1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十年五月二十六日(木曜日)
午後二時三十九分開会
—————————————
出席者は左の通り。
理事
古池 信三君
山川 良一君
三輪 貞治君
委員
上原 正吉君
加藤 正人君
河野 謙三君
海野 三朗君
栗山 良夫君
小松 正雄君
苫米地義三君
政府委員
通商産業政務次
官 島村 一郎君
通商産業省重工
業局長 鈴木 義雄君
事務局側
常任委員会専門
員 林 誠一君
常任委員会専門
員 山本友太郎君
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
常任委員会専門
員 桑野 仁君
常任委員会専門
員 内田源兵衛君
—————————————
本日の会議に付した案件
○参考人の選定に関する件
○計量法等の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/0
-
001・古池信三
○理事(古池信三君) それではただいまから商工委員会を開会いたします。
まず最初にちょっと皆様の御了解を願っておきたいと思いまするのは、前回の当委員会で自転車競技法等の臨時特例に関する法律案につきまして、参考人の出席を求めて意見を聴取するということに御決定願ったのでありまして、その人選は委員長に御一任を願ったわけでありますが、その後委員長は委員各位の要望を満たすために事務局を督励いたしまして、評論家の阿部真之助氏、渋沢秀雄氏、浦松佐美太郎氏、中島健蔵氏、大宅壮一氏、宮城音弥氏等の各氏にお願いをいたしましたが、いずれも当日は御先約があったり、御旅行中でございまして御出席ができないのであります。結局次の五人の方々に御出席を願うことに内諾を得たのでございます。その五人の方と申しますのは、主婦連合会の代表として船田文子さん、川崎市長の金棘不二太郎氏、産業経済新聞の政治部長をしておられる塚本寿一氏、日本自転車産業協議会会長の大蔵公望氏、読売新聞編集局次長の高木健夫氏、この五人の方々にお願いすることにいたしました。従って明日二十七日の午後一時開会の当委員会におきまして参考人として出席していただくことに決定をしたいと存じますので、右御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/1
-
002・栗山良夫
○栗山良夫君 ただいまお諮りになった参考人のお考えは、私どもよくわからないのであります。どういうお考えであるかよくわからないのであります。ところが大体競輪等の問題については、当委員会の従来からの審議の経過から考えて、競輪は廃止すべきであるという前提に立つ意見と、それから若干批判すべき点を是正して存置すべきである、あるいはもっと極端に、存置すべきである、こういうふうに二つに分れておると思うのです。従って参考人の方もその述べられる意見が片寄ってしまうと、結局本委員会の審議にあまり益しないことになるのではないか、こういう工合に思うのですがね。その参考人の考えられておられる基本的な立場はどんな状態になるか、ちゃんとおわかりになっておりましたら、ちょっとお話しを願いたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/2
-
003・古池信三
○理事(古池信三君) ただいまのお尋ねですが、一々皆さんの御意見がはっきりと、こうだということを確かめてみたわけではございませんけれども、ただそのお仕事、あるいは地位の関係から申しまして、川崎市長は施行者という立場からの主張があると思いますし、それから自転車産業協議会会長は、自転車関係のそういう協議会を主宰しておられる立場からの意見があるだろうと思うのです。それからなお家庭に対する影響であるとか、あるいは児童に対する影響、そういうような問題については主婦連合会を代表しての意見が発表されるだろうと思うのです。なお両新聞社は、これは新聞としての立場上、きわめて公平な第三者的な立場から十分な意見の開陳があるだろうと期待しておりますけれども、一々当ったことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/3
-
004・河野謙三
○河野謙三君 参考人については委員長に一任したのでありますから、私は今御発表の五人に対してかれこれ申すわけではないのですがね、ただ今御発表の中の一人ですね、競輪の振興会ですか、何か……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/4
-
005・古池信三
○理事(古池信三君) 振興会ではないのですが、産業協議会というのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/5
-
006・河野謙三
○河野謙三君 何か、大蔵さんですか、その方は私はかねがねきわめて尊敬しているのですが、そういう立場の人をここに呼んで伺おうというようなことは、この間参考人を呼ぶという場合の意見ではなかったですよ。それに私は反対はしませんよ。しませんけれども、その競輪の当事者を呼んでここで今さら聞くわれわれは何ものもないと思うのです。ただやはり社会の第三者的の人からこれについていろいろ批判を聞きたい、こういうことであったと私は思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/6
-
007・古池信三
○理事(古池信三君) この前は確かにそういうお話もございまして、自転車振興会の会長はあまり適当でなかろうという御意見で、大蔵さんならよかろうというような空気に私は聞いておりましたがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/7
