1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十八日(火曜日)
午前十一時一分開議
出席委員
委員長 綱島 正興君
理事 井出一太郎君 理事 白浜 仁吉君
理事 松浦 東介君 理事 鈴木 善幸君
理事 足鹿 覺君 理事 稲富 稜人君
五十嵐吉藏君 伊東 岩男君
石坂 繁君 加藤常太郎君
楠美 省吾君 小枝 一雄君
笹山茂太郎君 原 捨思君
本名 武君 山本 猛夫君
足立 篤郎君 大野 市郎君
久野 忠治君 助川 良平君
田口長治郎君 松野 頼三君
赤路 友藏君 淡谷 悠藏君
井谷 正吉君 楯 兼次郎君
芳賀 貢君 伊瀬幸太郎君
佐竹 新市君 日野 吉夫君
久保田 豊君
出席政府委員
農林事務官
(農林経済局
長) 大坪 藤市君
委員外の出席者
議 員 平野 三郎君
農林事務官
(農林経済局金
融課長) 和田 正明君
農林事務官
(農林経済局農
業協同組合部組
合検査課長) 平木 桂君
農林事務官 本山 悌吉君
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
専 門 員 徳久 三種君
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六月二十三日
委員松山義雄君、淡谷悠藏君及び石田宥全君辞
任につき、その補欠として小坂善太郎君、久保
田鶴松君及び武藤運十郎君が議長の指名で委員
に選任された。
同月二十四日
委員久保田鶴松君、武藤運十郎君及び岡田春夫
君辞任につき、その補欠として淡谷悠藏君、石
田宥全君及び久保田豊君が議長の指名で委員に
選任された。
同月二十七日
委員小坂善太郎君及び矢尾喜三郎君辞任につき、
その補欠として松山義雄君及び川俣清音君が議
長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
委員保利茂君、松山義雄君及び田中織之進君辞
任につき、その補欠として松野頼三君、久野忠
治君及び足鹿覺君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同日
理事足鹿覺君委員辞任につき、その補欠として
同君が理事に当選した。
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六月二十八日
養ほう振興法案(平野三郎君外四名提出、衆法
第三〇号)
同月二十四日
精麦用新麦の政府売却価格の適正化に関する請
願(廣瀬正雄君紹介)(第二五四三号)
同(菊地養之輔君紹介)(第二五八一号)
同(徳田與吉郎君紹介)(第二五九八号)
同(安藤覺君紹介)(第二五九九号)
同(稲富稜人君紹介)(第二六六七号)
早地峯山ろくを集約酪農地域に指定の請願(山
本猛夫君紹介)(第二五四四号)
埼王県の農業被害対策確立に関する請願(荒舩
清十郎君紹介)(第二五四五号)
母樹候補林の指定に関する請願(小平久雄君紹
介)(第二六〇〇号)
採穂林造成費国庫補助に関する請願(小平久雄
君紹介)(第二六〇一号)
山林種苗検査制度確立に関する請願(小平久雄
君紹介)(第二六〇二号)
長期造林計画促進に関する請願(小平久雄君紹
介)(第二六〇三号)
母樹林の補償費増額に関する請願(小平久雄君
紹介)(第二六〇四号)
沖繩向肥料の国内取扱に関する請願(床次徳二
君紹介)(第二六〇五号)
鹿児島港を奄美大島産そ菜の出荷港に指定の請
願(伊東隆治君紹介)(第二六〇七号)
伝貧研究所設置の請願外一件(森三樹二君紹
介)(第二六六六号)
同月二十七日
昭和三十年産米の新米価決定に関する請願(中
馬辰猪君紹介)(第二六七五号)
公営住宅敷地として使用中の国有農地売払価格
減免に関する請願(森本靖君紹介)(第二七一
四号)
精麦用新麦の政府売却価格の適正化に関する請
願(周東英雄君紹介)(第二七一五号)
同(亘四郎君紹介)(第二七一六号)
同(保利茂君紹介)(第二七一七号)
以西機船底びき網漁業及び遠洋かつお、まぐろ
漁業の許可等についての漁業法の臨時特例に関
する法律存続の請願(中馬辰猪君紹介)(第二
七一八号)
宝島の漁港整備促進に関する請願(原捨思君紹
介)(第二七一九君)
新潟県の果樹災害対策確立に関する請願(山本
猛夫君紹介)(第二七二〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
理事の互選
小委員及び小委員長の補欠選任
食糧に関する小委員会に参考人招致の件
中小企業安定法の一部を改正する法律案につい
て、商工委員会に連合審査会開会申入れに関す
る件
愛知用水公団法案について、商工委員会と連合
審査会開会に関する件
養ほう振興法案(平野三郎君外四名提出、衆法
第三〇号)
農業協同組合の事業運営に関する件
東北地方の水害による農林被害状況調査のため
委員派遣
承認申請の件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/0
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001・綱島正興
○綱島委員長 これより会議を開きます。
この際理事の補欠選任についてお諮りをいたします。委員の異動に伴い理事が一名欠員になっておりますので、その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/1
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002・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認め、足鹿覺君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/2
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003・綱島正興
○綱島委員長 引き続き小委員及び小委員長の補欠選任についてお諮りをいたします。委員の異動に伴いまして、各小委員会の小委員及び畜産、林業、農業及び漁業災害補償制度の各小委員長に欠員を生じておりますので、その補欠を委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/3
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004・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認め、
食糧に関する小委員に
石坂 繁君 松山 義雄君
松野 頼三君 足鹿 覺君
石田 宥全君 久保田 豊君
畜産に関する小委員に
小枝 一雄君 淡谷 悠藏君
蚕糸に関する小委員に
松山 義雄君 川俣 清音君
林業に関する小委員に
小枝 一雄君 松野 頼三君
川俣 清音君
水産に関する小委員に
赤路 友藏君
農業及び漁業災害補償制度に関する小委員に
石坂 繁君 山本 猛夫君
赤路 友藏君 足鹿 覺君
右の通り各小委員を指名いたします。また
畜産に関する小委員長に
小枝 一雄君
を
林業に関する小委員長に
川俣 清音君
を
農業及び漁業災害補償制度に関する小委員長に
足鹿 覺君
をそれぞれ指名いたします。
なお、この機会にお諮りいたしておきたいと思いますが、今後委員の異動等に伴い小委員及び小委員長に欠員を生じました場合、その補欠選任は、特別の事情がない限り、適宜委員長において、おおむね従前通り指名するということで御了承を願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/4
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005・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らうことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/5
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006・綱島正興
○綱島委員長 次に委員派遣承認申請の件についてお諮りをいたします。数日来の東北地方における豪雨によりまして、農林業施設、農作物等に甚大なる被害を生じておるようであります。つきましてはこれが早急な対策を樹立するために現地の実情を調査する必要があると認めますので、議長に対し委員派遣の承認を求めたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/6
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007・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認めます。つきましては派遣委員の員数及びその選定、派遣地、日数等につきましては委員長に御一任願って、所要の手続をいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/7
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008・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認めてさように取り計らうことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/8
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009・綱島正興
○綱島委員長 ただいま付託になりました平野三郎君外四名提出、養ほう振興法案を議題といたし、審査に入ります。提出者よりその趣旨の説明を求めます。平野三郎君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/9
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010・平野三郎
○平野三郎君 ただいま議題と相なりました養ほう振興法案につき提案理由を御説明申し上げます。
ミツバチが生産いたしまするハチみつ及びみつろうの生産額は年間十数億円に上り、その用途は、ハチみつにありましては、食用、薬用、化粧用、工業用に、またみつろうは電気絶縁用、薬用算すこぶる広汎多岐にわたっておりますが、このことのほかにミツバチが農業上に果しております役割として、集みつ活動に伴いまする農作物の結実効果がございまして、レンゲ、菜種、クロバー、野菜、ミカン、リンゴ等各種作物、果樹は大なり小なりミツバチの花粉受精の媒介作用によって結実しておるわけであります。
かように、ミツバチは農業生産上無視することを許されない大切な存在でありまするが、近年各種農薬が進歩いたしかつその使用が普及いたしました結果、これら農薬による、ミツバチの被害が激増いたしましたのみならず、最近におきましては、ミツバチの腐蛆病が莫延いたしまして養蜂業に深刻な脅威を与えているのであります。腐蛆病に対しましては、とりあえず去る四月から六月末までを期限としまして、家畜伝染病予防法の一部を準用する政令を公布いたしまして、被害蜂群を焼却する等の措置を講じ、対処して参りましたことは、各位の御承知のごとくであります。
翻って、わが国におきまする養蜂業の現状を見まするに、昭和二十八年末の農林省統計によれば、飼育戸数二万三千六百二十戸、飼育群数十四万四千四百八群と相なっており、養蜂の形態としては、転飼養蜂と定飼養蜂とがありますが、わが国におきましてはみつ源が地域的に季節的に片寄っておりまするために、九州から北海道に至る間をみつ源を求めて移動いたしまする転飼養蜂が全体の六割以上を占める状況を示しておるのであります。しかして、これらの転飼養蜂の実態は、その性質上、これを的確に把握することが困難であり、従いまして、みつ源の配分につきましても適切妥当な方途が容易に立てにくいありさまであります。
以上申し上げましたような実情に対処いたしまして、さしあたり、養蜂業者の届出、転飼養蜂の規制、農薬使用の規制、みつ源植物の保護増殖、農林大臣の報告聴取及び勧告等、あるいは家畜伝染病予防法の適用によりまする腐蛆病の防遏等の措置を講ずることによりまして、従来ほとんど行政の手の及ばなかった養蜂業に対して現在可能な限りの育成をはかりまして、もってミツバチ資源を保護培養いたしたいと存じ、ここに本案を提出いたした次第であります。以下、本案の内容をごくかいつまんで御説明いたします。
