1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年五月三十一日(木曜日)
午前十一時一分開議
出席委員
委員長 松原喜之次君
理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君
理事 小山 長規君 理事 高見 三郎君
理事 藤枝 泉介君 理事 石村 英雄君
理事 春日 一幸君
淺香 忠雄君 大平 正芳君
奧村又十郎君 加藤 高藏君
川島正次郎君 吉川 久衛君
竹内 俊吉君 内藤 友明君
中山 榮一君 夏堀源三郎君
古川 丈吉君 坊 秀男君
前田房之助君 横川 重次君
有馬 輝武君 竹谷源太郎君
横山 利秋君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
通商産業大臣 石橋 湛山君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 横田 正俊君
大蔵事務官
(主税局長) 渡邊喜久造君
通商産業事務官
(鉱山局長) 松尾 金藏君
委員外の出席者
議 員 石田 宥全君
専 門 員 椎木 文也君
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五月三十日
委員山本勝市君辞任につき、その補欠として加
藤高藏君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
小委員長補欠選任
参考人の出頭要求に関する件
閉会中審査に関する件
委員派遣承認申請に関する件
物品税法の一部を改正する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出第一五三号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(参議
院提出、参法第一五号)
昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特
例に関する法律案(石田宥全君外二十六名提出、
衆法第五六号)
外国為替に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/0
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001・松原喜之次
○松原委員長 これより会議を開きます。
この際、小委員長の辞任についてお諮りいたします。請願審査小委員長杉浦武雄君より、小委員長を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/1
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002・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
引き続き小委員長の補欠選任を行いたいと存じますが、その方法は、先例によりまして委員長より御指名いたすに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/2
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003・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。それでは委員長におきましては、請願審査小委員長に黒金泰美君を御指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/3
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004・松原喜之次
○松原委員長 次に、参考人招致の件についてお諮りいたします。税制に関する件について奥村委員より、警視庁の防犯係長の出頭を求め、意見を聴取いたしたいとの要求がありますが、警視庁の方は、従来とも参考人として御出席を、願っておりますので、明日の委員へ会に警視庁防犯課長田中八郎君を参考人として出頭を求めるよう取り計らいたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/4
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005・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/5
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006・松原喜之次
○松原委員長 次に、物品税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び租税特別処置法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。石村英雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/6
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007・石村英雄
○石村委員 政府提案として物品税法の一部を改正する法律案が出ておりますが、社会党としては、御承知のように、現行物品税法は撤廃すべきであるという意見を根本的に持って提案をいたしておる次第でございますが、しかしなかなかそこまでには立ち至らないというので、大蔵委員会でも物品税全体についていろいろ検討を加え、あるいは当面の措置として免税点の引き上げとか、政令改正とかいうようなことで話し合いをしておるわけで、法律改正にはなかなか手を触れることはむずかしいというので、そこまで至っておりませんが、政府として、附則の改正ではありますが、少くともテレビについてのみこういう法律改正をおやりになった理由はどこにあるか。単にテレビだけでなく、多くの物品について——中小企業の問題、あるいは税率の不均衡、問題は非常にたくさん各方面にわたってあるわけなんです。ただテレビだけにこれをお出しになった理由はどこにあるかお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/7
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008・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 お話しのように、物品税につきましてはいろいろ非常に論議があるわけでございます。撤廃すべしという論議から、一応現状においては物品税の保税がやむを得ないとしましても、その内容において、さらに検討すべき余地がいろいろあるのじゃないか。ただ御承知のように、物品税の課税対象というものは相当広範にわたっておりまして、全般にわたっての検討という問題になるわけでございまして、われわれといたしましても、いろいろ検討はしてみたのでありますが、まだちょっと結論が出かねますので、従って明年度において税制全体を見直すときにおきまして、当然この問題は取り上げていい問題じゃないかというふうに考えております。それじゃ、なぜこの附則についてだけ改正を行うか、こういう御賛同でございますが、御承知のように、現在の附則によりますと、本年の六月三十日をもって、十四インチ・テレビに対する一五%という特別税率は一応効力を失うわけでございまして、従って本文に返る、すなわち、すぐに改正をいたしません一一ならば三〇%の課税になる、こういうわけでございます。ただテレビにつきましては、最近だいぶ普及して参りましたし、同時にテレビ受像機の値段もだんだん下ってきたということがありますが、しかし全部が一挙に三割になるというのは、少し負担がふえ過ぎて、まだ普及の途上にあるテレビについては適当じゃないじゃない、だろうか。こういうふうな判断を下したのでございますから、そこで一応この附則を延ばす。しかし従来のままで延ばすのじゃなくて、ここ二年間は十七、それからあとは二十という程度にして、この附則の規定を延ばしたら、どうか、こういう意味において御提案申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/8
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009・石村英雄
○石村委員 どうもテレビだけがこういう取扱いを受けるということが合点いかないのです。他にも三〇%の税金をかけられて、やはり相当問題のある物品もあると思うのです。大蔵省はどうしてそこまで検討をお加えにならないか。前にテレビをこういう附則でやったから、その惰性で続けていっていらっしゃるのだと思いますが、しかし日ごろお仕事をして、何もテレビのことしか見ていらっしゃるわけでもないと思います。三〇%あるいは二〇%の税率の他の物品についても検討を加えて、政府案としてお出しになっていいのじゃないか、こう私は思うのです。どうもテレビだけだということは納得できないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/9
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010・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 結局、先ほどの御答弁を繰り返す程度になって恐縮でございますが、テレビにつきましては、現在附則でもって、十四インチ以下のものだけについて、この六月三十日まで一五%になっている。従って、この改正をいたしませんと、すぐに三〇%になり、相当大きく負担がふえるわけであります。ほかの物品につきましても確かに論議はあります。論議はありますが、しかしそれぞれかなりからみ合った負担権衡の問題ございますので、われわれとしては、まだ早急に結論を下す段階にまで至らなかった。ただテレビにつきましては、今申しますように、十四インチ以下のものにつきましては、十五の税率が一ぺんに二倍になるというのをほっておくのも、今のテレビの普及の状況等から考えますと行き過ぎではないだろうか、従ってこの意味において、この分はもう少し徐々に本来の姿に直していくという措置を、この分についてだけ一応考えていくことが必要ではないかというので、御提案申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/10
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011・石村英雄
○石村委員 これが一つの突破口になって、他のものもおそらく近い将来に改正されるのではないかと思うのですが、大蔵省としては、やはり適当な機会に他の物品についても検討を加え、改正なさる御意見があるのかどうか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/11
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012・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 まだ別に省議としてきまったとかなんとかいった意味で御返事申し上げる段階ではございませんが、私といたしましては、明年の税制改正におきましては、一応物品税につきまして相当の検討をして、要すれば全体についての法律改正案といったようなものも考えてみなければならぬものではないだろうかというふうには——これは私の個人というとまたしかられるかもしれませんが、一応主税局長としての私が考えているところであります。
〔「ラムネもあるぞ」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/12
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013・石村英雄
○石村委員 今ラムネと言われましたが、僕はこんなものが出せるなら、ラムネがなぜ出せないのか。(「その通り」)
それから三十一年六月三十日というのを当分に改められて、そうしてカッコして昭和三十三年ということになっておるのですが、普通こうしたものは大てい一年くらいが普通の例、だと思う。これを三十三年まで長くおやりになったということは、あるいは三十三年までにそういう検討を加えて一般的な改正をする意志がないのじゃないかとも逆に考えられるわけです。去年はたしか一年だったと思う。これをことしになって特に三十三年と、二年間ですが長くなさったのはどこに理由があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/13
