1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月十一日(水曜日)
午前十一時十四分開議
出席委員
委員長 山本 粂吉君
理事 江崎 真澄君 理事 高橋 等君
理事 保科善四郎君 理事 宮澤 胤勇君
理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君
大坪 保雄君 大村 清一君
北 れい吉君 薄田 美朝君
高瀬 傳君 辻 政信君
床次 徳二君 林 唯義君
福井 順一君 眞崎 勝次君
山本 正一君 横井 太郎君
茜ケ久保重光君 飛鳥田一雄君
井手 以誠君 稻村 隆一君
石村 英雄君 勝間田清一君
西村 力弥君
出席国務大臣
国 務 大 臣 倉石 忠雄君
国 務 大 臣 船田 中君
出席政府委員
内閣官房副長官 田中 榮一君
総理府事務官
(調達庁次長) 丸山 佶君
総理府内務次官
(調達庁不動産
部長) 大石 孝章君
防衛庁参事官
(長官官房長) 門叶 宗雄君
防衛庁参事官
(防衛局長) 林 一夫君
防衛庁参事官
(人事局長) 加藤 陽三君
委員外の出席者
総理府事務官
(調達庁不動産
部連絡調査官) 磯 淳爾君
総理府事務官
(調達庁不動産
部連絡調査官) 矢崎 高儀君
会計検査院長 東谷傳次郎君
専 門 員 安倍 三郎君
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四月十一日
委員大村清一君及び古屋貞雄君辞任
につき、その補欠として薄田美朝君
及び勝間田清一君が議長の指名で委
員に選任された。
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四月十日
栄典法案(内閣提出第一六二〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国防会議の構成等に関する法律案
(内閣提出第八七号)
米駐留軍基地問題等に関する件
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001・山本粂吉
○山本委員長 これより会議を開きます。
国防会議の構成等に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。通告がありますので、これを許します。横井君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/1
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002・横井太郎
○横井委員 一番最初にお伺いいたしたいことは、三月十八日にダレス長官が日本へやって参りまして、十九日に帰られたのでございますが、この際十八日にダレス長官が声明を出しております。すなわちアメリカは日本が西太平洋及び東南アジアにおいて政治的、経済的、戦略的発展に対して建設的寄与をなすことができることを期待しておる、これらの問題に関して日本の首脳部の意見が聞けることを非常に楽しみにしておる、こういう声明を出しており、さらに十九日に帰る際に、二十四時間の間において日本の首脳部と重要なる会談をしたと発表いたしておるのでございます。これらの声明から考えまして、日本の国防に関して相当重要なる会談があったと想像し得るのでございますが、どういう話がありましたか、一応承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/2
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003・船田中
○船田国務大臣 三月十八日の日曜日にダレス米国務長官と米大使館におきまして、午後三時から約二時間にわたりまして、われわれが懇談をいたしたことは事実でございます。しかしその際におきまする会談の内容は、相手方との話し合いによりましてすべて機密にいたしておりますので、その内容についてここに御報告を申し上げることは差し控えたいと存じます。
ただその際に発表しても差しつかえないということで話し合いました内容については、そのときに新聞にも申し上げておりますが、ただいま御指摘になりましたその声明文のうちに、戦略的に寄与するということがございましたが、この戦略的という言葉については、そのときもダレス長官から特に説明がございまして、軍事的の意味を持ったものでないということをはっきり申されておるのであります。すなわちその翻訳が日本式には戦略的となっておりますが、いわゆるストラテジックという字を使っておるのであって、ストラテジックという字は決してミリタリーの意味を持ったものではないということを申しております。その点ははっきりしておるのであります。要するに、ベーシック・プランという意味に使っておるということを申されております。話の詳しい内容については、ただいま申し上げたようなことでございまして、ここに詳しく御報告を申し上げるというわけに参りませんが、ただ防衛問題について話し合ったということの事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/3
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004・横井太郎
○横井委員 機密とあれば、あえてその機密までかれこれ申し上げませんけれども、ダレス長官が新聞記者団に答えましたところでは、次のようなことを言っておるのでございますが、このことだけはお答えができると思うのでございます。それは安保条約の改訂を日本が望んでおって、その改訂は双務的なものにせよということを日本側が要望しておるようであるが、双務的な協定にするには、これはお互いの防衛義務を生ずるものである、従って現在の日本の憲法ではそれができぬのである、日本の憲法に支障があるのである、こういう意味のことをダレス長官が述べておるのでございますが、そういうことはダレス長官自身が新聞記者団に語っておられるので、こういう話があったかないかということぐらいは、長官としてもお答えができると思いますが、その点はいかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/4
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005・船田中
○船田国務大臣 十八日日曜日の午後三時から五時ごろに至る会談の際には、ただいま御指摘になったようなお話はなかったのであります。すなわち防衛問題についての話し合いというものはございません。国際情勢あるいはソ連における最近の第二十回共産党大会等についての印象を述べられたことがおもでございまして、また東南アジアにおける状況等についてのお話もございましたが、防衛問題について話し合った事実はございません。ただいまお話のことについては、あるいは外務大臣が翌日すなわち十九日の月曜に、ダレス長官と特に会談をされておりますから、そのときにあったかどうか、そのことを私は存じませんが、少くとも私が出席いたしておりました会談におきましては、ただいま御指摘のようなお話は伺っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/5
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006・横井太郎
○横井委員 ダレス長官との間に、そういう話は防衛長官自身は聞かないというのでございますが、しからば日本の安保条約の改訂ということは、相当各方面で叫ばれておるのでございますが、これは憲法改正後でなければ改訂はできないものだ、さように長官自身はお考えになるかどうかということを一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/6
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007・船田中
○船田国務大臣 安保条約及び行政協定の問題につきましては、私のただいま考えております見解におきましては、今至急に改訂しなければならぬという必要を感じておりませんし、またそれの改訂を持ち出すというのには、わが方においてある程度の防衛体制が整備された後でなければならないと存ずるので、今この問題を持ち出すという時期ではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/7
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008・横井太郎
○横井委員 今改訂をする時期ではないと考えておる、そういうことは一応了承できますが、その先ほど申しましたやはり持ち出すということは、憲法改正後でなければ持ち出し得ないのでそうであるのか、現在の日本の防衛体制も整っておらぬし、憲法というものがつかえておるので、それ旭持ち出し得ぬというのか、その点をもう一度承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/8
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009・船田中
○船田国務大臣 安保条約の改訂ということが彼我の間に全く同じ責任、義務を持つ、こういうことでありますと、現在の悪法の制約を受けておりますわが自衛体制においては、なかなか問題が起ると存じます。ですからそういう点を全く問題のないようにして、いわゆる双務的に協定を結ぶといたしますれば、やはり私は憲法改正というようなことが必要にねってくるのではねいかと思いますが、しかしその点につきましては、私まだ十分に研究をいたし、結論を得ておりませんので、ここにまだはっきりした私の意見を申し上げることはできかねるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/9
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010・横井太郎
○横井委員 この国防会議の構成法規が通れば本格的に御計画になると思いますが、今防衛庁で持っておられます防衛六カ年計画とか五ヵ年計画とかいうものは、大体どういう点を目途としてと申しましょうか、たとえば今申しました通りに、安保条約の改訂とか、憲法の改正とか、そういうものをにらみ合せて、まず六ヵ年程度がよかろうとか、あるいは五ヵ年程度がよかろう。少くとも現在防衛庁としては六カ年計画ということを言っておられるのでございますが、憲法とか安保条約の改訂とかあるいは防衛体制の整備とか、そういうものをにらみ合せての六ヵ年計画であるのか、それとも単に漠然と六ヵ年計画を立てておられるのか、その点を一つ承わってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/10
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011・船田中
○船田国務大臣 わが国における防衛の目標、いわゆる防衛の基本目標といたしましては、第一には、国土上空及び周辺海域の制空、制海権を確保する、外敵の上陸進攻に対しては陸海空の総合力を発揮し、外敵を国土外に撃退する、主要海上交通路を確保する、次に治安維持に関し国内関係機関に協力する、こういうことが大体防衛の基本目標になっております。そうしてその基本目標からいたしまして、陸海空各部隊の防衛の目標をどこに置いておるかと申しますと、第一の陸上におきましては、国土に来攻する外敵の上陸部隊の撃退、それから国内治安維持の協力ということを考えております。次に海上におきましては、海上交通路の確保、主要なる海峡、水道及び港湾の防備、主要水路の掃海、沿岸の哨戒、航空につきましては、国土要域の防空、哨戒、偵察、地上作戦及び海上作戦の協力、以上の防衛目標に対しましては、わが防衛力のみをもってしては十分でございませんので、日米安保条約、行政協定によりまして、日米が共同してわが国の防衛に当る、こういう考え方におきまして、そういうことを目標といたし、その方針に従って、まず昭和三十年度から三十五年度に至る六ヵ年間におきまして、しばしば御説明申し上げておりますように、陸上、海上、航空の自衛体制を整備していきたい、かような考え方をもって防衛庁の長期防衛計画の試案を持っているわけでございます。これは必ずしも憲法改正とにらみ合っているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/11
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012・横井太郎
○横井委員 そういたしますと、今お答えになりましたのを逆に申しまして、大体今いろいろと御説明になりました諸条件がかなって参りますれば、要するに防衛体制がだんだん整ってくれば、安保条約の改訂もできるのだ、この防衛六ヵ年計画においていろいろなことをやれば、そういうふうになってくるのだ、こういうような意味でございましょうか。もう一ぺんお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/12
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013・船田中
○船田国務大臣 ただいま防衛庁の持っております防衛長期計画に関する試案、これが実現をいたすことになりますれば、少くとも米地上戦闘部隊等の米駐留軍の撤退の基礎ができる、つまり米駐留軍全部というわけにはいきますまいが、米駐留軍が撤退する基礎ができるということになると存じます。しかし米軍の撤退ということは、これはしばしば申し上げておりますように、国際情勢ともよくにらみ合っていかなければならぬ問題でございまして、日米間の協定によってこれは実現されることでございますが、ただいま申し上げた試案ができたから必ず米軍が撤退するかといわれれば、その点は必ずしもそれに見合って撤退するものではないということを申し上げざるを得ない。しかし米軍撤退の基礎ばこれによって達成される、でき上ってくる、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/13
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014・横井太郎
○横井委員 国連との関係の問題でございますが、日本の防衛体制をだんだん整えていき、終局においては国連への加盟、集団防衛の一環と日本がなる、こういうことはわが党の方策でもあるし、長官もおっしゃる。これは社会党さんの政策でも国連警察部隊という言葉を使っておいでになりますが、これもおそらくわが国の軍隊であろうとは考えます。とにかく集団防衛の一員となるということを長官もおっりしゃるのでありますが、この防衛六ヵ年計画完成の暁にはそういう体制になり得る一応の目安があるかどうか、こういう点を一つ承わってみたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/14
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015・船田中
○船田国務大臣 国連加盟ということと、ただいま申し上げております防衛長期計画の達成ということは、必ずしもお互いに相見合ったものとは言えないと思います。現在の憲法あるいは国内法のもとにおきましても、国連に加盟ということは不可能ではございません。もし日本が今日国連に加盟するといたしずまれば、その国連憲章のもとにおいて集団安全保障ということにも寄与して参らなければなりませんが、しかしその場合におきましても、もちろんわが国においては海外派兵やあるいは海外に出動するというようなことはできませんし、またそれはやりませんから、そういう点についてもし国際警察軍に参加をしなければならぬというような場合においては、もちろんわが方としてはそれを拒否する自由は持っておるわけでありますし、また現行悪法のもとにおいてはそれはできないと考えます。しかしさればといって国連に加入ができないかといえば、それは国連加入には差しつかえないことでありまして、国防軍を持たない国で国連に加盟いたしておる例もございますから、その点においては、国連加盟と今日持っております長期防衛計画の達成ということとは、必ずしもにらみ合っていかなければならぬ必要はなかろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/15
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016・受田新吉
○受田委員 関連して。長期防衛計画と国連加入の問題とは別に考えられるという長官の御答弁でありましたが、それに関連してお尋ね申し上げます。国連加盟は、集団安全保障の立場からも、日本は軍隊がないという立場でこれに加盟し得るという解釈をしてよろしいかどうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/16
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017・船田中
○船田国務大臣 国連加盟の条件として、日本が軍隊を持たなれけばならぬという必要はなかろうと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/17
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018・受田新吉
○受田委員 そうしますと、国連加盟は現状において軍隊を持たない日本として、結局国際的に見て単なる自衛隊にすぎない部隊を持っているだけで加盟できるということに了解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/18
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019・船田中
○船田国務大臣 軍隊を持たない現在においても、日本は国連に加盟し得ると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/19
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020・受田新吉
○受田委員 私繰り返しお尋ねするようになりますが、そうしますと、国連加盟のためには別に日本に軍隊を設ける必要はない、現状でよろしいということになるならば、国連加盟においては現在の日本の兵力を増強する必要はないと解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/20
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021・船田中
○船田国務大臣 国連加盟の条件として、日本の防衛体制を整備しなければならぬというその必要はなかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/21
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022・受田新吉
○受田委員 そうしますと、国連に入る立場からは現状をもってしても可能であるということになるならば、日本のあなた方が企図しておられる兵力の増強というものは、結局日米の立場における日本の防衛計画においての計算であって、国連加盟というわれわれの一つの目標を達成するための条件ではないということに了解申し上げてよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/22
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023・船田中
○船田国務大臣 ただいま御指摘のように、国連加盟の条件として、防衛体制を整備しなければならぬというその必要はなかろうと存じます。わが国の現在実行しつつあります防衛体制の整備ということは、わが国の防衛ということを自主的にやって参ることが必要である、すなわち国力及び国情に相応する自衛体制を整備していくことが独立国として必要である、こういう観点から自衛体制を整備しつつあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/23
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024・受田新吉
○受田委員 あなたの御見解できわめめてはっきりしていることは、わが国が国連に加盟するための条件として、ある程度の軍隊を持って当らなければならぬという、従来保守的な立場の人が考えている問題は、これは別に取り上げるほどの問題ではなくて、現状でゆっくり国連にも入れるということに私は了解します。それをあなたも了解していただけると思うのです。そうしますと、結局日本は、今横井さんのお尋ねにはっておられる長期防衛計画というものはアメリカのための、アメリカとの提携における日本の防衛のためであって、国連加盟のためではないということになるならば、世界永遠の平和を企図する日本としては、国連よりはむしろアメリカを尊重するというところに重点を置くということになるのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/24
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025・船田中
○船田国務大臣 今お話の点は大へん違うと思います。われわれは自衛のためにその自衛権をもし使わなければならぬ必要がある場合に備えて、自衛体制を整備するということでやっておるのでありまして、これは決してアメリカのためでもなければ、国連のためでもない。全く日本のために自衛体制を整備しなけばばならぬと私は考えて、それを努力しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/25
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026・受田新吉
○受田委員 そこで私は突っ込んでもっとお尋ねしなければならぬことが起っておるのです。アメリカの軍隊は、日本にある程度の防衛力ができたならば、撤退するというておるようでありますが、この点この間から新聞紙上などに伝えられるところによると、アメリカの今年度の撤退も、これはやらないんだという見解を一部に表示されておるようであります。アメリカは今日本に何名軍人を置いておるのか、日本に長期計画が実施されて、三十五年度になったならばある目標が達せられる、そうしたらアメリカ軍の撤退の基礎ができると長官はしばしば言っておられるが、そのアメリカの兵隊が完全に引き揚げるということは、いつの日になったらとれが実現できるかという問題と、二つを合せて御返答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/26
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027・船田中
○船田国務大臣 先般数口前に、AP電でありましたか、UP電でありましたか、米駐留軍の日本撤退の予定が変更されて、撤退しないのだというような情報があったようでございますが、これは米極東軍にわれわれの方から照会いたしました結果によりますと、予定通りに撤退しつつあるのでありまして、あのUP電かAP電にあげられましたことは、事実相違いたしておるようでございます。
第二の問題でございますが、米駐留軍がいつ撤退するかということになりますと、先ほど来申し上げておりますように、わが方の自衛体制が整備されまして、ことに防衛庁として持っております試案が実現するということになりますれば、米軍撤退の基礎はできます。しかし現実に米軍が撤退するという問題は、その当時の国際情勢とよくにらみ合せていかなければならない問題でございまして、今直ちにこの防衛六カ年計画が達成さ木たからそれに見合って必ず撤退するとは申し上げかねるのでありまして、これはたびたび申し上げておりますように、日米間の協定によりまして撤退をいたすことになりますが、その時期は今ここに私としては申し上げかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/27
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028・受田新吉
