1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月十四日(木曜日)
午前十時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 青木 一男君
理事
西川甚五郎君
山本 米治君
土田國太郎君
委員
青柳 秀夫君
岡崎 真一君
藤野 繁雄君
小林 政夫君
前田 久吉君
岡 三郎君
松澤 兼人君
井村 徳二君
中川 幸平君
最上 英子君
政府委員
大蔵省主計局法
規課長 村上孝太郎君
大蔵省主税局税
関部長 北島 武雄君
説明員
大蔵省理財局資
金課長 福田 勝君
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本日の会議に付した案件
○資金運用部特別会計法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送
付)
○関税定率法等の一部を改正する法律
案(内閣送付、予備審査)
○関税定率法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/0
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001・青木一男
○委員長(青木一男君) これより委員会を開きます。
岡崎委員より資料について発言を求められておりますから、この際許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/1
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002・岡崎真一
○岡崎真一君 この委員会で資料を一つお願いしたいのですが、日本国有鉄道、日本電信電話公社、日本専売公社、こういう企業体の経営の効率的な運用について内部分析をしてみたいので、実はそれに関するような参考資料を、委員長からそれぞれの方へ要求していただきたいと思います。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/2
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003・青木一男
○委員長(青木一男君) 次に、資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/3
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004・藤野繁雄
○藤野繁雄君 付則の六項ですが、毎会計年度における郵便貯金特別会計の歳入不足をうめるためというようなことになっておりますが、郵便貯金の特別会計に歳入の不足を生ずるところの理由と、将来におけるところの不足せないような対策についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/4
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005・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) 詳しくは理財局の資金課長が見えておりますので、その方から御説明をすると思いますが、私の方から簡単にその理由と将来に対する対策を申し上げますと、御存じのように、郵便貯金特別会計というものは、終戦後のいわゆる経済的混乱によりまして、非常にその収支のバランスというものがこわされたわけでございます。現在におきましても少くとも郵便貯金のメカニックになっております郵政省の郵便局というものの機構から申しますというと、まだいまだに郵便貯金の量というものは、いわゆる経済的な適正規模というものに達してはおらないわけでございます。そこで勢い非常に資金コストが高くなるという結果、終戦後におきましては、年々相当金額の歳入不足を繰り入れておるわけでございます。しかし現在におきましては、だんだん旧に復して参りまして、郵政省当局の見通しによりますというと、大体昭和三十五年ごろから郵貯の赤字というものも黒字に変って参るのではなかろうかというふうな予想を立てております。その黒字に変ってくるという理由は、要するに郵便貯金というものが増加いたしまして、その残高のバランスから、結局現在の郵便局といいますか、貯金吸収機構のコストに対して貯金の数量というものが大体平均化して参る、こういうふうなことから、昭和三十五年程度から黒字に転化していくんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/5
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006・福田勝
○説明員(福田勝君) 私からただいまの御質問につきまして多少補足説明を申し上げますと、郵便貯金特別会計の収入というのは、本来から申しますれば、当然郵便貯金の資金コストというものをまかなうだけに足りる金利というもので運用すれば赤字は生じないわけでございます。すなわち資金運用部が郵便貯金を実質的に運用するわけでございますから、資金運用部の貸し出しの金利というものが、実質的に郵便貯金の資金コストの高低に応じて調整されていけば、それが可能なわけでございますが、これは郵便貯金特別会計というものが生じました終戦後の制度の改正以後におきまして、資金運用部に預かっておりまするいろいろな原資の資金コストには、おのずから原資の性質によりまして当然高くなければいけないものもございますし、それから比較的変動によって低くやれるものもあるわけでございます。そういった変動というものを、現在の資金運用部の制度の根本的な建前は平等に扱う、そういう建前で資金運用部制度というものが預金部から変りましたときにできたわけでございます。従いましてその平等に扱うというやり方で行った場合に、昭和二十六年の秋に、全般的に銀行預金金利、それから郵便貯金金利の引き上げというものが、当時の金融政策でとられまして、現在の郵便貯金の一番安い通常金利でも三分九厘六毛というところへ金利が引き上げになったわけでありますが、そのときに今私の申し上げました平等で扱うというやり方では、当然預金者に払う金利の支払いの分だけが、資金運用部から郵便貯金特別会計の方へふえて参りませんと困るということになって、特利という制度がとられたわけであります。その特利という制度はその後郵便貯金の残高というものが徐々にふえるということで、預金金利というものは残高の増減に応じまして変動を受けないで行くわけでございますが、人件費、物件費というようなものは残高がふえれば減って参るわけでございますので、そういったものの目安といたしまして、大体一厘ずつ下げて参ったわけでございます。ところがそれでもなおかつ郵便貯金が赤字がずっと郵便貯金特別会計には出ておったわけでございまして、二十九年度において制度改正により私の方の資金運用部特別会計から直接損失を繰り入れする制度を開くまでは、一般会計から損失の補てんが郵便貯金特別会計に対して行われておったわけでございます。その理由を究極的にいえば、結局資金運用部の運用レートというものが比較的低金利政策と申しますか、政府の財政資金として運用する建前からできるだけ低い方がいいという建前で、実質的な郵便貯金特別会計の資金コストというものを反映するようなレベルにおいて運用しなかった、従いましてそのギャップというものが赤字という格好できておったわけでございます。なお、もとよりこの人件費その他につきましては、終戦後の裁定、労働関係のいろいろな仲裁裁定その他に関連するいわゆるベース・アップの問題に関連しまして上った分もございますが、しかし一方毎年最近の情勢においては千億弱ぐらいの残高がふえて参るというようなことで、プラス、マイナスの要因が相殺されつつ今日に至っておるわけでございます。