいには、もうちゃんと来ているはずなんですが、これが一ヵ月たつのにまだ大臣の手元にあるというような特に本委員会で問題になったやつですから、こういうことでいたずらに日を延ばされるようで、しかもこの国会を終るようなところまで引っぱられるのじゃないかと思うのですが、これは政務次官さっそくに一つ出していただきたいものと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/53
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054・吉川久衛
○吉川政府委員 おくれております事情等も調査して、あわせて御報告のできるようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/54
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055・佐竹新市
○佐竹(新)委員 この際吉川政務次官にお尋ねしまするが、きょうの私の質問に対しては、検査に行った検査官、それから担当課長に今日出席してもらうように要求しておいたのですが、経済局長だけしか来ていない。そこでさっきの理事会におきましても、私は定款変更をそのままにしておいて、その検査をされた結果において、そのことだけでは承服ができない。そこで綱島委員、長にも理事会でお話ししたのですけれども、会期末には、会期中はこれは行けないでしょうけれども、会期末にはこの委員会から調査団を派遣して、そうしてもう少し徹底的に調査しないと承服できないのです。というのは、経済局長にこまかい点にわたって質問いたしましてもこれはわからない。だから検査官ないし検査課長が来て、これこれの点はどうかというこまかい質問があるわけです。しかし質問いたしましてもおそらくそういう点は調査してないのだろう。ただ帳簿の調査だけであって、帳簿だけではわからない点が多いのです。その他の件に対してこれは徹底的に調査しないと、こういうようなことを検査管が公表いたしまして、それでその公表の結果が、翌日は単位農協へ持っていって心配は要らない、何もないのだ、系統外貯金の問題にまで融れて、御心配は要らないのだというような示達を単位農協へしておるわけです。
〔鈴木(善)委員長代理退席、委員長着席〕
この間に相当問題がある。しかしきょうそういう点を質問したって、経済局長ではできませんから、この際綱島委員長に申し上げておきますが、この件に関する限り、これは農村の農民の預金する信連の健全化のために、広島県をモデル・ケースとして、会期末にでもよろしゅうございますから、調査団を派遣するような取り計らいをなさっていただきたい、かように考えますが、委員長はこれにお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/55
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056・綱島正興
○綱島委員長 承知いたしました。理事会の御決定を待ってぜひ御希望に沿うような処置をいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/56
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057・稲富稜人
○稲富委員 ただいま佐竹委員から質問中の広島県の農協の審査の件につきましては、すでに理事会におきましてその係官並びに課長の出席を求めておったのであります。委員部からはこれに対して請求したというのでございますけれども、本日お見えになっておりません。どういう理由でこの委員会からの出席要求を拒否されたのであるか、その点は委員長において一つ責任を持ってお調べを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/57
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058・綱島正興
○綱島委員長 委員長がお答えをいたします。昨日御要求がありました点については、それぞれ委員部より出席の請求をいたしておりましたのですが、ただいままではどういう理由で出席がなかったか不明でございますけれども、出席がなかったことは遺憾でございます。委員会の御希望に沿うように取り計らいたいと存じますから、どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/58
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059・稲富稜人
○稲富委員 幸い局長が来ておられますから、局長がその点は知っておられると思いますから、局長が出席せぬでいいと言われたのか、その点一つ局長からはっきり承わりたい。これは重大な問題なんです。今後、本委員会において正式に決定しまして、必要な係官の出席を求めて説明を聞こうというときにこれを拒否するなんということは、われわれの審議の進行を非常に阻害することになりますので、この点は的確にその原因をはっきりしておかなければいけないと思います。局長が来ておられますから、局長からその点承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/59
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060・大坪藤市
○大坪政府委員 実は、本件審議に関する御質疑でありまするので、私だけで大体において御答弁ができるものと私は判断をいたしておったのであります。ただいままでのいろいろ御意見の点につきますと、罪常に詳細にわたっておりますので、さらに検査官並びに検査課長から事情を詳細に伺いまして御答弁申し上げたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/60
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061・佐竹新市
○佐竹(新)委員 局長にお尋ねしますが、この検査書はいつごろまでに本委員会に出してもらえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/61