○受田委員 その点は横井さんにお答えしたと同じことになってしまっておるのですが、私は今日本にアメリカ軍は何人おるか、日本におるアメリカの軍隊の人員、それから日本を警備しておる艦船のトン数、飛行機、日本に今現に駐留しているアメリカの兵力をお尋ね申し上げ、そして六カ年計画が実現した場合の日本の兵力というものをにらみ合してみて、アメリカがいつ帰るであろうかという想定を政府がお持ちになるべきだとお尋ねしておるのです。その日本におけるアメリカの兵力の実態をまずお示しいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/28
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029・船田中
○船田国務大臣 大体におきまして昨年末の現在で、米駐留軍の兵力は、地上軍において第一騎兵師団、海兵師団その他独立砲兵大隊、工兵大隊等を合せまして約四万二千、それから海軍、これは基地は主として横須賀、佐世保でございますが、これが六千五百、それから空軍におきまして飛行機が約七百五十、兵員は約五万、全部で約十万というのが大体現在駐留しておりまする米軍の総数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/29
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030・受田新吉
○受田委員 その十万の軍隊を日本が補充しない限りはアメリカは撤退しないという条件も考えられるのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/30
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031・船田中
○船田国務大臣 米駐留軍といたしましては、陸上戦闘部隊から漸次引いて参りまして、現に本年に入りましてから騎兵師団あるいは空挺隊等が撤退しつつあります。それは先ほども答弁申し上げましたように、本年中に約一万一千程度のものが撤退するということでございまして、これは予定通りに撤退をするものと信じます。従ってわが方といたしましては、これも本委員会でたびたび御説明申し上げておりますように、まず陸士自衛隊を整備するということに手をつけまして、そしてそれを着々実現しつつある、こういう状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/31
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032・受田新吉
○受田委員 私とこで非常に心配をせざるを得ないのは、三十五年度に長期防衛計画が一応完成した場合においても、日本の航空力はわずかに千三百機と長官はしばしば言うておられるのです。その千三百機の航空機をもって、今五万の空軍がおり、七百五十機を抱えてやっておる、この部隊を率いて握っているアメリカが、これを承知しますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/32
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033・船田中
○船田国務大臣 米軍の撤退の問題につきましては、これはそのときの国際情勢とにらみ合せて日米で協定をいたさなければなりませんので、今ここにそのことを予想して、どの程度にいったらどうとうするということを申し上げるわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/33
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034・受田新吉
○受田委員 米軍に撤退してもらうために、日本の自主の軍隊を作るために、長期防衛計画をお立てになっておるのではないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/34
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035・船田中
○船田国務大臣 もちろんわれわれといたしましては、外国駐留軍の撤退に備えるためにわが方としては自衛体制を整備しつつあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/35
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036・受田新吉
○受田委員 しからば、今の長期六ヵ年計画が一応完成したならば、アメリカが退くというような話し合いくらいは十分されておらなければならないのであって、目標はそこに置いたけれども、しかし実際はそのときになってみなければわからぬのだというばく然とした日米の交渉では、われわれも莫大な国費を費してこの防衛庁関係の諸経費を出しておる現状においては、はなはだ了解に苦しむのでありますが、長官として、日本の長期防衛計画と米軍の撤退ということについて、もっとはっきりした話し合いができないものか、現状においてはそれは不可能であると断定せられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/36
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037・船田中
○船田国務大臣 これもたびたび申し上げておることでございますが、わが方の長期防衛計画が達成されますれば、米駐留軍の撤退の基礎はできます。しかしそれと見合って必ず撤退する、そしてその時期は長期防衛計画ができた後いつごろになるかということは、今申し上げるわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/37
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038・受田新吉
○受田委員 今のおなたのお言葉の中に、私何回もお聞きしておる言葉があるわけなんですが、私たちが心配しておるのは、あなたがいつもおっしゃっておる三十五年に一応の目標が達成される日本の防衛計画——これは率直にお尋ねしますが、その目標を一応達成されるということについてはアメリカの了解を得てあるのでしょうか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/38
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039・船田中
○船田国務大臣 米側との話し合いの結果長期防衛計画を立てておるというわけではないのであります。この長期防衛計画はわが方において自主的に立てておるのでありまして、ただいまお話のような点は、今後の日米間の防衛について、わが国土の防衛についての話し合いには出てくると存じますけれども、この長期計画を立てるにつきまして、アメリカ側と話し合って長期計画を立てたというわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/39
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040・受田新吉
○受田委員 そうしますと、昭和三十五年に一応の目標が達成された場合には、アメリカ軍が撤退されるであろうという期待は、単なる期待にすぎないと了解せざるを得ないと思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/40
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041・船田中
○船田国務大臣 しばしば申し上げておりますように、この長期計画が達成されますれば、米軍撤退の基礎ができ上るということは申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/41
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042・受田新吉
○受田委員 あなたはさっき現在日本には五万の空軍がおるとおっしゃったが、この五方の空軍を撤退させるために、千三百機の練習機を含んだ空軍くらいで間に合うと思いますか。この点アメリカを撤退させるために、特に強大な空軍を日本から撤退させるために、練習機を含む千三百機の繊弱な兵力でアメリカが撤退するという計算をして、五カ年計画をお立てになったんでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/42
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043・船田中
○船田国務大臣 航空自衛隊の整備の目標といたしましては、先ほど横井委員にお答え申し上げたような考え方でございまして、その方針に従って一応練習機を含めて千三百機を、昭和三十五年度に実現したいということで、今計画を持って着々実行せんといたしておるのであります。しかしそれが米空軍の撤退とどういうふうに見合っていくかということにつきましては、今後十分検討をし、また日米間において協議をして参らなければならぬのでありまして、今ここでそれについて何とも申し上げかねる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/43
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044・受田新吉
○受田委員 はなはだ無責任なお話しであって、アメリカ軍を撤退せしめるという日本の防衛計画があるならば、現に日本にがんばっているアメリカ空軍に対する補充の意味の航空兵力を持つくらいの馬力があるのかと思っていたところが、練習機を含んで——特にC46のごときいつ空中分解するかわからぬので、きょうから出発すろ予定であった、九州の各自衛隊視察のために出発する段階に至って、委員諸君が急におじけづいて、空中分解するかもわからぬという声におびえて、ついにこれが中止されたということは、はなはだわれわれ遺憾であります。(拍手)そういうようないわくつきの輸送機まで計算に入れて、千三百機とふんでおられるのではないかと私は思うのでありますが、そういうC46までも入れて千三百機を目標にしておられるのかどうかということと、千三百機という航空兵力で練習機とか、また今あなたからお答えいただくであろうC46を計算に入れるかどうかという問題を含めた上で、アメリカの五万という有力なる空軍の撤退を企図するということになれば、これははなはだ無責任な政府の態度であると思うのであります。この点政府としてはもっと真剣に、アメリカが撤退する目標をどこへ置くかということくらいは、もっと現実に即した考え方でやってくれんと、はなはだ微弱な航空力で、アメリカの強大な航空力をあちらへ追い帰すということは、これは事実問題としては不可能であると思うのであるが、こういう点についてあなたはいかなる見解を持っておられるか、お答えをいただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/44
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045・船田中
○船田国務大臣 昭和三十五年度に航空自衛隊として、練習機を含めて千三百機を持ちたいという目標は持っておりますけれども、その機種をどういうものにするかということにつきましては、今後検討を加えまして、わが国の国力、国情に沿うようねものに持っていきたいという考えでございます。
ただいまC46の性能につきまして、非常な御懸念の御質問がございましたが、これは現在全機につきまして精密検査をいたしておりますが、御懸念のようなことは事実ないようでございます。しかしこれは検査をいたしました結果、詳細なことをまた御報告する機会があると思いますが、決して御懸念になるようなものではないと存じます。もちろんC46もその千三百機の中には入るわけであります。
第二段の御質問でございますが、これはたびたび御答弁申し上げておりますように、わが方といたしましては、長期防衛計画の達成をいたしましたとき米軍撤退の基礎はできますけれども、現実に米軍がいつ撤退するかということは、国際情勢ともにらみ合せまして、日米間の協定によってきまることでございまして、その時期をここに明言するわけには参りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/45
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046・受田新吉
○受田委員 私は今C46の例を引いたのでありますが、大臣としては、そう心配はないようである。——ありませんと言明されないところに私は含みがあると思うのであります。ここ数日来の新聞には「MSA兵器に重大な疑惑」「使えぬC46輸送機」という見出しのもとに「空中分解の恐れ」「老朽全機の運航を停止」すでに各地に事故を続発しておるというので、防衛庁当局が恐縮した見解を発表しておるようでありますが、これについて当局はいかなる御見解でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/46
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047・林一夫
○林(一)政府委員 C46の問題について私から申し上げます。C46は、製作年次は大体十年くらい前のものでありますが、新聞に出ているように、その材質がぼろぼろになっているようなことはないのであります。現在困っておりますのはその補修部品が順調に入ってこないという点なんであります。補修部品が入ってくれば、この補修ば十分できるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/47
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048・横井太郎
○横井委員 いいところをだいぶんとられてしまいましたので、私はこの問題の結論をつけたいと思うのでございます。とにかく日本の自衛体制というものは、日米協力共同防衛体制でいかれることは当然である。私らはこの観点から、何も遺憾なさることはないと思います。アメリカ側の意向を知らなければ日本の防衛体制も整えていけないのでございまして、何もアメリカのためにやるわけではございませんで、日本のためにやるのでございますから、話し合うことは堂々と話し合ってしかるべきである。長官がいかにも遠慮なさるということは私らはじれったいのです。共同防衛体制でいくなら、話し合うのが当然です。私らはとういう観点に立つものでございます。
そこで伺いたいのですが、国防会議というものがいよいよできまして、これからその運営をしていかれることになって参ると思うのでございますが、それにつきましては、日米共同防衛体制でいかれるとすれば、少くともアリリカの考え方も参酌していかなければならぬと思うのでございます。
そこで先般の石橋委員の質疑に対してでございましたか、とにかく日本は日本独自の見解において計画を立てていくのだとおっしゃいましたが、それはその通りだと思います。しかしそれに対しましても、少くとも共同防衛である関係から、アメリカの考え方も参酌していかなければならぬ。そこで国防会議の運営に当りまして、あらかじめそういうことを話し合って、日本の基本方針を立てていかれるのか。それとも日本は日本として独自の案を立ててアメリカと折衝していくという行き方をされるのか、その点を承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/48
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049・船田中
○船田国務大臣 わが国の防衛ということは、現在におきましては、今横井委員の御指摘になりましたように、日米共同で防衛に当るということになっており、その建前で進んでおります。しかし国防会議を設けまして、日本が独立国である以上においては、わが国の国土の防衛は、何とかしてわれわれの手によってこれを防衛するように持っていきたいということでございますから、従ってその防衛計画につきましては、わが方の自主的な立場において防衛計画を立てるようにして参ることが、私は当然であると思います。もちろんそれにつきまして、これもたびたび申し上げておることでございますが、艦船、兵器あるいは弾薬、飛行機というような装備につきまして、ことに初度装備につきましては、その大部分をアメリカの供与に待たなければ、自衛体制を整備することができませんので、それらの点につきましては、十分アメリカ側と協議をいたし、アメリカの供与に期待するものが非常に多いわけであります。なお現状におきましては、わが国の国土の防衛につきまして、日米間において緊密な協力とお互いの相互信頼によりまして、わが国土の防衛計画を立て、その問題につきましては、話し合って進んでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/49
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050・横井太郎
○横井委員 今、お答えで大体わかりましたが、いよいよこれでこの国防会議法案が通りますと、実際の日本の基本方針、防衛計画の大綱も立てていかれるのでございます。が、しかも装備等について向うの供与を受ける、こういうことにつきまして相当向うと話し合っていかなければなりませんので、先般いっかの新聞にありました通りに、日本の大臣級の人が向うへ行って、相当突っ込んだ話し合いをする、そういうようなお考えをお持ちでございますか。ここで一つ承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/50
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051・船田中
○船田国務大臣 従来アメリカ側の出先の軍官の官憲と緊密な連絡をとりまして、供与装備品等につきまして話し合いをしておりますから、現状においては、日本側から大臣級のものがアメリカに出て行かなければ用が足りぬというようなことにはなっておりません。しかし何といっても、国土の防衛につきまして、日米共同で防衛をしており、そのためにアメリカ側としても非常な犠牲あるいは負担をいたしておるわけでございますから、もしできますれば、ただいま横井委員のお話の中にありましたように、わが方の相当有力な者がワシントンに参りまして、あるいは国防省、国務省とも十分に連絡をとって、お互いの理解と親交を深めるということは必要である。そういうことができればまことによかろうと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/51
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052・横井太郎
○横井委員 これは私の希望を言えば、防衛長官みずからが出かけていってやるくらいの勇気がなければ、いかぬと思います。それはそれにいたしまして、もう一つ、先般石橋委員からも質疑されておりましたが、政治が軍事に優先する、この問題をもう少し私承わっておきたいと存じます。この点はあくまでも堅持をいたしていかなければならぬという観点において、先般いろいろお話もございましたが、一体政治が軍専一に優先すると口では申すのでありますが、長官がそう言われる具体的の意味はどこにあるかということを、一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/52
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053・船田中
○船田国務大臣 政治が軍事に優先するということにつきましては、今日の組織機構をよくごらん下されば御納得がいくことと思いますが、念のために申し上げますと、政治が軍事に優先し、広い視野と高邁な識見のもとに防衛力が運用され維持育成されるようにしていかなければならぬことはもちろんでありますので、そのために御承知の通り、国会が定員、予算編成の大綱等を定め、また防衛出動等については国会の承認を受けるというようになっておりますので、防衛力の規模及び運用につきましては、すべて国会の統制を受けるということになっておるわけであります。次にこの防衛の最終責任者は内閣になっております。政府は内閣に国防会議を設けることになるわけでありますが、その国防会議におきましては、国防の基本方針、防衛計画の大綱、防衛計画に関連する産業等の調整計画の大綱、防衛出動の可否等、国防に関する重要事項については、国防会議にすべて諮問することといたしております。そうして関係閣僚の間において大所高所から慎重に総合的に国防に関する重要事項を審議しよう、こういうために国防会議を設けるということになっておるわけであります。また内閣総理大臣は、内閣を代表いたしまして、自衛隊の最高の指揮監督権を持っておりまして、この指揮監督のもとに、国務大臣たる防衛庁長官が自衛隊を統括しておりまするので、従ってかつてのいわゆる統帥権の独立といったようなことは現行機構のもとにおいてはないわけであります。また防衛庁長官のもとに、次官、次長その他のいわゆるシヴィリアンを置きまして、基本的の方針については長官を補佐することといたしております。なお統合幕僚会議、各幕僚長は、専門的の助言者として長官を補佐することになっております。また各幕僚長は長官の定めた方針または計画を長官の命によって執行する、こういうことに機構ができておりまするので、従って自衛隊がかっての軍のごとくに、政治に容喙しあるいは政治を支配するというようなことは絶対に起り得ないようになっております。また政府といたしましても、その方針に従って、政治優先ということはどこまでも今後堅持して参りたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/53
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054・薄田美朝
○薄田委員 そのことについて、関連でちょっと質問したいのでありますが、最近自衛隊の状況を見ますと、最初は旧軍人以外の人が入って、相当な地位におったのでありますが、最近非常に増員が多くなりますと、旧軍人の採用が多くなる、そういう関係になりますと、前におった第何期というふうな人を標準にしてあとの人を入れる関係上、あとから入ってきた人が、前におった旧軍人以外の人よりも非常な優位な、階級が上に上るというふうな現象を第一線で非常に見受けるのであります。私もこの間第一線を見ましたが、その関係上、旧軍人以外の人が将来に対する光明を失って、もうどうでもいいというふうなことで、現に自分の郷里に帰りまして、もうそろそろ自分の家の仕事に従事していとうというふうな傾向が著しく多かったのであります。こういうふうな実例で、自衛隊の今の採用の方法というふうな問題についてはどんなふうになっておりますか、事情を一応承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/54
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055・加藤陽三
○加藤政府委員 お答え申し上げます。御承知の通り、昭和二十五年に警察予備隊が発足をいたしました当時は、旧軍人の皆さんは追放になっておったのであります。そこで追放になっておりました旧軍人の諸君を除きまして警察予備隊が発足いたしました。その後追放が解除になるのにつれまして、漸次そういう諸君も迎えたのであります。
そこで自衛隊の幹部の構成というものは非常に複雑になっております。軍隊の経験のある方もございますし、ない方もあるのであります。急激に膨張いたします際でありまするので、これらの方々の人事管理をいかにするかということは、御想像も容易だろうと思いますが、実にむずかしい問題でございます。昔からおります者につきましては、私どもといたしましては大体確実に一人々々を把握して参るようにしておりますけれども、この近年相続いてまだ続々と新採用者がおるという状態でございますので、昔からおりまする者と新しく入りまする者との間の人事の調節ということにつきましては、非常に頭を悩ましております。
