1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月九日(土曜日)
午後二時十八分開議
出席小委員
水産に関する小委員会
小委員長 鈴木 善幸君
赤澤 正道君 白浜 仁吉君
原 捨思君 川村善八郎君
田口長治郎君 赤路 友藏君
芳賀 貢君
農業及び漁業災害補償制度に関する小委員会
小委員長 足鹿 覺君
石坂 繁君 原 捨思君
鈴木 善幸君 赤路 友藏君
伊瀬幸太郎君
出席政府委員
水産庁長官 前谷 重夫君
小委員外の出席者
農林事務官
(水産庁漁政部
協同組合課長) 酒折 武弘君
農 林 技 官
(水産庁漁政部
漁船保険課長) 中村 正路君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 徳久 三種君
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本日の会議に付した案件
水産業協同組合共済会に関する件
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〔田口水産に関する小委員長代理委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/0
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001・田口長治郎
○田口小委員長代理 ただいまより農林水産委員会水産に関する小委員会及び農業及び漁業災害補償制度に関する小委員会連合会を開会いたします。
去る六月八日の農林水産委員会において、水産業協同組合法の一部改正する法律案起草の件について、水産に関する小委員会の成案の報告がありましたが、特に水産業協同組合共済会の共済事業の問題について、農業及び漁業災害補償制度に関する小委員会と関係もありますので、去る六月十一日にその第一回の連合会を開きましたが、本日さらに水産に関する小委員会案の趣旨についてあらためて御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/1
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002・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 水産業協同組合法の一部改正につきまして、水産に関する小委員会における調査の経過及び結果等について御報告申し上げます。
ただいま委員各位の御手元に配付いたしてあります水産業協同組合法の一部を改正する法律案は、昨年農業協同組合法を改正して農業協同組合による共済事業の拡充を見たと同様の趣旨によりまして、今般水産業協同組共済会の事業の拡充をはかるとともに、全国を地区とする漁業協同組合連合会の事業に関する規定の一部を改正して、漁民生活の安定に資せんとすることがその趣旨であります。
昨年第十九回国会におきまして、農協法の改正以来、農村と相隣接せる漁村の関係あるいは漁業協同組合と農業協同組合との関係からして、必然的に漁民の強い希望となり、国会に対してもあるいは委員会に対しても請願または陳情として強く要望されて参つた次第でありまして、これが実現方法につきまして、小委員会において鋭意検討を重ねた結果、去る五月三十日の小委員会において全会一致の意見として法律案を起草いたした次第であります。
以下これが内容について簡単に御説明申し上げます。
まず第一点は、水産業協同組合法第六章の二水産業協同組合共済会会の規定の改正でありまして、従来の共済会は第百条の二の設立の目的及び第百条の四事業の規定に明らかなるごとく、事業の用に供する建物等物件だけについて、災害による損害を相互に救済することを目的としていたのでありますが、今回は、先に述べました通り農協法の改正と同様の趣旨によりまして事業の拡充を可能ならしめるとともに、第百条の十として新たに共済規程なる条文を設け、事業の種類別に、その実施方法あるいは共済掛金等の重要事項について共済規程で定め、行政庁の認可を受けることにいたしたほか、条文の一部整備をはかった次第であります。
第二点といたしましては、同法第八十七条漁業協同組合連合会の事業の種類の規定中特に全国を地区とする連合会の事業に対しまして、去る昭和二十七年第十三回国会において、特定の四つの経済行為について当分の間農林大臣の認可を要することに制限して参つたのでありますが、その後の経過あるいはこの種法令との関係等にかんがみまして、この際農協法と同じくこの規定を廃止することにいたした次第であります。
なお今回の改正実施に当つては予算州は必要といたしません。
以上が小委員会において改正せんとする趣旨でありますが何とぞ本合同委員会におきましても慎重御審議の上、すみやかに結論を得まするようお取り運びを願いたいと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/2
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003・田口長治郎
○田口小委員長代理 本提案につきまして質疑があればこれを許します、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/3
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004・足鹿覺
○足鹿小委員 先日第一回の連合委員会におきましていろいろと御意見を申し上げ、かつまた資料の御要求を申し上げたのありますが、その資料について一応御説明願いたいと思います。
なお政府委員がお見えになりましたならば、政府に対してお尋ねしたい点もありますので、水産庁長官、農林経済局長等政府を代表する政府委員の御出席の手配をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/4
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005・田口長治郎
○田口小委員長代理 政府委員出席につきましては承知いたしました。今要求中であります。
ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/5
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006・田口長治郎
○田口小委員長代理 では速記を始めて。
共済会専務三木氏が見え、ておりますから、先生に懇談的に説明を願うことに御同意をお願いできますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/6
