1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月六日(火曜日)
午前十時五十六分開議
出席委員
委員長代理理事 松井 政吉君
理事 愛知 揆一君 理事 秋田 大助君
理事 小泉 純也君 理事 廣瀬 正雄君
森本 靖君 川崎末五郎君
竹内 俊吉君 塚田十一郎君
中垣 國男君 平野 三郎君
山本 猛夫君 佐々木更三君
原 茂君 八木 昇君
橋本登美三郎君
出席政府委員
郵政政務次官 上林山榮吉君
郵政事務官
(大臣官房電気
通信監理官) 松田 英一君
委員外の出席者
日本電信電話公
社総裁 梶井 剛君
日本電信電話公
社副総裁 靱 勉君
日本電信電話公
社理事
(営業局長) 吉澤 武雄君
専 門 員 吉田 弘苗君
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三月一日
委員中曽根康弘君及び井手以誠君辞任につき、
その補欠として星島二郎君及び伊藤好道君が議
長の指名で委員に選任された。
同月二日
委員塚田十一郎君辞任につき、その補欠として
山本猛夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
委員山本猛夫君辞任につき、その補欠として篠
田弘作君が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
委員篠田弘作君辞任につき、その補欠として山
本猛夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月六日
委員平野三郎君及び松浦周太郎君辞任につき、
その補欠として植原悦二郎君及び塚田十一郎君
が議長の指名で委員に選任された。
二月二十九日
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神戸市内の通信施設復旧促進に関する請願(五
島虎雄君紹介)(第一〇一一号)
電話加入権の担保制度確立に関する請願(佐竹
晴記君紹介)(第一〇一二号)
三月一日
縁町に特定郵便局設置の請願(臼井莊一君紹
介)(第一〇六五号)
小規模郵便局制度改革に関する請願(池田清志
君紹介)(第一〇六六号)
郵便年金に対する特別措置に関する請願(越智
茂君紹介)(第一〇九四号)
お年玉つき郵便葉書等の発売に関する法律の一
部改正反対に関する請願(山口丈太郎君紹介)
(第一一五三号)
小規模郵便局制度改革に関する請願(中馬辰猪
君紹介)(第一一五四号)
ラジオ岩手の夜間出力増強に関する請願(松前
重義君紹介)(第一一五五号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二日
沖縄の郵便取扱業務に関する陳情書
(第
二四二号)
マイクロウエーブの長崎経路開設の陳情書
(第三〇四号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法
律案(内閣提出第三一号)
電気通信事業に関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/0
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001・松井政吉
○松井委員長代理 これより会議を開きます。
電話設備費負担臨時措置法の一部を改正する法律案及び電気通信事業に関する件を、一括議題として審査を進めます。
この際質疑の通告があります。これを許します。森本靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/1
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002・森本靖
○森本委員 まず最初に公社当局の総裁にお尋ねしたいのですが、春季闘争の過程において、たまたま出て参りました今回の日本電信電話公社に対する調停委員会の調停案に対する問題ですが、この調停案を公社当局としては、一体どう取り扱う御意思を持っておるかを明確にお答えを願いたいと思うんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/2
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003・梶井剛
○梶井説明員 目下回答につきまして検討中でございます。まだはっきり申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/3
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004・森本靖
○森本委員 大体そういう回答があるだろうとは考えておりましたが、実はこの調停案の内容を読んでみますと、本日が大体回答の期限のように考えているわけですが、回答の期限日になって目下検討中ということでは、はなはだこれはおかしい回答であります。きょうが回答日でありますので、公社当局としてはどういうお考えを持っているか、そのことをお聞きするわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/4
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005・靱勉
○靱説明員 交渉代表として、公社側で私が調停委員会の方に参りまして、在来説明をいたしておりましたし、調停案の提示も私が受けましたので、総裁にかわってお答え申し上げます。
本日までが回答日になっている次第でございますが、私どもとしましては、これにつきまして相当詳しく検討しておりまして、なお主文をごらんになりましても、予算的措置を講ずる必要のあるような事項が三項目ばかりございますので、もちろん準政府機関としましては、政府機関にもある程度連絡しまして、調停委員会に回答いたさなければならぬ、こういう次第になっておりますので、それらにつきまして公社側としましても、それぞれ意見を固めつつございます。ただまだ調停委員会に御回答申し上げていないのでございますから、今公社がどういうつもりかということを、ここで申し上げるのは御猶予願いたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/5
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006・森本靖
○森本委員 これは一番当面の問題であって、全国の十三万の電電公社従業員が、この調停案に対する公社当局の出方がいかような方向に出てくるかということに対して、非常に大きな注目をしておるわけです。それでこの調停案を受けたのが二日です。きょうが六日でありますので、この間四日間の日数があるわけでありますが、この主文の内容、さらに理由、その説明、こういうものを見ても——それは一応政府当局にいろいろ相談をしなければならぬというような話もありましたけれども、これは公社当局に対する調停案の提示です。だから公社当局としてはこの四日間にどのように審議をして、どのような結論を得たかということをお聞きしたわけです。今次の労働組合の闘争というものが非常に激しい中において、それが四日間も時日が過ぎておりながら、まだ本日その内容について検討中ということは、どういうところで検討中であるのか、もし検討中であるとするならば、主文の一項から五項まであるそのどことどこが難点になっているかというという点についてお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/6
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007・靱勉
○靱説明員 調停委員会にもあらかじめ御了解を得ておいたのでございます。大体本六日を目途とするということで御了解を得ておるのですが、私どもは六日というのは少し期限が短かいのではないかという考えを持っております。もちろんこの紛争を円満に解決するのが私どもの基本的な方針であることは当然でございますが、そういうような次第でございますので、われわれはいたずらに時日を遷延しているわけではなく、また調停案に対する回答は、規定としましては一応一週間ということになっておりますが、その点十分調停委員会の方にも御了解を得ておる次第でございますが、見通しとしましては本日午後回答というのは困難であるというふうに考えております。
それから主文の中のどこに難点があるのかということでございますが、これは調停案を出すまで—ことに国会の公開の席でございますし、私どもまだ確定した回答案を提出しない前にあまり言うのはどうか、こういう考えを持っておる次第でありますから、その点御了解願いたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/7
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008・森本靖
○森本委員 調停案に対する回答前にこういうところで言うのはどうかといっても、私たちも私たちとして一応この問題について審議をする権限を持っておるわけです。またそういう内容について私たちとしては側面的に非常に心配をしておるから、これを聞いておるのです。この内容については明らかに一項目から五項目まで詳細に理由もついて説明が出ているわけです。それで公社当局としてはこの内容について一体どことどこが不満であるのか、あるいはどことどこが受諾をしたらいいと考えておるのか、そういう点についての現在までの検討の内容を一つお示しを願いたい、こう考えておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/8
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009・靱勉
○靱説明員 回答も非常に時日が切迫しておりますので、私どもとしましては急速に結論を出したいということでございますが、委員会におきましてもいろいろと御心配をいただきますことは、私どもまことにありがたく存ずる次第でございます。しかし何と申しましても回答前でございますので、私どもの公式的なこれに対する見解はしばらくごかんべんを願いたい、こういう次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/9
