1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月七日(火曜日)
午前十時四十分開会
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委員の異動
六月三日委員平林剛君及び近藤信一君
辞任につき、その補欠として湯山勇君
及び若木勝藏君を議長において指名し
た。
六月六日委員若木勝藏君辞任につき、
その補欠として近藤信一君を議長にお
いて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 石川 榮一君
理事
石井 桂君
赤木 正雄君
近藤 信一君
武藤 常介君
委員
石原幹市郎君
小沢久太郎君
酒井 利雄君
宮本 邦彦君
横川 信夫君
北 勝太郎君
前田 穰君
村上 義一君
湯山 勇君
田中 一君
国務大臣
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
政府委員
建設政務次官 今井 耕君
事務局側
常任委員会専門
員 菊池 璋三君
常任委員会専門
員 武井 篤君
説明員
建設省住宅局住
宅経済課長 鮎川 幸雄君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出頭に関する件
○住宅融資保険法案(内閣送付、予備
審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/0
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001・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
お諮りいたしますが、今月三日委員の異動によりまして、理事が一名欠員になっております。この際、補欠互選を行いたいと存じますが、この補欠互選は、成規の手続を省略いたしまして、委員長から指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/1
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002・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異存がないと存じますので、それでは理事に近藤信一君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/2
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003・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。目下本委員会で審査中の国設住宅法案、日本分譲住宅公社法案、日本分譲住宅公社渋施行法案、それから日本住宅公団法案、及び住宅融資保険法案、以上五法案につきまして、参考人として、ただいま皆さんのお手元に差し上げております東京大学教授杉村章三郎君、日本建築学会長武藤清君、長野県知事林虎雄君、生命保険協会財務委員長本間喜一君、東京都住宅協会管理部長吉沢孝治君、清水建設研究部長久良知丑二郎君、主婦楠木なつ子君、この七名の方々の出席を求めまして意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/3
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004・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異存がないと存じますので、さよう決定いたしまして、
次に、この出席要求に関する手続等の事柄につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/4
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005・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異議ないと認めまして、さよう取り計らいます。
なお、参考人から意見を聞く委員会の日時につきましては、来たる九日(木曜日)午前十時といたしたいと思います。ぜひ多数の御出席をお願いいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/5
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006・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、住宅融資保険法案を議題に供します。
本案は去る三日本会議において趣旨の説明を聴取したのでありますが、本委員会としてもあらためて政府から提案理由の御説明を伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/6
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007・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異議ないと認めます。それでは、これから竹山建設大臣から御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/7
