1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月二十三日
伊東岩男君が委員長に、高見三郎君、床次徳二
君、坊秀男君、川野芳滿君、吉田重延君、滝井
義高君及び川島金次君が理事に当選した。
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昭和三十年五月二十四日(火曜日)
午後二時二分開議
出席委員
委員長 伊東 岩男君
理事 高見 三郎君 理事 坊 秀男君
理事 川野 芳滿君 理事 吉田 重延君
理事 滝井 義高君 理事 川島 金次君
唐澤 俊樹君 川崎末五郎君
纐纈 彌三君 高村 坂彦君
椎名 隆君 竹内 俊吉君
井手 以誠君 加賀田 進君
三鍋 義三君 大西 正道君
佐竹 新市君
出席政府委員
大蔵政務次官 藤枝 泉介君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 村上孝太郎君
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本日の会議に付した案件
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第五〇号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/0
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001・伊東岩男
○伊東委員長 これより会議を開きます。
本日の議事に入ります前に、昨日の理事会におきまして御協議願った点につきまして御報告を申し上げておきます。本法案は五月三十一日までの有効期限を延長するという趣旨でありますので、本委員会といたしましては、本日提案理由の説明を聴取したあとで、引き続き質疑を行い、その審議を進めたいと存じます。なお、他の委員会よりの連合審査会開会の申し出がありました際にも、委員外発言または委員交代によって十分その質疑を行うということになりましたので、さよう御了承願います。
それでは、これより補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。大蔵政務次官藤枝泉介君。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/1
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002・藤枝泉介
○藤枝政府委員 ただいま議題となりました補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
昭和二十九年度におきまして、政府は、国の財政の健全化等の目的から補助金等につきまして整理する必要を認め、昭和二十九年度予算において所要の措置を講ずるとともに、第十九回国会に補助金等の臨時特例等に関する法律案を提出し、御審議の上、これが成立を見たのであります。しかして、同法は、本年度の暫定予算期間中につきましても、さきに本国会に提出し、御審議の上成立を見ました国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例の期限を変更するための法律により、一時延長の措置を講じたのであります。
政府といたしましては、補助金等の整理につき検討の結果、同法の対象となった補助金等につきましては、昭和三十年度におきましても昨年度と同様の措置をとることを妥当と考え、これがため右特例法の有効期限を昭和三十一年三月三十一日まで延長するため本法案を提出した次第であります。
何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/2
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003・伊東岩男
○伊東委員長 次に、政府委員より本案に関する補助説明を求めます。村上政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/3
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004・村上孝太郎
○村上(孝)政府委員 ただいま政務次官から提案理由の説明がありました法律案につきまして御説明申し上げます。
その前にちょっとお断わり申し上げたいと存ずるのでありますが、ただいま提案理由にもございましたように、本法案は、昨年度両院において御協賛を得ました補助金等の臨時特例等に関する法律を、昭和三十年度におきましても、暫定予算期間中四月、五月を延長させていただきまして、それをさらに、今度の昭和三十年度本予算編成の方針に基きまして、一年間延ばしていただきたい、こういう内容のものでございます。しかし、昭和三十年度の予算編成方針につきましては、過般政府が説明いたしました予算編成大綱に基きまして、昭和三十年度としましても、引き続き補助金の整理ということをいたしまして、その関係の法案が引き続き出ることになっております。それは、この期間を延長していただきます補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案に引き続きまして、この特別委員会に提出される予定になっておりますが、それはこの臨時特例法の追加改正という形で御審議を願うことになるだろうと存じます。
ただいま申し上げましたように、昭和三十年度の予算といたしましては、この二十九年度から整理して提出しておりますところの補助立法に引き続きまして、ある程度追加をいたすことになりますが、この特別委員会にかかりました昭和二十九年度の整理につきましても、少し補足説明を加えさせていただきます。
昭和二十九年度にやはり特別委員会が設置されまして、それで御審議を願ったのでございますが、その際に政府といたしまして提案の理由として御説明申し上げましたことが、この期限延長の法案につきましてもやはり依然として妥当するわけでございますが、昨年特別委員会に補助金等の整理に関する法律案を提出いたしましたときには、政府といたしまして、財政の健全化と申しますか、約三千億になんなんとする補助金というものが、一方には資金効率という面から財政の健全化の隘路となっており、また、ひもつきの補助金というものの結果、地方の財政負担も非常に苦しくなってきており、たまたま地方制度調査会の答申等を見まして、地方団体の自由な財源というものをもっとふやす必要があるじゃないかというふうな御意見もありまして、そういう見地から、いろいろな補助立法につきまして整理を考えたわけでございます。
その内容を御説明いたしますと、大体三つくらいのグループに分けて御説明できるのでありますが、お手元に上げました補助金等の臨時特例に関する元の法律でございますが、これには十七本の法律についての補助規定を提出する条文が載っておりまして、それは、文部省関係が六本、厚生省関係が四本、農林省関係が四本、運輸省関係が二本、建設省関係が一本、計十七本というふうになっております。その整理をいたしました眼目は、まず第一には、今申し上げましたように、地方の自由な財源を確保する、かたがた国の財政の健全化に資する、こういう面でございますが、まず職員の設置関係の経費につきましては、これがもともと身分的にも地方の吏員であるという関係から、地方としても、特定のひものついた形でそうした職員というものの設置を考えるよりは、もっと自由な、たとえば交付税の財源としてプールしてみるというような形から、ひもつきな補助金という形から漸次交付税財源というようなものに移行するのが妥当ではないかというような関係から、交付税関係で財源をかわりに見るという形で、職員の設置等につきましては整理したものが数本ございます。たとえば、公立高等学校の定時制職員の設置補助とか、あるいは公民館の職員の補助とか、あるいは母子相談所の補助とか、こういうものが今申し上げましたような考え方から整理したものであります。