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062・大坪藤市
○大坪政府委員 できるだけすみやかに大臣までの決裁をとりまして御報告申し上げたい、かように考えております。少くとも来週の早々には出したい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/62
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063・佐竹新市
○佐竹(新)委員 それでは、検査書を一応われわれが見て、それからもう一度この委員会において、検査課長に来ていただいてこまかい質問をしようと思いますから、本日は私はこれで一応打ち切ります。そうして、その結果においてもう一度委員会でこの点を取り上げるということをお願いいたしまして、私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/63
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064・綱島正興
○綱島委員長 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/64
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065・稲富稜人
○稲富委員 ただいまの問題でありますが、これは今後の委員会の運営についての問題でございますので、特に委員長に私希望を申し上げたい。ただいまの局長の御答弁によりますと、自分で多分大丈夫だろうと思ったから係官、課長、検査官等は出席しなかったという御答弁でございます。われわれの方では、当然これは局長の答弁では不満足だ、こういう点がありましたのでわざわざ、普通ならば局長でいいけれども、課長並びにその検査された当事者の出席を求めておるわけです。それを局長の方で勝手に、われわれの意のあるところもくまないで、自分でいいだろうということを取り計らわれたということは非常に不都合なんです。私はその局長の考え方はわれわれ委員会の意を体してないと思う。今後こういうことに対しましては十分一つ委員長から注意をしていただきたいということを私お願いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/65
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066・綱島正興
○綱島委員長 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/66
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067・伊瀬幸太郎
○伊瀬委員 経済局長に、これはほかの問題で聞いておきたいのですが、昨日大蔵委員会に資料として御提出なさった奈良県の共済事業検査結果に関する資料のうちの、農家への未払い額の預金ですが、六百六万七千八十二円、これは預金というのはどういうような金額か、これは今わからなかったら次の機会にでも一つこの預金の内訳をお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/67
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068・大坪藤市
○大坪政府委員 調査いたしましてお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/68
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069・川俣清音
○川俣委員 関連して、一点だけお伺いいたします。これは政務次官が来ておられますが、系統外金融をしてはいけないということをおっしゃいましたが、単に法律上の制約があるなしにかかわらず、農業金融というようなものは商業金融と逮って、危険な道を渡らせてはいけないというようなことから、二分の一以上は系統外金融をしてはいけないことが、国がある程度保障しなければならない性質のものであるために、技機的な金融をしてはいけないということが私は原則だと思うのです。二分の一になったりあるいはやかましく制約を加えておる理由のものは私はその点にあると思う。民間金融と違う点は、企業意欲をもって金融をされたのではおそろしい結果が出るということから、制約を加えておるものだと思うのです。政務次官はこの点は詳しいはずですから、あらためてお尋ねする必要もないと思いますが、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/69
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070・吉川久衛
○吉川政府委員 この点に関しましては川俣委員の御指摘の通りでございます。なお私はその上に組合員の債権といいますか、利益を特に擁護したいというような考え方もあわせて持っておると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/70
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071・川俣清音
○川俣委員 それだけに定款変更したから商業資本に投資をするというようなことは、根本的に改めなければならない。定款で認められるからというようなことで逃げさすということはできないという考え方を検査官は持たなければならない。定款がこうだからいいのだというような考え方は、いやしくも行政を取扱う検査官としては法律上は別ですが、行政的には厳に慎しまなければならぬ点だと思うのです。その点少し欠けておるのじゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/71
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072・吉川久衛
○吉川政府委員 私も同様に感じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/72
