1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月二十五日(月曜日)
午後一時四十五分開会
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委員の異動
本日委員加藤武徳君辞任につき、その
補欠として西岡ハル君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小林 英三君
理事
常岡 一郎君
竹中 勝男君
山下 義信君
委員
榊原 亨君
高野 一夫君
谷口弥三郎君
西岡 ハル君
松岡 平市君
田村 文吉君
森田 義衞君
阿具根 登君
山本 經勝君
吉田 法晴君
相馬 助治君
有馬 英二君
長谷部廣子君
国務大臣
労 働 大 臣 西田 隆男君
政府委員
厚生省保険局長 久下 勝次君
運輸省船員局長 安西 正道君
労働省労働基準
局長 富樫 總一君
事務局側
常任委員会専門
員 多田 仁己君
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本日の会議に付した案件
○けい肺及び外傷性せき髄障害に関す
る特別保護法案(内閣提出、衆議院
送付)
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001・小林英三
○委員長(小林英三君) ただいまから委員会を開きます。
午前中予定しておりましたあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の一部を改正する法律案につきましては次回に譲りまして、けい肺及び外傷性せき髄障害に関する特別保護法案を議題といたします。
御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/1
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002・高野一夫
○高野一夫君 大臣でも、大臣でなくても政府の方でけっこうでございますが、皆さんの質疑が出てからいろいろまた質問いたしますが、表題について伺いたいのでございますが、外傷性脊髄障害をけい肺と並べてこの法案の中に入れたことについては、どういうようなお考えがあってのことでしょうか。それを一つ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/2
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003・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) けい肺と外傷性脊髄障害、この二つは医学的、病理的に見ますれば、全く違った系統の病気であることは申すまでもございません。ただこの両病とも不治の病でございまして、その重篤、悲惨の点におきましては共通しておると考えます。ことに本法案の内容から申し上げますると、従来の基準法ないし労災保険法による給付が三年で打ち切られておる。これに対しまして、さらに別途二年間の給付をするということにおきましては、同じ保護を加える必要がある、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/3
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004・高野一夫
○高野一夫君 労働者が業務に従事しておる間に不治の病気の障害をこうむるというのに、けい肺もしかり、外傷性脊髄障害もしかりと、こういうようなことに今のお話からはなるわけでありますが、このほかに——まあ私医学のことはわかりませんから存じませんが、労働者が業務に従事して不治の疾病にかかり、障害を受けるということは、このほかにもまだありそうなものだと思いますが、ないものであるか、あるものであるか。もしあるとするならば、ここで外傷性脊髄障害だけを入れて、そのほかのものは取り入れなかったということについては、何らかのお考えがありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/4
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005・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) この二つの病気のほかにも、むろん現在の基準法あるいは労災保険法で、三年でなおらないものは幾らかそれぞれあり得るわけでありまして、現にそのためにこの打ち切り補償という制度で、賃金の千二百日分をその際に支給して、その打ち切り補償金をもって自後の療養なり、生活をする、こういう建前になっておるわけであります。けい肺なり、あるいは外傷性脊髄と比べますと、その他の病気との間には格段の相違がある。ただそのほかに現在問題になっておりまするのは、潜水病、石綿肺の問題があるのでありますが、最近に至りまして、潜水病につきましては、それを相当に軽快ないし治療のできるというような方式なりが研究されまして、また石綿肺につきましては、これは現在のこれに対する医学的なり、研究がほとんど手がついておりませんので、これは今後の問題として残る。現在の研究成果におきましては、他の病気に比べるとこの二つだけが格段の差をもって悲惨かつ不治、重篤である、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/5
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006・榊原亨
○榊原亨君 今のお話によりますと、けい肺症とかあるいは脊髄損傷というもののほかにあまり病気がないようなお話でありましたが、ここにございます資料を見ましても、昭和二十八年、十二月末までにおきまして打ち切り補償をいたしたものが五百四十八で、その中でけい肺症が二百八十九例、脊髄だけでなしに頭蓋、体幹の骨折等を入れまして六十四例というような数字になっているわけであります。従いまして脊髄損傷と同じような悲惨な症状を呈しますものは、何も脊髄損傷だけに限っておるものではないと思いますが、この点が今の御答弁と少し食い違っておるようでありますが、政府は将来これらの不治なものに対しましても処置をするお考えはないのでありますか。承わらさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/6
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007・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) 先ほども申し上げましたように、現在三年でなおらない病気というものはこの打切補償の資料からいたしましてもそれぞれ相当あるということは私どもも承知しておるのであります。しかしその大部分はその際に支給される打ち切り補償で自後の療養がまかなえるという考え方であるのであります。そうしてこの二つの病気以外には、これほど悲惨な、これに準ずる程度の悲惨なものは現在のところない、将来万一このけい肺ないし外傷性脊髄とほぼ同様の程度においてその必要性が認められるというものが出ますれば、論理的に当然に同様の措置が講ぜられるべきものと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/7
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008・榊原亨
○榊原亨君 重ねて申しますと、それじゃここにございいます。資料中にもあります熱傷のごときはかいようを形成しているものもありますが、このかいようは容易になおらぬものと私は思いますが、やはり脊髄損傷と同じような症状を呈すると思います。また鉛中毒についても、かいよう性火症についても同様であるのでありますが、これらについても同様なことが考えられる。従いまして私どもけい肺症につきまして特別な措置を講じますのは、けい肺症にかかった者が、その後におきまして、打ち切り補償をやりました後におきましても症状が悪化するという点において、私どもはこの者に対して特別なる措置を講じようというのでありまして、脊髄損傷がその後悪化いたしましても、それは脊髄損傷による病気の進行ではないのでありまして、その他の症状の悪化であります。従ってこの二つの病気におきましては、根本的に観念も違いまするし、その経過も違いまするし、その症状悪化の原因も違うわけでありますが、こういうものを一緒にするということにつきましては、私ども非常な疑問を持っておるのであります。従いまして将来この脊髄損傷並びにこれに類するものを一つの法律なら法律として別途取り扱いになるお気持があるかないかということを承わらさしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/8
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009・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) 現在の段階におきましては、先ほど答弁した通りでございます。今先生のおっしゃいましたように、将来の研究の結果、この二つの病気と同じように社会的に保護する必要が認められますれば、同等の扱いになるべき筋合いと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/9
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010・高野一夫
○高野一夫君 私はけい肺患者に対して、特別保護を与える立法措置が講じられるということについては、根本的に非常に賛意を表しておる次第でございます。従ってもしもこういうような種類の法律が実施されるならば、できるだけ円滑に有効的に法の運営がなされなければならないと思うわけでありますが、そういうような意味で一点疑問に思う点は、最初けい肺の健康診断をやる、これは当然やらなければならない。ところが果して、私どもが聞くところによりますと、現在の臨床医学上から的確なる健康診断ができるかいなやという点について、多分の疑問があるやに聞いているということと、専門的に、けい肺患者であるかないかの健康診断を下し得る者は、全国でわずか十名前後の医者にすぎない。しかも一方、現在でも対象となる者が二十七万人である。これは年々また増加して参ろうかと思います。そこで現在専門的に診断を下し得る医師が全国で十名前後くらいしかいない。しかもその対象は現在においても二十七万人くらいで、年々ふえていく。そうしてこの健康診断を適当な週期において繰り返していかなければならない。そしてまた一方、健康診断そのものが現在の臨床医学上非常なむずかしい点があるやに聞くわけであります。こういうようなことを勘案して、適切なるけい肺健康診断が、しかも迅速に行われて、その対象者に適当なる特別保護を迅速に与えるような措置ができるかどうかということについて懸念を持つわけです。この点についてどういうふうにお考えになるか、政府委員から御見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/10
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011・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) お話、まことにごもっともでございます。私どもの方におきましては、けい肺の健康診断、特にレントゲン所見によりまして、その程度の決定をしろという点につきましては、非常にまだ未開拓の分野でございます。大体今日私どもの方におりまする専門の医者のほかに、民間の方々でまず大体二十人ぐらいの方がいらっしゃるというふうに承知しておるのであります。この方々を本法に規定してございまする審査員に嘱託いたしまして、それぞれ三十班なり何なりの診断班を編成いたしまして巡回検診をする予定でございますが、本年度におきまして約九万人の対象労務者について実施する予定でございます。その際におきまして、その相当現在専門と考えられまする官民のお医者様方に、審査に当り、事前に十分なる講習なり研究会なり、レントゲンのモデルをもちまして実施いたしまするとともに、特にけい肺の第一度以上にかかっていると審査される者は、これはごく大ざっぱに申しまして、全員のおそらく一割弱程度かと考えまするが、そうしますと七、八千枚のレントゲン写真につきまして、さらに念を入れる意味合いにおきまして、中央にこれを集約いたしまして、ぜひとも現在わが国におきまする最高権威の方々にさらに見ていただきまして、一面におきまして診断の正確性を期しまするとともに、他面におきまして関係のお芸者様方こその結果をお示ししまして、診断の統一性と経験の普及をはかる。さらにできますれば、医師会の御協力をも得まして、逐次民間の鉱山あるいは関係の産業集中地のお医者様方に診断能力を漸次集中していきたい。そういうふうに、民間におきまして相当の判断力を持つまでは、この法律の付則に規定しておりますように、けい肺にかかっておるといないとにかかわらず、全部レントゲン写真を専門の診査医にごらんいただきまして間違なきを期す、こういうやり方を考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/11
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012・高野一夫
○高野一夫君 今のお話で二点さらに引き続いて伺いたいことがございますが、現在専門のそういう診断を下し得る医師が全国に二十名くらいおる、こういうお話でございましたから、二十名とはどこのだれだれであるかということが全部御調査済みであると考えますが、その二十名は保険医であるか、病院におる人であるか、ただの開業医であるかどうか、その二十名はこのけい肺の健康診断に動員できる状態にあるかどうか、これが一つ。それからレントゲン写真を中央に送って、適当な判定を下してもらう、こういうふうなわけでございますが、全国に散らばっておるこういう工場、そういう方面にわたって健康診断をやり、レントゲン写真を写し、その写真を中央に送って判定を下すというその期間に、いわゆる事務的に、お役所仕事と申しては申しわけないが、やれ手続がどうの何がどうのということでその判定までに非常に手間取る。従ってけい肺患者に対して迅速なる措置が——せっかく法律ができても迅速なる措置を講ずることが非常にむずかしい、こういうような事務的な事情も起らぬとも限らない、こう懸念されるのでありますが、この写真を中央に送ってから判定をして、けい肺患者の迅速な措置ができるかどうかという点については、労働省として自信をお持ちであるかどうか、この一点と最初の点と二つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/12