そうして三十年度の予想では大体四十四億程度の赤字を郵便貯金特別会計が生ずるであろうということに相なっておりますが、その四十四億生ずるゆえんの一つの原因は、預託金利でわれわれの方から郵便貯金特別会計の収入に入る金利を先ほど申し上げましたように一厘ずつ下げてきておりますので、そういったところも勘案してお考えいただく必要があるわけでございます。それで結局その四十四億程度の赤字というものがいつごろになったならば生じなくなるかという将来の見通しの問題になりますと、先刻政府委員の法規課長から申しましたように、われわれの方でいろいろ計算をいたしてみましても、今後における事務費に大幅なベースアップその他の変動というものがないと仮定いたしました場合に、まあ大体千億程度内外の残高がふえていくということにいたしまするというと、昭和三十八年ぐらいには黒字に転じてくるのではないか、これは見通しによりましていくら詳細に計算いたしましても、人によって多少の違いがございますが、郵政省の専門家の意見では、郵便貯金の残高が大体一兆程度になるという情勢になれば、それによって赤字というものは現在のような金利政策で参りましても生じなくなるのではないかというふうに考えているのでございます。われわれとしましても大きな見当におきましては大体同じ意見を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/6
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007・藤野繁雄
○藤野繁雄君 ただいまのお話によってみますというと、金利コストが高いから赤字になるのだ、こういうふうなことであれば、この国会で議決しました郵便貯金の金利は引き上げられたということになっておるのでありますが、そういうようなことであれば、ますますコストが高くなって赤字がふえるようなことになるおそれがありはしないかという心配でありますが、その点いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/7
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008・福田勝
○説明員(福田勝君) そこは御質問のような点は、確かに一般的に申しますれば、郵便貯金の預金者に払いまする金利というものを、郵便貯金特別会計としては赤字を生じておる前提におきましては、当然上げることは、その他の収支面だけから判断いたしまするとよくないわけでございますが、しかしながら全体の今の金融政策が貸し出しのレートというものに対してはこれをできるだけ下げる。しかしそれは同時に預金金利を同じだけ下げるということによってやるのではなくて、経営の合理化なり何なりでやっていくという線で参っておりますので、預金吸収について銀行預金の免税、その他の政策をとっておりまする線から申しましても、できるだけ郵便貯金の預金金利というものが全体の金利体系の中で少くとも当を失しない程度には保証しておきませんと、結局ただいまの私が申し上げました将来郵便貯金の赤字を消すための最も重要なポイントでございます残高の増加というものに非常に影響が生じてくるおそれもございます。そういうことから言えば、やはり預金金利というものを今までできるだけ資金吸収上穏当であるという線までは上げてきたという線において考えられたことは、間違ってはいないのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/8
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009・藤野繁雄
○藤野繁雄君 次はこの提案理由の説明によりまするというと、「この際、この会計の運営を一そう円滑にするため、一般会計への繰り入れを取りやめ、積立金に充てるべき金額を確保して資金の増強をはかることが必要であると考えられますので、決算上の剰余は、すべてこれを積立金として積み立てることができるようにいたそう」、こういうふうなことでありますが、特別会計の予算書を見てみまするというと、どれだけの決算上の剰余金があるかということがわからないのであります。それでそういうふうなことを明らかにするためには、この予算書に貸借対照表及び損益計算書をつけたらば直ちに決算上の剰余金がわかる、こういうふうなことになるだろうと思っておるのであります。開拓者資金融通特別会計法の一部を改正する法律の場合においては、従来の経理が明らかでなかったからというようなことで、貸借対照表、損益計算書を作るようになったのであります。それで同じ国会に出すところのものであって、一方の方は貸借対照表及び損益計算書なんかをつけ、これにはつけないという理由があったならば、その理由を承わりたいと思うのであります。また決算上の剰余金はどのくらいあるのであるか、その点も伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/9
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010・村上孝太郎
○政府委員(村上孝太郎君) バランスシートその他附属参照書類の問題につきましては、よく研究いたしまして御返答いたします。
それから決算につきましては、本年度、昭和三十年度の方はこれは決算はわからないわけでございますが、昭和二十八年度といたしましては、当初予算で約四十億円の利益金を見込みまして、予算上これを郵便貯金特別会計に繰り入れることになっておったのでありますが、決算のときにはさらに十四億ばかり利益金が増加いたしておりまして、これは旧法の付則に従いまして、一般会計に繰り入れたようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/10
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011・青木一男
○委員長(青木一男君) 他の御質疑がございませんければ、次の問題に移ります。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/11
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012・青木一男
○委員長(青木一男君) 関税定率法等の一部を改正する法律案(予備審査)
関税定率法の一部を改正する法律案(予備審査)
以上二案を一括議題として質疑を行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/12
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013・岡三郎
○岡三郎君 ちょっとこれに直接関係があるかわからぬが聞きたいことがある。輸入物資の中でいわゆる外貨の割当てがないもので港へ着く物資があると思う。それがいつの間にか保税倉庫に入って、また後刻外貨の割当てのときにうまくそのレートへ乗って、そして国内へ出されるというそういうふうなことがあると聞いておりますが、それはありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/13