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073・川俣清音
○川俣委員 それだけにすみやかにこの結果をあなたの意に合うような結果になるように報告書を出されるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/73
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074・永山忠則
○永山委員 ただいまの大坪局長の御答弁では、きょう検査官を呼ばなかったのは、自分で答弁できると思って呼ばなかったということに解釈できると思うのですが、その点もう一度お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/74
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075・大坪藤市
○大坪政府委員 当委員会よりお話ありますれば当然検査官も帯同いたしまして御答弁申し上げたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/75
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076・永山忠則
○永山委員 私が今答弁をお願いしたのは、きょうお見えにならなかったことは自分で答弁できるから来んでもいいということでやった、こういうように聞いているのですか、どうですか、こう言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/76
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077・大坪藤市
○大坪政府委員 その点につきましては、いろいろ本日御町疑の次第もありますので、私だけでは不十分な点もあるようでございますから、次の機会から検査官を帯同いたしまして御答弁申し上げる、こう言っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/77
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078・永山忠則
○永山委員 次のことを問うておるのじゃない。きょう列席されなかった理由は、自分で答弁できるから出席させなかった、こういうように聞いたのですが、どうですか、というのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/78
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079・大坪藤市
○大坪政府委員 検査事務の調製等をやっておりますので、政府委員といたしまして私だけで本件につきましては答弁できるものと私は考えておりました。なるべく自分の部屋で仕事をやってもらいたい、こういうようなことを申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/79
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080・永山忠則
○永山委員 委員長、一つ重大問題としてこれは委員会で御研究願いたい。委員の方で検査官を連れて来てもらいたいということを請求してあるのに、勝手に自分で答弁ができるから連れて来ぬでもよろしいということを事務当局がやるということをお認めになるのですか。国会側の要求したものを勝手に自分で答弁できるのだから、検査官は検査事務をやっておるのだから出ぬでもよろしいというように国会の意思を無視してなめられておいて、そのままでよろしいとおっしやる委員長であるのか。私はこの点について、委員長及び理事会は十分御協議願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/80
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081・綱島正興
○綱島委員長 委員長よりお答え申し上げます。もちろん正当な公けの理由等がない限りは当然求めた者は出席してもらわなければならないのでありますが、善意の解釈で、必ずしもその者が出ぬでも自分で勤まるのではないかというので見えたのでありますから、これはそう追及せぬでも、次会よりこの委員会の趣旨が徹底するような線でやってもらえば、それでこの委員会が大へん面目を失するというほどのことにもならないのじゃないか。これは必ずしも踏みつけたということでやられたのではなくて、大方自分で一応答えができるのではなかろうかと思われたことに錯誤があったことはあったでしょうが、これは次会から是正してちゃんとやろうと言っておられるのですから、この程度でお許しを願って、次会に是正して取り運ぶようにいたしたらと委員長は存じております。委員会において別な御決定がございますればやむを得ませんけれども、どうかそこらで一つごかんべんを願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/81
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082・佐竹新市
○佐竹(新)委員 委員長は非常に簡単に考えておられる。しかしこの裏面には相当問題があるのです。さっきも言つたように、これは大坪経済局長も乗せられておるのです。さっきも言ったでしょう。更科という理事が、この検査があるときに、尾道の桑田の妾宅に行って、この検査の結果を報告しないという謀議をこらしておるのです。だからこのことは大坪経済局長は知らぬかもしれないが、裏で策謀がある。だからならぬと言っておるのです。私はこの点はどうかということの検査書を一応委員会に出してもらって、来週早早検査官を呼んで、もう一ぺん逐一一問一答式にやらなければ納得できません。私は刑事事件までは言いたくないけれども場合によっては検察当局も呼んで、なぜこの問題を取り上げないかということを問うてみたい。これは全国の農協の問題であります。私がこういうことを発言するのは、それは農村の民主化のためにやっておるのです。農村は自主性を持たなければならない。全敗連の問題でも御承知のように、だれかが口火を切らなければならないのです。末端の監督行政の知事であっても、また代議士であっても農協に対し遠慮しておる。それは選挙のときにじゃまされるからだ。だから言いたくないのです。そういうことをやっておったらいわゆる農協を通して農村の民主化をやるということが問題なのです。それをそのままにしておいて、本委員会の発言のときにやったってだめなのです。この問題は私は農民の前で勝負しよう、こういう考え方なのです。だからこういうことは委員長軽々しく考えてもらっては困る。委員長は農民の父と言われているのだから、この点だけは一つ真剣に考えてもらいたいということを委員長に申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/82
