1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月七日(木曜日)
午前十時三十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 石川 榮一君
理事
石井 桂君
赤木 正雄君
近藤 信一君
武藤 常介君
委員
西岡 ハル君
酒井 利雄君
横川 信夫君
北 勝太郎君
村上 義一君
湯山 勇君
田中 一君
堀木 鎌三君
国務大臣
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
政府委員
自治庁税務部長 奥野 誠亮君
大蔵政務次官 藤枝 泉介君
大蔵省主計局次
長 原 純夫君
建設大臣官房長 石破 二朗君
建設省河川局長 米田 正文君
建設省道路局長 富樫 凱一君
事務局側
常任委員会専門
員 菊池 璋三君
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○公共土木施設災害復旧事業費国庫負
担法の一部を改正する法律案(内閣
送付、予備審査)
○道路整備費の財源等に関する臨時措
置法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件
(水害状況に関する件)
(道路行政に関する件)
○参考人の出頭に関する件
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001・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
まず、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題に供します。
提案理由の御説明を政府からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/1
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002・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) ただいま議題となりました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
わが国の河川、道路、砂防設備、港湾、漁港等の公共土木施設は毎年災害により甚大な被害を受けており、従ってその復旧事業を推進することについては、国及び地方公共団体において常に努力いたしておるところでありますが、今回これらの施設に関する災害復旧事業を特に推進するために、連年災害をこうむる地方公共団体の災害復旧事業費に対する国庫負担率を高めるとともに、緊要な災害復旧事業に対する国庫負担金の交付につき、政府の財政上の措置に関する規定を整備することといたしました。
これが本改正案を提出した理由でありますが、次にその主要な点について御説明申し上げます。
第一点は、連年災害をこうむった場合における高率国庫負担の規定を設けることであります。現在、公共土木施設の災害復旧事業費に対する国庫負担率は、各地方公共団体ごとに一年間に発生した災害に関する復旧事業費の総額をその年度における当該地方公共団体の標準税収入額と比較し、災害の規模に応じ最低三分の二から漸次高率となるごとく定められておりますが、連年にわたり相当の災害が発生した場合には、その復旧につき地方公共団体の財政が著しく圧迫を受けるために国庫負担率を高めることが妥当であると考えられますので、従来の制度の特例として、連年災害における特別な国庫負担率算定に関する制度を恒久的に確立することとし、国の財政事情をも考慮しつつ、地方公共団体の財政負担の軽減をはかることといたしました。
すなわち、災害復旧事業費の国庫負担率を決定する場合には、まず既往二ヵ年の災害復旧事業費とその年の災害復旧事業費とを合計し、この合計額が既往二ヵ年度の標準税収入と、その年度の標準税収入額とを合計した額をこえる場合には、当該地方公共団体のその年の災害復旧事業費に対する国庫負担率の決定については、現行制度が標準税収入の二分の一をこえ標準税収入の二倍に達するまでの額については四分の三、標準税収入の二倍をこえる額については四分の四と定めているのを改め、標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額については四分の三、標準税収入をこえる額については四分の四とすることとして、連年災害をこうむる地方公共団体の災害復旧に関する財政負担を緩和し、災害復旧事業の推進をはかることといたしたのであります。
第二点は、災害復旧事業がとかく遅延し、多大の仕越し工事を生ずる等、各方面に甚大な支障を与えている現状を改善するためには種々の改善措置が必要と考えられるのでありますが、なかんずく、国の予算措置については、単年度予算制度をとっているとはいうものの、実質的には継続費と同様の考慮のもとにこれを行う必要があるものと考え、緊要な災害復旧事業として政令で定めるものにつきましては、政府はこれらの事業が三ヵ年度以内に完了できるように財政の許す範囲内において国庫負担金の交付につき必要な措置を講ずる旨を法文の上に明らかにして、地方公共団体またはその機関が迅速かつ計画的に工事を進め得る道を開き災害復旧事業全体の推進を図ることといたしたのであります。
以上がこの法律案の提案の理由及びその概要でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御議決あらんことを切望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/2
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003・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、本案の内容につきまして、詳細の御説明を政府委員からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/3
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004・米田正文
○政府委員(米田正文君) ただいま提案理由の説明がございました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明を申し上げたいと思います。
第二条第四項中「及び第四条」を「、第四条及び第四条の二に改めましたのは、第四条の二の規定の新設に伴い字句の整理を行なったものであります。第三条中「第四条」を「第四条、第四条の二」に改めましたのは、同じく第四条の二の規定の新設に伴い字句の整理を行なったものであります。第四条第一項第一号中「本条」を「本条及び第八条の二」に改めましたのは、第八条の二の規定の新設に伴い字句の整理を行なったものであります。
第四条の二の規定を新設いたしましたのは、連年の災害をこうむる地方公共団体について、その施行する公共土木施設の災害復旧事業に対する高率国庫負担の道を開いたものであります。現行法においては、公共土木施設に関する災害復旧事業費につき、地方公共団体の財政力に適応して国がその一部を負担する趣旨のもとに、各地方公共団体ごとに、毎年一月から十二月までに公共土木施設について発生した災害の復旧事業費の総額と、当該地方公共団体におけるその年の四月一日の属する会計年度の標準税収入とを比較し、標準税収入の二分の一までの額については三分の二、標準税収入の二分の一をこえ二倍に達するまでの額については四分の三、標準税収入の二倍をこえる額については四分の四を逓次に乗じた額の合計額と、当該災害復旧事業費の総額との比をもって、その地方公共団体のその年の災害復旧事業費に対する国庫負担率として国庫負担額を算定いたしております。しかしながら、台風、豪雨等による災害をしばしばこうむった地方公共団体または大規模の災害を受けた地方公共団体は、災害のため財政上はなはだしい窮迫状態におちいり、ひいては災害復旧事業の進捗に著しい支障を来たし、これがため放置される被害個所が次の災害を招く原因ともなって、いわゆる災害の悪循環の現象をさえ生じてきておるのであります。このような事態の発生を防止して災害復旧の促進をはかるため、本条におきましては、地方公共団体における公共土木施設の災害復旧事業費に対する国庫負担率を算定する場合には、その年の災害復旧事業費と、その年の四月一日の属する会計年度の当該地方公共団体の標準税収入とを対比する前に、過去二年の災害復旧事業費とその年の災害復旧事業費とを合算した額と、過去二年度の標準税収入とその年度の標準税収入とを合算した額とを比較し、前者が後者を超過する場合には、その地方公共団体は連年災害該当団体として、その年の災害復旧事業費につき、その年度の標準税収入の二分の一までの額については三分の二、標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額については四分の三、標準税収入をこえる額については四分の四を逓次に乗じた額の合計額と、当該災害復旧費の総額とを比較して、国庫負担率を算定することといたしたのであります。本条の規定により、連年相当な規模の災害をこうむる地方公共団体はもとより、昭和二十八年のごとき異常大災害に遭遇した地方公共団体に対しても、現行法に比して高率の国の負担率を決定することとなるわけであります。
第五条中「前条」を「第四条(前条の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)」に改めましたのは、第四条の二の新設に伴い字句の整理を行なったものであります。
第八条の二は、緊急な災害復旧事業に対する政府の措置に関する規定でございます。災害復旧事業を促進することの重要性につきましては、今さら申し上げるまでもないことでありますが、現実の事態においては、これがとかく遅延し、多くの仕越し工事を生ずる等、各方面に著しい支障を与えておるのでありまして、これがためには種々の改善措置が必要と考えられるのでありますが、なかんずく必要なのは予算に関する措置でありますから、今回本条の新設によりまして、緊要な災害復旧事業の基準を政令で定め、その基準に該当するものにつきましては、地方公共団体においてこれを災害の発生した年の四月一日の属する年度から三ヵ年以内に完了しようとする場合には、国もまた財政の許す範囲内において、これに対する国庫負担金の交付につき必要な措置を講ずるものであることを明らかにして、地方公共団体またはその機関が迅速かつ計画的に工事を進め得る道を開き、災害復旧事業全体の促進をはかることといたしたのであります。
以上が本案の内容でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御議決あらんことを切望いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/4
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005・石川榮一
○委員長(石川榮一君) それでは、本案の質疑は次回に譲りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/5
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006・赤木正雄
○赤木正雄君 質疑はそれでいいですが、材料を私はほしいと思うのです。この「緊急な災害復旧事業」として「政令で定めるもの」とありますが、おそらく腹案はお持ちでありましょうから、どういう事業を緊要とされるか、一々工事別にしてこれを示してほしいのです。この次の委員会までに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/6
