1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月八日(金曜日)
午後一時五十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 小笠原二三男君
理事
伊能 芳雄君
石村 幸作君
小林 武治君
森下 政一君
委員
伊能繁次郎君
西郷吉之助君
高橋進太郎君
安井 謙君
岸 良一君
館 哲二君
秋山 長造君
小柳 牧衞君
深川タマヱ君
衆議院議員
眞鍋 儀十君
国務大臣
国 務 大 臣 大麻 唯男君
政府委員
内閣官房副長官 田中 榮一君
警察庁長官 石井 榮三君
警察庁長官官房
長 柴田 達夫君
警察庁刑事部長 中川 董治君
事務局側
常任委員会専門
員 福永与一郎君
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠の件
○地方行政の改革に関する調査の件
(警察行政に関する件)
○風俗営業取締法の一部を改正する法
律案(衆議院提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/0
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001・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ただいまから委員会を開会いたします。
本日はまず慰事の辞任の件についてお諮りいたします。理事の赤松常子君より、文書をもって都合により理事を辞任したい旨のお申し出がございました。赤松委員の辞任を許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/1
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002・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。
つきましてはこの際、理事の補欠互選を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/2
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003・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認めて、これより互選を行います。互選は投票によることなく、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/3
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004・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと存じます。よって委員長は、理事に森下政二三君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/4
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005・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 本日の日程として、まず懸案になっております警察行政に関する調査を続行いたします。前回の委員会において、警察機関が都道府県市町村ないし民間団体より多額の寄付をせられて警察運営の費用に充てられておる点について、警察行政の性格上妥当でないという意味合いの強い御意見が各委員よりありまして、警察庁長官石井君に再三の質疑が行われましたが、今の警察行政に要する財政措置について、都道府県における十分なる手当がなされない現状にかんがみ、近い将来においてこの種の問題は断ち切りたいが、現状においては容易でない、今後善処するという意味合いの答弁が終始繰り返されました。当委員会としては、そういうことについては承服できない、正規に妥当な警察費については要求すべきものは要求し、国並びに都道府県において措置せられるように公式な問題として扱って、明朗化すべきである、よって次回は公安委員長を呼んでその決意のほどを聞き、不十分な場台には当委員会より参議院に決議文を出してその善処方をはっきりしてもらおう、そういう意向まで懇談会中に起ったくらいです。従って本日大麻国務大臣に御出席を願っておるのです。公安委員会として、また政府としていかなる見解を今後お持ちになるのか、その所信を表明していただきたいということで御出席願っておるわけであります。従って御意見おありでしたら、まず国務大臣から積極的な発言を求められて、所信を表明していただき、次いで各委員より質疑を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/5
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006・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) この問題につきまして、この前の委員会で各委員の皆様より警察のあり方につきまして、非常に有力かつ適切なる御意見が出まして、第によっては決議でもされるかのような御意向のようなことを承わりましてございます。私といたしましては、その御趣旨に全然御同感であります。この問題はかねてから私ども真剣に、まじめに考えておりますが、全く委員会で御説明の通りのことでございまして、非常に就任以来頭をいためておる問題でございます。まじめに研究をいたしております。これはどうしてもすみやかなる機会に御意見の通りに全廃をいたし、そうして警察本然の姿が十分に現われて、その活動に支障のないように、はたから見ましても故障がないようにしなければならぬ、こう固く考えておる次第でございます。かかる際に当委員会において、前回のような非常に適切であって公正な御意見が活発にあったということだけでも、われわれに非常に勇気をつけまして、また世間に対しましても、警察、はこうあるべきであるというような指針を与えられたような気持がいたしまして、私といたしましては非常に感謝をいたしておる次第でございます。今後におきましては、この御趣旨に従いまして、すみやかなる機会に全廃をいたして、警察がすっきりした警察になって、国民の全幅の信頼をかち得るような姿にならなければならない、一刻も早くそうしなければならぬと、かように考えておる次第でございます。これだけ申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/6
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007・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは大麻国務大臣としましては、公安委員長としまして、警察庁長官をして直ちに寄付をとってはならないという指示をすみやかなる機会にするように措置せられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/7
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008・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) 公安委員の意向もございますから、私の一存には参りませんけれども、私はどうしてもそのようにいたさなければならぬと思うのです。ただこのことでお含み願いたいのは、決してそれで言いのがれをしたり、自分の決意を鈍らすわけではございませんから、言葉通りにどうぞお受け取りを願いたいと思うのでございます。長年のこういう弊害と申しますか、あまり好ましからぬ事態があるということは、どういうことから出発いたしたかというと、御承知の通り経費の不足から出ておることだと思うのでございます。それで財政的な措置をとって、いろいろな方法を講じまして、そしてすみやかなる機会に全廃しなければならない。しかしながらあまり無理に、急激に、名前がいいからといって急激に無理にやりますというと、かえって御趣旨と反するような弊害が起るような気がしますので、この点は十分注意をいたすつもりであります。といって委員会の御意向のあるように全廃すべきものである、またぜひともそう行わなければならぬという私の決意が鈍っておるとか、あるいはそれを口実にして言いのがれをしようという、そういうつもりでは決してございませんから、その点ほどうぞ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/8
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009・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 委員において御質疑がございましたらどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/9
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010・秋山長造
○秋山長造君 ただいまの大麻国務大臣のお話を聞いておりますと、結局この実質は何らそう早急に改善される見込みはないような印象を受けるのですが、一応悪いことであるけれども、今すぐ全廃したら、かえって逆の弊害が出るかもしれないから徐々にやる、そんな不徹底なことではわれわれ委員会としては了承できぬのです。逆な弊害というのはどういうことをおっしゃるのか、お尋ねしてみたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/10
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011・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) 決してそういうことではございません。どうぞ私の言葉通りにお聞き願います。そう申し上げましたからといって、それをもって全廃の意思を少しでも鈍らせようとか、そういうつもりではございません。長い問のことでございますから、よく慎重に、さらに実情を調べまして、さらに一そう詳しく調べて見て、そうしてあやまちのないようにしたいということを申し上げておるだけでございます。それでもって意地を張ろうとか何とか、そんな気持は全然ございません。どうぞ御信用願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/11
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012・秋山長造
○秋山長造君 それは一応お聞きしておくわけですけれども、ただこれから実情をお調べになるとおっしゃいますけれども、さっきの大臣の御あいさつでは、就任以来この問題にとにかく昼夜頭を悩まして来た問題だとこうおっしゃる、だけれども、十分今までに実態は御調査になっておるし、把握もされておるし、もう今研究の段階でなしに、参議院のこの委員会でも今までに何回も問題になったのだし、この間問題になったのは、これはよくよくこちらの委員会としても見るに見かねて申し上げたことなんですからね。それは公安委員会としても研究の段階じゃなしに、直ちに実行に移されておる段階じゃないかと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/12
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013・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) ごもっともでございます。私の申し上げ方が悪かったからそうとられたかもしれませんけれども、そういう意味では決してございません。廃止がよいか悪いかということを研究しようということじゃございません。廃止することについてはどういう手順でもって、どういう時期にどういうふうにいくか、そうするとこれは廃止したためにどんなお前弊害があるかと言われると、どうも私は困りますけれども、こういうことをやるには、悪い時期にやるならば弊害がありがちのものでございます。そういうことがあってはならぬということでやっておるわけですから、しばらく時をおかし下さいまして、それで一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/13
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014・秋山長造
○秋山長造君 これは大臣を疑うというわけではないのですけれども、しかしこういうことをやめると、えてして弊宝自がありがちだとおっしゃるのは、これは全くあべこべではないかと思うので、こういう警察寄付なんかを、古い昔から今日まで古い因襲でやっておるから弊実が起っておるのですから、それをやめようというので、それをやめてしまったら、えてして弊害が起りがちであるということはそれは承服できぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/14
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015・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) それも私の申し上げようが悪かったと思います。頭のいい人からやられるとちょっと弱りますけれども、私はそういう意味で申し上げたのじゃないのです。私の申し上げますのは、これは廃止することがいいとか悪いとか、そういうことは問題はないと思う。廃止の仕方がひょっと間違って、弊害が起り得る点があってはならぬから、そこを注意してしなければならぬということを申し上げておるのでございますから、どうぞ一つ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/15
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016・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと石井警察庁長官に伺いますが、このことをいまの大麻国務大臣が言うごとく廃止することで、末端の警察官において不心得な者があって弊害が起るというくらい綱紀がゆるんでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/16
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017・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 大臣のただいま御答弁になりましたのを、私お気持もをそんたくしまして申し上げますが、先般の当委員会において慎重に御審議いただきまして、いろいろ貴重な御意見を拝聴いたしたのでありますが、私ども十分その御意見はわかっておるのでございます。要するに財政援助を目的とする後援会といったようなものが今日ございまして、市町村に財政負担をかけておる、これがまあ当面の最も急運に解決しなければならぬ問題であると思うのでありますが、これを今直ちに全廃するということのためには、それを容易にせしめ、かつスムースに全廃したことによって警察運営に支障々からしむるようにするために中央のわれわれとしましては必要な措置をとってやるということが、第一線の各府県の本部長をして全廃をいさぎよく迅速にやらしめる効果ある措置であると、こういう意味におきまして、大臣は全廃をするという根本方針はもとより今直ちに決意をされておるわけでありますが、それと同時に、それを容易たらしめるための何らかのわれわれ中央において考えるべき措置をとってやらなければ、せっかく全廃の方針を確立しても、それが簡単に実効を上げ得ない、実施されないというようなことになっては相ならぬ、こういう意味で中されておるのではないかというふうに私は伺っておるのでありまして、全廃するという方針をわれわれが打ち立てまして、これを第一線に示しますたら、むろん各警察部長はその方針を体して最善を尽してくれると思うのであります。ただそれを一刻も早く実効を上げしめるためには、われわれ中央としてもまたそれに並行して考えてやるべき措置をあわせ考えて、そういう方針を示すのが適当ではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/17
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018・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ただいまの石井長官の御答弁で、私重大なものを感ずるのです。こちらで、中央だけでそういう指示をしても、末端の方で財政的な措置が十分でないためにはそれが守られないであろう、こういうことを言われた、そういう関係にあるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/18
