1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月二十四日(火曜日)
午後一時四十五分開会
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出席者は左の通り。
委員長 吉野 信次君
理事
古池 信三君
山川 良一君
三輪 貞治君
委員
上原 正吉君
深水 六郎君
松平 勇雄君
加藤 正人君
上林 忠次君
河野 謙三君
海野 三朗君
上條 愛一君
小松 正雄君
石川 清一君
政府委員
警察庁刑事部長 中川 董治君
文部政務次官 寺本 広作君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
通商産業政務次
官 島村 一郎君
通商産業省重工
業局長 鈴木 義雄君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員 山本友太郎君
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
常任委員会専門
員 桑野 仁君
常任委員会専門
員 内田源兵衛君
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本日の会議に付した案件
○自転車競技法等の臨時特例に関する
法律の一部を改正する法律案(内閣
送付、予備審査)
○参考人の出頭に関する件
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001・吉野信次
○委員長(吉野信次君) それではこれより委員会を開会いたします。
本日はまず自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、これを議題にいたしまして前回に引き続き御質問をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/1
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002・河野謙三
○河野謙三君 一つ事務的なことですが、資料としていただきました自転車競技法運営の概況というのがありますが。この三ページに競輪の経費関係というのが、開催経費一二・八%、施行者純収入が八・一%と、こういうことになっておりますが、これについて少しつけ加えて御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/2
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003・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) お手元にこのような資料が配ってあると存じますが、今日の資料の一番上でございますが、この図で示してございますが、大体これでごらんの通りにこれは昨年の二十九年度の実績でございますが、売上金が五百八十七億、それがどんなふうに分れているかということを示しますと、こちらのただいま御指摘になりました開催経費が約一二・八%というのがこの二番目にあります七十五億であります。それから次に振興会の交付金といたしまして三%とありますのが、三番目の欄に書いてあります十七億であります。それから施行者の収益、これが八・一%と書いてありますのが四十七億、こうなるわけであります。そのほか納入金が一・一%と書いてありますのが、一番上の欄にあります六億三千九百万、この数字に当るわけでありますが、その内訳はさらに細目としましたようなところに使われているわけでありまして、第一番目の納入金の六億三千九百万はそこに書いてありまする通り自転車産業の振興費、それから自動車産業振興費、機械工業技術の基礎研究、中小機械工業設備近代化というわけで、事務費と、そういうふうなものに大体分れております。その次の開催経費は需要費と人件費と賞典費と旅費、雑費と分れて、ここに記載された通りになっております。それから交付金がこれは先ほどの三%に当るわけでございますが、その内訳はここに書いてありますように、賦課金、事業費、人件費、その他の経費、それから積立金、こういうように分れております。その次施行者の収益としまして、これは庶民住宅建設費、教育施設費、土木及び都市計画費、公共福祉施設費、中小企業及び農商工振興費、失業対策費、その他、こういうふうに分れております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/3
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004・河野謙三
○河野謙三君 私実は競輪の知識にきわめて乏しいので、お尋ねの的がはずれるかもしれませんが、この振興会の交付金の三%並びに納入金の一・一%というのは、これは初めからこういう比率できめてあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/4
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005・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) さようでございます。この一・一%と申しますのは平均いたしました——法律に率が逓減的に詳しくありますが、その平均で大体一・一%というふうに計算されます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/5
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006・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、この交付金と納入金を引いた残りのものが施行者の純収入並びに開催経費、こういうことになるわけだと思いますが、この開催経費と施行者の純収入というのは、結果から言って、こういう比率になっているからこうなったのか、初めからこういう比率をきめてあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/6
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007・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 結果から申しまして、そういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/7
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008・河野謙三
○河野謙三君 結果からしてそういうふうになったのは、これはあげて施行者にこの開催経費を幾ら使うかということを全面的に一任しておるのですか。どっかこれについて監督しておるところはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/8
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009・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 施行者に一任されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/9
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010・河野謙三
○河野謙三君 施行者に一任されて、その結果については、通産省が経費の監督その他をやっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/10
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011・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 施行者に一任されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/11
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012・河野謙三
○河野謙三君 一切の監督、指導は、過去においてやっていないと、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/12
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013・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) これは公共団体が施行者に当っておりますので、これは通産省としてこれに一任しておるわけでございます。特別に監督ということはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/13
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014・河野謙三
○河野謙三君 今まではそういうことだったのでしょうが、今後においてこれを監督なり指導をするような必要をお認めになりませんか。過去のもので開催経費の内訳の調査をされたり、その他この純収入についての使途等について、いろいろ不都合な点が私は多いと思うのです。これらにつきまして何か訂正を加える必要をお認めになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/14
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015・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) こういう経理面については、特にそういうことは考えておりませんが、運営の方法等につきましては、これは従来ともやっておりますが、今後とも十分監督を加えて参りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/15
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016・河野謙三
○河野謙三君 運営の関係で監督していきたいとおっしゃるのはどういうことかわかりませんが、運営の監督をするというのは、当然私が申し上げた開催経費の点や純収入の使途等につきましても、これは当然そこに入っていかざるを得ない、そういうこと自体がこの運営の内容ということに私はなるんじゃないかと思うのですが、運営の内容ということはどういうことをおっしゃっているのか、私は運営の内容に入っていけば、当然今申し上げたような純収入の使途なり開催経費の方面に入っていかなければならないのじゃないかと思いますが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/16
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017・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) それは運営の方面から監督するからそういうこともあり得るかと思いますが、しかし今回の法案にはその点に触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/17
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018・河野謙三
○河野謙三君 私見になりますが、私はそういう点について指導、監督をして十分見ていかなければいけないのじゃないかと思う。たとえば最近、あなたの方じゃどういうようにお考えになっているかわからんけれども、いわゆる地方のボス勢力と競輪というものの関係も表面的には非常にきれいになっておりますけれども、内容は決してそうじゃない。これはもともと無理な注文かもしれないが、賭博行為と暴力というものは、これは一体不離のものです。私はよく冗談を言うのですが、おならをひって、くさくないおならをしろと言っても、これは成り立たない。これと同じで賭博をやらしておいて暴力を否定することはできない。一応法律によって、これがある以上は、これについて今のようなのんきな、運営の面までも今まではタッチしていない、そこへ出て、実際に経理面等もそれの監督もしていないということは、私は弊害が多いのじゃないかと思う。現に弊害が出ている。こういう点についてはなはだ私見になりますけれども、積極的に運営並びに経理内容について監督、指導されるお考えがありますかどうですか。幸いこの改正案が出たのですからこの際一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/18
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019・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 今後の問題は実はただいまも提案の説明をいたしました際申し上げました通り、競輪の運営のみならず、競輪制度根本につきまして、今後従来の運営委員会の機構を改組して、これによって根本的に結論を出すということになっておりますので、その際十分にこういう問題も研究していきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/19
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020・河野謙三
○河野謙三君 今の問題はいずれ大臣等の御出席がありました場合にあらためて質問することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/20
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021・吉野信次
○委員長(吉野信次君) 河野君にちょっと申し上げますが、刑事部長が見えております。それから文部大臣は今閣僚懇談会中だそうです。もし差しつかえがなければ政務次官でもということで今交渉しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/21
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022・河野謙三
○河野謙三君 それから、同様に運営の概況、この報告書の中の十三ページですか、全国競輪ファンの実態という中で、一番最後の行で、「これらのファンは固定化されつつあることが認められた」ということですが、ちょっと意味がわからないのですが、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/22
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023・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 大体これはあまり移動がないというふうな意味に解釈しております。もちろんこの調査は、大体昭和二十七年度における調査であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/23
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024・河野謙三