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007・田口長治郎
○田口小委員長代理 それではさように取り計らいます。
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〔午後二時二十七分懇談会に入る〕
〔午後二時五十七分懇談会を終る〕
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008・田口長治郎
○田口小委員長代理 以上で懇談会会を終ります。足鹿君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/8
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009・足鹿覺
○足鹿小委員 水産庁長官にお伺いいたしますが、全国漁業共済会、水産漁業協同組合共済会の概要について、ただいままで懇談中にいろいろと意見を聞いたのでありますが、今度この会が新たなる共済事業を開始せんとしております、すなわち漁民厚生共済、漁具共済、近き将来においては漁獲共済を行わんとしておるようであります。本来漁村なり漁民の実情から見る場合は、直ちに今手をつけようとしておらないようでありますが、漁獲共済すなわち一種の凶漁対策的なものに対しては当然国家がめんどうを見るべき性質のもののように、われわれしろうとでありますけれども今まで聞いております。こういうことを漁業協同組合の共済会で計画させて、水産庁はただ見ておるというような消極的な態度であつていいのかどうか。特に沿岸漁民対策というものが、近来いろいろ科学的な操業が発達するに伴つて各地で紛争を起しておる。そういった場合、特にこの凶漁ないしはこれに類似する漁獲共済のごときものに関連して、沿岸漁民の保護育成といった面にまでこの共済会が手をつけようとしておることは、民間の機関としては私は非常にいいことだと思うのです。むしろ政府が積極的に奨励していかなければならないことだと思うのですが、そういった点についてどういう御所見を持っておられますか。なおこの漁民厚生共済にしてもあとの漁具共済——これはこの会の特殊事業でありまして、他に何らの競合関係はありませんし、次に行わんとしておる漁民厚生共済と現に行なっておる火災共済につきましては、純漁村においては何ら他の団体と事業上の摩擦ないしは競合ということは起きないと思いますが、農漁村あるいはそれに類似の地域が相当全国にあると思いますから、それらの地帯において、現在はなくても、この事業がだんだんふくらんでいく過程において、事業上の競合を起し、同じ組職員がかきに相せめぐような結果が出はしないかということを私はおそれるのであります。そのことは、ただ単に団体同士の紛争を起し、事業の競合を起すということのみならず、協同組合の精神に従って非常に遺憾なことだと思うのです。いわゆる組織と資金の分散を行いまして、さなきだに協同組合の組織力なりいろいろな資金の分散等が現在盛んに行われておる事情でありますので、そういう点から非常に心配をいたすのでありますが、これに対しまして、水産長官としての現在の所信、また今後どのような方針で指導して、私がただいま指摘したような点について危惧のないように万全の措置を講ぜられるか、この二点についてまず承わりたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/9
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010・前谷重夫
○前谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま足鹿委員のお話の、第一点の漁獲共済につきましては、われわれといたしましても、政府の立場において、これをいかにすべきかということで、昨年度より調査を始めて参つたのでございます。大体御承知のように、水産業につきましては、災害の態様頻度、その原因等、政府として根本的に立案し実施いたしまする場合の材料が、一般農業と違つて非常にむずかしいのでございます。特に漁獲物の例年の収獲高、またその年における収獲高というものは、漁獲物の性質上毎日毎日処分されますので、そういう点について農業とは違つた非常にむずかしい問題がございますので、昨年度からさらに本年度に続きまして調査をいたしておるわけでございます。この案にもございますように、私たちも、第一段階といたしまして、自営漁業とかあるいは共同販売をいたしておりまする組合につきまして、いろいろなデータを得るように、本年度においても調査を始めてあるわけでありまして、政府といたしましても、この民間と申しますか、共済会を行いますものについて十分慎重に出さなければならぬと同時に、われわれとしても調査を進めまして、そしてデータのもとにおきましてこの共済事業というものをやつて参る必要があるのじゃないかということで、去年から今年にかけまして、予算を計上いたしまして調査をいたしておる次第でございます。
第二点の、漁民厚生共済を、新しくやりかえる場合におきまして、農業協同組合においても同様な事業をやつておりますので、ただいまの御指摘の点はまことにごもっともでございまするが、われわれといたしましても、業種は違いまするが、同じ協同組合の組織でありますから、これの力が分散し相競合するようなことがあつてはならないと思います。従いましてわれわれといたしましても、主として漁業をもって生計を立てる、あるいは主として農業をもって生計を立てる、いろいろのケースがございますから、大体におきまして一定の基準のもとにおきまして、農業経済局とも相談いたしまして、そして両方の間におきまして取り合いをする、あるいは競合するということのないように、十分指導をしていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/10
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011・足鹿覺
○足鹿小委員 あとで農林経済局長がおいでになってから、この競合の問題についてはさらにお伺いをいたしますが、現在行なっております共済会は、そう膨大な組織とはいえますまい。普通の保険会社が行わない危険度の高いものについて着々と仕事を進めておるようでありますが、将来大きくなっていくでしよう。そうした場合に、当初簡単にやつておつたことが、だんだん仕事が膨脹するに従って、最初のことは別として、ややもすればいろいろなトラブルが起きがちであります。この点については、これはいいとなれば議員立法になるようでありますが、われわれが立法したといえども、将来はあなた方が実際手にかけられなければならない性質のものでありますから、その点についてはっきりとした何か基準のようなものをお作りになって——別に心配をするわけではありませんが、いつまでもその理事者がその席におるわけでもありませず、その衝に当る人がかわれば、将来またどういうふうに変つていくかわかりません。こういうことは、現に同じ農業団体の中にあつて非常に激しい紛争が赴きておるので、私は架空のことを言っておるのでありません。この点については、一つ十分まとまつたものを御用意になって、そしてこの提案までにはある一つのものをわれわれにお示しになる、こういうことがお願いできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/11
