1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年七月二十七日(水曜日)
午後二時四十九分開会
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出席者は左の通り。
委員長 笹森 順造君
理事
雨森 常夫君
吉田 萬次君
荒木正三郎君
委員
大谷 瑩潤君
川口爲之助君
堀 末治君
加賀山之雄君
安部キミ子君
村尾 重雄君
松原 一彦君
衆議院議員
赤城 宗徳君
国務大臣
文 部 大 臣 松村 謙三君
政府委員
文部政務次官 寺本 広作君
文部大臣官房総
務課長 田中 彰君
文部省管理局長 小林 行雄君
事務局側
常任委員会専門
員 工樂 英司君
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本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○危険校舎改築促進臨時措置法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
○私立学校教職員共済組合法の一部を
改正する法律案(衆議院掲出)
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001・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ただいまより文教委員会を開きます。
木村守江君から都合により理事を辞任したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/1
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002・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議なければさよう決定いたしました。つきましては、直ちに補欠互選を行いたいと存じます。互選の方法は成規の手続を省略して、便宜上その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/2
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003・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。それでは私より雨森常夫君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/3
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004・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/4
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005・吉田萬次
○吉田萬次君 危険校舎改築の年次計画と、それから本年度予算の実施の坪数の関係を、覇工務教育の方とそれから高等学校との別に一応御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/5
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006・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 危険校舎の坪数は、大体義務制の方で小中学校分が百万坪程度と現在踏んでおります。それから高等学校分は大体二十万坪程度というふうに考えておるのでございますが、本年度の予算で参りますと、義務制の予算は修正後の数字でございますが、二十億一千八百万円、これで大体二十万坪程度の危険校舎の改築ができる予定でございます。従って義務制につきましては、この昭和三十年度を含めまして現在程度の予算が年々確保されるということでございますれば、五カ年で一応現在あります危険校舎は解消されるものと考えております。また高等学校の方は修正後の予算で一億五千万円でございまして、これで大体一万坪程度の危険校舎の改築ができるという予定でございます。ただ高等学校につきましては、本年度初めて予算がとれたわけでございまして、これはきわめて数字から申せば微々たる数字でございまして、従って具体的な年次計画というほどのものがまだでき上っておらないのでございます。一応この一万坪の改築ということでやりますれば、二十年近くの相当長い期間を要するわけでございますが、これは危険校舎の改築ということに必ずしも相当しないというふうに考えまして、文部省としては今後次年度以降におきまして、高等学校についてはできるだけ予算を増額しまして、高等学校分についての危険校舎の改築の促進をはかりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/6
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007・吉田萬次
○吉田萬次君 危険校舎は年々累増して行くものでありますが、この累増分については年次計画中どんなふうに見込まれましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/7
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008・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、その年度々々によりまして、たとえば災害が多いような年度におきまして危険校舎の、いわゆる危険度の進行というのは高くなって参ります。文部省として一応非常にラフな推定でございますが、年間大体二%程度のものは危険度が進行して行くものというふうに考えておるのでございますが、しかしこれも非常にラフなものでございまして、その年度によって、あるいはこの数字もパーセンテイジも変って来るというふうに考えております。危険度の進行によりまして、将来またいわゆる危険校舎になって来るというものもあるわけでございまして、そういったものは後年度に、もちろん国庫補助の対象としまして、改築の補助を行うというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/8
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009・吉田萬次
○吉田萬次君 高等学校の危険校舎ですが、この危険校舎は特に危険の度が激しいものがたくさんあると思うのであります。これを何年後というようなそういう余裕のあるような考え方で、果してこの目的を速成することができるかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/9
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010・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) お話の通りに、高等学校は本年初めてでございまして、義務教育制の学校は二十八年からこの危険校舎の改築をやっております関係から、小中学校と高等学校を比較いたしました場合に、高等学校の方に危険度の高いものが相当あるというふうに予想されるわけでございます。危険校舎の改築といった趣旨から申しますと、ただいまお話のございましたように、そうそう長期間、長い期間をもってこれを改築するということでは、その趣旨に合いませんので、まあ義務制と並んでできるだけ早く改築を促進したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/10
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011・吉田萬次
○吉田萬次君 非常に危険度の強いものがたくさん高等学校にありますが、しかも地方の財源というものは今日枯渇しておって、これに対する方策を講ずるということは容易なことではないと思います。そこで耐用年度というようなものから考えましても、これは至急改築してやらなければならぬのがたくさんある。しかしながらこれを放っておきますということになったら、私は将来困る事態が来るだろうと思いますが、ここ少くとも二、三年のうちにこれを何とかするように予算を計上して、そうして解消し得る方途が講ぜられるかどうか、またその意思があるかどうか、承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/11