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014・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 往々にいたしましてライセンスがなくて日本の港へ持って来る品物があるのであります。それからまたライセンスがございましても現物とライセンスの品名と異なるものが来ることがございます。こういう場合におきましては、税関といたしましては、輸入貿易管理令の建前上現品とライセンス名とを対照いたしまして、もし全然ライセンスがないか、あるいはまたライセンスの品名と現物と違う場合におきましては通関をいたしておりません。ただこの場合におきまして、関税法に貨物の収容処分というのがございます。これは通関できなかった貨物につきまして、いつまでも倉庫をふさいでおくわけにもいきませんので、一定の期限の経過によりまして、税関で強制的にこれを収容いたしまして公売処分にいたしております。ただし、もともとライセンスがなくて、あるいはまたライセンスの品名と違う現物が入ってきました場合、これを早期に実施いたしますと、結局におきまして輸入ライセンスのない品名が国内に入るということになりますので、税関庁の固有の権限といたしましては、貨物の収容処分という行為がございますが、その場合におきましては、通産省とよく連絡をとりまして、決して不正な輸入者をしてもうけさせないと、こういう意図のもとに、一定の期間を相当長くおきまして、そして通産省と連絡の上、もうこの程度になったならば、かりに収容公売いたしましても、インポーターに得とならない、こういう時期において収容処分をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/14
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015・岡三郎
○岡三郎君 先般の衆議院の予算委員会において、コンニャク粉の問題が問題になったことがあるわけなんです。それでこれは群馬地方の農民の重要なる資金源である。ところがあれを香港あたりから持って来て委託加工云々という言葉で、まあ通産大臣はそういうものをやめた方がいいかもわからぬというようなことで答えているのを、私は聞いたわけです。その場合における委託加工とか、こういったものが実際に行われてきたということは、どういう法的な建前でやっているのか、それを一つ説明が伺えたらと思うのですがな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/15
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016・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 多少私の所管でないものも入っておりますが、私の存じておる範囲で申し上げますと、通産省におきましては、外国から物を入れまして、そうしてそれに加工して、外国へさらに輸出をする、こういう場合には外貨の獲得になるものでございますから、コンニャクにつきましても輸入いたしまして、それに加工して、そうして製品として輸出するということで、業者が通産省に申請いたしましたのです。ただ私どもといたしましては、コンニャクにつきましては、だいぶ問題がありますので、こういうものを委託加工貿易としてやるのは工合悪いという意見を再三述べたのであります。通産省としては、とにかく表向きに輸入いたして、それを加工いたしまして、外国に出して外貨をかせぐという一応大義名文の通った申請でありますので、税関の厳重な監督のもとに作業するという条件のもとに、実はコンニャクの委託加工を認めたのでございます。それにつきまして、衆議院で御指摘がありましたように、実は清水におきまして、いかがわしい事件が起きております。税関といたしましても、監督上の責任を十分感じておるわけであります。目下この事件につきましては、調査中でございまして、検察庁の方面ともよく打ち合せております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/16
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017・岡三郎
○岡三郎君 私、きのうだかの新聞にも、四十トン粘土としてコンニャク粉を入れた、いわゆる密輸入か何かしたのがつかまった、そういうのを聞くというと、コンニャク粉のいわゆる外国の生産コストとこっちのコストがずいぶん違うので、非常に業者というものが、何とか向うのやつを入れて利益を取ろうという希望が強いというふうに聞いておるわけであります。そういう点でたまたま粘土というふうなことにして密貿易したのがつかまった。また相当、こういう価格が違っておるもので、そういうものがあると思うのですが、これは正確な話でなくてもいいと思うのですが、大体そういったようなものの処置ですね、処置といいますか、密貿易の状態といいますか、そういったものに対して、どんなようなふうに考えておられるか、税関対策として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/17
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018・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) コンニャクの問題につきましては、昭和二十八年でございましたか、インドネシアあるいは南支方面の非常に安いコンニャクが日本の市場へ入ってきました。このためにコンニャクの相場が非常に変動いたしたのであります。そこで農林省より大蔵省に対して、現在のコンニャクの関税率を引き上げてもらいたいという要求がございました。私どもといたしましては審査いたしましたところ、まさにその通りでございましたので、昭和二十八年に、その当時まで従価一五%の関税率でありましたコンニャク粉に対しまして、これを四五%にするという案を提案いたしたのであります。国会で御修正になりまして、目下従価四〇%ということになっております。しかし従価四〇%でありましても、何しろインドネシアあるいは南支方面のコンニャクというのはほとんど野生の状態でございまして、これをただ採取して持ってくるだけの手数でございますので、非常に価格に開きがあるわけであります。そこで通産省、農林省におきましては、昨年度、二十九年度においてコンニャク粉の輸入をたしか正式には認めておらなかったと思います。しかるに業者はこれをひそかに入れますれば巨利を博するものでありますので、あるいは陶土と称し、あるいはまたふすまと称しまして、原品をひそかに輸入せんとした例があるのであります。これらにつきましては税関でそれぞれ検挙いたし、また最近の陶土の問題につきましては、これは目下告発の準備をいたしております。昨年のふすまの問題につきましては、すでに告発し、起訴済みで目下裁判中であります。この価格差を利用するところの密輸入が最近非常に多いようであります。税関におきましても、この点については、取締りに実は苦心しておるのであります。たとえばコンニャク粉についてふすまといって来た場合に、間違えるはずがないじゃないかというふうに一応考えられる。私どもの方でも実は疑問に思っておったのでありますが、コンニャク粉を非常にこまかく粉砕いたしますと、ほとんどふすまに似通っておる。あるいは場合によって陶土に似ておる。こういうようなことでありますので、税関においても非常につかまえるのに苦心いたしております。昨年大阪におきまして、やはりこれはシーザー・ゴムと称しましてコンニャク粉が入った例がございます。これは税関で分析の結果、明らかにコンニャクであると認めまして検挙いたしたのであります。こういう事例につきましては、税関でも極力そういう品目につきまして各税関に注意を促しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/18
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019・岡三郎