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083・綱島正興
○綱島委員長 委員長からお答え申し上げます。まことに私もうかつでございまして、そんな伏在した事実があるとまでは想像しておりませんので、あまり重大なことでないと思っておりましたけれども、この間理事会の際にこの問題に類した問題があるから、これはモデル・ケースとして調べるのである。その入っていたことによってはさらにこの問題を全国的に取り調べなければならないというだれでありましたか、理事の方から御発言がございましたので、さようなこともあるのかなと思っておったのであります。さような事実がございますれば、ぜひ委員会において十分取り調べなければならないと存じますから、重大な案件として取り扱いたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/83
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084・永山忠則
○永山委員 委員長の善意に解釈してという言葉でございますが、そういうことで院議を無視されて勝手に委員長のところでやられるということでは議員の権威は保てないのです。ですからその内容を調査し、どういうわけで出てこなかったか、責任はどこにあるかということを十分調査して、次の会にその理由を御報告願って、それに対する善処方をまた検討してもらいたいということをこの際申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/84
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085・綱島正興
○綱島委員長 委員長よりお答え申し上げます。永山委員、佐竹委員等のお申し出の件はよくわかりましたので、御趣旨に沿うような取扱いをいたしたいと存じております。
〔委員長退席、鈴木(善)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/85
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086・永山忠則
○永山委員 次にただいま佐竹委員が言われましたように、料理屋で関係者と一緒に酒を呼ばれた。謀議を企てたと肯われましたが、さような事実があるかないか、当局はそれを御存じでありますかどうか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/86
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087・吉川久衛
○吉川政府委員 私先ほどお答え申し上げましたように、定款変更の認可を与えたいきさつ等も、この局長もわからないようでございますから、それらをもあわせてただいまの御質疑についても十分調査をいたしまして、次会の御報告の際に申し上げたいと思います。私案はただいまお尋ねの件については初耳でございますので、きわめて重要な問題ですから、十分調査をしていただくつもりでありますから、さよう御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/87
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088・佐竹新市
○佐竹(新)委員 私の発言を永山委員が聞き違えられたと思いますが、私は本山検査官外八名が行った者が謀議をこらしたのじゃない、いわゆる農林中金の理事、中央会の副会長である更科君が、時を同じゅうして尾道の西山別館に行って謀議をこらしたという事実があるのです。これははっきりしている。それといわゆる検査官との関係の連絡があるかないかは知らないけれども、きょう検査官か出てこない。さっきも稲富理事らから言われたように、委員長に担当検査官、課長、経済部長はもちろんのこと出て来てもらいたいということを要請した。大坪局長だけでは詳細にわたっての質問ができない。この次の委員会には検査証を出してもらう。それを十分検討した上にもう一回さっき委員長の言われたように、本委員会においてこの問題を取り上げる、こういうことを申し上げたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/88
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089・永山忠則
○永山委員 たまたま時を同じくして中金の人が行かれて謀議をこらしたというのは重大な問題でございますので、さような事実があるかないか。また事実ありとすればどういうような措置をされるか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/89
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090・吉川久衛
○吉川政府委員 あるかないかということは、私佐竹委員のおっしゃることを疑うわけではございませんが、職権をもって調査いたしまして、さようなことがあればしかるべく普処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/90
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091・永山忠則