今やっておりまする方針は、自衛隊内におけるその人の実績、メリットというものを中心といたしまして人事を考えていくのが原則であることは申し上げるまでもありませんので、その人が旧軍人であろうと旧軍人でなかろうと、全然軍隊の経験がなかろうとあろうと、そういうことよりも、自衛隊の中に入っていかにその人が成績を上げておるかということを中心に人事をやっていっておるつもりでございます。
ただ、入りまして間もないような諸君につきましては、たとえば昇進等の人事につきましては、旧軍隊では何年の何月までに少佐なら少佐になっておった者以上、あるいは軍の経験のない者につきましては、自衛隊に入ってこの階級を何年しておった、あるいは旧制の大学なら大学、旧制の専門学校なら専門学校を何年以前に卒業したかというような一応の基準を作りまして配慮をいたしておるわけでございます。その点につきまして、最近やはり旧軍歴のない諸君の中から、薄田委員のおっしゃったような声も二、三私も聞いております。今やっておりまする基準がそう間違っておるとは私は思いませんけれども、そういう声も耳にいたしますので、なおこの基準の点につきまして慎重に検討してみたいと思います。ただわれわれといたしましては、それはやはり応急の措置でございまして、早く自衛隊の中における成績を確実に把握いたしまして、それによって人事を適正に運営していくようにしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/55
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056・薄田美朝
○薄田委員 今ので大体わかりましたけれども、私どもとしては、自衛隊草創当時の相当功労ある人、しかも非常に成績がいいというふうな人が、隊の中に参りますとそういうふうな傾向であるということを承わっておる。これはみんなの前でなしに、私どもにそういうことを訴えるのであります。今大体のお話を承わりましたが、将来も文官優位といいますか、そういう文官優位の中に必ずしも入りませんが、みんな平等に、今のようなことを十分お考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/56
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057・横井太郎
○横井委員 今政治が軍事に優先するということに関しまして、今度の制度のもとにおいてはそういうことにならぬのだというのでいろいろと御説明がございました。なるほど戦前のように帷幄上奏とか、いろいろな横合いの、しかも相当勢力の強い軍閥というようなものが出現する、そういう面の封じはこれでできておると思います。ところが現在の制度が、非常に政治と軍事とを混淆しやすい制度になっておりはしないか、その点を私憂えるのでございます。ことに戦争当時において、総理が幾つかの役を持って、しかも専横をきわめて勝手なことをやった、ああいう仕儀が出てくる憂いがあるのじゃないか、こういう懸念を私は持つのでございます。
そこでまずお尋ねを申し上げたいのは、なるほど具体的に申しまして、国会と政府というものが厳然とあって、そのほかに国防会議、防衛庁、自衛隊、こういう関係にあるでございましょうが、こういうような国会、内閣、国防会議、防衛庁、自衛隊というような系列がかりにあるといたしまして、一体どこからが政治でどこからが軍事かという点を一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/57
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058・船田中
○船田国務大臣 政治と防衛関係についてのはっきりした線を引くということは、私はできかねると思います。わが国におきまして戦前ああいう軍国主義の失敗をしたということは、要するにものの考え方があまりに狭くて観念的であった。そうしてそこへ持ってきて、天皇を大元帥とするいわゆる統帥権また帷幌上奏というようなことがございまして、従って普通の国会あるいは内閣を中心とする政治にそれが優先したというようなことでございますが、戦後における政治機構は全く戦前と違っておりまして、民主主義の政治になっております。そうしてしかもそれを実現すべく天皇の主権ということもなくなっておりますし、国会が一眼高の国民の代表機関としてあります。そうして国会と内閣との関係というようなことに現在なっておりますから、従ってこの政治優先ということは今後において十分守り得ることに機構ができておりますし、また民主主義の政治が育成されてだんだん発展して参りますれば、軍事が政治に優先するというような懸念は毛頭ないと存じます。しかしこの防衛問題ということは、大きな政治の中に入るべきものでありまして、もちろん国会議員の諸君が国際情勢あるいは防衛問題について十分な知識経験を持たれ、また一般官公吏もこれについてのもっとしっかりした勉強をしてもらうということになりますれば、政治優先ということも守られ、また防衛の問題につきましてもこれを軽視することなく、十分わが国の国情、国力に相応するような防衛体制整備ということもできるかと存じます。ただその間にどこから先は政治であり、どこからは防衛問題になるんだといって、一線を画するというわけには参らぬと私は存じます。今申し上げたことによりまして御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/58
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059・横井太郎
○横井委員 長官はどこからどうと画然とはできないと言われますが、私はそこに軍事と政治の混淆ができてくるんじゃないかと思うのでございます。少くとも国会、内閣の統制下にあくまでも国防会議、防衛庁、そういうものがなければいかぬのでございます。なぜそう混淆しやすいかというと、内閣総理大臣というものは幾通りかの、先ほど読まれた通りの役を持ち、一番下から、自衛隊の最高指揮権者である防衛庁の長官を監督していく。国防会議の議長である。それから内閣の首長としての総理大臣である。そういう人が一人で幾通りか持たれるということはどうかということを、私非常に疑問に思うものでございまして、少くとも国防会議以下のものと内閣というものは、画然と一線を引く、こういうのがむしろ私は政治が軍事に優先するというのじゃなかろうかと思うのでございます。その総理が、たとえば国防会議に諮るにいたしましても——総理は国防会議に諮問をいた、さはければならぬ。しかも国防の重大案件については、すべて国防会議に諮問をいたすということになっておるのでございますが、諮問をいたす総理が、たとえば防衛庁の方に原案を命ずる。その防衛庁の最高責任者は総理である。その総理が自分が議長をやっておる国防会議に諮る。そのことをまた内閣に諮るということになりますと、総理一人が幾通りかの役目をやるということになりまして、こういうあり方というものが、一体政治が軍事に優先するということになるかどうかということに非常に疑問を持つのでございますが、その点についてもう一度御回答を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/59
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060・船田中
○船田国務大臣 ただいまお話のような点は、結局総理の補助機関がどういう機構を持ち、どういう組織あるいは規模であるかということに非常に大きな関係を持ってくると存じます。今回国防会議法案を出すにつきましては、去る二十二国会において提出いたしました案と違いまして、この事務局を相当拡充いたしております。従って、これも先般ここで質疑応答かございましたときに申し上げたことでございますが、この事務局の活用によりまして、ただいま御懸念になられましたような御心配はなくなるのではないかと存じます。すなわち各省、各大臣、各庁から出て参ります要求、原案を、事務局において調整をし、そうして総理の決済を経て国防会議に諮問する、こういうことになり、また諮問したことに対する答申は、事務局においてこれを整理して総理の参考に資する、こういうことに順序をとって参りますれば、この事務局の活用ということによりまして、今横井委員の御心配になられましたような点は十分防ぎ得る。総理大臣の権限は強大でございますけれども、しかしそれぞれの補助機関というものが別になっておりますので、何もかにも全部総理大臣の独裁でやるというわけじゃございません。その補助機関の活用ということによりまして、今御懸念のような点は十分防ぎ得る、そうして政治優先ということはどこまでも実現し得るものと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/60
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061・横井太郎
○横井委員 なるほど事務局が相当なスタッフがそろいまして、総理のブレーン・トラストというような形になりますれば、そういうことも、言えるのでございましょうが、わずか十五人の、しかもあんな小さな事務局で、それができるかどうかということについて非常な疑問を持つものでございます。なるほどしかし発足当時におきましては、まだいろいろ整いませんけれども、少くとも十五人ばかりのこんな役人がそろわれたところで、総理のスタッフとしてやっていくというような、しかも各省から出て参ります案というものは専門家が作って持ってくる案である。それをこれはいかん、あれはいかんといって、それらのわずかな十五人の人間でやり得るかどうか非常な疑問を持つものでございやいすが、その点に関しまして、これをもっと拡大していく、来年度はほんの頭を出すだけだというような考えか、その点を一つ承わっておきたいのと、それから私が憂えるのは、総理が幾通りか役目を持って——専制な総理が出たら勝手なことをやって大へんだとよくおっしゃるのだが、私は逆に言うと、こういうように総理が幾通りかの役を持たれる、一人で幾つでも持たれるそのこと自体が、独裁者を作り上げる仕組みになっておりはせぬか、そういうように考えられてなりませんが、それも先ほどおっしゃった、事務局がしっかりしておればよろしい、こういうことも考えられますが、その点についてもう一度承わりたいと思います。ことに事務局の将来をどうしていくか、この点を一つ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/61
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062・田中榮一
○田中(榮)政府委員 国防会議事務局は、内閣の総理府の中に補助機関として置かれる関係上、便宜私からお答えを申し上げたいと存じます。仰せのごとくに、この国防会議は、本年度予算におきましては、わずかに局長以下十五名の者を予算に計上いたしまして、とりあえずこの十五名の者で発足いたすことになっております。しかしながらこの国防会議の事務局といたしましては、綜合計画を立てる上におきましてあらゆる知識を動員いたさねばなりませんので、これらの十五名の者ではとうてい不足であることは御指摘の通りであります。そこで政府といたしましては、この欠陥を補なうために、特に関係の深い防衛計画を樹立する上におきまして、またいろいろな防衛生産を検討する上におきまして、これに必要なる関係省の者を兼務いたさせまして、これによって十分に欠陥を補い、その機能を発揮していったらどうか、現在ではかような構想で進んでいるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/62
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063・横井太郎
○横井委員 政治が軍事に優先するという面でもう一つ疑問に思う点があるのであります。それは防衛出動の場合でございますが、防衛出動はなるほど国会の承認を経なければなりません。しかしながら緊急の場合には国会を召集するいとまがございませんので、承認を経ずして内閣の責任において出動するということになっておるのでございます。しかしそういう国会の承認を経なくてもよろしいという場合においても、国防会議にだけは諮問をいたさなければほらぬ仕組みになっておる。すなわち防衛庁法の第四十二条にははっきりうたってございますが、そうねりますると、この国防会議というものがむしろ国会に優先するというようなことにもなるのでありますが、この点をどういうふうに解釈しておいでになりますか、承わりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/63
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064・船田中
○船田国務大臣 防衛出動の場合において国防会議に諮問をする、しかしこの国防会議はどこまでも諮問機関でございまして、総理大臣に意見を上申する機関でございまして、その防衛出動の可否を決定する責任者は内閣総理大臣であります。それからまた緊急の場合において防衛出動をいたしました後においては、必ず国会の承認を得なければならぬということになっております。さような法規の建前から申しまして、国防会議が国会に優先するというような結果には毛頭ならぬと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/64
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065・横井太郎
○横井委員 今実は理事さんの方から、時間の都合で打ち切るようなことを言って来られましたので、やめてもよろしゅうございますが、実は国防会議が単なる諮問機関とおっしゃるのだが、これについても、この国防会議は意見具申をできるようになっておりますし、単なる諮問機関でないと思う。国防会議というものは重要視されると思う。その国防会議には諮らなければならぬ、国会には緊急の場合には諮らなくてもよろしいというようになっておる。こういう点について承わりたいと思いますが、きょうこれで一応打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/65
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066・山本粂吉
○山本委員長 午後は一時から再開することにし、暫時休憩いたします。
午後零時二十九分休憩
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午後一時四十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/66
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067・山本粂吉
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
駐留軍の基地問題等に関し、質疑の通告があります。この際順次これを許します。勝間田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/67
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068・勝間田清一
○勝間田委員 倉石労働大臣に、基地の協力謝礼金の問題について御質問をいたしたいと思うのであります。私の質問要旨に的確に答えていただきたいのであります。言い回しのような答弁をするような質問ではないのでありますから、その点はあらかじめお含み願いたい。
去る三月の二十八日に砂川に対して、政府は協力謝礼金を払ったようでありますが、その事実はあったかどうか、この点をまずお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/68
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069・倉石忠雄
○倉石国務大臣 砂川に対して謝礼金を出しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/69
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070・勝間田清一
○勝間田委員 この協力謝礼金をすでに出した範囲及び今後出すであろう範囲はどう考えておるか。この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/70
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071・倉石忠雄
○倉石国務大臣 事務的なことでありますから、政府委員の方からお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/71
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072・矢崎高儀
○矢崎説明員 砂川町関係の協力謝金を支払いました点につきまして申し上げます。ただいままで支払いましたのは二件でございまして、農地が二百四十六坪、宅地が六十七坪、これだけを払いました。金額は、協力謝金につきましては、おのおのが五万円ずつ都合十万円でございまいす。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/72
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073・勝間田清一
○勝間田委員 この協力謝礼金を出した法律的血根拠、予算上の根拠、この二点についてお尋ねいたします。大臣に一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/73
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074・倉石忠雄
○倉石国務大臣 協力謝金は防衛支出金という予算の項目から支出いたしてあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/74
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075・勝間田清一
○勝間田委員 防衛支出金からこれを出されたということでありますが、この防衛支出金から謝礼金を出さなければならない法的な根拠、すなわち現在の財政法、会計法上における法律的な根拠をどう考えておるか、この点を一つお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/75
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076・倉石忠雄
○倉石国務大臣 予算に計上いたしてあります防衛支出金のうちで、飛行基地参条約に基いて拡張して提供するというのが、この支出金の使途の目的でございますから、その目的の範囲で拡張を促進するために協力をしていただいた人に、謝礼金という意味で支出をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/76
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077・勝間田清一
○勝間田委員 謝礼金として出すという事柄でありますが、謝礼金の額及びその性格をきめる基準の根拠というものはどこに置いておりますか。この点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/77
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078・倉石忠雄
○倉石国務大臣 支出金で基地の拡張をやりますためにいろいろな経費が必要であることは御承知の通りでありますが、私どもといたしましては、この基地拡張に協力をしていただく人々に謝礼の意味で、協力ということに感謝するという意味で支出をいたしてあるのでありますから、結局当初の目的である基地を拡張するという範囲に含まれておる、こういうふうに考えて支出をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/78
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079・勝間田清一
○勝間田委員 協力というものの実態を一体どう考えておるか。その場合に、たとえば五万円とかいろいろの基準を云々されておるようでありますが、現在の会計法あるいは財政法のもとにおいては、その法律に基かねければ予算の支出はでさない、私はさように考えておるものでありますが、この謝礼金の根拠をどこに求めておるか、その点をもう一度お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/79
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080・倉石忠雄
○倉石国務大臣 行政協定に基く当方側の義務として、拡張をして提供するということを実行するためにできるだけの努力を政府はいたしておるわけでありまして、従ってその政府の義務を履行するために必要なる資金でございますから、これは防衛支出金の飛行基地拡張の経費の中に含まれておる、こういうふうに私どもは解釈をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/80
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081・勝間田清一
○勝間田委員 この謝礼金はいわゆる飛行場の拡張に直接要する費用、すなわちイニシァル・コストとして出されておるのであるか、補償として出されておるのであるか、あるいは間接な被害として出されておるのであるか、この謝礼金の根拠をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/81
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082・倉石忠雄
○倉石国務大臣 これは拡張をする経費の中でであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/82
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083・勝間田清一
○勝間田委員 拡張する経費の基準というものは今日まで幾多の事例がある。日本全国にわたるたくさんな軍事基地に対して、現在の農民は非常な犠牲を払って土地を提供いたしております。あるいはその他の建物を持っておる者、あるいは施設を持っておる者、多くの者がこういう被害を受けておるのでありますが、この際特に協力謝礼金というものを出す上においては、当然従来の協力者に対してもこれを行なっていかなければならないし、また同時に同じ被害存受ける者に対しては平等の行為がなされなければならない。私はそう思いますが、あなたの方はいわゆる平等の原則に対する協力謝礼金の使い方というものをどう考えるか、この点をお尋ねいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/83
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084・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府といたしましても、お説のように長年の間耕作をしておいでになった土地を提供していただくということでありますから、これに対してはできるだけのことをして報いねければならないことは当然なことでございます。その時価の算定などは双方の間に話し合いをいたして進めておるわけでありますが、この協力につきましては、すなわち先ほどから申し上げておりますような、政府の事柄を遂行いたしますために協力をしていただいたそのことに対して、経費として私どもは支出をして、この完成の促進をはかる、こういう目的が今回の謝礼の目的であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/84
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085・勝間田清一