○岡三郎君 ちょっとワク外の質問みたいになってお許しを願いたいと思うのです。きのうだか新聞に出ていたのは、あれが私のいうのと合っておるかどうかしりませんが、先般横浜だかどこかで、自動車をずっと連ねて、何が積んであるかわからんが、それで群馬県へ行くのだけれども道を教えてくれと交番へいって来た。交番の巡査も日中に自動車をえんえんと連ねて群馬県へ行く道がわからないのはおかしいと思ったけれども、そのときは通して、しばらくたってから、どうもあれはおかしいというので途中で調べた。それがコンニャクの粉だったということがわかって、それはとんでもないことだと、そういう話がありましたがね。それから一説にいると、このコンニャク粉の密輸入というものが多いのだが、内地産のと外地産のとでは色が違う、こういうことを言う人があるわけです。それで外地産のいわゆる密輸入品を大阪あたりへだいぶん持って来ておるのだが、出するというと色の工合でわかってしまうというので、非常にいろいろと運動が行われているのではないかという話があった。そういう点で私はコンニャク粉にかかわりませんが、非常に京阪神地帯を中心にして密貿易というものが相当まだ行われているのじゃいなかというふうに、その話から伺ったわけです。こういう点についても、十分探索せられておると思うのですが、そういったような点をお気をつけ願いたい、こういうふうに考えるわけです。そういうことをするならば、国内のそういったような生産者等の立場もあるでしょうが、全然押えて入れないということがいいのかどうか。前には正式に外貨の割当をして入れたことがあるということも聞いておるわけです。それを全然押えて国内価格を維持するということで密貿易をしたならば、相当莫大な利益があるということから、同じことが繰り返されているのじゃないかということがあるので、ある程度適正価格になっていると思うのですが、その一定数量を入れた場合に、国内の方の生産者がこれに対して反対をするのかどうかよく知りませんが、そういう点についてはその正当なる業者に一定の量が外貨によって入れられるということについては、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/19
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020・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは通産省の所管に属するかと存じますが、外貨の使用を最も効率的ならしむる意味から、わが国においてできるだけ必要な品目を入れて、不必要な品目は入ないという建前をとっておることは御承知の通りであります。入れないという建前をとっておる品目の中には往々にして国内価格と大きな開きがある。従って密貿易をしたらもうかる、こういう現状にある程度なっております。これは輸入制限を実施いたします結果、ある程度避くべからざる害悪ではないかと思います。税関といたしましは、一応貿易管理の面におきましては、通産大臣の指揮監督を受けまして、実行いたしておりますので、通産大臣がライセンスを出さない場合におきましては、税関としては、これを出すわけにいかないという立場になっております。ただ意見としては、通産省方面に常々私税関からの立場において特定の品目について申し上げておることもあるのでありますが、これは具体的に申し上げることは省略いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/20
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021・岡三郎
○岡三郎君 外国商社の中に、つまり外貨の割当を必要としない商社が、一番初めに質問した問題に関連するのですが、一定の品物を持って来て、これをアフロートとかいう名前で通産あたりでは呼んでいるということを言っていますが、要するに適当なところから外国の商社が砂糖なら砂糖を買い付けておいて、そうして、こっちの方の外貨の割当で切られると、それがすりかえられて出て来るという例があるということを聞いておるわけです。そういう品物はアフロートというのだ、アフロートというのは海に浮いているというのでしょう。ところが海に浮いておる品物がいつの間にか保税倉庫に入っておる。こういうようなことはしきたりだということを聞いておるのです。これは税関の方としてはどういう工合にこれを取り扱っておるか、一ぺん聞いてみたいと思っているのです。つまり普通なら外貨の割当あるいはバーターとかリンクとかいろいろ前はやっておったが、それは外貨の割当も優先外貨も何もないのです。とにかく外国の商社から自分の手持ちの外貨で品物を持って来て、海に浮んでいるのだけれども、いつの間にか保税倉庫に入って来ておる。こちらの外貨の切符を切られると、それと代って出て来るというふうな、そういう商社があるのだということを聞いておるのです。そういうことは税関の立場としていかあるべきものかと、こういうふうに私は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/21
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022・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) おそらくただいまのお話の場合は、たとえば外国に本店があって日本に支店のある外国商社が、本国から無為替で保税倉庫に入れて、あとで日本人がライセンスを取得して保税倉庫から取る。こういう無為替につきましては、通産省としてもみだりに認めておりません。日本商社を圧迫することになりますので、無為替輸入につきまして、保税倉庫に入れるところの品目につきましては、比較的制限されておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/22
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023・小林政夫
○小林政夫君 速記をちょっと。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/23
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024・青木一男
○委員長(青木一男君) 速記中止。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/24
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025・青木一男
○委員長(青木一男君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/25
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026・小林政夫
○小林政夫君 先だって一通りのガット加入の話があったのですが、そのときに英国の関係ですね。終始反対しているのですが、日本の加入に積極的でない国の動勢を説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/26
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027・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これはあるいは速記を御停止願った方がよろしいかと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/27
