1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十八日(火曜日)
午前十時五十一分開会
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委員の異動
六月二十四日委員中川以良君、横川信
夫君及び井村徳二君辞任につき、その
補欠として郡祐一君、平井太郎君及び
鶴見祐輔君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 石黒 忠篤君
理事
鹿島守之助君
小滝 彬君
羽生 三七君
苫米地義三君
委員
郡 祐一君
佐藤 尚武君
岡田 宗司君
佐多 忠隆君
曾祢 益君
野村吉三郎君
国務大臣
外 務 大 臣 重光 葵君
政府委員
外務政務次官 園田 直君
外務省参事官 安藤 吉光君
外務省条約局長 下田 武三君
事務局側
常任委員会専門
員 渡邊 信雄君
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本日の会議に付した案件
○国際情勢等に関する調査の件
(国際情勢に関する件)
○在外公館の名称及び位置を定める法
律等の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○国の援助等を必要とする帰国者に関
する領事官の職務等に関する法律の
一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
○航空業務に関する日本国とカナダと
の間の協定の締結について承認を求
めるの件(内閣送付、予備審査)
○船舶の滅失又は沈没の場合における
失業の補償に関する条約(第八号)
の批准について承認を求めるの件
(内閣送付、予備審査)
○海員の雇入契約に関する条約(第二
十二号)の批准について承認を求め
るの件(内閣送付、予備審査)
○海上で使用することができる児童の
最低年齢を定める条約(千九百三十
六年の改正条約)(第五十八号)の
批准について承認を求めるの件(内
閣送付、予備審査)
○船員の健康検査に関する条約(第七
十三号)の批准について承認を求め
るの件(内閣送付、予備審査)
○商品見本及び広告資料の輸入を容易
にするための国際条約への加入につ
いて承認を求めるの件(内閣送付、
予備審査)
○観光旅行のための通関上の便宜供与
に関する条約の批准について承認を
求めるの件(内閣送付、予備審査)
○観光旅行のための通関上の便宜供与
に関する条約に追加された観光旅行
宣伝用の資料の輸入に関する議定書
の批准について承認を求めるの件
(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/0
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001・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) それではこれより外務委員会を開きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/1
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002・羽生三七
○羽生三七君 きょうの一部新聞に出ておる問題で、ちょっとお尋ねをしたいのですが、日本と韓国との問題で、何か日本側が要請してアリソン・アメリカ大使に韓国へ行ってもらったというようなことが出ておるのですが、そういうことがあったのか、ないのか。
それからまた一部新聞には、李承晩氏が、日本と親密にすることはギャングと仲よくすることだというようなことも言っておるし、かたがた韓国との最近の情勢並びに今の質問の出た最初の問題について、わかっている限りお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/2
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003・園田直
○政府委員(園田直君) ただいまの御質問は、新聞によりますると、政府が要請したことを言明したというふうになっておりますが、アリソン大使が朝鮮に行くに際して韓国と日本の間の調整を日本の政府が要請してはおりません。アリソン米大使や司令官がときどき朝鮮に行っていることは、そう、こと珍しいことでもございませんし、これに対して特別な要請をした覚えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/3
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004・羽生三七
○羽生三七君 アリソン大使の韓国へ行くことについて、特別の要請がなかったということは、今の御言明で、それはそれでいいと思いますけれども、最近の韓国との問題で、何かそういう情報が出るような特別な問題は何かあるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/4
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005・園田直
○政府委員(園田直君) 韓国との国交調整については非常にわれわれが苦心しておるところでございまして、特に今日ソ連並びに中共とのいろんな問題が発生するのに関連をして、韓国の方がいろいろ言明をしておるように感ずるところもございます。従いまして、そういう面からいろいろ注意をしておりまするし、先般、金公使と鳩山総理大臣が会見をして、特にこれと関係のある北鮮との貿易その他をやる意思はないというような言明な鳩山総理がいたしまして、それ以来、韓国と日本の国交が相当険悪な事態にいっておったのが、やや緩和の方向へ踏み出すかのごとき印象をわれわれは受けております。アリソン大使に対する韓国に渡るに際して要請はしておりませんが、米国としても、この問題については重大な関心を持っておるところでございまするから、しばしばの会談等でそういう話題が出たことはあるかもわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/5
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006・羽生三七
○羽生三七君 今のお答えにもあり、また新聞にもあり、先日の本院の、あれは本会議でしたか、総理からもお託があったのですが、その北鮮との問題は、やはり国交は近く開かない、貿易その他についても今何も考えておらないという線で、韓国とはこの間話し合ったわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/6
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007・園田直
○政府委員(園田直君) その通りでございます。
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008・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) それでは在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、これを問題といたします。
本件につきましては、質疑は前回をもって一応終了しておりますのでこれより討論に入ることにいたします。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/8
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009・曾禰益
○曾祢益君 私はこの法律に賛成をいたすものでありますが、先般の質疑の際にも、質問の形において政府に所見を伺い、また希望を申し上げておいたのでありますが、ちょうど外務大臣も来ておられますから、希望意見を付しまして賛成いたしたい。それは、とかくいわゆる認証官である大使に昇格したということになりますると、若い人を新らしいアジア新興国なんかに大いに登用することは非常によいことだと思いますが、任務を終って本省に帰ってきて、そうして別の任務につける場合に、一ぺん認証官になってしまったということが人事の運営上非常に困難を来たすおそれはないか。いわゆる格下げをして、あるいは局長なり局付なりの、外務省参事官と言いますか、そういうものに再び使うという運用が特に必要ではなかろうかと考えます。とかく役人にはそういうかたぎがあります。認証官になってしまうと非常に栄達したような気持になって、その任務遂行上与えられた特別の称号であるということを忘れがちになるということになる。討論のときにこういうことを申し上げるのはおかしいかもしれませんが、たとえばこの間のバンドン会議に、われわれも国会議員として、いわゆる政府から見ればオブザーバーとして、その一員として行きました。私は何も席次のことを特にやかましく言うつもりはありません。まあ大使はみんなヒズ・エクセレンシーだれだれと、トップについておる。ところが国会議員はミスターだれだれ、こういうふうに届け出る。これは従来の外務省の観念としてはもっとものように思いますが、しかしそういう観念があまりに固定化しておると、そこに非常におかしなものができはしないか。少くとも国会議員ならば、日本でそういう称号があるかもしれませんが、オナラブルだれだれと届け出る、もしも認証官、大使の方が国会議員より上だという固定した観念を持っておるものとすれば、そういうことが、ひいて、私が今申し上げたような、若くして、しかし大いに使えるから新興国の大使にしたけれども、本省に帰ってきてから、今後その地位に応じて有能に使う場合に、認証官ということにこだわってできなくなる。もしこういうことになるとすれば、いわゆる大使濫造と言いますか、そういう弊を開くものではなかろうか。ぜひそういうことのないように、あくまで国際事情に応じて柔軟な外交の政策がとれ、いわゆるその国にはやはり大使を交換してもいいから、大使という称号をいわば一時的にローカル・ランキングというようなつもりで道を開いていく、こういうふうに運用されることが私は適切だと思う。右のような運用をされることを強く希望いたしまして、この法律に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/9