まず、養蜂業者について、毎年都道府県知事に対する届出の義務を課することといたしております。また他の都道府県の区域内に転飼しようとする養蜂業者は、あらかじめ転飼先の都道府県知事の許可を受けることを必要とし、この許可には条件をつけ得ることといたしております。しかして、農林大臣は養蜂振興上必要があると認めるときには、都道府県知事に対し、みつ源の状態、蜂群数等に関し報告を求め、かつ蜂群配置の適正を期しまするために転飼養蜂の規制に関する勧告を行うことができることとし、もって全国的視野に立って適正な養蜂の行われ得る素地を作ることに努めるようにいたし、また、農薬の使用者に対しては必要ある場合、その使用制限または使用の規制を行い得ることとし、ミツバチの保護に当らせることとしたのであります。一方、ハチみつについては内容の表示を行わしめ、その信用の保持、消費の促進をもはかることとしております。
さらに、附則におきまして、ミツバチの腐蛆病対策として家畜伝染病予防法の一部を改正いたしまして、今日まで暫定的に政令で行なって参りました被害蜂群の殺処分を恒久化し、伝染病対策に万全を期することとしたのであります。
以上がこの法律案の概要でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決賜わらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/10
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011・綱島正興
○綱島委員長 本件の質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/11
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012・綱島正興
○綱島委員長 この際いま一つお諮りをいたしたいことがございます。食糧小委員長の松浦東介君より参考人として米価審議会議長東畑精一君を小委員会に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいとの申し出があります。小委員長の申出通り取り計らうに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/12
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013・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認め、さようにいたします。
なお参考人の出頭を求める期日その他の手続は一切委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/13
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014・綱島正興
○綱島委員長 御異議なければその通り取り計らうことにいたします。
〔委員長退席、鈴木(善)委員長代理着席〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/14
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015・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 それでは次に農業協同組合事業運営の問題について、前会に引き続いて調査を進めます。農林省から大坪経済局長、平木組合検査課長が見えております。佐竹新市君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/15
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016・佐竹新市
○佐竹(新)委員 本委員会におきまして農業協同組合の運営に関しまして、特に広島県の信連の問題に対しまして前会から質疑を継続しておるのでございますが、先般の本委員会の質疑におきましては、経済局の方から大坪経済局長が、資料を先週に提出するということを答弁いたされておるのであります。その後資料の提出がありませんので、本委員会の決議によりまして農林当局に資料の提出を求めておったのであります。個人的には私まで資料の点について出せない点をお話しになったのでありましたが、委員会の決議によって資料の提出を要求しておるのでありますので、私は重ねて本委員会におきまして、大坪局長に対して質問を申し上げます。と申しますのは、この調査をいたしますにつきましては、どういたしましても資料がないと十分な調査ができないのであります。従いまして資料に基きまして、その結果においてさらに突っ込んだ質疑をいたしたい、かように考えていたのでありますが、資料の提出がありませんので、そのこともできない状態でございます。従いましてここにあらためて御質問を申し上げるのでありますが、この資料の御提出のできない法的な理由がどこにあるかということについて、大坪局長の御答弁を求めたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/16
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017・大坪藤市
○大坪政府委員 広島県信連の問題につきまして、佐竹委員を初めとされまして非常な御心配をかけておりますことを、私といたしまして深くおわび申し上げる次第でございます。広島県信連の問題につきましては、いろいろな関係から私どもの方で検査をいたしたのでありまして、その結果につきまして佐竹委員からの要望の次第もございまして、一応検査の結果につきましての「広島県信連検査結果概要」というものを、当委員会を通じましてお手元に御配付申し上げておると思っておるのであります。この信連の検査概要につきまして、この検査概要以上の事項に相なりますと、そこに検査の生質上秘密を要すべき事項もありますので、これはもちろん御承知の通り、相手方の各般の事情にわたりまして詳細に検査をいたします関係上、その詳細なる内容ということになりますと、検査いたしましたことにつきまして、われわれ公務員といたしましては一応秘密を保つべき理由がある、こういうようなことに相なっておりますので、これ以上のことにつきましては差し控えいたしておるのであります。もちろん当委員会におきまする審議につきましてこれが差しつかえになるというようなことについては、私どもまことに遺憾と存ずるのでありますが、これ以上検査の内容につきまして詳細に御報告申し上げますということになりますと、この点につきましてははなはだ私どもといたしましては申し上げにくいのでありますが、いわゆる秘密を保つという性質上委員長等におかれまして、これは僣越かと思いますが、外に漏れないような方法で、詳細なこれ以上の内容を申し上げる機会を与えるべきではないか、かように考えておる次第でありまして、当委員会に対しましては検査概要というものだけをここで申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/17
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018・佐竹新市
○佐竹(新)委員 ただ秘密の漏洩ということだけではわれわれにははっきりわかりませんのですが、あなたに御質問申し上げましたのは、出せないという法的な根拠がどこにあるかということを御質問しておるわけであります。その点はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/18
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019・大坪藤市
○大坪政府委員 いわゆる法的な問題といたしましては、検査の性格が相手方の各般の事情にわたりまして検査された関係上、性質的に見まして相当秘密的な事項に触れることに相なって参るのでございまして、そういうような意味から私ども公務員といたしましては一応秘密を守って参る、こういうことが筋ではないか、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/19
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020・佐竹新市
○佐竹(新)委員 ここに政府の監督権である農協法の第五章の監督のところで、第九十四条の二の「行政庁は、第十条第一項第二号又は第八号の事業を行う組合に対し、その事業の健全な運営を確保し、又は組合員を保護するため、組合の業務若しくは財産の状況又は事情の変更によって必要があると認めるときは、当該事業に関し、定款、規約若しくは共済規程の変更、業務執行の方法の変更、業務の全部若しくは一部の停止若しくは財産の供託を命じ、又は財産の処分を禁止し、若しくは制限し、その他監督上必要な命令をすることができる。」こういう監督権があるわけなんです。従いまして私は先般も申し上げておりまするように、広島県の信連がいわゆる模範定款を総会において変更し、これを農林省が認可いたしておる、従ってそれ以来系統外預金が多くなってきておる。それはいわゆる農林金融の健全化を妨げるものである、こういう立場から、やはり信連の経理内容に対して、われわれ十分調査しなければこういう全貌はわからないので、そこで資料の提出を求めておるのでございます。従いまして、このいわゆる九十四条の示しておるところによりますると、相当厳重に、信用事業を行う組合にまで一つの規定をしておるのでございます。私は法的に根拠がなければ、そうあなたの方でこれを出すことを拒まれる理由はないのではないかと思うのでありますが、その点はどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/20
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021・大坪藤市
○大坪政府委員 資料といたしましては、ただいま申し上げましたように、一応検査の概要ということを書面をもって御提出申し上げてあるのであります。これ以上検査をいたしました詳細な、具体的な内容を資料に基きましていろいろ御説明をする段階になりますと、そこに組合の業務運営につきましていろいろと、他との関連におきましても問題が起きて参りますので、そういう点につきましては、事の性質上一応いわゆる公表をはばかるというような意味合いにおきまして、差し控えたのでありまするが、ただいま先生が御指摘になりましたように、協同組合がいわゆる模範定款に違反いたしまして、数年前に認可をいたしたというようなことにつきましては、まことに私ども遺憾に存じておるのでございまして、これにつきましては、検査をいたしました結果に基きまして、模範定款によるべきであるということを強く要請をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/21
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022・日野吉夫
○日野委員 今の答弁によりますと、何ら法的な根拠がないと解していいのですか。ただ公表をはばかるということだけのようですが、これこれに関しては公表すべからずとか、何か法的な根拠を佐竹君が尋ねているんだが、それに対して別に明確な法的な根拠はないとあなたが言われる。ないものと解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/22
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023・大坪藤市
○大坪政府委員 公務員が職務上知り得ましたことにつきましては、原則といたしまして、これは機密を保持するところの義務を持っていると考えるのであります。従いましてわれわれといたしましては、検査というものの性質がいわゆる秘密事項に属するという建前のもとに、あらゆる機会に検査の結果につきましてはこれを他言いたさないということにいたしておるのであります。従いまして、一応全般的に、概括的に申し上げますれば、検査の結果に基く各般の調査いたしました事項は、これは原則として秘密事項に属する、われわれはそういうふうに解釈いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/23
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024・佐竹新市
○佐竹(新)委員 それならお尋ねいたしますが、こういう系統外預金をして、そうして組合の運営が非常にむずかしい、従って農民の全般的な金融行政というものに妨げがある、こういうようになりますると、私は系統預金をするということは、いわゆる農林中金をわれわれが大幅に利用するということでなければならぬと思う。それには、農林中金は国家が裏づけをしておる、こういうような点から、もし本委員会でそれができない場合には、農林金融全般にわたることであり、ひいてはいわゆる国家の裏づけである農林中金との関係もあって、これを決算委員会へ移して、決算委員会でこれの調査をするというときには、あなたはその書類を提出することを拒まれますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/24
