1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月三十日(木曜日)
午前十時四十六分開会
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出席者は左の通り。
委員長 新谷寅三郎君
理事
長島 銀藏君
木下 源吾君
松原 一彦君
委員
井上 知治君
植竹 春彦君
木村篤太郎君
中川 以良君
中山 壽彦君
上林 忠次君
野本 品吉君
加瀬 完君
千葉 信君
田畑 金光君
小柳 牧衞君
堀 眞琴君
国務大臣
国 務 大 臣 大久保留次郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
政府委員
行政管理政務次
官 森 清君
行政管理庁次長 山中 徳二君
行政管理庁管理
部長 岡部 史郎君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 川島 孝彦君
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本日の会議に付した案件
○行政機関職員定員法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/1
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002・千葉信
○千葉信君 大久保さん御出席ですから、非常勤職員の給与の問題について、この際若干お尋ねをしたいと思います。
衆議院における恩給法の一部を改正する法律案の審議に際して、国務大臣から非常勤の職員に対して有給休暇を与えるという問題について目下研究中という答弁がございましたが、この問題についての処理は、当然現在の法令等の関係から行きますと、人事院等との連絡なしには解決のつかない問題だと思うのですが、大久保さんはこの点どういうふうに今推進されておられますか、承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/2
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003・大久保留次郎
○国務大臣(大久保留次郎君) これはもうその問題ざっくばらんにお話します。実は官公労の諸君がこの間運動を起す前にこられまして、私どもに十数九条ですかの要求書を出しまして、印刷物を出しまして、その印刷物について検討してみますると、中にはなかなかむずかしい、予算が伴って実行むずかしい問題がだいぶあったのであります。しかし少しくらいの犠牲を払って何か官公労の諸君の希望を満たすことができるような項目はないだろうかというので、これは私の方だけじゃいかぬからして、人事院の人にも来てもらって人事院の人と研究してみたのです。こういうことならどうだろうということで一つの問題点になりましたのは、今の休暇の問題であります。ちょうどそのときに休暇が続きまして、これはこんなに休まれては困る、月給をもらえないで困るという声があったときで、その問題をとらえまして、一つこれは非常勤職員にもある程度の有給の休暇、月給を払う、給料を払う休暇を与えたらどうだろうという問題もあって、ではこれはさっそく人事院の方でも取り上げて研究するというので、まあ何日にするか、普通の公務員は二十日になっておるが、二十日では少し多いから何日にするかというので、日数がまだ折り合わぬで決定にはならぬと思いますが、この点は人事院とも十分打ち合わしております。手続は人事院の方からおそらく決定次第あるものと思っております。そういう経過であります。そのうちに私は実現するものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/3
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004・千葉信
○千葉信君 大臣がこの問題を誠意をもって解決されようとしていることは私も了とします。しかしただ、今のような漠とした御答弁では国会の審議として私は少しもの足りない点があると思います。今、大臣もおっしゃるように、有給休暇は国家公務員諸君には一年間に二十日間与えられております。そのほかに休日があることは大臣も御承知です。しかし有給休暇以外の休日の問題は別としても、この有給休暇の関係から言いますと、大臣のおっしゃるように、なるほど二十日間、従来同じ国家公務員法の適用を受けている一般職の職員である非常勤の職員の場合全然認められておらない。これは大臣もおそらくこの前も御質問の際に申し上げましたから御承知だと思うのですが、非常勤の職員の場合には人間扱いされておらないという事実がある。御承知の通り、労働基準法等によると、一年間以上勤務した場合には一年間について一日ずつふやして行く、そうして六日の最低の有給休暇が七年間勤続することによって出ております。ところが現在の非常勤職員の数を見ますと、六ヵ月以上勤務したものが、六ヵ月以上勤続しているものが、推定、これは人事院の調査ですが、二万六千人おるわけです。これらの一般職の職員が一般の労働者の労働基準法における最低の保障の程度も現在与えられずに来ているわけですから、従ってそういうものを基準として考えますと、私は大臣の立場としては大体その有給休暇の日数はどれくらいというふうにお考えになっておられるのだろうか、その点を承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/4
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005・大久保留次郎
○国務大臣(大久保留次郎君) まだ先に申しました通り日数は決定しておりませんですけれども、まあ五日ないし十日間くらいのところへ落ちつくんじゃないか、まだはっきりしません。もう一つ、ついでにお話しておきますが、非常勤職員の待遇についても、この夏解決した問題が一つあるのですが、これも実はこの間官公労の代表が来ましたから、これは内々に話しておきましたのですが、従来は非常勤職員は一ヵ年以上勤務したものでなければ期末手当というものは出さなかったのです。一ヵ年以上でなければ、これは人事院によってきめられておったのですが、今度やはりそれを人事院と相談の結果延ばしまして、六ヵ月になったものには期末手当をやってよろしいということに面して、この夏から実施してあるはずです。これもやはり先に申しました官公労の諸君が要求を出した点について、検討の結果やってやろうじゃないかということで、これもつけ加えて御参考にお話しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/5
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006・千葉信
○千葉信君 まあ期末手当の問題の全面的な解決の一歩を踏み出しておられることは大いに私も賛成ですが、しかし今の有給休暇の問題について、大臣のおっしゃるような解決だけでは、その有給休暇自体の日数についても不満がありますし、同時にまた一週間ごとに与えられている日曜の休日、この日曜の休日に対しては、人事院規則によって有給休暇は認めない条項に制約されて給与が支給されている。実際上は大臣も御承知のように、日々雇い上げということではありますが、しかしこの間も農林委員会との連合審査で、はっきり質疑の中で出て来ましたが、国民の利害に関係のある、まあ具体的に言いますと、米の検査をこの日々雇い上げの職員が担当しているという事実さえも明るみに出て来ているのです。しかもその職員は日曜日に対しては全然無給だ。この点もまた非常に私は一般職の職員の定員、もしくは非常勤職員との均衡から考えますと、極端に不利益に扱われている。この点について大臣はどういう解決の方法をお考えになっておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/6
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007・大久保留次郎
○国務大臣(大久保留次郎君) 先ごろ申しました通り、適度な、解決できそうな、予算があまり無理でないような点から解決して行きたいと存じまして、一歩々々やっているような次第であります。今あなたの言われました点ついてはまだ具体的に案が出ておりませんが、また私があせっても、これはやはりあなたの言われました通り、人事院という相手がありますので、ここで言が一致しませんとできませんので、なるべくあなたの言うように、希望する方向に進みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/7
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008・千葉信
○千葉信君 大臣の御答弁で私はその点は賛成ですが、ただしかし、こういうことを大臣によく知っていただかなければならないと思います。今、大臣の御答弁を聞いておりますと、予算の関係等もあるからというお話ですが、今の現行法令から言いますと、非常勤職員の日曜、祭日等に関する給与の問題については解決の方法があるのです。解決の方法があるということは、給与法の二十二条で律せられているこれらの日々雇い上げになる職員の給与等は、これは大臣も御承知のように、日額できめられることになっております。しかしその日額のきめ方は、どういうきめ方をするかと言えば、この前の委員会でもちょっと申し上げましたが、他の職員との均衡をとってその給与の日額を決定しなければならないのですから、他の職員との給与の均衡をとるということは、他の職員との場合に、日曜、祭日に対する給与は月給の中に含まれているということになりますと、実際の労働日に対応して、その月額を支給するという方法をとらなくちゃならないはずなんです。法律の建前はそうなっているのです。ですから、その限りでは現行法令で解決できるはずなんです。この点は何も人事院関係なしに、大臣の権限で、大臣が担当される給与の権限の範囲内で解決できるわけなんです。ところが私はこの問題で大臣を追及しなければならないのは、大臣の所管しておられる部門の中で、予算の問題も何も問題なしに解決できる状態になっているのです。それはどうしてかというと、ほんとうに給与法の二十二条を適正に執行するというやり方です。大臣は予算がないじゃないかと言うかもしれませんが、どっこい、その問題については大臣も御承知のように、人件費としては七百人とか、八百人とかという人件費を計上しておいて、その人件費でもって三割増し、四割増し、ですからたまたま起った恩給局等の問題は、あそこでも御承知のように七百八十人ばかりの人件費、その人件費で千人近くも職員を使っている。ですから、これは給与法の二十二条を踏みにじってそういうやり方をやっているということなんです。これが単に恩給局だけじゃなく、私の知る限りでは政府部内のあらゆる非常勤職員を使っている官庁ではその手を使っている。つまり一定の限度内で計上された人件費を人員をどんとふやして使っている。ですからどんとふやし使っているから、当然給与法の二十二条によって、月給を実際労働日に割当てて日額をきめて使って行けば合理的にやって行けるのに、今のような問題が起ってくる。ですから、これは大臣がそういうやり方をしてはいかぬということで、今直ちにやろうとすればできることなんです。この点一つ大臣に誠意をもってこの際御答弁を願いたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/8
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009・大久保留次郎
○国務大臣(大久保留次郎君) 次は予算の編成と予算の執行については、ほとんど各省大臣がやっているようなわけであります。私は給与大臣という名前は奉られておっても、ほんとうを言えば争議係ですよ。(笑声)争議の現状を緩和するということで、私は予算の編成権、予算の執行権というものは僕にないんです。それまであれば、もっとあなたを満足させ、あるいは喜ばせるだけのことができると思います。それがないから実に苦労です。しかし実際あなたの御希望でありますから、私は各省大臣とよく相談いたしまして善処したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/9
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010・千葉信
○千葉信君 私は今までの大臣の委員会における答弁等の状態からして、おそらく問題がここまでくると、大臣は今のような答弁をされるだろうということを予想しておりました。そこで私は総理府の方へ連絡をとって、大臣の所管しておられる給与というものは一体何か。今おっしゃるような、単に予算の編成権、執行権も何もないし、また争議が起ったときの争議係という格好で処理すれば、それで大臣の担当している職務は十分なのかということは、私はあらかじめ連絡して聞いております。それによりますと、大臣はそういう給与のやり方をしていることを、やらせるもやらせないも大臣の権限にあるのです。大臣はそういう不当な給与を支払っているという事実に対して、大臣はそれを監督し、そういう問題を是正する権限を実は与えられているのです。大臣が知らなければ私が大臣に教えて上げますが、そういうことになっているのです。ですから、そういう意味からしますと、予算の編成権も予算の執行権も大臣にはないとしても、今のような具体的な事実がある以上、大臣は給与の引き上げ、引き下げということを大臣の手元において解決しなければならないと同じように、そういう問題に対しては大臣は大臣の権限で解決できる立場におられる。これは私は総理府の方からはっきり連絡をとって聞いておるのですが、ただいまの大臣の御答弁は、大臣の権限と食い違うようですが、私は間違いなく申上げておりますから、重ねて大臣はもう少し自分の権限に自信を持って答弁をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/10
