1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月二十八日(土曜日)
午後一時二十七分開議
出席委員
委員長 伊東 岩男君
理事 高見 三郎君 理事 床次 徳二君
理事 坊 秀男君 理事 淺香 忠雄君
理事 滝井 義高君
唐澤 俊樹君 纐纈 彌三君
椎名 隆君 竹内 俊吉君
松岡 松平君 横井 太郎君
大橋 武夫君 坂田 道太君
中馬 辰猪君 八田 貞義君
堀川 恭平君 松野 頼三君
阿部 五郎君 井手 以誠君
加賀田 進君 三鍋 義三君
川俣 清音君 中井徳次郎君
中村 高一君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 正示啓次郎君
大蔵事務官
(主計局次長) 原 純夫君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 村上孝太郎君
委員外の出席者
会計検査院事務
官
(検査第三局
長) 小峰 保栄君
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五月二十八日
委員川崎末五郎君、唐澤俊樹君、高見三郎君、
久野忠治君、吉田重延君、川島金次君及び中井
徳次郎君辞任につき、その補欠として松岡松平
君、横井太郎君、櫻内義雄君、堀川恭平君、松
野頼三君、川俣清音君及び中村高一君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員松岡松平君及び松野頼三君辞任につき、そ
の補欠として山本正一君及び大橋武夫君が議長
の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第五〇号)
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001・伊東岩男
○伊東委員長 これより会議を開きます。前会に引き続き、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。質疑の通告がございます。これを許します。松野頼三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/1
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002・松野頼三
○松野委員 時間もございませんから、大蔵大臣も一つ簡明にして要領を得た答弁をお願いいたします。元来この法案の政府の提案の腹づもりでございますが、政府は六月の暫定予算をお出しになった。この前四月、五月の暫定予算をお出しになったそのときには、四月、五月の補助金停止法案をお出しになったはずなんです。しかるに、六月の暫定予算をお出しになったら、六月にその暫定予算に見合う補助金の停止法案というものをお出しになるべきであるにかかわらず、来年の三月三十一日までの一年度分の法案を出すということは、論理に合わない。そうでしェう。六月分の暫定予算を自由党は態度決定して上げました。従って、六月分の補助金の問題に関しては、党議として一応これは賛成いたしますが、ただいま出ております補助金の提案というものは、来年三月三十一日までなんです。これは本予算と見合うような補助金問題である。これをわが党は態度をここに軽々に表明するということは、技術的にも無理であるし、提案が大体無理なんです。従って、期日があと迫っているというならば、六月分だけを提案されるというのが順当であり穏当であると思うが、この点は大臣いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/2
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003・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 その後におきまして、補助金の整理を三十年度を通じて特例を継続する、こう確定いたしましたので、それで一年年度間延長のこの法案を出しているわけです。六月分の暫定は本予算に基いて提出をいたして御審議を願っている。そういう関係もありまして、この一年延長の法律案に基いてこれによっていきたい、かように考えたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/3
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004・松野頼三
○松野委員 そういたしますと、これは大体いつまでに上ぐべき期日と申しますか、行政的にいって、この補助金臨時特例法案というのは予算と同時に上ればよろしいものでございますか。それとも、どうしても行政上期日があるものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/4
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005・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 むろんできるだけ予算と同時に御承認願えればいい、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/5
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006・松野頼三
○松野委員 それでは予算はいつごろお上りになる予定でございますか。大体政府の腹づもりというか、行政上においていつごろまでに予算が上れば行政に支障がない。——修正組みかえは別といたしまして、一応予算の議会の審議終了は、いつごろまでに済めばよろしいとただいまお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/6
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007・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 暫定予算はむろん五月中に、本予算は六月中にぜひお願いいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/7
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008・松野頼三
○松野委員 暫定予算はもう上ったのですが、暫定予算にこの臨時特例法案というものが関連があるのですか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/8
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009・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 むろん関連がございますので、両方同時に御審議を願えれば幸いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/9
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010・松野頼三
