1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十年六月七日(火曜日)
午前十時五十五分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
加藤 武徳君
竹中 勝男君
山下 義信君
委員
榊原 亨君
高野 一夫君
横山 フク君
田村 文吉君
森田 義衞君
阿具根 登君
河合 義一君
山本 經勝君
相馬 助治君
有馬 英二君
政府委員
厚生省公衆衛生
局長 山口 正義君
厚生省医務局長 曾田 長宗君
厚生省薬務局長 高田 正巳君
事務局側
常任委員会専門
員 草間 弘司君
常任委員会専門
員 多田 仁己君
常任委員会専門
員 磯部 巌君
常任委員会専門
員 高戸義太郎君
—————————————
本日の会議に付した案件
○社会保障制度に関する調査の件
(附添婦制度に関する件)
○参考人の出頭に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/0
-
001・小林英三
○委員長(小林英三君) それでは委員会を開会いたします。
社会保障制度に関する調査を議題といたします。
まず国立療養所附添婦制度に関しまして、来たる六月九日本委員会に参考人の出席を求めまして意見を聴取いたしたいと存じます。参考人の人選、聴取項目の手続等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/1
-
002・小林英三
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。よって附添婦制度に関する調査のため参考人の出席を求めることに決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/2
-
003・小林英三
○委員長(小林英三君) 次に、本件に関しまして東京付近の療養所を視察することといたしまして、その時期、視察個所その他につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/3
-
004・小林英三
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/4
-
005・小林英三
○委員長(小林英三君) 次に、附添看護婦制度に関しまして厚生省当局の説明を聴取することにつきましては、理事打合会におきまして九日の委員会当初に聴取するということに決定いたしておりましたが、時間の関係上本日質疑の予定事項に入る前に、医務局長から説明を徴しておきたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/5
-
006・小林英三
○委員長(小林英三君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/6
-
007・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) 要点を御説明申し上げまして、御不審の点はまたさらに御質問にお答え申し上げたいというふうに考えております。
今般の国立療養所における雑仕婦の増員という問題は、これは新たに起った問題ではございませんで、私どもといたしましては、国立療養所の職員の充足と申しますか、充実をはかりたいというふうに考えて、いろいろの職種の増員を計画し、また大蔵省当局とも御相談申し上げて参ったのでありますが、本年はきわめてわずか、全療養所を通じまして、わずかに百数名しか予算定員となっておりませんでした雑仕婦を、大体患者二十五名に一人という程度で、この予算化をして参りたいということを大蔵省と相談をいたしまして、賛成を得てお手元にあるような予算案に盛っていただいた次第であります。もちろんこのことは、職員の定数が足りないというようなところから、所外より臨時に附添婦の人たちが入って、患者の世話をしてくれておるような状態にあるのでありますが、これは御承知のように、大体原則といたしましては、一人の患者に一人の附添婦がつく、またその附添婦は患者の申請によりまして、もちろん療養所といたしましては、それに添付する申請書等は作成して患者に渡すのでありますけれども、その附添婦に対しましては、病院としては直接な雇用関係とか、あるいは指導監督というような、少くとも形式的な形はできておらないのであります。形はあくまでも患者が附添婦を雇ってついてもらっておるという姿になっております。従いましてこの患者が多少安静にしておる、病状がおだやかになっておるというようなことがございましても、その間に他の仕事に回ってもらうというようなことは、これはもちろん話し合いとしては絶対できないという意味ではございませんけれども、円滑にさようなことは必ずしもゆくとは保障しがたいというようなことがございます。まあこういうような意味から考えましても、また本来病院、療養所等の責務と申しますか、責任から申しましても、病院の職員で病院が責任を持って、ただ患者の狭い意味の医療だけではなしに看護に当るということが望ましい姿である。かようにいたしまして初めて患者のすみやかな健康回復ということが期待できるというふうに考えられますので、私どもとしましては病院の職員を充実して、そして十分に患者のお世話をするというような姿にもって参りたいという基本的な考え方の一環として、これが出て参ったわけであります。
