1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年五月二十八日(土曜日)
午前十時四十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 笹森 順造君
理事 吉田 萬次君
委員
川口爲之助君
佐藤清一郎君
河井 彌八君
高田なほ子君
矢嶋 三義君
村尾 重雄君
松原 一彦君
鈴木 一君
国務大臣
文 部 大 臣 松村 謙三君
政府委員
文部政務次官 寺本 広作君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
文部省社会教育
局長 寺中 作雄君
文部省調査局長 内藤誉三郎君
事務局側
常任委員会専門
員 工楽 英司君
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本日の会議に付した案件
○本委員会の運営に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査の
件(紫雲丸沈没事件に関連し学童、
生徒の修学旅行問題に関する件)
(昭和三十年度文部省関係予算に関
する件)
○博物館法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/0
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001・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ただいまより文教委員会を開きます。本日の議題は教育、文化及び学術に関する調査であります。そのほかに博物館法の一部を改正する法律案等を議題といたします。
まず先日御報告を願った紫雲丸事件及び松元事件のその後の経過報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議go
ざいませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/1
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002・矢嶋三義
○矢嶋三義君 議事進行について。本日の案件に入る前に議事進行について、発言を求めます。私は参議院の院の運営全般からも、議院運営委員会の理事の一員として、よく議運理事会でも主張しているところでございますが、具体的に本委員会を考えましても、昭和三十年度の予算案が国会に提出されましてすでに一カ月有余を経過いたしております。しかるに本委員会所管の文部省関係の三十年度の予算についても、ただ一個の質疑がなされただけであって、ほとんど審議、調査がなされておりません。この委員会の実態については委員の一人である私も責任を負わなくちゃならないと思いますが、今後私は委員会の運営に当って一つの所見を持っております。それは先ほど出席委員の懇談会でも委員長が発言されておりましたが、お互い政党会派において非常に主義主張が異なっている案件についての採決をするというような、あるいは委員会としての態度をきめるというような場合は別といたしまして、それ以外に案件の審議あるいは意見の交換というような問題を取り扱う範囲内においては、少くとも各党会派は一名の委員だけは責任をもって大体定刻に委員会に出席をして、各会派一人が出席したならば、先ほど申し上げました範囲内に関する案件については委員会を開会して進めていくというような委員会の運営をしなければ、最近の、本委員に限りませんが、参議院全般の委員会の運営というものは私は不可能な状態ではないか。しかもこの定刻近くに委員会が開かれないということは、行政官庁の政府委員は政府委員室に待機して、全く時間を空費しているということは、立法府に関するのみならず行政府においても行政能率が低下することでありまするし、私はあらゆる角度から考えましても、今国会はこれから相当長期間行われるわけでありますが、繰り返して申し上げますが、政党会派において非常に主張が違っている案件について委員会として態度を決定するというような案件を除いては、審議、調査は各会派少くとも一名の委員の出席を待って委員会を取り進めていくというような委員会の運営を委員長にしていただきたい。でき得べくんば皆様の御了承を願いたい、かような議事進行に関する提案をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/2
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003・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 皆様方御発言ございませんでしょうか。それでは委員長からこの際一言いたします。この委員会を開くに至りまするための定員はできるだけ規定の通りに進めたいと思います。しかし実情に即した配慮に対するただいまの矢嶋委員からの希望については、委員長としては十分に考慮をいたしたいと思います。各会派においていろいろとその会派自体の重要な会議等があって全員が出られないというようなことのために会を開くに至らないというようなことも過去においてあったようであります。こういう際でも、この委員会を尊重するならば、その会に全部出ずに、やはりどなたか残ってこれに参加するのでなければ規定の会議も開けないというような事実があるようでありますが、そういうようなことに対することは、国会の常識として今までこれは大体みんな了承して、そういう場合には委員会を開かないとか、あるいは特に皆さん方の了承において、ある場合にはこれを開くということも大体了解の上でやっているようであります。しかしただいま矢嶋君の御要望は参議院全体の委員会の進め方についての熱心な御要望でありまして、これは私どもも皆各議員としての立場からただいまの発言を十分尊重せられるように私も努力をいたし、皆様がたにも御要望申し上げたいと思います。委員長としてはただいまの御提案に対しては十分なる理解をもって今後運営をいたしたいと思います。御了承願います。
それでは先ほどの紫雲丸事件及び松元事件のその後の経過について当局から報告を求めることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/3
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004・笹森順造
○委員長(笹森順造君) それでは報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/4
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005・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 紫雲丸の遭難事件の状況につきまして、その後の状況と、それから今までの段階におきましてお尋ねのありました点に関連いたしまして御報告を申し上げたいと思います。
遺体の発見の状況でございますが、はなはだ遺憾なことにまだ二体だけ発見がされていないような模様でございます。これはその中の一人は島根県の川津小学校の先生であります新川安子先生、この遺体がまだ発見されておりません。それからもう一つは高知県の南海中学校の女生徒一名、この二体がまだ未発見の状況でございます。
それから遭難されました各学校におきましては、順次合同慰霊祭をとり行なっております。広島県の木之江南小学校におきましては、二十五日に合同慰霊祭が行われました。三千五百名ほどの参列者がございまして、非常に関係方面の心からの弔慰の現われがあったそうでございます。文部省といたしましても、文部大臣代理といたしまして係官を派遣いたしまして弔辞を捧げて花輪を供えたような次第でございます。ここの避難の中には先生が一名ございます。うち三名は女の先生でございますが、この先生に対しましては叙勲の手続をいたしました次第でございます。それから愛媛県の庄内小学校におきましては、三十一日に合同慰霊祭が行われるそうでございます。さらに高知県の南海中学におきましても、これは日取りがまだはっきりいたしませんが、続いて行われることに相なりました。かような状況をまずもって御報告申し上げます。
それから前回御質疑の中で、はっきりお答えしないで保留いたしておりました事柄につきまして若干申し上げます。
今度の遭難校の旅行計画につきましていろいろお尋ねがございました。生徒の参加率とかあるいは費用の関係とか、それから旅行計画を立てるに当りましての業者の関係とか、あるいは事前調査の関係とかいったようなことについてお尋ねがございましたが、一々申し上げますと、参加率でございますが、高知県の南海中学校におきましては生徒二百七十八名中百九十八名参加いたしておりますから、七一%の参加ということに相なります。愛媛県の庄内小学校におきましては八十名中七十七名の参加であります。九六%になります。広島の木之江南小学校におきましては九十九名中九十七名の参加で九八%、松江の川津小学校におきましては六十一名中五十八名の参加でありますから九五%の参加率、かようになります。なお引率者の数でありますが、その引率者の数と、その引率の先生の一人当り生徒数を試みに考えてみますと、南海中学におきましては先生が四名でありまして、従いまして一人当り生徒数、二十九・二名という数になります。それから愛媛県の庄内小学校におきましては引率者四名でありまして、児童数十九・二名の割になります。それから広島県の木之江南小学校では引率者が七名でありまして、先生一人当りの児童数十三・八名という数になります。それから川津小学校では引率者の先生が五名でありまして、一人当り子供の数は十一・六名という数であります。これは決して無理な数ではないのであります。むしろ先生の数は相当あった、かように考えます。
