1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月二十九日(木曜日)
午前十時三分開議
出席委員
委員長 山本 粂吉君
理事 大平 正芳君 理事 高橋 等君
理事 保科善四郎君 理事 松浦周太郎君
理事 宮澤 胤勇君 理事 石橋 政嗣君
理事 受田 新吉君
大坪 保雄君 大村 清一君
北 れい吉君 高瀬 傳君
辻 政信君 床次 徳二君
福井 順一君 眞崎 勝次君
山本 勝市君 横井 太郎君
茜ケ久保重光君 飛鳥田一雄君
井手 以誠君 稲村 隆一君
古屋 貞雄君 細田 綱吉君
出席国務大臣
労 働 大 臣 倉石 忠雄君
出席政府委員
人事院総裁 淺井 清君
行政管理政務次
官 宇都宮徳馬君
総理府事務官
(行政管理庁管
理部長) 岡部 史郎君
労働政務次官 武藤 常介君
労働基準監督官
(労働基準局
長) 富樫 總一君
委員外の出席者
議 員 黒金 泰美君
議 員 北山 愛郎君
参議院議員 千葉 信君
専 門 員 安倍 三郎君
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三月二十八日
委員椎名隆君辞任につき、その補欠として辻政
信君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
委員薄田美朝君及び粟山博君辞任につき、その
補欠として大村清一君及び山本勝市君が議長の
指名で委員に選任された。
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三月二十九日
通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一五四号)
農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一五五号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
労働省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
提出第六二号)
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
内閣提出第一〇九号)
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の
支給に関する法律の一部を改正する法律案(黒
金泰美君外一名提出、衆法第一九号)
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の
支給に関する法律の一部を改正する法律案(千
葉信君外九名提出、参法第二号)(予)
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の
支給に関する法律の一部を改正する法律案(受
田新吉君外五名提出、衆法第二三号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/0
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001・山本粂吉
○山本委員長 これより会議を開きます。
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(黒金泰美君外一名提出、衆法第一九号)、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(受田新吉君外五名提出、衆法第二三号)、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案(千葉信君外九名提出、参法第二号)の三案を一括議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。黒金君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/1
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002・黒金泰美
○黒金泰美君 ただいま議題となりました、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
国家公務員の給与は、基本給のほかに寒冷地に勤務する者には寒冷地手当を、また、北海道に勤務するものにはさらに石炭手当を支給していることは御承知の通りであります。しかるに、石炭手当の支給額が北海道全道一律であり、また、寒冷地手当の支給区分にも必ずしも適当でない点があります等のために、寒冷度の激しい東北その他の地方に勤務するものの給与が比較的に恵まれぬ状況にあるのでありまして、ことに近年は公社、現業関係官署におきましては、薪炭手当等の名をもって寒冷地手当の増額をいたしております実情に顧みて、その均衡をはかるためにこれらの地方に在勤する公務員に対して新たに薪炭手当を設けることといたすのが本案の目的であります。
すなわち、青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島、新潟、長野、群馬、富山、石川、福井、岐阜のうちで人事院の勧告に基いて内閣総理大臣が定める区域に在勤する国家公務員に対して、一冬に世帯主四千五百円、独身者千五百円の薪炭手当を寒冷地手当とあわせて支給しようとするものでありまして、公社、現業官署の例にならった次第であります。
本案の施行による経費は、内閣総理大臣が寒冷地の五級地として指定されている区域をかりに定めるものといたしますれば、国家公務員に対しては約一億六百万円を要するのでありますが、さらに公社職員に対しては約一億一千二百万円、地方公務員に対しては約一億六千二百万円を要するのでありまして、これら三者の合計額は計三億八千万円となります。
もっとも、このうちから昭和三十年に公社、現業官署の職員に支給した額一億七千万円を控除すれば純増加額は約二億九百万円であります。
なお、本案は来年度内において政令の定めるときから施行することとし、予算措置のついた上で実施することといたしております。
何とぞ、御審議の上、積雪寒冷のために悩み、給与の点においてさえ恵まれていない寒冷度のはなはだしい地域に在勤する公務員諸君の心情を御賢察賜わり、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/2
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003・山本粂吉
○山本委員長 次に北山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/3
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004・北山愛郎
○北山愛郎君 ただいま議題となりました受田新吉君外五名提出、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当に関する法律の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明申し上げます。
国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当につきましては、一般の給与とは別個に昭和二十四年法律第二百号によって定められているのでありますが法律の趣旨並びに東北地方その他の寒冷度の著しい地域の実情等にかんがみまして、若干の改正を要する点が認められて参ったのであります、北海道に在勤する国家公務員に対して寒冷地手当とあわせまして石炭手当の支給をいたしておるのでありますが、東北地方その他の寒冷度の激しい各地域におきましても冬季暖房用の経費、特に薪炭等の購入代金が生計費に与えます影響は著しいものがございますので、同一労働、同一給与の原則から申しましても、これらの地域に勤務いたします公務員につきましては、北海道に在勤する公務員に対しての石炭手当に準じまして、何らかの措置を講ずる必要が認められるのでございます。現に各公社並びに郵政、林産物等の現業職員に対しては先年来この措置がすでにとられておるわけであります。
改正の主要なる点は、寒冷地手当及び石炭手当とは別に、新たに薪炭手当を設けることといたしました。その支給範囲は、北海道以外の地域で、人事院勧告に基いて内閣総理大臣の定める地域に在勤しまするものとし、その支給額につきましては、世帯主たる職員に対しては、まき一たな及び木炭百キログラム、その他の職員に対しましては、まき〇・四たな及び木炭四十キログラムを、それぞれ時価によりまして換算した額の相当額をこえないこととし、その他必要な事項は、人事院勧告に基きまして、内閣総理大臣が定めることといたしております。
なお以上のほかに、他の法律との関係その他若干の改正を加えておるものであります。
以上本法律案の提案の理由並びにその要旨について御説明申し上げました。何とぞ御審議の上御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/4
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005・山本粂吉
○山本委員長 次に千葉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/5
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006・千葉信
○千葉参議院議員 ただいま議題となりました国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。
御承知のごとく国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当につきましては、一般の給与とは別個に、昭和二十四年法律第二百号によって定められているのでありますが、その施行以来最近に至るまでの間に東北地方その他の寒冷度の著しい地域の実情にかんがみ、苦手の改正を要する点が認められて参ったのであります。
すなわち北海道に在勤する国家公務員に対しては寒冷地手当とあわせて石炭手当を支給することになっておりますが、東北地方その他寒冷度の著しい各地域におきましても冬季暖房用の経費、特に薪炭等の購入代金が生計費に与える影響は著しいものがあり、同一労働同一給与の原則からいっても、これらの地域に勤務する国家公務員については北海道における石炭手当に準じて何らかの手当を支給する必要が認められるのであります。現に各公社並びに郵政、農林等の現業職員に対しては先年来この措置がとられてきたところであります。
一方国家公務員の給与体系につきましては、さきに人事院において給与準則の勧告が国会に提出されているのでありますが、石炭手当等についてはこれを準則の中に含まず、別個の取扱いを予想しておるものであり、昭和二十四年法律第二百号が当時議員提案として制定された経緯もありますので、この法律の施行以来その実施に伴って改正の必要を認められてきた諸点について、今回同じく議員提案による法律改正を行なって、その責めを果したいとあえて提案いたした次第であります。
次に改正の主要なる点について御説明申し上げます。
改正点の要旨は、寒冷地手当及び石炭手当とは別に新たに薪炭手当を設けることとし、その支給範囲は、北海道以外の地域で、人事院勧告に基いて内閣総理大臣の定める地域に在勤する者とし、その支給額については、世帯主たる職員に対してまき一たな及び木炭百キログラム、その他の職員に対してまき〇・四たな及び木炭四十キログラムをそれぞれ時価によって換算した額の相当額をこえないこととし、その他支給に関して必要な事項は人事院勧告に基いて内閣総理大臣が定めることといたしております。
なお以上のほかに、付則において他の法律との関係上苦干の改正を加えているものであります。
以上本法律案の提案の理由並びにその要旨について御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/6
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007・山本粂吉
○山本委員長 以上三案に対する質疑は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/7
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008・山本粂吉