○勝間田委員 これは特調に御関係の人は皆おわかりだろうと実は思うのです。特に事務当局の諸君はこの点は明白だろうと思うのでありますが、大臣に聞いておきたいと私が思っておりまするのは、今日までの補償あるいはいろいろの賠償を支払う場合に、いわゆる補償要綱、あるいは言うまでもなく特損法等々の法律に基いて的確にこれはなされておったのであります。協力謝礼などという支出は今日まで絶対にありませんでした。そうして厳密に、しかも非常な制約の中に幾多の補償がなされておったにかかわらず、今日特に砂川の問題とからめてこういう謝礼金というものを出すという上におきましては、今日までの一切の犠牲者に対して協力費を出すというならば、まだ私は公平の原則が成り立つと思うけれども、これに対するあなたの見解を私は一つ聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/85
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086・倉石忠雄
○倉石国務大臣 この施設の提供につきましては、先ほども政府の見解を申し上げましたように、政府が実行いたして参ろうとするこの飛行場の拡張に要する資金のうちで、先ほど御指摘の協力謝金というものも出ておるわけでありまして、なるほど先ほども私が申し上げましたように、従来もいろいろ犠牲を払っていただいたことに対しては、私どもといえども十分感謝の意を表しておるわけでありますが、今回このことをいたすようになりましたのは、このことを遂行するために、基地を提供していただくために御協力を願う方に、協力謝金という意味で支出をいたしますが、これは先ほども申しました通り、こういうふうにして日本の政府が条約上の義務を履行する、この飛行場拡張の経費の一部として私どもは取扱いをいたしておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/86
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087・勝間田清一
○勝間田委員 飛行場の、ということがあなたの一つの答弁の中の内容であります。このたびの飛行場の拡張の経費としてこれを扱う、一体飛行場及び飛行場以外のこういう問題についての区別をつけなければならぬ支出というものは、一体どこから出てきたのか、それをまずお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/87
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088・倉石忠雄
○倉石国務大臣 従来飛行場以外の施設につきましても、地元の御希望にできるだけ即応するように、いろいろな施策の面で地元が潤うようにいたしましたことは御承知の通りであります。そこで、今回は特に私どもといたしましては、この飛行場拡張のために協力をしていただく方に謝金を出すことがよろしいと考えまして、防衛支出金の中で支出をいたした、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/88
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089・勝間田清一
○勝間田委員 このたびの飛行場の拡張だけにこれを限る、こう理解してよろしいのか。もしそうだとすれば、その他との間に区別をつけた理由は一体どこにあるのか。その実態を私はお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/89
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090・倉石忠雄
○倉石国務大臣 別にこれはこれだけであるからということで、特に制限をせなければならないというわけではございませんが、私どもといたしましては、この飛行場の完成のために協力謝金を支出することによって促進をいたしたい、こういうことでありまして、どこまでもこれは支出金の中で支出をする、つまり飛行場完成の経費でありますから、この五つの飛行場の完成費として私どもは協力謝金の支出をいたした、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/90
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091・勝間田清一
○勝間田委員 飛行場の完成ということは、あなたの言う通りに私は解釈するのでございますが、私の聞いておるのは、他と区別をしなければならない根拠は一体どこにあるかということをお尋ねしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/91
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092・倉石忠雄
○倉石国務大臣 先ほど申し上げましたように、特に区別をしなければならない理由は私ども持っておらないのでありますが、勝間田さんもすでに御承知のように、今までもいろいろなことを地方の方に御迷惑を願ってやっていただくためには、公共事業その他で地方にお手伝いをいろいろいたして参っております。そういうような同じ考え方で、今回の飛行場については協力謝金という方法を考えた、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/92
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093・勝間田清一
○勝間田委員 従来の公共事業等に協力費というものを出したことがございますか、その点を一つお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/93
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094・倉石忠雄
○倉石国務大臣 私の言葉が足りませんで誤解を生じたかもしれませんが、いろいろ施設をいたしますために地元に御迷惑をかける地方については、土地の方々の御熱心な御希望などもあり、できるだけのことをいたした、こういうことを申し上げたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/94
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095・勝間田清一
○勝間田委員 私はあなたは少しも答弁をされていないと思う。軍事基地の接収を受けておるものは今回の飛行場だけでもありません。日本全国一律に、今日まで補償されたのは、それぞれの法的な根拠を持って、公平の原則に基いて補償がなされて参ったのであります。今回に限って飛行場についてこういう差別待遇をしなければならぬという根拠は一体何か。もしその根拠があなたの今言われるような根拠であるならば、その根拠はきわめて不明朗なものであるから、これをやめるなり、同じ原則が他の地域に適用されるなり、これを明確にしない限り、私は砂川に対する政府の政治的な策略がそこにあると断ぜざるを得ないのであります。一つ政府の責任ある答弁を聞かなければ、今日膨大な軍事基地を取られておる諸君に対する答弁になっておらないと私は確信するのですから、その点をあなたにお尋ねをいたすのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/95
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096・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府のただいまの考えといたしましては、五飛行場の拡張に協力謝金という方法を考えておるだけでありまして、その他の点については考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/96
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097・勝間田清一
○勝間田委員 あなたは少しも答弁をされていないのであります。すなわち、つかみ金でものをやろうと考えておるから、あなたはそこに区別の根拠が明らかにならないのです。Aには補償するがBには補償をしないという根拠は、実態上、法律上、あるいは予算上区別があって初めてその区別が成り立つのであります。法律上にも予算上においても区別がないものを区別をつけようとして支出するから、その支出については、今申しましたような、まことに不合理な支出の仕方になるのであります。だから私があなたに再々お尋ねをしておるのは、協力謝礼金を出さなければならない実態というものはどこにあるのか、飛行場と他の軍事基地とを区別しなければならない実態はどこにあるのか、現在の政府はそれをどういうようにきめておるのか。これが明らかにならなければ、謝礼金などというものを支出することは、財政法上においても大きな間違いであり、会計法上においてもこれは重大な違反を犯しておることになる。日本財政を政府の一点の乱脈によって欄乱しておることになるのだから、あなたは正直に私の質問に対して、特に区別をして飛行場に対する謝礼金を出さなければならない実態上の差異はどこにあるのか。その差異をあなたにお尋ねしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/97
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098・倉石忠雄
○倉石国務大臣 五飛行場について私どもが支出しようといたしておる協力謝金というものは、しばしば申し上げておりますように、防衛支出金の中で飛行場拡張に要する経費ということで支出をいたしておるのでございます。しかも私どもはこの五つの飛行場について、こういうことで支出をして拡張をいたしたいということでございますから、私どもとしては財政法上の違法ではない、こういう解釈のもとにいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/98
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099・勝間田清一
○勝間田委員 答弁がないのであります。私の問いに答弁していないのであります。Aという軍事基地には出さないで、Bという飛行場には出すという違いの根拠はどこにあるのか。その根拠が明らかにならなければ、あなたの主張というものは、ただ単にあるところには政府の思い通りに金を使う、あるところにはどうする、これでは今日まで補償を受けてきた何万という農民は一体どうなるのか。今後また飛行場のための土地を提供した者は謝礼金をもらうけれども、ほかの軍事基地のための土地を提供した者は謝礼金はもらえないというならば、これまた非常な暴挙といわなければならない。そこで特に今回の飛行場に謝礼金を出さなければならない根拠、こういう意味における根拠をあなたに聞きたいのであります。もしあなたが現在までのような言葉を繰り返しておるならば、私はそこに何らの根拠はないものと実は思う。その他のあなたに意図があると私は思う。これをはっきりしてくれなければ何方という農民に対して、政府は責任ある納得のいける答弁にねっていないと思うから、その差異を聞きたい。なぜそういう差別をつけたかという差異を聞きたい。その法律的な予算上の違いをあなたに聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/99
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100・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御承知のように、従来の基地につきましては、提供していただく方とこれを買い上げる方との間に、地価についての話し合いをいたしまして、それで納得していただいて提供を願っておったわけであります。今回はこの土地の価格と、さらに協力謝金というものを一定の基準で差し上げるということで話し合いをしておるわけでありますから、その間に何らの区別はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/100
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101・勝間田清一
○勝間田委員 従来のは納得いったから出さないんだ、今度は納得がいかないから出すんだ、これがあなたの、この謝礼金を出した根拠と見てよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/101
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102・倉石忠雄
○倉石国務大臣 納得がいかないからというわけではないのでありまして、納得していただく、今までのはいろいろ当事者同士で話し合いをして地価の算定が行われておりましたことは御承知の通りであります。そこで今度はこの五つの飛行場について、土地の価格は大体はっきりきまっておるところもありますし、まだきまらない地域もございますが、そういうことを御契約願うときに、協力していただく方に、協力謝金というものを差し上げるんだということでありまして、一向に差別はないと私どもは考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/102
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103・勝間田清一
○勝間田委員 それならあなたの論理はすでにもう違っております。先ほどは、今回の飛行場についてということであった。今のあなたの答弁存用いておると、納得のいったものといかないものとの区別である。今のあなたの答弁が、そのままあなたのほんとうの責任ある答弁ということになりますれば、今後の処置は飛行場とか飛行場でないとかという区別ではなくて、納得いかぬ者には出す、納得いった者についてはこういうものは出さない、こういうことを意味するものだと私は思うが、あなたにもう一ぺん突っ込んで聞いておきます。今後飛行場を拡張するについては、少くとも承知ので誉ない農民に対しては全部協力謝礼金を出す、こういうことに私は結論がなるとう思うけれどもあなたはどう思うか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/103
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104・倉石忠雄
○倉石国務大臣 どうも私が口下手でありますので、徹底しなかったようでございますが、納得しない者に出すということではないのでありまして、従来は両方話し合いの上で地価が算定されて契約をしておりました。しかし今度五飛行場についてはその補償費のほかに協力をしていただい方には協力謝金というものを差し上げるということをきめました。その協力謝金は防衛支出金の飛行場拡張費であります。こういうことを申し上げているのでございますから、将来の飛行物以外の地についてはどうかということになりますと、政府はさようなことを考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/104
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105・勝間田清一
○勝間田委員 そうするとあななは今度の飛行場に限り一体この協力謝礼金を作る、こういう言質になるように私は思う。そうなりますると、再々あなたにお尋ねするようだが、今度の飛行場に限り他と区別して協力謝礼金を出さなければならない根拠はどこにあるか。これに的確に答えてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/105
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106・倉石忠雄
○倉石国務大臣 た舟政府が五飛行場について一応こういうことをやろう、こういうことをきめただけでありまして、特に将来のものには絶対にやらないとか、あるいは将来もまたやるとかという方針をきめておるわけではございませんので、ただいまのところ五飛行場については、協力謝金というものを支出する考えでありますと、こういうことだけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/106
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107・勝間田清一
○勝間田委員 あなたはきわめて不明朗な答弁をここでされておるわけでありますが、その結果については私は重大なものがあろうと思う。そうするとあなたは、もう少し突っ込んで言いますと、砂川問題について飛行場の問題が地元民の猛烈な反対にあったので協力謝礼金で条件派をやりくるめていこうという策謀の金としてあなたは国家の財政支出をここに乱脈に使おう、こういう意味と解釈してよろしいと思うが、あなたはこれに対して反駁があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/107
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108・倉石忠雄
○倉石国務大臣 それは意外なことを承わるものでございまして、私どもといたしましては、毛頭そういうような考えはないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/108
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109・勝間田清一
○勝間田委員 あなたはそういう考え方は毛頭ないとおっしゃるのだから、私はもう一ぺんあなたにお尋ねしますが、もしそれに対して誠意ある答えがないとするならば、私は別途の手段をとらざるを得ない。特に協力謝礼金を飛行場拡張について他と区別をして支出する根拠というものは、結局あなたは答弁されてい拾い、こう私が解してよろしいか、もしそれがそうでないというならば、こういう差異があるからその実体に対して謝礼金というものが支払われるんだという根拠を聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/109
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110・倉石忠雄
○倉石国務大臣 非常にとり分けてそういうふうにおっしゃるから、そういうふうに聞えるようでありますが、返す返す申し上げておりますように、防衛支出金の中の飛行場拡張費という経費で支出をいたしておるだけでありまして、そのほかに別に私どもとしては他意はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/110
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111・井手以誠
○井手委員 ちょっと議事進行について……。委員長も先刻来勝間田委員の繰り返しの御質問でおわかりだろうと思うのでありますが、勝間田委員の繰り返しの質問に対して、調達庁担当の倉石国務大臣は的確な答弁をなさっていないのであります。同じことばかり繰り返されておる。これでは議事の円満なる進行ができませんので、一つ公平な委員長は、質問に対しては的確に答弁なさるように御注意を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/111
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112・山本粂吉
○山本委員長 ただいま井手委員のお申し出ごもっともと存じますから、どうか質疑の要旨を御理解の土、的確なるお答え存願うようお願い申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/112
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113・勝間田清一
○勝間田委員 今の委員長から特に発言があったことに対して、倉石国務大臣は——きわめて適切な動議であるという委員長のこの答弁に対して、一体あなたはもう一ぺん答弁をし直す意思があるかどうか、これをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/113
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114・倉石忠雄
○倉石国務大臣 それはどういう意味でございましょうか。私はあなたのお尋ねにお答えをいたしておるのでありまして、私どもの考え方は、先ほど来申し上げておりますように、五飛行場について土地を提供していただくことに御協力を願った方々に、協力謝金を出すということを決定いたしました、しこうしてこれは防衛支出金のうちの、飛行場拡張費という経費のうちから支出をいたしております。そして他の案件については、今日そういうことを考えておりません。こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/114
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115・勝間田清一
○勝間田委員 あなたはやはり依然として答弁されておりません。防衛支出金は御存じの通り、単に飛行場だけの問題ではございません。借上料にいたしましても、あるいは補償の問題にいたしましても、あるいはいろいろその他しかるべき基準に基き今日まで支出がなされておるわけであります。その防衛支出金の中で、今回の飛行場だけの問題について協力謝礼金を出さなければならない理由というものは、一体どこにあるか、この積極的理由をぜひ聞きたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/115
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116・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御承知のように、この飛行場に接近しておる土地というものは、他に代替してあげるというふうなこともなかなか困難な坊所であるし、なおまた勝間田さんもすでに御承知のように、政府としては非常に急を要する仕事でございます。そういうわけでありますから、政府としても早急にこれを完成しなければならない、こういうことではなはだ御迷惑な御協力を願う方々に協力謝金を支出する、こういう以外にお答えのいたしようはないかと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/116
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117・勝間田清一
○勝間田委員 現在の防衛支出金については、御存じの通り、あらゆる契約が一年間の契約になっております。たとえばものを借りるといった場合、土地を借りるといった場合には、年々これを更新しなければならぬのであります。そういう立場に立って今日いろいろの飛行場なり、またいろいろの演習場の使用が行われておるわけであります。これは今日緊急性という問題から見たならば、どれもすべて緊急性を持つ問題と私は解釈してよろしい。もしあなたが飛行場の問題と他の用地の問題との間において、緊急性の差があるということになりましたならば、この一年間更新の現在の軍事基地の問題については、農民に重大な警告を発しなければならぬと私は思う。今日まで農民から土地を奪い取った現政府、特調のやり方というものは、すべて緊急性に基き、やむを得ざるものに基きすべてが強行されておるのであります。私はそこであなたに、緊急性を要するという問題で、飛行場と他の用地との間に区別があるのかないのか、今御答弁のようにあるというならば、私はそれをはっきりここで答弁をしていただきたい。緊急性の差によって謝礼金が出された、こう解釈してよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/117