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007・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ただいまの赤木委員の資料の請求は、建設省でなるべくすみやかに出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/7
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008・米田正文
○政府委員(米田正文君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/8
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009・赤木正雄
○赤木正雄君 もう一つあります。これは違った官庁でありますが、かりに同じ河川に対しても、鉄道でやった仕事、護岸工事、それから建設省でやっている仕事、あるいは府県でやっている仕事、一つの例でいいのでありますが、単価がよほど違いはせぬだろうか。これはこういう工費を算定する根本になりますから、そう詳しいことは要りませんから、一つか二つ、工事費の単価がどういうふうに違っているか、もしおわかりになりましたら、ほかの省の関係でありますが、それはこの次に間に合わなければ要りません。どっちか示していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/9
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010・米田正文
○政府委員(米田正文君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/10
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011・湯山勇
○湯山勇君 これの説明の資料として、どこか一つ具体的な例をお示しいただけると、非常に理解がしやすいと思いますから、この次には一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/11
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012・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) これは図面で書いてごらんに入れます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/12
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013・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 私からもお願いしますが、ただいま湯山委員のおっしゃるように、非常にややこしい数字になりますから、これをグラフ的に作ってもらいまして、前のと今度はどういうふうに違うか、それをはっきり図表でわかるようにグラフを作ってもらいまして、そうして明瞭になるように資料を作ってほしいと思います。
速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/13
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014・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記を始めて。
ほかに資料の御請求はありませんか。——ありませんようですから、本案の質疑は次回に譲りたいと思います。
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015・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、水害状況に関する件につきまして、その後の報告を政府からお願いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/15
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016・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) この前申し上げましたが、北海道の方の水害につきましては、昨日の朝の六時の飛行機で二人係員を直ちに出しまして、今連絡をとらしておりますが、まだ全体の詳細な状況がわかりませんが、お手元に差し上げましたような状況が今日までにわかった状況であります。これにつきましては、なお河川局長から内容を申し上げます。
それから東北の方につきましては、その後、これまた一昨日秋田から初めてつなぎ融資の正式請求が出て参りましたので、大蔵省の方へ折衝に直ちに入っておりますが、まだ他の府県からは出て参っておりません。
なお、今回の水害のうちで、ダムがやはり方々にありますので、北海道、岩手でありますが、新潟にも一部ありますが、ダムの問題は各所でやっておりますだけに、私も慎重にこの機会にいろいろな結果、影響を調査をする必要があると考えますので、このために専門の係官を派遣をいたしております。多少情報的にダムの管理が適当でなかったという報告を受けておりますが、今日までのところ、北海道におきましては、一番上に電力会社のダムがあり、その下に農林省で作ったダムがありまして、これが実はきちっとした管理が十分に用意がなかった模様であります。岩手におきましては、自分で、言うと変なんですが、建設省の作りましたダムは非常に今度は洪水に対して積極的な効果をあげたということは、衆議院から行った方々も認めてくれておりますが、その他に小さな自家発電の、建設省の関知しなかった小さいダムがいわゆる管理が十分でなかったために、それらが多少洪水に影響を与えておるというような情報もありますので、そういう関係はこの際徹底的に調査をいたして、今後の処理に遺憾なきを期したい、かように考えております。
水害に関しましては、大へん抽象的でありますけれども、私からはこれだけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/16
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017・米田正文
○政府委員(米田正文君) 災害状況の速報ほお手元に差し上げてございますが、これは北海道その他から速報として報告の参りましたものを、順次急いで整理をして差し上げたものでございます。
内容は、御承知のように、今度の梅雨前線が北海道に豪雨をもたらしたのでございまして、中心地は北海道の中部から南部、東北部にわたっております。特に北海道の石狩、天塩の両水系、それから日高地方の静内、新冠等の各河川に出水して、大きい被害を生じております。
公共土木施設の建設省関係の土木施設の被害額といたしましては、北海道の道庁とそれから北海道開発局の所管と二様になってございます。北海道庁の関係は、個所が千六百八十五ヵ所、金額にいたしまして十三億五千三百二十一万二千円、開発局関係は三百六十六ヵ所で、金額にいたしまして十一億三千二百九十九万二千円、合計いたしまして、二千五十一ヵ所に対して二十四億八千六百二十万四千円という報告が来ております。これは現地から非常に急いで知らしてきた数字でございまして、今後相当に変化をする含みがございますので、御了承を願っておきたいと思います。
被害の中心地は、上川、空知、日高、石狩、後志、渡島の各支庁管内でございます。河川といたしましては、石狩川水系、天塩水系、羽幌、古丹別、興部、鵡川、新冠、静内川等の各河川でございまして、雨量は、ここに出ておりますのは雨竜村の百六十ミリが最高になっておりますが、別の電報で来ておりますのは、大体全道を通じて百ミリないし二百ミリの間である、こういう報告でございます。これは内地に比べますと、雨が比較的少いのに被害が相当大きく出ておるのでございますがこれは北海道の特異性でございまして、北海道は御承知のように雨量の少い所で、日雨量も非常に少いのでございますが、二百ミリ程度の雨が降りますと非常に被害を生ずる。これは内地に比べて非常に変った特異な点でございます。
ここでちょっと申し上げておきますのは、土木被害についての十一億、十三億という数字を今申し上げましたが、北海道庁関係については、現在の負担法によりましても、普通の計算をやりまして補助率が八割に満たないときには全部八割にするという規定でございます。従って、内地に比べますと高率にとるという特例をやっております点と、それから開発局で所管いたします災害復旧は全額国庫負担とする特例をとっております。これは従前から非常に高い補助率をとるという方途を講じております。
このほかに、やはり今度の三日の降雨を伴ったときに、青森、新潟にも一部の被害を生じたのでございまして、金額は比較的小さいものでございますが、報告がありましたのであわせて併記をいたしました。
大体以上が概要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/17
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018・田中一
○田中一君 あの、資料の二ページ目のですね、これは北海道だけですか。これはほかのはわからないのですか、青森や新潟は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/18
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019・米田正文
○政府委員(米田正文君) さようでございます。北海道だけでございまして、ほかの方はまだわかっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/19
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020・堀木鎌三
○堀木鎌三君 この北海道は、雨量が非常に少くっても水害が起るということもやや考えられるんだが、百ミリ以下の降雨というものはだな、一体どういう時間的な何でこれはなるんですか。何したにしても、おかしな話で、いわんや青森の弘前の三十二ミリ、碇ヶ関の七十六ミリなんというのは、これはほんとにあほうみたいな雨ですよ。ごく時間も縮まっておるにしても、非常に……。それから新潟の入構村の七十七ミリ、相川は百十四ミリ、そういうところにどういうようなことを建設省は考えられるのか、聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/20
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021・米田正文
○政府委員(米田正文君) お話のように、特に弘前の三十二ミリ程度で果してどれだけの被害があったかという点については、私どもも非常に疑問を持っておりますが、さしあたり、これはまあ県の報告でありますので、一応急いで整理をいたしました。いずれ現地にすぐ参りますので、詳細については報告を徴した上で決定しないとはっきりいたしませんが、おそらく非常に局部的な問題で、ごく小さい局部的な災害であろうと思います。しかも雨量が非常に少いのですから、大きい河川には被害がなくて、小さな普通河川の上流の程度であろうと思います。従来まあそういう傾向でございますから、そういうふうに考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/21
