1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和三十一年四月二十四日(火曜日)
午前十時四十八分開議
出席委員
委員長 徳安 實藏君
理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君
理事 荻野 豊平君 理事 薩摩 雄次君
理事 瀬戸山三男君 理事 前田榮之助君
理事 三鍋 義三君
逢澤 寛君 大高 康君
木崎 茂男君 志賀健次郎君
仲川房次郎君 廣瀬 正雄君
山口 好一君 今村 等君
楯 兼次郎君 中島 巖君
出席国務大臣
建 設 大 臣 馬場 元治君
出席政府委員
建設政務次官 堀川 恭平君
建設事務官
(計画局長) 町田 稔君
委員外の出席者
専 門 員 西畑 正倫君
—————————————
四月二十四日
委員西村力弥君辞任につき、その補欠として島
上善五郎君が議長の指名で委員に選任された。
—————————————
本日の会議に付した案件
東京駅八重洲口広場の区画整理問題について参
考人出頭要求に関する件
土地収用法の一部を改正する法律案(内閣提出
一五〇号)
土地収用法の一部を改正する法律案(西村力弥
君外十名提出、衆法第四七号)
福井県芦原町大火の被害状況に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/0
-
001・徳安實藏
○徳安委員長 これより会議を開きます。
この際お諮りいたします。西村力弥君外十名提出の土地収用法の一部を改正する法律案は、発議者の全員から議長あて撤回の請求がありました。本案はすでに本委員会の議題となっておりますので、これを撤回するには、衆議院規則第三十六条の規定により、委員会の許可を要するのであります。つきましては、本案の撤回を許可するに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/1
-
002・徳安實藏
○徳安委員長 御異議なしと認め、撤回を許可することに決定いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/2
-
003・徳安實藏
○徳安委員長 内閣提出にかかる土地収用法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に対する質疑はございませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/3
-
004・徳安實藏
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
この際自由民主党瀬戸山君、社会党三鍋君の両君より、本案に対して、両派の共同の提出にかかる修正案が提出されております。趣旨弁明を求めます瀬戸山三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/4
-
005・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 ただいま議題になっております土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、修正案を提出いたします。
まずその案文を朗読いたします。
土地収用法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第四十条、第四十一条、第四十二条第一項第四号及び第六十四条第二項の改正規定を削る。
第百二十五条の改正規定中「「手数料を」」を「「一万円をこえない範囲において政令で定める額の手数料を」」に、「手数料を、」を「一万円をこえない範囲内において政令で定める額の手数料を、」に改める。修正案の内容は以上読み上げた通りでありますが、その提案理由並びに要旨を簡単に御説明申し上げます。
第一に、第四十条の改正規定を削除いたしましたのは、収用手続における当事者間の協議の重要性にかんがみまして、あっせんがととのわない場合におきましても、協議を省略することは妥当でありませんので、現行法通りといたした次第であります。
次に第四十一条及び第四十二条の改正規定を削除いたしましたのは、第四十条の改正規定を削除したことに関連する条文を整理するのであります。
第三に、第六十四条の改正規定を削除いたしましたのは、現行法第六十四条第二項中の、その他相当でない場合として処理し得るものでありまして、特に改正の必要がないものと考えたからであります。
第百二十五条の改正は字句の整理であります。
以上が本修正案を提出いたしました理由でありますが、何とぞ御賛成をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/5
-
006・徳安實藏
○徳安委員長 ただいま説明がありました修正案に対し、御質疑があればこれをお許しいたします。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/6
-
007・徳安實藏
○徳安委員長 御質疑がないようでございますから、それでは本案並びに瀬戸山、三鍋両君共同提出の修正案を一括して討論に付したいと存じます。中島巖君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/7
-
008・中島巖
○中島委員 私は社会党を代表いたしまして、ただいま瀬戸山並びに三鍋両委員より提出されました修正案に賛成の意見を表するものであります。しかしながら今回の土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、いささか党の考えを申し述べまして、そしてこの法律の施行に当りまして政府に対して希望を申し述べておきたいと思うのであります。
