1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十四日(金曜日)
午後零時六分開議
出席委員
委員長 伊東 岩男君
理事 高見 三郎君 理事 床次 徳二君
理事 坊 秀男君 理事 川野 芳滿君
理事 滝井 義高君 理事 川島 金次君
川崎末五郎君 高村 坂彦君
椎名 隆君 竹内 俊吉君
坂田 道太君 八田 貞義君
松野 頼三君 井手 以誠君
川村 継義君 三鍋 義三君
大西 正道君
出席国務大臣
文 部 大 臣 松村 謙三君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局次長) 正示啓次郎君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 村上孝太郎君
文部事務官
(調査局長) 内藤譽三郎君
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本日の会議に付した案件
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第五〇号)
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出第九一号)
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001・伊東岩男
○伊東委員長 これより会議を開きます。
本日は、前会に引き続きまして、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)及び補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)の両案を一括議題といたし、質疑を継続いたします。質疑の通告がございます。これを許します。松野頼三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/1
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002・松野頼三
○松野委員 短かい時間でありますから、私の質疑中は政府委員の答弁はやめていただくことにして、できるだけ能率的に大臣に質問を集中いたします。
ただいまこの補助金打切り法案が出ておりますが、ことに一番大ワクは文部省の五億二千八百万というものです。これは何かというと、教科書無料配付費という費目ですが、大臣は、この法案について、教科書無償配付打切りに御賛成でございますか、御賛成でございませんか、本心を一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/2
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003・松村謙三
○松村国務大臣 これは、御承知の通り、最初財政緊縮の都合でやむを得ず法律を眠らせたいということでございますので、今も同様に今年の財政の都合でやむを得ず行わなかった、こういうふうに考えておりまして、どうか機会があればぜひ実現をいたしたいという希望を持っております。ただし、そのやり方につきましては、従来のやり方通りにやるべきか、またさらに検討を加えて新しい工夫のもとにやるべきかということについては、ただいまのところきまっておりません。新しい考え方と申しますと、たとえばこういうことでございます。今までのは一年生だけずっと一律にやってあるのでございますが、これは買い得る能力のある者にまでそういうふうにする必要もないので、やむを得ない面の方々だけではどういうものか、そうすれば同じ金で中学までもそういうふうにできるというようなやり方もあります。しかしそれがいいときまったわけではございませんが、いろいろ研究をいたして、そしてできるだけ早くそういう趣旨を復活いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/3
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004・松野頼三
○松野委員 文教政策としてはまことにけっこうなお話のように拝聴しますが、それはそれとして、少くとも今まで自由党の内閣が昭和二十六年から今日までやりましたこの制度は、あなたがこれを改善されようということはけっこうです。もちろん当然なことです。しかしこれを打る切るかあるいは存置すべきかという賛否論にはいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/4
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005・松村謙三
○松村国務大臣 これはぜひ、財政の都合がつき次第、私どもはこれを復活いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/5
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006・松野頼三
○松野委員 将来の改善は別として、自由党の二十六年からやりましたことは、これは一歩明るい教育に対する施策だったのですから、これはやはりおやりになりたいのでございますね。改善は別として、やはり教科書の無償配付という根本思想には御賛成でございますか、御反対でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/6
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007・松村謙三
○松村国務大臣 これは自由党が二十六年来やられたことを継承してやりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/7
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008・松野頼三
○松野委員 前安藤文部大臣は、今年小学校に入学する一年生二百四十七万人に、義務教育無償の建前から、国語、算数の教科書を無償配付するため、これに必要な経費として五億二千万円を大蔵省に要求するという、実は記者会見の発表が三月四日にございました。このことは御承知でありますか、あるいは引き継ぎ事項にあったのか、あるいはこういう思想を御承知か、あるいはこれに対して賛成か。当然事務引き継ぎをされたのですから、同じ内閣で大臣はかわれど党の根本方針、内閣の根本方針は変っておならぬと思いますが、急激に変る理由がありましたら、一つこの点もお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/8
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009・松村謙三
○松村国務大臣 前任者とやはり私ども同様に考えておりましたから、新聞記者にもそういうお話をいたしたかもしれませんが、それは、当時いろいろ大蔵省にも折衝いたしました結果、ことしの予算も緊縮政策を踏襲していくということであって、それでやめざるを得なくなった、こういうわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/9
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010・松野頼三
○松野委員 それでは、思想は前安藤文部大臣と同じであるというならば、あなたも、大臣に就任されましてから、この問題がどうかできるように、補助金が打ち切られずに継続できるように努力されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/10
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011・松村謙三
○松村国務大臣 私になりましてからも、前任者の意見を継ぎまして、できるだけ努力をいたしました。しかしながら、それは前任者のときにもなかなか困難な事情を伺っておりましたが、最後の努力をいたしましたけれども、ことしはどうしてもその運びを見るに至りませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/11
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012・松野頼三
○松野委員 最後の努力というのはどういう努力ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/12
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013・松村謙三
○松村国務大臣 ちょうど私が引き継ぎましたときは第一次の大蔵省の査定が各省に示されるすぐ前でございまして、その間に大蔵省に対してまだ交渉の余地が残っておりましたから、それをできるように努力をしてみたのですが、どうしてもそれはことしもう一年やめたいということでございまして、結論を得ることができませんで断念をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/13
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014・松野頼三
○松野委員 大蔵省の努力というのは、相手は大蔵大臣でございましょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/14
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015・松村謙三
○松村国務大臣 それは事務といたして十分話もさせまするし、大蔵大臣にも直接話をいたしたこともあると記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/15
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016・松野頼三
○松野委員 大体この教科書の無償配付をやりたいという思想はぼつぼつわかって参りました。それでは一つ、この実現の方法ですが、財政の都合と言われる。あなたは財政の都合でこの問題はあきらめたとおっしゃる。大蔵大臣は別でございましょうが、それではあなたが本年の予算の一兆円予算というものに対して財政の都合でこれを下げたという論拠の財政の都合、あなたが仕方がないと言われた財政の都合は一体何なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/16