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010・森本靖
○森本委員 そうするとこの問題についてはやはり政府当局に対しても、この見解はどうかということを相談しておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/10
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011・靱勉
○靱説明員 もちろん公社が独自に回答いたさなければならぬ次第でございますが、きわめて重大な問題でございますので、監督機関の意向もある程度知りたいと思いますし、財務当局に対しましてもやはり予算的措置の一つの問題でございますので、私どもとしてはできるだけ諸般の事情を勘案して決定すべきものと考えますので、そういう意味合いにおきまして関係機関の御意向もできれば知りたいと考えておりますが、結論的にこれを決定いたしますのは、公社としましては調停案を提示されたのでございますから、その意味合いにおきまして公社が責任をもってお答えをする、こういう形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/11
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012・森本靖
○森本委員 そうすると公社当局が調停委員会に対して正式に回答するのはいつの予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/12
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013・靱勉
○靱説明員 予定は一週間ということになりますと八日くらいになりますが、本日が一応お約束の期限でございますが、きょうの午後の情勢によりまして、調停委員会の方に一両日待っていただくようにお願いに上る、こういう考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/13
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014・森本靖
○森本委員 きょうの午後に一両日待ってもらいたいとお願いするということは、調停委員会に対して八日に回答する、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/14
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015・靱勉
○靱説明員 できれば八日に回答したいという考えでお願いに上るわけでございますが、御承知のように一週間の一応期限がございますので、その以内に何とか回答できるようにいたしたいと努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/15
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016・森本靖
○森本委員 一週間以内というのは、二日からですからいつまでになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/16
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017・靱勉
○靱説明員 三月二日に出ておりますので、一週間ということになりますと八日の夜十二時までと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/17
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018・森本靖
○森本委員 それでは八日までには正式にははっきり回答することになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/18
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019・靱勉
○靱説明員 在来の慣行から申しましても、また規定から申しましても、それが当然だと考えておりますが、私どもその意味合いにおきまして早く結論が出るように努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/19
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020・森本靖
○森本委員 この問題については予算の関係があるので、当然政府関係と相談をしなければならないという話でありますが、そこで政務次官にお聞きをいたしますが、この問題について郵政当局として公社当局から相談があったわけでありますか、この調停案の内容についてです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/20
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021・上林山榮吉
○上林山政府委員 公社当局から郵政大臣の方に参考資料を提示して相談をいたしてあると聞いておりまするが、具体的にはまだ打ち合せをしていない状況であるというふうに承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/21
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022・森本靖
○森本委員 もう一回公社当局にお聞きをいたしますが、事は急を要する問題です。二日に調停案が出て、それから一項目から五項目の間の問題について、予算の内容と予算措置については、公社の経理当局においてそろばんをはじけばその日に出るわけです。その日に出た予算措置をどういうふうに「するかということを、一体いつ政府当局に相談をしたかということをお聞きしておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/22
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023・靱勉
○靱説明員 調停案が三月二日の正午過ぎに提示されましたので、私ども午後三時ごろに郵政大臣その他郵政省の公社直接の監督の方々にお目にかかりましてこういう調停案が出ました、私ども若干これに対す意見をとりあえず申し上げまして、あらためて正式な意見は私どもの方でさらにまとめたいということを私からよく説明して、それで一応終っている次第であります。今森本委員のおっしゃるようにいろいろと計算もできるのではないかということでございますが、まさにその通りでございます。しかしその調停案というものは、御承知のように調停期間内に調停できないでかなり時日を遷延してきたという、非常にこの問題の重大性と申しますか、きわめて困難な問題、また三公社の職員の数にしましても非常に大きなあれでございますから、こういう問題を一両日あるいは調停案が出たらすぐ伝えるということは、常識的にも困難なのでありましてきわめて慎重に私どもはこれを検討すべき義務がある、こう考えておりますので、いたずらに遷延しているわけではございませんので、その点一つ誤解のないように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/23
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024・森本靖
○森本委員 それでは私は重ねてお伺いしたいのですが、慎重にこれを検討するということはいいけれども、これは直ちに結論づけるということは非常に困難な情勢であるということは、一体この主文の第一項から五項までにどれほどそれぞれ困難なものがあるか。その困難な内容について御説明願いたいと思います。私の考えでは、少くともこの一項目から五項目までの内容については、一項目はこういう内容である、二項目についてはこれこれの予算措置を講じなければならぬ。三項、四項についてはこうであるという、事務当局としての事務的な計画ができ上って、その事務的な計画を郵政当局に持っていく。郵政当局がどういう回答をするかということは、これは郵政当局でなければわからぬわけです。この主文の内容は、一体それほど結論をつけるのに困難な情勢であるかということを、一応明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/24
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025・靱勉
○靱説明員 一つ一つにつきまして詳しく御説明いたすのもいかがかと思いますが、森本委員の御質問の趣旨は、大体どういう状況であるかということが趣旨のようでありますが、新聞紙上等にいろいろ組合側の意向とか、あるいは公社側の意向というよりは、政府側の全体の意向というものが報道されておりますが、いずれも私どもは固まったものではない、こう考えておるのでございまして、私ども示された調停案につきましても、解釈のしようによっては主文の第一項についてはいろいろ解釈がある。私ども調停案を示された後におきまして、この点につきまして、組合、両当事者とも協議しておりますが、これはそれぞれの考えで、必ずしもまだ了解の仕方が——調停委員会の説明として存在しますが、これに対する了解の仕方というものは、かなり問題があるところではないかというふうに考えられるのであります。その他の各項目につきましては、もちろん三十一年度予算においては予算的措置を要すべき事項も三項目ばかりあるような次第でございますので、これらは十分慎重に検討を要する、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/25
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026・森本靖