で、問題は、このように全国平均として計算いたします場合には、患者二十五人に対して一人というような数になっておるわけでありますけれども、この人数でこの百八十余りの国立療養所、ここにおける患者の看護に十分に手が届くであろうかどうか、で、この程度に雑仕婦をふやしましても、さらに外から附添婦の手伝いを得なければならんであろうかどうかということが一つの問題でございます。で、これにつきまして私どもの考えといたしましては、いろいろなまあ考え方が成り立つわけでございますが、しかしこれは国立病院、療養所を通じまして、私ども今持っております基準は、大体一般病床は四床に一人の看護員、それから結核病床に対しましては病床六に対して一人というもので、大体事が足りるのではないかというふうに考えて今日まで参っておるわけであります。しかしながらだんだんといわゆる外科療法というようなものがふえて参ったりいたしますというと、患者の手数がかかりますために、幾分これを増していかなければならんということになりまして、それで新たに増加になります雑仕婦の数というものを入れまして、そして各病院に配置計画を立ててみておるわけでございます。で、これにつきましては、もちろん外科が普通の患者よりも手数がかかるというようなことは明らかでありますけれども、どの程度に看護婦の、あるいは附添婦も含めまして、看護員の人数を必要とするかということは、これはなかなか的確には定めがたいのであります。いわゆる外から附添婦が入らずに、いろいろ看護を病院の手だけでやっておりますようなところの実情というようなものを勘案いたしまして、国立病院等では御承知のようにそういう姿をとっておるところが多いのでありますが、大体外科の病棟としましては、病床四に対して一人というくらい、それからカリエスの患者、手数のかかりますかようなものも四人に対して一人、それから小児はそれよりも多少は手が抜けますけれども五人に一人、それから内科につきましては六・八に一人というような計算で、各病院の実情に合せていろいろ配置をいたしてみたんであります。
で、この基準で参りますというと、大体必要数と考えられます看護員の数、この計算で必要とされますもの、それからこの二千二百七十を加えました今までの看護員の数というものが大体間に合って参りまして、幾分の余裕を残すというくらいになって参りましたので、そこで問題が起りまして、こういうような状態で、厚生省の方でいろいろ計画をしている案によると、この雑仕婦がふえることはけっこうであるけれども、この雑仕婦がふえると、附添婦が全部要らなくなるのじゃないかというようなことが附添婦の人たちにも伝わりまして、そうすると自分たちの失職問題が起りはせんかというような心配がその人たちの間でいろいろと話し合われるというような事情が生じて参りまして、皆さん方のお耳にも入っているかと思うのであります。
かような事情と、それからもう一つは今私どもがまあ大ざっぱにお話し申し上げましたようなことは、決してまだ最後的のものではないのでありまして、一応こういうような計算で配分してみたらいかがであろうか、もう少し手術には手数がかかる、そのかわり一般の内科患者はもう少し手が省けるというようなことになりますれば、これをまたいろいろ計算し直してみるわけでございますが、今申し上げましたような基準でいくと、非常に無理がある、特に特殊な施設におきましては、こういうような計算でもって参った予定配賦数というものは、少くとも今日いる職員と看護婦の看護職員と、それから外から入っております附添いさんの数というものを比べると、かなり格段の差があるので、これは非常に看護内容の低下をきたすのではないかという心配がある。これは特にまあ患者の方に、あるいは院の職員の間にも不安を生じているというような状況でございます。これに対しまして、私どもはいろいろ大体所長を通じてでございますけれども、それも実は率直に申しまして、いろいろ会議費、旅費等の関係がありまして、二百に近い療養所長を一堂に会して、私どもが直接にいろいろと相談をし合うという機会が持ち得ませんで、いろいろそのブロック、ブロックの所長の話し合いというようなところをその代表者にもってきてもらいまして、そうしていろいろこちらでその話し合いを聞くというようなことはございました。また御承知のように医務局出張所が各ブロックにございますので、ブロックの出張所の職員を回しまして、いろいろ事情を聴取させるというようなことをいたしたのであります。その際にこの私どもの案に対して非常に不安を抱かれているというふうに考えられております点を二、三申し上げまして、私どもの考え方をつけ加えてお聞き取り願いたいというふうに考えるのであります。
まず第一は、この今予算案に組んでございます二千二百七十という数でございます。これに対して現在外から附添婦として入っている者が何人いるかということにつきましては、昨年の七月の調査でたしか三千六百ぐらいと思っております。それからことしの最近の調査によりますと、三千三百幾らというような数に縮んできております。それからさき昨年の四月ごろはさらに四千ぐらいになっておったと思うのであります。もちろんこのうち自費附添いというものもございますが、この自費附添いという、自費でつけられる附添いというものも全部お断わりするかどうかということが一つまた別個の問題でありますが、自費でつけられるという方の分は、今までつけておられたものを今後も今まで通りにつけていくということは、必ずしも強くお断わりする必要はないではないかという考えをとりまするとすれば、そのうち約四百人が自費附添いでございますので、このような人たちは療養所の雑仕婦の定員が取れましても、この自費附添いの人は今まで通り四百人程度が残るのじゃないかというふうに想像いたしますと、今度の数と引き比べられますものは、おおむね昨年の七月として三千二百人、最近の調査によりますると三千人ということになるわけでございます。これを二千二百七十というふうにこの新しい雑仕婦の数というものに引き比べますというと、その間に二割あるいは三割の減少が起る。こういうようなところから考えても、人数が昨年の七月をとりますれば、ちょうど三割減ることになるのでありまするが、三割の減少というもののために看護の内容が落ちるであろうという考え方でありまするが、これにつきまして私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたように、看護の態勢を整えていく、あるいはまた、一人の患者についておる附添いさんの、何と申しますか、多少さき得る時間というようなものを合せて、そのそばにおる他の患者の世話もやいてもらうというようなことにいたしますと、一つ、合せて数名の看護員が数名の患者を共同的に責任を持って世話をするというような姿で参りますると、かなり手が省けるのではないかということ、これにつきましてはそもそも患者の病棟区分等から問題は始まってくると思うのであります。