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028・青木一男
○委員長(青木一男君) 速記中止。
午前十一時二十八分速記中止
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午前十一時四十五分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/28
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029・青木一男
○委員長(青木一男君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/29
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030・小林政夫
○小林政夫君 これはもう質問があったかもしれませんが、重油関税の問題ですね、陸上用、海上用と分けてABC重油、これの通関の際に、どうやって見分けるかという、この見分ける方法については自信があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/30
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031・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 税関におきましては、陸上用、海上用についての区分はもちろんいたさないわけで、今度の関税定率法の附則の別表をごらんいただきましても、原油について一律に二%、それからB重油、C重油につきまして六・五%、A重油につきましては免税、こういうような規定があるのであります。この区分につきましては、税関の現在の鑑定の分析能力におきまして十分できる確信がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/31
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032・小林政夫
○小林政夫君 だいぶ業界というかの方面では、ABC重油の鑑別はむずかしいのじゃないかということですが、十分できるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/32
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033・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 法律案をごらんいただきますとわかるのでございますが、重油と申しますのは、B重油、C重油のそれぞれの比重あるいは引火点等によりまして区分いたしております。この鑑定は比較的簡単な機械でできるわけでございます。税関としてもこの区分につきましては、万々誤まりなく鑑定ができるものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/33
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034・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/34
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035・青柳秀夫
○青柳秀夫君 映画用のフィルムを従価税から重量税に直すというのは、提案の理由にもありましたけれども、一番の目的は何のために直すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/35
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036・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 本来から申しますと、映画フィルムというのは、重量税に適当した品目であります。御承知のように輸入映画は大部分、その八割が歩合契約であります。輸入いたしましてから、出しまして興行収入の歩合によりまして決済する、こういう制度でありますので、従価税制度は非常に困難であります。鑑定価格をいかにつけるかということは非常にむずかしいのでありまして、先般もちょっと御説明申しましたように、ただいままでのところ暫定的措置ではございますが、なまフィルム代、それと現像代、焼付代を加算したものを、これをもととしまして日本までの運賃、保険料を加算するというやり方でございまして、これはいかにも不合理なやり方でございまして、従来からこの鑑定価格――もし従価税とする場合に、鑑定価格をより合理的にするにはどうしたらいいかということで、税関としては悩んでおったのであります。たまたまガットの関税交渉におきまして、アメリカから、現在わが国がやっておりますような鑑定価格のつけ方で、従価三十円で課税するということで約束してくれ、こういう要求がございました。ところがこれは私の方から申しましても、いかにも不合理な現在の鑑定価格でありますので、例を申しまして、かりにマチスの絵を絵の具代とキャンバス代と額ぶち代をかけたら、あなた方どうですか、われわれ映画でも同じようなやり方をやっておるのであります。これは不合理なことは明白であります。この不合理なままでは、現在の日本の映画フィルムに対する課税は、これはわれわれとしてもどうしてもいかぬということで、結局世界各国がいずれも従量税率を映画フィルムに対しては適用いたしております。この点も考え合せまして、かつ各国の従量税率を参照いたしまして、このような三十五ミリの映画フィルムにつきまして一メートル及びその端数ごとに三十円を課税をいたしております。ところがこれでいたしますと、平均いたしまして四割一分ぐらいは従来の課税より高くなる。ガットによりますと、ガットで協定した結果の税金と、それから現在のやり方と国税率の改正のやり方と、いずれか低い方を適用するということになっております。そういたしますと、平均四割一分程度上る方の従量税率が働らかなくなることになります。それでアメリカにおいても、日本側がこれのガット加入と同時に適用するということについては了承いたしております。その際、従来から問題がありました関税定率法の別表の輸入税率表そのものを従量税率に変えるということにいたしまして御審議をお願いいたしておる次第でございます。ただしガットで協定いたしましたのは三十五ミリの撮影済みの映画フィルムに対しまして、一メートル及びその端数ごとに三十円、今回御審議願っております税率といたしましては三十五ミリの映画フィルムは、撮影済みのものにつきましては一メートル及びその端数ごとに五十円という協定税率を加味いたしました。これは協定税率につきましては、ガット加盟国の中で日本に対してガットの三十五条を適用しない国及び日本としては最恵国待遇を与える国につきまして協定税率の安い方を適用する、日本に対して最恵国待遇を与えない国、あるいは日本としても与える義務のない国等に対しましては一メートル五十円という高い方の鑑定税率を適用するということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/36
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037・青柳秀夫
