1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月三十一日(火曜日)
午前十時五十九分開会
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委員の異動
本日委員平林剛君辞任につき、その補
欠として湯山勇君を議長において指名
した。
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出席者は左の通り。
委員長 青木 一男君
理事
西川甚五郎君
山本 米治君
土田國太郎君
森下 政一君
委員
青柳 秀夫君
木内 四郎君
白井 勇君
宮澤 喜一君
片柳 眞吉君
小林 政夫君
前田 久吉君
岡 三郎君
菊川 孝夫君
野溝 勝君
湯山 勇君
井村 徳二君
小柳 牧衞君
中川 幸平君
木村禧八郎君
衆議院議員
補助金等の整理
等に関する特別
委員長 伊東 岩男君
床次 徳二君
国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
政府委員
法制局長官 林 修三君
法制局次長 高辻 正巳君
大蔵政務次官 藤枝 泉介君
大蔵大臣官房長 石田 正君
大蔵省主計局長 森永貞一郎君
大蔵省主計局次
長 正示啓次郎君
大蔵省主計局法
規課長 村上孝太郎君
農林省畜産局長 原田 伝君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
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本日の会議に付した案件
○補助金等の臨時特例等に関する法律
の一部を改正する法律案(衆議院提
出)
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001・青木一男
○委員長(青木一男君) これより大蔵委員会を開きます。
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(衆第七号)(予備審査)を議題といたし、まず提案者より提案理由の説明を聴取いたします。衆議院、補助金等の整理等に関する特別委員長、伊東岩男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/1
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002・伊東岩男
○衆議院議員(伊東岩男君) ただいま議題となりました補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
ききに第十九回国会において成立施行をみました補助金等の臨時特例等に関する法律は、地方公共団体が法令に基いて実施いたしまする施策に伴う経費及び民間団体等に対する補助金等で補助金等の交付を停止または低減の措置を講じたものでありますが、これは本年三月三十一日限りでその効力を失うことになっておりましたので、本年度もまた予算編成等の経緯により、国債整理基金への繰入及び補助金等に関する特例の期限を変更するための法律によりまして、本年度の暫定予算期間中の四月及び五月の間だけ一時延期されたのでありますが、政府は、本予算提出に伴いさらにその有効期間を昭和三十一年三月三十一日まで延長せんとする法案を提出して参りました。
しかるに衆議院におきましては、六月分の暫定予算の通過をみたのみで、未だ本予算の審議中のことでもありますので、とりあえずその有効期間を六月分暫定予算に見合うべく、本年六月三十日まで延長する措置をとることを妥当と認め、本案を提出いたした次第であります。
なにとぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/2
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003・青木一男
○委員長(青木一男君) これより質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/3
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004・小林政夫
○小林政夫君 政府が三十年度一ぱいのこの補助金打ち切り、あるいは軽減の措置を講じようとして提案されたのに対して、衆議院では暫定予算の期間中で御修正をお加えになったが、内容的に衆議院の方において予算修正等を含みとしてやられたのかどうか。もし補助金等の臨時特例等に関する法律で、軽減または打ち切りを予定しておる補助金等をふやす費目を頭においての修正かどうかということをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/4
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005・伊東岩男
○衆議院議員(伊東岩男君) この法律案を主として制定に当った衆議院の床次理事から説明していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/5
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006・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいま委員長から御報告がありましたごとく、この法案は六月の暫定予算が衆議院におきましては成立いたしたものでありますから、この暫定予算に符合させる、法律と予算との不一致をなくすために成立せしめた次第であります。従って予算の内容に関しましては、これを増額しよう、あるいは削減しようという考え方は持っておりません。衆議院でもって決定いたしましたところの予算をそのまま矛盾なく実施させるために考慮されたものであります。従って七月から以後の問題に関しましては、今日まだ予算全体につきまして審議中でありますので、もちろん態度はきめておらないのであります。政府といたしましては提案いたしました予算をそのまま実行したいという考え方を持っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/6
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007・小林政夫
○小林政夫君 いや、政府としての考えでなしに、衆議院としてのお考えを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/7
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008・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいま申し上げましたが、暫定予算に関しましては衆議院としましては態度がきまりましたので、そのきまりました態度に対してふさわしい本案を提案いたしたのであります。七月以後の一般予算の問題に関しましては現在審議中でございますので、いずれ今後におきまして決定いたすことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/8
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009・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、先ほどちょっとお尋ねした補助金等の即時特例等に関する法律で、軽減または削減をしておる費目について、政府はその通り予算を組んでおるはずですが、それを復活する御意思心あるというふうに了解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/9
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010・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 六月暫定予算に関しては、全然それに触れてございません。暫定予算通りでやっております。七月以後の問題に関しましては、今後の審議の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/10
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011・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、非常にシビリアにお考えになって、予算と法律案というものを完全に一致させるのだと、こういう見解のもとに衆議院はこの暫定措置を六月まで、暫定予算の期間ということにおきめになったが、今度新しい衆議院になっておりますから、そういう考えにお変りになったかもしれませんが、従来の衆議院のわれわれの方に案を送付されてくる実績を見ると、必ずしもそうなっておらない。予算は予算で通しておいて、非常に予算と密接な関係のある法案について適宜修正になって回っておりますが、以後そういうようなことはなさらんつもりであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/11
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012・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいまの御意見でありまするが、一般予算に関しましては、今後の衆議院の審議の問題でありまして、まだ態度はきまっておりませんものでありますから、この問題に関しましては何とも申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/12
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013・小林政夫
○小林政夫君 今後の七月以降の問題について態度がきまらないということでなしに、今度厳密に暫定予算の期間に合せるのだということで、この法案についてはそういう御見解で修正になって出された。そのお考え方を貫くということは、予算と法律案というものは完全に一致させるのだ、一つの衆議院という院がきめる場合においては、当然その予算と法律案というものは一体のものである、こういう強い御信念で修正になったと了解せざるを得ないのであります。そういうことであれば、今後もその他の法律案についても、予算と完全にうらはらの法律案については一致の措置をとられるおつもりであるかどうか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/13
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014・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 法律と予算との間の矛盾をなくすという立場において努力いたしたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/14
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015・小林政夫
○小林政夫君 特に委員長も同様のお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/15
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016・伊東岩男
○衆議院議員(伊東岩男君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/16
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017・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ただいまの御説明を伺いますと、七月以降についてはまだ本予算を審議中であるから、とりあえず六月分について従来の措置通りでやってゆくという意味の修正ですが、今のわれわれ審議している暫定予算は、政府の提案理由によれば、まだ成立しない三十年度の本予算を基礎にして組んでいる。それでその三十年度の本予算は、この補助金の全額削減または低減、そういう措置がずっと来年の三月三十一日まで続くという建前で作られている。ところがその本予算がまだ成立していないんですね。それを基礎にして政府は六月の暫定予算を組んでいる。そうすると、今度それに合せて修正されたということですが、私は六月だけの措置では足りないので、この本予算を基礎にして政府は来年三月三十一日まで延長するという案を出して、それを修正しているのですが、衆議院の方では、七月一日以降については修正等考えているから、修正が考えられているから、きめられないというのですね。そこでこれはただ補助金だけの問題として考えられない。その他のいろいろの修正等とからむわけですね。そういうほかとの、修正との関係ですね。そういう問題についてはどういうふうに関連して考えられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/17
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018・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいま御質問がありましたが、衆議院におきましては、六月の断定予算を一応決定いたしたものでありまするから、その暫定予算の数字にふさわしいところの取扱いのためにこれをいたしたわけであります。ただ法案の取扱いから見まして、同じような題目がありますので、誤解がおありかと思いまするが、今度衆議院において議決いたしましたのは、この補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案、これは政府が提案いたしましたものと別の形においてやっておるわけです。政府案の修正というわけではないのでありまして、従って六月までの分をとりあえず従来の方針通り、四、五につきましてのと同じ方針をもって扱うということをとりあえずこの法律案できめた。従って七月以降に関しましては、今後もう一回措置をとらなければなりません。その措置をとりますためには、政府は善処することになっております。すなわち今月御審議中のこの衆議院の提案いたしましたところの法律案というものが成立いたしましたならば、それに対応いたしまして、政府は従来のものを修正あるいは撤回するという措置をとることと、私ども予想しております。それによりまして、七月以後の取扱いにつきましては、予算と歩調をそろえまして、一般予算と矛盾のないようにいたしまして処理をすべきものと私ども考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/18
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019・木村禧八郎
○木村禧八郎君 これは修正ではないというのですね。ところが政府は前の案を撤回して、政府がこれを出すべき筋合いじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/19
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020・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 政府が提案しておりまするのは四、五に引き続きまして、六月一日から年度末までの案を提案しておったわけであります。しかしながら暫定予算が六月分だけ切り離して作ることになりました場合には、政府といたしましては、六月分の方だけ切り離して、別の法案を出すということも一応考えられるわけでありまするが、実は衆議院の審議におきまして、政府がそれをいたすのだ、措置をいたすのだという時間がなかったのであります。従って衆議院といたしましての立場におきまして、かかる法案を提案いたしまして、そうしてこの補助金の措置に対しまして暫定予算との歩調を合せるというふうに処理をいたしたのであります。この点は衆議院の委員会の最中におきましても、政府の答弁を御参考までに申しまするとおわかりをいただけるかと思いまするが、松野委員の、暫定予算の成立に当りまして、もしも暫定予算ができた場合に、それにふさわしい法律案を出して処理することも考えられるかどうかという意味においての質疑があったのでありまするが、それに対して大蔵大臣から次のような答弁をしておるのでありますから、御参考までに申し上げますると、「松野委員の言われます通り、四、五月分暫定予算に伴いまして、五月まで延長の法案を出したのでありますから、六月分暫定予算に伴って六月まで延長の法案を出すべきであります。しかし政府は年度末までの延長法案を出しておりますので、期間が重複すると考え、その措置を講じたかった次第であります。従って六月分の延長法を出せという御意見は同感でありますが、ただ政府としてあらためて法案を出すだけの時間上の余裕がありません。そこで当委員会においてこの間の事情を何とぞ御賢察下さいまして、しかるべき御措置をお講じ下さることを希望いたす次第であります。幸いにさようなお取扱いが願われましたならば、政府といたしましては、これに伴い必要なる措置をすみやかに講ずるようにいたしたいと存ずる次第であります」。政府もかような態度をとっておるのでありまして、今後この暫定予算に対する補助金法案が成立いたしましたならば、七月以後の問題に対しましては、政府といたしましては、さらにあらためて御審議を願うという措置を考えておるものと私ども想像しておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/20
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021・木村禧八郎
○木村禧八郎君 政府が時間上その余裕がないというのはどういうことですか。これは政府の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/21
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022・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) それではお答えを申し上げますが、実は御承知の通りこの法律案は四月、五月だけ先に御延長の措置を講じていただきまして、五月末まで、すなわち本日をもちまして失効することに相なるわけであります。つきましては私どもの最初の考えは先ほど床次委員が大蔵大臣の答弁をお読み上げになりましたことによって明らかなように、三十年度本予算案に基きまして、この法案も三十年度末まで延期をしていただきたい。こういうことでお願いをいたしておったのでございますが、その後諸般の情勢から暫定予算が先に衆議院を通過いたし、目下参議院において御審議中でございますが、この暫定予算の通過は衆議院の通過を先にみましたので、これに即応する措置をとりあえず講ずべきであるという議論が衆議院の委員会において非常に有力に唱えられたのでありまして、これもまた一つの方法であるという考え方を持っておったのであります。しかるところ、ただいま申し上げましたように、この法律の期限も非常に差し迫って参りましたので、政府が一たん政府案を撤回あるいは修正する措置孝講ずるという事実上時間的な余裕がなくなりまして、先ほどお読み上げになりました通り衆議院の委員会において適当な措置を講ぜられる以外にはないというふうなことで、答弁を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/22
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023・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この衆議院の委員会で措置できるのに、政府の方で時間的にできない——もう少し具体的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/23
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024・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 政府が政府案を修正するには、それぞれ議院の御承諾を得なければならぬことは御承知の通りでありますが、そういういろいろの手数をやる時間的な余裕がなかった、こういうことでございまして、この点につきましては衆議院のそれぞれの御当局の方々と十分お打ち合せをいたしたのであります。現実的にその時間の余裕がなかった、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/24
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025・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そこのところが、現実的というのは、どういうわけです。もう少し具体的に話して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/25
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026・林修三
○政府委員(林修三君) こういうことではないかと実は私存じますが、政府が最初にこの法案を出しましたのは、御承知のように本年度の三十年度の予算が、大体その三十年度中問題の補助金等の削減なりあるいは補助率の減額ということを昨年通りやりたい。そういう予算を組みました。それに合せましてこの補助金等の臨時特例法をさらに一年間延期したい。こういう法案を出しておったわけでございます。で、これはたしかに一つの考え方で、政府としては本予算も提出して御審議を願っておるわけで、それに並行してそれと内容の同じ法律案の御審議を願うべく考えたのであります。衆議院におかれまして結局まだ五月末までに本予算に対する態度をきめ得ない、きまらない。従って六月だけは暫定予算でいくというお話になりまして、衆議院としてはやはりこの予算との関係からいくと、この補助金の臨時特例を来年三月三十一日まで、今直ちに延ばすことをきめるのは少しむずかしい。六月だけは暫定予算を通した関係で、六月だけ延ばすことにした、こういう御意見でありました。これはまことにごもっともなわけであったわけであります。従いましてそのとき政府のとる措置としては、そういうような内容の法案を別個にもう一ぺん提出するか、あるいは今衆議院で御審議を願っております法律について、修正するかあるいは撤回した上で、さらにそういう内容に直して出すとか、まあいろいろな方法が考えられるわけでございますが、これをとりましても、実はちょっと時間がかかるわけでございまして、新しい法案を出すには閣議決定も経なくちゃなりません。あるいは修正、撤回の方法をとるにつきましては、衆議院の院議を経なくちゃならない、こういう手続が要るわけでございます。そういうわけで、時間的の余裕が、どうしてもこれを五月末日までに差し当りの措置で立てなければいけない、そういうことに対してはちょっと時間的な余裕がなかった、こういうことだと存ずるわけでございまして、そういう関係を衆議院の委員会でも了とせられまして、衆議院の方で委員会提出という法律の形でこういう措置をおとりになったということになったものと了承しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/26