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017・松村謙三
○松村国務大臣 それは、私といたしまして、文部省全体の予算を通覧いたしまして、やはりいろいろな面で折衝がございまして、それですでに前任者のときにほとんど不可能であるときまっておりましたことでもありまするしいたしたものですから、やむを得ずあきらめまして、次の機会を期するという考えを持つに至ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/17
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018・松野頼三
○松野委員 そうすると、やはり予算交渉の途中で、この問題はあまり重要じゃないから、ほかの方に気をとられてこれは落した、こう解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/18
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019・松村謙三
○松村国務大臣 それはちょっと違うだろうと思うのです。軽重の点ではなくて、大蔵省としてあのときには補助はほとんど一律に切るという方針を立て、閣議でもその大体の方針をことしもう一年はやる、こういうことにきまったものですから、それで、その原則に従いますとこればかりを強く主張するわけに参りませんで、そういう事情のもとにあきらめざるを得なくなったのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/19
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020・松野頼三
○松野委員 はなはだ端的な御質問ですが、補助金は一律にこの予算では切られておるのですか。こまかいことは私は申しません。補助金は一律に切るという大蔵省の方針であったから、仕方なしにこれに従ったとおっしゃる。それでは補助金は現内閣は全部一律にお切りになっておるのですか。まだ残っておるものがたくさんございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/20
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021・松村謙三
○松村国務大臣 それは必ずしも一律というわけには行きません。あとからそれに漏れたものも、最初からのもありますけれども、原則としてそういうことに縛られておりましたから、ほかの経費との軽重というよりも、そういう原則に縛られてやることができなかった、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/21
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022・松野頼三
○松野委員 補助金は一律に切られておるかどうかわからないとおっしゃったのでしょう。ほかの省のことはおれは知らないとおっしゃる。ただ一律に切るのだという言葉を信じて、あなたは一律にこれは仕方がないと考えられる。それではこの教科書の問題は内閣としては大して念頭になかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/22
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023・松村謙三
○松村国務大臣 そういうわけでもありませんで、特例法による補助の打ち切りは大体ほとんど全部、そういうことになっておると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/23
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024・松野頼三
○松野委員 ただいまの御答弁通りなら、文部大臣はだまされておるのです。だれからその言葉をお聞きになったか知らないが、そういうふうになっていないのです。あなたに、閣議で予算書を承認になったからといって、そのこまかいことを一々覚えていよとは言いません。今度の補助金を打ち切つたのはみな少額な補助金で、億以上のものはあなたのところだけだ。五億くらいなら少額なものだとおっしゃるなら別です。しかしこの補助金打ち切りの表を見てごらんなさい。億以上のところはあなたのところだけだ。しかもこれが一番自由党の全盛のときの教科書無料配付なんだ。あなたがその通りとおっしゃるなら、これは、あなたが認識不足か、あるいは大蔵省にだまされておるのです。ここに一覧表が出ておりますが、大きなのはあなたのところだけで、あとはどちらかといえば少額補助金なんだ。何千万円という少額なものは、全国にばらまいても効果が薄いから、この際平衡交付金に入れようとかいうわけだが、この教科書の問題は平衡交付金に入っているか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/24
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025・松村謙三
○松村国務大臣 だまされたと言われますれば、そういう事実があったかもしれませんけれども、何分前年から眠っている法律でもございまするし、緊縮事態も同様でありますし、特例のことでもありましたから、もう一年をもってやるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/25
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026・松野頼三
○松野委員 なるほど前年から眠っていることはその通りです。自由党内閣当時、これらのものは一年間延期したわけです。しかし、私の方は、財政を建て直すまでというわけで、当分の間という法案を出したのです。そのときに、議会の修正は、当分の間という不明瞭なことではいけない、三十年三月末までで、一日たりとも延ばしてはいけないというのが議会の院議で、わが党の案が修正になった。当時あなたは改進党の政調会長で、三月三十一日までという期限をつけるべきだという主張者だった。それが今日所を変えれば、この状況は何です。あのとき当分の間ということであったならば、この問題は出なかったのです。われわれは経済の状況に応じてという大きな幅を持たして、何とか一番早い時期にこれを戻そうと努力した一員です。あなたは当時改進党の政調会長だったと記憶するが、当時の改進党の一番の大黒柱である。まさか知らないとはおっしゃりますまい。今日この所を変えた豹変ぶりは何ですか。御記憶ございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/26
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027・松村謙三
○松村国務大臣 そういうこともございましたが、財政の状態はやはり一年で緊縮の実態を得ることができませんで、ことしも同様の政策をとっております。それでことしの事態に応じてまた一年を延ばす、こういうことと御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/27
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028・松野頼三
○松野委員 私をして言わしめれば、文部大臣、あなたの答弁は少しずる過ぎる。財政の都合というなら、財政の都合とは何だ、一兆円予算の基礎はどうだ、経済の状況はどうだと聞きますよ。しかし、所管大臣でないから、あまりここで聞いたのでは御答弁にお困りだろうから、この先はあえて聞かないが、あなたの方でそればかり答弁されるなら、休憩して、この次の答弁でも、もしそれでやっていらっしゃるなら、財政の都合の見解を聞きましょう。そのあとで、もしも財政の都合の問題であなたが負けたら、この問題は別個にいたしますけれども、一兆円予算は何のためにできたか、自由党のときと今日の経済の状況はどうか、国民所得はどうか、わかっているではないか。あなたにこんなに言ってはお気の毒だから、こんなことを言う必要はないかもしれないけれども、あなたが財政の方に逃げるなら、財政の方を聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/28
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029・松村謙三
○松村国務大臣 お言葉ではありますが、私は財政の問題であなたと議論するような財政通ではありませんから何ですが、このことだけは申し上げ得ると思いますから、御了承願いたいと思います。今の政府の方針が依然として緊縮政策を持続しているからして、こういうことになったのである。その緊縮政策を持続せざるを得ざるに至ったその論拠なり理由なりは専門家にお聞きを願いとうございますけれども、私は、緊縮政策をやっている政府の中にあって文政を預かっておりますから、さようにお答えを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/29
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030・伊東岩男
○伊東委員長 松野委員に御相談申し上げます。文部大臣は参議院の本会議に出席されなければなりませんので、向うの方は十五分くらいで済むようでございますから、その間休憩して引き続きやりますか、あるいは午後一時からやることにいたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/30
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031・松野頼三
○松野委員 十分や二十分待ってもいいというあなたの審議状況についての御判断なら、その御判断におまかせいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/31
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032・伊東岩男
○伊東委員長 それでは、このまま休憩いたしまして、十五分後にまた再開することにいたします。