本法律案に対しましては、提案理由の説明にありますごとく、提案理由の説明といたしましての第一、第二の点でありますが、知事の権限を建設大臣に大幅に委譲いたしました点であります。この点につきましては、現在強力に国が推進いたしております多目的ダムの建設その他につきまして、国において非常に支障になるという観点からかくなったのでありますけれども、この法案の内容そのものから見ますと、知事の権限を取り上げまして、そして地方公共団体の権限と申しますか、利害関係を非常に圧迫縮小している観があるのでありまして、この点はなはだ遺憾と思うのでありますから、法律の実施に際しましては十分この点を考慮いたしまして、その地方公共団体の内部に腹蔵するところのいろいろな行政上の諸情勢を勘案いたしまして、そして十分に地方公共団体の意思を尊重いたしまして施行するようにせられんことを政府に対して勧告をいたすものであります。
それからただいま提案されました修正案の内容は、説明要綱における第三がほとんど削除されて、現行法によるということになったわけでありますが、この点党といたしまして満腔の賛意を表する次第であります。なぜならばこの説明要綱の第三は、国家権力を非常に拡大強化と申しますか、強くいたしまして、個人の財産権を取り扱う上において非常に発言権を制限することになりますので、これを削除いたしまして、現行法に改めることは当然であると思うからであります。なぜかと申しますと、この第三、すなわち第四十条におきましては、憲法二十九条に規定されている「財産権は、これを侵してはならない。」という、いわゆる憲法違反の疑いが非常に濃厚なのでありまして、この法案を審議する上におきまして、釈然たる気持に現在もなっておらないのであります。従いましてこの修正案によりまして、この点は現行法を骨子といたしまして、個人の財産権とそうして国家公共の目的と相一致する線に改正案よりは近づいているという、かような、点を取り上げまして、この修正案に満幅の賛意を表するものであります。しかしながら個人の権限と国家公共の福祉と常に合致せしめるように、そうして現行法を適用するにあたりましても、十分個人の意思を尊重いたしまして、協議の上納得のいく法の施行について格段の配慮をせられんことを希望いたしまして、修正案に賛成をするものでしあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/8
-
009・徳安實藏
○徳安委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより本案並びに修正案について採決いたします。
まず修正案について、採決いたします。瀬戸山、三鍋両君共同提出の修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/9
-
010・徳安實藏
○徳安委員長 起立総員。よって修正案は可決いたしました。
次に修正部分を除いた原案について採決いたします。修正部分を除いた原案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/10
-
011・徳安實藏
○徳安委員長 起立総員。よって修正部分を除いては原案の通り可決いたしました。従いまして本案は修正議決いたしました。
なお報告書の作成等に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/11
-
012・徳安實藏
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/12
-
013・徳安實藏
○徳安委員長 福井県芦原における大火について建設大臣より発言を求められております。この際これを許します。馬場建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/13
-
014・馬場元治
○馬場建設大臣 さきに能代、常葉の大火を見ましたことはまことに遺憾千万でありましたが、今回またまた福井県芦原の地に火災が発生をいたしました。まことにお気の毒千万に存じます。去る四月二十三日の六時四十分発火いたしまして十二時に至ってようやく鎮火いたしたのでありますが、この火災によりまして全焼いたしました戸数が四百戸、半焼二十戸、罹災人口が約二千人ということに相なっております。この報告に接しまして、直ちに都市建設課の調技官及び区画整理課の芦田技官を現地に派遣いたしまして実情を調査せしめております。住宅対策といたしましては、滅失戸数の三割に相当いたしまする百二十戸につきまして、災害公営住宅を建設するための国庫補助を行いますと同時に、住宅金融公庫におきましてもその二割に相当いたしまする八十戸につきまして建設資金の融資をする計画で準備をいたしておる次第であります。現地を調査いたしました上で、その他の方法は適宜迅速にこれを遂行して、罹災者諸君の苦痛の一日も早く解除できますように努力をいたすつもりであります。さしあたりただいま受けました報告に基きまして一応の御報告を申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/14
-
015・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 ただいま大臣の御報告は、非常に失礼ですが、ちょっとほかのことを考えておって、数字を聞き漏らしたのでありますが、三割——新聞報道によりますと四百戸焼失となりますからそうすると三割、百二十戸、ところが新聞報が誤まりであるかどうかわかりませんが、二百戸程度消防破壊をやったということになっておりますが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/15
-
016・馬場元治
○馬場国務大臣 二十三日十三時の建設省の調べに基いて今報告申し上げたのですが、そのときの報告にはただいま申し上げた通り全焼が四百戸、半焼が二十戸、こういうことになっております。破壊消防をやったかどうかはただいまのところ私の手元に判明いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/16
-