それから費用でありますが、これは高知県の南海中学では二千四百円、それから愛媛県の庄内小学校では六百円、広島県の木之江南小学校では九百円、松江の川津小学校では千円、これは大体旅行積立貯金の中から出しておるようであります。ちょっとはっきりしない点もありますが、大体そのように記憶しております。それからほかに若干小づかいがあるようであります。たとえば広島の木之江南小学校では小づかい三百円と申しますし、松江の方では五百円そのほかにあった、こう申しております。それから旅行の事前調査でありますが、これはいずれも事前調査をいたしておりません。と申しますのは、大体これはどの学校もこのコースを何回か今までやっておるようであります。従いまして特別に事前調査はやってない、今度はやってないという事実がございます。大体そうして旅程を組むにつきまして、あるいはそのほかのあっせんにつきましては交通交社を利用しております。ただ高知の南海中学におきましては何か日本ツーリスト株式会社というのが東京にあるそうでありまして、これだけが一般の会社で、あとは交通公社を利用しておるという状況であります。そのほかにこまかく申しますといろいろございますが、私各県の報告を通覧いたしてみまして、まあ日程が小学校においてこの程度が適当であるかどうかとか、あるいは旅行の距離がこの辺で適当であるかどうかということは、これはあるいは全般の問題として検討を要する点もあるかも知れませんけれども、この旅行を計画するに当っての学校あるいは教育委員会等の配慮は十分に行き届いておるように私は看取いたしました。というのは、前もって健康の診断をやるとか、父兄の方に何回も書面なり、父兄を集めて連絡をして希望を聞くとか、あるいはまたその教育効果を上げるためには旅行のしおり等を作りまして、そうして見学する場所について十分予備知識を与えるとか、あるいはまた交通機関の乗り降りの心得とか、そういうふうなことについては相当行き届いた注意をいたしてあるように思います。ただしかし、ああいう連絡船の事故があるとはおそらくどの学校も夢にも思わなかったのでありまして、船において救命胴衣を着けるといったようなことまでは、これはやっておらないのであります。私は常識といたしまして、学校の旅行計画を立てる際におけるその配慮というものは、このたびの四校とも相当行き届いておったと私は看取いたしておる次第であります。
それからそのほかに、今もちょっと申し上げましたけれども、救命胴衣、救命具を着けてないようだが、それについてはどうかというお尋ねもあったようでありますが、ただいま申しますように、あるいは衝突が起りまして、そうしてもう三、四分にして直ちに沈没したということであります。そこで初め、話を聞いてみますと、衝突をして衝撃を受けた瞬間は、誰もすぐああいうふうに沈むとは思わなかった。従って先生たちは生徒に、これは船員の指示であったそうでありますが、落ちつけ落ちつけと……一斉に倒れたそうであります。それをかかえ起しながら、あるいは自分の周囲に集めながら、落ちつけということで、自分の掌握下に入れることに一生懸命になった。そのうちに急速に沈んでしまった。中には救命胴衣を先生が取り出してそれを投げ与えたり懸命の努力をいたしておりますが、しかしその時の状況からいたしまして、船員の指示等も、特に救命胴衣を着けろということもなかったし、落ちつくことの指示の方が強かったので、先生たちはそれに従って生徒の掌握といいますか、自分の周囲に集めるというか、それに努力したというのが事実のように思います。従いまして救命胴衣が不足しておったという事実はないようであります。これほその時の乗客全部を見ましても定員以下でありますので、不足をしておったというようなことはないように思います。いろいろとこのために職に殉じた先生もおらますし、それから生存の先生たちもおりますが、これはいずれも自分の職責の遂行に私一生懸命にやっていただいたように存じます。これはこまかい話もいろいろございますけれども、生存の先生たちの中におきましても、私はこの前の委員会におきましてもお答えいたしましたが、非常に力を尽して生徒の救済に当られた人もあるようであります。その点は一つ御了承いただきたいと存じます。
落ちました点がありましたらまた申し上げますが、以上概略の点につきまして申しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/5
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006・矢嶋三義
○矢嶋三義君 若干伺います。たとえば島根の川津小学校のごときは十三人の先生のうちで三人なくなられて、現地においでになっておる先生もおられるというようなことで、学校の機能が停止しておるのではないかと思いますが、この遭難四校は正常の状態にすでに復帰しておるのでしょうかどうでしょうか、その点を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/6
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007・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは正常の状態に復帰しておると申しますか、なかなかそのあとの処置で相当混雑をしておると思います。しかし各県の報告書によりましても、あとの授業の空間ができないように配慮はいたしてあるようでありまして、いろいろ補充の方法等も考えられておるようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/7
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008・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これだけの事件が起ったのですから、関係各校では憂色に閉ざされて非常に暗い面が出てくるかと思いますが、直接あなたの責任に関する問題ではないけれども、当面の問題としては、その学校が一日も早く明るさを取り戻して正常な教育が展開されるように気を配らなければならぬ私は当面の一つの問題だと考えております。
次に承わりたい点は、ただいまの報告で私は不十分に思うのですが、それは救命胴衣は、確かにこの資料に基くと、二千七十七個紫雲丸は持っておったということだから数は十分でございます。しかもこの救命胴衣を着けるか着けないか、いつ着けるかというようなことは、あげてこれは船員の判断並びに指揮に待つべきもので、私からとやかく言う考えはございませんが、ただ私は一部から聞いたのですけれども、問題は、子供が救命胴衣を着けておるのをおとながもぎ取っておとなが着けた。そうしてその子供はうまく助かって、自分の救命胴衣をもぎ取ったおとなも助かって、その人の顔も覚えておるというようなことも言っておるのですね。こういう問題は私は聞くに忍びない問題ですが、社会教育部面でも慎重にこれを掘り下げて、取り上げられてしかるべき問題ではないかと私は思っております。その審理も一度は文部省としても社会教育局等で調査してもらいたいし、一つの社会教育の資料として十分検対していただきたいということを要望しておきます。
ただ、数字的に承わりたい点は、子供のなくなった人で、救命胴衣を着けてなかった人は何名ということはわかっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/8
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009・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 一番最後の救命胴衣を着けておった数でありますが、これはわかっておりません。これはあるいは関係当局に聞けばわかるかもしれませんが、私のところでは今わかっておりません。
それから第一点の、学校が憂色に閉ざされて、教育にブランクが起ってはいかんという点でございますが、これは全く御趣旨の通りと私も考えます。この点につきましては先ほども申し上げました通り、各県の報告書にも特にその点に触れて報告が来ておりますので、十分その点については配慮が届いておるように思いますが、なお私どもといたしましてもその点について注意をいたしたいと思います。
それから第二点にお話になりましたいろいろな事項でありますが、これは私どもも断片的にはいろいろ聞いておりますが、しかしこれはああいうとっさの場合でありまして、正確なことはなかなかわかりにくいと思います。非常に一般の乗客が懸命になって生徒を救ってくれたという美談も知らされております。これはなかなか正確にこうであるということをつかむことは困難だと私は考えます。従いまして、私どもが今持っております資料に基きまして軽々にさようなことを申し上げることは差し控えたいと存じます。ただ同様な事柄が伝えられておることを御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/9