○森本委員 それでは重ねてお聞きをいたしますが、公社当局としては、もうすでに一応検討せられたと思います。たとえばこの調停案の内容については、何と申しましてもこの二項と五項が一番重要な項であって、さらにそれ以外に予算措置を講じなければならぬのは三項と四項だろうと思う。そういう問題について、一応公社当局としてはこれを事務的に検討して、そうして郵政当局にこれを持ち出した。郵政当局もむろんこの第一項の問題については、それは調停委員会との間にいろいろな質疑応答も当然出てくると思う。しかし二項、三項、四項、五項については、そんなに質疑を要するような問題ではない。しかも二項、三項、四項、五項については、これは数字も明らかな問題です。そういう問題については、一応あなた方はこういう調停案については、尊重する意思があるかどうかという問題についても明確にできる問題です。こういうものを一応この調停案が出た以上は、公社当局としては一の項はなるほどこの文章でははっきりしないので、一応調停委員会の審議は那辺にあるかということは十分問いただして、明らかにしていっていいと思うけれども、二項以下は明確な問題なんです。第二項以下の明確な問題を公社当局として尊重して、これを行なっていく意思があるかどうかということを先ほど来お聞きをしておるわけです。これは公社当局として総裁もおられるので、最高責任者としてこれが尊重できるかどうかということは明確にできると思う。それ以外に予算措置を講ずるかどうかということが問題になってくると、これは政府当局との関係も出てくるけれども、公社当局としてはこれを尊重したいと思うか、あるいはこれを不満と思うかというような点についての回答は、公社当局の最責任者において回答ができると思う。そのことを私は聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/26
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027・靱勉
○靱説明員 私ども紛争をなるべく早く円満に解決しまして、いやしくも利用者の方に御迷惑がかからぬようにいたしたいということは、私どもの当然の念願でございますし、また問題をこの調停委員会に持ち込んだ以上、その調停案に対しましてはこれは当然尊重いたしまして考えていかなければならぬことは、これもまた当りまえのことでございます。従いまして私どもはこういう示されました調停案につきましては、これを尊重する考えのもとに、いろいろと検討いたしておるのでございまして、今どれをどれということだけは先ほど来申し上げました通り、まだ公式にどこへもお答えする段階でございませんので、しばらく御猶予を願いたい、こういうお願いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/27
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028・森本靖
○森本委員 それはまだ組合の意向もわかっておりませんし、それから政府当局の意向もわかっておりませんので、公社当局としてはそういう回答になるのはやむを得ないと思いますけれども、ここではっきりしておきたいことは、公社当局としてはこういう調停案が出た以上は、この調停案というものについては尊重していきたいということについては、これははっきりそういうように確認をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/28
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029・靱勉
○靱説明員 私は調停案に対しましては、いやしくも両当事者ともこれを尊重する精神がなければいかぬ、こういうことを申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/29
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030・森本靖
○森本委員 ただいまの靱副総裁の回答にありましたように、調停案の意思というものは尊重していかなければならぬという公社当局の見解というものは、総裁もこれは全く同意見ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/30
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031・梶井剛
○梶井説明員 ただいま副総裁が答弁いたしました通りであります。ただ尊重するということはもちろんでありますけれども、これを具体化するということにつきましては予算措置が必要なのでありますから、尊重するだけでもって、この通りにできるという意味では毛頭ないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/31
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032・森本靖
○森本委員 私もここの中で予算の審議をする一人ですから、その内容はよくわかっておりますが、この予算措置を講ずる場合には公社当局だけではなしに、これは政府当局と十分話し合いをして、それ以上の措置を講じなければならぬということは、これは明確な問題です。ただ公社当局としては今までの紛争過程からして、この調停案については尊重したい、こういう意思は明確にお持ちであるということの回答であったから、そう確認をしてよろしいかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/32
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033・梶井剛
○梶井説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/33
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034・森本靖
○森本委員 そこで政務次官にお聞きしたいのですが、これは大臣がおったらいいのですけれども、大臣以上の政務次官ですから間違いないと思います。そこで公社当局の方はそういうふうに尊重したいという御意見もあったというのは、これはごもっともだと思うのです。現業官庁の責任者として私はもっともな意見だと思うのですが、政府当局としてのこれに対する見解はどういう見解ですか。むろんこのあとには郵政大臣の所管下におけるいわゆる郵政現業の調停案も出ることだと考えますので、最初に出ましたところの電電公社に対する調停案に対しての政府当局の見解をまず述べてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/34
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035・上林山榮吉
○上林山政府委員 調停案に対しては言うまでもなく尊重しなければならぬ、ということは、公社当局の意見と全く同じでございますが、総裁も敷衍いたしましたように、予算措置その他各般の事情というものを勘案して、いかにこれを実施するかということについてはただいま結論を得ておりませんので、その点は御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/35
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036・森本靖
○森本委員 それでは政務次官に参考までにお聞きしたいのですが、この二項と五項を完全に実施をした場合にどれだけの予算が要るかということを、公社当局から政府当局に言ってきておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/36
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037・上林山榮吉
○上林山政府委員 これは先ほどお答えした通り、先般郵政大臣の方に公社から書類によって提示をしてきておりますので、数字は大体見当がついておりますが、事務的に答弁をさしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/37
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038・松田英一
○松田政府委員 公社から伺っておりますのは、大体第二項の関係を実施するといたしますと約八億五千万円、それから第五項につきましては約七億余りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/38
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039・森本靖
○森本委員 どうせ予算措置を講ずるということになれば、むろん政府当局と電電公社が十分話し合いをしなければならぬという段階になってくるわけですが、公社当局と政府当局との間の連絡が、今の答弁ではまだまだ非常に不十分なような気がするのです。というのは、今一番問題になっているところの春季闘争の内容について、政務次官が一言で、電電にこの五千円の平均が出た場合にどのくらいの総額になるかというくらいは、頭の中にちゃんとたたき込んでおるくらいに、電電公社と政府当局が密接な連絡がなければならぬ、そういうことが今度の争議に対する解決の熱意だと思うのです。そういう点からいって十分にこの問題については政府当局としても早急に、この数字的、予算的な問題について検討をして結論を出せるように、ぜひともあなたの方でも御善処を願いたいと思うのですが、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/39
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040・上林山榮吉
○上林山政府委員 すでに検討をいたしておるところでございます。できるだけ早く結論を出したい、こういうふうに考えておりますから御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/40
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041・森本靖