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012・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 危険校舎の改築に当りましては、大体義務制についても同様の原則でございますけれども、危険度の高いものから順次改築をやって行く、そういうふうに文部省としては指導をいたしております。従って危険の度合いの激しいものからだんだんと解消して行くものと考えておるわけでございます。ただその場合にいわゆる耐用年度、経過年数だけが問題になるのではございませんので、経過年数は比較的少くても、いろいろな条件から危険度は激しいというものがあり得るわけでございまして、耐用年度ももちろん一つの条件ではございますけれども、総体的な危険度というものを標準にして解消することに努めたいと思っております。また解消に当りましては、先ほど来申し上げました通り、文部省としてはこの高等学校について極力予算をとりまして、義務制と並行して、義務制の方は大体今後三十年を含めて五ヵ年間ということでやっておりますが、高等学校においても、これより長くならないような年度計画を立てまして、できるだけ早く解消するように努めたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/12
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013・吉田萬次
○吉田萬次君 それから公立の幼稚園の危険校舎ですか、この実態というものはどんなふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/13
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014・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 公立の、市町村立の幼稚園は大体全国で坪数から申しますと十四万坪ばかりある。調査上そういう数字になっております。大体そのうちのまあ報告によりますと一万五千坪程度がいわゆる危険校舎に相当するというようになっておりまして、大体九%程度のものが相当しておるのじゃなかろうかというふりに考えられます。ただ幼稚園、もちろん教育上から申しまして義務制あるいは幼稚園、高等学校、そういったものについて特に教育上価値の差があるというふうには考えられませんけれども、しかし義務制が最も基礎的な教育でございますので、義務制を第一に取り上げる。またそれに続く高等学校というものを本年度から予算措置をして、危険校舎を解消するということにいたしたのでございますが、幼稚園の問題につきましては、今後の問題として研究することにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/14
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015・吉田萬次
○吉田萬次君 最後に今度町村の合併が行われましたが、この町村合併に伴って、危険校舎などに対する合併条件として相当たくさんのものが持ち出されておるように思います。従ってこれに対する補助なりあるいは何とか特別な措置をしてやらなければならんと思います。また起債という方面においても相当考慮してやらなければならんと思いますが、これに対する当局の考えはどうであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/15
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016・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 町村合併が国の大きな政策として最近急速に実施されて参りました。この町村合併に伴う学校の統合あるいは校舎の改築というようなこともだんだんあるように承わっております。この校舎の改築が町村合併の条件になっておるようなところもあるようでございますが、まあ文部省といたしましても従来そういった統合関係のものにつきましては優先的に取り扱うということで補助の対象にして参ったのでございますが、しかしその場合にもいろいろ従来の学校において補助を受けたというような関係あるいは保有坪数の関係等もございまして、なかなか統合の条件に合うような改築ができにくかったのでございます。今後の問題といたしましてはこの統合に伴う校舎の統合あるいは改築というものにつきましては何とか新しい基準を作って、その基準によって補助を行うようにして統合に協力するという態度をはっきり打ち立てて参りたいということで新しい基準を研究することにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/16
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017・吉田萬次
○吉田萬次君 そうすると、この統合に関しての考え方というものは別に新しく考えるとおっしゃったと解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/17
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018・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 将来の問題としてできるだけこの統合の場合には他の場合に比べて有利な措置ができるように新しい基準を今後研究したい、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/18
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019・吉田萬次
○吉田萬次君 ただいまの起債の問題については御答弁がありませんでしたが、起債の方面に対してはどういう考慮を払っていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/19
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020・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように起債は自治庁の所管でやっておられるのでございますが、もちろんこの町村合併は地方自治行政上きわめて重要なことでありますので、こういった町村合併に伴う統合あるいは改築というようなものにつきましては起債の面で極力優遇をしてもらうように十分自治庁方面とも連絡をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/20
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021・安部キミ子
○安部キミ子君 文部省にお尋ねします。ただいまあなたのおっしゃいました小学校中学校が建ちますと、高等学校が二十万坪の危険校舎の見積りだとおっしゃいますが、この認定はどういう基準でしておいでになるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/21
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022・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように危険校舎の関係につきましては危険校舎改築促進臨時措置法がございます。この法律上危険な状態を認定しますのにその判定基準として政令でこまかい規定がありまして、この施行規則に耐力度調査表というその耐力度を調査する表が規定されておるのでございます。その表に従って各校舎を調査いたしまして、それを各校舎の耐力度を点数に換算して、その点数によって危険度を判定する、こういうことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/22
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023・安部キミ子
○安部キミ子君 文部省の百二十万という数字と、それから日教組あたりあるいはそのほかのそういう関係から出ている数字とちょっと食い違っているように思いますが、どういうところが食い違っておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/23