017・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 数字は今お調べ中でありますから、あとでそれによっていいのでありますが、私が問いたいのは、焼失戸数が四百戸でかりに二百戸の消防破壊をやって破壊されたというときどきをいわゆる三割の計算の基礎になされるかどうかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/17
-
018・馬場元治
○馬場国務大臣 法文の表向きの解釈からいたしますと、いわゆる火災によって滅失したものでないと火災によって滅失したる家屋という範疇には入りがたいと考えます。ただ実情に即して大蔵省ともよく折衝いたしまして善処いたしたいとかようにただいまのところ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/18
-
019・瀬戸山三男
○瀬戸山委員 私がお尋ねしたのは、まさに法律問題であると思うのです。しかし今大臣のお話のようにあまり条文にこだわらないで火災に関連して破壊消防をいたしましたときには、実際は住宅がなくなったという現実は同じことでありますから、そういうふうな取扱いをしてもらいたい。もしそうい、う取扱いができなければ、あの法律の改正をしなければならないのではないかと思っております。でありますから、よく御研究下さるようお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/19
-
020・馬場元治
○馬場国務大臣 まことにお説の通りでありまして、法文をきわめて狭義に、厳格に解釈する場合と、これを広義に解釈いたしまする場合とにおいて、結論はおのずから異なってくると思います。お説のように消防のための破壊でありますから、これについては十分考慮しなければならぬ問題であると思います。もし法文の改正の必要があるということでありますれば、さらに御審議をお願いする機会があるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/20
-
021・前田榮之助
○前田(榮)委員 建設大臣のただいまの御答弁によって、建設大臣の誠意はよくわかるのですが、火災で家をなくしたということと、火災による災害といいますか、そういうものも火災の災いの中だ、こういう強い決意ができ、解釈が行われるなら問題はないと思う。国の大きい仕事からいいますと小さいことになる。しかし災害者の身の上からいうと大事件なんでありますから、一つ決意を新たにして災害者を救われるよう希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/21
-
022・馬場元治
○馬場国務大臣 火災なかりせば破壊せられざりしものをという因果関係があるかと思うのですが、罹災者としてはまさに大問題でありますから、御趣旨を体して善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/22
-
023・逢澤寛
○逢澤委員 ちょっとお尋ねしますが、そういうような場合、従来からの経験として火災保険の適用はどういうような取扱いにしておりますか。事務局の方でわかったらお知らせ願いたいと思います。
〔「ここではちょっとわからない」と、呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/23
-
024・薩摩雄次
○薩摩委員 ただいまの馬場建設大臣の答弁に関連しまして、炎は昨日の芦原の大火は、偶然に私が行っておりまして、あそこで焼け出されて命からがら逃げてきたのですが、現場を見まして今の焼失家屋四百戸というのは間違いないのです。こわした家屋は二百戸であるか百七、八十戸であるか、これはそのうち詳細な報告が来ると思います。そのときに私陣頭に指揮してぶちこわしをやった。これをぶちこわさなければ全部焼けてしまう。非常なる風で何しろ十町も離れたところに飛火して山が十数町歩も焼けた。一里も離れている三国町に飛火して三国町の農家が焼けたというくらいの非常な強風であり、突風であったところです。あれをこわさなければ、あの町は全部焼けてしまう。あれをこわしたがためにようやく四分の一ほど助かったのですから、これは火災のために破壊したというよりは、破壊しなければ、あのこわした家が焼けるばかりか、ほかの方も全部焼けた、こういうふうに解釈していただいて、応急の処置を焼けたと同様にしていただきたい。しかも建設委員会の人間が行って指揮をしてこれをぶちこわせと言ったのです。それからもう一つは、馬場建設大臣がおととい福井県を視察されてあのべに屋に泊られることになっておった。それが突然変更になったものですから私が断わりに行っておった。もし建設大臣が泊っておられたならば、あのべに屋は七時ごろですか、焼けているのですから、私と同様に洋服を着てようやく逃げて、おそらく昨晩は帰られないで陣頭指揮しなければならないだろうと思う。そういうような関係もありますので、特に芦原の火災は慎重に同時に速急に復旧に対して御努力願いたいと思います。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/24
-
025・徳安實藏
○徳安委員長 この際お諮りいたします。明二十五日午前十時より委員会を開き、八重洲口の区画整理の問題を議題とし、当日は参考人として佐藤東京都副知事を招致いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/25
-
026・徳安實藏
○徳安委員長 御異議なしと認め、さように決します。
なお当日は運輸省及び国鉄関係者も出席を要求してございますから、御了承願いたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。次会は明二十五日午前十時より開会いたします。
午前十一時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404149X02619560424/26
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。