○河野謙三君 そういたしますと、そのあとのいろいろ統計資料を見ますと、入場者の職業別とか年齢別とか、それから常時行っている人と、たまたま行く人とか、こういうのがこまかく出ておりますが、これを見ますと、こういうことに大体なると思うのですがね、大体職業別に見ると会社員、もしくは無職の人が非常に多い。年齢別に見ると……、これは刑事部長が来ますと思いますが、一番犯罪件数の発生する二十歳代、これは表面は十代は禁止されて、ありませんけれども、二十歳代もしくは三十代の人が多い。収入面から見ると二万五千円以下、現在でいえば非常に低収入の人がファンの大部分である。それから常時行っている人は今申し上げたような低収入の会社員もしくは無職の人、こういうことになりますと、競輪の大体常時固定された層というものはきたない言葉でいえば貧乏人でもって、しかもそれが働き盛りの人であって、そうしてそれが、しかも一方において会社に勤めておりながら常時行っている、こういうかっこうになるのだが、そういうふうなことがこの概況の結論として出ているのですが、これについて通産省じゃどういうふうにお考えになっているか、こういう資料を手元にとられて現在どういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/24
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025・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御承知かと思いますが、そういうふうな点から、実は勤労意欲を阻害しないようにという建前から土、日開催、土、日を中心とする競輪の開催ということに方針をきめて、現在それに向って実施を進めているわけであります。そういうようなことでできるだけ競輪の弊害というものを少くしたい、こういうふうな努力を払っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/25
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026・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、具体的に今のたとえば低収入の人がほとんどファンの大部分をなしている、これをむしろ生活にゆとりのある人、いわゆるもう少し一段上の層の人にファンを置きかえていきたい、こういうことについてはどういう具体的な方法をお考えになっているか。それから会社員が非常にファンが多い。会社というのは、御存じのように土曜日の半日、日曜日以外はないはずです。それなのに平日でも大部分会社員が行っている。こういうことにつきまして、それについての弊害を是正するにはどういう方法を考えておられるのか。それから年齢別に見まして非常に若年と申しますか、いわゆる働き盛りの人が多い、こういうことについてはどういうふうに、置きかえることについていかなる方法を持っておるか。こういうことは具体的な方法を聞かなければ、気持だけではちょっと納得いかないのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/26
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027・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) ただいま申し上げました通り、土、日を中心とする開催ということでその第一着手にこれを実施しておるわけでございます。ただいま御指摘のような点につきましては、目下のところこれは具体案は持ち合わしておりませんが、今後運営審議会その他に諮りまして十分研究して参りたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/27
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028・河野謙三
○河野謙三君 では一つ刑事部長がお見えになっておりますから、刑事部長に伺いたいのですが、国警の方では防犯統計課というのもあると思いますがね、それから統計調査課というのですか、いろいろの面でこういう競輪その他競馬、一切の賭博行為と犯罪との因果関係についていろいろな数字が私は出ておると思うのですが、一つ御説明願いたいのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/28
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029・中川董治
○政府委員(中川董治君) 御承知のように私の方に防犯課もございますし、それから犯罪統計をもっぱらやっておる課もございますが、私の方でやっております犯罪統計の点から申しますと、私の方では全般的な刑法犯を中心にやりまして、特別法犯等もやっておりますけれども、特別法犯等につきましては、おおむね主務省がございまして、たとえば自転車競技法につきましては通産省、こういう点がございますので、主務省の調査に依頼する面も相当多いと思いますが、私ども犯罪統計全般といたしましては、刑法犯を中心としながら主務省の御調査で比較的まかないにくいもの、たとえば特別法にいたしましても暴力行為等処罰に関する法律とか、そういうものを中心に統計をとっておりまして、おそらく御質問であると思われる自転車、競輪関係に関する犯罪統計としては通産省関係の調査に一応何しておりまして、私の方ではこういった面の犯罪が非常に多くございますので、犯罪の警備関係ないしは特別な警戒並びに特異犯罪は存じておりまして、特に自転車競技法に関しましては通産省の方と私の方で連絡をいたしまして緊密な協力をしておるのでございますが、まず犯罪統計の方はそういうことでございます。
それから防犯関係におきまして、自転車競技に関連して、競輪に関して非常に犯罪が多いことは事実でございます。そうしていろいろ事情を一応申し上げて参りますと、この自転車競技、競輪が行われますときに、多数の人がああいう一つの地域に集まって観覧されるということに関連して、いろいろ新聞でも御存じでございますが、あれは八百長だとかということで暴力ざたになる、こういうケースも相当多いのでございます。これは昨二十九年一年間におきましてあのいわゆる八百長騒ぎが起りました事件が全国で三十二件ある、こういう状況でございます。そういう事情等がありますので、警察といたしましては競輪が行われるにつきましてはまことにやむを得ないことなんですが、警察官が警備に当っておる。こういう実情でございまして、二十八年も、二十九年もそれぞれここに数字を持っておりますが、延べ二十一万人近くの警察官が、これは延べでございますが警備員が費されている。そういう角度から警察事故を起しやすいという面、いろいろ御質問の要点がそうなんであろうと思いますが、いろいろ競輪が行われることによって、それによって金をすってしまう、こういうことが動機になって強盗が行われる、あるいは詐欺が行われる、窃盗が行われる、こういう事犯等がございますので、われわれ警察を担当しておる部局、ことに防犯を担当している私どもといたしましては、ほかの事情等で総合的に御研究願わなければならぬ問題だと思うのですけれども、私どもの関係しておる部面のみから申しますと、競輪は好ましくない、できれば競輪を廃止して、他の方法で、自転車技術振興とか、ないしは地方財政問題を解決していただきたいということは常に希望しておるのですが、これもまた警察の角度だけで行政が行われるわけではございませんので、総合的にお考えのもとに、自転車競技法がございますので、それをもとにいたしまして事故の起りましたところの対策、あるいはのみ行為という犯罪が起りましたところの調査等、ないしは警備等をやっているのでございますが、一応概略を申し上げまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/29
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030・河野謙三
○河野謙三君 いや、私があなたに期待していることは、この犯罪統計の中で、たとえば競輪に行き始めて、これに夢中になったために、会社の金を使い込んで首になったのが何人あるとか、競輪のためにたまたま帰りの汽車賃がなくなっちゃって、思わずそこで、その晩にこそ泥をやったとか、どうとか、競輪にこったために、それが動機になって詐欺を働いたからどうとか、こういうのがあなたの方にないんですか。それを聞きたいんです。競輪というものに動機をもって、そうしてそのいわゆる犯罪を犯したというようなのが、一体どのくらいあるか。同時に、それを年齢別に見た場合にはどうなっているかということを、通産省でさえこれだけのものが出ているのですから、まあ通産省でさえと言っちゃはなはだ失礼ですが、あなた方専門家で、こういうものを横から、縦から見て、よく御研究にならなければならないと思う。ただ国警の方では、競輪のために経費がかかってしょうがない。一回競輪をやると、二個小隊は警備に出すでしょう。その経費は一体どこから出すんですか。競輪の利益からもらうんじゃないでしょう。あなたの方で、苦しい中からそれをやっているんでしょう。そういう点から考えて、予算関係はあとで伺いたいと思うが、競輪と犯罪関係の因果関係は、あなたの方で統計がなくちゃいけないと思うが、何かあるでしょう。それをあなたの御答弁を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/30
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031・中川董治
○政府委員(中川董治君) 御承知のごとく、私どもの方ではそういうものはございます。ところが先ほども申し上げましたごとく、競輪関係を原因とするという犯罪統計がきちっとございませんので、現在競輪を原因として刑法犯、その他が行われた数というものの数字はないのであります。何があるかと申しますと、私ども警察活動をやっておりまして、いろいろな犯罪が行われて、犯罪を種別ごとに統計をとっていますが、競輪だけを目的に抽出するという点は、ほかの面でもそうでございますが、主務省におおむねゆだねてございますので、その統計はございません。ところが防犯活動その他によって、特異事犯等について、私どもの方に報告のくるうちに、競輪が原因にして強盗の罪を犯した、競輪が原因で横領の罪を犯した、こういうふうな特異事犯として報告のくるのがあるというだけでございまして、全体的な御質問の点は、犯罪統計的に競輪というものを抽出して、その統計はないというお答えになるわけですが、特典事犯として来ておりますうちには、確かに十九歳の工員の方が強盗を犯した原因が競輪であった、店員で二十五歳の方が横領を行なった、取り調べたら横領であった、こういうような事件は、一般犯罪の特異のうちから拾って参りますと相当出てくる、こういうことで御質問のお答えにならんと思いますが、そういうのが実情でございまして、競輪その他を抽出して、きちっとその関係を取り調べた特別法的な面は、今主務省の方に、おおむね犯罪統計としてゆだねておりますので、その数字はないと、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/31
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032・河野謙三
○河野謙三君 私たちは競輪のこの法案を審議するに当って、外面的に競輪が悪いということで、すべての結論を出すということはいかぬと思うので、たとえば今通産省からもらった、こういうものを、あなたの方からこういうものをもらえれば、そこではっきりわれわれが概念的に考えている競輪の悪というものと、計数的に、科学的に積み上げた数字の上からの悪というものが一致して、初めてわれわれの判断ができるので、あなたの方にそういう数字を要求するのは無理じゃない。決して新しく作るものじゃない。過去のあなたの方の末端の警察業務ではそんな数字はできている。あなたの方でまとめればいいんだ。まあ、できてないものを今言ってもしょうがないけれども、これはすみやかにそういうものをまとめていただけませんか。そういう数字は競輪だけに限ったことではありません。オート・レースでも、競馬でも、何でもいい。そういう、要するに国が許している賭博行為、こういうものに動機をもって、どういう犯罪ができているか。先ほど申し上げたように、年齢別にどうなっている、職業別にどうなっている、また競輪開催日と開催日以外の犯罪の波がある、私は平塚なんです、競輪の木場ですから非常に迷惑をしているのは、競輪が始まると犯罪がふえる、競輪がなくなってまた次の開催日まで二十日なり一月なりあるという期間はまだいいけれども、被害者なんです。これは平塚だけの特殊関係であって、ほかのことはそうでもない、平塚だけに競輪場があるというものではないから平塚だけで取り締るわけにはいかん、そういうのをあなたの方にはわかる数字があると思うのです。たとえば平塚には平塚の警察があります。川崎なら川崎の警察があるのです。それはあなたの方で集計することができないはずはないと思うが、できるかできないか、できるとすればそれにどのくらいの日時がかかるか、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/32
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033・中川董治
○政府委員(中川董治君) 河野さんの御意見ごもっともだと思うのですが、実は内輪のことを申し上げますが、犯罪で、その各警察署で犯罪がございまして、犯罪原因別、あるいは統計技術上犯罪統計カードというものを各署に作りまして、その抽出がいろいろ現在、原因別とか、いろいろな動機別とか、年齢別とか、職業別とかそういうふうに積み重ねて犯罪統計書というものを私の方で作るのです。ところが先ほども申しましたように特別法的な競輪を抽出したのがございませんので、それを抽出するについては競輪との因果関係の点も直接的な面もあれば間接的な面もありますので、それをどういうふうに拾い出すかという点については今のところちょっと、もう一ぺん関係を私研究いたしまして、できるかできないかをお答えいたしたいと存じます。根本的には競輪というもの、競馬というもの、そういったものを中心にして犯罪関係がどうなるかというような事柄は私どもといたしましてはそれぞれ主務省の御調査に期待する、こういう立場をとっておるので、われわれは犯罪面から見てその年齢層、それから犯罪の動機になっておる、職種別、こういったものの統計に重点を置いておったのですから、御質問にぴたっと当てはまる回答を、犯罪統計というものをカードから抜き出すことについてちょっと私今自信がございませんので、御趣旨に合うごとく研究はいたしますけれども、そういうのが抜き出せるか抜き出せんかということはちょっと即答をいたしかねますので、しばらく御猶予を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/33
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034・河野謙三
○河野謙三君 それならこれはできますか。全国的でなくても、全国各府県の中で競輪を特に盛んにやっておる、たとえば神奈川とか東京とか大阪とか、こういう地区で、しかも全部でなくてもいいから、その中の一警察なり二警察を抽出してあなたの方で一応数字を出す、こういうことはできると思うが、またあまり日数がかからんと思うが、これはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/34
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035・中川董治
○政府委員(中川董治君) 全国的の問題については私はお答えした通りでございますが、地域を限りまして何々地域、たとえば平塚地域というものを限りまして、こういう様式で競輪の犯罪関係を拾い出して見ろということを私の方で指令すれば比較的短時間でできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/35
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036・河野謙三