暫時休憩いたします。
午後零時二十七分休憩
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午後二時二十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/32
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033・伊東岩男
○伊東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。松野頼三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/33
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034・松野頼三
○松野委員 先ほど来質疑をしておりますが、しばらく休みましたのでいい御答弁もおありかと思いますので、一つ重ねて私の前の質問に対して御答弁をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/34
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035・松村謙三
○松村国務大臣 先刻も申し上げました通り、ずっと以前から継続して参りましたこの教科書無料配付のことが一日も早く復活することができたらばと思うておりましたが、今度の機会にそれを復活することができなかったのは非常に遺憾でございますけれども、これは先刻申し上げました通りのようないろいろの事情によるものでございまして、でき得る限り早い機会にこれを復活をいたしまして、そうして恒久的に一つのきまった制度といたして最善を期したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/35
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036・松野頼三
○松野委員 それでは、全国の学童が二百五十万おりますが、二百五十万の学童に、まことに自分の不手ぎわで本年は教科書が配れなかった、まことに申しわけない、こういう意味なんですか。これははなはだふつつかですけれども、全国の学童のことですから、財政の事情により配れませんではなかなかわからない。文部大臣の力が足らずに配れなかったこういうふうな御趣旨ならば、これは明らかになるけれども、今の御答弁では何だかわからない。私だってわからない。なぜ配れなかったかということをはっきりしていただきたい。あなたが力が足りなかった、これも一つの何なんだ。ただ何となしに財政の都合で本年は配れなかったということでは、問題はことに学童のことですから、一つ明らかにしてもらいたい。民主党は盛んに選挙でお使いになったはずですから、選挙のときの公約は多少狂いができてまことに申しわけない、こういう趣旨ですか、かみ砕いて言えば。言葉が過ぎれば訂正いたしますが、端的に言えばそうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/36
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037・松村謙三
○松村国務大臣 こういうことになりました事情についてはいろいろありますけれども、このようなことになりますそのことについてははなはだ残念に考えて、この復活に努力いたしたいというのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/37
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038・松野頼三
○松野委員 復活に努力されるというのはいつごろ復活の努力をされるのですか。予算がまだ審議中なんですから、今からでも努力すれば間に合うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/38
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039・松村謙三
○松村国務大臣 それはすでに予算は自由党、民主党との間にもああいう修正の妥結ができまして、今参議院にかかっておることでございますから、次の予算編成の機会にぜひそれを貫徹するように努力をいたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/39
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040・松野頼三
○松野委員 お言葉を返すようですけれども、予算編成よりも、まだこの法案は審議中なんです。あるいは予算に入っておらないかもしれません。しかしながら、この法案を先に出しておいて、あとで補正で財源を追加することは可能なんですから、一つこの法案は生かしておいて、財源はこの次の補正、これが順序じゃないですか。法案を殺しておいて、これをやるというのですか。この法案だけ生かしておけば、あなたの言われるように財源措置はこの次の補正予算でもできる。ところが、これを殺しておけば今年中はだめなんです。御承知のように来年三月三十一日までは復活できない。早くやりたいというならば、この法案を生かしておけばあとで復活できる。その点は多少私は文部大臣と考えが違う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/40
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041・松村謙三
○松村国務大臣 それは、できましたならば、次の通常国会に復活の手続をいたしましてやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/41
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042・松野頼三
○松野委員 別に御遠慮なさらなくてもいいです。あなたが御希望ならば私も協力しますから、この法案だけを生かしておいて、次の通常国会では予算をお出しになればいいのであって、片一方だけ生かしておいた方がこれは便利なんです。ことに復活したいというお気持であるならば、片一方だけでも生かしておかれた方がいいじゃないですか。あなたの思想がその辺で多少分裂していると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/42
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043・松村謙三
○松村国務大臣 お話の通りでございますけれども、ことしやりますれば、ことしも生かしておきますれば、ことしもまたやらなくちゃいかぬということだろうと思います。ことしやらなかった事情は先刻来申し上げ、遺憾に思うているわけでありまして、事はやはり来年からこういうことで努力をいたしたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/43
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044・松野頼三
○松野委員 私もかねてから人望高い松村文部大臣を特にいじめようとは思わない。ただ問題は学童のことであって、私に関する問題じゃないのです。全国の学童に、まことに本年は残念だったけれども、民主党のこういう政治力においてはできなかったから申しわけがない、こういうことを言われたのかどうかというのが私の質問の要点なんです。私個人のために聞いておるのではないのです。今度は、全国の学童諸君には、文部大臣の力が足りなくてまことに申しわけがなかった、また民主党の選挙のときの公約に狂いができて申しわけがない。それを謝罪されたものをあえて責めることは不可能かもしれませんが、その思想はないのです。やりたいなら協力をしますよ。今からだって、あなたの方の思想に合せて、この法案だけを削ればいいのです。問題は財政当局がおやりになればいいことであって、あなたと私は財政上の議論はなるべく避けたい。それ以上おっしやるならば、私は財政論からいって可能だという論拠を持っておる。これは可能なんです。予算に関係なしにやれるのだ。ただいま審議中の本年度の予算をあらためて修正することなしにできる。だから私はそんな論拠は別個の問題だと思う。だからほんとうの思想を聞いておるのです。しかし、私は、文部行政としての範囲で、大蔵大臣の範囲まであえて質問しておるわけではございませんから、あなたも文部大臣として全国の学童に謝罪されるならば、この問題は一応あとまで保留しておいてもいい。今日の場合はそうではないのです。この目の前の法案の取扱いの問題であって、あなたの思想によっては私もこの点に協力をいたします。これは一私個人の問題ではない、学童の問題ですから、思想的にしっかり腹を据えてやろうじゃありませんか。これは私は本気なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/44
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045・松村謙三
○松村国務大臣 先刻からお答え申し上げておりますことは、これはもちろん議会を通じて国民に申すことでありますが、これができなかったのについて謝罪とかなんとかいうことではございませんけれども、できればやりたかった、それができなかったのは遺憾だということを申し上げておるようなわけでございますから、それで大体御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/45
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046・松野頼三
○松野委員 まあ一つ言葉に衣を着せずに、遺憾であったという政治的の言葉でなしに、子供さんの前に、申しわけありませんでした、私の力が足りませんでした、こういうふうにおっしゃれるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/46
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047・松村謙三
○松村国務大臣 実はそれは政策の上においてのことでございますので、謝罪をする、せぬというようなことは、私は遺憾の意を表するという言葉ですべてが含まれていると考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/47