○山本委員長 次に労働省設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。受田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/8
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009・受田新吉
○受田委員 労働大臣にお尋ねを申し上げます。
これは大臣みずからお答えいただきたい事項でありますが、昨日お伺いした私の質問に対して富樫労基局長は御答弁に相なって、この法律の改正は、すでに国会を通っておりまする労働保険審査官及び労働保険審査会法に何ら関係がないというお言葉であったのでありますが、この法案の中にあります労災補償部の仕事の中に、労働者災害補償保険法の施行及び労働基準法に関する云々の、この労働者災害補償保険法の施行事務をここでやるということになるならば、関係がないということが言えましょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/9
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010・倉石忠雄
○倉石国務大臣 今お話しのような点については、同じ基準局内の労災補償部でございますから、そういう点においては関係があるといえばもちろんあることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/10
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011・受田新吉
○受田委員 関係は全然ないと、きのう局長の御答弁があったわけでありますが、その事務をお取扱いになられるのが労災補償部ということになるならば、われわれは、その施行に関する仕事は労災補償部がやるということに解釈せざるを得ないのです。これは関係がないどころではなくて、りっぱにつながりができていると思うのです。これはもう一度御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/11
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012・倉石忠雄
○倉石国務大臣 今お話のような事務的な点においてはもちろんつながりを持っておりますけれども、労災補償部というものを作るために、ただいまお願いいたしておる法律とそういう法の建前とは別に大した関連がない、こういうことを申し上げたのでありまして、事務的なつながりはもちろん御存じのようにございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/12
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013・受田新吉
○受田委員 私たちは、事務的なつながりに一つの疑問を持っているのであって、こうした法律改正をされるに当って、すでに国会を通っておりまする労働保険審査官及び労働保険審査会法という法律と、それから労働省設置法というものが、今申し上げたような点で関連を持っているということになるならば、すでにわれわれの委員会を通り、国会の意思決定がされている労働保険審査官の任務と、そうした審査官の仕事を含むところの労働者災害補償保険法の施行事務を取り扱う労災補償部というものは相関連して、地方に審査官を置いたその法律の施行の仕事は、今度労災補償部の新しい仕事の中へ入ったのだということになるならば、審査官を置いた関係上、当然審査会をやめて審査官を置いた、そういう労働省の御方針のもとに労災補償部の新しくなす仕事がそれだけふえてくる、こういう結果になりやしないかと思う。この点今まで労働省の内部においては労災補償課が担当していなかった新しい仕事がふえるということになるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/13
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014・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御承知のように、地方の審査官制度というのは法改正前からございまして、今度変りましたのは、中央の審査官に今までのような組織と違ったものができた、こういうことでございまして、仕事の性質においては今までのものと少しも変っておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/14
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015・受田新吉
○受田委員 すでにいわゆる労働関係の三者の合議をもととしていた審査会なるものが廃止せられて、審査官なるものを置かれたということになるならば、たとえば労働者代表というもののおらないような形で、それらがもう一本という御説明ではあるけれども、労働者の代表を失った形で審査官の任務が遂行されるということになるわけであります。それが統一されるということではあっても、実際に労働者の代表が入っていないという厳然たる事実はお認めいただいておると思うので、こういうことを考えると、地方に審査官を置いた、しかしそれは労働者の代表をなくした結果になってしまったというりっぱな証明がされると思うのでありますが、これは一応大臣もお認めになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/15
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016・倉石忠雄
○倉石国務大臣 すでに御決定を願いましたあの法律によりますと、御承知のように五名の審査官を置きます、が、そこできのうも申し上げましたように、準司法的な業務を取り扱う。ただその場合に双方の代表者の意見を聴取して、そして最終的裁定に遺憾なからしめるようにいたすのでありますから、経営者並びに労働側のそれに対する御意見を十分に取り入れるように、多分法第二十三条であったと思いますが、それに基いて政令も出しますし、さらにこの間の御決定のときに付帯の決議もされておるのでありますから、私どもの方といたしましてはそういう御趣意に沿って遺憾なきを期する、こういうことで御賛成を願ったのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/16
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017・受田新吉
○受田委員 地方に置かれる審査官というものは、これは今まではそうした独立の任務を持つ職務を遂行するお役人がいたわけではなかったし、それから予算的にも審査会というものは、出席する委員に対する日当の支払い程度で大した費用もいらなかった。ところが審査官を置くということになって、その審査官に支払う給与その他職務執行に必要な費用等を入れることによって、むしろ前よりも百数十万円増額したのだというきのうお話があった。しかし審査会というものが委員組織によって、労働関係三者の代表者が寄り集まっていろいろな意見を述べる機関であったものが、ある特定のお役人、しかもそのお役人のやり場に困る労働省としては、姥捨山くらいに考えて審査官にでもしておけというような軽い気持で、もし労働省の処置に困る職員のはけ口にするとかいうようなことであったとするならば、これはその本人にもはなはだお気の毒であるし、また労災関係の地方の職員及びそれらの関係者に対しては、はなはだまじめさを欠く態度ともいえるわけですが、この点労災補償部の任務の中に、労働者災害補償保険法の施行ということがはっきりうたわれておる関係上問いたださなければならぬのでありますが、政府としてはこの点審査官の立場というものは、わざわざそうしたお役目を一つここに作ってやって、そしてその人にすべての責任を負わそうというお考えであるように思いますが、これはそう了承してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/17
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018・富樫總一
○富樫(總)政府委員 地方に、審査会を廃止して——私聞き違いかもしれませんが、新たに審査官を設けるというように承わったのでありますが、それはそうでないのでありまして、地方の審査官は従来から存在するのでございます。今回新たに三人の委員で構成する審査会が中央にできるのであります。この仕事は元来準司法的事件であって、本来は最終的には裁判所できまる事柄であります。この中央の審査会の庶務事項は基準局の労災補償部でなく、大臣官房の総務課がその事務を扱いまして、きわめて中立的に扱うわけであります。その関係で別段基準局の労災補償部の仕事がどうというようなことはございません。この件につきましてさらに関係者の要望関係から申しますと、審査会法の関係につきましては、労災審議会におきまして労働側から、若干の心配された御意見が出たのでありますが、労災補償部につきましては、労災審議会がみずからこういうものを作れという建議を出されまして、労使、中立三者一体となって、労働省はもとより、行政管理庁あるいは大蔵省に建議して歩かれたというような事情がありますので、一つ先生の御心配はないようにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/18
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019・受田新吉
○受田委員 非常に御親切な情勢報告をしていただいたわけでありますが、私その情勢も伺っておるのでありますけれども、少くともかかる重要法案が国会を通過するという段階においては、疑点とするところを明らかにしておかなければ、国会議員の責任は果せないのでありますし、しかも先ほど私が申しましたように、すでに国会を通っておる労働保険審査官法の事務取扱いということにもなると思われる、労働者災害補償保険法関係の施行をやるということになるならば、当然そこへつながりがあると私は一応見たわけです。ことに今回の改正法によって、労働省の職員は部長を一人だけふやすという程度で、ほかにはふやさないという御説明があったのですが、職員の定数はこれは動かさないという御方針を初めから持っておられたのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/19
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020・富樫總一
○富樫(總)政府委員 現在の一つの課が一部二課になるわけでございます。従いまして現在の一課長のほかに、部長と課長が一人ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/20
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021・受田新吉
○受田委員 ただ一人の部長と一人の課長がふえるだけだ。ところがこの法案の提案理由の説明をしておられるところをみると、ここにあげてある内容だけでもこれは数え切れないたくさんの仕事です。私はもう申し上げせんが、このけい肺関係の事務を取り扱うことでさえも大へんであります。ここに驚くべきたくさんの仕事を与える。労災補償部がただ部長を一人と課長を一人ほどふやすだけで、あと職員をふやさぬということになれば、これは明らかに少数の者に多くの労働力を強要せしめる、いわゆる労働の強化ということに結果的になると思うのでありますが、この点に対していかなる御見解を持っておられるのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/21
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022・富樫總一