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027・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) 今時間がないという御説明にちょっと補足さしていただきたいと思うのでありますが、先ほど正示次長から申し上げたかと思うのでありますが、本予算の方針が確定しました暁において本予算と合せるような法案を提出するというのも一つの方法でありまして、それが五月三十一日までに成立するかもしれないという希望もわれわれは持っておったわけであります。確かに六月の暫定予算しか未だ衆議院は院議が決定していないのだから、それに合せろという議論も一つわれわれとしましては検討しなかったわけではないのでありますが、そうした議論が衆議院の特別委員会において非常に有力になりましたのは、土曜日の朝になって、そういう議論が非常に有力になって来たわけでございます。そうしますというと、その衆議院の御意向を体しましてわれわれがもし現在提出しております来年の三月三十一日までの法案を修正するなり、撤回するといたしますというと、それは国会法の五十九条によりまして院議を経なければならぬわけでございます。そうしますと、現実の問題といたしましては、きょうの本会議で修正をしていただいて、その修正したものをまた特別委員会にかけて特別委員会で可決されたものを、また本会議にかけて、それを参議院に送って、参議院でまた御決定を願う、こういうことの手続を経なければならぬわけでありまして、まあわれわれはそういう意味から時間的に余裕はない、こういうふうに御説明を申し上げなければならぬかと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/27
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028・木村禧八郎
○木村禧八郎君 一番望ましい形は、これは本当は政府が撤回されて新しいのを出す、そういうのが一番筋が通っていると思うのですが、そういう形でできなかったということは、衆議院側においてもそういう事情があったからやむを得ない。しかしどうもわれわれ考えると、政府がこれを出すのはまずいという点があるのじゃないかと思うのです。そういう点が主たるものではないか。こういう点で、私は時間の点でどうして余裕がないかということをいろいろ伺ったのですが、先ほどの委員長のお話を伺いますと、これは前提があるわけですね。七月以降においては政府がこの補助金に関する臨時特例措置、これを撤回または修正するという含みをもってこれを出された、ここが非常に問題なんです。ですから政府が来年三月三十一日までの法律案を撤回するとかりにすると、それには予算修正ということが問題になって来ている、今三十年度予算を審議して、そのときにそれとうらはらの法律案を政府は撤回して、そうして政府が六月一ばいまでの暫定措置を出してくるというと、その裏には当然七月以降の補助金等の臨時特例については修正または撤回というものが含まれてくるから、これは重大な予算修正というものを政府がすでに認めた上で出して来ているという形がどうしても出てくるのですね。そういうところが非常に困るから、これは衆議院の修正案として出す、こういう形をとったのではないか、それが主たる理由じゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/28
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029・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) ただいま木村先生のお話では時間的な余裕というよりは、むしろ政府が修正または撤回すると、七月以降はこの特例法をやめてしまうという意思表示になるからと、こういうふうなお話でございましたが、われわれの方としては全然そういうことは考えておりません。われわれは現在今日でもって終りますところの時限法を延長しますのには、一体何が一番早い手続であるかという点を考慮しただけのことでありまして、撤回または修正と先ほど申し上げたのは、これは結局この委員会提案の六月暫定予算の期間中のみ延長するという法案が成立いたしますと、政府が出しておるのは六月一日から来年の三月三十一日までという時限法延長の法案でございますので、その六月一ぱいが重複するわけでございます。そこでその重複する部分を修正する、あるいは撤回すると申し上げましたのは、それを撤回して七月一日以降というような法律を提出する、こういうことでありまして、われわれの方としてこの七月一日以降として参議院にこの特例法の延長を御審議願いたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/29
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030・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そうしますと、先ほどの委員長の御報告と非常に食い違っておりますね。先ほどの委員長の御報告では、これは当然七月以後においてはもう一度これは法律案の措置がとられなければならぬことだと思うのです。もう一度これは改めて七月一日以降来年の三月三十一日までこの特例措置を講ずるという法律を出さなければならぬのじゃないですか。今のお話ですね、この一部修正案を、これをここで通せば六月一ぱいだけ今までの法律が有効で、いいですか、それでその七月一日以降もこれは効力があるということになるとおかしい。さっき委員長の説明だと七月一日以降は撤回または修正されるという前提でこれを出している。ところが事務当局の意見はそうじゃない。やはり七月一日以降も臨時特例措置を続けていくと、こういう解釈になっておるんですか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/30
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031・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいま衆議院側の意向と政府当局の意向と違っておるのではないかという御質問でありまするが、これは全然同一なのでありまして、ちょっと重ねて申し上げますると、政府案が出しましたのは六月から年度末までの案でありまするが、そのうち暫定予算に関連いたしまして今回六月一ぱいのものができたというわけであります。従って重複部分だけは再審議しなければならぬということになるので、前から出しております政府案はこれはもう一回処置をしなければならぬわけであります。本日この衆議院が提案いたしましたものが国会を通過する、参議院におきましてこれが成立するということになりますると、政府が提案しておりましたのは当然これは改める、修正なり撤回なりの処置が必要になってくる。その処置を政府として善処してもらいまして、そうしてその後におきまして、七月一日から今度は年度末までのものについて改めて御審議を願うということになるわけであります。特にそういうことをしなければならなくなったのは、御承知の通り本案が今月一ぱいということになっておりまして、きょうを過ぎてしまいますると法案のもともなくなってしまうわけなのでありまして、ですからどうしても審議いたしますもとを残すためにも、今日中にぜひ形をとりたいというわけで非常に急いだわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/31
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032・木村禧八郎
○木村禧八郎君 その手続き問題についてはわかったんですが、これは大臣にでも聞かなければならぬことになるのですが、重大な衆議院の修正には前提があるわけですね。これには先ほど小林君から質問があったように、補助金については自由党は削減あるいは減少に対して修正案を用意しておられるわけですね。従ってその話し合いが裏にあるわけです。実際問題としてはあるのであって、それでは七月一日以後今まで通りの補助金等の臨時特例がずっと続くという前提で、そういう措置をやったわけではないと思います。ですからもしあれなら、最初の一部改正法律案を可決すればいいわけでしょう。そこに話し合いがあるわけであって、そうして七月一日以降については、これから予算修正と関連して、その特に補助金の問題については、話し合いはこれは政治的の問題になると思うのですが、その点を修正あるいは撤回すると言われたのはそのことじゃないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/32
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033・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 七月一日以後の問題につきまして修正あるいは撤回という言葉を使いましたのは、純然たる事務的の問題におきましてそうせざるを得ないという立場から出て参ったのです。予算そのものから見ますれば、政府案が、政府で出しております予算に対しましては、従来の通りこの整理の方針をもって差しつかえない。これに符合しておる次第であります。従って取扱い方といたしましては、もしも政府の予算がそのまま承認せられますならば、従来と同じような趣旨のものを、今度あらためて七月一日から年度末までという規定において御決議を願うことになるわけでありまして、今日は予算の取扱いにつきましては、何ら私どもの方におきまして、これを増加あるいは削減するということにつきましては全然触れておらないので、一部にはあるいは話はあるかもしれませんが、本案の取扱いにおきましては全然これは考慮しておりません。単なる事務的な立場におきましてこの取扱いをいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/33
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034・林修三
○政府委員(林修三君) ただいま床次理事からの御説明にちょっと補足いたしまして、純技術的な問題でございますから、今末村委員がおっしゃいました政府修正あるいは撤回して再提出するという場合がどうして必要になるかということをちょっと御説明いたしておきます。これは御承知のように政府案で出ております補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案、この内容が、先ほども御説明がございましたように、一応この法律が五月三十一日まで今実は有効になっておるわけでありまして、それを来年の三月三十一日まで延ばそうという前提で出ております。従いまして非常に技術的になりますが、その内容をごらんになりますと「附則第十項中「昭和三十年五月三十一日」を「昭和三十一年三月三十一日」に改め」るという内容に実はなっております。ところが、今度衆議院から御提出になりましたこの法案は、その五月三十一日まで期限がある法律を一カ月だけ延ばしております。つまり今の御説明になりました法文でごらんになりますように、「昭和三十年五月三十一日」というのを、「昭和三十年六月三十日」に改めるということになります。従いましてこの法案が成立いたしますと、政府案の方で内容になっております「附則第十項中「昭和三十年五月三十一日」を」というところの「を」の改正される対象がどうしても違って来るわけであります。こういう次第で、ここを「昭和三十年六月三十日」を「昭和三十一年三月一二十一日」に改めるという形になおさなきゃならないのであります。同時に附則の中で、地方財政法の中にも同じように技術的修正をしなければならないことになります。そういうまったく技術的な修正をこの原案について加えなきゃいけない、そういう意味でございます。そういう意味で、手続としては政府修正という形もございますし、あるいは衆議院の委員会で御修正くださる方法ももちろんあるわけであります。それから政府が修正あるいは撤回して再提出する手続、いろいろ手続はあります。それはいろいろ今後私ども考えてみますけれども、いずれにしても、そういうふうなまったく技術的な、内容に触れない、実質に触れない、技術的な修正をしておる、そういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/34
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035・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それはわかりました。先ほど委員長の言われた修正撤回ということは、純技術的な意味で法律案についてという意味はわかりました。しかしながらなぜ実際にこういうことをしなくちゃならぬかという点は、実際は最初の法律を早くここで通しちゃえばいいわけでしょう、それを一応さしあたり六月までということは、その間に、この補助金について問題があるから、七月一日以降については、これをまた復活、あるいは増額という問題があるから、そういうあれは話し合い、取引があとに残されているから、とりあえず六月中はそうしておいて、七月以降については、今度はこの通りの特例措置を認めるかどうかは、これは今度の予算の修正の折衝とからみ合ってくると思うのです、そうじゃないのですか。この限りについての修正撤回はわかったのです。七月一日以後の分について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/35
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036・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 政治的含みがあるのではないかという前提でもってお話がありまするが、今日衆議院の方におきましては、一般予算に関しましてはまだ審議中なのでありまして、態度がきまっておりません。従って態度のきまりましたところの暫定予算だけにつきまして、この問題は差しつかえなかろう、前に四、五の分をこういうふうに処置しておりますものですから、同じように取扱おうというわけでありまして、なお、七月以後の分に関しましては、従来の法案の趣旨のもので大体問に合う、かように考えている次第でありまして、この点は実は一昨日、昨日と、もうきわめて時間の詰ったときにおいて審議しておりますので、もしも一般予算の紛議のために、この法案が成立しないことになりますると、ここに空白ができまして、この補助金に関する規定がなくなってしまいますと、六月以降における処置に非常に困るわけでありまして、とにかく話のまとまったところだけは早く処置することが最も適当であると思って、かような処置を考えた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/36
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037・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 政府側からも一言お答えを申し上げておきますが、衆議院の特別委員会におきまして、大蔵大臣からもたびたびお答えを申し上げましたが、政府としては今回御審議中の本予算案に即応いたしまして、ぜひとも原案のごとく補助金等臨時特例法を、昭和三十年度一ぱい御延長を願いたいという考え方を、今日も持っておることに変りはございませんが、その御審議のためになお若干の時日を要するということでございまして、一方本法の期限が今日に差し迫っておりまして、その相反する二つの要請上やむを得ず、こういう特別の措置をおとりいただく場合には、その措置に即応して善処いたしたい、かような考えを持っておるのでございまして、七月以降の問題を私どもとして最初の提案を変えるということを今日考えておるわけではございません。もっぱら時間的な関係から、かように相なりましたということをお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/37
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038・木村禧八郎
○木村禧八郎君 それは事務当局としてはそういう説明よりしようがないと思うのです。それはまあ実際問題としては、その補助金に関する政治取引の問題が残されていることは、もう疑いない事実でございますが、大蔵大臣にこれは聞かなきゃならぬと思うのですが、補助金の問題プロパーでございましてね、もしこの法律が、じゃここで通らなかったとすると、まあかりに一月分とすれば、どのくらい財源措置が必要ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/38
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039・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) お手元にすでにお配りしてあるかと思いますが、この臨時特例法関係で節減になりますところの経費というものは、約年間を通じて十九億でございます。その中で季節的なものもございますが、たとえば新入学児童に対する教科書の無償配付、まあそういうものを除きましたものの十二分の一、こういうふうにお考えになればよろしかろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/39
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040・木村禧八郎
○木村禧八郎君 この補助金については、まあいろいろ非常に大きな問題があるわけですが、われわれとしてはこの補助金の中では、あるいは削減、軽減に賛成の部分もあるし、あるいはそれを不当と認めておるものもあるのです。われわれとしては……。そこで、今度の六月暫定予算についても、その点についてはやはり問題になるわけなんです。そこでこの際、補助金そのものについていろいろ質問したいのですが、これは、あとまた大蔵大臣が見えてからにこの点については質問を残しておきます。まあ衆議院側に対するほかの人の質問もありましょうから、あとでまた補助金そのものについて大蔵大臣に質問することにしまして、私の質問はこの程度にしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/40
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041・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今の床次さんの御説明を聞いておりますと、暫定予算があったので、これに歩調を合わすためという、主としてそういう角度から衆議院の特別委員会では御論議になった。従って補助金個々について、まだこれは残すのは適当だとかどうだとかいうようなことは全然触れずに予算が上ってしまったからやむを得ぬ、こういうところで衆議院においてこちらにお回しになったのかどうか、その点を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/41
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042・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) この補助金の問題に関しましては、すでに衆議院といたしましては前国会におきまして審議いたしましたものであります。内容は全く同一のものが今日こうなっておる。しかも四、五に関しましては、それを審査いたしまして決定をいたしました。さらに同一の内容のものを六月にも実施しようというわけであります。すでに予算もその趣旨において計上されておりますので、予算と全く同じ趣旨におきまして、同じ内容におきまして補助金を検討して処置をつけようというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/42
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043・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、大体大蔵大臣といいますか、政府の方でも、四、五、六と、これと同じようにもっていきたい、こういう御意向なんでありますから、それで、この法律案を政府から出されておるわけでありますからね。また与党の民主党の方でも当然政府とあらかじめ打ち合わせられまして、四、五、六に引き続いて七、八、九、十と、ずっとこの通りにやっていきたいということに大体民主党の方でもなっており、政府としてもそれは意見が一致しておると、こういうふうに解釈してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/43
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044・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) これはすでに予算が提案せられておりますので、おわかりと思うのですが、あくまで予算の処置と、予算を編成いたしまする場合の方針というものを、そのまま、それにマッチいたしますところの補助金整理の法律案という形によってこれは提案されておる、かように御解釈をいただきたい。なお、それで今後の問題に関しましては、私ども同じ趣旨で考えておりまするが、ただ手続上から申しまして、七月からの分は、あらためて御審議を願うという形にならざるを得ないということを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/44
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045・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、床次さんの今の御説明では、これは大体手続上の問題であって、本予算が審議されるときには、当然民主党の態度としては四、五、六と同じようにいくつもりだ、そういう腹でおられるかどうか、こういうことを聞いておるのですがね。というのは、このまま政府の出したやつをやっていくなら、もう、ついでにそのまま通しても、これは事務的には差しつかえないと思うのですが、わざわざ衆議院でこういう御案をお出しにならなくても、政府の原案をそのまま通しておけば、これは一向差しつかえない。三月三十一日までそのまま放っておけば、予算の原案もそうなっておるからして、これを何らかの政治折衝の含みを残しておこうという用意があるからして、民主党のほうでも六月暫定予算だけにこれを一つ切っておく、こういうように修正する腹があるかどうかということを聞いておる。最初にこの予算を編成するときには、当然第一党である与党のほうでも、これは、これでいこうという方針でお出しになった。ところが予算がこの問題について難航しておるから、こういうところから一ぺんしばらく本予算の審議とにらみ合わして考えよう、こういうように方針がお変りになったのだと、こういうふうになったのか、一ぺん伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/45
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046・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいまのお尋ねは、政治折衝の余地を残すために、それじゃこういう案を出したのではないか、そういうふうなお考えのもとに御質疑になっていると思うのでありますが、実は衆議院の委員会におきましては、年度末までの処置について審議しておったのです。大体そういうふうに私ども努力して参ったのでありまするが、御承知の通り予算全体がまだ確定していないという状態でありますので、しかも半面におきまして、この案自体のことは、きょうまでに解決いたさなければ案自体が廃案になってしまうという状態になっておる。従ってこれを救済するためには、どうしても本日までにこれを整理さしておく必要がある。しかも幸いなことには、暫定予算はすでに衆議院の方は決定しておるという状態でありますので、この問題のない部分だけを処置いたしまして、そうして進行させるという状態になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/46
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047・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それでは、予算がまあ今審議中であるけれども、法律案だけは政府の原案を通してしまっておいたら、これは事務上非常に差しつかえのあるところかどうか。これを法制局長官に一つお伺いしておきたいのですが、政府の原案そのまま三十一日までやってしまったということは、これはできないことですか、どうですか。この点を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/47