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048・松野頼三
○松野委員 遺憾の意を表するという、こんな小さい字句のことを私は言うのじゃないのですよ。あなたがあくまで私の言葉に対して遺憾の意を表するとか、いやどうだとか、衣をかぶされるから、一番私の本心をこうやって露骨に言うのであって、それでは私の言っていることに反対か賛成かということなんです。全国の学童にまことに申しわけがなかった、自分もなるべくこういうものはやっていきたいのだ、本年は力が足らずにやれなくて残念だったという私の言葉にイエスかノーかを言えばいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/48
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049・松村謙三
○松村国務大臣 それはさっきから申し上げておる通りでございまして、今度できなかったのは遺憾である、残念であるということは繰り返して申し上げておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/49
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050・松野頼三
○松野委員 残念は、私も残念に思うのです。しかし、あなたは所管の大臣だから、私の残念に思うのは、実は、松村さん、あなたの力が足りなかったから私も残念に思うのです。今度のはあなたの自主的な考え方だから、当然言葉が変ってくるのは当りまえであります。残念に思うというのは私の言葉であって、あなたが自分でやらなかったのだから、今度は、自分の方で全国民の前に発表されるときに、残念じゃ済まないでしょう。これはあなたの言う思想と私の言う思想とは違う。残念に思うというのは、文部大臣の力が足らずに残念だと私は思っておるのです。あなたは、その立場だから、申しわけがなかったという言葉になりゃしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/50
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051・松村謙三
○松村国務大臣 お話でございますが、そういう特例法の、内閣としてきまりによってそうなにしたのですから、私は力が足りないで遺憾であったとは申しますけれども、罪があって謝することとは考えておりません。であるから、謝罪という言葉は申しませんで、遺憾であったと申したわけでございますから、それらの点は御了承をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/51
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052・松野頼三
○松野委員 私は文部大臣はもう少しさっぱりされた方であると思っていましたけれども、まるで言葉のことばかりにとらわれて、一個人の面目とか名誉とか、一々言葉をあなたは濁される。それじゃなぜこんなものを承知されたか。補助金特例一覧表に入ったから仕方がない。それじゃなぜ入れた。入れたのはだれですか。大蔵大臣が勝手に入れたのですか。補助金特例一覧表というのに入れるときには、あなたに相談があったはずだ。閣議できめられたのでしょう。入ったから仕方がない。それじゃだれが入れたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/52
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053・松村謙三
○松村国務大臣 それは私の力が足りなかったと仰せられるならばそうなんですけれども、私はこういうことに罪があるとは考えません。従いまして、謝罪ということは、これは一つお許しを願いまして、申しわけがないとか遺憾だという言葉は申し上げますが、やはりそういうことは公人としてきっぱりしておかなくちゃいけないと思いますから、せっかくの何ですけれども、そこのけじめだけは一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/53
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054・松野頼三
○松野委員 それじゃ、この補助金特例一覧表に入ったという根拠は、だれが入れたのです。あなたが入れたのでしょう。補助金を打ち切っていいというこの一覧表に入れたのはだれなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/54
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055・松村謙三
○松村国務大臣 それは、前年度もそうであり、今度も入れた。それは私の責任でございまして、私の見解でございます。責任であるとは申しますが、これが罪であるとは私は考えませんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/55
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056・松野頼三
○松野委員 前年は入っておってすでに議会で議決されておりますが、これは三十年三月までで、三十年度の予算にはこういうものは継続すべきじゃないというのが、あなたが幹事長当時の改進党の思想であった。あなた方が修正したじゃないか。どうして豹変するんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/56
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057・松村謙三
○松村国務大臣 決して強弁はいたしませんけれども、やはり二ヵ年にもわたるこういう緊縮の政策というもとで、各省とも予算をなにしますから、その結果としてそういうことになったのは、これはまことに遺憾なことでございまして、その点は私といたしましてははなはだ残念に思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/57
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058・松野頼三
○松野委員 緊縮々々と言われますけれども、その緊縮論は別として、少くとも五億何千万かがどうしても入らない予算だとは思っていない。もしあなたが入れろとおっしゃれば、われわれ苦労して入れて差し上げますよ。五億何千万かの金が入らないとは思わない。もし財政論でそうおっしゃるならば、今の一兆円予算の中に五億何千万円が入るか入らぬかお互いに考えてみて、入れたいという考えなら入れますよ。あなたがどうしても力が足らぬから頼むとおっしゃるなら、われわれも考えて上げますよ。問題は、文部行政で必要なのかどうかの本心からこの問題が発生する。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/58
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059・松村謙三
○松村国務大臣 それは必要と心得ておりますことは先刻来申した通りでございます。必要ではありますが、それが、今度の予算には、先刻来申したような事情で入ることができなかったことを、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/59
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060・松野頼三
○松野委員 必要ということは、ぜひこれを入れたいという考えには間違いないですね。もう時間もございませんから、この際審議を迅速にやってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/60
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061・松村謙三
○松村国務大臣 それは、入れたいと思いましたことは、先刻から申し上げたようなわけでございまして、できるだけすみやかに、皆さんの御賛同を得まして、再びこの制度を復活したいという念願においては、決してお考えと変りないつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/61
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062・松野頼三
○松野委員 入れたいという思想があるならば、入れるように御協力いたしましょう。これは来年三月三十一日まで補助金を打ち切るという法案だから、あまりにこれは長期過ぎる。もっと早い時期にあなたの思想が実現できるように、あなたの御努力ができるように、この際根を残してこの法案から削除することが私はあなたの思想に合うと思う。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/62
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063・松村謙三
○松村国務大臣 私は、この年度の中途においてそれは困難であろうと思いまして、明年の予算の編成に伴うて実施をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/63
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064・松野頼三
○松野委員 あなたは、この問題は本年はやらない、来年からやりたいというのか、なるべく早い時期にやりたいというのか、またこの辺が不明確になってきた。直ちにこの予算の中でどうこうするということができなければ、早い時期にやりたい、本年中はできないだろうという見通しは勝手気ままであって……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/64
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065・松村謙三