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019・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) われわれが示しました指示が守られないというのではないのでありますが、守られるのでありますが、その守られ方に時間がかかるのとかからない場合があるという意味で申し上げたのでありまして、そういうことを今すぐ実行に移すのに容易ならしめるように、われわれとしても中央でやるべきことを考えてやるならば、第一線のものは直ちにそれを実行に移すことができるでありましょうが、そうでない場合にはやはりある程度実行に移すまでに若干の時間がかかりはしないかと、こういう意味で申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/19
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020・秋山長造
○秋山長造君 私は大体警察なんかという組織は、これは軍隊と同じことで、一番秩序が生命の組織だと思うのです。だからそれは悪いときまったら、これはほんとうに中央の方でこれは全廃しようというほんとうの決心をされれば、これはもう響きの音に応ずるごとしでこれは末端まで徹底するものだろうと思うのです。それがほかの問題ならもう警察電話一本で東京から北海道で鹿児島までも、もうすぐ手足のごとく動かせるくらいな運営をやっておって、この警察寄付の問題だけに限ってなかなかどうもはれものへさわるような、どうもおよび腰でやられるということが、どうもそこにやはりわれわれの心配しておるいろいろな地方のボス的なものとのつながりだとか、警察の大体第一義でないいろいろな条件によって警察運営というものがゆがめられがちであるというようなことを、これはもう裏づけることになると思うのです。で、かりに全画的にこれはもうきれいさっぱりとぶち切ってしまうということが、おっしゃるように多少の手続その他について時間が必要だといたしましても、たとえば現に今地方団体、特に市町村等においては国の方の予算の決定と並行して、当初予算は前にやっているでしょうけれども、肉づけ予算といいますか、そういう本格的な予算補正をぼつぼつこれから始める時期だと思うのですよ。だから必ず警察後援だとかいろいろ寄付的なものが、数字がこれから論議される段階だ、だから同じやるのならば、それできまってしまわないうちに、もうこういうものは今までの悪習でやっておったのだから、切るというようなことを早く手を打ってやった方がいい。
それからもう一つは、まだ七月とはいっても年度初めなんですが、従ってたとえばいろいろな警察の駐在所を作るとか、あるいは自動車を買うとか、いろいろなそういう新規事業だけ手をつける今段階だと思うのです。従ってこういう警察後援だとか何とかいうような恒常的な団体による寄付でなしに、臨時的に一般寄付を仰ぐというような寄付があるわけです。そういう臨時的な寄付なんかもぼつぼつ事業をやろうとするところは一般に割り当てをしておる、だから少くともそういうようなすでに寄付に手をつけておるところだけでも、ちょっととりあえず待ったというくらいな処置は、これは直ちにおとりにならなけりゃ、何もかも手続その他準備を一切がっさい完了して、そうしてそれがなくなった場合の裏づけとして中央の方でどうしてやるかというようなことを言っておったら、これは補正予算でも組まん限りは国の予算なんか増額もできないのですから、何でも先々へ延びて行く。いずれにしても手を早くお打ちになることが絶対に必要だと思う。その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/20
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021・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) 謹聴いたしました。今の第二点の方から申し上げますと、お話の第二点は、これは即刻やらなければいかぬと思いますから、仰せのごとくいたすつもりでございます。また現にやっておるのでございます。ただ私の申し上げましたのは、国家的かあるいは地方的に財政の裏づけをしてやらなければどうも弊害が起るおそれがあるように思うのです。そうすると、委員長の仰せられるのは、言うことをきかぬ警察官がおるかと言われると、ちょっと参りますけれども、そういうようなこともやって行かなければならぬ、そういうことを申し上げておるのでございます。それで冒頭に私が申し上げましたように、この委員会で先般来厳粛なる御意見の発表、あるいはこういう皆さんの御意向の発表がありましたことは、私どもにとりましては百万の味方を得たようなものでございまして、警察だって決して好んでやっておったのじゃなかろうと私は思うのです。経費の不足からやむを得ずそういう弊に陥ったのじゃないかと私は想像いたします。それだからして、こういう正しい御意見が出たということは、警察の本然の姿に返る端緒になるという原因になる、これは私は当委員会に敬意を表し、感謝をいたしておる次第でございまして、ほんとうにこれは言葉通りにどうぞお聞き取りを願いたいと思いますが、警察当局といたしましては、今度の委員会での御意向が現われましたことは、非常にありがたいことに心得ておる次第であるということを、重ねて申し上げておきたい次第であります。どうぞ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/21
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022・秋山長造
○秋山長造君 いまのおっしゃるように、結局警察の費用が十分でないからこういうことになるのだというお話なんですけれども、これはこの議論を始めたら、すべてのことが同じ論法になってくるので、それじゃ地方財政の問題も解決しないし、それからまた、ましていまの寄付金なんかの問題はちっとも解決しません。警察費は結局これは義務的経費の中でも最も義務的経費ですから、政府の方でも地方財政計画をお立てになる場合に一番優先的に考えておられるのは、この警察費とそれから災害復旧の関係だと思うのです。だから、現にこの問も自治庁の方で話があったのですが、地方交付税なんかを見る場合に、基準財政需要として警察費は九五%を見ているわけでしょう、政府の方でね。九五%基準財政需要を見ているというのは、これはもう警察費と災害復旧費だけですよ。二つだけです。あとの経費というものは皆もっと少くしか見てもらっていないのですよ。だから、そこまで政府の方でもおやりになっている。しかもそれでもまだ足らぬというのなら、これは警察なんかというものはその性質から言っても当然政府において全面的に責任を負うべき性質のものですから、大蔵省と大麻大臣が十分折衝なさって一〇〇%でも一二〇%でも見させるようにお話しになる責任があると思うのです。それを政府全体の意向として九五%というところで決定されたからには、やっぱりそれはその線だけは守っていただいて、これでも足らぬのだから、足らぬところはどうも寄付に仰ぐのだということは、私はいかぬと思う。これはわれわれといえども警察が悪くなれかしとは思ってないので、やっぱりできるだけ公正に、しかも民主的に能率的に運営されるということをわれわれ願う誠意から申し上げておるので、だから、経費が足りないからそうなるんだという論法は、私はもうきれいさっぱりと捨てていただきたいと思う。そうして今の経費で、とにかく最少の経費かもしれぬけれども、足らぬ経費で一つできる限りの能率を上げていただいて、そうしてしかも公正なる運営を保障していただく、それはもうこれをぜひやっていただかなきゃいかぬと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/22
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023・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) 拝聴いたしました。よくおかりました。ただ私が申し上げましたのは、今まで起ってきた弊害はどうして起ってきたかと申すと、もとは経費の不足が知らず知らずのうちにそういうことになったのであろうということを申し上げたのでありまして、今その考えを持っておるのじゃございません。それはどうぞ一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/23
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024・小林武治
○小林武治君 私は大麻国務大臣のお答えで大体了承いたしますが、この国会中にでも警察庁の措置について御報告下さいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/24
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025・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) もう通達をすでに出したものもありますし、準備をいたしております。これは真剣に、警察のためにいいことですものね、ありがたいと思っておる次第でございますから、今まででももうすでにかかっておりましたが、なお引き続いてこの御趣旨に従いまして、十分にどしどしやっていくつもりでございます。どうぞ御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/25
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026・小林武治
○小林武治君 先ほどからお話にありましたが、この間の警察庁の答弁というのは、われわれとしてはきわあて不満であったということをよくおわかりになったと思います。要するに、国家公務員として予算が足りないから寄付をもらってやるんだ、こういう考え方はもう絶対に払拭しなきゃならぬというふうに考えております。足らなければ取る、予算がなければ使わない、これがもう役所の建前であることはよく御承知になっておると思います。ただいま秋山委員からお話がありましたように、そういう考え方はぜひやめてもらわなきゃらぬ。予算でとにかくまかなっていく、この考え方をぜひ守ってもらわなければならぬということをあらためて一つ警告申し上げておきます。それで私どもとしては、今後この問題については措置をとられたなら、この国会中にまたこの委員会に報告していただきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/26
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027・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ただいま小林君のおっしゃった通りで了承せられたと、当委員会として考えてよろしゅうございますか。——ではさよう了承しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/27
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028・石村幸作
○石村幸作君 今のに関連しまして、石井長官にお願いしておきますが、すでに全廃された県が神奈川県、そのほかにもあるかどうか、全廃された県の状況を一括して御報告を願いたい。それは内容は、今までの協力会とか後援会、警察単位のそれの総合計した予算、それからそれが廃止になった結果、警察本部が県にどういう予算の請求をしたか、それから理事者がそれに対してどういう措置をとったか、県会等でどうなったか、結論として後援会費用等が幾らなくなったのか、それに対して実質的に警察の経費がどのくらいふえたか、そいつを一つお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/28
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029・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) ただいま石村委員のお申し出の件、了承いたしました。適当な機会に書類として作成いたしまして、当委員会に報告さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/29
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030・秋山長造
○秋山長造君 今の大麻大臣の御言明で、とにかくこの国会中にそういう具体的な何か通達を出されるということですが、これはしつこく言って恐縮ですけれども、私はやっぱりさっき申し上げましたように、これはちょうど今の時期というものは、各団体でもそれから地方自治体、みな市町村なんかにしてもいろいろな事業計画を立てつつあるし、進行中だと思うのです。だからやっぱりこれは国会中と言わず、一つ警察庁の方でも今御多忙だろうとは思うけれども、しかし万障を排して至急に一つ具体的な処置を研究されて結論を得られて、この国会中と言わず、これは一日も早く手を打ってもらいたいと思う。特に今現に寄付金を募集していたりなんかするような、そういう今寄付金募集が進行しているような所にはとりあえずそれを中止させて、何分の中央の方の方針の決定を待たせるとか、何かそういうことをも一緒に一つ至急にやってもらいたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/30
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031・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) ただいま秋山委員の御意見まことにごもっともでございますので、私どもすでにこの問題につきましては、先日の当委員会において貴重な御意見を拝聴いたしましたのに基きまして、鋭意研究をいたしておりますから、一日もすみやかに第一線の方に通達のできるように取り計らいたいと思っております。この会期中のしかもきわめて近い将来にそういう措置をとりたいと、かように考えておりますので、御了承を願いたいと思います。なお国会の閉会になりましたあと適当な機会を見まして、全国の警察本部長を集めまして会議を持ちたいと思っております。その際にその通達の趣旨をさらに十分徹底して理解せしめるような努力もいたしたい、かように存じておりますので、御了承を願いたいと思います。なお目下進行中の寄付を求めてあるいは派出所、駐在所を作るというような問題がある場合には、それをチェックするようにしたらいかがかというお尋ねでありますが、まことにごもっともであります。現に私どもつい最近そういったことを耳にいたしまして、さっそくそれはストップするように指令をいたした事例もあるのでございます。今後におきましてもそういうことをわれわれが耳にいたした場合には、もとよりこれをすみやかに停止せしめる措置をとりたいと存じておりますので、あわせて御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/31
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032・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは本問題につきましては、大麻国務大臣の御答弁を了といたしまして、今国会中にその措置をせられた結果を御報告いただくということにいたしまして、一応この問題は留保しておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/32
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033・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは次に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/33
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034・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) それではありがとうございました。御意見をよく、われわれこういう鞭撻、御注意をそのまま受け取りまして、十分これを警察当局にも伝えまして、違反のないようにいたすつもりでございます。直ねてこれを申し上げて御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/34
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035・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 次に、石村委員より古物営業法について質問したいという申し出がございましたので、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/35
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036・石村幸作