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011・大久保留次郎
○国務大臣(大久保留次郎君) あなたの言われるような事実のありましたのをよく調査して、あなたの御満足な方向に進めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/11
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012・千葉信
○千葉信君 私は大臣が誠意をもって御答弁されておるものと認めて、その解決の時期の一日も早からんことを願いながら、委員会においても今後機会あるごとにこの問題についてその解決方を促進することにして、大臣に関する質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/12
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013・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 大久保国務大臣に対する質疑は他にございませんか……。速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/13
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014・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/14
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015・千葉信
○千葉信君 行政管理庁当局に御質問申し上げます。この間の連合委員会におきましても、岡部さんの方から私としては容易ならない内容を含んでいる御答弁を聞いたと思っておりますが、今、大臣のおらない席上で御質問を申し上げるのですから、私としては政務次官の御答弁なり、岡部さんの御答弁なり、その他の政府委員の御答弁なりが、行政管理庁として大臣のかわりに当然責任を持った御答弁をいただけるだろうと思いますが、そう確認して差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/15
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016・森清
○政府委員(森清君) よろしうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/16
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017・千葉信
○千葉信君 この間の連合委員会の審査のときの岡部さんの御答弁に関連するのですが、その農産物検査法の第九条に関係する云々の事項は、所管の関係もありますから、私はこの問題をむし返すつもりはありません。しかしここで問題にしなければならないと思うのは、あのときに御答弁になりました中で、現在の状態では定員法の制定等によって実際上発生した当時の非常勤職員、もしくは常勤労務者そのものと、現在の状態では実質的に内容が変って、定員内の職員、もしくは正規の職員と何ら変りがない重要な仕事を担当している、こういう御答弁でしたが、これはこの通りに確認してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/17
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018・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お答え申し上げます。その問題につきましては、この前も申し上げました通り、定員法が規定している行政機関の定員以外に、二十五年に至って常勤労務者と人事院が呼称する一種の政府職員のグループが出て参り、それが二十七年におきまして、さらに予算科目としても常勤労務者給与というものが創設されて、さらにこの制度が確認されて参った。しかもこれらの常勤労務者というものは、当初人夫、作業員その他これに類する単純なる労務に従事するものというような限定がついていたのであります。従いましてそれが、それは主として現業官庁におったわけでありますが、それがここ数年のうちに次第に各省にまたがって各省に共通に出て参りまして、その中にはすでに定員法上の職員が占める。ポジションと同様のポジションを持つものが出て参りましたので、すでに行政管理庁といたしましても、これを定員法の職員の中に繰り入れたことがしばしばございますし、今後も定員法の中に繰り入れるのにふさわしい職員がございまするならば、これを繰り入れる努力は今後も継続するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/18
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019・千葉信
○千葉信君 ただいまの御答弁でわかりましたが、一体行政管理庁としてはそういうお考えで仕事をしておられて、今回再び定員法に関する改正法案をお出しになられたのですが、その際に今おっしゃるようなそれぞれの職種とか、それぞれの職員が、今おっしゃるような条件に適合しているもの等に対して十分な検討を行なって、適正を期して今回この改正法案を出されたとは思えないのです。岡部さんも同席しておられる席上で、各省の責任者が実情に適合しておらないということを正直に言っておられる事実があるのですが、この点についての食い違いはどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/19
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020・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 私どもが定員法の定員を確定いたします場合におきましては、各省と十分打ち合せまして、各省の定員主管当局と十分了解の上、各省の本年度における、あるいは来年度における、新年度が始まる前でございますから、明年度における定員は、欲を言えば切りはないし、理想を言えば切りがないけれども、その省、その省の諸般の事情から考えて、この点でがまんできてる、定員はこの点でがまん至るという点につきまして、話し合いの上で定員法の今の原案を確定し、関係大臣合同詮議いたしておりますので、この定員は現在の事情のもとにおいては一番お互いにがまんできる程度のものである、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/20
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021・千葉信
○千葉信君 行政管理庁ではがまんできるという、政府部内の職員についてはこれくらいでがまんできるというあなたの方の考えは、必ずしも仕事全体は定員内の職員ではまかない切れるものではない。しかし実在する非常勤労務者、もしくは非常勤職員等の関係からいけば、仕事はやって行けそうだと、こういう認識の上に立つわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/21
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022・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) その点は私ども定員法の外に常勤労務者、あるいはそれ自体矛盾する言葉でありますが、常勤的非常勤職員などと称せられるものがある事実は知っております。先ほど申し上げました趣旨から申しまするならば、本来定員法の中に繰り込むべきものならば、これは繰り込むべきでございますが、その常勤労務者がやっている職務内容というものが、その年度におきまして果して、まだ定員法の中に繰り込むのに早いか、あるいはすでにもう繰り込むべきかということにつきまして論議しているわけでありまして、どうしてもこれが関係省との話し合いで定員法の中に繰り込むべきものであるということになれば、先ほど申し上げました通り繰り込むし、まだこれがその役所の恒常的な業務の規模の中に織り込まるべきものであるかどうかということを、一つ一年間見ようというような場合におきましては、これを常勤労務者、あるいは非常勤でみるということは、私は現実としてやむを得ないことであろうと思うのであります。先般のサイロの職員に対しては、いろいろな事情が今となってはだんだん判明して参ったかと思いますが、新しい仕事の関係で、とにかく常勤労務者で一応はできるだけ見ようというような建前になっていたと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/22
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023・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ちょっとお待ち下さい。
お諮りしますが、堀委員も田畑委員も大久保国務大臣に対する質疑はもうないそうであります。大体大久保国務大臣対する質疑は一応これで終わったと考えまして、大久保国務大臣の御退席をしていただいてよろしうございますか……。ではどうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/23
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024・千葉信
○千葉信君 まあ岡部さんの立場からすれば、それ以上の答弁はなかなか答弁しにくいと思うのですが、しかしその一年間状態を十分見てから、それからその職員を定員化すべき筋合いのものが、仕事が恒常的になっているのかどうかということを十分検討した上でこれを定員に入れると、そういうことですがね。しかし行政管理庁の権限の中に、それから分掌規定の中に、各省における業務運営の実情等を十分監察し、もしくは勧告、勧告ということはついておるのです。まあそういう仕事も行政管理であるわけです。で、行政管理庁はそういう立場で各省の仕事を見ていて、今のような御答弁は私は実情を無視した御答弁だと思います。一体常勤労務者なり、非常勤労務者の使役の状態を見ますと、そんなに言うほどなことを努力しておられない実情に私はあると思うのです。あなたは今一年ぐらい大体その状況を見ていて、それからこれを定員化すべきか、定員化すべきでないか、これを決定するというお話しですが、政府の方からいただいている資料によっても、常勤労務者として永年にわたって勤続している職員は現在二万四十人いるのです。各省にいるのです。それも去年やおととしのことじゃないのです。ただいまの御答弁では一年ぐらいということですが、こうなりますと、実際上は答弁と食い違って来ておると思うのです。それからまた非常勤職員の場合も同様です。日々雇いだと言っても、はっきり六ヵ月以上、一年以上という職員、数も私の方で調べがついて、しかもこれは政府の方の資料によって調べている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/24