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025・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいまの点でありまするが、お手元に御配付申し上げておりまする検査概要書によりましても、農林中央金庫への当該信連のいわゆる預け高は二五%ということに相なっておるのでありまして、半分以上はいわゆる系統金融をすべきであるという模範定款例に違反していることにつきましては、私どもといたしましてこれをまことに遺憾に存じておるのであります。この点につきましては、強く模範定款例によるべきことを要望いたしておるのでありまするが、しからば二五%以外の、七五%というものを、どういう金融機関にどういう方法で預けておるかということにつきまして詳細に申し上げるということになりますると、これらの点につきましては、事の性質上あまり外部に漏れるということはいかがなものか、かように考えておるのでありまして、そういうような点から、この詳細な内容を申し上げるということになりますれば、これは非常に申し上げかねまするが、委員長のお取り計らいによりまして、いわゆるそれが漏れないような方法によって処理していただきますれば、私どもといたしまして、内容につきまして詳細を申し上げたい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/25
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026・日野吉夫
○日野委員 これは重大な答弁でありまして、今までの答弁では、公務員の秘密保持の義務以外は何も法的根拠がない。もしそういう理由で、調査結果を国会に報告ができないということになるならば、これは国会の審議権に対する重大な侵害になるおそれがある。それならば、公務員の秘密保持の義務としてだれがこれを公表すべし、すべからずの判定をするのか、そのことをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/26
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027・大坪藤市
○大坪政府委員 概要につきましては、先ほど申し上げておりまするように、資料として手元に御配付申し上げておるのでありまして、しからばその内訳につきまして、どういうふうな方法で、いつからいつまで、幾らの金額を預けておるか、こういうような問題になりますと、信連の営業と申しまするか、業務運営自体の問題になりまするので、これらの点につきましては、一応一般の公表をはばかりたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/27
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028・日野吉夫
○日野委員 一般の公表をはばかりたいというその判定はだれがするかということを聞いておるのです。調査員は詳細に調査の結果を報告しておるはずです。報告しておるそのうちのある部分は発表するが、それ以上のものは公表をはばかりたいという判定のようであるけれども、非常に危険なことで、今の日本の法律では、これに対する明確な規定はないとわれわれも承知いたしておるのであって、あなた方が、公務員の秘密保持の義務をたてにとっては、そこまではおそらくできないであろう。さらに今佐竹委員から言われたように、ここてそういう言いのがれをしても、決算委員会等においてもっと詳細な資料の要求をした場合、公務員の秘密保持の義務だけではとうていこれは守れない。来ていただければその資料はお目にかけると言っておらるけれども、もし見せられるものであるならば公表しても差しつかえないと思う。もし見る人が写真機を持って行って、その写真をとろうとする場合に拒否できるかどうか、あなたの見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/28
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029・大坪藤市
○大坪政府委員 私どもといたしましては、検査をいたしました結果につきまして、これだけは具体的に御報告申し上げ得るということでお手元に検査の概要というものを御配付申し上げておるのでございます。これ以上の詳細なことになりますと、先ほど申し上げましたように、いろいろと機密的な事項に属すると私どもとして判断いたしますので差し控えたい、かように考えておるのでありますが、当委員会におかれまして、委員長の御計らいによりまして適切な方法がありますれば、私どもとしてはこれは委員会のことでありますから、詳細に具体的に、内容にわたりまして精密な資料に基きまして御報告申し上げたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/29
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030・日野吉夫
○日野委員 このことをやかましく申し上げるのは、いつも調査の場合資料提出の要求をいたします。それがもし今のような公務員の機密保持の義務だけで資料提出を拒否されるということになるならば、審査や調査ができなくなる。そういう意味において非常に重要であります。たとえば詳細な調査資料はできておるが、あなた方の判断において線を引いて、ここまでは公表できる、それ以上のことは公表をはばかるということで、資料提出を拒否されるということになると、非常に重大であって、これは委員会の調査をスムーズに進行させるために、資料提出をめぐるこの間の問題を当委員会が明確にしておく必要があると思うのであります。今言ったように、お目にかけるから来て見てくれと言うけれども、今の主張を認めるならば、写真機を持って行ってその重大な資料を写真にとろうとするときもやはり拒み得るということになって重大な一点がぼかされ、解決のつく問題が一切進展しなくなるということになるのであります。特に何か法律に明確な規定のない限り、国会は明らかに調査権限を規定しておるのであるから、その規定の調査をするために必要な資料の提出はどうしても求めなければならぬので、この点はこの調査に入る前に資料提出等に対する態度を明確にしておかなければならぬと思う。今までの大坪局長の答弁では、何らの法的根拠なしとわれわれは見るほかない。ただ公務員の機密保持の義務だけをたてにとって国会の審議権が妨げられるようでは、われわれも調査できないからこの点は重大だと思うのですが、一つこれに対して局長はどう考えておるか、承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/30
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031・大坪藤市
○大坪政府委員 私どもの考えておりますことが国会の審議に万一でも支障を来たすというようなことがあっては、私どもとしてもまことに遺憾に存ずるのでありまして、私どもは国会の御審議には些少も障害になるようなことがあってはならぬということは、平素心がけておる次第であります。ただ、申し上げましたように、一応私どもが考えております検査というものにつきましては、その性格上そういうふうな態度を今までとってきておりますので、国会の審議との関連におきまして、私どもとしてはこれが外部に一般にならないということでありますれば、検査の結果につきまして詳細に申し上げたい。しかしこれが公表という形になりますと、われわれの考えております秘密という問題とどういう関係があろうかということにつきまして疑念を持っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/31
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032・佐竹新市
○佐竹(新)委員 それならわれわれの方に、必要な資料の提出を求めますとき、あなた方の方では、こういう部分にわたっては資料の提出ができないと言っておそらく出さないのではないか。それでは広島の信連に関する限り、調査をいたしましても、資料を十分に検討しなければ問題の解決はつかないと考えておりますが、それではあらためて検査のことについて詳しく知っておられます検査課長にお尋ねしますが、こういう資料を求めましたら出しますかどうか。信連預金に対する農林中金の実質的な金利。これは定期預金のみでいいですが、種別は三ヵ月定期、六ヵ月定期、一ヵ年定期、これに対する資料。それから広島県信連の資金コストの内訳、八分に対する内容と、全国平均の県信連の資金コストの比較。それから利子、奨励金、事務費その他。それから広島県信連の定期預金に対する銀行別金額と特別の受け入れ、これがわれわれは非常に重要であると思うのであります。これの二十六年度の銀行別預金。私たちは特に二十六年度の分を十分調査してみたいのであります。それから県外預金の銀行別金額と特利の受け入れ状況、これらと、特に問題になっており、検査課長も知っておられる帝国銀行、三菱信託、これの二十六年度から二十九年度までの年度別の預金金額。それから証券投資の銘柄別と金額、二十六年より二十九年までの年次別、証券取扱い会社の取扱い金額と裏金利の受け入れ状況、これらと調査になっておられる証券別日興証券、呉の第一証券会社、これらが具体的にわかれば資料として出ますかどうか。われわれの求めておるこういう資料がないと、この信連の系統外預金の特利の問題をつかむことができない。ここに問題があるわけです。われわれは全般の膨大な資料を要求しているのではないのです。この資料が出なければ、他の資料はおそらくわれわれがもらってもあまり重要でないと思う。それは聞けばわかりますから、この点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/32
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033・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいまの資料の件でありますが、私どもとしましては、検査をいたしております関係上、御指摘の資料は大部分持っております。ただこれを一般に公表するということになりますと、そこにいろいろ問題を起すということもございますので、これらの点につきまして、一般にこれが検査のほんとうの内容ということに相なって参りますので、これらの点を御説明をし、お話を申し上げるということにつきまして、私どもといたしては、これが外部に一般的な公表というような形にならないようにお願いをいたしたい、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/33
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034・佐竹新市