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010・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ちょっと参考にいたしたいので、問い合せて他日本委員会で報告していただきたいと思うのですが、それは国鉄当局の発表によると、なくなられた方で救命胴衣をつけていなかった方が約九十名と発表されておりますが、その九十名の中には児童は何名含まれているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/10
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011・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それはなくなった人全部の数ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/11
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012・矢嶋三義
○矢嶋三義君 なくなった方のうちで、救命胴衣を着けてなかった人が約九十名と国鉄当局は発表しております。その九十名の中には児童はどの程度いるのかということですね。そういうことはまた断片的な話で、一概には律せないけれども、子供の着けている胴衣を大人の人が奪い取って、そうして着けたということを新聞で拝見しましたので、私はある程度根拠のある問題じゃなかろうかと、それがただ一件でもそういうことがあるということは、これは私は大きな問題だと思いますので、生徒さんで救命胴衣を着けてなかった方がどのくらいいるかということを知りたいと思いますので、後日お調べの上御報告願いたいと思います。
それから先般損害賠償の件についてあなた方にお伺いいたしたときに、文部当局は次のように答弁したわけですね、すなわち、教職員の損害賠償は公務死としての取扱いと、それから国鉄の過失によるホフマン方式による損害賠償の二本建で行われるということを答弁されたわけですが、ところが一方他の官庁の方で聞きますと、その文部省の見解のよりに二本建にならないのだという見解を表明している向きもあるのですが、これはどちらが本当なのか、この一点と、それからあなたのところにはすでに報告がなされていると思いますが、ことに高知県の南海中学の生徒さんで、なくなられた家庭は、失礼ですが、比較的に経済状況がよくない家庭のお子さんがかなりいるということです。それから島根の川津小学校にしましても、ちょっと問題があるようで、別に今からこの損害補償を多額に、しかも早くしたからと言って、犠牲になられた方が生き返ってくるわけでもなし、それですべてが解決するものでもありませんが、しかし誠意を披瀝して、早急に調査をし、損害賠償というものを処理される、しかも御遺族の方に少しでも納得していただけるような数字を、誠意を以て算出するということは、私は当面やはり非常に緊要なことだと考えておりますが、先般本委員会でホフマン方式で、損害賠償を算出するに当っては、小学校、中学校の生徒は収入というものはないから算出基礎というものが明確でないと、しかし洞爺丸の先例もあるし、また洞爺丸の場合は御承知の通りまだ国鉄の過失ということが明確になっていないから、あの洞爺丸のときに支給されました八才から十八才までの間の犠牲者に対して一律三十万円という数字は、この場合適用されないで、それを上廻るところの数字が出さるべきである、国務大臣としてもそういうふうに思うということを、私の質問に対して松村文部大臣は答弁しておった。しかもその線に沿って努力するということを答弁されたわけですが、第二点として伺いたいことは、この損害賠償の計数が出てくるのはいつか。またこれは直接国鉄、運輸省で扱われる問題でありますが、多数の児童が犠牲になっているだけに文部大臣としても善処するということを確約されているわけですが、いかような交渉を持たれたか、また見通しはどうかということを、先ほどの第一点とあわせて伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/12
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013・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 第一点でありますが、これは私、この前お答えいたしましたときに、実は少し不用意でございました。私は国鉄の弔慰金等の関係を考えたものでございますから、公務災害補償との関係とは、それは両方別々であろうというようなお答えをしたように記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/13
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014・矢嶋三義
○矢嶋三義君 いや違う、それは明確に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/14
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015・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) それは適用は別々だというふうに記憶しております。それは弔慰金であろうということを申し上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/15
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016・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そこをはっきり聞いておきたい。公務死としての災害は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/16
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017・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 公務死としての災害は、公務災害補償関係ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/17
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018・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ちょっと明確に答弁して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/18
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019・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) そのときに私、ちょっと少し不用意で、とっさでありましたので、少し思い違いがございましたけれども、弔慰金は、もうすでに出されているわけであります。これは六万幾らかでございましたか、その関係で私、とっさに考えましてお答え申し上げてしまったわけでありますけれども、ただいまのお話しの賠償ということでございますけれども、これは地方公務員でありますから、地方公務員法が基礎になります。そうして労働基準法の関係だと思います。そういたしました場合には、やはり賠償を受けた金額は、これはやはり差し引かれるというのが原則であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/19
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020・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この前のあなたの答弁と違うわけだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/20
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021・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 違うわけじゃありませんが、ちょっと私が思い違いをしておったということを、今申し上げたわけであります。それから第二点の国鉄の賠償の支払いがいつになるかという見通しでございますが、これは私、ちょっとよくまだ存じません。文部省といたしましても、大臣、次官のほうにおきましてもいろいろと御努力をいただいておりますから、ひとつ御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/21