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012・前谷重夫
○前谷政府委員 この点につきましては、実は二つの点があろうと思います。私たちは今年度ではございませんが、来年におきまして漁業法の改正と同時に、漁業協同組合の改正の問題をいろいろ検討いたしておるわけであります、この場合におきまして、従来の漁業協同組合におきます資格条件というものが、漁業の場合において適当かどうかということで、さらに検討すべき問題に直面いたしておるわけであります、従いましてこの問題もそういう面との関連がありまして、漁業協同組合の加入資格というものが現状でいいかどうかということについて、いろいろわれわれとしては検討いたしておるわけであります。同時にそれは漁業協同組合法の根本的な問題になりまするので、それと合せまして、その暫定期間といいますか、その至るまでの間におきまして、これは法律が実施されまして、その後共済会においても具体的な実施については十分期間もございます。その間におきまして農協方面ともよく連絡をとりまして、ある程度の基準を立てて、そうして実施することが必要だろうと思います。その点については、私といたしましては漁業の一方的な立場だけじやなく、農業方面の意見もよく開きまして、われわれも必要な点は主張いたしますが、両方において言うことは言って、そうして納得の上での基準を作ることが事業を進める上において非常に必要かと思います。そういうふうな先方の意見も十分聞きまして、そうして基準を作るように努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/12
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013・足鹿覺
○足鹿小委員 私の言っておりますのは、主として同じ趣旨の協同組合法で、一方は農業協同組合法に基いて事業を行い、一方は漁業協同組合法に基いて事業を行なっておる、今農業団体間において起きておる紛争というものは根拠法が違う、一方は国家の事業を代行するがごとき重大な農作物災害に対し事業を行いながら、一方その共済において紛争が起きておる。私は今起きているようなことを心配するのではなくして、同一の根拠法に基いてやるわけでありますから、紛争といっても私はそう醜いものがあることは予想いたしません。両々相待って農漁村の振興をはかり得るものだと思っておりますが、少くとも現在では別に本質的な対立は私はなかろうと思います。そういった点で、ただ事業上の対象は一つであるにもかかわらず、その後の傾向を見るといろいろな団体が寄つてたかつて物議をかもす、こういう傾向がありますので、こういうことはあらかじめ未然に防止する措置を講じて進むべきだ。ただいま聞きますと、事業開始間に十分その対策をやる、こういうことでありますから、その点で了承いたします。
次に第二点は、これは三木さんに聞いてもいいのですが、危険分散の方法がどういうふうになっておりますか。またこの共済会に対するところの監督官庁は水産庁であろうと思いますが、その監督の方法等はどういうふうになるのでありますか。現在農協関係には、検査課ですかができまして、全国の農協を漸次検査をして、事業の適正な運営指導をやつておりますが、こういう新たなる事業を行う場合において、水産庁としてはどういうふうな対策を今までとつておるか。また今後どういうふうにやろうとしておるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/13
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014・前谷重夫
○前谷政府委員 第一点の危険分散の点は、あるい三木さんの専門家の方からお聞き願いたいと思いますが、水産庁といたしましては、共済会に対する監督につきましては、漁業協同組合法に基きます監督があるわけでございます。定款の認可等についての監督があるのでございます。同時に農業協同組合と同じように、水産庁におきましても一定の計画を持ちまして、府県連合会に対する監督をいたしますと同時に、府県におきましてはやはり一定の検査計画に基きまして、府県職員が末端組合を検査しております。ただこの点につきましては、まだ農業協同組合ほどに検査が十分至っていないということを私も感じております。従いまして漁業協同組合がだんだんに組織化され、経済事業が進展するにつきまして、この検査監督につきましては、われわれとしてもそれを強力に進めて参らなければならない、かように考えておるわけでございます。この共済事業につきましては、特にその事業開始に当りまして、その定款、業務規定等につきてましては認可をすることになっておりますから、その認可によりまして十分計画自体の内容を審査いたしたい。その上におきまして適当な監督をいたしますと同時に、実際面におきましては、その事業の実施に当りまして、一般の検査につきまして、やはり事業の進行状態に応じまして検査をやる必要があるということで、われわれといたしましても一般の漁業協同組合と同様の監督をいたして参りたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/14
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015・田口長治郎
○田口小委員長代理 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/15
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016・田口長治郎
○田口小委員長代理 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/16
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017・芳賀貢