○佐竹(新)委員 この委員会を、特に国会議員をあなたが信頼されるかされぬかということになる。われわれはその資料をもらって外部にぶちあけて、新聞に発表したり、これを事にせんとするために資料を求めておるわけではありません。われわれは農村金融の円滑化、こういうような不安定な、定款を変更して、そして系統外預金をして、露骨に言えば特利かせぎをしておる、こういうことでは真の農民の金融になりません。そういう点に重点を置いておるのでございます。これは私が申し上げるだけではございません。昭和二十九年四月十三日の日本経済新聞の一面に載っておるのを資料として見たのでありますが、自粛から処罰へ、不健全競争に終止符という解説で、「金融引き締めから市銀間の預金獲得競争が激化し、特別金利で預金吸収をはかるなど強引な態度が目立ち、このため資金の正常な流れを阻害する傾向が強くなっていたが、十二日全金融機関に発した銀行局長通達は、これに終止符を打とうとするものである。大蔵省がこの趣旨の警告をしたのは四度目であるが、今までの通達がいわば自粛要望だったのに比べて、今回は責任者の自主的処罰を求めていること、大蔵当局としても違反事実を公表する態度に出たことなどの点で大きな差が認められ、金利正常化に対する大蔵当局の強い態度を示すものとして重視されている。特別金利が目立っているのは、銀行相互間の預金、大企業の預金、農業信用協同組合関係の預金などで、普通預金が中心となっているが、銀行相互間の普通預金金利は臨時金利調整法で定めた日歩七厘をはるかにこえ、日歩二銭から二銭四厘、定期預金金利は一年もの日歩一銭六厘の法定金利に対し、二銭二厘ないし五厘の高金利となっており、銀行と一般預金者間でも、臨時金利調整法で定めた定期預金(三ヵ月)一銭九毛に一銭九厘、六ヵ月もの一銭三厘六毛に二銭一厘という特利が出、このためたとえば本年農林中金に入るべき単位農協や県信連(信用農業協同組合連合会)の手元資金が特利につられて地方銀行に吸収され、営農資金の需要期を控えて農中をあわてさせていたものである。しかし、このような動きは金融機関全部に及んでいるわけではなく、都市銀行では一、二行、地域的には関西、東海地方で特に目立つといわれ、大蔵当局もこれらを重点的に取り締る意向である。特利による預金競争は市銀貸出金利の引き上げを招き、これがさらに企業のコスト面にはね返って物価引き下げ政策に逆行するようになるほか、法定金利をこえる利子は普通交際費、雑費の名目で損金に落しているので、これらの経費が実際以上にふくれ上って銀行経理を不健全なものにしており、今回の銀行局長通達はこの点の是正もねらったといわれている。」という昨年四月十二日の大蔵省銀行局長の四度目のきつい通達の解説がここに出ておるのであります。こういうような不健全な特利というものは、一般に相当大きな問題になっているわけなのであります。でありまするから、広島信連はこの特利をかせがんために定款の変更をしておるとわれわれはみなしておる。従ってまたそれの事実もわれわれは握っておる。だからこの問題が明らかにならない限り、農村の農民に対する円滑な金融というものはあり得ないわけであります。そこで経済局長は、大蔵当局でもこういう通達を出している、それをなぜあなたはそういう重要な面に対して、資料として提出されるのを拒まれるのであるかどうかというところに、われわれ疑問があるわけです。それをやらなくして、今のようなあなたの監督行政をやっておいて、そうして定款の二分の一を変更したことに対して認可を求めて系統外預金をされた、そういうようなことになりますると、農林中金というものは一体何のために国費を出しているのか、農林中金は必要ではなくなる。信連も必要じゃなくなる。だったら一般の銀行に農民は金を預けたらいいわけなのだ。特に広島県の信連の場合には、この間あなたは八分で逆ざやになった、こういうことを言われましたけれども、農林中金の支所は八が三厘を広島県連に支払っておる。そうすると何がために農林中金の系統を利用することが逆ざやになるわけか。ならない。そうすれば何がために定款を変更して銀行へ持っていって預金しなければならなかったかということは、これはもう言わずと知れた特利かせぎを目当てにしたということが明らかになっておる。この点をあなた方が検査されて十分についておられるかおられないか。そして一体どこの銀行へどれだけの金を預けて、その特利の計算はどういうようになっておるか。こういうことをあなたたちが資料によって数字を出されないと、この委員会でわれわれが幾ら調査の完璧を期さんといたしても、その一番根源をあなた方が拒まれたのでは、この委員会では何のためにあなた方に調査並びに資料の要求を求めたかわからぬではないか、この点について局長の明快な御答弁をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/34
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035・大坪藤市
○大坪政府委員 広島信連がいわゆる中金を利用しないで、系統外の金融機関に多分に依存度がありまして、農業協同組合系統金融機関としての機能を十分に発揮していないという点につきましては、ただいま御指摘の通りでありまして、私どもといたしましてまことにこれは遺憾に存じておる次第であるのであります。従いまして検査におきましても、その点を強く要望いたしたのでありまするが、相手方、広島県の信用組合連合会といたしましては、今まで、いわゆる定款変更をいたしましたときの経緯の事情もあると思いまするが、ある程度有利な金融に回すことが、すなわち信用組合連合会としたら一つの方法であるという、いわゆる自負心と申しまするか、そういうような点があったやに見受けられるのであります。そのとにつきましては、私たちといたしましては、それはまことに筋違いであって、系統金融機関というものは、原則としてこれを系統に流すべきである、そういう考え方は間違っているという点を強く主張いたしまして、相手方の反省を促しておるのでございます。ただこの点につきましては、相手方の方におきましても十分反省の模様があるのでございまして、私どもといたしましては、今後さらにこの点につきまして遺憾のないように指導をいたして参りたい、かように考えておるのでございます。検査の内容につきましては、検査課長より詳細に御報告申し上げたいと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、いろいろ秘密にわたると思われる事項もございますので、これらの点につきましても適切な方法をもしおとり願えるのなら、おとり願った上で内容を説明いたしたい、かように考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/35
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036・芳賀貢
○芳賀委員 ただいまの佐竹委員の質問に関連してでありますが、佐竹委員と大坪局長の今の質問応答の内容を聞いておると、佐竹委員が要求された広島信連に対する検査書の内容を資料として提示されたいという点に対して、検査の内容について一部これを秘密にしなければならぬ点があるという点にむしろ問題が今停頓しておるように私は考えておるわけであります。
それで大坪局長にお伺いしたい点は、これは金融機関が預託人等に対する預貯金等の秘密を保持しなければならぬという立場の上に立っておる、であるから検査の内容等に対しても、その部分に対しては公開の会議においてこれを説明することをはばかるというような意味にも聞えるわけです。何らかの方法によってという御発言もありますので、これはたとえば当委員会においてはこれを秘密会等にして、その部分に対しては秘密会においてこれの内容を明確にしたい、そういような御意図があって今の発言をされておるのか、その点をもう少し明確にしていただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/36
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037・大坪藤市
○大坪政府委員 それらの点につきましては、私どもとして申し上げることをはばかりましたので差し控えたのでありますが、もしそういうことが委員長のお取り計らいでお許しを得るということであれば、そういうふうにしていただいた方がよりけっこうじゃないか、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/37
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038・芳賀貢
○芳賀委員 それでなお一点申し上げておきたい点は、農業協同組合の場合における系統以外の機関に預貯金をする場合においては、もちろん総会の議決が必要になってくるわけです。総会の議決を経て、そして初めて総会が認めた金融機関に預貯金ができるわけでありますが、当該協同組合の総会等の場合において、構成員である組合員から、系統以外の金融機関に対して幾ばくの預託を行なっておるかというような質問がまま生ずる場合があるわけであります。こういう場合においては、当然協同組合といたしましては、総会の席上において総会が議決した金融機関に預託をした内容等に対しては、やはり明らかに答えなければならぬことになっておるわけでありますが、これらと関連して、その点は局長はどういうような理解を持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/38
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039・大坪藤市
○大坪政府委員 総会等におきましていわゆる決算なりあるいは預託貸しなりの範囲を限定いたします場合に、組合員からいろいろそれらの問題につきまして、預け先なりあるいは預けておる先の金額というものにつきまして質問がありました場合には、当然理事者側としましてはこれは明らかにすべきものであると考えるのであります。ただ私どもの検査しておりますのは、役所として、いわゆる団体に対して検査をいたしておるのでありまして、組合対組合員の問題とは多少そこが違うのじゃないかと思うのであります。つまり相手方である連合会に対しまして、しかも法律に基きまして調査をいたしております。その調査をいたしました結果につきまして、いろいろな方面から尋ねられることもあるのでありますが、検査の結果につきましては、原則としてこれを知らせないという建前をとっておるのでありまして、これらにつきましては、そこに多少の事態の相違があるのではないか、かように考えておるのであります。組合が組合員からそういう問題等を尋ねられた場合においては、当然理事者側といたしましてはそれを明らかにすべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/39
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040・芳賀貢
○芳賀委員 これは参考になる事例でありますが、昨年の農林委員会において、肥料需給安定法の審議をした場合において、硫安のコストに対する正確な資料を要求したわけでありますが、これは言を左右にして当委員会に資料を出さなかった。それでこれは衆議院においても参議院においてもそうであったかと思いますが、当時は国会法の百四条の規定によって手続を行なって資料の要求をしたわけであります。この条文の内容は局長も知っていると思いますが、これは「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」ということが明確に規定されているわけであります。その当時も硫安メーカーの経営者の利害に関することであるからというので、なかなかこれは出せないというようなことでありましたが、国会法百四条によって要求をした結果、ついにこれを秘密会において資料を出すことを認めてもらいたいというような事例が一つあったわけでありますが、この経緯からいっても、何らかの方法において国会の要求というものに対しては、政府はこれにこたえるべきであると考えるのでありますが、先ほど局長から秘密会において表明したい旨の意思表示もあったようでありますが、この点に対して委員長から適当にお諮りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/40
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041・佐竹新市
○佐竹(新)委員 私も秘密会にして資料の要求なり検討をすることには異議はありません。ただこの機会に申し上げておきますが、先般も申し上げましたように、農協法の第九十四条の一によりまして監督の規定が十分に施されておりますので、そこで農林省は監督行政の立場から九十四条の第二項の定款の変更、業務執行の変更その他監督上必要なる命令を出すことになっておりますが、先ほど経済局長は、広島信連は非常に遺憾の意を表しておったというように言われましたけれども、先般の本委員会におきましても申し上げましたように、五月十三日に検査を終って、十四日に単位農協に出している通達というものは、決して恐縮したり、反省したりしたものではありません。何ら監督検査の結果においてはやましいところはなかった、組合員諸君は心配をしてくれるな、巷間伝うるところのいろいろなデマが流れているがというようなことを言っているのは、あたかも私のこの委員会における発言をさしているものだと思いますが、私は国会においては、こうした全般的な農林金融のあり方の問題について農林当局に質問をし、調査をしているわけであります。こういう点からいいましても、決して反省や、また信連として今後いろいろ改めたいという考え方はごうも持っておらないわけであります。その後におきましても、あなた方が検査された後にいろいろ公表の中にもあるように、支所が多いと言っているにもかかわらず、千五百万円もの膨大な支所を作ったりしている。ほんとうに独裁的な考え方を持ってやっているわけであります。いくらあなた方がここでどう言われましても、これは尋常一様ではいかないと私は思う。監督権の発動に対してあなた方は最後的にどういうように考えておられるのか、いわゆる模範定款の変更を命令することは明らかに行政上の措置でできることになっておりますが、そういうことをやられる意思があるのかないのか、この点を一つお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/41