所によりましては、今日におきましても千に近い患者を収容しておりながら、そしてその中にはきわめて軽症の患者もあり、また外科の手術も非常にたくさんやっておりながら、各病棟に皆きわめて軽症なものから外科患者まで全部こみにしておるというような療養所もございます。こういうようなところでは、もちろんこれは一つもそのかわり二十もある病棟というものが皆同じように非常に平等な均質なものになってくると考えられるのであります。さような考え方も一つの行き方でございまするけれども、やはり同じ種類の患者をまとめまして、そして手のかからない患者の入っておりまする病棟では看護婦、附添いというような職員の数はできるだけ減らして参る、そうして外科患者等の手のかかる患者のまとまっておりますところは、そこに多数の看護員をつけまして、そして場合によれば、もちろんこれは例外はありますけれども、必ずしも個室に入れておく必要はない、二人あるいは三人を一室に置いて、そして一人の看護員が見張っていくというような姿で、むしろ看護の内容は向上するというようなことも考えられますので、私どもとしましてはまあ三割は無理である、二割五分ならできるかというようなこまかい問題はあるかもしれませんけれども、私ども十分院の職員としまして仕事になれてもらいますれば、新しいチーム・ワークを作り上げていった場合に、決して看護の内容を落さずにやっていけるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
それからもう一つの意見として、これも非常に素朴な意見なのでございますが、今まで附添婦の人たちは二十四時間勤務であった。ところが今度療養所の職員になりますと、八時間が原則になる。若干の超勤というものを考えるにいたしましても、大体八時間勤務になる。そうすると二十四時間勤務するためには、現在の附添婦の三倍の数が要るのではないかという意見があるのでございますが、これにつきましては、現に療養所の職員、所長等から聞きましても、決して現在ついております外からの附添婦さんがついておる間、二十四時間ぶっ続けで目を見張っておるというようなことは、これはあり得ないことでありまして、いろいろ実際的に、この内容的にも、看護に当っておる時間は幾らであるかというようなことは、これはまた調査の仕方でもっていろいろな説をなす人たちがあるのであります。私どもある療養所でもって調べました、これは私どもが調べてみたのではないのでありますが、療養所が自発的に調べました数字等を、若干多少の分を持っておるわけでございますが、見せてもらったのでございますが、それによりますと、大体八時間、平均いたしますと、やはり実質的な看護時間というのは八時間程度であるというふうに申しておるのであります。こういうことになりますれば、私どもとしては、この二十四時間はついておりますけれども、実際に患者の看護に当る時間というものは、これは上手にいわゆるチーム・ワークで、実質的にこれだけの時間患者の世話をするというような態勢を整えて参りますれば、決して三倍の人数が要るということにはならないというふうに考えておるわけであります。ことに先ほど申し上げましたように、手術後の患者というものは、これは少くとも二十四時間、あるいは場合によりましては、三日間くらいは二十四時間絶えずついておらなければならぬというふうに申しておるわけであります。そういうような場合には三交替をつけましても、四日以後あるいは一週間以後になりますれば、これは必ずしも二十四時間つきっきりに見ておる必要はない状態に入ります。そういうようなときには、この夜勤の者をつけますれば、それでもって大体事は足りるということになっていっておるのであります。
それからもう一つは、なるほど患者に対する看護の時間というものは、八時間という説もあるけれども、これは非常に狭く考えた八時間であって、かりにそばで眠っておっても、そばにおるということそれ自身が患者さんに対しては非常に気休めになる。ある意味での看護になるのだというような考え方を主張する人たちもあるわけでありますが、この点につきましては、確かに手術の直後のようなときには、これは患者がこんこんと眠っておりましても、そばについておらなければならぬというようなことでございますが、しばらくいたしますれば、患者も眠り、静かに休んでいるというようなことが多いのでありまして、必ずしもそばに絶えずついて寝ていなければならぬというようなこともないと思うのであります。またよく手術をした直後には、呼び鈴も押されぬ、人を呼ぶことさえもできぬということを言われるのでありますが、さような時期においては、これは三交替で療養所の職員をつけておかなければならぬ。今日におきましても、国立病院でもさように重症な手術にはいたしておるのでありまして、かようなときには、その必要があれば、徹夜の看護をいたしておるわけであります。いかに外科の手術をいたしました結核患者でありましても、大体これも話を聞いて、この前の衆議院の参考人として述べられた意見の中にもあったように思いますが、その初めの三日間くらいは、一人に一人がつきっきりに見ている必要がある。その次の四日から七日くらいは二人の患者を見れる。その次の週になれば三人の患者を見れる。その次は四人の患者、その次は五人を見れるでしょうというような意見もあったのでありまして、こういうような工合に、これは手術の直後といたしますれば、一人に一人の附添さんが必要かもしれませんけれども、ずっと長い三カ月あるいは半年というようなものをならして参りますると、決して一人に一人増して、一人に三人の雑仕婦を充てなければ、これだけの仕事ができないというようなものではないというふうに私は考えておるわけであります。
