1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月十五日(金曜日)
午前十時三十六分開議
出席委員
委員長 綱島 正興君
理事 安藤 覺君 理事 白浜 仁吉君
理事 松浦 東介君 理事 鈴木 善幸君
理事 足鹿 覺君 理事 稲富 稜人君
赤澤 正道君 五十嵐吉藏君
井出一太郎君 伊東 岩男君
石坂 繁君 大森 玉木君
木村 文男君 楠美 省吾君
笹山茂太郎君 原 捨思君
川村善八郎君 久野 忠治君
助川 良平君 中馬 辰猪君
松野 頼三君 松山 義雄君
淡谷 悠藏君 井谷 正吉君
石田 宥全君 楯 兼次郎君
芳賀 貢君 伊瀬幸太郎君
川俣 清音君 佐竹 新市君
日野 吉夫君
出席政府委員
農林政務次官 吉川 久衛君
林野庁長官 柴田 栄君
委員外の出席者
議 員 井手 以誠君
農林事務官
(大臣官房総務
課長) 檜垣 好文君
農 林 技 官
(農地局建設部
災害復旧課長) 大塚 常治君
運 輸 技 官
(中央気象台予
報部長) 肥沼 寛一君
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
専 門 員 徳久 三種君
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七月十四日
委員久保田豊君辞任につき、その補欠として川
上貫一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十五日
委員田口長治郎君及び和田博雄君辞任につき、
その補欠として久野忠治君及び淡谷悠藏君が議
長の指名で委員に選任された。
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七月十四日
森林法の一部を改正する法律案(川俣清音君外
十名提出、衆法第四七号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
公海における漁船の拿捕及び韓国における抑留
漁民の実情等に関し、参考人出頭要求の件
農地開発機械公団法案(内閣提出第一四六号)
天災による被害農林漁業者等に対する資金の融
通に関する暫定措置法案(楢橋渡君外二百七十
二名提出、衆法第四〇号)
台風常襲地帯における農林水産業の災害防除に
関する特別措置法案(楢橋渡君外二百七十二名
提出、衆法第四一号)
森林法の一部を改正する法律案(川俣清音君外
十名提出、衆法第四七号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/0
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001・綱島正興
○綱島委員長 ただいまより会議を開きます。
昨日付託になりました川俣清音君外十名提出、森林法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入ります。まずその趣旨について提出者より説明を求めます。川俣清音君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/1
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002・川俣清音
○川俣委員 ただいま議題に相なりました森林法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
昭和二十六年森林法が実施せられましてより四カ年の日子けみしましたが、この間の経験に徴しまして、また、過般町村合併促進法の制定により末端行政区域の拡大変更等が行われるに至った事情等に関連いたしまして、従来の比較的小規模な森林組合をこの際合併することにより、その適正規模化をはかり、もって組合連帯の円滑を期そうとする機運が生じているのでありまするが、零細な森林所有者をもって組織しておりまする多くの森林組合におきましては、現行法の掲げておりまする諸種の管理規定をもって臨みます。ることは、組合運営の実体にそぐわず、ひいては、組合の合併の促進等にもし支障を来たす部面がありますので、このたびこれらの点について最少限度の改正を加えたいと存じ、ここに改正案を提出した次第であります。
以下改正案内容について、その概要を御説明申し上げます。
まず第一点は、総代会の制度についてであります。現行法におきましても、総会にかわるべき総代会を設けることができるように規定されておりますが、一面、理事は通常総会を毎事業年度に一回召集しなければならないことと相なっておますので、総代会制度の活用がとかく円滑を欠くことと相なり、また、総会自体につきましても総会成立の定足数に達せず流会となるような事態の頻発も十分に予想せられますので、総代会を設けた場合でも年一回は総会を開かなければならないことを定めた第百二十三条第六噴を削除いたしたいのであります。
また現行法では、総会にかわるべき総代会を設け得るのは、組合員の総数が百人をこえる施設組合であることになっておりまするが、これを二百人といたし、総代の定数は、組合員の総数の四分の一以上でなければならぬが、その総数が二百人をこえる施設組合においては五十人以上であればよいことになっておりますのを、三百人をこえるものでは七十五人以上であればよい、ただし本法施行の目から百八十日間は従来のままで差しつかえないというように改めることといたしたのであります。
第二点は、役員及び総代の選出の方法についてでありますが、現行法においては投票による選挙の方法以外は認められていないのであります。しかし、これまた実態から遊離する事態が往々生じておりまするので、この際第百三条及び第百五条を改正し、投票による選挙のほかに、選任制をも認めることとし、また立候補制の場合におきましては、役員の候補者が選挙すべき役員の定数内であるときは、投票を省略することができることといたしたいのであります。なお、投票による選挙の場合、総会外において投票所を設け選挙を行うことができる道をも開いておきたいと存ずるのであります。
第三点は、理事の職務に関する規定についてでありますが、この機会に組合の対外信用の向上に資しまするために、従来とかく明確を欠いておりました理事の責任等を明確にする規定をも新たに追加することといたしたのであります。
第四点は、合併の手続に関するものでありますが、合併については、行政庁の認可を受ける際に、定款及び事業計画を提出することを規定いたしたのであります。なお、連合会につきましては、総代会の規定は準用いたさないことといたしております。
以上まことに簡単でございますが、本法案の骨子を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを御願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/2
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003・綱島正興
○綱島委員長 ただいま議題となりました森林法の一部を改正する法律案について御質疑があればこれを許します。――御質疑がなければ、討論をする必要もなかろうと思いますので、討論を省略して直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/3
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004・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認めます。直ちに採決いたします。本案に賛成のお方の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/4
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005・綱島正興
○綱島委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決することにきまりました。
なお委員会報告箒の作成等は委員長におまかせ願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/5
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006・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/6
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007・綱島正興
○綱島委員長 次に、去る七月八日付託に相なりました、内閣提出、農地開発機械公団法案を議題といたし、審査に入ります。
まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。政務次官吉川君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/7
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008・吉川久衛
○吉川政府委員 ただいま上程されました農地開発機械公団法案の提案理由を御説明申し上げます。農地の造成及び改良によりまして食糧の増産と農家の経営安定をはかることが、わが国の経済の安定上緊要であることは今さら申し上げるまでもありません。
政府は、さきに愛知用水事業を実施するため愛知用水公団法案を提出して御審議を願っているわけでありますが、このたび農地の造成及び改良の事業の効率化に資するため、農地開発機械公団を設立し、その保有する機械の効果的な運用によって急速に農地の造成及び改良事業を完成したいと存じ、この法案を提出いたしました次第であります。
農地の造成及び改良の事業は、特にその規模の大でありますものは、高能率な機械に依存しなければ、その施行が急速かつ合理的に行い得ないのでありまして、この点にかんがみ、この公団は、国際復興開発銀行等から融資を受けて優秀な機械を購入し、これを管理し、農地の造成及び改良の事業を行う者に貸し付け、またはこれらの者から委託を、受けて当該事業を行うことといたしまして、その事業の効率的な遂行に資したい所存でありますが、差しあたりは、北海道の釧路原野にある床丹第二地区及び青森県の上北地区における開墾事業並びに北海道の篠津地区における総合灌漑排水事業について、この公団の保有する開発機械の全機能を発揮されたい所存であります。この公団の機動的活動によりまして、従来の工事の方法によっては避け得られぬ種々の困難を排除いたしまして、著しい成果を期待できるものと確信いたすのであります。
以上が本法案を提出いたしましたゆえんでありますが、以下簡単に法案の内、容を御説明申し上げます。
第一に、この農地開発機械公団は、さきに提出いたしました愛知用水公団法案の愛知用水公団と同じ性格を付与いたしまして、その役員の選任や、欠格条項等その組織に関する規定を設け、公団の財務及び会計につきましては、その収支予算及び資金計画につき農林大臣が認可することとし、さらに借入金、余裕金の運用、財産の処分についても、一定の制限をいたし、その経理に公正を期する等の規定を設けたことであります。
第二に、農地開発機械公団の業務でありますが、国、地方公共団体その他農地の造成または改良の事業を行う者に対し、機械を貸し付け、またはこれらの者の委託を受けて当該事業の工事を行うこととし、これらの業務の実施につきましては、あらかじめ業務の方法を定めて農林大臣の認可を受けることといたしたのであります。
第三に、政府は、北海道及び青森県の区域内において行う国営土地改良事業の工事の一部の施行を公団に委託することができるものとし、公団は、余剰農産物資金融通特別会計からの借入金をもって、政府の委託による工事に要する費用に充てることができることといたしたのであります。