○森本委員 まさかその場合、政府当局は予算の問題について無理だから、公社当局はこれをのんではいかぬぞというような圧力を加えるというようなことはないでしようね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/41
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042・上林山榮吉
○上林山政府委員 圧力を加えるという考えはございません。妥当であるかどうかということを、できるだけ大局的に判断してみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/42
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043・森本靖
○森本委員 大局的に妥当であるかどうか判断をするということはどういうことですか、妙にぼやっとしてその意味がわかりにくいのですが、大局的に判断をしてどうこうということは、科学的にいうとどういうことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/43
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044・上林山榮吉
○上林山政府委員 非常にむずかしい議論になるようでございますが、端的に御了解願いたいと思いますのは、公社が果して予算措置が十分にできるかどうか、こういうような点が一番要点であろうかと考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/44
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045・森本靖
○森本委員 これ以上政府当局に質問をしても、あなたの答弁を聞いても、まだ一つも内容を検討しておらぬというのが実情のように考えます。どうせこの問題については政府当局としても検討するだろうと思いますので、その際にまた十分に質問をしたいと思いますが、ただここで私のつけ加えておきたいのは、政府が今回の労働争議に対する一つの政治的な手段として、それぞれの公社当局あるいはそれぞれの出先に対して、予算措置というものを一つの武器にとって、圧力を加えることが絶対にないように、できる限りそれが実現できるようにということを政府当局が考えるということが、今回の春季闘争における組合はどういう態度に出るか知りませんけれども、そういうことに解決をつける一つの道にもなると思いますので、そういう点については十分に一つ今後政府当局としても善処を願いたいと思うのですが、政務次官この点について、もう少しいい回答を願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/45
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046・上林山榮吉
○上林山政府委員 これは郵政省に限らず、おそらく政府全体としてもよい解決をしたい、こういう考えで臨んでいるものと私ども考えますので、あなたのおっしゃるようによい解決をするという観点から、果してこの問題は実現できるものかどうか、あるいはこの問題はどうしても実現できないというならば、そういうような意味において的確な判断をして、できるだけ紛争の解決を早めるということを目的として努力いたしたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/46
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047・八木昇
○八木(昇)委員 関連してちょっと一、二点お伺いいたしておきます。先ほど来の森本委員の質疑に対する応答から感じておりますことは、公社当局としては、公企労法が作られたあの精神にかんがみて、今回の調停案はこれを尊重するという態度の上に立って、早急に一両日中には態度を決定したいというお考えのように見受けられる、そういうふうに私は印象を受けておる。ところが政府との間にまだ結論が出ていないために、回答が今至急に出せるところまで立ち至っていない、こういう状況のように、これは私は感じておる。そこで政務次官にお伺いいたしますが、たびたび政府声明その他を出されて、今回の春季闘争に対しましては非常に強硬な態度で警告を発しておられるという点から考えますと、今日の事態は非常に急迫をしておる、そうして一日も早く問題を解決しないと、国民全体のためにきわめて遺憾な事態も起りかねないというようなお考えは、政府当局としてはお持ちでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/47
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048・上林山榮吉
○上林山政府委員 先ほどから申し上げております通り、できるだけ紛争を早く解決することが望ましいという観点から、調停案等に対しては一応これを尊重し、あるいは具体的な解決については、できるものとできないものとあるかと思いますので、こういう点は政府全体の問題として、統一した考えが早晩出てくるものと期待をしておるところでありますので、これ以上突き進んで見解を述べよとおっしゃいましても、ここで十分に回答申し上げる時期に、まだ至っていないと考えます。ただしかしお言葉にあります通り、何でもかんでも政府が圧迫をするという態度を持ってはならないし、またそうではないというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/48
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049・八木昇
○八木(昇)委員 それでは政府としても一応調停案について検討をなされるわけなんですね。その結果政府としてこの見解をまとめられるに、今後一体いかほどの日時を要するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/49
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050・上林山榮吉
○上林山政府委員 調停案に対して、いつ、ころまでに政府が結論を出し得るかという問題は、できるだけ急がなければならぬということは申し上げることはできますけれども、これは郵政省だけの問題ではなく、政府全体の問題だと考えますので、早晩結論が出るものと言うことはできますけれども、何日の日にこれが結論が出るということは、ただいま連絡が不十分でございますので承知しておりません。必要があれば適当な機会に申し上げてもよいかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/50
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051・八木昇
○八木(昇)委員 そういうことははなはだ私は遺憾に思うのです。それで当事者である公社の方は、調停委員会に一両日だけ待ってくれということで、きょう回答するとおっしゃっておられる。そうだとするならば、政府もそんなに早急になんという抽象的なことであってはならぬと思う。ここ二、三日のうちにでもこの問題に対する政府の見解を取りまとめるというようなことに、積極的に御努力をされる御意思がおありかどうか、もう一度確かめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/51
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052・上林山榮吉
○上林山政府委員 政府全体の結論がどうなるかは別といたしまして、早急に結論を出すように努力する意思があるかという点については、その意思が十分あるということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/52
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053・八木昇
○八木(昇)委員 もう一つ、これは公社にお伺いいたしますが、これは政府の方の見解というものが特段にきまらなくても、公社それ自体の自主的な見解をもって、調停委員会に回答をなされるわけでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/53
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054・靱勉
○靱説明員 今度の調停案をごらんになりますと、予算的措置を必要とする問題が明らかに三つあるのでございます。御承知のように公社の予算は郵政大臣が結局作られる、こういう形になっておりますので、そういう意味合いにおきましては、政府との間に連絡をとって、十分政府の意向というものをわれわれ承知していなければ、無責任な回答はできない、こういうふうに考えておるわけです。ただしこれは性格的に申しますれば、たとえば郵政大臣にこういう予算的措置を講ぜられるようにお願いするというような回答になってしまえば、これは公社自体の回答ということで、必ずしも政府の方が確定しなくても回答できる。すなわち、いわば条件付のもののような回答になってしまう、こういうふうに考えておるのでございまして、公社としましては、あくまで公社に対する調停案でございますから、公社自身で処理できることについては自主的に回答いたしますし、自身でできない点につきましては、われわれの考えを入れて、その条件といいますか、そういう措置をそれぞれの機関にお願い下るというような格好で出すということも可能である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/54
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055・八木昇