○富樫(總)政府委員 中央の事務は、事務的な仕事と申しますよりも、企画、調査、立案、分析あるいは判例の研究というようなきわめて知能的な仕事が多いのでございます。現在一つの課で六つか七つの班を作っていろいろ処理しておるのでありますが、なかなか問題が高級でございまして、一人の課長がそれに一々目を通す、あるいはまた対外折衝に当るということで忙殺されまして、懸案事項などもなかなか円滑なる処理ができない。それでわれわれの立場から申しますと、多々ますます弁ずるのでありますが、せめて部長、そして二人の課長ができ、それにそれぞれの課長補佐がつくというように人的構成が強化されますれば、従来よりは少くとも相当の成果が上る。人間も実は若干ほしいのでございますが、労災補償の経費は使用者側が全額負担しておりますので、できるだけ事務の能率を上げるようにいたしまして、円滑を期したいというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/22
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023・受田新吉
○受田委員 定員はふやさないで、事務の能率を大いに上げてもらって、円滑に進めていきたいという御意向でありますが、今ここでお示しいただいたこの提案理由の御説明を伺っておりましても、御承知のように莫大な仕事です。それで部長というのは大体判こをつくというだけの仕事で、全体の計画をお立てになるというようなある程度の頭脳の働きを中心にやられるだけで、これは仕事の能率の上には大した影響がない。課長が一人ふえ、これに多少仕事の事務量の分割ができると思うのですが、課長とか部長が一人くらいふえただけではこの驚くべき莫大な事務量を処理するのははなはだ困難である、かように考えるのでありますが、労働省としてはみんなに能率をしっかり上げてもらって、しかも多くの仕事をやらせようというやり方は、やがて職員の士気の上にも影響が起るだろうし、健康の上にも問題が起るだろうし、いわんや労働者の災害補償関係を担当するというような職務の性質からいっても、極端に事務量を増大せしめて、少数の人員でこれを遂行せしめようという考え方に対しては、われわれは非常に了解に苦しむところがあるのですが、なぜこの職員の定数を労災補償部にある程度増加せしめるという措置をとられなかったのであるか。これは予算の関係であるのかどうか。実はもっと定員を増すことを願っていたのであるが、財政上の理由からできなかったというようなことがあるのかどうか、大臣の御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/23
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024・倉石忠雄
○倉石国務大臣 労災補償課の仕事は、御承知のように非常に広範な仕事を扱っておって、私どももまことに気の毒であると存じておりました。ことにこの労災関係の仕事というものは本省内の仕事ばかりでなくて、地方にある二十幾つの病院も世話をしなければならぬということでありまして、私どもとしてはこの労災補償課の仕事が非常に過重であることをよく認めまして、このたび部に昇格して、やや広げていただくことにお願いをいたしておるのでありますが、受田さんも御承知のように、行政機構改革ということで各省はそれぞれ課を二割減らせといったような時代でありまして、私どもとしてもなお充実いたしたいと思っておりますけれども、そういう現在の状況でありますので、今回はこの程度にとどめまして、将来なおこれらの仕事は増加いたしていくものと存じますので、そのときにおいては国家財政の許す限り御協力を得てやって参りたい。労災補償部の仕事について、ことに労働基準局の仕事について非常な理解を持っていただきましたことを感謝しながら、将来の御協力も一つお願いいたしたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/24
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025・受田新吉
○受田委員 激励を感謝しながら大いにやりたいという検挙なお気持に対しては大いに敬意を表しますが、きょう朝日新聞を読んでみますと、あすの閣議で各省庁の二割減を来月からやることを決定するということが書いてあるのです。これ見ると、労働省の中に四十六の裸があるが、その中で九つを今度減らすようになっておるのですが、これはそれとどういう関係があるのか御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/25
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026・倉石忠雄
○倉石国務大臣 基準局内の労災関係の課は、今基準局長から申し上げましたように、一部一課の親切でありまして、こういうこととこの二割削減の方とは関係を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/26
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027・受田新吉
○受田委員 そうしますと、二割削減ということはすでにあすの閣議できめるような段階であるとすれば、九つを減らすことはもう大臣も了承しておられることでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/27
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028・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府の方針で、なるべく節約できるところは節約せよということでありますから、労働省ももちろん協力いたすつもりでございますが、労働省の考え方をついでに申し上げますと、いろいろ法律の改正によって課の統合されるところがございますから、そういうところの統合で政府の方針を順奉していくつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/28
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029・受田新吉
○受田委員 労働省設置法全般に関係する問題でありますが、課の統合はどれとどれと統合する御計画ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/29
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030・倉石忠雄
○倉石国務大臣 その点については政府の方針に従うようにただいま鋭意検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/30
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031・受田新吉
○受田議員 統合する課の構想くらいはすでにお持ちではないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/31
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032・倉石忠雄
○倉石国務大臣 それは今研究中で至急にまとめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/32
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033・受田新吉
○受田委員 至急にまとめたいとおっしゃる中には、労基局の中に考えられるものがありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/33
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034・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御承知のように基準局の仕事は非常に複雑多岐でありまして、こういうところではちょっと申し上げることはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/34
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035・受田新吉
○受田委員 労基局内部においては課を減らさない、いやむしろ今度一つふやして、部まで一つふやすのだ、労働基準局の仕事はまことに複雑多岐で少数の職員をもってしてはとうていなし得ないのだという御意図はよくわかりました。従ってそういう御意図のもとにこの法案を考えてみますと、部が一つふえ、課が一つふえ、しかも労基局管内ではほかの課は減らさない、統合する予定の課はないのだということになるならば、特にけい肺関係の事務などはきわめて人道的であり、きわめて複雑多岐であるが、こういうものが新たに入ってきておるというようなことであるならば、部長及び課長を一人ずつふやしたという程度でこれを糊塗すべきでなくして、むしろあす閣議でそういう御相談をされるなれば、得にこの法律に基くところの実態から十分考慮せられて、職員の定数なども部課の問題とあわせて御提案になられて、定数をある程度この労災補償部に獲得するというくらいの熱情をお持ちになっていただくわけにいかぬでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/35
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036・倉石忠雄
○倉石国務大臣 ざっくばらんに申し上げますが、政府の方針でなるべく行政機構を簡素化して、国民の便宜になるようにせよということでありまして、私どもはその趣旨については非常に賛成であります。そこで今回労災補償部を設けることにつきましても、実はもっと早く提案をしてお願いすべきでありましたが、なかなか今申しましたように、各省とも二割の課を削減するといったような傾向のときでありますので、部内で意見をまとめるのにも非常に骨を折ったような次第でありますから、受田さんよく御理解願っておりますように、労災補償部の仕事はなかなか手のかかる仕事が多いのでありますから、将来のことにつきましては、これが災害を受けましたる労働者保護のために遺憾なきを期するために、私どもといたしましてもこれの充実をさらに考えて参りたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/36
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037・受田新吉
○受田委員 労働省としては各省の行政簡素化ということにも協力しなければならぬし、またあなた御自身の労働行政に対する熱意を示すためには、増員ということも考えなければならぬ。そこでいろいろと苦労をしておることは十分御了察できます。けれども今日ここに出していただいておる行政機関の職員定員法というものも、ここで審査しなければならぬ段階になっておるので、でき得べくんばわれわれは簡素化すべき役所の仕事は十分これを簡素化し、また拡充強化すべき部面は重点的に意を注ぐ、こういうように閑繁よろしきを得ることが行政の妙味だろうと思うのです。いたずらに簡素化ということに名をかって重要な面までも遠慮するというのは、これは公平を期する意味ではないと思います。特に今回の労働省の設置法はその施行に当って八月三十一日よりもおくれない限度において相次いで所要の目的を達成する措置をとるということであります。その点においては実態に即した法案であると私は思っておるのですけれども、そういう関係からも、私はこのくらいたくさんの仕事、事務量というものを持っておる労災補償部なるものができたということになりましたならば、どうもおそらくこの仕事を始めると、職員が悲鳴を上げるだろうと思うのです。今までの仕事のあるいは倍にもなるくらいの事務量があるのではないかと思うのであります。そうしたときに、人間は同じで仕事がふえるということは、労働基準を尊重せられる局でありますから、これは問題になるのです。すなわち労働者に対する仕事の基準をはつきりときめなければならぬ労基局の中に、労基法違反をするような事態を発生せしめるという結果が起る可能性があるということにもなるわけです。これは事務がふえたという一事をもってして直ちに人間をふやすということは、考えようによっては問題になるかもしれませんが、しかし常識をもって考えたならば、仕事がふえただけ人がふえるのは当りまえである。おそらく仕事を始められると、直ちに労働強化という実態が現われることをわれわれは憂慮します。その点について大臣は絶対に心配がないようにするという保証はおそらくできないだろうと思うのですがどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/37