○河野謙三君 それでは私はこれを一つぜひ、たとえ二カ所でも三カ所でもいいから、しかもそれは時日がございませんから、場合によれば少しラフなものでもけっこうですから、大体の傾向だけわかればいいのですから、ぜひお願いしたいと思います。最後にそういう数字はお持ちでなくてもラフな数字はあるわけですね。全国的なあなたのお手元にある数字をにらんで……。競輪というものは、あなたの方の立場から、地方財政とか何とかいう、そういうことは別問題としてあなたの方の立場から、治安の責任を持つあなたの立場から競輪というものはいいか悪いかということを、あなたの御感想を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/36
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037・中川董治
○政府委員(中川董治君) ただいまの地域を限っての調査は御指命によって御提出いたします。
それから私ども警察を担当し、防犯を担当する立場から申せば競輪は好ましくございませんという結論を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/37
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038・河野謙三
○河野謙三君 もう一つ落したですが、競輪の警備に充てる経費というものは、先ほどちょっとおっしゃいましたが、どのくらいかかっておりますか。これは直接費と間接費がある、たとえば私が今どのくらいかかるかというのは直接費、間接費を含めて競輪場へお巡りさんを送り込む、これは一個小隊か二個小隊でしょう、場所によって違いますけれども。そのほかに競輪開催日というときはその週辺の駅の交通整理なり、その他そういう競輪開催に付随して特に人員の配置をふやさなければならない、これは私は間接的な経費だと、そういうものを合せて競輪のためにどのくらい予算が要るか、逆にいえば競輪がなくなった場合警察の予算というものはどのくらい負担が軽くなるか、これを一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/38
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039・中川董治
○政府委員(中川董治君) この警察の費用関係は、こういう競輪等のごとく警備に要する特に必要な費用等は都道府県費の所管になっております。それで警察活動の本質が河野先生のお考えのごとくいろいろな活動をいたしまして、その活動で、どろぼうも見つければ、競輪帰りの酔っぱらいも拉致する、処置するということになっておりますので、競輪というものなかりせば警察費は何ぼ浮くであろうかという数字の発見は非常に困難でございますけれども、少くとも私どもただいま申し上げました直接警備に従事する警察官は一年間に全国を通じ二十一万人前後延べであります、こういうことから見て、その数字に一定数をかけることによって少くとも大体の直接面が出て来る。間接の面は町に犯罪があったような場合とか、いろいろ犯罪があった場合で、この間接な面は何ともいえないのであります。直接の推定については出動警備警察官の数を根拠として大体の推定ができようかと思いますが、一人幾らかかるかということはもっと私科学的に計算してお答えいたしたいと思います。人数といたしましては延べ一年に二十一万人の警察官が警戒に当っておる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/39
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040・河野謙三
○河野謙三君 通産省にお伺いしたいと思いますが、競輪の開催経費の中に私は性質からいけば警備費ですね、というものは、相当の負担をしていいと思うが、これは全然警備費は経費の中に入っておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/40
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041・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 若干入っているというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/41
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042・河野謙三
○河野謙三君 それはたとえばどういう経費ですか。たとえば弁当代とか何とかいろいろあるでしょうが、どんなものが入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/42
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043・中川董治
○政府委員(中川董治君) 今の点は通産省からもお答えがあろうかと思いますが、これは御案内のごとく昨年の七月までは市町村警察の区域が多かったわけです。競輪開催費は市町村警察の場合は当該市の警察の負担でございますので、競輪主催者が市であるという関係で若干有無相通ずるものがあったという点も私は聞いておりますが、今日改正警察法施行後は府県費になっておるので今の競輪関係のものはあまりないのではないかと思います。通産省の方で一度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/43
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044・河野謙三
○河野謙三君 私が承知するのは負担していないはずだと思うのですが、ところがそれは負担しているところもあるし、負担しないところもあるということですが、そこらのところは非常に不明朗です。私はむしろ警備費の中で、これとこれは競輪の開催費の中から負担すべきだというこういう私は主張を持っておるのですが、開催地だけははっきり利益を受けるが、開催地の周辺というものは被害を受けても利益を受けない、つまり競輪場ができるとその隣りの村はちょうど女郎屋が隣りにできたと同じことであるから、息子がそこへ遊びに来て間違うことがあっても女郎屋が隣りにできたために何の利益も受けない、それと同じで、たとえば横浜なら横浜に競輪がある、横浜の市は利益を受けるけれども隣接の市は何の利益も受けない、そういう性質のものですから、たとえば警察費のようなものは一般国民の負担においてやっておるけれども、競輪の警備費は競輪開催の経費の中に少い金ではないのですから相当程度のものは開催費の中に織り込むべきだと思うが、これに対して将来の問題について通産省、どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/44
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045・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) その点はよく研究さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/45
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046・河野謙三
○河野謙三君 それから犯罪統計の問題ですが、先ほど刑事部長の話ですと、主務官庁にその犯罪統計なんかを相当期待されておるようですが、あなたの方では何かやはり警察の方からもらわなければ材料の出どころはないと思うのですが、通産省独自な犯罪統計か何か出ておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/46
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047・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 通産省としては犯罪統計を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/47
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048・河野謙三
○河野謙三君 通産省から警察の方へそういう犯罪統計についての依頼をされたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/48
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049・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 今までございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/49
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050・河野謙三
○河野謙三君 文部省の方見えておりますか。まだ見えておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/50
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051・吉野信次
○委員長(吉野信次君) まだ見えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/51
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052・河野謙三
○河野謙三君 それじゃ後ほど私……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/52
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053・小松正雄
○小松正雄君 私ははなはだ僣越でありまするが、この自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正するこの法律案を審議する前に、全委員の方々に委員長としてお諮りを願いたい。その内容は、この法案というものはもう私が申し上げるまでもなく、敗戦後国民として何一つとして楽しみがない、そこで精神的にも沈滞するばかりだ、こういうことであっては国の再興に国民をして盛り上って寄与させることができないという意味も含まれ、あるいはまた自転車の振興上地方公共団体の収益等もあわせてこういう競技をやればいいんじゃないか、しかしそれによってそういうことも国民の一つの精神的転換をねらおう、こういう意味合いでこの法案というものは昭和二十三年にできたと、私はこう思うのであります。しかしながらできて来て今日に至るのに、昨年もこの特例に関しましては私どもは条件を付してあったにもかかわらずこれらの点がなかなか私どもの期待しておったようなことでなくて、純然たるまあ極端に申しまするならば賭博行為である、テラ銭稼ぎと申しますか、そういったような独善的な法案であるということを考えまするときに、私はもう全く廃止すべきだ、個人的にはかように思いますが、さっき委員長の開会に先だってお話の中では、衆議院では二カ年を期限としてこの法案が全会一致で通った、こういうように言われておりますけれども、少くとも私は参議院においては皆さんがどうされるかどうかはこれは別といたしまして、私は幸いにこの競輪関係の運営について審議会というものがありまして、この審議会のメンバーには相当これを廃止すべきか存続すべきかという大局的の見地に立ってお考えになっておる人が多数あると私は思うのです。私どもはまた国民に対してもこの法案が悪いということを私個人として考えておる以上、少くともこういう運営に当られておる委員のメンバーの方々を一応この本委員会に出ていただいて、そうして公聴会を開いて、そうしてそれを参考にして審議の過程に資したい、かように考えて私はそういう意味のことについて皆さんにお諮りを願いたいという動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/53
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054・吉野信次
○委員長(吉野信次君) どうでしょう。ただいま小松委員からそういう御発言がありましたが、もし……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/54
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055・海野三朗
○海野三朗君 ただいま小松言委員からのお話がございましたが、この自転車競技法は非常に世論がやかましいのでありまして、私は一応公聴会を開いていただくことが非常に私どものためになるのではないかというふうに思われます。この影響するところが非常に甚大でありますから公聴会を開いてお話を一つ伺いたいということを私は希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/55
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056・吉野信次
○委員長(吉野信次君) どうでしょう。ちょっと海野さんにお伺いいたしますが、私よく議事規則が不案内ですけれども、正式の公聴会ということになりますと、何せ御承知の通りこれは時間的にまあしばられているといっては語弊がありますけれども、期限がありますものですから、あるいは正式の公聴会ということを開くのもちょっとめんどうかと思いますが、まあそういつ意味でなく、ちょうど小松委員からもお話がございましたけれども、自転車事業の運営委員会のメンバーの人で都合のつく人にこちらからお願いして次回にでも来ていただいて、その意見を聞くということはできようかと思いますが、そういう程度でお差しつかえございませんでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/56
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057・海野三朗
○海野三朗君 この自転車の方の人ばかりでなしに、私は先ほど河野委員が言われましたように、この非常な犯罪は、これから影響しておる事柄が非常に多いのです。世間ではどういうふうに一般が見ておるか、そういうお話も私は聞きたいと、こう思うわけです。公聴会でなくたって何でもいいから、とにかく第三者の人の世論を私は聞きたい、こういうふうに思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/57
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058・吉野信次
○委員長(吉野信次君) たとえばですね。どういう方面の人というような御意見でもございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/58
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059・海野三朗
○海野三朗君 それは文教ですね。文教方面の、つまり社会教育、そういう方面に関係の深い人からのお説を私は聞いてみる必要があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/59
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060・河野謙三