○松野委員 暫定予算と同時に補助金の臨時特例法案を上げてくれというならば、暫定予算に見合うものをお出しにならなければならない。これは一年度分なんです。だから、暫定予算に見合うものをお出しになって、そうして審議してくれ、暫定予算と一緒にやってくれ。それなら話の筋がわかる。本予算の上るか上らないかわからないものを、かりに言うならば、これは予算の重要な一部です。予算の審議がいまだに継続しておるときに、この補助金の問題だけ先に来年の三月三十一日までの重要な部分を上げてくれということは、これはおっしゃる方が無理だ。従って、私は、六月までにどうしても上げてくれというならば、暫定予算と見合う補助金を上げてくれという意味でなければおかしい。だから、暫定予算に見合うものを上げろという意味だろうと思いますが、もう一度この点を明確にしないと、本日の問題に非常に関連が深うございますから、明確にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/10
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011・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 先ほども申しましたように、六月分の暫定予算は本予算に基いて編成をいたしました。本予算については、一年間特例を延ばすようにいたしたい。当然、私は、この一年間延ばすという法案によりまして、暫定予算にもがこれが適用される、かように考えております。時期的には、先ほど申しましたように、六月の暫安予算とこの法案が同時に成立しますことを望むわけであります。同時に成立することをぜひともお願いいたしたい、かように考えておりますが、場合によってはそういうふうに行かぬこともあろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/11
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012・松野頼三
○松野委員 多少事務的に入りますけれども、この法案の成立というのは、五月三十一日までに上らなければ絶対にいけないものでしょうか。かりに言うならば、予算にいたしますならば、大体四月分の予算というものはだいぶおそく成立しているわけです。五日か十日くらいおくれてもやはりこれはやっておるのです。これは簡単ですから、もしあるならば、事務当局でもこのことだけはいいです。あとはいけませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/12
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013・正示啓次郎
○正示政府委員 それでは、お許しを得まして、私から事務的なお答えを申し上げます。先ほど来大臣からお答えがございましたように、六月暫定予算にも関連があるのでございますが、従いまして、できましたらこの暫定予算の施行に間に合いますように成立することを望んでいるわけでございます。それはしかしながら絶対的ということではございませんが、この前、当委員会におきまして、松野先生よく御存じの通りに、各委員から、この補助金の問題につきましては、法律と予算との関係が非常に微妙な関係であり重要な事柄であるということが、繰り返し御論議になっておったわけでございます。従いまして、先ほど大臣がお答えになりましたように、私どもといたしましても、法律と予算が同時に成立いたしまして、私どもに課せられました法律の厳正なる執行の責めを果すように、そういう条件を具備さしていただきたい。かようなことが事務の立場から非常に望ましいわけでございまして、できましたら五月中にぜひとも成立が願わしい。これは率直に申しまして事務の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/13
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014・松野頼三
○松野委員 結局、これは、私の方の考えとしては、なるべく六月分の暫定予算と同様に、六月分だけ書き抜いて出してもらいたいのです。それが今日の議会の空気、議会の審議状況において当然のことです。従って、六月分だけお出しになるならば、われわれの方も六月分暫定予算に関連して審議いたしますが、本予等の審議はいまだ山を越すか越さぬかという大事なときに、この問題の表決をしろとか意思表示しろというのは無理なんだ。だから、もし事務的にお困りでなければ、六月分を書き抜いてお出しになればいいじゃないか。あるいはこの法案一本で行くなら本予算が成立するまでお待ちいただくか、どちらかでなければ私どもの態度としては不可能だと思います。どうしても今月中に上げろというなら、六月分だけ書き抜いて出しなさい。また事務的にどうにかできるというなら、本予算のときに一本にまとめて審議いたしましょう。この点は大臣いかがでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/14
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015・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 言葉を繰り返すようでありますが、先ほど申しましたような考えに立っております。ぜひとも一年延期の法案でやっていただきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/15
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016・松野頼三
○松野委員 はなはだ不明確なんですが、私たちは何も本日の場合を言うのではなしに、根本的に申しますならば、この補助金で整理される金額というものは、おそらく二十億足らずです。従って、もしも予算が成立してもこの問題が不成立になったときは、政府はどういうふうに対処されるのです。予算がかりに成立しても、この補助金法案というものが不成立になった場合、対処する方法があるものかないものか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/16
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017・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えします。そういうことになりますれば——むろんそういうことを考えておりませんが、そういうことになりますれば、所要の措置をとらなくてはならないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/17
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018・松野頼三
○松野委員 十九億ですから、おそらく所要の措置がとれるだろうと私は思う。なぜならば、突然三十三億という凶作加算も政府が出すようにきまったのですから、三十三億から考えれば、金額的に言うならば、十九億というのは約半数ですから私はとれると思う。とれるのでしょう、現実において。とれないという論拠があるならば、とれないという論拠の方だけお聞きいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/18
