1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月十七日(金曜日)
午前十一時十八分開議
出席委員
委員長 世耕 弘一君
理事 山本 粂吉君 理事 三田村武夫君
理事 馬場 元治君 理事 福井 盛太君
理事 古屋 貞雄君 理事 田中幾三郎君
今松 治郎君 大倉 三郎君
櫻内 義雄君 椎名 隆君
高木 松吉君 高橋 禎一君
長井 源君 林 博君
生田 宏一君 船田 中君
横川 重次君 猪俣 浩三君
神近 市子君 細迫 兼光君
佐竹 晴記君
出席国務大臣
法 務 大 臣 花村 四郎君
出席政府委員
法務政務次官 小泉 純也君
検 事
(刑事局長) 井本 臺吉君
法務事務官
(矯正局長) 中尾 文策君
委員外の出席者
専 門 員 村 教三君
専 門 員 小木 貞一君
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六月十七日
委員古島義英君及び松永東君辞任につき、その
補欠として大倉三郎君及び櫻内義雄君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員大倉三郎君及び櫻内義雄君辞任につき、そ
の補欠として古島義英君及び松永東君が議長の
指名で委員に選任された。
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六月十六日
福島家庭裁判所庁舎建設促進に関する陳情書
(第二〇二号)
指紋関係法令の撤廃等に関する陳情書
(第二三〇号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した案件
商法の一部を改正する法律案(内閣提出第二七
号)
法務行政に関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/0
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001・世耕弘一
○世耕委員長 これより会議を開きます。
商法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑は終了しておりますので、これより討論に移りますが、討論はこれを省略し、直ちに採決に入りたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/1
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002・世耕弘一
○世耕委員長 御異議なければさように決し、これより採決をいたします。
商法の一部を改正する法律案に御賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/2
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003・世耕弘一
○世耕委員長 起立総員。よって本案は原案通り可決決定いたしました。(拍手)
なお本案に関する委員会の報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/3
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004・世耕弘一
○世耕委員長 御異議ないものと認めます。さよう決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/4
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005・世耕弘一
○世耕委員長 次に法務行政に関する件につきまして調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。高橋禎一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/5
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006・高橋禎一
○高橋(禎)委員 警察長官はおいでにならないようですが、警察庁からだれか来ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/6
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007・世耕弘一
○世耕委員長 高橋君にお答えいたしますが、警察庁長官に要求いたしましたが、今日はよんどころない用件で出席できないそうであります。御了承を願っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/7
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008・高橋禎一
○高橋(禎)委員 それでは刑事局長にお尋ねいたします。私お尋ねしようとしておりますことは、最近拳銃を使用する犯罪が激増しておるように考えられるのでありまして、社会一般良民の不安恐怖というものは、実に想像以上である状態であります。そこで法務省といたしましては、この種事犯について相当厳密な調査がなされておると思うのでありますが、一体この拳銃取締りに関して、どういうふうな根本的な対策を立てておられるか、それをまず第一にお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/8
