1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月九日(木曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 佐々木秀世君
理事 大坪 保雄君 理事 大橋 武夫君
理事 野澤 清人君 理事 岡 良一君
植村 武一君 小川 半次君
越智 茂君 亀山 孝一君
熊谷 憲一君 小島 徹三君
田中 正巳君 田子 一民君
中山 マサ君 亘 四郎君
阿部 五郎君 井堀 繁雄君
岡本 隆一君 滝井 義高君
三宅 正一君 中原 健次君
出席政府委員
厚生政務次官 山下 春江君
厚生技官(公
衆衛生局長) 山口 正義君
委員外の出席者
専 門 員 川井 章知君
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本日の会議に付した案件
検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
一号)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X00519560209/0
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001・佐々木秀世
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
検疫法の一部を改正する法律案を議題とし、審議に入ります。まず趣旨の説明を聴取することといたします。山下厚生政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X00519560209/1
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002・山下春江
○山下(春)政府委員 ただいま議題となりました検疫法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
現行の検疫法は、昭和二十六年六月公布施行されたものでありますが、その後わが国が加盟している世界保健機関において、世界保健機関憲章に基いて国際衛生規則が制定されました結果、現行法と国際衛生規則との間に若干の相違点が生じ、国際的協力の面から申しましても検疫法を是正し、国際的な検疫制度に即応せしめる必要が生じて参ったのであります。また、一方従来の経験に微しまして、検疫の実施上簡易化できる面はできるだけ簡易化し、国際間の交通を円滑にすることも考慮いたし、その改正につきまして鋭意研究を進めまして、ここに検疫法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。次に改正案の内容について御説明申し上げます。
本改正の第一点は、回帰熱を検疫伝染病に取り入れたことであります。回帰熱は国際衛生規則の規定にのっとり、諸外国とも検疫伝染病に指定しておりますので、わが国においてもこれを検疫伝染病に加えることといたした次第であります。
本改正の第二点は、検疫伝染病患者の委託収容の範囲を拡大したことであります。現行法では検疫所以外の病院に収容を委託できるのは、痘瘡、発しんチフスの患者だけであります。従って場合によっては重症な患者でも回航しなければならないようなことにもなりますので、改正案ではこれを回航することなく付近の病院にその収容を委託できるようにいたしたのであります。
本改正の第三点は、検疫港以外の港においても検疫を行い得る制度を設けたことであります。現在関税法に規定せられている開港が六十四カ所存在するのに対し、検疫港として指定されている港は三十四カ所でありますので、検疫港以外の港に入港しようとする船舶は、検疫港に迂回して検疫を済ませた後、目的港に向わざるを得ないのであります。これが船舶の運航に多大の不便を与えておりますので、これを緩和する一方策として、良好な衛生状態にあると検疫所長が認めて許可した船については、検疫港以外の港において検疫を行う道を開こうとするものであります。
本改正の第四点は、検疫所長の行う衛生措置として、新たに検疫伝染病予防上必要な調査を加えたことであります。これは検疫の目的を有効適切に達成するためには、検疫所長が検疫港または検疫飛行場の衛生状態を絶えず正確に把握しておかなければなりませんので、港内及び埠頭付近の倉庫地帯等において、検疫伝染病予防上必要な調査ができ得るようにいたしたのであります。
以上が改正案のおもな点でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X00519560209/2
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003・佐々木秀世
○佐々木委員長 以上で説明は終りました。法案についての質疑その他につきましては後日以後に譲ることといたします。
次会は公報をもってお知らせし、本日はこれにて散会いたします。
午前十時五十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X00519560209/3
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