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019・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えします。御承知のように今回の予算は一兆円でやるという非常に苦しい予算でございます。非常に困難であることは申すまでもないことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/19
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020・松野頼三
○松野委員 苦しいことはわかっているのですが、三十三億というものは、政府の怠慢によって予算に計上しなかったために、予算審議のほとんど中途以後においてお入れになったのです。従って、私たちは当然、これはまだ今後の問題で、あれから考えればまだこれはどっちかといえば手当のつく問題なんです。凶作加算は昨年度の跡始末です。これは本年度の問題ですから、まだどっちかといえば手当をつけようと思えばできる問題です。もし補助金法案が不成立の場合、あの予算をあなた方はおいじりになるのか。いじらなくてやれるのですか。その方法なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/20
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021・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 同じことをまた繰り返すことになりますが、全然できないとも申しかねるのでありますが、非常に困難です。それで、ぜひともそういうことのないように御審議を願いたい。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/21
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022・松野頼三
○松野委員 全然できないことはないのでございますね。もう一ぺん念を押しておきます。それだけでけっこうでございます。全然できないことはないのでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/22
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023・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 これは、実は、先ほどから申しますように、そういう事態を考えておりません。ですから、私は今の予算を考えて困難であるということを申し上げておる。しかし、そういう事態が生ずれば、何らかの所要の措置を必要とするだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/23
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024・松野頼三
○松野委員 だんだんわかりましたが、なるべくそういう事態は望ましくないが、できたときにはそのとき何とかしよう、こういうお考えのようだから、私たちの態度も実は予算の成立過程においてこれはきめればいいものであって、急ぐような必要もないように感じます。はたから聞いていると急げ急げと言われましたけれども、大臣と応答していると、至ってのんきで、至ってゆうちょうで、そう切迫している問題でもないような感じがいたしますので、各政府委員の言うように、今日じゅうに上げなければどうしても行政上困るというほどの問題でもないように思います。それで、私の方の態度も保留して、いずれ本予算のときに決定することが妥当だと思うのです。本日早急に審議してやるほどの大事な問題でもないように思う。まだまだ十分審議する時間はあるように思いますので、私も、この問題はそう急ぐ必要、というより、審議を特に打ち切って今日緊急に上げなければならぬという事態は感じません。従ってそういうふうに処理したいと思います。もしも御意見があればもう一ぺんだけお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/24
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025・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 これは、お願いでございますが、暫定予算の関係もありまして、ぜひともお上げ願いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/25
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026・松野頼三
○松野委員 暫定予算は暫定なんです。まだ国会で予算審議しておるのですから、もしもこの法案と暫定予算の間に穴ができたら、穴をお埋めになればいいのです。まだその余地はあるのですから、全部予算が成立してどうにもならないというほどのこともないようです。大臣の答弁を聞いておりますと、それ以外に私は感じられないのです。従ってただいまわずかの時間で手直しができるように感じます。大臣の答弁もそういうふうに思います。特にあなたがどうしてもやらなければいけないというなら、理由を示してもらわなければ、ただ気持だけで頼む頼むじゃ困るのです。どういう意味で急がなければならないかということが一つの論拠になるのです。これは、あとで速記録をお読みになれば、全国の国民はどっちがほんとうかわかる。あなたの言うことに同情するか、私の言うことに同情するか、いずれ速記録をよくお読みになればわかるから、私はあえて自分の我流を無理に通そうというのではない。公平妥当に考えて、あなたが急がなければならないという論拠が一つもない。ただ頼む頼むと、個人的には一萬田さんに頼まれれば何とかしたいけれども、そうは行かない。全国民の周知の中ですから、どうしても必要だというなら理由を言ってもらいたい。この際公私をはっきりと区別してお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/26
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027・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 先ほど申し上げましたように、暫定予算と法律、これは同時に成立させたい、かようなことが最も望ましいだろう、そういう意味合いにおきまして、ぜひとも一つお願いいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/27
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028・松野頼三