○石村幸作君 ただいま委員長から紹介があった古物営業法について御質問したいのですが、ちょうど大臣及び長官がおいでですけれども、答弁は中川刑事部長でよろしゅうございます。問題は古物営業法の適用を受けております古書籍について……
〔伊能繁次郎君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/36
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037・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと——石村委員の質問を待っていただいて、伊能君に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/37
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038・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 実は、せんだって政府の次官会議において、自動車交通事業に関する認許可の問題については、国家公安委員会の意見を聞かなければならないという閣議決定をされたということが新聞その他に発表されておるわけですが、これはいかなる法律的根拠に基いてそういう次官会議がなされたかということを私はお伺いしたい。大臣からちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/38
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039・大麻唯男
○国務大臣(大麻唯男君) 私存じませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/39
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040・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 路線の認可につきまして、国家公安委員会の意見を聞くのでなく、当該都道府県公安委員会の意見を聞いてきめていただきたいと、こういうことを運輸省方面にわれわれの方は要望いたしておるのであります。これはいろいろ交通事故が最近頻発いたしております関係から考えて、路線の認可につきまして警察の交通取締りの立場から意見を参考に申し上げるのが適当ではないか、こういうことで路線を許可される場合にはその前にあらかじめそれぞれの関係の都道府県公安委員会の意見をお聞き取り願いたい、こういうことをわれわれの力から運輸当局にお願いをしておったのであります。両者の意見が一致いたしまして、交通事故防止対策要綱の一つにその点が取り上げられておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/40
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041・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 まあ両者の意見が一致したかしないかというような点は、今日はお尋ねしないことにいたします。私がお伺いいたしたいのは、そういうことがいかなる法律の根拠に基いてなされたかということを伺いたい。意見を問うということの法律的根拠。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/41
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042・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 現行法では道路管理者の意見を聞くということはさまっております。当然に公安委員会の意見を聞かなければならぬという法的根拠はございません。しかし先ほど私申しました通り、交通事故防止という見地からわれわれ警察交通取締りの任にある者としまして、いろいろ経験をもっておりますので、その意見を聞いていただくことは運輸当局においても何らかの参考になるのではないか、そうすることによって交通事故の防止の上に役立つならば効果的ではなかろうか、こういう見地からお願いをいたしておるのでありまして、現行法では御指摘の通り法的な根拠はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/42
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043・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 今お話しのように、法律的には道路管理者の意見を聞かなければならないということは私ども承知しておりますが、今のお話を伺いますと、従来の交通警察の問題、すべてのことが警察を通してやらなければならないというような形に逆行するというおそれがありはしないかという点と、それから事故防止その他にといいますか、路線の問題については道路管理者が責任を持ってその点の意見を添付して運輸大臣の認許可の採否を決定するということになっておるので、それ以外に今長官のおっしゃったような必要が具体的にどういう点にありましょうか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/43
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044・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 道路管理者は道路管理上の見地からまさしく十分御検討の上意見をお出しになると思うのであります。私ども交通取締りの立場にある者の意見も参考に聞いていただくことが交通の安全を期し、事故の防止に役立つのではないかというふうに私どもは考えておるのでありまして、道路管理者が交通事故防止の見地から、交通安全の見地から警察の意見は十分取り入れてお取り計らいいただくならば、特にしいて公安委員会の意見を絶対に聞いていただかなければならないということを強くお願いすることもいかがかと思いますが、従来も運輸関係者等とはお互いに緊密に連携をとってこうした仕事をやって参っておりますので、警察の立場の意見も聞いていただいても参考になる点があるのではないかと、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/44
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045・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 その点について、私は地方公安委員会の意見を徴するということが、直ちに、長官のお答えのように警察の意見を徴するということになるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/45
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046・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 公安委員会は警察を管理しておる機関でございますので、公安委員会の意見と申しますのは警察の意見であるというふうに御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/46
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047・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 次にお伺いしたいことは、次官会議の一応決定であったか申し合せであったか、私は新聞を忘れたのでありまするが、次官会議の決定であっても申し合せであっても、それが行政的に現在関係各地方公安委員会もしくは府県知事、あるいは運輸省に何らかのそういったものに対しての通牒か何かが発せられたのでございましょうか。その点お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/47
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048・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 交通事故防止対策要綱が次官会議できまりましたのは、きわめて最近のことでございまして、それに基く第一線への通牒はまだ出ておらないと思います。これは私どもの方あるいは運輸省の方、両者相談の上意見のまとまったところで通牒をするということになろうかと思います。目下お互いに協議中の段階であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/48
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049・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 きょうは内閣側から御列席がないから、私はこの問題について納得がいかなければ、内閣官房剛長官がお世話をされたそうでありますから、副長官もおいでを願って意見を聞かなきゃならぬと思いますが、行政的にまた法律的に、もし運輸大臣がそういう措置をしなかった場合にはどうなるのでございましょう。この点も政府部内として私は伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/49
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050・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/50
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051・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。
それでは今の伊能君の質疑はちょっと待ちまして、石村君の質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/51
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052・石村幸作
○石村幸作君 それでは私の質疑を継続いたします。問題は、古物営業法の適用を受けております古書籍についてであります。この法律は、盗難を防止し古物の取扱いを公正明朗にし、営業者の協力を得て臓品の発見を容易にするためでありますが、現行法は旧法を単に因襲的に踏襲して、衣類等ほかの種目とその性格が根太的に異なっておる書籍をごうも区別することなく、古書籍の売買に対して実態に即しない過重な制約を加えたために、現在古書籍の売買に非常に円滑を欠いておる。また国家の文化発達にはなはだしい障害を与えていると思うのであります。しかも古書籍の売買取扱い件数はきわめて膨大な数量に上っているが、取引価格は比較的低廉なものでありまして、また犯罪等の関係はきわめて少く、犯罪の態様も軽微で、その機会も限られておるのであります。以上のようなことを勘案いたしますときに、この際鑑賞的美術品としての価値を有するもの以外の古書籍を本法の適用から除外する必要があるのではないかと思われる。そこで警察庁当局としては、それに対して何らかの御用意があるかどうか、おありだとするならばどういうふうな措置を講じたらいいか、どういう方法を講じられるか、その点お伺いをしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/52
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053・中川董治
○政府委員(中川董治君) 古物営業法の趣旨につきましては、ただいま石村委員からお話がありました通り、古物商の方々の非常な御協力によりまして、ことに強盗とか窃盗とかいう盗犯の防止に非常に協力をいただいておるのでありますが、それで現行法は明治二十八年に制定されました古物商取締法を受けて改正されたものでありますが、現行法は古物という定義をいたしまして、一ぺん使われたものこういうものを大体非常に大ざっぱに常識的に申しますと、一ぺん使われたものということを中心にしてこれを定義しておるのでございます。従いまして、ただいま申し上げましたごとく、書籍であってこれが一ぺん使われたもの、一ぺん読まれたもの、これが古物の定義の中に入るわけでございます。従いまして、書籍であって、それが古い書籍を取り扱っている方々に対しましては、現行法はこの対象に入りますので、それぞれ古物営業法によるところの規制を受けているのであります。ただいまも御指摘のございましたごとく、ほかの衣類とか、ミシン類とか、機械類とか、こういう古物と書物とには相当性格上差異があるということも私どもかねがね認めておるのでありまして、これを古書籍の営業者の方々の御協力もずいぶんいただいておるのでございますが、この古書籍とそれ以外の古物の間に性質上の相違がある、こういう点はわれわれ事務を執行する場合におきましても十分念顧に置きまして、従来は全く例外もなかったのでございますが、昭和二十七年に古書籍はそういう特質に基きまして、五百円未満の書籍につきましては、そのつどの記載は必要ではない、こういう特殊な運営等もはかって参ってきたのでありますが、その趣旨をだんだん援用して参りますと、ただいま石村委員の御指摘になりましたごとく、古書籍業者の方々には非常に御心配をいただき、御協力をいただいておるのでございますが、だれか木を盗まれた場合に品ぶれをする、こういうような点は警察みずからが品ぶれをするのでございますから、業者の方々にもちろん御協力をわずらわしておりますが、その点は本をとられた人たちの関係も御理解をいただきまして、御協力を願うことにしたらどうか。一番業者の方々に特にごめんどうなことになる点は、取扱いのつど記帳する、帳簿に記載する、こういう義務が他の衣類等と同様に法律上は課せられておるのでありますが、現在運用の上におきまして、ただいま申しましたように五百円未満のものにつきましては、特殊な取扱いを措置いたしたのでございますが、その精神を竿頭一歩進めまして、ただいま御指摘になりましたように、美術品類に属するものは除きますが、美術品類に属さないところの書籍を取り扱う場合におきましては、帳簿記載の義務は法律を改正してではなく、法律の執行に基く総理府令の改正によりまして、帳簿記載の義務はこれを古書籍に関する限りは、正確に申しますと、美術品類に属しない書籍に関する限りは、帳簿記載の義務を命令の規定によりまして、これを免除したい、こういう計画をただいま私どもは立てまして、大体石村委員の御指摘になりました事柄を、従来も五百円未満につきましては特殊扱いをしておった前例等もありますし、それを竿頭一歩を進めることになりますので、そういうことにして、はっきりそういうことを明示した方がいいのじやないか、こういう結論に事務的に達しまして、大体まあこういう事務的にできるような条文でございまするので、そういう点を実施に移したい、こういうふうに思っております。実施に移す際には、何と申しましても全国の問題でございまするので、ただいま長官からお述べになりましたような警察本部長の会同の機会等もございまするので、その機会にその施行がきちっと正確にできるような方途を講じまして、美術品類に属しない書籍の帳簿記載義務を免除するよう命令の規定の改正を施行したい、こういう意向を持っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/53
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054・石村幸作
○石村幸作君 そうすると法第十七条の帳簿記載の義務を免除する、そうすると、それにひっからんでお尋ねするが、法第十六条及び施行規則の二十一条にある確認の方法ということがあるのですが、確認の方法がないので、確認の義務も自然なくなる結果になるが、それはそれでいいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/54
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055・中川董治
○政府委員(中川董治君) これは御心配ごもっともでございますが、こういうことになるのでございます。御指摘の法十六条によりまして、詳細は命令にうたいますが、十六条によりまして、古書籍を持って来た場合におきまして、またそれを取り扱った場合におきまして、相手方の関係をよく確認していただく、これはまあどろぼうによって得た物らしいと思われる場合には警察官に申告していただく、こういうのが十六条でございまして、その確認の義務を実質上帳簿に書いてもらうことによって保証しようというのが十七条でございます。従いまして帳簿関係の記載は十六条の確認義務の保証並びに記憶が忘れぬようという意味と、両方でございますが、いずれにいたしましても、確認義務の保証でございますが、書物に関しまして帳簿記載義務を免除いたしますと、確認はするけれども、その保証がない、こういう結果に相なろうかと思うのでありますが、この点は古物業者の方々が多年の御経験と、そういった点について常々そういった帳簿記載の保証がなくとも、それはどろぼうが持って来たと思われる場合には知らしていただく、こういう古物業者の方々の犯罪防止及び捜査に対する良心に期待できますので、帳簿にまで書いて確認しなくても、その分に関しましては古物業者の良心に基きまして確認して、これはどろぼうが持って来た物だという場合には警察官に知らしていただける、こういうことが期待できょうかと思いまして、十七条の帳簿記載義務を免除いたしまして、確認の点につきましては、どろぼうらしいと思われる場合には教えていただく、こういう点はもっと関係業者の方々の良心と常識に基いて御運用願える、こういう角度でただいまの計画を申したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/55