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038・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御真意はよくわかりました。労災保険課が今まで非常に骨を折っておったことはよく承知いたしておりますので、十分に注意をいたしまして、今御心配下さったことのないようになお努力をいたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/38
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039・受田新吉
○受田委員 私は政府の出された大臣の提案理由の説明が気にかかってしようがないのであります。この中のおしまいの方に「またいわゆるけい肺法に関する事務や労働基準法における災害補償に関する事務等を加えますとまことに所掌事務は多種多様であります。しかもその事務量は適用事業場並びに労働者の増加と法律改正による適用範囲の拡大、新規制度の採用等により逐年増加しており、特に最近においては労災病院等の保険施設の急激な整備拡充が行われているため、事務量の増加がさらに顕著となっております。以上要するに事務の複雑多様性並びに事務量の急激な増加に対処するために労災補償部を設置いたしたいと存ずるのであります。」こう書いてあります。まことに急激に事務がふえたように書いてあるわけであります。にもかかわらず普通の職員は一人もふやさないで、計画を立て、判こを押すための部長と課長の一人ずつしかふえていないということを見ると、提案理由の御説明と実際の職員の定数とをにらみ合せて、その事務の衝に当る人々の過重負担を感ぜざるを得ないのであります。なお定員法はこれから審査をするわけでありますので、今からでもおそくはないのでありますが、何かの形でこの職員の定数を、政府がこれだけ重点を置いておられ、しかも課は統合しないというような御意向まで持っておられる労基局管内における新設部の設置に当っては、大臣のこれでがまんしてもらえないかということは、遺憾ながらわれわれとしては了解しがたいところであります。それはそれとして一応私は話を進めていきますが先ほどの話にちょっと戻りますけれども、地方の審査官の姥捨山になるおそれがあると申し上げたのでありますが、今度中央における審査会、三人委員会が設けられることもよく承知しておりますが、地方でやっておった三千件前後の仕事を今度中央でやるというわけでしょう。こういうときに、中央における審査会なるものと、あなたの方で今度行われるところの保険法関係の事務とは今つながりがないということでありましたが、つながりがないとおっしゃられてはおるけれども労働者災害補償保険関係の仕事をやるということになれば、当然その中央審査会の事務の点をここで担当するんじゃありませんか。御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/39
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040・富樫總一
○富樫(總)政府委員 中央におきます審査会の庶務は、その方の法律に明記してございますように、これは司法的な仕事でございますので、大臣官房の総務課においてその庶務をつかさどる、つまりその場合には労働基準局の方が被告になるというような建前でございますので、こちらとは関係なく厳正、中立な立場でやる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/40
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041・受田新吉
○受田委員 労働者災等補償保険関係の事務というと、今までとは全然変ったところはないということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/41
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042・富樫總一
○富樫(總)政府委員 従来一年間に労災保険の給付その他に関して不服の申し立てが三千件あったわけです。その三千件のうち二千八百件は地方の審査の段階で処理されておる、残りの二百件が地方の審査会でやっておる、その審査会の肩がわりを今度は中央でする、こういうことになるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/42
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043・受田新吉
○受田委員 地方の審査会がやっていたものを中央がやるということになるわけでしょう。すなわち私がさっきから申し上げているのは、地方の独得の審査会でなくして、しかも中央の審査会というものは、労働者の代表というものも入っていない審査会です。そしてそこに三位一体になったものだと仰せられてはおるけれども、結局は真に労働者の立場を主張し得る立場の人がいないというところに問題があることを先ほど申し上げたのですが、そうした地方において行われなければはらなかった従来の審査を、二百件とはいいながらも中央でやるということ、ここに地方色を、あるいは労働者の代表等を含まない形で行われるおそれがあるわけなんです。そこに一つの疑点があるという解釈をわれわれはせざるを得ないのです。そこでその労働災害補償保険法の従来労基局管内でやっておった仕事と、新たにその法律の施行に伴って労災補償部がやろうという仕事との差は、どこにございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/43
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044・富樫總一
○富樫(總)政府委員 大臣の提案理由にいろいろな事務がふえた、こう申しておりますが、これは近年ふえてきておるということで、この部を作ることに伴いまして特に仕事がふえる、この設置法の改正に基いて特に仕事がふえるということはございません。また審査会法の実施されることによって特に労災部の仕事がふえるとかいうこともございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/44
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045・受田新吉
○受田委員 政府の御説明でおよそ納得ができたと思います。しかも労働者災害補償保険法の施行関係の事務も、これは一応あなたの方で御意図しておられるところには変化がないこともわかったわけですが、先ほどお尋ねした先般の労働保険審査官及び労働保険審査会法なるものとは全然関係なく、この労災補償部は進められておるということにおいては、私先ほど申し上げました疑点が一応解決できたと思います。特にわれわれが、心配しておるのは、いたずらに職員の定数を押えて仕事をふやすことで、地方の仕事を中央に持ち込むようなやり方で、いわゆる政治的な意味の中央集権化というものが考えられるということになっては、これはまた問題だという一つの心配があるわけなんです。その点については、今私が指摘した点に憂慮の点があるわけでありますが、一応この法律の持つ性格だけからいいましたならば、特に労働者の災害補償関係のための役所を一つ拡充強化するのだということは、われわれも大いに賛意を表するところなんでございます。従って、これをもって私は労働省に対する質問を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/45
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046・山本粂吉
○山本委員長 速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/46
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047・山本粂吉
○山本委員長 速記を始めて。
これにて質疑は終了いたしました。これより討論に入りますが、別に通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/47
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048・山本粂吉
○山本委員長 御異議がなければさよう決します。
これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/48
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049・山本粂吉
○山本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。(拍手)
なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/49
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050・山本粂吉
○山本委員長 御異議なければさよう決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/50
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051・山本粂吉
○山本委員長 次に行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。受田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/51
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052・受田新吉
○受田委員 私は定員法の審査に当りましてまず定員と直接関連を持つ公務員の制度、ことに給与の問題についてお尋ねを申し上げたいと思います。
十一時半から川島君の葬儀のあります関係上、それまでに政府の意図するところをお確かめいたしたいと思うのでありますが、まず先般政府が公社に対する調停案の受諾をされたに当って人事院がこの調停案と給与の均衡を保つような措置を、一般の国家公務員にも講ずべきであるという申し入れをしたと、先般淺井人事院総裁が参議院で明らかにされたのでありますが、その真相をお確かめ申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/52
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053・倉石忠雄
○倉石国務大臣 三公社五現業に対する調停案が出たことは御承知の通りであります。現在までそれに基いて団体交渉が成立いたしましたものは、三公社のうち国鉄機労と電通で、五現業のうちで本日までに妥結いたしましたものが郵政でその他はいまだ妥結に至っておりません。今お尋ねの件は、日は忘れましたが、まだ調停案が全部出そろわないで、三公社及びたしか郵政が出たころだと思いますが、淺井人事院総裁が私をおたずねになりまして、口頭で今度の調停案がどういうことになるかわからぬが、この調停案が出ることによって一般公務員に不均衡を生ずるようなことになった場合には、何とか考えていただきたい、こういうことを口頭でお話がありまして、それから二、三日たって口頭でお話のありましたような文句の書面が参りまして、私は口頭のお話と同じであると思いまして、それは内閣の方に保管さしてあります。そういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/53
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054・受田新吉
○受田委員 淺井人事院総裁は、政府に対して勧告の形式をとらないで申し入れの形式をとられたということでありますが、これはいかなる形において申し入れされたのか、非公式に申し入れたという御説明を聞いておったのでありますが、人事院の非公式の申し入れというものは、いかなる効力を持つものであるか、それらをあわせ御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/54
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055・淺井清