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009・井本臺吉
○井本政府委員 拳銃の不法所持につきましては、御承知の通り銃砲刀剣類等所持取締令がございまして、許可なくして、拳銃を所持しておった者につきましては、この法律によって厳重に処置をしておるのでございます。具体的にこの拳銃のみについてどういうふうに検察庁がやっておるかということになりますと、ただいま資料を持っておりませんので、お答えいたしかねますが、われわれといたしましては、この不法な拳銃所持が種々の暴力事犯に密接な影響がありますので、暴力事犯全体を含めまして、特に拳銃所持につきましては、厳重な態度で臨むように管下の警察長に指示がしてあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/9
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010・高橋禎一
○高橋(禎)委員 一般に許可を受けないで不法に拳銃を所持しておる者、すなわち縣
銃の数というものは、大体どのくらいあるか見当がつくものなんですか、つかないものなんですか、その点を一点。
そしてそういう拳銃はどこで製造されておるものであるか。すなわち外国から入ってくるものか、あるいはまた国内で製造されるものであるか、そういったようなことについて基本的な調査が行われておるのかどうか、その二点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/10
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011・井本臺吉
○井本政府委員 事件を通じまして、われわれの知る限りにおきましては、扱われました拳銃はほとんど外国製の拳銃が大部分でございます。従いまして、この拳銃が入ってくる経路は、おそらく密輸入かあるいはこれから申し上げるのも、密輸入の一種になると思いますけれども、駐留しております軍人などから流れてくるというものが多いと考えまして、この点につきましては、特に進駐軍の方に要請いたしまして、この不法な拳銃などが日本の民間に流れないように、厳重に申し入れがしてございます。またこの事件といたしましても、進駐軍の軍人が不法な拳銃を持っておった、あるいは不法な譲渡をしたというものにつきましては、われわれ全般の公安の立場からも、厳重に処置しておるというのが実際の実情であります。ただどのくらい拳銃が不法に流れておるかということについては、的確な数はまだつかめておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/11
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012・高橋禎一
○高橋(禎)委員 そこで、密輸入及び駐留軍等からの入手という、大別すれば二つになるという話ですが、その密輸入の点で、しっかりとそれを取り締って押える、それから駐留軍の方の関係も現にそれを防止するというような対策について、これはいろいろ御研究になっておると思うのですが、そういう方法でも、それが十分に目的を達成し得る可能性があるような見通しでしょうか、どうでしょうか。そこのところを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/12
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013・井本臺吉
○井本政府委員 不法な拳銃所持が、われわれの施策によって完全に絶滅し得るかどうかという点につきましては、私正直のところこれを絶滅し得るということは申し上げかねますけれども、かような点に非常に注意を注ぎまして、厳重に取締りをしていきますれば、ある程度拳銃の不法所持あるいはそれに基く不法事犯は、防げるのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/13
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014・高橋禎一
○高橋(禎)委員 拳銃を使用した犯罪、不法所持及び拳銃を不法に使用して起った犯罪の数ですが、検挙されたものと未検挙のものについて、占領時代及び占領後の、すなわち終戦後における一般調査というものはできておるのですか、その点はいかがでしょう。大体大きな傾向を知りたいわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/14
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015・井本臺吉
○井本政府委員 終戦後におきまする不法な拳銃所持の事件、あるいは拳銃を使用しまして行われた暴力事犯等の総数というものは、われわれのところではまだ集計ができておりません。おそらく警察の方では、ある程度調べができておると思いますが、しばらく時をかしていただきますれば、ある程度の結論は出るのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/15
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016・高橋禎一