○芳賀小委員 先ほど鈴木小委員長から改正点に対する御説明がありましたが、この公済会の事業について、今度の法律の改正との関連でありますが、たとえば漁民厚生共済にしても、あるいは水産業協同組合におけるところの単位組合が、いわゆる共済事業を行えるということになっていると承知しておる。ただこの全国水産業協同組合共済会は、やはり全国一本の組織にして、これ以外の組合には共済事業をやらせないというような行政的な方針もあるように察知できるのです。
それからもう一つは、契約の対象が個人を対象にしないということもうたつてあるのですが、そういう場合に、末端においては当然漁民厚生の場合において、個人が共済契約をやるということになるのではないか、そういう関係が非常に明確を欠いておるように思いますが、この点に対してもう少し掘り下げて御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/17
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018・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 漁業協同組合が共済事業を行う目的をもちまして、全国を地区として共済会を設立をいたしまして、個々の協同組合はそのあっせんなり指導なりをやりまして、仕事は一本で全国を地区とした共済会でやつて参る、こういうことであります。
それから加入の問題でありますが、加入の問題は、これは大体方針としましては団体的に加入させるという工合に指導するわけでありますけれども、もとより個人の加入をも認めておる、こういうふうにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/18
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019・芳賀貢
○芳賀小委員 この点は、たとえば農業協同組合に一例をとると、共済事業をやつておるわけでありますが、単位協同組合が実際の仕事を行なって、それから都道府県並びに全国団体の連合会に再保険するというような形がとらたておる、これによりますと、個人が共済会に加入するという形をとつておると思うのですが、しかしいかなる方法かによって、漁民厚生の場合も、これは個人が契約を結ぶということにはどの段階かではなると思うのです。単位協合組合が何かの段階で一口とか二口とかの契約をすると思うのです。その場合個人加入とか個人契約を認めないということになりますと、事実上個人が共済事業に対してどの面でつながるかということが問題になると思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/19
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020・田口長治郎
○田口小委員長代理 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/20
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021・田口長治郎
○田口小委員長代理 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/21
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022・芳賀貢
○芳賀小委員 それでは水産庁長官にお尋ねしますが、この水産業協同組合法の百条の二には、共済会の規定が以下うたつてあるわけでありますが、本法によりますと、共済会なるものが単位協同組合においてもこれは設立はできるわけですね。今三木さんの御説明によると、そうではあるけれども、これを一つの行政指導として、指導によって今の過渡的な段階としては全国組織一本にして運営しておる、そういうようにも聞えるのですが、水産庁の指導方針というものはそうういう形で行なっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/22
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023・前谷重夫
○前谷政府委員 現在の協同組合法の規定によりますと、お話のように水産業協同組合に共済会を設立することができるということになりまして、この地区等については法律上制限がございません。しかしながら現在の農業協同組合の発展段階におきまして、これがこういう同じ系統内部におきましてばらばらにできるということは、組合の数なりあるいはその地域的の関係からしまして、われわれとしましては、こういう共済事業を行うのには全国的な規模において行うことが必要である、こういう意味におきましてそういう考え方をとつておるわけでございますし、また同時に水産業の協同組合の内部におきましても、やはり水産庁と同じ考えのもとに全国的にやることがむしろ適当であるという考え方でおられますので、別にこれと別個の団体を作りたいというような考え方は現在の協同組合内部にもないわけであります、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/23
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024・芳賀貢
○芳賀小委員 私の指摘したい点は、この法律によると、単位協同組合の正組合員たる会員が共済会に対しては準組合員であるというような待遇を受けるということ、これはどうも筋が通らないと思う。単位組合においては当然個人が正組合員である、しかしこの法律によって作られておるところの共済会に対しては正組合員としての扱いを受けられない、準組合員であるというようなことは、ちょっとどうも理解に苦しむわけなんです。それから、今の段階では、共済会の事業が火災共済に限られておるので非常に取扱いの数字も少いのですけれども、これが趣旨が普及徹底したり、あるいは厚生共済あるいは漁具、凶漁等に対する共済規程が実行に移されるような場合においては、こういうような取扱いでは非常に混乱するようなことになる時期も必ずくると思うのです。ですから、その末端における取扱いには、必ず個人である正組合員の家屋とか個人の生命とかいうものを対象にして契約が行われる、それが、今の扱いからいくと、表面には全然現われてこないということになるのですね。ですから、これらの法律を今回改正する場合においては、もう少し前進した、将来をも考えた実情に適応したような改正までもお考えになられたかどうか、これは鈴木小委員長にもあわせてお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/24
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025・前谷重夫