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014・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 その点につきましては、いろいろ議論のあるところではあると思いますが、一年ごとに検討を加えていくのがいいか、あるいは現在におきましてある程度の見通しがきくわけでございますから、その見通しのきく限度において、一応必要の程度が大体わかれば、その限度において問題を片づけていった力がいいのじゃないか、こういう考え方もあり狩るわけでございまして、昨年は一年でやって参りましたが、テレビの産業も大体一つの方向に向って参りましたので、この機会において一応その程度の見通しはっけていいのじゃないか、ただその考え方は、一応現在の物品税のあり方を前提としておりますので、従って物品税全体につきまして検討し直す場合に、その分だけが特に出っぱり過ぎているとかなんとかいう問題があれば、これはまた別の問題だと思いますが、一応現在考えておるところにおきましては、やはりその程度の見通しをして、毎年毎年問題を持ち出すよりも、一応の見通しをつけてやった方がいいのじゃないか、こういう考え方で御提案申し上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/14
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015・横山利秋
○横山委員 ちょっと関連して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/15
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016・松原喜之次
○松原委員長 それでは関連質問の申し出がありますから、これを許します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/16
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017・横山利秋
○横山委員 簡単に石村委員の質疑に関連して御質問いたします。確かに石村委員の申しますように、われわれ年々歳々物品税の免税点の引き上げ等について大蔵省がやっておられるのを見て、多少修正ができても、もうこれはおおいがたい法律上の不均衡が出て参っておるわけであります。先ほどお伺いすると、主税局長は、自分個人としては、もうすでに法律を修正しなければこの不均衡はおおいがたいと認めておる、こうおっしゃっておられますが、これは単に主税局長としての個人的見解にとどまっておる模様であります。そういうことであるならば、これは私どもとしてはきわめて残念だと思わざるを得ないのであります。大蔵省として今日設けられております臨時税制調査会に対して、この物品税の不均衡を提示して、その判断を求めるという意思があるのかないのか、この点をお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/17
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018・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 その点につきましては、物品税の問題におきましても、税制調査会で議題にして取り上げて判断していただく。蛇足かもしれませんが、実は昨日も通産省の方からの御推薦を得まして、約十人の方々、いろいろな品物の業者の方々においでを願いまして、税制調査会におきましては、一応各業者の方の御意見を伺ったというふうな事実もございまして、もちろん結論とか、そういった論議にはまだ入っておりませんが、一応この問題を取り上げることになっておるということは、そういったことからも御了解願えるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/18
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019・横山利秋
○横山委員 そこでお伺いいたしたいのは、臨時税制調査会の方向というものが、直接税を少くして間接税の方を増徴する、こういう方向が大きな流れとしてあるようであります。その流れというものと物品税の不均衡を是正するということ、その関連をどういうふうに主税局としてはお考えであるか、つまり物品税の不均衡を是正するということは、高過ぎるものを減らすということであって、今日以上に高くするということではないと私は判断をするものでありますが、その点についてあなたは、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/19
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020・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 物品税というものから考えていけば、お話しのような結論が出てくると思います。それから税制全体として考えて参りますと、非常に抽象論ではありますが、直接税の方が重い、だから負担を下げるなら直接税であるし、場合によっては、適当な直接税があれば、そこから税源を得ても直接税を下げたい、こういう抽象論的な議論はあります。しかしその場合において、具体的にどうするかという点は、まだ問題がちっとも詰まっておりません。従いまして、物品税だけから見ればお話しの通り、それから税制全体として考えてみれば、所得税とか、そういったものの負担をどうしたいという希望がある、こういう点をどう調節していくかという点が今後に残されたむずかしい問題の一つだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/20
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021・横山利秋
○横山委員 むずかしい問題ということだけでは、石村委員に対する答えにはならないので、逆の方向に参っておると思うのであります。私は、この二、三年来の物品税の軽減の状況、免税点の引き上げの状況からいって、どうにもならなくなっておる。免税の問題で、軽減し得るものはし得るけれども、その方法がない。たとえば化粧品のごとき、全く方法がないというような状況になって参っておって、不均衡もはなはだしいと思うのです。こういう京について、具体的な品目について、あなたの方としては検討を進められておるのかどうかということを、最後にお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/21
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022・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 こういう話になると思うのでございます。物品税を残しておくという前提の話になるわけですが、物品税をやめてしまうということになれば、そういうお面は必要ありませんが、物品税を残しておくという問題になった場合に、結局税法の本文に全然触れないでおくということは、ちょっとむずかしくなってきておるという点は、あなたも御指摘になっておるように、ある極の品物は政令改正でもって、かなり負担の軽減という目的はかなえられておる。しかし、ある種の品物については、そういった課税について事実上不可能に近い。従ってその分については、やはりどうしても法律を直さなければだめだ。こういったような問題になってきておるのだと思います。
〔私語する者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/22
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023・松原喜之次
○松原委員長 お静かに願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/23
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024・渡邊喜久造
○渡邊政府委員 従いまして、物品税の税収というものをどうするかという問題と、それから今のにっちもさっちもいかなくなっておるという問題と、その辺の点は必ずしも——これは程度によりますが、調整はできないことはないのではないか。ただ、前提として物品税全体の税率を下げるということになれば、大きな減収が出てくるから、そのかわり財源をどこに求めるかということが大きな問題になってくる。今の政令改正の問題と法律改正の問題とがある程度矛盾している問題というような点になりますれば、これはやり方次第では、そう大きな減収を来たさないでも調整できますし、物品税そのものをどう考えるかという問題がその次にあって、そしてもっと大幅な引き下げなり何なりをやった方がいいんじゃないかという結論が出ますが、こういった問題が出るだろうと思います。従ってその間に幾つかの段階があるというふうに了解できるんじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/24
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025・藤枝泉介
○藤枝委員 動議を提出いたします。
ただいま一括議題となっております物品税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案に対する質疑は、この程度にて終了し、討論を省略して直ちに採決されんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/25
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026・松原喜之次
○松原委員長 ただいまの藤枝君の動に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/26
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027・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
これより物品税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
お諮りいたします。両法律案を原案の通り可決するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/27
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028・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よって両法律案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願って、おきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/28
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029・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/29
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030・松原喜之次
○松原委員長 次に、去る十八日当委会に審査を一付託されました石田宥全君外二十六名提出にかかります昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を議題として審査に入ります。
まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。石田宥全君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/30
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031・石田宥全
○石田宥全君 ただいま議題となりました昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案につきまして提案の理由を説明いたします。
現下の食糧需給の現状にかんがみ、政府においては昭和三十一年産米穀についても生産者の自主的売り渡し申し込みを基調とする事前売り渡し申し込み制度により集荷を行うことを決定しておられるのでありますが、本制度の一層の発展をはかり、集荷をより効率的に行うことは国民全糧の大宗をなす米穀の国家管理遂行上、きわめて重要なことであると思われます。このために昭和三十一年産米穀について、昭和三十年産米穀につき採用されました減税措置の一層の強化徹底をはかることが集荷促進の協力たてことなると考えます。
昭和三一十年産米穀の集荷におきましては、事前売り渡し申し込み制度、減税措置、概算払い及び豊作等の措置がからみ合って働いた結果、政府は予定数量以上の集荷を達成することができたのでありますが、これらの措置のうち、減税措置は次の二点より集荷促進の上にきわめて有効であると思料されるのであります、第一に売り渡し申し込みを一して政府に売り渡す数量が多ければ多いほど、所得税法上の所得額から控除する額が大きくなり、申込者にとり有利となることであります。第二に全供出量のうちで課税対象農家の供出量の占めるウエートが高いということであります。