○高橋(禎)委員 そういたしますと、今申し上げました資料をよく調査していただいて、提出を願いたいわけであります。特に最近何か事件が激増し、しかもそれが未検挙のものが相当あるのじゃないか。私の憂いますのは、占領時代にはGHQあたり非常にやかましく言うものですから、取締りの衝に当る人も非常に緊張しており、国民もまた不法所持というものを非常におそれて、取締りの威力があると申しますか、比較的秩序が保たれるような状態であったにもかかわらず、日本が独立してから後というものは、拳銃を所持する人たちが非常に数がふえた。これは私新聞等によるところの感じでありますけれども、そういう傾向にあるのじゃないか。もっと取締りする方も力を入れ、また国民側にもそういうものを不法所持することは非常な罪悪であるということを十分認識させるようにしなければならないのに、それが反対の傾向にあるように思うから、その点について十分資料に基いてお考えを願いたい、こう思うのであります。先ほどお話のあった、何か駐留軍等からそういうものを入手していく、そうしてそれが日本の国内の治安を乱していく、それに対して良民がおびえる、これに対して強い恐怖感を持つと同時に非常な反感を持つということから、結局アメリカさんあたりがこういう結果を引き起す大きな原因を与えておるような印象を国民に与えるということは、外交上から考えても、また国内の一般治安の問題から考えても実に憂うべき状態である、こういうふうに思うから、その点を検察庁方面とも連絡をおとり下さって、厳密な調査と研究の結果を本委員会に提出されるように要望するわけであります。
次にこれは具体的な問題でありますが、広島県の例をとりますと、御存じのように広島市及び呉市というのは、暴力の町だと言われるほど終戦後拳銃等による犯罪というものが続発をいたしたのです。ところが最近に至っては、今度やはり広島県下の福山市とか府中市とか、そういう場所に同じような事犯が続発するに至りました。最近においても五回もそれが起っておる。しかもそれが規模がだんだん大きくなって、地方民は実に不安におびえておるというような状態なんです。警察の方も相当力を入れておられるようですけれども、なお十分検挙し処理することができないで、ますます拡大の傾向にある、こういうわけです。広島県下における今申し上げたような犯罪事件について、何か法務省の方で報告でもございましたでしょうか。あるいは何ら報告はありませんでしょうか。その点をお伺いし、もしも十分の報告がなければ——これは地方では大騒ぎをしておる。警察でも相当部隊を動員してその取締りに当っておるようですが、よほどこれは取締り方法等について研究をなさって適当な処措を講ぜられないと、こういう種類の犯罪ですから、取締りがまずいためにかえってそれが原因になって犯罪を誘発するというようなこともないとも限らないのです。それらについてどういう状態になっておりますか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/16
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017・井本臺吉
○井本政府委員 お尋ねの事件は福山支部管内におきまする暴力事犯と考えます。この暴力事犯につきましては、実はただいまわれわれの手元に報告書が参ったのでありますが、本年の五月九日から六月十三日までの間に、福山支部管内の福山市その他におきまして五回にわたりまして、俗に原田組と称する暴力団体と篠原組と称する団体との間に相当競争が見られまして、暴力事犯が発生しております。拳銃の所持使用等による暴力事犯でありまして、われわれの方といたしましては、かねて暴力団体もしくはかような拳銃使用による暴力事犯につきましては、厳重に処置するようにたびたびの会同等その他で通達がしてございますので、この所管の福山支部におきましては内山検事が主任となり、さらに広島本庁からは遠藤検事がみずから出張いたしましてこの捜査の衝に当りまして、かような事犯の検挙、処罰、絶滅につきまして鋭意努力を果ております。もちろんこの検挙処罰につきましては、広島県警察本部とも密接な連絡をとりまして、かような事犯が将来絶滅されるように、さしあたりこの事犯の関係者を検挙いたしまして厳重に処置をするという方針で、逐次起訴その他の処分を行なって参っております。この事犯につきましては報告はただいま参ったのでありますけれども、広島地検等におきましては非常に重要視しまして、捜査、処分等について万遺憾なきを期してやっておると考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/17
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018・高橋禎一