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048・林修三
○政府委員(林修三君) これは純粋に法律的に申せば、それはできないことじゃございません。もちろん法律というものは、ある期間あらかじめできておりますね。それに基いて予算を組むということは幾らでもあることでございますから、純粋に法律的に申せばできないことじゃございません。ただこれは予算と密接な関係のある実は法律でございまして、普通の法律は、それほど実は——もちろん予算とは関係のある法律が多いのでございますが、これほど、うらはらになっておる法律は少いだろうと思います。そういう意味で、本予算がまだ衆議院を通らないという時期においては、やはりまあ予算と合せるという意味で暫定予算の分だけにするということは、これは当然考えられることで、また、むしろいいことじゃないかと思いますけれども、純粋に法律的に申せば、さっき申しましたように、できないことではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/48
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049・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、衆議院の特別委員会の御論議は、やはり補助金の個々について一ぺん再検討しようというというような大体の空気であったために、衆議院のこの案を委員会の案としておまとめになったのか。それとも、ただ予算が暫定予算と、こういうふうに切り離されているから、やむを得ず事務的な問題としてやられたのか。もう一ぺん補助金一つ一つについて掘り下げて検討して、ふやすものはふやす、また削減のそのままのやつは、それでやっていこう、こういうような方針のどちらかで、ただ単なる事務的でやられたのか。それとも、単なる事務的であったならこの政府原案でもいいと思うのだが、ここに余地をお残しになって再検討しよう、こういう空気でもってこの案をお出しになったのか。そのどちらかを一つ委員長から伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/49
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050・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) この点は先ほど委員長から御説明申し上げましたことによって明らかでありまするが、取りあえずこの有効期間を六月暫定予算に見合うべくすることを妥当としましてやった次第であります。御承知の通り委員会の審議が非常に時間的にもずれておりまして、従って、空白を生じない、実施上におきまして矛盾を生じないようにいたしますためにも、何としても結論を出さなければならないという状態になりましたので、昨日こういう処置によりまして、そうして本日参議院の方におきましても御審議を願いたいという状態になりましたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/50
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051・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それでは、まだ個々の補助金についてこれをどうするか、これはそのままもう一ぺん復活するか、これは削減のままでおいておくかというような、個々の補助金一つ一つについてまだ衆議院の方では御論議されずに、ただ事務的な処置として取りあえずこれをお回しになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/51
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052・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 当然この中にきまりましたものにつきましては、個々のものにつきましても慎重審議を遂げた結果がここになっておるわけでございます。いろいろ増額の意見もありましたし、あるいは廃止してもいいじゃないかというものもありましたが、それぞれ検討した結果、ただいま申し上げましたような結論になったので、すでにこの点は、予算というもの、暫定予算は成立いたしております。暫定予算の際におきまして十分審議をしてあります。また当委員会におきましても個々の問題につきましても相当質疑応答がありまして、こういう結論になった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/52
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053・菊川孝夫
○菊川孝夫君 非常に床次さんのお話しでは暫定予算にこだわってみえるようでありますが、従ってそれなら、本予算の審議と、これは密接に、あとの問題、七月以降の問題も関連してくると思うのでありますが、従って特別委員会のほうで御審議される場合には、特に予算委員会との連絡が一番大事な問題になってくると思うのでありますが、予算が通ってしまった、こういうことになってきますと、今度の七月以降の分につきましても、予算の通る前に態度が決定されなければならぬわけですね。大体六月の四日ころには本予算が衆議院は通る。こういうふうなことを日程をくってみると大体六月四日ころには、修正されるとかあるいは組みかえされるかは別といたしまして、参議院のほうに回ってくるんじゃないか、こういう予想をしておるわけです。六月四日までには、この特別委員会も、予算が通ってしまったら、あとでは何ともならんから、今の暫定予算でも、予算が通ってしまったら何ともならないということなら、六月四日までには衆議院で結論をお出しになって、こちらにお回しになる、七月以降の分についてはこういう腹がまえで御審議を進めておられるのですか。そうでないと今の六月の暫定予算にこだわっての説明と話が合わんことになるだろうと思いますが、その点を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/53
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054・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 六月の問題につきましては、すでに予算もきまっておりまするが、本月中に結論が出ないと、法律そのものがなくなってしまう、死んでしまうという状態なんです。それでやむを得ず今日ということが非常に重要になってくる。将来の予算の問題につきましては、御意見の通り、予算とは全くうらはらの問題でありまして、単独にこれをきめるわけにはいかない。予算と十分連絡をとりまして方針がきまるべきものであります。私どもも予算委員会だけに一任すべきものとも思っておりませんし、十分検討し尽して、これが互いに表裏をなしまして結論が出てくるのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/54
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055・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、もう一ぺん繰り返して聞いておきますが、本予算が衆議院を通過して、こちらに回付されるときには、同時にこれも回ってくる、こういうことでなければ、このくらい、うらはらのものはないのでありますから、予算がこちらへ回ってきたけれども、こいつだけは回ってこないというのでは、まことに委員会の審議上困ると思います。予算と一緒に回ってくる、そういうつもりで委員長もお進めにならなければならぬ。さっきからの床次さんの御説明を聞いていると、衆議院の方針から考えてそうならなければならない。また今度予算がこっちへ回ってきたときには、当然七月以降の補助金に対する態度というものを衆議院が決定されて、こっちへ回ってくると、こういうふうに了承してよろしうございますか。そうでないと今の説明は話が合いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/55
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056・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいま御意見がありましたが、予算がきまりますれば、大体これに対する態度というものもきまってくるというのは、不可分のものではないかと思っております。ただ事実において、法案の審議が終りましてこちらに送付できるかどうかということについては、これは技術的な問題でありますので、私どもも、その点、今から何とも申し上げる余地はないのですが、当然予算がきまりますれば、こういう法案に対する態度というものは、同時にある程度まで確定し得るものではなかろうかと、私どももさように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/56
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057・菊川孝夫
○菊川孝夫君 これは特別委員会を設けて審議される以上は、予算がきまる前に、特別委員会で、補助金をどうするかということをきめなければならぬ。予算がきまってからではだめです。六月四日に通るとするなら、その前に早いとこ、きめなければならぬ。予算がきまってからではどうもしようがない。あとで法案を直しても、予算がきまってしまってはだめだ。予算のきまる前に補助金をどうするかという態度をおきめにならなければ話にはならぬ。今までの話を聞いていると、それは委員長、そういうふうに運営されますか。そういうふうに当然おやりにならなければだめだ。ここで六月分の暫定予算について以上のような説明をされた以上は、当然参議院としてはそれをあなた方、——あなた方と言っちゃ失礼でありますが、衆議院のほうに御要望申し上げるのは当然だと思います。これは床次さんも御了解願えると思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/57
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058・伊東岩男
○衆議院議員(伊東岩男君) ただいまの御意見は筋として当然のことだと考えますので、これは当然並行して審議を進めるべきものと考えております。さようにいたしたい所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/58
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059・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、くどいようでありますが、予算が回ってくるときには、それで一応財政的な面におきましては、補助金に対する態度は衆議院できまってしまうわけであります。ただこの法律案は事務的な処理にすぎない、こういうふうに私は解釈したほうがいいと思うのですが、従って衆議院のほうで予算の態度がきまる前に、補助金特別委員会におきましては、この補助金をいかにするかという態度をおきめにならなければならぬのじゃないか。われわれのほうでも、参議院におきましても、やはり当然そういう態度で補助金の問題とは取っ組んでいかなければならないと、こういうふうに考えておるのですがね。それは理屈はそうだと思うのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/59
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060・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) この点は理論的に申しますれば同時にきまらなければならぬものである、しかし実際の扱い方を見ておりますと、こういう法案だけが出て予算が出ていないということもあるし、予算がきまっていて、あとから追っかけてこういう補助金の態度がきまるという場合もあるのじゃないか。これは実際取り扱う場合におきましては差が出てきますが、理論としては、これは同時にきまるべきものじゃないか。この点は私どももさように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/60
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061・山本米治
○山本米治君 法制局長官にちょっとお伺いしたいのですが、かりに本日までに政府提案通り、すなわち期限を年度一ぱい、来年三月三十一日までというやつが両院を通過したといたしまして、その後予算折衝等におきまして補助金の実体が変る、補助率を上げるとか、いろいろなふうに実体が変ったという場合には、またそれに伴う法律を作らなければならぬと思うのですが、その場合には今日までに通過した法律がすぐ廃案になって、また新しくやるのか、それとも一事不再議の原則に反しないものかどうか、その点お伺いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/61
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062・林修三
○政府委員(林修三君) この一事不再議の原則でございますが、これは実は国会におきまする議事運営のいろいろの原則でございまして、この考え方は、実はまあ昔から国会におきましていろいろな考え方があるようでございまして、私ども政府側としてそれをとやかく言うのは実は少し僭越かと思うのでありますが、一応私どもとして一事不再議の原則というものはどういうものかと考えてみますと、これは結局全く同じ題目、同じ内容のものにつきまして、あるときはAという結論を出し、続いて直ちにBという結論を出すということは、これは全く議事の運営を混乱さすものでありまして、従ってそういうことはいけないということが一事不再議の根本だろうと思います。従って、かりに題名が同じであっても、あるいは内容が本当に似ておっても、根本は実質的には違うものだ、たとえば今おっしゃいましたように、一応来年三月三十一日までときめるということがかりに法律で成立いたしましても、その後、客観情勢の変化によりまして別の必要が出た、さらにまた法律できめるということは、必ずしもこれは一事不再議の原則に当らないのじゃないか、かように考えていいのじゃないか、私はさように思います。これはいろいろ国会の今までのお取扱いのいろいろの慣例もあるようでございますが、私ども考えますのに、結局一事不再議の原則というものがどういうためにあるのかというところから考えて、そういう必要のないものには考えなくてもいいのじゃないか、そう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/62
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063・山本米治
○山本米治君 そうしますと、先ほど仮定しましたように、本日までに政府原案通り年度一ぱいというやつが通過したとするならば、六月になって今のように今度はこの実体に伴うまた別な補助金の一部改正法案を出したような場合には、今成立した法案は直ちに、——直ちにというのは数日後かどうかは知りませんが、新しいものができたときには、廃案になるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/63
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064・林修三
○政府委員(林修三君) 必ずしもその場合に廃案と申しますか、全くその内容が変ってしまえば実質的には廃案に近いものになりますが、一たん成立した法案がさらに改正されるという格好だと思います。従って実質的には、一たん成立した法律の相当部分が働き得ない状態、あるいは働くにしてもわずかに数日間しか働かぬということになると思います。しかし一たん成立した以上は、その法律が、数日であろうと、あるいは数十日であろうと、数カ月であろうと、働くわけであります。それだけの意味は持っておる。廃案になるということとは、やはり違うのじゃないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/64
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065・山本米治
○山本米治君 それから法律案と予算案とは全くぴったりと、うらはらをなすものであるとは思いますが、たまには食い違うことがあるのかどうか。また食い違っても差しつかえないものであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/65
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066・林修三
○政府委員(林修三君) 法律は御承知のように、国会が御制定になりまして、政府がまた、実は行政府といたしまして、その法律を誠実に執行する責任を持っておるわけです。予算は、いわゆる行政府がそういう法律を執行し、そその他、各般の行政等を行うために必要な経費を組んである。従いまして、法律案を執行するための経費が実は予算上ないというようなことになりますと、これは政府としては結局進退きわまるわけでございまして、法律を誠実に憲法に従って執行しようと思えば予算がない、こういうようになりました場合には、結局予備費とかあるいは補正予算とか、あるいは予算の多少何と言いますか、執行上の措置というようなことによって、これを按配しなければならない羽目に陥るわけです。逆に申しまして、今度は予算のほうが法律よりも多い、法律を執行するよりも多いということになりますと、これは当然予算のほうは不用にしてもしかるべきじゃないかと思います。もちろん執行上、法律を執行する建前から、法律で命ずる以上の予算を出すべきではないと思います。そういう今の意味から申しまして……。そこで多少国会の御審議の都合で、今過去の例をとりましても、法律と予算とが多少食い違った例はなくもないわけではございません。建前としては同じ国会の御意思でございますから、予算と法律とは常に一致してしかるべきものだ、また一致する建前のものであると考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/66
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067・山本米治
○山本米治君 歳入の面でも、たとえば昨年繊維税の問題がありまして、やはり八十五億か何か予算のほうには計上したが、法律がつぶれてしまった、こういう不一致があるわけでありますが、そういうことは望ましくないが、あった場台には仕方がない、差しつかえないと、こういう御見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/67
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068・林修三
○政府委員(林修三君) 実はこれは行政府のほうからとやかく申すべきことではないわけでございまして、政府としては、行政府としては、法律を一方には誠実に執行する、それから成立した予算は誠実にまた執行する、こういう両方の実は義務を負っておる。従いまして、特に法律を誠実に執行するために予算がないという場合には、予算上の措置をまたお願いしなければいかんと思いますが、執行できる範囲内においてやっていく以外に方法はないと思いますが、今、例にあげられました歳入のほうでございますが、これは御承知のように、同じ予算と申しましても、歳入予算と歳出予算とは多少意味が違うと思います。歳出予算は全く政府に出費権限を与える行為だと思いますが、歳入予算は、これは御説明するまでもなく、今までの予算の例におきましても、歳入は法令に従って、徴収するという考えで、歳入は歳出に対する一種の見合う見積りに過ぎない。そういう考え方ですから、歳入のほうは法令に従って政府はとるべきものと、かように考えます。しかし歳入予算だけがあって法律がなければ、もちろんとれないわけです。そのために歳入歳出のバランスを失するということになれば、歳出のほうを何とかしなければならない、こういうことは当然起るだろうと思います。これはどちらも国会の御意思でおきめになりますことで、政府としては両方に矛盾なく執行していくほかに方法はないだろうと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/68
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069・岡三郎
○岡三郎君 法律に対する政府の態度というものを一ぺんただしてみたいと思うのです。一応作目参議院の大蔵委員会に、政府原案と申しますか、政府案を一応説明されたわけです。そのときは来年の三月三十一日までにこれを延長する、まあ、そこで衆議院のほうで六月末までこれを延期するというふうになって、そういう点について先ほど政府としては、いろいろと検討した結果、政府原案というものがよいのだということで当然提出されているわけなんです。各種の角度から……それがまた急に豹変して、どもらでもいいのだというふうな説明に聞きとれるわけなんですがね。どうも見ているところ、政府自体はあなたまかせで、どうぞ御勝手にというふうに見える。法案に対する態度が、そういうふうな態度で、一々参議院のほうに豹変した態度に出てきたら、われわれ審議する者としては非常に迷惑だと思う。で、そういう点で、先ほど木村委員のほうから政府の責任者である大蔵大臣の出席を求めて、その間の事情についてつぶさに、もう少しよく、政府として法案を出すからには、基本的な態度を明確にしてもらわなければならんという気持を持っているわけです。これは委員長に対して、大蔵大臣の出席を求める点を一つここで要求したいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/69
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070・青木一男
○委員長(青木一男君) ただいま大蔵大臣の出席を求めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/70
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071・岡三郎
○岡三郎君 衆議院のほうで、こういうふうな法案を提出してきたことについて、参議院のほうとしては、これは迷惑していると私は思う。実際問題としてそういうふうな法案に対し、予算と法律との関連についても、何か聞いているというと、何か一致しなければならんということばかりを言っている。ところが法制局長は、予算は予算として、法律は法律として別個に審議して、食い違った場合においては、小部分のようなところについては何とかするということは、いつでもできるのだ、これはなぜそういうことを言うかというと、全く同じ、一致しなければならんということを言っているから、私はあえてそういう言葉を使うわけなんです。先ほども衆議院の提案では、何かしら、一致しろ、一致しろと、こういうことを言っているわけです。そういうことになってきて、今まあ論議がこういうふうに繰り返されてきているわけですがね。一体どちらの法案が望ましいのか。これは自由党が横車を押してこういうことになったんだろうと思うけれども、しかし、そうなったからには、その両方へまあ理由をつけて説明をしているのか。まことにわけがわからない。政府のほうへ聞くが、まあ大蔵大臣が来てから聞くことですが、どっちが好ましいのです、この法案について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/71