以上が本法案の主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/8
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009・綱島正興
○綱島委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/9
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010・綱島正興
○綱島委員長 速記を始めて。
楢橋渡君外二百七十二名提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法案及び台風常襲地帯における農林水産業の災害防除に関する特別措遣法案を一括議題といたし審査を進めます。質疑または御発言があればこれを許します。川俣委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/10
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011・川俣清音
○川俣委員 実は私も提案者の一人でありますのではなはだ恐縮に思いますが、質問でなくて、誤解もあると思うので、この際その点を明らかにしておきたいと思います。と申しますのは、旧案の方に、被育林業者の定義のことですが、林業をおもな業務とするものであって台風及び冷害による薪炭、木材、林業用種苗その他林産物の損失額がその者の林業による平年総収入額の百分の十以上である旨、または台風により炭がまその他政令で定める林業施設が破損したため著しい被害をこうむった旨の市町村長の認定を受けたものをいうということになっておりますが、この法案の御趣旨によりますと、これを非常に省略いたしておりまして、他の水産関係と比較いたしますると、ごく一部しかその対象範囲とならないように縮小されましたので、せっかくの議員提案でありながら趣旨が徹底しない向きがありますので、これを修正すべきでないかと思いますが、これについての御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/11
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012・稲富稜人
○稲富委員 ただいま川俣委員の御質問に対しましては、私たちも実はそういうような意味を含んでおるのでありまして、この条文に現われまする表現の仕方が足らなかったかと思います。そういう御意見によって修正することに対してはやぶさかでございませんので、最後にそういうふうに修正することで御決定を願いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/12
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013・綱島正興
○綱島委員長 ちょっと速記をとめて。
[速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/13
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014・綱島正興
○綱島委員長 速記を始めて。鈴木委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/14
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015・鈴木善幸
○鈴木(善)委員 おくれて参りまして、はなはだ恐縮でありますが、提案者に二、三お尋ねをいたしたいと思うのであります。天災による被害農民、漁業者に対する資金の融通に関する暫定措置の法案でありますが、御趣旨はまことにけっこうだと思うのでありますが、このうち漁業の面におきまして漁具等に対する資金の融通の問題があるわけであります。御承知のように大きな定置漁業等になりますと、二、三千万円も漁具費にかかる。こういう漁業の場合には、漁具が非常に小さなものから大きなものまでたくさん種類がございまして、それを営農資金等と同じように一定の額で押えるということは、非常に漁業の実態に沿わない面があるわけであります。またさらに漁船等の破損、修理等につきましても、数十万円、数百万円を要するというような事態もあるわけでありまして、そういうものに対する資金の融通がこれによって確保できるかどうかということを心配しておるのでありますが、その点をお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/15
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016・井手以誠
○井手以誠君 お尋ねは漁具の購入資金のことだと存じますが、お説ごもっともでございまして、漁業用燃料等の購入資金その他農林漁業経営資金に必要な資金としてその中に含めたつもりでございますが、なおこれで不明確であれば御修正していただいてもけっこうであります。
なお第二点のそういう資金について五万円で足りるかということでございますが、その点は立案者としていろいろ検討して参りましたが、全面的な問題でもございますし、一部必要な人のためにこれを十万円、八万円に引き上げるということになりますと、厖大な資金が必要であるということも考えまして不十分であるとは考えましたけれども、一応五万円に限定した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/16
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017・鈴木善幸
○鈴木(善)委員 前段の質問については、修正の御意思もあるようでございますから、その点は了承いたすのでありますが、ただいま申し上げました漁業の実態からいたしまして、経営資金の面を農家の場合と同じように五万円程度に押えるということは、いかにも漁業の実態に即しない。その程度のものでは流された漁具等の代替、修理、補修もできないというようなことで、漁業の再生産もできない。中途半端のものであって何ら意味をなさない。この立法の御趣旨、目的を何ら達することができないという結果になるわけであります。私がこう申し上げておりますのは、卒然として申し上げておるのではありませんで、過去におきます昭和二十六年の十月台風、あるいは昭和二十七年の十勝沖地震、またオホーツク海の暴風あるいはカムチャッカ沖の地震災害、あるいは二十五年の五月の北海道沖における災害等の際に特別の融資の立法をいたしたことがあります。こういう具合に、漁業の場合はそういう特殊な事態がございますので、漁船、漁具をも含めまして、漁業の再生巌に必要な資金の確保のために数次にわたってそのつど立法化をやって参ったわけであります。今回これを一本にまとめましておやりになるということであれば、すでにやっております制度をそのまま取り入れていただきたいという趣旨でありまして、その点を特に提案者に御認識を願いたい、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/17
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018・綱島正興
○綱島委員長 委員長からちょっと鈴木委員に申し上げますが、それに該当するような具体的な事柄をお述べ願って、その点を修正するなり何なり適宜な方法があろうと思いますから、それを述べていただきたいと思います。御議論はよくわかっておりますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/18
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019・鈴木善幸
○鈴木(善)委員 実は私はここに修正案を用意いたしておるわけであります。そこで先ほど二、三の点について修正をしてもいいという発言がありましたから、その際に具体的な修正案を提示いたしまして御協議する機会を与えていただけば、その際に申し上げたい。ただいまは漁業の特異性だけを申し上げておいて、具体的な修正案はそのときに御提案申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/19
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020・井手以誠
○井手以誠君 提案者としてはあえて原案を固執するものでございません。いかなる災害の場合にも機を逸せず、この法律が発動して、農山村、漁村の事業経営資金に資したいというのが目的でございます。適当に御研究下さいますようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/20
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021・川俣清音
○川俣委員 この法案の中に当然入れておいてもしかるべきではないかと思われる点が落ちておるように思いますので、この点についてお尋ねいたしておきたいと思います。すなわち経営資金あるいは漁業資金の貸付が適正に行われておるかどうかを知るために、必要があると認めるときは農林大臣は報告を聴取し、または検査執行の責務を当然負うということが必要であろうと思うのであります。すなわち農林大臣が報告を聴取し、検査させることの規定がここに必要ではないかと思われるのであります。とかく農業資金、漁業資金がルーズに流れておるという非難のある際でありますから、あえてこれを入れて置く方が適正に資金の使用が行われるのではないかと思われますのですが、この一行を入れて置く必要をお認めにならないかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/21
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022・稲富稜人
○稲富委員 大体提案者といたしましての提案の趣旨も、今川俣委員のお述べになったようなことを十分考えておりますので、妥当なそういう修正等に対しましては、われわれも法の完璧を期するためには、十分御意思を尊重して修正いたしたいと考えておりますので、さよう御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/22
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023・川俣清音
○川俣委員 委員長にお諮りいたしたいのでありますが、修正部分がございますので、もし今日討論終結を見るような日程でありますならば、その前に休憩いたしまして、協議をして共同修正案にいたしたいと思いますから、さよう取り計らい願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/23
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024・綱島正興
○綱島委員長 足鹿委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/24
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025・足鹿覺