○淺井政府委員 お答え申し上げます。人事院が給与の問題に関しまして、あるいは内閣と折衝したり、給与担当大臣と折衝したり、大蔵省その他行政各部と折衝いたしますことは、これは人事院の、責務でございます。むしろ日常のできごとであります。その間文書を発送いたしましたり、あるいは口頭でお話をするということも、これもむしろ日常のできごとでございまして、たまたま今回は時が時でございますので、一部新聞紙上等に漏れただけのことであります。今回調停案との関係云々につきましては、ただいま倉石国務大臣からお答えになった通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/55
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056・受田新吉
○受田委員 人事院総裁が政府筋といろいろ話し合いをするのは日常茶飯事であって、何ら取り上げるべきほどのものではないのだ、たまたま今回これが新聞に取り上げられたために、いかにも特別な何かの措置がとられたごとくに印象づけられたというふうに御答弁に相なったと思いますが、私は少くとも人事院は給与に関して法律に定むる程度の韓国をすべき時期かきたというときには、正規の勧告手続をせられるべきである。それ以外の政府へのいろいろの申し入れ等については、これは法律的には何ら制約を受けるものではない。単に政府との間の交渉であって、その交渉は常に人事院としては給与に関していたさなければならぬのだというような意味に了解してよろしいのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/56
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057・淺井清
○淺井政府委員 軽々しきということは私は申さなかったつもりでございます。給与のことは公務員に関する重大問題でございますから、われわれはちゃんと所信を持ち、また慎重に折衝いたしております。ただ勧告という形式はとっておりませんが、給与に関する政府筋との折衝はこれはひんぱんに行われるものでございますから、そのたびに勧告をいたすということは、これはちょっと考えられないのでございます。ことに給与に関する勧告は常に内閣と国会、同時になされることに相なっておりますので、一々行政内部の折衝事項を国会まで勧告するということは、これは問題があまりに重大化することではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/57
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058・受田新吉
○受田委員 一々国会に勧告をそのつどすべきであるという意味じゃなくて、勧告は、人事院が国家公務員法、給与法等に基いてされるべき筋合いのものであることは当然であります。それ以外のときにされた単なる申し入れというようなものは、実質的には勧告に近いようなものもあり得るのではないかとわれわれは考えていたのですが、その申し入れというものは、すでに今まで期末手当等に関する申し入れもされたことがありますが、相当政府をしてその人事院の申し入れを考慮せしめ、かつまたこれを実現せしめておりますが、そういう意味からは概念的に申し上げる問題でなくして、実際的には勧告的に近いような効果を生む申し入れというものが考えられるのではないか、とわれわれは考えていたのです。そういう場合は政府としても人事院としてもあり得ないと考えますか。政府としては人事院の申し入れを非常に重視して、できればこれを実現させるくらいの努力をするように解釈しておられるのか。日常茶飯事くらいに考えて、また総裁が言ってきたというように軽くけなす程度のものか。それをあわせて御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/58
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059・倉石忠雄
○倉石国務大臣 軽くいなすということはどういうことか存じませんが、昔の政府はどうであったか存じませんが、現内閣は人事院の給与に関する申し入れについてはもちろん尊重いたしますし、また慎重にこれを取り扱うことは当然でございます。そこで、ついでに申し上げますが、淺井さんから私へのお話は、先ほど申しましたように、三公社五現業のうち、三公社と五現業の一つの調停が出たときでありまして、まだ五現業出そろわないときであります。しかし淺井さんの御心配なさったことは、国鉄、電通、専売、これらに向って出されました調停の第二には、差し当り暫定措置として本年度内に一人当り平均五千円以上を支給することということになっている、もしこういうことが一般公務員の給与に対して不均衡になるということであったならば考えてもらいたい、こういうことでございまして、私は、総裁がここにおいでになりますから申し上げてしまう方かいいと思うのですが、そのときにも淺井さんに申し上げたのは、お説の通りでございます、しかしながら、今度の調停案で一時金五千円という名前を書かれたから、とかくの批判が出てくるのであるが、受田さんよく御承知のように、従来も三公社五現業はこういう調停案が出ても出なくても業績手当というものは年度末に出しておりました。全然赤字のところは出ない五現業もありましたけれども、出しておった。その意味であるからして、公務員に対して不均衡にはなりません、しかもあなたも御承知のように、三公社及び五現業の給与総則の中には、現業職員は年度末において給与総額内において業績手当を支給することができると書いてありまして、これに基いて業績手当を出しているわけでございますから、今回もそういう意味で、調停委員会が業績手当の一時金を出せ、こういうことであるから、これが直ちに一般公務員には関係のないことでございます、こう申し上げましたところが、それならばそれでよろしいでございましょう、念のために後目書面を出しておきます、こういうことでありましたから、私は先ほど申しましたように、その通りに受け取って書面をいただいている、こういう経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/59
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060・受田新吉
○受田委員 後日書面を出すからというので、その書面と同様の内容のものを、すでに総裁と労働大臣との間においてお話し合いされていたということに了解いたします。そうしますと、書面で出すというものと、すでに話しされたこととが同じことであるならば、あえて書面を出す必要があるということは、どういうところに意味があったのであるかをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/60
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061・淺井清
○淺井政府委員 倉石さんと口頭でお話しいたしましたのは、たしか三月八日のことだと思っております。書面を出しましたのは三月十三日と記憶しておりますが、その時分はまだ調停案の内容それ自体も非常に不明確でございました。たとえばただいまお話の五千円以上というのも、これはベース・アップの前取り金であるというような説もあり、あるいは単なる業績手当というような説もあり、まことにわかりにくいことでもあり、なおさらに団交にまかされている部面もある。いかなる結果に相なるかはわからなかったのでございますから、人事院といたしましては一般職公務員の利益を保護する立場において、一応はっきりと書面をもって申し入れをしたのでございます。その書面の中におきましては、不均衡にならざるような処置、ことに一時金において十分考えていただきたい。つまりこの一時金を三公社五現業に出しました場合に、その一時金の性格は何であるか。そこのところでいろいろ問題が後日出てくると困るものですから、その点を明確にする意味において文書で確認をした、こういう形でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/61
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062・受田新吉
○受田委員 総裁のお考えになっておられる一時金の性質が、実際は今労働大臣から業績手当の範疇に属したものだということでありましたが、そうしましたら総裁の要望された不均衡は、労働大臣の今答弁されたごとく了解するならば、国家公務員には期待できないということになるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/62
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063・淺井清
○淺井政府委員 その点については私はまだはっきり申し上げかねると思っております。この点は人事院といたしましてもはっきりと団交の結果をまってよく調べて申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/63
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064・受田新吉
○受田委員 総裁のお考えになっているところのプラス・アルファなるものは、どういう形のものにおいて支給せられるものであるか。たとえば今の公社の方は別にして、国家公務員の場合に、公社に支給された額だけを、その均衡を保つために国家公務員にも出すということになるならば、その出す出し方はどういうものであるとお考えになっておられたでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/64
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065・淺井清
○淺井政府委員 人事院といたしましてはその点はきわめて一般的に考えておりますので、何も五現業と一般公務員とがはっきり同額であるとか何とかそういうような性質のものでないだろうと思います。人事院といたしましても五現業と一般職との間は給与体系を異にしているということはよくわかっているのでありますから、これはただ一般的に申して、同じ国家公務員でありながら片っ方は団交権を持っているためにますます給与がよくなり、また片っ方は団交権を取られているために給与が悪くなるというようなことのないように、きわめて一般的な意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/65
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066・受田新吉
○受田委員 その一般的な意味は政府をしていかなる処置をとらしめるかという重大な結論を招くことになるので、人事院としてはその不均衡是正の意味から給与の出し方においては、たとえば給与の全般的引き上げの措置とか、あるいはある種の特殊の手当を出すとか、あるいは期末手当を特に繰り上げ支給するとか、いろいろの場合をお考えになっておられたのではないかと思いますが、そういうようなことではなくして、何か具体的にいうならばどういう形のものというような、ある程度の構想はお持ちになっておられたと思うのです。そうしませんと、政府としては、ただ均衡を保つためというのではなくして、ある程度の親切な人事院としての考えを御教示なさらないと、政府の給与の専門的な立場の大臣ではあろうけれども、ある基準をどうしても期待するだろうと思う。そのある程度の基準というものを総裁はどういうふうにお考えになったでしょうか。出し方の基準です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/66
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067・淺井清