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072・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。先ほど来繰り返して申し上げました通り、政府としましては、本予算案を提出いたしまして、目下御審議をいただいているのでありますが、この本予算案に基きまして、補助金等臨時特例法につきましても、昭和三十年度一ぱいさらに延長していただくということを希望申し上げまして御審議をお願いいたしたわけであります。今日もなおその方針には何ら変りはございません。ただその御審議の過程におきまして、先ほど申し上げましたように、法律案の期限が本日をもって切れることに相なっておりますが、なお予算案並びにこれに伴いまする特例法につきまして、若干審議の時間が必要であるということに相なりまして、これを本日までに議決していただくことに相ならなかったのでございます。つきましては、まことにやむを得ず、本日をもちまして期限の切れまするこの法律を、とりあえず暫定予算の期間中だけお延ばしを願いまして、さらにその後の問題につきましては追って御審議をいただき、ぜひとも政府の意図しておりますように原案通り通過させていただきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/72
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073・林修三
○政府委員(林修三君) 先ほど実は、私の申し上げましたことが、多少まあ誤解をせられているのじゃないかと思うのですが、実は予算と法律案はもちろん一致すべきものでありまして、どうでもいいのだということを申し上げる趣旨ではもちろんございません。特に今度問題になっております法律案のように、全く予算と法律がうらはらのものが違っているということは、これは、まことにおかしいことでございます。国会における御意思が、そういうことについて食い違うということは、これはあり得ないことであろうと、まあ私ども思うわけでございます。その点は決して、どうなっても、食い違ってもいいのだということを申し上げるわけではございませんから、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/73
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074・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ちょっと関連しまして……。予算措置を伴わない、新たに予算措置を伴わない法律案は、これは予算とも関係がなく一応通していいのでしょう。今度の場合は、これが通ることによって予算増額になる、新たな財源が必要という場合は、これは非常に密接な関係があると思う。実際問題として、これが通ることによって財源措置をしなくてもいいというのでしょう。ですから、最初の原案、原案は、これは予算と一応別個に通しておいても、そのために新たなる財源措置が必要じゃないのであって、むしろこれを通すことによって財源措置を講じなくていいのでしょう、実際問題として。そういう場合に、これを通して、最初の原案通り通しておいて、そうして実害があるのかどうかという問題ですね、実際問題として。その点どうですか。一応財源を伴わない法律案と似ていやしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/74
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075・林修三
○政府委員(林修三君) ちょっと私、僭越かも知れませんが、御承知のように、補助金の特例法律がきょうまでに通りませんと、これは実は予算措置を必要とすることになります。そういう意味においては、実はぜひとも今月中に通りませんといけないと申しますか、予算との食い違いが生ずるわけでございます。それで、ぜひとも今月中に政府としては通していただきたいというわけでございますが、その場合の内容でございまして、今おっしゃいますように、一カ月ずつ延ばしても来年三月まで延ばしても同じことではないかというお話でございますが、これは結局衆議院の御態度として、まだ本予算に対する衆議院の態度がきまっておらない、こういうことで、暫定予算に対するものしか態度をきめかねるとおっしゃる。これもまことにごもっともなことでありまして、これはそういうことになるのもやむを得ないのじゃないかと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/75
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076・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今の質問誤解しておりますよ。衆議院が修正したように、六月一ぱいというようにこの法律を通しておけば財源措置が要らないのでしょう。最初の政府案の通り、来年三月三十一日までということを通せば、なお財源は要らないのでしょう。ですから、政府の最初の来年三月三十一日までという法律を予算が通らないうちに通しておいて、どういう実害があるのかというのですよ、予算との関係において。むしろこれは財源措置を要しなくてもいい法律なんですから、そういうものを来年三月三十一日まで……。少くとも特例措置に関する財源措置を講じなくてもいいんでしょう。いいという法律なのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/76
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077・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 政府の提案いたしましたものの通りやるということにしましても、これは予算がすでに出ておりますから、予算は増額を要しない。なお六月までの分につきましても、この通りにやりましても、六月まですでに暫定予算が一応衆議院としましては決定しておりますから、増額を要しない。増額を要しない点は同じでありますが、今日の場合におきましては、年度末までの一般予算に関しましては、衆議院はまだ結論が出せないという状態でございます。暫定予算に対しましては衆議院はすでに結論を出しております。従って全体の結論が出るまで待つというふうに考えられるわけでありますが、今日の状態では、きょうまでしかこの法律が続かないわけですから、まだ様子をみているわけにはいかないのであります。仕方がありませんので、すでにきまっておりますもの々、きょう処理できる範囲内でやっていきたい。従って六月末までの分がとりあえず法律案として出ている状態でございます。本予算が、どうも先ほどもお話がありましたように、本予算と全くうらはらの問題でありまして、一応政府としましては予算は出しております。しかしながら衆議院としましては審議がきまっておりませんので、衆議院の予算に対する態度というものがきまりますれば、それとうらはらにこの補助金に対する態度も当然きまってくると思うのでありますが、まだ年度末の予算全体につきましてはそういう状態にまで達していない。まだそこまでは時間がかかる。そういう状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/77
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078・木村禧八郎
○木村禧八郎君 もう一つ、それは今のお話ではっきりしたわけでしょう。どっちも実害がないということでは同じである、予算措置を講じなくてもいいというのですから……。それなら予算とうらはらであるというけれども、増額をしなければならん、新たに財源を見つけなければならんという場合には、これは予算と密接な関係はありますよ。しかし一応予算と関係ないわけじゃないですけれども、財源措置ということから考えれば、最初の政府の出した案を通しておいたほうが、さらにかりに今度は七月暫定予算となったらどうです。そういうふうな場合もあり得るとなれば、なおさら財源措置を講じないのだから、なおいいわけです。実際問題として、七月以降の分については予算と関係あるということは、この補助金そのものについて自由党から相当異論があり、その修正増額、あるいは復活等について問題があるからこうした。これが本当じゃないのですか。本当のところはそうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/78
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079・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) ただいまお話がありましたが、衆議院がとりあえず六月までの分をきめましたのは、この点はすでに意思がきまっているから、すなわち予算の増額も要しなければ実害もないという点だと思います。ただ将来のためには実害がないから決定してもいいじゃないかというわけではないのであって、まだ一般予算に対して衆議院として態度がきまっていない。実害がないからきめてもいいじゃないかというわけではなくして、態度がきまっていないから、きめるわけにいかなかったという理由であります。その点どうか一つ御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/79
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080・木村禧八郎
○木村禧八郎君 法律案と予算案との関係については、予算を伴わない法律については、予算案と一応別に通してもいいのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/80
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081・青木一男
○委員長(青木一男君) 木村君、発言中ですがちょっと申し上げます。大蔵大臣は予算委員会の関係で一時までしかここにおられませんから、その間に大蔵大臣に対する質疑を終了したいと思います。そのつもりで大蔵大臣に対する質疑を先にやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/81
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082・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今の僕の最後に言ったのだけ答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/82
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083・林修三
○政府委員(林修三君) ちょっと、今はなはだ失礼でございますが、ちょっと聞き漏らしたので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/83
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084・木村禧八郎
○木村禧八郎君 予算措置を伴わない法律案については、一応予算と別個にこれは通していいのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/84
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085・林修三
○政府委員(林修三君) 別にそれは悪いことはどこにもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/85
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086・木村禧八郎
○木村禧八郎君 悪いというわけじゃないけれども、今までの慣例になっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/86
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087・林修三
○政府委員(林修三君) 慣例と申しますか、いろいろこれは考え方があるわけでございまして、先般もこの補助金の臨時特例の法律を四、五月分延ばしたときも、実はそれは法律だけはかかわりなくやって、一年延ばすということも考えて考えられなかったわけではございません。しかし全く予算とうらはらでございますから、暫定予算と合わして、まだ政府は本予算を出しておりませんので、四、五月分の暫定予算と合せて延長をお願いしたわけであります。そういう意味におきまして、これは予算の増減を伴わないじゃないか、実害がないじゃないかとおっしゃれば、まさにその通りでございますが、しかし、そういう点から、また別な観点におきまして、それは全く予算措置とうらはらでございますので、この法律がないと結局一定の補助を政府が負担しなければならない、そういう意味では全く予算とうらはらでございます。そういう意味で予算と合わせるということは、これは一つの考え方でございます。必ずしも一年間延ばして——政府はもちろん一年間延ばしていただきたいということで出しておりますから、それで悪いことはないのでございますが、まだ予算がきまらないという意味においてそういう措置をお取りになる、それでいいじゃないかという、さように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/87
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088・岡三郎
○岡三郎君 大蔵大臣並びにここに出席している方に……。ちょっとこれは委員長に先ず先に聞きますがね。政府はこの法律案を本日中に通してもらいたいと、こういうわけです。ところがこの審議はまるできょう始まったようなもので、しかもその間においては衆議院のほうにおいて、わけのわからないと言うと失礼ですが、こういうふうな修正案だか何だかわからないものが出て来ている。こういうところで本委員会は今そういう問題について討議しているわけですが、それでまた大蔵大臣が一時までだ。こういうふうなことでは、衆議院に対して参議院を一体どう考えているのか。その意向を取扱い上ちょっと委員長に聞きたいと思う。もう少し誠実に、大蔵大臣も衆議院と同様に本委員会においても——同時間程度ということはおかしいけれども——やはり出席して、十分にその間の経緯をやるというふうに腰を据えてもらわんと、私は何かばたばた質問しなければならぬということで、審議に対していささか迷惑に感じているわけですが、委員長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/88
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089・青木一男
○委員長(青木一男君) 大蔵大臣は予算委員会の前に決定した時間表がありますから、それは私、一応尊重しなければいかぬと思っております。しかし予算委員会の都合でさらに出席できる場合には一時までに制限するものではございません。とりあえず予算委員会との関係では一時までお願いしたい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/89
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090・岡三郎
○岡三郎君 とりあえず、それではまず大蔵大臣に御質疑申し上げますが、この法案が参議院に出されてきたのは非常におそいと思うわけです。何かしらわれわれに本日通過しなければ廃案になるとか、困るとかいうことでせき立てられておると思うのですが、なぜもっとこの法案を早く出してもらえなかったかと、こういうふうに御質疑申し上げたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/90
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091・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) ちょっと事務的なことですから私から一応……。政府がお出しいたしましたのは十九日でございまして、(野溝勝君「大蔵大臣に質問しているのだから、大蔵大臣が答弁したらいいじゃないか」と述ぶ)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/91
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092・岡三郎
○岡三郎君 大蔵大臣だよ。僕は大蔵大臣に質問しているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/92
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093・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 政府の法案は、大体のこの御審議の期日を見計らって出したのでありますが、その後衆議院の方でいろいろと慎重な御審議がありまして、その結果参議院の方におくれまして、まことに相済まなく思っております。事情は全く今申し上げたようなことで、まあ私が不手ぎわであることだと、これは思いますが、事情全くやむを得なかったことがございますので、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/93
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094・岡三郎
○岡三郎君 大蔵大臣から法案提出遅延の理由が釈明があったもので、その点はもう触れませんが、次にこの政府が国会に提出する法律案に対して政府の態度が非常にあいまいではないか、こういうふうにまあ本員は考えておるわけです。それで昨日本委員会に補助金等に関する法律案の政府からまあ提案理由の説明があったわけです。ところが過般の衆議院における審議その他をわれわれが見、またきょうこの衆議院の方から提案があったわけですが、こういったような状態をわれわれが見たときに、政府が法律案に対するところの態度があなたまかせみたいなような気がするわけです。政府自体がきぜんとした法律案に対する態度がうかがえない。なぜこのようになったのかという点についても御質疑申し上げまするが、まず第一に法律案に対する政府の態度、こういった点について一つ御見解を承わりたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/94
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095・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 別にこの法律案に限りませんが、法律案に対しまして政府は申すまでもありません、所信を持ちまして、御審議を願い、その通過を願っておるわけでありますが、やはりこの今岡の補助金等の臨時特例に関しまする法律案につきまして、政府が考えておりますこの見解が、必ずしも委員会の御審議で御同意を得にくくなり、そしてまた他面他の解釈もあり得るような次第で、しかもこの法案も早く御審議、御決裁を得なくてはなりませんという事情がありまして、全体の諸般の事情を勘案をいたしまして、そして衆議院の提案に同意をいたしたわけであるのであります。私どもといたしましては、あの場合やむを得なかったことと考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/95
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096・岡三郎
○岡三郎君 まあやむを得ない措置であるという点も一応了解できますが、法案を提出する場合において、政府としては各種の角度から検討をして出されたわけである。で、それに基いてわれわれは資料を求め、そうしてその提案理由に基いて審議しておるわけです。そういうふうなことで、衆議院の方において五月の本日の幕が切れてはいけないというので、六月末に延長をということを出してきたんですが、本員としては、どうして衆議院がこういう六月末というものを出してきたかもまだ明確にわからん状態にある。そこで私が考えるならば、来年の三月三十一日までの法律案として政府が出した点について、こういうふうに衆議院が出したことの、この法案に対してですね、急速に歩み寄ったといいますか、やむを得ないんだというふうな態度が事々に出るならば、これは予算問題だけではなくして、大蔵委員会としても非常に迷惑だと思っておるわけです。
そこで大蔵大臣にお聞きしますが、政府の原案とこの衆議院の原案と一体どっちが好ましいと大蔵大臣は思っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/96
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097・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 実はこれにつきましては法制局の意見も徴したのでありますが、どうもこの意見が二つ生れたというか、六月だけの暫定予算と同じに六月分のだけに限る、これが一つ。それから一年を通じてと、こういう意見がありまして、そして今日、六月だけを一応限って、これで同意いたしておりますので、私は一応七月以降の点については所要の措置を今後とりますが、一応この六月のこの案で参りたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/97
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098・岡三郎
○岡三郎君 どうも言葉が不明瞭で最後がわからなかったんですが、そうすると政府の方としてはいずれでもいいというわけですか、大蔵大臣はいずれでもいいという考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/98
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099・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は大蔵大臣といたしまして、六月分だけの通過を願いまして、さらに年度末までの延長について御審議を願うことにいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/99
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100・岡三郎
○岡三郎君 現在参議院で暫定予算が今審議中なんですか、きょう上るという予定になっておりますが、審議中のわけです。そういうことを考えてみるというと、この本予算との関連で、一応六月の暫定予算が上ったとしても、七月も暫定予算にならんとも限らん。これはまあ推移を見たければわからないわけですが、一応そういうふうに考える面も至当だと思われる点があると思う。そういうことになった場合に、大蔵大臣としてはどういう措置をおとりになるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/100
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101・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は今日七月の暫定予算について考えておりません。今のところこの法案については、七月以降についての延長についてあらためて御審議を願いたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/101