さらに、本措置が生産者の世論に照らしましてもきわめて好評である事実にも照らしまして、ここに本法を制定いたしたいと存ずる次第であります。
この法案は二つの点が主要事項とたっており幸して、その一つは、事前売り渡し申し込みに基いて政府に対して米穀を売り渡した者の昭和三十一年分の所得税については、昨年同様一定額を非課税とすることであります、他の一つの点としましては、非課税とする一定額を玄米一石当り平均二千円とすることであります。この二千円と申しますのは、従来の奨励金免税相当分八百円と、申し込み加算金及び米価実質引き上げ分の減税額を合せて千二百円として合計したものであります、昨年におきましては、非課税とする一定額は玄米一石当り平均千四百円であったのでありますが、本措置の強化をはかるため、本年におきましては二千円としたのでおります。この二十円のうち、時期別格差は別ワクとなし、残余を通常のものの減税額といたしまして、時期別格差を昨年と同様に考えたのであります。
以上が、昭和三十一年産米についての所得税の臨時特例に関する法律案の提案理由でありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/31
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032・松原喜之次
○松原委員長 これにて提案理由の説明は終りました。引き続き本法律案について質疑を許します。内藤友明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/32
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033・内藤友明
○内藤委員 ただいま石田議院から御説明になりました法律案につきまして、大蔵大臣に一言お尋ねいたしたいと思うのであります。と申しますのは、米の予約集荷は実はもう始めなければなりませんので、少くとも五月中に予約条項が政府として公表されるものと私どもは期待いたしておったのでありますが、何かと不都合がありましておくれているようであります。そこで米価をきめるとか、あるいは概算払いをどうするとかいうようなことは、行政措置でやれることでありますから、別に国会が開かれているときの法律のことにならぬのでありますからいいのでありますけれども、昨年非常な農民の応力となりました減税措置でありますが、実はこれは国会中に何らかきめておかなければなりません。ところが国会は御承知の通りもうあとわずかになりまして、石田議員がただいま御説明になりましたこの法律案をここ審議いたしまして、衆議院を通し参議院に送り込むのでありますけれども、参議院はああいうような状況でありますから、果してうまく通るかどうかむずかしいのであります。そこでこの法律案が出て参りましたけれども、実はこの成否が危ぶまれるのでありまして、残念に思っております。この法律案は、昨年は政府の提案としてお出しになられたのであります。ことしはこれをどうなさるのか、大蔵委員会がこの法律案を認めて、国会でこれを可決するというふうなことでよろしいとおっしゃるのか、それとも大蔵省は、いやそれは去年通りに自分の方で、政府の方針がきまったら出すということにするのだということなのか、その点は一応はっきりしておいていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/33
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034・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 私の考えは、これは米価決定と関連して考えるべきだと思っております。従いまして、米価決定をやる間において、また昨年のように、政府としてやはり同様な措置をとる、そういう必要もあろうかとも考えております。要するに米価決定と関連して考えていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/34
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035・内藤友明
○内藤委員 ただいまの大臣のお話でありますが、それはまさにその通りでおりまして、減税措置は米価とうらはらになっていることでございますので、米価がきまらぬから今のところはちょっときめかねる、その通りでありまして、それならば、実は予約集荷をこれからやるのに、これがはっきりしておりません、困るが、ただいまのお言葉で、それをやるのだということで、その点ははっきりしたのであります。そうしますと、この次の臨時国会、参議院の選挙が終りましてからいつお開きなさるのか、九月かどうか存じませんが、そのときにそういう法律案を政府からお出しなさるのですか、どうですか、これを一つお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/35
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036・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 出すとなれば、さようになろうかと考えております。
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037・松原喜之次
○松原委員長 次に、外国為替に関する件について質疑を許します。有馬輝武君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/37
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038・有馬輝武
○有馬(輝)委員 私は日本軽金属の外資提携の問題につきまして、石橋、一萬田両大臣に御質問を申し上げたいと存じます。この件につきましては、昨年の商工委員会におきまして、同僚議員である八木君からも質問がされておりますし、また本委員会におきましても、私から松尾鉱山局長並びに小島外資課長にその経緯について詳しくお話を伺いましたが、問題は、その鉱山局長並びに外資課長からの御答弁の中で明瞭にならない点、並びに政府の外資に対する考え方、またそれによって引き起される日本の経済情勢というものに対しまして、両大臣からはっきりお伺いしなければならない点が残っておりますので、そういった角度から、あえて前の質問と重復しない形で、重要な点についてお伺いいたしたいと思うのであります。
御承知のように、現在日軽金は、昨年度の生産量でも、国内の五万五千トンの生産量のうち二万七千トンくらいも生産するということで、最大のメーカーであります。この日軽金に外資を導入いたしまして、その持株の半数以上を持っておりますところのアルテッド社は、現在持株が約二千七百万株以上も持っておりまして、当初七億四千万円を投資いたしましたが、現在ではその資産は累次の増資、増株その他によりまして、約三十八億以上にも上っておるのであります。こういった点から、私はこのような状況にまでなりましたその提携条件の問題についてお話を伺いたいと思うのでありまするが、この点が審議されましたときの外資審議会で論議されました点は、鉱山局長並びに外資課長は、条件ではなかったというようなお話でございましたが、一歩譲りまして、これが条件でなかったにいたしましても、その際に話に出ました点は、次のような点であったかどうかを両大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。
それは、まず第一に、昭和二十七年当時の資本金六億二千万円を倍増資して、その増資株を一株当り十円のプレミアムをつけまして、全株をアルテッドに渡して、五対五の持株とする、それからカナダ・アルミが日軽金に対しまして百八十万ドル、約六億四千八百万円になりますが、これを年利五分五厘で八カ年償還で貸し付けるということ、第三にカナダ・アルミがマレーに持っている鉱区々開発して、安いボーキサイトを入れるということ、第四に、重役の数をおのおの七名にして、その重役の身分を保障するということ、それから技術の導入によってさらにコストを下げる、こういった点が論議されたと聞いておりまするが、この点を確認してよろしいかどうか、まず両大臣からお伺いいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/38
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039・石橋湛山
○石橋国務大臣 今尋ねの点は、御承知のように当時私はその当局者ではありませんから、詳細は存じませんが、今お尋ねのような点が論議された、話に出たということは、これは確かだと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/39
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040・有馬輝武
○有馬(輝)委員 この外資審議会におきまして、ただいま申し上げました、たとえば株式の五〇%を取得するということは、アルテッド社が経営の自主権を侵すのじゃないかというようなこと、特に日軽金がアルミの基幹産業であるだけに、こういった産業が外資に支配されるおそれがあるのではないか、またそれによって関連産業に打撃を与えるのではないか、あるいはまた当時一株百二十円以上もしておった株が、わずか十円のプレミアムをつけただけで、六十円で売り渡されるということは不当な取扱いじゃなかろうかというような点が特に論議されたということを聞いております。それに対しまして、会社側といたしましては、先ほど申し上げましたマレーの鉱区の開発の問題、また百八十万ドルの低利借入金の問題、こういった点をあげまして、とにかくその間の経緯が、小島外資課長の御説明によりますると、大蔵省でも、特に先ほど申し上げましたような点を重視して反対しておったけれども、諸般の情勢を考慮して、結論的にはこれに賛成したというようなお話でございましたが、諸般の情勢を考慮してこれに賛成し、結論を出したというその間の経緯が、どうしても納得できない点がありまするので、次のような諸点についてお伺いしたいと思うのであります。
それは、まず外資の受け入れ問題、低利の借入金の問題並びにマレーの鉱区の開発の問題についてであります。昨年の商工委員会におきまして、石橋さんは、とにかく会社が経営上掘る必要がなければ、マレーの山を手がけることも要らないし、また資金の必要もなかったということで、入ってこなかったんだ、そういうふうに聞いておるという答弁をされております。そして、これを裏づけるかのように、松尾鉱山局長は、当時三十億からの借り入れを予想しなければならなかった日軽金が、増資その他の状況によりまして内容が豊かになってきたので、借り入れを行わなかったというような答弁をされ、さらに、これは昨年の大蔵委員会におきまして、この会社の重役が証言しております中に、為替レートの問題等もあげて、これを裏づけをいたしております。ところがその為替レートの問題にいたしましても、非常に不安定であるから、この点について相当考慮しなければならなかったというようなことを申しておるのでございまするが、当時の為替レートの実勢というものを見ましても、この山田氏の証言とはいささか食い違っておるのであります。昭和二十七年並びに昭和二十八年の為替レートの実勢を見ましても、大体四百十円から二十円の間を前後いたしまして、ほとんど安定しておりまして、この証言とはいささか食い違っております。こういった点からいたしましても、当初この借入金の問題が、なぜ外資審議会であのように問題になったかという点と、それから通産大臣としては、必要ないからといって、マレーの山を掘らなくても、これは会社自体の問題だというようなことでほうっておいてよかったものかどうか、この点をまず最初にお伺いいたしておきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/40
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041・石橋湛山
○石橋国務大臣 今のお尋ねの二点は、これは確かに会社の経営上の問題であります。金を借りるという権利は持っておるけれども、必要がなければ借りない、これは、借りるということが別段条件になってこの外貨導入を許されたわけでも、また通産省としても、これを借りなければならぬという命令をしておるわけでもありません。会社自体の経営上、借金をする方がいいという場合はするでありましょう。私の聞くところでは、現在でもまだ借りようと思えば借りられるようになっているという話であります。