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025・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) その点につきましては、私その一年ぐらい様子を見ると申しましたのは、すべてについてではないのでございまして、政府が新しい仕事をするにつきまして、その基幹要員は、これはもう定員の中に繰り入れなければなれぬことは明らかであります。たとえば、一つの事業を始めるにつきまして、六十人職員を必要とするか、八十人必要とするか、はっきりしない場合におきまして、その基幹要員として五十人なら五十人、これはもうコンスタントな職員だ。そうしてあと当初事業発足に当っては非常に人手もほしいというような場合において、それは臨時の職員であるから、そのような場合においてはこれは常勤労務者、非常勤職員として使うということは、定員法の趣旨から申して、二ヵ月以内の期間を限って雇用される者はこれを除くというようなことになっておりますから、これは実情に即するのじゃないか。それからあくまでも一つの仕事についての基幹要員は定員法の中に取り入れる。臨時の職員は、これは定員法の中に取り入れる必要はないのじゃないか、ことに業務量が常に増減するようなものは臨時職員としてこれを把握する方が適当ではないかという根本的な考え方であります。ただ千葉さんのおっしゃるのは、常勤労務者と同じ仕事をしていながら非常勤の身分のままでおる者がたくさんおるじゃないか、こういうお説でありまして、現実にそれはその通りなのであります。ただこれは一体どちらが悪いということを私申し上げるわけじゃないのでありますが、定員法を制定いたしました場合におきまして、従来は各省の官吏だけを官制定員と定めていた。雇員、用人は官制定員以外のものであったのを、国家行政組織法及び定員法制定前に、政府職員は政府職員として恒常的なものはその身辺のいかんにかかわらず定員法で把握する。そうして定員法に載らないものは二ヵ月以内の期間をもって雇用される臨時または非常勤の職員だけだ。こういう趣旨だったのでございます。ところがこの規定を利用いたしまして各省で、ちょっとその前申し上げなければならないのは、すべて今後の職員の採用及びこれに対する処遇というものは、公務員法、給与法に基いてメリット・システム、すなわち試験による成績本位で、情実任用によらないのだという建前になっておるわけであります。従いまして、今後は情実任用によることは避けまして、すべて試験任用によって、採用する者を定員法の中に入れて、それを役所の恒久的な職員にするのだ、こういう建前だったわけでありますが、その規定を実際はくぐりまして、二ヵ月以内の期間を限って採用される者については、ずるずると採用を延ばして行ったというような事情もあると思います。しかし私はそれだけとは申しません。その業務の変化に応じまして、中の定員内の職員と同じような仕事をしなければならないような者も出て来ましたので、そういう者につきましては、これを職員の中に組み入れるべきである。しかし定員の中に組み入れるのは、本人を組み入れるのではなくて、その役所の本来ある職務の内容が、そのポジションがふえたのだから、そのポジションを組み入れるのだ、こういう建前であります。その点申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/25
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026・千葉信
○千葉信君 行政官の立場としてはそういう答弁をする以外にないと思います。しかしそれでは定員法制定の時の事情を知らないか、知っていて、そういう自分の立場からする答弁しかできないから、そういう答弁をするのか、どっちかだと思う。どうして一体常勤労務者とか、非常勤職員という制度ができたかというと、これはその発生の事実から見てもわかりますように、当時政治的な目的のために定員法が制定された。しかし政治的なそういう目標を達成するために制定されたその定員法のワク内では、どうしても仕事ができないことは当時からはっきりわかっておった。わかっておるから、この定員法の制定の場合に、第一条に「(二月以内の期間を定めて雇傭される者及び休職員を除く。)」という格好で便法を初めから作っておる。そうしてその便法を作っておいて、その便法を便法として扱って、もう初めから五年とか、六年とか、十年とか、長期にわたって採用しなければならない人たちを、そうしてまたそういう仕事があるから、その人たちを二ヵ月日になると辞令を出して、そうしてまた次の日に採用するということでずっと継続して来た。ですから五年、六年というように、みんなそのまま継続しておる。しかもその対象になっておる職員の仕事は別として、仕事のことについてはさっき御答弁あったように、実際上はみな重要な仕事を担当しておる。そうしてその職員はみな大学出、高等学校出、中学出というような相当有能な職員がその職場で働いておる、二ヵ月以内の期間を定めて雇用されておる。実際上そういうふうなやり方をしておるから、だから退職手当の法律を見ても、二ヵ月ということになると退職手当が支給できないから、次の日にまた採用になった者については退職手当の支給についてはこれを継続する。みなごまかしです。そういうごまかしの法律を作って、そうして退職手当の支給も可能なようにしておるし、日々雇い上げの場合も、次の日に採用された場合には退職手当の勤続期間にこれを通算するというごまかしをやって、退職手当の支給の道を開いておる。退職手当の道を開いておるのではなくて、初めからそういうふうに仕事の一定の量があって、最初の定員法の制定当時から、その定員法のワク内では仕事がやっていけないのです。仕事がやっていけないから便法を講じて、今のようなやり方で二ヵ月ごとに更新し、もしくは日々雇い上げのような格好で、毎回これをずっと半年とか、一年とか、二年とか、五年という人もあるし、十年という人もいます。非常勤の場合にはそういうようなやり方をしておいて、退職手当の問題については直ちに食いつかれるから、これを次の日に雇ったことにしてこれを勤続期間に通算する。この点からしても、一体定員法によってこのワク内で仕事をやって行けるという確信を持っていないことは初めからわかっている。事実がそれを裏書きしておるし、こういう点は何と政府で答弁しても、こういう事実がある以上、今のような答弁では、国民は、特に公務員諸君等は納得し切れないものが残ると思う。それからまた、もう一つの問題があると思う。もう一つの問題というのは、今も答弁の中に出ましたが、公務員法によって公務員になる場合、その機会については均等にこれを何人にもその権利を認め、そうしてその権利は試験制度によってその任用を正確にし、情実任用が行われないように一定の身分を保障する。これは公務員法の建前から、この公務員法は一般職の職員に対して全部適用する。ところが一般職の職員の中には定員内の職員・常勤労務者、それから非常勤者、それが全部一般職の職員である。日々雇い上げの職員等については、これを当時初めから任用のときにはその任命権者が自分の思う通りに勝手な者を連れて来て、試験も何もやらずに使うことができるという制度です。そういう制度ですから、その任命権者は、たとえば恩給局に起ったように試験も何もやらないで、あの臨時職員の中にはたくさんそういう人がいる。そうして使っておいて、しかもその人たちに対しては何ら身分の保障も与えない。十五日間継続して休んだらたちまち首だという内規を恩給局では作っておる、恩給局ばかりではない。そういう格好でせっかく公務員に対しては十分に身分の保障を与えて、そのために責任を持って国家の重要な仕事をやれという立場をとっておきながら、一方にはこういう定員法による便法が、定員法によるインチキがあるのだから、だからそのインチキがあってしかも仕事をやらなければならないから、常勤労務者を使う、非常勤労務者を使う。使っておいてその職員に身分の保障も何もなしにこき使う。しかもその最近の例における最もあくどい例なんかは、自分の思う通りに好きな者を使うとか、給与の額についても任命権者が相当でたらめなことをやっておるということがはっきりしておりますが、そのほかに明らかになって来たことは、今非常勤職員四十二万人大体いる。四月一日現在です。この数字は大体一年間の平均しておる数字です。増減はありますが、大体平均しております。平均しておるその中で、常勤労務者と全く変らない重要な仕事をやっておる、それから全く毎日連続して通勤しておる者、これは六ヵ月以上になると、これらの職員に対しては、やめさせるときに退職手当を出さなければならぬ。ところが四十二万人のうち、そういう仕事をやっておる非常勤職員、常勤労務者と同じような仕事をやっておる職員の数は、四十二万人のうち十二万人という数であります。そのうちから六ヵ月以上継続して勤務しておる職員の数は幾らかというと、これはぐっと減って、推定では二万六千九百六十九人、実際それぞれの職場で調べた正確な数字によると二万六百二十八人、岡部さんは、今推定ではそういう非常勤職員が十二万人と言ったら、そうじゃないというような顔をしていますが、それはもちろんひょっと見ると首をかしげたくなる数字です。全部としては十二万人おりながら、そのうち六ヵ月以上継続して勤務しているものは二万人ということになると、これはだれでも首をかしげる。しかし、これはちょうど給与の問題がその任命権者のほしいままに、七百八十人の予算しかないのに、それを九百九十三人という格好で引き延ばして、そのために不当に安い給与でこき使っておる、この問題と同じように、六ヵ月以上使役すると退職手当を出さなければならない。六ヵ月近くなると、退職手当を出すのがいやだからどんどん首を切っているという事実がある。これは行政管理庁などがそういう事実を知らないというなら、これは行政管理庁の失態だと思うのです。行政管理庁は、行政管理庁設置法からいっても、そういう事実があるか、ないかということを十分監督し、査察をしなければならぬ立場にある。実際にその状態を調べなければならぬ。もう一つの機関では、これはその機関の名を言うことは遠慮しますが、もう一つの機関では、そういう事実があるということをはっきり言っておるわけです。最近顕著だ。六ヵ月以上の勤続者の数が少ないんじゃないか、これは退職手当の関係だなと、僕に突っ込まれたところが、退職手当の関係でそういうことをやっていますという、そういうところがかなりあるようです。ところが岡部さんの言われたような格好で定員法か制定されて、そして常勤労務者、非常勤職員の状態があなたのおっしゃるような状態ならば、そんなに問題は起らない。しかし私の申し上げておるように、定員法そのものが最初から政治的な目的のもとに出発している。しかも実情は全然無視した格好で制定されている。そこにこういう常勤労務者、非常勤職員の問題が起って来ている。しかし先ほどからのあなたの答弁によりますと、行政管理庁としては、大体その職種が今後永続する職種かどうかということも十分勘案し、職員の状態等も考えて定員化すべきかどうかということについては十分考えているということを言っておられる。私はそういう答弁では全然満足できないけれども、そんならそれでもよろしい。しかしここでお尋ねしたいことは、定員を大体改訂する場合、今までの定員法の改訂は、定員法上自体の改訂以外のものも全部総合しますと、二十年の制定以来二十何回か行われております。定員法そのものによる改訂は七回程度ですが、その他の法律で定員の改訂を行われた数を計算しますと二十回以上ある。毎年行政管理庁の方からも定員策定等の場合は、各省の方とそれぞれ話し合いをするということで、各省の方のわがままな言い分も遠慮してもらって、そうして話し合いの上で決定しているということですが、しかしそういう話し合いでもって落ちついているものならば、落ちついて定員法の国会に対する提出となったものならば、私はこの内閣委員会で質疑応答の中に出てくるように、各省の責任者が、実情に沿った定員じゃありません、今度の定員法は実情に沿った定員じゃありませんという言葉は出てこないと思う。それがはっきり出ているんです。速記録にも出ているんです。これだと何かあると思う。行政管理庁と各省との話合いが、あなたのおっしゃるように信用できるとしても、実は各省の間で、その定員に関する予算の折衝等の関係で話合いがつかずに、そういう結論に落ちついたのじゃないか、そういう点はどこかにある。大蔵省と各省の関係なり、各省と行政管理庁の関係なり、行政管理庁と大蔵省の関係のどこかにある。なければ、ああいう不満を表明するような答弁は出てこない。そこで私は具体的にお尋ねしたいことは、一体そういう定員をきめる場合に、行政官管理庁は各省と話し合っているというけれども、実際はどういうふうにしてそろばん勘定が出てくるのか、あなたの方では各省の仕事の関係については十分監督しなければならないのだから、大蔵省との予算の折衝については、あなたの方では十分知っておらなければならない立場なんです。そこで実際上はその定員の大体の結論を出すときの折衝、どういう範囲はで、どういう格好で行われるのか、これを参考までに聞きたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/26
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027・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 定員の案を最終的にきめまして、そうして定員法案の形で閣議へ請議をするわけでありますが、この場合におきましては、関係各大臣の共同請議の形で仰ぎますから、その点におきましては、各省すべてこれに納得した内容のものであるわけでありまして、私各省がこの定員法の内容について強い反対を表明したということを聞かないのであります。ただ、しからば定員の査定がどうやってきまるかと申しますと、これは現在の行政管理の段階におきましては、一様ではございません。千葉さんなんかが専門的に御存じの郵政省関係の職員、これなんかは非常に計教的にはじきやすい数字でございます。それから研究関係の職員、これなんかは割合一つのセットをなしておりますか、一つのグループとしての研究の最小単位があるものでありますから、そういうものは割合にはじきやすい。それから、御承知の通り、結核療養所、病院というような職員の増加、これもきわめて現在におきましては合理的に行っております。民間の病院の医者、看護婦の基準もございますので、できるだけその基準に沿うような形でやって行く、どうしても現業関係の職員は、これは業務量に応じまして査定できるわけでありますが、先ほど申しましたように、今の行政管理の段階におきますと、事務系統の職員の査定ということはきわめて困難です。これはどうしてもそのときの業務員を腰だめで見て行くというようなことにならざるを得ないのでございます。従いまして、それについてどの程度までの予算をつけるかということで、大体予算定員で定まってくるというような形になって参るのであります。しかしいずれにいたしましても、私どもの方と関係各省、あるいは関係各省と大蔵省、私の方と大蔵省というような関係を通じまして増加の方はきめて行く、また定員を減ずる場合におきましても、私の方が関係各省とあくまで話し合いまして、これも業務量に応じまして、最大限度あるいは最小限度の業務量に基く定員を見込みまして、その間の折衝、数次にわたる折衝を経て円満に話し合いのついたところできめて行く、こういうことになっております。今年の定員につきましては、これは私が主として折衝いたしましたので、責任をもって申し上げられますが、関係各省ときわめて円満に今年度の定員の査定は終了いたしました。一応私は関係各省はこれで満足しているという確信を強く持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/27