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022・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/22
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023・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/23
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024・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私の伺っているのは、大臣が、この前洞爺丸との関係等で賠償金額はかようであるべきであるという意見を開陳された。で、私はその線に沿って文部大臣である松村さんに努力をされてほしいということを言いましたら、努力されているということをおっしゃった。だから、その後どことどういうように交渉し、努力をされたかというその具体的な点を文部大臣から伺いたいという点が、私の質問のポイントでございますから、答えを願います。文部大臣でなくちゃだめですよ。あとで文部大臣から聞きます。政務次官の答弁は聞かなくともわかっています。文部大臣みずからの答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/24
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025・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 聞かなくともわかっているというお話でございましたが、私も大臣の命を受けまして、直接運輸政務次官のところに参りまして、学童の犠牲者に対する補償については従前の額よりも余計出してくれるようにという交渉をいたしまして、従前の例によりますれば、完全に鉄道当局に責任がある場合最高額三十六万でありましたか、出しておる、しかしそれよりも多額に出せるように努力をしようという向うの返事でございました。災害補償の金額がきまりますのは来月の上旬になると思います。私の関係している分は以上でございますから御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/25
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026・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ということは、まあ具体的になっておそれ入りますが、児童の損害賠償に関する金額は三十万を下廻るということは絶対にあり得ないということを了承されたものと思うのですが、よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/26
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027・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/27
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028・矢嶋三義
○矢嶋三義君 次に伺いたい点は、この高知の学校の先生方が全部辞表を出されたようです。また島根県の川津小学校の校長さんも辞表を出されたように新聞紙上で拝見いたしております。また新聞紙上の伝えるところによるのですから的確かどうかわかりませんが、一部には事件が起った直後は衝撃を受けますので、ありがちのことかと思いますが、なくなられた先生方に対しまして非常に当然でありますが、弔慰を表すると同時に、非常にその行為をたたえられる、まことにけっこうだと思います。その半面、生存された先生方に対する目に見えないところの圧迫感と申しますか、かなりあるやに推測されます。で、これと辞表の提出とは全く無関係ではないように私はかなりの確信を持って推測をいたしているわけでございます。従って、これらの事件と関連ある人事行政におけるこの取扱いというものは、かなり重大であり、また非常に微妙なものだと私は考えます。で、これらの取扱い方はもちろん法の定むるところによって当該委員会の所管であるわけでございまして、文部省の直接関与するところではございませんが、私この際、文部当局の所見として承わりたい点は、一般論としてこういう事件が起ったとき、こういうものはいかように一体処理したらいいのか、事件が起ったその直後に辞表を出す、直ちに辞表を受理する、こういうような行き方がいいのか、それともいろいろの角度を考えた場合に、よりプラスになる一般論というものを持たれているか、一般論として御所見いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/28
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029・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) ただいまお話しの、一方で殉職の先生がある、一方で生存をされた先生がある、その間の取扱いについて非常に微妙なものがあるかと存じます。これにつきましては、各県におきましても相当配慮をいたしているように私は存じております。一例を申し上げますと、先ほど御報告いたしました広島県の木之江南小学校の合同慰霊祭の際にも、もちろん殉職の先生に対しましてはこれは顕彰をいたしまして、その功績をたたえて感謝の意を表したわけでありますが、あわせて生存の先生に対しましても表彰を行いました。そうして感謝の意を表した、こういう事実を聞いております。従いまして、私はなかなか一がいには、いまのような微妙な感情もこれには含む問題だと存じますので、一般論として、従いまして一がいにはこれはなかなか申しかねると思います。そこで、私は今の例をみましても、各県の教育委員会、あるいは当該市町村の委員会におきましても、その間の取扱いには私遺憾ないのじゃないかと考えております。辞表の問題は私はまだ具体的には存じておりません。どういうことであるか、その真相をもう少し聞いてみませんと、一般論としても、まあちょっとお答えしかねるのじゃないかと思いますが、ただ今申しましたように、各県ともその間の取扱いには非常にデリケートな心づかいをしているのじゃないかと考えますので、これは私各県の処置に信頼をしていいのじゃないかと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/29
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030・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これはその程度承わっておけばよろしゅうございます。
最後に二点だけ承わってこの件に関する質疑は終りますが、それはこの問題の解決の積極面からのお伺いでありますが、先般の本委員会で修学旅行の教育計画の一環としての教科を認め、そして安全にして能率的な修学旅行が教育計画の一環として実施されるようにするために、文部省並びに教育関係者のみならず、あるいは厚生省、運輸省という幅広い人々によって修学旅行の協議会を設けて、そしてよりよい修学旅行が行われるようにいたしたい、かような文部省の見解がわれわれの要望に沿って開陳されたわけでございますが、昨日の新聞等を拝見いたしますと、いよいよ委員の構成も終り近く発足するやに紙上に伝えられております。で、この点について私が資料の要求と質問をいたしたい点は、まず委員の構成が案として完成しましたならば、その一覧表を本委員会に出していただきたいという資料の要求と、それから伺いたい点は、この前も伺ったのでありますが、私は所見の一端を述べれば文部省において小学校、中学校、高等学校があるいは一泊二日あるいは二泊三日というような、こういう具体的な数字をもっての基準を設けるということは私は妥当でないと思っております。それはこの前もちょっと申し上げましたように、九州、北海道、東京等で、さらに小、中、高といろいろ事情が違うことですし、そういう具体的な数字を出しての基準というものは私は非常に弊害を伴ってくるのじゃないか。まあ具体的に一つ申し上げますと、たとえば五泊六日の旅行を六泊七日とすれば安全になるかといえば必ずしもそうではないのです。五泊六日のときに成し遂げられなかった旅行地点を追加して六泊七日になって、さらにやはり無理になるということが現実にあり得るわけですね、期間が長いからこれを短くすれば安全になるであろうという考え方というものは、これは非常に私は皮相的な見方だと、かように私は考えております。従って具体的に数字を並べての基準というものを出されるということはいかがかと考えているのですが、こういう委員会を設けて文部大臣としては何らかの諮問をするでありましょうが、こういうことについてどういうふうに考えておるかということが一つと、それから衆議院の速記録を見ますというと、文部大臣は衆議院と参議院において違う意味の答弁をしております。それは学生が就学中に事故を起して犠牲となった場合に、義務教育であるがゆえにその災害補償を国においてなすところの法的基礎を持たしたらどうか、法律化したらどうかという本委員会における質疑に対しては文部当局はまだ十分検討の段階に入っていない、そう急の問題ではないという程度の答弁をされたと私は記憶しております。ところが衆議院のほうの御答弁を見ますと、相当研究が進んで立法の意思があるやに相当明確に松村文部大臣は答弁されているのですが、しかもその答弁日の時間的な差違というものがそうないわけですが、今文部当局としては研究はどういう段階にきているのか、どういうふうにお考えになっているのですか、これは政務次官はある程度タッチしておいでになると思いますので、明確にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/30