○前谷政府委員 現在の共済会の規定によりますると、組合が共済会を設立いたすことになりまして、組合が正会員になっております。そしてその組合の組合員が準会員として加入できることになっております。今の芳賀委員の御指摘は、漁民厚生共済、ことに生命共済等の場合においては準会員が対象になっておる、そして正会員が対象になっていない、これは法の体系上おかしいじゃないか、こういう御指摘だろうと思います。これには二つ考え方がありまして、現在の水産業協同組合自体にそういう共済事業を行わせて、そして共済会がこれを再保険するという建前がいいか、あるいは現在行なっております全国的な規模における共済会がそういうことをやつた方がいいか、それはいろいろそういう二つの行き方がございますが、現在の協同組合の段階におきましては、個々の協同組合におやるということが、危険分散というような面からいたしましてまだその段階ではないのであります。従いまして協同組合の組織いたしております共済会をもってその事業に当らしむることが現段階においては最も合理的ではなかろうか、こういう考え方がとれるわけでございます。ただその場合におきまして、準会員と会員ということで事業の形がおかしいではないか、こういう御指摘だろうかと思いますが、その点につきましては、やはり協同組合の組織体、そして協同組合と組合員とが二位一体であるという考え方、やはりこういう方が実体的には非常にいいのではなかろうか。と申しますのは、全組合員の直接加入といたしますと、これは全国区域でございますので、総会その他の関係というような点について、組合の運営上いろいろ非常に困難な点もございますし、また水産業協同組合は、漁業権におきまして組合員と結びついておりますから、そういう面からいたしましても二位一体といたしまして、組合の代表という形で組合を育成するというのが実態でございます。形の上からいきますと、御指摘のように準会員を対象としていない事業、会員を対象とした事業ではないかということもあろうかと思いますが、実体的に見ますと、それが実態に即した一番いい例ではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/25
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026・芳賀貢
○芳賀小委員 私の申し上げているのは、共済会の歴史的な変遷等はまだ不勉強でありますが、私どもはとかく農業協同組合のような、そういう一つの概念から判断する傾向を持っているわけです。今長官が言われた通り、共済事業の規模は、少くとも都道府県なんかよりは、できれば全国的段階における一つの規模になってやるべきであると考えております。しかし生命共済等の場合は、これは団体が何口加入したといっても、その内訳というものは、何の何がしが契約しているかということは明らかにされておかなければならぬと思うのです。ばく然と何人分で何口を全国共済会に加入するといったつて、身柄が明らかになっておらぬと、生死も判明できないというような場合が出てくると思う。これは表面はそういうことになっておるが、最末端においては、実質的にはやはり個人々々が組合との間において加入契約等を締結しておると思うのです。それを取りまとめて組合が全国共済会に加入した形をとつておるのですから、これはせんじ詰めれば、どういう御説明があつてもやはり単位協同組合が連合会に再保険するというような形になるとしか思えないのです。長官のお話を聞くとこの方がいいのだということになるし、われわれが考えると、まだこれより一歩前進したやり方が可能ではないかというふうにも考えられるわけです。これは将来に大きな期待をわれわれも寄せているので、またこの法律改正がここで行われようというので、御意見を申し上げているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/26
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027・前谷重夫
○前谷政府委員 共済の取扱いにつきましては、別途に共済会から御説明があった方がいいかと思いますが、芳賀委員の御質問の前提は、法律改正によって事業協同組合にも共済事業を行わしたらどうか、こういうことが前提になっているのではなかろうかと思うのです。現在の水産業協同組合の規定では、単位協同組合は共済事業が行えないということになっておる。これを行わすかどうかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在の共済組合の発展段階から、また利用者の数、利用の状況等からいたしまして、特に事業協同組合は部落的な性格のものが多い、そういう地域的な関係からいたしまして、協同組合法を作る場合におきましても、組合を単位とした共済会をもって共済の事業を行わすことが適当であろうということで、こういう規定になっておるわけであります。その点につきましては、現在の状態においては、狭い範囲の事業協同組合で共済事業を行う、それを再共済するよりも、全国一本でもって直接共済をすることが適当ではなかろうか、かように考えておるのでありますが、御指摘の共済会の生命共済の場合におきまする契約の対象は、やはり共済会と準会員である個人との契約になるわけでございまして、その間におきまする単位協同組合は、その個人間の契約を集団的にあっせんするという形をとつて、直接協同組合と共済会との間の契約というものにはならないのではないか、かように考えております。なお詳細な点は三木君から御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/27
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028・芳賀貢
○芳賀小委員 そうすると今の長官の御説明では、結局単位組合は代理店的な立場をとるというようなことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/28
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029・足鹿覺
○足鹿小委員 各条について二、三お尋ねしておきますが、たくさんはありません。一番中心は第百条の四の二号ですが、「共済会は、定款により、会員以外の者にその事業を利用させることができる。但し、一事業年度において、会員以外の者が利用し得る事業の分量の総額は、当該事業年度において会員が利用する事業の分量の総額をこえてはならない。」要するに十割員外利用を認めているようですが、これは普通の協同組合の場合とよほど違つているようです。そうすると、先ほどあなたは事業の共同利用はやらないと言われておりますけれども、農漁村において組合に入っていない農民を十割も員外利用をさせるということになると、百人のところへ百人員外利用をさせたら、事業競合が実質的に起きる一つの危険性があるのではないですか。これは他の団体においては、あるものによっては四割ですか、普通の農協が二割ですか、どうもそこらが異例の措置のように思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/29