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028・千葉信
○千葉信君 表面的の取りきめの方法については関係閣僚等が話し合いをするのですから、その話し合いがつかない以上は法律の提案とはなりませんから、それは当然話し合いがつくと思います。それからまた、あなたが責任者として各省と話し合いをされて一応の話し合いがついたということですが、これはそうなくちゃならない。しかし今あなたは、各省からこれに対して強い反対が出ていることを私は知らないと言っておりますけれども、強いか、弱いかは私も知らない。しかし実際問題として、この委員会の席上で、私どもの方の仕事の関係から言うと、今度出ている新しい定員法の定員をもってしても実情には沿っておりませんということをはっきり言っておる。これは反対する、しないにかかわらず、考慮しなければならない問題だと思う。ことに適正な定員を策定しなければならない行政管理庁としては、これを無視して、いや強い反対はなかったなんていってすましているようでは、あなたの方の仕事としてはなっちょらんと思う。そういう事実をとらえて適正な定員の配置にするということが当然必要になってくると思う。その点についての配慮が欠けて、表面上の答弁だけをここでしたって問題はちっとも解決しないと思うのです。やっぱりそこまで行政管理庁は親切な形で仕事をしなければならない立場にあると思う。そうしてその問題については私は大体今までのきめ方についてわかりましたから、この問題については、私はとうていそういう格好であってはいつまでたってもこの定員法に関する問題は解決しないで、いつまでもまごついている問題だから、それではならぬと思うのですね。しかしこれ以上あなたを相手にして渡り合ってみても、あなたの立場からすればそれ以上の答弁はできっこないことはわかっておりますから、この点はこのくらいにしておきます。
次に私がお尋ねしたい問題というのは、あなたの今の御答弁にもありましたように、現在の状態の中では、一応は定員法のワク内で一定の職員が規定されておる。しかしそのほかに予算上の定員というものがある。これは結局は常勤労務者のことを言っておられる。常勤の労務者の問題については、一般職の職員であって、しかも定員内の職員とちっとも変らない待遇なんです。そうしてそれが制度上は予算定員ということで、これは当該各省と大蔵省との直接折衝、おそらくこれはあなた方は多分介入されないだろうと思う。そこで相当多額の人件費が定員内の職員の給与の水準等と全く変らない予算が計上されて、その予算を基礎にして常勤労務者を使っておる。その仕事が恒常的なものであるか、全く臨時的なものであるかということは、これは僕とあなたの間では議論が分れるだろう。あなたの方はそれは臨時的なものだと考えているからよろしいと言うだろうが、実際上はそうでなくて、五年、六年と実際に仕事を担当している職員がこんなに二万人以上もいるということを考えますと、あなたの方の御答弁しようとする答弁は事実上においてくずれてきておる。私はそれをあなたに強引に押しつけようとするわけではないけれども、そういう格好で予算化されている職員を定員化することができないという理由が一本どこにあるのか。あなたがどう答弁されようと実際問題として私が申し上げたような格好になっておる。それを定員化できない理由は予算上にあるのか、身分上にあるのか、仕事の上にあるのか、いずれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/28
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029・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お答え申し上げます。この今、千葉さんから二つの点お尋ねがございましたが、二つとも関連しておると思いますし、それから今私が御答弁申し上げたのは、これは前回からの続きでございまして、前回に私が申し上げたことを前提として今日の具体的なお尋ねにお答えしているわけでありまして、定員法全体の仕組み、もちろん常勤労務者制度も含めまして非常に多くの問題がある。しかしまた問題をほうりっぱなしにしているのではなしに、これは具体的にもかなり解決の、現状の制度は制度として特別の努力は続けている。郵政省における労勤労務者の問題はすでに解決がついているはずでございます。そういうように解決の努力もして参っておりますし、またたびたび申し上げて恐縮ですが、公務員制度調査会の結論を待たなければならぬという筋もあるわけなんでありまして、そういう問題、あるいは今後近い将来においてこれがいろいろな問題を、定員法をめぐって取り上げなければならぬということを前提として現在の状態を申し上げたわけであります。その点は一つ御了承いただきたいと思うのであります。それで、最後のお尋ねの、しからば常勤労務者をどういうようにこれを定員化するかということにつきましては、これは確かに考えなければならぬ問題であります。先刻来申し上げておりまする通り、そこの職員、常勤労務者が現在従事しております官職が、その官庁のきめた本来の規模、職務の内容の中に入る、しかもそれが恒久的に入るというようなものであるならば、私これは定員法の中に入れるべきものである、こう考えております。しかしあわせて問題がありますのは、こういう恒久的な規模をきめるにつきまして、またずるずると、さっきの千葉さんのお話の通り勝手に人を採用して非常勤職員だ、はかま人夫だと言って採用しまして、またずるずるこれを職員にしたのじゃ正規の職員が迷惑します。制度がこわれる場合もあります。そういうことをあわせて考えなければなりません。現在の公務員法の建前は、御承知の通り国家公務員法の中に、これだけの大問題の非常勤職員という言葉は国家公務員法の六十五条に一言あるだけであります。非常勤職員の法制が非常に不備だということ、それから本来よく非常勤々々々と言われておりますが、本来これは臨時職員として解決すべき多くの問題があると思います。臨時職員の制度ということが、これもまた現在の公務員法でほとんど動いていない。その臨時職員の任用期間は半年を限度とし、さらに半年間更新が許されているだけで、これを使えない制度になっております。従いまして、臨時職員制度と非常勤職員制度というものを改めて法制化しなければ、定員法の問題も解決困難であります。しかしこれは政府部内のことであります。関係公務員が多くてもすべて政府部内のことでありますから、これは責任を逃れるわけには行きません。政府部内関係者が十分協力いたしまして、これが解決の方向に向いたいと思うのであります。これは決して私の言い逃れでも何でもございません。さよう御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/29
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030・千葉信
○千葉信君 全く岡部さんの言う通りだと思う。非常勤職員の問題等についでは、単にこれを定員内に入れるという問題では解決しない、全くその通りだと思う。しかしその中でも、常勤労務者の場合には別であって、これは定員内に入れるべきだ。そうしてその他の非常勤職員等の関係については、これはまあ岡部君の言ったように 確かに人事院側の失態もあるし、無責任な仕事の放置もある。たとえば非常勤職員の給与の問題等についても、これはもう人事院規則で規定することのできる条件、しかも人事院規則の制定は、全く人事院にまかせている。ですから私は、今日一時間半以内でやるという制約さえなければ、私は人事官にも来てもらって、人事官に実は食い下って行かなければならない問題もたくさん持っている。しかしそれは別の機会にやるつもりです。お尋ねしているのは、あなた方に直接問題の、関係の問題に限ってお尋ねしているのです。今の御答弁で、私は行政管理庁当局の最終的な見解も、相当今度の定員法についても過大な漏れがあるということは一応は了承しておられるようですから、私はこれ以上限られた時間の中の質問で、これな続行するつもりはありませんが、ただここでまた違った角度から、別な問題についてお尋ねしたいと思うのですが、それは指名退職制度の問題です。これは御承知のように去年の定員法の改訂のときに、特別待命制度から引き続いて臨時待命制度に切りかえられて、そのときに従来まで一年間だったものが最高十ヵ月ということに、こういうふうに不利になった。今度出てきた法律案を見ますと、最高の制限については十ヵ月ということで、一応この点は格別変になっていることはない。しかし私ども正直に言って、今の政府の出してくるいろんな法律案を見ますと、実に油断ならない法律を出してきているのです。表面上は非常に有利に扱ったかのような形式を整えながら、実際上は全体としては不利益に付されている法律案がたくさんあります。失業保険の問題しかり、退職手当の問題しかり、ずいぶんあります。ですから私はそれと同じように、この指名制度の政令できめるという内容についても全く無関心ではおられない問題だろうと思うのです。そこでこの際明らかにしてもらいたいことは、一体なぜこの前の立法のときのように、この制度についてはこの前の立法のようにはっきり書かなかったのか、どうして政令に譲ったのか。それからその政令に譲った政令は、一体どういう考え方を持っておるのか、これをこの際明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/30
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031・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) お答え申し上げますが、この指名退職制度をそもそも作りました趣旨は、昨年の臨時待命制度を採用いたしました場合におきまして、年次計画による厚生省、調達庁及び文部省の職員につきまして、これが第二年度においても不利にならないようにということの趣旨でやることにしたわけであります。そうしてみますると、不利にならないようにといろいろ心がけたわけでありますが、と申しますのは、臨時待命は昨年度限りだ、今年は臨時待命制度はやらないけれども、臨時待命制度の恩典を受けるのと同様にしたい、こういうことをいろいろ考えました結果、まず今度の制度はあくまで強制を廃止する、強制によりまして職員の身分に変動を生ずるようなことになりますと分限制度にもなりますから、今度は全くの話し合いの制度で行くということであります。従いまして、この指名定員外制度は全くの話し合いの制度で強制措置がないということになりますから、強制措置がないということは法律の規定の書き方が非常に楽になるわけであります。強制措置がありまするならば、年限に応じましてきちんきちんと年月も書くべきだったと思いますけれども、強制措置がない以上はこれは規定の仕方が非常に楽だ。不利にならないような最高限あるいは最低限さえきめればいいんじゃなかろうかというような立法技術の問題でありますが、主としてそういう趣旨で、この前の臨時待命制度は勤続期間に応じまして最高十ヵ月から最低一ヵ月まで規定したわけでありますが、このたびは最高十ヵ月にとどめることにしたわけであります。そしてその十ヵ月以内の期間は勤続年限に応じて政令で定めるということにいたしたわけであります。でありまするから、この制度は調達庁、文部省及び厚生省に関しましては、それぞれ来年及び再来年にまで引き続くわけであります。来年も再来年もこの指名定員外制度がこれらの職員については適用がなる。それでそれらの職員は勤続期間に応じまして最長十ヵ月以内の定員外制度の適用を受けるわけでありますが、そしてその内容はそれぞれ政令で定めるのでありますから、来年はもちろん最長十ヵ月でやるつもりでありますが、本年度におきましては、実はこれはもちろん実質は十ヵ月のつもりであります。この定員法ができるときまでは実は六月一日から施行することを予定としておったわけであります。それがいろいろな都合で七月一日から施行するということになりましたので、七月一日から施行いたしますると少し予算の関係も苦しくなるというようなことがありますし、またどうせ退職していただく職員につきましては、早くから転職の機会を与えた方が利益の面もあるじゃなかろうかということで、六月一日から閣議の了解をもちまして便宜をはかろう。公務に支障のない限り便宜をはかろうというような趣旨で、実質的には六月一日から運用するということに考えておりまするので、そういう点におきますると、このたびの政令は最長九ヵ月以下ということにしておりますが、実質におきましては十ヵ月の便宜を与えるということになるのでありまして、これは実は非常にけしからんじゃないかとおっしゃられれば、私それは何とも申し上げようがないのでありますが、ただ実質の話し合いでございますので、話し合いで早く六月一日から職探しをしたり、あるいは六月一日からいなかに引っこもりたいというような人があるならば、私それはしいて拒む必要はなかろうじゃないかというような趣旨で始めたのでございまして、この点不十分だとおっしゃられれば、まことにそういう点があろうかと思いますが、いきさつはそういうような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/31