○永山委員 二十六年の五月に定款変更を許可した、これはすでに本委員会で問題になったのでございますので、それらのことをいち早く御調査になっているべきじゃないかと思うが、事実上ほんとうに御調査になっていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/91
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092・吉川久衛
○吉川政府委員 調査はできております。ただ佐竹委員のおっしゃったような事項については私どうかと思いますが、皆様に御報告のできるような調書はただいま作成中で、これができ上りましたら大臣の決裁を得まして、広島の信連へもその向きの通達をしなければなりませんし、それから御要求にもおこたえして資料をお届けするようにしなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/92
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093・永山忠則
○永山委員 ただいま質問いたしました調査の結果については、来週初めに出すというお話でございますので、それを待って本員も質問をいたすつもりでございますが、私の申し上げたのはそうでなしに、昭和二十六年五月に定款の変更があったという事実並びにその理由、それに対して農林当局は御存じであるか。当時局長は、自分はいなかったから知らないとおっしゃるのですが、次官は御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/93
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094・吉川久衛
○吉川政府委員 先ほど佐竹委員にお答え申し上げましたように、実は私存じませんので局長に尋ねましたら、局長も二十六年のことでそのいきさつがよくわからぬと言いますから、その経緯は私が調査をして御報告の際あわせて申し上げたい、こう先ほどお答えした通りでございますから、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/94
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095・永山忠則
○永山委員 私はそれを確かめたかったのでございます。この問題の中心は系統外利用並びに定款変更の問題ですから、その後農林省のとった処置というもの、それを調査せずにここに出てくるというような局長であったり次官であったら困る。なぜこの問題を調査しないか。いやしくもこの問題は天下の農民の問題として論議されているときに、それを調べずにここへ出て来るというような次官であったら、われわれ信を置けない。私はこれらの諸点、許可した理由並びにその後農林省のとった処置、二十六年からでございますが、それらの理由をお聞きいたしました上で質問を続けることにいたします。こういった全くものを知らぬ人と話し合いしたところで何にもなりませんから、私の質問は留保いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/95
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096・淡谷悠藏
○淡谷委員 これは二十八年度の冷害にあって被害を受けた農家の営農資金、飯米、原木などの払い下げ融資に伴う同じ農協関係の不正事件でありますが、福島県の石城郡田人村農協におきまして、営農資金の分配上の不正が暴露されて参っております。貸付の総額は七百三十四万四千円であったのが、そのうち百八万円を県信連の借金の支払いに充てておりまして、残りの六百二十六万円余りを農民に分配しております。その六百三十六万円の分配に際しましても非常に不公正に行われまして、あるいは農協専務理事が十一万五千四百円、映画館主が九万九千円、消防団長が八万円、そうして実際に冷害を受けまして農民には貸付されてない、こういう形でございます。しかもその金利なども八万円以上借りた農家の利子は三分八厘とし、七万円以下のものは五分八厘にし、この融資の金利の中に含まれておるはずの農協の手数料の一分はこれをさらにまた取り立てておる、こういうことが暴露されて参っておりまして、借り受けた農家の中でも、これを実際の冷害の対策に充てないで、新しく経営を堅固にするためと称して、家畜等を購入した例、またうわさでございますが、高利で他の農家に貸付をしておる、こういう事実が訴えられております。これに対して農林省は何かお聞きになっておるかどうか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/96
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097・吉川久衛
○吉川政府委員 ただいままでさような問題を聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/97
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098・淡谷悠藏
○淡谷委員 昭和三十年の五月十八日に、正式の文書をもって、日本農民組合中央執行委員長あてに、農林省の農業経済局金融課長からこの問題について回答をいただいておりますが、一つ金融課長の方から御答弁願いたいと思います。これは課長がお取り扱いになっただろうと思いますので、次官の耳まで達してないかもしれないが、ずっと以前の問題であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/98
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099・吉川久衛
○吉川政府委員 淡谷委員に私からお答えいたしますが、実は課長が最近かわったばかりでございますので、さっそく調べまして、次会にでも間に合うようにお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/99
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100・淡谷悠藏