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022・堀木鎌三
○堀木鎌三君 一体、岩木川、赤石川というのはどういう川ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/22
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023・米田正文
○政府委員(米田正文君) 岩木川は御承知のように、弘前を通って西流している河川でございまして、直轄河川でございます。東北としては大河川でございます。この上流には、御承知のように、洪水調節のダムの計画も進められている相当大規模の河川でございます。従いまして、おそらく岩木川の下流の本川の区域にはほとんど被害はなかったろうと思います。その上流あるいは支川の小さい川の区域に起きたものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/23
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024・堀木鎌三
○堀木鎌三君 僕は率直に言えば、百ミリ前後の雨で川が決壊するということは、しかも直轄河川で起るということになれば、建設省なんて要らないということなんですよ。それからもう一つは、建設省は一体あれだけの金を使っていて、ふだん何をしているんだと言わざるを得ないと思いますね。だから、もうあんたたちに出す予算というものはこれは意味ないというふうな結論すら起ってくると思うんです。それをしゃあしゃあ出している役人自身が、実際僕はおかしいという気がするんですね。それは報告だからといっても、君、常識によった報告を出さなくちゃおかしいでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/24
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025・米田正文
○政府委員(米田正文君) それはおそらくですね、本川ではないと思います。支川あるいはそのまた支川程度のこの岩木川水系のものでありますので、多分本川ではなかろうと思います。ただ、本川にあるとすれば、非常に局部的な堤防のかすり傷程度のものは想像されますけれども、大きい決壊はもちろん予想いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/25
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026・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ただいま衆議院の建設委員会から三十分ばかり大臣の出席を求められているのですが、行っていいですか。
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027・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 次に、道路行政に関する件を議題に供します。
道路行政に関して御質疑ございましたら、御発言を願います。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/27
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028・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記を始めて。
暫時休憩いたします。
午前十一時十四分休憩
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午後一時三十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/28
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029・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 休憩前に引き続きまして会議を再開いたします。
道路行政に関する件につきましてこれから質疑を行います。質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/29
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030・田中一
○田中一君 これは大臣もよく聞いておいていただきたいのですが、主として道路局長に御質問いたします。
御承知のように、昨年の暮れあたりから、台東区の上野広小路の松坂屋の旧館とその八メートルの道路を隔てた新館とを結ぶ区道廃止の問題が起きておるのです。これは非常に台東区の中小業者並びに地元の住民から反撃を食っておる。なぜならば、御承知のように、電車道というものは十五メートル程度の道路です。あすこに大きな松坂屋の建物がありまして、その裏に、電車道に並行して貫通している八メートルの道路があるのです。ここに車道、歩道の区別がある道路があるのです。これは特別区の関係上、台東区長の管理下にある。そこで道路法から見ます場合には、処分権というものは区議会が持っておるわけなんです。で、先月の二十三日でしたか、区議会を開きまして、その道路を廃道にしようという案が区議会に提案されたのです。そこで、大体の大勢としては、これを廃道にして、松坂屋に新館と旧館を結ぶために廃道にして払い下げをしようというのが目的なんです。
で、道路行政の立場からいいますとですね、こういうことはあり得ないというわれわれ観点から、先般区長に会いまして、区長にこの提案の撤回方を要請したところが、これはもうやむを得ぬ、区議会の決定に従うといって、その提案を撤回しないわけなんです。そこで都の方の建設局長に聞いてみますと、特別区の関係上、区議会が決定しても、都知事の認証といいますか、許可が必要だということになっております。都知事としてもこれを許可しないということを、道路部長は言っているのです。そこで、このような形の問題が、もしも繁華な都市の中心に行われた場合、これは道路行政の面からいって、重大な問題が起きるのじゃないか。
そこで、第一に伺いたいのは、道路法の建前からいって、そのような区道が廃止になるということはあり得るものかどうかということを、まず第一に伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/30
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031・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 路線廃止の可能な場合は、道路法の第十条の規定がございますが、この規定によりますと、一般交通の用に供する必要がなくなった場合と、路線が重複して認定された場合だけでございますので、お話のような場合には、路線を廃止する理由がないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/31
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032・田中一
○田中一君 この問題につきまして、道路局長は、東京都の所管の係官に折衝されたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/32
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033・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この問題につきましては、私どもといたしましても、東京都と連絡いたしております。問題が起きました本年の三月ごろでございましたか、道路部の管理課において台東区の土木課に対して、区道を廃止しても都としては協議に応じられないという指示をいたしておりますし、また最近この問題が再燃して参りましたが、六月二十三日都の道路部長から区の土木課長に対しまして、口頭でありますが、区道の廃止を議決しても都としては協議に応じられないかもしれないということを言っておりますし、この際取りやめてはどうかということも区に対して言っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/33
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034・田中一
○田中一君 今、道路局長が、法文上の理由に基いて廃道にする根拠が薄いというような答弁があったのですが、もし区議会が決定し並びに都知事が協議に応じた場合には、それが廃道になって松坂屋に払い下げになったということを仮定いたしますと、建設大臣はどういうような措置をおとりになるかということをお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/34
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035・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) まだそういう事態を予想しておりませんので、よく検討をいたした上で考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/35
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036・田中一
○田中一君 道路局長は、そういう問題が起きた場合、これに対して道路行政の面から、この道路法に基いてどういう方法がとられるかということを御説明願いたい。特に道があるかということを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/36
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037・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) ただいまの状況では、都といたしましてはこの協議に応じられない旨を言っておりますので、都が区道廃止について協議に応ずるとは考えておりませんが、もし応じた場合には、建設大臣としてとれる道は、この行政措置に対して勧告できることになっておりますが、その程度でございまして、これを廃止するというその行政処分を取り消すというような処置は、できないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/37
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038・田中一
○田中一君 このような事例がもし全国に起きた場合、建設省としては道路法からは今いう勧告程度にすぎませんけれども、地元民の行政的な訴訟あるいは何らか国民がこれに対抗する法的な措置というものがあるかどうか、という問題をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/38