○青柳秀夫君 詳細な御説明伺ったのですが、結局はあれですか、関税収入を上げるのに従量の方が都合がいいというために、国庫収入をふやすのに都合がいいから従量にするという趣旨でございますか。それとも従量の方が映画フィルムというものの課税には適当であるから、収入が多いか少いかは第二義として、そういうふうに適用されるというのか、あるいはまたアメリカの方からガットについての勧めがあったから、それに従ってやるというのか、その三つのうちどれでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/37
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038・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは本来は撮影済み映画フィルムは、これは従量税が適当な品目でございます。現在昭和二十六年の関税率の改正によりまして、わが国の関税率はすべてが従価税になっております。その前におきましては、日本の関税率の六割五分が従量税でございます。三割五分が従価税というふうに、むしろ従量税率の方が多かったのであります。二十六年の一般的改正の際に、すべて従価税に切りかえられたのであります。しかし今から考えますと、そのときにおきましても、映画フィルムのごときは従量税率にしておくべきであったかと思います。各国の例を見ましても、戦後インフレーションの著しい影響をこうむりましたときにおきましては、一斉に関税率の改正をやっております。たとえば、イタリア、ドイツ、こういうふうな国も一斉に関税率を改正いたしました。これらの国々は、ほとんど従価税に切りかえております。ただ映画フィルムにつきましては、これらの国でもいずれも従量税率でやっております。本来従量税率が最も適当した品目であると考えますが、今回のアメリカとの交渉におきまして、アメリカ側から別に従量税率にせよということは全然ございません。むしろ現在の従価税率のままで、現在の鑑定価格のままで進めるという要求がありましたのを、それを断わりまして、日本としては各国並みに、適当な従量税率に持っていくということで、むしろ引き上げの約束をして参ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/38
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039・青柳秀夫
○青柳秀夫君 私は映画のことをよく知らないのですけれども、ずいぶん映画でも評判のいい映画で収入の多いものもあるようです。さっき御説明にもあったようですが、この映画のフィルムというものは、初めにこの映画は幾らと、こう何か標準があってきめるのじゃないのですか。一応はきめておいて、日本に来ての収入によって、あとから値段の取引のときにきめるのでございますか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/39
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040・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 輸入されますところの劇映画フィルムの八割が歩合契約であります。日本に入ってからかち得たところの興行収入の中で七、三とか四分六とか、こういう契約でもって送金して決済する、こういうやり方であります。なお、そのほかに残り二割は売切り、買切り制度、これは普通の貨物と同じように、どんなにあとで興行収入がなろうとも、当初の売切り、買切りの値段でやる、こういうこともあるわけであります。原則として――と申しますより、先ほど申し上げましたように、輸入される劇映画フィルムの八割は歩合契約であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/40
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041・青柳秀夫
○青柳秀夫君 そうしますと、関税というのは、歩合制になっていて、日本における収入がきまってから、あとからそれによって税をおとりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/41
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042・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) そういうことはちょっと技術的に非常にむずかしいのでありますので、今までのやり方は、ただ港に着いて申告いたしましたときに、なまフィルムの値段、それに現像代、焼付代を加算してやっておるという事情でございます。その興行的価値がどのくらいであろうかというような判定は税関ではっきりつけにくい、あとでもって収入を得た結果を調整するということも非常に技術的に難点であるので、そこで従量制に切りかえまして、適当な従量税率をかすることによって課税のいざこざをなくし、それからかたがた改訂の税率でやる、こういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/42
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043・青柳秀夫
○青柳秀夫君 そうなりますと、大体が従量税率であっても、従価税率であっても、映画の内容の価値判断はしないとなれば、そのものは同じように思われますが、私はたとえば美術品のような絵とかいろいろのもののように、大体の評価というものがきまっていて、その評価に応じて取引価格がきまるから、高いものには高い関税、安いものには安い関税、この方が公平じゃないか。ただ一律に従量税でいくのは、やや簡単でありますけれども、あまりにこういう芸術品のレベル――Aクラス、Bクラス、Cクラスとすれば、少し簡単過ぎて、Aクラスの人には有利でしょうけれども、Cクラスのようなものをかりに輸入するとすれば、その人は不利になるというふうにちょっと思ったわけなんです。そこでいま一言お尋ねしますけれども、まあ大した影響はないと思うけれども、日本の輸入しておる映画方面の御意向というものはどんなふうか、打診されましたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/43
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044・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは実は日本の映画業といたしましては、従来から日本の税関の映画フィルムに対する課税が手ぬるいということで、だいぶお小言がございまして、もちろん輸入業者の方としては関税は上げられるのは困るかと思うのでありますが、日本の国内の映画企業といたしましては、日本の現在の、今までの税金のとり方はいかにも不合理である、安過ぎる、何とか引き上げてくれという陳情は前に受けたことはございます。今回の改正に対しましては、たまたまジュネーヴにおりまして、業者の方々の意向を聞く余裕もございませんし、各国いずれも従量率を採用しておる点、それからあるいは各国の従量税率の高さ等から考えまして、一メートル及びその端数ごとに三十円ということが適当であろうということで、アメリカと協定いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/44
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045・小林政夫