○足鹿委員 台風常襲地帯における農林水産業の災害防除に関する特別措置法につきましてお尋ねをしたいのであります。中央気象台等のその方の専門家の意見を徴することが最も適当だと思いまして、お見えになるのを待っておるわけでございますが、お見えにならないようでございますから、提案者に伺います。要するにこれは災害常襲地帯という内容になるわけでしょう。特定な台風というものの被害に基く災害もありましょうし、台風でない、先般京都府を襲った部分的な豪雨等もあるでしょうし、もしこの台風常襲地帯ということを貫かれんとするならば、その基準というものは非常にむずかしくなってくるんじゃないかと思います。だから問題は、災害の常襲地帯と解釈するのであるならば、これはある程度適用の上においても問題がはっきりしてくると思いますが、台風の常襲地帯ということになりますと、やはり中央気象台における台風の常襲地帯というものの概念の定義から、ずっと締め上げてやっていきますと、基準の適用が非常にむずかしくなってくるんじゃないかと思うのです。そういう点について、何を基準にして台風常襲地帯とされるか、提案者として納得のいくように一つ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/25
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026・井手以誠
○井手以誠君 ただいまお触れになりました点は、本法律、案の一番重要な点でございます。提案者といたしましても連日その点を研究したところでございます。台風常襲地帯と災害常襲地帯というものは、大体同じように解釈されますけれども、本法律案を立案しました趣旨は、台風常襲地帯、災害が毎年のように起きておる地帯、そういう地帯は相次ぐ災害で非常に疲弊をして、災害の復旧もなかなかうまくいかない。やはり災害復旧ということよりも、台風が襲来いたしましても、豪雨が襲いましても、災害が起きないような防除の施設をすることが、むしろ先決問題であるというように考えます。しかし御指摘のように台風が来るところであるから災害が起きる、台風が吹いたから災害が起きるということばかりではなくして、別に豪雨による被害もあるんじゃないか、こういうお話でございますが、その通りであります。しかしやはり台風に伴って豪雨が襲って参りますのが普通でございますが、しかしなおいわゆる不連続線というもので、豪雨による被害も最近非常多くなっておるのであります。そういう意味から表題には台風常襲地帯と申しておりますけれども、台風常襲地帯とは、台風または豪雨による災害というふうに、例年災害を受けておる実情に沿うように、台風常盤地帯の定義を広めておるのであります。そういう意味で「台風又は豪雨による災害」とここに第一条に規定した次第でございます。しかしただ単に災害と申しましても、何年に一回か起きる災害と、毎年いな一年のうちに何回も災害が起きて、せっかく国費を投じて災害の復旧をやりましても、次々こわれていくという地帯のものとはかなり趣きが違うのであります。そういう意味から台風の通るところが毎年あるいは年に何回も災害を受けるという意味で、台風常襲地帯というふうに一応まとめておるのであります。しかしこの内容については台風または豪雨による災害、こういうふうなことにいたしまして、今お尋ねの点を救っていきたい、あわせて災害を防除したい、かような意味でこの法律案を提案したような次第でございます。
それではどの都道府県を指定するのか、こういうことについては、やはり災害が起きて非常に困っている地区にはなるべくこの法律の恩典が及ぶようにいたすのがこの法律案の趣旨でございます。これらはすべて今後できまする台風常襲地帯の審議会におまかせします。しかしおまかせするといたしましても、やはり台風または豪雨による災害でございますので、その頻度であるとか、被害額であるとか、そういったことが重要な要素になるのではないかと考えておるのであります。
非常にまとまらない答弁でございましたが、御質問者の足鹿さんは台風、災害については十分御理解のある方でございますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/26
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027・石坂繁
○石坂委員 ただいまの足鹿委員の御質問は本日法案の最も重要な点を指摘されたのでありますが、それに対しまして井手君から御答弁申し上げました通りであります。すなわち本法案の趣旨は災害による農林水産の被害を防除する、その計画を立てようというのでありますが、その災害の原因は台風及び豪雨であります。そこでどの線に豪雨の定義あるいは台風の定義を引くかということにつきましては、私どももずいぶん提案者の一人といたしまして苦労いたしまして協議いたしたのであります。本案第三条によりますと、「しばしば台風又は豪雨の来襲を受け、」ということでありまして、いささか法律的でないうらみをお持ちになっておると思うのでありますが、これまたごもっともだと思います。つきましては一応私どもも気象台の専門の方なりその他に問い合せまして一応の調査は、気象台始まりました明治二十四年以来の台風の進路あるいは通過路等につきまして調査いたしておりますけれども、その線をどこに引くかということははな甲はだ困難でありますために、第三条のような規定を設けましてあげてその指定は将来できますところの審議会り決定に待とう、こういうふうなことで立案いたしたわけであります。説明はなはだ不十分だと思いますが、一応これで御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/27
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028・足鹿覺
○足鹿委員 政府に伺いますが、ただいまの御提案者の御答弁によって第三条規定してあるがごとく、台風常襲地帯の指定をする。その指定は審議会においてすべて基準を定めるということでありますが、この法案成立後において法の執行の衝に当るのは政府であって、提案者ではないのでありまして、政府としてはどのような基準案を用意いたしておられますか、案そのものがまとまっておらなければ、素案としてはどういうふうに考えておりますか、その構想なり準備の状態を一つ明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/28
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029・檜垣好文
○檜垣説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもこの常襲地帯の法案を現在検討いたしておるのでありまして、ただいま提案者の方から、審議会の方で、いろいろの点で検討されるということでございますが、私どもの方におきましてもそういう考え方であるのであります。一応台風と豪雨が考えられておるのでありますが、ただいまお話のように、台風必ずしも豪雨を伴うものとも限らないのであります。
一応豪雨等によりまして風水害が生ずる、それによりまする農地あるいは農業用施設その他林業、水産業施設の過去におきまする被害の程度、さらにまた農作物の被害状況、それの補助率につきましていろいろ差異がございますので、各府県におきまする財政状況等も有力な材料となると思うのでありますが、その他農家一戸当りの被害限度、そういうふうな事項等を総合的に検討いたしましてどの府県を指定するかということを検討せねばならないと思うのでありますが、現在のところまだその程度しかきまっておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/29
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030・足鹿覺
○足鹿委員 百二十億程度の予算を必要とすると記載してありますが、その百二十億という金額は、そうすると何によって、どういう根拠によって算出されたものなんでしょうか。一応は目標があってしかる、べきものだと思うのです。言葉をかえて言うならば、自然改造法案のような、台風そのものを絶滅していくような案があれば一番いいのですが、大体それに接近していこうということになろうと思うのであります。この百二十億というもの、それから調査費として五千万円ということなんですが、気象台の意見、資料なら資料に基いて、台風常襲地帯をあらかじめ予想して、それに対する経費を計上されたものでないかと想像できるのですが、審議会にすべてをまかせるということですけれども、前に積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法が作られた当時、地帯の指定問題で非常にもめた。この点はよほどその基準を明らかにいたしておきませんと、先で非常にもんちゃくが起きる可能性があると思うのです。私は別にこの法案にとやかくけちをつけようという考えではないのですが、あの積寒法のときに非常に苦労した経験から見まして、やはりこの基準の問題についてはよほど慎重を要する――最初きめたもので満足がいかないと、第二次指定になり第三次推定になるというようなことになって、乱調子になって参ります。問題が起きるたびにその基準が変っていくというようなことでも困る。審議会にすべてをまかせるというものの、この基準というもののとり方は、やはりますよく検討していかなければならぬと思うのです。そういう点で、この二十億という予算を伴っておるわけですから、一応は政府にも提案者にも見当はついておると私は思うのです。ここで御都合が悪ければ、速記をとめてお聞きしてもけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/30
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031・井手以誠
○井手以誠君 お尋ねの点は、私ども非常に注意した点でございます。しかしこの際何も秘密にする必要もありませんし、率直に申しましてどこの都道府県を台風常襲地帯として考えて百二十億を出したというものでは絶対にないのであります。災害が相次いで起って困っておる地方には、この法律を適用しようというのがねらいでございます。特別の府県を頭に置いて作ったものではない、その点は特に御了承願いたいのであります。しかし法律案を出します場合には国会法に基いて経費をあげなければなりませんので、御説の通り毎年約百二十億といたしました。その根拠は、農林省の関係部局において計画されておりまする災害助除に関する予算、そういったものを参考にいたしまして、大体このくらいの数字ではなかろうかという数字をあげたのであります。ほんとうを申しますならば、下から積み上げた数字でなくてはなりませんけれども、まだそういう地帯も指定いたしてはおりませんし、どういう基準にするかも審議会にかけなくてはなりませんので大体この辺ではなかろうかという数字で、一カ年間百二十億、十年間にその十倍ということに一応目安を置いたような次第であります。その点は特に御了承をいただきたいのであります。しかしそれだけの金額が要るからと申しましても、一方においてはすでに計画された車業でもありますし、新たに加わる事業もございますが、災害防除については、農林省もかねがね研究し、計画されておりますので、そういうものを繰り上げて施行していく、こういうことにもなります。ので、すべてが新たな経費というわけにけ参らないのであります。繰り返して申しますけれども、最初から府県を頭に置いたものではなくして、災害のひどい所にはこれを適用していく、この数字は大体このくらいではなかろうかという見当の数字であることを重ねて申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/31
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032・足鹿覺
○足鹿委員 気象台がおいでになったようでありますから、気象台に伺いますが、この台風常襲地帯における農林水産業の災害防除に関する特別措置法案について、中央気象台の意見を聞きたいのです。台風常襲地帯を指定する場合の基準はどういうところにそのめどを置くべきものであるか、過去の災害の度数、その他必要な資料が中央気象台にはあろうかと思いますが、そういった点について専門の立場からの御意見をわれわれに一つ聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/32