○淡谷委員 これもやっぱり御回答が得られないケースらしいのですが、せっかくわれわれがこの委員会で災害対策等について、苦しい財政の中からあるいは融資の面から、一生懸命にやりましたことが、しかも災害融資という面でも農協を中心にこういう不正が行われておる。さっき佐竹委員から非常に熱心に御発言がございましたが、全国の農民対農協の問題として、軽々に見のがしてはならないことだと思います。単に広島及び福島県だけではなくて、全国にこういうことがたくさんありましたならば、今年の災害予算等の編成に当りましても、農協に対するわれわれの態度というものを、ここではっきり何とか方向づけなければ、軽々しく扱われないケースが出てくると思います。特にこれは具体的に二十八年の災害で農民が苦しんでおる、困っておる。これは課長がかわりましたならば引き継ぎの際お話があっただろうと思いますが、一応回答がありますが、満足できない。飯米の配給等についても、実際に困っておる農家にはこれを貸し付けないで、共済金をカタに現金売りをして、残ったものは一般の配給にこれを流して供出を免れたという例も出て参っておりまするし、さまざまな事例もございまして、これは文書をもって問い合わしておるはずでございますから、その点の内容などを十分お考え下さいまして、この次の委員会にはお答えできるような方々を一つ全部集めて、これに対するはっきりした解明をいただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/100
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101・吉川久衛
○吉川政府委員 御要求の通りにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/101
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102・芳賀貢
○芳賀委員 関連して。ただいま各地の県信連並びに連合会等の不正と認められる問題が質疑されたわけですが、この機会に農林次官にお尋ねしておきたい点は、本年の春に、これは茨城における経済連の不正問題でありますが、この内容は、主として役手を導入する場合と、それから肥料購入等に際して、県経済連の首脳部が贈収賄並びに業務上の横領を行なったというようなことで、大量逮捕並びに調査、追及されておる。こういう点に対しましては、当然農林当局において監督指導の任にありますので、これらの内容というものは、すでに相当時間的な経過が今日までありますので、大よその点は把握されておると思いますから、この機会にあわせて御承知の範囲をここで明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/102
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103・吉川久衛
○吉川政府委員 本問題につきましては聞き及んでおります。調査の概要については次の機会に申し上げられると思いますが、詳細についてはまだ少しどうかと思っております。聞くところによりますると、何か責任者はそれぞれ責任をとっておるかのごとく聞いておりますが、詳しいことはまだ承知いたしておりません。これも次の機会にできるだけ詳しく御報告できるようにいたしたいと思いますから、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/103
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104・芳賀貢
○芳賀委員 さらに指摘しておきたい点は、茨城経済連はこれは全国の連合会もそうでありますが、経営が困難に陥って、特にこれは全国の連合会等の再建整備促進等も国会においても相当力を注いでおる。特に茨城の場合にも約三億八千万程度の赤字を出して、これを日建するために十億の出資の増額を行うという形で、十億町建運動まで展開しておったわけでありますが、そのさなかにおいて、こういう忌まわしい事件が発見された。ですからこれは結局末端の構成員である組合員が、それぞれこれは出血を負担するというような、そういう窮境の中にあってなお自分たちの組織を再建しなければならぬということで、全県の単位協同組合がこの十億の増資運動に応じておるというようなことなんです。この経済連首脳部の陣容の中に、特定の肥料会社と結託して一千万に及ぶリベートを受け取っておる。あるいは投手を導入する場合において、その間において横領をやったというようなことは、これは今後全国の協同組合を再建強化しなければならぬという途上においても、非常に遺憾にたえない問題であると思うわけです。先ほども佐竹委員から指摘がありましたが、最近連合会の中において、特に信連等はこれは全国大体同じであると思うけれども、協同組合法の基礎の上に立ってこれは形成されておるわけでありますが、特に金融を掌握するというようなことから、同じ連合会の中においても、協同組合の陣営の中においてこれらの信用部面を担当する信連のごときは、金融資本的な権力支配をやるような傾向が見られる。これは中金を頂点として、協同組合の方向と背反するような傾向で、見のがすことができないわけです。ですから、こういう点については農林当局としても、正しい意味における協同組合のあり方というものをあくまでも指導育成しなければならぬと思うわけでありますか、全国においてはこういうようなケースは相当多いと思いますので、この次の委員会においては、それらの事例を調査をされたままのものを資料としてお出しになったらどうかと思うのですが、次官の所見をこの際明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/104
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105・吉川久衛