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118・倉石忠雄
○倉石国務大臣 そのことは勝間田さんも御承知のように、米国側と日本政府との間にしばしばいろいろな折衝がございますが、これについては当事者の見方にもよるでございましょう。緊急性の差はあるかもしれませんが、私どもの認定いたしましたところでは、五飛行場については特に促進を要する、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/118
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119・勝間田清一
○勝間田委員 某飛行場については特に緊急性があるとあなたはおっしゃいましたから、そこで砂川及び砂川以外の五、六カ所の軍事飛行場の拡張問題については、これは差別をつけて、砂川だけこれを出そう、こういうことに解釈してよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/119
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120・倉石忠雄
○倉石国務大臣 砂川だけ協力謝金を出すので、ほかは出さないかというお尋ねでございますか。(勝間田委員「緊急性の差があるか」と呼ぶ)それは五飛行場については協力謝金を支出する考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/120
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121・勝間田清一
○勝間田委員 その某飛行場についてというのは、砂川を意味するのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/121
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122・倉石忠雄
○倉石国務大臣 失礼、お聞き違いで、五つのことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/122
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123・勝間田清一
○勝間田委員 五つの飛行場については協力謝金を出す、こういうわけですね。そうなりますと、今日私はあなたに再々差別を聞いたのでありまするが、現在でも演習場内にすでに既設の飛行掛がたくさんある。富士山のふもとにおいて膨大な地域が占領されておりまするから、その中には同様に飛行基地が設けら木ております。こういう事態を考えてみるときに、同じ飛行場の中においても一体あなたは差別弄おつけになるというお考えであるか、この点を一つお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/123
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124・倉石忠雄
○倉石国務大臣 富士山麓のいわゆる基地内にある飛行場についても、そういう五つの飛行場一と同じように考えるかというお尋ねでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/124
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125・勝間田清一
○勝間田委員 日本全国には軍事基地がたくさんございますのは、あなたも御存じの通りであります。それは単に戦車が飛んで歩いたりするだけではない。その中には飛行場もたくさん設けられておる。現在の五ヵ所だけが飛行場ではございません。そういう地域と今度の五カ所の飛行場の区別をつけねばならぬという根拠は薄いと思う。ないと私は思う。他の飛行場と五飛行場との間に区別をつけるのかつけないのか、これを一つお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/125
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126・倉石忠雄
○倉石国務大臣 申し上げました五つの飛行場は非常に促進方を要望されておりますので、ただいまのところ政府としては、五つの飛行場だけに限って考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/126
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127・勝間田清一
○勝間田委員 あなたの考えておることは、その飛行場を特に急速度に作らなければならぬから、この点については他と差別をつけて、根拠のない謝礼金というつかみ金を特にここに出そう、こう解釈してよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/127
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128・倉石忠雄
○倉石国務大臣 根拠のないつかみ金というのは、私どもの考え方から見ると、当っていないと思います。この五つの飛行場について、私ども政府としては協力謝金を出すという考えを持っておるだけでありまして、将来のことについては、なお同じようなことをやるかやらないかということについては、ただいま何の考えも持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/128
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129・勝間田清一
○勝間田委員 私はそこであなたに一つ政府としての責任ある答弁を聞きたい。われわれ今日まで軍事基地の問題と幾つか当面いたして参りましたが、特にあなたが五つの軍事飛行場を早急度に拡張しなければならない国際的の取りきめというものは一体何ですか、私はそれを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/129
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130・倉石忠雄
○倉石国務大臣 そのことは外務大臣にお尋ね下さる方が正確ではないかと存じます。私の方はそういう促進すべきものであるという要請によって調達の事務をやっておるわけでありますから、外務大臣にお尋ねを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/130
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131・勝間田清一
○勝間田委員 政府に私は答弁を求めております。五つの飛行場を特に急速度に拡張しなければならない外交上、国際上の要請の実態というものを、私はここに答弁を内閣委員会で要求したいと思います。現在の倉石国務大臣ではその答弁ができないそうでありますが、私はその日除土の取りきめ、約束というもの、あるいはその実態というものをあなたから答弁していただかなければならないことになろうと思います。これ一つあなたに要求いたしておきます。
それから倉石担当大臣として、こういう区別をつけて他の軍事基地が一体円満に遂行されると思うかどうか、あなたにそれをお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/131
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132・倉石忠雄
○倉石国務大臣 御承知のように、政府といたしましては、行政協定に基く約束として提供をいたすわけでありますから、そういう提供をするという約束をいたしました国策に対しては、国民の皆様方によくその事情を理解していただいて、御協力を願えるものであると期待をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/132
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133・勝間田清一
○勝間田委員 倉石労働大臣は当然の処置をとっておると私は思うけれども、この協力謝礼金を支出するに際して、会計検査院及び法務省、この両省との打ち合せがなされて、了解がなされたのかどうか、これを一つ聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/133
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134・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府におきましては、法律上の検討をいたしまして遺憾なきを期するようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/134
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135・勝間田清一
○勝間田委員 法律上の検討をされて遺憾なきを期したということでありまするから、謝礼金を出した法律上の根拠としては、いかなる根拠をもつてお出しになっておるか、これを今あなたの御答弁に対して私はさらに、法律上いかなる解釈をもって支出されておるか、その適用をはっきり聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/135
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136・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府は先ほど申し上げましたように、予算に計上いたしております防衛支出金の中の飛行場拡張費、この費目で支出をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/136
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137・勝間田清一
○勝間田委員 法律の根拠は結局あなたからは示されなかった。予算上の費目として、飛行場拡張費という中から支出するのでありましょうが、その支出するのに対して、それを行わなければならない予算上ではなくて法律上の、いわゆる法によらざれば国家は支出することはできない。その法律によらざる支出ということでありますから、私はあなたの法的な根拠をお伺いしておるのであります。予算上の根拠は、防衛支出金の費目として出すが、それを支出しなければならない法律上の根拠をどこに求めておるか、適用をどこに求めておるか、あなたにそれを聞かなければ——予算にあるから何でも出せると思ったら大間違いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/137
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138・丸山佶
○丸山政府委員 この件につきましては、この前当委員会ですでに申し上げましたように、協力謝金は五つの飛行場拡張ということを円滑に進めるための必要な行政措置と考えております。従って格別にどの法令によって出さなければいかぬというものはございませんで、行政措置として必要なものである。しかもそれが防衛支出金のうちの飛行場拡張経費、これの——なお特別施設に対する協力謝金という目を作りましてやっておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/138
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139・勝間田清一
○勝間田委員 あまたは結局法的な根拠はない、行政上の措置としてこれを便宜出したにすぎない、こう答弁されたように聞くが、一体それでよろしゅうございますか、政府委員にお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/139
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140・丸山佶
○丸山政府委員 法令上これを女出すべしという法令はございません。しかし行政上必要だというその措置に関しましては、予算において認められておる限り支出して差しつかえないものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/140
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141・勝間田清一
○勝間田委員 法令というむのは、あなたも御存じの通り、その実体がなくして単に行政上ならば何でも支出してよろしいというならば、今日国会は要りません。それを便宜あなたの方で行政上の措置としてこれをからめてやっておるところにこの問題の中心があるのです。そういう乱脈な予算の使い方そのものに問題があるのです。そこに大きな政治的な問題があって、この前も、あなたも御存じの通り内灘においては変な妥協で変な支出を行なってやりました。これが天下の軍事基地問題に重大な影響を及ぼしたことは御存じの通りだと私は思う。今度また砂川問題を中心としてこうした切りくずし政策をとって、一部の者にはこれを出すが、他の者には出さない、こういう分裂政策をとってやっていくところに、現在法律もなければ基準もない、そういう政策にこういうものが乱用されることに対して私は国家の予算及び法律に基く支出、このすべてに対しての大きな撹乱が現政府によってなされておると私は断ぜざるを得ないのであります。そこで幾たび聞いても結局実体を一明らかにいたさないのでありますが、しからば一体この協力謝礼金の基準はどういう基準でもってやりますか。倉石大臣に一つお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/141
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142・丸山佶
○丸山政府委員 基準について大臣にかわって私から答弁させていただきます。この基準に関しましては閣議の了解に基きまして調達庁長官が定める。この調達庁長官が定めました基準は、概略土地、建物に分けまして、土地に関しましては一反歩未満の所有者、耕作者の方には五万円、それ以上六反歩までを上区別しておりまして、六反歩以上は三十五万円、これらの基準を作っておりますが、これはいずれも予算とにらみ合せ、関係の方の協力の程度を勘案してきめたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/142
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143・勝間田清一
○勝間田委員 今あなたは土地の問題について、どういう土地を対象にして一体お話になったのですか。土地の所有権を持って耕作権を持っておる者、土地の所有権はあるが耕作権を持たぬ者、土地の所有権はないが耕作権を持っておる者、現在の農地法に定めるところのいろいろの権利がそこにあるわけであります。そのいろいろの権利に基くいろいろのクラス、段階に対して的確な基準が私はあってしかるべきだと思うのであります。あなたはその内容についてもっとはっきり言う必要がある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/143
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144・丸山佶
○丸山政府委員 お説の通り所有者、耕作者、それから所有者ではあるが耕作をしておらない者、それからその他の土地あるいはそれに関する権利者、こういうものの区別をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/144
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145・勝間田清一
○勝間田委員 そこで差異があることはわかりましたが、所有権を持って耕作権を持っていない農地に対しては一反未満五万円、あるいはその次の段階十万円等、クラスを設けておりますが、こういう五万円という基準は一体どこから出たのですか。これがかすなわち法律に基かざる支出というものの実体であります。五万円の計算の基礎は何か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/145
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146・丸山佶
○丸山政府委員 これは予算とにらみ合せ、それから協力の程度を勘案しまして、この程度をもって御協力を求めるならば至当であろうと考えたところから割り出したものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/146
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147・勝間田清一
○勝間田委員 五万円の基礎というものは、予算とにらみ合せてこれが妥当だと思うということならば、まだ理屈は成り立ちますが、それならば耕作権を持っておる者と地主との間における差異というものは、一体どこから基準が設けられたのか。あなたは農地法を御存じだと私は思う。農地法においては所有権に対するものと耕作権に対するものと分離して、その基準というものもしかるべき委員会のところで決定しておるのが今日の状況であります。そこで私あなたにお尋ねしたいのは、今度五万円というものは、そうつかまえられた見当だ、それならば耕作権と所有権との間の区別はどうつけたのですか。その基準は何か、これを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/147
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148・丸山佶
○丸山政府委員 耕作者——所有しておりまして耕作しておる状況を最も原則的な状況と考えまして、基準を置きまして、耕作者ではないところの所有者は別に一律に五万円といたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/148
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149・勝間田清一
○勝間田委員 あなたの答弁の中にまだ入っていないのは、所有権は持たないが耕作権を持っておる者については、いかなる補償をなさるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/149
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150・丸山佶
○丸山政府委員 所有者で耕作者である者、それから耕作者ではないが所有者である者、それからその他その土地の関係人、こういう工合に分けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/150
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151・勝間田清一
○勝間田委員 その他土地の関係人とは一体何だ。あなたはこの中で耕作者を認めておらない。所有権はないけれども、耕作権を持っておる者を認めておらない。これは現在の農地法において、耕作権は認められておるのです。一体これはどういうわけか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/151
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152・丸山佶
○丸山政府委員 耕作だけの権利者には五万円という基準を置いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/152
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153・勝間田清一
○勝間田委員 時間がありませんのでまことに残念ですけれども簡単にします。今のあなたのお答えによりますと、五万円というのは所有権があって耕作権を持っておる者に対して五万円とあなたは答えたのであります。所有権を持たないで耕作権だけ持っておる者に対しては一体幾ら出すのか。小作人に幾ら出すのか、はっきりそれを言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/153
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154・丸山佶
○丸山政府委員 お答えいたします。小作人、つまり耕作を現実にしておる方、これが一番最初に申しました五万円を最低といたしまして、三十五万円まで出す、こういう基準でございます。なお詳しい資料は差し上げているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/154
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155・勝間田清一
○勝間田委員 私は耕作をしておる者を聞いておるのではない。耕作をしておる者には二つあるわけです。所有権を持って耕作する者、所有権を持たず耕作権だけで耕作しておる者とある。それをあなたは五万円、五万円と言っておるけれども、五万円は所有権者であって同時に耕作者である者を五万円に見ておる。そこであなたにお尋ねしたいのは、所有権はないが、耕作権を持っておる小作人には幾ら出すのか。同じ五万円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/155
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156・丸山佶
○丸山政府委員 所有権を持たずしても、耕作を現実にしている方は同様に五万円以上三十五万円としてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/156
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157・勝間田清一
○勝間田委員 そういう答弁はこれは政府としては非常に——私はこれ以上お尋ねいたしませんが、耕作をしない農地権者すなはち所有権者には一律に五万円出すとあなたの方では答弁されておる、耕作権を持っておる者に対しては言っていないのです。そこであなたの方の基準というものは明白にはきまっていないと私は思う。つかみかねたからこういうことをやるのです。それで私は閣議決定に出された文書を要求します。一体どういう基準によって謝礼金を支払われるということを閣議は決定しておるのか。この記録を私は政府に要求いたします。これは委員長においてしかるべくお取り計らいを願いたい。