○小林政夫君 この前のガットの分は読んだけれども、今度の分は読んでおりませんが、先ほどのお話で、新ガットでは協定書の第二部は強制適用ということですが、それはどういうことですか。この関税及び貿易に関する一般協定への日本国の加入条件に関する議定書、アメリカを初めとして数国が一部、三部はよろしい、それから二部は現行の法律で発揮する最大限度においてやる、この点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/45
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046・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ただいま国会で御審議願っておりまする関税及び貿易に関する一般協定への日本国の加入条件に関する議定書は、現在のガットの規定に基いておる議定書でございまして、先ほども御説明いたしましたように、現在のガットのもとにおきましては、第二部の規定は加入の際に多少日にちに前後がございますが、加入のときにおけるところの当該国の法令に反しない程度において最大限度にそれを遵守する、こういうことになっておるわけであります。
新ガットの方の議定書は、これはまだ国会には御承認方をお願いいたしておりませんが、これは日本が旧ガットに入りまして、それからあとに新らしいガットに加入するための議定書に御承認を願う、こういうことになるかと存じますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/46
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047・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、われわれの手元にあるガットの書類ですね、新ガットの何か法規というものは別にあるのですか。手元にはもらってないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/47
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048・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) まだ国会で御審議いただいておりませんので、外務省で目下印刷準備中――準備ができておるかと思いますが、たしか国会にはまだ御承認の段階に至っておりませんので、提出はいたしてないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/48
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049・小林政夫
○小林政夫君 旧ガットへ入って、それから手続的にはどうなるのですか、新ガットへ移るには……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/49
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050・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 一応旧ガットに入りまして、そうしてガット加盟国になります。それから現在のガット加盟国が新ガットの議定書に署名、批准書に署名いたしまして、そこで新ガットに加入できるわけであります。ただいまのところで申しますと、一応九月十日に日本は旧ガットに加入できる見込みでございます。新ガットの方の協定の方では、その後において署名するということになろうかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/50
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051・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、新ガットの特に第二部ですね、旧ガットの第二部に相当する新ガットの規定というものは大分違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/51
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052・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ただいま伺いましたら、新ガットの規定もお手元にいっておるようであります。今回第二部で従来のガットと違いました一番大きな点は、数量的制限の問題、輸入制限の問題、それともう一つは輸出補助金の問題、これが大きな改正でございます。輸入制限につきましては、現在のガットの規定は非常に複雑でございまして、一応輸入制限はいかぬということが十一条に規定されておりまして、十二条におきましては国際収支を擁護するためには輸入制限ができるという規定になっております。それから十三条におきましてはその国際収支を擁護するために輸入制限をする場合においても、各国無差別に扱わなければならぬということが第十三条に規定されてあります。十四条におきまして、しかしその場合においてもIMFの承認を得た場合等においては差別的待遇ができるいうことになっておりまして、現在各国の輸入制限がそれによって認められておるわけであります。日本も加入によりまして、その適用を受けておるわけでありますが、日本の現在実施いたしております輸入制限につきましては、IMFに協議いたしまして、IMFの承認を得て、従ってそれがガットの承認を得て実際的になるわけであります。ところが今度改正されます新ガットにおきましては、これは非常に日にちの見方があいまいではございますが、ある一定の期間後は、すべて輸入制限についてガットの承認を求めなければならぬ、協議をしなければならぬということになっております。そのある一定の日というのは、これは非常にあいまいでございますが、ガットの加盟国でしかもIMFに加盟しておる国の全体の通貨量の――貿易量ですか、その五〇%以上カバーする国が通貨の交換性を回復したときに、すなわち、これははっきり申しますと、ポンドが交換性を回復した場合、そうなりますと、そのときに当てはまる、ポンドが交換性を回復いたしますと、そのときにおきまして各国が現在実施しておりますところの輸入制限を一応ガットの方に、スクリーンにかける、それから一年たちまして以後は、毎年ガットに協議して輸入制限を認めてもらう、こういうことになっております。それからもう一つの点は輸出補助金の規定でございます。これは新ガットの十六条に規定しております。従来は輸出補助金につきましては、ただガットの総会に協議すればいいということになっております。今回のガットの規定におきましては、輸出補助金について第一次製品、すなわち農業、水産業、林業、あるいは鉱業、こういう一次的な原始的産物については輸出補助金をある程度続けていかれる。第二次製品、工業製品等につきましては原則といたしまして一九五八年の一月一日、またはそれ以降できるだけ早い日において輸出補助金をやめる、こういうふうになっております。それからもう一つの制限は一九五五年、すなわち今年の一月一日現在における各国の輸出補助金の範囲を拡大するようなことはいかぬ、こういう二つの規定がございます。各国において現在やっております輸出補助金を、今後逐次これを縮小ないし廃止する方向に持っていかなければならぬ義務が負わされておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/52
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053・小林政夫