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024・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) ただいま申し上げましたような高等学校三十万坪、義務制百万坪という数字は別に各市町村から府県を通じて集めた数字でございまして、文部省の方で適宜にこれを圧縮するというようなことは全然やっておりません。今お話のございました日教組の数字というものについては私ども一の方では、はっきり承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/24
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025・安部キミ子
○安部キミ子君 そうすると文部省の発表になっておるこの数字には確信が持てる、責任が持てるということになっておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/25
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026・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 現在実施いたしました耐力度調査によればこういう数字でございますが、今後危険度が進行するという場合に多少のこの数字の増加ということは考えられますけれども、さしあたってこの数字は相当正確なものだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/26
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027・安部キミ子
○安部キミ子君 それではそれを一応了解するといたしまして、今のこの予算は木造建築の予算でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/27
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028・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この危険校舎改築費の二十一億六千八百万円、高等学校と小中学校と合せた分でございますが、これは御承知かと思いますが、一部分鉄筋あるいは鉄骨で改築することを認められる予算でございます。大体全体の予算のワクのうち八・五%が木造、それから一五%が鉄筋、こういうふうな比率になっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/28
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029・安部キミ子
○安部キミ子君 その比率でいきますと、今どこの学校でも問題が起っているのは敷地が大へん少いということなんです。で、けさほど本会議で議決になりましたあの付帯決議にも、なるべく多くの鉄筋コンクリートの建築をしてもらいたいという意思が入っておりますが、この付帯決議をこの危険校舎の方にも適用して将来予算を組まれる御意思はないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/29
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030・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この鉄筋のワクを配分いたします場合に、たとえば大都委等で防火建築でなければならん地域がございますが、そういった場合、あるいは災害が非常に多くて木造では非常に危険であるというような地帯、またただいまお尋ねのございましたような校地が非常に狭隘で、いわゆる耐火構造にしなければその校地には建てられないといったような事情があります場合、その他特殊な場合がございますが、そういった場合には鉄筋の予算単価を認めるという方針で従来やっております。ただこの一五%という数字が現益では鉄筋校舎建築の要望の強さからいたしますと非常に低いわけでございますので、文部省といたしましては、今後極力この鉄筋の比率の向上をはかって参りたいと、できるだけその方面に努力をいたして参りたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/30
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031・安部キミ子
○安部キミ子君 私の郷里の方でこういう例があるのでございますが、これは危険校舎になっておるいわゆる老朽校舎なんです、そういう校舎がたまたま火事にあったわけです。そのときにいろいろ政府の補助あるいは起債をお願いしましたのですけれども、なかなか危険校舎の扱いにもしてもらえぬし、それが去年火事があったのでございますけれども、起債も補助も十分でないというふりになりまして、地方財政の逼迫しておる現状で非常に困っておるという実情がありますが、こういうときにはどういうふうな措置をしておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/31
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032・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 危険校舎は大体従来のいき方は現在その校舎がございますものを引き当てにいたしまして、その危険度のもちろん高いものに限るわけでございます。それに国の補助を出して改築をするという制度でございまして、法律上まあそういうふうになっておりまして、火災の場合は御承知のように大体自力または起債を引き当てに火災の復旧をする、もちろんたとえば鳥取の大火災のような場合にはこれは補助の対象になった例もございますが、一般の火災の場合には大体自力あるいは起債でいくと、起債で復興するというのが原則でございますので、ただいまお尋ねのあったようなものを危険校舎として取り扱うということにつきましては非常に困難じゃなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/32
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033・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、それはやはり起伏によって地元の市町村が多く負担するということになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/33
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034・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体今お話の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/34
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035・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、大体火災になる以前は危険校舎に一応指定されておったという場合はどうなるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/35
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036・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) すでに手続がとられておった、たとえば危険校舎として指定されており、また補助の手続もある程度荘行しておったというな場合には、これはその補助の申請後に火事にあわれたような場合には、これは危険校舎として取り扱うことができるのじゃなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/36
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037・安部キミ子