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039・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) お話のような場合は、地元民としましては訴願ができることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/39
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040・田中一
○田中一君 わかりました。訴願のほかに、何らかの方法は……。訴願は建設大臣に出すのですか、都知事に出すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/40
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041・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 建設大臣でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/41
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042・田中一
○田中一君 建設大臣がその訴願を受理した場合には、その問題に対してどういうような扱いをして、——二つ結論が出ると思うんです。その結論は、どういう形でもって二つの結論が結論づけられるか、お伺をいたしたいと思います。訴願をして、訴願しっぽなしじゃないと思います。訴願を受理して、建設大臣はこれに対して、それは是とするか非とするかというような態度をきめなくちゃならぬと思います。その場合にはどういう態度をとられるか、具体的にお示しを願いたいと思います。また、そうした事例が今まであったかどうかということも、あわせてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/42
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043・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) ただいままでこのような事例はございません。また今の訴願が提出されまして、この訴願によしあしをつけた場合でございますが、この措置が不当であったという場合には、やはり建設大臣としては勧告するということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/43
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044・田中一
○田中一君 問題は、その訴願というものが、区議会の決定前に訴願する場合は想像できませんか。そういうことは、事が起って、廃道になりその上に大きな七階、八階の建造物ができてしまえば、もう訴願する余地がなくなってしまうのです。従ってそういう場合には、そういうことのないような、訴願ですか、国民の、地元民の声を訴える機会は法律的にはあるものでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/44
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045・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) お話のような場合には、区議会が議決いたしまして区としてこの廃止を公示いたしました際に、それが決定いたしました際には、訴願できることになりますが、事前には訴願の方法はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/45
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046・田中一
○田中一君 たとえばその区議会が議決をした場合、直ちに訴願し、また都知事がその協議に応じてこれも了承した場合には、その建築物なら建築物の工事を阻止するような措置はとれますか。今お伺いするのは、新館、旧館を結ぶ建築物を作ろうというのが前提なんです。従って、どんどんその工事をしてしまえば、訴願期間中には当然それができてしまうわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/46
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047・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 区道が廃止されましても、その敷地を払い下げる場合においてもう一つの問題があるのです。これは昔の市道でございましたので、国有財産であります。ですから、これは区が勝手に処分できないわけでございますので、国有財産の払い下げということで処置されなければならないわけでございます。この点でまだ問題を残しておりますので、その際の処置が一つあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/47
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048・石井桂
○石井桂君 ちょっと関連して……。今の廃道になった場合ですね。それは私有地になるのですか、私道になるのですか。何になるのですか。道になるのか、公共団体の所有地になるのか。私道になるのか、単なるさら地になるのか、どっちなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/48
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049・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 区道が廃止されますと、この財産は、この場合におきましては国の財産になります。これは昔市道でございましたので、道路はすべて国の所有するものでございまして、それでこれは国有財産でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/49
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050・石井桂
○石井桂君 国有財産なんですけれども、それは何といいますか、オープン・スペースというか、建築敷地になるのか。道路として、つまり区道でもなければ国道でもなければ都道でもない、私道というのもあるのですね、実際。ですから、道という形でその地積が残るのか、それとも単なる建築敷地で残るのかによって、今度は建築の方の法律が働くわけですよ。ですから、私道で残れば、私道についても建築は道路に出ちゃいかぬという規則がありますから、因るわけです。ですから、そうでなくてオープン・スペースで残った場合には、これは田中さんの御心配のように、たまらない。そういう道路法と基準法とのかね合いがありますので、お伺いするのです。どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/50
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051・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) これは道路ではありません。使い方として、これはかりに払い下げを受けたとしまして、それを私道的に使ってもよろしければほかの目的に使ってもよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/51
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052・田中一
○田中一君 今私は初めてあれが国有財産であるということを伺ったのですが、従って区議会がこれを議決をして、都知事に持ってくる、都知事はその協議に応じて廃道を認可する。しかし買却の問題につきましては、これは国有財産だから国有財産部ですか、大蔵省の方でこれを売るということを決定しなければこれは売れないものだ。従って、廃道にすることは都知事の権限内にあるけれども、それを払い下げをするしないという問題は国の意思だということで了解してよろしゅうございますか、この場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/52
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053・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) お話の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/53
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054・田中一
○田中一君 では、建設大臣に伺いますが、今このような問題が現在起きておるのです。そうして民主党並びに両派社会党が協議をして今出しつつあるところの百貨店法、これは百貨店法の代案を考えているようですけれども、百貨店法があるいは通るのじゃなかろうかというところから、大きなデパートはことごとくあらゆる土地を買いまして、増築計画を持っているのです。この一つの現われなのです。従って、建設大臣は、これが国有地であるならば、これはむろん同じ国務大臣としての建設大臣は、そのような形で当然必要な八メートルある道路、貫通している道路、この道路が区議会の決定に基いて都知事がこれに協議を与え、認承した場合ですね、国の国有財産、従って国がこれの処分権を持つという場合には、国務大臣としてはこのような地域の事例には、自分としては大蔵大臣に対して、払い下げしようとした場合でも、この今道路局長が言ったような道路法の建前から申しても、これに対しては一応閣内において払い下げをしないような意思を表明し得るかどうか、この問題をお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/54
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055・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) むしろ建設大臣としては、今とっております方針を堅持するのが当然だという考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/55
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056・田中一
○田中一君 ありがとうございました。これで私としてもすっきりしました。国の道路であり、かつまた現状のままであることが建設大臣としては望ましいという御意思のあることがはっきりいたしましたので、今後の問題は、区議会がどういう態度に出るか、都知事がどういう態度に出るかということにかかっておりますから、私の質問はこれで満足します。
これで私の質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/56
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057・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ほかに御発言はありませんか。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/57