○高橋(禎)委員 それでなおその問題については、取締り、処罰という点もさることながら、これは直接法務省関係ではないかもしれませんが、これは法務次官もいらっしゃるので、警察方面とも十分御連絡願って、これの予防ということに力を入れていただきたいと思うのであります。暴力団と申しましても、実は一部の人、一つの団体の中におる大幹部は一つの意図を持っているかもしれませんけれども、そうでないものはかなり付和随行的にこの種の事犯を起す場合があると思うのです。そういう者に対しては予防に道をもってすれば私は相当防ぎ得ると思う。事件を非常に大きくしてたくさんの人たちを処罰の対象とし、また地方民に対しては非常な不安を持たせるということがあってはならないのでありますから、そこに賢明な予防措置を要望してやまないわけであります。警察の機構改革に関連いたしまして、国家警察的なものと一がいに今の制度は申されませんけれども、何か機構改革は、中央で警察の指揮をすればそれで警察力は強化されたのだというふうに一がいに考えられることは、あやまちであると私は平素思っておりますが、ちょうど広島県下等におきましては、警察制度改革前には、自治警察を廃止すれば警察力が非常に強くなって、何か仕事がもう十全を期せられるようになるという意見が盛んにあって、国会等にも成績が優秀であるという表を携えてこられていろいろと御説明があったけれども、福山市にいたしましても、府中市にいたしましても、自治警察を廃止して今のような制度になってからこういうおそるべき事犯がどんどん起ってくるものですから、警察制度等に対しても地方民としては疑いを持っているのです。制度改革のときに、ただ形式的な理屈だけにとらわれて、何か警察を一本化すればそれで仕事ができるんだという考え方が間違いだということを、私どもこの地方の事件を通じてつくづく思うのですが、警察制度とも関連して、私は先ほど申し上げました予防に英知を働かせて賢明な対策を講じなければ——暴力団に加わっておるような人たちにも非常に愛すべき友人がおるわけなんです。にもかかわらず何か犯罪を激発するような刺戟的な方法をとるということになると、これは大へんである。しかもそれが命を取り合いすることになる場合もあります。そして地方からは非常に蛇蝎のようにきらわれる存在になっていくその姿を見るときに私どもは黙視することができないのです。だから予防という点について十分措置を講じていただきたい。それには拳銃の入手の問題について先ほど申し上げたように十分取り締まっていただきたいということと、最近の地方におけるこの予防対策等についてどういうふうな処置をとっておられるか警察庁方面に聞きたいのですが、本日はおいでになりませんから、政務次官等からも十分連絡をとっていただいて、こういう不安な状態を一掃されるように十分御努力が願いたいと思うのでありまするし、これらに対する資料を絶えず中央から広島にも要求されて、十分深い関心を持って善処していただきたいということを私は本日は要望いたしまして、こまかい質問は次会に譲りたいと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/18
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019・三田村武夫
○三田村委員 議事進行についてちょっと……。私この際一言申し上げて委員長にも善処を要望いたしたいし、また同僚委員諸君の御賛同を求め、かつ法務当局の御意見を伺っておきたいのですが、今高橋委員から提示されました銃砲等所持に関する問題にいたしましても、これには銃砲刀剣類等所持取締令ですか、取締りの基礎になる法律が一応あるわけなんです。こういった犯罪事犯の取締り法規に対する当委員会の考え方ですが、実は私これを申し上げるには多少の理由があるのでありますが、この国会にもしばしば世間で問題になっておりまする例の日米行政協定に伴う秘密保護法が出ております。これは外務委員会にかかっておるのです。しかし秘密保護規定の実体は私は元来刑罰規定になると思うのです。これは法律として出てきた場合には当然検察庁の手にかかり、あるいはまた警察庁の手にかかって取締りが実施される。それから今高橋委員の言われました銃砲刀剣等所持に関する問題に関しましても目下参議院に行っておるのでありますが、銃砲刀剣類等所持取締令ですか、その改正案が出ておるようであります。実体的に見ますといわゆる刑罰法令である、刑事事項であるものが現在の国会運営の事務的便宜といいますか、建前から銃砲刀剣等所持に関する法律は警察庁の担当でありますから警察の方は地方行政委員会で審議される。それから秘密保護法は条約の関係だそうで、これは外務委員会で審議する、こういう格好になるのです。私は当委員会の委員がその点に優秀だということを申し上げるのでなくて、法務委員会というものは元来そういった検察、警察行政に関してその行政のあり方を審査しなければなりませんし、またそれを規律する法の審査もやらなければならぬ。こういうことが私は法務委員会の建前だと思うのです。ところがそれらの法律によって規制されるいろいろの事犯が起った場合にはこの法務委員会に持ち込まれて、法務委員会で行政の監査がやられる。しかるにその基礎になる立法をする場合には当委員会でないほかの委員会でこれが扱われる、こういう格好になってくるので、私はまことにおかしいと思う。本来刑事法的な性格であるものは十分当法務委員会で審議できるような建前に政府当局も御考慮願いたい。地方行政委員会のようなほかの法案を非常にたくさん持っておって忙しいところへ五行や十行の警察関係の改正案を持っていくと、簡単に通ってしまう傾向がありがちなんです。外務委員会でも秘密保護法なんという法律を持っていって、外交専門の人が扱う場合、これは行政協定に伴う事務の手続規定だという格始ですらすらと通ってしまいますが、あとになってこの法律が施行される場合になると、今度はこれを当法務委員会に持ち込まれて、やれ人権じゅうりんだ、行き過ぎだ、あそこには穴がある、ここに欠陥があると言う。今高橋委員も言われるように幾ら法律を作っておいても密輸入で入ってくるようなら何にもならぬ。その手当をどうしなければならぬということは、やはり立法のときに十分考えておかなければならぬ。