それからもう一つは、大体先ほど申し上げましたように平均的と申しますか、全体の予算としましては、二十五床に一人の附添婦が組んであるというふうに申し上げたのでありますが、このことが伝わりまして、いかなる施設においても二十五床に一人づつしか雑仕婦が増員されないというふうに考えられて、そして非常に自分のところは外科患者が多い、手数がかかる、それにもかかわらず二十五人に一人という程度で配賦を受けたのでは、これは何としてもやっていけないというような心配が、この特殊の療養所においては起ったと考えておるわけであります。この配置につきましては、先ほど申し上げましたように、外科手術の多い施設には多く看護要員の配置をいたし、それから比較的軽症者が多い、軽症者の長期の療養をやっておるというようなところでは、幾分二十五床に一人というよりも下回る人数で事は足りるはずであるというふうな配置をいたして参りたいというふうに考えておるのであります。これも再々申し上げますように、先ほどちょっと一例として申し上げましたのは、これが一つの試案であったのでありますが、この試案によりましても、大体三分の二の施設は今日の看護要員と、それにただいま外から手伝いに入っていただいております附添婦の数というものとの合計よりも、よけいのものが総看護要員として配賦されるというような状況になっておるのであります。これはもちろん平均としてはそれよりも上回るところもあり、足りないところも出てくるわけであります。結局足りないというのは三分の二……、これはまあ大ざっぱでありますが、三分の一以下と大ざっぱに見ております。そしてその差が比較的大きい、あるいは十人、二十人以上に及んでいるというようなところは、これはきわめてわずかの施設ということに限定されているような状況でありまして、配分のやり方というものができるだけ実情に合うようにいたして参りたいというふうに思って、今の配賦基準等は、さらに施設の意見等を聞いて実情に合うようにいたして参りたいというふうに考えておるわけであります。こういうようにして参りますれば、特殊な施設、あるいはもっと率直に申しますならば、今までの沿革上比較的大ぜいの看護要員で患者さんの世話をしておったというようなところ、こういうようなところが問題となるのでありますが、全国的に見ますときには、決して必ずしも無理な数字ではないんじゃないかというふうに考えておるわけであります。
一つには、療養所の所長以下職員もさようでございます。また患者さんもそうだと思うのでありますが、こういうように療養所の職員だけの手で、いろいろと患者の看護に当る、お世話をするというようなことに必ずしもなれておりませんために、これが果してそういう態勢にもっていって患者さんに満足を与え得るだろうかどうだろうかというようなことを、かなり心配しておると思うのであります。これは私ども決して十分とは思いませんし、またかなりな欠陥をまだ含んではおりますけれども、私ども国立病院等におきまして、原則として所の職員が十分な看護を全面的に引き受けるというような態勢に参りまして、患者さんに、もちろん一人々々申しますれば御不満もあると思いますけれども、大体満足の御意見というものも得ておるのでありまして、私どもとしてはこれが一番進歩であるというふうに考えております。この療養所におきましてもさような態勢に進んで参りたい。
先ほどからも申し上げましたように、私どもはこの雑仕婦だけの問題で病院の職員の態勢が完全に整うというふうには考えておらぬのでありまして、いろいろ炊事の面、あるいは洗たくの面、あるいは物の面から申しましても、いろいろな設備をさらに整えていくというようなことと合せて参りまするならば、この所の職員をふやして、所の職員の責任のもとにおいて患者さんの看護をいたすという態勢に進むということが、正しい方法であろうと考え、今回の措置もそちらに向う一歩であるというふうに考えておるわけであります。
最後に、この附添いさんの失業問題でございます。今のような態勢を少くとも整えていく方向に一歩を踏み出すということがよろしいといたしても、今まで私どもの調査によっても、昨年の七月といたしまして三千二百人、新しい数字でも三千人というような方々が要らなくなるということになれば、今のような世情のもとで非常に不安をかもすではないかということに対する考慮でございます。私どもまず第一といたしましては、ただいまの二千二百七十人と申します雑仕婦の増員というものは結局看護婦さんの手伝いをしていただく、いわゆる附添いの仕事をやっていただくという方が大部分になりますので、この仕事を今後引き受けていただく今まで外から入っていただいたけれども、今度所の職員として仕事をしていただきたい。こまかいことはまた御質問がございますれば申し上げますが、待遇等におきましては、私どもは必ずしも今日外から不安定な姿でこの手伝いに入っていただくよりは、その所の職員として常勤労務者という姿でありますけれども、一応常時勤務していただくという態勢に入ることが決して不利とは私ども思っておらぬのであります。とにかくそのうち本人の御希望があり、またこちらの所といたしましても一緒に仕事をしていただきたいというような方は、なるべく新しい定員で採用いたして参りたいということが一つであります。
それからもう一つの問題は、昨年の予算補正によりまして千床の結核病床増がございました。これには人間がつかずに病床だけがふえました。本年度からこの定員をつけていただくということになっております。また、三十年度の国立結核療養所の増床分が御承知のようにこれも千床ございます。これには本年度から第四・四半期の人員で定員増の予算が組んでございます。これは両方合せますと、大体看護要員としては四百数十ぐらいになると思います。もちろんこれはこの中には雑仕婦あるいは附添婦と申しますか、看護婦の手伝いをする方及び資格を持った看護婦、こういうような人たち全部を含んだものでありますけれども、これはお互いに融通して使い得るのが、今までの常でございますので、このうちでぜひ今まで外から入っていただいた附添婦さんに残っていただきたいというような方、あるいは御希望があれば採用する道と申しますか、ふところが開いておるということが考えられます。