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042・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいまの御意見の点でありますが、私どといたしましては、検査の結果につきましては、相手方に対して質問状を発しまして、それに対して答弁を求めておるのであります。この中にいわゆる信連の系統外融資というものが非常に多くて、信連自体の本来の目的であります系統金融、これを具体的な言葉で申し上げますれば、少くとも半分以上くらいは系統機関でこれを運用すべきであるという模範定款の精神に反しているものである。これははなはだ遺憾である、猛省をしてもらいたいということを申し上げているのでありますが、これにつきまして相手方の近く正式に答弁書が参ることに相なっているのであります。その答弁書によりまして私どもといたしまして処理をいたしたい、さように考えているのであります。できることならば行政指導でこれを処理して参りたいと考えているのであります。先生御承知の通りに、私どものやり得る限界といいますのは、法律上も一定の制限があるのでありまして、またそういう制限がないにしましても、法律一点張りで処理していくということはいかがかと思いますので、できることならば行政指導ということで先生の言われるような方向に持って参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/42
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043・佐竹新市
○佐竹(新)委員 大体了承しましたので、委員長に申し上げますが、秘密会において資料を提出してもらいたい。そこで十分資料の検討をすることについて、秘密会を早急に行なっていただきたい。これをもって私の質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/43
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044・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 それでは委員各位にお諮りいたします。検査概要以外の佐竹委員の御要求になっております細部の事項につきましては、秘密会によりまして詳細に内容を検討することに御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/44
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045・淡谷悠藏
○淡谷委員 その趣旨は根本において賛成するものでございますが、私がこれから質問しようとしております福島県田人の農協の不正と思われる事件につきまして、同じようなケースが出て参ると思いますので、できますならばこれもなお審議を続けまして、必要がある場合は秘密会にされるようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/45
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046・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 さよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/46
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047・芳賀貢
○芳賀委員 ただいま委員長の御発言は、われわれ委員側から秘密会を必要とするというのではなくて、政府側においてこの部面に対して秘密会に移して、資料を提供するという要請があった場合には、われわれは秘密会を認める、そういうお取り計らいを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/47
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048・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 これは委員各位もすでにお聞き及びの通り、大坪局長からもしばしば、もし委員会でそのようなお許しを得れば秘密会を開いていただいて、その際に詳細に御説明申し上げたい、こういう御発言もございましたから、委員各位の御了承を得ましてさよういたしたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/48
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049・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 それではさよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/49
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050・淡谷悠藏
○淡谷委員 この前の委員会におきまして、福島県石城郡田人村の農協につきまして、営農資金の使用上の不正、分配上の不正並びに利子に関する件、飯米配給等について質問いたしましたが、金融課長がかわったという理由で何ら的確な御答弁を得ませんでした。もうすでに十分調査も遂げられていると思いますので、詳細に私の質問についてお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/50
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051・大坪藤市
○大坪政府委員 その点でありますが、実は金融課長を今日呼んでおくべきはずだったのですが、私から概略聞きましたところでは、あまりそういう的確な証拠は見受けられないが、目下調査中であるということで、今日実は金融課長を呼んでいなかったものですから、詳細なる御説明を私としてはいたしかねるのですが、この次の機会でも御答弁申し上げるということでお許しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/51
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052・淡谷悠藏
○淡谷委員 まことに心外な御答弁です。これは昨年の災害に関する営農資金の問題です。もうすでに配付を受けている人間があるのに、あの災害を受けた農民が配付が受けられずに困っている。しかも新しい災害が東北地方に順次出て参りました。この営農資金などもまたこの委員会で審議しなければならない。あのときから何日たったと思います。しかも一回は人がかわったかもしれませんけれども、金融課長の名前において答弁がなされている。それをいつまでもこのまま延ばしておくのであれば、貸付を受けられぬ被害農家は一体どうして生活をしますか。もう少し災害農家の身になってお考えいただきたいと思います。即刻やらなければならない。すでに調査はできていると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/52
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053・大坪藤市
○大坪政府委員 金融課長から次の機会に詳細に御答弁させていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/53
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054・淡谷悠藏
○淡谷委員 遠いところでもないのですから、すぐ金融課長に来てもらって御答弁願いたいと思います。延ばしておかれる問題ではありません。事態によっては刑事問題等も発生するような事件でございます。あなたが考えているように、不正がないようであるとかなんとかいう問題ではないのです。私の方では確実な資料を持っておりますし、人の名前等もあります。それはそれとして、不正がないというのであれば、私はこの疑いを農林省自体に持っていかざるを得ない。重大なことでありますから、即時私は金融課長のお呼び出しを願いたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/54
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055・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 連合審査会開会申し入れの件につきましてお諮りをいたします。ただいま商工委員会において審査中の中小企業安定法の一部を改正する法律案は、農林水産物等について現行の適用範囲を拡張しようとするものであり、本委員会と重要な関通がございますので、連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/55
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056・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/56
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057・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 なお愛知用水公団法案につきまして、去る六月二十二日商工委員会より連合審査会開会の申し入れがあります。つきましては、本案につきましても連合審査会を開会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/57
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058・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 御異議なしと認めます。
なおただいまの両連合審査会の開会の日時等につきましては、関係委員と討議の上公報をもってお知らせいたします。
暫時休憩いたしまして、午後は一時半に再開いたします。
午後零時二十分休憩
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午後二時四分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/58
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059・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 これより午前に引き続きまして、農業協同組合の事業運営の問題につきまして調査を進めます。淡谷悠藏君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/59
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060・淡谷悠藏
○淡谷委員 午前にお答えを得られなかった金融課長の私の質問に対する御答弁をまずお願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/60
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061・大坪藤市
○大坪政府委員 ただいま淡谷先生より御質問になりました点につきましては、先回の委員会におきまして直ちに調査をするようにというお話でありましたので、直ちに電話をもちまして県に連絡いたしました。県で調査をいたしました結果を翌々日でありましたか、報告して参ったのであります。詳細の内容につきましては金融課長より御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/61
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062・和田正明
○和田説明員 福島県石城郡田人村の件につきましては、県の係官が六月の七、八両日現地に参りまして調査をいたしました結果について、六月の十日でございましたか、報告がございましたので、その報告に基きまして御説明を申し上げます。