それから、第二番目のグループといたしましては、補助金というものは、いろいろの考え方があるわけでございますが、たとえばその一つに、新しい制度に改正する、そこで当初は奨励的な意味から相当厚い補助金を与える、そうしてだんだんその制度が地方に増加して参りますと、漸次そうした奨励的意味の補助金が減少するというのが従来のやり方でございますが、そうした奨励的意味の補助金で漸次その制度が地方に増加して参っているというふうなものにつきましては、その度合いによって補助率を低下してもいいのじゃなかろうか、こういう考え方でございます。あるいは、その仕事の内容が漸次ローカルな、地方の受益者負担的な色彩が非常に強くなってくる、こういうものにつきましても補助率を従来よりは低下してもいいのじゃなかろうか、こういうふうな考え方から補助率を低下するというのが一つございます。たとえば、性病診療所の補助金が従来二分の一の補助率でございましたのを四分の一にするとか、あるいは精神衛生相談所の運営費の補助金を従来二分の一のものを四分の一にするとか、そうした補助率の低下というふうなものが、この臨時特例法の整理の対象になりました第二のグループのものでございます。
それから、第三のグループといたしましては、これは民間団体に対する補助金というものを取り上げまして、こういう補助金はともすれば乱用され、かつ不正の行われます余地も多うございますし、あるいは私企業的な経済組織のもとにおいて、できるだけ健全な企業の運用をさせるという意味からも、民間団体に対する補助金というものは、ごくその必要不可欠なもののみに限って、あとは漸次整理するのが妥当ではないかというふうな意味から、民間団体に対しますところの補助金を取り上げまして、その必要性の度合いによって整理していくのがございます。たとえば、理科関係の教科書に対する補助金、それから地方鉄道軌道整備法に基くところの新線建設あるいは老朽線の補助、これは全部削ったわけではございませんで、ある程度補助の度合いを減らしたわけでございますが、あるいは外航船舶の利子補給に対する補助の打ち切り、こういうふうなグループが第三のグループでございます。
こうした三つの意味から、昭和二十九年度におきましては、約年額二十億円程度の予算の節約ができますところの補助金を整理いたしたわけでございますが、昭和三十年度におきましても、政府の予算編成の方針といたしましては、引き続きこの措置を続行して参りたいということで、先ほど申し上げましたように、四月、五月の暫定予算につきましては、これは、特別委員会ではございませんで、大蔵委員会でその期限の延長をお許し願ったのでございますが、本予算が出ますにつれて、本予算の方針に従いまして、来年の三月三十一日までこの特例法の期限を延長していただきたいというのが本法案の趣旨でございます。 簡単でございますが、補足説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/4
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005・伊東岩男
○伊東委員長 以上をもちまして政府の説明は一応終了いたしました。
これより質疑に入りたいと思いまするが、皆さん方にこの場合に御了解を得たいと思います。大蔵大臣に出席を要求しておりまするが、しばらく御出席がないようでございます。そこで主計局の次長がただいま出席しまするし、今説明を願ったのが法規課長でございます。さらに大蔵政務次官も追って来るはずになっておりますので、大蔵大臣に対する質問分はあと回しにして、そうして質疑に入ってもらえれば幸いだと思います。質疑の通告もございまするので、これを許したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/5
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006・井手以誠
○井手委員 議事進行について委員長にちょっとお尋ねいたしたいと思います。
ただいま委員長の話によりますと、大蔵大臣はあとから見えるということでございます。委員長も御承知のように、本委員会は各派のいろいろな折衝を経て特別委員会として設けられたものでありまして、補助金整理というものは簡単なようでもその内容はきわめて重大であります。ほんとうならば、これは当委員会にかけるべきものではなくして、文部、農林、水産、あるいは建設その他各省に関連しておりますので、本来ならば総理かあるいは副総理が来て説明すべきである。しかるに、ただいまは大蔵大臣も見えずして、政務次官から説明をなされておる。そうしてまた、今委員長は、大臣も政務次官もいないところで、政府委員ただ一人の中で審議を始められようとしておりますが、これは私は非常に軽率であると存ずるのであります。昨年私はこの補助金委員会に参加したわけでありますが、この補助金等の整理は憲法違反の疑いがあるということで非常に論議された問題であります。そのときは、いろいろ慎重検討の結果、一カ年に限るという時限立法にいたしました。この一カ年に限るという国会の意思をじゅうりんして、再びこれを提案されておるというこの問題については、私は副総理からぜひその理由を承わりたいのであります。副総理が出られなければ、少くとも大蔵大臣が出て、まず当初から説明、答弁に当るべきであると私は思うのであります。この状態で審議を始められることに対しては、私ははなはだ遺憾に存じます。この特別に作られた特別委員会の委員長がこのままで進められるかどうかについて、私は所見を承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/6
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007・伊東岩男
○伊東委員長 ただいまの井手君の御意見ごもっともでございます。そこで、昨日の理事会においても、そういうような御意見が出まして、ぜひ最初は副総理という話もございましたけれども、副総理なら、かえって大蔵大臣がいいじゃないかというようなことで、大蔵大臣に実は昨日来交渉をいたしておりまするけれども、ただいままでよんどころのない用で出席できかねるということで、今も催促に行っておるような次第でございます。(「それまで待ったらいい」と呼ぶ者あり)御意見ごもっともでございまするので、できるだけ——これは非常に慎重審議を要するものであるということは、その通りでございます。(「暫時休憩」と呼ぶ者あり)
それではしばらく休憩をいたします。
午後二時十八分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00219550524/7
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