○松野委員 くどいようですが、もしも暫定予算と一緒にあなたが上げてもらいたいというならば、なぜ暫定予算と同じように六月分だけを出さないかというのです。この法律は本予算と歩調をともにしているのです。従って本予算が上るときにこの問題を決定すればいい問題だと私は言うのです。あなたがどうしても六月の暫定予算とおっしゃるならば、暫定予算と一緒に六月分の暫定予算分だけを出さないのか。そこが政府の重大な怠慢じゃないか。しからずんば、これはあとでいい。そのどっちかです。もしも緊急というならば、なぜ六月分だけ暫定予算に合せて出さないか。その論拠がとんとあなたの答弁にはない。私の言う方が無理か、あなたの考えが間違いか知りませんが、もう一ぺんだけ答弁の余地を与えます。これが最後の答弁ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/28
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029・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私はその御意見に決して反対するわけではないのであります。そうすることも一つの方法であります。あるいはそういうふうにした方が一そう明確であったかとも思います。しかし一年を通じてこれを延ばすということがすでに確定をして、その本予算に基いて六月の暫定予算を組んだのでありますから、こういうふうに法案の方が先になるということもお含みが願えるだろう、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/29
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030・松野頼三
○松野委員 それじゃ、大蔵大臣にもう少し砕いて申し上げますれば、あなたの方は本予算案の中から六月暫定予算を切り抜いてお出しになった。六月暫定予算も本予算の中に入っているのですから、その入っているものを書き抜いてお出しになったらいい。何といっても、六月暫定予算を組むということは、政府として、はなはだ残念ながら政治力がなかったか政策が悪かったためだと思うが、とにかく組まなければいけない緊急の事態になった。従って、この法案も、それに合せるならば、六月分だけ切り抜いてお出しになれば文句はないのです。それをしゃにむに一年分通すのだと言っても通りっこない。そのままは無理なんです。それをあなたが頼む頼むと言って頼まれることはありがたいが、われわれとしてこれを通すことは迷惑だ。六月分を用意するならば、なぜ六月分だけ切り抜いてお出しにならないかということを言っておるのです。暫定予算を切り抜いて出したのだから、これも切り抜いてお出しなさい。それならば歩調が合うと思う。そこにあなたの言う歩調が合わない。その気持はけっこうなんですが、これは頼まれてもだめなんだ。それよりも、その論拠を示してもらえば、頼まれなくてもすぽっと賛成する。これがわが党の態度です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/30
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031・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私は決して松野さんに交友関係でお頼みしておるわけではございません。そういう考えは決して持っておりません。従って松野さんのただいまの御意見に決して反対しておるわけでもないのです。あるいはそういうふうな行き方が明確でよいかもしれない、こういうことも私考えます。しかし、また一方一年で行っても行ける方法だ、こういう見解で御審議を願っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/31
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032・松野頼三
○松野委員 一年で行けるというのは、本予算を一年分お出しになったのだから、この法案もそれに合せてお出しになったのだということで、それに到着することが最も希望でございましょう。それじゃなぜあなたは六月の暫定予算をお組みになったのか。あの本予算を早く通せばよかったのです。なぜあなたは六月分の暫定予算をお組みになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/32
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033・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 暫定予算を組みましたことは、御承知の通りでありまして、本予算がおくれたからであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/33
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034・松野頼三
○松野委員 それじゃこの補助金の方も御承知の通りにお出しなさいということです。私の論拠は少しも間違ってないと思う。御承知の通り暫定予算が通ったから、この補助金の予算も御承知の通りに(笑声)六月暫定予算に合せてお出しなさいと言うのです。あなたの言う方が無理なんです。何も金はありませんと言う。そうでしょう。これがあなたの御承知の通りなんです。(笑声)ところが、こっちの方は御承知じゃないのだ。そこに問題が出てきているのです。おそらくこの委員会で半数以上が御承知じゃないのです。民主党の方は事前に打ち合せがあったかどうか知りません。しかし自由党を含めて半数以上はそういうことは御承知ない。そこにこの問題が出てきておるのですから、あなたと民主党だけ御承知になっても、私どもは御承知じゃないのです。そんなことは筋が通らない。政府は早く六月分だけ組みかえてお出しなさい。そうすれば、私の方は六月暫定予算を通過させた責任上、私どもの方もほとんど何も文句なしに責任をもってこれに御協力する段階になるだろうと思う。しかしそれがなければ御協力の方法がない。あまりくどくなったようで、おそらく各委員の方も退屈だろうと思う。ちっとも話が進まない。もう少しいい答弁があるならば、さらにこれ以上進みますが、あまりいい答弁がなければ、もうこれ以上私の質疑はむだです。大事な審議のじゃまをするわけに行かないから、いい答弁がなければ私はこれ以上質問はいたしません。これほどかみ砕いて話して、なおかつぬるま湯に入っているような答弁じゃ承知ができない。(「休憩休憩」と呼ぶ者あり)
ちょうど会計検査院が来ていますから、会計検査院の技術的な意見を聞きますが、この法案がもしも五月三十一日までに上らずに、六月三日か四日に上った場合は、その三日間というものは、明らかに政府が補助金を組まなければいかぬものか、組まなくとも、その三日間とか四日間とか猶予期間があるものか、会計検査院の見解を簡単にお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/34
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035・小峰保栄