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013・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) ただいま約二十人と申し上げましたが、その方々の名簿をここに持ち合せておりませんが、むろんいろいろ大学の医学部の先生とか研究所の先生とかというふうに、それぞれの仕事なり自分の研究課題を持っておられる方々でございます。従いましてこのけい肺法施行のために、この健康診断に専従していただくことははなはだ困難であると考えるのであります。従いましてこの法案におきましても、この民間から委嘱しまする診査医は非常勤とすることができるということになっておるわけであります。この九月一日から施行して三月まで毎日々々これにばかりかかりっ切りということは困難と考えますが、そういう先生方もそれぞれけい肺についての関心と御研究をなさっておるわけでございますから、できるだけ御協力をいただきまして、健康診断のプログラムと合うような日程を作って協力していただく、目下それぞれ交渉しておるのでございます。
それから健康診断につきましてずいぶん手間を食うではないかというお話でございまするが、ある程度今のような大事をとる——、病気が病気でございまするので大事をとる必要がございまするので、ある程度の手数はやむを得ね小と存じますが、大体地方と中央との連係を円滑にいたしますれば、一番手間がかかりましても二カ月以内には処置できるかと見当をつけておるのでありまして、まあ二カ月くらいでございますれば、この病気の性質はきわめて緩慢な慢性的経過をたどるものでございまするので、病気の性質と大事をとるというところのかね合いはそこら辺で円滑にいくのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/13
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014・高野一夫
○高野一夫君 現在専門家が二十名くらいしかいない、これを今後速急に養成してもらって、来年はうんとふえるというようなことならこれはわかるのですが、とりあえず今年だけでも九万人の対象に対して健康診断を施す、こういう御予定である。そこで今伺うと、その二十名の中には、別に私はその人名を知ろうとは思わないのですが、この二十名を動員するについては、それぞれ本職をお持ちであるから、その間を縫って動員しなければならない、こういうわけなのですね。そうすると、本職のあるかたわらひまを盗んで動員しなければならない、その総計がわずかに二十名、しかも健康診断をしなければならぬ人は本年度だけで九万人ある、こういうふうなことで実際問題としてこれはできましょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/14
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015・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 民間の方は二十人と申し上げましたが、現在基準局関係の専門の医者が別に二十人おるのでございます。それからけい肺健康診断の一番——ただいま先生のおっしゃいましたむずかしいのは、レントゲン写真を見る、そうして最後にレントゲン写真を見て所見を下すということでございまするから、それぞれ大学の研究室などで御研究の先生が一々その会社工場を必ず回って歩かなくても、レントゲン写真は別途その技術の優秀な者を依頼して、とにかくその写真で研究室なりなんなりで御判定を願うという道筋もございます。もちろん役所の二十人と民間の二十人でゆったり十分にできるという考えはございませんが、こういう法律が施行された早々でございますから、できるだけ大ぜいの方々について診断をしたいということで九万人を目途としておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/15
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016・高野一夫
○高野一夫君 健康診断の点についてもう一点だけ伺っておきたいのですが、今の政府委員の御説明では、私はそういう程度の医師の動員によって九万人の健康診断をされ、円滑に適正に行われるということについては非常に不安を持ちます。どうかこの法律が実施されるということになりましたならば、十分の実施方法の対策をお作りになければ容易でないのじゃないかと思いますから、その点についてはさらに十分御調査おきを願いたい。先ほど中央にレントゲン写真を送って判定を下し、二カ月以内に判定ができると思う、しかもそのけい肺患者の進行状況は非常に緩慢であるから、まず二カ月以内ならばさして支障を来たすまい、こういうような御答弁でありますが、かりに病状の進行状況が緩慢であるということにいたしましても、せっかく健康診断をやり、そうしてけい肺であるというならば、一日も早くこれに対する特別保護の措置を与えなければならないのに、二カ月もかかからなければ特別保護を与えていいか与える必要はないかという判定がつかないということになるという、これはどんなものかと思うのですが、ここに医学の専門家がおられますけれども、健康診断に二カ月かからなければ判定ができないということについて、私はどうもその辺が納得できないのですが、これはどうしてもやむを得ないものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/16
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017・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 診断を現地において右から左と早く決定して、保護をすべきものはするということにこしたことはないわけでございますが、一方におきまして、この者は不治の病の対象者である、あるいは今まで何とも思っていなかったのが、けい肺の第一度であるということが決定するということは、本人にとっても重大なことであります。またそれに関連して関係者にもいろいろ影響を及ぼしまするので、できるだけ早いことにこしたことはないのでありますが、一方、法施行当初におきましては正確を期するということもきわめて重要なことかと考えるのであります。そういう関係で、一方、けい肺の症状の緩慢性ということも考えまして、もしそういうことがなければ、それどころじゃないというので、現地で右から左とやってもいいのでありますが、事柄の重大性、それから正確性、そういうことのかね合いで、先ほど申しました二カ月というのはその最大限二カ月というので、われわれとしてはもちろんもっと短かい期間に処理したい、こういう心組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/17
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018・榊原亨
○榊原亨君 関連質問でありまするが、こういうことで健康診断されるわけでありますが、そのときの基準といたしまして、肺結核と、一般粉じん肺とけい肺との特に軽症なものにおいての区別の何か基準というようなものをおきめになっておられるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/18
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019・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) ただいまのなにが少し聞きとりにくかったので、もしピントはずれの答弁をしたらまたお答え申し上げますが、まずけい肺とけい肺でない他のじん肺との区別、これは直接にはレントゲンの所見からは分別困難でございます。その分別は主として、その職場におきまする、粉じんを検査いたしまして、その粉じんが遊離けい酸粉じんであるか、あるいは他の炭肺であるか、アルミニウムじん肺であるかというようなことを検査して、その上で一般のじん肺とけい肺との区別をするわけでございます。
それからけい肺と単純けい肺と肺結核との区別でございますが、この単純けい肺の第三型までは、そこの分類にございますように、第三型と結核合併症との区別は歴然とわかるのでありますが、第四型のけい肺のレントゲン所見と、けい肺結核の合併症との区分は、レントゲン写真の方から見るとわからないのでございます。従いましてここにも書いてございまするように、結節像が融合したものか、あるいは結核の塊状陰影であるか区別のつかない段階におきましては、この法案におきましては第四型と称しておりますが、この第四型につきましては、必ず結核検査、喀たん検査及び血沈検査等によって、それがさらに結核を意味するものかどうかの検査をあわせてするということになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/19
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020・榊原亨
○榊原亨君 ただいまお話しになりましたことをもちましても、レントゲン写真だけではなかなか診断が困難だということがわかると思うのであります。従いましてレントゲン写真を中央に送ってそこで診断をするとおっしゃいましても、なかなか診断が困難なことがございますし、ことに粉じん肺が、一般のじん肺とけい肺との区別は粉じんの分析をやってみなければならぬ、ところがそれは他の工場で働いておりまして、そうして、次の工場に行きまして、そこでけい肺というようなことがわかったというような場合におきましては、粉じんの分析ということはむずかしいのであります。でございまするから、私はそういうむずかしいことは今ここでとやかく——それがむずかしいということは一応認めたところでありますから、とにかくこの法律はけい肺の患者を救うということでございますから、そういうことまでは申し上げませんが、そこで私は一つこの際申し上げておかなければならぬことは、学者の諸君と申しますのは、ことに先ほど全国に二十人おられるというが、学者というのはそのけい肺のことに特別な興味を持った学者でありますので、従いましてその診断を、私どもも医学者でございますからわかりますが、自分の陣営のことにかこつけやすい弊害があるのであります。従いまして今度新しく法律ができましてやると、何を見てもこれはけい肺だ、何を見てもけい肺だというようなそういう学者もありますから——私はないと思いますが、そういう弊害がえてして起るのでございます。しかもそれが起った場合におきましては、これは事業主に対しましても患者に対しましても非常に打撃でございますので、これらの診断は非常な慎重を要すると思うのであります。従いまして中央にただレントゲン写真を送った、書類を送ったということだけでなしに、もしもそこで疑問の点がありますならば、あくまでも現場において精密な検査をしなければ、これらの問題は解決しない。詳しいことは私は知っておりますから、あなた方のあげ足を取ったり、あなた方に対しまして盲点をつきません。つきませんけれども、今おっしゃったようなことはなかなかできないということは私はよく知っている。私ここでこれ以上申し上げたらあなた方が困る、だから私は申し上げませんが、どうか一つ、そういう行き過ぎがないように、一方においては先ほど高野委員がおっしゃいましたように、適当な診断をなるべくすみやかにするという適正な態度を、これらの二十人か何かしりませんが、それらの専門家にとるように特に御注意申し上げたいということを私申し上げたいのでありますが、当局におきましては、これらの所信はいかがでございますか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/20
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021・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) そういうお話は他の方面からもよく聞かされる注意でございます。十分先生の御注意にのっとりまして最善を尽くしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/21
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022・高野一夫
○高野一夫君 作業の転換の問題について伺ってみたいと思うのでありますか、健康診断した結果、けい肺患者であるということが決定をいたしますれば、そこには第二症度、第三症度、あるいは作業に従事している年数の制限はありまするけれども、とにかく都道府県の労働基準局長から、その業者に対しまして粉じん作業以外の作業転換をさせるように勧告することができると、こうなっているわけであります。てこで同じ企業体、同じ工場の中で粉しん作業以外の作業をやっているならば、当然転換してもらわなければならず、また転換させることもできるでありましようけれども、それができないと、粉じん作業以外の作業をやっておりないというような企業体においては、その次に職安なりそのほかの適当の補導をして別個の仕事につかせるよりにしなければならないというようなふうにするように協力する、こういうふうになっているのが作業転換に対するこの法律の規定であろうと思います。そこで同じ企業体の中での作業転換は可能でありましゃうけれども、一たび残念ながらけい肺患者であろうという決定が下されたその人を、何らか働ける限りは働いてもらうべき仕事につけなければならぬけれども、実際問題として、他の職業に転換させるといことができるだろうか。この点は私事なことで、しかもその他の職業に転換するということがきわめてむずかしいのじゃないかと、こう思うのでありますが、こういうことはそう比較的困難を伴わずして他の企業体への職業転換ができるとお考えになるか。この職業転換に関する勧告の項目、並びにそれから職業を変えることについての協力、これがどの程度効果を伴うのであるかという点についてのお考えを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/22