○安部キミ子君 それでは話を今度は転換いたしますが、百万坪の中小の五ヵ年計画について、その第一期の計画の中に入る査定はどういうふうな順序でしておいでになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/37
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038・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 点数換算をいたしました場合に、文部省としては大体一応四千五百点以下のものを補助の対象にするというふうに考えておりますが、ただ実際にどの学校を本年度の予算のワクの中で改築するかということにつきまして、県の方で実情をよく把握しておられますので、県の方に大体その選定はおまかせをするということで参っております。ただ実際その府県が管下の学校を選定されます場合に、できるだけやがり危険度の高いものから逐次改築を行ってもらいたい、もちろんいといとな沿条で、たとえば町村の財政等の関係から相当危険度があっても本年度は改築できないというものがあり得るかと思いますが、原則といたしまして危険度の高いものから逐次改築をしてもらう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/38
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039・笹森順造
○委員長(笹森順造君) ちょっと申し上げますが、本件に関しましては去る二十一日の委員会以来相当審議が行われております。御質疑もだいぶ重複をいたす点が多いようでありまするから、なるべくは重複を避けてお願い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/39
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040・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、日本全国からいろいろ申請が出ていると思いますが、その申請の校舎の坪数の比率によって予算が配分されることは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/40
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041・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 先ほどお答え申しました中にもございますように、大体耐力度調査を基準にいたしまして、耐力度調査によって危険校舎と目されるものの坪数を大体標準といたしまして予算の配分を行うということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/41
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042・安部キミ子
○安部キミ子君 こういうことを申すことは大へんわれわれとしても侮辱に思う次第ですけれども、健はいろいろの運動の仕方ですね、文部省への働きかけいかんによってその予算が多く持っていかれるというようなことが、かってもあったように聞いておりますが、そういうふうなことは今後ないのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/42
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043・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 文部省としましては、はっきりした基準に基いて予算を配分することにしております。従って運動と申しますか、あるいは陳情と申しますか、そういったものを取り上げてその多少、あるいは多募によって配分の数字を左右するというようなことは絶対に考えておりません。ただおいて下さいました場合には、実情をよく承わることは承わるようにいたいしたいと思っておりますけれども、それによって配分のワクを左右するようなことは毛頭いたさないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/43
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044・安部キミ子
○安部キミ子君 了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/44
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045・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 他に御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/45
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046・堀末治
○堀末治君 私重復するのですが、本年の二十一億八千六百万円、それの木造と鉄筋との比率、さっき安部さんからの御質問にお答えがあったが、どういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/46
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047・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体そのうちの八五%が木造の予算、それから一五%が鉄筋ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/47
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048・堀末治
○堀末治君 この比率に何か、木造難築は火事がゆくとか何とかいうようなものを基礎にしてこういう比率を作ったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/48
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049・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体従来八五、あるいは二五という数字をずっととって参っておりますのですが、このもとになります根拠はただいま防火地帯、非防火地帯の比率が基礎になっておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/49
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050・堀末治
○堀末治君 相当火事なんかで木造建築は焼けますね。この両三年度火事なんかで炊けたりした坪数か校数か、おわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/50
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051・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 今的確な資料を持っておりませんので、さっそく取り調べて御返事を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/51
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052・雨森常夫
○雨森常夫君 今の木造、鉄筋の比率の問題に関連するのですが、たとえばその年度で緊急度によって採択してゆかれるんでしょうが、その年度々々であるいは一五%が今年は二〇%になる、こういう場合もあり得ると思うのですが、一五%というのは鉄則、何か規則があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/52
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053・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは予算の積算上のパーセンテージを申し上げたのでございまして、まあ実際には非常に鉄筋の御要県が強いものでございますから、文部省としては予算の範囲内で事情の許す限り大蔵省とも相談いたしまして、実行上の比率を高めることにしたいというふうに思っております。まあ現在この予算のワクの中で本年度できれば二五、八五の比率を二〇・八〇くらいまで鉄筋の方を高めたいということで実は交渉をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/53