○八木(昇)委員 まだ本日の段階では決定的な御回答をいただくまでに至っていないようですから、これ以上具体的質問は一応差し控えておきますけれども、政府と公社が相互に、何といいますか、極端な表現で言えば、責任をなすり合ったような格好でじんぜんと日が延ばされるというような結果をもし招来するならば、これは非常に重大な問題であるといわざるを得ぬわけです。従いまして、早急に両当事者とも積極的に努力をせられて、そうして近近のうちに、少くとも一両日待ってもらいたいという回答を公社当局はきょうされるというわけですから、そういった近々の時期にはっきりした態度を出してもらいたいし、しかもその態度は当然調停案を受諾するというはっきりした態度であってしかるべきだということを、一応要望しておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/55
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056・森本靖
○森本委員 それでは電話設備費負担臨時措置法のこの前私どもの同僚松井委員の質問のあとを受け継いで行いたいと思います。ただ残念なことには大臣がきょう見えておりませんので、大臣としての責任においてお答えを願わなければならぬ問題も、これには財政的な措置としてからまっておりますので、その問題については、大臣が今度来られたときに質問をすることにして、それ以外の問題について質問をしてみたいと思います。
まず最初に、戦災電話未復旧数という昭和二十九年度末現在のものをもらいましたが、この数字はどういうところから出てきているか。この数字は正確なものであるかどうか。この点を一つ御回答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/56
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057・吉澤武雄
○吉澤説明員 お答え申し上げます。その数字は現業の方の電話局から調査いたしまして、各通信局ごとにまとめまして、それを本社でまとめた数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/57
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058・森本靖
○森本委員 それでこの戦災未復旧の電話というのは、この証拠書類はこれを調べるのに今何があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/58
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059・吉澤武雄
○吉澤説明員 戦災以後におきまして一般に申告さしたわけであります。それは戦災電話であと復旧したいという方については、権利者、それから設置場所、今後どこへ移るかということをまずお尋ねするというので、申告を取りまして、それによって原簿を全部整理しまして、各戦災地の電話局ごとにはっきり原簿を区別しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/59
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060・森本靖
○森本委員 その場合には、それではその電話局に一つの原簿があって、それから申告をしたものと対照して今日のこの数字ができ上っておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/60
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061・吉澤武雄
○吉澤説明員 各電話局に原簿がございます。東京のごときは当時の電話局より今日の電話局は数がふえております。当時の電話局が今日の電話局に分散したところに対しましては、それぞれ分散に応じた原簿を配布しまして、現状を維持しているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/61
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062・森本靖
○森本委員 もう一点お聞きしますが、その場合、電話局も焼失してその電話局における原簿がなくなったというふうな例はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/62
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063・吉澤武雄
○吉澤説明員 全国には一部原簿が焼けたところがあったのであります。その際においては、旧権利者にきわめて懇切にあらゆる機関を通じて申し込みしてもらいたい、申告してもらいたいという手続をとりましたが、大半は原簿だけは当時焼けずに確保しておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/63
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064・森本靖
○森本委員 この点はこれでおきまして、この間の質問でこの三十一年の三月三十一日のものを今後五カ年間延長するということになりまして、今後五カ年間のうちのニカ年というものは従来の五カ年計画の延長であるということが明らかになったわけでありますが、その後における三カ年の計画というものが全然説明もなく、ちゃらんぽらんのような説明であって、どうにかなるだろうくらいの回答にしかわれわれの方としてはとれなかったわけでありますが、今行なっておりますところの五カ年計画が終って、その次に来たる一つの計画というものがあるかどうか、あればその計画についての内容を一つ説明を願いたい、こうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/64
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065・靱勉
○靱説明員 お手元へ「電信電話拡充に対する第一次五カ年計画及び第二次五カ年計画の概要」という印刷物をごらんに入れておると存じておりますが、これに、まず第一次五カ年計画は、明年度及び明後年度、すなわち三十二年度までかかって終るわけであります。従いましてまだ計画中でございます。そこでまず第一次五カ年計画はどういうふうにして終るだろうかということを、初めに御説明いたしておるわけでございます。これの結果と申しますのは、大体市内電話につきましては、五カ年間に九十七万一千の加入電話を増設して、三十二年度末におきまして総数においてわが国の電話は約二百五十万に達する。それから日本経済の中枢地区である六大都市、なかんずく東京、大阪の中心部においては、ほとんどすべての需要に応ずることができる。すなわち申し込みがありますれば一週間以内には引けるような状態になる。次には、この期間におきまして百四十八の新電話局を建設し、所在都市の電話需要の行き詰まりを打開する、とにかく新局ができましたところにおきましては、一応積滞を解消しまして、その後におきましては自然増を待つような態勢になる。それから自動電話局の建設によって自動化率は約五五%まで達するであろう、これは大体今後新しい局を作る場合において主として自動改式という方式で参りますので、自動改式が大体半分以上ということになります。それから公衆電話は、五カ年計画実施前に比較し二倍半に増加する。特に農産漁村等の遠隔な部落におきましても、相当の電話が架設できるであろう。三十一年度、三十二年度の計画においてこの方面にある程度の重点を移していきたい、こういうように考えておる。
市外電話につきましては、六大都市相互間並びにこれら主要都市とおもな県庁所在都市との間の通話は、即通時話に五カ年間のうちになる。それから京浜、京阪神、北九州など近接せる都市相互の通話は大体即時通話となる。特に通話の多い区間は、加入者みずから、ダイヤルして接続し得るというような態勢になる。それから全国を縦断するマイクロウェーヴ回線を作成し、主要都市相互間の電話の即時化と同時にテレビジョンの中継が可能になる、これは在来御説明いたしております点で御承知かと思います。なお県庁所在地相互間はケーブル幹線で結び、通話の速達をはかると同時に、天災地変等に際しても通信ができるだけ確保できる態勢にする。
電信につきましては、主要局の中継の機械化の速度がおくれておりますが、それが完成しましたところにおきましては電報がより早くなり、誤謬率が低下してくる、こういう考えでおります。なお三十一年度から三十二年度におきまして、加入電信サービスを東京、名古屋、大阪の主要都市に実施する。
なお電信及び市外電話の専用線につきましては、大よそ御希望には対応できるような態勢になる、こういうことでございます。
これによりまして第一次五カ年計画を一応三十二年度まで想定して判断してみますと、大都市を中心とし、あるいは重要都市相互間の市外通話というものはかなり改善されますが、それ以外の都市、農村等におきましてはまだなかなか改善の域に達していない。
すなわち市内電話におきましては、三十二年度、すなわち第一次五カ年計画の最終期におきまする年間の申し込みは約六十六万、現在のままで参りましても需要があるものと考えられますが、それに対して十九万程度の架設でございますと二八%を充足し得るにすぎない。従いまして第一次五カ年計画が終りましてもなお四十八万の申し込みをそのまま残さざるを得ない。それからこの時期におきまして、電話の普及率は人口百人当り三・八でございまして、現在の世界各国の電話普及率に比すれば、現在二十二位でございますが、これが十九位に上る程度で、アイルランドとかスペイン程度にすぎない。それから大都市周辺部並びにその他各都市で、これ以上一個も電話を増設することができないで詰まってしまう局数が約二百局になる。すなわち三十二年度末におきまましてそういう状態になる。自動化率は五五%と申しましたが、欧米諸国に比べればまだきわめて低位である。公衆電話につきましても、五カ年計画を終りまして一万名について五・七個ということでございまして、これはスペイン、アルゼンチン等の普及率に大体同じでございます。フランス、西ドイツ等に比べれば、現在におけるそれに比較して半分程度にすぎない。市外電話につきましても、なお地方主要都市相互間におきまして、待合時間が二時間をこえるものが残る。それから短距離の通話におきましても、全般的に即時化することはできないのでございまして、特殊な場合におきましては交通機関より速度がおそい。なおこの期間におきましてますますテレビジョンの要求が出て参るものと考えられまして、それに対する中継の要望が強くなるであろう。