そこでとこかくそれは要求いたしておきますが、なお私はあなたに聞きます。所有権者と耕作権者あるいは所有権を持っておる耕作権者というものに対して、それぞれの段階をつけた根拠はどこにあるか。これは決して単なる見せ金ではないはずです。いわゆる耕作権に対する補償とか、耕作権に対する謝礼金、あるいは所有権に対する謝礼金、あるいは所有権、兼耕作権に対する謝礼金ということになりますと、そこに実体があるわけです。所有権という実体がある。耕作権という農地法の実体がある。その実体によって謝礼金というものが生まれてこなければ、謝礼金というものはただ架空な握り金になる。そこでほんとうに五万円出してしかるべきであるところの正当な理由を立てるためには耕作権に対する認定、所有権に対する認定の法律的基礎がなければ計算できないはずであります。そこで謝礼金を出すのに、こういったランクをつけていくというところに、法律的なジレンマがあるわけです。従来の補償制度から持っていきますならば、耕作権に対する補償を幾らにすべきか、たとえば小作料によるべきである、類推価格によるべきである、そこに実体があるから、実体に対する補償かできるのです。謝礼金というものを出して、しかもそこに段階を設け、所有権、耕作権等とに区別をつけるということになってくると、ここに法的な実体が何らない支出ということになってくるのです。そういうべらぼうな支出をやっているから、十万円でもよければ四万円でもいい、百万円でもよければ五十万円でもいいという、いわゆる見せ金、逃げ金の乱脈な予算の使い方にねるので、少くともここに法律に書かねば予算を支出してはねらないという原則が成り立ってくるのであります。それを今日無視いたしまして、単に砂川の問題を中心として謝礼金を出すということについては何らの根拠もない、政治的な謀略にすぎねいということが、私はここにはっきりわかると思う。こういうことをもし今日政府が行なったとするならば、私は日本全国の農民諸君がすでに臥薪嘗胆をして農地を提共しておる人、あらゆる権利を失っておる人に、当然この謝礼金と同様の請求権というものが生まれてくると確信いたしまするが、私はこの問題に対して、倉石労働大臣に最後にこの点を明白にしておきます。あなたの答弁はおそらくそういうことにはしないというであろうけれども、こういう支出を行なった上においては会計法上、財政法上、法律上、予算上当然他の地域に対しても支出するか、しからずんばこういう一切の支出はやむべきである、むしろこういう支出は断じてやめて、謀略をやめて法律に基く、基準に基く支出を当然行うべきであるということを私は強く主張しておきます。
以上私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/157
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158・山本粂吉
○山本委員長 西村力弥君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/158
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159・西村力弥
○西村(力)委員 倉石労働大臣にお尋ねします。三月の二日に都知事をまじえて地元の代表とお会いになられて、その際砂川を実際に視察といいますか、現地に行きまして反対派の諸君とじっくり懇談をする、こういう約束をせられたそうでございまするが、それは事実でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/159
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160・倉石忠雄
○倉石国務大臣 砂川の問題につきましては、私が就任以来心配いたしておりまして、これは何とか円満に一つ解決をしたいと思いましたところが、昨年の募れに安井東京都知事がもう一ぺん今度は自分が公平な立場で、都知事としてあっせんしてみたいというお話がありました。これはまことにありがたいことであると存じまして、お願いをいたしました。そこでいわゆる反対派の方々が私と会見をしようということを先方からお話がありまして私もお待ちいたしておりましたが、ついにだんだん延び延びになりました。そこで日は忘れましたが、ある日、多分三月だと思いますが、都知事のあっせんで反対派といわれる町長、町会議員、町会議長その他の方がおいでになりましてお目にかかりました。それで政府の考えはどうかということでありましたから、政府としては行政協定に基く条約上の義務であって、国土防衛にもぜひ必要なことであるからこれは遂行していく考えである、そこで多年の間住みなれ、耕作された方々が土地を失われるということについてはまことに私どもも御同情にたえないから、国としてもできるだけのことはいたしたい、さらにまた現地の状況を私もよく見て、そしてしろうとではありますけれども、東京都知事とも御協力の上に、そういう御迷惑を土地にかけるのでありますから、土地の将来の発展のために、できることならば何か一つ考えてみたいと思う。こういうことを申しました。非常によくわかっていただきまして、政府がそういう決意であり、事情またやむを得ないことであると思うが、今すぐどうこうということは言えないから、とにかく一ぺん現地も見てもらいたいということでありました。そこで現地に参りますとまた新聞記者諸君が追っかけたり、地元でたくさんおいでになって騒がしくなってもいけませんから、無警告で二、三週間前の日曜日に、調達庁の人たちを伴ってつぶさに現地を見て参りました。寄りましたところは調達庁の事務所だけで、他にはどこにもお顔出しませんでしたが、現地をよく調査をいたして参りました。こういうことであります。もうすでに行ってきました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/160
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161・西村力弥
○西村(力)委員 それは約束がちょっと違うように私は伺ったのですが、三月二日にはとにかく現地の飛行場を見るというだけではなく、地元民ととくと話し合いをするという立場で約束をされた、こう聞いておるのです。それをお忍びで参りまして、それで約束が果されたということにはならないと私は思うのです。それから地元民と話をするために再度おいでになる、そういうお気持はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/161
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162・倉石忠雄
○倉石国務大臣 地元の状況につきましては調達庁もよく事情を知っておりまして、前大臣からもいろいろ詳細に引き継ぎを受けております。それでもなお百聞一見にしかずというので拝見をいたしに参ったわけであります。これは東京都知事が両者の間に入っていろいろあっせんをしていただいておるのでありますが、さてどういう名案もなかなか出てこないようでありますから、私が現地に行きましていわゆる反対派の地元の方々と会見をしても、そこで何らかの成案が出てくるものではないと思いますので、そういいうふうに地元の方々とそういうことのために地元でお目にかかるということは、大した益がないのではないか。現地の状況を見てくれということでありましたから、現地の状況を実際に当って拝見をしてきた、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/162
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163・西村力弥
○西村(力)委員 その際に——といいますのは三月二日現地を見る、あるいは現地民と話し合いをするという約束をなさいましたときに、それまでは現状について進展はしない、変更はしないということを約束せられたということでございます。ところがその後協力謝礼金なるものを支出して、強く現地の人々を刺激しておる。これはそのときの約束とはっきり違うと思うのでありますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/163
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164・倉石忠雄
○倉石国務大臣 私はその地元の方々とそういういろいろな具体的なことをお約束はいたさなかったと思います。つまりその当時すでに役所の内部にも、あるいは関係者方面でも、これはとうていいたし方がないからして、収用委員会にでもかけて最終的なお話を願うよりしようがないのではないかという意見がだいぶ出ておりました。それからまた私が会見いたしました前の日の地方の新聞などにそういうことが出ておったように、そのときお目にかかった地元の方のお話にもありました。そこで調べてみましたらそういうことはありません、せっかくお目にかかったのだから、何しろ私が地元に行って実地に見てくることと、同時にまた東京都知事もさらにあっせんを進めていただくであろうから、そういう状況の進展を待って何らかの考えをきめたい、それまでの間は収用委員会に持ち出すというふうなことは私は延期してもらいたい、こういう考えでありましたから、そういうことは申したつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/164
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165・西村力弥
○西村(力)委員 私は小林町会議長から直接聞いたので、実際現地に行って視察をし、話し合いをするまでは現状に何らの変更を加えない、こういう約束であった。この場合には都知事一も立ち会っておるわけでありますので、今御答弁されたこととはいささか違うと思うのでありますが、せっかくこういう約束をせられたに対して、最も刺激の強い協力謝礼金を出すということは、やり方としてあまり賢明なやり方でないのじゃないか。この際協力謝礼金を撤回して、そして地元の人々と会ってみるという大臣としてのお考えはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/165
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166・倉石忠雄
○倉石国務大臣 協力謝金を出すことについては、都知事のあっせんでお目にかかりましたときにすでに決定した方針でありまして、そのことをやめるというふうな話はそのときは出ておらなかったと思いますし、このことはすでに賛成をしていて下さる方の方々の御要求もほかの方面からしばしばございますので、政府としては、すでに賛成しておられる方々に対する措置は、やはり責任上だんだんとしていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/166
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167・西村力弥
○西村(力)委員 大体大臣のお考えはわかりましたが、ついでにお聞きしておきたいのは、小牧飛行場にはこの種の協力謝礼金は支払ってあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/167
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168・丸山佶
○丸山政府委員 支払ってございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/168
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169・西村力弥
○西村(力)委員 その基準については先ほど勝間田さんからありましたので私はやめにしておきまするが、私有財産権を侵す場合の憲法上の根拠は第二十九条だけです。第二十九条に、財産権を侵害する場合には正当なる補償をということが要件としてあげられておるわけでございます。それで今回の謝礼金は正当なる補償のワク外とするならば、これは明らかに二十九条の正当なる補償を飛び出した行為であるといわざるを得ないわけでございます。ところがそうではなくて、拡張のための費用だと言うのですが、拡張のための費用だというならば、個別支払いはなしてはならないはずじゃないか。正当なる補償ならば、それぞれの権利を侵害される人々に支払うべきが当然であります。この関係をどういう工合に大臣は解釈せられるか、御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/169
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170・倉石忠雄
○倉石国務大臣 防衛支出金のうちの飛行場拡張費として支出をいたしますものは、今お話のように、個々の方々との土地または家屋の売買の契約が行われますから、その個々に払われる。しかし今申しました防衛支出金のうちからこの飛行場完成に要する経費として私どもが協力謝金を支出いたしておるのでありますから、ただいま御指摘のように個々に支払うことはいけないではないかということについては、私どもはさように考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/170
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171・西村力弥
○西村(力)委員 私は今の答弁では全然わからないのでございますが、先ほどからだんだんと判明してくる通り、またわれわれが指摘する通り、これは何らの根拠を持たない、単に市井一般人がやるようなブローカー的な包み金以外のものでないのだから、どうも納得されるような根拠のあるものにはならない。押し問答を幾らやってもしようがないようでございます。
次に聞きたいのは、政府が行政措置としてこれは緊急なものだ、必要なものだ、こういう場合に、その自己流の判断でもって金が支払われる。しかも権利を侵害される多くの人々に差別をつけられるということになれば、これは政府オンリーになるでしょうし、また政府の考え方に対して協力をしない者にははっきりと差別をつけられるということは、悪くいえば、政府の立場からいえばこれは悪い者という形になってしまう。こういうことは、現在の民主主義下においては認められないことじゃないか。個人の立場と政府の立場、国の立場は対等でなければならない。だから政府が企図したことに協力する者に対してはよけいに経済的な恩恵が与えられる、そうでない者は不当なる差別待遇を受けるということになれば、常に政府の方針あるいはやり方は正しいものだということが前提となる。これは、民主主義を守る立場からいうて警戒しなければならぬことだ。私はそう強く今回の協力謝礼金について感じておる。大臣はその点に対してどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/171
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172・倉石忠雄
○倉石国務大臣 政府のいたしますことは、国会によって御決定を願いました日米安全保障条約に基く行政協定による義務を果すわけでありますから、これは国家の意思であると私は存じます。その国家意思を遂行いたして参るのに、ただいままでここでお話し合いのありましたような処置をとってその遂行を促進する、こういうことでございますので、一応私どもは、政府のやっておりますことは、皆さん方に支持をいただいておることである、こういう確信のもとに進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/172
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173・西村力弥
○西村(力)委員 そういう考え方ですと、やはりファッションの気分を私たちとしては認めざるを得ないわけなんです。政府は、行政協定に基いて義務履行という形でやるのだと言いまするけれども、そういうものがあろうとなかろうと、個人の財産権は厳として存在し、それを守ろうとすることは固有の権利として確保されていなければならない問題なんだ。それを主張することに対して、政府の意思で、何も法に基かずして拘束することはできないはずだ。これは常に国家の意思は優先するものだという立場をとり得るのだとすれば、まことに危険しごくな点があるのじゃないか、こういう工合に感ずるのです。協力謝礼金はそういう考え方に通ずる財政措置であるといわざるを得ないがどうでしょう。反対派の連中は、土地収用法であとでとられる、あるいは協力謝礼金は出ない、初めから、わずか三反歩とか一反歩くらいの土地だからしようがないといって協力する、これは犠牲が少いから協力する、そういう者には特別の措置を行なって、そうでない者には不当なる措置をする、これは、おれたちのいうことを聞かないやつは悪いやつだ、聞くやつはかわいいやつだという考え方がある。これはわれわれが痛いほど経験させられたことなんです。こういう考え方は今の民主的な鳩山内閣はとってもらいたくない。私は、協力謝礼金はストップすべきだろうと思うが、いかがでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/173
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174・倉石忠雄
○倉石国務大臣 国家といえども個人の権利を尊重しなければならないということは、全く西村さんと同感であります。そこで、そうではありますけれども、今政府のやろうとしておりますことは、国家義務を遂行いたしていくのであり、またわが国の防衛上必要やむを得ないことであるから、早く一つ御協力を願いたいということについて、政府があらゆる努力を続けて参りましたことは御承知の通りであります。しかし今御指摘のように、ある程度の段階にきていけないならば、それは個人の所有権といえども、公共のためにこれは提供しなければならないといったような措置をとることもできることは、今お話のあった通りであります。でありますから、私どもといたしましては、そういうことをやらないでも円満に一つ話し合いをして、提供を願って国家目的に御協力願いたい、こういうことでただいまお話ししておるわけでございますから、協力を皆さんがしていただくことになれば、もちろんこれは皆さんに差し上げることにして円満にまとめたい、こういう考えは依然として変っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/174
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175・西村力弥
○西村(力)委員 私のファッショ国家体制への移行に対する懸念は、大臣も大体同感のようでございまするが、それではいよいよの段階になって、収用法のだんびらを抜いて収用する、こういうことになった場合受ける損害、結果的にいって飛行場を完成するということに対して協力したという形で受ける損害というものは、これは最初から協力した人でも、収用法でとられた人でも、個人の権利の侵害、損害を受けるということは同じなんです。そういう場合に収用委員会の議を経て収用になった場合でも、やっぱり最後には、もうろうとした基準ではあるが、そういう基準に基いた謝礼金というものをつけ加える、こういう工合にやってもらいたい。そうでないとこれはまことにへんぱな、私の懸念するような傾向がはっきり出てくるわけでございますので、大臣としてはいやではあるけれども、強権によってやった最後においても、そういう人々に対して同じ取扱いをする、こういう言明をやってもらいたいと思うのですが、これはいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/175
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176・倉石忠雄
○倉石国務大臣 私どもも、いずれの方法にしろ、御提供願う皆さん方に対しての御迷惑は、十分了承いたしておるところでありますが、ただいまのお話のように、やむを得ずして収用委員会の議を経て処置するような段階になりましたときにおいて、その方々に協力謝金を出すということは不可能だと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/176
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177・西村力弥
○西村(力)委員 それは収用する経費としてはなお一そうかかっているはずです。個人々々としてもかかるでしょうし、政府側でもかかるでしょう。拡張のための経費としてこれを支出するのだという最初の言によれば、むしろあとの方の経費として支出しなければならぬ、こういうことになるではありませんか。だからこれは包み金でやって、陰謀を内包している切りくずしの目くされ金だ、こういうふうに受け取らざるを得ないということになるのです。最初拡張のための経費として支出するというのでございましたので、これは当然収用法に基いて、その結果収用した場合においても同然に支給すべきだ、こう思うがいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/177
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178・倉石忠雄
○倉石国務大臣 しばしばこの委員会でもお話し合いがございましたが、政府といたしましてはなるべく話し合いで円満に解決をいたしていきたいということで、支出金の中から協力謝金というような制度も考え出したようなわけでございます。これは事態をしげからしめるようなことのないようにぜひやっていきたい、こういう熱願から出たことであります。従ってこれからでも、よく西村さんもおわかりでありますから、幸いにあなた方の御援助によって、みんなが協力派に回っていただければ、これは私どもの願ってもない仕合せでございますが、どこまでもやはり御反対であるというお立場をおとりになって、収用委員会にかけざるを得ないということになってからでは、やはりこれは協力というわけに参りませんので、協力謝金というものは支出いたしかねるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/178
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179・西村力弥
○西村(力)委員 それは私たちは地元次第なんです。反対するも賛成するも地元次第です。私たちにそのことを要求せられても、それはどうにもならない。やはり大臣は、協力謝礼金というようなそういう刺激するようなことはやめて、地元の人と取り組んで、そして話し合いをつけるという努力をしてもらわなければねらないと私たちは思う。ぜひそう願いたい。こっそり行かれて、そして飛行場の中を歩いて爆音を聞かれただけでは、ほんとうの地元の反対する気持や受ける被害、そういうようなことに対する正しい認識は、いかに烱暇なあなたでも不可能じゃないかと思うのですから、私はそういう工合にやってもらいたいと思う。いろいろ押し問答を繰り返しても何ともしょうがない状態でありますが、私たちは、やはりこのことは相当重大な問題だ、国家資金を、こういう一方的行政措置として、政府の意図次第で、法律に基かずに支出するというようなことが認められるということはいけないとともに、また国家意思に協力する者だけが善であり、自分の固有の権利を主張する者が悪だと、こういう考え方に立って政府が政治をとられるということがここに現われようとしている。私はこの点を最も大きく懸念するものでありますが、別の方式で、この政府の正しくないやり方に対しては私たち対抗しなければならぬ、こう考えているのです。
ついででありますので、会計検査院の院長さんにお尋ねいたしまするが、私が会計検査院審査規則で、この協力謝礼金の件について審五要求をいたしましたところが、私は利害関係人でないからといって検査院は突き返して参りました。その次に砂川の直接の犠牲者である宮岡君が出しましたが、協力謝礼金は支出になってい広いから、これを受け付けるわけにいかぬといってまた返された。しかし今度は事案支出になっているのですから、会計検査院の判断というものは今度はあるはずだと思うのです。その協力謝礼金の支出について、会計検査院としては妥当であると思うかどうか、これは政府から独立した機関として、あなたは院長の立場でその判断をここに述べてもらいたい、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/179
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180・東谷傳次郎
○東谷会計検査院長 ただいま御質問でありますのでお答えいたしたいと存じます。西村さんのお名前の審査要求を受けた記憶はないのでありますが、先月でありましたか、富岡さんですか、そういう名前をもって審査要求があったわけであります。審査要求は、御案内のごとく会計検査院法第三十五条によりまして、国の会計事務を処理する職員の会計経理の取扱いに関し、利害関係人から審査の要求があったときは、これを審査するということになっておるのでありますが、先月提出になりました審査要求は、そのとき調べさせたのでありますが、まだ支出になっており委せんので、支出になったものについて利害関係人からの審査要求があれば審査をいたすことになっておりますので、まだ法的要件を備えておりませんので、そういう意味の御通知を申し上げたのであります。それからなおただいま、第三番目といいますか、第二番目といいますか、宮岡氏の名前で審益要求を出したということでございますが、だだ私どもは受け取っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/180