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058・石川榮一
○委員長(石川榮一君) それでは道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。
この質疑に関係いたしまして、大蔵省からは藤枝政務次官、原主計局次長、自治庁からは川島長官も出席されることになっておりますが、大蔵省の政務次官は、先ほどもちょっと申し上げましたように、ただいま衆議院で関税定率法に対して、午前から質疑に入っておるそうですが……。今聞きますと、今休憩に入っているそうで、昼食をしているらしいとのことで、急いでこちらに出席していただくようにいたします。それから自治庁長官は、文教委員会に数日前から約束があるそうでして、いま十分乃至十五分の間にこちらに見えることになっております。
ただいま建設大臣、道路局長、また説明員として曽田路政課長が見えておりますから、大蔵省、自治庁関係に及ぼす質疑は出席を得てからお願いするといたしまして、建設省の当局に対して御質疑のおありの方は、逐次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/58
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059・田中一
○田中一君 これは建設大臣に伺いますが、今委員長が言ったように、地方道路税法案並びに地方道路譲与税法案、二つのものと形は別々なものであるけれども、内容においては非常に関連を持つものでありますから、そこで衆議院の審議の状態というものを、これはあなたよく御存じのはずなのですから、一応その総括質問に入る前に、現在の状況を一つ政府として御報告願えないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/59
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060・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) これはお話の通り、政治的には沿革的に見まして、臨時措置法がガソリン税と一体の関係に出発をいたしたということから申せば、地方道路税法及びその譲与税法は当然この法案と重大な関連があることはもちろんであります。がしかし、率直に申して、衆議院の審議の経過から御推察願いましても、現にその両税法案はいまだ衆議院の決定を見ませんけれども、臨時措置法については衆議院の建設委員会で満場一致通過をいたしましたのは、やはり法案そのものの筋から申して、これは両税法案とは関連はあるかもしれぬけれども、臨時措置法案の改正点はいずれも妥当なものだという御支持をいただいたようなわけでありまして、そのことが今結果に現われておるようなわけであります。
それで、衆議院のこの法案の審議過程におきまして、今両税法案が連合審査会で審議もありまして、そのとき私は、自治庁及び大蔵省のそれぞれの説明もありましたが、私の立場から申したのは、沿革的に申すと、この臨時措置法が国会において、両建設委員会の主張に基いて、目的税的なガソリン税というものが打ち出されて、ところが昨年予算を通じて非常に紛糾をいたしましたのは、二千円の増税をいたす半面に三分の一の地方譲与税に移したという政府原案に対して、それはまかりならぬというのが国会の主張となりまして、結果としては、実質的には一万一千円に相当する分がいわゆる五ヵ年計画の予算の裏打ちとなりまして、そのために、地方に一たん回りました財源のうちから、三十一億をほんとうの意味のいわゆる二千円増税分として地方譲与税にし、それから四十八億は、地方へは回すけれども、その実施に当って五ヵ年計画の当然の財源として政府の道路財源と一体をなして使うという、まあいわばひもつき財源として話し合いがつきまして、御承知のような臨時措置法は一年限りという御決定で参った。そういう結果、建設省としてはあの臨時措置法の御決定のいきさつから考えて、同じことを二度やることは、もちろんやる気持ちもありませんが、やめなければならぬという意味において、今回一万一千円という前年の実質的なガソリン税をはっきりとガソリン税として、それに伴う予算措置を三十年度予算に計上をいたしまして、昨年実質的に三十一億に当る地方譲与税に本年二千円の再び増税をいたしましたのを合せて、地方道路税という新税にして地方へ譲与するということにいたしたわけでありますから、この地方道路税及びその譲与税というものについては、実質的に二千円については昨年度と同じものを、名称及び制度が変ったということでありますが、今日論議されております問題は、それに再び二千円の増税をすることがいかがかという意見がありますために、審議が遅延をいたしておるというのが事実であります。
従って、臨時措置法の方は一万一千円の本年度御決定をいただいた予算の裏打ちとしての臨時措置法、すなわちガソリン税一万一千円に減税をしたものとこの臨時措置法というものとの関係から見まして、臨時措置法は昨年のいざこざをすっかり洗い落しまして、本来の臨時措置法といいますか、道路財源法に戻したわけである。ただしその戻すに当りまして、この前も申し上げましたように、ただ戻すということではわれわれとしてもいけない。いろいろ検討をいたして参りますと、昨年特に多かったのでありますけれども、ガソリン税の予算額に比べて実際の収入額というものが相当上回っておる。昨年は特にそういう見積りがしてあったわけでありましょうが、その財源を一般財源の決算繰越額に計上することは立法の趣旨に合わないということからいたしまして、大蔵当局との協議の上で、はっきりと今回改正案で、この予算額に対してガソリン税の収入が超過したものについてはこれを翌々年度の——一般決算の原則に従いまして、翌々年度の道路財源に全額これを使うということを明確にいたしたようなわけであります。まあそれが今回の改正の主たるねらいでありますから、従って、衆議院におきましてもこの審議はいろいろ御議論はありましたけれども、税法案とは分離して審議決定をいただいたようなわけであります。
まあそういう事情にありますので、われわれとしては税法案の問題にも重大な関心は持っておりますが、今までの経過といたしまして、衆議院内においても、この法案は税法案とは直接的な関連はないものだというまあ見地で御審議をいただいてきておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/60
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061・田中一
○田中一君 まあわれわれがこの臨時措置法に賛成した理由は、大蔵当局があまりにも金を出し渋りまして、経済復興のまず根幹をなす道路整備ということを怠っておる。従って、ここにいろいろ議論がありましたが、目的税的な立法をしたわけなんです。従って、それがその法律が改悪されて多少減ってきた。しかしながら、ガソリンの消費量というものは年々ふえていく。従って、この法律で、全部の決算額——予算額じゃなくて、決算額というものを当然これは使えるんだという形に今度は改正しようという考え方に対して、賛成なんです。しかしながら、もともとこの立法というものは、これが通常道路費として織り込まれる、従来の道路費、道路予算というものにプラス・アルファというものがこれであるというようにわれわれは考えて、これに賛成したものなんですが、三十年度の予算におきまして、この道路予算というかその財源が、これから受ける財源、アルファ部分というものがどのくらい予算に計上されておったか。もう予算は通ってしまったから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/61
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062・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) 御指摘の点は一般財源から幾ら入れるかということだと思いますが、今年度は四億とっております。それで、これは昨年度よりも決して減ってはおりません。はなはだ少いことは率直に事実でありますが、それだけ入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/62
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063・田中一
○田中一君 事業量としては、二十九年度と比較して、幾らふえましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/63
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064・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路事業費といたしましては、昨年に比較いたしまして、約百億の増であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/64
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065・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) これは御承知と存じますが、今度の予算には地方負担を全部減らしまして、直轄は国道につきましては政府負担を四分の三と、従来三分の二を四分の三、それから府県道その他について従来二分の一のものを三分の二といたしまして、これで地方負担は約六十億の軽減をしたつもりであります。これはいろいろ御議論があろうかと思います。実をいえば、事務当局の考え方からいえば、道路の延長がそれぞれ減るわけでありますから、だいぶ異論があったわけですが、私はどうも見通しとして、地方財政の非常な窮迫を見ておる今日、この率を堅持することもいいけれども、そのために道路が思うようにいかなかったり、現に昨年も一、二件実は割当を返還してきた県があります。そういう実情ですから、道路は作りだし負担はできないわという現実に対処するためには、思い切ってこの際、幸いにして大蔵当局も今までに例のない負担率の引き上げに賛成をしましたから、だいぶ強引にやりましたけれども、そういうわけで約六十億の地方負担を軽減しただけは、事業分量は、ガソリン税に対応する事業分量はふえないことになるかもしれない。しかしこれはぎりぎりの、五ヵ年計画を堅持するぎりぎりの線は維持するということは決してくずしておりませんから、そういう事情がありますから一つ……。
なお、田中委員の御質問に関連をしておりますが、申し落しましたが、衆議院の付帯決議がつけられております。これは二つありまして、一つは、今御指摘の点に関連する地方財源を十分につけろということでありまして、これは五ヵ年計画を立てましたときの一般財源負担というものも決して今日くずれておるわけじゃありませんから、この線を今後維持するということを、まあもっと衆議院の気持は積極的な意味もあるとわれわれは理解はいたしておりますが、現実はそういうことをもとにして一般財源をこれに入れろというのが一つと、それからもう一つは、この臨時措置法を恒久的な法律といいますか、恒久化しろという要求であります。これは私もさようなことを今回のこの改正に当りましても考えたわけでありまして、私は政治的に見ますならば、当初国会において提案されたこの臨時措置法が今回政府の改正をこういうふうに見たということは、ある意味において、国会の御意思であった臨時措置法のいわゆるガソリン税の道路財源としての制度、これを政府がはっきりと認めた、恒久化したものということに、私は少くも政治的に考えております。しかし、やはり沿革がありますから、臨時措置法の最初の立法の趣旨を尊重して、前国会提案の法律を一部修正をさしていただいたという気持でおりますけれども、しかし御承知のように、もうことしが二年でありますから、あと三年たって、率直に申して、道路が日本中が完全に整備し尽されるというものじゃないのでありますから、再び第二次五ヵ年計画というようなものを当然考えなきゃならぬということもありますので、それらとも考え合して、衆議院のこの制度を恒久化しろという御趣旨は十分われわれも尊重をして、今後対処して参りたい。このことを落しましたから、ちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/65