○吉川政府委員 協同組合のあり方について、ただいま芳賀委員の御指摘のようなことが各地にあるやに新聞や雑誌等で私ともも散見をいたしております。特に芳賀委員は御案内の通り、戦前の産業組合時代と変りまして、戦後の協同組合の事業を運覚する人々が、戦前の産業組合精神に徹した人々が非常に少くなっているということ、それから戦争中の教育といいますか指導といいますか、この協同組合速営のための勉強が十分なされていなかった、そういうような人がただいま協同組会の運営に当っているというようなことも、またあずかっていろいろの弊害が起きているような状況にございます。はなはだ遺憾にたえません。こういう問題がひんぴんと起りますと、組合員は組合を信頼することができなくなり、非常な大きな問題になることを憂慮いたしますので、特にこの組合経営というものは、協同組合法にうたっておりますように、事業をしながら教育をし、教育をしながら事業をしていくという、他の営利事業と異なった特殊な性格を持っている団体でございますので、あやまちのあるものはこれをすみやかに発見をいたしまして、そしてそれを是正して、正しい組合事業の運営のできるように、もっと政府は強力に指導し、育成しなければならないと考えております。今後ともそういう考え方で進みたいと考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/105
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106・田口長治郎
○田口委員 私は韓国ノリの輸入外貨割当につきまして、動議を提出したいと思います。案文は、韓国のりの輸入問題に関する本委員会の調査の経緯にかんがみ、政府は、本委員会の調査の結論を得るまで、韓国のりに対する輸入外貨資金の割当を保留すべきである。
右決議するこの韓国ノリの輸入問題につきましては、今日までに当委員会の水産小委員会で二回にわたりまして、通産当局を呼んでいろしろ審査をしてみたのでございますが、通産省内におきましても、各担当者によりまして、意見が非常に違います。それから大蔵省はこのノリの輸入につきましては、委託販売という制度を絶対にとってもらっては困る、こういうことを言っておるにかかわらず、昨年は委託販売でどんどん処置をされたわけです。このことを通産省担当管に聞きますと、その内容を全然知らない。議員の一人からこの外貨は通産省に置いていいかどうか、むしろ農林省に置かなければならない問題ではないか、こういうような意見が出るほど内容がぼんやりしております。御承知の通り昨年までの取引状態を調べてみますと、韓国では輸出組合が一本になっておりまして、ファーム・オファーをつけなければならないということで、通産省が外貨を割り当てた各輸入者に対しまして、いろいろなひもつきをやっておる。もし手数料その他が低い人に対しましては、品質が非常に悪いものだけを送った、こういうようなことで、韓国の安いノリが日本に参りましても、その内地における価格は非常につり上っておる。のみならずこの問題は日本国内におけるノリの生産業者との競合があるのでございまして、ノリの生産業者と十分な意見の交換のできる韓国ノリ需給調整協議会、こういうような団体を作っておるのでございますが、この団体との打ち合せということもまだはっきりはしていない、こういうような事情にあるのでございます。私どもは、本日石橋通産相を係官とともに当委員会に呼びまして、この問題についてよく内容を審査いたしたい、かように考えておった次第でございますが、参議院の関係で大臣が御出席になれない。しかるに外貨の割当は明十一日から通産省ではどんどんやる、こういうような時間的の関係もありますから、委員会で内容を審査するまで、あすからやらんとするところの外貨の割当を暫時保留をさせる必要があると思うのでございます。従ってただいま読みましたような決議をいたしまして、外貨割当の保留をしてもらう、こういう意味におきまして、提出をいたしました次第でございます。どうか皆さんにお諮りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/106
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107・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 ただいまの田口委員の動議につきまして、御意見があれば、御発言を願います。別に御発言もないようでありますから、お諮りいたします。
田品委員の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/107
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108・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 御異議なしと認め、動議は可決されました。なお本件の議長に対する報告並びに政府に対する送付方につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/108
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109・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 それではさよう取り計らうことにいたします。
ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/109
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110・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 では速記をとって下さい。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/110
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111・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 この際お諮りいたします。本委員会に付託になっております繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたし、提案理由の説明を求めたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/111