○淺井政府委員 まず調停案の内容を見ますと、第一にベース・アップの問題があると思うのです。しかしながら人事院といたしましては、現在のところ一般職の職員に対するベース・アップの勧告をするという用意はございません。第二に期末手当の問題が出ております。第三に給与体系の是正と申しますか、賃金体系の是正という問題も出ております。また昇級昇格の原資の確保という問題も出ております。しかしながらこれらの問題につきましては、人事院は追って考えて、勧告をするなり何と考えたいと思っております。それは昨年の七月十八日に給与の報告並びに勧告をいたしまして、一年以内にやればよいということになっておるので、適当の時期に考えたい。ただ一番一般職公務員を刺激しておりますのは、その一時金の問題なのでございます。これにつきまして不均衡が出ないようにこういうことは考えておりますが、これが単に従来出ておる業績手当で、とどまっておるのかどうか、この問題でございますが、人事院としましてはよく各団交の結果を見まして、もっと研究してみたいと思いますので、ここにはっきり申し上げかねることを遺憾といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/67
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068・受田新吉
○受田委員 七月十八日に報告された人事院の報告内容をわれわれは承知しておるわけでありますが、その七月十八日までに何かの形で、人事院としては政府並びに国会に対して公務員給与に関する報告を用意しておられる、さように了承してよろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/68
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069・淺井清
○淺井政府委員 お説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/69
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070・受田新吉
○受田委員 報告ということになれば、勧告は七月十八日までには絶対しないという前提と了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/70
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071・淺井清
○淺井政府委員 ただいま申しました七月十八日は法律的に一年ということでございます。何も七月十八日まで待っているかどうか、これは別問題でございますが、人事院といたしましては、ただいま民間給与調査その他について詳細に研究を進めておる。こういう状態でございますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/71
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072・受田新吉
○受田委員 政府はベース・アップも考えてみたいと考えたが、これは勧告するまでになってないと考えられるので、やめるというような意味の御発言があったように思うのですが、ベース・アップということは久しく二十八年の末以来行われていないわけなので、これには今いろいろな問題が包蔵されていると思うのですけれども、すでにこれに関連した問題として地域給が停頓しておる。それで地域給などを、たとえば一階級整理するために無級地も一級地として本件へ繰り入れるとかいうような措置等をとることによっても、実質上の給与額を引き上げることにもなるわけなのです。こういうような共体的な問題についてもお答えになられたことがございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/72
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073・淺井清
○淺井政府委員 ただいま政府の意向云々によって、ベース・アップの勧告をするしないというようなことは申した覚えはございません。人事院といたしまして勧告いたしまする場合は、あくまでも人事院独自の立場でいたすのであります。さいぜん申しましたのは、現在において人事院はベース・アップを勧告をする用意がないということを申し上げたにとどまるのであります。
なお地域給の問題につきましては、人事院は近き将来において勧告をするというような考えは持っておりません。これはすでに一昨年政府に勧告をいたしておりまして、今倉石さんの手元でこれをどう取り扱うかを御検討中のところでございますから、これは政府の問題になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/73
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074・受田新吉
○受田委員 倉石労働大臣から、今お尋ねしたことを一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/74
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075・倉石忠雄
○倉石国務大臣 地域給の問題につきましては、御承知のように、政府は公務員制度について根本的に研究をいたしたいと存じまして、それらの点を含めて公務員制度調査会の答申を求めまして、その答申が出まして、その答申によりまして、私どもといたしましてもただいまお話のような諸手当、そういうものを整備いたしまして、給与体系を整えたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/75
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076・受田新吉
○受田委員 それまでは政府は手をこまねいて待機しているという形ですか、あるいはそれまででも何かの措置をとりたいという熱情をお示しなっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/76
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077・倉石忠雄
○倉石国務大臣 地域給のことにつきましては、私ども国会議員でありますからいろいろ希望もございますが、御承知のように、これが始まりましても、もしただいま問題になっております地域給をかりにそのまま実行するといたしますと、数字的にも非常に莫大な国庫の負担になります。そういうこともあわせて研究をしなければならぬ。ことにある地域、ABCと同じような物価水準のところで、AとCとの取扱いが非常に不均衡であるというふうなこともたくさんあります。そういうことで一ついじり始めますと、これは国会議員さん、各地から御要望も出ることでございますので、これについて根本的に考え直す、そういうことで急いでこの公務員制度の答申に基いて検討しておるというわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/77
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078・受田新吉
○受田委員 地域給の問題については、市に新たに編入された町村などがあって、それらは今度新しく市として運営する立場上、新たに編入された地区の公務員の給与が地域給の上において差等がついているということで、非常に人事の交流等にも支障が起っている。これは全国のあらゆる合併市町村長の共通の意見です。従って合併市町村の取扱いについては、すでに先般衆議院で作られたあの案にも書いてある通り、将来合併した場合にはその特例を設けることが附則に掲げられてあったので、差等が二級以上にわたらないようにという措置までとったことがあるのです。従って合併市町村の場合においては少くとも行政上の措置からの考慮を含め、地域給本来の性格と変りますけれども、やむを得ず地域給を、合併した部分についてある程度引き上げるという特殊措置だけは、これはとっても異議がないものだとわれわれは考えるのですが、そういう、まことに事務的な処理をするという程度の改正もお考えでないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/78
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079・倉石忠雄
○倉石国務大臣 そういう面につきましても、もちろんそればかりじゃありません、御承知のように不均衡がたくさんありますから、急いで給与体系を整備することに努力いたしておりますので、それを待っていたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/79
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080・受田新吉
○受田委員 あなたの御関係の内閣の公務員制度調査室の大山室長と、人事院との間では常に連絡をとっておられると思うのですが、一体いつごろこの結論が出るのか。もうすでに一ぺん答申をされているのですから、それに基いて事務上の処理をすればいいのであって、こんなにいつまでも手間をとっているということは、何のために調査室ができたかわからぬと思うのですが、事務渋滞の原因と、その見通しというものをお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/80
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081・倉石忠雄
○倉石国務大臣 先ほど労働省の基準局内のことでいろいろ御同情を賜わったのでありますが、私がこの給与担当閣僚になりましてから、公務員制度調査室の人員、仕事などを調べてみますと、これはまた非常に過重と申しますか、気の毒なほど努力いたしております。しかし非常に精励していただきまして、決してこれは停滞いたしておるのではありませんので、政府としては今国会に今御説のように出したいという意気込みでありましたが、何しろ公務員制度一般に対することでありますから、非常に広範な法律であります。提出いたしましてからお小言をいただかないように万全の措置をとって、ぜひ次回の国会には提出いたして御審議を願いたい、こういう用意をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/81
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082・受田新吉
○受田委員 これで一応終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/82
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083・山本粂吉
○山本委員長 暫時休憩いたします。午後は三時から開会いたします。
午前十一時三十分休憩
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午後三時五十二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/83
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084・山本粂吉
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。受田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/84
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085・受田新吉
○受田委員 行政機関職員定員法の一部改正法案が惜例のごとく出てきたわけです。これは惜例ではありますが、しかしきわめて重大な意義がある。というのは、今回の政府の御提案を拝見しますと、この行政機関の職員の定数を一方において相当ふやすとともに、一方において減らしておる。しかし差額において相当の増員という結果にはなっておるのでありますが、その間の事情を一応具体的に御説明をいただきたいと思います。その増減の事情をある程度掘り下げて御説明をいただいて、それについて重ねて御質問申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/85
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086・宇都宮徳馬