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066・田中一
○田中一君 今の衆議院の付帯決議があるならば、それを資料としてお出し願いたいと思います。
委員長、速記をとめて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/66
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067・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/67
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068・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/68
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069・田中一
○田中一君 大蔵政務次官に伺いますがね、今衆議院において、あなたの方に関係もありませんけれども、地方道路税並びに地方道路譲与税、この二つの問題が難航を続けておる。もしも譲与税が、この法案が通らぬ場合に、地方財政に対して何らかの形で、起債その他の形でもって融資をして、それで現在予算上に組まれておりますところの建設省所管の道路費というものが補助金の形で交付された場合に、これに万遺漏ないような事業の完成をするような措置をとる自信があるかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/69
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070・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) 問題を分けて申し上げた方がいいと思います。ただいまの御質問の中の地方道路税は、実は大蔵委員会でやっております。地方道路税の中に、地方道路税を七月一日から四千円にするとともに、ガソリン税すなわち揮発油税を、一万三千円を一万一千円にすることをその中に入れております。従いまして、地方道路税法案が全然通らないと、揮発油税の一万三千円がそのまま残ることになります。そういたしますと、現在の予算は、御承知のように、ガソリン税一万一千円分で組んでおりまして、それに見合った道路費を計上いたしております。それが一万三千円になりますから、二千円分すなわち四十七億ほどが国の税としては上って参ります。しかし、それに対しまして、今度は国の道路費にその四十七億を追加しなければならない形になるわけでございます。これが第一点でございます。それから全然地方道路税がなくなりますから、七十二億数千万円という地方の財源が全然なくなります。それと、国の道路費が四十七億ふえますに見合うところの地方負担がおそらく二十億ぐらいはふえると思いますので、従って、地方といたしましては、その負担の増の二十億と、それから全然財源がなくなりまする七十二億と、合計九十数億のものが地方の財政として穴があくわけでございまして、これは現在の御承認をいただきました予算のやりくりあるいは地方起債のやりくり等では、とうていまかない切れない大きな欠陥になるのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/70
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071・田中一
○田中一君 今政務次官は欠陥と言いますが、欠陥というのは、均衡が保てないという、見合いがないから欠陥というのでしょうが、私は欠陥を望んでおるのです。そうして、そういうことになりますと、当然予算補正をしなければ地方財源が見つからないということになります。そうすると、もしそうなった場合には、補正をしないで……これはあなたに聞いても仕方がないので、その点はやめます。
今度は逆に、建設大臣が、そのような九十何億の地方の財源がなくなるという場合、道路法に基いてあなたの方の政府の操作ができると、こう思うのです。なぜならば、一応法律には負担率というものはきめてないわけなんですからね。あなたの方の省内の操作でもって、全額でやるとかあるいは補助率を上げるとかいうことでもって、地方負担を軽くするというような方途はとれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/71
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072・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) 私はそれだけでは解決つかないと思いますね。政府の金が行き渡る道路の範囲というものは、五ヵ年計画の範囲であります。道路は必ずしも五ヵ年計画だけではないので、それ以外の地方道路というものが一番地方の難物なんですから、それ以外の道路及び国道の補修及び県道の補修といったようなものの財源は、地方負担及び今度の七十二億というものを見合いに考えておりますから、政府の今やる五ヵ年計画の補助率を高めたということだけでは、まあ金が何か入ったって同じじゃないかといえばそれまでですけれども、今私の考え方では、ちょっと解決できないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/72
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073・湯山勇
○湯山勇君 政務次官にお尋ねしますが、今の御説明で、四十七億国の方は歳入増になる、財源増になる、これに見合うための地方負担は二十億の増になるというお話がございましたが、その四十七億を国の道路整備の費用として使うことになれば、これは予算更正をしなくてはならないわけではございませんか。補正予算を組まなければできないのではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/73
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074・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) その通りでございまして、四十七億の歳入の増と、それに見合うところの道路整備に関する特別措置法によります道路の費用をそれだけ増さなければなりませんから、当然補正予算の問題になって参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/74
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075・湯山勇
○湯山勇君 そうすると、今おっしゃったように、補正予算を組むという段階になれば、今のかりに四十七億がどうなろうが、七十二億の地方の財源がなくなりましても、それは九十二億の地方負担の赤字ができると、実際はそうじゃないにしても、形の上でできるということになりますけれども、補正予算ということを前提におけば、むしろそういう考え方じゃなくて、合理的に、地方負担もこういう穴があかないように、また国の方もこういうことにならないように調整できるのではないかと思うのですが、補正予算ということを前提におけば……。これはいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/75
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076・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) これはどうも、私がお答えするのはどうかと思いますが、とにかく、現在すでに御審議をいただいて成立いたしました予算を補正をするということ自体についても、いろいろ問題がございます。それからただいま申しましたように、地方の負担を、特に国の五ヵ年計画に見合う分、さらにそれに建設大臣からお話がありましたような地方単独の事業、そういったものを考えますときに、それをほうっておいていいかということになりますと、これはとてもできないことになると思うのでございまして、そうなりますと、地方に何か財源を考えなければなりません。ということは、またそれだけ国の歳出がふえるということになりまして、私どもの常に堅持をいたしておりまする一兆円予算もすでにそこからくずれて参るというようなことになりますので、今回の地方道路税関係の一連の法案につきましては、ぜひとも原案の通り通していただきたいというのが私どもの念願でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/76
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077・湯山勇
○湯山勇君 今のように、地方道路税を通すための税明としておっしゃるのでしたら、納得いきますけれども、そうでなくて、実際はこの法律がこのまま通って、施方道路税がかりに審議未了になるとか否決された、そういう場合においても今政務次官が言われたような大きい問題にはならないと、地方は九十二億も足らなくなるというような事態は起らないと思いますが、それはそれとして、もう少し正確にお示しいただきたいのは、今度のガソリンの量を大蔵省では、予算はああいうふうに見ておられますけれども、実際はどれくらいに見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/77
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078・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) このガソリンの消費量について、いろいろ需要者側と申しますか、建設省あるいは運輸省等のお見込みもあります。しかし、御承知のように、ガソリン税は、徴収猶予と申しますか、猶予期間を二ヵ月半見ております。従いまして、たとえ本年相当に伸びましても、税として入って参りますのは、本年の一月十五日以降入った分で来年の一月十五日までに消費されましたガソリンに税金がかかるわけでございます。そういう点を考慮いたして参りますると、ベース二百五十万キロリッター、そうして航空用のガソリンを引きまた欠減を見まして、二百三十八万ほどに見積りましたのは、精一ぱいに見積ったと私どもは考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/78
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079・赤木正雄