それからもう一つこれは重大なことで、重大と申しますか、私は相当大切なことと考えております。今日におきましては医療施設、ことに病院のベットが年々五万数千昨年あたりで増加いたしております。それから結核だけにいたしましても三万のベットがふえております。そうして私どもが常々鞭撻を受けておりますのは、看護要員が不足である、ベットがふえておるにもかかわらず医師及び看護婦の所要人員がなかなか得られないというようなことで、むしろお叱りを受けておるようなくらいな状況でございますが、これに対しまして決して私、全体としてみまするならば、いわゆる附添婦という方々も含みまして、看護要員に対する需要というものは広く見ますると、決してそれほど狭まってはいない、むしろ今のような病床の増加というようなものににらみ合せましては、若干ずつむしろ需要の方が上回っているのじゃなかろうか。もちろん看護要員の中には減耗もございます。それも補って参らにゃなりません。そういうように考えておりますので、少くとも全国的に見ますときには、今のような、お話しして参りましたような事情で数百人の方が今までの仕事をしておった病院に行く必要がなくなったといたしましても、病院あるいは療養所で看護要員を要望する需要というものは必ずしも減っては参らぬ、むしろ逐次増員して絶対数としては若干ふえていくのじゃなかろうかというくらいに考えておるわけであります。ただし問題は、これは全国的に申したことでありまして、地区々々で見ますると、国立療養所の固まっておりましたような地区で、このような措置で所の職員がふえたために外から附添婦が入る必要がなくなってきた。ところがその地区には他の療養所は、この国立以外の療養所、ことに新しく増床されたというようなところがあまりないというところでは、確かに失職状態というものに陥られて困る方が出るということは必ずしも否定できないと思います。これはしかし特殊な地域で、そしてかなり限られた範囲のものになってくるのじゃないかというふうに考えるのであります。こういうところに対しては、先ほどもちょっと申し上げましたが、事情によりましては、少くとも経過的にはしばらくの間先ほど申し上げましたような一つの方式と申しますか、それでもって人員を配付いたしましたよりは、プラス・アルファをつけてしばらく仕事をしていただいておる、ほかの仕事が見つかるまでは仕事をしていだいているというような措置も考えられるのではないかというふうに思っております。
それからさらに、中にはこれもきわめてまれな例ではございましょうけれども、ときどき施設にございますのですが、非常に健康を害しておる、あるいは老齢で事実仕事にはたえないような状態になっておる方もおる、こういうような方に対しましては、今まで病院へ来て手伝ってもらっておったのであるからというようなところから、引き続き何かかんか仕事をしていただくというような形になっているところもあるようであります。こういうような方々に対しましては、かえって無理をせずにしかるべき養老施設、あるいは母子福祉施設とか、何か社会福祉施設の方に移っていただく方が、かえって本人のためにもよろしいのではないかというような事情もございます。さような方に対しては、よく関係筋と連絡をとって措置をして参りたい、そのほか大臣も申しておられたのでありますが、失業対策というような点につきましていろいろ労働省関係の職業安定所、こういうような方ともよく連絡をとって、転職の御希望があるというような方に対しては、いろいろできるだけあっせんのお手伝いもするというように努力をするつもりでおります。
それからも一つは附添婦の方々の数が先ほど申したような数字だと申しましたけれども、その内容、実態を見ますと、これも所によりまして非常に違うのでありますけれども、きわめて輪郭のはっきりいたさないものであります。ときによりましては非常に数がふえて参る、また患者さんたちが軽快いたしますれば、その数はきわめてわずかのものに減るというような工合に、数が非常に動いておるというようなこと、それからまたその中の多くの場合と申しますかにおきましては、相当の附添看護婦、要するに看護婦会のようなところから派遣されて来ている方もございます。従いまして、一人の附添婦さんが私どもの国立の療養所だけにおられるわけではないのであって、随時あっちこっちの療養所に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/7
-
008・小林英三
○委員長(小林英三君) ちょっと曾田君、発言中ですが、まだよほどひまがかかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/8
-
009・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) もうおしまいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/9
-
010・小林英三
○委員長(小林英三君) 簡潔にして下さい。あとは質問に譲ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/10
-
011・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) そういうふうに幾つもの病院に今日においても移りながら、その看護に当っておられるというような姿が多いのでありまして、むしろその方が原則的には本体であろうと思うのであります。しかし所によりましては、国立の療養所に引き続いて一人の患者さんに附添いの要がなくなったというときにはしばらく待っておってでも、次にまたさような必要のある患者さんができたときまで待機しておって、さような患者が出たときにまたお世話をするというような姿で、現実には住み込んでおるというような方も若干所によってはあるのでありまして、そのような方々が一番もしも全然不要になったというときにはお困りになるのではないか、さような点も考慮しながら私どもとしましては、あくまでも療養所を預って参りまして、患者さんにできるだけ十分なお世話をするということが主眼点でございますけれども、今のような建前の切りかえというようなときに当りましては、できるだけ今まで仕事を、今申し上げましたようにいろいろな形がございますけれども、この姿が急激に変らないように、またそのことから起る支障というものをできるだけ最小限にとどめていくように処理して参りたいというふうに考えておるわけであります。