○宇都宮政府委員 政府といたしましては、定員の増加はこれを極力防ぐ方針でやって参ったわけでございますけれども、しかしながらお配りした書類にもありますように、郵政省とかあるいは文部省関係の人員は、どうしても人口等の増加に伴いましてふやさざるを得ない、かような事情から四千六百七十六人の定員増がございます。特にその他のことで目立ったことは、科学技術庁を設置いたしまして、それに伴う定員の純増がございます。また北海道の開発関係で百人ほどの純増がございますが、その他は目立ったものはございません。減員については、ほとんど事務的な減員でございます。移しかえ等による減員でございまして、大したものはないのでございます。なお、詳細につきましてはここに管理部長が来ておりますから、もし御要求があれば説明いたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/86
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087・受田新吉
○受田委員 提案理由の御説明の中に、今次官が仰せられた程度のものはあるわけです。従って私がお尋ね申し上げておりますのは、結局定員法として基本的な改正ではないが、部分的な改正ということになるけれども、しかし一方において増員計画をお立てになっている政府とされましては、どこに重点的に増員をせざるを得なかったか。今御指摘のごとく、科学技術庁とか北海道開発庁とかこういうような問題もありますけれども、そうした新しく要請によるところの役所ができた、それでふやす、従ってそのほかのものには手をつけないんだ、こういう御趣旨で、そのほか減員された部分はただ事務的なものだと、こういうあっさりした気持で御提案になっておるのか。あるいは、北海道開発庁や科学技術庁等の設置に伴うて、当然これらの役所が今度とるであろうところの事務が、今までなされた役所からこれへ吸収されるために、その方の定員はどういうふうに変動されたか、こういうふうな問題について何か御事情があればお聞きを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/87
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088・宇都宮徳馬
○宇都宮政府委員 北海道開発庁関係のことは、ここには現地の開発事業の増加に伴うもの以外にはないのでございます。科学技術庁につきましては、現在出発した科学技術庁が当面の業務を行い得る必要最小限の増員を認めているわけでありまして、その他は全く事務的なものと申し上げてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/88
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089・受田新吉
○受田委員 この御提案の第二の理由の中に、漸定定員についての御見解が表明されておるのでありますが、こうした各省庁の暫定定員を明らかに常道に返すためにはどういう措置をすべきか、こういうこともこれは重大な問題の一つだと思うのですが、暫定定員の処理方法、これを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/89
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090・岡部史郎
○岡部政府委員 お答え申し上げますが、この暫定定員と申しますのは、本則に書いてあります定員は四月一日からの定員でございますが、いろいろ予算の都合で年度の半ばで増減する分も一括いたしましてこの暫定定員に計上いたしました。たとえて申しますと、各省から職員を外務省に移しかえいたしまして、そうして外務省職員として在外公館に派遣する計画がございますが、これは年度の当初、すなわち四月一日からではなくて大体十月一日から外に出ることになっておりますので、この本則の定員のほかにこの十月一日からは、たとえば一人外に出しますとその一人は減る、十月一日からはさらに減るんだというようなことを規定したわけでありまして、これは全く事務的な手続を規定しただけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/90
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091・受田新吉
○受田委員 事務的な手続を規定するに当って当然問題になるのは、その途中で定員の中へ加えられる数字を示されておるわけでありますが、その定員の中に加えられる前にその事務を担当する、定員には入らないが臨時的な意味の職員は存在するわけでございましょう、それを定員に切りかえる時期が途中で行われるので暫定定員にしたという意味ですか。それともそのときに新しく採用する定員を予定しておるのであって、それまでは全然臨時的な職員をもっても振り当てる必要はないのだ、こういうふうな御見解でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/91
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092・岡部史郎
○岡部政府委員 その点についてお答え申し上げますが、定員法の暫定定員の第二条をごらんいただきますと、一例を申し上げますと、警察庁では昭和三十一年の九月三十日までは本定員に一人暫定定員として履いておく、こう書いてございますが、これはどういう意味かと申しますと、警察庁からことしは職員をベルリンに一人派遣する計画になっております。それを先ほど申し上げました通り、十月一日から外務省に移しまして持っていくわけでありまして、それまでは一人だけ警察庁に置いておくということでございますので、その一人が今度は十月一日から外務省の方に移って外務省の方に一人ふえる、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/92
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093・受田新吉
○受田委員 大体そうした省をかえる場合の特例は了承できますが、これは一例であって、そのほかの問題に共通する問題ではないのもありはせぬか。たとえばそういう各省庁間の交流転換の意味でなくて、その省で十月から新しく定員を一人増員するというような場合に、急にその定員を作ることによって事務が与えられる意味でなくして、それまでの事務を担当する職員というものは、定員には計上されないが、臨時的に何かの形で置かれているのではないか、こういうことを今お尋ね申し上げておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/93
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094・岡部史郎
○岡部政府委員 そのような特別の意味のものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/94
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095・受田新吉
○受田委員 もう一つ、この施行期日が附則の一条によると、この法律のうち附則第五条のうちの行政機関職員定員法の一部を改正する法律の附則第四項及び第七項にかかる改正規定は公布の日からやるわけでしょう。その公布の日というのは、この法律が国会を通った後という意味であろうと思うのでありますが、公布の日が四月一日ということにできれば、当然これとその次のと重なることになるのか、あるいは公布の日は四月一日以降におくれることをある程度想定していろのか、この点は附則第一条の規定からわれわれとしては非常に疑義がありますので、御説明をいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/95
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096・岡部史郎
○岡部政府委員 この定員法は原則として四月一日から施行するわけでございますか、もしも御審議が早く進みまして、これが三月中に公布されました場合においては、その公布の日から第五条の規定は適用ございますが、これは全く技術的な問題でございまして、これが四月一日から施行されます場合におきましては、仰せの通り第五条の規定も四月一日から適用になる、全く一致するということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/96
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097・受田新吉
○受田委員 この法律が国会を通るのがおくれた場合の措置はどういう取扱いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/97
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098・岡部史郎
○岡部政府委員 この法律は、予算に合せまして各省の職員の採用を四月一日からするということになっております。たとえば学校関係の職員につきましても、四月一日から学部学課の増設がありますので、四月一日からこの定員を認めていただかなければならぬ関係上、四月一日から施行するように御審議をお願いしたいということになっておりますが、万一この法律がおくれますならば、この附則第一条の四月一日から施行するというのを御訂正いただかなければならない事態が生じますので、その場合におきましては四月一日以後公布された日に附則第五条の規定が一致するわけでございますが、これも全く技術的な問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/98
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099・受田新吉
○受田委員 そういう技術的な問題ではあるが、実際は国会の都合によっては、きょう衆議院をあげないで来月の初めに回すことも今われわれが手心を加えればすぐできるのです。あせらないで、ゆっくり各省別の定員の増減を一々検討を加えていくというような慎重な審議をすれば来月に回るわけなのです。そういう場合に、この公布の日からというのが掲げられてあることは、立法技術からいってはなはだ融通があり過ぎる。はっきりと四月一日からとおきめになられて、しかる後に国会で修正するならする、こうやられるべきものではないか、私はかように考えるのでありますが、今申し上げた前項の改正規定が公布の日から、としてあり、そしてその他の規定がことしの四月一日としてあるところに何かあなた方の抜け道があるような感じがするのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/99
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100・岡部史郎
○岡部政府委員 この点は全く立法技術の問題で、正確を期するために書いたことでございまして、純粋に技術的な問題だけでございます。あの趣旨は、この法律全体が四月一日から施行されることが、予算と合せまして、行政機関全体として非常に好都合であるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/100
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101・受田新吉
○受田委員 公布の日を別にそこに掲げなくても、すべての規定を昭和三十一年四月一日から施行すると、こうやっておけばどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/101
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102・岡部史郎
○岡部政府委員 これは原則としては差しつかえはないと私確信いたしておりますが、全く立法技術の点から昨年審議いただきました定員法の経過規定をここに結びつけるためだけのことでございますので、毛頭御心配の点はございません。原則といたしましてこれは四月一日からやるわけでございまして、前年の附則の第四項、第七項のものは公布の日からやった方が継続性がはっきりするというだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/102
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103・受田新吉