○河野謙三君 私も今海野さんのお話のように参考人の方でもけっこうですから一つ呼んでいただきたいと思います。呼ぶ面は、たとえば主婦の代表者であるとか、それからこれを見ますとファンが非常に会社員が多いですから、労使双方の関係の適当な人を呼んできていただく。そういう面も一つ呼んでいただきたいと思います。そうして私は意見を聞くことは非常にけっこうだと思います。で私は小松さんのおっしゃったことにも私は反対ではありませんけれども、運営委員の中からどなたか来ていただくよりも、むしろそういうふうな、今私が申し上げたような人もこの機会に一つ呼んでみたい、こう思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/60
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061・加藤正人
○加藤正人君 そういう面の人じゃない。そういう面の人の方が必要なんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/61
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062・海野三朗
○海野三朗君 たとえば評論家であるとか、あるいは主婦連合会の人であるとか、あるいは学識経験者の人、いわゆる学長とか、そういう方面の一般のお話を聞きたい。この運営面の人の話は聞く必要はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/62
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063・吉野信次
○委員長(吉野信次君) 小松君、それでよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/63
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064・小松正雄
○小松正雄君 異議なし。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/64
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065・吉野信次
○委員長(吉野信次君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/65
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066・吉野信次
○委員長(吉野信次君) 速記を始めて下さい。
それでは今いろいろ皆さんに御懇談を願ったわけですが、本法案の審議に関連いたしまして、参考人にこの委員会においでを願って、その意見を聞きたいと思いますが、その参考人の人など、それからいつ開くかというようなことを委員長におまかせを願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/66
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067・吉野信次
○委員長(吉野信次君) それじゃそういうふうに決定いたします。
引き続き御質問をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/67
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068・海野三朗
○海野三朗君 ただいまの参考人を呼ぶことは委員長におまかせいたしますがこの自転車競技法のその衝に当っておる人に重きを置かないで、一般の世論を私は聞きたい、こういうふうに思いますので、どうかその辺を十分お考えいただいて、参考人をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/68
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069・吉野信次
○委員長(吉野信次君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/69
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070・小松正雄
○小松正雄君 私はこの法案に対しまして二、三お願いしておきたいと思いますが。そうすると、この法案を施行せられるところの目的というものは、私どもの聞くところによれば、先に海野先輩もおっしゃられたそういうこともあると同時に、戦災都市に限るということであったようなことも聞いておりますが、それはどんなことですか、そうでないのですか、当時……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/70
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071・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 必ずしも戦災都市には限っていないように聞いております。ちょっと追加いたしますが、ただし戦災都市については回数等について考慮するということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/71
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072・海野三朗
○海野三朗君 私、ちょっとお伺いしますが、先の河野委員の質問に対しまして警察当局から二十一万人というお話がございましたが、これはその動員費用というものはどれくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/72
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073・中川董治
○政府委員(中川董治君) その二十一万人と申しましたが、動員の費用は単価当りの計算を幾らにするかという点、もう少ししさいに検討いたしまして、検討を終りまして御報告いたしたいと思います。人数は調査いたしましたが、費用を一人当り幾らかかるかということはもっと詳細に検討した結果でないと申し上げにくいと思いますから、検討を終えましてからお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/73
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074・海野三朗
○海野三朗君 もう一つ。先ほど河野委員からのお話のように、自転車競技法、つまりスポーツにもいろいろありまして、こういう種類の、いわゆるスポーツといえばスポーツになるのでありましょうが、金に困ったとか投機的な一もうけをしてやろうとかいうようなことが関係しての犯罪というものは、私は警察御当局においては綿密にこれはぜひお調べになっていなければならないのじゃないか。もう一つこれに付随して、まだ法案こしらえておりませんが、パチンコのようなもの、ああいうものに、関連しての犯罪、そういうものは戦後日本の立ち上る上において非常に重大なる考慮を払わなければならない問題であると思うのです。この自転車とか、競技法がもとになっての犯罪、つまり犯罪に関係している事項というもの、やはりパーセンテージで一つお示しを願いたい、こういうふうに私はお願いしたいのであります。どれぐらい影響……、犯罪の件数が何パーセントぐらい、こういうものができているので、つまり賭博行為に類したようなことが動機になってそうしてこの社会悪、つまり犯罪というものが起っておるが、つまり犯罪の件数のうちで、そのパーセントを一つお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/74
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075・加藤正人
○加藤正人君 関連してちょっと……、この入場者が損をして自暴自棄になっていろいろな犯罪をやるとか、家庭を非常に弱らしておる、あるいはまたそれがために自殺者を生じたというような新聞記事をちょいちょい見るのでありますが、それは入場してそこで券を買ったり何かして起ったことからそういうことが起るのでありますが、どうもわれわれは入場したことがないからよくわからんですけれども、あの前を通ったりすると、何かこうその日の番組みたいなものを売って、盛んにそれによって入りもしないで外でばくち行為のようなものをやっておるやにちょっと自動車で通過する瞬間でも感じるようなことがありまして、そういうことを数えてみますると、入場者の数では判定がつかん、被害、——その害が非常に広い範囲に及んでおる。今海野さんの言われたことをお調べになるに際しては、そういうことも付随してお調べ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/75
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076・中川董治
○政府委員(中川董治君) 今海野さんの御発言にお答えするわけですが、先ほどの河野委員に対しましてお答えいたしましたように、これは私どもの犯罪統計関係が客観的にわかる面を中心にしてやっておりまして、犯罪を犯す動機という点になりますと、いろいろ直接間接、因果関係が不明確になるのが犯罪の実情でございまして、この関係につきましては今日の犯罪統計の面では正確にパーセンテージが出ない仕組みの犯罪統計関係になっておるわけであります。それで先ほど河野委員からも御質問があって、河野さんのおっしゃる点まことにごもっともだと思いますので、そういう全国的な、科学的に競輪が原因で犯罪を犯した数を今から調べましても相当困難性と時間とを要すると思いますので、若干私一応提出を渋ったのでございますが、少くとも地域を限れば、相当因果関係の少くも推定もある程度加えざるを得ぬかと思いますけれども、普通考えて競輪が原因で犯したであろうものと認められるものを抽出することは、地域を限っての調べであれば比較的可能であろうと思いますが、河野さんにお答えいたしました通り、地域を限って今海野さんの御指摘の点も調べて参りたいと思います。それでまあ御了承を願いたいと思います。
後ほどの関連の御質問があった点は、自転車競技法の定めるところによって車券を買うということは現行のもとにおいては合法でございますけれども、それによらないでやる行為はいわゆるのみ行為と言って、これは犯罪行為でございまして、その点につきましては警察におきましても目下どしどし検挙しておるのであります。検挙した人数も合せて御報告することによって皆さんの御要求の趣旨を満たしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/76
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077・海野三朗
○海野三朗君 ただいまのお話、地域的でけっこうでありまするが、あなたのお考えはその犯罪、競輪のみが動機になってというふうにおとりになっていらっしゃいますけれども、私がお願いいたしましたものはそういうわけではありません。つまり金に困った、それは競輪に今まで始終行っていなかったか、始終競輪に行っていたんだというようなことであれば、これは自転車に関連したということに見るわけなんです。その動機は何であってもかまわないけれども、とにかく勝負事、自転車とか、そういうことに犯人が、つまりよくしげくやっておったかどうか、そういうものを合せて地域的に見ていただきたい、こういうことでありますから、そこを十分御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/77
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078・中川董治
○政府委員(中川董治君) 御趣旨はよくわかりましたから、御趣旨を満たすような調査を行いたいと思います。それで御趣旨を満たすような調査を行いまして、そのあとで地域を限っては資料を御提出いたしたいと思いますけれども、一応ここで御了解をいただきたいのは、大体犯罪の動機という点は非常に複雑でございまして、いろいろな……、それでまあたとえばずっとやった被疑者を取り調べますにはいろいろな親子関係、貧富の関係その他家庭事情等もありますけれども、いたずらに調べることはまた人権の名誉の問題等になりますから、その点は常識の範囲しか調べざるを得ないと思いますから、その点御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/78
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079・河野謙三
○河野謙三君 ちょっともう一つ補足して通産省に……、やはり資料のことですが、この資料の入場者数とか、それから売上高というのは、これは場外売り場は含んでいないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/79
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080・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 場内でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/80
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081・河野謙三
○河野謙三君 そうすると、たとえば二十一ページの、一日の車券は幾らぐらい買いますか。この調査について五千円以上、二千円以上とありますが、これは場外じゃなく、場内だけの平均はこういうことになる、そうですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/81
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082・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) はあ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/82
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083・河野謙三
○河野謙三君 こちらのインカムの分布状況、ファンの実態、こういうような基礎数字は入場者を基礎にしているわけですね。場外は入っておりませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/83
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084・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/84
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085・河野謙三