○松村国務大臣 今度の予算に組み入れることができませんでしたから、すでに教科書の買い入れの時期も過ぎていることでございますし、明年の新学年からやりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/65
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066・松野頼三
○松野委員 だんだん突き詰めていくと、だいぶ文部大臣もお困りのようなんです。非常に私が遺憾に思うことは、歯に衣を着せずして、さっぱりとおっしゃれば一番いいんです。ほんとうにあなたが残念だと思うなら、学童にまことに申しわけなかったとおっしゃればいいじゃないですか。面子にこだわって、やりたいけれども、予算がなかったから残念だ。残念だということは私が言うことであって、あなたの立場から言うならば、自分の力が足らずに申しわけなかったと言うのが常識じゃないか。もしそれがほんとうでなければ、あなたの言うことは支離滅裂だ。何となしにどこかに遠慮されているようである。あなたに御協力する気でこれを質疑しているのですから、やりたいと思えば、今ならこの法案だけは間に合う。予算の問題はまたわれわれは財政当局に対してあらためて審議いたします。予算のことは別にして、問題は、文部行政としてぜひともこの制度は残しておきたい、なるべく早い時期にやりたいというなら、協力します。来年々々と言われなくてもいい。来年まであなたの内閣が続くかわからない。だれもわからない来年のことを言わずに、学童は今日勉強しているのだから、その学童を対象にわれわれはやっている。これは自由党が初めて開いた善政なんです。いろいろな問題と別個に、これは新しい問題である。ことにこれは喜ばれた。昨年は残念ながらああいう状況になった。今年はいよいよ復活しようというのがあなた方の思想だったと思う。内閣がかわって豹変してはいけない。財政の都合はまたほかのことで大蔵大臣に聞きますから、あなたの思想をはっきりすればいい。何となしに財政当局に遠慮されているところに、この審議が混乱する。出したいというなら、私どもも一生懸命考えます。私の質問の本心がおわかりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/66
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067・松村謙三
○松村国務大臣 繰り返して申し上げますが、もはや、本年度にこれを実施するということは、新学年も過ぎたことでもございますし、やはりいろいろ構想を練りまして、明年の新学年からこれをやりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/67
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068・松野頼三
○松野委員 それじゃなぜ本年の四月からやらなかったのですか。今からやることはよいことでない、不手ぎわだと思うなら、それじゃ四月にさかのぼってやればいい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/68
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069・松村謙三
○松村国務大臣 四月からやり得なかったことは、先刻来しばしば申し上げたような次第でございまして、まことに遺憾に存ずるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/69
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070・松野頼三
○松野委員 遺憾という言葉は、言葉の字句にとらわれるんじゃないけれども、申しわけないという本心なんですか。遺憾々々という言葉はいろいろ政治的に使われるが、あなたはほんとうに学童に申しわけなかったという気持があるのかどうか疑わしい。私には遺憾でいいかもしれぬ。しかし、学童に遺憾だ、遺憾だと言っても、これは政治知識のあるものなら別ですけれども、そんな幅の広い言葉は、私にはそれで通ずるかもしれぬが、学童には何だかわからぬ。言葉は、遺憾だけれども、本心は、ほんとうにこれはやらなければいけないものだ、学童に申しわけないという気持はみじんもない。そうでしょう。どうなんですか。あまり同じ論議を繰り返したくない。しかし、あなたの言葉一つで協力できるような大事なせとぎわだから聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/70
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071・松村謙三
○松村国務大臣 どうか一つ先刻まで申し上げましたことで御了解を願いまして、この案に御賛同をお願いするわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/71
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072・松野頼三
○松野委員 私とあなたと、私は私の意見を言い、あなたはあなたの意見を言って、いつまでも対立していてもこれは切りがない。いずれ委員会に諮って、どちらの意見がいいか委員会で私はきめていただく以外にないと思う。すなわち、私がかりにこの委員会に動議として出すならば、文部大臣の力が足らずまことに申しわけない、陳謝すべしという動議を委員会に出して諮っていただくよりほかはないのです。お互いに対立して、お互いにいつまでやっておってもしようがないので、委員長を中心とする委員会に諮っていただきましょうか。どうでしょう、大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/72
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073・松村謙三
○松村国務大臣 大体先刻来申したことで御了解をお与え下さいまして、この案が通りますように御賛同を切にお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/73
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074・松野頼三
○松野委員 そこがよけいなことなんです。通るようにというのはあなたの思想と違うのじゃないか。あなたは通したくないのです。なるべくこの問題を生かしたいのです。生かしたいのだけれども、この法案は廃止法案なんです。廃止法案の通過に協力してくれというのはどういうことなんですか。約二時間論議したこととはまるでうらはらじゃありませんか。国務大臣としては言うかもしれないが、あなたは文部大臣なんです。あなたはなるべくこの問題は生かしていきたいという思想だった。そうすれば、なるべくこの法案は通さずに生かしておいてくれという言葉が言えなければ言わなくてもいいが、通過さしてくれとは何ですか。思想と反対のことをあなたは言っているのではないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/74
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075・松村謙三
○松村国務大臣 私、予算の編成に当りまして、閣議でこの予算に賛成をいたした責任者でございます。従いまして、ことし一年はこれはやむを得ませんから、明年の四月からこれを実行いたしたい、こういうことからいたしまして、どうかこの案をお通し下さるようお願いをいたしたい、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/75
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076・松野頼三
○松野委員 それならこれは国務大臣として閣議に列席した行政上のあなたの一つの責任かもしれない。しかし、それを受ける学童に対してあなたの気持はどうかをさっきは聞いていたのです。一年間廃止してまことに申しわけございません、大臣の力が足らなかった、こういう思想があるかないかということを先ほどからずっと聞いているのです。閣議ですからそれに拘束されることは事実なんです。こういうように拘束されないようにする力があなたに足りなかった。それが学童に迷惑をかけておるということなんですから、少し論議の前提が違ってきておる。いずれ、あなたが謝罪されなければ、私は、この委員会で、この法案について私の意見が正しいかどうか諮っていただいて、私が負ければ私はいさぎよく引き下ります。いずれ理事会でこの問題を諮るつもりですが、そのときに私がどういう動議を出すかは別個の問題です。いつまでもあなたがにえ切らなければ、これ以上方法はないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/76
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077・松村謙三
○松村国務大臣 大体先刻来申し上げました通りでございまして、私が遺憾の意を申し上げ、そしてこの法案をぜひお認め願う以外にはないと心得ます。どうか先刻来申したことを御了承をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/77
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078・松野頼三
○松野委員 このように答弁の分裂した文部大臣といつまで論議したって方法はない。従って私は、私の思想を最大限に生かすように、あらためて委員会に諮り、理事会に諮って、私の今後の処置は考えます。これ以上文部大臣と論議したって方法はない。従って私は、文部大臣に対する質問は無意味だからやめます。少しも政治良心が見られない。ことに文部行政という道徳良心が一片も見られない。私は穴があるならば穴をつつこうというのではありません。あなたに対する質疑を通じての間には、学童に対する良心がみじんも見られない。これじゃ足りない、しかし足りないところはこういうことでがまんをしてくれと言う。これはたれだって、やりたいことはたくさんあるが、財政に縛られているということはわかつておる。あなたの答弁は何です。通してくれ、通してくれと言う。やりたいのかと言うと、やりたい気持もある。これはどっちなんです。何となしにどうかしてくれというのじゃ責任のがれじゃないか。私はそれを非常に不満に思うのです。別に私はそう悪意であなたに今日質問しておるのじゃない。なるべく早くあなたに協力しようと思うから、思想だけは聞いておきたいのです。本気でやる気はないのじゃないか。ただ、政治上、うつかりやるとわが内閣に不人気が起るからということばかりがあなたの念頭にあるように思う。従って、この問題で文部大臣と何ぼやったところで、どちらかといえば私はだんだん反感を抱くような気がしますから、この際善意な意味で文部大臣に対する質問はいたしません。しかし、この問題はあらためて私の思想をこの委員会において御判断を願う機会があろうかと存じますから、委員長は、十分それをお含みの上で、採決前にこの問題をもう一ぺん理事会に諮られんことを条件として、質疑を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/78