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056・石村幸作
○石村幸作君 そうすると、帳簿記載の義務は全面的に免除する、そうして法第十六条の確認の問題は業者の道義的協力に待つ、こういうことになる、そう解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/56
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057・中川董治
○政府委員(中川董治君) 結局はお説の通りになろうかと思いますが、確認の関係はいたしておりますが、その点は帳簿までして保証する必要は認めない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/57
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058・石村幸作
○石村幸作君 そうすると、規則第二条の種目が列挙してあるその十二号に書籍と書いてある、これを削除したことと同じような法的には結果になると解釈してようございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/58
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059・中川董治
○政府委員(中川董治君) その点は法律的に申しますと、しからずということになるのでございますが、その点はしからざる部面を申しますと、警察が積極的に出す品ぶれの場合は、たれか本を盗まれた者がおって、その本がこうこうこういう木であるということが警察でわかって、その品ぶれを警察がみずから出す、こういう場合には書籍を含みますので、そういった点等が二条の十二号を抹殺しない理由になる、こういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/59
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060・石村幸作
○石村幸作君 そこがあなたの方のねらいなんだが、私の申し上げた業者の道義的な精神的な協力、それになるだろうと思うのですが、そこでこの規則を改正というか修正をされると先ほどおっしゃったが、まだその文案とか何とか具体的な表現はきまっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/60
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061・中川董治
○政府委員(中川董治君) 規則と申しましたのは、繰り返して申しますが、総理府令の改正でございます。総理府令の改正をいろいろだだいま私が口頭で申し上げましたごとく、文字に表わす作業を現在関係の向きと相談しつつありますのですが、大体趣旨は繰り返して申しますが、美術品類に属しない書籍については、法十七条の帳簿記載について美術品類に属しない書籍がかぶらないように文字を整理いたしまして、そういうふうにいたしたい、こう思っておるのであります。繰返して申しますが、美術品類に属しない書籍が十七条の記載義務にかぶらないようにしたい、こういう技術的なことを考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/61
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062・石村幸作
○石村幸作君 石井警察庁長官にお尋ねしますが、今中川刑事部長の御答弁を長官としても確認されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/62
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063・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) ただいま中川刑事部長の御答弁申し上げましたことを、私も事前に指示を受けまして、おおむねそれでよかろうということで了解のもとに答弁をいたさせておりますので、御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/63
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064・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは田中副長官も御出席になりましたので、伊能君の質問を続けて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/64
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065・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 さいぜん田中副長官がお見えになる前に、先般次官会議の決定か申し合せで、路線事業というさいぜんお話があったんですが、自動車交通事業中路線事業については、国家が地方公安委員会の意見を運輸省において聞かなければならないような次官会議の決定があった。その点についてはどういう法律的な根拠でそういうことが決定されたのかということをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/65
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066・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) 私からお答え申し上げます。最近交通事故の発生及びその被害のきわめて大きい点にかんがみまして、もちろん運輸省、警察庁及びその他関係各省におきまして、それぞれ交通事故防止対策につきましていろいろと御苦心のことと存じておるのでありまするが、しかし、このことは単に一省一庁の問題でございませんで、その及ぼすところがいずれも各省各庁に関係する点が非常に多いのでございまして、さような点から閣議におきまして総合的な交通事故防止の対策会議か設定して、これによって総合的な行政措置としての対策、防止案を作ってもらいたい、こういう閣議決定がございましたので、さような根拠から大体において内閣に対策本部を設けることが妥当であろうというような考えで、内閣に交通事故防止対策本部というのを設定いたしまして、内閣官房長官がこの本部長になりまして、私が副本部長になりまして、関係者省のその関係の局、部、課長に委員または幹事になっていただ寺まして、去る五月上旬から七、八回の会合を開催いたしまして、ようやく結論な得ましたので、それを次官会議で決定して閣議に報告したわけであります。その中に一番問題になりましたのは、との路線の許可または認可に際しまして、公安委員会の意見を聞いて路線の認可、許可をするということが警察庁から意見として提案されたのでございます。これに対しまして運輸省側といたしましては、従来東京都内警視庁管下等におきましては、事実上においていわゆる危険防止の見地から、危害予防の見地から東京都特別区公安委員会に意見を聞いておる、事実上聞いておるから、こうした項目は書くことはこれを削除してもらいたい、こういう意見があったのでございます。それに対しまして警察庁側の御意見といたしましては、従来地方におきまして、路線の認可または許可に際して全然、警察の意見がいれられないために、ときに事故を起したり、あるいは沿道民に非常な迷惑を及ぼしたような実例が間々あるので、ぜひこの公安委員会の意見を聞くような措置をとってもらいたいという非常に強い要求があったのでございます。この両者の意見を聞きまして、まあ内閣といたしましても、従来特別区等におきましても事実上運輸省側におきまして公安委員会の意見を聞いておるとするならば、それをこの本部の要綱の中に入れてもあえて支障はないんじゃないかと、それからまた一面におきまして、道路管理者は道路管理者としての取締りがあり、また運輸省は運輸省としての取締わがございまするが、やはり絶えず常に路線を取締りをし、また現実に交通事故の取締りをしておりますのは警察でございまするので、従ってその警察側の意見を聞いて免許をするしないということを決定することは、これはきわめて妥当なことであろうと考えておりまして、さような結論から今回の事故防止の要綱の中に、路線の許可、免許に際しては公安委員会の意見を聞くようにという一項を入れたのでございます。従いまして、この事故防止対策本部のきめました要綱はあくまで官庁同士の話し合い、申し合せでございまするから、別に法令の根拠のあったものではございません。運輸省なりそれから警察庁がともに交通事故防止の熱意と努力の結果、こうした両者の意見が一致したということでございまして、ももろん運輸省側に対しましては、いろいろ事務的に多少繁雑な点があり、あるいはわずらわしい点があろうかと考えておりまするが、この点は一つ交通事故防止の目的を達成するために御協力を願いたいということを、私からも運輸省側にお願いをいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/66
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067・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 交通事故の実態からいうと、私どもが承知しているところでは、路線事業よわは路線外事業の区域事業の方がはるかにタクシー、ハイヤー初め交通事故が多いということが、交通事故の実績に徴して明らかだと思いますが、なぜ特に路線事業についてそういう御議論が出、またそういうお話し合いになったかという点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/67
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068・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) 路線外事業におきましても、もちろん交通事故が発生をいたしておりまして、これに対しましてもやはり警察としても当然取締りをいたしておるのでございまするが、今日までの実例から徴しますると、必ずしも事故は路線外の事業だけでございませんので、やはりいわゆる大きな乗合の路線とか、そういうところにも従来事故がしばしは発生いたしておるのでごぎていまして、まあこの点は運輸省側におきましても十分に一つ実情を、よくごらんを願いまして、できるだけ一つ警察なり道路管理者なり、また関係方面と十分にお互いに緊密なる協力のもとに、やはり交通事故防止に尽すべきであろうと私は考えておるものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/68
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069・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 役所内部の講釈を私は拝聴しようとは思っていないので、ともかく最近の戦後における官庁の組織というものは何と申しますか、行政上の紛訌、共管、その他をできるだけ簡素化するという意味で、運輸行政、警察行政というものが逐次一本化された。それがまた昔の戦時中のようにすべてのものが警察中心に行われるというようなところが、逆コースになるということを私は一番心配しておるのですが、その点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/69
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070・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) ただいまの公安委員会の意見を聞くということは、私が先ほど申し述べましたごとくに法律の根拠によってやるとか、拘束力があるというものではございません。これは官庁同士のお互いの話し合いの上でやることでございますので、私はたとえ意見を聞きましても、実質的に警察が運輸省の権限内に逸脱する、あるいはその中に入り込むということはおそらくなかろうと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/70
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071・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 そうすると、今の常識的なお話しを伺って私は一歩進んで申し上げたい点があるのですが、法律的には道路管理者の意見を聞かなければならないということになっており、そのほかに内部的な部内の、内閣の考え方の部内の措置として、さらに同じ手続を国家公安委員会にふまなきゃならぬということは、実際問題として非常に大きな手数である、道路管理者の意見というものが平均どのくらいの期間で出てくるかということをおそらく副長官は御存じないだろうと思うのですが、相当長い期間たたないと道路管理者、いわゆる知事の、都道府県知事の意見というものは出てこないわけです。従ってそれが二つ同じような並立の格好になることは、私は事故防止の観点は別にさいぜん申し上げたような、日常の警察庁の交通取締りの観点からいろいろやられる向きもあろうと思いますが、これは一番望ましいことは、道路管理者が意見を付して、法律上意見を付して出すときに地方公安委員会の意見を聞いて、その意見を加味して出すということが一番——大部分は同じ役所の中にいるのだし、一番簡明にやれると思うのですが、そういうことについてお考えがあったかどうか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/71
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072・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) お説のように、実はこの会議の際に、道路管理者の意見を聞かれた場合における答申が非常におそいということを運輸省側からも拝聴いたしまして、この点は道路管理者側にも注意を喚起いたしまして、できるだけ迅速に事務を処理するようにお願いをいたした次第でございます。
それからまた、ただいま御意見のように、道路管理者側が意見を具申する際に警察庁の意見を開いて、そうしてそれを具申するという手もあることも私どもは研究をいたしたのでございます。しかしながら、この警察庁の調査ということは、場合によりましては現実について調査をいたさなければならぬ場合もございまするし、道路管理者とは別個にできるだけ迅速に意見を具申する必要がございまするので、むしろ道路管理者とは別個に意見を聞いていただいて、それによってすみやかに具申をするということの方が妥当と考えまして、実は別に公安委員会の意見を聞くという措置にとどめた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/72
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073・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 どうもその点私にはわからないのですが、道路管理者は道路の専門家が詳細な調査を行なって、それで初めて答申が出るので、警察関係には失礼ですが、道路に関する技術者もおられないしやそういうことについて私は道路管理者以上に警察が適任だというような感じは、これは意見になりまして、なんでありますが、感じないのです。従って事務の手続の簡素化をはかるということは官庁として当然なすべきことであり、同時に法律的に何ら要求せられていない義務まで課するということになる点については、できるだけ慎重に、かつ簡便にやるのが私は常識上筋だと思うのですが、道路管理者の権限をそれによって拘束しないとは、お話ではしないということですが、事実上拘束するようになることも、法律上の権限を拘束するようになることも非常におかしな格好だと思うので、都道府県知事である道路管理者と地方公安委員会との間にその程度のことは緊密な連絡が同じ庁舎にいてとられるのが当然だと思うので、そういう点について副長官のお話のような御主張がさらになされるのかどうか。聞くところによりますると、警察庁長官はまだこの点についての内部的な最終的な事務の打ち合せの段階が済んでいない、こういうお話も伺ったんで、それならば私は単なる行政上の措置であり、法律的な義務を課するのでなければ、そういった道路管理者の権限を事実上拘束しないような適当な措置が地方公安委員会と道路管理者との間にとれて、それが両方の意見として対立した場合には、対立したものとして一元化して、道路管理者が運輸省へ申達をするということが一番簡明ではないかと思いまするが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/73