○河野謙三君 他に御質問ないですからちょっと私時間を拝借いたしますが、先ほどの御質問と重複をいたしますけれども、これを見ますると、先ほど申し上げましたような二万五千円以下一万円程度の収入の人が大部分ですね、ファンの。そうかと思うと一方において一日に幾ら車券を買うかということを見ますると、これは二千円程度が一番多いですね。もちろんこれは全部取られる金じゃないが、それでもうけるやつもあるかもしれんが、一万円や一万五千円の収入で競輪に行って、しかもファンは固定しておるというのだから、毎日二千円から二千五百円の車券を買っておるということ自体がすでに平衡を失っているというわけです、生活の。こういう数字がはっきりここに出ている。だから私はこれは通産省で調査するまでもなく、また警察の方から詳細な資料をもらうまでもなくこれとの犯罪関係というものは大体出てくるんですね。これだけで出てきますけれども、なおかつ私は警察当局の方からこまかい数字をもらえば、われわれが考えている数字とぴったり合えば非常に自信をもってこの競輪についての是非の判断ができると、こういうわけです。だからこの警察の話は、昔の自治警察のときならば警察費を持つ負担の市民も競輪によって利益を受ける市民もこれは一つであります。でありますから、これはかりに警察費を全然競輪の方の運営費を持たなくても、これは別にまた市民から見れば勘定は全部行ってこい、何でもないですよ。ところが現在のように国警になりまして自治警がなくなりますと、警察費を負担するものと競輪によって利益を受ける市民とはおのずから別個のものでありますから、私はさっき申し上げましたようにこの際運営費と警備費という問題は、警備費については相当額運営費にて持つべきじゃないかと思うのです。昔のような自治警のときは別です。競輪を主催しておるところは自治警を持っている。今自治警がないからそういう面からもあらためて御答弁を求める必要はありませんけれども、もし何でしたらもう一ぺんはっきり警備費と運営費、この関係について改める必要があるかないかということについて御意見を伺えれば幸いだと思います。ぜひこれは改めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/85
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086・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) よく相談いたしまして、われわれとして研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/86
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087・河野謙三
○河野謙三君 この法案審議の過程において一つぜひ御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/87
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088・海野三朗
○海野三朗君 私、政務次官にお伺いしたいのでありますが、こういうふうな賭博類似の行為は本来撤廃すべきものであると考えるのでありますが、終戦後いろいろどさくさまぎれにいろいろなことが起ってきた。宝くじのようなものも起ってきた。そういうふうなことは国民の精神教育上もうそろそろ撤廃すべき時期に来ておるのではないかというふうに考えるのであります。ことに私は昨年の暮インド、ビルマをたずねたのでありますが、国の要路者は日本の政治の現状は道が違っておるじゃないかということを言っておる。たとえばカルカッタのモーカルジイ市長のようなのがそれなんであります。そろそろ本然の姿に帰るべき時じゃないか、そうしてこの賭博行為というものはやはりそろそろやめていかなければならないのじゃないか。そうして精神的にほんとうに立ち上るときに来ているのじゃないか。こういうふうに思うのでありますが、政府御当局としてはどんなふうな御所見を持っていらっしゃるのか。もうかりさえすれば賭博でも何でもやろうというお考えなのですか。これは将来やめていかなければならないものとお考えになっていらっしゃるのか、その御所見を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/88
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089・島村一郎
○政府委員(島村一郎君) 実を申すと、私も全く同感であります。これは私個人の考えであります。ただ今地方の財政等を考慮いたしますと、なかなかのどまで出てきてもそれを押えなければならないというような窮地に立っていることは事実なのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/89
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090・海野三朗
○海野三朗君 近い将来においてこれはやめなければならないというお考えを持っていらっしゃるのか。まあそれは賛成だけれども、というぼんやりしたお考えでありますか。そこに熱意を持ってお考えになっているのかどうか。こういうふうな賭博のようなことは決して奨励すべきものではない。健全なる国民の精神的な指導にあるのが、つまり指導的立場に立たなければならない政治家の見地からして、こういうふうなものはほんとうによろしくないものであるというふうにお考えになって、これは近い将来においてやめなければならないとお考えになっておるのか、やめる方がけっこうだとお考えになっておるのか、その御熱意のほどはいかがなものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/90
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091・島村一郎
○政府委員(島村一郎君) この法案をお目にかけます前には、将来におきましては、かなりこれは議論がありましたところでございます。ただ先ほど申しましたように、やはり地方の財政とか、いろいろ財政状況を考えますと、みんな言いたいことも言い切れなかったというのが実情であったと私は伺っております。皆さんの議論もそこにあったと私は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/91
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092・三輪貞治
○三輪貞治君 前に政府当局は競輪法等の臨時特例の有効期間二カ月延長案を審議いたしました際に、六月以降の措置につきまして、こういう点を約束されておるわけです。その一つは、競輪法等の基本法に沿いまして、十分再検討をする。その二は納入金の受け入れ取り扱いの機関として簡素な組織ではあるが、性格の明確な新しい法的機関を設ける、こういうことを約束をされておるのであります。しかし今回提案された法案を見ますと、これは形式的にも基本法の改正ではなくして、単に臨時特例の一部改正に過ぎないのであります。極端に申しますと、臨時特例法の有効期間を当分の間延長する以外の何ものでもないと、こういうふうにわれわれは考えるわけであります。前に約束をされて、それが……、有効期間二カ月延長を可決した前提条件ともいうべき点が真剣に取り上げられておらないように考えるのでありますが、その点はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/92
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093・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 基本法の改正につきましては一応検討いたしましたのでございますが、早急に結論を得ますことは困難でございます。一方政府といたしましては、競輪の平日開催の制限、あるいは競輪場新設の不許可、そういうような面で、運営面で自粛を進めるということにいたしまして、さらに今回提案いたしました法案にありました通り、制度の根本につきましては競輪の運営審議会で十分調査審議して早急に結論を出したい、こういうふうな方向で善処いたしたい、こう考えたわけでございます。それから第二点の納入金の取り扱い機関として新しい団体を設けたいということについての問題でございますが、これも新しい団体を設けるということも研究いたした次第でございますが、その後いろいろ検討しました結果、かえって新しい団体をこの際作ることは、たとえその性格が明確でありましても、何か屋上屋を架するようなきらいがあるということが一つと、それからまた新しい団体を作りました結果、制度を根本的に改革する場合に障害となりはしないか、そういう点を考えまして、実は新しは団体を設くることをやめたわけでございます。しかしながら今度の改正案におきましては、この納入金を十分監督し、使途については明確化するという趣旨をもちまして、一つは機械工業振興協議会というものを作りまして、主務大臣の諮問にこたえて使途を公平かつ能率的に使うという方針をとりましたことと同時に、使いました結果について会計検査院の検査を受けるというふうにいたしまして、十分この納入金の使い方については監督いたしたいというふうに考えて、改めたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/93
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094・三輪貞治
○三輪貞治君 基本法にさかのぼっての再検討は、十分にそれをなす時間的な余裕がなかったので、将来は競輪運営審議会にそのすべてをまかせるということは、この法律案の提案理由にも、ただいま御答弁のあったように説明をされております。しかしながらこの競輪運営審議会そのものでございますが、これは当時問題となっておりました競輪場の新設問題その他競輪運営上の重要事項を審議する諮問機関であったはずであります。その主たる目的であった競輪場の新設問題につきまして、三カ年の長きにわたりましてついに結論を得るに至らず、わずかに場外の車券場の一部を整理する答申案を出したにすぎない程度の活動しか過去においてしておらない。過去の実績は今申しました通りであり、しかも今回五名増員されるということになっておりますが、しかし運営面に関与しておる権威者は概して競輪の関係者であるということであります。そうなりますと、社会風教の立場から競輪問題の根本的な点について、もっと極端に申しますと、競輪の病巣に勇敢にメスをとるといった方面の人々がわれわれの期待する通りにこの運営をやってくれるというふうにはどうも考えられない点もあるわけであります。そうなりますと、せっかくの審議会の改組も、競輪を可及的すみやかに廃止するという目標から見るならば、あまり大きな期待が持てないのではないかと、こういうふうに考えるわけでありますが、通産当局ではこの競輪審議会の運営に、それまでの皆さんの方で基本法にさかのぼっての根本的な検討のできなかったものを、将来競輪運営審議会においてそれを期待するということは、衷心からそういうふうにお考えになっておりますか。その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/94
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095・島村一郎
○政府委員(島村一郎君) 政府といたしましては、真剣に競輪の根本問題を検討するという方針でありまして、審議会の運営とか委員の人選につきましても万全を期すつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/95
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096・三輪貞治
○三輪貞治君 あとに予定されておる増員の五名についてはどういうふうにお考えになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/96
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097・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 大体五名は競輪のことに通暁し、公平な意見を言える方というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/97
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098・三輪貞治
○三輪貞治君 競輪のことに通暁し、ということは、競輪の運営に実際当っておる人という意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/98
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099・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 通暁し、ということが適当であるかどうか……。競輪について知っているというふうな意味であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/99
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100・三輪貞治
○三輪貞治君 大体競輪を知っておる人といえば、施行者か自転車振興会の人かでなければならぬはずですね。その他にはそれは趣味としてなかなか詳しく知っておる人もあるかもしれませんが、そういうのはなかなか発見が苦しいわけです。公けに、頭が出ておる、そういう通暁しておる人といえば、大体施行者か振興会の人、こういうふうになると思うのですが、そういうふうに考えていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/100
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101・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) そういった専門家でなしに、アマチュアと申しますか、しろうとでもそういうことをよく知っていらっしゃる方、こういうふうな考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/101
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102・三輪貞治
○三輪貞治君 そうなりますと、過去のメンバーでも、さっきも申しましたように、わずかに場外車券場の一部を整理する答申案を出しただけくらいの審議会が、今度競輪の詳しい人が入っていって、非常に公正であればお言葉の通りけっこうなんですが、果して存廃を決し得るくらいの勇敢な態度で審議していただくということを期待できるかどうか、われわれは非常に疑問とするわけですが、いかがですか。ただ五人を追加したというだけでそういうことが期待できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/102
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103・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 従来の競輪運営審議会のメンバーがお手元にあると思いますが、これによりましても、言論関係、評論界、教育大学学長、主婦連合会副会長、日本体育協会会長、そういう関係の方々も相当入っておられます。今後の増員の人選につきましても今後十分検討いたしまして、この制度の研究に適当な方を選ばしていただきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/103
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104・三輪貞治
○三輪貞治君 この審議会の委員の手当は過去においてどうなっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/104
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105・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 二十九年度は手当は出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/105