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030・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 私から御答弁申し上げますが、これは足鹿さんが御心配なさつていられるようなことを実は考えていないのでありまして、漁業労働者というものが漁業協同組合の場合には組合員になっていないのであります。そこで組合員に雇われておりますところの漁業労働者、従事者と申しますか、そういうような者の遭難事故その他に対処いたしますためにこういう規定を設けているのでありまして、全然漁業に関係のない者からたくさん員外利用を求めていこうというような意図は全然考えていなかったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/30
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031・足鹿覺
○足鹿小委員 御趣旨はわかりますが、しかしそれは起案者がそういう考えを持っておられるとううことで、末端におりた場合には、必ずしもそうはいかない場合が出てきはしないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/31
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032・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 その御心配があると思います。そこでこの共済規定を作りましたが、この共済規定は行政庁の認可を受けてこの事業を実施することにいたしておりますから、この共済事業の認可にあたりまして、足鹿委員の危惧なさつております点は十分規制をして参るようにしたらいかがかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/32
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033・足鹿覺
○足鹿小委員 了承しました。そうしますと、共済規定については、水産庁は模範共済規程例とか、そういうようなものについてももう準備をしていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/33
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034・前谷重夫
○前谷政府委員 これは現在検討中でございます。まだ成案を得ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/34
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035・足鹿覺
○足鹿小委員 今鈴木さんが言われたような点を十分に共済規定の中に念のために入れておいていただきたい。くどいことは申しませんが、よく取り入れておいてもらいたいと思います。それからこれは本法とは別に関係ございませんが、水産庁長官がお見えになつたので、私は質問を終わる前についでに一つ伺つておきたいのですが、私は水産関係は全くのしろうとですが、汚水処理の問題について各地でいろいろな問題が起きておる。この漁獲保険というものを今度共済会が思いつこうとしておられますが、その一種の凶漁というものの原因は、天候とかいろいろなものに左右されるほかに、近代工業の異常な発展、進出によって、沿岸漁民が非常な窮地に追い込まれる事例がたくさんあります。これらの点について国家が保険するというとおかしいですけれども、何かやはり生活の根拠を脅かされるものに対しては——その会社に何ぼ要求しても話がつかぬ、これは問題にならぬ。汚水を処理したという、処理しないというが、夜間に放水をして朝起きて見るとまたちゃんととめておつたというような調子で、全くこれは水かけ論で処理がつかぬ。私の近辺にもむずかしい問題が起きておりますが、いろいろ話を聞くと全国にたくさん起きておる。そういう人為的ないわば近代工業の進出による凶漁、漁獲高の減少、それによる沿岸漁民の非常な窮乏、こういう事態はゆるがせにできない段階まできておるのじゃないかと思うのです。特に繊維工業、パルプ会社の進出等は著しいものがあるようですが、この汚水処理の点について沿岸漁民の保獲対策等については水産庁は、保険というとおかしいが、別個に——国家が補償という責任もないでしようが、何らかそこに沿岸漁民の保護対策というものが私はなければならぬと思っておりますが、今までなさつておるかもしれませんが、なさつておればわれわれの方でもそんな騒ぎが起きているはずがない。この間も沿岸の漁民が蝟集して、夜間に土のうを築いて汚水の出るところをとめてやるというので、あわや一大事を起そうとした事態が私どもの地帯に起きておるのです。そういったことは人為的な凶漁で、全く沿岸漁民は生活に窮しておる。これでは今の共済会の保険にかけようとしてもかけるわけにもいかないし、漁業自体が全滅の段階にきておる。これは学者に聞くと、科学的にはそういう汚水の原因は完全に除去されておると言っておる。ところが事実上は除去されておらない。漁具は腐り、魚類は寄りつかない、貝類は全部死滅してしまう。そういう事態で、これはきわめて部分的であるために大きな要望となって出てきておりませんが、水産庁にはこういうことについて処理する何らかの措置というものは講じられておらないのですか、一体どういうふうにしておられますか。この保険関係に関連して、これは非常に大きな問題なので、この問題は別個に私は水産委員会の人たちにお願いして、私も少し勉強してみたいと思っておりますが、これに関連して一ついい機会ですから御所信のほどを聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/35
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036・前谷重夫