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033・綱島正興
○綱島委員長 ちょっと場委員長から申し上げます。ただいま実は台風常襲地帯ということで――台風及び豪雨による災害が御承知の通り非常に発生いたしておりますので、農林災害の予防を目的として、今までは災害復旧ばかりをやっておりましたが、予防施設を官員的としたことを表わす立案が、今この委員会に提案されておるのであります。そこで台風常襲地帯というものは大体どういう基準があるか、この法案について、特に災害についての基準等をどう見ればいいかというような御質問の趣旨と存じますから、その旨でお等えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/33
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034・肥沼寛一
○肥沼説明員 お答え申し上げます。台風の常襲地と申しますと、これは定義の仕方でいろいろあると思うのでございますが、一番簡単に申しますと、台風の中心がどのくらいのパーセンテージである土地を適っていくかということでございます。この統計は比較的簡単に私どもの方でできますし、すでにやったものもございます。ところがこの法案の趣旨から申しますと、台風による災害はどこに一番多く起るかという御趣旨と准じますが、そういたしますと、台風の中心部というのは、御承知の台風眼というようなことで、案外風も弱い、雨も降らないというような状況でございます。ところが台風は大きさによりましては、御承知の昭和九年の室戸台風などのごときになりますと、東は紀伊半島、伊勢湾などから、西は豊後水道にわたる範囲が暴風雨区域でありまして大阪では御承知のような高潮の惨害が起りまして、岡山県の旭川は非常なはんらんを来たしております。それから北陸では非常な水害を起しております。こういう大きな台風がございます。その範囲の中に災害が起っていない場所もとざいます。
一方昭和二十二年にカスリン台風というのが、これは日本に上陸いたしませんで、房総半島の沖合いを通って参りましたが、関東地方には普通の月の二、三ヵ月分くらいの雨を降らせまして、利根川が、明治四十三年以来三十五年ぶりと思いますが、本流が決壊しま場しましてああいう災害を起しまして台風の中心の通過とはかなり違った地区に災害が起っております。また少数の例ではございますが、豆台風といわれるようなもので、半径が約百五十キロくらい、その中では普通の台風ほどの災害がございますが、その外ではほとんど何も被害がない、こういうものがございます。そういう観点で、被害の起りやすいところと申しますと、なかなか調査が困難なのでございます。
今ここに中心がどこに襲来したかという数字だけを御紹介いたしますと、これは五十年間の統計でございますが、九州の南岸へぶっつかって参りましたのが十七回、九州の東岸、これは宮崎県が主でございますが、二十五回でございます。それから四国が二十八回、紀伊半島が十八回、それから伊勢湾、駿河湾、その辺へ十五回、それから伊高半島、関東地方へぶつつかってきましたのが二十六回、北海道の南東岸にぶつつかりましたのが十八回、奥羽地方の東岸には二回しかぶっつかっておりません。こういうふうな数字でございます。しかしこれは単に中心がここを通ったというだけでありまして、その台風の大きさにより災害を及ぼす区域は非常に区々でありましてこれを調査いたしますのは、一つ一つの台風について累計していかないと非常に困難な問題だと存じます。
以上簡単ですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/34
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035・足鹿覺
○足鹿委員 非常に貴重な過去の統計資料を御発表願って、参考になったわけでありますが、この法案の趣旨が、災害を受けた後に復旧を促進するというのではなくて、災害自体を除去していこうというところにあることは、先ほど委員長も申されましたが、あなた方専門家の立場から見て、台風常襲地帯を、これは何といいますか、この法案のねらいのごとくやるためには、今の自然科学、いろいろな科学の力で、どういうことをすれば未然に防止することができるのか、やはりこれは趣旨はそういうところにあるが、起きてきた事態に対して、やはり復旧を促進していこうというところに落ちついてくるといいますか、内合をよく読んでみると、やはり目的は災害を未然に防止しよう、災害がきても荒されないようにいろいろなことに力こぶを入れようというところに一つの法案としての進歩があると思うのです。さらに一歩を進めていくならば、台風自体を日本からよけて逆らすようなことを考えなければ、これは問題にならない。それが一番いいと思います。最近の進歩した科学の立場から克てそういうことは夢なのか、それらの点についてあなた方専門家の立場から、絶好の機会でありますのでお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/35
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036・肥沼寛一
○肥沼説明員 ただいまの台風を来ないようにするというのは、これは夢だと存じます。相当大きい台風にいたしましても、最近問題になっております水素爆弾がどのくらいのエネルギーか私存じませんけれども、おそらく百個とか五百個とか合せたエネルギーを持つと思いますが、さしあたり人力でどうこうするということは不可能だと存じております。
予想の問題でございますが、砂防あるいは提防を作り、ダムを作り、いろいろなことをやっておるようでございますが、私ども気象をやっておりま心す者の立場から申しますと、地形によってどういうところが災害を受けやすいという調査がそういう計画に先行すべきものだと思います。そういう調査を先やって、それに合せて計画を実施する以外に方法はないのじゃないかと存じます。それから、いかに経費をかけて施設をいたしましても、日本のような地震国では、地変もございますし、また川が流れていくうちに川の形が変貌して参ります。それに対しては相当期間前に気象の予報をいたしまして、常に河川の改修その他が完全に行われていればいいのでありますけれども、おそらく日本の現状では全河川にそういうことをやることは不可能能だと存じますので、優先順位ということが当然問題になって参ります。その際には、数ヵ月前に予報をして、ここがどうも危険があるというようなところに先に処置をするということが問題にさるべきものだと思います。しかしそういうことを申しましても、残念でございますが、数ヵ月前にどこに豪雨があるという予報は、私どもの現在の技術では不可能でございます。これは非常に問題なので、一生懸命やっておりますが、すぐといわれてもなかなかうまくいかない。できることは、せめて一日か二日前に豪雨があるという予報だけで緊急対策をやっていくくらいのことしかできないのではないか。雨の予報ということが今後一番大事だと思っておりますが、現状はそういうことでありまして、御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/36
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037・鈴木善幸
○鈴木(善)委員 足鹿委員の今のお尋ね、でありますが、これは一笑に付すべき問題ではないと思うのであります。アメリカのテキサス州でありましたか、台風の成長しない前に、発生する諸条件と申しますか、発生の当初においてその諸条件をこわしてしまう。それによって台風の発生を防止するという研究をハリケンキラーとかいうことでやっていることを聞いて参ったことがあるのでありますが、日本のようにほとんど全国台風の常襲国と言われるような国で、非常に遠い南方で台風が発生するという地理的条件にありますところけ非常に困難だと思うのでありますけれども、アメリカのようにメキシコの沖合いとかそういう比較的近い所に台風が発生するという国におきましては、そういうことも研究を進めておるということを聞いて参りたことがあるのでありますが、国際的に何かそういう研究をやっているような事実を御承知でございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/37
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038・肥沼寛一
○肥沼説明員 台風のような非常な強い暴風雨を消滅させるという問題は、私承知しております範囲では、今やっていないと思うのでありますが、ただ気象の問題はわれわれの生活と非常に密接に関係がございますので、むしろ技術者よりしろうとの人の方が非常に着想のいいこともあるのでありまして、そういうマニヤといっては悪いのでありますが、気象のことについて非常に関心のある人がそういうことを折々やっております。先般も市内のある人が私のところに電話をかけて参りまして、日蝕のあるすぐあとですか前ですか、六月二十二日に関東地方に大洪水があるから気象台は新聞社、放送局に警告をして徹底させろということを言って参りました。しかし私はそういう根拠のないことは困ると言って断ったのでありますが、そういうふうな無味の研究をしている人は各国にあると思います。科学的な根拠を持った研究はちょっと不可能ではないかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/38
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039・芳賀貢
○芳賀委員 この際提案者代表にお尋ねしたいと思います。特に与党の提案者代表にお尋ねしたい点は、この法律案が成立した場合は、当然予算が伴うわけであります。少くとも昭和三十一年度においては百二十億程度の予算がこれに伴わなければ、これは単に架空の法律に終ってしまう。それで問題になるのは、すでに昭和三十一年度の予算編成の計画が始められようとしておる、特に今日政権を担当とておる民主党内閣の与党である民主党としては、たとえばこれは議員立法であっても、この法律が成立した場合においては、従前の食糧増産費や公共事業費の内ワクでこれをやるというような考えで、依然として一兆円予算を堅持すれば、これらの法律は当然その外ワクとしてこれだけ積み重ねて上置きにしてわれわれはやるべきであるというふうに考えて提案しておるわけですが、そういう点に対しては与党内における明確な方針というものが確立しておるかどうか、これがはっきりしないと、法律だけを作っても非常に実態の伴わないような事態が来ないとも限らぬので、特にこの点は与党の立場において責任のある御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/39
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040・石坂繁
○石坂委員 たまたま私は民主党の所属でありますから、特に与党の提案者という御指名でありますので御答弁申し上げますが、元来この法案は与党が先に立ってと申しますより、むしろ左右両派の社会党の方々、ことに今日答弁の衝に当っておられる井手君、稻富君が特にこの法案には造語も深く、重大な関心をお持ちになりまして、実は提案者の中心でございます。私どもも本案はまことに適当な法案だと考えまして、私も提案者の一人になっておりますが、法案提案の今日までの経過はまさにその通りであります。そこで当然これは予算を伴う法律案でありますが、御承知の通り三十年度は調査費用としてとりあえず五千万円、昭和三十一年度から十年計画で一千二百億、年間百二十億ということはすでに御承知の通りであります。そこで昭和三十一年度の予算がやがて編成されようとしておるときに、与党の議員である提案者は責任を持ってというお話でありますけれども、私ははなはだ面目ないことでありますが、与党内におきましてははなはだ微力なものでございます。その辺のことにつきましてはもちろん皆さん方の御協力を得ました後、努力はいたしますつもりでありますけれども、予算の獲得につきましてこの席で私が責任ある答弁をいたしかねることを、はなはだ遺憾に存じますが御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/40