それからマレーの鉱山の開発は、これはしばしば説明がありましたように、実はずいぶん原鉱石が高かったのでありますが、ところがこの協定ができると同時に、一ぺんにビンタンとかいろいろなものが下った。でありますから、非常に巨額な資金をかけて新しくマレーの鉱山を開くよりも、実は今のところでは、今までの鉱山からのルートを通して鉱石を輸入した方が有利だ、こういう計算であります。しかもこれは、マレーを開発する場合は、会社の日本軽金属、だけの問題ですけれども、全体の鉱石が下りましたことは、これはほかの住友その他同じくアルミニウムをやっておる会社にも均霑しておるのでありまして、日本全体の輸入鉱石が下ったのですから、それをしいて鉱山を開発しなければならぬということはないと私も考えております。これも会社の経営上の問題でありまして、別段これがないから外資導入の契約がどうとかいう問題ではないと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/41
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042・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今、安値で入ってきたから掘る必要はないのだという御答弁でございまして、前の商工委員会における御答弁と全く同じでありまするが、いつでも掘れる状況にあるということでございますけれども、これは、松尾鉱山局長にお伺いしたときにも申し上げたのでありますが、マレーの政局の問題、それから交通の問題、施設の問題、こういった点について、いつでも掘れるような態勢にあるということを、大臣としては御確認になっておるのであるか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/42
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043・石橋湛山
○石橋国務大臣 マレーの治安の問題でありますとか、あるいは技術士の問題でありますとかは、その後相当変化もしておりましょうから、どういうことになっておりましょうか、詳細なことは存じません。しかしながら会社としては、相手の会社が持っておる鉱山でありますので、権利としては持っております。ですから、そういう面においては、技術上可能か不可能かということは別問題としまして、とにかく権利としては、いつでも日本軽金属はマレーの鉱山を開発し得る状態にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/43
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044・有馬輝武
○有馬(輝)委員 次にお伺いいたしたいと思うのでありますが、この提携をしたあとでも、松尾鉱山局長にお伺いいたしたのでありますが、地金を、アメリカを通して非常に安い価格で輸出している事実があるのであります。これに対しまして鉱山局長は、国内の需要が非常に少かったので、輸出し得るような状態にあったというような御答弁でございました。しかし実際調べてみますと、地金の価格がトン当り二十一万以上もいたしまして、その高値のために結局需要が減るということで、これは作為的と申しますよりも、やむを得ない状態で需要が減っておったのであって、この価格を安くしておったならば、需要はもっともっと大きく伸びておった、このように考えるのでありますが、この点、やはり国内に余っておったから輸出したのだという工合に、石橋さんとしてはお考えなのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。これは、二十七、二十八、二十九年度を通じての状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/44
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045・石橋湛山
○石橋国務大臣 そういう点は、今手元に詳細な材料を持っておりませんから、数字についてはとやかく申し上げることはできませんが、しかし私の今記憶しておる限りにおいては、一時アルミニウムが非常に下りまして、日本軽金属自身がその荷さばきに困っておった時期がございます。そういうような場合に、これを海外に輸出することは、市場の開拓にもなりますし、したことはあります。現状においては、これは国内の需要に不足を来たさせるようなことはしていないはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/45
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046・有馬輝武
○有馬(輝)委員 その点はあとでも申し上げますけれども、国内の不足を来たさせないということではなくて、結局先ほども申し上げましたように、高値だから手が出せなかったという事情については、十分御認識をいただかなければならないと思うのであります。
次にお伺いいたしたいと思うのでありますが、これは一萬田大蔵大臣にお伺いしたいと思いますけれども、先ほど申し上げました株式の譲渡、一株六十円で渡したという点については、非常に安過ぎたのではないか、これは外資審議会におきましても、非常に論議の焦点になったところでありまするが、この点についてどのようにお考えになっておるか、お伺いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/46
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047・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 大体増資をいたします場合に、旧株主には額面で新株を渡す、それからああいう場合、外国と資本提携する場合の提携してくるものに株を渡す場合は、株主と同じように、旧株でなく新株を渡す場合は、やはり額面で渡すというのが普通であります。しかしあの当時日軽金の株の値段が、今私はっきり覚えておりませんが、おそらく八、九十円であったのではないかと思います。これは数字が間違いであれば訂正いたします。これは旧株であります。それで新株について十円のプレミアムをつける、こういうことで大体よかろうということできまった、かように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/47
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048・有馬輝武
○有馬(輝)委員 次に、これは石橋さんにお伺いしたいと思うのでありますが、冒頭で申し上げました、話し合いの過程で出てきましたものの中に、技術の導入によりまして原単位を下げていくということも、話し合いに出ておったのでありますが、果してこの提携後、日軽金自体の原単位が下ってきたかどうか、その点について、石橋さん自体御存じなければ、係の方でけっこうでありますから、お話を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/48
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049・石橋湛山
○石橋国務大臣 数字については、必要があれば事務当局から答えさせますが、私は、確かにコストは非常に下ったと思っております。アルミニウムは海外においてずいぶん上っておりますが、日本においては割合に上げずに済んでおる。相当安い値段でやっておるという点は、これは技術提携の効果が非常に大きなものがある、こういうふうに信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/49
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050・有馬輝武
○有馬(輝)委員 そういう御答弁でございますけれども、あえて私は数字の問題を申し上げませんが、通産省の金属課自体で出しておられるところの資料を見ましても、昭和二十七年と提携後の昭和二十九年を比較いたしまして、日軽金とそれからその他の二社、これを合せました三社、それのボーキサイト、苛性ソーダ、蒸気、電解、電力、こういった点を比べてみますと、今おっしゃったような形で、私は日軽金に入ったからこの原単位が下ったというようなことは言えない。あえてここで数字は申し上げませんけれども、この資料にはっきりいたしておりますから、この点はよく御記憶にとどめていただきたいと思うのであります。それから原料が値下りになる、こういつたことでございますが、果してマレーの鉱区に手をつけないでもいいように原料のボーキサイトが値下りになっておったかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/50
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051・石橋湛山
○石橋国務大臣 数字については鉱山局長から答えさせますが、下っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/51
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052・有馬輝武
○有馬(輝)委員 鉱山局長から、その具体的な数字をお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/52
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053・松尾金藏
○松尾政府委員 御承知のように、外資提携前におきましては、ボーキサイトの日本側の輸入先は一地区であったのでありますが、その前後から二つの地区から輸入ができるように相なりました。そういう関係もあったのであろうと思いますが、私どもの方の手元にあります数字によりましても、二十六年の七月ごろにおきまして——これはつまり提携前でございますが、FOBでトン当り九ドル五十セントくらいの見当であったと思います。それに対しまして、提携の発表がありましたのが二十七年の十一月ごろであったと思いますが、このころになりますと、七ドル少しぐらいのところまで値下りをしておりますし、その一年後の二十八年、つまり提携成立後におきましてはさらに下りまして、六ドル二十セントくらいに下って参っております。現状では、FOBで大体六ドル前後のところで輸入されておるように聞いております。経過的に、当初の九ドル五十セントからだんだん下って、約六ドルというところまで下って参っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/53
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054・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の御説明でございましたけれども、少くとも昭和二十六年度という年は一番高値の時期でありまして、それ以前は、今安くなったと言われるところの昭和二十八年、二十九年、三十年とほとんど同値であって、ただ昭和二十六年だけが特に高値になっていた事実について、鉱山局長はどのようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/54
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055・松尾金藏
○松尾政府委員 かりにただいまの御指摘のように、二十六年の相場が異常に高かったということで、そういうことでございますならば、しいて二十六年の時点と比較せずとも、二十七年の十一月ごろ、つまり二十七年の終りごろの価格と比べましても、現在一ドル二十セントぐらい下って参っておりますので、どういう理由によってボーキサイトのFOB価格がきまるかという点は、取引の関係でございますから、複雑な事情もあると思いますが、二十六年のときの相場云々を一応抜きにしましても、だんだんとただいま申しましたような経過で下ってきておるというふうに申し上げられるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/55
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056・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の点については、鉱山局長の御答弁にもありまするように、この提携によって特にそういった形が出てきたのではない、それも一因であるけれどもというような御答弁でありますけれども、この点は二十六年度を頂点とする前後の情勢からよく御観察を願いたいと思うのであります。