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112・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 御異議なしと認めます。それではただいまの法律案について政府の説明を求めます。農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/112
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113・吉川久衛
○吉川政府委員 ただいま上程されました繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
繭糸価格安定法は、生糸の輸出増進と蚕糸業の経営安定とを目的として、最局価格による生糸の売り渡しと最低価格による生糸の買い入れによって、生糸の価格を安定帯の中に維持することを建前としているのでありますが、本法施行以後の経緯にかんがみますと、出発当初におきまして政府の手持ち生糸なしに同法を実施いたすこととなりましたために、二十七、八両生糸年度におきましては、最高価格をはるかに突破するような異常な事態が生じたのであります。これでは、本来の目的である生糸の輸出振興と蚕糸業の経常の安定をはかることは困難であります。よって、このような事態に対処して輸出生糸について有効な価格安定を実施し、もって輸出増進に資することができますように、政府において輸出適格生糸を保有し得る道を新たに開くことが第一のねらいであります。
また、現行法では、生糸の価格を安定帯の範囲内に維持することによって原料繭の価格も自然に安定させることができるという考え方をとっておるのでありまして、養蚕農民の経営安定に直接関係のある繭価につきましては、ただ政府が繭価低落防止のための必要な措置を行うものとするというきわめて抽象的な規定を置いているのみであります。この規定では、政府がいかなるときに、いかなる方法で繭価維持の措置を行うかということは不明確であります。よって、この現行法の不備を補って、繭価維持についての明確な規定を置き、これに基く措置によって、養蚕農家が安んじて生産にいそしむことができるようにすることが第二のねらいであります。
以下、法案の主要内容について、その概略を御説明申し上げます。
第一は、政府は最高価格によって売り渡す生糸として輸出適格生糸を保有する必要のある場合は、最低価格をこえる価格で買い入れることができるようにしたことであります。もちろんその場合でも、糸価に悪影響を及ぼさない方法によって買い入れることが必要でありますので、その買い入れ方法としては、あらかじめ農林大臣の指定する者が農林大臣の定める条件に従って保管した輸出適格生糸のうち、一定期間を経過してなお保管しているものについて、政府が買い入れる契約を結ぶことができることとした次第であります。この方法による買い入れば、当然輸出確保のための必要保有数量に限定すべきものでありますから、この方法によって買い入れ得る生糸の数量は、政令をもって限定いたしますとともに、すでに政府が最低価格で買い入れた生糸、あるいは繭価維持の結果買い上げた繭から作った生糸等の保有量と合せ、最高価格を維持するに必要な数量を限度として、この特別買い入れを行うこととしております。
第二は、政府手持ち生糸の数量が、生糸の価格の異常な騰貴を防止するために必要な数量をこえるような場合におきましては、その超過数量につきまして、最高価格でなくても時価によって売り渡すことができることとしたことであります。この場合、この売り渡しによって糸価を不当に圧迫することを避けねばならぬことはもちろんでありますので、この売り渡しは生糸の市場価格がその生産費をこえている場合においてのみ行い得ることといたしますとともに、その売り渡しは時価に悪影響を及ぼさない方法によるべきこととしております。
第三は、繭価維持のための具体的な措置を定めたことであります。繭の価格が、生糸の最低価格に見合う価格、すなわち、最低繭価以下に下るようなおそれのある場合におきましては、農林大臣の指定する農業協同組合連合会が、あらかじめ農林大臣の承認を受けて繭の出回り調節による最低繭価維持のために自主的に保管をしたときは、保管に要する経費について、糸価安定特別会計から補助金を交付することができるものとしたのであります。このような措置によりまして、繭価は維持されると考えられるのでありますが、その保管した繭を一定期間中には最低繭価以上の価格で売り渡すことができない場合も考え得られますので、そのような場合には、さらに、政府がその保管繭を買い入れることができることといたしまして、繭価維持の万全を期したのであります。
第四は、政府保有繭の売り渡し、加工、生糸との交換の規定を設けたことであります。政府が買い上げた繭につきましては、その性質上、長期の保管には耐えないのでありまして、またそれを一時に売り渡すことにより、繭の時価に悪影響を及ぼすことを避けねばなりませんので、生糸に加工して保有する方法、または生糸との交換を考えている次第であります。
第五は、政府が生糸の買い入れ契約、繭の買い入れ契約、補助金の交付契約をする場合におきまして、その金額に限度を設けたことであります。これによって、政府が契約することのできる額の総計は、糸価安定特別会計における収納済み歳入額と借入金の限度の総計をこえてはならないことといたしております。
以上申し上げましたような法律改正ができ、これによる措置が実施できますれば、生糸の輸出確保と蚕糸業の経営安定のために多大の効果があると考える次第であります。
以上が、この法案提出の理由並びに内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/113
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114・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 本法案に対する質疑は後日に譲ることにいたし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X02419550610/114
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