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032・千葉信
○千葉信君 それはどうも正直に答弁してもらって全く困った問題があるのです。これは明らかに国会を瞞着しておることになるのです。この法律にないことを政府の方で勝手にそういうことをやるということになると問題になる。これはしかし私はただいまの正直な御答弁に免じてその問題はあまり問題にするつもりはありませんが、しかし委員会としてはそのまま聞きおくわけにはいかない。しかしそれはそれとして、これは他の委員諸君に考えてもらうことにしまして、そもそも臨時待命制度、昨年の立法のときにとられた措置自体が私はあやまちを犯していると思うのです。同じ法律のもとで規制されて退職させられることになる職員が、一年前に退職したものについてはこういう制度を適用する、それ以降のものは知らないというのでは、これは昨年の立法自体が誤まりである。同じ法律のもとで規制されて、同じ法律のもとで被害を受ける職員に対しては全く同等の条件が規定されなければならない。ですから、その点はこれは去年のことをやってもしようがありませんから、私はその去年のあやまちについてはこの際は一応仕方がないとしても、今回の場合に、やはりこういう問題については職員の勝手で使役されているのじゃない、結局は政府の仕事を遂行するために、政府の都合によって一年前に首切るものはこれだけの数、その後のものはこれだけのかっこうでという形に分けているのです。従ってそういう意味で、これは利益ということが当てはまるならば、その利益は公平に均霑されなければならない。ところが今度の立法ではその点が一応考慮されていますから、これは了とするけれども、その了とされる中で今のようなことがあるとすれば、これはまた一応問題になってしまう。しかしそれはいいとして、ここで私はお尋ねしておきたいのは、私の聞いている限りでは、実は予算の策定の場合には、これから退職する公務員に対して指名制度というものは予算の中には考慮されていない。予算のワクの中には考慮されていない。それがいろいろの折衝の経過の中から、やっと今おっしゃるような措置がとられるように予算上の見通しがついた。ところがその予算は初めからこういう制度を実施するのだということで計上されたのじゃなくて、そういう話が出てきて、どうしてもこれを解決しなければ不公平だということになったので、この制度をやることについてその予算がよその方からむしりとられてきた。これは全体の公務員からいうと、やはり全体として不利益な扱いになると思う。私はその予算はどこから来たかというと、それは退職金から持って来たのだと思う。今度の公務員に対する退職手当の率から行きますと、明らかに少くとも三%ないし四%、ひょっとすると五%以上あまるというのです。それは今までの退職した公務員の勤続年数、それから今在職している公務員の勤続年数の状態を調べて計算してみると、比較的今度の退職手当の率を下げた公務員の退職の割合は、長期にわたって勤務している職員の退職の場合よりもずっと率が下です。今まで部分的な現象であったものが何か激変でも起らない限り、ずっとその状態は永続すると考えて間違いないと思う。そうなると、最初からちゃんとあまるような仕組で実は退職手当の制度が今度は法案として出て来ている。そこからこの金を持って来たと私は思う。そこでお尋ねしたいことは、そういう事実について、行政管理庁としてはおそらく知らないと答弁するでしょうが、一体この制度を設けるときに、改めてこの分についての予算折衝をしてそれを認めてもらったかどうか。あなたは認めてもらったというかもしらんけれども、私はそれでも疑念を持ちますが、一応ここで御答弁を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/32
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033・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) その点につきましては、御承知の通り、臨時待命制度は昨年限りだという建前だったものであります。しかし国会におきましてはこれは私どもお約束したのでありますが、臨時待命制度は昨年限りだけれども、二年度、三年度にわたるものについてはできるだけ同じような処遇をすることを考える、こう申し上げたわけであります。従いまして、予算の折衝につきましては、関係各省は計画退職者については臨時待命を適用するのと同じような予算を積算して大蔵省に要求したことは、これは当然であります。ところが正直申し上げますと、大蔵省当局としては臨時待命制度というものは、これは昨年度限りの制度だからもう要らぬじゃないかというような査定の段階にあるやに私聞いております。それで両者いろいろ折衝し、私どもの方もいろいろ当然の職務といたしましてこれに関与いたしまして、結局この指名退職制度を実施するのに、六月一日から臨時待命制度と同じような実質を持つ指名退職制度を実施するに必要な予算を計上したということでございます。別にそれ以外の事情はないはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/33
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034・千葉信
○千葉信君 指名制度についての関係各省の方からの連絡があろうかと思うのですが、その指名退職申し出の見通しなり、現況はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/34
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035・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) この指名退職制度が円満に実施されることは私どもの希望するところでありますが、現在のところ厚生省及び調達庁におきましては、この制度の六月中の申し出もごく円満に行っておりまして、この計画通りきわめて円満に遂行される見込みであるという報告を受けとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/35
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036・千葉信
○千葉信君 最後にお尋ねしておきたいのですが、今の国家行政組織法、これは相当古くなっているのですね。それで制定当時の状態から今日まで思い切った改正が行われておらぬ。一方国家行政組織自体の中に非常に大きな変動があったと思います。たとえば国家行政組織の中に防衛に関する行政組織というものが大幅に入って来た。こういうものを抱え込みながら、基本的には全然それを考慮しなかった国家行政組織法でこれを実施して行く。そして国家行政組織法自体の根本的な改変等について行なっていないということは私はやはり手落ちがあると思う。その点について行政管理庁として将来どうするつもりでいるか、その点を一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/36
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037・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 国家行政組織法が昭和二十四年制定以来すでに六年を経過いたしまして、その後の現実の行政機関の実情等にあるいはそぐわなくなってくる。片一方窮屈になってくる。からだとゆきが合わないというような状態になって来ている面もあることは否定できません。私どもといたしましては、かねがねこれにつきまして十分検討いたしております。できるだけ近い機会にそういう点につきましても御審議を仰ぐことになろうかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/37
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038・田畑金光
○田畑金光君 ちょっと関連して岡部さんにお尋ねいたしますが、先ほどの千葉委員からの質問に対して、指名退職制度の運用について閣議の申し合せかしらぬが、六月中にさかのぼって処理するような措置をとった、こういう話でありまするが、私いささか疑問に感じたわけであります。と申しますのは、この定員法を本日中にあげてもらわなければいろいろな面に支障が出てくる、こういうような話で、われわれも一生懸命に遅くまで審議をして努力をして参ったわけでありますが、ところがこの法律案は七月一日からどうしても施行しなければならぬので、そういう意味でわれわれも協力しなければならぬという気持で今日まで来たわけです。ところが、法律は七月一日以降施行であるにもかかわらず、行政指導によって、あるいは行政指導かどうかしらぬが、六年にさかのぼって、自発的な申し出という形をとって処理を進めつつあるということになってくると、これはどうも国会の審議を軽視する態度じゃないかと思うのですが、この点について一つ改めて所信を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/38
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039・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) この点につきましては何と申し上げてよろしうございましょうか、現在の定員法の建前におきましては、この六月三十日において、現行法のままですと六月三十日、きょう一ぱいでこの厚生省の職員の定員の中から四百十八人、調達庁の定員の中から三百三十二名が定員外として落ちてしまうわけであります。落ちてしまいますと、これは直ちに定員外になってしまいますので、これらの職員のその転職の努力、その他のために、最長十ヵ月の範囲内におきましてなお職員の身分を保有させるというような制度がこの指名退職制度でありまして、これが当初は六月一日から実施する予定でございましたが、定員法の準備の都合で七月一日からこの法律を実施することになりました。この指名退職制度も六月三十日から行うということになりました。そうなりますと、先ほども千葉さんに申し上げました通り、これは突然の制度じゃないものでございますから、あるいは六月に入ったらもう家に引っ込みたいとか、あるいは六月中から他に就職口を探したいというような方々のためにも、そういうような道を開いておくということが、予算とも絡んで非常に便宜な措置ではなかろうかということで閣議の了解をとったわけでありまして、もちろんこの制度があるために今御審議をいただいておる法律を動かすとか、その審議の妨げになるとかいうような措置、あるいは職員に対する強制措置でもありまするならば、おとがめがあるのも当然かと思いまするが、そういう強制措置でなしに、職員の側に対する便宜措置もあわせて含んでおるというような考えで、このような措置をとったような次第でありまして、必ずしも、好ましくないとおっしゃられればまことにその通りでありますが、あるいはその方が実情に即した面がありはせぬかと思いまして、こういうような措置をとった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/39
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040・堀眞琴
○堀眞琴君 今の問題に関連してですが、便宜上そういう措置をとらざるを得なかったということは了承しますが、しかし法律もまだできないのに、六月からそうような措置を講じたという点が私は問題だと思う。これはあなたよりもむしろ長官の方にお尋ねする問題ではないかと思うのですから、これは改めて長官が来ましたらお尋ねするのですが、その点に関して管理部長としてはどういうふうな考え方を持っているのですか。法律ができない前にそういう法律ができることな予想したにしろ、とにかくそういう措置をとるということは私は法律上からいうと違反ではないかと思うのですが、その辺についてどのように思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/40
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041・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) これにつきましては、あるいは行政管理庁の独断になってもいかぬかと思いまして、関係各省と打ち合せまして、関係各省もその方が望ましいということになりましたので、関係各省から先議いたしまして、閣議の了解もとった次第でございますが、これは決して今まで申し上げました通りに、あくまでも便宜の措置なのでありまして、直接この法律の御審議の内容を拘束するようなことがあっては、これはまことに恐縮でございますが、そういう点はなさそうに思いましたので、あらかじめの便宜の措置といたしまして、これは主として職員の利益になろうということでやった次第なのでございまして、何と申しますか、あくまで便宜、実情に即したということなので、この点の一つ御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/41