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054・雨森常夫
○雨森常夫君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/54
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055・堀末治
○堀末治君 どうも八五と一五の比率ですが、いつからこういう比率になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/55
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056・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) はっきり何年からということはわかりませんが、公立文教施設費に関しましては相当古いころから八五、一五の比率が一応とられておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/56
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057・堀末治
○堀末治君 そうしますと、一五の比率でいわゆる鉄筋、鉄骨の希望に大体マッチしていっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/57
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058・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは最近の要請が非常に鉄筋に強くなって参りました。最上ではなかなか御希望に沿い得ないようなところも出てきておるのでございます。実はここ数年前までは八五、一五にいたしまして、なお鉄築の方の希望が少かったというような事情もあったのでございますが、最近は鉄筋あるいは防火建築の方の希望が強くなってきたという事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/58
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059・堀末治
○堀末治君 もう一つ、鉄筋、鉄骨の中に、最近ブロック建築なんというものはだいぶ発達してきましたね、ごく一両三年の間。このブロック建築なんかのものは鉄骨の中に入れておりますか、どっちへ入れておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/59
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060・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 一応鉄筋のワクの中の方に入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/60
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061・加賀山之雄
○加賀山之雄君 一つだけ伺いたいのですが、二十万坪、二十億ちょっとというのは、普通の建築のあれからいうと非常に単価が安いように思われるのですが、これは今までの実績からこのくらいでできるという計算になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/61
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062・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) この予算の単価から申しますと、木造が大体二万七千円、それから鉄筋は五万五十円、こういう単価でございまして、従来危険校舎の改築をいたしました実績から申しましても、大体その範囲でおさまっておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/62
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063・堀末治
○堀末治君 ちょっと最後に、これはごくけちなことですけれども、修正の中に「ろう」というかなで書いたやつを本字の「聾」に直しておりますね。どういうのでこういう修正をなさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/63
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064・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは法制局の方の御意見でこういうふうになっておるのでございますが、たとえば上の方からの続き工合で何々したろうとかいうふうに読みと誤まり、読まれやすいような場合には漢字を、制限漢字であっても漢字を書くというふうに法律の方の作り方を改められたように承わっておるのでございます。上の方から文章が続いてくる場合には、読み誤まりやすいというような場合には、こういった方式をとるというふうに改めれたように聞いておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/64
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065・堀末治
○堀末治君 そうするとその漢字制限をやったにもかかわらず、今度は法律だけこういうふうにするというのは、そこらに大きい矛盾ができるのではないかと思うが、私は大体言えば賛成なんですが、そうなんと書いたんじゃつんぼというようなことは誰にもわからない。本字を書いてわれわれは初めてわかるが、今の漢字制限で教育を受けた者ならこれはわかるかわからないか、私は非常に大きい疑問を持つのですが、しかしそういうところへ持っていって、とにかく漢字制限というものをはっきりきめておいて、そうして学校で教えないようなことを法律だけでこれにはっきりきめて置くということは、そこに大きな矛盾か出るんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/65
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066・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 制限漢字を用いる場台にも、従ってそのわきにかな書きがあるわけでございまして、ふりがながあるわけでございまして、従ってたとえばこの聾なら聾という字を学校でそのために教えなければならんというふうには考えるわけではございません。ただ上との続き工合の関係から、読み誤まれるようなおそれのある場合だけに限定されてそういうふうに、法文をさように改めるということであったようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/66
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067・堀末治
○堀末治君 そうすると、制限漢字以外の漢字を使うときには、法律には必ず横にふりがなをつけておくということの方針にきまったのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/67
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068・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 大体そういうふになったように承わっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/68
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069・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/69