-
008・海野三朗
○海野三朗君 この前参考人を委員長に一任したのでありますけれども、第三者の声を聞くというのがこの前は主眼ではなかったのですか。私はそういう見地から考えますというと、その方面の人の意見を聞く必要は私はないと思うのですが、委員長はいかにお考えになったのですか。非常に私はおかしいと思うのです。第三者の声を聞こう、世間ではどう見ておるかという、それが目的であったように思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/8
-
009・古池信三
○理事(古池信三君) そういう御意見も非常にあったと思いますけれども、また一部には、第三者ばかりではなく、やはりこれがたとえば市の財政にどんな寄与をしておったかというような問題もございましょうし、あるいは自転車産業協議会といいますと、直接の振興会とは違いまして、もう少し広い立場から日本の自転車工業の発展というようなことも考える立場におられますから、そういう人々の意見も聞いてもよかろうじゃないかというような話もあったように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/9
-
010・河野謙三
○河野謙三君 決してこれは委員長にとやかく言うのじゃないのですがね。ただ施行者から意見を聞くとか、それから振興会ではなくても、競輪関係の当事者から意見を聞くとか、そういうのは意見を聞かなくても、それぞれわれわれが判断すべき、この施行者の関係の資料とか、競輪関係の資料というものは、通産省から一切資料をわれわれは手元にもらっているのですよ。またもらおうと思えばこれからももらえる。ただ犯罪関係とか、教育関係とか、一般社会に及ぼす影響というものについては、遺憾ながらわれわれの判断を下すべき材料に乏しいので、せめて有識者の意見を聞いてみようじゃないか、こういうことであったと私は思うのですがね。私は反対じゃありませんけれども、あえて二人を呼んで聞く何ものもないと思う。聞くなら通産省の当事者からそれらの施行者に関係する資料というのがあるのですから、そういうお忙しい方をここに参考人として呼んで今さら聞いてもわれわれが参考になるようなことは新しく伺えるとはわれわれは思わないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/10
-
011・古池信三
○理事(古池信三君) ただいまの御意見もごもっともですが、この間も、たとえばこういうような方はどうだろうかというので、六人くらいの人に当ってみたのですが、それぞれお忙しかったり、差しつかえがあったりしてそれぞれどうしても工合が悪いというので、ただいまお諮りしたような方々に一応落ちついたわけですけれども、これはこの委員会として御協議願って、こういう参考人では不適当である、こういう皆さんの御意向なら、これは変更してもいいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/11
-
012・上原正吉
○上原正吉君 いろいろ御議論もございまして大へんごもっともなんですが、せっかくきまったことですし、参考に供するにすぎないのですから、皆さんにごしんぼういただいて、参考人からいろいろな意見……賛成、反対両方あった方が参考になる場合もありますので、あまり、きょうは委員長も御不在ですから、代理の委員長も困るのではないかと思いますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/12
-
013・栗山良夫
○栗山良夫君 私はそう大してこだわるわけでもなんでもありませんが、たとえば川崎の市長なり、あるいは競輪関係の施行者、あるいはそれに直接深い関係を持っておられる方の意見というものは、もう私ども競輪問題はずいぶん前からここでやっておるので、どういう意見を述べられるかということはもうお聞きしなくともわかっております、そういうことは。わかっておりますから、せっかく参考人をお呼びになるなら、将来の競輪のあり方について、国会を通じて国民の方々にお知りを願うような、非常に、何と申しますか、権威ある批判の意見というものをお聞きしたい、こういう工合に考える。利害と直接関係なく貴重な意見を聞きたい。従って競輪問題はある意味においては今一種の社会問題であるわけですから、社会問題の研究家、そういうような方をやはりここへお入れいただいてもけっこうだと思います。今の新聞社の方々がそういう方面に全然御理解のない方々だということを私は申し上げるわけではありませんが、しかし社会問題としてヒロポンだとか、競輪だとか、そういうものを研究しておられる方も、評論家以外にもあられるわけです。そういうような方も加えていただくと私はいいのじゃないかと思います。この前の委員会に欠席してこういうような意見を申し上げては恐縮でありまして、こだわるわけじゃありませんけれども、ちょっと考えだけ申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/13
-
014・古池信三
○理事(古池信三君) ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/14
-
015・古池信三
○理事(古池信三君) それでは速記を始めて下さい。
ただいま御懇談願いましたような工合でも明日の参考人の意見をお聞きする場合には、船田文子さん、塚本寿一さん、大蔵公望さん、高木健夫さん、この四人にお願いをすることにきまりましたから、どうぞ皆さん御承知を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/15
-
016・海野三朗