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010・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) その他御意見がございましたらお述べを願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/10
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011・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 速記を始めて。他に御意見ございませんか……御意見がないようでありますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/11
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012・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。それでは採決に入ります。在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、これを問題といたします。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/12
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013・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 総員挙手、全会一致でございます。よって本件は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他の事後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/13
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014・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めてさように決定いたしました。
それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願いたいと思います。
多数意見者署名
佐多 忠隆 鹿島守之助
佐藤 尚武 小滝 彬
郡 祐一 曾祢 益
羽生 三七 野村吉三郎
苫米地義三
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/14
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015・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 次に、国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等、に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案についても質疑は終了をしております。これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/15
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016・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。国の援助等、を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律の一部を改正する法律案、これを問題といたします。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/16
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017・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 総員挙手、全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における口頭報告の内容及び議長に提出いたします報告書の作成その他の手続につきましては、慣例によって委員長にお任せを願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/17
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018・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないものと認めてさように決定いたしました。
なお報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とする方々は順次御署名を願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/18
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019・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 次に航空業務に関する日本国とカナダとの問の協定の締結について承認を求めるの件を議題にいたします。
この件に関しましては提案の説明が済んでおります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。……御発言がないようでございますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/19
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020・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/20
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021・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 次に船舶の滅失又は沈没の場合における失業の補償に関する条約(第八号)の批准について承認を求めるの件、
海員の雇入契約に関する条約(第二十二号)の批准について承認を求めるの件、
海上で使用することができる児童の最低年齢を定める条約(千九百三十六年の改正条約)(第五十八号)の批准について承認を求めるの件、船員の健康検査に関する条約(第七十三号)の批准について承認を求めるの件、
以上四件を一括して議題といたします。
本件については提案の説明は終っております。質疑のおありの方は順次御発言を願います。……御質疑の御発言がないようでございますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/21
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022・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/22
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023・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 次に商品見本及び広告資料の輸入を容易にするための国際条約への加入について承認を求めるの件、本件につきましては提案の説明は済んでおります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。……御発言がないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/23