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023・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) この勧告は申すまでもなく、黙っておれば、仕事を継続しておりますれば、近き将来にいわゆる第四症度として死に至るのを予防する意味合いにおきまして、本法におきましてはきわめて重要な意味を持っているわけでございます。しかしながら実際問題として、たとえば大きな鉱山とか金属山、石炭山でありますれば、相当企業内配置転換は可能でございましょうが、ただいま先生のおっしゃいましたような場合も相当あるかと考えるのでございます。そういう場合にうまく円滑に変り得るかどうかということでございまするが、これにつきましては、まあたとえばけい肺患者と名づけられてしまうと、もうよそでは働けないのだ、よそでは採用しないだろう、あるいはけい肺一度、二度、三度という者は相当労働能力を喪失しているのではないかというようないろいろな不安なり何なりがあるわけでございまするが、まずそういう点につきましては、十分に誤解なり無用の不安をとりまして、この配置転換の段階における方々は普通の意味におきまして、相当の重労働にまでつき得る労働能力を持っておるということ、そして特に結核合併などにさえ注意いたしますれば、けい肺の結節像そのものは消えないのでありますけれども、しかし決してそれは死につながるものではないし、またそれだけでは人に伝染するというような性質の病気でもないというようなことでいろいろ、何となくばく然とある心配なり誤解なりを、一方におきまして十分に解きまするとともに、本法におきましては、第一に、第九条にございまするように、他の職業のあっせんに安定機関が優先的努力をする、特にその際におきましては、従来の熟練した技能労働から、他の種類の労働に転換せなければならぬという場合におきましては、特に職業補導所に入所いたさせまして、それぞれその地方の労働需要に見合った技能を新たに付与する、もちろんこの間失業保険も支給されるのでありますが、そういう努力をいたしますとともに、さらにこの第三十八条におきまして、国みずからがたとえばこの共同作業所とか、農場の経営などをいたしまして、ここに収容いたしまして動き得ることができるという道を開きたい。で、この最後の点につきましては、本年の予算には、こういう要転換者の実情が明らかでないので入っておりませんが、今後正規に行う健康診断の結果、こういう人たちの実態が明らかになりますれば、その実情に応じた計画を作業してさらに予算措置も講じよう、こういう心組みでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/23
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024・高野一夫
○高野一夫君 この点は私は非常に大事な点であろうと思うのでありますが、一たびけい肺であるという診断がに決定致しましたものに対しましては、極力一日も早くこれが快癒するように、治療と療養の給付をしなければならないわけであるが、一方において作業の転換が同じ企業体の中においてできない場合、他の職に転換させるというときには、私は実際問題としては、いかに職安に対して当局から圧力を加えられようとも、実情としては私は無理であろうと思う。それは労働力の需要がすでに過剰、そのほかいろいろな実情から考えましても、これは無理だろう、そうすると結局落ちつくところは何かというと、職業補導所に入れる、あるいは政府の何らかの施設の中に働かせるよりほかない、こういうことになって、そういうような点になった場合に、ただいまのお話では、政府の方は責任を持ってこれを職業補導所に入れ、あるいはそのほかの政府関係の仕事に吸収していくというお考えのように私は今伺ったのでありますが、その点は政府は責任を持っておやりになれる覚悟を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/24
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025・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) この現在、従来の実績から考えままして、この要転換者がどのくらい出るかという推定でございまするが、われわれの方の資料からいたしますれば、大体三百六、七十任くらい——現在も従来の推移と同じ推移をたどるとすれば、年々三百六十人くらいという見積りであるのでありますが、その大部分というものは大きな金属山、石炭山でございまして、そこにおきまして温情のある措置をしていただきますれば、現に、労働組合と会社との労働協約等によりまして、相当円滑なる配置転換ができておるのでありますが、どうしてもこの職場から離れざるを得ないという者の数は、平常の場合におきましてはさしたる数字にも上らぬかと考えまするので、そういう方々に対しましては、先ほど申し上げました安定機関の特別の協力と国家施設の整備によりまして、責任を持ったこの円滑なる処置ができるというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/25
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026・松岡平市
○松岡平市君 労働大臣に一言お尋ねしておきたいと思いますが、このけい肺法に要する予算について、労働大臣はかって全額国庫で見るというようなことを一般に言われたこともあったようであります。のみならず、これの予算折衝の過程におきましても、これは労働省としては、全額国庫負担という態度で当初臨まれた。それが今日衆議院を通ってきた本法案では、国家と経営者のそれぞれ半額ずつの負担、こういうことになってきておりまするが、こういう性質の費用については、これは全額国庫負担すべきものなりと考えられるのか。それともかようなものについては、比率はともかくとして、国家のほかに経営者等がある程度負担することが正しいとお考えになるのか。これは将来のため特に重要なことだと思う。労働基準法の、現在のいろいろな趣旨、精神というものとの関連において、労働省におきまして、特にその責任の大臣として、かようなものはいずれの方が正しいか、その正しい理由というようなことまであわせて簡潔にお述べを願っておきたい。私はここで短かい時間の間で、そのいずれであってもこれに向って論争を展開しようという考えではございません。一応将来のいろいろな立法に際会して重要たる事柄であると思いますので、労働大臣からこの点についての所見を明確にしておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/26
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027・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたしますが、これは政府全体としての考え方ではもちろんございません。私個人としての考え方でありますが、このけい肺病問題につきましては、これは単純な事業病という観点に立ってこの問題を考えるべきでない、私は基本的にそういうふうな考え方を持ちます。なぜかと申しますと、現在の段階におきましては、けい肺病はその予防措置が完全に講じられない。それから一回かかって第四症度になった者は、もう死だけの最終の段階である、これは治療してもなおらないという、まことに人間にとってこの上もない悲惨な病気である。しかも大部分この病気にかかる人がいわゆる珪酸粉じんと言われておりますが、メタル鉱山、あるいは石炭山等において、あるいは鋳物その他において珪酸のある粉じんを作業に従事する以上吸飲しなければならないという特殊な仕事であり、政府として、掘らないでおいてよそから輸入してきて日本のもし用途にすることができたならば、むしろ掘らないで、これは買ってきて用途に供した方がいいというほど、いわゆる病気にかかった人が悲惨な状態になるというような点から考えまして、ただ単に現在の労働基準法の規定により、事業主の三カ年間の無過失損害賠償という、あの制度だけで、これらけい肺病にかかった人たちの救済は必ずしも十分とは考えられない。従ってそれ以上のことに対しましては、それは国が単なる事業病と考えないで、一種の国民病的な観点に立つてめんどうを見るべきじゃなかろうか、こういうふうに私考えましたために、事業病としてだけでなくて、その上に国民病的な観点に立ってこういう人たちに国が全額国庫負担をいたして、そうしてこういう病気をなおすということ、現在かかっておる人のめんどうを見るということよりも、殺す、死なせることのないよう、けい肺病というものが将来絶滅されるように、政府としては全力をあげて対処すべきである、その間は結局国庫負担でまかなうべきものでないかという考え方で実はこの法律案に関する予算も大蔵省と折衝いたしましたけれども、世界の立法例その他を引かれまして、日本でも初めてのことでありまして、私の政治力の足りない点もありましたので、三分の一ということで妥協いたしました。衆議院においては、これはまた増額されて現在二分の一となっておる。私の基本的な出行え方は、そういうふうな考えに基いてこの法律案を提案したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/27
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028・松岡平市
○松岡平市君 大臣の御答弁では、これは内閣全体の意思じゃない自分の個人的な意見ではと、こういうことでございます。私はけい肺病を保護するということについて異論を申し上げているわけではないのだが、こういうものを全額国庫負担、労働大臣の表現を用いればこれは国民病である——事業病でない、国民病である。だからこれは全額国庫負担をすることが正しいのだ、こういうことですが、それならそれでけっこうですが、しかしそれに内閣全体の意見ではない、自分の個人的な意見だ、こういうふうに注釈をつけられれば、われわれはなはだ判定に迷うわけです。少くとも鳩山内閣として、は、予算措置上予算は困難である、だからこういうふうににしたけれども、こういうものは全額国庫が負担すべきが正しいのだ、こういう見解に立っておられるか。それともそうではない、やはり一部分は経営者にも負担させべき性質のものだという判定をもっておられるかということを、政府の責任者として御答弁を願っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/28
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029・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答え申し上げます。この法律案がが内閣提案として出されておりますし、しかも条文の中には三分の一国庫負担となっておりまして、内閣全体としては国が全額負担をする必要はないという、少くとも現在においては考え方に基いてこの法律案が提案されておる、かように御解釈願ってけっこうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/29
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030・松岡平市
○松岡平市君 内閣全体としては、少くとも三分の一しか国庫は負担しないでよろしいという考え方である。しかし西田労働大臣は全額国庫が負担すべき性質のものであるということであれば、衆議院で二分の一の国庫負担に修正されてきておりますが、近き将来において全額国庫負担に、でき得るだけすみやかにこれを全額国庫負担にするような方向にこの法律案を改正していくという御意思も西田労働大臣はお持ちだろうと思うのですが、さようでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/30
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031・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/31
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032・松岡平市
○松岡平市君 一応私はその点について多くの論争をこの機会にはいたしません。労働大臣のお考え並びに政府としてのお考えの間に背馳がある。政府としては三分の一国庫負担で十分であると考えておった、労働大臣個人としては、西田個人としてはそれば妥当でない、全額国庫負担をすべきものであるという意見を、今なお持っておられるということで、内閣の御意思と労働大臣個人の御意思との間には相当なる懸隔のあるということだけを明らかにしておけば十分でございます。その次に一言お聞きしておきたい。ということは、これはもういろいろ私は論争はいたしません。しかし少くとも三年間たちますというと一応千二百日分の打ち切り給付をやる、で、それから先はこれはなおらない病気でございますから、厚生年金法によって障害年金を給付されるということになると思うのです。本法を立法された過程、衆議院の修正の過程を見ても、この厚生年金、障害年金のことについては何ら触れておられたい。この問題は申すまでもなく、このけい肺法のことについては、われわれの同僚議員、ここにおられる吉田法晴君を初めとして、多数の議員が長年にわたって議員立法を試みてこられたものであります。昨年私たちがこれは議員立法よりも政府みずから立法すべきであるという意見も申し上げて、そういうことから今度政府の提案になってきたものと私たちは考えておりまするが、さきに議員立法された吉田法晴君あたりの立法においてでも、この厚生年金保険法の条文については特別な措置をするようにちゃんと立案された。これはごらんになればわかる。が、政府はそのことについては何ら触れておられない。申すまでもなく、この二年間の間は厚生年金保険法による障害年金もやる、それから休業給付もやる、療養給付もやる、こういう御趣旨のように少くとも法案では考えられるが、さようでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/32
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033・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。最後に松岡さんのおっしゃった通りに私は考えております。と申しますのは、このけい肺法の立法に当りましては、経済的な問題及び給付的な問題は、現在の規定されておりますものの上に、けい肺法の内容的に盛られておりまする待遇を与えたいというのが基本的な考え方でございました。しかし衆議院の委員会におきましても、でおっしゃった障害年金の問題に対しましては議論されましたけれども、政府委員の説明で衆議院側も納得していただいております。けい肺審議会等においても一応この問題を取り上げられまして、これは重複するのではないかという議論はあったように聞いておりますけれども、審議会等におきましても、政府側の説明に対しては納得をしていただいております。従って私自身としましても、この問題は現在の上に積み上げる、そうしてそれだけよけいにけい肺病患者に対して、人道的立場で一つめんどうを見てやらなければなるまい、こういう考え方でこの法律案を立案いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/33