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070・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。ちょっと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/70
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071・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて下さい。
これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/71
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072・堀末治
○堀末治君 私は自由党を代表いたしまして、ただいま議題となっております危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、別項の、あとで申し上げまするが、決議を対して本案に賛成いたしたいと存じます。
本案はちょうど私ども自由党の時代にこの法案を作ったのであります。危険校舎の実情はあらためて私が申し上げるまでもなくすでに皆様御承知の通りであります。幸いに当政府におきましても相当の予算を付して、こういうような修正を加えてお出し下さいましたことは、私どもは心から賛成するものであります。つきましては、ここにこういう快議を一付して本案を成立させていただきたいと、かように存ずるのであります。
危険舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案に関する付帯決議(案)
本委員会は危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案について次の付帯決議を付して賛成する。
一、公立学校危険校舎の実態は、年と共に累積する現状に鑑み、早急にその解消を図るため、大巾に予算増額の措置を講ずること。
二、地方財政の長期節約、木材資源の保護及び災害防止等の見地から、鉄筋、鉄骨等の建築に関する予算措置にあたっては、現在の比率を大巾に引き上げること。
三、町村合併の条件となった危険校舎の改築等を含む公立学校施設の統合整備建築に対しては、地方財政の合理的節約及び学校規模適正化等の見地から、国庫補助及び起債等につき所要の特別措置を緊急に講ずること。
四、公立幼稚園の危険校舎の実態に鑑み速やかに之が解消を図るため、国庫補助の対象となる方途講ずること。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/72
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073・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/73
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074・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。これより採決に入ります。危険校舎改築促進臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに替成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/74
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075・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告料の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/75
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076・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/76
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077・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に討論中掘委員から提出されました付帯決議案を議題といたします。堀委員の提出の付帯決議案に替成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/77
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078・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 全会一致であります。よって堀委員提出の付帯決議案を付することに決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/78
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079・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 次に私立学校教職員共済組合法の一部の改正する法律案を議題にいたします。質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/79
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080・堀末治
○堀末治君 きのう出席した提案者の赤城さんから提案理由の説明を承わったんですが、なかなかどうも提案理由の説明をちょっと読んでみてもよくわからないのですが、もし何なら事務当局の方からわれわれにわかりやすいように、一つもう一ぺん御説明を願えませんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/80
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081・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) まことにむずかしくて申しわけなかったのですが、私で足りますならば、もう一度御説明申し上げます。
お手元に提案理由の説明要旨をお配りしてあると思うのでございますが、簡略にまとめましたもので御説明申し上げたいと思います。
第一は本法制度当時の第十六回の特別国会、そのときに補助率を上げろ、こういうふうな委員会の決議にもなっておりますので、それを尊重いたしたということでございます。
第二は厚生年金保険法の国の補助率が、第十九国会においては百分の十から百分の十五まで引き上げられましたので、厚生年金保険法が母法である、それから分れた私立学校共済組合員法でありますので、本法の方の厚生年金保険法の国庫補助率が百分の十から百分の十五に上げたからして、これと均衡をとる意味において百分の十の補助を百分の十九に上げたいということが第二の理由でございます。
第三は厚生年金保険の被保険者であった期間が、私立学校教職員共済組合の給付事由が生じたときは、厚生年金保険に入っておった期間を合算されることになっておりますが、両者の間に給付条件とかその内容とかが違っておりまするし、なお昭和二十九年の第十九国会で厚生年金法の改正によって今まで政令で定められておりますが、厚生年金保険の被保険者であった当時納入した掛金は掛捨てとなり、これが約五億円以上になると思うのであります。そういう事情もあますので、その不足費用を補てんしてやるというような意味でも補助率を上げたい、こういうのが第三の理由であります。