次に、石橋通産大臣にお伺いいたしたいと思うのでありますが、私が当初あげましたところの借入金の問題、それからマレーの鉱区の開発の問題、それから技術の導入による原単位の切り下げの問題、こういった点を一々検討して参りますと外資副長や鉱山局長の前のお話では、条件ではなかったので、結局客観情勢の移り変りの中で問題からはずれていったんだというような安易な答弁をされておりまするけれども、私はあとで外資審議会の審議の経過に基いてお尋ねしたいと思いますが、その前に商工委員会における八木君の質問に答えられまして、石橋さんは次のように答弁されております。これは先ほども申し上げましたように、経営者もしくは日本側の株主の問題であって、その会社自身にどのようなことが起っても、政府がそれに干渉する必要はないのだというような御答弁でございました。といたしますと、ただ残っておるのは、六十円の安値で株をアルテッドに渡したということしか残らないのでありますが、このことと、外資審議会におきまして、あれほど半年以上ももみ続けましたこととの関連について、通産大臣としてはどのようにお考えになっておるか、この点をお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/56
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057・石橋湛山
○石橋国務大臣 先ほども申しましたように、当時私は外資審議会には関係しておりませんから、自分の目でそれを見ておるわけじゃございません。しかしながら外におりまして、日軽金の外資導入についてはずいぶんいろいろな議論があったことは承知しております。それほど議論をして、そうしてその当時でもずいぶん問題であったものが、外資審議会等におきまして研究の結果、とにかくこれがよろしいという結論になったのでありますから、私としては、その外資審議会の結論が正しかった、こう考えております。その後の経過を見ても、確かにコストも下っておりますし、それからなぜ金を借りなかったかということ、あるいはマレーの鉱山をなぜ開かなかったかということは、繰り返して言う通り、経営上の問題であります。なお、それはそういうことをやる必要があれば、借金もできるという契約か何かになっておるうかどうか知りませんが、とにかくそいう話があったということは事実でありますが、しかし事実必要がない、そうでない方がいいという会社の状態でありますれば、それをしいて借りなければならない、しいて鉱山を開発しなければならないということは絶対にない、かように信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/57
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058・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今大臣は、外資審議会の論議の経緯を尊重するというような御答弁と、それから会社自体の問題であるからというようなことで、二つを何だか関係ないかのような形での御答弁がなされたのでありまするが、二十七年の五月十四日、それから二十八日、それから越えまして八月二十八日、その前に四月三十日にこの日軽金の外資導入の問題について論議がされておりますが、この外資審議会で問題になりました点は、先ほども申し上げますように、非常に安い価格で株を引き渡す以上、それに見合うものでなければならないというような観点からの論議が進められておるようであります。株の時価が百二十円くらいもするんだから、とにかくそれも五十対五十で渡すんだから、経営の支配はされないという確認がとられなくちゃならない、それから今問題になりました、マレーの鉱区を開発して安い鉱石を輸入しなければならない、こういった点が論議されまして、最後に認可の結論を出します八月二十八日にも、以上のような諸点、これは安い鉱石も人ってくるんだ、技術の導入によって原単位も下げられるんだ、こういう種々の点を考慮して、こういう条件があるならば認可してもよろしいんじゃないかというような話し合いになっておるのであります。しかも経営の支配をしないという点について、会社同士の間の往復文書、こういったものが参考条件になっておるのでありまして、この点についても、さらにこの論議の過程では条件付認可であるかどうか、もしこの条件が実施されなければ、これを取り消す場合があるかどうかというようなことまで論議されまして、この結論が出ております。この経緯にかんがみましても、たとえば経営権を侵さないかどうか、こうい点について、アルテッドからの電報が重要な参考書類として出されておりまするが、これは大蔵大戸にお尋ねしたいと思うのでありまするけれども、この電文については、すでに御承知のことと存じますので、あえて読み上げませんけれども、こういう電文一つで、少くとも当時経営の支配はしないという点を確認されたのであるかどうか、この点をまずお伺いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/58
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059・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 この件につきまして、私あとでその経過を検討を加えたのでありますが、当時の大蔵省といたしましては、やはり今お話しがありますように、こり技術を導入した場合に、アルミニウムの生産コストがどういうふうに下っていくだろうかというようなこと、これに対して一方、まあ過半数の株を渡すということになる、こういうことと見合ってどうか、ここに長い間の検討と議論もあったと思うのでありますが、しかし結論として、先方が、会社の経営というものについては、支配的なことはやらないという確約をいたしました。これで、一応過半数の株は持っておるが、会社の支配はしない、また現に重役の配分を見ましても、二名しか入っていないというようなことで、これは大体この実証ができておると思うのです。そういうかけ合いができましたから、一方この技術を導入してアルミニウムの生産コストが下ることは、当時のすべての関係のメーカー並びにこれに関連する技術家が異口同音に申しておったところであります。これを日軽金が導入したから、ほかのアルミ会社が打撃をこうむりやしないかというふうにすらいわれておる程度でありまして、事実その後のアルミニウムの生産コストは下ってきておることは、先ほどから通産大臣からも御答弁があった通りなのであります。そういうようなことで、大蔵省でも、これはよかろう、こういうようなことでいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/59
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060・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今の点、政府に対してアルテッドの方から確約したのであるかどうか、こういった点も明瞭でありません。それからいま一つの問題といたしましては、本年度の三月三十一日現在で、株主は約七百八十七名になっておりまして、とにかくアルテッド一社と他の七百八十六名の株主というものとを考えてみました場合に、この他の株主、これは売り買いが非常に自由な状態に置かれておるのであります。こういった状況を一つ見ましただけでも、幾らアルテッドがこのような電報をよこしまして、支配はしないんだと言いましても、それは抽象的なことに終ってしまうのでありまして、実質には完全に支配でき得る態勢ができ上っておる、こういう点について、私たちは見のがすわけには参らないのであります。それと同時に、先ほども申し上げましたように、この審議会の論議の経過と、それから認可いたしますときに、特に認可通知書の中に、原材料の供給及び製造原単位の切り下げに関する昭和二十七年九月十八日付アルテッドの申し出の内容を適当と認め、とわざわざうたって認可されているのであります。これもあえて私はここで読み上げませんけれども、以上の二点につきまして、大蔵省で問題になっておるから、貴社の考え方をお伺いたしたいということで、草野社長からアルテッドに、昭和二十七年の九月七日に文吉をやって、それに対して副社長のジュリアから、この件に関する回答がよこされて、その点を確認した上でこの認可がなされておるという事実を、私たちは見のがすわけには参らないのでありますが、あとで総合的にお伺いしたいと思います。
次に、私は公取関係の方にお伺いいたしたいと思うのでありまするが、せんだって地金の安価輸出の点についてお伺いいたしました。この点は、今具体的な数字を再びあげて繰り返すというようなことはいたしませんけれども、とにかく国内に地金が不足しているときに、国外に安値で、トン当り二十一、二方もするものを十六万ぐらいで輸出しておるというような不実があった点について、全取としてはどのように見ておられるか、この点をお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/60
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061・横田正俊
○横田政府委員 この輸出の二重価格の問題は、独禁法から申しましても、いろいろな問題を含んでおるわけでありますが、このアルミ地金について申し上げますと、結局現在の日本のメーカーのコスト計算から申しますと、相当の安値で売らなければ国際競争に勝てない実情でございます。従いまして、相当安い値で出すこと自体はやむを得ないと認められるわけでございます。ただ問題は、輸出だけ安くいたしまして国内の価格が相当高い、その国内の価格の高いところに何か問題があるのではないか、この点が、むしろわれわれといたしましては、非常に問題となると思うのでございます。しかしこの点につきましても、引き就きいろいろ調べておりまするが、御承知のように、わずかに三社の典型的ないわゆるオリゴポリー形態でございまして、この三社の間で国内価格についてこれを引き上げておる、いわゆるカルテルをもって引き上げておるかどうかという点になりますると、それほどはっきりした証拠はないわけでございます。ことにコスト計算上一番右利な地位にございまする日本軽金属の女中度が一番高いという点が、おのずから国内価格が一致する一つの重要な原因をなしておるようでございます。この点は、こういう種類の少数の独占的な形態に伴いがちな点でございまして、公取といたしましては、そういう自然な形から出て参りますものにはもちろん手がつけられないわけでございます。しかし、もしそこに何らか人為的に三社で国内価格をつり上げておるという事実が把握できますれば、これはもちろん独占禁止法上の問題といたしまして取り上げることになるわけでございます。現在の段階におきましては、いわゆる協調的な動向に落ちつく傾向というものはわかるのでございます。証拠的な意味のはっきりした事実は、把握しておらないというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/61
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062・有馬輝武
○有馬(輝)委員 せんだっての委員会で鉱山局長にお伺いいたしましたところが、この安値輸出の問題につきまして、アメリカとの間で話し合いが行われたものについては、ただ日軽金だけでなくして、他の住友なり何なりも輸出しているのだというようなお話でございましたけれども、八百トン輸出した中で、わずか五十トンくらいしか他の住友か何かは輸出していない。さらにその点は、前にも追及いたしたのでありますが、地金を安値で輸出しておきながら、今度はくずをほとんど同値で買ってくる。その結果、必然的に国内の地金の需給に非常な不安定な状態を引き起しておる。しかも日軽金は、軽金属精錬会なり、あるいは軽金属協会、あるいはロール会といった点に重役を送り込みまして、ほとんど支配体制というものができ上って、地金の割当につきまして、二次メーカー、三次メーカーの各会社から、経理内容の書類、最終製品の品名、受注先、先渡し価格、販売価格といったものの提供を求めて、こういったものが具備していない限り、地金の供給を行わないというような事実まであるのであります。ところがこういった支配体制を受けながらも、もしこれを公けにするということであれば、即時地金の供給を受けられなくなるということで、注ぎ寝入りをしておる状況があるということを聞いておりますが、この点について、公取ははっきりそのような状況があるかどうか把握しておられるかどうか、もし把握しておるとするならば、これに対してどういっだ手を打たれるつもりなのであるか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/62
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063・横田正俊
○横田政府委員 ただいま詳細なことは、私自身承知しておりませんが、このアルミ業界につきましては、その取引の方法等につきまして、相当詳細な調査をいたしておるはずでございます。日軽金が問屋あるいはその下の需要家に向いまして、かなりそういうことをやっておるというようなことも聞いておりますが、しかしこれが、たとえば最終価格を指定して、それを守らないものに対しては地金を供給しないというような、いわゆる独禁法上違法となるようなひもがついておるかどうかという点になりますると、よほど詳細に調査をいたしませんとわからぬことでございます。ただいま私そういう点につきまして、どれほどの調べがしてございますか、ここではっきりお答えはできませんが、もしそういう事実がございますれば、もちろんそれは放置するわけにはいかぬということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/63