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102・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、七月の暫定予算を考えておらぬ。それはそれなりでいいと思いますが、参議院において本法案を審議する場合においても、これは六月四日程度、あるいはその後において衆議院が本予算をどういうふうに上げてくるかまだわからぬ。それがまあ追って参議院に回ってくると思うわけですが、その審議過程というものはまだ明確になっておらぬわけだ。そういう点について、一応そういうものと切り難して、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案というものか並行的であるとは言っても、一応この問題については別個に出してきていると私は思うわけなんだ。そういう点について、この本予算が審議されるということはまだ不明確な状態に参議院においてはあるわけなんだ。そういうときに、七月毛暫定予算がわからぬということも一つの問題ですが、七月の暫定予算というものが今後の推移によっては出てくるかもわからぬというわけなんだ。そういうふうな点について、そのときはそのときで考えるというふうになれば、それはまた本委員会において、一体どういうふうにこれを出してくるのかという点も一応聞いておく必要が私はあると思う。つまり本予算との関連において暫定予算というものが、七月予算というものが出てこないということは言い切れないと思う。私ども委員会としては、それを今考えておらぬということは、またそのときになってそそくさとやって、また時間がないから、何でもかんでも上げてくれというふうなことでははなはだ私は迷惑だと思う。だから今後の取扱いについて、いずれの場合においても政府はこういうふうに措置するのだという態度を明確に私はしておいてもらいたいと思う。これは大蔵大臣に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/102
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103・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 御質疑のことも、まあわからぬこともありません。しかしながら大蔵大臣として今、七月の暫定予算は考えておらぬということは間違いないのですから、さよう御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/103
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104・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣ちょっと。御承知のように参議院は大体予算審議だけに一カ月これが予定しておるわけです。そうしますと衆議院は通るのが、大体今からいって今月通るはずがない。これから修正があり等々やりますと、まあ六月の三日か五日ころになるのですね。そうすると七月にわたる可能性があるのです、実際において。もしそうでないと参議院の審議を縮めろということになる。一カ月以内でやれ、そういうことになると、従来の慣行からいってもこれは非常に問題がある。参議院に大体一カ月の審議を求めるとすれば、またわれわれそれを求める権利があると思うのですが、そうした場合、やはり実際問題として七月暫定予算を、それを一応考えておかないとですよ、これは私はいけないのじゃないかと思う、実際問題として。もしそれは組む意思がないということになれば、参議院の予算審議は縮めてもらう、そういうことになるのですよ。ですからここまできますと、実際問題としてどうなるのですか。もう大蔵省でも一応その作業は、そうなるかどうかわかりませんが、やっておかなければならない情勢にきておるのではないでしょうか、大蔵大臣に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/104
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105・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) たびたび同じような答弁を申しましてまことに相済まないと思うのでありますが、私といたしましては、七月の暫定というものはやはりいろいろな影響等を考えまして、ぜひとも避けたいという考えを持っております。今後あらゆる努力を払いまして、本予算案が六月中に国会を通過いたしますよう最善を尽していく、これが私の心境のすべてであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/105
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106・岡三郎
○岡三郎君 そうするとこの衆議院から提出された法律案がですね、かりに本日通過した場合において、政府が今提出しておる法案をどういうふうにこれを処理するつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/106
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107・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これは常識的にはある程度修正が必要と思うのですが、法律問題に関係すると思いますので、法制局長官からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/107
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108・林修三
○政府委員(林修三君) これは先ほどちょっとお答えしたと存じますが、やり方としてはいろいろございます。衆議院の委員会における審議過程で御修正下さる方法ももちろんあるわけでございますが、しかし何と申しましても政府案を当然直さなくちゃならない立場にございますから、政府として処置をするのが至当だろうと思うのであります。政府として処置をする方法といたしましては、いわゆる一部を修正するという点がまず第一に考えられます。原案修正でございますから、衆議院の院議を経て原案の一部を修正する。場合によりましては撤回をして再提出をする。内容は修正でございますが、形式としては撤回をして再提出するという方法もございますが、まず第一に考えられますのは、政府の原案修正でよかろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/108
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109・岡三郎
○岡三郎君 私は政府に注文するところは、やはり初めに帰りますが、提案をしたならば、政府としてその提案した態度というものを貫いていくことが必要じゃないかと思う。それに対して衆議院において修正するなり何なりするなりは、これは当然行えることであるとしても、それが時間の経過とか、あるいはもう時間がないから、何でもいいから一つまとめてもらいたいというふうな形に大蔵大臣が豹変するということは、非常に法案を提出する当事者として私はいい態度ではないと思うわけです。そういうことに対して時間がもうないのだということも、法律を提案する方の政府の責任であろうかと思うわけです。そういう点で風の吹くままに当面糊塗して、どっちがいいのだかわからないような、こういう法案の状態において、政府が屈服するというふうなことでは、国政を担当していく場合において、法案を提出する立場の当事者としてまことに心もとない。こういうふうに考えて質問を続けてきたわけですが、今後こういうことがしばしば起ってくる心配も私はなきにしもあらずと思いますので、大蔵大臣の一つもう一ぺんこの法案に対する政府の態度、これをお聞きしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/109
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110・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 法案に対する私のとりました態度につきまして御注意があり、私も私のとりました態度がよいと、ある程度私も遺憾に考えぬこともありません。がしかし、これは法律の提出の仕方について法律上の解釈が二つに考えられるということでもありますし、そうしてこの提出する仕方に関するこの問題について、私は今あの場合において全体の上からやむを得ない、こう考えたわけであります。しかしそれにしてもそういうことが繰り返されるということの好ましくないことは、これはもう申すまでもありません。またかような事柄についても今後十分慎重に、実はいろいろとできるだけの考慮は払ったのでありますが、しかし事情やむを得なかったような次第であります。今後はしかし一そうそういう点について注意を加えてやることを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/110
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111・小林政夫
○小林政夫君 私は質問というよりは、大蔵大臣の耳へ入れておきたいということなんですが、先ほどこの案の修正の意味で、別途の衆議院からのその考え方を聞いてみると、予算と法律案というものを完全に裏づけるのだという建前でやられておる。その態度は筋の通った考え方で、非常にけっこうだと思いますが、その態度を今後もすべての法案について、予算とうらはらの関係にある法案について堅持されるのかというだめを押したところが、伊東委員長及び床次理事は、そうですということであります。これはこの臨時特例等に関する法案についてのみ申し上げたのではないので、税法、その他すべて予算とうらはらの関係の法律案については、予算は通したけれども法律は勝手に変えるのだ。今度は前の国会と違って、新しい衆議院になっておりますから、前の古い衆議院の例を引いても当りませんけれども、繊維税の問題であるとか、あるいは入場税等の問題において予算は通しておきながら、勝手な修正が衆議院において行われる、こういうようなことは今後ないのですかというだめを押したところが、絶対にやらぬつもりだという言明が伊東委員長及び床次理事からありました。私は衆議院を代表しての言葉だと拝承しております。そういう言明があったので、大蔵大臣もどうかそのつもりで対処していただきたい。また、あなたも衆議院議員の一人として、どうかそういう予算に対する衆議院の態度と、その予算とうらはらの関係にある法律案が、違ったような意思決定をされることのないように御努力願いたいと思います。
それからもう一つは、こういう期限の定めのある法律案について、従来租税特別措置法であるとか、あるいはその他の税法について衆議院から参議院へ回付されることが非常におそいのです。もういよいよ一両日に迫って、ぜひ上げてもらいたい、こういう態度を非常に今までの、これは主として衆議院の大蔵委員会との関係になりますけれども、施行期日に定めのある法律について、予備審査でわれわれの方へ回っておるけれども、実際にわれわれが参議院の意思決定をして、修正を加えて衆議院に回して、また議決を求めるということになれば、法律案が成立をしない。こういうような実質上参議院の審議を拘束するような意味において議案が回ってくることが多いのであります。こういうことについても従来しばしば大蔵大臣や政務次官に対して注意はしてあるのでありますけれども、その点についても大蔵大臣においては格段の一つ御配慮、御尽力をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/111
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112・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 全くお話しの通りでありまして、固くその線を守って参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/112
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113・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大蔵大臣に伺いますが、今臨時特例法の内容になっているこの補助金について、大蔵大臣はこれの修正等があった場合は、これは応ずるのですか、応じないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/113
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114・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 増額に応ずることはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/114
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115・木村禧八郎
○木村禧八郎君 増額に応ずることはない。しかし内容の修正には応ずることはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/115
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116・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 衆議院でああいうふうに私が同意いたしましたのは、出し方についての、やり方についての変化と、かように考えて同意したのであります。この案はぜひとも御審議御通過を願わなくてはなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/116
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117・木村禧八郎
○木村禧八郎君 そういうことでなく、衆議院において七月以後におけるこの内容について修正が行われたような場合です。この予算についてですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/117
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118・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) はなはだ恐縮ですが、ちょっと理解しかねたのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/118
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119・木村禧八郎
○木村禧八郎君 臨時特例措置では文部省関係、厚生省関係、農林省、運輸省、建設省等について減額がなされていますね。そういう場合に今後の、今自由党との間に修正の問題が起っていますね。本予算の修正のいろいろ折衝をやっているでしょう。それでこの特例措置に関する予算の復活あるいは増額等の問題……。それからついでに伺っておきたいのですが、その他の補助金の問題があると思うのです。そういうものの修正に大蔵大臣は応ずるのかどうか、そういう場合にはもう応じないのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/119
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120・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は応じないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/120
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121・木村禧八郎
○木村禧八郎君 たしか自由党は前の四、五月の暫定予算ですか、あれに賛成するときに希望条件を付していると思うのです。補助金等については今後考慮するということを言っております。従って大蔵大臣は、今後補助金等についてこれは全然修正に応じない、今の提出している三十年度予算の通りでいくのである、こういう言明として伺っておいてよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/121
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122・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) さようでけっこうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/122
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123・木村禧八郎
○木村禧八郎君 私はこの臨時特例の中でいろいろ削減あるいは減額されているのがあるのですが、特に私は賛成しがたいのは、新たに入学する児童に対する教科用図書の給与に関する経費ですね、これが全部削られているのですが、これはどういうわけでこういうふうに削ったのか、聞いておきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/123
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124・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 義務教育の教科書無償配付につきましては、昨年もこの法案の御審議におきましていろいろ御議論がありました。政府といたしましては、本法の趣旨も十分よく理解をいたしておりますし、またその重要性も十分認識をいたしているのでありますが、何分国家財政多端のときでもございますし、各般のほかの施策等の必要なことも御承知の通りでございます。そこで国会にお願いをいたしまして、昨年一カ年この法律の施行の停止をお願いいたしまして、幸い御同意を得たのでありますが、本年度におきましても、諸般の情勢は昨年度と同一であり、なお一兆円の緊縮予算の必要性は加重されておるようなことでございまするので、さらに一年間この法律の停止をお願いしておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/124
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125・木村禧八郎
○木村禧八郎君 ただいま正示さんから、幸いこれが一カ年支給しないことを認められたと言われましたが、一体今貧困家庭がどんな状態にあるか、実際そういう生活実態を見たことがあるのかどうか。これは方々地方へ行きますと、それは実に、これはラジオなんかでもよく放送されております。教科書の無料配布については非常に希望があるのです。今教育費の父兄の負担というものはどんな状態であるか、実際に調べたことがあるのかどうか。それは一応大蔵省は大きな数字としては調べているかもしれません。しかし実際の貧困家庭へ行ってごらんなさい。もう毎日、政府の教育予算が少いために、小学児童のPTAの負担というものは大変なものですよ。この金額はわずかなものじゃありませんか。五億二千八百万円でしょう。この程度のものを一兆円予算をまかなうためにこうやって削らなければならんという、その意味ですね。私は実際このプラス面とマイナス面と考えてみて、そのどっちが重要か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/125
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126・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) かさねてお答え申し上げますが、木村先生のおっしゃる御趣旨は、われわれも十分よくわかるつもりでありまして、特に貧困家庭と申しますか、生活保護家庭におきましては、教育扶助によりまして私どもも十分配意をいたしておるのであります。この義務教育教科書無償配布の法律は、そういう家庭だけではございませんで、新らしく学校にお入りになります全児童に配布するという御趣旨でございますが、これまた先ほども申し上げましたように、まことにその御趣旨としては一応私どもも一つの考え方であるという点につきましての認識は持っておるのであります。しかし、ただいま木村委員が御指摘になりましたような、ほんとうに困る児童に対しましては、私どもといたしましても生活扶助の充実によりまして、十分その必要なところには措置をいたしておるつもりでございます。
生活保護階級につきまして常によく実情を把握しておるかという御質問でございますが、この点につきましては、大蔵省といたしましても、厚生省と十分常に連絡をとっております。また大蔵省自身の出先機関等におきましても、生活保護費の適正な実施につきましては、常に関心を払いまして、できるだけの努力をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/126
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127・木村禧八郎
○木村禧八郎君 今、正示さんの御答弁するような状態にはないのです。それはほんとうに生活の保護を受ける人と受けられない人との境目にある人は、これは大へんなものなんです。それでわずか五億二千八百万円、これを削ることによって、何ほど一兆円予算のあれにプラスするか、予算全体の使い方について会計検査院からいろいろ指摘されている。防衛庁なんか非常にむだに使っております。ずいぶんむだな使い方をしていながら、そういうことについては非常にルーズに使い、また防衛費なんか簡単に多額にふえるが、こういう非常に金額は多くないように見えて、そうしてこの民生の、特に経済的弱者の方にしわが寄ってくる面が、この予算を見ますと、金額は小さいけれどもずいぶんあります。そういうみみっちい削り方をしていて、それが目に見えないようですけれども、ずいぶんこれは民生に悪い影響を与えているんですよ。ですからこれについてはもっとこれは真剣に考えなければならないんじゃないか。で、特に社会教育法関係、社会教育設備補助金とか、この削っておりますものを見ますと、あるいは厚生省関係でも、精神衛生相談所費とか、こういう何か非常にみみっちい削り方をしている。それがまた民生関係のものが多いんです。それでなるほど一般会計で厚生省予算が幾らふえたと言っても片っ方において……、実際にこういう末端へいってみると非常に必要なものがある。末端の生活の把握というものが実際私は足りないと思うんですよ。そういう点でこんなみみっちい削り方をするのは反対なんです。もっともっと節約すべきところはうんとある。それは一兆円予算のためにもうつまらん財源あさりをして、こういうところへしわ寄せしてくる。今後もまだまだ私はあると思う。防衛費がだんだんふえてきますと、財源あさりするために、だんだんこういうみみっちい削り方を末端においてやってくる。こういう点については十分私は考えなければならんと思うんですが、それでこういうようなみみっちい措置はどうですか。全体で十九億なんです。むしろこの法案がここで、それこそわれわれの方としては、幸いに通らなくて、十九億ぐらいの措置で、そうしてこういう補助が私はむしろ復活される方が望ましいと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/127
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128・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) ただいま具体的な例をおあげになりまして、まあ非常に削り方が、つまらないところをこまごま削っているではないかというふうな御趣旨のように拝聴いたしたのでありますが、この法律案を提案いたしまして御審議のときにも、十分そういう御議論を拝聴し、また私ども考え方を申し上げたのでありますが、補助金の根本的な整理と申しますのは、これはもう非常な大きな宿題でございまして、年々その問題をぜひと毛解決をいたしたいと考えておりますが、いまだその段階に至りませんことはまことに遺憾に思っております。この点につきましては今後ともなお十分研究いたしまして、ぜひとも根本的な整理案というものをお出しいたしたいというふうに実は考えておるのであります。