○海野三朗君 今のほかに質問いいですか、通産当局に対して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/16
-
017・古池信三
○理事(古池信三君) これから計量法をやろうと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/17
-
018・海野三朗
○海野三朗君 その前にちょっとで済むのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/18
-
019・古池信三
○理事(古池信三君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/19
-
020・海野三朗
○海野三朗君 この前政府当局にカーボン・ブラックの中共への輸出に対して質問いたしました際に、ただいまココムと折衝中であるということでありましたが、ココムの方からお聞きするところによれば、そのカーボン・ブラックの中共への輸出は承認されたという話を私は聞いたのでありますが、何故に通産省はこれを公表されないのであるか、それを一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/20
-
021・古池信三
○理事(古池信三君) ただいま担当の局長が不在ですから、あとから御答弁をするようにしたらいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/21
-
022・海野三朗
○海野三朗君 ああ、そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/22
-
023・古池信三
○理事(古池信三君) 所管が違いますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/23
-
024・河野謙三
○河野謙三君 資料要求。重工業局長さんに資料をお願いしたいのですが、競輪関係の資料で、この間施行者の運営費ですね、収入の中の運営費と、それからいわゆる収入と、全国平均のやつで八・何%幾らかに分れておりましたね、全国平均ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/24
-
025・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/25
-
026・河野謙三
○河野謙三君 あれを各開催地別にいただきたいのですが、国庫納付金、それからもう一つありましたね、納付以外の残ったものを、今度は運営費、それからいわゆる収入に分れておるでしょう。その分れている全国平均のやつはパーセンテージが出ていましたが、それを各主催地別にいただきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/26
-
027・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 至急取りそろえましてお出しいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/27
-
028・古池信三
○理事(古池信三君) それでは計量法等の一部を改正する法律案の審議に入りたいと存じます。どうぞ御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/28
-
029・栗山良夫
○栗山良夫君 この計量法の取扱いは行政には直接関係のないことになるかもしれませんが、根本問題として一点通産省の考え方を伺っておきたいと思うのです。それはいっとう最初に計量法ができましたとき、当時国会の審議で問題になりました一つの重要な点は、このメートル・システムを一貫的に行う、それを三十三年の年末までの期限を付して、それからあとはメートル法を強行する、こういうことになった。その当時の私、議事録を今手元に持っておりませんので、あるいは間違っておるかもしれませんが、政府当局としてはそれまでに非常に国民の日常生活、あるいは産業活動に影響するところが多いので、熱心にメートル法切りかえのために努力すべきだということになっておったと思います。このことについてはおそらく方針は私変えられていないと思うのでありますが、三十三年の年末をもってメートル法を強行する、こういう態度が変っているのかいないのか、変っていないとするならば、今までに具体的に普及のためにおやりにたった措置、あるいは今後、三十三年までにさらに格段の努力をせられるかと思いますが、そういうことについてどういうお考えを持っておりますか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/29
-
030・島村一郎
○政府委員(島村一郎君) ただいまの御質問にもありましたように、三十三年までに完全実施をいたしますという方針につきましては少しも変っておりません。なおこまかい点につきましては政府委員からお答えをさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/30
-