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064・有馬輝武
○有馬(輝)委員 今、そういう事実があればというようなことで、安易な御答弁でございまするけれども、このアルミの問題等につきましては、私みたいなまるきり門外漢のものの耳にまで入っておる。しかもそのような支配体制の結果、二次メーカー、三次メーカーが企業を整理し、倒産する、人員の整理を行なっておるという事実はまぎれもないことでございます。その事実を見のがしておいて、そういった事実があるならばというような安易な御答弁をされるということじゃ、これは済まないと思うのであります。公取の目は節穴かといわれても、やむを得ないのじゃないか。私があえてこの問題を取り上げておりまするのは、石橋さんや一萬田さんのお目こぼしによりまして、日軽金がせっかくの条件——外資審議会で慎重審議された結果、当然このような点が行われなければならないということで確認されたものが、実行されないで、ただ株だけ向うに渡しておいて支配体制ができ上る、そういう体制の中で、お目こぼしにあずかって、一方では今申し上げました二次メーカー、三次メーカーが非常な苦しみに陥っておる。せっかくの外資が導入されて、それがこの外資法の第一条にいうところの健全な日本経済の発展に寄与するどころか、逆な現象を引き起しておるという点について、中小企業を守っていくという立場から今の御質問を申し上げておるのでありまして、公取としても、もしそういった事実についてまだ調査しておられないならば、早急にこの点を調査いたしまして、地金の供給について即刻必要な手を打っていただきたい。これは公取の責任を追及するということに問題があるのじゃなくて、どうしたならば現在の中小企業を救い得るかという点にあるのでありまするから、この点はとくにお願いを申し上げておきたいと存じます。
最後に両大臣にお伺いしたいと思いまするけれども、少くとも外資審議会で問題になりました条件云々という点は、今御答弁のように、そういった話があったかもしれないというような軽い程度のものではなくして、言葉それ自体はともかくといたしまして、少くとも条件と思われる状況の中で結論が出されておると存じます。しかもその条件が、ただ株だけ渡しておいて、ほかのものは全部渡されていないということにつきまして、通産省並びに大蔵省としては、責任官庁としてこれに対してどのような手を打とうとしておるのか、この点を結論的にお伺いしたいと思うのであります。ただそういった話があったのだということだけであるならば、外資審議会に対してどのような考え方をしておられるのか、この点もあわせてお伺いしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/64
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065・石橋湛山
○石橋国務大臣 外資審議会の当時の記録については、相当調べております。われわれは、どこの鉱石を掘るとかいうようなことより、一番肝心な、条件というなら条件としなければならぬことは、もしその軽金属の支配権を外国が握ってしまうことがあれば、それは排除しなければならぬ。これは排除されておると思います。それから次は、鉱石が安く手に入ること。鉱山を掘るということは、鉱石を安く手に入れる一つの方法としてそういう話が出たものでありまして、鉱石が安く入ればそれで目的を達するのだ。それから技術を導入してコストを下げる、これも確かに行われておるのであります。ですから、ただいまのところは、外資審議会の言うところの趣旨に十分かなっているものと信じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/65
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066・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 今通産大臣からもお話がありましたように、いずれにいたしましても、かりに条件ではないとしても、原料を安く入れることに一そうの協力をさせる、また努力を払うということは当然である、そういうふうにできるだけやっていきたいと思っております。従って、同時にまたアルミニウムを作る現段階において、安いアルミニウムをなるべく豊富に作るようにいたしまして、アルミニウム加工業の方にアルミニウムをなるべく供給してあげる、こういうふうにいたすように一そうの努力を払うつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/66
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067・松原喜之次
○松原委員長 関連質問の申し出があります。これを許します。まず春日一幸君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/67
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068・春日一幸
○春日委員 通産大臣にお伺いいたしますが、前に鉱山局長であった者で、その後この日軽金へ入社しておる者があるかどうか、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/68
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069・石橋湛山
○石橋国務大臣 前の前の鉱山局長か何かが関係しておるということを今私聞きました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/69
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070・春日一幸
○春日委員 この問題は、氏族産業を擁護する、そうして日本の産業がアメリカの植民地的な支配を受けないようにというん場から、かつはさらに派生的には、今有馬君が指摘されたように、企業の集中支配によって中小企業に対して不当に圧迫を加えるような営業形態を是正する、こういう意味から、通産並びに大蔵両委員会を通じて、これは大きな政治問題になっておると思うのです。そういう大きな政治問題になっておる会社に、直接の監督官庁であったところの鉱山局長が入社するというようなことは、これはいやが上にも世間の疑惑を深める形になる。すなわち保守党政府とこの事業会社との結託によって、権力支配とか、あるいは法律じかけのさまざまの悪事などが行われるのではないか、こういうような批判が現実に行われておる。問題は、質問に答えられる限りにおいては、あるいはそれで通るかもしれないけれども、こういうような人的な構成と言おうか、直接の監督官庁が世人の疑惑にさらされておるところの事業会社に入社するというようなこと、こんなことがあり得ていいことだと大臣はお考えになっておるかどうか、この点、大臣の信念を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/70
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071・石橋湛山
○石橋国務大臣 実際には疑うべき事実がなくても、疑惑を受けるということはよくないことでありますから、そこで通産省等の役人が、以前監督下にあった会社などにむやみに入るということは、私としては好みません。しかしながら、これは鉱山局長が入ったわけではないのです。ずっと以前に鉱山局長をしておった者が、たまたま何かの理由である会社に入った、これを禁止するということもできませんから、なるべくこれは各自の常識といいますか、自粛してもらうという以外には今のところはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/71
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072・春日一幸
○春日委員 この際、さらに問題を精査するために、鉱山局長から説明を伺っておきたいと思います。それは、かつて鉱山局長の職にあった者で、現在この日軽金に入社しておる者の氏名、入社した年月日、それから外資導入が許可された年月日、これは多少時間がずれておってもけっこうですから、今御記憶の範囲で、一つこの際明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/72
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073・松尾金藏
○松尾政府委員 今お話のございました氏名は、私承知いたしておりますからお答えいたします。松田道夫という人であります。入社の年月日等は、今秋もよく承知いたしておりませんが、約一年くらい前であったのじゃないかと思います。正確には今記憶しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/73
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074・春日一幸
○春日委員 この松田広山局長が日軽金へ入社したのは一年前だと言われるが、この松田君は、あなたの前任の川上君の前なのだ。時あたかも日軽金の外資導入の問題が政治問題としていろいろ論議され、そうしてその問題がいわば怪しげな経過を通じて許可されて、その後に入社されておるというところに問題がある。五年も十年も三十年も前のその職にあった者であるとすれば、これは大臣の御指摘のごとくに問題ではないと思うのだが、直接その問題を取り扱った松田君自体が、問題解決と同時にその会社に入社しておるということを、大臣は御承知であるかどうか、念のためにもう一ぺん伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/74
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075・石橋湛山
○石橋国務大臣 先ほど申しますように、古い役人がどこの会社に入るかということは、一々存じておりません。ですから、あなたの話で初めてそういうことがあるということを承知したのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/75
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076・春日一幸
○春日委員 この問題はまだ新しい問題であり、松田君はちっとも古い役人ではない。前任は川上君であり、わずかその二年ばかり前の松田君であって、そんなに古いとか、時効にかかっておるとか、問題のらち外にあるとか、関係がないとかいうような人ではない。最も深い関係を持っておった男が入社したというところに世人の疑惑がかけられておるということを、大臣は十分に理解し銘記していただかなければならぬと思う。それで松田君という、こういうような問題の取扱いを通じて直接問題の渦中にあった男が、すなわちこの外資の導入を許すべきか許すべからざるかという問題を取り扱ってきた男が、この問題によって事を果して、その後にこの会社に入ったというところに大きな疑惑がある、このことを私は指摘しております。これから派生してきております。問題については、いずれさらに時間をかけていろいろ質問を展開したいと思っております。
それから私は、もう一つこの際伺っておきますが、巷間伝えられるところによると、この外資導入を許可されるに至ったところの大きな条件、あるいは転機ともせられるものに、マレーのボーキサイト鉱区発掘に関する条件というのが現実にあるわけなんです。ここにはその当時における外資審議会の秘密の速記録もわれわれは手に入れて、その審議経過も明らかになっておるが、有馬君の指摘の通り、百八十万ドルの外資の導入とマレーにおけるボーキサイト鉱山の発掘というものが条件になっておることは明らかだ。しかし大蔵大臣の御答弁によると、その後こういうような契約が締結されたことによって、価格が値下りをして、そうして経済的なベースから判断すれば、こういうものを新しく発掘する必要がなくなったから、現在手をつけていない、後日必要になればいつでも発掘するのだ、これは、理論通りならば、それはそれでわかる。ところが問題は、当時外資審議会に発掘計画というか、採掘計画というか、その事業計画書が提出されておる。ところがその計画書なるものは、全然インチキであって、不実なものだといわれておる。というのは、そういうような書類がそろうならば、問題が次第に解消するところのいい条件になり得るので、そういう書類をお出しなさいと当局から日軽金に連絡があって、そうして日軽金の方では、忌避カナダ・アルミと提携の上でその書類を作成したというのです。ところが、そういう鉱山というものは、向うに実在しない。そこで、当時その会社におった社長が、自分の経験から来たるところの常識と、それからマレーの地図を広げて、こことここというような工合に書いて、かくのごとくすればこう採掘ができるんだというペーパー・プランというか、鉛筆の落書きみたいなものでこういう採掘計画を作った、こういうこと聞いておる。それが事実であるか虚構であるかということは、その当該証人をここに喚問して、そういう言動を行なっておる者について真相を確かめれば、こういうようなところから、外資算入が正当な手続を踏んで行われたものであるか、あるいは様々な虚構と陰謀によってそういう結果が得られたものであるかどうかということが明らかになると思います。私は、この際動議を提出いたしたいと思いますが、委員会が荒れているときに、これ以上荒れさせる必要はないから、武士の情で動議は出しません。これは、いずれ理事会にお諮りをいただいて、果してこのマレーにおけるボーキサイト鉱区の採掘に関する事業計画書なるものが実際的なものであるのか、あるいはそれが単なる作為的な、虚構に類するものであるか、この真相を確かめるために、必要なる証人を喚問されて、証人について一つ参考意見を聴取して、その真相をさらに検討されるように、これは委員長において善処されることを要望しておきます。なおこの問題は、本大蔵委員会において、外資に関する重大なる案件として、ずっと以前から計画されておったのでありましたけれども、いろいろと重要案件が山積して、ついぞ本日まで十分なる審議を行うことができ得なかったのであります。従いまして明日以降において、この問題を全面的につまびらかにしなければならぬと考えますから、最も急速に一つ参考人をお呼びいただいて、その真相を確かめて、さらに問題を飛躍的に検討いたしたいと存じます。