なお御承知のように町村合併に伴う電話サービスの改善につきましては、三十一年度、三十二年度ではその一部しかできない。
こういうような状況で第一次五カ年計画を終りますので、私どもといたしましては第二次五カ年計画を考えられます場合におきましては、ここに書いてございますが、一そう電話の架設を多くすると同時に、市外通話の改善をいたしていかなければならぬ。さきに政府が決定しました経済自立五カ年計画においても、年々約十九万の電話の増設と主要都市相互間の市外通話の即時化を計画しておるのでありまして、このような要請に応ずるために公社は第二次五カ年計画を策定中でございますが、第一次五カ年計画におきましては、特に大都市に重点を置いておる、これは非常に戦災を激しく受けましたと同時に、通信の需要がきわめて大きかったために重点を置かざるを得なかった。しかしながら第二次計画におきましては、地方中小都市あるいは農村における電話の拡充をはかりまして、国全体としましてはバランスある電話の供給をいたしたい、これが第二次五カ年計画の基本方針でございます。
従いまして市内電話におきましては、毎年十九万、五年間で合計九十五万の加入電話を増設する、これによりますと、本計画の最終年度であります昭和三十七年度におきます充足率は、これは私どもそういう意図は持っておりませんが、かりに負担金、社債をそのまま三十七年度まで持ち越すと、一答悪い状態を想定しましても、なお申し込み約三十二万に対して六〇%を充足するにすぎない。これはとうてい七年聞こういう形でいけませんから、需要はもちろんふえて参ります。あるいはこの三十二万が倍になるかもっとになるか、そうなりますと、従って充足率も依然として二〇%か三〇%にすぎない、そういう需要は十分にあるものと考えておるわけでございます。それから第一次計画において残されておりました電話局の行き詰っておるところに、新たに電話局を建設しなければいかぬ。しかし三十七年度までおよそ五百六十億程度の資本投下をいたしましても、なお百局程度は電話局の新局の建設が不可能なところが残るであろう。公衆電話の増設に相当努力して、一万人について十個程度まで普及していきたい。無電話部落は全部解消いたしたい、こういう計画を立てまして、これを基本として今具体的に年度割を考えておるわけでございますが、この程度の電話の増設では、人口百人当りの電話機普及率は約五・五でございまして、現在のフランス、ドイツと比較しましても相当の低位でございます。現在の第一次五カ年計画で二十二番目から十九番目に上りますが、世界各国が現在のままであるとしても、この第二次五カ年計画を実施しましてなお十七位にとどまるという状況でございます。
市外電話につきましては、比較的関係の深い主要都市相互間の通話はおおむね即時通話にいたしたい。近接する主要都市相互間の通話も同様でございます。大部分の短距離通話を最大三十分程度の待ち合ぜにしたい。それから長距離におきましては指名通話サービスも実施し、それから主要都市にマイクロウエーブ幹線を増設して、電話回線の非常対策とともに、テレビジョンを全国におきまして聴視できるような態勢に持っていきたい。
それから電信につきましては、中継の機械化を促進すると同時に、電話の加入電話のサービスをさらに全国主要の都市に普及させていきたい。専用線はもちろんあらゆる需要に応じていくと同時に、町村合併につきましても、できる限りこれに改善をいたしまして、一般の非常な御不便をなくしていきたいというような考えで、第二次五カ年計画の基幹的な計画というものは持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/65
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066・森本靖
○森本委員 今副総裁から説明がありましたし、なお私たちにもプリントが渡っておるわけでありますが、この計画というものはこの負担法を出したときには全然なかったわけですが、これはこの負担法を出したときにすでに第二次五カ年計画というものは一応できておったわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/66
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067・靱勉
○靱説明員 さようでございます。私どもすでに昨年来第一次の最終期をどういうふうにするか、先ほど御質問のありましたように戦災電話も今なお解決してないというので、かなり今後におきましては不能地域というものを解消していかなければならないということで、三十一年度、三十二年度を考えますと同時に、今申したような次第でございまして、ともかくわが国の電話というものはべらぼうに立ちおくれておるのであります。今のところ自然増を待つというのではなくて、一体たまっておるのをどういうふうに解決していくかということでありますので、第二次五カ年計画もそういう線で考えまして、非常に長期の見込みでございますが、最も経済的にかつ公平普遍的にいけるような考え方でおりますので、今年の五六月ごろにおきましてはほぼ年度割の工程もある程度見通しがつくように現在作業を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/67
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068・森本靖
○森本委員 そこでもう一つ明確にしてもらいたいのは、そういう第二次五カ年計画があるということは非常にけっこうであります。その事業がその通りいくということについてもけっこうだと思いますけれども、この措置法がかりにここで可決をせられても、これは三十五年で終るわけです。そうすると三十六年と三十七年のときには、この設備負担金がたとえば年間五百六十億どいうことでずっといくならば、三十六年、三十七年のあとの二カ年の資金計画というものはどうなるかということを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/68
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069・靱勉
○靱説明員 これに対しましては、私ども前々から申し上げております通り、負担法はあくまで臨時的措置でございますので、できるだけ早い機会にこれを直していきたいという考えを持っております。しかしながらただいま計画についても御説明しましたように、非常に困難な状況でありますので、五カ年延長——私どもできるだけ早い機会にこれを軽減していきたい、しかしながら絶対的にこれを廃止するというめどにはならないということでお願いしておる次第ですが、さらに三十六年度、三十七年度は二カ年計画ではなくて、五カ年計画を立てますから、その際にどうなるかということになるわけでございますが、臨時措置法でございますので、私どもはこの第二次五カ年計画の経過を考えまして、さらに根本的に態勢を考える必要があるというふうに考えておりますので、三十六年度、三十七年度、同じような態勢でいこうというような考えはただいま持っていない次第であります。しかしながらとれは御案内のように、将来の長期の日本の経済計画について経済企画庁で発表されておるところを見ましても、わが国の経済は強くなっていくという態勢になっております。国民所得の点におきましてもそういうような見通しを持ち、生産につきましてもそういう見通しを持っておりますので、私どもただいまごらんに入れておりまする三十一年度から三十五年度までの資金計画におきましては、外部資金百億ということで考えておりますが、この五カ年計画の期間におきましても、わが国の経済力の膨張ということによりまして、何も百億というものが現在の比重でわれわれの上に乗ってくるとは考えていない。それだけわが国の経済も力強くなるというふうに考えますれば、非常なおくれを取り戻す大拡張計画におきましては、どうしても外部資金にたよらざるを得ないということは当然でありますが、そこはわが国の財政、わが国民経済の発展に対応いたしまして、ここに根本的態勢を考える時期が必ずくるものと期待したい、こういう考えでおる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/69
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070・森本靖
○森本委員 その問題を論ずる前に、これはこの前の質疑応答にも出ましたが、電話が今日この負担法がなければ四千三百円につくという回答がありまして、それに対して橋本委員の方から質問をしておるのですが、それに対する回答が非常にあいまいな状況であったわけであります。今日までの電話の発達によるところの電話の平常単価といいますか、そういうものが——この電話架設費の加入者負担額の推移という文書は、全部に配られておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/70
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071・靱勉
○靱説明員 お配りいたしております。この前お答え申し上げました四千三百万円ということについて、誤解があってははなはだ申しわけないと思うので御説明申し上げますが、現行の法律におきましてきめられておりますのが、負担金と社債とそれから装置料と加入料と申しますか、そういう形でこれがこのまま取りはずされますと、そういう形になるということで四千三百円という電話ができるということを申し上げたのではないのでございます。過去におきまして、東京あたりで千五百円ということになりますれば、当時四十五万円ちょうだいした。それからだんだん下ってきまして六百円といたしましても、三百倍で計算すれば十八万円ということでございまして、私どもこれの原価と申しますか、そういうものにつきましては、世界各国あまりそう変っていないのでありまして、わが国におきましても大体二十五万円くらいはかかる、すなわち市内電話が十八万円程度、市外設備に七万円程度というようなことで、二十五万円が大体一個の電話にかかる経費、こういうふうに考えておるわけでございます。電話は各個人、法人に直接非常に便利を与えますが、その設備費はかなり長期に寝かして、非常に多くの設備費を要する、こういう状況になっておりますので、四千三百円ということは、全く現行法の装置料、すなわち外線から宅内に引き込む線路費、手間賃だけでございまして、電話機自体でも五千円以上かかっておる次第でありますから、この四千三百円というのはそういうふうに御了解願いませんと、あるいは誤解を生ずるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/71