○受田委員 四項、七項の問題がそういう便宜的なものにすぎないものでしたら、ここではっきり前項、後項を分けて施行期を変えなくても、四月一日とはっきりうたっておけば法文の上からも複雑性がなくてはっきりするのではないですか。そういうことになるなら、との公布の日というところの文を省いて、すべてを三十一年四月一日施行する。というふうに変えられておけばそういう疑点がなくなりはしないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/103
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104・岡部史郎
○岡部政府委員 それは全く技術的な問題でございますので、受田先生のような専門家の方にはむしろこういうような、技術的に正確を期した方があるいははよろしいかと思いますけれども、一般的に見た場合におきましては、四月一日から全部を施行するという方がわかりいいかと思います。これは内輪のことでございますが、法制局ともいろいろ打合せをしました結果、やはり前の附則のところだけは公布の日からとやった方が継続性がはっきりするだろうというだけの全くの軽い意味のもので、そう申し上げておるだけでございまして、大局につきましては御意見と同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/104
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105・受田新吉
○受田委員 そうなりましたら、ここは、実は三月十日ころに国会を通った、そういう場合に法律が早く公布されるから、この間のつながりを示すためということはよくわかるのです。がしかし施行期日はもう四月一日となっているのですから、それより前によし公布されても、施行期日をはっきりしておく限りにおいては、それ以前の文は公布の日というのを省いておきさえすれば四月一日の施行につながるものだと解釈できると思うのです。法文がとかく複雑多岐に分れるというと、これを読む人をして前段と後段との文が、何か今お説のようなつながりのための便宜的な規定と説明をするのにはわかりやすいように見えるのでありますが、そこに複雑性を帯びさせると思うので、できれば法律は簡明率直の方がいい、しかも施行期日は四月一日とはっきりうたっておかれるならば、これはいささかも疑義がなくなるのでありますから、法文の整理をする必要炉ある場合には、いさぎよく一本にまとめるというようにされてはいかがでしょうか。これはここでも直されるのですから、もしそれを直したら非常に困る事情が起るとか、たとえば関連の法律と比較検討して変だというような立法の技術の問題でなくして、文章の上の問題とあるならば、まとめていただいた方がいいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/105
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106・岡部史郎
○岡部政府委員 これはたびたび申し上げます通り、全く技術的なものでございますし、この定員法が仰せのように三月の半ばに通るというような事態を最初予想いたしましたが、そういうことでなくなりまして、おそらく四月一日に公布されることになりますから、結果においては全く仰せの通り同じでございますので、仰せに従いましても不自由は全くないということを確信いたしますが、ただこうやっておきますのは、立法技術上正確を期するという見地からとった措置でございますので、これはごらんいただきましても、それほど複雑でございませんので、附則第五条の一部分だけは公布の日からやるのだ、その他のすべての規定は四月一日からやるのだということだけがはっきりいたしますので、技術士にもその方が論理的に正確を期し得るというだけのことでございますから、これで御了承いただければ幸いと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/106
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107・受田新吉
○受田委員 技術的な正確を期する、それはもちろんこの第五条の規定をこれに、公布の日に結びつけるのには便宜的に見えますが、この法律はきょうここを上げることに一応してあるのです。そしてあちらに持っていけば、大体公布の日というものの意義が喪失するような状況に私はなると思うのですが、これは四月一日から施行することに支障ないように今の「公布の日から、」を削除して、ちょうどいいような日にこの法律ができると思うのであります。そういう場合には、全面的に四月一日施行ということにしておかれる方が、今の国会の審議状況とにらみ合せると意味が深いと思うのです。あなた方の御趣旨に沿うように今私どもは審議を進めておるので、四月一日施行に支障がないようにわれわれは公布させるのでありまして、きょう参議院が通るわけじゃないのですから、ちょうどいい施行日になると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/107
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108・岡部史郎
○岡部政府委員 全く仰せはごもっともな点が多いのでございまして、結果におきましては仰せの通りな趣旨になるわけでございます。ただこれが形式的に正しいのだ、それじゃもっとわかりやすく簡明に四月一日からと害いておいた方がいいじゃないかという仰せもごもっともでございますが、そこは何と申しましょうか、わざわざ御修正をいただくほどのお手数をおかけするのも恐縮だということだけでございますから、その点を一つ御了承をいただくよりほかはないというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/108
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109・受田新吉
○受田委員 わざわざ御修正いただくほどの問題ではないということは、私はよくわかるのです。結果も同じことになるのですが、結果的に同じになるものをわざわざ二つに分けたような印象を与えるおそれがある。これはやはりこのままにそっとしておくということが、あなた方の方としては無難、こちらとしても修正案を出さなくてもいいということにもなるのですが、審査を非常に慎重を期したという意味においては、こうした技術的な言葉をちょっとでも変えておいて、われわれの審議の過程における熱心さというものが現われる必要があると思うのですが、もしこれを削除することになると、そういう修正をすることによって、どこかに影響する結果が起りましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/109
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110・岡部史郎
○岡部政府委員 論理的問題は別問題といたしまして、今となりましては別段変りはないと考えております。全く技術的な問題でございまして、結果は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/110
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111・受田新吉
○受田委員 結果が同じであれば、ここを一つ直していただいた方が私はいいと思うのです。結果は同じといっても、この法文の文章の技術の上において、こことここと二つに分けて(「それほどのことはないじゃないか」と呼ぶ者あり)私はこの法律の文章が複雑になっておることは賛成しないのです。これが簡単に縮められるならば縮めた方がいいのです。つまり国民に対してはっきりとまとまった印象を与えるようにさせないといけないと思う。今あの辺からも、もう今となってはというふうな安易な気持もありましたが、これは私は結果的に同じであればもちろんどうでもいいけれども、ちょうど国会の審議の状況が、政府の方で初め心配しておられた、早く仕上げるということがなくて、ちょうど施行期日と一致するように公布されるとなれば、これは文章をまとめるのにはまことにいいチャンスだと考えるのです。これは私の一つの案として検討いただくことにして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/111
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112・岡部史郎
○岡部政府委員 結果としては同じであるということは、先ほども申し上げましたし、たびたび御了承をいただいておりますが、後に残る法律といたしましては、簡明も大事でございますが、論理の正確を期するということも大事で、論理の正確を期する上におきましては、この原案の方がまさるのじゃないかと思います。そういう点でこのまま御了承をいただけたら幸いと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/112
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113・受田新吉
○受田委員 これは施行期日の附則です。それで施行期日となれば、一括して取り扱ってもいいと思う。施行期日に論理の正確を期するといっても、附則の五条に掲げられてあるようなことは、全部施行期日にまとめることのできる問題でありて、施行期日以外の規定があるわけじゃないのですから、施行期日の取扱いをどうするかという附則なのでありますから、施行期日としては長々と前のようなことを書かぬで、一ぺんにこの法律の規定は昭和三十一年四月一日から施行する。ということにやっておけば、一行以上、三行半ぐらいこれが節約できるでしょう。そうすれば紙も節約できるし、読む方も簡単でいい。法律の文章はなるべく簡単で要を得ているのが本質だと思う。これは論理の正確を期するために複雑多岐になるという心配を私は指摘したいのであります。この点もう一度——これを削除すれば、ここですぐ修正できるのですから、岡部さんが結果的には影響するところはないとおっしゃる以上は、論理的にも施行期日として一本にまとめるという意味においては、簡明率直であると思うのです。——今与党側としても、修正案を作るのはまたあとがめんどうだという安易な気持を持っておられるようのでありますが、私たちはこれをきょう本会議にかけることを了承しているのだし、いささかもこの定員法に対して審議を遅延しようという意思はないわけであります。そこでこれは結果的に大体同じということにもなるので、私の趣旨としては今申し上げた通りでありますが、政府あるいは与党の諸君の要望にこたえる意味において、私の修正点の指摘のみにとどめて、一応これをこのままのむということにして私の質問を終りましょう。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/113
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114・山本粂吉
○山本委員長 これにて質疑は終了いたしました。
これより討論に入りますが、別に通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/114
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115・山本粂吉
○山本委員長 なければ、さよう決します。
これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/115
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116・山本粂吉
○山本委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決いたしました。
なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X02919560329/116
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117・山本粂吉
○山本委員長 なければ、さよう決します。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二十二分散会
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