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106・三輪貞治
○三輪貞治君 出ていないのですね。今後はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/106
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107・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 二十九年度から予算に計上されておりませんので手当は出ておりませんから、今後もそうであろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/107
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108・三輪貞治
○三輪貞治君 納入金の問題ですが、現在とられておる納入金制度が変則的なものであることは、これはすでに第十九国会においても審議された際に指摘されたところであります。ただその際には一カ年と限った暫定措置としてやむを得ないと認められただけのことであります。しかるに今回は問題となりましたその納入金制度を当分の間続行しようというのです。国庫納付金制度を法制上停止ではなくて、完全に廃止して、納入金に新しい性格を与えた上でのことであれば問題は別でありますけれども、前回と同様の性格を持ったままの納入金制度を期限をつけずに当分の間続行するということは問題ではないかと思うのであります。実は立案当局が本法案の施行期を明示しなかった真意が那辺にあるか判断に苦しむのでありますが、これはどういう理由によるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/108
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109・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 実はこの法案の内容につきましても十分検討したのでございますが、国庫納付金制度につきましては競輪の根本制度を審議して、それによって国庫納付金制度をどうするかというふうにきめたい。それまでの間は暫定的に過渡的措置として現行の制度を修正して、手直しをしてそれからやっていくより適当な方法はないのではないか、こういうふうに考えた次第でございます。当分と申しますのは、実は弾力性を持たせる意味で考えましたのでありまして、この競輪制度をどうこうするという問題は早急に結論を出したいと考えておるわけでございますが、同時にこれは地方財政の問題、あるいは施行者、競輪の施設あるいは選手、その他いろいろ関係するところが大きいものですから十分検討しなければならない、そういうわけで弾力性を持たせる意味をもちまして当分の間と、こう申したわけであります。しかしながらこれは実は本日の衆議院の商工委員会におきまして、この期限を二年というふうに修正されたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/109
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110・三輪貞治
○三輪貞治君 衆議院において修正されたということでございますから、もうその点あまり論議する必要もないのですが、その振興費を受ける側の自転車産業界その他にありましても、本法の存続期間が立案当局によって明示されることが、かえって振興費の長期計画も樹立されるであろうし、なおまた年次計画に従いまして年次的に振興計画を作成する立場からも賢明な策であろうというふうに考えて質問をしたわけでありますが、その点は衆議院において修正をされたということでございますから論議する必要もなかろうと思います。
次に本法案が時限立法でない当然の結果といたしまして、これを廃止するためには新たに廃止のための法案を提出しなければならないわけでありますが、果してその期限終了後は直ちに廃止法案提出の決意と用意があるかどうか、これはもちろんあると思うのですが、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/110
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111・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) これは提案の際申し上げました通り、政府で独善的な案を立てるのでなく、競輪の運営審議会に制度の根本についての検討をお願いし、その結論に基いて自転車競技法の基本法をいかにするかということについて考えたい、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/111
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112・三輪貞治
○三輪貞治君 これは高橋委員が見えていると質問されると思うのですが、これは高橋さんの御意見だったのですが、自転車振興会連合会等の業務及び会計に関する規定を整備いたしまして、その会計について会計検査院の検査を受けしめる、これは財政法上問題があるのじゃございませんか。国の予算でないものを会計検査院が検査するということは違法ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/112
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113・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 別に特に問題はないというふうに聞いておりますし、政府としては、法制局についても検討してそうして提案いたしましたし……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/113
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114・三輪貞治
○三輪貞治君 その点は、私ついでに御質問したわけで、高橋委員の方でまた御意見があると思いますからその点はおきますが、次に昭和二十五年度以降昨年度末までの五カ年間に国庫納付金並びに最近改正されました納入金制度によって支出されました自転車産業振興費の総額は約二十一億八千万円に達しておるようでございます。御当局の説明によりますと、この巨額の振興費投入によりまして自転車産業は生産の増加、品質の向上、価格の安定に非常に役立ったということになっておりますが、しかし最も重点を置いているはずの輸出というものは、われわれの知る限りにおいては伸び悩みの状態にあるのではないかと思うのであります。なお内需もまたこのところ頭打ち状態にありまして、自転車産業自体は不振を続けている。殊に自転車業界の代表的な四大メーカーと言われている日米富士、大日本機械、宮田、岡本の四社が現在いずれも赤字会社となっていることは自転車業界の不振状況を物語る一つの事例であると思うのであります。自転車産業の経営並びに政府の監督行政にも問題があると思われるのでありますが、同時にまた振興費の実行予算の編成にも再検討の必要があるのではないかということをこれらの状況から考えるわけでありますが、当局のこれに対するお考え方をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/114
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115・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 従来は主としてこの国庫納付金、あるいは昨年度の納入金は自転車産業の振興に使われたわけであります。その結果自転車産業におきましては昭和二十九年度の生産台数は二百四十八万台であります。戦後非常に落ちたものがだんだん上って参りまして、ちょうど戦前の最高時の一〇%増の生産を上げております。また品質の向上につきましても使用原材料の改善とか、あるいは堅牢度の向上とかJIS機械の高度化、自転車の軽量化等が促進されまして、戦前における実用車の耐用年数は平均七年程度のものが現在では平均十年に及ぶというふうになっておる次第でございます。輸出につきましても、振興費を導入した結果、昭和二十五年には前年度の二倍以上に自転車の輸出はふえて来たわけであります。しかしながらその後いろいろこれは中共向け輸出の制約とかあるいはインドネシア向けの輸出問題等がございまして、朝鮮動乱後また二十六年秋を頂点といたしまして若干輸出が落ちたわけでございますが、昨年度の成績につきましては一昨年に比べて増加しつつあるような状態でございます。今後の問題といたしましては十分こういった点を考え、輸出の振興あるいは機械技術の向上というふうな点を考えまして、十分従来の予算をさらに検討し、先ほど提案の中で説明いたしましたように機械工業振興協議会の意見を聞きまして十分この使途につきまして万全を期したい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/115
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116・三輪貞治
○三輪貞治君 当然、国の予算としてそれらのことを実施すべきであるのに、今まで自転車競輪事業の収入の中からそれに充てるという便宜の措置を講じてきたわけでありますが、将来この競輪がもし廃止になるといたしますと、当然正しい姿に返りまして国の予算でそういう自転車工業の振興、輸出の伸張のための施策をおやりにならなければならぬわけでありますが、その点についての廃止後のそういったような見通し、そういうものについて今お考えになっているかどうか。もちろん、初めにこの提案をされたときがすでに当分の間、五年くらいに考えておられたようですが、当時はお考えにならなかったであろうと思いますけれども、しかし、また目の前にこれがたとえば時限法として二年ということになって参りますと、当然これは正しい形を、国の予算に徴してこれらの振興のための経費を出して行かなければならぬわけですから、すでにもう二年たてばそういうような特に助成をしなくても自転車産業というものは相当振興するというふうにお考えになりますか、それとも将来続けてそういったような助成を続けて行かなければならないのか、そういう点についてお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/116
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117・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 先ほど申し上げました通り、根本問題につきましてはこの二カ年に早急に審議会を開きまして、検討いたし、その結果によって結論を出したい、こういうふうに考えております。自転車産業の状況につきましては、今後この二年間にこの収入金をできるだけ有効的に利用しまして、大いに輸出の増進、その他自転車産業の振興に資したいと思いますが、今後の問題につきましては、その状況によって予算的措置をいかにするかということを、その際十分検討した上で考えさせていただきたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/117
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118・河野謙三
○河野謙三君 簡単にお伺いいたしますが、競輪と文部行政の関係を伺いたい。文部行政を担当されている政務次官の立場として、競輪というものに対してどういうお考えを持っておるか、これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/118
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119・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 文部行政を担当しておるものとして競輪をどう考えるかというお尋ねでございますが、一概に結論を出すことが非常にむずかしいのじゃなかろうかと思います。新聞に報道されますような八百長競輪の際の騒擾が頻発するようでは、非常にこれは学校に行っているところだけではなく、社会一般に及ぼす影響もよくない、非常に悪影響があると考えます。また競輪の設置場所が学校に近いところにあるという場合も、これはいい影響はないと思います。しかしながら競輪から上ってくる金で相当地方財政が潤っている、地方財政にとって教育費は相当の重荷になっているときでもありますし、財源関係からいえば、今急にこれをやめた場合に、教育費にどういう影響が及んでくるかということも考えてみなければならぬ問題であろうと考えます。正常な姿で競輪が行われている場合に、それが非常に教育上悪影響があるということになりますと、これは他の金銭をかける競技法と同じような立場で議論しなければならないのではなかろうかと考えます。今競輪だけ直ちに金銭をかける競技であるから、教育上非常に影響があると、特にこれを取り出してそういうふうに断定することは困難であろうと思います。国民全般が、この間施政演説で総理が言われましたように、民間から盛り上ってくる新生活運動によって、こうした金銭をかける競技から自然に遠のくというような空気にでもなりますれば、この問題は比較的解決が楽ではなかろうかと思いますが、今直ちにこれを教育上非常に悪影響があるからやめるべきだというような結論は出しにくかろうと、こういうふうに考えております。非常にすっきりしないことを申し上げますけれども、文部行政一般にどういう影響を与えるかというお尋ねでございますので、以上申し上げまして、返事にかえさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/119
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120・河野謙三
○河野謙三君 私、今言葉が足りなかったのですが、競輪と文部行政と申しましたが、競輪に限らずこの種の賭博行為と文部行政という意味で、私はお尋ねしたのです。今正常な形で運営されていればと、こういう御答弁でしたが、政務次官は競輪に限らずあらゆるこの種のものが、正常に運営されているという前提でおっしゃっているのですか。その点について疑いをお持ちになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/120
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121・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 一番初めにお断り申し上げたつもりでございますが、しばしばこの種の事件には、八百長競輪などということが行われて騒擾が起っている。そういうことは非常に社会一般に悪い影響を及ぼしているだろうということを、初めに申し上げましたので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/121
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122・河野謙三