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034・吉田法晴
○吉田法晴君 ちょっと、松岡さんから私どもの立案いたしました立法、これはすでに政府案が衆議院で修正されて出て参りましたから私ども撤回をいたしましたが、撤回をいたします前に、三年後においては障害年金も支給しない、こういう工合に規定してあるじゃないか、こういう意味もございましたから、委員諸氏に了解を得たいと思いまして発言を許していただいたのです。私どもは、基準局なり、あるいはこれはけい肺病院の院長をしておられます大西院長等からも、従来は三年で基準法の給付が切れるので、転帰を実際に見つつ、五年ぐらいまでは何としても延ばしたい、療養なり何なりができるように延ばしたい、こういう御意見もございました。その点が一番大きな問題であると考えましたので、基準局がかって考えられたような、けい肺については基準法の適用を三年から五年に延べる、こういう点を労働基準法の一部改正法として一緒に出しておったのでございますが、私どもの考えとしては、三年を五年にして、そうしてその後にもその前にも予防あるいは配置転換等もございますけれども、打ち切るという問題、その他あるいは年金の問題についても、それは五年の後でよろしい、こういう案を立てたのでございます。その点は一つ御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/34
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035・松岡平市
○松岡平市君 吉田委員の御説明については私も了承しております。法案がいろいろと途中で変ってきておりますので、必ずしもそのことの当否を言っておるわけではございません、しかし、少くともこの厚生年金保険法による障害年金というものは、すでに事業場から去った——三年間療養したが療養が、十分でない。従ってこれは障害年金をやるのだ、こういう性質のもの、だろうと思う。これの多寡等ではございません。ところが今度はちゃんと一応その形式についていろいろ議論がありまするが、少くとも三年の療養期間に二年を追加されておる。そうしてその二年の間は、前の三年と同じように休業給付もやる、それから療養給付もやる、三年の引き続きだ、実体は……。休業給付をやっておるのに、それと同時にやめたときと同じような障害年金というものをやる。これはたとえて申しますれば、役人が休職になっておって、給料は休職中は三分の一だと思いますが、そういうくらいしかやっていない。同時に恩給もやる、こういう思想と私は同じだと思う。ともかくけい肺病患者を厚く保護するということについては同意見、いささかの異議はございませんが、こうした、今言うように、なお職場にあるがごとく取り扱うものと、職場になくなったから、年金法でやるというこの二つのものを同時に支給するという思想について、政府原案においても、あるいは衆議院の修正案においても何ら修正されておらぬ。委員会においても論議をされたけれども、政府の説明を納得されたということでありますけれど、私たちの納得し得るように、その両者をやる、今よりもけい肺病患者を手厚く保護したいということであるならば、たとえば政府提案の二年を三年にしたらよかろう、五年にしたらよかろう、そうしてその間は厚生年金をやらないということで、手厚くやるということのためにこのまるで性質の違うものを、年金を休業給付と同時に支給するということで手厚くするということの答弁をされるのは納得できない。われわれはふに落ちない。手厚くするならば、年限を延ばしたらよろしい。年限を延ばす。あるいは休業給付に適当なものを……ここで厚生年金保険法を適用するということを同時にやって、手厚さの言いわけをなさる必要は毛頭ありません。一つそれが一番いい方法で、その年限を延ばすということよりも、何とか手厚い方法を講じたい、これが一番正しいのだということを、衆議院の委員会なりあるいはほかの審議会において委員を納得させたという形において、政府において私どもの頭の悪い者を納得さしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/35
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036・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) 納得してもらえるかどうかわかりませんが、私の考え方を申しますと、松岡さんのおっしゃるように、厚生年金と新しく二カ年の休業給付を与えるということは、法制的には全く関係のない別個の問題です。厚生年金の方は百分の三を両方で負担しておるとしても、労務者が解雇という現実の事態が、身体障害を受けることによって生じた場合のこれが給付なんです。二カ年間の休業給付と申しますのは、さっきも申しましたように、三カ年間の無過失損害賠償の規定もありますけれども、将来死ぬことだけが既定の事実の患者に対して、人道的な立場から、もう少し何とかめんどうを見てやろうじゃないかという二カ年間の休業給付でありますので、私の考え方としましては、保険というものと休業給付というものは別個な観点に立って判断すべきものである。しかも労働者が第四度症状になりますまでの、普通の常識から申しますというと、労働期間というものは十五年か二十年という大体医者の方の考え方でありますが、かりに二十年間保険をかけておるとしますと、保険料の金額が十万円近い額になっておるだろうと思います。これが二カ年後において、それから先はもちろんもらえますけれども、休業給付を、これをやるまでの間を二カ年間に概算しますと、十二万円程度になると思いますが、もらえないという事態を発生しますことは、この法律を作った目的と申しますか、趣旨と申しますか、それによりましても、すぐそれまでも減らしてやることはないであろう。むしろ減らすとするならば、年金の方をやっても、二カ年間というのは、金額的にこれを判断して二カ年ということをきめましたならば、むしろ休業給付の方のパーセントを下げる方が妥当性があるのではないか。私の個人の考え方でありますけれども、考え方といたしまして、松岡さんのおっしゃることも法理論的にはりっぱな筋道立った理論と思いますけれども、必ずしも二つ合わせて給付することが悪いことだというふうには私は現在でもなお考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/36
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037・松岡平市
○松岡平市君 いい悪いということは、これはいろいろ意見の分れるところでありますが、今労働大臣も言われたように、もし今よりも保険金を支給するというか、これならばそれでけっこう。それならば今のように休業給付を支給せぬ、こう言わておる。手厚く保護するということならば、何も二カ年間に限る必要もない。二年でも三年でも幾ら手厚く保護されても——ましていわんやこれは全額国庫負担すべきものであるという労働大臣の御所見でもありますものですから、事業主等に何らの影響を及ぼさない事柄である。だから労働大臣が言われるごとく、けい肺病患者に対して手厚く保護をもってやりたいというのならば、十分保護をするという立法をされてもよろしい。しかし少くとも休業給付をやる、それから障害年金も同時にやるということについては、何らか私は政府はどういう説明をされるかしらんけれども、性質が違うものたから同時にやってもよろしいと、私は性質が違うものだから同時にやってはいけないのだと、どちらかをやるべきものだ。何もけい肺病患者の待遇を悪くしろということではない。少くともこの厚生年金保険法の趣旨からいたしましても、これはほかのところでも六年間やらないということはちゃんと規定されてある、特別な場合には。それでこういうようなものに私は、けい肺病を二年間療養給付あるいは休業給付を麺長ずるということになれば、当然その保険金という問題にはまだ早い。そしてこう思う私の見解がどう違うか。多分これは水かけ論、あなたは両方性質の違うものだから同時にやっても差しつかえないもだと、こうおっしゃるし、私はけい肺病患者を保護するならば保護する方法は幾らでもほかにある。こういうやめたならばよろしいという——なるほどやめたことになっている。しかしやめなかったかのごとく破り扱う。二年を三年、五年の取扱い、事実上そうです。それを立法する。やめざるがごとく取扱いをする間は、やめたときに起る保険の問題というものはまた起すべきものではない。起さなければまたけい肺病患者の措置が十分でないということならば、別な方法で私はやはり保護される方が、立法のいろいろな建前の上から正しいのだ、私はこういう見解を持っております。どうしても私の見解が間違いであったということになれば、私はここで労働大臣と水かけ論をしてもしようがありませんが、この機会に厚生年金保険法の所管をしております厚生省の担当政府委員にこの点について、今のように休養給付を片一方にやる期間においても厚生年金保険法による年金をやるということは、それらの方は別段差しつかえないとお考えになるものか、それともそういうものは同時に二つ、タブってやるということは穏やかではない。別な方法で手厚く保護する方が正しいとお考えになるか。厚生年金保険法の立場から一応御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/37
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038・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) ただいまの質疑応答の中に私が入りますのはいかがと思いますが、大体私どもといたしましては、けい肺法が政府提案で提案されることになりました当時から、ただいま労働大臣から御説明がございましたように、けい肺および外傷性脊髄障害という特殊な疾病でありまするがゆえに、特別な考え方をいたすこともやむを得ないのではないかという考え方で今日まで参っておる次第でございます。
ただ一般的に申し上げますならば、確かに松岡先生御承知の通りに休業給付というものと障害年金というものとは、私どもは何らかそこの間に調整をしてしかるべきものではないかというように考えておるものでございます。何分にも、御案内のように厚生年金保険法に基きます障害年金というものが、現在の制度のもとにおきましては、給付の額がきわめて低額でございまして、実は昨年国会におきまして御審議をいただきました際にも、最低生活さえこれでは維持できないのではないかというような御注意があり、御批判があったような次第でございます。同時にまた労働者災害補償保険法でございますとか、あるいはただいま話題になっておりまするこういう種類の一種の生活保障的な給付というもの、あるいはこれらのものにつきましては、生活保障のみならず一種の損害賠償的な、慰謝料的なものも含んでおるという性格の七のであると思いますので、私どもは実は当時からこれらの問題の相互の関係につきましては、二者択一と申しまするよりも、その間に何らかの調整を考えてしかるべきものではないかということを実は当時から考え、また今日でも研究をいたしておるような次第でございます。これはしかしながら一般論でございまして、今日の厚生年金保険法でとっておりまする方針すなわち労働者災害補償保険法による災害補償のありまする場合に六年間年金の給付を停止するということも一つの問題をまだかもしておると思っておるのでございます。と申しまするのは、海上の労働者でございます船員につきましては、船員保険法では御案内の通り全然別個の扱いをいたしております。職務上の傷病と職務外の傷病に対します給付が陸上の労働者とは違った扱いをしております実例が現在並行してございますような関係でございまして、ただいま松岡先生御指摘のような問題につきましては、こうした一般的な立場からもっと検討をいたすべき部分があるということは気がついておるのでございます。よけいなことを申し上げて恐縮でございましたが、少くとも具体的なこの問題につきましては、先ほど労働大臣が申し上げたような考え方で、私どもとしては特別なものとして考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/38
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039・田村文吉
○田村文吉君 先刻労働大臣が自分個人の考えでは全額国庫負担にしてもしかるべきものであるというようなことをお話しになったようでありますが、私はこの国会の議場で西田さん個人の御意見を伺っても仕方がないので、労働大臣としての御意見になるわけであります。でございますから、政府が提案した限りにおいては、三分の一が正当なりと考えて政府は提案したということ一本でよろしいので、それ以上に西田さん個人の御意見をお加えになることは、非常にわれわれの法案審議の上に混乱を来たす。この点は私はっきりとしていただきたいのですが、西田さんの個人の御意見ならばこうした席ではお述べいただかない方が私はよろしいと思うのであります。ことにこの問題は、いただいた資料で諸外国の例を見ますというと、外国では企業者が多く負担しているのであります。でありますから、西田さんが、国家が全額補償するがいいということは、個人的にお考えになってもよろしいのでありますけれども、すでに法案として御提出になるころにさようなお考えをお持ちいただくということは、法案審議上非常に困る、かように考えますので、あえて西田大臣の御所信を伺いたい。
その次に、三分の一を二分の一にされたことによりまして予算がどのくらい違うことになりますが、その点をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/39
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040・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。別に私求められないものを私個人の意見として申し上げたわけでありませんで、松岡さんから、お前はこういうことを言ったこともあるがどうかというお尋ねがありましたので、そのときはそう申しましたけれども、法律案が三分の一の政府の負担で通りました以上、私ども一の考えは三分の一で通すということになっておりますと、こう御答弁申し上げたのでありますから、その点御了承を願います。