○小峰会計検査院説明員 お答えいたします。ただいまの問題でございますが、今突然参りまして、前の御審議の結果がわからないので、あるいはとんちんかんな御説明になったら、お許し願いたいと思います。これは、昨年御承知のように法律が出まして、従来ありました予算を全部やめるなり、あるいは半分に削るなりということになったのであります。それに継続する法律というように承知しておりますが、これは、もし通りませんと、今月一ぱいで昨年の法律が失効して、またもとのやつに引きかえる、こういう関係にあると思います。六月分が数日間暫定予算に入っておりませんから、ないことになるのでありますが、実際問題として、そう大きな支障があるかどうかという点になると、ちょっと私から御即答いたしかねるのであります。かりに二カ月なり三カ月なりのブランクができるという場合と、三日なり四日のブランクができるという場合と、県の方の伝染病予防にそう大きな支障があるかどうか、ここでちょっと即答いたしかねる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/35
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036・松野頼三
○松野委員 今の局長の答弁だと、一カ月もブランクがあれば、一カ月間の補助金を計上しなければならないが、二日か三日で、予算の執行上の技術的な問題ならば、必ずしも会計法違反ではない、三日分の補助金を計上する必要はない、こういうわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/36
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037・小峰保栄
○小峰会計検査院説明員 従来の例によると、おくれて予算ができたときに、遡及法をつけたという例もあると聞いています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/37
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038・松野頼三
○松野委員 遡及法をつければ間違いない、こういう見解ですね。それで了承しました。従って、本日政府及び与党から懇請を受けまして、本日中にどうしても上げなければならないという論拠は非常に薄らぎましたし、月曜日に上げるかどうか、これも三日か四日の話だから、切迫した事情という状況は変りましたので、こういう大きな問題を残したままで本日ここで上げる必要はない。十分審議を尽すべき余地があるのですから、私の気持としては、ただいま大臣の応答及び会計検査院の見解等を見て、まだまだ審議をする時間的余裕はある、こういうふうにしか考えられません。従って、大臣がいい答弁をされれば別だが、なければ、時間の節約上私はこれ以上聞きません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/38
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039・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 先ほどからたびたび申し上げましたように、ぜひとも五月中にこの法案をお上げ願いたいと考えます。従いまして、六月分だけを別の法律案にして出せという松野さんのお説、まことに一つの方法かと考えておりますが、しかし、政府といたしましては、事実上その提出に時期的にいろいろ困難があります。非常に苦慮いたしているわけであります。ぜひどうぞお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/39
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040・松野頼三
○松野委員 その問題はそれだけにしますが、もう一つこの機会に財政法上の見解を一ぺんお聞きしたい問題があります。それは、一兆円予算がゴムのように年がら年じゅう入ったり出たりするものかどうかわかりませんが、つい先般凶作加算の三十三億を政府はお出しになるという言明をされました。しかしながら、われわれに提案されている予算の中にあれが入っておらぬことは明瞭なんです。提案理由のときにも入っておらぬし、積算の基礎にも入っておらぬ。それを、突然三十三億をお出しになることは、われわれの予算の審議過程に提案にないものをお出しになることは、財政法上可能なものですか、不可能なものですか。お出しになるという御意思はわかりました。しかしながら、このたび審議中の予算に入っていない、提案に入っていないものをやりくりして出すということは、われわれの審議権に対する重要な問題だと思う。政府は、あれは提案なんですか、提案じゃないのですか。あの閣議は新しく提案になったのか、あるいは提案にならずに出せるか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/40
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041・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 お答えします。あれは御承知のように食管の米の買い入れの代金の中から出す、そしてその財源は予算の実行上調達をする、かようになっております。米の値段が上ったというふうに私は解釈しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/41
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042・松野頼三
○松野委員 米の値段が上ったという問題とは別に、当然予算の積算の基礎に入っていない。新事態である。あれは二十九年度ですから、従って財政法上の問題で、あの問題は一応私も了承したのですが、政府がああいう財政法に疑義がある点を行われるならば、この法案に関しても私はいろいろの問題が出てくると思うので、この財政法上の見解を聞いておる。これは米の買い上げ価格の積算の基礎に入っていない。従ってあなたの方は凶作加算を入れずに議会の方に提案された。途中でぽかっと入ってきたあの閣議決定は、新事態による提案にかえるべきものか、かえられないものか、それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/42
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043・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 米価がまだきまっておりませんし、私は一向差しつかえないように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/43
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044・川俣清音
○川俣委員 今の問題に関連して。今度の予算に出ておりまするのは、三十年度の米価の買い入れの予算は出ておりますが、二十九年度の米価の買い入れ予算は出ておりません。そうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/44