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041・芳賀貢
○芳賀委員 私がただいま申したようなことを、立法府の立場においてそういう発言をするということは必要はないのですけれども、今日における政府の態度は、とかく議員立法というものを軽視しておる。特に政府部内における大蔵当局の態度のごときは、議員立法に対しては了解に苦しむような行為が非常に多いわけであります。こういう点は、これを未然に防除するという形に一応の見通しをつけておかれないと困る。われわれはあくまでもこれは財政的な措置を講じてやらなければならぬというふうに考えておるわけですが、遺憾ながらまだ政権を担当しておらぬ立場なのです。ですからこれは社会党の天下になれば当然やれることでありますけれども。しかしこういう点は、ただ法律だけを通してそれでいいということではないのであります。特に石坂さんは謙遜されて、有力な発言者でないということを言われておりますが、そういう場合には提案者筆頭の楢橋渡君でも当委員会に出席を求め、もう少し責任のあるような発言をしてもらうことも一向差しつかえがない。何かの意味で楢橋渡氏を一番最初に筆頭に推してあるように思うわけですが、これはいよいよのときには楢橋提案者がここべ出てきて、与党の立場においての明確な発言をされる、そういう段取りになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/41
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042・石坂繁
○石坂委員 この法案に対する予算の金額につきましては、先ほど井手君から答弁されましたことで御了解願ったことと思います。これは私ども提案者の一人といたしましてぜひ成立を希望いたしておりますが、それにつきましては理解ある皆さん方、ことに農林委員の方々の御協力を切に願いたいと存じております。しかる上に予算獲得につきましてももちろん私ども努力いたしますが、御協力を一そうお願いいたしたいと存じております。なお本日溝橋君がこの席に出ておりませんことにつきましてお尋ねでございましたが、実は先ほど楢橋君は参っておったのであります。そうして今日は予算委員会をやっているので、そこに行っておるからということでありましたから、私は当委員会の事務の方をもちまして一応連絡いたしましたが、いかなる都合でございますか、ただいままで出席されておりません。これだけ私から釈明をいたしておきます。どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/42
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043・井手以誠
○井手以誠君 芳賀君のお尋ねは私ではございませんでしたけれども、この機会に一言明らかにして御了承を願いたいと存ずることがございます。ただいま石坂提案者は微力であると謙遜されましたが、提案者の仲間といたしまして、石坂提案者は与党の実力者の一人でもあります。与党内でも多数の人が提案者になっておりますから、私は必ずこの法律案なるものが成立いたしましたならば、予算編成に熱意を十分示されるということを確信いたすものであります。
なお議員立法について私は芳賀委員と全く同感であります。当然政府は誠実に執行しなければならぬという建前をとっておるのであります。ところがこの法案が多額の費用を伴うために、従来の農林関係の予算が圧縮されるのではなかろうかというような危惧があるようでありますが、私はそのようなことはないと考えております。またこの法案が通りまして、事業が実施されて参りますれば、再々災害を受けて多くの災害復旧を要しておる地区で、災害復旧に要する費用が毎年四百億前後でありますが、防除計画が進むにつれまして、災害復旧費がだんだん減っていく、全くなくなるということはありませんでしょうけれども、ずっと減っていくというようになれば、長い年月を見ますと、この法案が通ることによって災害復旧費が少くて済む、経済的であるというふうに私は考えておるのであります。どうぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/43
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044・芳賀貢
○芳賀委員 私の申し上げたのは、毎年のように農林関係の予算が大幅に削減されておる。幾多の議員立法ができた場合でも、その総ワクの中で操作しておるにすぎないわけです。一つの非常に貴重な立法措置が講ぜられること等によって、それに伴う財源が裏づけされておるということなら非常にいいわけですが、全体が圧縮されたワク内においてこれだけつけたというような消極的なことであっては、この法案が通るときに手薄な部分があることにもなる。だからこれを提案される以上は、これは一つの予防措置ですから、大きな災害があってその復旧をやるよりも軽少な経費で済むわけです。将来においてはこの法律が効力を現わすことによって、災害復旧に投ぜられる国の多額の損耗というものは軽減できるというところにわれわれは一つのねらいを持っておるわけです。ですからあくまでもそれを貫くためには、これに必要な財政措置というものは当然政府の責任においてこの法案に対して忠実に予算化しなければならないのではないか、一応この段階においては、与党の諸君はこの法律を通す以上は予算的な措置を必ずやる、法律にはただ努めなければならぬという微温的な表現でしかうたっておりませんけれども、これはぜひともそういうような積極的な熱意を持った与党の提案者側の態度というものは必要ではないかというふうに、私は将来を憂いてお尋ねしておるわけであります。
それからもう一つお尋ねしたい点は、日本の場合には、大体全国が何かの意味において災害の常襲地なのです。その災害の強弱によって非常に条件が異なりますけれども、しかし一つの例としては、台風常襲地においては、やはり今までの歴史的な変遷の中において、災忠に対する抵抗というものがだんだん培養されてきておるわけです。ですから同じ台風が通過する地方においても、非常に軽微な災害に対しても甚大な被害をこうむる場合もあるわけです。同一の災害でも、暴風とか豪雨の度合いによって、抵抗力というものが全国的に見ると非常に違う。たとえば東北や北海道の場合には百ミリとか、百五十ミリないしは二百ミリくらいの雨量で河川がはんらんして、農業関係に甚大な被害を与えるということになっておる。それから九州方面においては、三百ミリ程度は大体抵抗ができるというくらいの措置は講ぜられている。ですから、この法律の今後の運用面等に当っては、災害に対する抵抗の弱い地方に対しても防除できるような配慮は必要ではないかと思う。そういう点に対する配慮というものは、これは当然運用面に出てくることでありますけれども、提案者側においてはどういうお考えを持っているか、この際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/44
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045・石坂繁
○石坂委員 ただいまの御質問の前半につきましては非常に好意的な御意見だと存じまして、とくに拝聴した次第であります。予算獲得のことにつきましては、先ほどからも申し上げました通りに、私どももできるだけ努力はいたしますが、何分にも皆様方の御協力を重ねてお願い申し上げる次第であります。
後段の御質問の点でありますが、この法案は御承知の通りに、台風及び豪雨の災害の予防対策を主といたしております。そうしてその地域は第三条に示しております通りに、しばしば台風または豪雨の来襲、そうしてその災害の続発地域ということになっておりますので、その地域はあげて審議会の決定に待つことは、先ほどの答弁で申し上げた通りであります。そこでただいま御指摘のような地域がこの法案から漏れるところもあろうかと存じますけれども、実はこの法案のねらいは第三条で示しておりますような地域であります。従いまして他のこれで漏れるようなところに対しましても、それぞれの既存の法律なり、あるいは他に立法するなり、いろいろの措置が必要であろうかと思いますけれども、それと合わて全国的の被害をできるだけ少くするように、その防除の方法を講ずるというようなことにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/45
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046・芳賀貢
○芳賀委員 次に具体的なことについて伺います。防除計画によって防除施設を講ずるについては、これは補助率が法律の中に明記されているわけであります。そうすると、常襲地帯の県単位の指定が行われるという場合には、従来いろいろな法律の規定によって、かかる事業の補助規定が政令等によって設けられているわけであります。既存の法律あるいは政令等によって行われたこれらに適応する施設事業に対する補助というものは、今後この法案が通って県地域の指定が行われたときにおいては、全部これに切りかわるということになると思いますが、そうなりますると、過渡的には一つの混乱に似たような現象が起きないとも限りません。ただ全国的に見て、公共事業の食糧増産をやる場合のいろいろな農業予算を通じての補助金等の面にも関連が来ると思うのであります。こういう点に対してはどういうような整理をして割り切っていくか、参考までに伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/46
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047・井手以誠
○井手以誠君 指定を受けた地帯と受けない地帯では、なるほど補助率の差はあることになるわけでありますが、しかし再々災害を受けられて困った地方は、おそらく指定されるでございましょう。また年に何回も、すでに本年に入りましても、もう二回災害を受けられた地帯もございます。そういった地帯は次々に災害復旧費を投じて災害復旧をする。また関係者も非常に困るというところを防いで、手前に施設を施して被害を少くしょうというわけでございますので、幾らかそこに指定をされる地帯と、受けない地帯の差はありますけれども、再々受ける地帯との実情は大分開きがあるだろうと思います。そういったところを救って、将来における国費の節約、あるいは被害の程度を軽微にいたそうという法律案の趣旨でもってあるいは御質問に合うかどうか存じませんけれども、そういう意味で作ったような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/47
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048・芳賀貢
○芳賀委員 そこでお尋ねしたい点は、当然特殊の災害地域に対する高率補助の適用はやらなければならない。ただ問題は、当然常襲地帯の災害があるということは予想できるのですけれども、何日に災害が来るということは予見できないのです。だから未確定な地域に対する防除施設の補助の場合と、すでに災害が起きてこれを復旧しなければならないという場合の補助率の適用というものは、やはり災害をほんとうに受けて復旧しなければならぬという補助率の方が高率であるべきであると考えております。これは井手委員の持論によると、災害復旧等に対しては全額国が負担しなければならないということを言われているが、これは私も同感なんだ。ですから補助率をこういうふうにする場合においては、当然災害復旧の場合の補助率等に対しても関連して、これに影響を与えて是正させる必要があると私は思うが、防除事業だけに高率補助であればいいということではなくて、災害復旧事業に対しても、これよりも低率の場合にはさらに高率なものに改正すべきであると考えておりますが、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/48