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079・伊東岩男
○伊東委員長 他に質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/79
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080・滝井義高
○滝井委員 大臣にちょっとだけお伺いしますが、新たに入学する児童に対する教科書の給与は次の通常国会で修正をしたいという御答弁がありました。同時に、新学年からやるのだ、こういうことなんですが、実はこの法律は来年の三月三十一日までしか期限がないのです。大臣がそうやると言わなくても、自動的にやることになるのだと思うのですが、この点大臣御存じでそういう御答弁をされたのか、これは大臣の意思にかかわらず来年からやることになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/80
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081・松村謙三
○松村国務大臣 お話の通りでございまして、来年の三月で切れます。切れますことは来年の三月からぜひやりたいと考えておるわけでございまして、そのやり方につきましては、先ほどもお答え申し上げました通りに、このままで前と同じ形にやるか、もしくは新しいことも少し検討を加えてやるかは別でございますけれども、ぜひ来年の四月からそれを実行する、こういうふうにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/81
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082・滝井義高
○滝井委員 それと関連しますが、そうしますと、実はこの補助金等の臨時特例に関する法律が出たときは、こういうものは、一応政策的には一年であったけれども、国の財政の健全化をはかり地方財政の健全化をはかるという意味からも、こういうものは非常に不合理性の多い補助金である、だからそれを削っていくのだという大蔵当局の説明があったわけなんです。しかし、昨年いろいろの政治情勢で一年になったわけですが、基本的な物の考え方は、これはほとんど半永久的に地方なり国の財政の健全化のために行われた法律なんです。今の大臣の御答弁のように、大蔵当局の考えておったその意図とは全く逆に、これが来年から確実に復活をしてくるということになれば、あにこの学童ばかりでなくして、おそらく大臣は社会教育関係の図書館や公民館や博物館に関する補助も全面的に内閣としては復活をするのだ、こういう御意思があるものと考えるのですが、教科書と同じように、そういうものについてもそうお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/82
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083・松村謙三
○松村国務大臣 今お話の通りでありまして、図書館その他の同一種類の助成も十分いたしたいと考えておりますし、社会教育等の意味からいって、図書館などは現在もやはり補助をいたしておる面もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/83
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084・滝井義高
○滝井委員 来年度から社会教育関係も教科書と同じように復活するという御答弁がありましたが、大蔵省にお尋ねしますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/84
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085・松村謙三
○松村国務大臣 ちょっと私なにしましたが、現在の予算の中において図書館等にある種の助成はいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/85
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086・滝井義高
○滝井委員 わかりました。大蔵省に一つ。これは一応来年限りになっておりますけれども、昨年われわれは一年限りだという国会の意思を決定しましたが、再び出してきたわけです。ところが、あなたの方の意思としては、すでに先般提案理由の説明があった通り、少くとも恒久的な意義のあるものだとして私たちは受け取っておったのです。大蔵省の意図としてはそういうものがあったのだ。ところが、今の松村さんの御意見等を見ると、やはり時限立法で、一年限りということがはっきりしてきたわけです。従って、これはほんとうは大蔵大臣の答弁を得なければならぬところですが、正示さんがおいでになっておるので、大臣のかわりに御答弁を願わなければならぬ。できなければ大蔵大臣を呼んでもらわなければならぬと思いますが、もう大蔵省としては来年は補助金のこういうものは断じて出さない——今のように、財政事情というものは昨年と今年はあまり違わなかったので、教科書もやりたかったのだけれども、やむを得ずこうしましたということをおっしゃいましたが、来年から、この補助金等の特例は、大蔵省としても全面的に国会の意思通り賛意を表して、全部復活をしてしまう、こう確認をして差しつかえないか。もしあなたで御答弁ができなければ、大蔵大臣を呼んでいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/86
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087・正示啓次郎
○正示政府委員 お答え申し上げます。
補助金の整理につきましてはたびたび大蔵省からもお答えを申し上げておるのでありますが、実は、本年度に去年と同じようなこういう臨時特例の法律を出したことにつきましては、私ども財政当局として相当責任を感じておるわけであります。本来ならば、もっと根本的に検討を遂げまして、補助金につきましてもそれぞれ本質的な区別をいたしまして、ただいま文部大臣からもお答えがありましたように、改善をして、残すもの、あるいはすっぱりとやめてしまうもの、あるいはさらにいろいろと根本的に検討を遂げなければならぬものというような、いろいろな分類があろうかと思うのでありますが、この点につきましては、いろいろの事情でそれをいたします十分の余裕もなく、今回出しましたのは、前年度に引き続きましてとりあえずさらに一年延期を願うということが大部分のことになってしまったのであります。その点につきましては、先ほど申し上げましたように、これは私どもとしてもまことに遺憾に思っておるのであります。
将来の問題といたしてでございますが、これはやはりすみやかに根本的に検討を加えまして改善をして、新しく残すものもありましょうし、またすっぱりとやめてしまって、それにかわりまして、たとえば地方に財源を与えて地方自治の要請にこたえるものもあろうかと存じますが、これらは、それぞれ、補助金の沿革なりまたその現実に果しております機能なりをよく検討いたしまして、来年度の予算までにきめたい、これが私どもの考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/87
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088・滝井義高
○滝井委員 どうも少し答弁が的をはずれたのですが、それでは一つ区切って御答弁を願います。今、文部大臣から、社会教育関係についてもあるいは学童の図書についても来年からは全面的に実施をいたしますという意味の御答弁があったわけであります。そうしますと、あなたの方の今の御答弁では、またあらためてそれらのものを検討して、この法案は一応来年の三月三十一日限りまでにしても、新たな検討をやってまたやる、こういう御意思のようであるのですが、食い違ってくるのです。文部省の方は、この補助金の対象になっているこの一覧表に出ているものについては、少くとも全面的にやります、特に一番大きな五億二千八百四十三万二千円という教科書については、はっきり来年からやるとこう言うたのです。そうしますと、他のものは経費は知れているのです。千四百九十一万が社会教育設備費の補助、それから図書館関係が一千二十七万で知れているのです。この中で一番大きなのは五億二千万有余の教科書なんです。こういうものが復活をしてくれば補助金の対象としては意義がなくなってくるわけです。従って、文部省の言う通りに社会教育が全面的に復活しても差しつかえないということになるわけであります。そういうことになれば、文部省がしかりとするならば、厚生省においてしかりなんです。あるいは農林省においても、運輸省においても、建設省においても復活しておることは当然であります。そうしますと、あなた方の意図したこととは実は結果が逆になってくるのです。これは、今文部大臣の御言明によって、おそらく来年は文部省関係はないということははっきりしてきた。少くともこの一覧表に出ておる限りは、社会教育と図書だけですから、ない、こう了承します。問題を広げますと、なかなかむずかしくなって答弁がしにくくなりますが、文部省については大蔵省も来年から一切直すということはないとこう御言明いただけますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/88
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089・正示啓次郎