結局私どもとしましては、所の雑仕婦を増員していただくということはぜひお願いをいたしたい。そうしてその結果はと申しますれば、私どものいただきました職員については、今までおりました職員も同様でございますけれども、できるだけよく勤務の組織、態勢を整えまして、そうしてお互いに切瑳琢磨しつつできるだけのサービスを患者に対していたす。さような立場から生じて参ります今までの外からの附添いさんという人たちにつきましては、今後の転職についてできるだけ私どもも協力をいたして参るという、また中にはそのまま病院に残って、今後も一部の方は仕事を続けていただくというような工合で、この療養所のあるべき姿を一歩進めて参りたいというふうに考えている次第でございます。非常にながながと説明さしていただきまして恐縮でございましたが、一応趣旨は、また今までいろいろと私どもに対しまして聞かされておりました意見に対して、少し細かいことをお話し申し過ぎたかもしれませんけれども、御説明申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/11
-
012・小林英三
○委員長(小林英三君) ただいまの医務局長の説明に対しまして、御質問はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/12
-
013・相馬助治
○相馬助治君 今度の問題については、政府自身も完全看護の線に沿って改良したいという建前から、附添婦を廃止すると言っておるようですし、附添婦の団体並びに附添婦の諸君も、また今度の附添婦の廃止ということが実現されると、完全看護が現在の状況では行われないといって必死になって反対しているようですが、局長はこの全医労だとか全看労だとか、日本患者同盟なんかがパンフレットなんかを使って要求をしているのですが、この附添婦諸君の要求の筋というものをよく御承知でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/13
-
014・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) 私一応話を聞き、また目も通しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/14
-
015・相馬助治
○相馬助治君 その要求のうちで、なるほどこれはもっともだと思う点、あるいはこれは非常な誤解だと思う点、あるいはまたこの要求に対して当事者であるあなたたちから総括的な見解、こういうふうなものを概略でいいから一つここでおっしゃってみていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/15
-
016・曾田長宗
○政府委員(曾田長宗君) 実は私さようなつもりで、ただ初めから御説明申し上げるよりは、少し細かく御説明申し上げたと思っておるのでございますが、むしろどういう点についてでございますか、御質問を受けましてお答え申し上げた方がいいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/16
-
017・相馬助治
○相馬助治君 いずれ総括的には参考人等も呼ぶことですし、大臣もいるところで私は明瞭に聞きたいと思うのですが、今の説明を聞いておりますと、失業者を出さないように労働省と連繋する、こんな説明は何びとも信頼できないので、五体のそろった、そうして相当学歴もあったりする人間が今日失業者となってちまたにあふれていて、労働省自身も最初はかなりの予算を要求したようだが、むざんにも大蔵省から削られて労働省自身が悲鳴を上げている。それに附添婦の諸君を首切ったのを労働省と連繋して救うのだなどと言っても、それは言わないよりは悪質な政府の言葉だと私どもは考えざるを得ないのです。しかし、そういう理屈はあるでしょうが、こういうふうな現実の面からして私どもが考えるのは、完全看護のために所員というものを十分増して制度を完備できるというならば、一方的に身分その他が不確定な附添婦を廃止していくということについては、かりに附添婦の諸君が反対しようと、その制度を拡充するために過渡的に起きる混乱であると、こういうふうに見られないこともないと思いますけれども、一方の所員を増していくという予算はきわめて不十分、そうしてまた厚生省の予算が全般的に不十分、そうしてこの結核療養所の附添婦という現在の日本の社会層の中でも最も弱い、最も気の毒な人たちを対象として、こういうふうな大きな改革をなそうとしているところに問題が深刻になってくる原因があると思うのです。従ってそれらについては、厚生省の今度の意図はわかるけれども、この現実に生活の危機にさらされている附添婦に対する思いやりがどうもわれわれには不十分だ、こういうふうに考えるので、私はそれらの点について十分聞きたい、こう考えているわけです。あなたの説明はそういうものを満足さしていない、こういうことだけ申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/17
-
018・山下義信
○山下義信君 議事進行についてお尋ねしたいのですが、これは今日の議事日程にないのです。先ほどお諮りになったのは、この時間を利用して政府の説明を聞こうじゃないか、こういうことであって、これを議題にして質疑応答をするということは御相談はなかったわけです。ですからこれは日程通り政府の説明を聞くにとどめて、予定通りに公報にありますような日程をおやりになったらどうかと思うのですが、何か御都合があるのですか。御都合があるならばいいのですが、どういう都合になっているか、諮ってもらわないことにはわれわれにはわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/18
-
019・小林英三
○委員長(小林英三君) 実は今山下委員のおっしゃるように、日程に従ってやりたいと思ったのですが、厚生大臣は午前中都合が悪いと、しからば午後からはどうだというので、今たびたび連絡しておりましたところが、午後にも予算委員会のため出られないと、そこで今委員部からわざわざ厚生大臣に会いにやりましたところが、今日は一日閣僚は予算の審議のために釘づけになっているので、午後からも出席不可能だということを、直接今斎藤君を大臣の所に見にやり、聞いて来たのです。そういう状況でありますので、あらためて御相談いたしますが、ただいま議事進行についての山下君から御発言がございましたが、いかがいたしましょうか。このままこの質問を継続してやりましょうか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/19