それから二分の一になることによって経費の負担が幾らふえるかということについては、事務局の方からお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/40
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041・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) 三分の一が二分の一になりましたための増額予算は、本年度分としては千四百万円であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/41
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042・田村文吉
○田村文吉君 平年度ではどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/42
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043・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) 約三千万円くらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/43
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044・相馬助治
○相馬助治君 先ほど松岡委員の質問に答えて、厚生省から答弁があったのですが、そのとき船員に関しては全然別のケースによるという意味のお話がございましたが、本法審議の過程において、私自身も気づいておることですが、けい肺はともかくとして、外傷性脊髄障害は海上労働者である船員にも発生するというふうに考えられるわけで、私はなぜ船員を本法の適用から除外したかということに関しては、いずれ運輸省並びに労働省に尋ねたいと思いますが、厚生省にこの際伺っておきたいことは、厚生省の立場からして、船員を本法の適用から除外しておるということは妥当であるとお考えになるかどうか、この点一つ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/44
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045・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 前段お話がございましたが、私が先ほど船員につきましては特別な扱いがあると申し上げましたのは、職務上の傷病に対する災害補償と、一般の職務外の傷病に対しまする保険の給付との間に、陸上労働者との扱いが違っておるという意味で申し上げたのであります。
ただいまの質問の点は、御指摘の通り、海上労働者につきましても外傷性脊髄障害が起る可能性もございますし、現に障害年金の受給をいたしております三百四十名の船員の中二名、大体記録によりますと、本法の外傷性脊髄障害に該当すると考えられる者がございます。従いましてこの点につきましては、私どもの立場からも、何らかの措置を講ずべきであると考えておるのでございます。衆議院の社会労働委員会におきましても、その意味の付帯決議がつけられておりまして、付帯決議の趣旨に沿いまして、ただいま船員労働の方策を扱っております運輸省との間で協議をしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/45
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046・相馬助治
○相馬助治君 ただいま厚生省のお答えをいただいたのですが、この問題に関して運輸省の船員局長に私は三、四点尋ねておきたい。俗にいうけい肺というものに関してはともかくとして、外傷性脊髄障害というのは、海上労働に従事する船員に発生するというふうに考えられるのですが、あなたの手元にある資料によると、最近の発生件数はどのくらいになっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/46
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047・安西正道
○政府委員(安西正道君) その点につきましては、実施面を厚生省で担当いたしておりますので、厚生省で調べております。厚生省からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/47
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048・相馬助治
○相馬助治君 今厚生省の答弁の中に、これに該当する者が二百名あるという意味のことがございましたので、厚生省の方の答弁は私わかっているわですが、まあそれはそれとして、本法が政府提案で出ておりますので、本法が提案されるまでには「おそらく厚生省、運輸省、労働省、いずれも連絡があったものと考えるのですが、本法の適用から船員を除外しているということについては、船員局長としては妥当であると考えますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/48
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049・安西正道
○政府委員(安西正道君) このけい肺法案につきましては、労働省からも御連絡がございまして、運輸省といたしましては関係各省と協議を進めております一方に労使の意見も相当ございまして、船員地方労働委員会の委員を作ってもらいました。そこで労使の意見も聞いたわけであります。そこでただいま御指摘になりましたように、けい肺については船員は関係がないけれども、外傷については関係がある、従って当然本法案の中に船員を含めていただきたいというような労使の答申がございまして、それに基きまして関係各省間で協議をいたしております。ただ現在におきましては、その外傷に当ります船員が、直ちに本法案の保護を受ける必要がある船員というものがございません。あれは船員保険で三年カバーいたしまして、その後から本法案の保護を受ける段階になりますので、そういったような該当の船員がございませんので、関係各省間で相談いたしまして、次の国会までに船員を含めるという意味の修正を出していただく、そういうような打ち合せをただいま行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/49
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050・相馬助治
○相馬助治君 これは実に奇怪なことを聞くので、現に本法が成立しても、する見込みがあるからそのときは法律を修正するのだと、こういうことを私は政府から聞いたというのは初めてですが、将来そういう患者が発生して本法で救済しなくちゃならないことが予想されるならば当然入れるべきであって、これは何かの間違いではないのですか。そして労働大臣はさようなことは承知しておいでですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/50
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051・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) 労働省といたしまして、この法案を作成する過程におきまして運輸省、厚生省でその問題を協議したのであります。船員につきましても、あるいは考え方として外傷性脊髄障害につきましては、この法案の中へ入れて扱ったらという考え方もあり得るようでありますが、御承知のように、この法案におきまする措置は労災保険と表裏した扱いになっております。船員につきましては法体系が異なりますので、船員法あるいは船員保険法の法体系のうちにおいて処理せられたい、こういうことだったのであります。そこでその間におきまして、運輸省と厚生省との間において措置するべく善処されるということで私ども了承しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/51
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052・相馬助治
○相馬助治君 一応今の答弁で了解はいたしました。私も最初からわかっているので、船員法であるとか船員保険法という別個の法律によって船員が律せられている、これは万々承知の上なんです。ただいまの船員局長の答弁はふに落ちないので、その点をお尋ねしたのですが、結論的にいえば、法体系の違う船員でありまるすけれども、政府自体の責任においてこれを救済するわけです。そこで船員局長にもう一回聞きますが、船員法、船員保険法という別の組み立てをなしておる法律と、この今審議しておりまする法律とはどのような関係があるとお考えですか。そして本法が成立したら、これに見合って船員に関しても何らかの法措置をやろうとする御意思をお持ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/52
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053・安西正道
○政府委員(安西正道君) ただいまお話のありましたように、船員と一般労働者の場合と法体系は異なっておりますが、しかし実質的には均衡をとって参らなければならない、そういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/53
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054・相馬助治
○相馬助治君 その均衡をとっていかなければならないということはわかりました、どういうふうに均衡をおとりになりますかと私は尋ねているんです。なぜこれを尋ねるかといいますと、衆議院は本法の修正可決に際して、船員法適用の労働者に対しても本法の趣旨に沿うよう措置すべき旨の付帯決議を行なっております。ただいま労働省からのお話、それから先ほど厚生省のお話を聞いても、これは各省間で連絡会議等を持ってこの衆議院の付帯決議が期待しているような結果を生むように適当な措置をする用意があるやの発言があるのです。そこで私は船員局長に聞くのは、政府はどのような措置をとろうとするのか、具体的にこれを示していただきたい、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/54
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055・安西正道
○政府委員(安西正道君) その点につきましては、衆議院の付帯決議案もございますし、また付帯決議に基きまし当な方法を何らか講じたいというので、関係各省で協議中でございます。その方法といたしましては、けい肺法にそういったような準用規定を入れていただくか、あるいは船員法を改正するか、保険法にそれを組み込むかという点について、三省間で協議中でございます。次の国会までにはぜひ出したい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/55
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056・相馬助治
○相馬助治君 先ほど労働省の局長の話で明らかでありますように、この外傷性脊髄障害者の船員に対しては本法がねらうところの趣旨によって救済しなければならない、その点はわかっておる。しかし注体系が別なので、別途これは考えたいと、こういうお話です。これはまことに筋が通っておる。そこで私が聞いているのは、そのことはわかったから、それじゃ別途考えるということはどう考えるのだ、それを具体的に示せと、こういうふうに私はお尋ね申したわけです。ところが船員局長は、その中の一つとしては、本法の一部を修正して、そうして救うのだという意味のことを言っておる。実にこれは奇怪であって、政府が提案してわれわれに本法を審議させておる。そうしてまだ本院において成立もしないうちから、これは都合によってはもう一条くらい書き込んで修正するのだ、これは実におかしいと思う。話の筋からいって私はおかしいと思う。だから問題は、政府の私は決意を聞けばいいのです。要するにその精神にのっとって、将来船員についても必ず救済するつもりだ、こういう決意があるかどうかということを私は尋ねているのできましては、ぜひ船員も本法と均衡をとるような措置を講ずる決心でございますから、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/56
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057・阿具根登
○阿具根登君 ちょっと関連して。先ほどの松岡委員の問題に関連してお尋ねしますが、保険局長にお尋ねします。先ほど労働大臣の答弁では、厚生年金の問題も十分審議会においても、あるいは衆議院においても論じられて、その厚生年金法を認めた上においても、これだけのことをしてやらねばできない、こういうことを仰せられたと思まいす。私もこういう問題を論ずる場合には、かりに厚生年金をもらえば二重になるというような議論があるならば、厚生年金をいじるのでなくて、本法律案をいじるべきであると思うのでございますが、先ほどの保険局長の話では、何か一線を引くようなことを言われたと思うのでありますが、保険法の精神として、保険を結んだ場合には各個人が約束の金を年々支払っておる。そのものをほかの救護策が出たからといって、これを削るとか、あるいは引き延ばすとか、そういうことが保険の精神からできるかどうか。これを何十年とかけて——約束して各個人はかけておるのでございます。そういうものを十分検討した上、こういう厚生年金保険はあるけれども、非常に苦しい、ときに死ななければならないようなこういう病人のためにといって作られた法案であると私は思うのでございますが、こういう場合に、保険法の精神からいって、保険法を云々するということが考えられるかどうか。当か不当であるかという問題について保険局長の見解をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/57