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042・堀眞琴
○堀眞琴君 ちょっとそれに関連して。まああなたの方ではこの法律は通るものというので六月一日から一応そういう措置をとって来ておるという。あなたにはまあそれ以上の回答は求められないのですが、ただもしもこの法律が否決されたらどういうことになさるおつもりだったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/42
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043・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 今の点に関する限りは全然問題ございません。六月中にこれは職員の申し出に基きまして成規の休暇を与えるとか、公務に支障のない限り特別の便宜を与えるだけのことでございまして、この法律が現行法通り生きれば、この点はもう雲散霧消いたしまして全然支障はございません。支障と言いますか、影響はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/43
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044・堀眞琴
○堀眞琴君 そうしますと、何ですね、厚生省と調達庁の方ではすでに休暇をとって郷里に帰り、あるいはその他の就職運動をやっておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/44
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045・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/45
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046・田畑金光
○田畑金光君 私が今の岡部さんの御説明でちと割り切れない点が残るのは、要するにあなたの説明は、昨年の定員法の改正で昭和三十二年までにそれぞれ年次の整理の人員額をきめられているわけですね、それで昭和三十年度は定員法の改正によって一応六月三十日までに、たとえば調達庁であると三百三十二名、厚生省は四百十八名の整理をしなくちゃならぬと、こういうことが決定をされておる。ところが昨年の整理に対しては臨時待命制度によって、ある点における優遇措置がとられたけれども、本年度はそれにかわるべき制度がまだなかった、そこでそれがたまたまこの定員法の改正の中の指名退職制度によって置きかえるものであると、こういうようなことですね、その経過は……。そこで問題は、昨年の臨時待命制度にかわるものとして指名退職制度を設けられたというその趣旨はよくわかるけれども、そこで何かしらん時間の点において、この法律がなお審議される過程において、すでに政府がそのような行政措置をとられたということは問題が残るような感じがするのです。それはだんだん考えてみると、一つはこういう問題が出ておると私は推測されるのです。それはなるほどお話のように強制でもない、今回はあくまでも個人の申し入れに応じて処理したのだと、こうおっしゃるけれども、しかし行政指導によってやられたということは、その陰にこの制度に乗ってこなければ指名退職による恩典は受けられないぞという一つの私は強い当局の圧力が加わっておると、こう見るわけです。あなたのお話をお聞きすると、しごく円満に当初期待したところの退職申し出があったと申しますけれども、私はそうじゃないと思っておる。なるほどそんな人もあったかもしれないが、しかしより強く強制要素というものが入っておると私は考えておるわけです。これはあまりにどうも行政管理庁としては甘いものの見方じゃないかと、こう私は考えるわけです。先ほどのお話を承わっておりましても、今回の定員については岡部さん自身が各省と話をして決定したそうで、私の知る限り至って円満に話はきまったというお話でありますが、この間一、二の省の定員法の改正法案がありましたが、その節聞いたが、無理だ、予算の関係から言っても無理だ、仕事の点から言ってもこれでは自信が持てぬが、話し合いがきまった以上は、これによってやらざるを得ないと明確に言い切っておる。そうしてその救済策として、いわゆる事業費から臨時職員を雇用して当面の仕事を処理して行くということが明確に言われておる。この行政管理庁の見方というものは非常に甘いのじゃないかと私は考えておるわけで、そういう甘い考え方でこの定員法の問題や常勤、非常勤労務の問題を取り上げられるとすると、大きな錯誤をもたらすと見るわけです。で、私のお尋ねしたいことは、話を元に戻しますが、各官庁とも円満に申し出があったと申しますけれども、その円満ということは一体どういう事実を根拠にして円満であるとおっしゃっておるのか、まずこれを第一点にお伺いしたい。
第二にお尋ねしたいことは、先ほど私が申し上げたように、どうも割り切れない感じを残すのです。要するにこの定員法というものは、さらにさかのぼって、もしこの法律が上っておったということになってくると、たとえばかりに五月末までにこの法律が上っておったとするならば、なるほど指名退職制度も法律によってきめられた、そして一ヵ月まだ期間がある。そうしてこの一ヵ月間に申し出に基いて円満な退職措置をはかると、こうなってくると、まあ問題は要するに割り切れない感じが清算されるが、その辺の事情を私は少しのみ込めない点があるので御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/46
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047・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 厚生省及び調達庁の職員の指名退職が円満に行っておるというのはどういう工合に円満に行っておるのか、こういうことでございますが、この整理計画は厚生省は四百十八人、調達庁は三百三十二人でありますが、その後欠員その他の事情がありますので、指名退職制度による者は厚生省四百十八人のうち三百二十一人、それから調達庁三百三十二人のうち二百五十人でよいということになっております。それでもちろんそれだけの人員の整理を行います場合に、ちょうどやめたいと思った職員がその数だけ達するというようなことは、そうあるはずはないと思いますので、この数に達するまでには職員の側における苦痛、あるいは管理当局におけるなみなみならぬ配慮、これが非常に高いものであったということは私十分これは考えなければなりませんので、そういう点を無視して円満に行ったと言うことは少し言い過ぎであるとおっしゃられるならば、私その点を認めるのにやぶさかではありませんが、とにかく関係者の努力によって、この点についてはそうトラブルなしに平穏にこの計画が進捗しているということは申し上げられると思うのであります。それから先ほど千葉さんにもお話しいたしましたが、指名退職制度を政府部内におきまして実施すると決定する場合におきましては、やはり相当のいろいろな論議の過程がありまして、ここに行きますまでには関係者のやはり努力があった、その努力の過程におきまして基礎となるものは予算でございますが、予算は結局六月一日を基準にして、最長十ヵ月で勤続年限で割って行くということになっておったわけなのであります。きまるときにはその線できまったものでありますから、その後の定員法の準備の都合で七月一日から実施する、六月三十日に指名退職制度を実施するという場合に、予算の面で一月穴があく、これは主として財政当局じゃなしに、私どものほうのやり方に責任があろうかと思いますので、その点実施を円満にして行くために、このような何と言いますか、便宜措置全講じた、この便宜措置を講じたということが悪いとお叱りを受けますならば、私この点は甘んじてお受けしなければならぬと、実はこう存じておりますが、これは制度全体を円満にするために、職員の側にとっても不利ではない措置ではなかろうかという点におきまして心を安んじている、こういうような状態でございますので、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/47
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048・田畑金光
○田畑金光君 お尋ねしますが、先ほどの御答弁を聞いておりますると、本人が就職するにしても、あるいはまた郷里に帰るにしても、なるべく早い方がよかろうというまあ親心で六月中に行政措置をとられたようでありまするが、去年も今年も相当数の公務員が実際に整理をされておるわけであります。これらの人方の職業の転換とか、あるいは就職のあっせん、こういう点について政府当局としてはどのような協力を今日までなされてきておられるのか、やめた人はやめた諸君の自力によって縁故採用でも求めて行くというふうに投げておられるのか、この辺の事情を、昨年度の整理の経過に照らしまして、昨年の整理されたものがどの程度就職の機会を与えられたか、こういうような点について御報告を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/48
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049・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 行政整理で退職した職員がどういうように配置転換したかということは、これは政府側としても無視できない重要な問題である、こう考えまして、いろいろ私どもといたしましても関係各省と具体的に打ち合せをしております。整理をする前には、関係各省が集まりまして配置転換対策本部を設けまして、定員法以外の職員へ、たとえば身体壮健な職員はこれを自衛隊の方にあっせんするとか、技術を持っている職員は技術面の拡充された方面へ振り向けるとかというようないろいろな措置を講じましたが、結局昨年の整理される職員、警察官三万を除きますれば、あと三万でありまするが、そのうち特別待命、臨時待命を合わせまして一万五千名、これらの職員のその後の就職状況がどうであったかということを具体的に各省に問い合せておりますが、各省といたしましても、これは末端までのことでありますし、現在のところなかなかつかんでおりません。ことにつかみ方の困難なのは、実は待命制度の施行期間というものは、たとえ就職口がきまりましても、待命期間の完了まではあまり就職口がきまったということを公然としたくないといういきさつもありまするので、そういうような事情で、これが大体五月の三十日ころまでの状態でありまするが、現在のところはっきりいたしませんが、いずれにしろ、各省と打ち合せました段階におきましては、非常に今度の整理に関する限りは深刻な事態は起きてないように承知しております。しかしこの点は私どもといたしましても痛切に感じなければならぬ問題でありますので、今後も成り行きは見守って行きたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/49
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050・田畑金光
○田畑金光君 私は今質問した点について、できるだけ早い機会に昨年の整理された人方の職業転換等について、調査資料をまとめて当委員会にも資料として提出を願いたいと考えます。同時に、また本年度整理される諸君につきましても、配置転換等十分に政府当局としては検討されて善処されることを要望するとともに、幸いにいたしまして、そういうような措置によって救済された実績が示されるならば、それも合わせて当委員会に資料を提出願いたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/50
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051・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 今年度の定員法の改正による職員の増減の減の部分につきましての配置転換につきましては、私今のところこれは後顧の憂いなくできておると考えておりますし、それに関する資料もございますので、今直ちにお手元にお配りできます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/51
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052・堀眞琴
○堀眞琴君 指名退職制度で調達庁、文部省、厚生省等の、これは来年、再来年度にわたって二千五百人、以上の人が整理されることになるわけですが、実際に調達庁、文部省、厚生省の中で、この指名退職制度によって整理される実際の人員ですね、それはどのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/52