-
020・相馬助治
○相馬助治君 議事進行について。そういうことを委員長知っていて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/20
-
021・小林英三
○委員長(小林英三君) 今知ったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/21
-
022・相馬助治
○相馬助治君 それで質問がないかと言うから私は質問をしたので、そういうふうな約束になっているならば、これはやはり今後のこともあるから、明確に諮って、議題に供してやるようにして下さい。そうでなければこういう質問をした私の立場がばかげてきますから、それは委員長の手落ちですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/22
-
023・小林英三
○委員長(小林英三君) 委員長としては、今大臣が来てからぜひ日程に従ってやろうとこう思って、きわめて密接に連絡させておったのですが、こういうことでありましたから今のような状態になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/23
-
024・高野一夫
○高野一夫君 議事進行。今の山下委員の議事進行の問題について。この附添婦の問題は明後日参考人を呼ぶことだし、それからこれについてのいろいろ質問等もあるので、今日は附添婦の問題はこれで一つ打切っていただきたいと思うのであります。あと政府に対するほかの質問があれば、その方に移っていただきたいのであります。明後日これはやることになっておりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/24
-
025・竹中勝男
○竹中勝男君 打切りになるのなら打切っても差しつかえないが、今医務局長から大変長い間説明されて、重要な点でもっと聞きたいが、やはり書類にして出して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/25
-
026・小林英三
○委員長(小林英三君) ちょっと待って下さい。いかがでしょうか。今山下君、相馬君、高野君から議事進行について御発言がありましたが、これは委員長の手落ちもあったように思っておりますが、私の考えは厚生大臣を引っぱってこようと最初から考えておりましたが、それがそういうことがわかったものだから……。さらにお諮りして、もし時間の余裕があるならば、皆さんが質疑を継続したいとおっしゃるならば、続けたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/26
-
027・山下義信
○山下義信君 私は何も委員長をなじるのじゃないのですが、今日は理事会の申し合せによりまして、日程についての御相談があっておった。従って榊原委員が御提案の赤痢予防注射の問題について大臣に質問するのが今日の日程なんです。従って大臣の出席がなければ、榊原委員は質疑を御継続にならないということになれば、今日の日程には入れない、もし事務当局の答弁でいいと仰せになれば、日程通りこの赤痢の問題を上程してもいいと思いますが、そういうことで質疑はしないということになれば、今日の日程には入れない。
それからこの附添婦の問題は、これまた非常に重大に本院としては取扱うことになって、参考人の招致も御決定になっており、そのほかの委員会の日程にきまっているのですから、時間の余裕があるからといって、臨時にお取扱いになるという程度の問題では私はないと思う。やはり、委員はそれぞれ準備をして、心がまえをして出席いたさなければなりませんから、二者いずれも重大問題でありまして、本日の委員会に大臣が出席しないということは、私は政府当局者の怠慢である、委員会軽視であると、かように考えますので、榊原委員の御都合によりましては、本日は御散会を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/27
-
028・小林英三
○委員長(小林英三君) 榊原委員にお尋ねいたします。ただいま私、委員長から申し上げた通りでありまして、たびたび今予算委員会にやりまして連絡をしておりましたが、先ほど申した通りに、午後は出られないということがただいまはっきりといたしておりますから、次回に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/28
-
029・榊原亨
○榊原亨君 私は大臣の御出席によって私の質疑をいたしたいと考えております。ただ、私が遺憾なことは今日、先ほどにおきましては、十一時四十分から大臣がここに出席をして、そうして私の質疑を受けるということを政府委員からの御連絡がありました。そこで私といたしましては、それまで附添婦の問題を政府の御説明があるということでありましたから拝承をしていたのでありますが、そういたしますると、十一時四十分に大臣が見えるというお話は、これは政府のお考えでなしに、何か中間でそういうお話が出て、わいてきておっしゃったのでありますか。その点をはっきりさせていただきたいと思います。と申しますのは、私ども委員も、各委員会その他に、山下委員のおっしゃる通りに非常に多忙をきわめておるのでありまして、従いまして、きょう大臣が、朝私が参りましたときに、十一時四十分から大臣が出るのだそこで、それではというので私は待っていたわけであります。従いまして、これらの点につきましては、政府のはっきりした責任がどこにあるかということを、政府側の御意見を私は承わらなければ、私は承知できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/29
-
030・小林英三
○委員長(小林英三君) 委員長の立場だけ申し上げますというと、榊原委員にけさほど申し上げました十一時四十分ごろに大臣が出席するという件につきましては、委員部から連絡がありまして、午前十時四十分までにヘレン・ケラーの勲章伝達が終りまして、そうしてこちらに出てくる、こういう連絡がありましたもんですから、先ほど中間で見にやりましたところが、予算委員室に入っていると言う。それでは約束が違うというので、今直接に大臣に会いにやりましたところが、大臣が予算委員室に入って、そうしてしかも、先ほど私が申し上げましたように、午後も各閣僚は予算委員室から出られない、こういう回答がつい先ほどあったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/30