以上のことを強く要望いたしまして、私の質問は終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/76
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077・松原喜之次
○松原委員長 ただいまの春日君の御発議につきましては、追って理事会で御相談をすることにいたします。次に石村英雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/77
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078・石村英雄
○石村委員 有馬君の質問の御答弁をいろいろ聞いておりましたが、石橋通産大臣の御答弁にいたしましても、一萬田大蔵大臣の御答弁にいたしましても、また横田公正取引委員会の委員長の御答弁にいたしましても、われわれとしては非常に不満足でございます。もう国会も会期末でもありますし、またきょう時間がありませんので、あまり突っ込んだ質問はいたせないと思いますが、こういう御答弁で終始せられておったのでは、この問題はいつまでも結局解決がつかないんじゃないか。あるいは閉会中の問題にもなりましょうし、また臨時国会での問題にもなるかと思うのでありますが、どうか今後の委員会において、石橋通産大臣、また一萬田大蔵大臣も、もっとはっきりした誠意ある御答弁をお願いしておきたいと思います。
そこでごく簡単にお尋ねしますが、石橋通産大臣は、先ほど、鉱区の開発の点は何も条件じゃなかったんだ、そうしてその後の経済的な問題で、無理にその鉱区を開発しなくてもよくなっておるんだ、こういう御説明だったと思いますが、まず一つお伺いしますが、条件であるかないかということは、これは審議会の審議状況を見ますと、少くとも認可せられた委員の方の心証には、条件になっておったと私は思います。許可条件にこれが条件として加えられてはいなかったのですが、しかし許可するという結論を下されたその道程において、このマレーの鉱区開発ということが大きな影響を与えた、こうわれわれは判断いたしておりますが、石橋さんは、この鉱区というものは、将来日軽金が開発しようとすれば、またそのときにできるのだ、こういうお話ですが、それはカナダ・アルミが日軽金にそういう契約をちゃんとしておるのですか。鉱区権というか、開発権というか、それを口軽金に渡しておるのですか、ただカナダ・アルミの善意を期待する、こういうものにすぎないのですか、どうかこの点をはっきりさせていただきたいのです。ただ単なる善意に期待するというのであれば、カナダ・アルミの心境変化によっては、どんなことになるかわからないと思います。どうかこの点をはっきり御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/78
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079・石橋湛山
○石橋国務大臣 これは、会社同士の問題でありますが、私の聞いており、また役所で知っておる限りにおいては、日軽金がマレーの鉱山を開発して、その鉱石をこっちへ供給するということは、必要のある場合にはいつでもやれるということになっているように私は承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/79
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080・石村英雄
○石村委員 それは会社町の契約善というものでできておるのですか。単なる手紙のようなもので、何ら責任のあるものでないのではないかというように私は判断しておりますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/80
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081・松尾金藏
○松尾政府委員 私の承知しております限りでは、別段そういう特別の法律上の契約をかわしているというものではないので、当時向うの提携会社の方から日本軽金属に対して、そういう意味の手紙といいますか、約束をした文書が来ているというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/81
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082・石村英雄
○石村委員 大蔵大臣が参議院の方へいらっしゃる時間が迫ったそうですから、一つ大蔵大臣にお尋ねいたしておきますが、先ほど石橋さんのおっしゃったように、この問題の一番重要な点は、外国資本によって日本の産業が支配されるという問題だと思います。いつか外資課長から、これはカナダ・アルミから支配しないという文書が出ておるから大丈夫、だというような御答弁であったのですが、株の半分を持っており、一方残りの半分は日本の数多くの——先ほど有馬君が申しましたように、数多くの株主によって持たれておる、半数はカナダ・アルミに握られておる、そういう状況で、先ほど一萬田さんは、重役が二人しか出ていない、こういうようなことをおっしゃいましたが、半数の株を一社に握られておって、その会社がその当分の株主、たった一人の株主によって支配されないということが考えられるかどうか。一萬田さんは、やはりそのように半数の株を一人が握っても、その会社を支配することはないというようにお考えなんですか。もちろんこの半数の株を持つことについて、その株主権に制限でも加えられておるものならば、そういうことも言われると思いますが、何ら制限なしに五〇%の株を1社に握られておって、その会社がその大株主に支配されないということが常識的に考えられるかどうか。経済については大へん該博な知識を持っていらっしゃる一萬田さんとして、この点の御判断をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/82
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083・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 大蔵省として当時やはり心配した点は、今の御質問の点にあるのであります。むろん法律的に見ました場合に、株の過半数を持っておるのでありますから、これが会社の支配をやろうと思えばやはりできると思います。それがやはり心配になる。しかしそれにもかかわらず、当時の事情として、あの会社と提携するためには、株の過半数を持つ。これは、世界のどこでも、そういうふうな形であの会社は提携しておるようであります。それで、そういうような法律上の心配があるにかかわらず、提携はぜひするのがいいのだ。それなら、その心配はできるだけ可能な範囲でこれをチェックする道は、どうだろうというのが、問題の中心であったように私はあとの研究で到達しておるのであります。そして当時としては、会社から特に念書を入れて、そういうふうな会社の支配はせぬからという約束を、会社の意思として表明しておるということを満足する——満足するわけではなくとも、その辺が当時なし得る最良のことであった。全体をこわすとすれば別だが、やはりこの話を成立させるがいいとして、そういう心配の点をそういうなうた約束でまとめたい、こういうところにあったようでありまして、私はそれで、当時の事情を今から調べて振り返ってみて、やむを得なかったのであろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/83
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084・石村英雄
○石村委員 その点が実にいいかげんな念書だ。われわれが審議会の記録その他をとってみますと、全くいいかげんな念書にすぎない。大蔵大臣に出した念書でもなければ何でもないわけです。私は一萬田さんお忙しいでしょうから、一言で一高…さんに対する質問はやめますが、今後こうした問題が起るときに、これは重要な問題ですから、あんな日軽金のときのような、産業の支配を受けるのじゃないかどうかという点をチェックする方法として、あんないいかげんな方法でどうか許可されないように、一つお願いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/84
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085・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 一言だけ先ほどの私の答弁を訂正しておきます。私過半数と申しましたが、過半数ではなくて、半分々々です。これを訂正しておきます。
なお今の御意見は、十分拝承しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/85
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086・松原喜之次
○松原委員長 なおこの際大蔵大臣のおられる席上において、委員長としても、先ほど来の御答弁を聞いておって感じた点について、希望を申し上げておきます。すなわちこの日軽金に関する外資導入の件については、前任の大臣がやられたことであり、また前任の局長等がやられたことでありますから、陳弁これ努めておられるように聞えるのでありますけれども、しかし要は、外資導入に当って、いろいろ世間に疑惑を生ずるような点もなかったではないという点が一点でございます。
それから第二点は、産業支配を受けていないとか、あるいはボーキサイトの原料の値段が下ったからどうだというような答弁は、これすなわち陳弁だけでございまして、事実は、中小企業その他において訴えておるところは、この原始メーカーの日本の二次メーカー以下に対する支配力のおかげで、非常な苦痛を持っておるという点、これは公正取引委員会においてもある程度占めておられるようでありまするが、これに対してどういう手を打って、日本の二次産業以下の中小企業を守るべきかということこそが、これは通産省としてはお考えになるべき点であろうかと思うのであります。従いまして、これらの二点につきましては、一つ率直になお一そう御調査になりまして、将来に対する御処置等についても御研究の上、後日質疑等がありましたときには、一つ明快な御答弁をいただくように、私からも希望いたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/86
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087・石村英雄
○石村委員 委員長が大へんいい集約した御注文をなさいましたが、私は、ただ一点だけ石橋さんにお尋ねいたしておきますが、先ほど通産大臣は、金を貸してやろうということが、その必要がなくなったから借りなくなったのだ、そうして今後いつでも必要があれば貸してもらえるのだ、こういう御答弁だったように聞きますが、その通りでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/87
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088・石橋湛山
○石橋国務大臣 金を借りる必要がなかったから借りなかったことは、その通りでございます。それから今後いつでも借りられるというだけの約束は、あるいはないかもしれません。けれども一種の了解事項としてそういうふうな了解も、おのずから両者の間にあるというふうに私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/88