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053・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 今年度は先ほど申し上げました通り、厚生省で言えば四百十八人のうち三百二十一人でございますし、調達庁で言えば三百三十二人のうち二百五十人でございます。それから文部省で申しまするならば、今年の整理計画六百八十二人は、これはすでに整理が済んでおりますし、文部省につきましては、新たな増員要素もありまするので、この点はもう消えてしまっているということに相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/53
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054・堀眞琴
○堀眞琴君 厚生省は何人でしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/54
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055・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 四百十八人のうち三百二十一人、しかし三百二十一人が当初の計画でありますが、その後これらの職員が、あるいは自衛隊の方への配置転換その他ございまするので、具体的に本日もしもこの法律が通過したのち、指名をするというような形になりますのはもっと下回る予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/55
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056・堀眞琴
○堀眞琴君 それから指名退職制度によって整理される調達庁、文部省、厚生省の人は別として、総理府以下各省にまたがって何名かの整理されるものが出てくるわけです。同じ定員法によって規制されている職員としては、指名退職制度やその他同じ恩典に浴するのが当然だと思うのですが、総理府以下の場合はこれが指名退職制度を適用されない、その理由をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/56
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057・岡部史郎
○政府委員(岡部史郎君) 今度の定員法の改正につきましては、一方においては増、一方においては減があるわけでありまするので、減による職員の整理がいかにもあるようでございますが、ことに建設省の営繕関係の職員二百二十人、それを差し引いて百九十三人の減というものが現実にあるようでございますが、この建築技師というものは全国にどこにでもそうあるわけでないのでありまして、結局官庁営繕上少くなっただけ、このたびの住宅公団その他の方面にその職員を振り向けなければならぬわけであります。どうしてもそれを連れて行くということでございますので、現実に失業の心配もない。むしろ職員をそっちに連れて行かなければそういう技術者がないという現状でございます。指名退職制度というものは、最長十ヵ月の期間において職を探すための制度であります。そういう意味におきまして配置転換先がもうはっきりきまっております者につきましては、指名退職制度はその必要がないのじゃないか、もちろん国家公務員として退職いたしますから、国家公務員の十割増しの退職手当の方は出しますけれども、指名退職制度というものは要らない、その他の職員につきましては、これは増減それぞれございまして、全部配置転換可能である、各省の関係でお打ち合せになっておりますので、現実には必要ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/57
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058・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/58
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059・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 速記を始めて下さい。午後一時十分まで休憩いたします。
午後零時三十七分休憩
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午後三時十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/59
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060・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) ただいまより休憩前に引き続き内閣委員会を開きます。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対しましては、質疑も大体終了したようでございまするので、これをもって質疑を打ち切ることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/60
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061・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) それでは質疑を打ち切りまして、これより討論に入りたいと存じます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/61
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062・野本品吉
○野本品吉君 私はただいま議題に供されております定員法の一部を改正する法律案につきまして、次のような希望及び付帯決議を付して賛成いたしたいと思います。
希望いたします第一点は、審議の途上におきまして、この法律の成立する以前に、実質的には法律が成立したかのような考えのもとに、職員の任免、進退についてのいろいろな事柄が扱われておるというふうに感じられたのでありますが、これは純粋に理屈で押して行きますというと、いろいろと問題をはらんでおると思うのであります。私どもは事の性質上、この点についての追及はいたしませんですけれども、将来断じてかようなことのないようにしまして、そうして法の権威と秩序とを守っていただくようにしなければならぬということを申し述べたいと思います。
第二の点は、行政機構の整備、それから行政事務の能率化の問題につきましては、かねがね政府当局はもちろん、一般の者が強くこれを考えておる点でありますが、今度の定員法の一部改正の法案の提出に当りまして、かような点についての根本的な将来にわたっての見通しをはっきり聞くことのできませんでしたことも、私どもの非常にもの足らなさを感ずる点でございまして、今後かような根本の問題につきまして、一貫しました御検討を希望したいと思います。
さらに、この法案の審議途上におきまして、最も顕著に浮び上りました問題は、現在行政機関職員定員法のワク外にあります常勤労務者及び非常勤職員の中には、その仕事の性質、内容等が、ほとんど定員法による職員と同じような者があるにもかかわらず、これらの人たちに対する考慮を払う点において遺憾な点がある。このことは従来もたびたび問題になった点でありますが、今後における最も大きな問題として、最大の努力と慎重な御検討を願っておきたいと思います。
以上のような観点から、私はこの法案に賛成するに当りまして、次のような付帯決議を付したいと思います。案文を朗読いたします。
附帯決議案
現在、行政機関職員定員法のワク外にある常勤労務者及び非常勤職員の中には、その職務の性質、勤務の条件等において、定員法による職員と実質上何ら異ならないものが相当多数含まれている。従来、政府は、これらの者の処遇について、早急に検討を加え、適当な対策を講ずる旨言明したにかかわらず、いまだ今日に至るも、何らの措置を講じていないことはまことに遺憾にたえない。政府は、すみやかにこれらの職員の処遇について、根本的検討を加え、具体的措置を講ずべきことを要望する。
右決議する。
以上私の所見と、付帯決議の案文を添えまして、この案に賛成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/62
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063・千葉信
○千葉信君 私はただいま議題となっておりまする行政機関定員職員法の一部を改正する法律案に対して提起せられました付帯決議案を含めて賛成をいたします。もちろん委員会における審議の状態の中からも、この法律案が数々の問題を含んでいることは否定すべくもありません。特にその定員の策定に当りまして、業務量、もしくは配置人員の状態等について的確な対策がとられておらず、また今回の法律案の中に新たに制定されようとしておりまする指名退職制度におきましても、その委任せられた政令についての内容等を検討いたしますると、私ども決してこれを不問に付してしかるべしとは考えておりません。特にこれまでの論議の中で、かなり詳細にわたって質疑応答の行われました常勤労務者ないしは非常勤職員等の問題については、少くとも定員法制定の政治的な事由の中から、今日直ちに解決をしなければならないような喫緊の問題が数々提起せられております。定員自体の適不適の問題ももちろんのこと、こういう定員法制定のよって来たる結果として、ワク外職員としての常勤労務者、非常勤職員等の処遇の問題等についても、今日われわれは看過することのできない状態におかれていることを認識せざるを得ません。しかし、ただいま野本委員の方から提案せられました決議案によりますると、この委員会の結論として出されようとしておりまするこれらの職員に対する将来の解決の方途が、ここに一歩前進を見ようとしている現実的な状態を考えますと、私どもはその意味から付帯決議案を含めてこの法案に賛成する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/63
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064・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 他に御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/64
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065・田畑金光
○田畑金光君 私はただいま議題となっております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対しまして反対の意思を明らかにいたします。
政府は、「今回提案いたしました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、昭和三十年度における各行政機関の事業予定計画に即応して、必要やむを得ない事務の増加に伴う所要の増員を行いますとともに、業務の廃止及び減少に伴う余剰定員の縮減を行ないまして、行政機関全般の定員の適正化をはかろうとするものであります。」という趣旨説明をいたしております。しかしわれわれといたしましては、こういう法律案提出の前に、当然現内閣はなすべき課題があると考えるわけであります。と申しますのは、現内閣、与党は、総選挙におきまして行政機構の改革、行政事務の簡素化、能率化ということを大きな政治スローガンとして取り上げて戦って参ったことは周知の事実であります。従いまして、私たちは定員法の措置の問題、取り扱いの問題は、当然そのような行政機構の問題、事務能率の配分の問題等、合理的、科学的な根拠の上に立って提案されるべきものと考えるのであります。ことに御承知のごとく、今回政府は地方財政再建促進特別措置法を出しておりまするし、あるいは地方自治法の一部改正法案を提案いたしておるわけであります。前者の法律においては、赤字団体に対する中央政府の指揮監督権を強化しようとするのがそのねらいでありまするし、後者におきましては地方の首長の権限を強化する、同時に半面においては地方議会の権限を縮小する、これがその内容であるわけであります。そうしていずれもこれは中央集権機構の強化であり、官僚政治の復活以外の何ものでもないわけであります。ことにわれわれは地方財政の赤字の解決の問題は大きく政府の責任があると考えておるわけでありまして、ことに地方行政団体の財政負担の軽減をはかるためには、国の出先機関の軽減、国の出先機関の廃止統合等も当然処理せられて、そののちに地方財政の問題等は再検討すべきことこそ順序であろうと考えるわけであります。ところが今回の政府の定員法提案に至る経過を見ておりますると、何らそのようななすべき前提措置が施されることなくして、単に昨年の定員法改正に伴う首切りの年次計画を事務的に提案されたというのが今回の法律案の趣旨であることを考えまして、私はまず第一に反対を申し上げたいと思っております。