○正示政府委員 まず最初の文部大臣のお答えにつきまして、滝井先生の御解釈でございますが、私伺っておりましたのと少し違うようでございまして、文部大臣は、社会教育の補助はここにあります以外にも相当やっておりますというふうな御趣旨の御答弁でございました。なお十分研究するというふうな御趣旨でなかったかと思うのでありまして、これを全部復活するということの御言明にはならなかったのじゃないかと思います。これはあるいは私が間違っておるかもしれません。実は、私どもといたしましては、教科書の問題につきましても、文部大臣のお考えを実は本日伺ったようなわけでございまして、将来は、負担力のあるものにもやるというよりは、負担力のないようなものを主としてやって、そのかわり、たとえば小学一年だけではなくて、中学までのものに及ぼすという方が合理的ではないかというふうなお話と伺ったわけでありますが、この点につきましては、私どもといたしましては、いずれ予算の編成に当りまして、御承知のように予算は各般の問題を一緒に扱うわけでございますが、この問題は先ほど来御問答のようにまことに重要な問題でございますから、十分慎重に文部省のお考えを伺いまして、また私どもの立場からも意見を申し述べまして決定をいたしたいと存じますが、ただいまこれらのここに盛られました文部省関係の補助金については全部これを復活するのかという御質問に対しましては、これはにわかにお答えはできないのでありまして、それぞれ先ほど申し上げましたような角度から十分研究をいたしました上で、あらためて決定をすべき問題ではないか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/89
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090・滝井義高
○滝井委員 文部大臣、今のように大蔵省の意見は大分違うのです。そうしますと、教科書についてのあなたの御意見を大蔵省としては今初めてお聞きになったという状態です。これは今度は閣内の思想が大分食い違ってくる。文部省としては断然来年はやるのだと言う。しかも補助金の整理の対象は、ことしここに出ておるのは全部で十九億です。この中で少くとも四分の一は教科書が占めておるのです。これはこの補助金の法律が骨抜きになるかどうかという一番大事な問題です。しかも、大蔵省としては、一応議院の修正で来年までとなっておりますが、意図としては、地方行政の健全化、国の財政の健全化という意味で、恒久的な立法としてシャウプ税制の勧告以来意図しておったわけです。文部省の五億という補助金の対象の四分の一というものがすっぽり抜ければ、この法律は骨抜きと同じです。従ってこれは今のように大蔵省は再検討していく、こういうことです。大臣は来年から断然やるのだということを松野君に御言明になった。明らかに食い違ってくる。大蔵省の意向によっては、大臣がやろうとしても、また財政の都合で——これは今年もできませんでした。去年もわれわれはそれでだまされてきた。去年は一年切りだと国会は意思をきめたが、どうもデフレ政策というものはもう一年地固めでやらければならぬので、ことしも十九億ばかりの補助金は切らなければいけませんといって出てきておる。今大臣は社会教育も教科書もやると言われたから、その通り政治生命をかけて大蔵省と対決してやっていただけると確認して差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/90
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091・松村謙三
○松村国務大臣 これは来年度の予算の編成にかかることでございますので、私は、それにはぜひ全力をあげて、私どもの教科書の無料配付のことを実現いたしたいと努力をいたし、そして必ず実現をするつもりでおります。大蔵当局といたされましては、予算編成の前でありますから、今の御答弁以上のことはむずかしいことは御了承を願えることと思いますが、私どもといたしましては、ぜひその節には大蔵省の方へお願いを申して、そしてその目的を貫徹いたしたい、こういうことで最善の努力をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/91
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092・滝井義高
○滝井委員 具体的に予算の問題になりましたけれども、法律の改正を通常国会で出したい、こういうお話もあったわけなんです。通常国会でやりたいということは、法律の改正以外にないわけなんです。そういう点から関連しますと、どうも今の答弁は前の松野さんに対する御答弁と比べてだいぶ後退してきた。前は確実にやれる、こう言っておったんですが、今度大蔵省と相談して努力目標ということになると、だいぶ話が違うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/92
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093・松村謙三
○松村国務大臣 それは具体的にずっとお話でございますから、これを実現する手続においては、どうしてもそういう過程を経なくてはならない。大蔵省の方の御答弁も、これ以上にただいまは出れないということを申されましたわけでありまして、私どもといたしましては、ぜひこの実現を期しておるということで、先刻松野さんにお答えを申したこととは、後退をいたしているというわけではないつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/93
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094・滝井義高
○滝井委員 それならば、これは来年というと鬼も笑いますから、現実の問題として、一つここで今度のこの補助金の中から削除をしておいたらどうでしょうか。削除しておけば来年からぱっと確実にやれると思いますが、どうでしょうか。削除されておいたらどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/94
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095・松村謙三
○松村国務大臣 実はそれを言うことにお運び願いますと、そうすると、ことしからもうやはり給付しなければならぬということになりますので、ことしは、先刻申しましたような次第で、遺憾なことでありましたが、やらないことにいたしておりますものですから、それでぜひ一つこれはお通しを願って、来年度の分は新しく発足いたしたい、そしてこの法によって運営をしたしていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/95
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096・滝井義高
○滝井委員 おそらくそう言うだろうと思った。実はこの法律が昨年通過したのは五月末だった。私は予算委員会で大蔵大臣に言った。新たに入学する児童というのは、入学してしまった児童じゃなくて、今から入学する児童に前もって教科書をやるわけです。算数、国語。これは去年は四月にみんな入学するときに法律はなかった。そのときに、小笠原大蔵大臣は、もう自分の方は法律を出しているから、滝井さんが幾らそうやれと言っても、政府の意思はやらないことにきめておるんだから、法律がいずれ通過すると見ておる、だからやる必要はありませんと言って、四月に入学する児童に、予算委員会で私は言った、法律がないんだからやるべきだと私は主張をした。これは五月二十八日か何かに施行されておる。だからこの法律の効力が発生したときは、小学校の子供はみんな入学しておる。みんな算数の教科書をもらわなければならぬ状態にあったんだが、内閣がそれをやらなかった。だからこれは、途中からやっても、みんな算数の教科書を買ってしまって、ことし四月に入学して終ったあとですから、去年と同じですから、途中からやる必要はない。やむを得ないのです、みんな買ったんだから。お金をやるわけに行かぬ、現物給付だから。これを今度落しておっても——ことしは結局暫定予算でやっておるわけなんだから、暫定予算で四月、五月、六月ときめてあって、あと九カ月しか残りのない法律です。今度これを落しておっても、私は昨年の実例から考えて差しつかえないんじゃないかと思います。そういたしますと、これは確実に来年から効力を持ってくるんです。来年大蔵省が幾らやろうとしても、今度新たにこれを入れていかなければならぬ、こういう手間がいる。その点文部大臣はいかがでしょう。昨年は途中からだったんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/96
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097・松村謙三
○松村国務大臣 お話は承わりますが、これを復活せられますと、ことしの年度の春の教科書の代金も、やはりあとにでも交付しなければならぬと思うのでございまして、そうなりますと、ちょっとこれは運営ができかねます状態でありますから、どうか一つお認めを願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/97
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098・滝井義高
○滝井委員 そうすると、昨年この法律ができたときには子供は入学しておるが、そのときにはやらなかったのです。それはどうしてですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/98
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099・内藤譽三郎
○内藤政府委員 昨年は、法律で遡及いたしまして四月一日から適用したわけです。その年度内には国の義務は発生しないようにしたわけです。今度もしそれをはずしますと、年間に義務が発生いたしますから、いずれ、現物を給付しないまでも、現金賠償か何かしなければならぬと思います。先ほど文部大臣がおっしゃったように、この制度に改善を加えて、検討したいとおっしゃいますので、本年は、予算との関連もありまして、ちょっと実行が困難ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/99
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100・滝井義高