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031・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) こまかに速記録をお調べの上での御質問で大へん恐縮でございますが、衆議院で行われました松村文部大臣の答弁の中で、学童の災害補償に関する立法についてその必要を痛感しているから研究を進めたいと言われた部分がありまして、その部分を御指摘になったものだと思います。速記録をごらん下さいますればわかりますが、実はその前に、この運輸省から今度の具体的な場合の災害の犠牲になりました学童に対する補償の問題が非常にその前後に議論をされておりましたので、文部大臣としては今度の場合の災害補償を最大限に確保することの必要を痛感している、そういう気持で答えられたように私はあとで拝承いたしました。それで私その後の衆議院の同じ委員会で、午後でありましたか、時刻がだいぶたちましたころでございましたが、やはり同じ問題についての質問がございましたので、この問題につきましては立法の目的、それから学校管理者、設置者との関係、それから一般の社会保障との関係など広範に関連してくる問題でございますので、そういう関連事項を具体的に検討の上でなければなかなか結論が出しにくい問題でありますと、かように申し上げましたところ、委員の方から、それでは大臣の答弁と違うじゃないかという御指摘がございまして、その点はなお後日に残した問題になっております。しかし私が大臣に確めましたところ、そこのところは少し前後の問題が混淆いたしておりましたため、大臣の心持ちとしては今度の場合は災害補償を最大限に確保するということに全力をあげるつもりで自分は御答弁申し上げたのだと、こういうふうに申しておられましたので……。
〔矢嶋三義君「今度の協議会も、これは諮問するのですね。」と述ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/31
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032・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 発言を求めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/32
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033・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) その点御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/33
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034・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もう一つ答弁残っているのですが、それの前に、ただいまのに関連してですがね、今度修学旅行に対する対策協議会を作って、委員会の構成も大体草案ができ上ったようですが、当然世論化している災害補償に関する件は、この協議会に諮問せられるお考えと私推測するのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/34
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035・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 先ほど資料の要求がございまして、委員がきまったらすぐ知らせてくれというお話ですから、これは後ほどすぐお届けします。
それから、その委員会をどういうふうに運営するか、あるいは基準の作成をどうするかというお話しでありますが、これは前回の委員会におきましても矢嶋委員の御意見は私承わったのでありまして、ただこれから私どもその委員会に御意見を求めるわけでありまして、これは私どもの気持といたしましては、これは委員の名簿をごらんになればわかりますけれども、なるべく広い範囲の方々にお集まりを願いまして、大所高所からの御意見も加えて、広く御意見を承わっていきたい、かように考えております。根本問題といたしましては修学旅行のあり方から始めまして、具体的な問題についても意見を伺いたい、かように思っておるわけでありまして、それがどういうふうな結論になりますか、これはこれから委員会の意見に従って、それに基きまして文部省としても検討をいたしたい、かように考えております。なお今具体的な問題を諮問をするという形にやるのかどうかは、これはまだはっきりいたしておりませんが、まずもって広い立場からの意見を伺っていきたい、かようなことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/35
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036・笹森順造
○委員長(笹森順造君) お諮りいたします。紫雲丸事件及び修学旅行に関する問題は、他の委員の方々においても御発言の御要求もあると思いますが、この際博物館法の一部を改正する法律案を議題といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/36
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037・笹森順造
○委員長(笹森順造君) それではさよう取り計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/37
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038・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に博物館法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず政府より提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/38
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039・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) このたび、政府から提出した博物館法の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
博物館法は、わが国の博物館の健全な発展をはかる目的で去る昭和二十六年十二月に制定され、翌二十七年三月から施行されたものであります。この法律の制定を契機として博物館の建設と内容の整備は著しく促進され、特に、専門職員である学芸員の資格を定めたことによって、従来欠けていた博物館の教育活動は著しく充実されるとともに、博物館資料の活用によって国民の実生活の向上にも大きな役割を果してきたものであります。
しかしながら、さらに各種の博物館の振興をはかり、学芸員の充実を期するためには、その後の状況にかんがみ、現行法の一部を次のように改める必要が生じたのであります。
すなわち、この法律案の改正の骨子は、従来の学芸員の資格附与講習を文部大臣の認定制度に改めることであります。従来の講習は、学芸員の資格取得の道を開いたものでありますが、わが国の博物館の実情に応じ博物館職員の学芸員資格取得の便宜をはかり、学芸員の充実を一そう促進するため、文部大臣の認定制度に改めようとするものであります。
なお、この改正に関連して現行法を整備する必要からその他二、三の点について所要の改正を行うものでありますが、博物館の振興をはかり、わが国の社会教育活動を助長するため、何とぞ十分御審議の上御賛成下さるようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/39
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040・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 社会教育局長より本件に関する提案理由の補足説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/40