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058・久下勝次
○政府委員(久下勝次君) 先ほど松岡先生の御質問に対して少し余分のことを申し上げました。私が申し上げましたのは、実質的な障害年金に匹敵すると解せられるような場合に、一般的には何か調整の方法を考えた方がいいのではないかということが話題に上ったことがございました。また現に考えつつございまする点もありまするので、そういう意味のことを御説明をいたした次第でございます。このけい肺でございまするとか、あるいは外傷性脊髄損傷につきましては、先ほど繰り返して申し上げましたように、こういう特別な扱いをいたして差しつかえないものと考えております。現に現在の厚生年金保険法の建前といたしましては、確かにこういうような特別な問題が起るといなとにかかわりませず、一般的な統計基礎に基き、数理的な基礎に基きまして、保険料も計算をし、将来の数理計算もいたしておる次第でございます。従いましておそらくこういう本法に該当いたしまするような場合を長い期間の数理計算の上に現わしてみましても、保険料率の上に大きく響くようなことにはならないと思いまするけれども、しかしながら理論的に申し上げるならば、こういうような種類のものを起るべきことを予想をして数理計算はいたしておらないのが、現在の厚生年金保険法の建前でございます。従いまして御指摘のように二軍に給付をいたしましても、厚生年金保険法の数理上の計算からは問題はないと考えておる次第でございます。ただ一般的に私がくどく申し上げましたのは、労働者災害補償保険法あるいは国家公務員の職務上の災害補償については、すでに前から一定の期間厚生年金保険の給付をしないという規定がございまして、その前提の上に立って、しかも相当件数もございまするので、こういう問題は厚生年金保険法を組み立てまする上には、一応数理計算の基礎の上に乗せまして計算をいたしております。その問題とこの問題とはやはり若干さような関係から事情も違うというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/58
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059・松岡平市
○松岡平市君 私もあまりくどくど聞きませんが、二点だけお聞きしたい。けい肺病患者に対する労働大臣の保護の意思が非常に厚いようでありますが、先ほど田村委員も御質問になりましたが、私はまああまりここでしつこくは言いませんが、先ほど政治力が足りなくて全額国庫負担にならなかったのだということですが、もし参議院のこの委員会で全額国庫負担ということをわれわれが希望するならば、労働大臣は個人としても、政府としてもこれに同意されるかどうか。全額国庫負担に同意されるかどうか。こういうことを一つまずお聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/59
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060・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) さっき田村さんの御質問に対してお答えしましたように、法律案を提案しました以上、政府としては予算措置は三分の一の国庫負担しかとっておりません。従って衆議院の方で修正されました二分の一の国庫負担になりまして、これをどういうふうにするかという問題だけでも大へんな問題でございまして、参議院の委員会で御修正なさるのは、それは委員会の権限でございますが、政府としましては、予算措置をすることに対しては困難でございますので、今直ちに賛成はいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/60
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061・松岡平市
○松岡平市君 そうすると先ほど田村委員が言われたように、労働大臣が全額国庫負担というような御思想は、ただあなたの個人的な思想であって、ただけい肺病患者等に対するあなたの一つのゼスチュアとしか考えられない。あなたが言われるごとく、所管大臣が個人的に意思を、ともかくそういうふうなことを強く熱望しておられることがほんとうであるならば、これはむしろ働きかけてそういうふうにあらゆる御努力をなさるべきはずだと思う。それを今度はどっちか一つやっていただかなくては困ると思う。自分は個人としてはそれを希望するのだ、しかし大臣としては政府の、内閣の一員としては希望しないのだということになれば、あなたの御態度を私たちは一体どちらが正しいか、こういうことの判定に苦しむわけです。それでそこのところをはっきりしていただいて、それで大臣のお答え次第によっては、私は一委員としていろいろこの法案について考えなければならぬと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/61
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062・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。労働大臣としましても、この法律案が国会に提案されるに至りまする過程においては、全額国庫負担としてずいぶん私としては骨を折ったつもりでおりますが、法律案を提案されることが内閣で決定しました場合においては、これは政府の一員として政府が出しておりまする法律案に従うよりほかに方法がございません。従って私が全額国庫負担と申しておりますのは、この法律が通りましてもなお全額国庫負担を主張しておるのじゃございません。法律案が決定いたしまするまでの過程において、全額国庫負担ということで大蔵省と折衝したということでございます。従って一たんこの法律案が決定して内閣がこの法律案を国会に提案しました以上、この法律案に盛られております内容が政府の見解でございますので、私も閣僚の一員として末席をけがしている以上、政府の見解に従って皆さんの御協賛をお願いするほかに方法はないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/62
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063・松岡平市
○松岡平市君 まあそういうことだろうと私は思うのでございますが、そうしますというと、先ほど私が念のためにお尋ねをした、この後機会あるごとに労働大臣としては全額国庫負担に向って御努力されるかと伺ったら、その通りだとおっしゃった。私は全額国庫負担に向って御努力される絶好のチャンスだろうと思う。ここで参議院において衆議院の修正案を修正して、全額国庫負担をするということをきめれば、私は大臣としてそれはむしろ希望されなければならぬことだと思う。そこは果してどうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/63
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064・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) 予算がすでに衆参両院を通過してしまった現在、予算の補正をしなければできない問題でございます。そういう事態になりまして、政府でこういうことを決定いたしました以上、この次の予算の編成に当りましては、私が労働大臣としての席を持っております限り、やはり全額国庫負担の方向に努力するということは間違いございませんが、現在におきましては、これは修正されても予算措置の講じようがございませんので、その点は一つ御修正にならないで、このまま、衆議院の案のままお通しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/64
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065・松岡平市
○松岡平市君 予算修正、予算をどうするかということにつきましては、またわれわれが修正する以上、われわれの主責任においていかようとも考えます。それができない、担当大臣として、政府の一員としてそれができないのだということを御承知の上で、この公けの委員会において、少くとも個人として、全額国庫負担を強く希望する、将来においても機会があれば直ちに全額国庫負担にするように努力すると言われる大臣の御発言はいささか穏当でない。あなたがこういうものにきわめて熱意をお示しになるのはけっこうだ。しかし、少くともこの委員会においての御発言については相当責任をお持ちにならなければならぬことだと思う。それを、今あなたがここでおっしゃっておられるごとく、熱意を持っておられるならば、信任をかけてまでも労働大臣として全額国庫負担に向って主張すべきだ。さらに、あとで一つ質問いたしますが、もっとけい肺病患者の保護に向ってあなたの地位をかけてまでも御努力にならなければならぬはずだと思う。その努力はされず、内閣の一員としてはとの程度でとどまる しかし自分はこういうふうに強く希望しておるのだということは、少くとも政府の責任ある大臣の御答弁の態度としては私は承服しかねる。あなたがほんとうにそれを正しいと思うならば、断々固として、労働大臣としての責任においても、個人的意見だということに隠れず、あなたの所信を述べていただきたい。それが、そうでない。少くとも自分は労働大臣だ、一西田ではないのだというお立場を固執されるならば、労働大臣の責任において原案を支持する、あるいは非常に残念であったけれども、衆議院の修正に同意したが、それより以上は同意できない、こういうことを私はこの委員会で責任ある御答弁をしていただきたいと思う。その点において労働大臣の御態度が——、ほんとうの労働大臣、ひいては労働省の態度が、この法案に対してのほんとうの意思が、那辺にあるのかということを今もって私は現実につかむことができない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/65
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066・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。私の考え方が間違っておるかもわかりませんが、閣僚の一員として一つの考え方を持っておって悪いということは私はないと思います。従って、私はさっきから申しますように、全額国庫負担すべきものであるという主張をいたしました。しかしながら閣議の決定においては三分の一国庫負担ということで決定をいたしました。決定をいたしました以上、これは閣僚としてそれに従わざるを得ません。しかしながら、一応決定をしたとば申しますものの、今後の問題につきましては、私が最初から考えておったことが間違いではないといたしますならば、それに対して努力をするということを申し上げることは、別に信義を裏切ることでもないし、私がうそを言ったことにもならないと考えますが、それが松岡さんのお考え方では、そういうことは閣僚の一員として無責任きわまる発言だから、そういうことはよした方がよいという御発言でございますが、そういうことが正しいといたしますならば、私は松岡さんの御意見に従うことにいささかもやぶさかではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/66
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067・松岡平市
○松岡平市君 私は不都合だと言っていません。労働大臣がそうおっしゃるならば、われわれも一つ考え直して、労働大臣の考え方というものに対してあらためてここで考え直さなくてはなりません、この法案の審議の過程において。かように考えておりますので、労働大臣の確固たる御所信のほどをお尋ねしておるだけでございます。この問題についてはこれ以上あなたとやりとりはいたしませんが、第二点としてもう一つ質問いたしました厚生年金保険法と休業給付との二重給付ということについて、あなたの意見と私の意見が相違いたしております。この間には保険局長の意見等も出て参りましたが、万一この委員会が、この障害年金と休業給付を二重に同時に支給することが妥当でないというふうに考えたとかりに想定いたしました場合には、労働大臣は、先ほど来こういう二重の給付をもあえてしなければならないほどの保護をしてやりたい、こういう御意思の御発表でございましたが、もし二重給付はいけないという場合には、そのいけなくなった部分については、この法案についてはどういうふうに、かってあなたの初志であるけい肺病患者の手厚い保護をすればいいとお考えになるか、念のためお聞きかせしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/67
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068・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。ただいまの段階におきましては、どういうふうなことをしたらいいかということはまだ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/68
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069・松岡平市
○松岡平市君 私が先ほど来申し上げておるのは、あなたのおっしゅるように、けい肺病患者の手厚い保護ということを言われるならば、何も年金と休業給付等をダブらせる必要はないじゃないか、むしろ休業給付等のこの二年間という政府の考えておる給付を三年なり四年なり五年なり延ばすということをやったらいいじゃないか、それでも私たちは年金と休業給付とタブるよりまだいいのだ、筋が通るのだと私は申し上げるのだが、万一両方やろうという場合には、この二年間という制限はどういう結論になるかしらんけれども、適当に延ばすというようなことについては御同意になるかどうかということをお聞しきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/69