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089・松原喜之次
○松原委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。竹谷源太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/89
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090・竹谷源太郎
○竹谷委員 外資導入に関連しまして、今大蔵大臣が参議院に行かれるようでありますから、要点だけ簡潔にお尋ねいたしますが、問題は徳山の旧海軍燃料廠の払い下げ、及びこの払い下げを受けた出光興産が、アメリカのこれはバンク・オブ・アメリカと称しておりますが、この燃料廠の整備建設のために、外資を導入することになっておるかどうか、これをお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/90
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091・石橋湛山
○石橋国務大臣 何かそういう話は聞いておりさすが、私は正式にそういう申し出を受けておるわけではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/91
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092・竹谷源太郎
○竹谷委員 大蔵大臣も御承知ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/92
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093・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 承知しております。バンク・オブ・アメリカから外資を導入する、多分これは認可をいたしたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/93
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094・竹谷源太郎
○竹谷委員 幾らですか。わからぬですか。——それじゃ事実を二つほど、知らないというからあげておきますが、あるかないか。この徳山海軍燃料廠の払い下げを受けたその前後の事情につきまして、ある木にこういうことが書いてある。「この奇怪な払い下げが非公式に、しかし事実上公式に決定されたのは、去年二月七日、西銀座の料亭松山で行われた出光主催の宴会の席上たったといわれている。集まったのは出光社長と二、三人の重役、アメリカ銀行の幹部四人、アメリカ大使館の係官一人、一萬出蔵相と石橋通産相、通産省の局長級三人。事前工作はほとんど済んで、これがいわば手打ちの宴会だった。この席で確認されたことは、1徳山燃料廠は無条件で出光興産へ払い下げること、2徳山に極東一の大石油化学工場を建設する資金として、アメリカ銀行は大使館の了解のもとに、今後十年間にわたり出光興産に総額二千万ドル(七十二億円)の借款を与えること、その他であった。」こういう事実があったかどうか。時間がないから簡潔にもう一つお尋ねします。
もう一つは「去年の五月、アメリカ銀行の副頭取ラッセル・スミスが来日して、一萬田蔵相と会談(五月二十日)したときに、蔵相は出光の借りるドルについては日本政府が保証人になる、つまり出光が借金を払えなくても日本政府がかわって払うから心配しないように、とはっきり約束していたのだ。」こういうのでございます。むろんこれは国会の承認もないので、約束はできないが、この二千万ドルをもって、十年後には出光徳山海軍燃料廠の石油工場における生産品をもって、十年後に五千機となると計画されておるところのジェット空軍の燃料に十分である、それから千二百隻の海上船艇の燃料として、また陸上六十万人の完全に装備したしごろの兵隊の使う燃料としてもこれをもって十分である、こういう計画がある。このような自衛隊の増強によって、自衛隊が消費をするから、結局日本政府が保証したと同じ結果になるのであるかどうか、時間がないので掘り下げてお尋ねできないのは残念でありまするが、先ほど聞きました二月における出光主催の宴会に通産大臣、大蔵大臣が出席をして、出光に払い下げること、また借款の問題をきめたかどうか。もう一つは、五月二十日に一萬田蔵相がアメリカ銀行の副頭取と会見をいたしまして、出光興産に対する借款の保証に関する何らかの約束をしたかどうか。この二点をお二人から御返答をお願いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/94
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095・石橋湛山
○石橋国務大臣 簡単にお答えします。私は出光と同じ席で、いわんや出光君のごちそうになったことはいまだかつてありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/95
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096・一萬田尚登
○一萬田国務大臣 今言われた私に関する点は、私もありません。特にアメリカの側頭取と会って出光の借入金について政府が保証するというようなことを言うた事実は全然ございません。また常識から考えてもこれはあり得ない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/96
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097・竹谷源太郎
○竹谷委員 今お二人とも、二つの事実について否定的な回答がありました。私はそうであろうと信じたい。しかしながら、日本で公刊された書物の中にはっきりそれが書いてある。それは、事実ならば政治実でありまするから、たとい秘密の事項であっても、事実であればこれは名誉棄損にならない。しかし不実の事実であれば、公職者に関する公けの問題、あるいは私的の問題でも名誉棄損になるのですが、こうしたものははっきりさして、日本の政府がもう少し権威あるところを示してもらいたい。これは「アメリカヘの離縁状」というものが刊行されて、事こまかに書いてありますから、日本の大臣の名誉のために悲しむのです。はっきりさせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/97
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098・石村英雄
○石村委員 石橋さんは、ただいまいつでも借りられるということを取り消されたような、了解とかなんとかごまかされたのですが、最初の契約井には、一カ年ということに限定されております。そういう契約があっても、これはまたあとで外資審議会にかけなければならぬことだろうと思うのです。石橋さんはそういうように訂正されましたから、その点はこのままにしておきますが、当時三十億からの借入金があった。そうしてあとで必要がなくなったといっても、そのときには必要があったはずだと思うのです。現在は、日本軽金属は借金が少くなって、借りなくてもいいかもしれないが、あの問題の起ったときには、三十億からの借入金が現実にあったのです。高い金利で借りておる。そして許可になってもそれをやらなかったということを、必要がないから借りなかったのたというような答弁は、当時の主管大臣でなかったにしても、私はどうも研究不足ではないかと思います。今後の機会にもっとよく研究せられて、先ほど委員長もおっしゃったように、率直に御答弁をお願いしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/98
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099・松原喜之次
○松原委員長 次に、閉会中審査の件についてお諮りいたします。
御承知の通り、委員会は特に議院の会議で付託された案件についてのみ閉会中も審査ができることと相なっておりますので、当委員会におきましては、次の案件について、閉会中もなお審査ができ得るように、議長に対し申し出をいたして、おきたいと存じます。すなわち
一、接収費金属等の処理に関する法律案
一、財政法の一部を改正する法律案
一、国家公務員のための国設宿舎に関する法律の一部を改正する法律案
一、会計法の一部を改正する法律案
一、物品税法を廃止する法律案
一、酒税法の一部を改正する法律案
一、外資に関する法律の一部を改正する法律案
一、銀行法の一部を改正する法律案
一、昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案
一、金融に関する件
一、外国為替に関する件
一、国有財産に関する件
一、専売事業に関する件
一、印刷事業に関する件
一、造幣事業に関する件
一、補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する件以上の通りであります。これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/99
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100・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
なお申出書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任を願っておきたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/100
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101・松原喜之次
○松原委員長 次に閉会中における小委員会の存続並びに委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。
ただいま御決定を願いました閉会中審査申し出の件が正式に当委員会に付託になりました際には、今会期中において設置いたしました税制に関する小委員会、金融に関する小委員会、国有財産に関する小委員会、専売手業に関する小委員会は閉会中もなお存続せしめ、各小委員及び小委員長は従前通りとして、それぞれ調査を進めることにいたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/101
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102・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
なおこの場合の小委員並びに小委員長の補欠選任につきましては、会期中と同様に、適宜委員長より御指名することに御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/102
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103・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
また閉会中におきまして必要がありましたならば、各地に委員を派遣して実地に実情を調査いたしたいと存じますので、議長に対し承認方を申請いたしたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/103
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104・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
なお、派遣委員の選定、期間、派遣地等並びに申請書の作成、提出手続等につきましては、すべて委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/104
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105・松原喜之次
○松原委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。
本日はこの程度にとどめ、次会は明六月一日午前十時三十分より開会することとし、これにて散会いたします。
午後零時五十九分散会
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404629X04119560531/105
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