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181・山本粂吉
○山本委員長 西村君、ちょっと御相談ですが、倉石労働大臣はもろ約束の時間を三、四十分超過しておりますが、倉石労働大臣に質問がなお稲村君、石村君から多少あるようでありますから、会計検査院等の御質疑はそのあとに願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/181
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182・西村力弥
○西村(力)委員 一つだけ会計検査院長に伺いたい。宮岡君が支出後に審査請求をやったことがまだお手元にまで行かないらしいのでございますが、事実今の大臣の御答弁にあるように、支出になっておるのです。そろしてまたずっとそこでお聞きになっていらっしゃるのだから、いかなる性質のものであるかも十分納得がいかれたと思う。今お聞きになった範囲において、会計検査院の院長としては、どういう判断をなさるのですか。それを一つお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/182
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183・東谷傳次郎
○東谷会計検査院長 審査要求が参りまして、そうして協力謝金の支出の状況を検査をいたした後でありませんと、的確なる審査判定ができないと思うのであります。そういう状態でございまして、まだ審査要求も実は手元に届いておりません。それからなお協力謝金に対する支出はあったということでありますけれども、会計検査院への計算証明というものは来ておりませんので、ただいま直ちに、どういう判定をするか、どういう審査の決定をするかということは、申し上げかねる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/183
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184・西村力弥
○西村(力)委員 まだ支出の何があなたの方に行ってないというが、常時会計の検査をやるのがあなた方の責任だろうと思う。会計検査院法にそういう規則があったじゃありませんか。だからむしろ、要求せられて、その件に関する検査院の機能を発揮する、こういうことをぜひやっていただきたいと思うのであります。いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/184
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185・東谷傳次郎
○東谷会計検査院長 まだ私の方に計算証明がないということを申し上げますと、えらいおくれておるというようにあるいはおとりかもしれませんが、当局においては、支出をいたしまして、当月分をまとめて、翌月もしくは翌々月に会計検査院に到達するように、提出します。まだその運びになってないということを申し上げておるのであります。参りますれば、ただいま西村さんのお示しのように、会計検査院法にも常時検査するということになっておりますので、検査をいたすということは当然でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/185
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186・山本粂吉
○山本委員長 稲村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/186
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187・稻村隆一
○稻村委員 私新潟県飛行場拡張問題につきまして、ちょっと倉石大臣と調達庁の方に聞きたいのです。
去る三月十日に新潟県商工会議所会頭の名前で北村新潟県知事を通じまして、今の飛行場は、工業用地として最も大切なところだから、ほかに移転してもらいたい、こういうアリソン大使を通じてダレス長官に取り次いでもらいたいという請願書を出したわけです。ところが三月二十六日付アリソン大使より北村知事あてに手紙が参りまして、「新潟におけるアメリカ合衆国空軍基地に関する一九五六年三月十日付の貴方の手紙を受領いたしました。私は貴方の手紙と新潟県商工会議所会頭和田氏の付属請願書については最大級の考慮が払われるだろうことを保証いたします。」こういう返事が来ておりますが、この書簡について御存じであるかどうか、調達庁に何か連絡があったかどうか。書簡には、十分考慮したいと、書いてありますが、その問題は、日米合同委員会等の問題にして、両方で相談し合うことの意思があるかどうか、それをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/187
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188・丸山佶
○丸山政府委員 その事情は実は調達庁では存じておりません。そのような事情がありますれば、調査したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/188
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189・稻村隆一
○稻村委員 そういうふうなことがもしありとするならば、それじゃその問題に対して具体的にアメリカと話し合う意思があるんですか。その点、大臣、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/189
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190・倉石忠雄
○倉石国務大臣 今御指摘のようなことは、当方からそれぞれの機関に問い合せてみますが、そういう回答が出ておれば、それに基いてどういう意思であるかということを検討いたしまして、御相談をしてみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/190
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191・稻村隆一
○稻村委員 すぐやっていただけますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/191
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192・倉石忠雄
○倉石国務大臣 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/192
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193・山本粂吉
○山本委員長 石村君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/193
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194・石村英雄
○石村委員 まず先に基地関係で、ごく簡単に調達庁の方にお尋ねして、それについて一点だけ倉石国務大臣のお考えを聞きたい、こう思っております。
それは山口県の秋吉台という国、定公園があるんですが、そこが昭和二十四年から軍事基地になっておる。ところが当時山口市にアメリカの部隊がいたんですが、朝鮮戦線の関係で、前線に出て、その後アメリカの軍隊は山口に駐在してない。その結果、秋吉台という基地はアメリカ軍によって使用されないで、現在では自衛隊がこれを使っておるんですが、アメリカが自衛隊に又貸しをするということはできるんですか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/194
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195・丸山佶
○丸山政府委員 米軍に提供いたしました施設を自衛隊が使っておるということでございますが、これは米軍に提供している、この米車自体の管理権の範囲内において、自衛隊が使用しているものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/195
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196・石村英雄
○石村委員 管理権と申しますか、結局、事実上は又貸しをするということになっておるわけなんですが、米軍に基地として提供したものについては、土地の人々との契約にはそんなことはないわけです。一体、そういろ又貸し的なことが許されるのか、管理権の中にそういうことが含まっておるものなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/196
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197・丸山佶
○丸山政府委員 こちらが米軍に許可いたしました使用条件に従って、米軍がその土地を使う、一般的に管理する。その範囲内におきまして、その管理のもとに自衛隊が訓練する、いわばお客様のような形で行われておりますが、その程度のことは差しつかえないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/197
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198・石村英雄
○石村委員 その管理権の中で、そういう他の者に使用させることを認めている。それは日本とアメリカとの行政協定か何かの中に、そういうことははっきり認められている、こういう意味なんですか。管理権を与えているんだから、その中でどんなことをしても、こっちの知ったことじゃないという意味なんですか。そういう他の者へ使用させることを認める、心理権というものの中にそれが入っているという意味か、それとも向うが管理するんだから、日本政府としてはあずかり知らないところである、こういう意味なんですか。どちらですか、はっきりお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/198
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199・丸山佶
○丸山政府委員 使用条件に特にそういうものがうたわれていなくても、行政協定の二条によりまして、一般的に管理権を軍に提供しておりますので、その範囲内において向うが自衛隊等に使用さしておることは差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/199
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200・石村英雄
○石村委員 そういう解釈であるならば、私よく存じませんからこれ以上これについては聞きませんし、それなら倉石大臣にお尋ねする点もこの点でなくなりましたから、私とすれば倉石国務大臣は御用があれば一向差しつかえありません。またほかに調達庁に対してお尋ねすることがあるのですが、もし他の方が倉石労働大臣に御質問になるならばその方に先にやっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/200
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201・山本粂吉
○山本委員長 受田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/201
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202・受田新吉
○受田委員 大臣非常にお急ぎですからあなたのお立場を尊重して、今の石村君の同情ある御意見と合せて、ごく短時間二言だけお聞きしてあなたにお帰りを願います。私は先般の委員会であなたにお尋ね申し上げた事柄の中に、例の三公社五現業に対する調停において、すでに受諾したそれぞれの機関が示した結論は、国鉄において例をとるならば、五千円の一時金を出しておる。そのほかそれぞれの立場で少額であるが調停案に基いた決定がされておるのでありまするが、この三公社五現業に対する政府の態度とあわせて一般公務員に対する政府の態度とをお確かめ申し上げたいのでありますが、給与担当国務大臣として、一般公務員にはこの三公社五現業に対する措置と対応していかなる措置をしようとせられるか、最近におけるあなたの御抱負を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/202
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203・倉石忠雄
○倉石国務大臣 三公社五現業の調停につきましては、出ましたものは御存じの通りであります。そこで、あの調停案の第二の項目、一時金として五千円以上支出してもらいたいという案がありますが、そのことについて、政府は前申し上げましたように、三公社五現業は予算総則その他のところで、上った業績に応じて業績手当を支出することができる、こういう項目に基いて、同じ公務員ではありますけれども、五現業の従業員に対しては従来も業績手当を出しておりました。そこでこのたびの調停案についての解釈はいろいろございましたが、政府としては、これは従来通り行われたる業績手当と解釈いたしております。その後、日付は忘れましたが、この前の内閣委員会であなたからお尋ねになりました後であると思いますが、淺井人事院総裁から調停案についての解釈の問い合せを高木調停委員長にあててお出しになりました、その回答も出ております。その回答にも明らかに書いてありますように、私がこの前申し上げました政府の見解と同様に、これは業績手当であるといろふうにちゃんと書いてあります。従って業績手当でございますから、なるほど三公社五現業のうち、前回より金額の多いものもありますし、業績の上らない専売公社のごときは、五千円以上とありますのが二千五百円で労使双方とも業績を認識いたしまして妥結をいたした通りであります。そういうわけでありますから、一般公務員につきましては、業績手当の制度がございませんし、三公社五現業、特に五現業に業績手当が出ても、一般公務員に対して不均衡であるとは言えない、こういう見解でありますので、一般公務員については、昭和三十一年度予算において公務員法に認められたる定期昇給の原資を確保してやるということをはっきり私から公務員の諸君にも申し伝えまして、その他の処置はいたさない、こういうことに決定いたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/203
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204・受田新吉
○受田委員 三公社五現業のこの臨時的な措置は、いわゆる業績手当をもってこれに充当するのだという政府の解釈に落ちついた、こういうことでありますが、われわれはこれをもっと高い立場から見て、業績手当というものは、もう平素毎年々々適当にやっておるのであって、今ここで調停案として出されたものが五千円以上ということになっており、またそれによってのんだ当局の額も、多少の差はあっても調停案の精神をくんでのんでおるということになるならば、業績手当とは別の観点でお手当がもらえるという形に、公務員あるいは公社の職員の印象はなっておる。この点平素の業績手当で融通されたということでなくして、別にこうした調停案に基いた額がもらえるのだという気持においては、私たちは、あなたの御見解のように、簡単に日ごろもらっている業績手当の中へこれを含めていいというふうに考えるわけにいかぬと思うのでありまするが、政府として非常に責任のあることなので、業績手当で支給して出したものだからもう終ったのだというお考えは、わざわざここへ額を示して調停案が出されたという精神にもとると私は思うのでありますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/204
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205・倉石忠雄
○倉石国務大臣 公労法上の調停及び仲裁に関する法律上の問題はやかましくなりますからことでは遠慮いたしますが、そもそも三公社五現業が調停委員会に提訴いたしましたものはベース・アップなのでありまして、その他の問題については、訴えを起した裁判の判決の中に、ほかのよけいなことがたくさん書いてあったといったようなものでありますが、しかしそれもやはり調停案として示された以上はできるだけ実施するのが当りまえであるとは思います。そこで今の御指摘の調停案の、三公社については五千円以上を支出せよというふうに書いてございます。五現業については五千円以上と言いたいところだが、今日の状態では適当に経理内容の許す範囲で支出せよというふうに書いてございます。すなわち調停委員長が淺井人事院総裁に答えられましたのも、そういう趣旨で、三公社の経理内容を見たところが、今回の業績手当は五千円以上支出してしかるべきものであると認定した、こういうふうに調停委員会のお考えがきまったわけでございましょうから、その金額が前回と違っても、多少多くても、多少少くても、そのことが業績手当という金銭上の性格であるという点においては変っておらない。これは調停委員長の明示いたしておる文事の通りに政府も解釈をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/205
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206・受田新吉
○受田委員 業績手当というものは、平素でも融通のつくときには支出されておるのであって、今ここで特に取り上げて、この調停案に出された金額を業績手当に振り向けて解釈するという行き方は、これはあなたが人事院総裁に答弁した委員長の回答書があるからといっても、こういう解釈で一般公務員の場合に特典を与えなくてもよいのだという考え方にはならないと思う。この点は少くとも業績手当を支給してきた過去の三公社といたしましても、別にここに調停案をのんで、幾ら五千円を中心に額がきまったといっても、これは業績手当と別のものであるという印象を受けていることは、これは三公社の諸君にしたってもはや動かすことのできない事実なんです。それでなければわざわざこの金額をここへ明示して約束をするはずがないのであります。これは業績手当で済むことであるならば、今までと同じように、予算の許す限りで、給与準則に基く融通のつく限りの措置をすればいいのであって、わざわざ額を示したということ、専売が多少額が減っておるけれども、いずれにしてもベース・アップ及びこれに準ずる精神から出された調停案というものを、業績手当の中身にとけ込ますという解釈は、これははなはだ得手勝手な解釈だと私は思います。これはあなたといたしましては、業績手当で済むことであるならば、給与準則で融通していいものであるならば、わざわざここに額を示す必要はないとお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/206
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207・倉石忠雄
○倉石国務大臣 労働大臣の立場といたしましては、あの法律に基いて委嘱してあります調停委員会の委員長のなされた裁判に対して、とかくの批判を加えることは遠慮いたしたいと思いますが、調停案の従来の例にも、待遇の問題については、しばしば調停も仲裁も今度のような金額を指摘したものもたくさん出ております。そこで、今回一時金という名前が使われたところに、世の中に疑問を生ずる点があっただろうと思います。そこで労使双方とも一時金という名前は——業績手当というものは今受田さんおっしゃるように、年度末に大体常に出しておる。ところが今度一時金という名前をかぶせたのは、特に意味があるのであるという解釈をされる労働側もあるし、これはそうではないという解釈も成り立ったので、非常に紛争が続きましたが、最終的に裁判長である高木さんからこれは業績手当であるということでありますし、私どもといたしましてもそういう解釈でございますから、従来の取扱いとは少しも違っておらない、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/207
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208・受田新吉
○受田委員 そうしますと、今後適当に額を示しては業績手当といって逃げていけば、いつもこうした措置によって従業員側をごまかすことができるという結果になると思うのです。これはまことに数字のごまかしであって、実は調停案とは、別に業績手当よりほかのものでなくて、業績手当そのものを出せという意味だという解釈になると思うのです。これははなはだ解釈において政府のこじつけを調停委員会の委員長に押し売りしたような形になっておると私は思うのでありますが、あなたの御見解として、業績手当を出すのであれば、これは別にこういう何千円という額を示さなくても済むのであるから、従来の通り予算があれば給与準則で利益を上げたところでは、その利益を上げた分を給与として増してもいいようになっておる、ちゃんとした規則があるのでありますから、その給与準則に基いて出せばいいのであって、わざわざ額を示す必要はないとお考えじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/208
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209・倉石忠雄
○倉石国務大臣 それは少し私はあなたの御見解とは違う考えでありまして、業績手当というものについても、調停委員会は今度の紛争に対して、今年度の業績においてはこの程度は出してやるべきでないか、こういうことを認定いたしましたならば、それを掲げられることは毛頭差しつかえない、御自由のことで、政府がとやこう言うべき筋合いではありません。ただその場合にもしこのたびの調停案がかりに業績手当のことに触れないで、業績手当は別にして一万円出すべしとか、五千円出すべしというようなものが出たとすれば、おそらく三公社五現業も経理内容でそういうことは不可能だ、こういうことで仲裁委員会に持ち出していったであろうと思います。業績手当だということで、しからば今年度の経理内容はどうかということで、まず五千円くらいは出せようということで国鉄は出しました。専売は前年度はもっと出しましたが、本年度は調停委員会が五千円と言ったにもかかわらず二千五百円しか出せなかった。こういうことでありますから、これが業績手当であるということについては毛頭疑う余地がないことでございまして、調停委員長に政府が圧力をかける、裁判にわれわれが圧力をかけるなんていうことは毛頭考えておりませんし、もっと権威のあるものと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/209
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210・受田新吉
○受田委員 私は一般の公務員に対して、特に国家公務員に対しては、従来業績手当などで適当な措置をした場合に駒いても、超過勤務手当の前払い方式等によって別に法律の改正なくして行政措置として、何らかの形の給与に当るものを支給できる道もあると思うのです。こういう方法によってせっかく調停案によって当月がある程度の一時金を支給しているという段階において、政府自身にも一般公務員に対して今私が例をあげたような意味の措置をとって、その印象の上においてある程度の恩典も与えてあげ、また公務員と公社の諸君とのバランスをとるという意味においても、こうした措置をとる必要はないかと思うのでありますが、調停案が出され、これをのんで解決している公社、現業等の措置とにらみ合わせて、そこに何らかの色をつけるような措置を一般公務員にもする必要はないか、大臣としてもう一度意図されておるところをお示し願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/210