日本農民組合の総本部からの御質問の第一点は、昭和二十八年の冷害の営農資金が、田人村につきまして七百三十四万四千円の割当があったが、実際には六百二十六万余だけを貸付をして、その他の部分については県信連の借金の穴埋めに使っておるという問題点でございます。この点につきましては、調査をいたしましたところ、貸付証書が県信連へ担保として入っておるわけでありますが、その集計は七百三十四万四千円になっておりまして、その村への貸付のワクを、個人に貸付をせずに、他に流用をしたという事実はないという報告でございました。
第二点は、利子につきまして三分五厘の利子につき一分の手数料をとって、四分五厘で貸し付けておるということを、田人村の農協の専務理事が話をしたがその点はどうかという問題でございますが、この点につきましては県の係官が、個人に貸付をいたしました証書について、一々利子計算をいたしましたところ、やはり法律上も三分五厘の貸付利率になっておりまして、四分五厘にはなっておらないようであります。これは農協の専務理事の話の仕方が悪かったか、あるいは聞かれた人が誤解をされたのだと思いますが、法律制度といたしましては、農協は貸付の手数料として一分の利ざやをとってよろしいことになっておりますが、それは国から参りまする利子補給で補われる性質のもので、三分五厘の外に一分出るということではなくて、農民から支払われる利払い三分五厘のうちの一分が、農協の手元に手数料として残るという、内輪の問題を外輪に四分五厘になるというふうに誤解があったのではないかということを県の報告は伝えております。
第三点は、三反歩以上の農家でなければならないし、また貸付を受けたものが村長や農協の役員その他の有力者で十万から十六万に及んでおって、実際に貸付を受けたい人に貸してないのではないかというような御趣旨の問題点があったわけであります。この農協の組合員数は約六百人ございまして、当時二十八年の冷害資金の借り入れを申請いたしましたものは二百四十六人おるそうであります。そのうち貸付の実施を見ましたのは百七十八名でありまして、差引六十八名が申請をしたが貸付を受けなかったという数字に相なっております。ただこの六十八名中五十九名は、一度申請書を出しましたが、その後自発的に引き下げをいたしておりますので、自主的には申請書の引き下げをいたしませんでした九人だけが、申請したにかかわらず貸付を受けられなかった実数のようであります。なおこの村の農協が営農資金の貸付をいたします場合の条件としては、三反歩以上の農家でなければ貸さないということではなくて、次の三点の条件をつけておったようであります。第一点は、貸付を受ける人が農業協同組合の組合員であるということ、これは当然のことだと思いますが、第二の条件は、従前農協から金を借りて、それが焦げつきをしておるような場合にはその借金を返済してからでなければ貸付をしないという条件、それから第三は、その村での経営状態その他から考えて、将来償還の見込みがやや薄いような人については、組合の指定する保証人を三人立ててほしいという、三つのことを条件にしておりまして、三反歩未満は貸さないとかいうような条件はつけておらないようであります。ただ国の全国的な指導方針といたしまして、個人による連帯保証制度による貸付ということを伝えておりましたので、貸付は各部落ごとに部落の貸付を受けますもの全員が連帯保証をして貸付をいたしますように指導をしておったわけでありますが、それだけでは不安なので、信用力の乏しい農家については、組合が別途に三人の保証人を立てるということを要求しておるという点が、保証の問題につきまして国が指導しております一般方針より若干違ったわけであります。この貸付の実施を受けました百七十八名中、十万以上の貸付を受けております農家は十五名、約一割足らずでございます。そのうち一人だけが十六万の貸付を受けておるのでありますが、この農家は被害額が二十五万円でありまして、共済金の支払いが四万ございますので、被害額と共済金との差額だけが貸付をしてよろしいという法律制度でございますので、差引二十一万円が貸付融資の可能ワクになります。しかし法律では被害額から共済金を引いた金額か、あるいは一戸当り十五万円か、いずれか低い方の額を最高限度とすると申しておりますると申しておりますので、この場合には十五万円が最高限度であります。ただその農家が家畜の飼育をいたしております場合には一戸当り三万円を加えて十八万円まで貸付が可能であるという制度が法律的にございまして、その十六万円を受けました農家は家畜を一頭持っておりますので、法律制度としては一戸当り十八万までの貸付が可能でございますので、十六万借りております農家も法律制度上には特に違法であるという事実はないようであります。
それから次に、貸付申請を出して辞退をした五十九人は別といたしまして、最後まで辞退をいたしませんでした九人が貸付を受けておらないわけでありますが、これは一つの部落の人でございまして、旧債が焦げついておるという事実もなく、また信用度が低いので別途に保証人を立てなければならないという種類の農家でもないのでありますが、部落の連帯保証をとります建前上、部落の長と申しますか、部落の代表者がその部落分を取りまとめて農協に申請書を提出いたすのでありますが、この九人につきましては貸付をしてほしいという申請だけでありまして、個人別に幾らほしいという金額の明示もなく、またこの営農資金の貸付を受けました上で何にその金を使用するのかということについても詳細な資金使用計画が添付されておりませんで、貸付の手続上不備がありますので、定められた様式によって個人別に金額は幾ら幾らであり、またこれはこういうことに使用するのだという使途の明細を明らかにして書類上の様式を整備してほしいということを、当時の農協の係官が申したようでありますが、その点について専務理事からも、再三その部落の代表者に対して注意をし催促したのでありますが、貸付の最終期限までにこの部落の九人については金額も明示されず、またその用途も明示されないまま貸付の最終期限を経過いたしましたので、やむなく貸付が実施できなかったという報告が参っております。大体以上の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/62
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063・淡谷悠藏
○淡谷委員 今の報告に基いてなお質問を続けたいと思いますが、県信連に入っておりますこの貸付証書というのは、個人々々の貸付証書でございましょうか。それとも農協が農協の名前で差し入れておる貸付証書でございますか。その点を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/63
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064・和田正明
○和田説明員 信連が農協に金を貸します場合に担保として取りましたものでありますから、個人々々の貸付証書でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/64
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065・淡谷悠藏
○淡谷委員 その貸付証書の内容は具体的にお調べになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/65
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066・和田正明
○和田説明員 県の係官が調査をいたしまして、信連に担保に入っておりますものの集計をした数字が、県がその村に割り当てましたワクと同額であったということを報告して参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/66
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067・淡谷悠藏
○淡谷委員 農協と信連との関係さらに農協と個人、組合との関係というものは、決してそのように簡単なものじゃないのであります。この組合が県信に対して若干の未納金のあったことは金融課長御存じであるかどうか。特に農協等によりましては、判を預かっておいて、本人には知らせずに二様の証書を取っておる例がしばしばございますが、本件に関してその点をお確かめになったか、お伺いをいたしたい。個人から取り立てます証書とさらに県信に担保として差し出す証書とが違う場合が往々あるのでございますが、本件につきましてこの点までお調べになったかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/67
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068・和田正明
○和田説明員 今お尋ねの御趣旨は、農協に印鑑が預けてあって、本人の知らないうちに借金になっておるということを言っておられると思いますが、そういう印鑑が農協に個人々々として預けてあるかという点までは詳細には調査はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/68
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069・淡谷悠藏
○淡谷委員 問題はそこにあるのであります。今日の協同組合の専務理事とか組合長とかいうものは、県信に対しても農林省に対しても、決してそんな甘い穴のわかるような仕事はしておりません。書類の面では一分のすきもないようにごしらえておきながら、実態においては驚くべき不正事実が行われておりますのが今日の実態なのであります。問題があって書類をもって質問を出しております場合に、通り一ぺんの一まとめにした書類だけで答弁なざるということは私ははなはだふに落ちない。しかもこの質問書には、県信がはっきり未納金があって貸し付けした額とこの村に割り当てられた額とが違っておる事実を指摘して質問しておるのであります。こういう違いが一体どこで現われたのか、もっと根本的にお調べになる意思があるかどうか、はっきり伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/69
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070・和田正明
○和田説明員 先ほどこの田人村の農協が県信連に対して借金があった事実を知っておるかというお話でございましたが、これは終戦直後ごろの木炭の統制時代に、木炭の集荷代金で借り受けました百四十五万円程度のものが、その後引き続き焦げつきになって、県信連への債務として残っておりましたことは、調査の報告にもございます。
それからこの農協は、例の農協の再建整備法という法律によりまして、再建整備の指定組合になって、二十八年度から若干成績が向上いたしまして、少しずつ黒字を出しておる組合であるという点についても承知をいたしております。
なお国の指導といたしまして、営農資金の貸付をいたしました場合には、これを個々の組合員の預金として、従前の貯金とは別個の口座で貯金をさせまして、その貯金の中から、肥料を購入するなり農薬を購入するなり、必要の都度引き出しをして、むだな消費に充てることを防ぐよう指導をいたしておるわけであります。この組合におきましても、当初約七百三十四万四千円が別個の口座で、個人の名前で預金になって、今日までなっておりまして、その中から逐次必要に応じて引き出しておるわけでありますが、この六月八日現在までに残金が百七十万円残っております。そのほかにこの預金口座に、その後約六、七十万円のものが別途に貯金をされておるわけでありますが、それはこの村が家畜の導入ということをこの災害以前から計画をいたしておりまして、災害後にも相当の家畜が村全体の計画として導入されたりしておりますので、それらによる収益等をこの口座に預金をしたものと思われますが、今日まで二年経過いたしまして、なお預金の残高が百七十万円も残っておるということは、営農資金としての貸付の本来の目的を果していない金額でございますので、この部分については繰り上げ償還をし、国の利子補給を停止することとして、繰り上げ償還の措置をとるように指示をいたしたわけであります。
県から報告をして参りました点は大体以上のようなことでございますが、さらに徹底的に調査をしろというお話でございますが、以上の御報告で不十分な点につきましては、なお詳細に調査いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/70
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071・淡谷悠藏