そういう点を御考慮願いまして、本来刑事立法的性格を持つものは、法務当局におかれましても、やはり立法の面においても行政の面においても担当する当法務委員会の議を経られるような御考慮を願いたいと思うのです。委員長もその点御考慮願いまして当法務委員会がここに厳存し、刑事法に対する立法を審議し、また検察、警察行政に対する監査、国政の監査等をやる立場から新しい立法が当衆議院で審議される場合、この委員会を通らないでほかの委員会のいわばちょっとすき間に入って通ってしまうというような格好で、これが法律として出てしまうということは、私ははなはだ不本意であるような気がいたしますから、その点一つ格段の御考慮をわずらわしたい。これは委員長にも要望します。そういう法案の取扱いについて法務当局は今までどういう態度をおとりになっておったか。これからはどういうお考えを持っておられるか。一言伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/19
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020・世耕弘一
○世耕委員長 三田村委員にお答えいたします。ただいまの御発言については、委員長においても検討善処いたしたいと存じます。
なおこの際委員長から政府当局に意見を開陳しておきたいと思いますことは、先ほど来高橋委員並びに引き続いて三田村委員からも治安の問題について非常に重要な質問が行われたのでありますが、問題点は、最近凶悪な犯罪が行われておる、あるいは暴力行為が全国的に波及されておる。その根本は何かといえば、いろいろな理由があるのだが、まず凶器ある。凶器が簡単に所持できるようになっておる。その凶器のうち特に拳銃所持が非常に多い。むろんからっぽの拳銃でなく、弾薬なんかも同時に所持するわけでありますが、この拳銃の所持に対してまず厳重な取締りを実行するということが、今両委員の熱心な御発言のようにこの問題を解決する糸口だとも考えられるのであります。麻薬の取締りは、かなり科学的な技術を要すると思いますが、拳銃の取締りは、当局の熱意いかんによっては、相当の効果が上げられるであろうということが想像できるのであります。この点について政府は今後十分の御熱意を発揮されて、治安維持の確保に努力されたいということと、もう一つは、両委員の御発言の中にありましたが、自治警察と国家警察の問題でありますが、聞くところによりますと、自治警察と国家警察の切りかえの空白にいろいろな事件が未検挙のまま放置されている例がかなり全国的にあるやに伝えられております。かような点について空白がないかどうか。もし弊害があればこの弊害はすみやかに除去されて、警察本来の使命を達せられるように御配意が願いたい。なお本件については治安確保の重大な問題でありますし、今高橋委員の御発言になった広島地方におけるところの事件は、一広島地方の事件にとどまらず、全国的に伏在している問題だと思います。どうぞこれについて根本的な対策を立てられるよう御配慮を願いたい。
本件は治安に関係する非常に重要な問題でありますから、いずれ政府の資料の用意が整つた時分に、あらためて本委員会で御質疑を願うことにいたしたい、かように取り計らいたいと思いますが、高橋君、それでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/20
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021・高橋禎一
○高橋(禎)委員 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/21
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022・世耕弘一
○世耕委員長 ではさように決定いたします。
幸い法務大臣が御出席でありますから、法務大臣から御意見が承われれば幸いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/22
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023・花村四郎
○花村国務大臣 銃砲等取締令の励行につきましては、これは絶えず当局といたしましても厳重にこれを推進しておるのでありまするが、今後もなお一層この点について遺憾なきを期したいと存じます。
なお自治体警察から国警に移管をいたして参りました警察行政について、移管の際何か空白状態でも起きるおそれはないかというようなお話でありましたが、かようなおそれはないように万全の手配を整えて進めておるつもりでございまするが、なおこの点に対しましては、重大なる治安維持の問題でありまするので、さらに意を注いでこれまた遺憾なきを期したいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/23
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024・世耕弘一
○世耕委員長 本日はこれにて散会いたします。
次会は公報をもってお知らせいたします。
午前十一時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205206X02219550617/24
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