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074・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) ただいまの警察庁内部におきましては、もちろん意見はまとまっておるのでございまするが、ただ運輸省と警察庁との具体的な打ち合せというものがあるいは未済であったというお答えではないかと私は考えておるのでございます。現在のところ警察の意見を聞くと申しますのは、道路の良否その他からくるところのいわゆる交通事故発生をいかにして防止するかという危害予防、安全運転、かような点からのみ警察の意見を聞くのでございまして、また道路管理者の意見を聞くのとは別個な立場において意見を聞くわけでございまして、私の考えとしましては、むしろ道路管理者が意見を具申するよりも、もっと簡単に警察側において意見を具申できるものと考えております。お説のように意見を聞くことによって非常に事務が渋滞するであろうという御心配はごもっともでございまするが、しかし、警察の今申しましたように意見具申は、危険防止あるいは危害予防という観点のみでございまするので、そういう点からの意見具申でございまするから、私はむしろ簡単に意見具申ができるものと考えております。従ってこれによって事務に支障をきたすというようなことはおそらくないと私は確信をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/74
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075・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 どうもお話の筋がわからないんですが、道路の良否を警察が判定するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/75
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076・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) 道路の良否を判定するんではなくて、道路の良否からくるところの事故発生の状況がどうであるかということを判定するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/76
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077・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 道路の良否を判定すると、さいぜんの速記録にはそうお答えになっていると思いますが、今のお話で御訂正になったものを基礎にして私はお尋ねしますが、道路の良否を基礎とするということになると、危険防止の観点から道路の良否自体についても判定力がなくちゃならぬと思うのですが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/77
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078・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) 警察は従来交通事故発生防止に対して相当努力をいたしておりまするので、いわゆる道路管理者の言ういわゆる技術的な専門的な道路の良否を判定するということは、あるいは警察官としてはできないかも存じませんが、ただ警察の事故防止、危害予防という見地からするところの道路の良否ぐらいのことは、これは私は警察におかれましてもそれぞれ技術官もおることでございまするので、判定はできるのじゃないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/78
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079・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 大へんどうもおこだわりになっておられるようですが、それほどおこだわりになるならば、なぜ法律的措置をとらないかということについてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/79
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080・田中榮一
○政府委員(田中榮一君) 警察側におきましてては強くこれを立法化することを私どもに要望いたしたのでございます。しかしながら、法律化するということにつきましては、いろいろ時間のかかる問題でもあるし、またこれを法制化することにつきましてはいろいろ問題もありましょうから、とりあえず行政措置としてまあ何と申しますか、拙速主義と申しまするか、直前の事故をいかにして防止するかという意味から、その法制化することを避けまして、一応官庁間の申し合せ、いわゆる行政措置としてこういうことを一応申し合せした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/80
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081・伊能繁次郎
○伊能繁次郎君 私はそういう申し合せがいたずらに行政を複雑化ならしめ、各省内の権限争議の原因となり、しかもその内容については事故が一番多い東京等においては、路線事業よりは区域事業の方がはるかに事故が多いのです。これは統計をおとりになってみればすぐわかる。それらの点についてそういうようなまことに何と申しますか、いたずらに行政事務を複雑ならしめるような措置をとられることについては理解ができない。従ってこの問題について今お話しのような御意見であるならば、当然法制的措置をとらるべきものであると私は感じております。従ってお答えでは了承しがたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/81
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082・深川タマヱ
○深川タマヱ君 交通事犯に関係なさった質問が出ているようでございますが、私もこれに関係いたしまして、今日東京で円タク運転手の数は大体どのくらいおるのでございますか。わからなければけっこうでございますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/82
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083・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/83
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084・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。それではただいままでの伊能君の質疑せられました問題は重要な点も含んでおりますので、日をあらためて関係各省を、責任者を呼んで十分質疑を尽し、妥当な結論を得たいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/84
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085・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) さよういたすことにいたしまして、一応本問題は留保いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/85
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086・深川タマヱ
○深川タマヱ君 円タクの運転手は私たちが横から拝見いたしておりますと、ひどく神経を使う仕事でございまするので、労働基準法の八時間でも重過ぎると思うほどです。でございますのに、現状は何だか労働基準法とは縁もゆかりもないような昼夜交代、実働は十八時間か何か知りませんけれども、とにかくひどく過重でございまして、日本の青年の生命を削りつつあると思って非常に平素気の毒に思っておりますのです。これに対しましてあなた様方は何と考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/86
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087・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 先ほど路線の問題から交通事故防止対策のお話が非常に発展いたして参りましたが、交通事故防止対策本部を設けまして、政府におきまして関係各省の者が集まりまして研究をいたしたゆえんのものも、今深川委員のお尋ねのありましたような問題も含めて、広く交通事故を防止するには幾多の施策を講じなければいかぬのじゃないかという観点から、関係各省の者が集まりまして協議をいたしたわけであります。その中に一つの大きな問題としまして取り上げられておりますのが、ただいま御指摘の運輸関係の仕事、従事者の労働条件の向上、運輸事業の適正化、こういったものを考えなければ、先ほどのお話しの通り、運転者の過激な労働のために疲労からくる事故というものがきわめて多いという統計上の数字等から見まして、この問題が一つの大きな根本問題である、かように考えまして、関係省におきまして、そうした問題を取り上げまして検討いたすことに相なっておるのであります。私どもその専門でございませんから、今御期待に沿うような詳細なお答えはできませんけれども、先ほども申しました通り、交通事故防止対策本部を内閣に設けましたゆえんのものも、そうした問題をこの機会に解決して交通事故の防止をはかろう、こういうことに出発いたしておるのであります。関係省におきまして鋭意研究の結果、適切な施策が講ぜられるものと期待をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/87
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088・深川タマヱ
○深川タマヱ君 幾多の施策をなさいますこともけっこうでございますし、検討あそばされることもけっこうでございます。しかも専門家でないとおっしゃいますと、あなた様方に質問いたしますのは酷かもしれませんけれども、仕方がございませんから、今おわかりになる範囲でお答え下さい。円タク運転手はあれほど過重労働をしなければならない原因がどこにありと皆さんが考え、あるいは営業主が主張するのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/88
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089・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) 同種業者が非常に数が多い、競争が非常に激しいということが一つの大きな原因ではなかろうかと思っております。また賃金といったようなものも一つの関係する問題ではなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/89
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090・深川タマヱ
○深川タマヱ君 自由競争のために賃金を安くしなくちゃならない、従って円タクの運転手をなるべく交代の回数を少くして、そこで埋め合せをつけておくということに伺ったのでございますけれども、やはり労働者の健康を保持するということは大事なことでございますので、こんなことはいつまでも放任できません。放任できないからこそ検討されるのでございましょうけれども、確かにおそきに失しますね。そこで業者の数が多過ぎまして、競争が激し過ぎるということになりますと、あの人たちの間では協定値段というものを作っているのですね。協定組織になっているのですから、そんなに因らないように大体価格協定をなさるはずなんですがね、業者同士の間で。そこがうまくできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/90
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091・石井榮三
○政府委員(石井榮三君) これも私どもの専門外のことなので、はなはだ当を得たお答えができないのを遺憾に存じますが、賃金は認可貸金ということになっております。運輸省の方で認可するということになっておるように私も承知をいたしております。適正な賃金を運輸省の方から認可していただくということに業者の方からお取り計らいに相なってしかるべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/91
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092・深川タマヱ
○深川タマヱ君 運輸省の方で適当なる賃金を認可さてれているとのことであれば、ますます責任重大ですよ。業者たちにまかせきりでないのですね。官庁がここに関与ししおるということになると、現状に放置されておるということは非常に手落ちであったと思いますが、この問題は専門家でないとおっしゃるあなた様をここで責めても酷ですから、いずれ機会をあらためまして、根本的にこの問題はいたしませんと大へんだと思いますので、質問はこのくらいにいたしておきましょう。
〔「議事通行」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/92
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093・安井謙
○安井謙君 深川委員の御質問は非常に重大な問題で、広範な問題を含んでおりますので、今警察庁長官一人のところでやってもなかなか解決はつかんと思いますから、これは重大問題でありますから、あらためて一つ関係当局を呼んだ上で御質問をやっていただくように取り計らっていただきたいと思います。なお、今日の日程には相当議案や法律の審議があると思います。これは与党であるおたくの議員から出された法律案もあると思うので、この委員会の運営をなるべく順調にやっていただいたらどうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/93
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094・深川タマヱ
○深川タマヱ君 それでは、専門家でないと、御謙遜かもしれませんが、おっしゃるのですから、別に一つ専門家をおそろえ下さいまして、この問題を根本的に審議できますような機会をお与え下さいますように委員長にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/94
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095・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 承知しました。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/95
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096・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をつけて。
次に風俗常業取締法の一部を改正する法律案を議題に供します。
本件について、まず提案者より説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/96
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097・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) 眞鍋儀十でございます。プリントがちょっと間に合いませんので……。