ただ今御指摘の二、三の点につきまして考え方を申し上げさしていただきたいのでありますが、たとえば精神衛生費のごとき、これは相談所の経費を、ある程度補助率を下げておるのでございますが、一方、精神衛生対策といたしましては、特にヒロポン対策等の非常に緊要な部面につきましては、重点的に経費をふやしておるのであります。また、ただいま大村委員のお言葉にもございましたように、社会保障、文教というふうな施策につきましては、一兆予算の中でも特にその重要性を認めまして、三十年度予算では相当の増額をみておることは御承知の通りであります。大体の方針といたしましては、すでに予算編成大綱その他でもはっきり申し上げておりますように、重点的に効率的な経費を認めるという方針で、比較的零細な、効果の少いようなものはしばらくがまんをしていただきたいという、こういうふうな考え方をとっておりますことを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/128
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129・木村禧八郎
○木村禧八郎君 大臣に対する質問ですから、なるべく大臣が答えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/129
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130・青木一男
○委員長(青木一男君) 大臣は午後も引き続いて出てもらうことにいたしますから、一応これで休憩いたしまして、大体二時ごろから再開いたします。
休憩いたします。
午後零時五十九分休憩
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午後三時二十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/130
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131・青木一男
○委員長(青木一男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
補助金等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(衆第七号)の本審査に入ります。質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/131
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132・湯山勇
○湯山勇君 大蔵大臣にお尋ねいたします。最初四、五月暫定予算が出ました時には、四、五月と、五月末までに延期なされたわけですが、そういたしますと、当然、六月が暫定予算でなければならないということになったときには、それと歩を一にするために、政府の方から六月一カ月だけの延期という措置をとらるべきだったと思うのですが、これはなぜそういう措置をおとりにならなかったか、政府からお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/132
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133・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 四、五月分の暫定予算の時には、まだ本予算を提出いたしておりません。その後、この本予算案を提出することになりまして、そしてこの特例法を明年三月末まで延ばす、そういう下に予算を組んだのであります。それで明年三月三十一日まで延長、こういう法案にいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/133
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134・湯山勇
○湯山勇君 それはよくわかるわけであります。つまり、六月以降本予算で出す関係上、六月以降来年三月末までこの補助金特例法を延期するという御趣旨はよくわかっておりますけれども、事実は六月もまた暫定予算を出さなければならないという事態に到達したわけでございますから、そうすれば、当然政府の方から暫定予算に対応するために、その出された法律を出しかえまして、一カ月だけというふうになさるのが至当だと思うのでございますが、そういう措置をなぜなさらなかったか、その理由をお尋ねしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/134
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135・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) その点につきましては、今お説のようにいたしますれば、私もきわめて明白であるように存ずるのでございまするが、これは法律問題でもありまするので、事務当局で十分検討を加えまして、法制局とも相談をして、ああいう形でよかろうということでありましたので、ああいうふうにいたしたわけでありまするが、その点について、なお事務当局から説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/135
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136・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 湯山先生の御質問でございますが、これは、私どもの最初の考え方は、どこまでも六月暫定は、四、五月暫定と違いまして、本予算を基礎にいたしまして組んでおる。これは先ほど大臣がお答えになりました通りであります。そこで、私どもといたしましては、できればその本予算に照応いたしました三月三十一日までの期限の延長法案を、是非国会において暫定予算と同時に、あるいはその前に議決を願わしく、いろいろとお願いをいたしておったわけであります。しかるに、その後だんだんと御審議の進行とともに、その点につきまして、なお本予算が衆議院において審議中であるというふうな関係もございまして、七月以降の問題につきましては、この際なお若干の審議の時日を要するというふうな御判断の下に、どうしても六月だけの暫定予算に照応する法律的措置を講ずべきであるということが、最近になりまして衆議院の特別委員会におきましてそういう御議論が有力になったわけであります。しかるに、そのときにおきまして、政府として原案を修正あるいは撤回というふうなことをいたしますには、これは当時の衆議院の具体的な日程から非常に無理がございます。すなわち、もう少し具体的に申し上げますと、実は土曜日の朝になりまして、委員会でそういう御議論が有力になったのでありますが、すでに土曜日の衆議院本会議は散会をする、また月曜日には本会議がどうしても開かれないというような国会側の御都合がございまして、政府で原案を修正または撤回いたすということが、手続上時間的に余裕がないということに相なりました次第でございます。そのために、衆議院の特別委員会におかれまして、委員会として適当な御措置を願うということに相なった次第でありまして、この点は全く手続的に、また時間的にさような事情が重なりまして、やむを得ずとられました措置でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/136
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137・湯山勇
○湯山勇君 手続上時間的にやむを得なかったという理由でしたら、それはいたし方ない点があると思いますが、ただ、そこでお尋ねしておきたいことは、昨日予算委員会で問題になりましたけれども、六月暫定予算は、本予算の一環として政策的なものを盛るか盛らないかということが非常に大きな問題だと思います。これにつきましては、大蔵大臣も、若干そういう政策的な要素はあるにしても、やはり暫定予算の性格上、そういうものはなるべくふるい落して、そうして暫定予算と同じようなもので、やむを得ないものだけくっつけておる、こういう御説明があったわけであります。そうすれば、そういう予算が出されるときに、すでに今のような検討をなさって、そうして当然これは六月末までの延期にすべきだという御判断に立たなければならない、予算の建前上そうでなければならないというふうに私どもは解釈するわけですが、これはそういうふうな考え方は、今の政府のお立てになっておる予算の建前からできないことであるかどうか、この点いかがでしょうか。これは何だったら主計局長の方から……。期間の関係がありますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/137
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138・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) 六月暫定予算の性格につきましても、昨日も申し上げましたのでございますが、できるだけ本予算の審議の邪魔にならないようにという点は十分配慮をいたしておるつもりであります。そこで、その暫定予算と補助金の法律の延期法案との関係でございますが、まず、四月二十五日に本予算を出しました。その際には、これは来年の三月まで延期するということで、そういう予算を組んでおりますので、当然政府といたしましては、それに見合うように一年延期の法律を出さなければならないわけでありまして、それを出しておるわけであります。あるいは時間的には、現実に国会提出になりました時期につきまして多少の前後がございますが、いずれにしてもこの一年延期の法律案を出さなければならぬということで進みました後に、六月暫定を出さなければならないことになりましたときに、あらためて一月分の延期の法案を出すか出さぬか、いろいろ法制的にも問題があるところでございまして、当然出すべきだという御意見も私ども十分拝聴いたしました。しかし、他方法律的に考えますと、もうすでに一年分の法案を提出いたしておるわけでございまして、その一年分と部分的に重複する六月分の打切り法案を出すのも、法制上いかがかというような考え方も成り立つわけでございまして、相なるべくは、まことに恐縮な言い方でございまするが、この一年間の延期の法案を出しておりまするその法案を暫定予算と並行して御審議いただけまするならば、それもまた一つのいき方であるというふうなことで進んで参っておったわけでございまして、さような経過からいたしまして、一月分の暫定法案を別途提出する時間的余裕を失なった、これはまあごく率直に申し上げました実情であります。何とぞその辺の事情は御賢察を賜わりたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/138
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139・湯山勇
○湯山勇君 おっしゃることはよくわかりますし、そういうこともあり得ると思います。そこで内容に触れることは差し控えたいと思いますけれども、この法律が内容的には相当重要なものを、先ほど次長の御説明にもあったように、含んでおるわけでございまして、これが果して本予算審議の邪魔にならないという御判断になったかどうか、この点は非常に大きな問題だと思いますので、これは一つ大臣から御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/139
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140・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 十分研究をいたしまして、邪魔にならないと思いまして提出いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/140
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141・湯山勇
○湯山勇君 邪魔にならないという結論に到達したとおっしゃいますが、非常にたくさん重要な要素を含んでおりまして、その分を削った代りはこちらへ回したとか、こういうところはこういうところで埋め合わしておるのだというような御説明が先ほどあったわけでございます。従って、大蔵大臣が言われるように、邪魔にならないというように簡単に割り切れないと思うのですが、もう少しこれは大蔵大臣がなんでしたら、政府委員の方からでも御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/141
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142・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 大へん言葉が足りませんので悪うございましたが、昨年度この臨時特例法の必要がありましたその事情が、三十年度においては一そう必要があるというような事情に相なって、そこで一年延期したわけであります。なお具体的に詳しいことは政府委員から説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/142
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143・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) 先ほどいろいろ内容的なお話もございましたのでありますが、ただいま大蔵大臣から申されましたように、補助金の根本的な整理というような問題を昨年以来私どもは宿題として与えられておったわけでありますが、この宿題に対しまして的確なる答案を出します時間的な余裕は実はなかったわけであります。そこで、とりあえず、まず四月、五月におきましても延長をお認めいただきましたのでありますが、本予算の提案に際しましても、前年度政府といたしましては当分の間という原案で出しましたものを、国会におきまして一年間というふうに御修正をいただいたのでありますが、この点につきまして、ただいま大臣が申されましたように、三十年度におきましてもその客観的な情勢はかえって必要性を加重するような事態にございましたので、その判断のもとに、とりあえずこの法案をさらに御延長願いたい、こういうことをお願いをいたしますとともに、なお若干その他の問題につきましても暫定的にこれに追加するものをお願いをいたしておるような次第でございます。つきましては、私どもといたしましては、今後とも補助金の根本的な整理案につきましては引き続き研究を進めまして、努力を払って参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/143
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144・湯山勇
○湯山勇君 ただいまの点はよくわかりました。なおそれで財政上そういう問題があるということはよくわかりますし、その必要もあるということもわかります。けれども、私が特に懸念いたしますことは、たとえばこれは内容について御質問しておるのではありませんから、そのおつもりでお聞き願いたいのですが、たとえば性病診療所なら診療所にいたしましても、昨年審議するときには、二十九年度で独立しておるのが四十八、それから併設のものが七百五十二ございましたが、そういう多数あったものが、あの補助金を打ち切ったことによって、あるいは少くしたことによってどういうふうに変ってきたか、金額の上ではなく工実態がどう変ってきたか、あるいは母子相談員が大体七百八十九名でしたかあったものが、どう変ってきたかというようなことについての資料はまだ出ておりません、今日……。そういう問題もありますから、その実態を知らしていただいて、果してこの補助金をこういうふうにすることがいいのか、ほかへ振り向けてこれを補っていくのがいいのか、あるいは補助金を生かしてほかへ回すのを減らした方がいいのか、その辺は私はまだまだ問題が残っておると思うわけです。そこでこういう問題は当然本予算の審議において十分検討されなければならない問題だと思いますので、そういう観点から、先ほど大蔵大臣が、これでいいのだ、邪魔にならないのだというようなお話があったのに対して、重ねて御質問をしたわけでございますが、今のような、今度は予算の面だけではなくて実態に即しての検討は、それではどういう機会にしたらいいと政府の方では考えておられるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/144
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145・正示啓次郎
○政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。ただいまのような点につきましても、政府としてはできる限り調査をいたしまして、御審議の過程におきまして、資料等も提出をいたしているのでありますが、まだ十分とは参りませんで恐縮をいたしております。しかしこれらの点につきましては、私どもも先ほどお答え申し上げました通りに、今回お願いをいたしておりますのも、一つの暫定措置でございまして、これは永久にということをお願いいたしているのではございませんので、まあとりあえず三十年度一カ年間、年度末までということでお願いを実はいたしているような次第であります。つきましては、本法案をお認めいただけますまでに、十分資料等も提供いたしまして、将来の根本的な整理案につきましても、十分御検討をいただき、いろいろまたこの審議の過程においても御意見の拝聴をいたしたい、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/145
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146・湯山勇
○湯山勇君 最後に大蔵大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、ただいまのようなお話でございますと、なおこれには検討すべき点が多々あると思うわけでございます。本予算の審議の過程においても、検討しなければならない。そういう事態が起りました場合には、現在考えておられる措置以外に、新たな措置も大蔵省としては考える余地があると大臣は御判断になりますか。あるいは今回もうここでこうきまってしまえば、もうそういうことは問題外だというふうにお考えになられますか。この点を明確にしていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/146
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147・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私といたしましては、明年三月末までこの法案の延長をぜひともお願いしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/147
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148・湯山勇
○湯山勇君 質問を打ち切ろうと思ったのですけれども、お答えになったことがちょっと違っていると思うのです。つまりまだ、今次長がおっしゃいましたように、資料も十分出そろっておりませんし、それからこの三十年度において、これらの内容を金額だけの問題ではなくて、実態について検討しなければならない点がたくさんあるわけでございます。そこでそういうことを検討していった結果、いろいろ問題が出てくるので、現在そういう資料をもらっていないわけでございますから、その結果さらに検討を要するようなものが出てきた場合には、何らかの措置をなさる御意思がおありになるか、ならないか。出てきた場合にはございますから、これはいかがでございましょうか。もし大蔵大臣が今おっしゃったように、来年三月三十一日までこれで通すのだということならば、もはや今修正案として出されたこの法案審議は必要ないので、あくまで政府原案でおやりになったらいいわけなんです。この点について大蔵大臣の御意見を重ねてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/148
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149・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) これはいろいろと、まあ調査の結果どう出るかというような仮定のことでおありになると思うのですが、そういう調査の結果については、むろんそれをよく認識して、尊重しなくてはならぬと思いますが、ただいまのところ、私はこの補助金整理に関するこの特例を、ぜひとも来年三月まで延ばすことにいたしたいと、かように今考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/149
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150・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この補助金等の臨時特例に関する法律は、前内閣のときに、まあいわゆる一兆予算、これを守るために、できるだけまあ方々で今削れるところは一年間削ろうというので、この法律を出されたと思うのですが、そこで現在の政府もやはりもう一年間それじゃこの補助金等の臨時特例によってやっていこう、こういう御方針でこれをお出しになったと思うのです。そこでもう一年たったら大体またある程度は考慮するというお見込みか、それともまたは、そういう際に一年にするということにして、あるいはまた一遍でここでやめてしまうということになると、摩擦が多いので、一年々々延ばしていく、どうも最近の国会で審議する法律で、いろいろ反対のあるような法律は、まあまあ一年間何とかしてしばらく沈静しておけ、そのうちに何とかなるだろうというように、別に一年というところに何らえらい根拠がある化けじゃないのだか、今すぐ全廃するというようなことになってくると反対が激しいので、まあ一年間延ばしておけといった、そういう種類の法律がずいぶん多いのであります。これもその一種にお考えになっておるのか。それとも、あなたはいわゆる就任当時に声明されました拡大均衡ですか、もうそろそろ富士山の八合目にきたのだから、ミルクを一ぱい飲ますというので、来年はミルクを一ぱいで復活するということでお延ばしになったのか。どっちかお聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/150
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151・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほど申しましたように、この三十年度につきましては、二十九年度と同じ、あるいはそれ以上にこの法律を必要とする、こういうふうな趣旨から一年と、従いまして私はこの間、先ほどからの御質疑もありましたが、こういうことを二年会計年度紙けるわけです歩、その影響もやはりよく考えまして、受けるほうも考えていいのじゃないか、あるいはまた、さらにその間において補助金に対する根本的な考え方も考えることも必要かという、まあいろいろありますが、来年度につきましてはとくと私は新しく考えてみたいと、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/151
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152・菊川孝夫