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008・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) 先般本会議の御審議をいただきまして、感謝いたしております。この住宅融資保険法案を、あらためてその提案の趣旨及び法案の概要について御説明をさしていただきます。
政府におきましては、住宅難のすみやかな解決をはかることをもって重要施策の一つといたしておりまして、これがため昭和三十年度予算案において公営住宅、公庫住宅、公団住宅等公的資金による住宅建設の増大をはかる措置を講じますとともに、他方民間自力による住宅の建設力を増大して、住宅の供給を円滑ならしめるための各般の施策を講じつつある次第であります。
民間自力による住宅の建設を促進するため、政府といたしましては、租税の軽減措置を拡充強化いたしますとともに、民間資金の住宅建設への導入を容易ならしめる措置を講ずることが必要であると考えているのであります。
このため、まづ、金融機関資金融通準則を改訂し金融機関の住宅資金の貸し出しが容易に行われる道を開いたのでありますが、住宅の建設のためには多額の資金を必要とし、しかもその資金は長期にわたって固定化する消費的資金と考えられ、かつ、住宅の担保価値も低い等の理由のために、金融機関からの住宅建設資金の貸付は現在なお不十分な状況にあります。住宅建設に対する民間資金の融通を円滑にし、住宅の建設を促進するためには、金融機関が住宅建設資金を融通した場合、これによる損失を填補する方策を講じ、金融機関の行う住宅建設資金の貸付を容易にすることが必要であります。
以上のような目的を達成するため、住宅建設に必要な資金の貸付につき、保険を行う制度を確立する本法案を提案することといたしたのであります。
次に、本法案の基本となっている点につきその概要を御説明申し上げます。
第一に、保険を行う機関は、住宅金融公庫といたし、公庫は、金融機関を相手方とし、その金融機関が住宅建設等に必要な資金を貸し付けたことを公庫に通知いたしますことによって、金融機関の貸付金の額が一定の金額に達するまで、その貸付について保険関係が成立する旨の契約を締結することができることといたしました。この場合、公庫が事業年度ごとに保険をすることのできる貸付金の総額は、国会の議決を経た額以内といたしております。
第二に、保険関係が成立する貸付は、住宅の新築のほか住宅等の増築、改築、修繕及び移転、住宅建設に必要な施設の建設、これらに必要な土地等の取得及び造成に必要な貸付で、貸付期間が六カ月以上のものといたしました。
第三に、保険金額等につきましては、貸付金の額を保険価額とし、この額に、百分の八十を乗じて得た額を保険金額とし、公庫が支払うべき保険金の額は、保険価額から貸付金の回収した額を控除した額に百分の八十を乗じて得た額とし、また、弁済期における債務の不履行等を保険事故といたしております。
第四に、保険料の額は、保険金額に年百分の三以内で政令で定める率を乗じて得た額以内とすることにいたしました。
第五に、以上のほか、この法律案におきましては、保険金の請求時期、保険金支払後金融機関が受領した回収金等について公庫と金融機関との間の精算に関する規定、保険契約の解除、保険約款等について必要な規定を設けております。
この法律案に基きまして、公庫は、昭和三十年度においては、以上申し上げました住宅融資のため五十七億円を限度として保険をいたす計画であり、このため、政府は、この基金として公庫に対し三億円の出資を予定しております。
以上本法案の提案理由と法案のおもな点につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でありますが、本法案の附則におきまして、この法案の施行のため及びこの際、耐火建築促進法に基く防火建築帯の区域内の家屋に対する融資の円滑化をはかるため、住宅金融公庫法等の一部を改正することといたしました。
何とぞ各位におかれましては、慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/8
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009・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、本案の内容の説明を政府からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/9
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010・鮎川幸雄
○説明員(鮎川幸雄君) ただいま大臣から提案理由の説明がございました住宅融資保険法案中、主要な条文につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
第一条は、この法律の目的を規定いたしたものでありまして、住宅の建設等に必要な資金の融通を円滑にするため、住宅の建設等に必要な資金の貸付について保険を行う制度を確立し、これにより健康で文化的な住宅の建設を促進することをこの法律の目的とすることを明らかにしたものであります。