ただいま提案せられました風俗営業取締法の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。昭和二十三年法律第百二十二号をもって制定されました風俗常業取締法は、その第一条第一号の待合、料理屋、カフエー、第二号のキャバレー、ダンスホールのほか、その第三号に玉突場、マージャン屋、パチンコ屋、その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業を取締りの対象としておるものでありますが、このうち玉突場を本法の適用範囲から除外しようとするものでございます。最初都道府県条例に遊技場取締規則というものがございまして、囲碁、将棋、射的、大弓、釣堀、貸舟児童遊園、ピンポン、スケート、玉突場などいずれもこの条例のワク内で各種の制限を付して取り締っていたものでございましたが、後これが廃止となり、一たん開放されたのでありますが、あらためてまた昭和二十三年七月風俗営業取締法が制定され、その際待合、料理店、カフエー、キャバレー、ダンスホールとともに、その第三号で客に射幸心をそそるおそれのあるものとしてマージャン屋、玉突場、あとで加わったパチンコ屋とあわせてこれが取締りの対象となってしまったのでございます。しかるに玉突きは世間周知の通り純然たる物理学を応用する高尚な室内スポーツでございまして、何ら偶然の勝負を争うものではございません。その点で第三号の中の他の二つ、すなわちマージャン、パチンコとは全然その趣きを異にするものでございまして、当然風俗営業取締法の対象から除外せらるべきものであるというのが提案の主眼でございます。
このように撞球は物理を応用する科学的競技でありますので、入射角、反射角等による精密な測定、物体移動の慣性などの研究練磨によってのみ進歩上達する競技であり、そこにスナップにせよ、ショットにせよ、日本人の体質の上からみた適応性や優越性が認められるものでございまして、各種の国際スポーツのうち、将来これが覇権を掌握し、かつ維持し得るものは撞球以外にはないとさえ言われておるわけであります。従って今日までしばしば行われた公式の世界選手権大会に各選手が出場いたしまして、優秀の成績を示し、撞球を通して国民外交の実をあげた例は一再にとどまらぬのでございます。かような意味合いからしても、今日までこれが風俗営業取締法の対象とされていたことは、きわめて不可解かつ不合理なことでございまして、ピンポン、スケートと同様スポーツとしての取扱いを受けることは当然だと存ずるのでございます。思うに現在行われている玉突きの種類には四つ玉、三つ玉、ボークライン、スリークッション、ポケット等を四尺と八尺の京都台、四尺五寸と九尺の普通台、五尺と十尺の大台等を用いて時間制をもって使用料を徴するもので、この点に関しては従来多少世間の誤解を招くような敗者負担の極端なものがあったかもしれませんが、ただいまでは愛好者の品位の向上と業者の自粛が相待ってすべてが競技本位となり、賞品を贈与したり、あるいは射幸心をそそるおそれのある行為をすることが一切改められた状態にあり、もし万一にも取締り当局が一気に野放しにしては心配であると言われるならば、同号末段の「その他」の場合としても取り締れるし、また賭博類似行為とあれば、刑法の適用範囲に移されるわけで、決して心配なことはないと存じます。もとより業者自身もこの点に留意いたしまして、本法改正の暁は全国撞球組合連合協議会の組織を拡大強化して、国際スポーツとしての矜持の上に立って、日本撞球界の向上発展に努むることを全国大会において誓っております。決して御迷惑はかけさせないつもりであります。
以上のような次第でございますので、何とぞ御審議の上御賛同をたまわりますよう、お願い申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/97
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098・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/98
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099・西郷吉之助
○西郷吉之助君 警察当局に伺いますが、風俗営業取締法の対象にこの玉突きを入れた理由。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/99
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100・中川董治
○政府委員(中川董治君) お答え申し上げます。現行の風俗営業取締法第一条第三号に玉突場というのが明記してあるわけでございますが、その立法の理由ということになろうかと思いますが、これは沿革上の理由等もございまして、従来玉突場におきまして、いろいろ勝負が争われたことによって風俗を乱すような状態等もありましたので、当時の立法として玉突場を射幸心をそそるおそれのある事業の例として明記した、こういうふうにわれわれは理解しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/100
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101・伊能芳雄
○伊能芳雄君 ただいま提案者から玉突場がそういう射幸心をそそるような危険があれば、第一条第三号の「その他設備を設けて客に射幸心をそそる虞のある遊技をさせる営業」、これを指すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/101
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102・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) はい、その中で玉突場だけを除外いたそうというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/102
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103・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうじゃなく、これを除いても末項の「その他」というところで取締れるし、及び刑法犯で取締れるからということを言いましたから、その末項の「その他」というのは第一条第三号の「その他」云々というところを指しているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/103
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104・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/104
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105・伊能芳雄
○伊能芳雄君 しかし、それは実に器用な話で、そんなことが一体警察の取締りでできますかね。いろいろ許可したりなんかするときに、初めから射幸心をそそるおそれがあるというので、ある特定の玉突きについては第一条の三号で取締るということはできますかどうですか、警察当局の方では。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/105
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106・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはこういうことであろうと思うのです。これは現行法は玉突場という実体を備えておれば、その競技方法、賞品方法のいかんにかかわらず、別言すれば全く賞品なども一つも出さない。ところが玉突きの使用料だけ出し、一回で百円使用料をもらうということも現行法は当てはまる。ただいま御提案のあられました内容は、そういう玉突場の形態だけで押えるということをやめて、玉突き営業の実態がたとえば賞品が出まして、勝った者はどっさり賞品を持って帰る、敗けた者は何も賞品をもらわないで帰るということになりますと、射幸心をそそるような形態になってくる、それでただいまの伊能委員の御質問は一つの営業でございますので、公開された営業でございますので、賞品制度を持つか持たぬかということは営業形態で、通常の場合は不特定多数の者に対して掲げられますので、そういう業態は末段の「その他設備を設け」云々に該当する。単に使用料を設けてスポーツとしてやる場合には玉突場であっても改正案が仮に成立した場合には対象にならない、しかし技術的な取締りができないわけではない、こう思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/106
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107・伊能芳雄
○伊能芳雄君 今のお言葉は行為を取締ることはできるかもしれないが、業態自身を初め玉突場として普通の料金をとるようにこしらえておいたら、これは別にかまわないでしょう。これを除けばもうこの対象ではなくなるわけです。それが今あなたのいうようなことをかりに始めたら、一体何で取締りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/107
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108・中川董治
○政府委員(中川董治君) 御質問の趣旨は、ただいま衆議院から送付された法律案成立後の取締り状況の話だと思いますが、成立いたしました場合は、玉突場をやりまして、使用料だけでやっている、使用料だけの制度の玉突場はわれわれは問題にしない、ところが店頭に掲示いたしました賞品などを、勝った場合はこの賞品だ、一等は酒一本、二等は菓子だ、こういうふうな掲示方法の実態を持ったものができると、これは許可をもらわなければいけない、こういうことになろうかと思います。それはそれ以外にもあり得るので、現行法では現在は玉突きは事のいかんにかかわらずこれの対象になりますので、たとえばすでに新聞でも御案内かと思いますが、スマートボールというのは例示の中に入っていない、だんだん技術が進歩しましてスマートボールといへものができまして、スマートボールがはやり出してきた、こういうことはまさしく設備を設けて射幸心をそそる行為でございますので、許可の対象にしている、こういうことになろうかと思いますので、成立後に取締りが混淆するということはないと思います。こういうことは言えようと思います。現在玉突場であれば、それはすぐに許可の対象になることは非常に明瞭である。今度は業態の経営計画というものを見て、これは当てはまる、当てはまらない、こういうことになるから、その点はその意味においては困難であろうと思いますけれども、何といっても営業でありますので、不特定多数のお客さんがありますので、そのお客さんに知らすために店頭に掲示するという行為もございますので、その点は比較的わかりやすい、こういうことが言えようかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/108
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109・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうすると、玉突きをこれからはずした場合には、普通の玉突きは自由に営業できるわけですが、ところがある玉突屋が一等にはどういう賞品をやる、二等にはどういう賞品をやるということを始めたときに、警察でそれをつかまえて、お前の方はこの条項に触れるから一定の手続をして許可をとれということを初めてそのときに言うわけですが、そのときに初めて警察の取締り対象に入れる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/109
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110・中川董治
○政府委員(中川董治君) 実際問題としては伊能委員の御指摘の通りになろうかと思うのでありますが、それをそのつど言うのは非常に関係者に迷惑なかけるとという場合におきましては、賞品制度を用いた業態は許可を受けてもらわなければ困りますよということを一般的に言うのも一つの方法だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/110
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111・石村幸作
○石村幸作君 関連して。今の伊能君の質問と中川さんの答弁を聞くと、これは玉突きだろうが今言った何とかボールだろうが、その種類によるのじゃないでしょう。その行為が射幸心をそそるような、つまり賭博に関するようなことをしたそのことを取締るのじゃないのですか。だから、もしもこれが成立した暁には玉突きのようなものも許可なしで勝手にできる。そこで今言った違反行為をやる、その場合にそういう玉突屋は許可を得なければならないということは私はあり得ないと思います。玉突場というのは許可なしでできるのだから、どうですか。ただ取締ることは玉突場を取締るのじゃなくて、賭博とか特別な賞品を出すとかそのことを取締る、そのことを罰する、そういうことじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/111
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112・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはお手元に法令集を持たれないからそういう御疑問が起るのだと思いますが、現行風俗営業法の対象になりまするのは営業なんでございます。営業でありますが、現行法によれば玉突場という施設を設けておれば、どういう常業形態であろうと取締りの対象になるというのが現行法でございます。衆議院御送付の法律案によれば、「玉突場」という三字がなくなりますので、玉突場という施設を設けただけでは対象にならない。ところが、たとえばスマートボールという施設を設けて賞品などを出して客の射幸心をそそる営業をするものは対象になると同様に、玉突きという施設を設けて客の射幸心をそそるおそれのあるような遊技だとか、賞品などのそういう常業形態になりますと、ただいま提案者から御説明がありましたように、そういった営業形態は取締りの対象になる途もあるので、こういうのがその趣旨であろうと私は拝承しておったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/112
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113・安井謙
○安井謙君 提案者に伺いますが、いまのようた警察庁の御説明の通り、賞品を出すとか、あるいはそういった射幸心をそそる行為のある営業については、十分取締ってもらってもいいということははっきりしているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/113
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114・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) この案を描出いたします前にいろいろと研究もしてみたのでございますが、風俗営業の中に入っておりません、つまり前の条例にはございましたが、あとでははずされております囲碁にしましても将棋でございましても、射幸心をそそるおそれのあるという場合には「その他」で引っかけられて、詰め将棋、詰め碁はやはり取締りの対象になって来てしまっておりますので、私どもといたしましては、大方そういうお取締りを受けるのじゃないかと想像いたしまして、覚悟をきめておりますわけでございます。しかし、できればこれだけの国際スポーツとなりました玉突きにつきましては、きれいさっぱりはずしていただけますれば——というのが本心でございますが、御不安の点がございますれば、私どもも自粛いたしますけれども、暫定的にでもこういう面で補いをつけて安心をしていただければと、こう考えておりますような次第で、それで、もしはずすということがお願いできますれば、まず、私どもとして第一の利益は、三カ月ごとに営業の権利が切れてしまいますものを、今度は継続した営業の権利となりますようないろいろの面で利益が出て参りますわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/114
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115・安井謙
○安井謙君 そうすると、玉突き営業自体にはそういった射幸心を伴うような業態は本来としてはなからしめるというのが提案者の真意でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/115
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116・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/116