○前谷政府委員 ただいまの足鹿委員のお話、実はわれわれとしては、もう水産行政にとつて一番大きな問題でございます。この問題は、結局におきまして、水質汚濁の防止の立法措置を要する。従来も経済審議庁の資源調査会を中心として水質汚濁の法案の基礎研究をいたしたわけございます。一応の成案を得ましたが、これは影響するところが非常に多うございまして、またそれに対して一定の基準を設ける、つまり汚濁の限度がどの程度に達すれば影響があるか、どの程度までの汚濁を防止するかということで、われわれも一部分いろいろ検討もいたし、調査もいたしておりますが、残念ながらまだ最終的な段階には至っておらないわけでございます。正直に申しますと、この点については、われわれも何ら制度的な手は打っていない、こういう状態であります。これに対して私どもといたしまして、いろいろ検討を重ねておりますが、これは日本経済と申しますか、全部の問題に関係するので、特に最近問題になっておる汚水の問題等もございますので、十分研究をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/36
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037・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 私からもお話申し上げておきたいと思うのでありますが、今足鹿さんの御指摘になつた点は、水産常任委員会がありました当時から研究を重ねてまして、十四国会でありましたか、水産資源保護法という法律を議員立法で提案をいたしまして、衆議院の方は幸いにして通過をいたしたわけであります。これは水産資源の保護のために、建設関係でたとえば発電事業のためにダムを設ける、その場合に魚梯を必ず設けなければいかぬとか、魚の産卵孵化をするための河床の保護、砂利の採取や何かをする場合には農林大臣の認可を要するとか、あるいは有害汚水を排出するような工場の設置、こういうものの認可をする場合には農林大臣のこれまた認可を要するとか、あらゆる面から水産資源の保護のための規定を盛つた資源保護法案を提出したのであります。ところがこれが参議院へ参りまして、通産委員会会あるいは建設委員会その他から猛烈な反撃がございまして、骨抜きにされてしまつたいきさつがございます。御指摘のように、まことにこれは近代産業と原始産業の闘争という姿を如実に示しておるというのが実態でありまして、また原始産業間でも、最近農薬等の散布によりまして、今回有明海等で相当な被害がパラチオン等で起きておるという事態も発生いたしておりますが、今長官が言われましたように、広範にその利害が対立関係にありますものですから、非常にむずかしい。そこで一産業部面でこの水質汚濁防止のようなことを考えますと、産業間の対立ということになりますから、なかなかめんどうな事態が出ますものですから、これは環境衛生と申しますか、あるいは公衆衛生と申しますか、厚生省その他が国民全体の衛生保健というような考慮も入れまして、もっと高い観点からこの立法をせなければいかぬじゃないか。こういう工合に考えておるが、非常にむずかしい問題で、水産委員会でも多年この問題の取扱いについては苦慮いたしておるという経緯を御報告申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/37
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038・川村善八郎
○川村(善)小委員 今国会におきまして、水産業協同組合法の一部改正をいたしまして、水産業協同組合におきましては共済事業の拡充強化をはかることに相なりましたが、われわれも多年この法に大きな期待を持って今日まで参つたのであります。もちろん足鹿委員や芳賀委員が御指摘になつたようなことはわれわれも心配がないわけではございません。しかしながらこれらについては運営その他でできるということをわれわれは考えておりますので、ぜひともこの際この共済事業の強化のためには本法案を通したい、かように考えております。ただ一点お伺いいたしたいことは、第八十七条の第一項、第三項、第四項の削除の問題であります。これはもともと水産業協同組合法の制定の際には、全国を地区とする連合会の設立はできないということに相なっておつたのであります。その後いろいろ情勢の変化に伴つて、ある一定の事業は全国を地区とする連合会を設立いたしまして施行することも、あえてこの際これを拒むものではないというような考え方から、事業の制限をし、しかもこれは農林大臣の認可ということを、さらにそのやつておる事業が果して正当に行われているかどうかという監督の問題等も十分付記いたしまして、われわれはこの改正をしたのでございます。そこで今度全面的にこれを削除しますると、全国を地区とする連合会が一号から十三号まで付記されておるところによれば全部やれるということに相なるのでございまして、そうなつた場合に、またぞろかつての中水のあり方のようなことがありはしないかという心配が私はあるのでございます。そこでまず提案者たる鈴木委員に伺いますが、われわれはそんなことがただ危惧の念だけで済めばいいのでありますが、実質的にこういうことが現われない自信を持っておるかどうかということが一点、それからさらにこれをわれわれが立法したのは、行政庁がやることでありまして、水産庁が監督しなければならない立場に相なるのでざます。そうしたようなことの立場にある水産長官は、果してかつての中水のような横暴きわまる、しかも地区連合会と業務を通じての大きな摩擦、さらにかつてありましたわれわれ末端の組合員までに大きな損失を与えたという事実、これらがあったので、今後そういうふうなことがないという自信を持っておられるかどうか。さらにまた自信がありましても、監督を十分し得るところのお立場にある水産庁は、それを果してわれわれの心配のないようにし得る自信があるかどうか、この二点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/38
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039・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 今川村委員の御指摘の件でありますが、中央水産業会の場合には、川村委員も御承知の通り協同組合的な本質を離れまして、戦時中の統制の一つの団体に指定を受けまして、いわば戦時統制の末端機構として活動した。従いましてその統制団体として相当系統団体の個々の意思に反するような行き過ぎの行為もあったことは御指摘の通りであります。しかし現在の時代はさようでございませんで、すべてこの協同組合は民主的にその構成団体である下部系統団体の創意によって事業運営がなされていくという建前に相なっておりますし、私は農業団体等の今日の姿から見ましても、漁業協同組合もまた再び中水のような事態にいくことはない、こういう工合に判断をいたしております。また一般的な全漁連の経理あるいは事業上の監督、監査ということも、行政庁がこれをやることに相なっておりますから、そのような行き過ぎのないように、総括的な組合の監査指導によって、十分そのような弊害を未然に防止できるじゃないか、こういう工合に確信をいたしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/39