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049・井手以誠
○井手以誠君 非常にごもっともな御質問でございます。私どもこれを起案するときには、災害復旧という面も考えたのであります。そういう要望も強かったのでございます。ところが幸いに芳賀さんも御存じのように、私どもがかねがね主張しておりました災害復旧の高率適用の拡大、こういったことが重なる災害の実情にかんがみて政府でも研究立案を進められましてすでに建設委員会においては公共土木施設についての一部改正法案も提案されているのであります。従来全収を越える被害額に対しましては、全収の二倍以内においては四分の三であったものを、全収を越えるものについてはすべて全額を控除するという提案が行われておりますし、一方農林水産業施設災害復旧についても芳賀さん御存じのように超高率補助の改正案も目下研究されているようでございます。この災等復旧の高率補助の拡大というものと災害防除の法律案、両々和川まって災害対策の完璧を期するものであると私は考えている次第でございます。そういうふうに防除においてはこの法律案、災害復旧については政府から提案され、あるいは今後議員提案か内閣提案か知りませんけれども、農地について出されようとする法律案と両々相まっていきたい、かように考えている次第であります。
なお先刻の御質問に落しておりましたが、ほんとうにこの法律を効果あらしめるためには「努めなければならない。」というような、言葉でなくて、はっきりしたものにしたらどうかという御希望があったわけでございます。私も全く同感でございまして、法制技術の許す限り精一ぱいのところまでこの法律を予算のワクに締めよう。たとえば第十三条におきましては「災害の生じた年から三年以内に当該事業が完成するように措置するものとする。」というぎりぎりの点まで文句をつけたのであります。また十二条については、やや私どもも不満な点もありますが、法制技術上はこれが一ぽいだという意見のもとにこのようにいたしましたが、なおこの点については、十分皆様方の御協力によって抑制していきたいと存じている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/49
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050・芳賀貢
○芳賀委員 ただいまの御説明の災害防除事業と復旧というものは、両々州まってやらなければならぬということはその通りでありますが、ただ先般私が政府当局に尋ねた場合も、今言われた公共土木に対する国庫負担法の一部改正はすでに審議中でありますが、農林水産業の災再復旧に対する高率補助適用の法律はまだ政府は提出していない。出したいという意向は表明されたけれども現在まだ政府提案になっておらない。ですから御趣旨のようであれば、農林水産業施設の補助の改正法律案は果して今国会に出すか出さぬか、これは政府の当局にお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/50
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051・大塚常治
○大塚説明員 暫定法律の一部改正法律案を政府で今国会に提出するかどうかという御趣旨の質問でございますが、今日のような切迫いたしました時期といたしましては、残念ながら政府提案で出す時間的な余裕がございませんので、幸いに各党でお出しになる用意があるというようなことを承わっておりましたので、そちらの方に期待している次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/51
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052・川俣清音
○川俣委員 この際気象台並びに林野庁にお尋ねしておきたいと思う。気象台の方に二点だけお尋ねしたい。一つは、暴風雨というのと豪雨いわゆる風を伴わない豪雨というものとは、気象的に違ったケースになりますかどうか、それが一点。二点は今度の北海道の豪雨による被害を見ますと、川の下と上流では非常に降雨量の相違があったようであります。この下流の方がおもに行政官庁のあるところでありますが、従って下流では大した雨じゃないと思っている間に、急に洪水がやってきたということで、死者等も出たというのもこういうところにある。こういう点からいたしまして、いわゆる山嶽地帯と申しますか行政官庁のある所からかなり遠い所の雨量を常にとらえることが必要ではなかろうかと思う。今度痛切にそれか感じられた。一番あるのは、いわゆる分教場とか学校等の所在地にわずかにあるというだけでありますが、その上に参りますと全くつかみ得ないということに相なっているのでありますが、将来こういう地帯における降雨量を調査するようないわゆるロボット降雨計ですか、そういうものを置く必要をお認めにならないかどうか。
それから林野庁にも、特に国有林野は比較的不便な地域に存在している点もありますので、国有林好の保護の上からも治山の上からも、降雨量を正確につかんでおくということが、下流に対する水害を防止するという責任を負っているその重責からしましても、この降雨量を正確につかんでおくということが必要じゃないかと思いますが、この点をあわせてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/52
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053・肥沼寛一
○肥沼説明員 お答え申し上げます。
最初の点でございますが、暴風雨と豪雨の区別、この暴風雨というのは、普通一般に台風とか、低気圧とか言っております。これは雨を降らせ風を吹かせる一つの原因でございます。雨はその結果として降ってくるのでありまして、台風などは非常な豪雨を降らせますが、台風以外にも非常な豪雨を降らせる例がございます。その一番著しいのが梅雨前線でございまして、先般の北海道の雨、秋田の雨、これは全部梅雨前線でございます。日本で水害を起すような豪雨の約六割以上は台風でございますが、その残りの大部分は梅雨前線でございます。それ以外に水害を起すような豪雨もございますが、これは非常に少いわけであります。
それから第二点でございますが、北海道で上流の方で非常に雨が降って下流では少かったというお話でございますが、これは一昨年昭和二十八年北九州で非常な豪雨がございまして、あの結果は、川の上流方面の雨が、左来測定が困難なためにほとんどはかられていなかったということでありましたが、幸いなことに今ロボット観測器というような権械ができて参りまして、ちょうどそれの実施の段階になっていた時期でありましたので、全国に対して、そういう仕事をいたします予算を年次計画として要求いたしまして、最初は九州、中国、四国だったと思いますが、それから次には近畿から中部、それで三十年度といたしましては東北地方まで及んでおりますが、東北の一部がまだ抜けております。北海道はこの次の計画に入っているわけでございまして、これは次に予算をいただいて、山の観測を整備いたしたいと思っております。先般の雨はそういう事情で、山の方の雨量を私どもつかんでおりませんで、測候所で観測した雨垂は確かに少かったのでありますが、あの日高地方あるいは石狩川の上流地方には相当な雨が降ったのじゃないか、しかしどのくらい降ったかということは、今の観測施設では、私どもわからなかったという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/53
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054・柴田栄
○柴田(栄)政府委員 お答え申し上げます。山地気象の観測とこれが利用によります防災の施設は、私どももかねがねぜひとも整備しなければならぬということを考えておった次第でございます。二十八年度におきまして、治山治水根本対策を審議いたしました際にも、実は山地気象観測、通信等の整備を計画したのでございますが、気象台において統一してこれらの観測をしていただくということになった一つの現われが、ロボット観測器の設置じゃないかと考えております。それと並行いたしまして、私どもの事業実施の関係上からいたしましても、防災等の事業遂行の円滑化のために、山地気象の極地的な観測とあわせまして、通信網の整備によりまして、降雨、台風時におきます災害防除の必要を痛感いたしておりまするので、大きな流域につきましては順次それらの施設をいたしておりまするが、北海道地域においては、実はまだ非常に手おくれになっております。先般の災害あるいは今回の水害等を見て、ぜひともこれらの流域には早くそれらの施設を整備いたしまして、事業の遂行の円滑化とあわせまして下流地域に対しまする災害防除にも役立てなければならぬということを考えておる次第でございまして、順次整備いたして参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/54
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055・川俣清音
○川俣委員 気象台関係にもう一度お聞きいたしますが、暴風雨というのと豪雨というのは、定説上異なりますか、あるいは同じものと見てよろしいか、暴風雨の中に豪雨も入ると見るべきか、やはり独立さしておく方が正しいかどうかという点。
それから林野庁にお尋ねしますが、担当区等に通信網が完備いたしておりますると、今度の北海道豪雨のような場合におきましても、通信連絡が非常にうまくいきまして、人命救助の役にも立ったのではないかと思われる点があります。また本年は幸いにして北海道の山火事が非常に少かったのですが、こういう点からいっても、もう少し通信網を完備しておくということと、それから担当区あたりの気象観測というものを完備する必要があるのではないか。これは単に山を守るだけではなくして、下流をもあわせて保護するということが私はやはり任務ではなかろうかと思います。また山自体の上からも、もっと通信網を完備する必要があるのではないかと思いますので、この点を御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/55
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056・肥沼寛一
○肥沼説明員 暴風雨と豪雨とはどう違うかというお話でございますが、暴風雨というのは、これはちょっと誤解を招くのでありますが、普通二つの意味に使われております。暴風雨というのは、一つは低気圧という毒薬の別名のような使い方をいたしております。それからもう一つの使い方は、風と雨が非常に強いという現象そのものを言っておる場合があるようでございます。とにかくそれのまじったものでございます。豪雨といいますと、これはただ雨だけが非常に強いのでありましてその原因は暴風雨の場合もありますし、先ほど申しました梅雨前線のように、風のほとんど吹かない場合もありますし、また雷雲などで、短時間ではありますが、おそろしい雨が降るようなこともございます。その雨だけについて激しい場合を豪雨と申します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/56
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057・柴田栄