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072・森本靖
○森本委員 その内容については、今の説明とこの電話架設費の加入者負担額の推移というのを見ると、私たちも一応この数字はわかるのでございます。そこで問題は、そういう経過をたどって、今日こういう状態になっておる。ところがこの問題は第二次五カ年計画の途中においてこれが切れるという形になる。そうするとこれはあくまでも臨時負担法でありますので、これを延長することは現実においては困難である。そうするとその際には外部資金の借り入れあるいは国家の財政投資というものも相当考慮すると同時に、やはりそれは現在の政令で定められておる。これはむろんそれ以下に絶対ならなければならないわけですが、なったにしてもこれが一つの適当な値段による恒久的なものを設定する、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/72
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073・靱勉
○靱説明員 その点は私から今申し上げましても、将来どうなりますかわかりませんが、こういう非常に個人に所属する受益者的思想の強い設備につきまして、しかも相当の設備を初めに投下しなければならぬというものについて、どういう制度でいくか。現在ガス、水道、電気いずれもそういうものについては、かなり多くの負担金をちょうだいしておるような例があるのでありますが、これは国全体としてかかる公共的施設についてどういうように考えていくかという問題が一つあるかと思います。と同時に全然これを無料にするというような態勢、これは諸外国の例を見ますと、若干わが国の負担金に類したものを取っている国もなきにしもあらずでございますが、ほとんど大部分は結局料金で長いうちに償却していく、こういう形になりますので、どちらがいい制度か。もちろん料金で長期に返済していくという形がいいわけですが、この料金の負担ということも、国民の負担力ということを考えていかなければならぬという情勢で、ともかく今御指摘のように、さらに五カ年をまた延長するということは考えたくないと存じますが、これにつきましては要するに電話を必要とする方にかかるような政策のもとに、政府なり外部資金なりあるいは企業体自身として、いかに借金ができるか。そういう財政的基礎とにらみ合してこれは決定さるべき問題で、今のこのままの形でもっていくことについては、私どもはそういうことは絶対望ましくない、こういうように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/73
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074・森本靖
○森本委員 この問題をまた私がこれから先追究しておると、料金の値上げの問題とからんで非常にややこしい答弁になるような格好になるので、せっかく公社当局が今までの説明をるるしておりますし、同僚の委員が質問するだろうと思いますので、私はこれ以上質問をいたしませんけれども、何かその辺が将来の問題についてこれをいかように取り扱うかという問題と、それから自然にそうしなければ料金の問題がからんでくる。さように外部資金の借り入れという問題については、一体どういう目安をつけるかという問題についても、これは一つの疑問になってくるわけです。こういう問題については、場合によっては大臣の責任のある答弁を求めるのが一番いいと思いますが、大臣もおりませんし、事務当局に対してこういう問題を質問しておりますと、またこんがらかった答弁になるといけませんので、私は大臣が見えたときにこういう内容の質問は一つはっきりしたいと思います。
残るところはこの前の質問で、三十三年度以降については政令においてある程度この負担額というものを下げる意思がある、こういう御答弁があったわけでありますが、その下げる意思というのは、この法律をやりますとそのことを無条件に公社当局の方に委託するような格好になりますので、その点についてはここで私は明確にしておいてもらいたいと思いますが、どういうふうにこれを下げるか、その内容について一つ明確にしておいてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/74
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075・靱勉
○靱説明員 お手元に昭和三十一年一度、三十五年度の公社建設資金調達計画という三枚刷りものをごらんに入れておるかと思いますが、この二枚目をらんになりますと、大体これは五カ年間一応据え置くということで、最悪の状態で考えております。そうしますと外部資金というものは百億という形になっておりますが、この債権を落していくということになりますれば、外部負金がそれだけふえてくるということになるわけでございますが、一方三一年度におきましては収入としまして前年度に比して百十八億円の増加を見ております。三十二年度においては百億、三十三年度においては八十億、三十四年度も八十億、それから三十五年度は七十億というふうに収入の伸びをだんだん減らしております。これと申しますのは、サービス改善にしますと単位当りの収入が減るということはすでに御承知のようでございますので、ここでそういうふうに一応の目安を立てておるわけでございます。と同時にこれがもう少し伸びますれば、それだけ資金というものは豊かになると同時に、支出におきましてはここに労務費の増というものを年々約四十億程度見ておりますし、物件費は二十七億程度を見て計算しております。その他利子等はそのまま計算しておりますが、これらがかね合いでございまして、具体的の実行によりまして現在の第一次五カ年計画におきましても外部資金が切られました結果、やむを得ず弾力条項を利用いたしまして加入者をふやしまして収入をよけいとるというような態勢で、ようやく外部資金の不足を補ってきたような例もあるわけであります。従いまして五カ年計画におきましてこの収支というものはあくまで私どもの見積りでございますので、これらの努力によりましてこの五十二億、四十三億という負担法に基くものについて減少する。それから先ほど申したようにともかく国の経済力というものは、私どもはだんだん強くなるという想定を持っておるわけでございます。今百億こいうことは非常に大きく考えられますが、その後だんだん発達して参りますれば、必ずしもそうでないということになりますれば、第三年度、第四年度、第五年度におきましてできるだけこれを軽減していく方向をとることは、絶対に困難だというふうには私どもは考えていないのであります。そういう努力をいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/75
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076・森本靖
○森本委員 私は今までせっかくこの内容が明らかにしてきたわけなんですが、このところでちょっと質問が行き詰まったような格好になる。というのは、この前明らかに三十三年以降についてはこれは政令によって逓減ができるし、またするということを政府当局の監理官の方々が説明しておるわけです。これは速記録にも載っておるわけです。それは松井委員が質問をしたときにそのことが明らかになっておるわけです。ところが今の副総裁の説明では、またこの資金調達計画では、三十一年から三十五年までずっと同じような計画になっておるわけです。そこでこういう計画を出しておいて、三十三年度以降については何とか善処ができるだろうと思いますということでは、これはやはり明確にならぬわけですよ。この点は私は一つはっきりしておいてもらいたいと思う。そういうことでなしに、三十一年、三十二年はこれで第一次五カ年計画がこういうふうに終了するのだ。第二次五カ年計画では三十三年から入るけれども、この入るについてはこの政令の範囲内で、このくらいのことは減額ができるという見通しがはっきりつくのだ。そうしてはっきり筋を通すならば、三十五年の終りのときには臨時負担法というものは絶対に延長しない。しかしその場合には外部資金あるいは財政投融資の関係を考えて、それから電話の単価ということも考えて、恒久的な立法を考えることもあり得るということなら、まだ話の筋が通るわけです。ところが今言ったように三十三年度、三十四年度、三十五年度については従来と同じような格好でやって、しかし三十三年度以降については努力によってできるだろうと思いますということでは、議会の審議権としてこれを全くあなたたちにゆだねるということについては、私たちとしては非常に忍びないわけです。だから三十二年まではあなたたちは現在の通りでやられると言ったからそれはそれとして、三十三年度以降についてはどういうふうにおやりになるか、どのくらい減額をされて計画を立てられろかということを私はお聞きしておるわけです。この点は一つ明確にしておいてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/76
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077・靱勉