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040・前谷重夫
○前谷政府委員 御指摘のように、過去においてそういう例がございましたが、この規定の削除によりましても、もちろん定款の認可はございますし、われわれとしては一般監督に基きます検査を励行することによりまして、そういうことの生じないように未然に防止したいし、またし得ると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/40
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041・川村善八郎
○川村(善)小委員 もちろん今鈴木委員のおつしやられる通りでなければならないと私は判断しております。しかしながら運営は人にあるのでありまして、その人の運営がやはり地区連合会その他漁民等との間に摩擦を生じないよう、しかも漁民に損失を与えることのないように十分心がけておやりになれば間違いはないと思います。私心配しますのは、かつて漁業法の時代に、われわれ衆議院の方ではやはりイワシ、ニシン、サケ、マス等の特例を認めまして、この漁業については、いわゆる二十七メートル以浅という問題がございますが、これらが制限されないで許すことができる、こういうふうな考えで、当時われわれは立法したものであります。ところが参議院に回りまして、二十七メートル以浅において定置漁業にあらざる定置漁業という——字句ではそうなっておりますけれども、実質的に二十七メートル以浅ということになりますと、十八ひろであります。十八ひろに一体定置漁業にあらざる定置漁業といったようなことがあり得るはずがない。これはどこの海でも、たとい瀬戸内海であつても、われわれの方の噴火湾であつても、やはり十八ひろになりますと、定置漁業ということが明らか、であるのでありますが、これらも文字をひねくつて、二十七メートル以浅には第二種共同漁業権で定置漁業ならざる定置漁業をやることができるというふうな修正をしたやからのおることを思うときに、私は果して一体われわれが全国を地区とする連合会に全面的に事業をやらすかという場合が起きたときに、その運営において今後地区連との関係を円満にやっていくような方法でやるかどうかということも心配があるのでございます。従いましてこの法律の一部改正が通りました暁におきましては、水産庁では十分かようなことのないように、いわゆる地区連その他漁民等との間に摩擦のないように、どこまでもいわゆる全国を地区としたところの連合会が大きな襟度で、親になつた気持で対処されるようにやつてほしいという考えを私は持っておりますので、十分指導監督されんことをお願い申し上げまして、私の質問を打ち切るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/41
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042・前谷重夫
○前谷政府委員 御意見のように、そういうことがあつては最も困るわけでございまして、十分指導監督については努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/42
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043・田口長治郎
○田口小委員長代理 ほかに御質疑ございませんか、芳賀委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/43
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044・芳賀貢
○芳賀小委員 先ほどの質問について、いわゆる共済事業の点ですが、漁具の共済の場合、これは説明にも書いておる通り、漁網が中心であると思うのですが、ただ問題はその損害の確認です。流失とか何かによって損害を受けた場合に、どういうような形でその損害の確認ををするわけですか。たとえば漁網を登録でもしておくか、何か特定のしるしでもつけておくのか、そういう点は、具体的にたとえばどういうようにして損害の認定とか評価が行われるか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/44
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045・鈴木善幸
○鈴木(善)小委員 大体この漁具共済につきましては、方針といたしまして、漁業協同組合の自営あるいは漁業生産組合あるいはそれに準じますところの村張というような協同組合等の自営を主体にして考えておりまして、個人にはまだ当分及ぼさない考えで共済規定を作ることになっております。従いましてその損害等の確認は協同組合自体でこれをやるわけでありますから、個人のような虚偽の申告とかそういうようなことはあまり私どもは心配をいたしておりませんし、また御承知のように、定置漁業等でも隣接の漁業組合がずっと監視をいたしておりますわけでありまして、この点は漁業組合相互間の相互監視と、それから大体しけ等によって漁具の流失等が起るわけでありますから、行政庁等の災害査定その他によりまして、そういう点を確認して参る、こういうふうに考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/45
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046・田口長治郎
○田口小委員長代理 ほかに質問はございませんか。——別に質疑もないようでございますからお諮りいたします。本案は両小委員会の連合会といたしまして大体了承ということに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/46
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047・田口長治郎
○田口小委員長代理 御異議なしと認め、さように決定いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午御四時二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205030X00219550709/47
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