○菊川孝夫君 政府のほうの方針はよくわかりました。そこで政党内閣制をとっている現在におきまして、少くとも政府がお出しになりました法律案につきましては、与党としては、やはりあらかじめ御連絡があって、与党の政調会とも御連絡があってお出しになった問題でなければならんと思うし、当然そうだと思うのですが、それを今日衆議院から議員立法として提案されまして、こちらへ送り込まれて、衆議院から与党の委員の諸君が来て御説明になるところによりますと、必ずしもあなたが今考えておられるような、一年間はこのまま一つ去年通りにやっていって、来年になったら考えようというのではなしに、場合によってはこの臨時特例の幾つかを復活するなりのことも一ぺん研究するのだと、こういうような意味の御答弁だと思うのです。どちらともはっきりしませんけれどもね。しかし必ずしもこれは一年据え置きだが、とりあえず手続上の問題として六月で、この三月三十一日ということはあとできめるのだと、こういうふうなお話ですけれども、その裏には、何もそんなら三月三十一日までついでにきめておけばいいのにかかわらず、六月一ぱいだけというふうに切ってくるところは、含みを持っているように、与党側の議員でさえもそういう考えを持っているにかかわらず、そこに若干政府と与党との間に食い違いがあるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/152
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153・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は与党ともこの点について食い違いがあるようには考えておりません。ただ暫定予算の関係から今回六月分までにするというだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/153
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154・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そうすると、二年間こうしてこういう処置をとっておいて、その結果を見て、場合によってはそのまま継続するか、あるいはさらに少し緩和するかということは、その結果によって判断するのであって、単にこれは一年間延ばしに延ばしているというような、今の一ぺんに廃止するとやかましいから、まあ一年々々というふうに小きざみにしているのではない、影響を見るためだ、こういうことですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/154
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155・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私あるいは御趣旨を了解しそこなっているかもわかりませんが、いろいろと新しく考えようと申し上げましたのは、三十一年度からについてでございまして、今の三十年度においては、三十年度一ぱいこれは延長される措置をとろう、こういうふうに考えているわけです。ただ暫定予算の関係から六月分は一応六月分だけについてお願いをしよう、こういうふうに考えているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/155
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156・岡三郎
○岡三郎君 この新しく入学する児童の教科用図書を打ち切るというために五億二千八百四十三万二千円ですか、これが削られてくるわけですが、やめられた安藤文部大臣はこの点をしばしば公約されて、それが途中においてとまってしまったということになっているわけですが、こういうふうな新入学児童に対しては、法案として、「児童の国民としての自覚を深めることに資するとともに、その前途を祝うために国が」云々と書いてあるわけです。それで一兆円予算の中で相当経費を切り詰めなくてはならんとしても、これらの費用は考えようによっては出せる費用ではないかと思うし、また出すことによって、子供たちに、また親たちに非常に明るい面を与えるということも考えられるわけで、そういった点、大蔵大臣がここで停止するというふうな考えに至ってそのお考えをお聞かせ願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/156
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157・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私がいろいると申すこともないのでありまする。が、私も義務教育ということの重要性を、特に私は新しい日本という立場から痛感をいたしているわけであります。従いまして、これはまた文部大臣のなにになりますかもしれませんが、私は義務教育にほんとうに力を入れたい、こういうふうなことを、ふだんから考えているものであります。ただ、それにかかわらず今回の場合において教科の無償配付をしなかったのはおかしなように思われるのでありますが、非常にお困りになる御家庭には、他の生活保護その他いろいろな法律、施設等に基いて保護を与えている。そうして私は、日本の財政等から見れば、かりに教科書無償配付にしても、やはりお困りになっている方に、これは具体的な問題になりますが、ほんとう言うと、義務教育だから誰にも出すことが義務教育の本質から当然考えていいのじゃないかという意見も私は立つと思うのでありますが、他面また日本の困窮している国情も考えてみなければならん。そうしてみると、大変お金持のところもあり、しなくてもいいのじゃないかという考え方も成り立つと思う。ところで今後できるだけお困りになっている方々に手を差し伸べてゆく、教科書に限りませんが、義務教育その他についても考える、こういうふうな考えを私は持っているのでありまして、今回は、他の教育費その他の関係から見まして、そういうような意味を持ちながら、実は無償配付をいたさないことにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/157
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158・岡三郎
○岡三郎君 困窮している家庭の児童にそういったような便宜をはかるという点もわかるのですが、この教科用図書の給与に関する法律が出た趣旨は、やはり「国民としての自覚を深める」云々と書いてありますように、義務教育の建前から、せめて一年生程度にはこれを出したいというふうな趣旨であったと思うのです。そういう点で、他の方途によってやられるといっても、なかなか困窮児童にどの程度線を引いてやるかという点についてお考えになっていられると思うのですけれども、まあ実際から言うと、義務教育費関係については、でき得る限り一年、さらにこれを二年に延ばすというふうな方向で、貧富を問わず、こういった面については、憲法の建前からいってもやられるのが至当ではないか、こういうふうにとっているわけです。だから、そういう点で、まあ一年の子供についてはこういう措置を継続して、二年以上ということにはいかんとしても、こういったものには、貧困家庭にそういった手を差し伸べるということで、まあ少くともいい意味の施策というものを後退さしてもらいたくはないというふうに考えております。ですから、そういう点で、義務教育という一つの門出といいますか、そういった点で、われわれはこれを固執して考えているわけです。大蔵省の考え方もわかるけれども、貧富を問わず、新らしく入学する子供に出すんだ、それによって子供自体に国としても一応めんどうを見るという、大げさですが、そういった精神が強く含まれておったんじゃないかと思うわけです。だから、しさいに検討すれば、まあいろいろと今言ったような大蔵当局の考え方もあるけれども、われわれとしては義務教育という点を強調しているわけなんです。そういう点で、これが打ち切られるということについては、もう少し慎重に御考慮を願えないか、こういうふうに思うのですがね。失礼ですが、大した金でもないと思うのですが、どうでしょう。もう少し大蔵大臣お考え願えないものでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/158
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159・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 私もお説はよく理解ができるつもりでおりますけれども、これはいろいろ考えまして、一応三十年度は配付は打ち切りたい、かように考えておるわけでありますが、まあ私といたしましては、義務教育というものについては、単に教科書配付というようなことでなく、今言うたような憲法の精神とか、義務教育の本質とかいうような点から言えば、もう少し私は根本的に考える点もあると思いますので、そういう点も含めて一つ三十一年度は考える、かように考えておりますので、どうぞそういう意味において御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/159
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160・岡三郎
○岡三郎君 幸いか不幸かしらないけれども、一応年間を通してじゃなくして、六月末まで延長という法案が衆議院から出てきたわけです。そういうことになるというと、後刻、七月以降の点について、再度本委員会において審議をせざるを得ないようになると思うのです。そういうふうな点で、あと一カ月ばかり検討する余裕があればあるということに私はなると思うのですが、これが三月三十一日までということになるというと、三十一年度について、またそのときは自動的にこれがまた延長するという形で出てくることを心配するわけです。そういう点で、次に衆議院から送付してきたこの法律案が成立するとして、政府がこれを受けて修正なり廃案なりするということで、次の措置をとられるということを聞いたわけですが、そのときにまたこの問題をむし返すことになってくるというふうに考えられるわけであります。何とかあまり手数をかけないで、もう少し何とか大蔵省の方でするというならば、これは悪いことじゃないんだから、私も大臣の言うことはよくわかるのです。ただこれだけが義務教育の問題ではない。まあ給食費なんかも、ずいぶん払えないで困っている子供が、炭鉱地帯ばかりではなくして、都市周辺には非常に増加しているわけです。そういったような給食費の補助金等についても、ある程度までみてもらいたいという気持があるけれども、まあ差し当ってそういう問題もそうだけれども、せっかくここに今までやられてきているんだから、何とかこれを少ししようじゃないかというならば、私は目をつぶってこの法案については異議がないと言いたいのだけれども、どうもまたずるずる延ばされて、また三月三十一日になればこれが出てくるような心配があるから今ねばっているわけですが、何とか少し色よい返事がないものでしょうかね。そうしないと、内容にわたって逐一やると、今晩十二時までにとてもあがりませんよ。何とか一つそこを色をつけて返事をしておいてもらわんと困るんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/160
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161・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) 先ほど大臣からお答えがございましたのですが、本年度は本予算といたしまして、義務教育の問題につきましては、来年の三月まで延期することを前提として予算を計上しておりまげるし、私どもといたしましては、ぜひ来年の三月三十一日までこの措置を延期していただきたい、さようにひたすらお願いを申し上げる次第でございますが、予算の編成に際し、なぜそれじゃこれを打ち切り継続するということが必要であるというふうに考えたか、その辺のわれわれの衷情も一つお聞き取りいただきたいと思います。御承知のように苦しい中での予算編成でございまして、文教予算についてごらん願いましても、財源さえあればもう少しふやしたいのでございますが、かろうじて三十七億しか増加になっていないわけでございます。その大部分は義務教育費の国庫負担、それが大部分でございまして、そうしますと、その他の文教的施設につきましては、幾らもふえていないわけでございます。たとえば公立の文教的の施設をとってみましても、これは実は減少になっております。減少になりましたのは、実は災害関係が減ったからということで減少になったわけでございまして、二億くらいはふえておるわけでございますが、しかし、あのやかましく言われております校舎その他の関係でも、まあそう申し上げてはまことに申しわけないんですが、まあせいぜい二億くらいしか増加できなかった。義務教育教科書は、先ほどからお話しがございますように、五億要るわけです。この五億の金は、集まると五億という金になりますが、これを学童一人々々として計算してみますと比較的小さなものになるわけでございますが、ここに新たに、たとえば五億なら五億という財源があります場合に、それを義務教育の校舎その他の施設費に充てた方がいいのか、あるいは教科書に充てた方がいいのかという問題として考えます場合に、私どもは資金の乏しい財源をより有効にやりくるのに、まあこの際、教科書につきましてはもう一ぺんがまんをしていただきまして、その他のより緊要な文教施設にこれを充当した方がいいんじゃないか、さような結論に達せざるを得ないわけでございまして、乏しい財源の中のやりくりといたしましては、やはりわれわれは今日お願いいたしておりまするような結論にならざるを得なかった、この点は苦心をいたしておる次第でございます。来年度以降の問題、これは先ほど来御質問がございましたが、私ども補助金整理につきましては、まだ幾多の根本的な問題が実は残っておるわけでございまして、今回のこの法律案の御審議に際しまして述べられました御意見につきましては、十分傾聴いたしたいと存じますが、これはやはりこれを単に継続するというようなことでなくて、もう少しやはり根本的に検討すべきものは検討するというような考え方で臨むつもりでございまして、その際には、あらためてこの問題につきましても検討をもちろんしなくちゃならんと思いますが、本年度といたしましては、予算編成上の観点からも、どうしてもこれは打ち切りを継続していただくということで、ぜひともお願いをしたいのでございまして、その辺のところを何とぞ御了承を願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/161
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162・岡三郎
○岡三郎君 そういうような話を聞くと、選挙のときに、やめられたけれども、文部大臣が政策としてこうやりたいし、こうやるんだというふうに言ってきた建前上、それは前の文部大臣だって、財政の苦しいということを承知しているということは人後に落ちないと思うんです。そういうふうな点で、私は何もここで開き直るわけじゃないけれども、まあいろいろと考えてみて、ただ選挙のときにそういうふうなことを言って、あとできないんだということでは、これも同じその当時第一次鳩山内閣に列していた安藤さんが食言したということになりますが、まあこれは強く鳩山内閣が選挙に臨むときに、これこれのスローガンではなかったという答弁になるかもわかりませんけれども、しかし与えた印象は、しばしばそういうふうにしたいというふうに言明されておったと私たちは記憶しているわけです。それは必ずするんだとは言わなかったろうと思いますけれども、しかしそこら辺の言葉のニュアンスというものは、選挙ということになるとみんなある程度まで神経的になっておりますから、いいことをやるんだなと思って、そういうことで民主党がだいぶ得をしたかもわからない。そういう点で、非常に子供に関することであいまいに置いておいて、そうして最後に結論をつけるときに金がないでは、これは情ない話だと実は思ったおけです。私たちは、もちろん苦しいことはわかるけれども、こういった面については、確かに有効であるか有効でないかという論はあるけれども、精神的には有効であるということは、私は実際問題として間違いないと思う。これは教室を一教室、二教室というふうに建った方がいい、それはわかりますよ。わかりますけれども、ただそういう面とは別に、精神的に好影響を与えるというものは、これはます目ではなかなかはかり得ないものが私はあると思うのです。そういう点で、義務教育に対して貧富の別なく、とにかく国としてこれを出すという精神は、まあほかの方も必要なんだからといって、ほかの方を増額したからといって、私はこれを見のがすわけにはいかんので今質問しておるわけですが、その間の一般に与えた影響というものを十分考えたならば、何とか私はやはりすべきだと思うんだけれども、今の御回答を聞いているというと、まことにおかしいので、どうも大蔵省の人たちは金の面だけで検討をする、まあこれは失礼かもわからんけれども、実際に本をもらったときに、大したことじゃないという考え方よりも、やはりほんとうに子供が喜んでいるんですよ。いいですか、金を持っている家だって、自分のポケット・マネーでやるよりも、これは国がくれたんだということであれば、やはりこれは私は実際は違うと思うんです。だからそういう点で、まあこれ以上御答弁を求めたくはないけれども、一つ考え直してもらいたい。まあ考え直すということよりも、百尺竿頭一歩を進めて、何とかいたしますとは言えないかもしれないけれども、まあ十分考えてみますくらい一つ言っておいてもらいたい。どうですか大蔵大臣、何とか少し考えてみませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/162
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163・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) お気持は私はしばしば言うようにわかりますし、そうして精神的な点を考える場合に、それは非常に効果の高いこともわかるのです。ただ何さま今日の国情から見まして、三十年度はやむを得ないというふうにお願いいたしておるわけでありまして、私は三十一年度等におきましては、予算のあり方も相当違ってくるだろうと考えているんですが、との義務教育については私は本当の根本から考えてみたらいいんじゃないかと、こういうように考えておりますので、まあそういうことと一つかね合せて、何か先に譲ってはなはだ悪いように思いますが、今の状態では、これは三十一年度に、まあこれでありませんが、義務教育について全般的に私はよく考えて予算の編成をする必要があろう、かように申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/163
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164・野溝勝
○野溝勝君 まず私は、こういうむずかしい法案に対しましては、しろうとでございますからよくわからんのでございますが、改正案の提出者の委員長であります伊東先生から一つお伺いしておきたいのでありますが、これはあれでございますか、補助金の整理等に関する特別委員長ということになっておられますが、その改正の案を見まするというと、これはこういうふうに解釈してよろしいのですか。零細補助金等の整理に関する件と、こういうふうに解釈しても差しつかえないのでございますか。解釈はどうですか。私がなぜそういうことを申すかというと、どうもここに掲げてある補助金等臨時特例に関連する予算措置一覧表というものがあるのですが、それがほとんど打ち切り継続の標的になっておるようでございます。で、これを見るというと、みんな実に勤労階級に必要な社会保障、あるいは教育関係を通しまして、零細なる鼻くそばかりの補助金でございます。これをたたっ切ろうというのでございますから、たたっ切るといいますか、結局まあ打ち切り継続でございますからたたっ切るわけでございますが、こういう点において、私はわかりやすく解釈するには、さような表現が安直で率直でいいんじゃないかと思いますので、さようにお伺いしたのでございますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/164
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165・伊東岩男
○衆議院議員(伊東岩男君) なるほどお話しのように、ただいま提案になっておるものは、そういうごく微細な補助金だけで、それをただいまのところでは中止あるいは減額しようというわけでありまするが、委員会といたしましては、他にさらに出てくる場合もありましょうし、もし出た場合には、その場合において審議を進める。ただいまのところではお話しの程度のことであることは間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/165
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166・野溝勝
○野溝勝君 大体わかりました。では大臣にお伺いするのでございますが、先ほど同僚でございまする岡さん、湯山さん、菊川さん等々からもいろいろ質問があって、大体はお考えの意図というものはわかりました。しかし政治というものは、わかりました、了解しましたというだけじゃこれは政治にならんのでございますから、あなた方の考えというものは、これは結局弱体内閣でございますから、まあ仕方なしなしということになって、こういう妥協案に応じようというのでございますが、私はそれにしても、実際のところを言うと血も涙もないと思うんです。予算編成上困難だ困難だということを言っておりますが、主計局長、一体この一年に十億ばかりの金が一兆の予算の中において、何が一体編成困難であるか。こんなものは、あなた四月、五月、六月のブランクだけの解決予算なら、わずかなものじゃないか。私はこういう点においても、あなた方がこんなところへ一つ目をつけて、この犠牲のしわ寄せをこんなところへ持ってくるということは、いかに言ってもなさけない内閣だと思うのです。これは実際一萬田さんが、あなたの答弁が正直で、非常に苦しいお言葉がありましたので、私はこれ以上は言いませんが、いかに言っても、おそばについている主計局長初め、そうそうたる有能な方々でございますが、諸君も勤労階級でありながら、こんなところへ目をつけるのは、(笑声)私は主計局長にしても、正示君にしても、あまりになさけないと思う。こういう点について、一体、もっと大きなところを一つ打ち切る、継続するというところに考えなくて、こんなところへ着目したのはどうか、一つ理由があるのでございますか。この際参考のためお伺いいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/166
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167・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) 昨年補助金の整理をいたしましたときには、合計五十億くらいの補助金の整理を実行いたしたわけでございます。この法律で打ち切っておりますのは、その中で特に法律関係が伴うものだけでございまして、全体の補助金制度の一部になるわけであります。五十億と申しますと、これはもう私ども予算を編成して参ります上においては、決してあだやおろそかにできない金額でありまして、これをぜひとも整理をしなければ予算の編成が難渋する、そういう羽目においていたしたことでございまして、一つ一つをとりますと、いかにも零細であるかのごとくごらんになるのは、御ごもっともでございますが、ちりも積もれば山となるでございまして、それでその五十億のほかに法律を伴わないものも合せまして五十億くらい整理いたしまして、一兆五百億円の予算を計上いたしたわけでございます。決して私どもこの五十億という金を、零細な金で、どうにでもなる金であるという、それほど余裕のある予算編成でもないということを御了承いただきたいということをお願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/167
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168・野溝勝