○淡谷委員 さっき伺いましたときには、七百三十四万四千円という額が全部貸付証書になって県信連に入っている、しかも貸付を受けた者が使わないで、一年たって百七十万円県信に残っておるという事実ですな、こんなばかげた営農資金てありますか。みんなあすの飯米に困って借りておる金が、一ヵ年間百七十万円も使われないで残っておる。これだけでも、県信と農協と、農協と農協組合員の中に何らかの不正があるということはわかっているじゃありませんか。しかもこの農協は、県信には百八万円の借金があった。これが差し引かれまして、これは預金の形か何か知りませんけれども、事実上農民に配給になりました貸付金というのは、六百二十六万円しかないのであります。その点に私は大きな疑問を持ちます。これは県信に差し出された証書だけでは信用ができない。少くとも農民個々についてもっと詳しい調査が必要であると私は考える。
それから、家畜導入等のお話もございましたが、この営農資金は家畜導入などに使ってもよろしいという考えかどうか、この点を確かめておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/71
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072・和田正明
○和田説明員 第一点の問題でございますが、私が冒頭申し上げましたように、七百三十四万四千円については、とにかく個人への貸付証書もありまして、金額は合っております。で、百七十万円が二年たった今日までなお別段預金として残っておるという点につきましては、農協と信連の関係ではなくて、農協と農民との間の問題でございますが、こういう金額が二年たった今日なお残っておるということは、この農協の貸付があるいは貸付を申請した申請者が、適切でない貸付を受けたということは御指摘の通りで、従って、ただいま申し上げましたように、適当な貸付と認められないから、繰り上げ償還をするとともに、利子補給の措置はこの金額についてはとらないからということを県に指示をいたしたのであります。
なお家畜導入の問題については、この融資の問題とは別に直接関係はございませんで、ただこの田人村では、災害前から有畜酪農に切りかえる必要があるということで、和牛五十頭、乳牛五十頭の導入計画を考えておりましたということと、そういうことで百七十万円という別段預金の残額のほかに、この預金口座に別途に個人の出を集計すると六、七十万の追加の預金が出ておるけれども、それは営農資金と関係はないので、営農資金の残高としては百七十万円あるということを申し上げただけで、この家畜の導入が営農資金でなされたということを申し上げたのではございません。
なお、家畜の導入を営農資金ですることが適切かどうかにつきましては、一般論としては必ずしも好ましくはないということで指導をいたしておりますけれども、個々の場合によっては、たとえば農地が災害を受けまして、復旧いたしましても反収が当然落ちるわけでありますが、その反収をカバーいたしますために厩堆肥を取るということで家畜を導入するというような、個々具体的なケース・バイ・ケースで考えて、罪のないものはある程度認めてやろうじゃないかという程度のことは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/72
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073・淡谷悠藏
○淡谷委員 私は、農林省の金融課長から、大蔵省の金融課長のような答弁は期待いたしません。農協と組合員との間にさまざまな不正が行われまして、農民が非常に不満を持っておる。そのしわ寄せが農協と信連との間に参りまして、百七十万円の残った金がある。だからこの百七十万円の金を引き揚げてしまえばそれで大体結着がつく、こんな簡単な考えでは、私は農林省の金融課長とは思えない。百七十万円の金を末端の農民がどんなにほしがっておるかわからないのであります。そこにこの問題を取り上げまして、今後の災害融資の関係もありまするから、従ってもう一段徹底的にこの問題を、不正を究明する必要があると私は思います。特に今おっしゃる通り、営農資金を、原則としては牛の導入などに用いてはならないということは明らかなんであります。それを、かなり多くの牛の導入が行われておって、ほんとうに困っておる農家には貸付がされない、こういう事実があるのですが、この牛の導入に充てられた金がどのくらいあったのか、お調べになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/73
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074・和田正明
○和田説明員 第一点の御質問につきましては、先般御質問がありまして、直ちに調査をさせましたときに、私といたしましても、不適切な貸付が行われておるならば、その村の融資のワクの中で、ほんとうに貸付を望んでおる人に今から移しかえることが可能であるかどうかということについても、法律論として十分検討してみるという心がまえで調査をいたしたのであります。しかし非常に残念ながら、二十八年度の冷害に関しまする営農資金の貸付の法律によりますると、貸付の期限がすでに経過をいたしておりまするので、今からこの百七十万円の貸付を村内へ再配分をさせましても、あの法律にいう営農資金に該当いたしませんので、県にも強く指示をいたしまして、今後こういうあやまちを二度と繰り返さないように、今後の営農資金については十分な指導をしてほしいということを強く要望をいたし、また私どもとしても、今後このような不適切な貸付がなされませんように監督を十分にいたして参りたい、かように考えております。なお導入資金については、この金額の中から幾ら割り振られたかということははっきりわかりませんが、二十八年度以降和牛乳牛を加えましてこの村の牛の飼育頭数は五十二とふえておるようであります。農協の話によりますと、それに要した経費は二百七十万円ということを報告しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/74
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075・淡谷悠藏
○淡谷委員 この問題を追及いたしますならば、むしろ今の課長の答弁にある通りですが、この百七十万円という金を貸付を受けたい農民に貸し付けないで、不適当なものが貸付を受けて、それが貯金の形で入っているのか、ここに重点がある。さっきの御答弁では、貸付された人全員が出ておるようでございますが、この百七十万円というのは、課長の考えでは、貸付されたものが農民からさらに貯金として吸収されたものか、貸し付けないで直接に農協から県信連の方に入ったものか、どう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/75
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076・和田正明
○和田説明員 百七十万円という金額は、先ほど申しましたように、個人への貸付として事実貸付証書もあり、ただその貸付をしましたものが、全部の農民が一応その金額を別段の口座で預金をすることを指導いたしておりますので、それが全部当初の預金としては個人の名前で七百三十四万四千円という貸付証書があるのでありますが、貸付を受けた上でその貸付を受けた金額がそのまま別段預金として口座が設けられ、それから逐次個人的に払い出されて参ったのでありますが、残額の集計をすると百七十万円残っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/76
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077・淡谷悠藏
○淡谷委員 県からの回答は、県のだれの責任での回答でございますか、その回答者の名前と職名をはっきりお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/77
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078・和田正明
○和田説明員 福島県の農業協同組合の三浦主事というのが報告に参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/78
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079・淡谷悠藏
○淡谷委員 課長はその報告をそのまま信用なさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/79
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080・和田正明
○和田説明員 私どもが疑問といたします点につきましては、その後も数度電話その他の連絡で、その当初の報告につけ加えていろいろ疑点をただして参ったのでありますが、それを集大成して先ほど御報告を申し上げたのでございます。なお百七十万円の預金の残高と農協の県信連に対する借金の額とがほぼ見合っておるというようなことも、事実数字的に出て参るわけでありますが、そこまで追及をいたしましても、おそらく農協に県が出かけましても、そういうはっきりしたことは農協からは得られないと思いますので、大体この預金残高が今淡谷委員のおっしゃいますように、信連の借金の返済に充てられたのではないかという想像ができる程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/80
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081・淡谷悠藏
○淡谷委員 そんなだらしのないことでこれからどんどん出ていく金が扱われますか。そんなざまだから全国の農協の人が出てくるのです。一例を申し上げましょう。田人村の農業協同組合の専務理事の小野文吾という人間は、田を幾ら作っていますか。その職にあるものは調べたことがありますか。私らの方では調べている。この小野文吾という農協専務理事が一体幾ら作っていますか。貸付は十一万五千四百円でございます。反別は幾らですか。少くとも不正の事実があるといってはっきり項目をあげてわれわれが要求しているのに対して、一体何と無責任な御答弁ですか。自信がないじゃないですか。農協の専務理事という重職にあるものが十一万五千幾らも借りておいて、田畑を何反歩作っているのですか。それくらいの調査をしないで何をやっているのです。一体何日かかっているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/81
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082・和田正明
○和田説明員 貸付を受けました百七十八名の個々について、経営面積が幾らであるかという詳細の点までは調査をいたしておりませんので、専務理事が現在何反歩経営しておるか詳細存じませんが、十万以上の貸付を受けました十五人の農家のうち、農協役員が九八もあるという事実は、県の報告から聞きまして、先ほど申しましたように、貸付を受け得なかったものについては適正な配分ができるように法律制度的にいろいろ検討いたしてみましたけれども、その場合については不可能であったわけであります。非常に調査が粗漏であったというおしかりでございますが、今後十分注意をいたしまして、こういう事件の起らないように指導いたして参りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/82
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083・淡谷悠藏
○淡谷委員 いかに今の内閣が謝罪好きかもしれませんけれども、一金融課長のあなたまでがあやまって、今後そういうものは出しませんでは承知できません。今まで何日かかったか知りませんが、あなた方ができなかった調査を教えて上げましょう。小野文吾という農協の専務理事は一つも作っておりません。耕作反別はゼロです。借りた金は十一万五千四百円です。森林組合理事の円部という男は六反五畝で十二万七千円、村会議員緑川という男が一町六反五畝で十四万五千円、農業委員長緑川という男は一町二反で十四万五千円、村会議員の櫛田勇という男は九反五畝で八万円、映画館主の蛭田年男という男は一反八畝で九万九千円、ほとんど純農家を離れておるこういう連中が、あなたがおっしゃる通り、九人も十人も十万円以上借りた。こんなはっきりした調査がわれわれの手によってわかっておるのに、その専門であるべき農林省が、今まで何日かかっても一つもわからないということがありますか。将来こういうことは出しませんという一片の謝罪では許されません。徹底的になぜこれを追及しないのか、一体これから追及する意思があるのですか。あなたの御答弁は言い次第ぼろが出てくる。そこに県信連と農協、農協と組合員との間に、いろいろの書類は完備しておっても、許すべからざる不正がやられておるのに、あなたは一つも事実の究明をしていない。この前は課長がかわったからと言って逃げておる。今度はただ何とかいう県の主事に電話連絡をしたと通り一ぺんの報告をして、何ら徹底的な究明が行われていない。こんな形で見過すなら、今後の農協の金融の上に重大なときがくると思います。この点をどう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/83