○河野謙三君 水くさいことをお聞するつもりはないのですがね、騒擾事件とか何とかいうことに限らず、本質的にこの種の賭博行為というのは、先ほども私は通産省に言ったのですが、本質論として、こういう競輪のような種類の賭博行為をやらしておいて、その町から完全に暴力というものを排撃できるとお思いになっておりますか。これは本質論から言ってできないのですよ、現実に。何もやれ八百長とか、騒擾事件とかそういうこと以外に、たとえば私は自分の町に競輪があるから具体的に申し上げるが、競輪が始まって以来私の町で申しますと、小さな子供までが非常に変なことを覚えるのですよ。たとえば本命だとか、やれ穴だとか、やれトップ賞だとか、こういうことを覚えるわけです。その影響で、私の府県では町村合併までトップ賞というのがはやっている。一番先に合併したものはトップ賞をもらうのだ、あとから合併したものは道路や橋の恩典がないのだという、そこまで影響があるのですよ。これは別問題としても、少くとも競輪というものと教育行政というものの本質的な矛盾というものについて、これは私当然文部行政を担当されている方としては考えておられると思うし、考えなければならぬと思う。私はついでに申し上げますがね、たとえばよく地方へ行くと、こういうことを言うのです。競輪は悪いけれども、競輪でもうかった金で学校を建てるのだ、だから教育のためにプラスになるのだ、マイナス、プラスで帳消しじゃないか、こういうことを言う。私はこのくらい間違った意見はないと思う。学校を建てるというのは教育手段でしょう、教育の目的じゃないのです。教育そのものの目的を破壊しながら手段だけ整えて、目的を離れた学校を作って何になるんです。そういう意味で、今まで競輪につきましては賛成、反対いろいろあるのは当りまえでありますが、文部行政を担当されている歴代の内閣から、文部行政を担当されている責任者から、競輪についての批判を一ぺんも聞いたことがないのは非常に情ない。今度の内閣に私は期待しておる。大臣は、この競輪については、閣内でいろいろ意見を統一するわけですから、その閣僚の意見は別であります。しかし、文部行政を担当されておる文部省としての意見はどう考えておるか。これを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/122
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123・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 先ほどの答弁を蒸し返すことになりますが、先ほど、正常な姿で運営されている場合にも、金銭をかける競技に皆の足が遠のくようなことになるのが望ましい、そういう空気が盛り上ってくればけっこうだということを申しました。と申しますのは、こうした運動を盛り上げていきたいという意図は政府に十分ございます。ございますが、できれば政府が音頭をとったという形でいきたくない。民間ですでにこうした競技に対する批判、社会的な風潮に対する批判は相当盛り上ってくることと思います。そういう風潮を育成することによって所期の目的を達成したい。こういうことを思っておるものですから、非常に回りくどいことを申しましたが、これで御了承いただければ幸いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/123
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124・河野謙三
○河野謙三君 もちろん世論が盛り上っていくことによってすべての政治の帰趨は解決しなければいけませんが、それにしても、世論の盛り上る前に、競輪と文部行政についてどういうたとえば弊害があったか、利益があったかということを、一つの調査なり、統計で出される必要があると思う。これは、たとえば今まで学校の生徒の中で、未成年であって、競輪に行って犯罪を犯したものが何人いたか、そのために退校されたもの、処分されたものが何人いたか、また競輪におやじなり、おふくろなりがこったために、家庭が破壊されて、そのうちの子供が不良になったというようなことはわしはあると思う。さっきも競輪の資料を要求したんですが、文部省からも同様に、文部行政と競輪、競馬、オート・レース、この関係について調査なり統計があると思うんですが、そういうものを示されなければ世論というものはすっきりして来ないんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/124
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125・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) まだお話のような調査統計はないようであります。しかし、この点は通産省で制度の存廃について審議会を設けられるということでございますので、十分調査しまして、その審議会の御意見を文部行政に十分反映させるようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/125
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126・河野謙三
○河野謙三君 今お手元にはないそうでありますが、二、三日中にはこれに該当するようなものは出ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/126
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127・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 従来特別に競輪に基きまする、ただいまお示しのような案件につきましての調査をいたしておりません。文部省といたしましては、教育委員会を通じまして学校教育を指導いたしておるわけでございますけれども、一般的には、いろいろの問題につきまして学校教育の正常な運営につきまして指導をいたしておりますけれども、競輪の問題だけにつきましてその計数的な調査はいたしてございません。まことに申しわけございませんが、二、三日中に出すという運びに参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/127
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128・河野謙三
○河野謙三君 くどいようですが、それは競輪なり、オート・レースなり、競馬というものは、教育行政に何ら弊害がないという前提でそういう資料の調査をしておられないですか。それとも弊害があることを承知しておったけれども、そういう調査はしていなかったということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/128
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129・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 御指摘の点、ごもっともでございますが、今日の社会全般を見ますと、競馬、競輪、オート・レースなどに限らず、教育上好ましからぬ社会環境はずいぶんあるようであります。その一々についての調査はございませんわけでありますが、この問題は特に、今存廃が問題になっておりますので、取り出して調査をさせたいと存じますので、その点御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/129
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130・河野謙三
○河野謙三君 弊害があるのは認めておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/130
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131・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 初めに申し上げました通り、金銭をかけます競技全般について、学生生徒のみならず、一般の人の足が遠のくような事態になることが望ましいことだと、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/131
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132・河野謙三
○河野謙三君 くどいようですがね。この通産省から出ました資料を一ぺん見てもらえばすぐわかりますが、正常の運営どころの騒ぎじゃない。このファンは固定化している。たまの日曜、土曜日、月に一ぺん二へんということじゃなくて、大部分が職業のようにファンが固定いたしておる。年歳二十歳、三十歳代に固定しておる。この統計には二十以下は入っていないけれども、三十歳以下も相当ある。定収入のない人が大部分を占めておる。この統計の縦横を見ますと。これは悪のこり固まりですよ。これは通産省で出しているんですよ。これが文部行政を担当しておるあなた方の方の目に入っていないはずはない。入っておられるはずだ。政務次官の目にとまっていなくても、少なくとも通産省当局ではやっておる。文部行政、子供を預かっておるあなたたちがこれに対して備えがないなんてこれは怠慢だと思う。何もこういうものは審議会を開いて——審議会の意見を聞くことはけっこうですよ、しかしそんなものを開かなくたっておよその結論が出ているのはたくさんあるですよ。同時に、弊害はあるけれどもせめて学校を建てるんだから……、これは学校を建てるのは手段であって目的じゃない。私はあまり賛成でないけれども、せめて教育費にたくさん回すのならいいけれども、収益の方から教育行政に回されるのは幾らもない。二割ほどだと思う。一番影響のあるのは文部行政ですよ、これは。せめてひもつきで、四割も五割もとって、教育費に回すというならば別ですよ。せめて教育費に四割も五割も回すというならば別ですけれども、あまりにも教育行政を担当しておられる方は競輪についての関心がなさ過ぎると私は思うのだがね。これは寺本さんに文句を言うのではないですよ。あなたはまだ御就任早々で、競輪なんてそこまで手が届かぬでしょう。私は少くとも事務当局には文句があるな。どうなんです。それについてちょっと御答弁いただきたい。これを見ておられますか。この通産省の資料を見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/132
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133・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 資料を私まだ拝見いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/133
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134・河野謙三
○河野謙三君 これは通産省は警察なり文部省にはこういう競輪に関する資料というものは常時報告しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/134
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135・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 競輪の運営審議会には文部省の方が出ておられますし、その都度資料は提供しておりますが、この資料そのものはこれは実は今日作ったばかりでございますから、(笑声)まだ見ておられるかどうかはこれは存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/135
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136・河野謙三
○河野謙三君 この資料とはあえて申しませんが、競輪によって起るすべての現象は文部行政の担当者なり警察行政の担当者に横の連絡はつける義務を負っているでしょう。義務を負っていないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/136
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137・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 政府部内として連絡はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/137
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138・三輪貞治
○三輪貞治君 ただいまの文部当局の御答弁はまことに遺憾です。こういったような賭博行為、射幸行為に関して社会教育上の立場から、あるいは子供の環境の立場から積極的な態度をとっておられないというように考えられて非常に遺憾です。競輪であがった金で教育費に回してもらっておるからやむを得ないというごときは全くさもしい考えです。川のかみの方を濁されてそのしもの方でそれを澄ますような仕事をする愚なんですよ、これは。もっとこういったようなギャンブルが子供の環境に与えている悪影響、社会風教上に与えている悪影響というものに対しては、文部当局はもっと違った観点から私はきぜんたる態度で一つ根本的な考え方を持っていただきたいと、かように考えます。これは競輪のみならず、先ほど海野委員からお話ございましたが、日本の今日の射幸的な風教というものはまことにこれは憂うべきものがあります。パチンコにいたしましても、その他のモーター・ボートのレースですか、あるいは競馬その他もうあらゆる賭博行為が町にはんらんをしておりまして、こういう状態は世界どこの国にもない。それをすぐ敗戦国だからというような簡単なことで片づけたりする世論もありますけれども、私はこれはある機会にもっと思い切った考え方でこういう間違った風潮というものに対してメスを加えていかなければならん時期がもうすでに来ているのじゃないか、その先頭に立ってやられるのはやはり文部当局でなければならんというふうに私たちは考えております。一ぺんになくしてしまうというと、こういう好ましからざるものでも、今度は廃止することによって起るまた副次的な悪が将来へ出て来る。最近の新聞紙上で見ると、パチンコの連発式をやめたために、窃盗、強盗、詐欺その他の事件であがった者の中に連発式に携わっておった者が多いというようなことが何か出ておりまして、これをやめたためにまた困る。これではいつまでたってもこういうものの根は断ち切れないのであって、もっと文部当局では、私は全般的なギャンブル行政についての根本的な考え方をば積極的にお持ちになっていただきたいと考えるわけですが、政務次官にこのギャンブル行政についての文部当局の根本的な考え方についてもっとはっきり一つお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/138
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139・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 速記をごらんいただけば、私が競輪を肯定した部分は一つもないと存じます。お尋ねが競輪と文部行政の関係をどう見ているかというお話でございましたので、地方財政の関係では教育費の一部がやはりそこから出ているということを申し上げたわけです。騒擾事件を起したり、それからまあ騒擾事件を起さないでも立地条件からも非常に悪い場合があるということを申し上げておる。正常な姿で行われる場合でも金銭をかけるスポーツに皆の足が遠のくようになることが望ましいし、そういう空気が盛り上って来ることを助長したいということを申し上げておりますので、私は終始この問題について文部行政の立場からこれを是認したことは申し上げていないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/139