○赤木正雄君 結局この地方道路税法案がこの国会で通過しなくても、今審議しております道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これとはあまり関係がないように理解しておるのですが、その通りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/79
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080・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) その通りでございまして、直接に関係はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/80
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081・田中一
○田中一君 関連して……。しかし現在生きておるガソリン税一万三千円というものは、今の措置法の方は一万一千円で、二千円があくわけですね、四十七億ですか、これが余るわけですね。われわれはこいつこそ措置法の中に繰り込む補正をしてほしいのです。そうして、地方財源の問題は交付金その他でもってまかなえばいいのです。従来地方道路税というものはないのです。これは地方交付税との見合いというものはどの程度になっておるのか、私はほかの委員会のことですからわかりませんけれども、地方交付税というものが増加されるならば、何も地方道路税を新設して四十七億程度のものをやる必要はないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/81
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082・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) 僕が言う筋ではないかもしれませんが、その点、一部には、御承知のように、昨年二千円の三十一億というものは、名前こそ違え、地方ヘガソリン税の一部といいますかは譲与した事実はあるわけです。それを今度はっきりと地方道路税としたということについての御意見は、それはまた別途におありでしょうが、実質的には去年二千円地方へ譲与しているわけです。ですから、それになお二千円追加することの可否が論ぜられておるわけですが、従って、道路財源としては去年並みにやっております。
それから湯山委員の御質問の中で、各所で多少の誤解があると思いますが、それは昨年は確かにガソリンの見積額が結果において低かったというようなこと、これはまあ最初だったからといえば、大蔵省は決して悪意じゃないと思いますけれども、今度はこの今御審議をいただいている措置法を出している手前からいっても、大蔵省は何も内輪に見積る必要は全然ない。そうかといって、税収ですから余分に見積るわけにいかないというわけです、私たちも事務当局同士がよく話し合いまして、税金をとる方の立場で堅実に見たというのが事実でして、決してこの見積りは内輪でありません。従って、何か去年の例を引かれて、一万一千円を切ったっても自然増収でやれるじゃないかというような議論をちらちら耳にするものですから、これは非常に誤解に基く事情だけは一つ御理解願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/82
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083・田中一
○田中一君 だから、こいつは何ですよ、昨年は強引にあなた方が二千円の値上げをしたわけなんですよ。それで譲与税というものでやったんでしょうけれども、われわれこれですら反対なんですよ。だから、これは容易にわれわれとしては承認できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/83
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084・竹山祐太郎
○国務大臣(竹山祐太郎君) 僕じゃないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/84
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085・田中一
○田中一君 賛成した口じゃないですか。
そこでその交付金の関係ですね、これは昨年はまあ二千円の増というものを譲与税で出していますが、二十八年度の交付金、道路を一応基準とするところの交付金、それから昨年の向うへ渡した三十一億、この分との見合いの問題、二十八年度と二十九年度とどうなっています、数字でもって説明していただきたい、数字で。たとえば、昨年は今の譲与税として三十一億行ったんでしょう。二十八年度は行っていないのです。従って、行っていない場合には、それに対する地方財源というものを何で見たかということなんです。従って、地方交付金で、あれで見ているのじゃないかと思うのですが、それを数字で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/85
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086・原純夫
○政府委員(原純夫君) 数字のことでございますので、私ども調べましたものを申し上げます。二十八年度からというお話がございますから、二十八年度を最初に申し上げますと、国の道路関係の予算額が百七十一億九千五百万円、地方の負担額が百二十二億二千二百万円、うち直轄分担金が十億五千百万円がありますので、合計いたします場合には、それを差し引いて合計いたします。合計が二百八十三億六千六百万円ということに相なっております。次に二十九年度でありますが、国の予算額が百七十二億五千百万円、地方の負担額が百七十七億百万円、うち直轄分担金が十二億四千六百万円、それを差っ引きまして、総計が三百三十七億六百万円であります。なお、この地方の負担額百七十七億百万円のうち、財源といたしまして、揮発油譲与税が七十九億二千二百万円参っておりますので、それをはずしました前年の百二十二億二千二百万円に対比されます額が九十七億七千九百万円ということになります。三十年度の予算の見積りにおきましては、国の予算額が二百六十三億三千百万円、地方の負担額が百三十九億九千万円、うち直轄分担金が十四億九千万円、総事業費は三百八十八億三千百万円になっておりまして、地方負担が百三十九億九千万円でありますが、そのうち地方道路税をもってまかなう予定のもの七十二億七千五百万円を差っ引き、一般財源から出しますものが六十七億一千五百万円ということに相なっております。なお、この六十七億一千五百万円程度にいたしましためどは、二十六年度におきます地方の一般財源からの負担が六十四億一千九百万円、二十七年度におきます七十六億六千三百万円、まあこの辺のところをにらみ合せまして、そこで二十八年度、九年度というあたりは、御承知の通り地方財政逼迫の度が進んできておりますので、そういうようなめどで考えた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/86
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087・田中一
○田中一君 地方財政が逼迫したから道路整備費を増額してやるということだけでは、解決されないのですよ。地方財政の逼迫というものは、やはりあらゆるいろいろな悪条件というものがあるのです。それで、そのうちの一部として、たとえば二十八年度には百二十二億二千二百万円は地方が負担したものを、二十九年度では九十七億七千九百万円ですかまで引き下げております。従って、道路補修費といいますか、道路事業費だけをここで別の形で負担したからといって、地方財政は楽になるものではないのです。われわれはやはり二十八年度でもって百二十二億を負担し得る能力があったというならば、やはり別の面でも検討しなければならないのです。別の面にも検討しなければならないのです、地方財政というものに対しては。そこにわれわれが反対した理由があるのですね。なぜ道路費だけをこうしなければならないのか。そうして全体から見る場合に、何ら伸びておらないのです。たとえば二十八年度は百七十一億、二十九年度は百七十二億。事業としては伸びていないのです、国の予算というものは。私は道路整備の予算の面からだけ、地方財政が困難だから出してやるのだということは、理由にならぬ。地方財政全体を検討して、どういうものを持たなければならぬかということを考えなければならない。たとえば国の事業費が伸びておるなら別ですが、まあ三十年度は少くとも二百六十三億というふうになっておりますけれども、二十八年度と二十九年度と比べてみて、二十六年度と二十七年度というものをもらいませんけれども、数字はこれもやはり同じことが言えると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/87
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088・原純夫
○政府委員(原純夫君) 道路事業費の伸び方を億単位で申しますと、国と地方を通じました総事業費におきましては、二十六年度百三十八億円、二十七年度百七十九億円、約四十億円の増でありますから、三割の増であります。二十八年度二百八十三億円、これは百四億円の増でありますから、約六割近い増であります。二十九年度三百三十七億円、五十四億円の増でありますから、約二割の増であります。三十年度三寿八十八億円、五十一億円の増でありますから、一割六分くらいの増でございます。二十六年度百三十八億に対しましては三百八十八億は二百五十億の増でありますから、まあ三倍とまでは参りませんが、三倍近いことに相なっております。なお、うち国の予算は二十六年度八十三億円、二十七年度百十一億円、二十八年度百七十一億円、二十九年度百七十二億円、三十年度二百六十三億円、これは二十六年度に比べますと、優に三倍をこしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/88
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089・田中一
○田中一君 それは当然なんですよ。当然なんですが、地方と一緒に合計するからそういうことが言えるのですが、地方財政を困難だからこうしなければならないという理由だけでは、われわれ納得できないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/89
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090・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) もちろん、地方財政の困窮している困難な理由は、いろいろ御指摘のようにあると思います。従って、それは一つ一つについての対策を考えなければなりません。ただ、一面において、その道路の関係は、これはたとえ地方財政が非常に逼迫してほかの事業はできるだけやめるというようなときでも、今後の産業その他を考えると、道路というものはやはり相当に力を入れていかなければならぬ。従って、地方財政の窮迫の問題に対処するいろいろな施策はありましょうが、特に道路についてはそういう趨勢がありますので、この道路費がこれ以上地方財政を圧迫しないようにという意味において、地方道路税の創設というようなものを実は考える次第でありまして、その点は御了承いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/90