第四でありますが、第四は、この非常にむずかしい計算から出ているようでありますが、長期給付の財源率という率がありまして、その財源率の算定の基礎になりますものは、掛金と国庫の補助と、それから蓄積した資金の予定利率と、こういう三つのものから財源率の算出がなされると、こういうようになっています。従って、財源率の算定上は、その三つの要素がありますが、国家公務員共済組合の場合は四分五厘であります。四分五厘でありまして、私立学校教職員共済組合の予定利率が五分五厘と、こういうことになっておりますので、片一方は四分五厘で計算し、片一方は五分五厘で計算するということになっております。そういうことでありますので、もしも国家公務員共済組合の方の四分五厘というものを五分五厘というふうな予定利率で計算いたしますと、現在国庫補助率が百分の十でありますが、百分の五ぐらいでも済むということでございますが、蓄積資本の予定和風が四分九厘より五分五厘にかりに上げたということになれば、それだけ蓄積資本の利息がふえますから、国庫補助が今百分の十でありますけれども、百分の五ぐらいでも間に合う、こういうことであります。逆に私立学校教職員共済組合の方の予定利率は五分五厘でございますから、その方から見るというと、四分五厘の場合よりも蓄積資金の利息が多いものですから国庫補助の方へはみ出して、国庫補助は百分の十でありますけれども、これが同じよりに四分五厘ということであるなばらば、これは百分の十五にしてもいいのじゃないか、こういうような、これはこのかりに四分五厘と五分五厘とを比較していけばそういうふうになる、こういうことであります。
第五は公立学校教職員の掛金算出基礎は基本給、本法にかけております。その月額平均は二万六千三百二円でございます。これは本法に対して掛金がかかっているのであります。私立学校の教職員はこれは標準給与というものがありますが、その標準給与の月額平均が二万一千八百九十七円ということになって、いるのであります。でありますので、公立学校教職員の掛金よりも私立学校の教職員の掛金の方が表面的には安くなっていますが、私立学校教職員組合の一方は標準給与というものには、まあ勤務地手当とか、超金手当そういうものも含めたものを大体見ているのであります、で、公立学校の教職員の方は本法だけであります。でありますから、本俸でなく本俸に勤務地手当とか超勤手当とか、そういうものを加えたものに対しての掛金率ということになれば、公立学校の教職員の掛金負担率よりもむしろ私立学校の教職員の負担率の方が高くなる、掛金の負担が高くなる、こういう数字が出ているのであります。そういう事情から見ましても、国庫補助の方を五%だけ上げた方がいいのではないか、これが第五であります。
第六は公立学校の教職員の大部分は恩給法の適用を受けて長期給付を受ける組合員は助教諭、傭人のみでありますが、私立学校教諭職員、共済組合の給付は大学の学長より幼稚園の保母に至るまで適用を受けますので、教育基本法第六条第二項の趣旨から考えても、百分の十を百分の十五に上げた方が適当ではないか、こういうふうなことであります。なお十分ないことにつきましては御質問によりましてお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/81
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082・雨森常夫
○雨森常夫君 五ですけれども、もう一ぺんお伺いしたいと思います。わからんのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/82
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083・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 公立学校教職員の掛金の算出の基礎が本俸だけであります。それから私立学校の教職員の掛金の算出の基礎は標準給与という表がありまして、総収入に近いものであります。そういうことでありますので、もしも公立学校教職員の掛金を本俸だけでなく、勤務地手当とか超勤手当とか、その他の手当を合わしたもの、大体二割から三割ふえるわけですが、その合わしたものに対しての比率を考えまするというと、今の掛金の比率よりも安くなるわけです、比率からいいまして。本俸だけに掛けたものでなくて本俸に加える二割から三割のものにかけるから、公立学校の教職員の掛金率は本俸でなく、本俸に加える諸手当の基本に比較すると比率が低くなる。で、表面的に見ると本俸に対して掛けるのと標準給与に掛けるものでめりまするので、私立学校の教職員の今の掛金の率は高いのです。高いのですが、そういう本俸以外の諸手当までも含めたものと比較すれば私立学校の教職員の掛金率は相当高くなっている。それを軽減する意味におきましても百分の十を百分の十五にしたい、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/83
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084・雨森常夫
○雨森常夫君 わかったような気もするのですけれども(笑声)、この数字を見ますというと、公立学校の方は月額の基本給のみであった二万六千円と私立学校の方は諸手当を加えたもので一万一千円と、そう書いてあるものだから、この数字は間違いないと思いますがけれども、何だかこう逆のような気がして頭が混乱するのですが、この数字はここに書いてある通りの諸手当を加えて私立学校の方は一万一千円ということなんですか。これはどういう…だいぶ違いますからちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/84
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085・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 雨森さんのおっしゃる通りなんです。諸手当を含めて一万一千八百九十七円、片っ方の一万六千三百二というものは本俸であります。こういう数字が出ているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/85
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086・堀末治
○堀末治君 雨森君同様よくわからないのですか、われわれよく知りませんけれども、学校経営というものは大変もうかるものだといっているのですが、もうかる学校経営をやっておって教職員に対する給与は公立学校よりこんなに差があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/86
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087・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 学校経営をしているわけでありませんから十二分な御答弁はでき得ないかと思いますが、非常に教員の給与は、私立学校の教員の給与は公立学校の給与より低い、こういう統計が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/87
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088・堀末治
○堀末治君 私立学校全体ですか。この中に私立学校として入っているのも入っていないのもあるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/88
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089・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 私立学校教職員共済組合に加入している学校数を申し上げますと、総数で四千八百二十一校あります。その内訳は大学が八十五校、短期大学が百七十四校、高等学校が八百二十八校、私の方の統計で八百二十八校になっております。中学が六百八十七、小学校が百六、幼稚園が二千五百九十、盲聾学校が三、各種学校が三百四十八、こういうふうな数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/89
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090・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 私の方で補足して申し上げるのはいかがかと思いますが、ただいま赤城議員の方から御説明がございましたように、学校数で申しますと、幼稚園の数が非常に実は多いので刈ります。それから組合員数から申しましても総体が約六万、五万九千三百という数字でございますが、そのうちの一万四千以上が幼稚園の先生ということになっております。幼稚園の先生は、まあ中には非常に給与の多いものもございますけれども、大体におきまして非常に給与が低いために、従って、この標準給与の平均月額というものがかなり低くなっておる、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/90