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041・寺中作雄
○政府委員(寺中作雄君) このたび提出いたしました博物館法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、ただいま政務次官から説明がございましたが、私から多少これを補足して改正要旨について御説明申し上げます。
この改正案の最も重要な点は従来の学芸員資格附与講習の制度を文部大臣の認定の制度に改めようとするものであります。
現行法においては、学芸員の資格取得の方法は、大学において博物館に関する科目を修得する方法と文部大臣が大学に委嘱して行う講習を受講する方法との二つがあるのでありますが、後者の講習は、法附則第六項の暫定資格者等に対する資格取得の道を開いた措置でありまして昭和二十七年度から昭和二十九年度まで開催した講習において暫定資格者四百七十四名のうち、二百八十二名が学芸員資格を取得した結果、一般の水準も向上し講習の目的も一応達成されたと認められ、かつ一時的な長期にわたる講習は、今後においては博物館の現状から考えても適当な制度であるとは考えられないのであります。
一方、学芸員の養成の本拠である大学の実情を申し上げますと、現在、博物館に関する科目を設置している大学は、東京大学、京都大学、大阪市立大学、立教大学、早稲田大学及び同志社大学のわずか六大学でありまして、今日までに約三十四名の学芸員資格取得者を出しているに過ぎず、大学のみに大きな期待をかけることもできない現状であります。
従って、従来の講習にかわる制度として、資格取得の便宜をはかり、学芸員を一そう充実するため、認定の制度に改める必要が生じたのであります。この認定制度の内容につきましては、目下研究中でありますが、その概要は、試験認定と無試験認定とについて規定をする予定でおります。試験認定は従来の博物館科目の試験及び経験年数等を総合評価して行い、無試験認定は、博物館に関する十分な学識経験を有するものについて行うことを考慮いたしております。
なお、今回の改正において従来の人文科学学芸員及び自然科学学芸員の別を廃止しましたが、これは学芸員の職名を細分化することが、地方博物館の総合的な性格から実情に適応しない点が多く、関係者の要望に応じて統一したものであります。
以上がこの改正案の主要な点でありますが、その他現行規定を整備する必要から二、三の所要の改正をいたしたいと考えます。すなわち、現行法に博物館の設置主体として「日本赤十字社」があげられておりますのを、日本赤十字社以外の特殊法人が設置主体となるべき場合を予想して政令で定める法人と改めまして、日本放送協会等が博物館を設置する場合等にこれを政令で明らかにしようと考えておりますこと、博物館の登録事項の変更届出の規定を簡易にして、博物館当事者の便宜をはかったこと、現行法で博物館に相当する施設に関することを附則に掲げておりましたのをこれを本則に規定して文部大臣が指定する博物館相当施設を法による博物館同様に助長いたしたいと考えておりますこと、また経過規定を置いて法の改正により現行の博物館行政に支障がないように考えたことなどであります。
以上申し述べましたことが、この法律案の改正の要点であります。何とぞ十分御審議下さいまして、御賛成下さいますようお願い申し上げる次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/41
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042・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 本法律案に対する質疑は次回に譲ります。何か御発言ありませんか。ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/42
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043・笹森順造
○委員長(笹森順造君) それでは速記を始め。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/43
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044・矢嶋三義
○矢嶋三義君 資料の要求並びにお伺いをいたします。それは、前内閣時代にアメリカとの余剰農産物の交渉が始められたわけでございますが、昨年末並びに本年初頭においては、デフレ政策のもたらすところ、中小炭鉱地帯が非常に経済的に窮迫して、その地域の学童は昼食も学校に持っていけないという教育上からもゆゆしき社会問題化した件があったわけですが、その当時余剰農産物の交渉が続けられておりました。その当時は、早急にこれが妥結される見通しのもとに、当時の文部大臣は、一月の中旬ころまでには一千五万万ドルに及ぶところの無償供与の分が入手できるので、直ちに中小炭鉱と生活危機にさらされている地域の生徒児童に対して、完全無償給食を実施するためにこれを振り向けたいということを当時の閣議において了承した。従って、一月中旬から下旬にわたっては、必ず実施できるものだということを当時の委員会において言明されております。自来この余剰農産物の交渉というものは、御承知の通り紆余曲折、混乱をきわめて参ったわけですが、最近、報ずるところによると、仮調印が終り、近く正式調印が行われるやに報ぜられております。そこで資料として、出していただきたい点は、いつこれは正式に協定が成立し、いなかる内容のものが入手され、その配分はいかようにされるのか。その資料を出していただきたいということと、前内閣時代に生徒児童に対してとらるべき措置として言明されたあの方針は、今の内閣でも踏襲されるように決定しているのか。それとも踏襲されようとしているのか。あるいは新たな角度から検討されるお考えであるのか。この後段の面については、政務次官において関知している範囲内において御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/44
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045・笹森順造
○委員長(笹森順造君) まず資料の要求につきまして、学校教育に特に関係のありまする点もあると思いますので、これは委員長としても資料の提出を当局にお求めいたします。次に質疑に対する点について、お答えがあったならばお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/45
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046・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) まず資料の点でございますが、協定仮調印したというのは、私どももけさの新聞で見たわけでございまして、まだ成立の確報を得ておりません、確定次第提出いたしたいと思います。どういう物が来るかということも、協定が成立いたしませんと内容が確定いたさんと思いますが、一応どういう物が日本に来るかということ、それをどういうふうに配分するかということは、交渉の過程において向うにも示しておりますので、協定が成立すれば、その際全部こういうものが確定したものであるとして差し上げ得ると考えます。なお配分の方法につきましては、一月に閣僚了解ですか、あったというお話でございますが、私はその点は、事務当局からの報告にも、私ども政務次官の事務引き継ぎの際にも、一応の話は聞いておりますが、具体的な内容がこの時期にきまっておったというふうには了解いたしておりません。と申しますのは、先方からの贈与の農産物でありますので、これをこういうふうに配分するということは一応提出いたしますので、その際はまだ先方にそういうものは提出しておらんだろうと思うのです。その段階での一応の腹案であったのではないかと思います。これは予算審議の過程で衆議院の文部委員会でいろいろ御意見も伺っております。生活保護法の適用を受けている子供だけでなく、ただいま御指摘のありましたような生活保護法の適用は受けないが、給食費が持ってこられない子供が大分ある。それに対してとの余剰農産物の贈与によって浮いてくる経費で、生活保護法の適用を受けている子供と同様に無償給食すべきであるか、それともなかなかそういう準要保護児童の把握が困難であるから、それよりもこの際は酪農対策とあわせて国内産の牛乳を飲ませるための価格の引き下げに使うべきではないかというような各種の意見が出て参っております。また人によっては、従来学校給食に必要な各種の設備が、予算不足のために十分でなかった。その設備の経費に充てるべきだというような御意見もありまして、でき得るならば、こういう問題でありまするから各党の御了解の上に具体案を作りたいということで、一、二度衆議院のほうでは文部委員会の理事の方に御懇談を願ったりいたしております。まだ最終的には案が固まらないような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/46
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047・矢嶋三義