第二条は、この法律の適用の範囲を明らかにするため、この法律において使用する主要な用語について定義を定めたものであります。すなわち住宅とは主として人の居住の用に供する家屋とし、住宅の建設とは住宅の新築、増築、改築、修繕、移転もしくは模様がえをいうことにいたしました。なお増築、改築、修繕、模様がえにつきましては、居住部分と関連して店舗等の人の居住の用に供する部分以外の部分のみの増築改築、修繕、模様がえも考えられますので、このような場合は、人の居住の用に供するためもしくは居住性を良好にするために行うものだけに限定することにいたしました。なお、住宅以外の家屋の新築につきましても、その居住の部分にかかるものにつきましては新築と同様に考え、また新たに建設した住宅でまだ人の居住の用に供しないものの購入をも、住宅の新築の中に含めることにいたしました。次に、金融機関とは銀行、保険会社、無尽会社、信用金庫、労働金庫及び信用協同組合とし、給付とは相互銀行法第二条の契約に基く給付及び無尽業法第一条の無尽による給付をいうことにいたしました。
第三条は、住宅融資保険の基本となる保険者、保険契約の相手方、保険契約について規定いたしたものであります。まず住宅金融公庫(以下公庫と略称することにいたします)は、事業年度またはその半期ごとに、金融機関を相手方といたしまして当該金融機関が貸付を行なったことを公庫に通知することにより、貸付金の額の総額が一定の金額に達するまで、貸付につき公庫と金融機関との間に保険関係が成立する旨を定める総括的な契約を締結することができることといたしております。次に、公庫が保険契約を締結するときは、主務大臣の承認を受けた保険約款に基かなければならないものといたしました。
第四条は、保険関係が成立する貸付の要件についての規定であります。すなわち保険関係が成立する貸付は、住宅建設、住宅の建設に伴い通常必要な施設の建設、またはこれらのために必要な土地もしくは借地権の取得、もしくは土地の造成のための貸付であるとともに、その貸付期間が六月以上のものでなければならないことといたしました。
第五条は、保険関係における基本的な事項である保険価額、保険事故及び保険金額について規定したものであります。すなわちこの保険関係におきましては、貸付金の額を保険価額とし、弁済期における債務の不履行による貸付金の回収未済、または会社更正法の規定による更正手続開始の決定、もしくは商法の規定による整理開始の命令、もしくは特別清算開始の命令のあったときにおける貸付金の回収未済を保険事故とし、保険価額に百分の八十を乗じて得た金額を保険金額といたしました。
第六条は、保険価額の総額の限度についての規定でありまして、公庫は、保険に付する保険価額の総額が事業年度ごとに国会の議決を経た金額をこえない範囲内でなければ、第三条の保険契約を締結することができないことと規定いたしております。
第七条は、保険料に関する規定で、保険料の額は、保険金額に年百分の三以内において政令で定める率を乗じて得た額以内といたしました。
第八条は、公庫が実際に支払うべき保険金の額及びその計算の基準について規定いたしたものであります。すなわち公庫が保険関係に基いて支払うべき保険金の額は、保険価額から金融機関がその支払の請求をする時までに貸付金の回収をした額を控除した残額に、百分の八十を乗じて得た額といたしました。
第九条は、金融機関が保険金を請求する場合について規定した条文でありまして、金融機関が保険金を請求することのできるのは、保険事故の発生の日から三月を経過した後でなければならないこととするとともに、保険事故発生の日から一年六月を経過した後は保険金の請求をすることができないものといたしております。
第十条は、公庫が保険金を支払った後における金融機関の回収金の納付義務及び納付すべき額の計算の基準について規定した条文であります。すなわち保険金の支払いを受けた金融機関は、保険金の請求をした後に貸付金を回収した場合には、その回収した元本の額と保険金の支払いを受けた日の翌日以後の受領した利息額との合計額に、支払いを受けた保険金の額の第八条に規定する残額に対する割合を乗じて得た額を、公庫に納付しなければならないことといたしております。なお、支払いを受けた保険金の第八条に規定する残額に対する割合は、第十二条の規定により、公庫が保険金を一部しか支払わない特殊の場合を除き、百分の八十であります。
第十一条は、保険関係が成立した貸付について不当に損害が発生することを防止するための規定であり、金融機関は保険関係の成立した貸付金の回収については、通常の貸付金の回収の場合と同様に、貸付金の回収を努めなければならない旨を規定したものであります。
第十二条は、公庫が保険契約を解除することができる場合等に関して規定した条文でありまして、公庫は、金融機関がこの法律の規定または第三条第一項の契約の条項に違反したときは、保険関係に基く保険金の全部もしくは一部を支払わず、保険金の全部もしくは一部を反還させ、または将来にわたって同条項の契約を解除することができることを規定いたしております。
第十三条は、保険約款に関する主務大臣の承認に関する条文であります。公庫はこの法律に基く業務開始の際、約款を定め、主務大臣の承認を受けなければならないこととし、これを変更しようとする場合も、同様に主務大臣の承認を得なければならぬものといたしております。
第十四条は、主務大臣についての規定であり、この法律における主務大臣は建設大臣及び大蔵大臣といたしました。第十五条は、公庫が保険約款に基かないで第三条第一項の契約を結んだときは、その違反行為をした公庫の役員または職員を三万円以下の過料に処することにした規定であります。