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045・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 二十九年度の米も買っておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/45
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046・川俣清音
○川俣委員 二十九年度の買い入れも入っておるということですが、これから買う分のものは入っているかもしれませんが、二十九年度であって、なお買い入れを続けているものについては入っていませんよ。すでに買い入れ計画をしたものについての予算は入っていないと思いますが、入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/46
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047・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私はバック・ぺイも差しつかえないように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/47
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048・川俣清音
○川俣委員 今まで大蔵省の前任者がとっておった態度は、予算がないためにバック・ぺイはできないという答弁をしたことがあるのですが、将来は、今の民主党内閣が続く場合には、前年度の買い入れを、予算がなくとも、さらに二十九年度の麦がバック・ペイというような問題が起った場合にも、法律上やり得る余地があるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/48
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049・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 方針といたしましてはバック・ペイはやらないようなことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/49
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050・川俣清音
○川俣委員 私が聞いておるのは、そうじゃない。法制上できるというお考えかどうかということを聞いておるのです。やるかやらないかということを聞いておるのではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/50
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051・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 恐縮ですけれども、御質問をもう一度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/51
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052・川俣清音
○川俣委員 本年はやらないという方針だそうですが、やり得ると思っておられるかどうかということです。食管会計の中でやり得るのかどうか。やり得るならば、これから米審が開かれますからまた問題になる。これをお尋ねしておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/52
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053・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私は前に規定があったということを申しておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/53
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054・川俣清音
○川俣委員 どうも大臣はよくわからない答弁をされているのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/54
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055・滝井義高
○滝井委員 今の松野委員と大蔵大臣の一問一答を聞いていますと、どうも納得が行かないところが多いのです。こういう状態では、議事の進行もできませんし、われわれはまだ質問をいたしたい点もたくさんございますので、とうてい本日は上げることはできません。従って本日はこれで散会をしていただきたいと思う。それで、内閣なり与党なり、もう少し話し合って、そうしてこの委員会に臨んでいただきたい、こう思うのです。今遡及規定をつければいいという御意見もありましたが、これについてはわれわれなお問題があると思いますが、それはそのときに御質問をしたいと思いますので、本日はこれで散会を願いたい。
〔「賛成々々」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/55
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056・伊東岩男
○伊東委員長 ただいまの動議について何か御発言ございませんか。
〔「異議なし」と呼び、その他発言する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/56
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057・伊東岩男
○伊東委員長 このまま理事会を開きます。
〔「採決々々」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/57
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058・伊東岩男
○伊東委員長 採決の要求がございまするが、この点については、理事会を開いて、その上で決します。
〔「反対々々」「退場だ、退場だ」と呼ぶ者あり〕
〔退場する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/58
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059・伊東岩男
○伊東委員長 先刻滝井委員より委員会散会の動議が提出されましたが、委員の定足数を欠くに至りましたので、本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X00619550528/59
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