031・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 大体ただいま方針につきましてはお答えした通りでありますが、従来政府といたしましてはメートル法をわが国の統一的計量単位といたしまして、昭和三十三年十二月三十一日までに、現在までそれまでは過渡的に尺貫法とヤード・ボンド法の適用を認めておりますが、それ以後メートル法の完全実施をいたすためいろいろ努力して参ってきている状況であります。この前の実は委員会でも御説明申し上げましたが、今日各方面のメートル法の実行状況は次の通りでございますが、学校方面の実行割合は一〇〇%、それからおもなる事業方面の実行割合は、医業、調剤業、電気事業、電動機を用いる運輸事業は一〇〇%、化学工業、機械工業は約八〇%、食品製造工業で約六〇%で、全般的に見まして約八五%になっております。団体方面におきます実行割合は医師会、健康保険組合は約九〇%、その他平均して約七〇%でございます。商業方面の実行割合は若干落ちておりまして約五〇%でございますが、この方面では塩とか、あるいは白米商、そういった関係は非常に成績を上げている状況であります。今後の問題といたしましては昭和三十年度においては国の財政規模の関係から必要な予算措置がとれませんでしたが、今年度からは計量思想の普及をその目的として設立されました社団法人日本計量協会を中心として広くメートル専用化に関する国民運動を起しますとともに、関係各省並びに関係業界と連絡を保って業種別にそれぞれ必要な調査を行い、わが国の社会生活及び経済事業に即応しまして、急激な混乱の生じないような必要な過渡的な措置を講じますとともに、強力にメートル法専用の措置を講じていきたい、このように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/31
-
032・栗山良夫
○栗山良夫君 ただいまのお話で大体御方針がよくわかりましたが、それは正しいと思いますが、問題は終戦後わが国の産業経済というものが米国と非常に密接な関係にただいまあるわけであります。それから米国の度量衡の扱い方とただいまのメートル法とは非常に大きなここに差がある。従って今のような米国と日本との産業活動がずっとそのまま続いて行くとしますと、いろいろな方面において若干不便が出るということが考えられると思いますが、その点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/32
-
033・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 御質問の点でございますが、貿易関係、輸出取引についてはメートル法においてこれを除外しておりまして輸出振興の阻害となるようなことのないようにやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/33
-
034・栗山良夫
○栗山良夫君 そうでなくて、実際にアメリカと貿易関係を通じてアメリカの商品が日本にどれだけ入ってくるか、それからまた日本の商品が向うへ出て行きましょうし、そういう場合に取引上は今の説明で大体よくわかりますが、そういうものを、現物を手にして実際にその産業活動なり国民生活なりに浸透して行く場合に全然知らない度量衡のシステムというものが国内には現実として入ってくるわけですね、あらゆるものに。そういうものに対して非常に不便を感ずるのではないか、現実にわれわれは幸いに度量衡についてはいろいろなものを知っておるわけです、無理に教わったものですから、最近の学生というものはおそらくメートル法以外は何も知らない。そういう人が現実にいるわけです。そういうものとの関係についてはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/34
-
035・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) ただいまお話にございました通り教育関係はメートル法を目的として現在教育されておりますので、その点は問題あると存じますけれども、先ほど申し上げました通りメートル法の実施は取引及び証明ということに限られておりまして、又商売の関係でアメリカその他ヤード、ボンドを実施しておるところに関係のあるものの仕事をしておりますものといたしましてはそういう方面につきましてはその自分の経験としてそういうものを修得することができると存じます。又法律関係から見ますと、輸出取引についてはこれを除外しているということにかんがみまして、これはメートル法を中心として実施いたしましてもそういう方面のことは何とか処置できるのではないかと、こういうふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/35
-
036・栗山良夫
○栗山良夫君 それから、その次にちょっとお尋ねをいたしたいのはこの計量法はただいまのわが国の計量行政を一括してやっているわけでございますが、ただ一つ抜けているのは私の承知しておるのでは電力関係の計器が抜けておると思います。そのほかにまだ抜けているのがあると思います。そういうものもやはり高い視野に立ってこれは計量法にまとめた方がいいという意見が若干ある。それからこの前の計量法の審議のときにはやはり別個に取り扱うべきであるということと、二つに分れておったと思います。それでいよいよもう三十三年にはメートル・システム一本になることになっておるわけですが、そういう工合に問題が前進していきますが、計量法の立場から申しました場合には、ただいまの電気計器のようなものについて通産省の内部ではどういうふうな意向があるのか、研究されておるのか、この点を一つ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/36
-
037・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) ただいま御指摘になりました通り、計量法と電気関係の計器を中心とした電気測定法とは違った法体系になっております。これにつきましては歴史がございまして、従来二本立となっていたのであります。その内容も事業の規制方法について、あるいは検定の主体について、また取締りの主体について違ってきておるわけであります。従いましてこの両法はいずれも別個の法体系にあります。この両方がお互いに相手方の法規の特色を取り入れなければならないような状況にもございますし、今通産省といたしましては両方の法律につきまして検討いたしております。できますればこれの調整をいたしまして一つの法規にしたいというふうな目的を持ちまして目下研究を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/37