○野溝勝君 私は先ほど問題になりました減収加算金の問題、これに対して大蔵大臣も、特別会計の方で何とかこれを処理する……。もちろん特別会計で処理しないで、一般会計からすると言えば問題になりますから、そこで結局何とかこれで処理するということでなったんですが、私は特別会計にしても、一般会計にしても、出すということについては変りないと思うのですが、してみれば、少くとも三十二億近くの金を出さなきゃならぬのですが、これは、けっこうなことです。これは農民をだましたんですから、供出をして、お前たち供出すれば減収加算金を出すぞということで供出したわけですから、それは森永さん、あなたの言うようなことを言っておっちゃいかぬ。出さなきゃならぬ。それはけっこうなんですが、そこで約束を果すことは、けっこうなことです。法律があろうとなかろうと、約束を果すことですから……。しかしそのお金を出すんですから、私は社会教育のもの、あるいは児童福祉関係等のもの、こういうようなものは、ほとんど実際経済的裏づけのない、財源的裏づけのないむのを、これをあてにしておるんですからこういう点に関しましては、私はむしろほかの方の補助金を押えて、そうしてこの方面に対する補助金だけは、これは打ち切らないようにしてやるというような措置が私はとられてしかるべきだと思う。先ほどの大臣並びに主計局長の御答弁を聞いておりますると、この次は何とか計上しようと思います、この次は何とかしよう……、この次は何とかしないでも、すでに計上しておるのでございますから、これを通したらよさそうなものだ。それがおかしい。ちゃんと計上してあるのでございますから。それをどこから修正案が出るか、改正案が出るかしらぬけれども、妥協するというようなことは、おかしいじゃありませんか。これを出すときに、こんなものはまあ問題にしておらないで、こういう原案を一体考えたのですか。その点一つお伺いしておかなけりゃならぬと思うのです。……ああ、失礼しました。いや、それは計上してなかったそうでございます。それは私が取り消します。しかし、そういうことを考えておったことは事実です。計算をして考えておったですね。これは事実でございますから、特に各省からの御意見を聞きますというと、大蔵当局におきましてもそれを考えて出そうとしておったことは事実でございますから、そういう考え方を改めるということに至っては、私は何かの動きがあったことだと思うのでございますが、そういう点について、必要であるという点について、あなた方が考えておられるならば、各議員からもこういう要請があるのでございますから、この際何とかこれを計上して、かようなものの解決に資したいという気持はありませんか。さらに予算上、私はこのくらいのものはできると思う。四、五、六、この三月だけのものはできると思う。何とかできませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/168
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169・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) この特例法によりまして節約をいたしております金額は十九億でございます。この法律がもしないとすれば、二十三億というところを、この法律によりまして四億に減額いたしまして、差引十九億の節約ということに相なっておるわけであります。本年度の予算はこの十九億の節約を前提といたしまして組んでいるわけでございまして、さらに野溝先生のお言葉ではございますが、実はもう財源の上から申しまして、余裕が全然ないわけでございます。四月、五月の期間につきましては、前回これを四、五月の期間だけを延ばすという法律によりまして、この法律を御承認いただきまして計上いたしておりますが、今後さらに来年の三月までの期間につきましても、本年度予算の通り、この十九億を節約したところで参りませんと、予算のつじつまが合わなくなるわけでございまして、ぜひともこの法律案を御承認いただきまするように、まげて私どもとしてはひたすらお願い申し上げます。財源の関係から申しましても、決してゆとりがないことを御了承いただきたい、そう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/169
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170・野溝勝
○野溝勝君 もう一点だけ……。
これを見るというと、財源がない財源がないと言うけれども、公営住宅法の関係だけはうまくできておる。三十年度のはよくできておる。そこをほかの方だけはぐっと打ち切っておる。だから、これくらいのことができて、これができないということはおかしい。そういう点は、どういう気持でこの公営住宅だけこういうふうにできて、ほかの方はこういうことにしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/170
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171・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) これは、つまり表の作り方の問題なんでございますが、高層耐火建築、これは、ことしの予算では全然その計画がないわけでございます。で、もとになる計画そのものにおいては、三十年度はやめましたものでございますから、まあまあ、これはゼロになるということになっておるわけでございます。こういう技術的な関係があることを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/171
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172・湯山勇
○湯山勇君 交付金の方は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/172
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173・森永貞一郎
○政府委員(森永貞一郎君) 交付金の方は、七千七百万円を全額この法律によりまして減らしております。……失礼しました。ちょっと今の点は村上政府委員から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/173
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174・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) この交付金の表、なるほど今拝見しますと非常におかしいようでございますが、この七千七百三十万四千円というのは……。その中で高層耐火建築になったのは、非常にぜいたくなアパートにつきまして二分の一を四割にするという特例法をやったわけでございますが、そのときに、この交付金というのは、その関係で都道府県知事が建築の監督その他見廻り関係で、その地元の負担として、そういう監督関係もないというわけで、この七千七百三十万四千円というのは第一種公営住宅の関係だけで差引零になっているのだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/174
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175・野溝勝
○野溝勝君 どうもよくわからない……。あとで一つ説明書を資料にして見せて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/175
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176・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) よろしゅうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/176
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177・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/177
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178・湯山勇
○湯山勇君 提案者のほうへの質問がまだ残っているのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/178
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179・青木一男
○委員長(青木一男君) それでは簡単にどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/179
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180・湯山勇
○湯山勇君 提案者のほうにお尋ねいたしますが、七月以降についてこれはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/180
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181・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) これは先ほど大臣の御答弁にもあったのでございますが、ただいま提案いたしました法案が決定いたしましたならば、これに対応いたしまして、政府といたしましては必要な措置を善処されることになるのであります。例をもって申しますならば、現在提案しておりまするものを修正するとかあるいは撤回するとか等の措置によりまして、引き続いて七月一日から年度末までの処置に対しましてきめていただく。これは、あらためて国会において審議することになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/181
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182・湯山勇
○湯山勇君 今の点につきまして手続上の問題はよくわかりましたが、内容についていろいろ七月以降については検討するというようなことは、衆議院においては論議がなかったわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/182
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183・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) 内容につきましては、今日その予算は審議中でありますので、この審議と伴いまして決定されることと思います。今日におきましては年度末まではきまっておりませんので、きまりました分だけは、とりあえずここに間に合せようという形におきまして、この法案の提案になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/183
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184・湯山勇
○湯山勇君 念を押しておきたいと思います。それでは七月以降のものにつきましては、内容的に変ることもあり得るわけでございますか。今のお話では予算審議中でございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/184
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185・床次徳二
○衆議院議員(床次徳二君) これは審議中でありまするから、その結論についてはわからないのでありまするが、一応形式的には、政府の案といたしましては従来通りの方針をもちまして案が出ております。従って提案せられておりますものはそれと同じ、この趣旨と同じ法案が今後提案せられるであろう、それを台にして審議いたすことになるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/185
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186・岡三郎
○岡三郎君 一応六月一ぱいということになって、衆議院の案が出て来たわけで、それで、あらためてまた六月に政府がこれを受けて、この法案を受けてどういうふうにするか、それがまあ六月にやられることになると思う。それでほかの補助金の問題は時間的にある程度まで間に合うのですが、どうも教科書の問題は間に合いかねる点があるわけなんです。だから、この次に出すまでこの法案を受けて、次に政府が検討して配分して新しく出してくるまで、修正して出してくるかどうか知らぬけれども、次にやられるまでに、一つ先ほど言った点を十分お考えなされるということを大蔵大臣が言われたので、急拠意向を取りまとめて、これ以上質問をしないことに今やったわけなんです。そういう点で大蔵当局においては十分考えてもらいたい。蛇足ながら一つ申しておいて委員長の打ち切りに賛成するわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/186
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187・一萬田尚登
○国務大臣(一萬田尚登君) 三十年度で私は考えるということは申してありませんから……。三十一年度以降については、義務教育については根本を考えて一ついこう、そういう場合にそういうこともやはり考えられることになろう、こういうふうに私は申したのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/187
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188・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでございますが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/188
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189・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/189
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190・木内四郎
○木内四郎君 私は自由党を代表しまして本案に賛成いたします。政府から本予算が出ました際に、それに伴いまして、本案の内容と同じものを三月末まで延長するという案が出たのでありまするが、その後審議の情勢に鑑みましてさらに六月の補正予算が提出されました。ところがその六月補正予算がすでに衆議院を通過して本院に参っておりますので、その情勢のもとにおいて、衆議院が本案のごとき案を出してこられるということは、きわめて当然のことであり、適当なことであると、私は思うのであります。従いまして、本案に対しまして私は賛成いたします。ただこの際一言申し上げておきたいのは、政府ではいろいろ御説明がありましたけれども、六月暫定予算を出される際に、すでにこれに伴いまして、今衆議院から出されたような六月までに限るというような、六月まで延長するという案を政府みずから出さるべきものであったであろうと私は思うのでありまするが、まあ、さっきいろいろ御説明がありましたが、とにかく理由はいずれにいたしましても、その際出されなかったということは、政府として非常に国会を甘く見たというか、なめておられたような態度でありますので、今後十分そういう点について注意されることを私は警告しておきたいと思うのであります。こういう警告を付しまして賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/190
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191・中川幸平
○中川幸平君 私は民主党を代表いたしまして本法律案に賛成をいたすものであります。
政府は、さきに提案されました補助金等臨時特例法を年度末すなわち明年の三月三十一日まで延期するという法律案を本日までに両院を通過されることは念願しておられることと存じまするが、その後六月の暫定予算の成立におきまして事態が変ってきた。さきに四、五月の暫定予算中延期するという法律にならって、六月一カ月延期しようという衆議院の委員会の意図がうかがわれるのでありまして、やむを得ざる措置であると考えまして、私は賛成をいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/191
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192・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は社会党の第四控室を代表しまして本案に反対いたします。
もちろん本案の中には、補助金の中でこれは打ち切ってもいい、あるいは停止してもいいというふうに考える補助金もございます。われわれとしても賛成するのがあるのでありますが、これはどうしても復活すべきであるという、先ほど岡君が申しました教科書の問題、あるいは母子福祉資金の貸付等に関する法律に基く補助金、あるいは精神衛生法に基く補助金の特例の問題、これなどは私は現行法に基いてやるべきである。また中には、公民館の建設、図書館あるいは公立博物館、こういったようなものは、国の補助がなければなかなかできるものではございません。これらも一年間やめてしまうというのは、最初に一年間やめてしまうというのです。最初の一年間ということは、まあ、せめてこれらを受ける団体に向っては、一年たったならばある程度また復活もされる、さすであろうという見通しのもとに、あの一年ということで時限立法にしたと思うのであります。それがさらに一年ということになると、これはまた来年も、今大蔵大臣がなるほど三十一年度は考慮すると言いましたが、三十一年度になったときには、いや考慮したけれども、やはりもう一年ということになる危険がある。今まではそういうことは、何回もこの種の法律で、また一年まだ一年とやってきたことは、たびたびあります。従いまして、この際には一ぺん一つ、ちょうど、きょうは最後の日になりますので、これを流してしまって、どうせこれで、きょう、これは議決されなければ、これが流れることになるのでありますから、政府の方で措置をしてこれらを一ぺん復活しておいて、さらにその上で、これだけは削る、これだけは生かす、こういうふうに整理さるべき問題である、かように考えまして、参議院としては、ここで、この法律案について一つ反対しておくということが、むしろ政府を鞭撻して補助金に対して十分検討させる機会を与えることになるのではないか。もしも、これをこのまま通しておきますと、またおそらくはこれは今の大蔵大臣の言明からいたしましても、今年一年はこのままで行きたいという強い要望であります。で、せっかく衆議院の方でこの補助金整理の影響するところの重大性にかんがみられまして、わざわざ特別委員会を設置されまして検討されようとしておるのでありますけれども、せっかく検討されましても、政府の方針がそういうふうだ、で、第一党の……これはもう政府の方針がそうだということは、とりもなおさず第一党たる民主党の方の方針もそういうふうに決定しておるのでありまして、政府の方針と第一党の方針が食い違っておるというはずはあり得ないのでありまして、これは当然決定しておる。せっかくこれについて検討されましても、私は単に付帯決議をつけるとか、その程度でもって、うやむやに終ってしまうのではないかということを最もおそれるのであります。委員長さんも実は与党の出身でありますので、政府の方針をなるべくやはり受け継いでこれをこの国会で通そうとされることは火を見るよりも明らか、政党内閣である以上当然であり、与党の委員長がこれを直そうとされることが、これはおかしいのでありますから、通されるということになってくると、やはり三月三十一日まではこの特例法を生かすということになると思うのであります。従いまして、この際にはどうしても一ぺん与党も考え直してもらう、それから政府も考え直してもらうという角度から、ここでこの法律を一つ廃案にすることがむしろいいのじゃないか、かような角度から私どもはこの法案に対しまして反対をいたします。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/192
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193・小林政夫
○小林政夫君 私は賛成をいたします。特に大内委員から討論が述べられた趣旨において、このたびは衆議院の方で、いわば筋を通した提案をされて参った。審議の過程においてだめを押しましたごとく、引き続いて今後の予算と法律案との関係においては、よろしくこのたびのような筋を通していただきたい。決して、予算は通したが法律案は適当に修正するのだというようなことのないように、うらはらの関係の法案についてはその点について十分な配慮を願いたいと思いますし、また期限の定めのある法案、特に施行期日がきめられておる法案等について、今までの衆議院の参議院への送り込みの状態を見ますと、実質的に参議院の審議を拘束するようなやり方であります。このたびの提案にしても事情やむを得ない点があるということは、ある程度このたびの件については了承できる点もありますけれども、今後の、特に税法等の関係において、実質上、参議院の審議を拘束するような法案の差し回し方については特段の配慮をわずらわしたい、こういう、特に衆議院の方へ要望を付して賛成しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/193
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194・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/194
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195・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(衆第七号)を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/195
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196・青木一男
○委員長(青木一男君) 多数であります。よって本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により、本委員会における質疑、討論、表決の要旨を報告することとして、あらかじめ御承認を願うこととし、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/196
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197・青木一男
○委員長(青木一男君) 御異議ないと認めます。
それから本院規則第七十二条による委員会の報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされました方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
西川甚五郎 山本 米治
土田國太郎 青柳 秀夫
木内 四郎 白井 勇
宮澤 喜一 小林 政夫
前田 久吉 井村 徳二
小柳 牧衞 中川 幸平発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/197
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198・青木一男
○委員長(青木一男君) 本日はこれにて散会いたします。
午後四時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X01119550531/198
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