○滝井委員 これははっきり言明をいただかなければ困るのです。大蔵省は検討すると言うし、大臣も最後には予算編成期での努力目標になったのです。初めから今のようなことでやる。われわれは現実をはっきりしていかなければならぬ。将来のことは将来で、内閣はかわるかもしれませんから、現実をはっきりつかんでいかなければななぬと思うのです。昨年は、現実に子供が入学したときに、法律ができてもいなかったのに、四月に勝手に遡及したのですから、今度も何かそういうところがあるはずです。少くとも、ことしはやむを得ませんでしたが、来年は必ずします。あるいは、ことしからでも、今松野さんの言われるように、できないことはないはずです。まだ参議院で予算審議中ですから、できるはずなんです。ただしかし、ことしは財政上の理由があってできないと言われるならば、この委員会の席で、政府の方から、これは来年から確実にやりますという、何らかの説明なり何らかの意思表示の明確なものがない限りは、私としては今の答弁には納得が行かない。私は昨年予算委員会でそれをついたときに、政府自身が、もう五月で学校に入ったあとから、この法律が成立して遡及規定をつけてやっておるのですから、ことしが年度の半ばであっても、やれないことはないはずです。何ぞ来年を待たんやです。今からでもできるはずです。できないことはないと思う。去年できたのですから、途中からでも遡及して……。法律がまだ成立もしないうちから遡及規定で——ことしは半ばだといっても、何もことしやれと言うのではなく、来年から確実にやるようにしなさいと言うのだから、大蔵省と相談しなければならないということではなくて、今そこにおられるのですから、大蔵省も文部省も、来年は間違いなく五億二千八百四十三万二千円というものは、もうたとい補助金の問題が上っても切りません、こういうことの御言明がいただければ、私たちは了承したいのです。そうでなければ、私たちも、ことしからでも今の松村文部大臣の御意思を尊重してやらざるを得ない。というのは、何となれば、昨年は途中からやられたでしょう。御言明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/100
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101・村上孝太郎
○村上(孝)政府委員 ちょっと、法律的に御説明申し上げますと、新入学児童に対する教科書の無償給与の法律は、第二条におきまして、新しい入学児童に対して国語と算数の教科書を無料で給与する、こういうふうな宣言的な規定がついておりまして、その第六条だと思いますが、その目的を達するために、国が教科書出版会社と契約を結び、その出版会社に国が金を交付する。その交付した結果、無償で教科書出版会社がこれを都道府県委員会でございますか、管理者という言葉を使つておりますが、管理者に渡して児童に給与するという形になっておるわけであります。去年中途から出たと申しますが、去年中途からやるのと、ことし中途からやるのとはだいぶ意味が違うのでありまして、去年中途からやったというのは、政府の予算編成方針が無償給与につきましては一年間停止するという方針でありましたものですから、出版会社との契約を政府はいたさなかったわけであります。従って出版会社は学校管理者に対して無償の教科書を給与するということができなかったわけであります。そのできなかったという状態は、先ほど滝井先生がおっしゃいましたように、法律がまだ停止してない状態においてそういう行政指導をやったものでございますから、あとで、そうした行政指導と言いますか、予算の実体と法律の実情というものを一致させるために遡及効をつけまして、ああいうふうな措置をいたしたわけでございます。今度それと同じように中途からやれとおっしやる理由は、私の誤解かもしれませんけれども、現在からこの四月にすでに国語なり算数の教科書を小学生に対して無償給与の実態を与えろ、こういう意味だろうと思いますが、そういう意味だとすると、だいぶ事情が違うのでありまして、それが来年からということになりますと、これは前期、後期の関係もございますけれども、少くともこの一年間は法律と予算との関係の実体を一致させるということが必要なんでございますから、来年の三月三十一日まで有効であるところのこの法律でもって、ことし一年間は予算と法律との実体を一致させるということがやはり必要じゃなかろうか。これは去年の場合と比較するのは少し条件が違うように思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/101
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102・滝井義高
○滝井委員 条件は違いますけれども、そのやった行為について私は問題にしているのであって、去年は途中からでも遡及効までつけて——ほんとうはみんなもらえるであろうと期待して学校に行ってみたところが、法律が通っていないのに、ことしは教科書は自分で買うのだと宣言されてしまった。教科書はくれるのだとPTAなんかでは思っていたのに、あにはからんや五月になって——国会へ出たことは前から知っているわけですが、国民大衆は法律が公布されてから初めて知ったわけです。ですから、そういう点から考えてみれば、国民はキツネにつままれたような感じがした。一年だからことしはもらえるだろうと思っておったところが、ことしは法律が初めからこういう形で出てきております。文部大臣の意思としては、ほんとうはことしからやりたいのだ、しかし財政上の見地でことしは工合が悪いから来年からやります、こうおっしゃっておるわけです。ですから、文部大臣のそういう意思があるならば、あなた方もここで来年から必ずやります、大蔵省としてはこのものについては切りませんということは言えぬはずはないと思う。あるいは無理と言われるかもしれぬけれども、文部大臣は来年からやるという文部行政の方針を示されている、それをあなた方がいやいやそれは検討しますとかいうことになるから、意思が統一しておらぬと言うわけなんですよ。片方はやると言うし、片方はどうも工合が悪い、こういうことです。だから、それならば、去年もああいういい知恵を出して遡及効までつけてやっているのだから、ことしは年度半ばではあるけれども、ことしはやれとは私言わない。来年からやりますというような確実な形を、本法のこの補助金の方ではなくて、教科書無償配給の法律か何かにでもつけて、来年から確実にやるような工合の知恵はないか、知恵がなければ言明でもけっこうだ、こういうことです。ことしから年度半ばでやれと言うのじゃない。昨年ああいう無理をしたのだから、今年一つ、来年のことを言わずに、ここで予算編成の通常国会とか、あるいは予算の固まったときということでなくて、今から来年のことを言うと鬼が笑うから、今現実にはっきりしてくれ、こういうことです。だから五億二千万円出しますと言明してくれれば、それで問題はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/102
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103・正示啓次郎
○正示政府委員 重ね重ねのお言葉でございますが、私どもの予算の編成は、滝井先生御承知のように、月余にわたり徹夜をいたしまして慎重審議して決定をいたすのであります。この問題はきわめて重要でございます。私はその非常に緊要なことは認めるにやぶさかではございません。しかしながら、国家の財政全般には非常にむずかしい問題がたくさんございますので、また私は、一事務吏僚の身でございまして、非常に大きな問題について言明をいたす立場にもございません。事情御了察の上、私どもはこの問題につきましては将来十分慎重に考究するということで、御了承を賜わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/103
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104・滝井義高
○滝井委員 どうもはっきり言明を——文部大臣は言明しておるのです。それならば一つ大蔵大臣にでも来ていただきましょうか。これは少くとも補助金の四分の一を占めるのですから大事なんです。来年も必ずこういうものが出てくることは明らかです。今年だけでこの問題が終るものならばいいが、昨年われわれは今年きりだということで終ると思ったら、今年また出てきた。シャウプ勧告以来こういう思想というものが流れているわけです。だから、大蔵大臣の出席をとりあえず要求いたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/104
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105・正示啓次郎
○正示政府委員 それでは、最後に、大蔵大臣をお呼びになるかどうか、これは委員会で御決定をいただくことでありますが、私、この問題につきまして、参議院の大蔵委員会で、やはり前回のとき、すなはち六月一ぱい御延期を願う場合にいろいろ問答がございました。大蔵大臣のそばについておりましたが、大蔵大臣は、やはり、義務教育の問題はきわめて重要であるから、来年度の予算におきましては、義務教育の予算については自分としては重要性を十分考えていきたい、ただ、今具体的にどの項目をどうするかということの言明はお許し願いたいということで、御了承いただいておりますので、私どもといたしましては、大臣を補佐する立場におきまして、大臣のお気持をそんたく申し上げまして、そのことをつけ加えて御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/105
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106・伊東岩男
○伊東委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/106
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107・伊東岩男
○伊東委員長 では速記を始めて下さい。
それでは、本日はこの程度にいたしまして、次会は明日
午前十時より開会いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時三十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205189X01019550624/107
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