-
031・榊原亨
○榊原亨君 そういたしますると、先ほど十一時四十分に出るという話は、大臣の口からでなしに、誰が私どもにそういう御通知になったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/31
-
032・小林英三
○委員長(小林英三君) 委員部から連絡させました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/32
-
033・榊原亨
○榊原亨君 それでは委員部のどなたが誰に会ったということを委員長からお確かめ願いたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/33
-
034・加藤武徳
○加藤武徳君 前回の委員会も、前々回の委員会も大臣の出席について、きょうと同様な問題が起きてごたごたしているわけです。きょうの衆議院の予算委員会で昨日に引続いて総括質問があるということは、きのうからはっきりしている。また午前十一時から閣議があるということもはっきりしているわけなんです。そういう状況をも考慮に入れての十一時四十分の出席であったのかどうか。この点も念のためにお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/34
-
035・相馬助治
○相馬助治君 前二回とも大臣が出られないで、私たちはいろいろやむを得ないと思ってそれを了解して今日に至ったわけであります。きょうは、衆議院は予算の総括質問で多忙なことはわかっておるけれども、総括質問というのは、御承知のように要求大臣が明示されているはずです。従って、ある時間を区切って、三十分なり一時間なり時間がとれないはずは——大臣の考え方一つによってとれないはずは絶対これはないはずなんです。そこで問題は、その時間をはずしてここに来て、衆議院はこういう段階に達しておるからして、ここで落ちついて御答弁ができない、で、各委員から重大なる発言があった場合にも、完全にお聞きすることができないというようなことがあった場合には失礼だから、きょうはどうかこの辺でというような話が折り入ってでもあるならば、いざ知らず、委員長に、おれは今日は出ない、委員長はみんなに出られないそうだ、ああ、そうかと、いつでもそんなのんきなことを言っていたんでは、全然物事は進まんので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/35
-
036・小林英三
○委員長(小林英三君) その点は委員長が……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/36
-
037・相馬助治
○相馬助治君 ちょっと待って下さい、発言中です。
それで、これは一体、委員長がいささか厚生大臣になめられているということなんです。現実の問題として。だから、今の加藤さん、榊原さんのことは、しっかり胸にたたんで、はっきり一つさせて下さい。今後一つこういうことのないように、今日のこともはっきりさせて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/37
-
038・小林英三
○委員長(小林英三君) なおこの問題につきましては、これから散会後委員長みずから大臣に会いまして善処いたしたいと思います。その上で一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/38
-
039・山下義信
○山下義信君 蛇足を添えるようでありますが、すでに先日労働省関係でこの種のことがあり、また昨日も本会議で、新国会以来委員長も御承知のように、出帯の手違いについて総理大臣が文書によっていわゆる謝罪文を読み上げたということは前代未聞です。これは議運で非常にやかましくて、ことに同僚阿具根君が非常にやかましくてこのことがあったのでありますが、しかし、私は国会の権威のためには、このくらいの措置は適当であろうかと考えておるのでありますが、本日、厚生大臣が出席しないことは、今相馬君の言われるように、総括質問の間に、自分の答弁の必要のない時間はあるかないかぐらいのことは私はわかると思う。従って、大臣が出席をサボタージュすることによって委員会の議事が遅滞し、その結果がもろもろの法律案に及ぶことは、この委員会によって責任のないということは明らかにしておきますから。ことに私は大臣が差しつかえがあるならば、政務次官を派遣して事情の釈明をするのが当然であろうかと私は考える。(「その通り」と呼ぶ者あり)そういうような点につきまして、私は手続がまことに疎略であって、委員会を軽視している感が非常に深いのでありますから、従って、厚生省所管の諸議案が当委員会においていかなる状況に相なるかということは、委員会の責任でないということを明確にしておきたいと思う。本日は御散会を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/39
-
040・相馬助治
○相馬助治君 今の山下委員の言われることをつけ加えて委員長は厚生大臣に話していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/40
-
041・小林英三
○委員長(小林英三君) 諸君のおっしゃることは委員長も同感でありますから、さっそく大臣に会って要求いたしておきます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時五十八分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X01219550607/41
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。