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024・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないものと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/24
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025・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) 次に、観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約の批准について承認を求めるの件、
観光旅行のための通関上の便宜供与に関する条約に追加された観光旅行宣伝用の資料の輸入に関する議定書の批准について承認を求めるの件、
以上二件を一括して議題といたします。本件については提案の御説明は済んでおります。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/25
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026・小滝彬
○小滝彬君 この問題を今日審議することに関して、大蔵省あたりからも見えておるのですか。税関関係の方は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/26
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027・下田武三
○政府委員(下田武三君) 本件は観光事業に関するもので、運輸当局が責任の衝に当ることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/27
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028・小滝彬
○小滝彬君 いや、運輸当局が主管だけれども、税関の関係で……。僕が言わんとすることは、幾らそういううまい条約を作っても、税関あたりの取扱いがまずかったら、条約の真価を全く無にするので、戦後一時はよくなったけれども、最近われわれの体験するところでは、日本の税関はアメリカのように余り観光に留意しない、つまらぬものでも引っ張り出すんですが、ああいうアメリカ式のことがうつってきて、ヨーロッパにおけるような努力が日本において払われていないように見えるんですが、そういう点を申し上げたかったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/28
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029・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) それではよろしゅうございますか。次回に呼びますか……。外務大臣より大蔵大臣へ一つお伝えを願ったらいかがでしょう、こういう意見があったということを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/29
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030・小滝彬
○小滝彬君 それではこの次の機会に税関関係の方に来てもらいます。皆さんの意向もその方にあるようですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/30
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031・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) それでは観光旅行に関しまする条約及び議定書の承認の件については、ただいまお聞きの通りでありますので、次回に大蔵当局の出席を求めて質疑を続行することにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/31
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032・羽生三七
○羽生三七君 大臣にちょっとここでお伺いしたいんですが、これは国際情勢という問題とは少し離れておるかもしれませんが、保守合同が進む過程で、何か外交問題が、一体そういう政策協定みたいなことで取り扱われておるのかどうか。けさの新聞を見ますと、だいぶその問題に何か関係があるよう、だし、場合によりますとソ連との交渉なんかも延びてしまって、できない方がいいんだということを言っておる向きも一部にはあるということも出ておりますので、この機会に一体ほんとうにおやりになるのか、おやりにならぬのか、たとえば保守合同の場合に、相手側からいろいろな問題が出ましても、それに対してやはり交渉を促進するという考え方でそういう問題を取り扱っていかれるのか、外務大臣であると同時に副総理の大臣にお尋ねすることは必ずしも筋の違ったことじゃないと思いますので、この際一つ御心境を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/32
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033・重光葵
○国務大臣(重光葵君) まず事実のことを申し上げます。事実今日まで保守合同に関連して外交問題を話し合ったことはございません。また議論はいろいろあるということは、これは御承知の通りです。左もあれば右もある。議論はあります。またある一部分の人が、こんな問題は時期尚早だからという意味で反対をすることも私は耳にしております。しておりますが、この問題はもう繰り返し繰り返しこの席でも申し上げましたと思いますが、政府の方針は、きめられた方針のもとにあくまで進んで参ります。これが政府としての考え方であり、また私としての考え方で、それよりほかに私は何も考え方を持っておりません。従いまして、日本の立場、主張ということは、これはもう十分に御説明し、かつまた、これに対しては実は私は御了承を得ておる、こういう確信のもとに、国民の声としてやっておるわけです。これはあくまでこちらの主張が通るように努力をするということはやらなければならぬ。これは一生懸命やらなければならぬ。その目的は何かというと、日ソの国交の調整ということにあるわけです。その目的を達するためにこれをやろう、いわば一本調子という御批評があるかもしれませんが、そういうことでやっております。それで、保守合同の問題についてそういう話があってもですよ。これはそういう合同問題などの場合に、政策の話し合いが出るということは、私はこれは当然のことだろうと思う。政策の問題について。その場合において外交問題を度外視するということもでき得ないし、またすべきものでないとも思います。しかし、私どもの今やっておる方針は、これは私は、実は政党関係以上の国民的の考え方だと思って、その信念でやっておるわけでありますから、それをどこまでも基調とするつもりでやっております。それで大体御了承を得たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/33
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034・羽生三七
○羽生三七君 大体了解いたしました。それですから、今後保守合同の話し合いが進んでも、今までのこの政府の対外対ソ交渉に関する基本方針は、何ら保守合同の進行過程で拘束されるものでない、そういうことに了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/34
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035・重光葵
○国務大臣(重光葵君) 私はそう考えております。それがために今日まで各党の御意向も十分に私は伺ったつもりであります。どうぞその点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/35
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036・羽生三七
○羽生三七君 よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102213968X01419550628/36
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037・石黒忠篤
○委員長(石黒忠篤君) それでは本日の外務委員会はこれをもって散会いたします。
午前十一時二十九分散会
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