○柴田(栄)政府委員 御指摘のように、担当区等におきまする簡易な気象観測の整備、これは当然必要だと考えておりますが、さらに奥地の事業個所に、事業実行中は、相当簡易観測施設をいたしまして、実は大部分施設をいたしておるわけでございますが、通信の問題は、平常時におきましては相当円滑に参りましても、特に台風災害のごとき場合には、ほとんど故障して通じないというようなことで、一番安全なことを考えますると、やはり無電施設ということになるわけでございます。これは最近一部無電施設をして、非常に大きな効果を現わしております。具体的な事例といたしまして、最近発生いたしました秋田県の米代川流域の出水等には、非常に大きな下流への働きをいたした事例もたくさんございまするので、順次整備いたして参るつもりでおりまするが、何しろ相当の経費を要しまするので、なかなか思うにまかせないが、御期待の方向に努力いたしておることだけを御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/57
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058・川俣清音
○川俣委員 気象台にもう一度お尋ねします。今学問的な御説明は承わったのです。普通私どもも、暴風雨というと、台風または低気圧というような観念で法律的には使われておるのではないか。豪雨のような場合は、今御説明のあったように、梅雨前線あるいは夕立等、何といいますか、一時的な雨を普通さすように思うので、法律用語としては二つ分けることが妥当ではないか、こういうふうにお尋ねしておったのですが、この点法律用語としては分けて書くのが定説ではないかと思うが、いかにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/58
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059・肥沼寛一
○肥沼説明員 私法律の方はよくわからないのでありますが、暴風雨という言葉は、先ほど申しましたように、意味が分れておりますので、何か不適当のような気もいたします。それはあるいは低気圧とか、あるいは台風なら台風というような言葉がはっきりするのではないか。豪雨という言葉は、雨が非常に強いということで、これだけではっきりすると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/59
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060・川俣清音
○川俣委員 そこで具体的にお尋ねいたします。この法律では、「暴風雨、地震、暴風浪、高潮、降霜、低温又は降ひょう」というように、非常に表現をこまかくしておるわけです。その場合にやはり暴風雨という表現では豪雨が含まれないのではないか。気象台から見て、暴風雨というのは豪雨と別な用語に使われておるようだから、今の説明を具体化するというと、やはり並列しておく必要があるのではないか、こういうわけでお尋ねしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/60
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061・肥沼寛一
○肥沼説明員 この表現では確かに梅雨前線などのような、たとえば二十八年の北九州のような豪雨は含まれないような感じがいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/61
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062・綱島正興
○綱島委員長 いいでしょう。法律上の用語はお聞きしても無理だから……。観念が違うということさえはっきりすれば……。ほかにありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/62
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063・石田宥全
○石田(宥)委員 先ほど予報部長は、五十年間の各地域の回数をお話になったのですが、その五十年間における回数のうちで、非常に片寄るというような傾向は見られないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/63
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064・肥沼寛一
○肥沼説明員 先ほど申しました数字で申しましても、台風が上陸してくる地点は片寄っております。しかしこの片寄り方が年によって違います。ある年には東日本の方べ非常にやって参ります。ある年には西へやってくることがございます。そういう差が非常に大きいのでございます。長年の平均を申しますと、夏の初めには西の方が多くて、秋だんだん東へ寄ってきて、関東地方は秋になるというのが長年の統計の結果でございます。個々に申しますと、非常に片害りがございます。西の方にはほとんど来ないで、関東地方ばかりやられるということもございますし、関東地方にはほとんどこないで、九州だけということもあります。非常に年によって差が大きいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/64
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065・石田宥全
○石田(宥)委員 地域的な片寄り方、季節的な片寄り方と、もう一つ、年間別で、たとえば同じく五十年間十回あったとしても、このうち初めの方にずっと片寄って、あとの方にはほとんどこないというような工合で、ずっと長い目で見たならば、やはり台風の通路が移動しておるというような点は見受けられぬかどうか。要するにそういうことによって、常襲地帯というような定義をすることが、厳密な意味において果してできるのかできないのかということでお尋ねしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/65
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066・肥沼寛一
○肥沼説明員 ただいまの御質問の、地域的の差、それから季節的の差もございます。それから年による差もございます。たとえば昨年の例をとりますと、関東地方には十四号台風というのが一つきましたけれども、あの上陸した五つの台風の全部に九州はぶつつかっております。そういう状況でかなりの差があるのでございます。非常に長い年数については、統計はとれますが、十年とか、十五年とか限った間ならば、あるいはこちらが非常に多い、こちらが非常に少いということは言い得るのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/66
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067・石田宥全
○石田(宥)委員 専門家の立場から言って、先ほど申しまするように、いわゆる台風常襲地帯というようなことでこれを定義づけることについて、あなたのお考えを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/67
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068・肥沼寛一
○肥沼説明員 これは非常にむずかしい問題だと思うのであります。最初に御説明申し上げました台風の中心が通る場所と申しますと、これは統計さえとれば何年間にどれだけ通るというのがはっきり出てきますが、しかし被害ということを目的にいたしますと、台風によってどれだけの広い範囲に被害を及ぼすかということが違います。非常に大きな台風だと、その区域でありながら、ほとんど被害のないような所もあるのでありまして、これは県別でもむしろ大きいくらいで、あるいはさらに県を地形別にでも細分いたしまして、その中の台風による被害あるいは梅雨前線による被害を、相当年数の統計をとれば、統計の数値の多い少いによって目安はつくと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/68
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069・石田宥全
○石田(宥)委員 提案者に伺いますが、ただいまお聞きのようなことであります。やはり県別に区切って指定をしていくということの問題、これを県単位でやらなければならないというような何かお考えがあって定められたのかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/69
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070・井手以誠
○井手以誠君 その点は重要なところでございます。起案する場合にはいろいろ研究をいたしたのでありますが、大体台風によって、または豪雨によって災害を受けるのは一部の――たとえば北海道のごときは特別でございまして、大体その県の大部分が被害を受けるが、片方には被害をほとんど受けなかったということはありますけれども、大体その府県内の多くが被害を受ける。これを復旧するには、あるいはその被害の及ぼす影響については、大体府県が単位になって対策が進められており、その負担が府県に及ぶのであります。特に災害防除の点から申しますと、一部だけやれるものではなくして、県の立場で各郡市にまたがって事業をやらなければならないことが多いのであります。そういうことをいろいろ考えまして、災害の規模の点と防除事業の主体というものを考えて参りますと、どうしても都道府県単位でなくては工合が悪い、こういうような結論になって、台風常襲地帯の指定には都道府県を単位とするというふうにいたしたのであります。お説のように府県単位にいたしますと、必ずしもその法律の精神とぴったりしない点もあるかもしれませんが、大きな見地から考えますと、やはり都道府県単位が適当であろう、かように考えて提案をいたしたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/70
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071・石田宥全
○石田(宥)委員 基本的なことをもう少しお伺いしたいのです。先ほど来専門的な立場からもいろいろ承わっておるわけですが、主として予防措置を中心にお考えである。災害復旧については別の法令による別の措置でやる、こういうようなお話である。そういたしますと、台風常襲地帯と実は限定されておるわけでありますが、その他の問題について論及されなかったかどうか。たとえばある地域に強風の常襲地帯というものがあります。私の県などでは三カ所ほどあります。それは荒川流域とか、阿賀川流域とか、姫川流域とかいうふうに限られておる。数百町歩が年々非常な強風のために被害を受けておる。そこには防災林を植えてみたり、作物品種を変えてみたり、いろいろなことをやってみておるのですが、私のところも実はそれで因っておる。今年は一反歩ごとに防災林をあぜごとに植えておるのですが、これは非常に深刻な災害を受けて、出来秋になってからほとんど収穫の全部をやられてしまうことがある。あるいはまた春の植えつけ直後に来ますと、致命的な打撃を受けてしまう。そういう数百町歩の団地が新潟で三カ所あるのですが、そういうようなことを御研究になったかどうか、一つ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/71
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072・綱島正興