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117・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そこで警察当局に伺いますが、との一条三号の末段の「その他」で現在取り締っておるのは相当ありますか。その調査か何かありませんか。これで取締りをやっておるのはどういうものをやっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/117
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118・中川董治
○政府委員(中川董治君) これは「その他」というのは、種類は百ぐらいあると思うのですが、私の記憶だけで申しましても、たとえば今眞鍋議員から御指摘のありましたように、碁、将棋という施設を設けて、それで碁に勝ったら賞品がもらえるというようなものは、碁も入る、しかし普通に私ども伺いますけれども、部屋料だけ払ってそれから碁を打つというやつは入らないと、それからスマートボールで全く器械だけを遊んで喜んでおるというのは入らないけれども、そこへ賞品が出て、うまいことをやったら賞品がもらえるというのは入る。スマートボール、碁、将棋、そういった種類のものが百ぐらいあろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/118
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119・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうすると「その他」、これに入るという判定は一体だれがするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/119
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120・中川董治
○政府委員(中川董治君) 判定は、そういう器具そのものを判定する必要はあまりないのでありまして、器具を用いて賞品などを出す行為をするということが射幸心をそそるかどうかということの判定でございますが、第一には、公安委員会の判定に従って——警察がもちろん補佐いたしますが、行います。それに公安委員会の許可を受けずしてそういうものをやっておるものがありますれば、刑事手続に移りますから裁判所に参ります。これは一般通常の例でございます。たとえば私の知っておるものを申し上げますが、わいせつ文書は、何がわいせつ文書であるかという事柄は、まず第一に、健全な常識に基いて調査官が判定する、その調査官は健全な常識に基かなければいけませんけれども、それは刑事手続が進むに従って、最後には裁判所が判定になる、こういうことと、一般の例と同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/120
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121・伊能芳雄
○伊能芳雄君 この問題について、包括的に解釈を一致するような通牒か何か都道府県に出しておりますか。またさっき言った公安委員会というのは、都道府県公安委員会であるか、国家公安委員会であるか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/121
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122・中川董治
○政府委員(中川董治君) まず後段からお答えいたします。風俗営業法の公安委員会は都道府県公安委員会でございます。それで解釈上の疑義でございますが、これは最終的には、当該公安委員会がきめるのでございますけれども、お互いできることなら同様の解釈をすることが正しいという点は、その法令の運用と同様でございますので、その点は国家公安委員会と連絡を密接に——その事務局である警察庁が密接な連絡に努めておりますので、疑義が生じた場合は、実際の説明を聞く、当該県から伺い、こう解釈すべきものだと思うがいかがであろうと、警察庁に電話、文書等でやって参ります。私どもの方でも十分他府県の状況等を勘案して研究いたしますが、さらに自信がつかない場合におきましては、内閣法制局等々と打ち合せをいたしまして、これは積極的に解し、これは消極的に解すると、こういう点は他の法律の解釈と同様に、そういう伺いに基く解答に基いてそれぞれ措置する場合があり得るのでございます。他の法令についても同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/122
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123・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうすると、別に包括的に抽象的な言葉を使って通牒は出しておらないが、個々具体的な問題を都道府県公安委員会でこれは「その他」で扱うべきものだということを手続してくる——国家公安委員会でするんですか、それとも都道府県公安委員会でそれを最後的な決定をして、お前の方は風俗営業取締法によって取り締るぞということを言ってやるのですか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/123
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124・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはきわめて法理的に申しますと、風俗営業の許可をいたしますのは都道府県公安委員会でございますので、都道府県公安委員会が少くとも行政処分としては有権者だと思います。ところがすべての都道府県公安委員会がおおむねいろいろ自分の判断をするについては、隣の県の状況等も参考にしたい、それからできれば全国的に類似の問題は同様に処理した方が公正化するということから、いろいろ連絡を密にし、さらには中央の法律解釈関係機関、政府の法制の研究機関、内閣法制同等とも密接に協力をいたしまして、適正な法律執行をいたしたいという意欲は、私は、各委員会ともお持ちでございますので、それらに伴ういろいろな処分が行われておりますが、私どもは、国家公安委員会は、都道府県公安委員会と連絡を密にして、連絡調整をはかる責任もございますので、そういう連絡を密接にとっている、こういう点は申し上げていいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/124
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125・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そうすると、第一条第三号の「その他」以下のものに該当するかいなかということは、都道府県公安委員会が最終的な決定権を持っている、こういうことに承知していいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/125
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126・中川董治
○政府委員(中川董治君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/126
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127・伊能芳雄
○伊能芳雄君 そこで今度は、提案者を前にしてあなた方は言いにくいかもしれませんが、これをはずしても現在公序良俗に反し、あるいは射幸心をそそるというような心配はないと思うかどうか。警察当局の率直な御意見をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/127
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128・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはこういうことだと思います。たとえば賞品などの出る場合は、射幸心をそそるという例に当りますが、そういう賞品などをしないという場合におきましては、これがはずれるところの効果は、場所の制限、時間の制限、これがなくなるという効果を持つわけであります。その点につきましては、われわれといたしましては、場所をどこに設けていいかどうかという点については、いささか疑義を持つ、踏み切りがつかないというのがほんとうの姿でございます。ところが、いろいろ関係業者の方でそういった点は心配がないようにする、いたずらに夜おそくまでやるというようなことは、お互いの国民の生活上好ましくないということは関係業者もよく御理解になっている、こういうお話の趣きでございますので、それを期待すれば、そうさしたる支障もなかろうかと、こう思うのが本心でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/128
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129・伊能芳雄
○伊能芳雄君 今までの取締りから見て、昔は正直なところかなり賭博があったのであります。これはかけ玉突きがずいぶんあったのです。近ごろは業者から聞くと、非常によくなってそういうことはないというのですが、警察当局ではそういう統計というか、統計はかなりむずかしいでしょうが、風俗営業、ことに玉突きで賭博があったというような、こういう特別書き出した統計というものは得られないかどうかということ、もう一つは、今の時間の問題で、近所であの所ではやはりうるさいというような問題がマージャンなどにもちろんあるのですが、かなり人家が近くにある下町地帯におきましては、その玉でも必ずしもうるさくないとも言えないという人もあるかもしれません。そこで、この機会に、いつまでもおそくまでうるさいことが起るというような、そういう心配されるような、今まで違反行為があったら、それの統計は別に書き出すわけにはいきませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/129
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130・中川董治
○政府委員(中川董治君) これは私どもも、常々法律を執行しておりますもののいつも気にしていることでございますが、この統計という点の古い関係が詳細に判明しないのでございますが、私ども、こういう点を研究するために、昭和二十九年一月一日から昭和三十年三月末日まで一年三カ月——十五カ月間になると思いますが、十五カ月間の間に、玉突き関係者の方で法令違反が百五十七件、それから行政処分を受けられたのが四件、こういう統計の状況でございます。それがずっと昔の状態との比較を、資料があれば非常に御参考になろうかと思うのでございますが、残念ながらこの関係はずっと前の関係でございますので、はっきりしないのでございますが、私ども十数年警察官をしておりますので、その感じで申しますと、後前の違反の状況に比べましては非常に減っておるのではなかろうか、こういうふうに思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/130
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131・秋山長造
○秋山長造君 刑事部長の今の、以前に比べて減っておるという理由は、以前にはパチンコ屋なんかはあまりなかったのでこれに集中していた。戦後はパチンコが非常にふえて、そちらの方へ吸収されて、こちらの方はどっちかというとひまになってきた、手薄になる、そこで、従って違反なんかも少くなった、こういうように理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/131
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132・中川董治
○政府委員(中川董治君) 違反が少くなった原因は、すべての違反が同様であるごとく多元的ですから、一元的にこれだけというわけにはいかぬかも。しれませんが、秋山委員の言われることも一つの理由であろうとわれわれは思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/132
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133・秋山長造
○秋山長造君 独立した玉突場として、玉突きだけやっているところが一番多いだろうと思うけれども、しかし、玉突場がマージャンだとか、パチンコだとか、その他の娯楽施設と一緒に抱き合せてやっているようなところも相当あるのじゃないかと思うのですが、大体、全体の何割くらい他の娯楽施設と抱き合わせでやっているところがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/133
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134・中川董治
○政府委員(中川董治君) この業態の兼業関係の御質問でございますが、重要なことだと思うのですが、その間の統計がぴたっと正確にないのでございますが、大体、玉突き業者は他の兼業も若干ございますが、他のパチンコ屋その他と兼業していない例がむしろ多いんじゃないか、こういうふうにわれわれは理解しているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/134
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135・秋山長造
○秋山長造君 その兼業が少いとおっしゃるけれども、少いでも少いようがあるのですけれども、たとえば、これを玉突場をこの通りはずしたとして、その兼業なんかでも入る、そうすると、同じように、同じ屋根の下で並べてやっておって、この玉突き以外のマージャンやパチンコなんというものは依然として風俗営業取締法の厳重な取締りを受ける。それから片っ方の方は受けないというようなこともできてくるわけですね。そういう場合と、それからもう純然たる玉突き一本で、先ほど提案者のおっしゃったような、きわめて、どちらかといえば健全娯楽だというような色彩が強い玉突場との間には、やはり若干の取扱いの上で区別をつけてみてもいいんじゃないかというように思うのですがね。そういうことが現実的にできることかできぬことかということも考えなければいけない。そういう面は警察の方から考えられた場名に、どうお考えになりますか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/135
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136・中川董治
○政府委員(中川董治君) 秋山委員の御意見まことにもっともと思うのですが、これはわれわれ法律を執行している技術者といたしまして、いつも考える点でございますが、そういう兼業の場合は、理屈になって恐縮ですけれども、たとえばマージャン屋と兼業していると、マージャン屋を営業しているものについては許可制度と、そこに兼業された玉突きであって、その玉突きについては全然健全スポーツとして場所を提供して施設を用いるだけだと、こういうものにつきましては、許可の対象にならない、こういうふうに厳然と頭を整理して処置すると、こういうふうに理屈に基いてやるべきだと思いますが、実際問題といたしましては、そういう兼業のような場合の多くが賞品が出ている場合が多いので取り締る。私が今申しましたような基準で、両方とも対象になる。専業でやっているものについては、おおむね賞品などを出さないで、全く物理学の技術を利用してやっている場合が多かろうと思いますので、先ほど私が理屈に申し上げました観念に基いて事を処理いたしたいと思いますけれども、その適用の結果は、おおむね専業者の方には賞品など出ない例が多い。兼業の場合には比較的そういう例が、そういうように適用になる場合があるだろう、こういうことが概括的に言えようかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/136
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137・森下政一
○森下政一君 私不案内なんで一つ教えてもらいたいのですが、現在の取締りによると、場所と時間の制限を受ける玉突場というものがはずれると——場所と時間の制限を受けなくなるということでしたが、現状ではどういう制限を受けておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/137
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138・中川董治