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091・田中一
○田中一君 今アメリカから来る油というものに対しては、関税はございまませんね。今考えておるものは、これは一種の消費税なのですね。消費者に対する税金なんです。直接消費者に対する課税方式なんです。今、本年度でしたか、若干の原油課税をしようというような案を大蔵省は持っているやに聞いておりますけれども、私は製油業者がどのくらいな利潤をあげているか、これは大蔵省相当調べておると思うのですが、各製油業者が外国油の輸入に基いて、幾らで——これは為替の管理をやっておればすぐわかると思うのです。幾らで来て、幾らで消費者に売っておるかという資料があったら、出していただきたい。輸入は幾らで、それからその再生産のコスト、再生産には幾らかかっておる、そうして幾らで売る、どのくらいな利益がある、あるいは製油業者はみな赤字かどうか、その点を明らかにしてほしいのです。数字を聞いてもわからぬから、資料を出してくれれば一番いいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/91
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092・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) 資料はありますので、これは衆議院の大蔵委員会に出しましたものですから、こちらに回ったかと思いますけれども、また御提出申し上げます。
それから製油会社が相当の利潤をあげておることは、承知をいたしております。それから揮発油のような製品は、現在でも関税は一割とっております。原油は現在はとっておりませんが、目下衆議院の大蔵委員会で御審議中の関税定率法等の改正によりまして、原油について二%の関税をとる案を提出いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/92
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093・田中一
○田中一君 おっしゃる通りなんです。そこで今の製油会社がどのくらい利潤をあげておるかということを一つ、大蔵省は知っておるはずだと思うのですが、通産省が知っておるのですか。一ぺんその資料を出してほしいと思うのだね。考課状を見ればわかるでしょう、こんなもの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/93
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094・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) 資料がありますので、統計したものでなくて、各会社のバランス・シートがございますので、これは資料として御提出申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/94
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095・田中一
○田中一君 結局、自分の党内のことを申し上げますけれども、私の方でも油に対する課税の問題は非常に論議されておるのです。それで、これはどこまでも、関税として外国油に対する税金をかけなければならぬということを主張しているのです。それで消費者に直接かかるような税金は取るな。原油課税を、それも物品税的なものでなくて、輸入油に対する関税としてかけろ。そういうものを地方に流すような措置をとった方がもっと早いのです。財源はあるのです。二%なんてスズメの涙のようですよ。私は安い原油、これに当然かけるべきだと思っておるのです。ことに、アメリカなんかある時代には油を海に流しているような時代があるのですよ。いわゆる余剰農産物と同じように、余剰原油なんですよ。こういうものを何のために無税でもって、関税をなしにして輸入し、そうして精製して精製業者に相当の利潤をあげさせ、そうして国民生活の生活費の一番影響のある消費者から税金を取るのかということは、不可思議でならないのですよ。そういう点にも問題があるのです。従って、大蔵省は単に地方村政というものを豊かにするために、ゆとりというか、その財源に充てるためにガソリン税を値上げするということは、ありようがないですよ。これはもう大蔵省の油に対する政策というものが間違っておると思うのです。それで、ただ外国油、いわゆる安い油のみに依存して、関税を取らない、これはあり得ようがないと思うのです。そういう点に対して承服できないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/95
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096・藤枝泉介
○政府委員(藤枝泉介君) 別にお言葉を返すわけじゃないのでございますが、関税もやはり一種の、何と申しますか、消費税的なものでありまして、現在お言葉にありましたように、精製業者等が相当の利潤をあげておる。これはやはりむしろ為替の割当がございまして、ほんとうに自由な量が入って来ないというような点も相当あるということは、これはもう申し上げるまでもないと思うのであります。従いまして、関税をかけたからガソリン税と違って消費者まで、結局の最終の値段が関税でやればそれが途中で吸収されてゆくかどうかということは、むしろその揮発油に対する需要とそれから為替の関係から来るところの外貨の割当、この二つのにらみ合せになるのじゃないかというふうに考えております。ただ、原油に対して関税をかけろという御主張のありますことは私ども重々承知をいたしておるのでありまして、それについては別途に考究はいたしておりますが、現状はそういうことじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/96
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097・田中一
○田中一君 まあ、いろいろ資料を出してもらえば、製油業者がどのくらいの利潤をあげておるかということはわかりますから、そういった消費者に来る税金は上げちゃならぬですよ。これはどうしてもいけない。物価が上るばかりなんですから、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/97
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098・赤木正雄
○赤木正雄君 この地方道路譲与税法案に関しましては、まだほかの委員会と連合審査いたしますときに、またいろいろ尋ねたいのです。しかしそれはそれといたしまして、今問題になっております道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、これについては、これからどうするか、あるいはその討議をどうするか、また、なるべく、大して意見がなければ、委員長としてしかるべくお計らい願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/98
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099・石川榮一
○委員長(石川榮一君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/99
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100・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記を始めて。
御発言もありませんから、質疑は終了いたしたものと認めます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/100
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101・石川榮一
○委員長(石川榮一君) さらに、本案に対する討論の省略をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/101
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102・石川榮一
○委員長(石川榮一君) それではその通り討論を省略いたします。
直ちに採決に移ります。道路整備費の財源等に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/102
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103・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 全会一致でございます。よって本案は、可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりまして、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/103
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104・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。
それから報告書には多数意見者の署名を付することになっていますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/104
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105・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/105
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106・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 速記を始めて。
お諮りいたします。「公営住宅法第六条第三項の規定に基き、承認を求めるの件」の審査のため、参考人の出席を要求いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/106
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107・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
つきましては、参考人は東京都知事安井誠一郎君の出席を求めることにいたしまして、手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/107
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108・石川榮一
○委員長(石川榮一君) 御異議ございませんようですから、さようにいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時九分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214149X01919550707/108
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