以上が住宅融資保険法案の条文の概要であります。
次に、附則において規定いたしました主要事項について御説明申し上げます。
まず、法律の施行期日につきましては、公布の日から施行することにいたしております。
次に、法律の制定に伴う住宅金融公庫法の一部改正について御説明申し上げます。
第一は、この法律によりまして公庫の目的及び業務の範囲が拡大せられることになりますので、公庫法につきましても、第一条第二項及び第十七条第七項を改正して、住宅融資保険の業務を行わせる旨の規定を加えることといたしました。
第二は、第五条第三項を改正いたし、政府が公庫に出資する場合においては、その出資金の全部または一部が住宅融資保険の基金に充てるべきものであるときは、住宅融資保険の基金に充てるべき金額を示して出資するものといたしました。
第三は、第二十三条第一項を改正して、新たに委託金融機関に対し、貸付金の回収に関連して取得した動産、不動産または所有権以外の財産権の管理及び処分の業務を委託できるようにいたすとともに、地方公共団体に対しまして、この法律による保険の業務のうち、保険約款で定めた場合における金融機関の貸付についての調査を委託することができることといたしました。
第四は、第二十四条第二項を改正いたしまして、公庫の業務方法書にこの法律による保険の業務の処理に関する準則を記載させることといたしました。
第五は、第二十六条の次に第二十六条の二を新たに加えまして、公庫が行う保険業務については特別勘定を設けて経理をしなければならないこととし、その他特別勘定に必要な事項を規定いたしました。すなわち政府が住宅融資保険の基金に充てるべき金額を示して出資した出資金については、これを基金としなければならないこと。特別勘定において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、これを積立金として積み立てなければならないこと。特別勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、この積立金を取りくずして整理し、なお足りない場合には、不足額を損失として繰り越して整理すること、及び損失の補填に充てる場合以外は積立金は取りくずしてはたらないことを規定いたしております。
その他、保険法の施行に伴い、第二十七条、第三十一条及び第三十二条につきまして、それぞれ所要の改正をいたしました。
次に、保険法の施行に伴い、公庫の予算及び決算に関する法律及び建設省設置法並びに大蔵省設置法について、それぞれ所要の改正をいたしました。
なおこの際、公庫法第十七条第六項を改正いたしまして、耐火建築促進法の規定により指定された防火建築帯の区域内における耐火建築物の建設を促進するため、相当の居住部分を有し、かつ、主要構造部が耐火構造である家屋で、地上階数三以上のものまたは基礎及び主要構造部を地上第三階以上の部分の建築を予定する構造とした二階建のものが、防火建築帯の区域内に建設される場合においては、その居住部分以外の部分の主要構造部につきまして融資の道を開くことにいたしまし六。融資条件は従来通りでございます。
以上、住宅融資保険法案の主要な条文の概要についての説明をいたしました。何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/10
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011・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御質疑のあります方は、逐次御発言を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/11
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012・田中一
○田中一君 御承知のように、新聞で見ますと、自由党と民主党は話し合いをして、大幅な予算の組みかえをやっております。従って、本国会に提案されたところの数々の法案そのものは全部これに関連すると思うんです。従って、審議の対象がぼけてきていることは御承知の通りだと思うんです。そこで、全体にわたりまして本委員会にかかっておりますところの法案は、組みかえされる予算はもうあすかあさってには衆議院においては採決があると思いますけれども、これの総括的な説明が大臣からなければ、これはむだな審議をしなければならぬということになると思う。あるいは実際に現実と遊離した審議に入ることになると思うんです。ですから、大臣並びに各局長からこまかく、組みかえ案という、民主党、自由党との間に取引されたところの組みかえ予算というものに関連して、この法案が、全部の法案がどこにどういう関連があって、どうなったかということを御説明にならなければ、どの法案も審議はできぬと思う。従って、その意味において、今日もし建設大臣が来られないならば、次の機会に大臣に来てもらって、全体の組みかえ予算の裏付けとするところの法案、あるいは逆にこの予算に基くところのこの法案がどうなるかということを、御説明願いたい。それ以外には、まあ委員会を無視して予算を組みかえするということが取引されたことになりますと、むだな審議をしなければならぬということになるんですね。たとえば、われわれは、公団法に基きまして二万戸の建設をするのだ、こういう考えがあって、その考えで審議をいたします。