第二の私の反対いたしまする理由は、この内閣委員会におきまして、たびたび私は川島行政管理庁長官並びに関係事務当局、あるいは大久保給与担当国務大臣に質問をいたして参ったわけでありまするが、行政機構改革の問題にいたしましても、公務員制度に関する政府の基本的な方針の樹立にいたしましても、率直に申しまして政府は何も持ち合していない、これが今の情勢であるわけであります。あるいは行政審議会、あるいは公務員制度調査会の答申にまって処理をする、これが答弁であるわけであります。すでにこのことは吉田内閣のもとにおきまする当時の行政管理庁長官も同じような発言をしておる。にもかかわらず、じんぜん日を過ごし、今日何一つ具体的な解決を見出すことができない。私たちはこういう無定見と不見識な態度に基く今回の事務的な法案に対しましては強く反対の意思を表示せざるを得ないわけであります。
先ほど付帯決議が提案されておるわけであります。私ももちろんこの付帯決議の内容そのものについては、本委員会における質問の過程におきましては、関係大臣、関係事務当局に対し強く善処方を要望いたしておるわけでありまして、従って決議案の内容そのものについては、私は今申し上げたように、質問の過程において明らかなる通り、当然川島自治庁長官も大久保給与担当国務大臣も善処する約束をなされておりまする以上は、私は近い機会に政治的な責任を尊重されて善処をされることを期待いたしておるわけであります。ただしかし申し上げたいことは、この付帯決議の内容は今日に始まった問題ではなく、この数年来問題になっているというこの事実であります。今日の行政事務量の増加というものは、すでに定員法に基く定員のみによっては処理ができない、定員法のワク外における常勤労務者、非常勤職員というこういう定員法のワクを乗り越えた職員を雇用しなければ処理ができないという事態に立ち至っているのが現実の状況であります。ことに今日のように政治の問題が経済を動かし、あるいは今日の政治が社会福祉の問題を左右し、このように国家の事務というものが複雑化し、広範になって参りますと、ことにこれから私たちの目ざしておる社会福祉国家の方向に前進するといたしますならば、国の事務、あるいは行政事務分量というものはますます多くなることもわれわれは予期するわけでありまして、従ってこれに相応するところの国の行政事務を円滑に運営する国家公務員、あるいはその他の地方公務員の配置については十分留意し、万全を期さなければならぬと考えるわけであります。ところがこの国家事務の複雑多岐、あるいは広範にわたる、これが現実の世界の動きであり、国内政治の動きであるにかかわらず、目をつぶって今日まで放置して参ったというこの政府の態度に対しまして、私はまことに遺憾の意を表せざるを得ないわけであります。たとえば恩給局等を例にとりますると、定員内の職員わずか二百二十二名、常勤労務者三十名、臨時職員は実に九百九十四名に上っておるわけでありまするが、恩給局の例をとりましても、ほとんどこの数年来改善のあとがない、こういうことを私は見て参りましたときに、このような怠慢きわまる政府の行政措置の上に今回提案されましたこの法律案に対しましては、強く反対の意思を表明するわけであります。
ことに第三の理由といたしまして私が反対を申し上げなきゃならぬことは、なるほど本年度はいわゆる指名退職制度の方針をとっておられます。職員の申し出に基き任意制によって整理をするという考え方であります。昨年の強制あるいは任意制を加味いたしました臨時退職制度と異りまして、その点に関する限り本年度は民主的な措置をとられているがごとき装いは持っておりまするけれども、私はその軽々しく政府の措置を信ずることはできないのであります。ことに現在法律はまだ本委員会において審議をされておる。この法律案はまだ通過いたしておりません。にもかかわらずすでに行政指導として調達庁において、あるいはまた厚生省において職制に基くいわゆる配置転換、あるいは強制退職が強いられておるというわれわれは事実をも見ておるわけでありまして、こういうことを考えたときに、法律もまだ制定されていない、すでにそういうときにもかかわらず行政措置によって強制をされておる、こういうことを考えたときに、私は今回の指名退職制度というものは断じて政府の言うがごとく本人の自由意思を尊重するという、そういう民主的なものであるとは、少くとも過去の実績に照らして信用することができない。この点において私は第三の反対の理由を明らかにいたすわけであります。
以上私は二、三反対の理由を申し上げたのでありまするが、当初申し上げましたように、政府はすべからく行政審議会や公務員制度調査会の諮問にすべての責任を転嫁するような卑怯きわまる態度はこの際避けて、あくまでも政府がみずからの責任において行政機構の問題、あるいは公務員制度の問題あるいは公務員制度に伴うところの人事機構の問題等について十分国家公務員法の精神あるいは人事院制度の精神に基きまして処理されることを強く私は希望申し上げる次第であります。
以上私は政府の今後のすみやかなる善後措置というものを強く要望いたしまして今回の提案されておりまする行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対しましては、三つの理由をもって反対の意思を明らかにするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/65
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066・植竹春彦
○植竹春彦君 自由党は本法律に対しまして賛成をいたします。現在行政機関職員定員法のワク外にある非常勤職員ないしは常勤労務者は、各行政機関を通じまして多数によっておりまして、その勤務の状況、職務の性質におきましても、たまたま定員法上の職員と実質上何ら相違しないものも相当含まれておるのであります。従来政府はそれらのものの処遇につきましては早急に検討を加えて適当な対策を講ずるとの言明があったのであります。政府は今回行政事務の増減に対応いたしまして、定員法上の職員の定員の増減をはかるに当りましては、本法律の改正の趣旨に基きましてこれらの職員の整理処遇に対しましては根本的に検討を加えて、すみやかに具体的措置を講ぜられんことを強く要望いたしまして本法律案並びに先に緑風会から提示せられました付帯決議に対して賛成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/66
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067・松原一彦
○松原一彦君 日本民主党は、この法律案に対しまして付帯決議とともに賛成いたします。
この際希望を申し述べますが、行政整理という声に応じて常に定員が論じられる。冗員は淘汰しなければなりませんし、冗費は節約されねばなりませんが、というて、そのためにことさらに窮屈なる定員を上げて、非常勤もしくは常勤労務者等の臨時雇いをむりをして入れるといったようなことは、これは避けねばならぬと思います。必要なる定員は当然満たすべきものであります。また非常勤職員等におきましても、もちろん出勤せざる日に日給を給するわけに行かない制度になっておりますから、それを承知の上で職についたものとはいいますものの、先般来の例の四月末から五月初めに現われましたゴールデン・ウイークというあの一週間内の実情を見まして、私はひどく考え直さなければならぬことを感じたのであります。たとえば四月二十九日は天皇の誕生日であって、それから数えて七日間の間に実に給料をもらわない日が四日あるのであります。給料をもらう日が三日間で、三日間の収入によって一週間をささえねばならないという薄給労務者の苦痛は、ゴールデン・ウィークどころではない耐えられないものがある。そのうちの一日は日曜でありますから、これは七日目ごとにくるものであって承知の上であり、国の祝い日もまた初めからわかってはいるものの、ここに三つ集中いたしておる。一年中で九日あるのでありますが、せめてこの国の祝い日ぐらいは私は有給であっていいと思う。有給休暇でなければ国の祝い日の意味をなさぬと思うのです。三日の収入で七日の生活をささえることは、あの中には苦学生なども恩給局にはおりますが、その他の職場にもあって、ひどい窮迫した生活をいたしておるのであります。血も売らなければもうその日の食事がとれないというほどに窮迫いたしておる。でありまするからして、今ここに付帯決議に書いてあるのはいたずらに定員を増せというのではない。優秀にして能率の高いものは優先的に定員の中にとり入れるようなことをも考えてほしい。さらにまた与えるべき給料はやみでなくして正々堂々と支出する道や開いておかれたいと思う。少くとも労働基準法に示すところの一定期間を勤めた者には、有給休暇何日間を与えねばならないというものがあります。臨時の職員の上においても認められてよろしいと私は信ずるのであります。最近ややもすれば異常な暴力的な圧力をもって要求するものはいれられ、要求せざるものは薄俸のままに置かれるというような現象が往々にしてある。私はそれはよろしくないと思う。営利的事業会社でやっておることではないのであります。政府のやっておることは、予算があり、一つの秩序があって、法律のもとに行われておるのでありまするから、ストライキをやるといったような行動によって給与に厚薄があるべきものではないと思う。給与すべきものについては正々堂々とはっきりこれをば支出する道をあけておいてほしい、私は処遇の改善というのは理屈をいうのじゃなくて、そういう道をあけてほしいというのであります。そうして同じ政府のもとに仕事をしております人たちが、甲乙の働き場所によって厚薄のないように、勧めて不満の起らないような道を講じてほしい、これが私の処遇を改善し、他面問題となっておる常勤労務者並びに非常勤職員等の上に明るい改善の道をば要望するゆえんであります。かような意味におきまして、私は本法案にはいろいろ希望もありますが、この付帯決議案を政府は十二分にとり入れられまして、近き将来によい解決の方法を付して御提案になるように希望するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/67
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068・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 他に御発言はございませんか……。別に御発言もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/68
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069・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) それではこれより直ちに採決に入ります。行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/69
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070・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 多数でございます。よって本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました野本君提出の付帯決議案を議題といたします。野木君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/70
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071・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 多数でございます。よって野本君提出の付帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
なお、本院規則第百四条の本会議における口頭報告の内容、第七十二条による議長に提出すべき報告書の内容その他事後の手続等は、慣例によってこれを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/71
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072・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
なお報告書には多数意見者の署名を付することになっておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
井上 知治 木村 篤太郎
野本 品吉 木下 源吾
上林 忠次 加瀬 完
千葉 信 中川 以良
中山 壽修 長島 銀藏
植竹 春彦 松原 一彦
小柳 牧衛発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/72
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073・新谷寅三郎
○委員長(新谷寅三郎君) 本日はこれにて散会いたします。
午後三時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102214889X02119550630/73
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