○政府委員(中川董治君) これはちょっと法律に基いてお答えいたしますが、営業時間、営業の構造設備等について、都道府県は条例に基いて制限することができることになるわけであります、この風俗事業の対象の営業につきましては。それで各府県条例を設けまして、それぞれ条例を作っておるわけでございますが、条例の多くは、たとえば学校から三百メートルの地域においては風俗営業の営業を許可してはならない、それから夜十一時をこえて営業を認めてはならない、こういう条例を作っているのが大部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/138
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139・森下政一
○森下政一君 そうすると、つまり中心になるのは学校ですか。今考えられておるのは、学校から何メートル離れなければならぬとか、そういった教育施設だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/139
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140・中川董治
○政府委員(中川董治君) これは条例で定めまするので、若干府県によって差異はございますが、一番該当の多い例を申しますと、学校から何メートル、病院から何メートル、ところによりましては、官公施設から何メートルというのをとっている例もございますが、一番該当の多いのは、繰り返しますが学校、病院が多うございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/140
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141・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、学校、病院から何メートルという制限を今受けているのが、これを抜けばその制限がなくなるわけですね。それで業者の自粛に待つということになるわけですね。で、ここで、しいて取り越し苦労をすれば、たとえば、今ここに書いてあるように、全国撞球組合連合協議会というような全国組織がある。こういう組織はやっぱり風俗常業なら風俗営業という一つのワクにはめられたという点で、利害関係が大体共通しているから、全国的な組織というものが成り立って運営されてきたんだろうと思う。ところがもう玉突きに関する限り、そういう一定のワクというものがなくなるわけですからね。そうなるとやっぱり、現在どの程度強い組織か私よく存じないのですけれども、かなりこの全国的な組織のワクというものは弱められていく、ばらばらになるのじゃないかと思うのですよ。そうなると組合の方で自粛をするということを、この席で非常に責任を持ったお話ができておるけれども、しかし、実際問題としては、組合としてそこまでの責任を全国末端まで徹底してかって出られるということが一体できるのかできないのか、組合の方でまたそういうことまで一人々々に対して強制できるほど強い何か規律でもあるのかどうか、その点ちょっと提案者にお尋ねしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/141
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142・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) 現在のところ、全員組合に参加いたしておるというわけには参らぬのでございますが、たとえば、名古屋のごときは、九九%までは組合に入っておりますというところもございますし、さらにこれから強化していこうとしておるので、将来の実績を見ていただかなければわからぬと思いますけれども、もとよりこの開放をされるということになりませば、十一時の営業時間なども、重要な都市におきましては騒音防止法などもございますし、こういうものに準拠いたしまして自粛をしていこうというようなこととか、あるいは今病院の付近に出願をいたすような場合には、組合の規律をもってこれを制止する、そうするとその制止にがえんじないような者には、ラシャの配給とかあるいは器具の販売を断わるとか、おのおのこの全国連合協議会の内部の機構をもって実績を上げていくと、こういう建前でおりますわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/142
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143・秋山長造
○秋山長造君 今のお話は、ラシャの配給をとめるとか器械をどうとかいうお話でしたけれども、これは戦争中のような非常に物の乏しいときで、しかもこういういろいろな統制的な性格を持った組合なんかががんばっておったときなら、これはその面から相当強い規律を押しつけていくことができたかもしれぬけれども、しかし今日の社会情勢で、その程度、今おっしゃったことでも、この組合として実際に実行されるということは、よほどこれは骨が折れることだろうと思うのだけれども、実際そういうことを組合としてやれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/143
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144・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) 最近の撞球の営業をいたしております者は、だいぶ従前と異なっておりまして、昔は女性が別業にやっておったり、あるいは男性でも本業としてやっておりますような者は少なかったのでございますが、近来は、一つの企業といたしまして、しっかりした主人がこれを経営するようになって参りましたので、皆様方の御心配になっておりますような点は、比較的相談のまとまり方もスムーズでございますし、効果も上ると自信をいたしておりますわけで、従来佐藤榮作君が全国のビリヤードの協会長をしておりましたが、現在では高石真五郎君が会長でございまして、前会長も現会長もこの点に対しましてはきわめて熱意を持っておられますので、御期待に沿えると考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/144
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145・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/145
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146・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/146
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147・森下政一
○森下政一君 私は実は玉突きをやったことがないので、こういう法律を審査する有資格者ではないと思うのですが、一体賞品をかけるとか何とかいう射幸心をそそるようなことのない玉突き屋ですね、そういうようなものでも学校や病院から敬遠されなければならぬような騒音を立てるものなんですか、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/147
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148・眞鍋儀十
○衆議院議員(眞鍋儀十君) 私は実態を見ないのでございますが、アメリカのハイ・スクールではこれを正科に認めてくれておると申しておりますので、はやったもとから申しますと、大へん上品なものであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/148
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149・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/149
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150・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 速記を起して。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/150
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151・伊能芳雄
○伊能芳雄君 それからもう一つ伺いたいのは、警察当局は、これがなくなったに場合に、時間や何かが、これをかりにはずしても、風俗取締りにするかしないかの問題なんで、風俗的な接客的な業態だということは間違いない。それからさっき学校に近いとか、あるいは時間をおそくまでやっちゃ困るとか、こういうことは、自粛といったところで、業者代表としても、おそらく全部そういうことは守りますとは言えっこないことなんで、そういう点について、射幸行為は心配ないけれども、風俗的な立場から、接客業者としての立場から工合が悪いというようなときの取締り方法は何もなくなるわけですか。つまり、この「その他」云々というのは、射幸的な行為があったときに初めてこれに入るので、他の、時間がおそくまで営業しておるために近所でうるさいとか、あるいは学校や——そういう非常な上品なものだというのだから、学校の近くでもいいのかもしれないが、こういうもののそばでは適当でないというようなときに取締りの範囲に入れるわけにいかないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/151
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152・中川董治
○政府委員(中川董治君) 事柄ごとに違うと思うのでありますが、音の点はいろいろ問題があると思いますが、玉突きそのものずばりが大へん高音を発するというものではございません。ところが玉突場によって、人が集団して、そのためにやかましくなって人が迷惑するというような点があろうかと思います。そういった点は、これは騒音防止の関係になると思いますが、騒音防止に関しましては、国の法律はございません。ところが、地方公共団体におかれて、たとえば東京、横浜等の公共団体におかれましては、騒音防止条例がございますので、騒音に関する部分であり、しかも騒音防止条例の設けのある公共団体内におきましては、騒音に関しては可能でございます。それ以外に、たとえば学校の近所にこれを設けていいか悪いかという問題は、これはいろいろ考え方があり、いろいろ皆さんの御意見があろうかと思うのでありまして、私たちもにわかに意見を申し上げる自信はございませんが、かりにそういうような学校とか病院のそばにあることが好ましくないということに結論がなった場合におきましては、この法律からはずれると、法律の権力に基くところの措置はなくなると、こういうことになろうかと思います。ただし問題は、そういう賞品などを作ってなにするやつは、これは別でございますが、単純に設備を設けて玉突きをやる事柄が病院のそばであっては困るかどうかという問題は、甲論、乙論いろいあろうかと思うのでございますが、私どもそのことずばりについては、相当人によって意見が異なる問題ではなかろうかと思うのであります。その点は健全な常識で御判断を願うのがよいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/152
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153・伊能芳雄
○伊能芳雄君 それからもう一つ、こういうことはあまり今までないかどうかしりませんが、何というのですか、カウンターというのですか、勘定する子供ですね、あれを若い女を置いて淫売行為をやるというようなことが、かりに客集めをしておいてそういうようなことがあるとすれば、これは普通のその他の密淫売というような問題として取り締る以外には方法ないわけですね。風俗営業の中にはそういうことがありそうだといっても、入れるわけにはいかぬのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/153
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154・中川董治
○政府委員(中川董治君) 売春行為の点につきましては、今衆議院で御審議願っております売春立法の問題かと思いますが、それ以外の点は、この風俗常業取締法の第一条第一号の「客席で客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる」場合、たとえばお嬢さんがそこでビールなどを持ってきて盛んに飲食をさせる、こういう場合におきましては——そういう例があるかないかは別といたしまして、そういう実態の営業があった場合におきましては、風俗営業取締法の第一条第一号の該当ということになろうかと思います。盛んにビールなんかでお嬢さんが接待する、こういうことになりました場合には、現行風俗営業取締法の第一条第一号に該当する、こういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/154
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155・石村幸作
○石村幸作君 風俗常業取締法のことですが、第二条の三項にある許可の更新ですね。パチンコなんか一カ月、ところが料理店のごときは三カ月、これは三カ月経過すると効力を失うとなっておるが、これは事実この通り実施しておりますか。料理店が三カ月ごとに全国的に許可を更新している——非常にわずらわしいことでもあるし、しかしこれを事実実施しているのかどうか。同時に、これは兼業の場合でも同じでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/155
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156・中川董治
○政府委員(中川董治君) 御指摘の点は、これは最初の法律案にはこういう更新はなかったのであります。政府提出法律案では、こういう更新などという制度なしにずっとやってきておったのでございますが、昨年でしたか、一昨年でしたか、その点ちょっと記憶がないのですが、ごく最近の機会に、国会の議員立法でこの更新の制度ができたのでございます。それでまあ責任は転嫁しませんが、議員立法の方で、そのときの立法では、一号の待合、料理屋の類は更新制度なし、二号のキャバレー、ダンスホールなども更新制度なし、三号の玉突き、マージャン、パチンコ、その他設備を設けたという三号の事業について更新制度をお定めになったわけでございます。従って、一号の料理屋の類は更新はしておりません。二号のダンスホールも更新はしておりません。三号のマージャン、玉突き、パチンコにつきましては、あれは衆議院発議だったと思いますが、衆議院発議、当院に御協賛願った改正法律によって、更新制度が行われておる。法律がきまりました以上は、われわれはそれを忠実に実行しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/156
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157・石村幸作
○石村幸作君 そうすると、この法律ではそれはわからないですね、政令か何かでそれを分けているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/157
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158・中川董治
○政府委員(中川董治君) 法律には——お持ちでございましょうが、二条の三項に「前条第三号に掲げる営業に係る」と、こうなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/158
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159・石村幸作
○石村幸作君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/159
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160・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) それでは本法案の質疑は次回に譲ることとして、本日はこの程度で散会することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/160
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161・小笠原二三男
○委員長(小笠原二三男君) 御異議ないと認め、散会いたします。
午後四時二十四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214720X01719550708/161
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