○矢嶋三義君 ただいまのは、これは大へん重大だと思うのです。それは、相手が子供のことですから、内閣はかわりましたけれども、前の内閣のときの大臣は明確に中小炭鉱等で行き詰まっている山の子供に最優先的にこれを配分するということを言明されているのですね。しかも御承知の通り、当時のこの委員会は参考人まで呼んで、当該県の教育長から意見を聴取しているわけです。しかもその参考人のおいでになっている席上で、当時の文部大臣以下政府委員は、そういう地帯の学童に無償で最優先的にこれを配分するということを言明されているわけですね。ところが今度内閣がかわって、時期も半年以上ずれて、しかもその配分の方法が変ってくるとなりますと、相手が子供だけに影響が大きいと思うのですが、違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/47
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048・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) 矢嶋委員御指摘の点と、私が申し上げた点に多少の食い遅いがあろうかと存じます。矢嶋委員お話の点は、二十九年度の分で措置した部分の話しではないかと思います。最初の話が、この余剰農産物の受け入れの仮調印もすんだようだが、というお話でございましたので、これからの分と思ってお答えを申し上げたわけでございますが、なお資料をとり寄せて詳細申し上げますが、お話しの点は二十九年度分で措置したものに関する部分ではないかと考えますので、御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/48
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049・矢嶋三義
○矢嶋三義君 政務次官、余剰農産物の千五百万ドル分のは参りましたか。まだ来ないでしょう。問題はあの千五百万ドル分の問題が論議されて参ったわけなんですよ。だからそれは政務次官のとり方が間違っていますよ。議会を通じての公約になっているんですよ。この点については当時の速記録も御調査になって、改めてこの次に御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/49
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050・寺本廣作
○政府委員(寺本広作君) わかりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/50
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051・矢嶋三義
○矢嶋三義君 文部大臣おいでになりましたから、この前のに関連してお伺いいたしたいと思います。文部大臣御多忙のようですから簡単に伺います。それは義務教育費半額国庫負担の各都道府県への文部省からの交付と、それからあとの半額が地方財政計画の中にいかに盛り込まれているかということは、地方財政の中で非常に大きな部分を占めている各都道府県の教育予算に非常に重大な問題であることは申すまでもありません。従ってその角度から文部当局にお伺いした結果、この前判明したことは、これは政令該当県の教育予算を算出するに当って、一応作ったところの中学校九学級に十三人、小学校十二学級に教員十三人というこの数字は教育的な根拠のある数字ではもちろんなく、これは政令被該当県を何ら拘束するものではないということが一点と、それから義務教育費半額国庫負担に基いて各都道府県の給与費の二分の一は完全に文部省は責任をもって交付している。あとの二分の一が問題であるが、そのあとの二分の一については、文部省と同じ見解の下に地方財政計画の中に盛り込んでもらうように文部大臣としては自治庁当局に要請した。しかも自治庁当局においてはその要請通りに入っているということを言明しているし、また文部当局も入っていると認定をしている、こういう御答弁がありましたので、その点は都道府県教育委員会ならびに都道府県当局と若干の価格の相違から、教育予算の編成にいざこざが起っているから、そのことを答弁された内容を明確にするために、都道府県知事ならびに都道府県教育委員会に対して、以上の二点について通牒を出すようにということを要請しました。そうしましたところが、局長はその予算は今審議中であるからということであったから、しからば審議中であるが、予算の編成方針を参考に申し述べればかくかくだという意味で、説明する意味においてこれを流していただきたい。しかもその通牒を出されたならば、その写しを当委員会に提出していただきたいということを要請し、御出席の松村文部大臣にもその点強く私は要請いたしましたところが、文部大臣はその趣旨の徹底をはからなければならない、善処するということを答弁されました。なお局長はその意味の趣旨は先般都道府県教育委員会の主管課長会議を開いて十分徹底しているから必要ないということを一応答弁されましたが、私は徹底していないからそういうことを通牒で出していただきたいということをたたみかけたわけです。その結果、最終的には大臣から善処されるという答弁があったわけですが、その後いかような通牒を出されましたか、まだ資料として出ていませんので、あらためてお伺い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/51
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052・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) それはお話しを伺ったあとにさっそく調べてみましたが、そのときは私知りませんでしたけれども、局長がお答え申した通りに、すでに各府県の責任者を呼んで十分に話し合いもいたしたようでありまするししますので、あらためて通牒を出すまでもないのじゃなかろうか、そうして、どうせまた予算もいよいよ成立の見込みがつきますれば、あらためてその趣旨の十分徹底をはからなくてはなりませんから、今のところは先だって一度よく話し合いをしたことでもあるし、今予算の目安がつきますまで、もうしばらくみていようじゃないかということに話をいたしたわけでございまして、さよう一つ御了承を願いたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/52
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053・矢嶋三義
○矢嶋三義君 大臣の御答弁は、その限りにおいては了承できるわけですが、しかし現実に都道府県教育委員会と都道府県当局との両者において、把握にズレがあって混乱を来たしているのであるから、その点を明確にする意味において通牒をされることを私は何もちゅうちょされることはないのじゃないかと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/53
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054・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 近来なかなか自治庁との間にいろいろ問題があります。それであまりこう、こっちばっかりなにもできないから、そういうような場合には、そういう混乱が起って不徹底であるということでありますならば、自治庁と一つよく話をいたした上でいたしたいと思うのでございますが、自治庁を抜いて、またこっちからばかり指図をいたしましても、何だかんだということもありましょうから、その辺は一つおまかせを願いたいと思います。徹底いたしますように十分に取り計らいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/54
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055・矢嶋三義
○矢嶋三義君 先ほど私がここで復誦した点、内容については異議がないわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/55
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056・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 先に承わったあの点でございますか。これは私も十分存じませんけれども、私は異存はないと思うが、局長どうだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/56