○小林政夫君 そうすると、まず私は新ガットというものが、ただいますでに協定がそういうふうに出ておるのに、すぐそれに入ればよさそうに思う、入れてくれればよさそうに思うのだが、一応旧ガットの加盟国にして簡単な署名手続きをしてすぐ新ガットに移行できるなら、どうして二重の手続きを経なければならぬかということが了承できない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/53
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054・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 新ガットの方は実施がおくれるのでありまして、議定書がたしか四つになっておりますが、この議定書の四つの効力の生ずる期間が大分あとになるわけであります。日本といたしましては、とにかくガット加入をできるだけ早くしたい、各国においても今までの懸案をできるだけ片づけたい、こういう意味におきまして、今回関税交渉が行われたわけであります。アメリカの国内的事情、すなわち互恵通商協定の改正前に今度の改正交渉をいたしまして、早急に日本をガットに入れようという事情から、取りあえず旧ガットにまず加入して、その後において新ガットに加入する、こういう手続きになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/54
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055・小林政夫
○小林政夫君 新ガットにおいては旧ガットで保留しておった国々は態度を保留しないのですね、そうしておくれるというのは、大体いつ頃から新ガットは施行されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/55
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056・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 議定書がたしか四つございますが、四つのうち、あるものはそれぞれ効力の発効条件が違っております。たしか過半数が署名したときに効力を発揮するというのもありまするが、あるいはもっとたくさんの国が署名したときに発効するというふうに、条件がそれぞれ四つの議定書によりまして違っておるのであります。現在のところおそらく今年の秋以後にならないと、新ガットというものはまだでき上らないだろう、こういう見込みでございます。ことしの秋以降、あるいは来年になるかもしれませんのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/56
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057・小林政夫
○小林政夫君 もう少し私も勉強して具体的にお聞きしますが、アメリカの通関手続等について、現行法と合致する最大限度において旧ガットの第二部、今まではこういう条件として施行する、新ガットにおいては、特に合衆国においては通関手続等において差別待遇のないように非常に簡素化するということは、新ガットの場合においては無条件でやるわけですか、これをもしも国内法令に違反しておれば自分の方を直す、こういう心構えで新ガットに加入するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/57
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058・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) お説の通り関税上の税関手続につきましても、ガットの第二条に規定してあります。これはまあ今までのは任意法規であります。今回強制法規、強行法規に相なっております。わが国の税関手続におきましては、現在ガットの二部の規定に抵触するものは全然ございません。これは問題はないのであります。アメリカの方におきましても、現在の第二部に規定をしております税関手続におきましては、比較的何と申しますか、抽象的な書き方でありまして、あるいは具体的な事項といたしましては、輸入及び輸出に関する手続についてはこれは公表をするとか、それから政府が輸出入に関して、関連する手数料、料金はそのサービスの範囲においてはとらんというようなアメリカの現在の税関手続におきましても、このガットの第二部の規定に反する税関手続にはなっていないのじゃないか、こう私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/58
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059・小林政夫
○小林政夫君 その点が旧ガットと新ガットと変りがなければ、アメリカの税関法規また通関手続、こういうものは、この法規はかなり抵触すると思うのです。アメリカはだいぶ国内法規を直さなければ、その通関手続関係についての旧ガットと新ガットの規定に変化がないとすれば……。特にこれとは違いますが、だいぶ前の条約で通関手続の簡素化についての国際間の条約がありますが、それはだいぶ日本も保留しておって、いつだったか、ごく最近に旧ガット仮加入の前後、ちょっと前くらいに批准したかと思うのです。それにもアメリカは加盟しておりませんし、かなり通関手続については、きょうはちょっと具体的にどうこうと言えないけれども、相当問題があるように思うのですが、今度はもうすでに結論だけは、アメリカはもう入ると、何らの留保なしに新ガットヘは加入するのだということはたしかなんでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/59
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060・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 私はそのように了解いたしております。
それからなお念のためにつけ加えますが、アメリカにおきまして、先般税関手続の簡素化法案が通過いたしたかと思いますが、これは何もガットの規定に反するから直したというのではございません。従来アメリカにおきまするところの課税、関税上の評価はどういたしておるかと申しますと、輸出国の国内価格または輸出の際の輸出価格、そのいずれか高い方を適用するというのがある。これは非常に税関手続としては繁雑になるわけでございまして、アメリカの税関としても、たとえば日本からアメリカへ輸出した品目につきましては、日本の国内価格を調べ、さらにその輸出価格を調べ、そのいずれか高い方を適用する。これが非常に税関としても繁雑でありまして、業界からもだいぶ非難がありましたので、今回変えているようであります。これはガットの規定に矛盾するから変えたというのではないように私は了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/60
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061・青木一男
○委員長(青木一男君) 他に御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。
午後零時十五分散会
――――・――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214629X02819550714/61
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