-
038・栗山良夫
○栗山良夫君 通産省のこの公益事業局から最近発行された電力白書の中に「電気測定法の改正案について」という一つの解説がついております。なお私全部は読んではおりませんが、今おっしゃったような趣旨のことは書かれていないようなんですね、この中には。この「電気測定法の改正案について」というのですからおそらく全部読んでみませんとわかりませんが、電気測定法を改正しようという考え方が若干中に書かれていることだろうと私は思います。この中にそういうことがどうも全然見当らんようですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/38
-
039・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 実は先ほど申し上げました通り、それぞれ二つの法体系として内容を検討しておるわけでございますが、そういたしますと、そこでおのおのの法律について改正すべき点ができるわけでございます。そこでできますればそういった問題を一つにまとめられることができるのじゃないかという目的を持ちましてその内容的検討が終りました暁において両法を調整し、それをできれば一本にして出したいというふうな気持で考えたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/39
-
040・栗山良夫
○栗山良夫君 私自身はまだ勉強が足りませんので、どういう工合にしたらいいかという意見を申し上げる段階ではないわけですが、ただいまの電力白書の中にこういうことが一番おしまいの方に書かれております。「電気測定法の改正問題は、いわば、第一歩を申したばかりであり、」ずっと書いてあります。その電気測定法によって工合よく進めてきたが、この辺で何かの形をとらなきゃならぬという意味でしょう。それからそのあとに「今後計量法一元化理論との調整を始め、検定実務処理機関との打合、大口電気計器所有者たる電力会社からの意見聴取等の折衝事項は少しとしない。」そのあとですね「従来、ややもすれば、電気料金行政の蔭にかくれて等閑視され、一部の識者を除いては、その存在を忘れられていた電気測定法がその有する意義と現状批判を投げかけたことは、電力行政上からも重視されてよい。」と書いてあるのです。ですからこの言葉を読んでみるというと、電気測定法というのはあるにはあったが、そう大してみなが、まあみなというのは電気の需用者のことでしょう。そういう人は深い関心を持って八百屋でものを買うようなことまでしていなかったというようなことが書いてあると思いますが、従って「計量法一元化理論との調整」という言葉が使ってあります。これはおそらくその意思が公益事業局の中にもあるのじゃないかと私は考えるのですがね。さらにこのちょうど計量法をやっておるときでありますから、適当な機会に公益事業局の方の人をおいでを願ってこの問題はどういう工合に処理される御所存か、その点一ぺん私はお伺いをいたしておきたいと思います。もちろんこれは原局の方でお打合せをいただいておるならばけっこうですけれども、一応思想の統一を一ぺんしていただきたいと考えておるわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/40
-
041・海野三朗
○海野三朗君 この、今栗山委員がちょっと電気のことに触れられましたから、私この前のやつをちょっとお伺いしたいと思うのですが、定額電灯で一つ二つの電灯をとっているところ、そういうところにはやはり燭光でお金をとっているのでございましょう、電気料金というものを燭光で。何燭の燭光で一灯とっているというように、それはメーターでないはずですね。それは燭光でとっておるのである。ところがその燭光がまあみんなどれもドロップしておる。そうすると、いわゆる、たとえば四十燭なら四十燭と言って料金をとっておるが、事実は四十燭ないのである。はかってみたら実際ないのです。ところか四十燭のお金をとっておる。いわゆるその電気会社が詐欺をやっておる。これは過去にさかのぼって計算してみれば莫大なものですよ。そういうふうな大きな穴をどういうふうに政府がやるのかということを私はこの前、去年でありましたが、それを追及いたしましたところが、実にその明確なる答弁を得ていないので、計量器と、ここで出ておりますけれどもこういう方面はいいのでありましょうけれども、燭光とかそういう方面の計量というものはまるでずるけておるので、抜けておるので、電気会社というものは詐欺ばかりして金をとっておる、大衆から、そう言われても仕方がない。たとえば燭光だけない。そういうふうなものはどういうふうに通産当局はお考えになっておるか。大きなどろぼうをやっておるという結果である、詐欺をしておるという結果である。それはどういうふうにお考えになっておるのですか。それを一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/41
-
042・古池信三
○理事(古池信三君) ちょっと海野君にお諮りしますが、ただいまの御質問の問題は公益事業局の主管の問題だと考えるのですが、いずれ公益事業局長なりその他担当官の出席を求めましてその問題について御質問になったらいかがと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/42