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084・和田正明
○和田説明員 先ほど申し上げましたように、二百四十六名の申し込みのうち、貸付を受けた者が百七十八人であって、そのうち十万以上の大口金額の中で農協役員が九人もおるということとか、あるいは二年後の今日まで預金残高が百七十万もあるというようなことから、ただいま個人々々の名前をあげて御指摘になりましたような事実から、不適切な貸付をいたしておったであろうということは想像ができるわけでありますが、なお私としても、別に三浦主事の報告をそのままうのみにしたとかどうとかということではございませんが、おっしゃる通り、この村について不適切な事があったということは事実として認めて参らなければならないと思います。これにつきましての今後の処置としては、先ほど申し上げましたようなことでございますが、今御指摘のような点についてはさらに詳細調査をいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/84
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085・淡谷悠藏
○淡谷委員 あなたは最初のお答えでは、不正事実はないように思うと言う。今になって追及されると、こういう不正事実があるようだから、なお徹底して調査をする、どっちが一体ほんとうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/85
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086・和田正明
○和田説明員 最初に私が申し上げましたときは、不正事実があるとかないとかいうことは申し上げなかったつもりでございます。ただ買付については形式的には整っておるという趣旨でお答えを申し上げたのでありますが、先ほど来申しておりますように、預金残高が百七十万円あるとか、その他非常に大きな貸付者が農協の役員に限定されておるとかいうことは、適切な貸付が行われていなかったということを裏書きしておることは事実だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/86
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087・淡谷悠藏
○淡谷委員 今のお答えでは、はっきりあなたは不正を認めておられる。従って県信へ入った証書だけでは私は満足できませんが、県信へ入った証書の写しを私は資料として要求いたします。私の方では貸付を受けた人間の名簿ができておる。これは決して単なる一片の役所の文書ではありません。個個の農民について調べた数です。なお利子の点についてもわれわれの方ははっきりした証拠を持っておる。あなたの方で調べ上げられた貸付をされた人人と、実際の貸付の面とが食い違っておるとすれば、農協がどこかで借金証文の偽造をやっているのです。そういう点に対する疑義をお感じになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/87
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088・和田正明
○和田説明員 個人別の貸付金額あるいは貸付証書として信連に入っておるものの写し等至急に取り寄せまして御報告いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/88
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089・淡谷悠藏
○淡谷委員 私はこの問題は、その資料が整備をしてからなお追及したいと思いますけれども、そのついでに村で貸付をしましたその内容であります。牛導入のためには幾ら一体貸付をしたのか、金利はどれだけになったのか、農協についても徹底的な資料の引き上げをされたい。なお飯米なども延納を認めております。飯米に対して延納を認めないで、現金売りをして、ごく少数の者だけこの飯米の貸付を受けた事例があります。それもこの前に質問いたしましたが、お調べになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/89
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090・和田正明
○和田説明員 飯米の貸し出しの問題につきましては、食糧庁の方で福島県の食糧事務所を通して現在調査を進めておるということを食糧庁の方から聞いたのでありますが、安売りあるいは延納を認めますワクは、最初概算で県に出しまして、その後実際に配給をいたしまして余裕が出て参ります場合にはそれを一般配給に振り向けて、その差額代金を国に返納する建前になっておるそうであります。福島県におきましては、二、三の村についてそういう認可をし、また代金の返納を受けたそうでありますが、この村については農民組合からの証書が参りますまでの間には、一般配給に振りかえる旨の申請がなかったということで、現在食糧事務所がこの農協に参りまして、帳簿その他について、実際に配給数量等を調査しておるということを食糧庁の方から話を聞きました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/90
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091・淡谷悠藏
○淡谷委員 この前の質問で、私この事例は詳しく述べて質問しておる。それを調査しておりますとかなんとか言っておったのでは証拠の隠滅ですよ。書類を作ることは農民よりも役場の職員あるいは農協の職員たちはうまいでしょう。まごまごしているうちに全部証拠を隠滅して、また書類上ちっとも不正はございません——こんなことで一体はっきりした農協運営の調査ができますか。私はこの米の材料も押えておりますけれども、あなたの方でお調べになったこの貸付米の行方をやはり資料として出していただきたい。こういう点なども早くてきぱきとしなければ、農村を救うという営農資金の目的や延納米の目的は死んでしまいますよ。今日農林省が災害に対して予算をとれないということを口説いておる、さまざまにぐちを言っております。それだけぐちを言うならば、なぜ貸し出した営農資金や延納米に一点誤まれる点があれば、峻厳にこれを追及するという熱意を示さないのですか。そんなのんきなことでどうしてこれからの災害が救われますか、どういうお考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/91
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092・和田正明
○和田説明員 米の問題につきましては、食糧庁の担当課を通して調査が進められておりますので、食糧庁の方に話をしまして資料の提出をしてもらいます。
それから一般的の営農資金の貸付につきましては、昨年来金融課でもそれぞれ各地方に担当官の派遣をいたしまして、現在までに相当数の村について貸付の実際の調査をし、その善導に努めて参っておるわけでありますが、今後とも引き続いて現地に出かけまして調査をし、また県の協力をも得まして、正当適切な貸付が迅速にできますように指導を強化して参るつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/92
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093・淡谷悠藏
○淡谷委員 なおこの資金の貸付条件等につきまして、あなたがお調べになったのと私たちの調査との間で食い違いがありますが、三反歩以上の農家でなければ貸付をしないということははっきり信用調査委員が決定されておる。これは一人や二人の話ではございません。事実は今言った通り、農協の専務理事が一つも田畑を作ってないのに十一万も貸付を受けた、二反歩、三反歩という映画劇場の連中までが数万借りておる、これを糊塗するために貸付条件さえ変えておる。これに対してはただ県庁あたりの調査でなくて、直接被害を受けた農民を委員会に呼んで、そこで参考人としてその実情をはっきり聞き取るように委員長に要求します。これは小さいような問題でも、今後の営農資金の貸付や、災害対策の上には重要な問題であります。かつ今後資金が農協一本で流れていいかどうか、重大な問題でございますので、その点も委員長においてお取り計らい願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/93
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094・鈴木善幸
○鈴木(善)委員長代理 この問題は理事会にお諮りしまして善処することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/94
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095・佐竹新市
○佐竹(新)委員 午前の委員会できまったことですが、秘密会にして広島県の問題の調査を、できれば続いてやっていただきたいと思います。今後もう日にちはないと思いますが、その全部でもなくてもいいのです。重要な個所だけ……。
〔鈴木(善)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/95
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096・綱島正興
○綱島委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/96
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097・綱島正興
○綱島委員長 それでは速記を始めて下さい。
これより農業協同組合運営に関する調査の都合上、秘密会によってこれを調査する方が適当であろうと思われる部分の調査に入りますので、これより秘密会にいたします。議員及び事務局関係以外の方の御退席を願います。
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〔午後二時五十一分秘密会に入る〕
〔午後四時秘密会を終る〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/97
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098・綱島正興
○綱島委員長 なおお諮りをいたします。ただいままでの秘密会の議事は、これを全部特に秘密を要するものと決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/98
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099・綱島正興
○綱島委員長 しかればこの記録は密封してこれを保存することにいたします。御異議なしと認めて、この部分は公表いたさないことに決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/99
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100・佐竹新市
○佐竹(新)委員 全部私が記録のまだできてないものがありますが、参考に見たいときには委員のものに対しては見してもらう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/100
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101・綱島正興
○綱島委員長 ええ、それはもういいのです。
明日は定刻より理事会及び委員会を開会いたします。
本日はこれにて散会をいたします。
午後四時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03019550628/101
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