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211・倉石忠雄
○倉石国務大臣 私は公務員制度及び給与担当閣僚でございますから、一般公務員の方々の身分及び給与についてはできるだけ便宜、しかも有利になるように努力すべき立場でございますから、一般公務員の方々の俸給について現状のままで非常にけっこうなものだというようなことは少しも考えておりません、あたう限りよく待遇をしてあげることはいいことだと思っておりますが、今回の三公社、五現業の調停案を受諾いたしたことによって生ずる不均衡というものは、一般公務員にはない、こういう建前は変りがないのでありまして、それは御承知の通りであると思います。今超勤手当の繰り上げ支給というようねことのお話しもございました。このことはかってはそういうことはやったとともあるようでありますが、このことは受田さんもよく御存じのように、これは給与を乱るものであって、そういう邪道なことはできるだけやらない方がよいと思っており家す。ことにただいま公務員制度調査会の答申によって、政府は公務員一般の給与体系を整備しようとしておるところでありますし、やはりよくない先例はやらない方がよい。現に、あなたですから率直に申し上げますが、もう年度がかわりましたからして、超勤の繰り上げ支給ということをかりにやったといたしましよう。そういたしますと、やはり夏か年末には穴があいてくるのでありますから、補正予算を組むか何かして、それを埋め合わせるしか、予算の充足方法はありません。ところが政府はそういうことをやらない建前をとっておりますから、そこに生じた穴は、今度は夏か年末にはもう一文もやれないということになって、しかもやっておらない超過勤務をやったというふうなことにして繰り上げ支給をするというふうなことはおもしろくないと思いますし、そういうことは今回はやらない建前であります。こういうのが政府の考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/211
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212・受田新吉
○受田委員 そうしますと、一般公務員には何ら給与上の措置は必要がない、超勤なども実際はやってもいいけれども、あとから穴を埋めるのが大へんだから、そういう立場から遠慮したい、こういうことでありまするか。その穴埋めが何かの方法でできればやりたいんだけれども、それができないからという意味でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/212
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213・倉石忠雄
○倉石国務大臣 そういうことではありませんで、かりにやるとすればそういう結果に触るということを露骨に申し上げたのでありまして、今回の三公社五現業の調停案を妥結いたしまして、実行しても、一般公務員には不均衡な取り扱いをされたのではない、こういう解釈でありますから、処置をいたさないこういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/213
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214・受田新吉
○受田委員 私はこの三公社五現業関係の今回の措置は、これはそうした業績手当等でごまかしがきくものであるならば、何ら調停案を出し、かつそれを受諾したという意義がないと思うのです。さきにちょっと私触れたのですが、わざわざこの一時金の支給を約束をしたということには、これは平素の給与よりは、また一般の給与準則に基いて支給される業績手当とは別の額がもらえるという印象が、公社の職員にもまた現業の職員にもあるのです。これはあなたがいかにそれを業績手当として解釈するするとおっしゃっても、額を示されて、受諾されたこの一時金の支給というものは、これは単に平素の業績手当でごまかしが暫くのであるならば、わざわざその額を示す必要がないという意味に解釈するその人々の声の方が、私は妥当性を持っておると思う。従って調停案に何ら意義を持たせぬような解釈を政府がされるということは、はなはだしくこの調停案の権威を失わしむるものであり、もし調停関係の委員長からの人事院総裁に対する回答があったとしても、それは一つの儀礼的な回答で、人事院総裁において、すでにあなたの方へ書簡を送り、申し入れをされたというあの精神というむのは、十分これは盆かされなければならぬと思うのです。このままでこれを放任しておくことは、一般の公務員に対する非常な差別的印象を与えることだし、一般公務員にそうした一時金的な措置をとられたとしても、公社の職員がこれに対して不公平であると批判をするものでもないのであります。この点においては、この際何かの形で公社職員とバランスのとれるような措置にこれを持っていかれないと、業績手当にこれは含まれているんだからというような逃避的な解釈でこれを片づけられるということは、全国の公務員の士気にも影響すると思うのです。むしろこの際公務員の士気を高めるために、ごくわずかの額で済むのでありますから、これにあなた御自身が勇敢なる措置をとられることが、国の行政責任を果す上には非常に活気を呈すると思うのですが、あなたはごくわずかな給与上の措置によって、全国の公務員に与える影響というものをお考えにならぬでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/214
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215・倉石忠雄
○倉石国務大臣 今のお話の中に、かりに今回公務員にいわゆる一時金を支給しても、三公社五現業の従業員の立場から不公平という声は出ないだろうというお話でありますが、それは違うのでありまして、三公社五現業の方では、われわれの方はベース・アップの要求をしたが、ベース・アップは調停案の主文の中に書いてあるように、現在の給与ベースが必ずしも妥当であるとは思わないが、現在の国民経済その他の情勢に照してみて、今はそういうことをすべきときではない、こういうふうに書いております。従ってベース・アップはいたしません。そこで第二項で出されたのが、業績手当の面でありますが、あれが業績手当であるということの理解のもとに妥結をいたしました。これがそのほかに今度は一般公務員の方に一時金が出たということにねれば、三公社五現業の方が今度は不公平な取扱いを受けることになるのでありまして、そういう不公平なことは私どもとしてはいたしかねるのであります。従来三公社五現業のやって参りましたと同じやり方で行われたものでありますから、公務員においても同じく取扱いをいたす、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/215
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216・受田新吉
○受田委員 業績手当と了承して妥結した公社はどこでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/216
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217・倉石忠雄
○倉石国務大臣 このことについては、高木委員長に向って労使双方から問い合せをいたしております。そうして業績手当という解釈を企業側及び五現業の担当閣僚はいたして、それによって業績手当を支出いたされたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/217
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218・山本粂吉
○山本委員長 それでは石村さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/218
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219・石村英雄
○石村委員 調達庁にお伺いをいたしますが、さっきの秋吉台です。これについては最近米軍の方から、従来これは陸上部隊の演習に使うという条件で話し合いがついておったのですが、飛行機の爆撃演習地に使いたい、こういう申し入力があったということですが、調達庁としては、この米軍の申し入れを妥当なものというか、やむを得ぬものと考えられるか。とにかく住民の意思が問題でしょうが、調達庁自体としては差しつかえない、このようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/219
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220・丸山佶
○丸山政府委員 秋吉台付近の演習場の関係は、お話の通り、従来の陸上の演習使用という条件に変更を加えまして、飛行機の演習をやらしてくれ、こういう要求が昨年の十月ごろから参っております。これに関しまして、調達庁としていろいろ検討を加えて参ったのでありますが、この演習場の使用につきましては、もちろん地元の住民の方々の生活、生業、それから特に秋吉台という観光の地でもございますので、その方面の影響もまず第一に考慮しなければいけない。従来の陸上演習場でも、その点を考慮した使用制限の条件を付けておりますが、これに関して今回の飛行機演習というものが、どの程度どういうものであるか、十分に向う側の条項を聞き、なおそれが各種の影響を及ぼすという事情を検討いたしまして、とにかく行動範囲と申しますか、その演習地は、あそこはおそらく五百数十万坪あると思いますが、そのうちの八十万坪程度のところで、飛行機の演習というのも、小型の飛行機数機から砂を充填した模擬弾を下の地上の目的物に当てる練習をしよう、このような使用が主体でありまして、これが地元の生活、生業、あるいは観光事業というものに毛頭支障がないであろう、特に従来の毛皮の使用制限条項をはるかに下回る程度のものである、かように考慮をいたしましたので、この程度であるならば、使用条件変更もやむを得ないだろうと考えましたので、この実情を地元の県当局並びに市町村の方に御説明申し上げ、御納得を得るようにただいま話を進めておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/220
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221・石村英雄
○石村委員 この秋吉台というのは、御承知のように国定公園なんです。その中の大部分の区域が接収されておるわけです。演習場にされておるわけです。国定公園の中で実弾演習をやったり、飛行機が爆撃演習ほんかやったりしておる国定公園なんて意味をなさなくねると思う。しかもとこには天然記念物としての地域もあるわけでありますが、天然記念物自体を目標にはしないかもしれませんが、相当な広い区域ですから、あるいは砂にしても上から爆弾が落ちてくるということで、相当天然記念物も損害を受けるということも予想しなければならない。ただいまの御説明だと、主として観光上のことを言っていらっしゃるのですが、もちろん国定公園として観光上非常に全国的に珍しい地域だというので、現在秋芳洞という鍾乳洞の中から地上にエレベーターをつけて上の台地に上るという工事もやっている状況ですが、これの上で爆撃演習なんかやられたら、そうした施設も意味をなさなくなると考えるのです。しかもこれは観光上の地域だけでなしに、学術上も非常に重要な地帯だと思う。大正の終りだったと思うのですが、当時東大の地質学の人が、二十幾つかでとの秋吉台の研究をして、学校を卒業するとすぐ博士になり、学士院賞をもらったという、非常に日本の地質学上重要な地域なんですから、そこが爆撃演習にされるということが妥当ねことだとお考えになった理由はどうもはっきりしない。被害が少い、砂だから大丈夫だというが、砂といっても爆弾の中へ入って落ちてくるのだから、頭へ当れば死ぬかもしれぬと思います。一向そういう支障はないという御判断でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/221
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222・丸山佶
○丸山政府委員 ただいま申し上げましたように、この飛行機演習からくる天然記念物その他学術上、観光事業、農業その他民生に及ぼす影響を十分に考慮いたまして、概略は先ほど申し上げましたように、一定の目標に対する砂を詰めた模擬弾であって、このものであれば現在の計画では決して支障を及ぼすものではないと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/222
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223・石村英雄
○石村委員 新聞で見表すと、秋芳洞から二キロ離れたところでやるのだから大丈夫だと調達庁では御判断なすったというように出ておりますが、やはりそのようにお考えになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/223
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224・丸山佶
○丸山政府委員 担当の、詳しい者から説明させたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/224
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225・磯淳爾
○磯説明員 私からかわって御説明申し上げます。目標の個所は、まず着弾地とその周囲に危険区域を設けておりまして、着弾地の円を描きますと約半経千五百フィートのごく小範囲のところでございます。その中に三カ所の固定的な目標を設けまして、しかもその目標の周囲には土のうを設け、艦載機が秋吉の鍾乳洞の地帯を避けて他の地域から飛んで参って、低空に下りて三ポンドないし二十五ポンドの模擬爆弾を投下するのであります。そういうふうにいたしておりまして、爆弾の大きさも小さいし、同時にまた飛行機の進入路あるいは回路等も考えております。目標物が固定的である。しかもその地形並びに地質等も考えましてこれに演習をさせるということにいたしておりますので、特に観光上の問題につきましては、軍との間にも数回の交渉をいたしまして今日まで参っております。従いまして御懸念の点はないものと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/225
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226・石村英雄
○石村委員 観光の点では、とかく秋芳洞という鍾乳洞だけが観光の地点だとお考えのように思う。ところがこの秋吉台は、なるほど日本でも珍しい大きな鍾乳洞ですが、あの上の台地が観光上また学術上も非常に価値のある地点なんです。鍾乳洞自体は規模が少し小さければ全国どこにもあるのであって、これは少し大きいというだけだ。むしろ秋芳洞を含んだ鍾乳洞以外に景清穴等台地の下にたくさんありますが、あの上の台地の特異ね景観が観光上意義があるし、また学術上も意義がある。この演習掛の中には、たしか地獄谷と称する天然記念物も入っていると思う。新聞に出ている攻撃目標を見ますと、新聞の記載があるいは違うかもしれませんが、この地獄谷という天然記念物に非常に近く設定されている。かつては地獄谷というのを目標に米軍が大砲を撃ったり何かして非常に問題を起したのですが、そういう地帯のすぐそばが攻撃目標地帯になっている。調達庁が単に鍾乳洞だけを問題にしていらっしやるとすると、非常に実情にうとい御見解だと私は考えるわけです。秋吉台の秋芳洞という鍾乳洞に行ったら、上の台地を見なければカルスト地帯という特異な風景を知ることはできない。その上にあがれば射撃演習が行われるということになると、観光上せっかく行っても目的はほとんど果されないという結果を招来すると考えるわけです。もし秋芳洞という鍾乳洞に影響がないからというだけの御判断でおったら非常な間違いであろうと考えますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/226
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227・磯淳爾
○磯説明員 観光上の点を先ほどから説明をしたのでありますが、天然記念物のことも十分考慮にはいたしております。二十四年占領期間中に接収され、二十八年にさらに新しく行政協定によって施設となりました際に、秋芳の鍾乳洞だけではなしに、天然記念物の個所も演習場から除外されておりまして、従いまして今回の物合にもその除外されたところはそのまま使わないということにいたしております。なおこの地帯一帯がそういう事情になっておりますととはよく承知いたしておりますので、なるべくそういう点についての考慮も、現実に米側とも話し合いをしてやりたいと考えております。それから御承知のように、この施設は、在来は全地域が被弾地区として大砲、臼砲等自由に米側の陸上演習では使えるというものであったものを、今回はこの申出を機会といたしまして、その危険区域、目標物の地域等もしぼっております。在来提供しておりました条件よりかはるかに軽くなっておるといろごとははっきり申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/227
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228・石村英雄
○石村委員 縮小せられたそうですが、縮小ということは、今度の爆撃演習の地域だけの意味で縮小するのですか、従来から基地になっている地域自体の全体を縮小するという御方針なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/228
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229・磯淳爾
○磯説明員 縮小すると申しましたその点は、着弾区域と危険区域の点ではるかに在来よりか縮小されているといろのでありまして、在来提供されておりまする地域は、安全地域として生業に自由に立ち入りができるようにということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/229
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230・石村英雄
○石村委員 それから私はさっき地獄谷と申しましたが、朝日新聞に出ておる地図を見ましても、これは地獄谷とは書いてないのですが、おそらくその地域だと思われる区域の中に天然記念物が入っておる。これは間違いなんでし士ろか。私の従来の理解あるいはこの新聞の地図自体が間違いであって、天然記念物は全然この地域の中には入っていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/230
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231・磯淳爾
○磯説明員 私はまだその新聞をよく承知いたしておりませんので、後ほどまた調べまして、先生のおっしゃいますよらな点についてはよく研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/231
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232・石村英雄
○石村委員 新聞の図が違っているとかいないとかいう意味でなしに、あなたの言われるのは、秋吉台の提供区域内には天然記念物は入っていないという御趣旨かどうかということをお尋ねしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/232
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233・磯淳爾
○磯説明員 すでに二十八年の施設決定の場合に地元とよく話し合いをいたしまして、天然記念物の個所は取り除いてあると私どもの方では聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/233
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234・石村英雄
○石村委員 二十八年のときにも実は非常に問題になったので、あるいはそういう決定になっておるかと思うのですが、私の方でも調べてまたお尋ねします。それで、この爆撃演習をしたいという米軍の希望があり、また日本政府としても地元の了解があればこれを認めようというお考えのようですが、実際は地元には最近非常な反対が起っておるわけなんです。その反対を押し切ってでも、砂川のように、強制収用なり何なりをする、また場合によっては協力金を払ってでもやろうというほどの緊急というか重要性をお認めになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/234
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235・丸山佶
○丸山政府委員 ただいま説明員からお話しました通り、今回の計画では従来以上の地元よりの支障はない、ないのみならず、むしろ従来地上部隊で許されておった演習条件も緩和する、こういう方針で計画を進めておりますので、この程度であるならば地元の方にも御納得がいけると考えておる次第であります。しかし、具体的に現実にこの計画を地元の方が見られて当てはめて考えられたならば、われわれの考えねいような、この点の支障がある、あの点の支障があるということもあろうかと存じますので、すでに一、二回地元の方にも、また県当局等にも御説明申し上げましたが、なお十分によく見ていただいて、御納得の上において使用条件変更ということに応じたい考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/235
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236・石村英雄
○石村委員 これは毎年三月末で期限が切れるのを、前年の十二月にいつも翌年度の分の契約をするようになっておる。今度のこの問題は、十月にアメリカの方から申し入れがあった。もし昨年の十二月に契約の更改をする場合にその話を聞いておったら、やるのでなかったという地元の声もあるわけなんです。また、最近自衛隊が使っておって、その銃弾が農家に飛んできて問題を起しておるということもあって、地元は容易なことではこういう了解はしないと思うのです。しかし、それは地元の考えですが、こういう地帯は特殊な地帯であり、かりに地元がいいといっても、単に協力金を出してでも承諾させようということだけでは、この地帯は提供さすべき地域ではないと私は考えます。どうかこうした特殊な観光地帯、天然記念物を多く包含しておる地帯を、射撃演習、地上部隊の演習に使うことは、将来の問題として十分御考慮願いたいという希望だけを申し上げまして、私の質問をやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/236
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237・山本粂吉
○山本委員長 本日はこれにて散会いたします。
午後四時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X03419560411/237
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