-
043・海野三朗
○海野三朗君 そうですか。それではこれは保留しておきます、この問題は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/43
-
044・栗山良夫
○栗山良夫君 ただいまの電気計器の方の問題は、とにかく度量衡法は計量法に変った精神から言えばやはり相当にこれは研究もし、デスカッションをしなければならぬ私は問題だと考えているのですがね、従ってせっかく計量法の問題をやるのですから、公益企業局でもこの電気測定法の改正についてはやはり研究をされておるようですが、通産省としてのやはり一致した見解というものをこの機会にお聞きしておいた方が将来のためにいいのじゃないかと私は思うのです。従って委員長でそういう工合に一つお取りなしをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/44
-
045・古池信三
○理事(古池信三君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/45
-
046・栗山良夫
○栗山良夫君 そのほかに計量法からはみ出しておるものはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/46
-
047・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) ほかに私はないと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/47
-
048・古池信三
○理事(古池信三君) それではただいま公益事業局の方に連絡しましてこちらに出てもらうようにいたしますから御承知を願います。
それからこの機会にちょっと政府側にお尋ねしておきたいのですが、本法案につきまして衆議院における審議の際に何か付帯決議がついたとかというふうに聞いておりますが、その内容についてちょっと御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/48
-
049・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 衆議院の付帯決議の趣旨は、実は改正案におきまして手数料の地方委譲を行なっておるわけでございますが、これに対しまして計量行政の事務は国家事務であるし、経費は全額国庫負担とすべきである。従って可及的すみやかにこれに必要な措置をとるべきであるという付帯決議がついたわけでございます。その考え方は何としても国の事務であって、本来の建前からいえば国が全額国庫の負担でいくべきである、こういう建前からこの付帯決議をつけられたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/49
-
050・古池信三
○理事(古池信三君) その付帯決議に対する政府側の御意見はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/50
-
051・島村一郎
○政府委員(島村一郎君) 仰せごもっともと存じましてでき得る限りすみやかに御趣旨に沿うように善処いたします、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/51
-
052・河野謙三
○河野謙三君 今の付帯決議を実施する場合に予算上はどういうふうな関係になっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/52
-
053・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) もう少し詳しく申し上げますと、本来この改正案を提案しましたところのゆえんのものは、従来これは計量行政の方は国の事務でございまして、昭和二十四年までは全部この費用は全額国庫負担で参ったわけであります。ところが二十五年からこれが地方平衡交付金に変ったわけでございます。それが昭和二十九年度になりまして地方交付税制度となった。これによりますと計量に必要な行政を交付金、あるいは平衡交付金に計算上は計上しておりますが、いわゆるこれがひもつきでないために地方における計量行政の経費が確保されないという実情にあったわけであります。たとえて申し上げますと、昭和二十七年度にこの交付金、平衡交付金のベースとしましては二億三千万円ばかりの計算になっておるのでありますが、実際地方で計量経費として計上されましたものは一億五千万円程度に過ぎない、こういう状況で計量行政がますますふえて参りますにつきまして、経費が確保されないということ、こういう実情にあったわけであります。そこで政府としては全額国庫を希望してこれについて努力して参ったのでありますが、この全額国庫負担と申しますのは現在の地方自治制度との関係、あるいは国の補助金を漸次縮少して行く、こういう方針から見て非常にむずかしい問題はございます、しかしながらこういう計量行政の円滑するためにはどうしても何らかの措置が必要であるということで、地方から非常に強い希望がございました。ぜひこの手数料等を委譲してほしい、こういう希望もありまして、そういうことを考えまして、この改正案におきまして、地方の手数料等を委譲して、これによって計量行政の円滑を期したい、こういう考え方で、何と申しますか、次善の策でこの方策をとったわけでありまして、われわれとしましては理想としては、形におきましてはやはり全額国庫負担でいくという考え方が一番希望するところであります。従いまして、先ほど付帯決議がありましたように、可及的すみやかにということがありますが、そういう情勢を考えましてできるだけ早い機会に、こういう目的に向って実現させていただきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/53