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057・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) これは前回の委員会でも私申し上げた通りでございまして、第一点の、一般県の教員増の算定基準に用いました計数というのは、これは算定基準ということでありまして、それが各府県の予算を拘束するものでないことは、これは当然でありまして、国庫負担法の建前からいたしまして、実績の二分の一を負担をするということでありますから、これはもう当然だと思います。そういう意味でこの前御答弁申し上げました。それから財政計画との関係は、これはこの前も申し上げましたように、文部省から交渉いたしまして、大体同じものがもらえておる、こういうふうに今認定いたしておる次第であります。そのことにつきましても、その当時主管課長会議で十分示した、こういうことを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/57
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058・矢嶋三義
○矢嶋三義君 御承知の通り困ることは自治庁で、都道府県の、まあ大がい総務部長です。これによからんことを流して、そうして都道府県の総務部長が、都道府県教育委員会を相手にして、地方財政の赤字を教育予算関係にしわ寄せをする、そこは力関係になるわけですが、そういう実態が非常に多いわけなんです、従って私は先ほどからそういう通牒というものは、教育予算にしわ寄せされるのを防ぐことでもあるし、また摩擦をなくするためにも役立つので御要望申し上げているわけですが、大臣の御気持もわかりましたから、自治庁長官とお話し合い下さって、そうして次の委員会までに、文部大臣、自治庁長官、あるいは文部次官自治庁次官の連名で、そういう説明通牒を各都道府県知事、教育委員会に出すように御配慮いただきたいと思います。その結果を次の委員会の場合に御報告を承わりたいと思います。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/58
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059・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) 私らと自治庁と話し合いをしてもらって、この次という約束もちょっといたしかねると思いますけれども、せいぜい御趣旨に沿うように努力をいたしてみたいと思います。お話しの通りに、その教育費の方へ地方の赤字がしわ寄せされては因りますことは、これは申すまでもないことであります。そのために、この赤字克服のためのいろいろな意味もありますけれども、できるだけその点は私らも努力をいたしておるつもりでおりますが、この上もよく話し合いをいたしますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/59
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060・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この教育予算と地方財政の関係については、今私は非常に重要段階にある緊急な案件と思いますのでもう一つ伺うわけですが、それは今伺ったのも関連するわけですが、地方財政再建措置法案が昨日の閣議できまったように報ぜられております。このことについては、大臣がずいぶん御努力をなさったんですが、教育委員会法との関係で予算の二重議会の提出権という教育委員会法の権限を縮小するような内容が入っていたので、これは教育委員会制度の基本に触れるとして、ずいぶん文部省でも自治庁に対して異論を出し、政府内で敢闘をされたことは私は了とするわけですが、今朝の報ぜられるところによりますと、文部省の主張が通ったということを言われておりますが、これはその通り了承してよろしいのかどうかということが一つと、特に私は正式にこれを閣議決定して、国会の方へも出てくると思いますので、その心配になる点は、あの中にやはり地方財政再建団体に指定された公共団体の首長は、調整するという言葉を使ってありますね。あの調整するという言葉は、私は解釈次第では、さっき言った力関係で地方教育委員会の予算の編成権その他を多く制約して、実質的には私は最初の案と同じように、教育予算については私は重大な結果をもたらすものではないかと思うんですが、この調整というのは、いかように了承されているのか、承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/60
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061・松村謙三
○国務大臣(松村謙三君) これは私もあの教育委員会の権限とは直接に関係のないことまでにはなりましたけれども、そのあとの法律の書き方などには注意せにゃならんと思って、事務の方で検討してもらっております。それでいいなら同意すると、こう言っておったんです。そうすると、大体まあよかろうじゃないかということで、それでまああれを了承したんですが、そのチョウセイするというようなことはどういうことになるのか、ちょっと事務の見解を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/61
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062・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 矢嶋委員のおっしゃるチョウセイというのはどこのことかちょっとよくはっきりいたしませんけれども、予算を調製することであろうと思います。予算を作ること、そういうことでございますか、ちょっとさらにチョウセイという意味をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/62
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063・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私の言うのは整える意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/63
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064・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) どこの点を指していらっしゃるのか、ちょっとお示しいただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/64
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065・矢嶋三義
○矢嶋三義君 昨日閣議決定されたというように伝えられている。私はその案なるものを活字では見ていないわけです。私はけさのラジオを通じて、それから新聞を通じて、音波と新聞を通じての活字で了承しているんですが、調整、整うという字が書いてある。こうなりますと、私は都道府県知事によりますと、一般予算、県関係の教育関係予算はこれでかようにするんだ、これが調整だというので、実質的には力関係で都道府県教育委員会は私は非常な圧迫を受けると思うんです。従ってあの調整なる言葉の了解というものは、私は閣議決定の場合に当って非常に重大だと思うんですが、従ってどういうような認識のもとにあの字句は使われたのか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/65
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066・緒方信一
○政府委員(緒方信一君) 予算の調整ということはこれは地方公共団体の長がするということは現在も教育委員会法にあるわけです。五十六条にありますけれども、「教育委員会は、毎会計年度、その所掌に係る歳入歳出の見積に関する書類を作成し、これを地方公共団体における予算の統合調整に供するため、地方公共団体の長に送付しなければならない。」、まあこういうことがありまして、一般的に申しますと、地方公共団体の長の統合調整ということは、これは建前になっております。しかし今お話しの点は、これはおそらく新聞で御覧になったとしますと、あれは三条でございましたか、それに一項を加えて「地方公共団体の長は、地方財政再建計画に基いて予算を調整しなければならない。」、その調製は作るということです、調製です。字は製造の製です。これは確かです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/66
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067・笹森順造
○委員長(笹森順造君) この際委員長から発言をいたします。地方財政再建と昭和三十年度文部省関係予算等の関連問題については、いろいろ重要な事項も含んでおり、また各党各派多数委員の御出席の際に討議すべき問題であると思いますので、本日はこの委員会の委員の出席の状況等にかんがみまして、これにて散会いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X00719550528/67
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