○綱島委員長 ちょっと私から一音発言さしていただきたい。先ほど川俣委員から動議がございまして、その動議は、この法案についてはいろいろ修正個所もあるようだから、懇談会を開いて、その修正補正等の点を懇談したらどうかという動議が出ておるのです。委員長におきましては、大体一応おもな線の質疑を済まして、それが終えたら懇談会に入りたいと思っておったのでございますが、ただいま石田委員の御発言等によっても、大体いろいろなことがはっきりわかってきました。先ほどから皆さん諸委員から実に適切な御質問がございましたので、もはや懇談会に入ってものを明らかにする時期に到達したのじゃないかと考えます。そこでこの際お諮りをいたしますが、この程度で質疑を打ち切りとはいたさぬにしても、一応中止いたしまして、理事及び理事に準ずる者の懇談に入りたい、この取扱いについて委員の皆さんに御同意がございましたら、さように取り計らいたいと存じますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/72
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073・伊東岩男
○伊東委員 もちろん懇談会大賛成でございますが、同時に懇談会に付議してもらいたいことがあるのです。これは議事進行にも関連することでありますが、実は昨晩北海道から水害視察をして帰ったのです。この報告はなるべく早急に御報告することになるだろうと思います。そこで北海道の災害は非常に甚大でございますので、特に急を要するものもあります。なかんずく金融処置のごときはことに急を要すると考える。そこでただいま二法案の出ておるうち、天災による被害農林漁業者に対する資金の融通に関する暫定措置法案が通過いたしますれば、この法案て処置ができると私は思うのです。そうすると、いわゆる七月は北海道、六月は群馬あるいは九州方面に起った水害、これに対する対策も必要でございますがこれはすでに四月、五月の処理法案は通過をいたしておりますので、これを修正していただけば、即時この問題の促進ができると思いますが、これらの議事進行についても委員長はどういうふうにお考えになっておるか。ともに懇談会のときに御協議を願ってもあえて差しつかえございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/73
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074・綱島正興
○綱島委員長 大体、委員長から一応の考え方をお答えいたしますと、幸いにこの災害に対する特別立法が通過いたすことになりますれば、法律上の効力が遡及して発生するような一項を設ければ、今伊東委員の御希望のような点にちようどはまると思います。その点等も懇談会に付したらいかがかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/74
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075・芳賀貢
○芳賀委員 提案者側にお尋ねいたしますが、この天災に対する資金融通、この資金源は系統融資に求めておるのですね。それで今までも昭和二十八年以来の水害あるいは冷害等によって、累年災害対策が今日においてはほとんど融資にしわ寄せがいっておる。ですからこれを恒久立法にした場合において、農林水産関係の災害融資というものも、農林漁業者みずからの系統資金だけに依存してこの解決ができるかどうかということは、これは現在においてもそうでありますし、今後においても非常に重大な問題だというふうに考える。むしろこれは考えようによっては、政府に好餌を与えたということにもなるのですね。農林災害の場合は、融資はこの法律があるから、系統資金だけにまかしておけばいいじゃないかというような、そういう心配も出てくる。もう一つは、従来の臨時措置法によると、こういう資金措置と、あわせて政府が補償する損失、あるいは利子の対象になる金額というものを、法律で明記して、たとえば百億であるとか、百五十億であるとか、これは法律の条項の中に明らかに桁示してある。これによると、今度は一番大事な点が政令にゆだねられることになる。そうなりますと、今度の災害に対して、自動的にどのくらいの資金措置が要るかということは、これは政令によって、政府当局だけの非常に消極的な判断によってワクがきまる。今までの実例を見ますと、われわれは委員会等においてその適切な資金ワクというものを検討して、政府提案で縮小するような場合には、これを適当に是正して、そして法律の運用を行わしてきたわけです。今度はその資金ワクを全部政府にまかしてしまうわけですね。これは非常に危険性が伴うと思いますし、もう一つは、何でもかでも災害者向身の系統資金だけに依存すればいいというのは、これももうすでに一つの限界にきておるのです。災害が累年あるとすれば、今まで借りた金の返済も一年延期するとかなんとかいうことで、臨時的な措置を講じてきておるわけです。こういう点に対しては提案者としてどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/75
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076・井手以誠
○井手以誠君 お尋ねの点は、立案中にもいろいろ研究した事柄でございます。提案説明にもありましたように、やはり基本法が必要である。その基本法に政府のなさねばならぬことを一々規定するということよりも、従来も災害のありましたときには、政府が進んで資金融通の法律案を出したこともございます。今回は衆参両院、正式ではございませんけれども、正式のものもございますが、こういう法律案を作れという一致した要望でもございます。従って系統資金機関の梗塞されることは予想いたしますけれども、そういう場合は、当然政府が資金融通をしなければならぬという認定をした時分には、その政令を公布するでありましょうし、また金融が梗塞するような場合は、そのつどはできませんでし、ようけれども、必要な場合は出資その他の予算措置も私は講じてもらえる、当然そうされるものと期待いたしておるのであります。事柄が災害でございますので、おそらくどの内閣といえどもそういう措置をしてくれるものだ、また必要だと考えた場合には国会においてこれを要望することもできるわけであますし、立法することもできるわけであります。私はその点については今後の処置にまっていきたい、政府の対策を信頼していきたい、かように存じてこのような提案をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/76
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077・芳賀貢
○芳賀委員 これは一番大事な点が一番甘くできておるのです。損失補償にしても利子補給にしても、これは政府がその分だけをわずか負担するにすぎない。それだけでも今日大蔵省のごときは、そういう支出を阻むために結局貸付のワクを押えさせる、それは今までも立証されているのです。ですから、それを排除するためにこの恒久立法を作るというところに任務があるわけです。もう一つは、これは災害等による資金融通措置というのは、当然原則としては政府資金によってこれをまかなうことが当りまえなんです。それを今まで政府が怠ってきたのでやむを得ず系統融資によるけれども、それには損失補償とか利子補給の措置を講じさしてきたわけです。恒久立法にするためには、これはやはり原則としては農林災害等による資金融通は、原則として政府資金をもってこれに充てる、そうして一部これに可能な範囲内において系統融資をもって充てた場合には、損失補償や利子補給に国が任ずるということにすべきであると考える。特に政令に何でもかんでもまかせて、安心できるような政権の場合にはこれはいいですが、安心できないような政権の場合は、これは向うに刃物を価けて、非常に被害者が苦しむような事態が出てこないとも限らないのですが、こういう点に対しては、委員長の言われた傍刻の懇談会におきまして詳細な検討を下す御用意があればそれでもいいし、この機会にもう二度その点を明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/77
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078・井手以誠
○井手以誠君 この二つの法律案を提案するまでには六次、七次案とまで案を練ったのであります。私も芳賀委員と同じような気持で、そこまで災害が起きた場合にはそうしなくちゃならぬ、自動的に、資金源についても融通の具体方法についても安心させる法律を作りたいということで練って参りましたけれども、立法技術の点から、また時日の余裕の問題から、この程度のものにして提案になったような次第でございます。やはり私どももなお不満の点はございますけれども、幸い懇談会の機会でもあれば、皆様のお力によってこれならば大丈夫、安心してまかされるというようなものになればなお幸いだと存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/78
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079・綱島正興
○綱島委員長 それでは先ほどの川俣委員の動議の通り取り扱うことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/79
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080・綱島正興
○綱島委員長 御異議なければ、午前の審査はこれをもって一応打ち切りまして、あらためて懇談会の後にまた解査に入ることにいたしたいと存じます。午後二時より懇談会に入ることにいたし、その懇談会の上で委員会を開会いたすことにいたします。
午前はこれにて休憩をいたします。
午後零時五十五分休憩
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午後四時四十七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/80
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081・綱島正興
○綱島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際お諮りいたします。朝鮮水域等の公海においてしばしば漁船の拿捕問題が起りまして、抑留された漁船の乗組員並びにその家族が非常な困窮した状態を呈しておりますので、この際韓国に抑留されたところの漁船の乗組し員またはその家族の人を明日の本委員会に参考人として出席を願いまして、その実情を承わりたいと思いますが、さように取り扱うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/81
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082・綱島正興
○綱島委員長 御異議なしと認めます。なお参考人の選定は委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/82
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083・綱島正興
○綱島委員長 それではさよう取り計らいます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十九分散会
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X04119550715/83
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