-
054・河野謙三
○河野謙三君 そうなった場合に、すなわち全額国庫負担をした場合には、予算としてどのくらいのものが出てくるか、こういうことをお聞きしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/54
-
055・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 数といたしましては、全額国庫負担の場合は三億、今年、これが三十年度の計算になりますと、三億二千八百万円、こういう計算になります。今回の手数料委譲によりまして、地方に入ります手数料の数は、年に直しまして約五千万円程度であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/55
-
056・河野謙三
○河野謙三君 そうしますと、二億数千万円のものが、全額国庫負担という制度を確立する場合には、予算としてはふえてくる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/56
-
057・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) そういう計算になります。しかし現在でも二億五千万円、先ほど申し上げました三億二千万円とそれから五千万円との差は、一応地方交付税の形、ベースとして計算されておることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/57
-
058・河野謙三
○河野謙三君 全額国庫負担をした場合に、人事問題はどうなりますか。人事の問題は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/58
-
059・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 従来、昭和二十四年までは現在と同じようなかっこうになっておりました。今後の場合に、全額国庫負担にする場合、どうするかということは今後研究しなければならない問題ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/59
-
060・栗山良夫
○栗山良夫君 この問題は地方公共団体と直接関係を生ずる問題でありますが、本院の地方行政委員会との関係ですね、あるいは地方公共団体のこの原案に対しての意見ですね、そういうものは聴取する必要が全然ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/60
-
061・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 実はその点に関しましては、昨年全国知事会議、あるいは地方の部長会議等におきまして、ぜひこの手数料等を委譲してほしいという決議をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/61
-
062・栗山良夫
○栗山良夫君 その地方公共団体の方は、やはり費用がないために、検定事務を行う費用がないために、地方委譲をしてくれという素朴な考え方なのですね、これは理論の問題としてでなしに、現実に委任事務を遂行する責任上から費用がなければできないと、こういうわけだ。しかし衆議院の付帯決議はあくまでも国の仕事であると、それでやるべきであると、こういうふうに決議されたということでございましたので、そこにやはり理論と現実の合わないところが少し出ているのじゃないですかね。ですからそういうことをさらに追及していけば、全般的な国の地方公共団体に対する委任事務の取抜いも関係してくる問題なのですがね。あまり便宜的にそういうことをやりますと、やはり国と地方公共団体との間の規律すべき関係というものが、非常に乱れてくる。あまり便宜主義にやると、そういうふうに私は考えますが、その点は将来のことをおもんぱかってやはり一つの措置をとるとすれば、突き込んで考えていく必要がありやしないかと私は考えるのです。これはいろいろなものを便宜的にどんどん地方に公共団体の財源がないというのでやり出した場合に、体系が乱れてしまうのではないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/62
-
063・鈴木義雄
○政府委員(鈴木義雄君) 実は御質問でございますけれども、それはほかのものにおきましては、同様のものが手数料が地方に委譲されておりますわけでございます。たとえて申しますと、高圧ガスの取扱いとか、火薬の取扱いというものは現に手数料を地方に委譲しております。これだけは逆に言いますと国が取っていたというところが実情でございまして、これが全体の原則に違うということはないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/63
-
064・古池信三
○理事(古池信三君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/64
-
065・古池信三
○理事(古池信三君) 速記を始めて下さい。
それでは本日はこれをもって散会いたします。
午後三時四十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214461X00919550526/65
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。