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070・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) 松岡さんのおっしゃっておることはどういう意味かよく私には受け取れませんが、私の考え方では、厚生年金保険と申しますのは、これは一般的なものを考えて年金制度が作られておるのでございまして、ただいま審議を願っておりまするこの法律案は、一般的な基礎の上に立って特別な待遇をしてやろうというねらいの法律案でございますので、どうもダブるということは私にはその考え方がはっきりしないのでございます。従って、今松岡さんのおっしゃったように、もしそれを除くということになったら、二年の給付をすることになっているのをどうするかという御質問かと考えますが、今日初めてこの質疑に当りましてそういう御意見を伺ったので、私としては、現段階においてはどうしたらいいのか、よく研究して何とか結論を生まざるを得ないと思いますけれども、現在の段階では何とも考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/70
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071・松岡平市
○松岡平市君 おわかりにならぬのはおかしいと思う。初め吉田法晴君などが出された法案のごとく、今までの労働基準法による三年を五年に延ばすという場合にも、あなたは少くともあとの二年間には厚生年金法による障害年金をおやりになることは正しいとお考えになるということでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/71
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072・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えいたします。社会党で出されておりました案は、労働基準法の無過失損害賠償の三年間を五年に読みかえるということであったように私は承知いたしております。従って、私は労働基準法の三カ年間の無過失損害賠償という年限を引き延ばそうという考え方は持っておりません。これはこの法律案の中にも書いてありますように、きわめて人道主義の立場に立っておるのでありまして、労働基準法の三カ年の無過失損害賠償は別に何らかの措置をとってやろう、それも二カ年という期限を切ってこの法律案をかようにいたしまして、決して社会党から出されております案のように、労働基準法の三年を五年に読みかえるというような考えは持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/72
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073・松岡平市
○松岡平市君 社会党から出た法案とこの法案は違うということはよく承知いたしております。しかしながら、万一あなたの言われる手厚い保護をするという立場にお立ちになるならば、社会党から現在三年のものを五年に延ばすという法案が出ておりましても、あなたは、その際には二年が三年でも、五年にさかのぼってもよろしい、あなたのおっしゃるごとくんば、一番初めから、この厚生年金保険法による障害年金をやるということが正しいということになってくると、あなたの言うように、これはやるにこしたことはないじゃないか、手厚い保護をやるという御趣旨ならば、どういうことでもかまわぬ、やれるものは何でもやれ、五年間に延ばしたなら、五年のうち、少くともあなたの議論でいえば、あとの二年間だけは保険金でやれという御議論が成り立たなければならないと思う。なるほど、一応社会党案と違った案、別のものを重ねるという案に変りましたけれども、実質的にはちっとも違っておりません、二年間に関する限りは。前の三年と同じように年金も何もやるということになっておる。休業給付も何もやることになっておる。その際に、今言うように、やるならば、やってよろしい、しかしながら厚生年金保険法によるその発動は、これは無理じゃないかと申し上げておる。無理じゃない、なぜかというと手厚く保護するのには、やったってちっともかまわぬとこうおっしゃる。あなたの思想をもってすれば、その三年で打ち切らずに、五年の社会党案のように延ばしても、あなたの思想からいえば、二年間は保険金をやる、もっと進んであなたの議論でいえば、五年間も保険だけはやれ、こういう議論に飛躍してもちっとも私は不思議はないと思う。手厚く保護するためには、法体系が何であろうとも、今言う、やめた場合に保険金をやるという規定を無視しようとも何しようともかまわない、こういうことに私なると思う。その辺のところは少しおかしいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/73
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074・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) お答えします。手厚く保護するということは、決して無制限を意味しておりません。従って厚生年金保険法と申しますのは、現在法的な効力を発生しておる法律でございます。この法律はまだ通ったあとでないと発生いたしませんので、現在発生しております権利義務の関係を特別な待遇をしてやろうという考え方に基いて出しておりまする法律で、その権利を削除するという考え方には、私自身としては、この法律案を出すときにはどうしてもなれませんし、さっきも厚生省も答弁しておりますように、審議会その他におきましても一応御了承得ましたので、この法律案の内容で提案をして御審議を願っておるのでございまして、決して松岡先生のおっしゃるように、手厚く保護するから、お前の言うことは五年も十年も前に遡及してやるということじゃないかというお話は、少し私の考えとは違っているのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/74
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075・松岡平市
○松岡平市君 私は極端な例をあげたようですけれども、厚生年金保険法によるこの障害年金給付というものは、少くとも三年間は、前の三年間だけやならないわけです。やめていないから、もちろん。で今度のやつは、私はその一番初め、もし社会党のような案で、三年を五年に延長するということになれば、その間は厚生年金保険はやらぬ、こういうことは、これは社会党の原案にも出ておると私は思うのです。ところがそういうことはしなくなった、三年で一応打ち切ってあと二年は加えることにした、加えても実際はちっとも違わない。今言うように休業給付もやる、こういうことなんで、実際は違わないのだ、そうすれば先ほどもおっしゃったように、休業給付を幾らか減らすとか、あるいはともかく障害年金を何とかある部分停止するとか、そういう法的措置は同時に考えなければいけないのじゃないかということを申し上げているのです。それをあなたは、いや、そういうことは必要ない。何となれば手厚い保護をするためにそういうふうなことを考えなくともいいとおっしゃる、そこのところなんです。私とあなたの意見の違いは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/75
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076・西田隆男
○国務大臣(西田隆男君) 私はそうする必要がないというお答えはした覚えはございません。現在の法的措置その他の上にこれを積み上げたんだと、こう申し上げておるんです。厚生年金保険法をとることが悪いという考え方は持っておりません。持っておりませんで、考え方の基本は、現在ある条件の上にこの法律案の内容を積み上げていったんだと、かように申しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/76
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077・相馬助治
○相馬助治君 議事進行について。松岡委員にしても、また答えていられる労働大臣にしても、気の毒な職業病であるけい肺患者のためによかれかしという角度から質疑が行われ、議論が行われていると思う。松岡委員にしても前半に労働大臣が個人的な見解として言うたことをたしなめておられるのですから、そこにあまりとらわれずに、一つこの問題はその程度で両者の意志がわかったれば一つ打ち切っていただいて、議事を進められるように、松岡さんには失礼ですけれども、特段にお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/77
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078・松岡平市
○松岡平市君 了承いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/78
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079・田村文吉
○田村文吉君 今の問題何か答弁が必要になっておるのでございましょうか。そうでなければ、私は別に質問したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/79
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080・小林英三
○委員長(小林英三君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/80
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081・田村文吉
○田村文吉君 それではちょっと伺いますが、えらい大きな問題について大へん討論が戦わされたようでありますが、私はきわめてこまかい問題についてちょっと伺いたいのでありますが、それは第二十五条の追徴金ですね、追徴金の百分の十という計算が出ておりますが、これは何ですか、ほかにも同じような法令——前例がありますのでございますか、どうなんです。それからちょっと意味がわかりませんが、この意味はどういう意味か聞かして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/81
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082・富樫總一
○政府委員(富樫総一君) これは労災保険の保険料の場合と平仄を合わしてかようになっておるわけです。追徴金を取るというのは、この納めるべき申告をすべきときに、この保険料を納めたくないというので納めなかった)それから元来一万円納めるべきものを五千円しか申告しなかった、そういうような場合のいわば懲戒罰的意味を持ったものです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/82
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083・田村文吉
○田村文吉君 それから二十八条の延滞金ですが、延滞金がほかの法律は、大体健康保険でも失業保険でも日歩八銭となっておりますが、これだけは日歩六銭になっているのは何か意味があってお変えになったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/83
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084・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 本国会を契機といたしまして、関係の方も全部日歩六銭に改めるというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/84
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085・田村文吉
○田村文吉君 そうしますと、この種のものは全部日歩六銭にお直しになることになっているんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/85
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086・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) さよう承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/86
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087・吉田法晴
○吉田法晴君 ほかにございませんければ、一つ政府に念のためちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、実際に今までけい肺と診断され、あるいはけい肺病院等に入りました場合に、従来は三年でしたか、それがどのくらいの、何と申しますか、治療期間を要しておるのか。けい肺病院で聞きましたところによれば、三年たってあるいは自動車あるいは汽車等で往復を繰り返しておる、ところがそれが実際の機会になって転帰を見たりするということを聞いておるのですが、統計その他で見まして、この実際の療養期間と申しますか、あるいは転帰を見ます期間がどういうことになっておりますか。それからいろいろ論議をいたします場合に、従来の三年の期間と、それから今度の政府案によります場合と、取扱いはどういう工合になっておるか。その中に、まあ法にはございませんが、けい肺病については、それぞれ協定が実際にあった例が多うございますが、それらのものも含めてですね、実際に三年と、それから従来の基準法による三年の取扱い、それから政府案によりますその後の違いというものは、実際にどういう工合になるか、この二点だけお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/87
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088・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) けい肺第四症度の者が、一体この療養を始めてからどの程度の年限で転帰を見るかということでございますが、従来は三年で公的な扱いは打ち切られておりまするので、その後の推移については完全な治療が率直に申し上げて現在できておりませんが、たとえばけい肺専門の病院でありまする鬼怒川病院の大西院長の調査等によりますると、大体五年程度でほぼ転帰が来るということをああいう権威のある方がおっしゃっておりまするので、そういうことではなかろうかというふうに考えております。