ところが、新聞紙上に伝えるところによりますと、五千戸ふやすかもしれない。あるいは防火促進法に基くところの補助金というものは廃止するという。そうして住宅融資保険法に基いてするそれを、別に住宅金融公庫が融資をするという、変ったものが出る。かと思うと、新聞紙上に伝えるところによりますと、自由党の強い要求によって六千万円程度のものを補助金としてまた見ようというようなことも喧伝されているのです。従って、もし今建設大臣がここでどこかに行きまして、少くともそういうものがここ一両日中に採決されるという現段階において、頬かむりで行くことはけしからぬ。これはむろん、自由党、民主党という二つの政党においての取引のみとは見ません。少くとも政府が介在してこの法案の成立を期待したと、大臣が、それは政党間の問題であって行政の問題でないということは、受け取れない。政党政治である限り……。従って、大臣からそのような詳細な説明がなければ、どの法案一つにしても審議ができません。それを要求いたします。今政務次官が来られましたけれども、大臣が来てはっきり説明してもらいたいし、政府委員を出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/12
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013・湯山勇
○湯山勇君 私もただいまの田中委員の御提案に賛成したいと思うのです。と申しますのは、すでに閣議におきましてもあの修正については了承を経ておりますから、今後の審議の前提としてそういう内容を一応知っておかないと、それによって変更があった部分の取扱いが起るのではないかというふうに思いますので、ぜひそういう扱いをしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/13
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014・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 一応ごもっともな御主張ですが、実は修正案が衆議院において、あるいは今明日の間において修正案が通るかもしれません。しかし参議院の側といたしましては、衆議院がはっきりしておりませんから、その詳細については私どもはよく存じません。従って、出ました後において今のような問題を取り上げて御協議を願いたいと思いますが、それはおそらく明日あるいは明後日になると思います。でありますから、いまだ衆議院を通っておりませんのですから、そういう情勢であるということを聞いておりましたけれども、私どもは直接関与しておりませんから、住宅関係法案にどういうふうな修正が出てくるか私は存じておりません。そういう見地から、きょうは一応この住宅融資保険法案、この法案の内容を予備審査するために、一応聞いておく必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/14
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015・湯山勇
○湯山勇君 そういう意味ではなくて、少くとも住宅関係法案が修正になるかならないかというような腹がまえはできておると思うのです。でなければ、閣議で了承もできないわけですし、それからまた向うできまらなければ、こちらで審議できないということも、これは理屈に合わないので、現在予算は通っていないにしても、こういうことで審議してから後でなければ、予算審議のことには触れられないということにはならないわけですから、少くとも、これは変るのか変らないのか、変える意思があるのかないのか、それくらいのことは確めて審議に入らなければ、何をやっているかわからないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/15
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016・田中一
○田中一君 今あなたの言おうとしているところは、今の提案理由の説明を聞いてからということでしょうが、これは了承します。了承しますが、それでは緑風会の方に伺いたいが、自民両派の予算の組みかえ案というものは、緑風会さんの方は参画して御承知でいらっしゃいますか。もしいらっしゃるのでなければ、私の言っている意見に対しては同感だと思うのです。従って、率直に伺いたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/16
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017・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/17
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018・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記をつけて下さい。
きょうはこの程度で散会いたします。
午前十一時十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01019550607/18
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