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091・堀末治
○堀末治君 そうするとこれは私立学校全部ではないのですな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/91
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092・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは現在強制加入になったおりませんので、たとえば大学におきましても、東京の中の相当有力な大学でこの私学共済組合に入っておらない、単独組合で健康保険なりあるいは厚生年金の方に入っておるというものもあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/92
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093・堀末治
○堀末治君 そうすると、これはこの中に入らないのはどのくらいあるかわかりませんか。大学が幾つ。今度のこの法律の適用を除外されるものは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/93
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094・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 私の方の調べた統計によりますと、未加入の学校は短大で一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/94
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095・堀末治
○堀末治君 大学から一つ、大学はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/95
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096・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 短大が一つ。高等学校が十一。幼稚園が四百七。各種学校が八。合計で四百二十七、こういうふうになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/96
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097・堀末治
○堀末治君 今の、大学がないというのですが、早稲田だとか慶応なんかが入っておらないのだが、この大学が入っておらなければ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/97
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098・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 今の間違いました。取り消します。未加入は大学で三十六です。大学三十六。短大が十二。高等学校が三十一。中学が十四。小学校が八。幼稚園が二十七。各種学校が五。さっきの数子は間違いでありましたので取り消します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/98
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099・堀末治
○堀末治君 合計幾つですか、入っていないのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/99
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100・赤城宗徳
○衆議院議員(赤城宗徳君) 百三十三になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/100
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101・堀末治
○堀末治君 これは一体入らないのはどういうわけでこいつは入っておらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/101
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102・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) 私学関係の社会保障制度ができましたときに選択加入で、たとえば健康保険に残りたいもの、厚生保険に残りたいものは残ってもよろしいという法律の規定になっておりますので、そちらの方が有利であると考たものはそちらの方に残っておる現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/102
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103・堀末治
○堀末治君 雨森さんと同様私も疑問を持ったのですが、総平均が非常に低いのですが、これは何ですか、これで見るというと、幼稚園あたりが非常に多いものだからこんなことで一人あたりの平均額が下っちゃう、実はこう思うのですが、今のこの大学あたりで、入っておらないこの三十六の学校の今の基本給与は公立学校と比べていいですか、悪いですか。大学といわず、短大といわず、高校といわず、中学といわず、これに入らない連中の大体給与の平均は公立学校よりいいですか、悪ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/103
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104・小林行雄
○政府委員(小林行雄君) これは一がいに申せないと思いますが、大体の数字を比較いたしますと、最近の調査によりますと、たとえば早稲田、その他の大学と国立の大栄等と比較しますと、最近では必ずしも私学の力がいいとはいえない状況になってきておるのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/104
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105・安部キミ子
○安部キミ子君 この法案は大体皆さん了承しておいでになると思うのです。衆議院の方でも全会一致で通っておりますから、それでこの趣旨がよくわかれば御賛成いただけると思うのですが、まだお互いにややっこしい厚生年金の何分のなんぼということがどうも腹入りしないというがほんとうじゃないかと思います。もっと具体的にわかるように御説明を一つ簡単にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/105
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106・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 委員長から申し上げますが、こういう点と、御不明の点を指摘して御質疑願うと大へん答弁するものとしてはいいと思います。また同じことを繰り返しますか、もし何んだったら速記をとめていたしましょうか。
ちょっと速記をとめて。
午後三時五十三分速記中止
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午後四時十七分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/106
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107・笹森順造
○委員長(笹森順造君) 速記を始めて下さい。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十八分散会
————・————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102215077X02519550727/107
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