それから従来の労災保険法で扱っておった三年間と、今後こういう法律ができたらそれがどういう扱いになるかということでございまするが、従来に比べて今後はこの法律によりまする厳重なる健康診断、それから症状決定の区分などがきまって、これが施行されることになりますれば、従来ややともすれば何かはっきりしなかったような面が一段と明確になり、整備される、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/88
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089・小林英三
○委員長(小林英三君) それじゃ、私から一つ基準局長にお尋ねしますが、別表の第一、第二、いろいろな業種が入っていますが、この業種をここに摘出しましたのはどういうことを基準としてここに摘出したか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/89
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090・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) このけい肺の発生の可能性のある職場というものは、厳重なる学理的観点からいたしますると、御承知のように遊離珪酸粉じんの数、あるいはその粉じんに含まれる遊離けい酸の濃度、あるいはその粒の大きさ小さというようないわゆる粉じんの恕限度の問題になるのでありますが、この恕限度をどこに置くべきであるか。それからその恕限度を実際に個々の作業場について測定するということの技術上の困難というようなこともございまして、本法におきましては、過去の七年間労働省の巡回検診の実績に基いてこういうものが必要であろうというものを実際上の観点からここに取り上げたものでございます。もちろんその間におきまして諸外国の例もできるだけ参照をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/90
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091・小林英三
○委員長(小林英三君) さらにお尋ねしますが、そうするとここに一から十三とか、あるいは別表の第二は一から十二まで列挙してあるのですが、たとえば一つの業種についてもいろいろその現場の業態によって違うと思う。たとえば第一表の八に鋳物というのがあります。これは私の知れる範囲におきましても、全国で五千軒以上の鋳物工場がある。大きなものは千人も二千人も従業員を使っている。私の知れる範囲におきましては、大体鋳物工場というものは中小企業、全国平均従業員が十五人、それですから実際の鋳物の型ごめをしている工員というものはそれの半分以下でありますから、大体十五人とすれば六、七人というのが型ごめの工員、そこでこういうものを鋳物業種とてし一表、二表におあげになったのは、鋳物工場というのは多分けい肺粉じんが立っているに違いないからとりあえずあげておこうというのでおあげになったのか、あるいは何かの基礎に基いておあげになったのか、常識的におあげになったのか、あるいは調査の上でおあげになったのかということをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/91
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092・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 鋳物業におきましては、ただいま仰せの通り相当大規模の鋳物工場は別といたしまして、われわれの方の過去の実績におきましても、中小の鋳物業におきまするけい肺の発生実績はきわめて微々たるものでございます。従いまして、微々たりとはいえども若干出る、ごくわずかでも出るということになりますれば、大事をとって掲記することが必要であるということで一応あげたのでございますが、先ほど申しましたような実際的観的から拾いあげたものでございまするので、一方におきまして個々の作業場の環境、実績等の観点からいたしまして、法施行後これは健康診断なり、また検査などもいたしますが、その過程におきまして、ほんとうにおそれのないものと認定されますものにつきましては、第一表ないし第二表から除外の手続をとりますし、またあるものにつきましては、第一表にはとどめるけれども、第二表からははずすというようなことも十分に考え得ますので、法施行に際しましては、そこら辺につきまして十分に実情に即した措置を講じたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/92
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093・小林英三
○委員長(小林英三君) そうすると、今は鋳物という業態がけい肺粉じんが立つ工場と考えられるから一応これにぶっこんだ、こういうことでありますね。
それからけい肺の分担金を出す場合におきまして、これば金属鉱山を初めとしていろいろの業種から分担金を取られることになるが、その分担金の計算の基礎というのはどういう方法によっておやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/93
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094・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) この分担金の算定は、各産業をこみにいたしまして、発生率の高い産業、低い産業をこみにした一律の分担金を算定するのではございませんで、産業別に金属工業、石炭鉱業、鋳物業というふうに、各産業ごとにそれぞれの料率をきめ、その料率をきめるに際しましては、業におきまする過去の五年間の実績を基礎として料率を算出する、こういうことになっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/94
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095・小林英三
○委員長(小林英三君) さらに承りますと、そういうような計算の実績によって料率のパーセンテージをおきめになるということはわかりましたが、かりにそういう料率をおきめになる基礎として、たとえば鋳物業なら鋳物業、あるいは石屋なら石屋、石膏、いろいろなものがありますが、それらのものを実績をおとりになる基礎というのは主として大企業のみによっておやりになっているのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/95
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096・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 旧来の健康診断を、法律の建前から申しますと今後はまんべんなく健康診断をいたしますので、そういう大企業、小企業ということによって取扱いが二、三になるということはないのでありますが、さしあたり本法施行の当初におきましては、過去の実績なるものが必ずしも十分でございません。そこで法施行の当初におきまする料率は、ただいま申し上げましたやり方を実際上の基礎にはいたしますが、その従来のデータ等を検討いたしまして、要すればその料率に多少の手直しをする必要もあるかと考えまして、これはけい肺審議会に付議してこの料率を決定するということになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/96
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097・小林英三
○委員長(小林英三君) 私が今お伺いしょうといたしましたのは、たとえば鋳物工場なら鋳物工場について、たとえば全国に鋳物工場が五千軒ある。ところが中小企業の今私が申し上げたような鋳物工場に行って、十五人くらいな平均の従業員しかいない中小企業、ところが大企業というのはほんとうの百分の何しか大企業はいない。その料率をきめるときでも、まあ大きいところへ行ってその調査をして、それに基いて大きいところはけい肺病がたくさん出ている、そういうような率から、たとえば鋳物工業なら鋳物工業、あるいはそのほかの業種というものが料率が出されたりするということになりますと、全体的にいえば非常に不公平になると私は考えます。その点を私は心配して今申し上げているわけでありますが、今の局長のおっしゃるように、今後十分そういう方面についてもバランスのとれるような公平な料率をおとりになるということでありますから、これ以上追及いいたしません。なお第二条の第二号ですか、〔粉じん作業別表 第一に掲げる作業をいう。ただし、けい肺を生じるおそれがないと認められる政令で定める作業を除く。」と書いてあるのですね。それからもう一つは第二章第三条の「別表第二に掲げる作業(けい肺を生ずるおそれがないと認められる政令で定める作業を除く、以下同じ。)」と、こういうふうに書いてあるのですが、先ほどからお尋ね申し上げておりますように、第一表と第二表に、大体の常識上こういう業種は多分けい肺が出るだろう、こういう考え方からここへ出ておりまして、将来は修正するというお話でありますが、そこでここにあります第二条の第二、それから第三条の中にありますところの「けい肺を生ずるおそれがないと認められる政令で定める作業を除く。」と書いてある。そうするというと、今私が先ほどからお尋ね申し上げておるように、多分私は、たとえば鋳物業におきましては、中小企業の零細なる開けっぱなしの——密閉していない開放的の鋳物工場ですが、たとえば川口なんかでは五百五十軒もありますけれども、数十年来よろけ病を見たことがない、こういう状態であるのですが、これは「作業を除く」と書いてあるのですがね、そこでたとえば同じ鋳物工場でも大工場がこれに入っている。それからその大工場にはけい肺がいるということになりますと、全国で数千軒ある小さい鋳物工場、こういうものをいつまでも大工場が出るためにこういう業種の中にはまって分担金も負担金も納めなくちゃならぬという状態が起ってくるだろうと思うのですが、そういう問題はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/97
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098・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 先きほどから申し上げましたように、従来の一般的な巡回検診の結果取り上げましたので、個々につきましては、不要にこの表の中に入っている場合も相当ないでもないと考えまして、この例外規定を設けたわけでございます。この例外の扱いといたしましては、たとえばこの作業の中のある作業というて、どこの工場にも、鋳物業なら鋳物業で共通する作業というものについて十分なる検査の結果、除外すべきものがありますれば除外いたしまするが、そうでなくて、同じ作業におきましても大会社は危ないけれども、開放性の小さな小工場は大丈夫だということであれば、当該の作業の場所、当該の何々工場の何々作業というふうに個々別々にもこの認定を下しましてはずし得るようにする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/98
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099・小林英三
○委員長(小林英三君) それではなお局長にお尋ねいたしますが、そういうことはどこがやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/99
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100・富樫總一
○政府委員(富樫總一君) 政令におきまして、一般的な基準をできるだけ詳細に、除外する基準をきめるべく努力しておりまするが、なかなか最後には——それが政令の基準で具体的なものを全部掌握することができませんので、最後には結局地方の労働基準局長が具体的に認定を下すということになる見込みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/100
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101・小林英三
○委員長(小林英三君) 私はもうこの法案の趣旨に対しては決して反対するものじゃないのですが、そういうような該当しないものまでも、こういう事業場までもいつまでもこれに引きずられていかなくちゃならぬということは、つまりそういう問題については十分政府において善処していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/101
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102・榊原亨
○榊原亨君 先ほど来議員の質問に対しまする労働大臣のお答えにつきましては、私ども納得できぬ点が多々あるのでありまして、大臣がさようなお考えのもとにこの法案に対して態度を持っていらっしゃるというようなことにつきましても、私ども十分納得できません。従いましてこの点につきましては、さらに次回において労働大臣のはっきりとした御言明を承わることとし、質疑は次回に延ばして継続していただきたいことをお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/102
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103・小林英三
○委員長(小林英三君) ただいま榊原委員からして、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたして、次回以後にいたしたいという御意見がございますが……。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/103
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104・小林英三
○委員長(小林英三君) 御異議がないものと認めます。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214410X03119550725/104
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