○靱説明員 政府当局からお答えになったのは、私どもはそうはいきませんと申し上げたのではないのでありまして、これは三十三年度以降におきましては、公社としましても軽減いたしたいという考えを持っております。しかしながら今具体的にどういう数字か、その計画表を出せといわれますと、具体的数字は出ませんが、そのままの数字を基礎として、ことに第一次五カ年計画ができ上りますと、一応それが一つのエポツクを画するわけでございまして、その後におきまする三カ年の負担金におきましては、私ども公社の経営当事者としましては、これは下げていきたいということを強く考えておる次第でございますが、この元は全部廃止するというわけにはいきません。従いまして五カ年間延長をお願いいたしたい、こういうことでございまして、政令によってこれを軽減していきたいという強い希望を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/77
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078・森本靖
○森本委員 元を云々とか、元を実際なくするとかいうことを私は言っておるわけじゃないのです。この前の質問のときにもこの点については松井委員から懇切丁寧にさとすように、この次の答弁においてはこの問題についても明らかにしてもらいたいということを言ったはずなんです。そこでこれが然条件に白紙委任というような状態になるということはやはり問題があるので、これがあと三十三年、三十四年、三十五年の三カ年については、こういうふうにやるということを明確にしておいてもらいたいということを、たしかこの前の委員会でも言ったはずなんだ。だから私の方としてはそれを単にあなたの方におまかせ願いたいということでは、信用しないわけではないですけれども、国会とじてこの問題を審議しておる過程においては、やはりそういう問題についても明らかにしておく必要があるとわれわれは考えたので、この問題を明確にしておいてもらいたいということをこの前も言ったわけです。あなたの方がそれに対する回答が非常に困難だといえば、これは先ほど言ったようにあす財政的な問題その他について大臣に質問をいたしますので、そのときに関連されて御回答願ってもけっこうですけれども、今の答弁では非常に不満足なところがあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/78
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079・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 関連して。森本君の聞いておる点と私が考えておる設備負担法のものの考え方は、こういうことだろうと思うのです。設備負担法によって公債の加入者引き受けというものを認めたゆえんのものは、当時の国の財政資金あるいは公募公債のワク、こういう点において必要なる資金が得られなかった。であるから多少邪道ではあるけれども、個人の利益にもなることであるから、その個人負担ということを一面において認めて、そして総体のワクを、資金というものをそれによって作り上げるという考え方から、この設備法ができたのだろうと思うのです。であるから第二次五カ年計画を遂行するに当って、国内電話の需給状況から見て、なおかつ将来ともに相当数量の加入電話を引かなければならないという至上命令から見れば、どうしても設備負担法の第二次延長というものを行わなければならぬ、こういうことから今回法案が出たと思います。
そこで今の質問の内容ですが、現在の状況から見て、ことに最近の金融市場の状況から見て、この状況が当分の間続いていくという考え方から見れば、こういう設備負担法によって特殊の資金を得るという考え方は、だんだんにその理由を失ってくるであろうということからして、第一次五カ年計画の終ったいわゆる三十三年度からは、当然非常に資金の窮迫しておったときに考えたこの設備の内容——これは政令によってきめられておるのですが、この内容はそのときにおいては変える必要があり、かつ変えられるのじゃないか、いわゆる外部資金によってある程度まかなえるのじゃないかという見解だと思います。しかしながら今ここで、森本委員から言われておるように具体的にその内容を示せといいましても、これは実際上困難であろう。というのは、三十三年度から実行するということになれば、三十一年度と三十二年度の実績を見なければ、どのくらい具体的に金額を下げていかれるかということは出てこないだろうと思う。そういう意味で一応この法律案としては政令にまかせるということにはなっておりまするが、その政令が発布せられる前の適当なる国会において、その出されるべき政令内容について説明し、了解を求めて政令を出すというお考えがあるかどうか、この点が一応重要だと思いますので、その点についての政務次官の御見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/79
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080・上林山榮吉
○上林山政府委員 ただいまの橋本委員の御質問にお答えいたします。政令を出す場合にあらかじめ当委員会にその具体案を示す意思があるかという御質問でございますが、私どもといたしましては率直にその案をお示し申し上げて、御協議を得たいという気持を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/80
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081・橋本登美三郎
○橋本(登)委員 私がそういうことを申し上げましたのはそれだけではなくして、おそらく昭和三十三年度においてといいましょうが、そうしますと三十二年のどの国会ですか、全体とにらみ合せた料金の根本的な改正が当然必要になってくると思います。もう一つはこの政令によって公債金額を減額するということになれば、それに見合うだけの公募公債の増額の問題が出てくるだろうと思うのです。同時にこの政令によるところの各自負担金の金額の問題も出てくる。この三つの関係からして、政令を出す前においてはその内容等について、基本的な考え方を当委員会に示すべきが当然でありますから、この問題三つを中心にして当委員会に諮問をするといいましょうか、内容を明らかにするという点をすれば、私は具体的な内容はそのときにおいて差しつかえないのではないかと考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/81
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082・松井政吉
○松井委員長代理 ちょっと私の方から明らかにしていただきたい点を質問します。先ほどの森本君、今の橋本君の要約されたことで尽きるようですけれども、政府の答弁と公社側の答弁が食い違いがあるということ、これはあした大臣が出席されたときに、大臣を通じて意見の統一を明らかにしていただくことが必要だと思うのです。それはどういうことかといえば、この前から問題になっております臨時措置法というのは時限立法だ、それを五年間延長するとすれば、臨時措置法のまま十年の法律ができるわけなのです。これはおそらく類例がないのです。しかも具体的な金額が国民の負担になる臨時措置法の十年というのはないのです。二つほどあるけれども、その二つほどある臨時措置法の内容は、これと趣きを異にいたしております。それをまた五年とやって、そして二年は従来通り、三年からは政令で内容を変えるということは問題になっている、これは明確にお答えになっています。ところが変えたいという気持の説明ならよろしいのですが、変えるのだと言い切ってしまって五年というのは、やはり臨時措置法としての体系をなしておらない。そこで先ほど森本君が言ったようにほかの立法措置ということになれば、たとえば一本の電話に二十五万円かかるという、ところが今の装置料は四千円、加入金の形が三百円、それと負担金と債券とこの四本立でいっているわけなんです。この四本立を縮めて——たとえば方法は幾らもありましょう。都市において十八万円、平均二十五万円かかるものならば、装置料において何万円に変更をして、そして都市において最高負担額三万円を減らす、地方においても負担額を減らすという操作というものがやはり出てくるはずです。しかし経営内容は同じなんですね。そういうことも含められているので、二年後においては臨時措置法を五年続けるかどうかということではないが、いろいろなことを考えてみますなら、森本君の言うようにこれは筋が通る。しかしながら二年は現状のままだが、二年後は政令で内容を変えるのだということを言い切ってしまうと、臨時措置法としてこれを通すわけにはいかない。これは立法技術から見てもおかしなことになると思う。そういうところをきょう答弁できれば、公社側と政務次官の方で答弁していただきたいし、公社側と政府と相談をなさって、なお大臣を通じて、意見をまとめて御答弁なさるならば、この点を明瞭にしていただきたい。もし政府の答弁の中ではっきりと言い過ぎで間違った点があるならば、あした大臣を通じてこれは改めてもらう、こういうことにならないとはっきりしないと思うのです。それならば、きょう公社側と政府当局と相談の結果、ここが一番問題になる点なのでありますから、大臣を通じて、意思の統一をしてあした答弁を願う、こういうことにならないと臨時措置法としてはなかなか審議がしにくいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/82
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083・上林山榮吉
○上林山政府委員 言葉が足りないのでそういう誤解を受ける点もあるかと思いますので、十分連絡の上、大臣を通じて答弁いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/83
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084・松井政吉
○松井委員長代理 よろしいですか。——それではほかに質問がないようでございまするから、本日はこの程度にいたし、次会は明七日午前十時より開会をいたします。
本日はこれにて散会をいたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404816X01119560306/84
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