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140・三輪貞治
○三輪貞治君 それをもっと積極的に町にはんらんしているこれらの賭博場をどこかこの純真無垢な子供の目につかないどこかの場所に一カ所に集めてやるような積極的なお考え方はございませんか。たとえばこれは前にも申しましたが、通産大臣であったために自分の所管ではないからというので軽く一蹴されましたけれども、ヨーロッパの各国でやっておるチボリというのがございますね、これは高級なレストラン等音楽等を中心にした一つの大きなギャンブル場なんです。ですからルーレットをやりながらも耳には高級な音楽が入っているというのでそう大した騒擾事件なんかが起らない。ところが日本のはまるっきりもうそこは金々のもう射幸心だけが先に立っておるのであって、何らそこに情操的なものも見られない。だから悪の面だけが出て来る、こういうことであるだろうと思うのです。あるいはまた一日の仕事をして帰る勤労者の諸君がわずかな金で遊べるパチンコにうさをはらす気持がわからんではありません。しかしこれが至るところ町にはんらんして、銀座の表通りでもどこでもこれが見られる。あの音などというのは私はあまり感心したものではないと思うのですが、こういうようなことを改めて、ここでどこかそういうものを一カ所に集めて、あまり子供にも目につかない、そうして年齢的にも制限を加えて、そういう純真な子供からはずした環境において過渡的にはそういうものをやっていく、そうしてそこから財源を求めるのもいいでありましょうし、一時的にそういうものを根絶できない社会情勢に対応していくのもいいと思うんですが、しかし今の状態ではあまり好ましからぬ、こういうふうに考えるんです。そういったふうな積極的なお考えですね、そういったことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/140
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141・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 皆さんのお話、だいぶ都市計画の方に関係してくる問題ではなかろうかと思います。私どもも遊技場や子供に見せたくない娯楽場が一カ所に集まって教育施設から遠のいたところにあるということは最も望ましいことだと考えます。しかし現在の状況で、この特飲街であるとか、そういうものであれば直ちに世間の人が、学校の近所に置くべきでないという非常に強い非難を浴びせられますが、パチンコ場であるとか、そういう程度のものになった場合は世論がそこまでは急に来ないだろうと思います。この点はやはり一般の関心がそこまで高まって来て、機運が熟したときでなければ一カ所に集めるということもなかなか実施が困難ではなかろうかと思っておりますが、そういう点はお話の通りもうそろそろそうした機運が盛り上って来ていい時期であると考えますので、私どもは今一部で言われております新生活運動に非常に大きな期待をかけておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/141
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142・三輪貞治
○三輪貞治君 通産省の方にお伺いしたいんですが、もし競輪をここで二年後なら二年後にやめるとしますね、その場合に起る、今専従しておる人々の職業補導の問題、その他社会不安を最小限度にとどめるために、今の納付金の中から、今従業しておる競輪の専従者並びに、何というんでしょうか、乗ってやるのは、選手ですか、そういう者の職業補導のために納付金の中から一部を積み立てておくというようなことの必要はどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/142
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143・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) これは運営審議会の根本制度をどうするかということにかかわるわけでございます。その結論によって、まあそういう関係の方々があるいはどういうふうに処置するかという問題を扱うことでありまして、現在の納付金はやはり本来の趣旨から産業振興という建前でございますから、その目的に従って使用するようになるんじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/143
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144・三輪貞治
○三輪貞治君 今の競輪関係の専従者並びに選手というのはどれくらいおるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/144
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145・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 競輪関係に従事されておる方は、選手その他一切を含めまして私どもの聞いておりますところでは六万人程度というふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/145
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146・三輪貞治
○三輪貞治君 これはこの競輪を廃止する場合に、納付金は今のように自転車産業の振興のために使うべきであるというならば、この専従者六万人はそのままそっくり放り出されてしまう。そうなると今のパチンコの連発式がやまったために、連発式のやまったことは好ましいが、それをやめて失業した人がまた社会悪の一つの根源をなしている、こういうことになりますから、この六万人についてですね、これがそういったような前車の轍を踏まないように何かの生業補導をすべき資金を考えるべきではないか、こういうふうに考えるんですが、しかしそれを別の方途でするということも困難ですから、やはり今競輪であがっておる収入のうちからそういうものを事前に、そのときになってからでは間に合いませんから、まだ今から数年あるわけですから、そういうものを積み立てておくということは、これはむしろ必要じゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/146
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147・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) ただいま申し上げました通り、現在の納付金は使途が産業振興という目的にきめられておりますので……。それからお話の点の、ただいま六万人と申しましたが、選手関係では六千人でございます。そのほかいろいろ集めまして六万人というわけでありまして、これらの人々の関係は、結局自転車競技法の根本をどうするかという、これに関連して考えることが適当で、従ってこの審議会でこういう問題も同時に考えられることになると私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/147
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148・海野三朗
○海野三朗君 先ほど寺本次官からのお話に、この賭博行為が正常なる姿と言われたのはどういう姿であるか、これを伺いたい。これが一つと、それから第二番目には、世論の盛り上るのを待って、とおっしゃるけれども、政治そのものは指導的立場に立ってやらなければならないのじゃないか。過去の歴史を振り返って見ますると、戦犯のもっともひどかったのは歴代の文部大臣でありました。いつとはなしに国民をとんでもない方向に引きずっていっておった。それだから橋田文相初め歴代の文部大臣が皆ことごとく戦犯に引っかかった。これはとんでもない教育を授けつつあったのであります。この際この賭博行為というようなのは決して健全なる思想から湧いてきておる行いではないのでありますから、こういうものを率先して文部省がやめよう、そういう意思を持たなければならないのであると私は思うのです。世間のみんなの盛り上る力を待って、そうしてやって行くというのならば、政治のあり方というものは大衆に引きずられて行くのであって、それじゃおかしいと思う。大衆を引きずって行くだけの自信と信念を持たれなければならないのじゃないか。そういう意味から考えますと、この自転車競技法のこの賭博、これに対して文部当局としてはその痛痒をあまり感じておられないかのごとき御答弁であるし、またこのわずかの金を出したということを、あたかもたとえて言ってみまするというと、詐欺師が悪いことをしたかわりにちょっとお寺さんにおさい銭を上げた。神社さんにおさい銭を上げた。そのおさい銭を見て、そのもの自体のあり方を吟味されない形に似ておると私は思うのでありますが、この点については文教の府にあられる方は、私は最も国民の思想を引きずって行く上においては、なまおろそかにお考えになってもらっては私は困ると思うのでありますが、この点に対しての御所見を承わりたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/148
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149・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 賭博行為が正常な姿で行われるというふうには申し上げなかったと思います。初めに申し上げました通り、場所が教育施設に接近しておる場合には、非常に弊害があるということを申し上げ、また八百長が行われて、騒擾事件があるというようなことは、非常に教育上争いがたい弊害があるということを申し上げて、その次に、たとえそういうことがなくて、正常な姿で競輪が行われておる場合でも、一般の人の足が自然にそういうところから遠ざかるような風潮が盛り上ってくることが望ましいと、こういうふうに申し上げたつもりでございますから、この点は一つ誤解がございませんようにお願い申し上げます。
なお世論の盛り上るのを待って政府が施策を講じて行くというのじゃ非常になまぬるい、政治は指導性を発揮しなければならぬ、大衆を引きずって行けという意味のお話でございましたが、こうした国民運動を政府が音頭をとって、先に立ってやるという場合には、しばしば戦争中にあった翼賛運動のような弊害を発揮しがちであると考えます。今日私どもの観察するところでは、国内では戦後のこうした金銭をかけるような競技が盛んに行われていることについては相当批判的な空気が高まって来ていると思います。ここで政府がこうした運動、批判の空気を盛り上げて行くことをお手伝いすれば、自然な姿で国民の方から盛り上ってくる勢いでこういう問題が翼賛運動のような弊害なくして解決できるのではなかろうかと、こう考えて、私どもは今唱えられております新生活運動に大きな期待を寄せているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/149
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150・海野三朗
○海野三朗君 先ほどの御答弁はわかりましたが、とにかく賭博行為というのはいけないことはお認めになっているわけでございますね。それから私はちょっと出過ぎた言い方かもしれませんが、やはり閣議におかけになったのでございましょう。この法案をお出しになるときは閣議にかけておやりになったのでございましょう。そのときには閣議はあなた方の御意見も十分参酌して開かれたと思うのでありますが、いかがなものでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/150
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151・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 具体的にこの法案が閣議にかかりましたとき、文部大臣がどういうことを申し上げたか私承知いたしておりませんが、御承知の通り松村文部大臣は今の社会的な風潮に対しては相当鋭い批判を持っておられますし、今国内にあちこちそのきざしが出ております新生活運動については、非常な関心をもってこれが成長して行くことを手伝いたいという気持を持っておられますのでこうした問題についても文部行政上からの適当な注文を加えられたことと私は想像いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/151
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152・海野三朗
○海野三朗君 私が今お伺いいたしましたのは、閣議決定されるときにはあなた方の御意見もよく取り入れておられるのですか。あなた方が御承知ない間に閣議がどんどん進められたのでありますか、ということを伺っているのです。どちらでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/152
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153・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 文部省所管の法律、政令、予算であればもちろん私どもの意見を大臣に申し上げて閣議に提出するわけでございます。文部省所管の法律でありませんでも、他省所管のものでも文部省に合議があったものについては、私どもに意見を申し上げる機会がございます。しかし合議のなかったものにつきましては、私どもの意見を申し上げる機会がございませんので、かねて大臣に申し上げておくか、その場で大臣が日ごろお考えになっていることを閣議で言われるか、そのいずれでございまして、この法律は文部省に特に合議になったものではございませんので、さような機会は私どもとしてはございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/153
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154・海野三朗
○海野三朗君 そういたしますと、つまりこの法案に対してはあなた方の御意見は閣議に織り込まれなかったわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/154
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155・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) ただいま申し上げた通り、私どもとしては事前に意見を申し上げる機会はございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/155
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156・吉野信次
○委員長(吉野信次君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00819550524/156
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157・吉野信次
○委員長(吉野信次君) それでは速記を始めて下さい。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時五十二分散会
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